JP6840722B2 - フロースルー方式による病原体の低減 - Google Patents

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Description

本出願は、2015年7月23日に出願された米国特許仮出願第62/195,995号明細書(タイトル:フロースルー方式による病原体の低減/不活性化)の優先権を主張するものであり、該米国特許仮出願の全体は、ここでの開示により明確に本出願に組み込まれる。
生体液等の流体が感染の恐れなしに患者に安全に投与されることを確実にするための絶え間ない必要性が存在する。例えば、患者に注入された血液及び血液成分は、患者に注入された時に患者に感染する可能性のある病原体を含み得る。
従って、流体中の病原体を効率的且つ効果的に減少させる必要がある。
本発明の実施形態は、上記の点及び他の点を考慮してなされた。しかしながら、上述した比較的具体的な課題は、実施形態の適用可能性を限定するものではない。
本節は、本発明のいくつかの実施形態の態様を簡単な形式で説明するためのものであり、本発明の重要な又は必須の要素を特定することを意図していないし、また、実施形態を制限することを意図しているものでもない。
流体中の病原体を低減するための実施形態が提供される。該実施形態は、システム、装置及び方法を含む。一実施形態に係るフローセルは、複数のチャネルを有し、病原体が低減される流体は該チャネルを流れる。フローセル及び流体は、複数の方向から照射され、流体中の病原体が低減される。流体には、病原体低減プロセスを補助するために、光増感剤を含ませてもよい。
他の実施形態では、流体中の病原体を低減するシステムが提供される。該システムは、複数のチャネルを有するフローセルと、照射システムと、を備える。いくつかの実施形態では、各チャネルは、0.150mm未満の深さである。照射システムは、各チャネルを複数の方向から照射するように構成される。
さらに他の実施形態では、流体中の1又は複数の病原体を低減するための方法が提供される。該方法は、流体を、第1流量で、所定の深さ及び所定の幅を有する複数のチャネルが設けられたフローセルに導入する工程を有する。いくつかの実施形態では、該チャネルは直線状である。該方法は、前記チャネルを紫外光で少なくとも2つの方向から照射する工程をさらに有する。最終的に、該方法は、前記流体中の病原体を少なくとも対数減少値1.5で低減させる。
非制限的且つ非包括的な実施形態が、添付図面を参照して説明される。
図1Aは、本発明の実施形態に係るフロースルー方式病原体低減システムの図である。図1Bは、他の実施形態に係るフロースルー方式病原体低減システムの図である。 図2は、本発明の実施形態に係る、フローセルの斜視図である。 図3は、図2に示すフローセルの上面図である。 図4は、図2に示すフローセルの断面図である。 図5は、図2に示すフローセルの分解図である。 図6は、図2に示すフローセルの一部品の底面図である。 図7A〜図7Cは、図6に示すフローセルの部品の断面図である。 図8は、図2に示すフローセルの別の部品の上面図である。 図9は、図8に示すフローセルの部品の断面図である。 図10は、実施形態に係る、フローセルホルダの斜視図である。 図11Aは、クランプ機構が閉じた状態にあるフローセルホルダの側面図である。図11Bは、クランプ機構が開いた状態にあるフローセルホルダの側面図である。 図12Aは、実施形態に係るクランプ機構及び照射システムの一部の側面図である。図12Bは、クランプ機構及び照射システムを含む図10のフローセルホルダの断面図である。 図13は、実施形態に係る、クランプ機構のプレートの図である。 図14は、実施形態に係る、クランプ機構のプレート及びフローセルの図である。 図15は、他の実施形態である第2の実施形態に係るフローセルの図である。 図16は、図15に示すフローセルの分解図である。 図17は、図15に示すフローセルの上面図である。 図18は、実施形態に係る流体中の病原体を低減するプロセスのフローチャートである。 図19は、実施形態を実施するために使用される基本コンピュータのブロック図である。 図20は、対数減少値と滞留時間のグラフである。 図21は、対数減少値と流量のグラフである。 図22は、血漿/リボフラビン50%透過距離のグラフである。 図23は、アクリルUVT透過率のグラフである。 図24は、所定流量に対する深さの関数として対数減少値を示すグラフである。
本発明の原理は、以下の詳細な説明及び添付の図面に示された実施形態を参照することによってさらに理解されるであろう。特定の特徴が示され、詳細な実施形態に関して以下に説明されるが、本発明は、以下に記載される或いは図面に示される実施形態に限定されないことを理解されたい。いくつかの実施形態は、全血又は血液成分(例えば、血漿、血小板、赤血球、白血球、バフィーコート、又はそれらの組み合わせ)中の病原体を減少させることに関して記載されていることに留意されたい。しかしながら、本発明は、任意の特定の流体を用いた使用に限定されない。むしろ、特定の実施形態は、生物学的流体、非生物学的流体、又はそれらの組み合わせを含む他の流体で実施されてもよい。
以下では、添付図面に示され、以下で説明される実施形態を参照して詳細に説明される。可能な限り、図面及び以下の記載において、同一又は同様な部分に対しては、同じ参照符号が使用される。
図1Aは、実施形態に係る、流体中の病原体を減少させるために使用され得るシステム100を示す。システム100は、フローセルシステム104及びフローセルホルダ108を含む。以下により詳細に説明するように、フローセルシステム104は、流体中の病原体を減少させるためにフローセルホルダ108と協働することができる。
フローセルシステム104は、実施形態において、病原体を減少させるべき流体を収容する第1の容器(例えば、バッグ112)を含む。バッグ112は、チューブ116を介してフローセル120に接続されている。チューブ116は、バッグ112からフローセル120への流体連通経路を形成する。 フローセル120は、チューブ124を介して第2の容器(例えば、バッグ128)に接続される。チューブ124は、フローセル120とバッグ128との間に流体連通経路を形成する。
フローセルホルダ108は、照射システム132を含む。図1Aに示すように、照射システム132は、2つの光源136、140を含む。以下でより詳細に説明するように、フローセルシステム104は、流体中の病原体を減少させるために照射システム132と共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、フローセルシステム104は、流体の一回分の容積中の病原体を減少させるために使用された後、置換される使い捨てシステムとして実施され得る。
図1Bは、別の実施形態による別のフロースルータイプの病原体低減システム150を示す。図1Bに示すように、システム150は、フローセルシステム154及びフローセルホルダ158を示す。フローセルシステム154は、実施形態において、血液又は血液成分(例えば、赤血球、血漿、血小板、バフィーコート、白血球、又はそれらの組み合わせ)である病原体を減少させる流体を含む第1の容器(例えば、バッグ162)を含む。バッグ162は、チューブ168を介してフローセル170に接続されており、バッグ162からフローセル170への流体連通経路を形成する。フローセル170は、チューブ174を介して第2の容器(例えば、バッグ178)に接続される。チューブ174は、フローセル170とバッグ178との間に流体連通経路を形成する。
図1Bに示すように、フローセル170は、フローセルホルダ158内に配置されており、フローセルホルダ158は、照射システム182を含む。フローセル170は、2つの光源186、190の間に配置されている。実施形態では、光源186及び光源190は、流体に対する病原体低減プロセス中に、少なくとも2つの方向からフローセル170を照射するように構成される。実施形態では、フローセルホルダ158は、フローセル170を保持し且つ病原体低減プロセスが完了した後に該セルが取り外されることを可能にする特徴を有するように構成することができる。該特徴のいくつかの非限定的な例としては、クリップ、レール、棚、付勢部材、ばね、摺動部材、係止部材等が挙げられる。
システム150はまたスタンド194を含む。スタンド194は、基部及び柱部を含むことができる。
動作において、使用者は、スタンド194の柱部からバッグ162を掛けることによって病原体低減プロセスを開始する。バッグ162は、ある実施形態では、病原体を減少させる流体を含むことができる。例えば、流体は、全血又は血液成分(例えば、赤血球、血漿、血小板、バフィーコート、白血球、又はそれらの組み合わせ)であり得る。以下に開示されるように、いくつかの実施形態において、流体は病原体低減プロセスを助ける追加の物質、例えば光増感剤を含んでもよい。次いで、ユーザは、フローセルホルダ158内の光源186と光源190との間に、フローセル170を配置する。
光源186、190は、少なくとも2つの方向からフローセル170を照射するように作動されてもよい。流体フロー制御装置198は動作されることによって(例えば、開状態にされることによって)、流体がバッグ162からフローセル170に流れることが可能になる。いくつかの実施形態では、流体フロー制御装置198としては、クリップ、クランプ、破断部材、ポンプ、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上のものが使用される。他の実施形態では、別の位置(例えばチューブ174に沿った場所)に配置された流体フロー制御装置196のように、複数の流体フロー制御デバイスが設けられてもよい。いくつかの実施形態では、流体フロー制御装置196は、フローセル170を通って流体を引き出すために、フローセル170に負圧を生成するポンプであってもよい。
さらに他の実施形態では、流体フロー制御装置(例えば、流体フロー制御装置198、196)は、チューブ168及びチューブ174の両方に配置することができる。使用者は、両方の流体フロー制御装置を作動させて、流体をバッグ162からフローセル170に流すことができる。いくつかの実施形態では、流体フロー制御装置196、198は、別々に動作させることができる(例えば、196をオン且つ198をオフ、或いは196をオフ且つ198をオン)。
流体がフローセル170を通って流れるとき、流体は光源186、190によって照射されて、病原体を減少させることができる。病原体の減少後、流体は、フローセル170からバッグ178に流入して貯蔵することができる。
実施形態では、光源186、190は、病原体低減効果を与える特定の波長の光を放射することができる。例えば、光源186、190は、約100nmと約400nmの間の波長を有する光のような紫外線スペクトルの光を放射することができる。いくつかの実施形態では、さらに特定された範囲内の紫外線を放射する光源が使用される。いくつかの非限定的な例として、いくつかの実施形態では、UVA(約315nm〜約400nmの波長)、UVB(約280nm〜約315nmの波長)及び/又はUVC(約100nm〜約280nmの波長)を放射する光源が利用される。理論に束縛されるものではないが、紫外線からのエネルギーが核酸を破壊し、DNAを破壊し、微生物の細胞プロセスを妨害する可能性があると考えられている。その結果、ウイルスや細菌等の病原体が死ぬ。紫外線は一例に過ぎない。使用され得る光の可能な波長の他の非限定的な例としては、紫色光(約400nm〜約420nmの波長)、藍色光(約420nm〜約440nmの波長)、青色光(約440nm〜約490nmの波長)、及び緑色光(約490nm〜約570nmの波長)のような可視光が挙げられる。実施形態では、光源186及び/又は光源190は、上記の範囲のいずれか又は上記の範囲の任意の組み合わせで光を放射する。
他の実施形態では、光に加えて、流体は、病原体の減少を助ける光増感剤等の追加の物質を含むことができる。理論に束縛されるものではないが、光増感剤は、光エネルギー(例えば、紫外光)によって活性化され得る分子を含むと考えられている。光増感剤(又は活性化から生じる反応生成物)は、DNA中の結合を破壊する。ウイルスやバクテリア等の病原体では、このような破壊によって、病原体の死滅や生殖不能に至る。いくつかの実施形態において使用され得る光増感剤のいくつかの非限定的な例としては、ポルフィリン、フラビン(例えば、リボフラビン)、ソラレン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
また、図2〜図9は、いくつかの実施形態に係る、フローセル200及びフローセル200を構成する部材の図を示す。図2に示すように、フローセル200は、第1部材204及び第2部材208を含む。フローセル200はまた、複数のチャネル212と、入口マニホールド216と、入口ポート220と、出口マニホールド224、228と、出口ポート232とを含む。
図2を参照すると、動作中に、病原体低減される流体は、入口ポート220を介してフローセル200に導入される。流体は、入口マニホールド216に入り、複数のチャネル212へ流入する。複数のチャネル212を流れた後、流体は出口マニホールド224、228に流入する。最後に、流体は、出口ポート232を通ってフローセル200から流出する。実施形態では、流体は、フローセル200を流れるプロセスを通して、光エネルギーに曝される。他の実施形態では、流体は、チャネル212を通過するときにのみ、光エネルギーに曝されてもよい。以下でより詳細に説明するように、フローセル200の特徴は、流体を、流体中の病原体を減少させる光エネルギー(及びいくつかの実施形態では感光性材料)に曝露することを可能にする。実施形態では、フローセル200は、フローセル200を通って処理される流体が、所定量だけ病原体を減少させるための光エネルギーへの曝露閾量を有するように設計される。すなわち、流体には、流体中の病原体を所定量だけ減少させるために、光エネルギーの最小限の量が与えられる。実施形態では、該プロセスは、約1、約1.5、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、又はさらに約6.0の対数減少をもたらし得る。
また、実施形態は、光エネルギーへの曝露最大閾量を超えることを回避するように設計されてもよい。すなわち、流体が閾値を超える光エネルギーの量に曝されると、流体の他の成分が悪影響を受ける可能性がある。例えば、あまりにも高いエネルギーは、流体中に維持されることが望まれるタンパク質を変性させる可能性がある。
上述したように、フローセル200は2つの部材から構成されているとして示されている。これは、ある実施形態に係るフローセルがどのように構築されるかの一例に過ぎない。他の実施形態では、フローセル200は、1つの部材、又は2つよりも多い部材から構成されてもよい。例えば、図15〜図17は、3つの部材から構成されたフローセルの実施形態を示す。
フローセル200に戻ると、第1部材204及び第2部材208は、流体を処理する際に使用される光(例えば紫外線及び/又は可視光)に対して透明な材料から作製される。例えば、第1部材204及び第2部材208は、ポリマー、ガラス、セラミック、複合材、又はそれらの組み合わせから作られる。いくつかの実施形態では、第1部材204及び第2部材208は、所定の波長の光(例えば、紫外、紫、藍、青、緑等)に対して透明なポリマー材料から作製される。
いくつかの実施形態において使用され得るポリマー材料の例としては、限定されないが、アクリル及びポリカーボネートが挙げられる。ある実施形態では、部材204、208の両方は、同じ又は同様の材料から作製される。他の実施形態では、部材204、208は、異なる材料から作製されてもよい。一実施形態では、第1部材204及び第2部材208は、320nm以下の波長の紫外光に対して透明なポリマー材料(例えば、アクリル)から作製することができる。別の実施形態では、第1部材204及び第2部材208は、ポリマー材料(例えば、アクリル)から作製されてもよい。
図2に示すように、第1部材204及び第2部材208は貼り合わせられて、フローセル200が形成される。いくつかの実施形態では、部材204、208は、それらの外周部において貼り合わせられる。すなわち、部材204の外周部204A(図5)の周辺部分は、例えば、接着剤、溶剤溶接、RF溶接、超音波溶接、レーザ溶接等によって、部材208の外周部208A(図8)の周辺部分に貼り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、部材204、208の外周部のみが貼り合わされており、部材204、208の内部部分は貼りあわされていなくてもよい。これらの実施形態では、後述するクランプ機構を使用して、フローセル200に圧力を加えて、部材204と部材208を、特に2つの部材が貼りあわされていない内部を押し合わせることができる。この圧力は、チャネル212の寸法を維持するのに役立つ。
図3に示すように、複数のチャネルは、入口マニホールド216と出口マニホールド224、228との間で流体連通を形成する。実施形態では、複数のチャネル212は、流体中の病原体を減少させるのを助ける特性を有する。
図4は、AA−AA線(図3)に沿ったフローセル200の断面を示す。図4に示すように、複数のチャネル212の各々は、深さ212A及び幅212Bを有する。いくつかの実施形態では、チャネル212の深さ212Aは、病原体減少を行う対象流体が、少なくとも1つの病原体に対して所定の対数減少を行うために必要な光エネルギーに曝されることを確実に行えるように選択される複数のパラメータ(例えば、深さ、流量、エネルギー量等)のうちの1つである。
実施形態では、深さ212Aは、処理される流体に基づいて選択される。理論に束縛されるものではないが、光エネルギーを効果的に使用して病原体を減少させるためには、光は病原体を減少させるべき液体の深さを透過するべきであり、また該流体を最小限の光エネルギー量に曝露すべきであると考えられている。理解されるように、光の透過は、とりわけ、流体の種類、流体の透過率、及び流体の厚さ(例えば、流体が流れるチャネルの深さ(212A))に依存する。さらに、流体が受ける光エネルギーの線量は、流体が光エネルギーに曝される時間によって影響を受ける。すなわち、流体が光エネルギーに曝されるゾーンにおいて、流体がどれくらいの時間、滞留するかということである(例えば、流体の流量)。
図24は、フローセル(例えば、フローセル212)を通って流れる流体の病原体減少に影響を及ぼす最小エネルギー線量と深さサイズとの間における関係を示すグラフ2400を示す。最小エネルギー線量とは、チャネル深さの中点に位置する流体要素が受ける(面積当たり)エネルギー曝露量の総量を意味する。図24に示す実施形態では、流体は、所定の流量(例えば、10ml/分)で流れる。理論によって束縛されるものではないが、小さな深さサイズでは、流体要素はチャネルを急速に、例えば高速で、流れると考えられている。すなわち、光に曝されるゾーンで費やされる時間(例えば、滞留時間)は、流体要素が多くのエネルギー曝露を受けるには短すぎる。深さサイズが増加すると、速度が減少し、滞留時間が増加し、結果として流体要素に到達する光エネルギーの量が増加する。深さがさらに深くなるにつれて、チャネル深さの中点まで透過伝達する光エネルギーの量は指数関数的に減少する。従って、滞留時間が増加しても、流体要素によって受け取られる光エネルギー曝露の量は減少し始める。図24に示すように、病原体減少をもたらすための光エネルギーの最大量が中点に位置する流体要素に到達する最適深さ2404が存在し得る。実施形態では、最適深さ2404が、チャネル212の深さ212Aとして選択される。
いくつかの実施形態では、病原体を減少させる流体が赤血球(全血又は濃縮赤血球)を含む場合、深さ212A(図4)は、所定の病原体減少(例えば、対数減少値)を達成するため、所定の流量範囲及び最小照射量に基づいて選択される。これらの実施形態では、深さ212Aは、約0.025mm〜約0.200mmであり、例えば約0.05mm〜約0.175mm、約0.075mm〜約0.150mm、又は約0.100mm〜約0.125mmである。ある実施形態では、深さ212Aは、約0.200mm未満、又は約0.175mm未満、又は約0.150mm未満、又は約0.125mm未満、又は約0.100mm未満、又は約0.075mm未満である。他の実施形態では、深さ212Aは、約0.025mmより大きく、又は約0.05mmより大きく、又は約0.075mmより大きく、又は約0.100mmより大きく、さらには約0.125mmより大きくてもよい。病原体を減少させる流体が全血を含む実施形態では、深さ212Aは、約0.075mmと約0.150mmの間、又は約0.100mmと約0.125mmとの間である。病原体を減少させる流体が濃縮赤血球を含む実施形態では、深さ212Aは、約0.0125mmと約0.100mmの間、又は約0.025mmと約0.075mmとの間である。
いくつかの実施形態では、病原体を減少させる流体が血小板及び/又は血漿を含む場合、深さ212Aは、所定の病原体の減少(例えば、対数減少値)を達成するため、所定の流量の範囲及び最小照射量に基づいて選択される。これらの実施形態では、深さ212Aは、約0.150mm〜約2mmであり、例えば約0.175mm〜約1.5mm、約0.200mm〜約1mm、又は約0.225mm〜約0.500mmである。実施形態では、深さ212Aは、約2mm未満、約1.75mm未満、約1.5mm未満、約1.25mm未満、約1mm未満、約0.75mm未満、約0.50mm未満、約0.400mm未満、約0.300mm未満、又は約0.200mm未満である。他の実施形態では、深さ212Aは、約0.100mmより大きく、約0.200mmより大きく、約0.300mmより大きく、約0.400mmより大きく、約0.500mmより大きく、約0.600mmより大きく、約0.700mmより大きく、約0.800mmより大きく、約0.900mmより大きく、約1.00mmより大きく、又は約1.500mmより大きくてもよい。病原体を減少させる流体が血漿及び/又は血小板を含む実施形態では、深さ212Aは、約0.150mm〜約2mm又は約0.200mm〜約1.5mmの間であってもよい。
他の実施形態では、幅212Bは、フローセルを通って処理される流体の流量を増加させるように選択される。言い換えれば、幅212Bが大きいほど、フローセル200を流れる流体の流量が大きくなる。いくつかの実施形態では、幅212Bは、約1mm〜約20mm、約1.25mm〜約17.5mm、約1.5mm〜約15mm、約1.75mm〜約12.5mm、又は約2.0mm〜約10mmである。ある実施形態では、幅212Bは、約0.5mmより大きく、約1mmより大きく、約1.5mmより大きく、約2.0mmより大きく、又は約2.5mmより大きくてもよい。他の実施形態では、幅212Bは、約25mm未満、約20mm未満、約15mm未満、約10mm未満、又は約5mm未満であってもよい。
ある実施形態では、幅212Bは、深さ212Aに対する幅212Bの所定の比程度の広さである。例えば、ある実施形態では、深さ212Aに対する幅212Bの比は、約150未満、約125未満、約100未満、約75未満、約50未満、約25未満、約20未満、約15未満、又は約10未満であってもよい。他の実施形態では、幅212Bの深さ212Aに対する比は、約2より大きく、約3より大きく、約4より大きく、又は約5より大きくてもよい。
いくつかの実施形態では、流体セル200を通る流体の流量を増加させるには、幅212Bを大きくする代わりに、流体セル200が、より多くのチャネル212を有すればよい。いくつかの実施形態では、フローセル200は、約20より多い数のチャネル、約30より多い数のチャネル、約40より多い数のチャネル、約50より多い数のチャネル、約60より多い数のチャネル、約70より多い数のチャネル、約80より多い数のチャネル、約90より多い数のチャネル、又は約100より多い数のチャネルを有してもよい。いくつかの実施形態では、フローセル200は、約1000未満の数のチャネル、約900未満の数のチャネル、約800未満の数のチャネル、約700未満の数のチャネル、約600未満の数のチャネル、又は約500未満の数のチャネルを有してもよい。
上述したように、図5に示すように、フローセル200は、ある実施形態では、第1部材204と第2部材208を貼り合わせることによって構成することができる。部材204、208の各々は、互いに貼り合わせたときに上述したようにフローセル200の構造を形成し、異なる特徴を含むことができる。図6〜図9は、部材204、208の種々の図を示す。
図6は、フローセル200の部材204の底面図を示す。図6に示すように、部材204は、フローセル200内にマニホールド216、224、228を形成するチャネルを含む。マニホールド216、224、228は、実施形態では、フローセル200を通る流体の流れを助ける特定の構造的特徴を有する。
ある実施形態では、フローセル200は、流体がフローセル200を通って流れる際の圧力低下を減らすための特徴を含むことができる。圧力が低下すると、流体が全てのチャネルを通って流れず、流体の流れ始めの際に流れる少数の第1チャネルのみを通って流れる短絡状態が生じる可能性がある。また、該特徴によって、停滞した流体が光エネルギーに過剰に曝露される可能性のある問題に対処することができる。
(マニホールドの)これらの特徴のいくつかは、マニホールド216、224、228の形状及び構造を含む。図6〜図7Cに示すように、マニホールド216、224、228は、先細構造を有する。すなわち、マニホールドの断面積は、いくつかの場所ではより大きく、マニホールドの長さに沿って小さくなっていく。
例えば、マニホールド216は、先端216Bよりも基端216Aに大きな断面積を有する。図7Aは、線BB−BB(図6)に沿った部材204の断面を示している。図7Bは、CC−CC線(図6)に沿った部材204の断面を示している。図7Cは、線DD−DD(図6)に沿った部材204の断面を示す。図7A〜図7Cに示すように、マニホールド216の長さに沿って基端216Aから先端216Bにいくにつれて、断面積は次第に小さくなる。
同様に、マニホールド224は、基端224A及び先端224Bを有し、マニホールド228は、基端228A及び先端228Bを有する。図6に示すように、マニホールド224、228は、部材204において、マニホールド216の基端216Aと同じ側に先端224B、228Bを有する。図7A〜図7Cに示すように、マニホールド224の長さに沿って先端224B、228Bから基端224A、224Bにいくにつれて、断面積は次第に大きくなる。
なお、図7A〜図7Cは、マニホールド216、224、228の断面を特定の形状で示しているが、他の実施形態では、異なる断面形状を有していてもよい。いくつかの非限定的な例として、マニホールド216、224、228は、正方形、長方形、三角形、楕円形、ダイヤモンド形、又は他の断面形状を有してもよい。
実際のマニホールドの特徴に加えて、フローセル200は、フローセル200内の圧力を管理するために他の特徴を利用してもよい。例えば、マニホールドの数、マニホールドのパターン(すなわち、配置)、マニホールドの長さ、チャネルの長さを変更することによって、フローセル200における圧力低下及び流体フローを制御できる。
図8は、フローセル200の部材208の上面図を示す。図8に示すように、部材208は、フローセル200にチャネル212を形成する特徴、すなわち複数の壁236を含む。図9は、EE−EE線(図8)に沿った部材208の断面図を示す。図8及び図9に示すように、チャネル212の数、幅及び深さは、壁232の寸法によって構成される。
図3に再び戻って、部材204、208が、例えばそれらの外周部204A、204Bに沿って貼り合わされると、フローセル200の構造(マニホールド216、224、228、チャネル212を含む)が形成される。図3に示すように、壁236は、マニホールド216とマニホールド224との間、及びマニホールド216とマニホールド228との間にチャネル212を形成する。図3に示すように、複数のチャネル212の少なくとも1つは、マニホールド216の基端216Aとマニホールド224の先端224Bとの間の流体連通を形成する。同様に、複数のチャネル212の少なくとも第2のチャネルは、マニホールド216の基端216Aとマニホールド228の先端228Bとの間の流体連通を形成する。いくつかの実施形態では、外周部204A、208Aのみが貼り合わされ、部材204、208の内部は、貼り合わされない(例えば、接合されていない)。
図10は、一実施形態によるフローセルホルダ1000の斜視図を示す。フローセルホルダ1000は、流体をフローセルに流しながらフローセルを照射する際にフローセル(例えば、フローセル200)を保持するように構成される。後述するように、フローセルホルダ1000は、実施形態において、病原体低減プロセスを助けるための他の特徴/機構を含むことができる。
フローセルホルダ1000は、第1部分1004及び第2部分1008を含む。フローセルホルダ1000はまた、第1部分1004及び/又は第2部分1008を移動させて、第1部分1004と第2部分1008との間に空間を形成するクランプ機構の特徴を有することができる。クランプ機構は、第1部分1004及び/又は第2部分1008を移動させて、第1部分1004と第2部分1008との間にフローセルをクランプすることも可能である。
クランプ機構は、多数の構造体を有する。例えば、クランプ機構は、バネ1012A〜1012D、ヒンジ1016A、1016B、位置合わせブロック1020A、1020B、ハンドル1024A、1024B、及びプレート1028、1032を有する。
図11Aは、クランプ機構が閉位置にある状態のフローセルホルダ1000の側面図を示す。図11Bは、クランプ機構が開位置にある状態のフローセルホルダの側面図を示す。図11Bに示すように、クランプ機構が開位置にある場合、プレート1028、1032は、それらの間に空間1036を有する。フローセル(例えば、フローセル200)は、空間1036に配置することができる。図11Bは、空間1036が縮小又は除去された状態の開位置にあるクランプ機構を示す。上述のように、クランプ機構が閉位置にあるとき(図11A)、フローセルはプレート1028とプレート1032との間にクランプされる。
図12Aは、クランプ機構の一部、すなわち、プレート1028、1032(及びプレート1028とプレート1032との間の空間1036)及び照射システム1040の一部、すなわち実施形態に係る光源1044及び光源1048を示す。図12Aは、プレート1028、1032と光源1044、1048との相互の空間的関係を示す。
図12Aに示すように、プレート1028は、プレート1032に向かい合い、上述のように、プレート1028、1032は、それらの間にフローセルを保持するように構成される。同様に示されているように、光源1044はプレート1028に隣接し、光源1048はプレート1032に隣接している。実施形態では、プレート1028、1032は、光源1044、1048によって放射される光に対して透明である。理解されるように、病原体低減プロセスにおいて、フローセルは、プレート1028とプレート1032との間にクランプされる。光源1044、1048が作動されると、フローセルは、2つ以上の方向、すなわち、光源1044によって上部から、及び光源1048によって底部から、照射される。
図12Bは、線FF−FFに沿ったフローセルホルダ1000の断面図を示す。図12Bは、閉位置にあるクランプ機構を示し、プレート1028とプレート1032との間にフローセル1052が保持されている。図12Bに示すように、光源1044、1048は、複数の電球を使用して実施することができる。これは例示のためであるが、ある実施形態では、光源1044、1048は、任意のタイプの照明装置を使用して、実施することができる。これら照明装置の非制限的な例としては、LED、白熱電球、蛍光灯、ハロゲン電球、キセノン電球、及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。
図1に関して上述したように、実施形態では、紫外光等の、病原体低減効果を有する波長を有する光を放射する光源が設けられる。照射装置に加えて、光源1044、1048は、フローセル1052の照射を補助する追加の構成要素を有することができることに留意されたい。例えば、光源1044、1048は、フィルタ、導波管、レンズ、ミラー及び/又はそれらの組み合わせ等の構成要素を含むことができる。
上述したように、プレート1028、1032は、少なくとも所定の波長の光(例えば、紫外光、紫色光、藍色光、青色光及び/又は緑色光)に対して透明である。透明とは、特定の波長の光の少なくとも約85%がプレート1028及び/又はプレート1032を透過することを意味する。ある実施形態では、特定の波長の光の約90%を超える光、約95%を超える光、又は約98%を超える光がプレート1028及び/又はプレート1032を透過してもよい。
実施形態において、プレート1028、1032は、特定の波長の光に対して透明性を有する任意の適切な材料から作製される。さらに、プレート1028、1032は、フローセルをクランプするので、不手際なく(例えば、破壊することなく)フローセルをクランプする際に使用される圧力に耐え得る構造的信頼性を有する材料で作られる。例えば、プレート1028、1032は、ポリマー、ガラス、セラミック、複合材、又はそれらの組み合わせから作製される。いくつかの実施形態では、プレート1028、1032は、所定の波長の光に対して透明なガラス材料から作製することができる。使用され得るガラスのいくつかの非限定的な例としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス等が挙げられる。他の実施形態では、ポリマー材料を使用することができる。使用することができるポリマーの非限定的な例としては、アクリル及びポリカーボネートが挙げられる。実施形態において、両方のプレート1028、1032は、同じ材料から作製されてもよい。他の実施形態では、両方のプレート1028、1032は、異なる材料から作製されてもよい。
材料特性に加えて、プレート1028、1032は、他の構造的特徴も含むことができる。図13は、一実施形態によるクランプ機構の一部であるプレート1300を示す。プレート1300は、ガスケット1304、1308を有する。実施形態では、プレート1300がフローセルをクランプする際、ガスケット1304、1308はフローセルに接触する。
ガスケット1304、1308は、いくつかの機能を提供することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ガスケット1304、1308は、フローセルを締め付ける際にクッションの機能を提供することができる。他の実施形態では、ガスケット1304、1308は、他の機能に加えて、フローセルを保持するのを助け、フローセルが病原体低減プロセス中に動くのを防ぐ。
他の実施形態では、ガスケット1304、1308は、フローセルを適所に保持するため、フローセルの縁部(例えば、外周部の部分)に対応するように、プレート1300上に配置されてもよい。他の実施形態では、ガスケット1304、1308は、フローセルを把持して所定位置に保持する材料(例えば、ポリマー、ゴム、及び/又はそれらの組み合わせ)で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、該材料は、病原体低減プロセスを妨害しないために、特定の波長の光に対していくらか透明であってもよい。
図13に示す実施形態では、ガスケット1304、1308は、マニホールド(例えば、フローセル200のマニホールド216、224、228)に対応する形状である。ガスケットは、プレート1300がフローセル200をクランプする際、マニホールド216、224、228に沿うように設計されてもよい。いくつかの実施形態では、ガスケット1304、1308は、病原体低減プロセスを妨害しないために、特定の波長の光に対していくらか透明であってもよい。他の実施形態では、フローセルのチャネル(例えば、チャネル212)を流れる間に必要な光エネルギー量を供給することができるので、ガスケット1304、1308は、特定の波長の光に対して透明ではないが、病原体低減プロセスに影響を与えない。他の実施形態では、流体を光エネルギーに過度に露出させないようにするために、ガスケットは、フローセルの部分を光から意図的に遮蔽するように設計されてもよい。
他の実施形態では、プレート1300に取り付けられていないガスケットを使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ガスケットは、別体の単一部品(又は複数の部品)であってもよい。これらの実施形態では、ガスケットは、プレートとフローセルとの間に配置される。ガスケットは、それ自体がポリマー、金属、及び/又は複合材料から作製されるフレームに取り付けられた比較的柔らかいポリマー材料(例えば、ゴム)を有してもよい。これらは、あくまでも説明のための例である。
図14は、プレート1300を含むクランプ機構の分解図を示す。図14に示すように、ガスケット1304、1308の一部は、フローセル200と位置合わせがなされている。フローセル200が、例えばガスケット1304、1308及びプレート1312と接触してクランプされると、ガスケット1304、1308は、マニホールド216、224、228等のフローセル200の特定の特徴と位置合わせされる。実施形態では、ガスケット1304、1308を設けることにより、フローセル200をクランプする際に圧力を追加することができる。上述したように、実施形態において、フローセル200は、2つの部材をその外周部に沿って貼り合わせることよって構成される。クランプ機構がフローセル200に対して適度な圧力を維持することにより、流体が流れている間、チャネル212の大きさを維持するのを助けることができる。
図15〜図17は、別の実施形態によるフローセル1500の図を示す。図15及び図16に示されるように、フローセル1500は3つの部材から構成される。部材1504は、マニホールド1516A〜1516Dを形成する複数の経路を含む。部材1508は、部材1504の上に配置された上側部材である。部材1512は、部材1504と部材1508の間に配置され、複数のチャネル1520を形成する壁を提供する。複数のチャネル1520は、1つ又は複数のマニホールド1516A〜1516Fの間の流体連通を形成することができる。フローセル200(図2)と同様に、フローセル1500を流れる流体は、流体中の病原体を減少させるために、光エネルギーが照射される。
部材1504、1508は、所定の波長の光に対して透明な材料から作製される。例えば、部材1504、1508は、ポリマー、ガラス、セラミック、複合材、又はそれらの組み合わせ等の材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、部材1504及び/又は部材1508は、所定の波長の光に対して透明なガラス材料から作製することができる。使用され得るガラスのいくつかの非限定的な例としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスが挙げられる。他の実施形態では、ポリマー材料を使用することができる。使用することができるポリマーの非限定的な例としては、アクリル、ポリカーボネート等が挙げられる。実施形態において、部材1504、1508は、同じタイプの材料から作製されてもよい。他の実施形態では、部材1504、1508は、異なる材料から作製されてもよい。
図18は、一実施形態による流体中の病原体を減少させるプロセスのフローチャート1800を示す。フローセル(例えば、フローセル200、1500)、フローセルホルダ(例えば、フローセルホルダ1000)、クランプ機構(例えば、プレート1028、1032)及び/又はシステム(例えば、システム100)の特徴は、フローチャート1800のステップの実行の一部として説明されるが、実施形態はそれらに限定されない。フローチャート1800のプロセスにおいて、他のタイプのフローセル、ホルダ、クランプ機構、及び/又はシステムを(異なる構造を用いて)使用することができる。
フローチャート1800は1804から始まり、ステップ1808に進み、病原体の低減がされるべき流体が、所定流量でフローセルに導入される。実施形態では、フローセルは、所定深さ及び所定幅を有する複数のチャネルを有する。一実施形態では、フローセルは、上述したフローセル200と同様のものである。該複数のチャネルは、入口マニホールドと1つ又は複数の出口マニホールドとの間の流体連通を提供するチャネル212に対応する。実施形態では、複数のチャネルは、入口マニホールドと出口マニホールドとの間を直接見通せるような比較的直線的なチャネルである。すなわち、チャネルは、蛇行したチャネル又は湾曲したチャネルではない。チャネルは、フローセル200に関して上述した寸法、深さ及び幅を有することができる。
実施形態では、流量は、所定時間内にある量の流体を処理するように選択される。 例えば、いくつかの実施形態では、約2時間未満で、又は約1.5時間未満で、又は約1時間未満で、又は約0.5時間未満で、又は約0.25時間未満で、又は約0.125時間未満で、フローセルを通して約100mlから約5リットルの流体を処理することが望ましい。これらの実施形態では、流量は、例えば約1ml/分〜約50ml/分であるように、約0.5ml/分〜約75ml/分の範囲で選択することができる。ある実施形態では、流量は、約0.5ml/分より大きい、又は約0.75ml/分より大きい、又は約1ml/分より大きい、又は約1.5ml/分より大きい、又は約2ml/分より大きい、又は約2.5ml/分より大きい、又は約3.0ml/分より大きい、又は約3.5ml/分より大きい、又は約4ml/分より大きい。他の実施形態では、流量は、約100ml/分未満、又は約90ml/分未満、又は約80ml/分未満、又は約70ml/分未満、又は約60ml/分未満、又は約50ml/分未満、又は約40ml/分未満、又は約30ml/分未満、又は約20ml/分未満、又は約10ml/分未満である。これらの流量は、フローセル200に関して上述したチャネル212の1つ又は複数の寸法(例えば、深さ、幅等)と組み合わせて選択することができる。
ステップ1808の後、フロー1800はステップ1812に進み、流体がチャネルを通過する間、照射される。実施形態では、流体は、少なくとも2つの方向から照射される。いくつかの実施形態では、フローセル(例えば、フローセル200)がセルホルダ1000のようなセルホルダ内にある状態で、ステップ1812は実行される。セルホルダは、流体が複数のチャネルを通って流れる間にフローセル及び流体を照射する照射システム(例えば、システム132又はシステム1040)を有する。例えば、流体は、複数のチャネルの上部及び底部から照射することができる。
フロー1800は、ステップ1812からステップ1816に進み、そこで流体に対して病原体の低減が行われる。実施形態において、病原体の低減は、流体がチャネルを通過する際に行われる流体の照射によって実行される。いくつかの実施形態では、光だけで病原体低減効果を生じさせることができる。他の実施形態では、材料の追加と光エネルギーとを組み合わせて、病原体の低減を行ってもよい。例えば、光増感剤は、ステップ1808の前又はステップ1808を行っている時に、流体に加えられてもよい。光増感剤は、照射されると活性化される。活性化された光増感剤(又は活性化からの反応生成物)は、病原体の遺伝物質の破壊、病原体の死、又は複製不能を引き起こす。フロー1800は1824で終了し、病原体が低減された流体が回収される。
フローチャート1800は、特定の順序で列挙されたステップを用いて説明されているが、実施形態はそれに限定されない。他の実施形態では、ステップは、例えば、別のステップの前後に、異なる順序で、又は並行して、又は任意の異なる回数で実行されてもよい。また、フローチャート1800は、いくつかのオプションとしてのステップ又はサブステップを含むことができる。しかしながら、オプションであると示されていない上記のステップは、本発明に本質的であるとみなすべきではなく、本発明のいくつかの実施形態では実行され、他の実施形態で実行されなくてもよい。
図19は、本発明の実施形態を実行することができる基本的なコンピュータシステム1900の例示的な構成要素を示す。コンピュータシステム1900は、流体をフローセルに導入する方法又はフローセル内の流体を照射する方法においていくつかのステップを実行することができる。システム1900は、上に示したシステム100、1000、1040等のシステムの特徴(例えばフロー制御装置、ポンプ、バルブ、バイオリアクタの回転、モータ、照射システム、クランプ機構等)を制御するコントローラであってもよい。
コンピュータシステム1900は、出力装置1904及び/又は入力装置1908を有する。出力装置1904としては、CRT、LCD、及び/又はプラズマディスプレイのような1つ又は複数のディスプレイ等が挙げられる。出力装置1904はまた、プリンタ、スピーカ等を含むことができる。入力装置1908としては、キーボード、タッチ入力装置、マウス、音声入力装置等が挙げられる。
基本的なコンピュータシステム1900はまた、本発明の実施形態に係る、処理ユニット1912及び/又はメモリ1916を含んでもよい。処理ユニット1912は、メモリ1916に記憶された命令を実行するように動作可能な汎用プロセッサであってもよい。処理ユニット1912は、単一のプロセッサ又は複数のプロセッサを含むことができる。さらに、実施形態では、各プロセッサは、個別に命令を読み出して実行する1つ又は複数のコアを有するマルチコアプロセッサであってもよい。プロセッサとしては、汎用プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、他の集積回路等が挙げられる。
メモリ1916は、実施形態において、データ及び/又はプロセッサ実行可能命令を短期又は長期で記憶する任意の有形媒体を含むことができる。メモリ1916としては、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、又は電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)等が挙げられる。他の記憶媒体としては、例えば、CD−ROM、テープ、DVD(デジタル多用途ディスク)又は他の光記憶装置、テープ、磁気ディスク記憶装置、磁気テープ、他の磁気記憶装置等が挙げられる。実施形態では、システム1900を用いて、病原体低減システムの光源及び/又は様々な流量制御装置、ポンプ、バルブ等の起動を制御することができる。メモリ1916は、フローセル内に流体を導入したり、フローセル内の流体に照射を行うためのプロトコル及び手順等のプロトコル1920及び手順1924を記憶することができ、それによって、ポンプ、バルブ、クランプ機構等の動作を制御する。
記憶装置1928は、任意の長期データ記憶装置又は部品であってもよい。記憶装置1928は、実施形態に係る、メモリ1916に関連付けた上述の1つ又は複数のシステムを含むことができる。記憶装置1928は常設されてもよいし、取り外し可能であってもよい。実施形態では、システム1900は、流体中の病原体を減少させるためのシステムの一部であり、記憶装置1928は、システムを利用して流体の病原体を減少させるための様々な手順を記憶することができる。
実施例
以下に、実施形態のいくつかの例を説明する。しかしながら、特定の方法、装置、及びシステムが以下では記載されるが、これらは単に例示の目的のためであり、本発明は以下の実施例の特定の詳細に限定されないことに留意されたい。
実施例1
この例は、5つの異なるプロトタイプフロースルー方式フローセルにおける3つの異なる流量でのリボフラビンによる全血のPhiX174(病原体)減少に関する情報を提供する。
この実施例は、全血における流量、チャネル厚さ及び病原体の低減との間の相関性についての理解を得るために行われる。この実施例において、フローセルは、薄いチャネル及び異なるフロー構成を有する。薄いチャネルが使用されるのは、全血が血漿よりも透過性が低いからである。
フローセルは、上部及び底部の両方から圧力を加えることによってチャネル厚さを維持する固定具(例えば、フローセルホルダ)内に配置される。固定具は800mAで駆動される8個の照射ランプを収容し、上部に4個、下部に4個を配置し、4.5mW/cm2の照度を生成する。光源に隣接して取り付けられたフローセルに製剤を流し、サンプルはバックエンドで取り出すことができる。リボフラビン及びPhiX174(病原体)と組み合わせた全血が試験液(製剤)として使用される。
流量を制御する蠕動ポンプが使用され、該ポンプはフローセルの後ろに配置され、陽圧の代わりに該ポンプによってフローセルに負圧が印加される。該ポンプは、流量精度を保証するため、使用前に較正される。
テストされる2つのフローセル構成は、「8p」及び「4sx2p」と呼ばれる。8p構成では、全てのチャネルが平行である。従って、流体は、フローセルを出る前に1つのチャネルを横断する。4sx2p構成では、フローセルを出る前に流体が4つのチャネルを直列に通過させる。全てのフローセルは、チャネル構成にかかわらず、同じチャネル表面積を有している。従って、滞留時間は、チャネルの厚さ及び流量に比例するだけである。表1及び表2を参照。
Figure 0006840722
Figure 0006840722
1. プロトコルステップ
1.1. 全血準備
1.1.1. 少なくとも1,100 mLの適合した全血を採取し、使用されるユニットのBUI数を記録する。
1.1.2. 複数の全血ユニットを1つのバッグにプールする。
1.1.3. バッグを含めて全血を計量し、DCSに記録する。
1.1.4. 4mLのPhiX174接種材を全血プールに加え、DCSに記録する。
1.1.5. プールを作成するために使用した全血のユニットごとに1つのリボフラビン(〜35mL)パウチを準備する。
1.1.6. 各リボフラビンパウチをプールに滅菌接続し、リボフラビンバッグの全内容物をプールに排出し、DCSに記録する。全ての残留空気を空のリボフラビンバッグにパージする。
1.1.7. 全血プールから3つ分の5mLのサンプルを無菌で取り出し、「PRE」とラベルされた3つのサンプルチューブに移す。これらのサンプルは、試験のためのホールド対照群(hold controls)として使用される。
1.1.8. LOP−0032に続いて全血プールのヘマトクリット値を測定し、DCSに記録する。
1.2. ポンプ準備
1.2.1. ディスポーザブル品が付属されたポンプキャリブレーション用チューブをポンプヘッドに取り付ける。
1.2.2. 空のビーカーをポンプ出口側に隣接したはかりの上に置く。
1.2.3. キャリブレーション用チューブの入口側を脱イオン水内に配置し、ポンプの出口側をはかり上のビーカーに入れる。
1.2.4. ポンプにプライミングを行う。
1.2.5. チューブタイプとしてL/S13を選択し、流量を20mL/minに設定する。
1.2.6. ビーカーが載っている状態ではかりを風袋引きする。
1.2.7. 「CAL」を押して、表示されるキャリブレーション体積を書き留める。
1.2.8. 「STOP/START」を押して、ポンプはキャリブレーション体積をビーカーに分注する。
1.2.9. ポンプが停止したら、「UP/DOWN」矢印キーを使用してポンプに分注されたキャリブレーション体積の重量を入力する。
1.2.10. 「SIZE」を押してキャリブレーションサイクルを終了する。
1.3. 使い捨て部材準備(バイオセーフティーキャビネット内)
1.3.1. 滅菌プロトタイプフロースルー方式ディスポーザブル部材、及び滅菌フローセルアセンブリを用意する。
1.3.2. セット上の全てのクランプを閉じる。
1.3.3. フローセルを使い捨て部材に接続する。
1.3.4. 全血の入ったリザーババッグを使い捨て部材に接続する。
1.3.5. 生理食塩水バッグを使い捨て部材に接続する。
1.4. 照射準備
1.4.1. 最初の4つのサンプルバッグに対応するサンプル名のラベルを付ける(表1)。第4サンプルバッグは意図的に使用せず、追加でサンプルバッグが必要な場合の予備とする。
1.4.2. フローセルを取り付けて、フローセルが筐体に正しく取り付けられたか確認する。
1.4.3. クランプを開けて、生理食塩水バッグから廃棄物バッグへの流れを可能にする。その他のクランプは閉じておく。
1.4.4. 最大サンプル流量以下の流量で、生理食塩水によるフローセルのプライミングを行う。
1.4.5. 他の全てのクランプが閉じていることを確認する。
1.4.6. 照射設定の準備をする。
1.4.7. そのエリアでの作業員全員にUV保護眼鏡をかけさせる。
1.4.8. UV光の曝露を最小限に抑えるために、適切な光バリアが適所に配置されていることを確認する。
1.4.9. UVランプと冷却ファンの電源を入れ、ランプが暖まるまで10分間放置する。
1.5. サンプル生成
1.5.1. ランプが暖気され、10分間動作していたことを確認する。
1.5.2. システムのパージ及びサンプルの採取。
1.5.2.1. ポンプが、表2に従って、正しい流量でプログラムされていることを確認する。
1.5.2.2. 全てのクランプを開けて、血漿から廃棄バッグへの流れを可能にする。
1.5.2.3. ポンプの電源を入れ、ストップウォッチを開始する(略同時に)。
1.5.2.4. ディスポーザブル部材を通して流体の進行をモニタする。
1.5.2.5. 表2のパージ時間が経過した後(少なくとも40mLの血液を廃棄バッグに流入させるようにする)、対応するサンプルバッグに対するクランプを開き、次に廃棄バッグに対するクランプを閉じる。
1.5.2.6. 表2のサンプル時間が経過した後(少なくとも15mLの血液がサンプルバッグに流れ込むようにする)、廃棄バッグに対するクランプを開き、次にサンプルバッグに対するクランプを閉じる。
1.5.3. 表2の各流量についてステップ1.5.2を繰り返す。
1.5.4. フローセルの全てのサンプルが収集されたら、ランプを消し、フローセルを生理食塩水でパージして、残りの血液を取り除く。
1.5.5. 全てのサンプルバッグをシールして取り外す。各バッグから3つの4mLサンプルを無菌で取り出し、表1に示すようにラベル付けした3つのサンプルチューブに移す。
1.5.6. ウイルス力価評価のために、各サンプルについて1つのサンプルチューブを提出し、後の分析のために他のサンプルは保存する。
1.5.7. 各フローセルに対して手順3.3を繰り返す。実施例全体に同じ血液プールを使用する。
1.5.8. 血液プールから3つの4mLサンプルを無菌的に取り出し、「HC」とラベルされた2つのサンプルチューブに移す。これらのサンプルは、該実施例のためのホールド対照群として使用される。
1.6. サンプルの取り扱い
1.6.1. 全てのサンプルを回収したら、3000RCFで10分間遠心分離する。
1.6.2. 血漿上澄みをラベル付けした2mLのクライオバイアルに静かに移す。
1.6.3. 後の分析のためにクライオバイアルを超冷凍庫(−80°C)に入れる。
以下の表3は、実施例の結果をまとめたものである。強調表示されたセル部分は、検出限界を超えたサンプルである。フローセルA、Bのいくつかのサンプルは、詰まって、サンプルの一部が得られていない。フローセルC、D、Eのデータは、以下に含まれる(検出限界にあるC6以外)。
Figure 0006840722
図20は、対数減少値対滞留時間をプロットしている。フローセルC、D、Eにおける病原体の減少は、予想されるように、滞留時間に対して線形の関係にある。8pチャネル構成は、最大の病原体減少及び最大の病原体減少速度(滞留時間に対する病原体減少の傾き)をもたらす。8pフローセル構成が4px2s構成よりも優れている理由は知られていない。
フローセルEは、流路の厚さの違いのために、フローセルDよりも低い病原体減少である。フローセルD及びフローセルEの滞留時間に対する病原菌減少の勾配は、両方とも同じチャンネル構成を有するため、予想されるように、同じである。
図21は、対数減少値対流量をプロットしている。流量に関しては、フローセルC、Eは、流量あたり最良の対数減少を有し、同様の性能である。フローセルEは、フローセルCよりも厚いチャネルを有し、また異なるセル構成を有する。フローセルEは、フローセルDに比べて、同じ滞留時間に対する病原体低減がわずかに少ないだけであることを考えると、同じことが8pセル構成のフローセルについても当てはまるであろう。従って、本実施例で試験した全てのフローセルの中で、8pセル構成且つ0.003インチ(0.0762mm)のチャネル厚さを有するフローセルが優れていると考えられる。
溶血データを上記の表3に要約する。フローセルC、D、Eの溶血は、ホールド対照群と同じであるか、又はホールド対照群の溶血の0.06%以内である。サンプルA2はそうではないが、サンプルA4はかなりの溶血を有する。これによって、サンプルA2はサンプルA4よりも高い流量であったため、溶血の主な原因がせん断ではないことが推測される。フローセルAを固定具から取り外した時42℃以上だったので、溶血の予測される原因は温度である。サンプルA4はサンプルA2よりも高い照射量を受けたため、過剰照射量による溶血の影響を除外することはできない。
フローセルは、最も厚いチャネル厚さから最も薄いチャネル厚さまでテストされた。全てのフローセルは、フローセルAを除いて、低流量から高流量までテストされた。フローセルAにおいては、サンプルは、詰まりを回避するために、高流量から低流量において、採取された。
フローセルCのために、固定具をウォームアップしているとき、ランプのうちの2つが点灯しなかった。このエラーは修理されたが、フローセルDの際にその2つのランプが動作したかどうかは不明である。
フローセルの詰まり及びシステム内への空気漏れのため、サンプルA6のデータは得られなかった。フローセルが照射器から取り外された時は、42°Cだった。この高温によって、フローセルの詰まりが説明できると考えられる。
早い段階でフローセルBは詰まった。採取された唯一のサンプルはB2である。サンプルB2は、その中に多くの小さな泡を有し、溶血が目視で確認できた。
病原体の減少は、全血の透過率(光は均一な媒質中で指数関数的に減衰する)に起因して、チャネル厚さに対して逆指数関数的な関係になることが予測される。これは、同じ滞留時間に対して、0.003インチ(0.0762mm)のフローセルが、0.002インチ(0.0508mm)のフローセルより少ない病原体削減量であることの理由であると考えられるが、指数関数的減衰曲線の初期段階であると推測されるであろう違いとしては小さい。従って、0.002インチ(0.0508mm)、0.003インチ(0.0762mm)及び0.005インチ(0.127mm)チャネルのフローセルを試験することが示唆される。より厚いフローセルは、より高い流量が可能となり、射出成形による製造可能性がよくなる。理論的には、流量と病原体の減少を最適化する理想的なチャネル厚さが存在する。
この実施例は、フロースルー方式の全血に対する病原体低減の実現可能性を示す。このデータは、理論に合致するものであり、さらには、全血に対するフロースルー方式の病原体低減のための手法を実証する。試験におけるウイルスの病原体減少は許容される病原体減少範囲内であった。システムを最適化するために、より厚いチャネル及びその他の流路についてさらなる実験が行われてもよい。
実施例2
この実施例は、4つの異なるプロトタイプフロースルー方式フローセルにおいて4つの異なる流量でリボフラビンを用いて血漿中で観察されるPhiX174(病原体)減少に関する情報を提供する。
この実施例の目的は、流量、チャネル厚さ及び病原体低減の間の相関性についての理解を得ることである。この実施例におけるフローセルは、比較的厚いチャネル及び異なるフロー構成を有する。
フローセルは、上部及び底部の両方から圧力を加えることによってチャネル厚さを維持する固定具(例えば、フローセルホルダ)内に配置される。固定具は800mAで駆動される8個の照射ランプを収容し、上部に4個、下部に4個を配置し、4.5mW/cm2の照度を生成する。光源に隣接して取り付けられたフローセルに製剤を流し、サンプルはバックエンドで取り出すことができる。リボフラビン及びPhiX174と組み合わされた血漿が試験液(製剤)である。
チャネル厚さが増加することで、重力の代わりに流量を制御するために蠕動ポンプを使用することが必要となる流体インピーダンスは、減少する。ポンプは、流量精度を保証するため、使用前にキャリブレーションされる。
1. プロトコルステップ
1.1. 血漿準備(バイオセーフティキャビネット内)
1.1.1. タイプが一致した血漿1,100mLを用意し;付録Iで使用されるユニットのBUI数を記録する。
1.1.2. 複数の血漿ユニットを1つのバッグにプールする。
1.1.3. バッグを含めた血漿の重量を測定し、DCSに記録する。
1.1.4. 4mLのPhiX174接種材を血漿プールに加え、DCSに記録する。
1.1.5. プールを作るために使用される血漿のユニットごとに1つのリボフラビンパウチを用意する。
1.1.6. 各リボフラビンパウチをプールに滅菌接続し、バッグの全内容物を照射セットに排出し、DCSに記録する。全ての残留空気を空のリボフラビンバッグにパージする。
1.1.7. 血漿プールから3つの2mLサンプルを無菌的に取り出し、「PRE」とラベルされた3つのサンプルチューブに移す。これらの試料は、実施例のためのホールド対照群として使用される。ウイルス力価評価のために1つのPREサンプルチューブを提出し、後の分析のために他の2つは保存する。
1.2. ポンプ準備
1.2.1. ディスポーザブル品が付属されたポンプキャリブレーション用チューブをポンプヘッドに取り付ける。
1.2.2. 空のビーカーをポンプ出口側に隣接したはかりの上に置く。
1.2.3. キャリブレーション用チューブの入口側を脱イオン水内に入れ、ポンプの出口側をはかり上のビーカーに入れる。
1.2.4. ポンプにプライミングを行う。
1.2.5. チュービングタイプとしてL/S14を選択し、流量を20mL/minに設定する。
1.2.6. ビーカーが載っている状態ではかりを風袋引きする。
1.2.7. 「CAL」を押して、表示されるキャリブレーション体積を書き留める。
1.2.8. 「STOP/START」を押すと、ポンプはキャリブレーション体積をビーカーに分注する。
1.2.9. ポンプが停止したら、「UP/DOWN」矢印キーを使用してポンプに分注されたキャリブレーション体積の重量を入力する。
1.2.10. 「SIZE」を押してキャリブレーションサイクルを終了する。
1.3. 使い捨て部材準備(バイオセーフティーキャビネット内)
1.3.1. 滅菌プロトタイプフロースルー方式ディスポーザブル部材、及び滅菌フローセルアセンブリを用意する。
1.3.2. セット上の全てのクランプを閉じる。
1.3.3. フローセルを使い捨て部材に接続する。
1.3.4. 血漿の入ったリザーババッグを使い捨て部材に接続する。
1.3.5. 生理食塩水バッグを使い捨て部材に接続する。
1.4. 照射準備
1.4.1. 最初の4つのサンプルバッグに、対応するサンプル名のラベルを付ける(表4)。第5のサンプルバッグは意図的に使用せず、追加でサンプルバッグが必要な場合の予備とする。
1.4.2. フローセルを取り付けて、フローセルが筐体に正しく取り付けられたか確認する。
1.4.3. クランプを開けて、生理食塩水バッグから廃棄物バッグへの流れを可能にする。その他のクランプは閉じておく。
1.4.4. 最大サンプル流量以下の流量で、生理食塩水によるフローセルのプライミングを行う。
1.4.5. 他の全てのクランプが閉じていることを確認する。
1.4.6. 照射設定の準備をする。
1.4.7. そのエリアでの作業員全員にUV保護眼鏡をかけさせる。
1.4.8. UV光の曝露を最小限に抑えるために、適切な光バリアが適所に配置されていることを確認する。
1.4.9. UVランプと冷却ファンの電源を入れ、ランプが暖まるまで10分間放置する。
Figure 0006840722
1.5. サンプル生成
1.5.1. ランプが暖気され、10分間動作していたことを確認する。
1.5.2. システムのパージ及びサンプルの採取。
Figure 0006840722
1.5.2.1. ポンプが表4に従って、正しい流量でプログラムされていることを確認する。
1.5.2.2. 全てのクランプを開けて、血漿プールから廃棄バッグへの流れを可能にする。
1.5.2.3. ポンプの電源を入れ、ストップウォッチを開始する(略同時に)。
1.5.2.4. ディスポーザブル部材を通して流体の進行をモニタする。
1.5.2.5. 表5のパージ時間が経過した後(少なくとも40mLの血漿を廃棄バッグに流入させる)、対応するサンプルバッグに対するクランプを開き、廃棄バッグに対するクランプを閉じる。
1.5.2.6. 表5のサンプル時間が経過した後(少なくとも15mLの血漿をサンプルバッグに流入させる)、廃棄バッグに対するクランプを開き、サンプルバッグに対するクランプを閉じる。生理食塩水からのクランプを開き、血漿バッグからのクランプを閉じる。
1.5.3. 表4の各流量についてステップ1.5.2を繰り返す。
1.5.4. 全てのサンプルバッグをシールして取り外す。各バッグから3つの2mLのサンプルを無菌的に取り出し、表3に示すようにラベル付けした3つのサンプルチューブに移す。
1.5.5. ウイルス力価評価のために、各サンプルについて1つのサンプルチューブを提出し、後の分析のために他の2つのサンプルを保存する。
1.5.6. フローセルごとにステップ1.3を繰り返す。実施例全体に同じ血漿プールを使用する。
1.5.7. 血漿プールから3つの2mLのサンプルを無菌的に取り出し、「HC」とラベル付けされた3つのサンプルチューブに移す。これらのサンプルは、実施例のためのホールド対照群として使用される。ウイルス力価評価のために、1本のHCサンプルチューブを提出し、後の分析のために残りの2本を保存する。
1.6. サンプルの取り扱い
1.6.1. サンプルをラベル付けした2mLクライオバイアルに移す。
1.6.2. 後の分析のためにクライオバイアルを超冷凍庫(−80°C)に入れる。
以下は、病原体低減の結果である。表6において、太字の欄は、検出限界内のサンプルを示し、アスタリスクの付いた欄は、1log希釈(10倍希釈)で6個以下のPhiX174コロニーを有し、検出限界外のサンプルを示す。下線文字の欄は、サンプルが技術的に検出限界を超えているが、病原体減少の推定計算が可能なPhiX174コロニーを有するサンプルを示している。各セルはまた、秒単位で示した滞留時間及び予測照射量も記載されている。低い方の予測照射量は、血漿及びフローセルの透過率を考慮に入れたものである。血漿及びフローセルの透過率測定値がグラフ化され、図22及び図23に示されている。高い方の予測照射量は、フローセルに入射する全ての光が血漿によって吸収されると仮定している。
図22に示すように、1ユニットの血漿をリボフラビンの35mlパウチ1個と混合し、それを生理食塩水で希釈することによってサンプルを調製する。グラフのパーセンテージは、血漿の濃度を示す。50%透過の距離を計算した場合の、濃度と距離が検討される。Beer−Lambertの法則に従って、以下の式を使用して50%透過の距離を決定する。
T = exp(−εbc)
T =透過率
ε=吸光係数/濃度
b =経路長
c =濃度
Figure 0006840722
予想よりも大きな病原体の減少が達成され、データポイントの大部分が検出限界を超えた。従って、それについては、チャネル厚、流量及び病原体の減少の間の相関に関する主要な結論は出なかった。方法検出限界内のデータ点は、滞留時間と病原体の減少との間に相関性を有する。滞留時間が長くなればなるほど、病原体の減少はより大きくなる。
チャネル厚が0.005インチ(0.127mm)のフローセルは、照射後にフローセルの内側のフローセルの特定の部分に不透明な堆積物を有する。これは、恐らくフローセルの特定の領域で流れが停止するため、血漿が過剰になったことを示す。0.005インチ(0.127mm)厚のフローセルは、システム内の気泡により、プライミングに関して最も問題があることが観察された。
全てのフローセルは、十分な病原体の減少を達成し、血漿及びリボフラビンのフロースルー方式による病原体低減の実現可能性を実証した。データの多くは、検出限界を超えており、チャネル厚及び流量の病原体減少への効果という観点においては、該データから導くことができる結果は限定される。
本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に対して様々な変更及び変形が可能であることは、当業者には明らかであろう。従って、本発明は、与えられた特定の実施例、記載された実施形態、又は図面に示された実施形態に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、本発明は、変形形態及び変更形態をも包含することが意図されている。
本発明の例示的な実施形態及び適用例が説明されたが、本発明は、上記の正確な構成、ステップ、及び構造に限定されないことを理解されたい。当業者に明らかな種々の変形、変更等は、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明の構成、動作、また方法及びシステムにおける詳細において行うことが可能である。

Claims (35)

  1. 流体中の1又は複数の病原体を低減するためのフローセルであって、該フローセルは、
    複数のチャネルと、
    入口ポートと、
    前記入口ポートと前記複数のチャネルと流体連通する少なくとも1つの入口マニホールドと、
    出口ポートと、
    前記出口ポートと前記複数のチャネルと流体連通する少なくとも1つの出口マニホールドと、
    を備え、
    前記複数のチャネルの各チャネルは、
    深さが0.075mm以上0.150mm未満であり、
    紫外光に対して透明な第1壁と、
    紫外光に対して透明な第2壁と、
    を有し、
    流体は、前記入口ポートを通って、前記フローセルに流入し、
    流体は、前記出口ポートを通って、前記フローセルから流出し、
    前記少なくとも1つの入口マニホールドの断面は、基端から先端に向かって小さくなる形状であり、
    前記少なくとも1つの出口マニホールドの断面は、基端から先端に向かって小さくなる形状であり、
    前記入口マニホールド及び前記出口マニホールドは、前記複数のチャネルと厚さ方向に交わっている、
    ことを特徴とするフローセル。
  2. 請求項1記載のフローセルにおいて、前記流体は、赤血球、血漿、血小板、又はそれらの組み合わせのうちの1つ又は複数を含むことを特徴とするフローセル。
  3. 請求項1記載のフローセルにおいて、前記流体は、濃厚赤血球を含むことを特徴とするフローセル。
  4. 請求項2記載のフローセルにおいて、前記チャネルの深さは、約0.125mm未満であることを特徴とするフローセル。
  5. 請求項記載のフローセルにおいて、前記複数のチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルは、前記少なくとも1つの入口マニホールドの前記基端と前記少なくとも1つの出口マニホールドの前記先端を流体接続することを特徴とするフローセル。
  6. 請求項記載のフローセルにおいて、前記複数のチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルは、前記少なくとも1つの入口マニホールドの前記先端と前記少なくとも1つの出口マニホールドの前記基端を流体接続することを特徴とするフローセル。
  7. 請求項1記載のフローセルにおいて、前記フローセルは2つの部材から構成され、前記2つの部材のうちの第1の部材は、前記少なくとも1つの入口マニホールドと、前記少なくとも1つの出口マニホールドと、前記複数のチャネルの各チャネルの前記第1壁とを有することを特徴とするフローセル。
  8. 請求項記載のフローセルにおいて、前記2つの部材のうちの第2の部材は、前記複数のチャネルの各チャネルの深さを構成する複数の壁と、前記複数のチャネルの各チャネルの前記第2壁とを有することを特徴とするフローセル。
  9. 請求項記載のフローセルにおいて、前記複数のチャネルの各チャネルの、前記チャネルの長さに垂直な断面は、略矩形であることを特徴とするフローセル。
  10. 請求項記載のフローセルにおいて、前記第1の部材は、前記入口ポートと、前記出口ポートとをさらに有することを特徴とするフローセル。
  11. 請求項記載のフローセルにおいて、前記第1の部材の外周部は、前記第2の部材の外周部に接着されることを特徴とするフローセル。
  12. 請求項記載のフローセルにおいて、前記第1の部材及び前記第2の部材は、高分子材料から形成されることを特徴とするフローセル。
  13. 請求項12記載のフローセルにおいて、前記高分子材料はアクリルを含むことを特徴とするフローセル。
  14. 請求項13記載のフローセルにおいて、前記フローセルはディスポーザブルであることを特徴とするフローセル。
  15. 請求項14記載のフローセルにおいて、該フローセルは、前記出口ポートと、前記出口ポートを介して前記フローセルから流出する流体を保存するバッグとを流体接続するチューブをさらに備えることを特徴とするフローセル。
  16. 流体中の1又は複数の病原体を低減するためのシステムであって、該システムは、
    複数のチャネルを有するフローセルと、
    照射システムと、
    を備え、
    前記フローセルは、
    複数のチャネルと、
    前記フローセルに流体を導入する入口ポートと、
    前記入口ポートと前記複数のチャネルと流体連通する少なくとも1つの入口マニホールドと、
    前記フローセルから流体を流出させる出口ポートと、
    前記出口ポートと前記複数のチャネルと流体連通する少なくとも1つの出口マニホールドと、を有し、
    前記少なくとも1つの入口マニホールドの断面は、基端から先端に向かって小さくなる形状であり、
    前記少なくとも1つの出口マニホールドの断面は、基端から先端に向かって小さくなる形状であり、
    前記入口マニホールド及び前記出口マニホールドは、前記複数のチャネルと厚さ方向に交わっており、
    前記複数のチャネルの各チャネルは、0.075mm以上0.150mm未満の深さであり、
    前記照射システムは、前記複数のチャネルの各チャネルを、複数の方向から照射することを特徴とするシステム。
  17. 請求項16記載のシステムにおいて、前記流体は赤血球を含むことを特徴とするシステム。
  18. 請求項16記載のシステムにおいて、前記流体は濃厚赤血球を含むことを特徴とするシステム。
  19. 請求項16記載のシステムにおいて、該システムは、前記フローセルを保持しクランプするためのクランプ具をさらに備えることを特徴とするシステム。
  20. 請求項19記載のシステムにおいて、前記クランプ具は、第2プレートに対向して配置される第1プレートを有することを特徴とするシステム。
  21. 請求項20記載のシステムにおいて、前記クランプ具は、前記第1プレートと前記第2プレートとの間に前記フローセルを保持することを特徴とするシステム。
  22. 請求項21記載のシステムにおいて、前記第1プレート及び前記第2プレートは光に対して透明であることを特徴とするシステム。
  23. 請求項21記載のシステムにおいて、前記第1プレートは、前記クランプ具を閉じる際、前記フローセルに接触して前記フローセルを保持する第1ガスケットを有することを特徴とするシステム。
  24. 請求項23記載のシステムにおいて、前記第2プレートは、前記クランプ具を閉じる際、前記フローセルに接触して前記フローセルを保持する第2ガスケットを有することを特徴とするシステム。
  25. 請求項23記載のシステムにおいて、前記第2プレートは、前記クランプ具を閉じる際、前記フローセルに接触して前記フローセルを保持する第2ガスケットを有することを特徴とするシステム。
  26. 請求項25記載のシステムにおいて、前記フローセルは、
    前記複数のチャネルに流体連通する少なくとも1つの入口マニホールドと、
    前記複数のチャネルに流体連通する少なくとも1つの出口マニホールドと、
    をさらに有することを特徴とするシステム。
  27. 請求項26記載のシステムにおいて、前記フローセルが前記クランプ具にクランプされる場合、前記第1ガスケットの少なくとも一部は、前記少なくとも1つの入口マニホールドの少なくとも一部又は前記少なくとも1つの出口マニホールドの少なくとも一部と位置合わせされることを特徴とするシステム。
  28. 請求項22記載のシステムにおいて、前記照射システムは、前記第1プレート近傍に設けられる第1光源と、前記第2プレート近傍に設けられる第2光源とをさらに有することを特徴とするシステム。
  29. 流体中の1又は複数の病原体を低減するための方法であって、該方法は、
    流体を、第1流量で、複数の直線状チャネルを有するフローセルに導入する工程と、
    前記チャネルを紫外光で少なくとも2つの方向から照射する工程と、
    前記流体中の病原体を少なくとも対数減少値1.5で低減させる工程と、
    を有し、
    前記フローセルは、
    複数のチャネルと、
    前記フローセルに流体を導入する入口ポートと、
    前記入口ポートと前記複数のチャネルと流体連通する少なくとも1つの入口マニホールドと、
    前記フローセルから流体を流出させる出口ポートと、
    前記出口ポートと前記複数のチャネルと流体連通する少なくとも1つの出口マニホールドと、を有し、
    前記少なくとも1つの入口マニホールドの断面は、基端から先端に向かって小さくなる形状であり、
    前記少なくとも1つの出口マニホールドの断面は、基端から先端に向かって小さくなる形状であり、
    前記入口マニホールド及び前記出口マニホールドは、前記複数のチャネルと厚さ方向に交わっており、
    前記チャネルは、0.075mm以上0.150mm未満の深さ及び所定の幅を有することを特徴とする方法。
  30. 請求項29記載の方法において、前記流体は赤血球を含むことを特徴とする方法。
  31. 請求項29記載の方法において、前記流体は濃厚赤血球を含むことを特徴とする方法。
  32. 請求項29記載の方法において、前記第1流量は約1ml/minから約50ml/minの間であることを特徴とする方法。
  33. 請求項32記載の方法において、前記所定の深さは約0.150mmから約0.050mmの間であることを特徴とする方法。
  34. 請求項29記載の方法において、前記第1流量は約10ml/minから約40ml/minの間であることを特徴とする方法。
  35. 請求項34記載の方法において、前記所定の深さは約0.125mmから約0.050mmの間であることを特徴とする方法。
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