以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1−1.第1の実施形態>
[1.1.通信システムの構成例]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信装置としてのコールセンター装置1を含む通信システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、通信システムは、コールセンター装置1、顧客通信端末2、複数のオペレーター通信装置3、外部通信網4、内部通信網5を有する。まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る通信システムの各構成について説明する。
図1に示すように、コールセンター装置1は、例えば公衆電話回線網からなる外部通信網4を介して顧客通信端末2と接続されている。更に、コールセンター装置1は、例えばLAN(Local Area Network)等の内部通信網4を介して、複数のオペレーター通信装置3〜3nに接続されている。
コールセンター装置1は、顧客通信端末2とオペレーター通信端末3との接続管理を行うものであり、例えば、サーバ10、データベース15を有する。サーバ10は、顧客通信端末2からオペレーター通信端末3への接続要求の呼を受信して発信者番号を取得し、データベース15を参照して発信者番号の顧客名を特定(推定)し、オペレーター通信端末3に誰からの呼であるのかを通知する機能を有するものである。データベース15は、発信者番号の顧客名を特定するための顧客情報がテーブルとして記憶されている。顧客情報とは、顧客名、顧客名に対応付く登録番号や過去の呼受信履歴(着信日時、着信回数、電話用件の内容等)のことである。ここで上述の発信者番号、登録番号とは、固定電話、または移動電話機等に付与される電話番号のことである。サーバ10、データベース15の詳細については後述する。なお、顧客名とは、顧客通信端末2を使用する使用者名(一般企業等の法人顧客の場合は法人名、個人顧客の場合は個人名)である。
顧客通信端末2は、顧客が使用する通常の電話端末であり、コールセンター装置1へ接続要求の呼を発し、呼接続された場合にオペレーター通信端末3〜3−nの内のいずれかと通話する通常の通話機能を有する。顧客通信端末2は、例えば、VoIP技術を利用してIPネットワーク上で音声通話を行うIP電話機であってもよい。顧客通信端末2は、利用者(加入者)の電話端末であり、例えば、固定電話機、電話機能を有する携帯電話機やスマートフォンやタブレット端末等の移動電話機、IP電話機等である。顧客通信端末2は、固定電話機であっても良いし、移動電話機であっても良い。
オペレーター通信端末3は、顧客通信端末2からの呼を受信してオペレーターが電話応答(音声通話)を行うものである。またオペレーター通信端末3は、コールセンター装置1から通知される顧客情報を受信してオペレーターへの表示等を行うものである。オペレーター通信端末3は、オペレーター端末30とオペレーター電話機31で構成される。
オペレーター端末30は、内部通信網5に接続されており、外線又は内線への着信や発信などの呼制御を行う。オペレーター端末30は、例えばパーソナルコンピューターからなる。オペレーター端末30は、パーソナルコンピューターのように、CPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、画像表示手段(CRT、液晶、LEDディスプレイ等)、キーボード、マウス等の入力手段、通信インターフェース等を備える装置であれば良い。オペレーター端末30の構成について図2を参照し、次に説明する。
図2に示すように、オペレーター端末30は、例えば、表示部301、操作部302、制御部303、記憶部304、通信部305を有する。制御部303は、表示制御部3031、操作制御部3032、通信制御部3033を有する。
表示部301は、通話時における各種情報及び画像を表示し、例えば、接続要求の発信元である顧客名や発信者番号を通知する通知画面、問い合わせ内容に応じた選択メニュー画面、各問い合わせ内容に応じた操作画面、問い合わせ内容の確認画面、未登録番号について推定した顧客名などの通知画面、および未登録の顧客情報を登録する登録画面等を表示したり、オペレーターが入力した入力情報を確認する画面などを表示する。
操作部302は、通話の為の操作、例えば、接続要求の呼に応答する為の操作を受け付ける。また、応答した接続要求の呼の発信元である発信者番号が未登録の場合、後述のデータベース15に登録する為の操作を受け付ける。なお、操作部302は、キーボード、マウス等の入力手段のほかに、上述の表示部301と一体となったタッチパネル式の操作表示を適用することもできる。図2では、操作部302と表示部301とがそれぞれ物理的に別の構成のものを示す。
制御部303は、オペレーター端末30の全体を制御し、各種のプログラムを実行する。制御部303は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インターフェース等を有して構成されるものであり、CPUがRAMに展開された処理プログラムを実行することによりオペレーター端末30の各種機能が実現される。表示制御部3031は、表示部301に表示する画面を制御するものである。操作制御部3032は、操作部302からのマウスなどの押下情報を制御部303へイベントとして通知するものである。通信制御部3033は、顧客通信端末2との間の呼確立の通信処理を行なう。
記憶部304は、制御部303に関する各種のプログラムを記憶する。また、表示部301に表示する各種の画面情報を記憶する。
通信部305は、内部通信網5を介してコールセンター装置1との通信を行う。
オペレーター電話機31は、図示しないマイクとスピーカー等を有する一般的な電話機であり、内部通信網5に接続され、例えばVoIP(Voice over IP)技術を利用してIPネットワーク上で音声通話を行うことができる。オペレーター電話機31では、オペレーター端末30にて呼制御を行っている呼の音声通話が為される。オペレーター電話機31は、内部通信網5および外部通信網4を経由して、顧客通信端末2との通話を行う。
次に、本実施形態に係るコールセンター装置1のサーバ10の詳細について説明する。
図3はサーバ10の構成例を示す図である。図3に示すように、サーバ10は、発信者番号取得部101、発信者番号検索部102、番号範囲設定部103、発信者情報特定部104、制御部105、記憶部106、通信部107を有する。
発信者番号取得部101は、通信部107で受信した接続要求の呼から発信者番号、つまり発信元の顧客通信端末2の電話番号を取得し、取得した電話番号を、発信者番号検索部102に出力する。
発信者番号検索部102は、後述のデータベース15を参照して、取得した発信者番号に一致する登録番号、若しくは最上位桁から所定桁数(上位所定桁数)までの数字とその並びが同一である登録番号を検索する。例えば、発信者番号検索部102は、データベース15に記憶されている登録番号と取得した発信者番号とが完全に一致するか否かを検索する。取得した発信者番号がデータベース15に記憶されている登録番号と完全に一致しないと判定する場合(完全に一致しない発信者番号=データベース15のテーブルに未登録の電話番号)、発信者番号検索部102は、取得した発信者番号の所定桁数までの番号とその番号の並びと、登録番号の所定桁数までの番号とその番号の並びを対比する。対比した結果、発信者番号検索部102は、発信者番号と登録番号の数字とその並びが一致しない桁数を識別する。本実施例においては、下1桁だけ一致しない場合もしくは、下2桁が一致しない場合についてのみ、次の番号範囲設定部の処理を行う。発信者番号検索部102で検索した検索結果は、番号範囲設定部103、或いは発信者情報特定部104に出力される。ここで、検索結果とは、発信者番号と登録番号が完全に一致したという結果と当該登録番号に紐付く顧客名を含む顧客情報と、下1桁だけ一致しないという結果と当該登録番号に紐付く顧客名を含む顧客情報と、下2桁が一致しないという結果と当該登録番号に紐付く顧客名を含む顧客情報と、上記検索結果以外という結果を示す情報のいずれかのことである。なお、下1桁だけ一致しないという結果および下2桁が一致しないという結果はそれぞれ複数同時に生じる可能性があり、その場合はそれぞれの結果を共に出力してよい。また、所定桁数とは先頭から下1桁前までの桁数、或いは下2桁前までの上位桁数のことであり、例えば10桁の番号で構成される固定電話の電話番号の場合、所定桁数は先頭からの上位8桁、若しくは上位9桁までの桁数のことをいう。従って全体の桁数が変われば所定桁数も変動する。
例えば、発信者番号が「03−1234−1114」であって、データベース15中に「顧客名:△△研究所、登録番号:03−1234−1111」、「顧客名:△△研究所、登録番号:03−1234−1113」、「顧客名:△△研究所、登録番号:03−1234−1115」の登録番号を含む顧客情報が記憶されている場合に、発信者番号検索部102は発信者番号と登録番号が下1桁だけ一致しない(下1桁以外の「03−1234−111」は一致する)と識別し、下1桁だけ一致しないという結果と上述の登録番号「03−1234−1111」、「03−1234−1113」、「03−1234−1115」と、それに紐付く顧客名「△△研究所」を含む顧客情報を番号範囲設定部103に出力する。なお、ここでは便宜上「−」を記載しているが、桁数は数字部分のみをカウントするものとする。以下同様である。
番号範囲設定部103は、発信者番号検索部102の検索結果を取得する。番号範囲設定部103は、検索結果の中に下1桁だけ一致しない登録番号、若しくは下2桁だけ一致しない登録番号が複数あるかを判定し、複数ある場合には当該登録番号に紐付く顧客名が同一の登録番号を抽出する。番号範囲設定部103は、同一顧客名毎に抽出した複数の登録番号についてその加入者番号(下4桁)を1つの数値として見做し、その一番小さい数値(最小値)と一番大きい数値(最大値)で電話番号の範囲(以下、番号範囲という)を設定する。すなわち、番号範囲とは、当該同一顧客の電話番号を数値としてみた場合の、最小値から最大値までの番号範囲のことを指す。以下同様である。上述の例でいうと、番号範囲設定部103は、取得した検索結果の中から、発信者番号と下1桁だけ一致しない登録番号、且つ登録番号に紐付く顧客名「△△研究所」が同一である「03−1234−1111」と「03−1234−1113」と「03−1234−1115」を抽出する。そして、番号範囲設定部103は、加入者番号「1111」、「1113」、「1115」をそれぞれ数値として見做し、その最小値「1111」と最大値「1115」で番号範囲「1111〜1115」を設定する。発信者番号と下2桁だけ一致しない登録番号の場合も同様に番号範囲を設定する。なお、番号範囲設定部103は、最小値から最大値までの間に他の使用者名の番号が含まれていないことを番号範囲の設定条件とする。つまり、番号範囲設定部103は、最小値から最大値までの間に含まれる電話番号は同じ使用者名である場合に限り範囲を設定する。例えば、上述の例の場合、番号範囲設定部103は顧客名「△△研究所」が同一で最小値「1111」から最大値「1115」までの間に他の使用者名の電話番号の加入者番号がないので範囲「1111〜1115」を設定したが、仮にデータベース15中「顧客名:山田太郎、登録番号:03−1234−1114」がある場合には、番号範囲設定部103は番号範囲を設定しない。若しくは、番号範囲設定部103は、最小値から最大値までの間に含まれる電話番号に異なる顧客名の電話番号がある場合、異なる顧客名の電話番号を境として、その前後で顧客名が同一の複数登録番号から最小値、最大値を再認定し、番号範囲を設定してもよい。例えば、上述の例の場合、顧客名「△△研究所」の範囲「1111〜1115」の間に「顧客名:山田太郎、登録番号:03−1234−1114」があるので、「顧客名:山田太郎、登録番号:03−1234−1114」を境として、その前にある顧客名「△△研究所」の加入者番号は「1111」、「1113」の複数が存在するのでそれらを最小値、最大値として再認定し、範囲「1111〜1113」の番号範囲を設定する。また、その後ろにある顧客名「△△研究所」の加入者番号は「1115」の1つのみ存在するので、番号範囲設定部103は番号範囲を設定しない。顧客名が同一である場合に限定しなければ、その顧客名のみの番号範囲とはならず、精度の高い顧客名の推定ができないためである。
発信者情報特定部104は、発信者番号検索部102の検索結果で、取得した発信者番号が後述のデータベース15に記憶されている登録番号と完全に一致したと判定された場合、当該登録番号に紐付く顧客名を、発信元の顧客通信端末2を使用する利用者として特定する。また、取得した発信者番号が後述のデータベース15に記憶されている登録番号と完全に一致せず、所定桁数までの番号とその番号の並びが一致する登録番号が複数ある場合、すなわち番号範囲設定部103が設定した番号範囲がある場合、番号範囲設定部103で設定した番号範囲と、発信者番号の加入者番号を比較し、発信者番号の顧客名を推定する。若しくは、加入者番号4桁全部ではなく、その一部(下1桁、若しくは下2桁の番号)同士を比較してもよい。即ち、発信者情報特定部104は、取得した発信者番号が後述のデータベース15に記憶されている登録番号と完全に一致しない場合、発信者情報推定部として動作する。
上述の例でいうと、発信者情報特定部104は、発信者番号「03−1234−1114」の加入者番号「1114」と、番号範囲設定部103で設定した番号範囲「1111〜1115」を比較する。この場合、発信者情報特定部104は発信者番号の加入者番号「1114」を1つの数値として見做して番号範囲「1111〜1115」と比較を行い、発信者番号の加入者番号「1114」を上記番号範囲の内である番号範囲内と判定し、番号範囲「1111〜1115」の元の登録番号に紐付く顧客名「△△研究所」が発信元の顧客通信端末2を使用する利用者である可能性が高いと推定する。なお、発信者情報特定部104は、仮に発信者番号の加入者番号が設定した番号範囲外であれば、発信者番号が番号範囲の元となる登録番号に紐付く顧客名である可能性があるが番号範囲内の場合より確率が低いものとして推定する。ここで、番号範囲設定部103は、設定した番号範囲の最小値、最大値について、最小値がある数値になるように当該最小値に対して所定の数を減算し、最大値がある数値になるように最大値に対して所定の数を加算し、番号範囲の範囲を広げてもよい。或いは、所望の最小値、または最大値になるような数値を減算又は加算してもよい。ある数値とは、例えば、発信者番号と登録番号の数字とその並びが下1桁だけ一致しない場合、最小値の下1桁が「0」、最大値の下1桁が「9」となるような数値のことである。上述の例でいうと、番号範囲「1111〜1115」の最小値「1111」に対して下1桁の数値が「0」になるように1減算し、最大値「1115」に対して下1桁の数値が「9」になるように4加算する。当該番号範囲を広げた場合は、「1110〜1119」が顧客名「△△研究所」の範囲となる。仮に、最小値が「1110」だった場合は、既にある数値になっているので、最大値「1115」のみを「1119」としてもよい。即ち、最小値、最大値の拡張は必要に応じていずれか一方に行ってよい。そして、範囲外とは、番号範囲の広げた部分に該当することである。つまり、広げた番号範囲内であって、最小値より発信者番号の加入者番号が小さい場合、若しくは最大値より発信者番号の加入者番号が大きい場合であれば範囲外となる。また、発信者番号と登録番号の数字とその並びが下2桁が一致しない場合も同様にしてもよい。範囲を広げるのは最小値、最大値のいずれか一方でも、両方でもよい。
このように設定した番号範囲の内外に応じて、発信者情報特定部104は、発信者番号の顧客名を、可能性が高い、可能性があるがより低い、といったより精度の高い推定をすることができる。
一方で、発信者情報特定部104は、取得した発信者番号がデータベース15に記憶されている登録番号と一致せず、発信者番号と登録番号の所定桁数までの番号とその番号の並びも一致しない場合、若しくは発信者番号と登録番号の所定桁数までの番号とその番号の並びが一致するも同一顧客名の登録番号がないため番号範囲設定部103で番号範囲が設定できない場合においては発信者番号の顧客名を特定も推定もしない。よって、発信者情報特定部104は発信者番号の顧客名を特定不可、且つ推定不可と判定する。発信者情報特定部104は、特定した顧客名を含む顧客情報、推定した顧客名を含む顧客情報、特定・推定不可の情報を通信部107に出力する。
制御部105は、サーバ10の全体を制御し、各種のプログラムを実行する。例えば、各種プログラムと協働して発信者番号取得部101、発信者番号検索部102、番号範囲設定部103、発信者情報特定部104、記憶部106、通信部107の動作を実現する。制御部105は、各部に対応する発信者番号取得制御部1051、発信者番号検索制御部1052、番号範囲設定制御部1053、発信者情報特定制御部1054、通信制御部1055を備え、各部に制御情報を送信する。
記憶部106は、各種データを記憶する記憶装置によって構成され得る。例えば、記憶部106は、制御部105を動作させるための各種のプログラムを記憶する。また、記憶部106は、制御部105を動作させるためのデータを記憶する。
通信部107は、外部通信網4、内部通信網5に接続するための通信デバイスで構成され、例えば、顧客通信端末2より送信される接続要求の呼を受信し、発信者情報特定部104で特定、若しくは推定した顧客名を含む顧客情報をオペレータ端末30へ送信する。
図4はデータベース15の構成例を示す図である。図4に示すように、データベース15は、顧客名80、登録番号81(顧客名に紐付く電話番号)、過去の着信日時82、過去の着信回数83、着信時にオペレーターが電話で受付けた問い合わせの内容84といった項目の顧客情報が記憶されている。これらの情報は、例えば、上述のオペレーター端末30から入力され、データベース15に登録される。なお、データベース15は外付けであってもよい。
[1.2.サーバ10の動作例]
次に、図5を参照して、サーバ10の主たる動作例について説明をする。図5は本発明の第1の実施形態に係る動作フローの例を示す図である。サーバ10の主たる動作例を図4のデータベース15を参照しながら説明をする。
図5に示すように、発信者番号取得部101は、顧客通信端末2より送信される接続要求の呼を通信部107を介し受信すると、接続要求の呼から発信者番号を取得する(STEP1)。例えば、発信者番号取得部101は、顧客通信端末2の発信者番号「03−1234−1114」を取得し、次の発信者番号検索部102に出力をする。
発信者番号検索部102は、発信者番号取得部101で取得した発信者番号と一致する登録番号をデータベース15から検索する(STEP2)。例えば、発信者番号「03−1234−1114」と一致する登録番号の検索について、発信者番号検索部102は、発信者番号「03−1234−1114」と完全に一致する登録番号がデータベース15の登録番号81の項目にあるかを検索する(STEP3)。図4に示すデータベース15には、発信者番号「03−1234−1114」に一致する登録番号はないため、完全に一致する登録番号は登録番号81の項目にはないと発信者番号検索部102は判定する。完全に一致する登録番号がデータベース15にない場合、発信者番号検索部102は、発信者番号と所定桁数までの番号とその番号の並びが一致する登録番号がデータベース15の登録番号81にあるかを検索する(STEP4)。図4に示すデータベース15には、発信者番号「03−1234−1114」と所定桁数までの番号とその番号の並びが一致する登録番号が6つある。その6つの登録番号とは、「顧客名:沖 太郎、登録番号:03−1234−1110」、「顧客名:△△研究所、登録番号:03−1234−1111」、「顧客名:△△研究所、登録番号:03−1234−1113」、「顧客名:△△研究所、登録番号:03−1234−1115」、「顧客名:○×製造株式会社、登録番号:03−1234−1118」、「顧客名:○×製造株式会社、登録番号:03−1234−1119」であり、発信者番号の「03−1234−111」部分の9桁までの番号とその並びが一致する。
発信者番号検索部102は、検索結果に応じて次の出力先を決定する。検索の結果、取得した発信者番号と登録番号が完全に一致した場合、当該登録番号に紐付く顧客名を含む顧客情報を発信者情報特定部104に出力する。ここで、登録番号に紐付く顧客名とは、図4の登録番号81に記載の登録番号に紐付く顧客名80に記載の顧客名のことである。一方で、発信者番号と登録番号が完全には一致しないが、所定桁数までの番号とその番号の並びが一致する場合は、登録番号とそれに紐付く顧客名を含む顧客情報を番号範囲設定部103に出力する。なお、発信者番号と所定桁数までの番号とその番号の並びが一致する登録番号がない場合、一致無しの情報を発信者情報特定部104に出力する。
番号範囲設定部103は、取得した検索結果の中に下1桁だけ一致しない登録番号、若しくは下2桁だけ一致しない登録番号が複数あるかを判定し、複数ある場合に登録番号に紐付く顧客名が同一の登録番号を抽出する(STEP5)。図4に示すデータベース15には、下1桁だけ一致しない登録番号が6つあるので複数あると判定する。さらに、番号範囲設定部103は、複数ある場合に登録番号に紐付く顧客名が同一の登録番号を抽出する。下1桁だけ一致しない6つの登録番号のうち、顧客名が同一の登録番号は「顧客名:△△研究所、登録番号:03−1234−1111」、「顧客名:△△研究所、登録番号:03−1234−1113」、「顧客名:△△研究所、登録番号:03−1234−1115」と、「顧客名:○×製造株式会社、登録番号:03−1234−1118」、「顧客名:○×製造株式会社、登録番号:03−1234−1119」の5つである。ここで、「顧客名:沖 太郎、登録番号:03−1234−1110」の登録番号は顧客名を同一とする他の登録番号がないため、抽出対象から除外される。
次に、番号範囲設定部103は、抽出した登録番号を顧客名毎に分類し、分類した顧客名に紐付く登録番号の加入者番号を1つの数値と見做してその一番小さい数値と一番大きい数値で番号範囲を設定する(STEP6)。発信者番号「03−1234−1114」の例でいうと、番号範囲設定部103は、抽出した5つの登録番号の顧客名である「△△研究所」と「○×製造株式会社」とに登録番号を分ける。そして、「△△研究所」に紐付く登録番号の加入者番号「1111」、「1113」、「1115」を数値として一番小さい数値「1111」、一番大きい数値「1115」で「△△研究所」の番号範囲を「1111〜1115」と設定する。同様に「○×製造株式会社」の番号範囲を「1118〜1119」と設定する。
次に、発信者情報特定部104は、番号範囲設定部103で設定した番号範囲が複数あるかを判定する(STEP7)。番号範囲設定部103で設定した番号範囲が1つの場合、発信者情報特定部104は発信者番号が設定された番号範囲の範囲内なのか範囲外なのかを比較し、発信者番号の顧客名を推定する(STEP8)。例えば、発信者番号の加入者番号と、設定された番号範囲を比較し、発信者番号の加入者番号が範囲内であった場合に、当該番号範囲の元となる登録番号に紐付く顧客名である確率が高いものとして推定する(STEP9)。例えば発信者番号「03−1234−1114」の例でいうと、加入者番号「1114」は「△△研究所」の番号範囲として設定された「1111〜1115」の範囲内に含まれ(かつ下一桁を除き一致)ることとなる。また、例えば、発信者番号の加入者番号と、設定された番号範囲を比較し、発信者番号の加入者番号が範囲外であった場合に、当該番号範囲の元となる登録番号に紐付く顧客名が範囲内である場合よりも低い可能性であるものとして推定する(STEP10)。例えば発信者番号が「03−1234−1116」であった場合には、加入者番号「1116」は「△△研究所」の番号範囲として設定された「1111〜1115」の範囲外(ただし下一桁を除き一致)となる。
また、番号範囲設定部103で設定した番号範囲が複数ある場合、発信者情報特定部104は発信者番号が設定された各番号範囲の範囲内なのか範囲外なのかを比較し、発信者番号の顧客名を推定する(STEP11)。複数ある番号範囲のうち、発信者番号の加入者番号がいずれかの番号範囲の範囲内であった場合に当該番号範囲の元となる登録番号に紐付く顧客名である確率が高いものとして推定する(STEP12)。一方で、複数ある番号範囲のうち、発信者番号の加入者番号がいずれの番号範囲についても範囲外である場合には、各番号範囲の数値(番号範囲の元となる一番小さい数値、一番大きい数値)と発信者番号の加入者番号の数値とを比較する。そして、複数の番号範囲のうち発信者番号の加入者番号の数値との差が一番小さい数値を含むものを特定する(STEP13)。そして、範囲内である場合よりも低い可能性として、該番号範囲に紐付く顧客名を発信者番号の顧客名と推定する(STEP14)。
例えば発信者番号が「03−1234−1116」の場合、番号範囲設定部103で設定した番号範囲が「1111〜1115」と「1118〜1119」と複数あり、発信者番号の加入者番号「1116」がいずれの番号範囲について範囲外である(STEP11)。次に、各番号範囲の数値「1111」、「1115」、「1118」、「1119」と、発信者番号の加入者番号の数値「1116」を比較したとき、発信者番号の加入者番号の数値と一番差の小さい数値は「1115」であって、当該「1115」を含む番号範囲「1111〜1115」を特定し(STEP13)、番号範囲「1111〜1115」に紐付く顧客名「△△研究所」を発信者番号の顧客名として推定する(STEP14)。
また、発信者情報特定部104は、番号範囲設定部103で設定した番号範囲が複数あり、発信者番号の加入者番号の数値が範囲外である場合においては、各番号範囲の元となる登録番号に紐付く顧客名に表示の優先度を付与してもよい。例えば、発信者情報特定部104は、発信者番号の加入者番号の数値と一番差の小さい数値を番号範囲にとるものを特定し、当該番号範囲に紐付く顧客名を発信者番号の顧客名である可能性が高いとして表示優先度を一番として優先度情報を付与する。優先度情報とは、オペレータ端末30に表示させる顧客情報が複数ある場合の表示する順番と、表示する顧客名の表現を決定するための情報である。例えば、上述の例の場合、STEP14で推定した「△△研究所」を発信者番号の顧客名である可能性がより高いとして表示順番を一番として表示する顧客名の表現を「「△△研究所」様の可能性があります」とする。また、次に差の小さい「1118」を番号範囲にとるもの「1118〜1119」を特定し、番号範囲「1118〜1119」に紐付く顧客名「○×製造株式会社」を2番目に表示するものとして表示する顧客名の表現を「次いで「○×製造株式会社」様の可能性もあります」としてもよい。
なお、発信者情報特定部104は、STEP3で発信者番号と完全に一致する登録番号がある場合には、当該登録番号に紐付く顧客名を発信者番号の顧客名と特定する(STEP15)。また、発信者番号検索部102は、STEP4で発信者番号と所定桁数までの番号とその番号の並びが一致する登録番号がない場合に一致無しとして発信者情報特定部104へ出力し、発信者情報特定部104は発信者番号の顧客名を推定不可と判定する(STEP16)。また、番号範囲設定部103は、STEP5で下1桁だけ一致しない登録番号、若しくは下2桁だけ一致しない登録番号が複数ないと判定した場合に複数無しとして発信者情報特定部104へ出力し、発信者情報特定部104は発信者番号の顧客名を推定不可と判定する(STEP16)。
次に、制御部105は、発信者情報特定部104で特定、若しくは推定した顧客名を含む情報を通信部107を介してオペレータ端末30へ送信する。オペレータ端末30では受信した顧客名を含む情報を表示部301に表示させる(STEP17)。表示部301に顧客名を含む情報を表示することにより、オペレーターは誰からの着信であるのか、また誰からの着信である可能性があるのかを電話応答をする前に知ることができる。
図6、図7、図8、図9はオペレータ端末30が接続要求の呼を受信したときに表示部31に表示される通知画面の例である。図6は図5のSTEP15で顧客名を特定した場合に表示される通知画面の例である。例えば、発信者番号が「03−1234−1118」の場合、図4のデータベース15には発信者番号と一致する「顧客名:○×製造株式会社、登録番号:03−1234−1118」の登録番号が記憶されており、STEP15において顧客名「○×製造株式会社」が特定されるため、図6のように特定された顧客名が発信者名として表示される。
図7は図5のSTEP9、STEP12で推定された顧客名を表示部31に表示する場合の表示例である。上述の発信者番号「03−1234−1114」の例でいうと、発信者番号の加入者番号が番号範囲設定部103で設定された番号範囲「1111〜1115」の範囲内であるため、当該番号範囲の元となる登録番号に紐付く顧客名である確率が高いものとして推定された。そして図7では発信者番号の番号表示の横に未登録番号であることを通知する「未登録番号」の情報が付与され、さらに発信者名表示には「「△△研究所」様の可能性が高いです。」といった表現で表示される。
図8は図5のSTEP10、STEP14で推定された顧客名を表示部31に表示する場合の表示例である。上述の発信者番号「03−1234−1116」の場合では、発信者番号の加入者番号が番号範囲設定部103で設定された番号範囲の範囲外であったため、範囲内である場合よりも低い可能性として顧客名「△△研究所」を発信者番号の顧客名と推定された。そして、図8では発信者番号の番号表示の横に未登録番号であることを通知する「未登録番号」の情報が付与され、さらに発信者名表示には「「△△研究所」様の可能性があります。」といった表現で表示される。上述の推定された顧客名の表示についての表現はこれに限るものではない。なお、発信者情報特定部104で付与される優先度情報に従い、図9のように推定した複数の顧客名を表示してもよい。例えばSTEP14において前述の例では、発信者番号が「03−1234−1116」の場合、番号範囲「1111〜1115」に紐付く顧客名「△△研究所」の優先度を1番目とし、番号範囲「1118〜1119」に紐付く顧客名「○×製造株式会社」の優先度を2番目とすることを説明した。図9は、「△△研究所」様の可能性があります。次いで「○×製造株式会社」様の可能性もあります」のように決定した優先度を反映した表現により表示を行っている。
図10、図11はオペレータ端末30の操作部302で接続要求に応答する為の操作を実行した後に表示される登録画面の例である。接続要求に応答する為の操作とは、図6、図7、図8、図9に示す「はい」のボタンを押下(クリック)することである。図10は図5に示すSTEP9、STEP10、STEP12、STEP14で推定された顧客名を含む顧客情報を通知画面で通知された後に表示される登録画面であって、着信番号の横に未登録番号であることを示す「(未登録)」が表示され、さらに通話中であることを示す「通話中」の文字が表示される。上記サーバ10で推定された発信者の候補が表示され、オペレーターはオペレーター電話機31で顧客通信端末2の顧客と実際に音声通話をした際に、オペレーターが会話によって確認した顧客の顧客名と表示部301に表示される顧客名を比較する。表示される顧客名が合っていれば図10中の「登録」ボタンを押す。合っていなければ操作部302で現在表示されている顧客名を選択した後、キーボード等により正しい顧客名を直接入力して書き換え、「登録」ボタンを押下する。これにより、オペレーター端末30の制御部303は、データベース15に未登録番号とその顧客名を送信し、それを受信したデータベース15では顧客情報として格納される(STEP18)。なお、発信者情報特定部104で付与される優先度情報に従い、図11のように推定した複数の顧客名を優先度順に表示してもよい。
最後に、オペレーターが表示部301に表示される図示しない「終了(切断)」ボタン、或いはオペレーター電話機31の「終了(切断)」ボタンを押下することで通話を終了される(STEP19)。STEP18では「登録」ボタン押下のタイミングでデータベース15に顧客情報を格納したが、STEP19の「終了(切断)」ボタン押下のタイミングでデータベース15に顧客情報を格納してもよい。
以上述べたように、本実施の形態によれば、データベースに記憶される顧客情報から発信者番号と所定桁数までの番号とその番号の並びが一致する登録番号を抽出し、顧客名が同じ登録番号が複数ある場合、当該登録番号の加入者番号に基づいて当該顧客名の加入者番号の番号範囲を設定することにより、未登録の電話番号から着信のあった場合でも相手が誰なのかを発信者番号から推定することができる。また、発信者番号の加入者番号が番号範囲の範囲内か、範囲外かに応じて、推定した顧客である可能性の高低を加味してオペレーターに提示することができる。
<2−1.第2の実施形態>
第2の実施形態では、コールセンター装置1のサーバ構成が第1の実施形態と異なる。以下には、第1実施例と異なる構成部分、および動作を中心に説明をする。
[2.1.サーバ50の構成例]
図12は第2の実施形態に係るサーバ50の構成例を示す図である。図12に示すように、サーバ50は、発信者番号取得部501、発信者番号検索部502、ワイルドカード設定部503、発信者情報特定部504、制御部505、記憶部506、通信部507を有する。
発信者番号取得部501は通信部507で受信した接続要求の呼から発信者番号を取得し、発信者番号検索部502に出力する。発信者番号取得部501については第1の実施形態と同様である。
発信者番号検索部502は、後述のデータベース150を参照して、取得した発信者番号に一致する登録番号、若しくは所定桁数までの数字とその並びが同一である登録番号を検索する。具体的には、発信者番号検索部502は、後述のデータベース150に記憶されているワイルドカード設定番号と、取得した発信者番号の所定桁数までの番号とその番号の並びが一致するか否かを検索する。発信者番号検索部502の詳細については後述する。
ワイルドカード設定部503は、後述のデータベース150に記憶している登録番号の中から顧客名が同一でかつ所定桁数まで共通する登録番号を検索し、所定桁数以下の共通しない番号部分をワイルドカードに置換する。ワイルドカード設定部503は共通番号判定部5031、ワイルドカード置換部5032、ワイルドカード番号範囲設定部5033を備える。ワイルドカード設定部503の処理動作について図13を参照しながら説明をする。
図13に示すように、共通番号判定部5031は、顧客名毎にデータベース150にある登録番号を含む顧客情報を分類する(STEP50)。共通番号判定部5031は、顧客名毎に分類したものの中から複数の登録番号が紐付く顧客名を抽出する(STEP51)。ここで顧客名に紐付く登録番号が1つの場合、当該登録番号はワイルドカード設定部503の処理対象から除外される(STEP56)。共通番号判定部5031は、抽出した顧客名毎の複数の登録番号の中に所定桁数まで共通する登録番号があるか判定をする(STEP52)。例えば、登録番号が固定電話の電話番号であって、共通番号判定部5031は番号の先頭から所定桁数まで共通する登録番号を検索する場合に、市外局番と市内局番の数字とその並びが共通する登録番号が複数あるか判定する。次に当該複数の登録番号について、加入者番号の下1桁、若しくは下2桁を除く番号、すなわち上3桁、若しくは上2桁の数字とその並びが共通する登録番号が複数あるか判定する。ある場合、共通する市外局番と市内局番、及び下1桁前、若しくは下2桁所前までの加入者番号を共通番号とする。所定桁数とは第1の実施形態で説明したように、登録番号が固定電話(電話番号が10桁)の場合、先頭から8桁、若しくは9桁までの桁数のことをいう。そして、ワイルドカード置換部5032は、共通番号判定部5031で抽出した共通番号の桁数に応じてワイルドカードを共通番号に付与し、ワイルドカード設定番号を生成する(STEP53)。ワイルドカード番号範囲設定部5033は、ワイルドカード置換前の数値(該当する登録番号の下1桁、若しくは下2桁の番号を1つの数値と見做したもの)から、その一番小さい数値と一番大きい数値で番号範囲を設定する(STEP54)。データベース格納部5034は、データベース150の顧客情報に紐付けてワイルドカード設定番号と、番号範囲、設定したワイルドカードの数を格納する(STEP55)。
なお、ワイルドカードとは「0〜9」のどの数字とも一致するとみなす符号のことであり、「*」で表すものとする。
例えば、データベース150中に「顧客名:沖 太郎、登録番号:03−1234−1110」、「顧客名:△△研究所、登録番号:03−1234−1111」、「顧客名:△△研究所、登録番号:03−1234−1113」、「顧客名:△△研究所、登録番号:03−1234−1115」、「顧客名:○×製造株式会社、登録番号:03−1234−1118」、「顧客名:○×製造株式会社、登録番号:03−1234−1119」の顧客情報が記憶されている場合に、共通番号判定部5031は、顧客名「沖 太郎」、「△△研究所」、「○×製造株式会社」毎に顧客情報を分類する。そして、分類した中から複数の登録番号が紐付く「△△研究所」、「○×製造株式会社」を抽出する。共通番号判定部5031は、抽出した顧客名「△△研究所」、「○×製造株式会社」に紐付く複数の登録番号に所定桁数まで共通するものがあるかを判定する。「△△研究所」に紐付く登録番号「03−1234−1111」、「03−1234−1113」、「03−1234−1115」は市外局番と市内局番、及び下1桁前まで共通する数字とその並び「03−1234−111」の共通番号があり、「○×製造株式会社」に紐付く登録番号「03−1234−1118」、「03−1234−1119」も同様である。ワイルドカード置換部5032は共通番号の桁数が9桁であるのでワイルドカード「*」を1つ付与し、ワイルドカード設定番号「03−1234−111*」を生成する。ワイルドカード番号範囲設定部5033は、ワイルドカード置換前の数値から顧客名毎に番号範囲を設定する。「△△研究所」の場合はワイルドカード置換前の数値が「1」、「3」、「5」であるので、その一番小さい数値「1」と一番大きい数値「5」で番号範囲「1〜5」を設定する。「○×製造株式会社」の場合はワイルドカード置換前の数値が「8」、「9」であるので、その一番小さい数値「8」と一番大きい数値「9」で番号範囲「8〜9」を設定する。
図12に戻り、発信者情報特定部504は発信者番号検索部502の検索結果に応じて発信者番号の顧客名を特定、または推定をする。
制御部505は、サーバ50の全体を制御し、各種のプログラムを実行する。例えば、各種プログラムと協働して発信者番号取得部501、発信者番号検索部502、ワイルドカード設定部503、発信者情報特定部504、記憶部506、通信部507の動作を実現する。制御部505は、各部に対応する発信者番号取得制御部5051、発信者番号検索制御部5052、ワイルドカード設定制御部5053、発信者情報特定制御部5054、通信制御部5055を備え、各部に制御情報を送信する。
記憶部506は、各種データを記憶する記憶装置によって構成され得る。例えば、記憶部506は、制御部505を動作させるための各種のプログラムを記憶する。また、記憶部506は、制御部505を動作させるためのデータを記憶する。
通信部507は、外部通信網4、内部通信網5に接続するための通信デバイスで構成され、例えば、顧客通信端末2より送信される接続要求の呼を受信し、発信者情報特定部504で特定、若しくは推定した顧客名を含む顧客情報をオペレータ端末30へ送信する。
図14はデータベース150の構成例を示す図である。図14に示すように、データベース150は、顧客名80、登録番号81(顧客名に紐付く電話番号)、過去の着信日時82、過去の着信回数83、着信時にオペレーターが電話で受付けた問い合わせの内容84に加えて、ワイルドカード設定部503で設定したとワイルドカード設定番号85と、番号範囲86、設定したワイルドカードの数87といった項目の顧客情報が記憶される。なお、図14ではワイルドカード設定番号、番号範囲、ワイルドカード数をワイルドカード設定部503で対象となった登録番号について設定しているが、同一のワイルドカード設定番号については顧客ごとに1件のみ紐付けて登録するようにしてもよい。なお、データベース15は外付けであってもよい。
[2.2.サーバ50の動作例]
次に、図15を参照して、サーバ50の主たる動作例について説明をする。図15は本発明の第2の実施形態に係る動作フローの例を示す図である。サーバ50の主たる動作例を図14のデータベース150を参照しながら説明をする。
図15に示すように、発信者番号取得部501は、顧客通信端末2より送信される接続要求の呼を通信部507を介し受信すると、接続要求の呼から発信者番号を取得する(STEP21)。例えば、第1の実施形態の説明同様に、発信者番号取得部101は発信者番号「03−1234−1114」を取得し、次の発信者番号検索部502に出力をする。
発信者番号検索部502は、発信者番号と一致する登録番号をデータベース150の登録番号81の項目から検索し(STEP22)、完全に一致する登録番号があるかを検索する(STEP23)。図14に示すデータベース150には、発信者番号「03−1234−1114」に一致する登録番号はないため、完全に一致する登録番号はないと発信者番号検索部502は判定し、続いてワイルドカード設定番号85の項目にあるワイルドカード設定番号と発信者番号を対比する(STEP24)。図14に示すデータベース150には、発信者番号「03−1234−1114」に一致するワイルドカード設定番号「03−1234−111*」がある。発信者番号検索部102は、ワイルドカード設定番号と発信者番号が一致する場合に、当該ワイルドカード設定番号に紐付く顧客名、ワイルドカード設定部503で設定した番号範囲、設定したワイルドカードの数を発信者情報特定部504に出力する。ここで、ワイルドカード設定番号に紐付く顧客名とは、図14の登録番号81に記載の登録番号に紐付く顧客名80に記載の顧客名のことであり、当該登録番号、顧客名に紐付く番号範囲86に記載の番号範囲、ワイルドカード数の項目に記載のワイルドカードの数を出力する。また、発信者番号と完全に一致する登録番号がある場合には当該登録番号に紐付く顧客名を含む顧客情報を発信者情報特定部504に出力する。なお、発信者番号が登録番号、ワイルドカード設定番号と一致しない場合、一致無しの情報を発信者情報特定部504に出力する。
発信者番号「03−1234−1114」の場合、図14に示すデータベース150に一致するワイルドカード設定番号「03−1234−111*」があり、かつワイルドカード設定番号「03−1234−111*」を持つ顧客名は2つである。従って、発信者番号検索部502は、顧客名「顧客名:△△研究所、範囲:1〜5、ワイルドカード数:1」、「顧客名:○×製造株式会社、範囲:8〜9、ワイルドカード数:1」の検索結果を発信者情報特定部504に出力する。
次に、発信者情報特定部504は、STEP23で発信者番号と完全に一致する登録番号がある場合には当該登録番号に紐付く顧客名を発信者番号の顧客名と特定し(STEP36)、ワイルドカード設定番号とも一致しない場合は発信者番号の顧客名を推定不可と判定する(STEP37)。一方で、発信者番号と完全に一致する登録番号はないが、ワイルドカード設定番号と発信者番号が一致する場合、発信者情報特定部504は当該ワイルドカード設定番号に紐付く顧客情報のうち、複数の異なる顧客名があるかを判定する(STEP25)。そして、複数の異なる顧客名があると判定されたときにワイルドカード設定番号に紐付くワイルドカード数が判定される(STEP26)。発信者番号「03−1234−1114」の場合、発信者番号検索部502で検索されたワイルドカード設定番号「03−1234−111*」は顧客名「△△研究所」と「○×製造株式会社」に紐付くものであるので複数の異なる顧客名があると判定され、さらにワイルドカード数がともに「1」の同数であると判定される。
ワイルドカード数が判定された結果、ワイルドカード数が同数ならばSTEP27へ進み、異数ならばSTEP28の処理が実行される。本実施例においてはワイルドカード数は1つか2つであるので、発信者番号検索部502で検索されたワイルドカード設定番号に紐付くワイルドカードが全て1つ、若しくは全て2つの場合はSTEP27の処理がなされ、ワイルドカードが1つのものと2つのものが混在する場合にSTEP28の処理がなされる。STEP27では、ワイルドカード設定番号のワイルドカード部分に対応する発信者番号の数値と、ワイルドカード設定番号に紐付く番号範囲とを比較し、ワイルドカード部分に対応する発信者番号の数値が設定された番号範囲の範囲内なのか範囲外なのかを判定する。判定の結果、対応する発信者番号の数値が設定された番号範囲の範囲内である場合、当該番号範囲の元となる登録番号に紐付く顧客名である確率が高いものとして推定する(STEP29)。また、対応する発信者番号の数値が設定された複数の番号範囲のいずれについても範囲外である場合、各番号範囲の数値(範囲の元となる一番小さい数値、一番大きい数値)と発信者番号の加入者番号の数値とを比較する。そして、複数の番号範囲のうち発信者番号の加入者番号の数値との差が一番小さい数値を含むものを特定する(STEP30)。そして、第1の実施形態のSTEP14と同様に、範囲内である場合よりも低い可能性として、該番号範囲に紐付く顧客名を発信者番号の顧客名と推定する(STEP31)。
STEP25に戻り、複数の異なる顧客名はないと判定されたときにSTEP27同様に、発信者情報特定部504は、ワイルドカード設定番号のワイルドカード部分に対応する発信者番号の数値がワイルドカード設定番号に紐付く番号範囲の範囲内なのか範囲外なのかを判定する(STEP32)。判定の結果、対応する発信者番号の数値が設定された番号範囲の範囲内である場合、当該番号範囲の元となる登録番号に紐付く顧客名である確率が高いものとして推定する(STEP33)。また、対応する発信者番号の数値が設定された番号範囲の範囲外である場合、該番号範囲に紐付く顧客名を範囲内である場合よりも低い可能性として発信者番号の顧客名と推定する(STEP34)。
また、STEP28では、ワイルドカード数が異数の場合に、ワイルドカード数が少ないワイルドカード設定番号を抽出する。すなわち、抽出されたワイルドカード設定番号が複数あり、ワイルドカード数が1つのものと2つのものが混在している場合は、ワイルドカード数が2つのものは除外し、ワイルドカード数が1つのものを抽出する。これは、ワイルドカード数が少ない方が共通部分が多いため、より当該顧客の可能性が高いと考えられるためである。さらに抽出した当該ワイルドカード設定番号に紐付く顧客情報のうち、複数の異なる顧客名があるかを判定する(STEP35)。複数の異なる顧客名はないと判定された場合、STEP32とそれ以降に続く同様の処理が行われる。複数の異なる顧客名があると判定された場合は、STEP27とそれ以降に続く同様の処理が行われる。
例えば発信者番号「03−1234−1116」の場合、上述のとおりワイルドカード設定番号「03−1234−111*」が抽出され、該当する顧客の情報として、「顧客名:△△研究所、番号範囲:1〜5、ワイルドカード数:1」、「顧客名:○×製造株式会社、番号範囲:8〜9、ワイルドカード数:1」が抽出される。ワイルドカード設定番号「03−1234−111*」に紐付くワイルドカード数はともに「1」であるのでSTEP27の処理が実行される。そして、発信者情報特定部504は、ワイルドカード設定番号「03−1234−111*」の「*」に対応する発信者番号の数値「6」と番号範囲「1〜5」、「8〜9」とを比較する。ワイルドカードに対応する発信者番号の数値「6」は、設定された番号範囲の範囲外であるため、STEP30の処理が実行される。各番号範囲の数値「1」、「5」、「8」、「9」と、ワイルドカードに対応する発信者番号の数値「6」を比較したとき、一番差の小さい数値は「5」となる。これにより、当該「5」を含む番号範囲である「1〜5」を特定し(STEP30)、番号範囲「1〜5」に紐付く顧客名「△△研究所」を、番号範囲「1〜5」の範囲内であった場合よりも低い可能性として、発信者番号「03−1234−1116」の顧客名として推定する(STEP31)。なお、発信者番号が「03−1234−1114」の場合は、「△△研究所」の番号範囲の範囲内となるので、「△△研究所」の可能性が高いものとして推定する。
次に、制御部505は、発信者情報特定部504で特定、若しくは推定した顧客名を含む情報を通信部507を介してオペレータ端末30へ送信する。図15に記載のSTEP38〜40は第1の実施例の図5のSTEP17〜19と同様である。
以上述べたように、本実施の形態によれば、データベースに記憶される顧客情報から、同一顧客の登録番号のうち所定桁数の共通する部分である共通番号を抽出し、共通番号の桁数に応じて自動的にワイルドカードを付与してワイルドカード設定番号を生成することで、共通部分のある複数の登録番号を持つ顧客を事前に抽出してワイルドカード設定番号として登録しておくことができる。これにより、ワイルドカード設定番号を検索すれば、共通部分のある複数の登録番号を持つ顧客を抽出することができるので、未登録の電話番号から着信のあった場合でも相手が誰なのかを発信者番号からより効率よく推定することができる。
<3−1.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明した。なお、本実施形態は、上述の例に限定されない。以下に、本実施形態の第1の変形例について説明する。
(第1の変形例)
本実施形態の第1の変形例として、発信者番号がある顧客の登録番号の範囲外である場合、発信者番号が、当該範囲と、他の顧客名の番号との間にある場合、発信者情報特定部は当該範囲の顧客名を前記発信者番号の顧客名として推定してもよい。例えば、当該範囲の近傍に範囲設定時に除外された当該範囲の顧客名とは異なる登録番号がある場合に、当該範囲の外を前記他の顧客名の番号まで参照し、その外側は参照しない。
例えば、図4を参照して、発信者番号「048−123−2235」から接続要求の呼を受信した場合を考える。その場合、データベース15には発信者番号「048−123−2235」と所定桁数までの番号とその番号の並びが一致する登録番号が5つある。その5つの登録番号とは、図4中の「顧客名:海山商事、登録番号:048−123−2231」、「顧客名:海山商事、登録番号:048−123−2233」、「顧客名:沖 花子、登録番号:048−123−2236」、「顧客名:ABC事務所、登録番号:048−123−2238」、「顧客名:ABC事務所、登録番号:048−123−2239」であり、発信者番号の「048−123−223」部分の9桁までの番号とその並びが一致する。
次に、番号範囲設定部103は、登録番号に紐付く顧客名が同一の登録番号について範囲を設定する。番号範囲設定部103では、「顧客名:海山商事」、「範囲:2231〜2233」と、「顧客名:ABC事務所」、「範囲:2238〜2239」の範囲が設定される。なお、「顧客名:沖 花子、登録番号:048−123−2236」は顧客名を同一とする他の登録番号がないため対象から除外される。次に、発信者情報特定部104は発信者番号「048−123−2235」の加入者番号「2235」と上述の範囲との比較を行う。この場合、発信者情報特定部104は発信者番号の加入者番号「2235」を上記範囲の外である範囲外であって、前記「2231〜2233」の範囲と、当該範囲と異なる顧客名「顧客名:沖 花子、登録番号:048−123−2236」の番号との間に発信者番号の加入者番号「2235」があるため、当該範囲「2231〜2233」の顧客名「顧客名:海山商事」を前記発信者番号「048−123−2235」の顧客名として推定する。すなわち、範囲「2231〜2233」の範囲外を無制限に有効とするのではなく、他の顧客名の登録番号が現れるまでとすることで、範囲外の参照を制限する。
なお、上述の例では発信者番号と所定桁数が一致する番号を抽出しているが、これに限らず、ある顧客毎の番号の範囲に対し、当該範囲付近の他の顧客の番号を、一致する桁数によらず抽出して範囲外の参照の制限に用いてもよい。その場合、例えば範囲「2231〜2233」の顧客名「顧客名:海山商事」の場合、発信者情報特定部104は通信部507を経由してデータベース15にアクセスし、海山商事の登録番号の最大値「048−123−2233」を取得すると共に、取得した登録番号の加入者番号部分に対して1ずつ増加させて、他の顧客名の登録番号が得られるまで検索を行う。また発信者情報特定部104は同様に、海山商事の登録番号の最小値「048−123−2231」を取得すると共に、加入者番号に対して1ずつ減少させて、他の顧客名の登録番号が得られるまで検索を行う。このようにしてある顧客の登録番号の範囲について、前後にある他の顧客の登録番号を発信者番号との一致度合いによらず取得できる。
なお、番号範囲設定部103は、設定した番号範囲の最小値、最大値のそれぞれについて数値として最も差の小さい他の顧客名の登録番号の1つ前の数値になるまで最小値を減少、最大値を増加することで番号範囲を広げてもよい。或いは、所望の最小値、または最大値になるような数値を減算又は加算してもよい。また、ある顧客の番号範囲に対し、当該範囲付近に当該番号範囲の最小値より小さい他の顧客の番号範囲がある場合、前記ある顧客の番号範囲の最小値と、前記他の顧客の番号範囲の最大値の中間になる値に番号範囲を広げてもよい。上述の例で仮に「顧客名:沖 花子、登録番号:048−123−2236」が無い場合に、「顧客名:海山商事」、「範囲:2231〜2233」と、「顧客名:ABC事務所」、「範囲:2238〜2239」の範囲について、「顧客名:海山商事」の番号範囲の最大値「2233」と「顧客名:ABC事務所」の番号範囲の最小値「2238」をその中間まで広げることで、「顧客名:海山商事」の番号範囲の最大値「2235」、「顧客名:ABC事務所」の番号範囲の最小値「2236」となり、番号範囲を広げることができる。仮に、前記中間になる値がある顧客の番号範囲の最小値と、他の顧客の番号範囲の最大値のいずれとも等距離の場合は、中間になる値は除外し、その前後の値を最小値、最大値としてよい。
このように、本実施形態の第1の変形例によれば、前記発信者番号が前記範囲と、当該範囲と異なる顧客名の番号との間にある場合、当該範囲の顧客名を前記発信者番号の顧客名として推定することで、発信者番号の顧客情報を推定する際の範囲を適切に制限することができる。
<5.むすび>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、過去の着信回数83の項目を考慮して未登録の発信者番号の顧客名を推定してもよい。図4を参照し、発信者番号が「048−123−2235」である場合、上述の変形例では「海山商事」が顧客名として推定されるが、もう一方で「ABC事務所」も範囲外の場合の比較対象として抽出がされる。そして、過去の着信回数83の項目を参照し、過去着信回数を考慮した場合、「海山商事」の過去着信回数が合計で2回に対し、「ABC事務所」は合計で38回の過去着信履歴があるため、発信者番号「048−123−2235」の顧客名を「ABC事務所」と推定してもよく、また、番号範囲との比較に従い、「海山商事」を第一の候補、「ABC事務所」を第二の候補として各着信回数の顧客情報を表示部に出力されてもよい。過去の着信回数が表示されることによりオペレーターは過去情報を参考にしながら電話応答することができる。
なお、上述の実施例と変形例に記載の番号範囲の拡張処理についてはそれぞれ組み合せて実行してもよい。
また、上記の実施形態のフローチャートに示されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的にまたは個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。