JP6834563B2 - 色処理装置、画像形成装置および画像形成システム - Google Patents
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このような増刷時に、過去に出力した印刷物と増刷時の印刷物の色を合わせるためには、過去に印刷したカラ―パッチを測色して色変換プロファイルを作成したり、過去のプリント出力条件(色変換プロファイルの設定など)と同一条件にして出力することが必要となる。
また特許文献2には、第一の出力画像データと原稿画像データの位置あわせ、第二の出力画像データと原稿画像データの位置あわせをそれぞれ行う位置合わせ手段と、第一の色成分値対応付けデータ、及び、第二の色成分値対応付けデータをそれぞれ生成する色成分値対応付け手段と、色調を変換するための色調変換パラメータを生成する色調変換パラメータ決定手段と、色調変換パラメータにより原稿画像データの画素値を変換する色調変換手段と、を有する画像処理装置が開示されている。
請求項2に記載の発明は、前記変換関係作成部は、色のばらつきがより大きい色については、当該色を含む複数の色についての変換関係である第2の変換関係を作成することを特徴とする請求項1に記載の色処理装置である。
請求項3に記載の発明は、画像データを基に第1の画像形成手段により出力された第1の画像の色データを取得する色データ取得部と、色調整を行なう対象となる調整前画像データの色のばらつきを取得するばらつき取得部と、前記調整前画像データと前記色データとの対応関係である第1の対応関係を作成する第1の対応関係作成部と、前記第1の対応関係、および第2の画像形成手段についての第2の対応関係から、前記調整前画像データを基に当該第2の画像形成手段により出力される第2の画像の色が前記第1の画像の色になるように、当該第2の画像形成手段の色調整を行う変換関係を色のばらつきに応じて作成する変換関係作成部と、前記調整前画像データの色の分布の偏りを取得する偏り取得部と、を備え、前記変換関係作成部は、前記変換関係を前記調整前画像データの色のばらつきに加え当該調整前画像データの色の分布の偏りに応じて作成する色処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記変換関係作成部は、色のばらつきがより小さくかつ色の分布の偏りがより小さいときは、当該色についての固有の変換関係である第1の変換関係を作成することを特徴とする請求項3に記載の色処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記変換関係作成部は、色のばらつきがより小さくかつ色の分布の偏りがより大きいとき、および色のばらつきがより大きいときは、当該色を含む複数の色についての変換関係である第2の変換関係を作成することを特徴とする請求項4に記載の色処理装置である。
請求項6に記載の発明は、画像データを基に記録材に画像を形成する第2の画像形成手段と、前記第2の画像形成手段で形成される画像の色調整を行う色調整手段と、前記色調整手段で色調整を行うために使用される変換関係を作成する変換関係作成手段と、を備え、前記変換関係作成手段は、前記画像データを基に第1の画像形成手段により出力された第1の画像の色データを取得する色データ取得部と、色調整を行なう対象となる調整前画像データの色のばらつきを取得するばらつき取得部と、前記調整前画像データと前記色データとの対応関係である第1の対応関係を作成する第1の対応関係作成部と、前記第1の対応関係、および前記第2の画像形成手段についての第2の対応関係から、前記調整前画像データを基に当該第2の画像形成手段により出力される第2の画像の色が前記第1の画像の色になるように、当該第2の画像形成手段の色調整を行う変換関係を色のばらつきに応じて作成する変換関係作成部と、を備え、前記変換関係作成部は、色のばらつきがより小さい色については、当該色についての固有の変換関係である第1の変換関係を作成する画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、画像データを基に記録材に画像を形成する第2の画像形成手段と、前記第2の画像形成手段で形成される画像の色調整を行う色調整手段と、前記色調整手段で色調整を行うために使用される変換関係を作成する変換関係作成手段と、を備え、前記変換関係作成手段は、前記画像データを基に第1の画像形成手段により出力された第1の画像の色データを取得する色データ取得部と、色調整を行なう対象となる調整前画像データの色のばらつきを取得するばらつき取得部と、前記調整前画像データと前記色データとの対応関係である第1の対応関係を作成する第1の対応関係作成部と、前記第1の対応関係、および前記第2の画像形成手段についての第2の対応関係から、前記調整前画像データを基に当該第2の画像形成手段により出力される第2の画像の色が前記第1の画像の色になるように、当該第2の画像形成手段の色調整を行う変換関係を色のばらつきに応じて作成する変換関係作成部と、前記調整前画像データの色の分布の偏りを取得する偏り取得部と、を備え、前記変換関係作成部は、前記変換関係を前記調整前画像データの色のばらつきに加え当該調整前画像データの色の分布の偏りに応じて作成する画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、画像データを基に記録材に画像を形成する第1の画像形成手段および第2の画像形成手段と、前記第2の画像形成手段で形成される画像の色調整を行う色調整手段と、前記色調整手段で色調整を行うために使用される変換関係を作成する変換関係作成手段と、を備え、前記変換関係作成手段は、前記画像データを基に前記第1の画像形成手段により出力された第1の画像の色データを取得する色データ取得部と、色調整を行なう対象となる調整前画像データの色のばらつきを取得するばらつき取得部と、前記調整前画像データと前記色データとの対応関係である第1の対応関係を作成する第1の対応関係作成部と、前記第1の対応関係、および前記第2の画像形成手段についての第2の対応関係から、前記調整前画像データを基に当該第2の画像形成手段により出力される第2の画像の色が前記第1の画像の色になるように、当該第2の画像形成手段の色調整を行う変換関係を色のばらつきに応じて作成する変換関係作成部と、を備え、前記変換関係作成部は、色のばらつきがより小さい色については、当該色についての固有の変換関係である第1の変換関係を作成する画像形成システムである。
請求項9に記載の発明は、画像データを基に記録材に画像を形成する第1の画像形成手段および第2の画像形成手段と、前記第2の画像形成手段で形成される画像の色調整を行う色調整手段と、前記色調整手段で色調整を行うために使用される変換関係を作成する変換関係作成手段と、を備え、前記変換関係作成手段は、前記画像データを基に前記第1の画像形成手段により出力された第1の画像の色データを取得する色データ取得部と、色調整を行なう対象となる調整前画像データの色のばらつきを取得するばらつき取得部と、前記調整前画像データと前記色データとの対応関係である第1の対応関係を作成する第1の対応関係作成部と、前記第1の対応関係、および前記第2の画像形成手段についての第2の対応関係から、前記調整前画像データを基に当該第2の画像形成手段により出力される第2の画像の色が前記第1の画像の色になるように、当該第2の画像形成手段の色調整を行う変換関係を色のばらつきに応じて作成する変換関係作成部と、前記調整前画像データの色の分布の偏りを取得する偏り取得部と、を備え、前記変換関係作成部は、前記変換関係を前記調整前画像データの色のばらつきに加え当該調整前画像データの色の分布の偏りに応じて作成する画像形成システムである。
請求項2の発明によれば、色のばらつきがより大きい色について、色差精度と階調性の両立を図った変換関係を作成することができる。
請求項3の発明によれば、色のばらつきのみならず、色の分布の偏りを考慮した変換関係を作成することができる。
請求項4の発明によれば、色のばらつきがより小さくかつ色の分布の偏りがより小さい色について、色差精度を重視した変換関係を作成することができる。
請求項5の発明によれば、色のばらつきがより小さくかつ色の分布の偏りがより大きい色、および色のばらつきがより大きい色について、色差精度と階調性の両立を図った変換関係を作成することができる。
請求項6の発明によれば、画像形成手段から出力された印刷物の色を希望の色に合わせるための変換関係を作成するにあたって、印刷物の特徴によらず、色差精度と階調性の両立を図った変換関係を作成することができる画像形成装置を提供することができる。また、色のばらつきがより小さい色について、色差精度を重視した変換関係を作成することができる。
請求項7の発明によれば、画像形成手段から出力された印刷物の色を希望の色に合わせるための変換関係を作成するにあたって、印刷物の特徴によらず、色差精度と階調性の両立を図った変換関係を作成することができる画像形成装置を提供することができる。また、色のばらつきのみならず、色の分布の偏りを考慮した変換関係を作成することができる。
請求項8の発明によれば、ユーザが専門的なスキルを備えていなくても色調整を行うことができる画像形成システムを提供することができる。また、色のばらつきがより小さい色について、色差精度を重視した変換関係を作成することができる。
請求項9の発明によれば、ユーザが専門的なスキルを備えていなくても色調整を行うことができる画像形成システムを提供することができる。また、色のばらつきのみならず、色の分布の偏りを考慮した変換関係を作成することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成システムの全体構成の一例を示す図である。
図示する画像形成システムSは、画像形成装置1と、画像形成装置2とを備える。
画像形成装置1および画像形成装置2は、詳しくは後述するが、画像データを基に用紙(記録材)に画像を形成する印刷機構部であり、少なくとも1種類の色材を用いて用紙に画像を形成する。この画像データは、例えば、ユーザから送信された印刷ジョブの画像をあらわすデータであり、ラスタ画像の形式のデータでもよいし、ページ技術言語のPDL(Page Description Language)の形式で記述されたデータでもよい。
画像形成装置1および画像形成装置2は、本実施の形態では、例えば、電子写真方式のものである。画像形成装置1および画像形成装置2は、用紙に印刷を行った後は、用紙を印刷物として装置外に出力する。図1では、画像形成装置1により用紙P1に画像G1(第1の画像)を形成して出力し、画像形成装置2により用紙P2に画像G2(第2の画像)を形成して出力した場合を示している。
また詳しくは後述するが、少なくとも画像形成装置2には、画像を読み取る画像読取装置100が備えられ、画像読取装置100により用紙P1に形成された画像G1が読み取られる。
次に画像形成装置1および画像形成装置2の全体説明を行う。ただし画像形成装置1および画像形成装置2の構成は、基本的に同一である。よって以下、画像形成装置2を例に取り説明を行う。
図2は、本実施の形態に係る画像形成装置2の外観図である。図3は、本実施の形態に係る画像形成装置2の内部構造を示す図である。
画像形成装置2は、原稿の画像を読み取る画像読取装置100と、画像データを基に用紙に画像を形成する画像形成手段の一例としての画像記録装置200と、を備えている。なお画像記録装置200は、画像形成装置1では、第1の画像形成手段として機能し、画像形成装置2では、第2の画像形成手段として機能する。また、画像形成装置2は、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行うユーザインタフェース(UI)300と、画像形成装置2全体の動作を制御する制御装置900とを備える。
画像読取装置100は、原稿の画像を読み取る画像読取部110と、この画像読取部110に原稿を搬送する原稿搬送部120と、を備えている。原稿搬送部120は、画像読取装置100の上部に配置され、画像読取部110は、画像読取装置100の下部に配置されている。
原稿搬送部120は、原稿を収容する原稿収容部121と、この原稿収容部121から搬送された原稿が排出される原稿排出部122とを有し、原稿収容部121から原稿排出部122へ原稿を搬送する。
画像読取部110は、原稿搬送部120によって搬送される原稿の画像、及びプラテンガラス111に載せられた原稿の画像を読み取る。
画像記録装置200は、用紙上に画像を形成する画像形成部20と、画像形成部20に対して用紙Pを供給する用紙供給部60と、画像形成部20にて画像が形成された用紙Pを排出する用紙排出部70と、画像形成部20にて一方の面に画像が形成された用紙Pの表裏を反転させて再度画像形成部20に向けて搬送する反転搬送部80と、を備えている。
また、中間転写ユニット30は、中間転写ベルト31上に存在する残留トナー等を除去するクリーニング装置37を備えている。クリーニング装置37は、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト31の表面から残留トナーや紙粉等を除去する。
定着装置45は、中間転写ユニット30によって二次転写された用紙P上の画像(トナー像)を、加熱定着ローラ46と加圧ローラ47とにより、熱および圧力を用いて用紙Pに定着させる。
用紙排出部70は、定着装置45よりも搬送方向下流側に設けられて、トナー画像が定着された用紙Pを搬送する搬送ロール75と、この搬送ロール75の搬送方向下流側に設けられて、用紙Pの搬送方向を切り替える切替ゲート76と、を備えている。また、用紙排出部70は、切替ゲート76の搬送方向下流側に、切替ゲート76によって切り替えられた搬送方向の一方側(図3における右側)に搬送される用紙Pを第1の積載トレイ71に排出する第1の排出ロール77を備えている。また、用紙排出部70は、切替ゲート76の搬送方向下流側に、切替ゲート76によって切り替えられた搬送方向の他方側(図3における上側)に搬送される用紙Pを搬送する搬送ロール78と、搬送ロール78によって搬送される用紙Pを第2の積載トレイ72に排出する第2の排出ロール79と、を備えている。
装置本体フレーム11は、画像形成装置1における横方向の一方の端部側で、内部に、切替ゲート76、第1の排出ロール77、搬送ロール78および第2の排出ロール79などを備えるとともに上下方向に伸びて、画像読取装置100を支持する読取装置支持部13を備えている。読取装置支持部13は、装置本体フレーム11における奥側の部位と協働して画像読取装置100を支持する。
ユーザは、フロントカバー15を開くことで、画像形成部20の中間転写ユニット30やトナーカートリッジ29Y、29M、29C、29Kを新しい物と取り替えることが可能となっている。
図4は、制御装置900における信号処理系を示すブロック図である。なおここでは制御装置900が有する種々の機能のうち信号処理に関するものを選択して図示している。
制御装置900は、画像記録装置200にて画像を出力するために作成された画像データを取得するデータ取得部91と、取得した画像データからラスタイメージを作成するラスタライズ(rasterize)部92と、CMYKデータの色調整を行う色調整部93と、色調整部93で色調整を行なうためのプロファイルを作成する色処理部94と、色調整部93により変換されたラスタイメージの調整を行なうラスタイメージ調整部95と、ハーフトーン処理を行なうハーフトーン処理部96と、色変換処理された画像データを画像記録装置200に出力する画像データ出力部97とを備える。
色調整は、例えば、CinMinYinKinデータをCoutMoutYoutKoutデータに変換する((Cin、Min、Yin、Kin)→(Cout、Mout、Yout、Kout))処理である。本実施の形態では、この変換は、CinMinYinKinデータをL*a*b*色空間等の他の色空間に変換せずに、CinMinYinKinデータと同じCMYK色空間中のCoutMoutYoutKoutデータに直接変換するいわゆるデバイスリンクプロファイルを用いることで行う。また詳しくは後述するが、特定の色に対しCinMinYinKinデータをCoutMoutYoutKoutデータに直接変換するデータ対を用いて行うこともある。色調整部93は、このデバイスリンクプロファイルやデータ対を記憶し、CinMinYinKinデータをこのデバイスリンクプロファイルやデータ対に適用することで、色調整を行なう。
本実施の形態では、色調整部93は、画像形成装置2の画像記録装置200で形成される画像の色調整を行う色調整手段として機能する。またデバイスリンクプロファイルは、変換関係の一例であり、例えば、4次元LUT(Look up Table)として作成することができる。さらにデータ対も変換関係の一例である。本実施の形態では、色調整部93で色調整後のデータを「調整後画像データ」とする。
そこで本実施の形態では、画像形成装置2の色処理部94を、以下の構成にして変換関係を作成することで、色差精度と階調性の両立を図る。
ここではまず色処理部94の第1の実施形態について説明を行なう。
色処理部94は、上述したように色調整を行うために使用するデバイスリンクプロファイルを作成する。
図5は、第1の実施形態における色処理部94の機能構成について説明したブロック図である。
色処理部94は、調整前画像データ取得部941と、領域群抽出部942と、色データ取得部943と、第1の対応関係作成部944と、第2の対応関係取得部945と、第2の対応関係記憶部946と、色分散算出部947と、変換関係作成部948とを備える。
この第1の対応関係は、調整前画像データに含まれるCMYKデータと、色データ(第1の色データ)であるL*a*b*データ(以後、この第1の色データを「L* 1a* 1b* 1データ」と言うことがある)との対応関係(CMYK−L* 1a* 1b* 1)となる。この第1の対応関係を作成する詳しい方法については、後述する。
この第2の対応関係は、CMYKデータと、色データ(第2の色データ)であるL*a*b*データ(以後、この第2の色データを「L* 2a* 2b* 2データ」と言うことがある)との対応関係(CMYK−L* 2a* 2b* 2)となる。第2の対応関係は、第2の対応関係記憶部946に記憶されており、第2の対応関係取得部945は、第2の対応関係記憶部946から第2の対応関係を取得する。
次に領域群抽出部942が生成する領域群情報について説明する。
領域群を構成する各抽出領域は、それぞれの抽出領域内の色がほぼ均一な領域(以下、均一領域と称する)であって、その均一領域間でほぼ同一の色信号である範囲が選択される。均一領域間でほぼ同一の色信号を持てば、均一領域の大きさは同じである必要はない。
領域群抽出部942は、図6(a)に示すように予め定められた大きさの走査矩形Tを設定し、この走査矩形Tでラスタ画像を走査していく。そしてそれぞれの走査矩形T内に含まれる画素値のヒストグラムを作成する。
図6(b)では、CMYK値で表されたラスタ画像を、明度、彩度、色相で色を表すLCH色空間の色値に変換し、明度(L*)、彩度(C*)、色相(H*)のそれぞれのヒストグラムを作成した場合を示している。横軸は、明度(L*)、彩度(C*)、色相(H*)のそれぞれを表し、縦軸は、頻度を画素数で表している。
そしてこれらのヒストグラムから最も頻度の高いピークを含む範囲を主要色範囲として決定する。図6(b)では、この範囲を主要色範囲として図示している。そして走査矩形T内で主要色範囲内に入る領域を主要色領域とする。そして主要色領域の面積(画素数)が、走査矩形Tの面積(画素数)に対して予め定められた閾値以上であり、かつ主要色領域に含まれる画素の色分散が予め定められた閾値以内であったとき、この走査矩形Tを抽出領域として選定する。また隣接する走査矩形Tの主要色領域についても参照し、同じ色であれば、走査矩形Tを連結する。そしてさらにこの処理を連続して配置する走査矩形Tについて繰り返し、より大きい単位として1つにまとめる(グルーピング)。そしてグルーピングした後の主要色領域を、抽出領域とする。抽出領域は、例えば、図6(c)に示すように不定形の範囲となる。
なお図6(b)において予め定められた閾値を設け、ピークの高さがこの閾値に達しない場合は、このピークについては、主要色範囲とせず、抽出領域として選定しない方が望ましい。
外接矩形左上X座標および外接矩形左上Y座標は、図6(c)に示すような抽出領域に対し、点線で示す抽出領域の外接矩形を考え、この外接矩形の左上頂点のX座標およびY座標である。また外接矩形幅は、この外接矩形の幅Wであり、外接矩形高さは、この外接矩形の高さHである。これらの情報により外接矩形の位置が特定できる。
Bitmap情報は、外接矩形内で抽出領域に属する画素を「1」、それ以外の領域の画素を「0」とする2値からなる画像情報である。この場合、2値画像において、「1」の部分は、抽出領域であり、「0」の部分は、それ以外の領域であることを意味するため、外接矩形内での抽出領域の位置がわかることになる。
また領域群情報は、主要色領域の明度(L*)、彩度(C*)、色相(H*)のそれぞれの最小値(L* min、C* min、H* min)と最大値(L* max、C* max、H* max)の情報を含む。これにより抽出領域に含まれる色の色範囲がわかる。
次に第1の対応関係作成部944が第1の対応関係を作成する方法について説明する。ここでは、Step1とStep2の2段階で第1の対応関係を作成する。
そして図7(e)に示すように再び、抽出領域内の各画素のL*、C*、H*データをCMYKデータに戻す。さらに抽出領域内の各画素のCMYKデータの平均をとり、これを図7(f)に示す各抽出領域のCMYKデータとする。
一方、図8(g)は、図7(g)と同様であり、色データ(第1の色データ)であるL* 1a* 1b* 1データを示している。しかしここでは、次に図8(h)に示すように図8(e)と同じ領域でL* 1a* 1b* 1データを抽出する。そして抽出領域内の各画素のL* 1a* 1b* 1データの平均をとり、これを図8(i)に示す各抽出領域のL* 1a* 1b* 1データとする。
一方、図9(a)は、図7(a)と同様であり、調整前画像データであるCMYKデータを示している。しかしここでは、次に図9(b)に示すように図9(h)と同じ領域でCMYKデータを抽出する。そして抽出領域内の各画素のCMYKデータの平均をとり、これを図9(c)に示す各抽出領域のCMYKデータとする。
第1の対応関係作成部944は、調整前画像データと取得した画像G1の色データ(第1の色データ)とを、色データ(第1の色データ)の占める色域よりも広い色域に対して予め用意しておいた第1の対応関係候補に対して当てはめ整合させる。
図10(a)は、予め用意しておいた第1の対応関係候補について示した概念図である。
図10(a)で示した第1の対応関係候補は、画像形成装置1の色域全体(菱形で表した領域)について、第1の対応関係(CMYK−L* 1a* 1b* 1)の候補が予め用意されていることを示している。
そして本実施の形態では、図10(c)に示すように、10(a)に示した第1の対応関係候補に対して、図10(b)に示した調整前画像データと取得した色データ(第1の色データ)とを当てはめ、合成する。
図10(d)では、横軸がユークリッド距離dを表し、縦軸が重みwを表す。そしてw=1/(1+d)の関係としている。
この場合、設定される重みwは、10(b)に含まれる各データからのユークリッド距離dがより近いほどより小さくなる。例えば、ユークリッド距離dが0の場合は、重みwは0であり、この場合、図10(a)に示したデータは、ないのと同じとなる。また設定される重みwは、10(b)に含まれる各データからのユークリッド距離dがより遠いほどより大きくなる。そして予め定められたユークリッド距離d0より大きいときは、重みwは1となる。重みwが1の場合、重みwを設定しない場合と同様となる。
このようにすることで、第1の対応関係作成部944は、Step1における第1の対応関係の数の不足分を補い、画像形成装置1の色域全体を網羅する第1の対応関係(CMYK−L* 1a* 1b* 1)を作成する。つまり第1の対応関係作成部944は、まずStep1で、領域群において取得した画像G1の色データ(第1の色データ)を基に、調整前画像データとこの色データ(第1の色データ)との対応関係として、画像形成装置1の色域を部分的に網羅する第1の対応関係を作成する。そして次のStep2で、予め用意しておいた第1の対応関係候補に対して、この画像形成装置1の色域を部分的に網羅する第1の対応関係を当てはめ整合させることで、画像形成装置1の色域全体を網羅する第1の対応関係を作成する。
そこで第1の対応関係候補を予め複数用意し、その中から1つを選択するようにしてもよい。即ち、複数の第1の対応関係候補の中から、Step1で得られた第1の対応関係により近いものを選択する。この場合、例えば、第1の対応関係作成部944に第1の対応関係候補を選択して設定する設定部を設けてもよい。
次に色分散算出部947が、色のばらつきとして、分散を算出する方法について詳述する。
色分散算出部947は、調整前画像データであるCMYKデータをいったんL*a*b*データに変換する。変換後の調整前画像データは、L*a*b*データであるとともにラスタデータである。次に色分散算出部947は、図11に示すように予め定められた大きさの走査矩形Tを設定し、この走査矩形Tでラスタ画像を走査していく。
次に第1の変換関係および第2の変換関係を作成する方法について詳述する。
図12(a)〜(d)は、色のばらつきがより小さく、変換関係作成部948が第1の変換関係を作成する場合を示した図である。
このうち図12(a)は、色のばらつきがより小さい画像の例を示している。図示した画像は、使用されている色数が少ないグラフィック画像である。そして色分散算出部947が、(1)〜(4)で示した走査矩形T内の色のばらつきとして分散を算出した場合を示している。
この第1の変換関係は、特定の色(ここでは4つの色)に対する特色テーブルであると考えられることができる。
このうち図13(a)は、色のばらつきがより大きい画像の例を示している。図示した画像は、写真の画像である。そして色分散算出部947が、(5)〜(8)で示した走査矩形T内の色のばらつきとして分散を算出した場合を示している。
次に色処理部94の第2の実施形態について説明を行なう。
色処理部94は、調整前画像データ取得部941と、領域群抽出部942と、色データ取得部943と、第1の対応関係作成部944と、第2の対応関係取得部945と、第2の対応関係記憶部946と、色分散算出部947と、色分布算出部949と、変換関係作成部948とを備える。
図15(a)〜(b)は、調整前画像データの色の分布について示した図である。図では調整前画像データの色空間であるCMYK色空間中で調整前画像データの存在する位置を点により示している。なおCMYK色空間は、4次元の色空間であるが、ここでは説明をわかりやすくするため、模式的に3次元の色空間により調整前画像データの色の分布を表している。
このうち図15(a)は、調整前画像データの色の分布の偏りがより小さい場合を示している。この場合、調整前画像データは、CMYK色空間でほぼ均等に分布し、色の分布に偏りは見られない。
また図15(b)は、調整前画像データの色の分布の偏りがより大きい場合を示している。この場合、調整前画像データは、CMYK色空間で特定の箇所に集まって分布し色の分布に偏りが見られる。
色分布算出部949は、画像形成装置2の画像記録装置200の色域を図15に示すように格子状に区切り、それぞれの格子内に入る各抽出領域のCMYKデータの数をカウントする。そして特定の格子内のカウント数が予め定められた閾値より多い場合、色分布算出部949は、色の分布の偏りがより大きいと判断する。一方、閾値以下の場合、色分布算出部949は、色の分布の偏りがより小さいと判断する。
この例では、1つの格子内のカウント数が5であり、周辺の格子内のカウント数が0であるので、色の分布の偏りがより大きい場合を示している。
より具体的には、変換関係作成部948は、色のばらつきがより小さくかつ色の分布の偏りがより小さいときは、この色についての固有の変換関係である第1の変換関係を作成する。
また変換関係作成部948は、色のばらつきがより小さくかつ色の分布の偏りがより大きいとき、および色のばらつきがより大きいときは、この色を含む複数の色についての変換関係である第2の変換関係を作成する。
第2の実施形態では、色のばらつきが小さくても色の分布の偏りがより大きいときは、第2の変換関係を作成する点で第1の実施形態とは異なる。
次に、画像形成装置2で画像形成装置1の色に合わせた画像G2を出力するための色調整を行う際の手順について説明する。
次に画像形成装置2の画像読取装置100で画像G1(第1の画像)を読み取る(ステップ102)。
画像読取装置100で読み取られた画像G1の色データ(第1の色データ)は、制御装置900の色処理部94に送られ、色処理部94の色データ取得部943が、この色データ(第1の色データ)を取得する(ステップ103)。
そして領域群抽出部942が、取得された調整前画像データを基に、画像上の特定の領域を領域群として抽出する(ステップ105)。領域群を抽出するには、例えば、図6で説明した方法を使用する。
また本実施の形態では、第1の対応関係作成部944が上述したStep2を行うことで、第1対応関係を作成する。これにより画像形成装置1から出力した印刷物の画像G1に使用されている色が画像形成装置1の色再現範囲に対して部分的であっても、第1の対応関係作成部944は、より精度の高い変換関係を作成する。そのためこのような場合でも色調整の精度が低下しにくい。
また本実施の形態では、印刷物の特徴によらず、色差精度と階調性の両立を図った変換関係を作成することができる。例えば、使用される色数の少ないグラフィック画像等の場合、第1の変換関係を作成することで色差精度を重視した変換関係とすることができる。また使用される色数の多い写真画像等の場合、第2の変換関係を作成することで色差精度と階調性を両立した変換関係とすることができる。
また同様に制御装置900は、画像形成装置2に内蔵されていたが、制御装置900の色処理部94で行う機能を独立させ、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等により実行してもよい。この場合、色処理部94の機能は、これらの機器で動作するソフトウェア(プログラム)により実現することができる。
さらに以上詳述した例では、画像形成装置1と画像形成装置2の構成は、電子写真方式による画像形成層を行う装置を例とし、基本的に同一として説明したが、これに限定されるものではなく、電子写真方式以外のインクジェット方式やオフセット印刷方式等の方式を用いて用紙(記録材)に画像を形成して出力することが可能な装置でもよい。
そして以上詳述した例では、色調整の対象となる調整前画像データは、データ取得部91で取得した画像データをラスタライズ部92でラスタライズした後のデータであったが、ラスタライズした後のデータに限られるものではなく、他の画像処理後のデータであってもよい。また装置によっては、調整前画像データと画像データとが同じものになる場合もある。
またさらに以上詳述した例では、変換関係は、データ対からなる第1の変換関係とデバイスリンクプロファイルである第2の変換関係の2種類からなっていたが、これを1つのデバイスリンクプロファイルにまとめ、1つの変換関係としてしまってもよい。
Claims (9)
- 画像データを基に第1の画像形成手段により出力された第1の画像の色データを取得する色データ取得部と、
色調整を行なう対象となる調整前画像データの色のばらつきを取得するばらつき取得部と、
前記調整前画像データと前記色データとの対応関係である第1の対応関係を作成する第1の対応関係作成部と、
前記第1の対応関係、および第2の画像形成手段についての第2の対応関係から、前記調整前画像データを基に当該第2の画像形成手段により出力される第2の画像の色が前記第1の画像の色になるように、当該第2の画像形成手段の色調整を行う変換関係を色のばらつきに応じて作成する変換関係作成部と、
を備え、
前記変換関係作成部は、色のばらつきがより小さい色については、当該色についての固有の変換関係である第1の変換関係を作成する色処理装置。 - 前記変換関係作成部は、色のばらつきがより大きい色については、当該色を含む複数の色についての変換関係である第2の変換関係を作成することを特徴とする請求項1に記載の色処理装置。
- 画像データを基に第1の画像形成手段により出力された第1の画像の色データを取得する色データ取得部と、
色調整を行なう対象となる調整前画像データの色のばらつきを取得するばらつき取得部と、
前記調整前画像データと前記色データとの対応関係である第1の対応関係を作成する第1の対応関係作成部と、
前記第1の対応関係、および第2の画像形成手段についての第2の対応関係から、前記調整前画像データを基に当該第2の画像形成手段により出力される第2の画像の色が前記第1の画像の色になるように、当該第2の画像形成手段の色調整を行う変換関係を色のばらつきに応じて作成する変換関係作成部と、
前記調整前画像データの色の分布の偏りを取得する偏り取得部と、
を備え、
前記変換関係作成部は、前記変換関係を前記調整前画像データの色のばらつきに加え当該調整前画像データの色の分布の偏りに応じて作成する色処理装置。 - 前記変換関係作成部は、色のばらつきがより小さくかつ色の分布の偏りがより小さいときは、当該色についての固有の変換関係である第1の変換関係を作成することを特徴とする請求項3に記載の色処理装置。
- 前記変換関係作成部は、色のばらつきがより小さくかつ色の分布の偏りがより大きいとき、および色のばらつきがより大きいときは、当該色を含む複数の色についての変換関係である第2の変換関係を作成することを特徴とする請求項4に記載の色処理装置。
- 画像データを基に記録材に画像を形成する第2の画像形成手段と、
前記第2の画像形成手段で形成される画像の色調整を行う色調整手段と、
前記色調整手段で色調整を行うために使用される変換関係を作成する変換関係作成手段と、
を備え、
前記変換関係作成手段は、
前記画像データを基に第1の画像形成手段により出力された第1の画像の色データを取得する色データ取得部と、
色調整を行なう対象となる調整前画像データの色のばらつきを取得するばらつき取得部と、
前記調整前画像データと前記色データとの対応関係である第1の対応関係を作成する第1の対応関係作成部と、
前記第1の対応関係、および前記第2の画像形成手段についての第2の対応関係から、前記調整前画像データを基に当該第2の画像形成手段により出力される第2の画像の色が前記第1の画像の色になるように、当該第2の画像形成手段の色調整を行う変換関係を色のばらつきに応じて作成する変換関係作成部と、
を備え、
前記変換関係作成部は、色のばらつきがより小さい色については、当該色についての固有の変換関係である第1の変換関係を作成する画像形成装置。 - 画像データを基に記録材に画像を形成する第2の画像形成手段と、
前記第2の画像形成手段で形成される画像の色調整を行う色調整手段と、
前記色調整手段で色調整を行うために使用される変換関係を作成する変換関係作成手段と、
を備え、
前記変換関係作成手段は、
前記画像データを基に第1の画像形成手段により出力された第1の画像の色データを取得する色データ取得部と、
色調整を行なう対象となる調整前画像データの色のばらつきを取得するばらつき取得部と、
前記調整前画像データと前記色データとの対応関係である第1の対応関係を作成する第1の対応関係作成部と、
前記第1の対応関係、および前記第2の画像形成手段についての第2の対応関係から、前記調整前画像データを基に当該第2の画像形成手段により出力される第2の画像の色が前記第1の画像の色になるように、当該第2の画像形成手段の色調整を行う変換関係を色のばらつきに応じて作成する変換関係作成部と、
前記調整前画像データの色の分布の偏りを取得する偏り取得部と、
を備え、
前記変換関係作成部は、前記変換関係を前記調整前画像データの色のばらつきに加え当該調整前画像データの色の分布の偏りに応じて作成する画像形成装置。 - 画像データを基に記録材に画像を形成する第1の画像形成手段および第2の画像形成手段と、
前記第2の画像形成手段で形成される画像の色調整を行う色調整手段と、
前記色調整手段で色調整を行うために使用される変換関係を作成する変換関係作成手段と、
を備え、
前記変換関係作成手段は、
前記画像データを基に前記第1の画像形成手段により出力された第1の画像の色データを取得する色データ取得部と、
色調整を行なう対象となる調整前画像データの色のばらつきを取得するばらつき取得部と、
前記調整前画像データと前記色データとの対応関係である第1の対応関係を作成する第1の対応関係作成部と、
前記第1の対応関係、および前記第2の画像形成手段についての第2の対応関係から、前記調整前画像データを基に当該第2の画像形成手段により出力される第2の画像の色が前記第1の画像の色になるように、当該第2の画像形成手段の色調整を行う変換関係を色のばらつきに応じて作成する変換関係作成部と、
を備え、
前記変換関係作成部は、色のばらつきがより小さい色については、当該色についての固有の変換関係である第1の変換関係を作成する画像形成システム。 - 画像データを基に記録材に画像を形成する第1の画像形成手段および第2の画像形成手段と、
前記第2の画像形成手段で形成される画像の色調整を行う色調整手段と、
前記色調整手段で色調整を行うために使用される変換関係を作成する変換関係作成手段と、
を備え、
前記変換関係作成手段は、
前記画像データを基に前記第1の画像形成手段により出力された第1の画像の色データを取得する色データ取得部と、
色調整を行なう対象となる調整前画像データの色のばらつきを取得するばらつき取得部と、
前記調整前画像データと前記色データとの対応関係である第1の対応関係を作成する第1の対応関係作成部と、
前記第1の対応関係、および前記第2の画像形成手段についての第2の対応関係から、前記調整前画像データを基に当該第2の画像形成手段により出力される第2の画像の色が前記第1の画像の色になるように、当該第2の画像形成手段の色調整を行う変換関係を色のばらつきに応じて作成する変換関係作成部と、
前記調整前画像データの色の分布の偏りを取得する偏り取得部と、
を備え、
前記変換関係作成部は、前記変換関係を前記調整前画像データの色のばらつきに加え当該調整前画像データの色の分布の偏りに応じて作成する画像形成システム。
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