JP6839041B2 - ポンプ設備及びその運転支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば河川の排水を行う排水機場に設置されるポンプ設備、及びこのポンプ設備の運転を支援する方法に関する。
例えば河川におけるポンプ場や水門等の排水施設においては、複数のポンプ装置(例えば横軸ポンプ)を用いた排水制御が行われている。この排水制御では、河川からの水を吸水槽に導水しておき、当該吸水槽の水位が所定の起動水位まで上昇したときにポンプ運転台数を1台増加し、吸水槽の水位が所定の停止水位に下降したときにポンプ運転台数を1台減らす。これら起動水位及び停止水位は、排水施設の構造及び運用の経験に基づき、操作員の判断で定められる。
このような排水制御では、吸水槽への流入量が予測可能なものであれば、起動水位及び停止水位を適宜設定することで適切な水位に制御することができる。しかしながら、河川における排水制御では吸水槽への流入量が一定ではなく、吸水位がポンプ運転/停止や河川の水路形状の影響で変動し、流入量を正確に把握することができない。また、ポンプを起動するために、ポンプ内に水を溜めるまでに時間を要する。このため、ポンプの起動発停が多くなり、あるポンプの運転時間が極端に短くなり(あるいは長くなる)、ポンプの運転時間に偏りが生じ、さらにはポンプの起動/停止のタイミングが合わないといった問題が生じる。
これらの問題に対しては、従来は操作員によるポンプの運用で対処していたが、ポンプの起動および停止を適切に判断・制御することで、起動発停、運転時間、起動/停止タイミングの適正化を図ることが望ましい。
そこで、特許文献1では、過去の降雨データ及び水位データ等より上流からの予測流入量、ポンプ内水位及び外水位を算出してガイダンス表示するとともに、ポンプ運転台数及び回転速度を決定してポンプの運転を自動的に制御するようにしたポンプ運転支援システムが開示されている。
また、特許文献2では、降雨情報及び下水管の水位情報を参照してポンプ井の水位予測値を算出して目標値とし、実際のポンプ井の水位を当該目標値に追従させるように排水ポンプの吐出量を制御し、また一定時間のポンプ運転台数スケジュールを作成するようにしたポンプ運転支援装置が開示されている。
特開平8−100771号公報 特開2004−250939号公報
上記特許文献に記載の運転支援装置は、ポンプの運転を自動制御することで流入量及び水位の変動に対応するものであるが、河川における排水制御では吸水槽への流入量が一定ではなく、吸水位がポンプ運転/停止や河川の水路形状の影響で変動し、しかもポンプを起動するために時間を要することから、全ての流入条件に対し自動制御だけで対応することは、実際上は十分ではない。また、個々のポンプによる排水量を自動制御する場合には、ポンプを駆動する電動機等の回転速度を制御するシステムや雨量計等の計器類が必要となることから、設備の導入及び維持管理コストが増えてしまう。
そこで、河川のような流入量が確実に予測できない状況下では、水位や運転特性等の状況に応じて、自動制御から手動操作に切り替えて、ポンプ運用により排水量を微調整することが、設備運用上の信頼性・安定性及びコストの観点から望ましい。しかし、ポンプを起動し又は停止するタイミングは、操作員の経験や勘に依存するところが多く、経験の少ない操作員に対しても効率良く操作ができるように、適切なガイダンスがなされることが望まれていた。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、ポンプの回転速度制御や雨量計等を省略した簡易な構成で、流入量が確実に予測できない状況下においても、ポンプの起動及び停止タイミングを適切かつ効率よく判断し、操作ができるようにした横軸ポンプ設備及びその運転支援方法を提供することを目的とする。
本発明に係るポンプ設備は、真空ポンプにより吸気し、ケーシング内を満水させて起動されるポンプ装置を複数備えたポンプ設備において、ポンプ装置が設置され、流入水を導水するための吸水槽と、吸水槽における水位を計測する水位計測部と、水位計測部で計測された水位情報に基づき水位変動量を算出し、ポンプ装置を起動又は停止させる基準水位に達するまでの基準時間を算出し、当該基準時間から前記ポンプ装置の起動または停止に要する時間との差に相当する時間を切替予測時間として算出する工程予測部と、ポンプ装置を起動または停止させるべきタイミングを示す支援情報を、基準水位及び水位変動量等と対応づけて記憶する支援データ記憶部と、算出された水位変動量及び基準水位等に対応する支援情報を、支援データ記憶部から抽出する支援データ抽出部と、支援情報を出力表示する表示部と、を備えたものである。
上記の構成を備えたポンプ設備において、ポンプ装置の台数に対応して支援データ記憶部に支援情報を記憶しておき、支援データ抽出部において、現在運転中のポンプ装置の台数に対応する支援情報を抽出するようにすることが好ましい。
また、上記の構成を備えたポンプ設備において、ポンプ装置の運転時間に関する情報を、支援情報と対応づけて支援データ記憶部に記憶しておき、支援データ抽出部において、支援情報とともにポンプ装置の運転時間の情報を抽出するようにすることが好ましい。
また、工程予測部において、水位情報及び水位変動量等に基づき吸水槽への流入水の流量を予測し、当該予測流量の情報を表示部に表示出力することが好ましい。さらに、吸水槽への流入水の流量情報を、水位情報及び水位変動量等に対応づけて支援データ記憶部に記憶しておき、支援データ抽出部において、支援データ記憶部から抽出された流入水の流量情報を抽出するようにすることが好ましい。
本発明に係るポンプ設備における運転支援方法は、ポンプ装置が設置されて流入水を一時的に貯蔵する吸水槽における水位を計測する水位計測ステップと、計測された水位情報に基づき水位変動量を算出し、ポンプ装置を起動又は停止させる基準水位に達するまでの基準時間を算出し、当該基準時間から前記ポンプ装置の起動または停止に要する時間との差に相当する時間を切替予測時間として算出する工程予測ステップと、ポンプ装置を起動または停止させるべきタイミングを示す支援情報を、基準水位及び水位変動量と対応づけて記憶する支援データ記憶部より、算出された水位変動量及び基準水位等に対応する支援情報を抽出する支援データ抽出ステップと、抽出された支援情報を出力表示する表示ステップと、を備えたものである。
本発明によれば、ポンプの回転速度制御や雨量計等を省略した簡易な構成で、流入量が確実に予測できない状況下においても、ポンプの起動及び停止タイミングを適切かつ効率よく判断し、操作ができることができる。本発明は、経験の浅いオペレータによってポンプ設備を運転する場合に、特に有効である。
本発明の一実施形態に係るポンプ設備の構成を概略的に示す図である。 吐出槽の構成を概略的に示す図である。 ポンプ設備の構成を示すブロック図である。 ポンプの起動及び停止のタイミングを算出するための説明図である。 支援データ記憶部に記憶される情報の一例を示す説明図である。 次工程の通知処理の手順を示すフローチャートである。 次工程の通知処理の手順を示すフローチャートである。 予測流入量表示の手順を示すフローチャートである。 予測運転時間表示の手順を示すフローチャートである。 水位安定時における表示例を示す説明図である。 水位上昇時における表示例を示す説明図である。 水位上昇時における表示例を示す説明図である。 水位上昇時における表示例を示す説明図である。 水位下降時における表示例を示す説明図である。 水位下降時における表示例を示す説明図である。 支援データ記憶部に記憶される情報の別の例を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係る横軸ポンプ設備について、図面を参照して説明するが、本発明は横軸ポンプに限定されるものではなく、立軸ポンプや渦巻ポンプといったポンプを備えたポンプ設備にも適用することができる。なお、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、横軸ポンプ設備10の構成を概略的に示した図である。図1に示すように、吸水槽11の上に据え付けられた横軸ポンプ12は、斜流又は軸流ポンプであり、ケーシング13の内部にポンプインペラ14が設けられている。ポンプインペラ14には、減速機16を介して電動機17が設けられており、ポンプインペラ14を所定の回転速度で回転させて、吸水槽11に溜まっている水を、吐水管18を介して吐水槽(図2参照)へ排出する。
ケーシング13の上部の吸気口には、上部の配管を介して満水検知器20が設けられており、さらに吸気弁21と吸気配管22を介して真空ポンプ23が接続されている。また、ケーシング13の内部でポンプインペラ14の上流側及び下流側には、それぞれ真空計24と圧力計25が設けられており、ケーシング13内部の真空度と圧力を測定する。さらに、ケーシング13の内部には、例えば静電容量式のセンサである落水検知器26が設けられている。
横軸ポンプ12を起動する指令が出されると、吸気弁21を開操作し、真空ポンプ23を起動して、ケーシング13内部の吸気が行われると、吸水槽11内の水がケーシング13内に流入する。その後、ケーシング13内の水位Lpが徐々に上昇し、満水検知器20により所定の満水水位が検出されると、電動機17が起動する。その後、吸気弁21が閉じられ、真空ポンプ23が停止する。これにより、横軸ポンプ12が起動する。その後、電動機17が停止されると、横軸ポンプ12の動作が停止する。
本実施形態におけるポンプ設備10では、前述したものと同じ構造を有する複数の横軸ポンプ30,31が、吸気弁を介して真空ポンプ23に接続されている。なお、図1の例では3台の横軸ポンプ12、30、31が示されているが、横軸ポンプの数に限定はなく、2台の横軸ポンプを設けても良く、また横軸ポンプを4台以上設けても良い。
吸水槽11の内部で横軸ポンプ12の上流側には、スクリーン35が設けられており、河川から流れ込むごみ等の異物がポンプ内に入り込むのを防止する。また、スクリーンの上流側には流入水路36が配置され、河川からの流入水はこれら流入水路36及びスクリーン35を経て、横軸ポンプ12に達する。また、流入水路36には水位計37が設置されており、横軸ポンプ12の上流側の内水位Li2を計測する。
図2において、吐水槽40には横軸ポンプ12から排水された水が溜められており、吐出樋管41を介して外部に水を排出できるようにされている。また、吐出樋管41の上流側及び下流側には、それぞれ水位計42、43が設置されており、吐水槽40の水位(吐水位Ld)と外水位Loを計測する。
図3は、ポンプ設備10の電気的構成の概略を示すブロック図であり、前述した電動機17、吸気弁22、真空ポンプ23、水位計37等の各構成要素は、制御部50に接続されてその動作が制御される。また、ポンプ設備10には、ポンプ設備10の稼働状況や操作支援情報を表示する表示パネル51と、操作者によって横軸ポンプ12の起動/停止等の指示を含む各種情報を入力するための入力部52が設けられている。なお、表示パネル51と入力部52を、タッチパネルで構成するようにしても良い。
さらに、ポンプ設備10には、工程予測部53,支援データ記憶部54及び支援データ抽出部55が設けられており、現在のポンプ設備の稼働状況から、ポンプを起動/停止すべきタイミングに関する情報を算出ないし抽出して、表示パネル51に表示させる。
工程予測部53では、横軸ポンプを構成する各場所における水位を測定ないし算出するとともに、得られた水位の情報から、水位変動、流入水量、横軸ポンプの起動及び停止タイミングといったポンプの運転状況に関する情報を算出する。工程演算部53では、例えば次のようにして各種情報を算出する。
工程演算部53では、水位計37、42、43で測定された水位情報より、吸水槽11の上流側の内水位Li2、吐水位Ld及び外水位Loを得る。そして、吸水槽11の下流側(ポンプが配置されている側)の吸水位Lsを、次式にて算出する。
s=Li2−(スクリーンロス)
ここで、スクリーンロスとは、スクリーン35によって吸水槽11内の水流が隔てられることで生じる水位差(所定値)であり、工程演算部53にて予め記憶されている。
そして、工程演算部53では、吐水位Ldと吸水位Lsの差を実揚程Haとして算出し、得られた実揚程Haを所定の特性曲線(実揚程曲線(Q−H曲線))に適用することで、横軸ポンプ12の吐出流量Qを算出する。吐出槽40における吐出流量Qoは、例えば横軸ポンプ12の吐出流量Qを積算する等の公知の手法を用いて算出することができる。なお、吐出流量の算出にあたり、ポンプ起動中又は停止中の過渡応答等で流量変動が激しい場合には、図示しないタイマーのカウントアップまで演算値を固定(流量を算出しない)しても良く、あるいは公知の外乱補正をしても良い。
また、工程演算部53では、吸水槽11の上流側の内水位Li1を、次式にて算出する。
i1=Li2+ξ・Vi 2/2g
ここで、ξは損失係数(所定値)、Viは水路流速であって吸込流量Qiと水路断面積(所定値)より算出することができる。なお、内水位の算出にあたり、ポンプ起動中又は停止中の過渡応答等で水位変動が激しい場合には、図示しないタイマーのカウントアップまで演算値を固定(水位を算出しない)しても良く、あるいは公知の外乱補正をしても良い。
工程演算部53では、さらに、吸水槽11における水位変動量に基づき、横軸ポンプの次号機を起動させるタイミングまたは現在稼働中の横軸ポンプを停止させるタイミングを算出する。図4に示すように、工程演算部53では、次号機を起動させる条件としての起動水位LHighと、現在稼働中のポンプを停止させる条件としての停止水位LLowの値を、設定値として予め記憶しており、所定時間における水位の変動量に応じて、横軸ポンプを停止/起動すべきタイミングを算出する。なお、入力部52を介してこれら起動水位及び停止水位を変更可能としても良い。
図4の例で説明すると、ある時刻T0における水位(内水位Li2)の算出値がL0であって、現時点(時刻T1)における水位の算出値がL1となっていた場合には、一定時間(T1−T0)における水位変動量ΔLは、(L1−L0)/(T1−T0)で算出される正の値となる(すなわち水位が増加している)。そして、工程演算部53では、算出された水位変動量に基づき、水位が起動水位LHighに達する時刻(基準時刻)を算出する。そして、当該基準時刻と、ポンプ装置の起動に要する時間(ポンプ装置が満水に達するまでの時間)との差に相当する時刻(次号機起動時刻)T2を算出することで、次号機を起動させるタイミング(次号機起動時間Tstart)を予測する。
また、現時点(時刻T1)における水位の算出値がL2となっていた場合には、水位変動量(ΔL/Δt)は、(L2−L0)/(T2−T0)で算出される負の値となる(すなわち水位が低下している)。そして、工程演算部53では、算出された水位変動量に基づき、水位が起動水位LLOWに達する時刻(基準時刻)を算出する。そして、当該基準時刻と、ポンプ装置の停止に要する時間との差に相当する時刻(現号機停止予定時刻)T3を算出することで、現号機を停止させるタイミング(現号機停止時間Tstop)を予測する。
このようにして、工程演算部53では、現在の水位(内水位Li1、Li2、吸水位Ls、吐水位Ld)、吸込流量Qi、水位変動(ΔL/Δt)、次号機起動時間Tstart(または現号機停止時間Tstop)の情報を算出する。
図5は、支援データ記憶部54に記憶されたデータの一例を示したものであり、識別IDごとに、稼働ポンプ台数、現水位(吐水位Ld、外水位Lo、ポンプ内水位)、水位変動量、吐出流量Qo、吸込流量Qi、設定水位、操作支援情報、運転時間、操作選択(自動操作か手動操作か)といったデータが記憶されている。ここで、設定水位とは起動水位または停止水位であり、操作支援情報とは、次号機の起動タイミングまたは現号機の停止タイミングを示す情報である。運転時間は次号機のポンプを起動する場合の当該次号機の運転時間である。
支援データ記憶部54に記憶されるデータには、過去の同種ポンプ装置の運転履歴に基づくデータや、シミュレーションで得られたデータを含めることができる。また、稼働中のポンプ設備10の運転履歴に基づき、支援データ記憶部54内の情報をアップデートするようにしても良い。
支援データ抽出部55は、支援データ記憶部54に記憶されたデータから、水位変動量、現水位、吐出流量Qo、ポンプ運転台数、設定水位といった情報をキーとして、これらが類似する識別IDに対応する吸込流量Qi、操作支援情報操作タイミング及び運転時間の情報を抽出する。キーとなる情報が類似するかどうかは、例えば、ポンプ運転台数及び設定水位が一致しており、現水位及び水位変動量の差が所定値以内である場合に、類似すると判定することができる。また、水位変動量、現水位、ポンプ運転台数、吐出流量Qo、設定水位の全ての情報をキーとする必要はなく、一部の情報をキーとして類似するデータを抽出するようにしても良い。
図6及び図7は、上記実施形態に係るポンプ設備10における操作支援メッセージの表示手順を示したフローチャートである。工程演算部53では、一定時間における吸水槽での水位変動量ΔL及び吐出流量Qoを算出する(ステップS11)。そして、算出された水位変動量ΔLが小さい場合、すなわち設定値ΔLa以上ΔLb以下の範囲内にあるかどうかを判定する(ステップS12)。
水位変動量ΔLが当該範囲内にある場合(ステップS12で「Y」の場合)に、工程予測部53は、吸水槽への予測流入量を吐出流量Qoと同一であると推定し(ステップS13)、水位安定中を示すメッセージともに当該予測流入量を表示部37に出力表示する(ステップS14、図8参照)。図10は、水位変動が小さい場合における、表示パネル51のメッセージ表示の一例を示すものであり、「水位は安定しています」のメッセージと、算出された予測流入量の値が出力表示される。
一方、水位変動量ΔLが当該範囲の外にある場合(すなわち水位変動が大きい場合)には、工程予測部53は、水位変動ΔLが所定値ΔLbより大きいかどうか(すなわち、水位が上昇しているかどうか)を判定する(ステップS20)。
水位が上昇している場合(ステップS20で「Y」)には、工程予測部53は、水位変動量ΔL、現水位、ポンプ運転台数、吐出流量Qo、設定水位の一部または全ての情報をキーとして、支援データ記憶部54に記憶されたデータから、類似する情報を含む識別IDに対応する吸込流量の情報を抽出する。複数の識別IDに対応する情報が抽出された場合には、最大値、最小値又は平均値のいずれかを、吸込流量として算出する。そして、工程予測部53は、抽出ないし算出された吸込流量(過去データに基づく値)を上限値に、算出された吐出流量Qoを下限値とした範囲を、予測流入量として算出する(ステップS21、図8参照)。
そして、図11に示すように、水位上昇中であることを示すメッセージと、上記算出された予測流入量の情報を、表示パネル51に表示出力する(ステップS22)。
その後、水位が起動水位に近づいた場合(例えば、起動水位と所定値以内となった場合)には(ステップS23で「Y」)、工程予測部53は、水位変動量ΔL及び設定水位の情報に基づき、次号機を起動するタイミング(あるいは現号機を停止するタイミング)を、予測値として算出するとともに、水位変動量ΔL、現水位、ポンプ運転台数、吐出流量Qo、設定水位の一部または全ての情報をキーとして、支援データ記憶部54に記憶されたデータから、類似する情報を含む識別IDに対応する吸込流量の情報を、過去類似データとして抽出する(ステップS24)。複数の識別IDに対応する情報が抽出された場合には、最大値、最小値又は平均値のいずれかを、吸込流量として算出する。
そして、図12に示すように、「次号機の起動待ちです」とのメッセージに加え、次号機起動までの時間(予測値、過去類似データ)といった操作支援メッセージを表示出力する(ステップS25)。次いで、水位が起動水位に達した場合には、次号機に対応するポンプ装置が起動され、図13に示すように、「次号機の起動中です」とのメッセージに加え、次号機の予測運転時間(過去類似データ)を表示パネル51に表示する(ステップS26)。図13の例では、予測運転時間の最大値、最小値及び平均値を表示しているが、いずれか1つのみ表示するようにしても良い(図9参照)。
一方、水位が下降している場合(ステップS20で「N」)、には、工程予測部53は、水位変動量ΔL、現水位、ポンプ運転台数、吐出流量Qo、設定水位の一部または全ての情報をキーとして、支援データ記憶部54に記憶されたデータから、類似する情報を含む識別IDに対応する吸込流量の情報を抽出する。複数の識別IDに対応する情報が抽出された場合には、最大値、最小値又は平均値のいずれかを、吸込流量として算出する。そして、工程予測部53は、抽出ないし算出された吸込流量(過去データに基づく値)を下限値に、算出された吐出流量Qoと上限値とした範囲を、予測流入量として算出する(ステップS31、図8参照)。
そして、図14に示すように、水位下降中であることを示すメッセージと、上記算出された予測流入量の情報を、表示パネル51に表示出力する(ステップS32)。
その後、水位が停止水位に近づいた場合(例えば、停止水位と所定値以内となった場合)には(ステップS33で「Y」)、工程予測部53は、水位変動量ΔL及び設定水位の情報に基づき、次号機を起動するタイミング(あるいは現号機を停止するタイミング)を、予測値として算出するとともに、水位変動量ΔL、現水位、ポンプ運転台数、吐出流量Qo、設定水位の一部または全ての情報をキーとして、支援データ記憶部54に記憶されたデータから、類似する情報を含む識別IDに対応する吸込流量の情報を、過去類似データとして抽出する(ステップS34)。複数の識別IDに対応する情報が抽出された場合には、最大値、最小値又は平均値のいずれかを、吸込流量として算出する。
そして、図15に示すように、「現号機の起動待ちです」とのメッセージに加え、現号機停止までの時間(予測値、過去類似データ)といった操作支援メッセージを表示出力する(ステップS35)。次いで、水位が停止水位に達した場合には、現号機に対応するポンプ装置が停止され、「現号機は停止中です」とのメッセージが表示パネル51に表示される(ステップS36)。
このように、吸水槽への予測流入量の情報とともに、次号機起動(あるいは現号機停止)のタイミングの情報を、算出値と推定値(支援データ記憶部からの情報)で表示することにより、操作に不慣れな操作者であっても、適切な操作タイミングを容易に把握することができる。また、電動機等の回転速度を制御するシステムや雨量計等の計器類等を省略した簡易な設備構成に対して適用可能とされているため、ポンプ設備の導入及び維持管理コストを抑えることが可能となる。
上記の実施形態では、ポンプ装置の起動及び停止のタイミングの情報を表示しているが、本発明はこれに限らず、例えば、図5の表から抽出された情報のうち、自動操作と手動操作とで分類し、操作タイミングの情報を、自動運転の場合と手動運転の場合とで分けて表示するようにしても良い。手動運転の操作タイミング情報を、熟練者の運用(お手本)として表示することで、自動運転と手動運転の運用パターンを容易に認識することができる。また、手動運転の操作タイミング情報とともに、ポンプ操作の留意事項をあわせて表示するようにしても良い。
上記の実施形態では、ポンプ装置による処理対象として、河川からの排水を対象としているが、これに限定されることはなく、例えば農業用や工業用の用水ポンプの運転制御にも適用することができる。さらに、支援データ記憶部54内のデータを、気象条件(洪水、大雨、小雨)ごとに別途用意しておき、ポンプ装置の稼働時における気象条件に応じた操作支援情報等を抽出するようにしても良い。
上記実施形態では、支援データ記憶部54より、操作支援情報としての切り替え予測時間及び運転時間の情報を抽出しているが、図16に示すように、支援データ記憶部54において、予め切替予測時間、運転時間の平均値、最小値(最短値)及び最大値(最長値)を記憶しておき、当該平均値、最短値及び最長値の情報を抽出して出力表示するようにしても良い。その際、操作員によって入力されるポンプ装置の運用レベルが一致した情報のみ、抽出するようにしても良い。
また、ポンプ装置の起動時間、ポンプの起動及び停止(起動発停)のタイミング、及びポンプの運転時間のいずれかが最も短い(あるいは最も長い)ものを優先させて表示するようにしても良い。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
10 横軸ポンプ設備
11 吸水槽
12、30,31 横軸ポンプ
17 電動機
22 吸気弁
23 真空ポンプ
37 水位計
50 制御部
51 表示パネル
52 入力部
53 工程予測部
54 支援データ記憶部
55 支援データ抽出部

Claims (6)

  1. 真空ポンプにより給気し、ケーシング内を満水させて起動されるポンプ装置を複数備えたポンプ設備において、
    前記ポンプ装置が設置され、流入水を一時的に貯蔵する吸水槽と、
    前記吸水槽における水位を計測する水位計測部と、
    前記水位計測部で計測された水位情報に基づき水位変動量を算出し、前記ポンプ装置を起動又は停止させる基準水位に達するまでの基準時間を算出し、当該基準時間から前記ポンプ装置の起動または停止に要する時間との差に相当する切替予測時間として算出する工程予測部と、
    前記ポンプ装置を起動または停止させるべきタイミングを示す支援情報を、前記基準水位及び前記水位変動量と対応づけて記憶する支援データ記憶部と、
    算出された前記水位変動量及び前記基準水位に対応する前記支援情報を、前記支援データ記憶部から抽出する支援データ抽出部と、
    前記支援情報と前記切替予測時間の情報を出力表示する表示部と、を備えたことを特徴とするポンプ設備。
  2. 前記支援データ記憶部では、前記支援情報が、ポンプ装置の台数に対応して記憶されており、
    前記支援データ抽出部は、起動中の前記ポンプ装置の台数に対応する前記支援情報を抽出することを特徴とする、請求項1記載のポンプ設備。
  3. 前記支援データ記憶部では、ポンプ装置の運転時間に関する情報が、前記支援情報と対応づけて記憶されており、
    前記支援データ抽出部は、前記支援情報とともに前記ポンプ装置の運転時間の情報を抽出することを特徴とする、請求項1記載のポンプ設備。
  4. 前記工程予測部は、前記水位情報及び水位変動量に基づき前記吸水槽への流入水の流量を予測し、
    前記表示部は、前記流入水の予測流量を表示することを特徴とする、請求項1または2記載のポンプ設備。
  5. 前記支援データ記憶部では、前記吸水槽への流入水の流量情報が、前記水位情報及び水位変動量に対応づけて記憶されており、
    前記支援データ抽出部は、前記支援データ記憶部から抽出された流入水の流量情報を抽出することを特徴とする、請求項4記載のポンプ設備。
  6. 真空ポンプにより給気し、ケーシング内を満水させて起動されるポンプ装置を複数備えたポンプ設備における運転支援方法であって、
    前記ポンプ装置が設置され、流入水を一時的に貯蔵する吸水槽における水位を計測する水位計測ステップと、
    計測された水位情報に基づき水位変動量を算出し、前記ポンプ装置を起動又は停止させる基準水位に達するまでの基準時間を算出し、当該基準時間から前記ポンプ装置の起動に要する時間との差に相当する切替予測時間として算出する工程予測ステップと、
    前記ポンプ装置を起動または停止させるべきタイミングを示す支援情報を、前記基準水位及び前記水位変動量と対応づけて記憶する支援データ記憶部より、算出された前記水位変動量及び前記基準水位に対応する前記支援情報を抽出する支援データ抽出ステップと、
    前記支援情報と前記切替予測時間の情報を出力表示する表示ステップと、を備えたことを特徴とする運転支援方法。
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