JP6836708B2 - 積層体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱融着により接着された積層体及びその製造方法に関する。
現在、スポーツシューズを軽量化するために、表皮材が見直されている。軽量化に適する表皮材としてTPO(サーモプラスチック・オレフィン;熱可塑性オレフィン樹脂)レザーが注目されている。しかし、TPOレザーは傷付きやすく、耐摩耗性、耐摩擦性に劣る欠点があり、これを補うため表面処理剤を塗工して表面改質と外観調整を施す必要がある(例えば、特許文献1を参照。)。また、オレフィン樹脂は難密着素材であり、表面処理剤にはオレフィン素材との密着機能を付与する必要がある。
さらに、スポーツシューズは生産効率の向上が求められている。したがって、裁断したパーツ間を熱融着等により接着することができれば、生産性の大幅改善が期待できる。また、熱融着等により接着する際、専用の接着剤を塗工すること無く、表面処理剤の塗膜がパーツ間の接着を担うことができれば、さらに生産性の改善が期待できる。
そこで、TPOレザー等のポリオレフィンの表面に耐摩耗性、耐摩擦性を付与でき、かつ熱融着等による接着が可能な表面処理剤の塗膜を有する積層体が求められていた。
特開2006−176615号公報
本発明が解決しようとする課題は、ポリオレフィンの表面に耐摩耗性、耐摩擦性を付与でき、かつ熱融着等による接着が可能な表面処理剤の塗膜を有する積層体を用いて、前記表面処理剤の塗膜の表面同士を熱融着により接着した積層体及びその製造方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水性ポリウレタン、酸変性非塩素化ポリオレフィン及び架橋剤を特定の比率で含有した水性表面処理剤の塗膜を有するポリオレフィン基材からなる積層体は、前記水性表面処理剤の塗膜による耐摩耗性、耐摩擦性が高く、マット調のより高級感のある意匠性があり、さらに前記水性表面処理剤の塗膜同士を接触させ、熱融着すると高い密着性での接着が可能なことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ポリオレフィン基材(A)からなる第1層、水性ポリウレタン(b1)、酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)及び架橋剤(b3)を含有する水性表面処理剤の塗膜である樹脂層(B)からなる第2層、前記樹脂層(B)からなる第3層、及び前記ポリオレフィン基材(A)からなる第4層が順次積層された積層体であって、前記酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)の含有量が、前記水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して4〜23質量部であり、前記架橋剤(b3)の含有量が、前記水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して1〜9質量部であり、さらに前記第2層と前記第3層との界面が熱融着面であることを特徴とする積層体及びその製造方法を提供するものである。
本発明の積層体は、耐摩耗性、耐摩擦性が高く、マット調のより高級感のある意匠性があり、さらに水性表面処理剤の塗膜同士を接触させ、熱融着すると高い密着性での接着が可能な水性表面処理剤の塗膜を有するポリオレフィン基材からなる積層体を熱融着により接着させたものであることから、スポーツシューズ、鞄、ブックカバー、シートカバー、化粧板、手袋、アクセサリーケース、床材等の材料として好適に用いることができる。
本発明の積層体は、ポリオレフィン基材(A)からなる第1層、水性ポリウレタン(b1)、酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)及び架橋剤(b3)を含有する水性表面処理剤の塗膜である樹脂層(B)からなる第2層、前記樹脂層(B)からなる第3層、及び前記ポリオレフィン基材(A)からなる第4層が順次積層された積層体であって、前記酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)の含有量が、前記水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して4〜23質量部であり、前記架橋剤(b3)の含有量が、前記水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して1〜9質量部であり、さらに前記第2層と前記第3層との界面が熱融着面であるものである。
前記ポリオレフィン基材(A)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、TPO(サーモプラスチック・オレフィン;熱可塑性オレフィン樹脂)等が挙げられる。前記TPOとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンをハードセグメントとしエチレン−プロピレンゴム(EPM、EPDM)等のゴム成分をソフトセグメントとする熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Olefinic Elastomer)も用いることができ、前記熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィンとゴム成分のブレンドタイプ、それらの動的架橋タイプ(TPV:Themoplastic Vulcanizates)及び重合タイプ(R−TPO:Reactor−TPO)等が挙げられる。
前記水性ポリウレタン(b1)は、水性媒体中に溶解又は分散するポリウレタンであればよく、中でもカルボキシル基及び/又は水酸基を有するポリウレタンが好ましい。この水性ポリウレタン(b1)のうち、水酸基を有するポリウレタンの製造方法としては、例えば、過剰量のポリオール及び/又はグリコールとポリイソシアネートとを反応させて末端に水酸基を有するポリウレタンを得る方法、イソシアネート基末端のウレタンプレポリマーに2−アミノエタノール、2−アミノエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアルコール、アミノフェノール等を反応させて水酸基を有するポリウレタンを得る方法等が挙げられる。一方、カルボキシル基を有するポリウレタンの製造方法としては、例えば、カルボキシル基を有する化合物を原料としてウレタン化反応の際に使用する方法が挙げられる。
前記水性ポリウレタン(b1)の原料として用いるポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリブタジエン系等のポリオレフィンポリオールなどが挙げられる。これらの中でも、耐久性が優れていることから、ポリカーボネートポリオールが好ましい。また、カルボキシル基を有するポリウレタンの原料として用いるカルボキシル基を有する化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等が挙げられる。これらの中でも、2,2−ジメチロールプロピオン酸が好ましい。
上記の製造方法により得られる前記水性ポリウレタン(b1)の中でも、ポリカーボネートポリオールを原料として用いたポリカーボネート系水性ポリウレタンは、塗膜強度が高いことから好ましい。また、前記水性ポリウレタン(b1)は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
前記酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)は、ポリオレフィンを塩素化せずに酸変性したものである。前記ポリオレフィンは、オレフィン化合物を重合したものであり、前記オレフィン化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン等のものを用いることができる。また、これらのオレフィン化合物は、1種で用いることも2種以上併用することもでき、前記ポリオレフィン(b2)は、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。
前記ポリオレフィン(b2)の原料となるポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体、天然ゴム、合成イソプロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。また、前記ポリオレフィン(b2)がコポリマーである場合には、ランダムコポリマーであってもブロックコポリマーであってもよい。
また、前記ポリオレフィン(b2)は、上記で例示したポリオレフィンを酸変性したものであるが、その酸変性は、不飽和カルボン酸又はその無水物を用いて、ポリオレフィンと反応させる方法が好ましい。前記不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、アコニット酸、クロトン酸等のものが挙げられ、これらの無水物も挙げられる。また、不飽和カルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。これらの不飽和カルボン酸の中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸を用いることが好ましい。
ポリオレフィンの酸変性は、例えば、有機溶剤に溶解したポリオレフィンと、不飽和カルボン酸とを混合し、ポリオレフィンの軟化温度又は融点以上の温度で加熱して反応させることにより行うことができる。
前記酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
前記酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)の含有量は、前記水性表面処理剤の塗膜(前記樹脂層(B))同士の熱融着性を付与できることから、前記水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して4〜23質量部であるが、5〜20質量部がより好ましい。
前記架橋剤(b3)としては、オキサゾリン、カルボジイミド、ポリイソシアネート、ブロックイソシアネート、エポキシ、ポリシロキサン、アジリジン、アルキル化メラミン等の尿素樹脂系架橋剤、ヒドラジド系架橋剤などが挙げられる。これらの中でも、架橋性能と安全性の面から、カルボジイミド、ポリイソシアネートが好ましい。また、これらの架橋剤(b3)は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
前記架橋剤(b3)の含有量は、前記水性表面処理剤の塗膜(前記樹脂層(B))同士の熱融着性を付与できることから、前記水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して1〜9質量部であるが、3〜8.5質量部がより好ましい。
前記水性表面処理剤には、上記の水性ポリウレタン(b1)、酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)、及び架橋剤(b3)以外に、前記水性表面処理剤の塗膜表面にマット調のより高級感のある優れた意匠性を付与するため、マット(b4)を配合してもよい。前記マット剤(b4)としては、例えば、シリカ粒子、有機ビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、タルク、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、カオリン、雲母、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、アルミナシリケイト等が挙げられる。
前記シリカ粒子としては、乾式シリカ、湿式シリカ等が挙げられる。これらの中でも、散乱効果が高く光沢値の調整範囲が広くなることから、乾式シリカが好ましい。また、組成物中に分散しやすくなることから、有機化合物で表面修飾した乾式シリカがより好ましい。これらシリカ粒子の平均粒子径としては、2〜14μmの範囲が好ましく、3〜12μmの範囲がより好ましい。
前記シリカ粒子の使用量としては、所望のマット調の意匠が得られる光沢値が達成できることから、前記水性ポリウレタン(b1)、酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)の合計樹脂分100質量部に対して、0.1〜40質量部の範囲が好ましく、3〜30質量部の範囲がより好ましい。
前記有機ビーズとしては、例えば、アクリルビーズ、ウレタンビーズ、シリコンビーズ、オレフィンビーズ等が挙げられる。
上記のマット剤(b4)は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
前記水性表面処理剤には、上記の水性ポリウレタン(b1)、酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)、架橋剤(b3)、及びマット剤(b4)以外に、耐摩耗性と耐溶剤性をさらに改善するため、ポリオレフィンワックス(b5)を配合してもよい。
前記ポリオレフィンワックス(b5)の中でも、前記水性表面処理剤の塗膜にアルコール等の溶剤が接触してもその痕(溶剤痕)が残りにくく、耐溶剤性が向上することから、その溶融範囲が140〜180℃であるものが好ましく、145〜175℃であるものがより好ましく、150〜170℃であるものがさらに好ましい。このようなポリオレフィンワックス(b5)としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。これらのポリオレフィンワックス(b5)は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。なお、本発明において、ポリオレフィンワックス(b5)として、2種以上のものを併用した場合、その溶融範囲は、混合物での溶融範囲とする。また、溶融範囲は、JIS試験方法K0064−1992に準拠して測定したものである。
ポリオレフィンワックス(b5)の中でも、ポリプロピレンワックスを主成分としたものが、溶剤痕を低減できることから好ましい。また、前記ポリオレフィンワックス(b5)の使用量としては、溶剤痕の低減効果と塗膜強度を高めることができるから、前記水性ポリウレタン(b1)、酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)の合計樹脂分100質量部に対して、0.1〜20質量部の範囲が好ましく、3〜15質量部の範囲がより好ましい。
前記水性表面処理剤には、上記の成分(b1)〜(b5)以外に、各種界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、粘弾性調整剤、湿潤剤、分散剤、防腐剤、膜形成剤、可塑剤、浸透剤、香料、殺菌剤、殺ダニ剤、防かび剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、染料、顔料(例えば、チタン白、ベンガラ、フタロシアニン、カーボンブラック、パーマネントイエロー等)等の添加剤を配合してもよい。
ポリオレフィン基材(A)の表面への前記水性表面処理剤の塗工方法としては、公知の塗工方法を用いることができるが、例えば、グラビア法、オフセット法、グラビアオフセット法、フレキソ法、スクリーン法、マイクロコンタクト法、リバース法、エアドクターコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、スクイズコーター法、含浸コーター法、トランスファーロールコーター法、キスコーター法、キャストコーター法、スプレーコーター法、ダイ法、スピンコーター法、バーコーター法等が挙げられる。
上記でポリオレフィン基材(A)の表面へ前記水性表面処理剤を塗工した後、乾燥させることにより、前記水性表面処理剤の塗膜である樹脂層(B)を有するポリオレフィン基材(A)からなる積層体が得られる。この際の乾燥条件としては、温度は80℃以上で、前記ポリオレフィン基材(A)が熱による変形等を生じない温度範囲が好ましい。
上記で得られた前記樹脂層(B)を有するポリオレフィン基材(A)からなる積層体の前記樹脂層(B)の表面同士を接触させ、熱融着することにより、本発明の積層体が得られる。この際の熱融着の条件としては、温度は160〜220℃の範囲が好ましく、圧力は9.8kPa〜2.9MPaの範囲が好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(調製例1)
水性ポリウレタン(DIC株式会社製「ハイドラン WLS−210」、水性ポリウレタン、不揮発分:35質量%)43.9質量部(水性ポリウレタンの樹脂として15.37質量部)、酸変性非塩素化ポリオレフィン(ユニチカ株式会社製「アローベース SD−1010」、不揮発分:20.5質量%)4質量部(酸変性非塩素化ポリオレフィンの樹脂として0.82質量部)、架橋剤(日清紡ケミカル株式会社製「カルボジライト E−04」、カルボジイミド系架橋剤、不揮発分:40質量%)2質量部、マット剤(エボニックデグサ社製「ACEMATT 3300」、乾式法で製造され表面を有機処理されたシリカ粒子、平均粒子径:9.5μm)2.2質量部、ポリプロピレンワックス(Micro Powders社製「MICROMATTE 1213UVW」;溶融範囲150〜156℃)1質量部、ノニオン系界面活性剤(第一工業製薬株式会社製「ノイゲン EA−157」)0.1質量部、フッ素系界面活性剤(DIC株式会社製「メガファック F−444」)0.1質量部、粘弾性調整剤(サンノプコ株式会社製「SNシックナー 612NC」)0.7質量部及びイオン交換水46質量部を均一に混合して、水性表面処理剤(1)を得た。
(調製例2〜7)
表1に示した配合組成に変更した以外は調製例1と同様に行い、水性表面処理剤(2)〜(7)を得た。
(比較調製例1〜8)
表2に示した配合組成に変更した以外は調製例1と同様に行い、水性表面処理剤(R1)〜(R8)を得た。
Figure 0006836708
Figure 0006836708
(実施例1)
[評価用サンプルの作製]
調製例1で得られた水性表面処理剤(1)をバーコーターNo.14を用いて表面をコロナ処理したTPOシート(厚さ0.4mm)上に塗工した後、120℃で1分間乾燥して評価用サンプルを得た。
[耐摩擦試験]
上記で得られた評価用サンプルの水性表面処理剤の塗膜表面について、学振型摩擦試験機(株式会社大栄科学精器製作所製「RT−200」)を用いて、1kg荷重下、6号帆布で塗膜表面を摩擦して、帆布の汚染状態を目視で観察し、下記の基準にしたがって評価した。
○:汚染がわずかであった。
×:汚染があった。
[剥離試験]
上記で得られた評価用サンプルを15mm幅の短冊状に切り出した試験片を2枚用意し、その試験片の水性表面処理剤の塗膜表面同士を190℃×30秒、59.8kPaの圧力で熱圧着した後、剥離強度測定は環境湿度50%環境温度23℃下で株式会社エイ・アンド・デイ製「テンシロン万能試験機RTCシリーズ」を用いて、引っ張り速度100mm/分で剥離試験を行った。試験後の試験片の熱圧着面を目視で観察し、下記の基準にしたがって評価した。
○:塗膜表面では剥離せず、材料破壊を生じた。
×:塗膜表面で剥離した。
[マット感の評価]
上記で得られた評価用サンプルの水性表面処理剤の塗膜表面について、60°光沢値を光沢計(コニカミノルタ株式会社製「GM−268Plus」)を用いて測定した。得られた測定値から、下記の基準にしたがってマット感を評価した。
○:60°光沢値が2.5以下であった。
×:60°光沢値が2.5よりも大きかった。
(実施例2〜7)
実施例1で用いた水性表面処理剤(1)に代えて、調製例2〜7で得られた水性表面処理剤(2)〜(7)をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様に評価用サンプルの作製し、耐摩擦試験、剥離試験、及びマット感の評価を行った。
(比較例1〜8)
実施例1で用いた水性表面処理剤(1)に代えて、比較調製例1〜8で得られた水性表面処理剤(R1)〜(R8)をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様に評価用サンプルの作製し、耐摩擦試験、剥離試験、及びマット感の評価を行った。
上記の試験及び評価の結果を表3及び4に示す。
Figure 0006836708
Figure 0006836708
表3に示した結果から、本発明の積層体である実施例1〜7のものは、摩擦による汚染が少なく、十分な剥離強度で熱圧着による接着が可能で、さらに優れたマット感を有する表面であることが確認できた。
一方、比較例1及び2の積層体は、酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)の配合量が水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して4質量部未満の水性表面処理剤を用いた例である。これらの積層体は、剥離強度が不十分であることが確認できた。
比較例3の積層体は、酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)の配合量が水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して23質量部を超え、架橋剤(b3)を配合しなかった水性表面処理剤を用いた例である。この積層体は、摩擦による汚染が大きく、マット感も不十分であることが確認できた。
比較例4の積層体は、酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)の配合量が水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して23質量部を超え、架橋剤(b3)の配合量が水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して9質量部を超えた水性表面処理剤を用いた例である。この積層体は、マット感が不十分であることが確認できた。
比較例5の積層体は、酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)を配合しなかった水性表面処理剤を用いた例である。この積層体は、剥離強度が不十分であることが確認できた。
比較例6の積層体は、酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)の配合量が水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して23質量部を超えた水性表面処理剤を用いた例である。この積層体は、摩擦による汚染が大きく、マット感も不十分であることが確認できた。
比較例7の積層体は、架橋剤(b3)を配合しなかった水性表面処理剤を用いた例である。この積層体は、摩擦による汚染が大きく、剥離強度も不十分であることが確認できた。
比較例8の積層体は、架橋剤(b3)の配合量が水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して9質量部を超えた水性表面処理剤を用いた例である。この積層体は、剥離強度が不十分であることが確認できた。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン基材(A)からなる第1層、水性ポリウレタン(b1)、酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)架橋剤(b3)及びマット剤(b4)を含有する水性表面処理剤の塗膜である樹脂層(B)からなる第2層、前記樹脂層(B)からなる第3層、及び前記ポリオレフィン基材(A)からなる第4層が順次積層された積層体であって、
    前記酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)の含有量が、前記水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して4〜23質量部であり、
    前記架橋剤(b3)の含有量が、前記水性ポリウレタン(b1)100質量部に対して1〜9質量部であり、
    さらに前記第2層と前記第3層との界面が熱融着面であることを特徴とする積層体。
  2. 前記水性ポリウレタン(b1)が、ポリカーボネート系水性ポリウレタンである請求項1記載の積層体。
  3. 前記酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)が、不飽和カルボン酸又はその無水物で変性された非塩素化ポリオレフィンである請求項1又は2記載の積層体。
  4. 前記架橋剤(b3)が、カルボジイミド又はポリイソシアネートである請求項1〜3のいずれか1項記載の積層体。
  5. 前記水性表面処理剤が、さらに、ポリオレフィンワックス(b5)を含有する請求項1〜のいずれか1項記載の積層体。
  6. ポリオレフィン基材(A)からなる第1層、及び水性ポリウレタン(b1)、酸変性非塩素化ポリオレフィン(b2)架橋剤(b3)及びマット剤(b4)を含有する水性表面処理剤の塗膜である樹脂層(B)からなる第2層を有する積層体の第2層の表面同士を接触させ、熱融着によりその接触面を接着させることを特徴とする積層体の製造方法。
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