JP6833851B2 - 組み換えヒトcd38細胞外ドメインを含む組成物および/または方法および/またはキット - Google Patents

組み換えヒトcd38細胞外ドメインを含む組成物および/または方法および/またはキット Download PDF

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Description

分野
本開示は、医薬製品の分野に関する。本開示のいくつかの実施態様は、哺乳動物の細胞内および/または細菌内で発現するCD38細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの組み換え可溶性形態を含む組成物および/または方法および/またはキットに関する。本開示は、オリゴマー化タグを含む融合タンパク質と、そのタグを用いて組み換え融合タンパク質をオリゴマー化する方法にも関する。
関連分野の説明
ヒトCD38膜貫通タンパク質は、ある種の悪性骨髄腫で高発現している。多発性骨髄腫とそれ以外の血液系腫瘍を殺すための治療薬として抗CD38モノクローナル抗体が用いられている。
概要
いくつかの実施態様では、抗CD38抗体に結合する組成物が提供される。いくつかの実施態様では、その組成物は、CD38細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの組み換え可溶性形態で抗CD38抗体の結合活性に干渉するものを含んでいて、そのCD38細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの配列は、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14からなる群から選択される。
組成物のいくつかの実施態様では、CD38細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの組み換え可溶性形態のサイズは、約5個のアミノ酸〜約300個のアミノ酸の範囲である。
組成物のいくつかの実施態様では、抗CD38抗体は、ヒトCD38、または非ヒトCD38、またはその組み合わせに対するものである。
組成物のいくつかの実施態様では、抗CD38抗体は、モノクローナル、またはポリクローナル、またはその組み合わせである。
組成物のいくつかの実施態様では、抗CD38抗体は、Darzarex、イサツキシマブ、MOR202からなる群から選択される。
組成物のいくつかの実施態様では、CD38細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの組み換え可溶性形態は真核生物発現系または原核生物発現系の中で発現する。
組成物のいくつかの実施態様では、CD38細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの組み換え可溶性形態の濃度は約1 mg/ml〜約400 mg/mlの範囲である。
いくつかの実施態様では、バイオモニタリング研究と診断アッセイのためのキットが提供される。いくつかの実施態様では、このキットは、CD38の細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの組み換え可溶性形態で抗CD38抗体の結合活性に干渉するものを含む組成物と、プレートと、抗体の存在を突き止めるための試薬を含んでいて、CD38の細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの組み換え可溶性形態の配列は、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14からなる群から選択される。
キットのいくつかの実施態様では、そのキットのプレートと試薬はELISAアッセイ用に構成されている。
キットのいくつかの実施態様では、そのキットのプレートと試薬は、本出願の出願日の時点で商標PROMONITOR(登録商標)のもとで販売されているアッセイキットからのものである。
いくつかの実施態様では、サンプル中の抗CD38抗体の結合を中和するか阻止する方法が提供される。いくつかの実施態様では、サンプル中で抗CD38抗体の結合を中和するか阻止するこの方法は、抗CD38抗体を含むある体積のサンプルを用意し、サンプル中のその抗CD38抗体を中和するのに十分な体積の請求項1に記載の組成物とともにインキュベートすることを含んでいる。
抗CD38抗体の結合を中和するか阻止する方法のいくつかの実施態様では、サンプルは、血液、血漿、血清からなる群から選択される。
抗CD38抗体の結合を中和するか阻止する方法のいくつかの実施態様では、抗CD38抗体は、Darzarex、イサツキシマブ、MOR202からなる群から選択される。
抗CD38抗体の結合を中和するか阻止する方法のいくつかの実施態様では、サンプルの体積は約25μl〜約250μlの範囲である。
抗CD38抗体の結合を中和するか阻止する方法のいくつかの実施態様では、組成物の体積は約0.5μl〜約50μlの範囲である。
抗CD38抗体の結合を中和するか阻止する方法のいくつかの実施態様では、サンプル中の抗CD38抗体の濃度は約0.005μg/ml〜約2000μg/mlの範囲である。
抗CD38抗体の結合を中和するか阻止する方法のいくつかの実施態様では、組成物中のCD38の細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの組み換え可溶性形態の濃度は約1 mg/ml〜約400 mg/mlの範囲である。
抗CD38抗体の結合を中和するか阻止する方法のいくつかの実施態様では、CD38の細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの組み換え可溶性形態の中和効果は約70%〜約100%の範囲である。
抗CD38抗体の結合を中和するか阻止する方法のいくつかの実施態様では、抗CD38抗体の結合活性は、血液輸血前試験への干渉、血液適合性試験への干渉、抗体療法への干渉からなる群から選択される。
いくつかの実施態様では、抗CD38抗体で治療する患者に適した赤血球細胞ユニットを選択する方法が提供される。いくつかの実施態様では、適切な赤血球細胞ユニットを選択する方法は、患者から、血液サンプルを取得するか、その患者の血液に由来するサンプルを取得し、サンプル中の抗CD38抗体を中和するか阻止するための本明細書に提示した方法に従ってそのサンプル中の抗CD38抗体を中和し、そのサンプルと個々の赤血球細胞ユニットの適合性を試験し、その試験に基づいてそのサンプルに適合する赤血球細胞ユニットを選択することを含んでいる。
いくつかの実施態様では、ヒトの血漿および/または血清および/または血液の処理中にその血漿および/または血清および/または血液に含まれる抗CD38を除去する方法が提供される。いくつかの実施態様では、抗CD38を除去するこの方法は、血漿および/または血清および/または血液を、CD38の細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの組み換え可溶性形態で抗CD38抗体の結合活性に干渉するものを含む組成物に曝露することを含んでいて、CD38の細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの組み換え可溶性形態の配列は、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14からなる群から選択され、CD38の細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの組み換え可溶性形態にはアフィニティタグが付けられている。
抗CD38を除去する方法のいくつかの実施態様では、処理は、血液透析、腹膜透析、血液濾過、血液透析濾過、血漿交換療法、プラズマフェレーシスからなる群から選択された処理を含んでいる。
抗CD38を除去する方法のいくつかの実施態様では、アフィニティタグの選択は、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、小さなユビキチン様修飾因子(SUMO)、Aviタグ、カルモジュリン-タグ、ポリグルタミン酸タグ、E-タグ、FLAG-タグ、HA-タグ, His-タグ、Myc-タグ、NE-タグ、S-タグ、SBP-タグ、Sofタグ1、Sofタグ3、Strep-タグ、TC タグ、V5 タグ、VSV-タグ、Xpressタグ、Isopepタグ、Spyタグ、Snoopタグ、ビオチンカルボキシル担体タンパク質(BCCP)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ-タグ、緑色蛍光タンパク質-タグ、他の蛍光タンパク質タグ、Haloタグ、マルトース結合タンパク質-タグ、Nus-タグ、チオレドキシン-タグ、Fc-タグ、変性促進アミノ酸を含有する設計された天然変性(Designed Intrinsically Disordered)タグ、Tyタグからなる群からなされる。
いくつかの実施態様では、融合タンパク質が提供される。いくつかの実施態様では、融合タンパク質は、オリゴマー化タグに融合された組み換えポリペプチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、オリゴマー化タグは、免疫グロブリンFc領域またはそのフラグメントと、ポリヒスチジンドメインを含んでいる。
融合タンパク質のいくつかの実施態様では、オリゴマー化タグは、二量体の12マーまたは6マーまでという、より高次の二量体を形成することができ、おそらくさらに高次のオリゴマーも形成することができる。
融合タンパク質のいくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは4〜24個のヒスチジン残基を有する。
融合タンパク質のいくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは6〜10個のヒスチジン残基を有する。
融合タンパク質のいくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは、6個、または8個、または10個のヒスチジン残基を有する。
融合タンパク質のいくつかの実施態様では、免疫グロブリンFc領域の配列は配列番号15である。いくつかの実施態様では、免疫グロブリンFc領域の配列は配列番号15と少なくとも90%一致している。
融合タンパク質のいくつかの実施態様では、組み換えポリペプチドおよび/またはそのフラグメントの配列は、配列番号1、配列番号25、配列番号26、配列番号27からなる群から選択される。
融合タンパク質のいくつかの実施態様では、組み換えポリペプチドおよび/またはそのフラグメントの配列は、配列番号7、配列番号12、配列番号20、配列番号21からなる群から選択される。
いくつかの実施態様では、組み換えタンパク質のためのオリゴマー化タグが提供される。いくつかの実施態様では、そのオリゴマー化タグは、免疫グロブリンFc領域またはそのフラグメントと、ポリヒスチジンドメインを有する。
組み換えタンパク質のためのオリゴマー化タグのいくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは4〜24個のヒスチジン残基を有する。
組み換えタンパク質のためのオリゴマー化タグのいくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは6〜10個のヒスチジン残基を有する。
組み換えタンパク質のためのオリゴマー化タグのいくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは、6個、または8個、または10個のヒスチジン残基を有する。
組み換えタンパク質のためのオリゴマー化タグのいくつかの実施態様では、免疫グロブリンFc領域の配列は配列番号15である。
組み換えタンパク質のためのオリゴマー化タグのいくつかの実施態様では、免疫グロブリンFc領域の配列は配列番号15と少なくとも90%一致している。
組み換えタンパク質のためのオリゴマー化タグのいくつかの実施態様では、オリゴマー化タグの配列は、配列番号5、配列番号16、配列番号17、配列番号18からなる群から選択される。
いくつかの実施態様では、組み換え融合タンパク質をオリゴマー化する方法が提供される。いくつかの実施態様では、組み換え融合タンパク質をオリゴマー化するこの方法は、
a)本発明によるオリゴマー化タグをコードするヌクレオチド配列を、あるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に遺伝子操作によって融合させる工程と;
b)工程a)で得られたヌクレオチド配列を宿主細胞の中で発現させる工程と;
c)工程b)で得られた組み換え融合タンパク質を精製する工程を含んでいる。
組み換えCD38ecd-Fc-10Hをコードする人工合成アミノ酸の実施態様(配列番号7)を示している。 組み換えCD38ecd-10Hをコードする人工合成アミノ酸の実施態様(配列番号8)を示している。 組み換え10H-MBPt-CD38ecdをコードする人工合成アミノ酸の実施態様(配列番号9)を示している。 組み換え10Ht-CD38ecdをコードする人工合成アミノ酸の実施態様(配列番号10)を示している。 組み換え10H-MBPt-DARAエピトープをコードする人工合成アミノ酸の実施態様(配列番号11)を示している。 CD38細胞外ドメイン(CD38ecd)のアミノ酸配列の実施態様(配列番号1)を示している。 DARAエピトープのアミノ酸配列の実施態様(配列番号2)を示している。 DARAエピトープ(エピトープ#1)のアミノ酸配列の実施態様(配列番号3)を示している。 DARAエピトープ(エピトープ#2)のアミノ酸配列の実施態様(配列番号4)を示している。 マウスFc-10Hのアミノ酸配列の実施態様(配列番号5)を示している。 10H-MBPtのアミノ酸配列の実施態様(配列番号6)を示している。 代わりの足場を用いたさまざまな組み換えCD38タンパク質の模式図を示している。 CD38ecd-Fc-10Hによって抗CD38を抑制した後の低力価抗D抗体の同定に関するデータを示している。 CD38ecd-Fc-10Hによって抗CD38を抑制した後にかろうじて検出できる予想外の抗体の同定に関するデータを示している。 CD38ecd-Fc-10HまたはrhCD38による抗CD38の抑制に関するデータを示している。 CD38ecd-Fc-10Hを用いた前処理で温度とインキュベーション時間を変えても機能は同等であることを示している。 CD38ecd-Fc-10HとCD38ecd-flex-Fc-10HはCD38ecd-10Hと比べて機能が優れていることを示している。
詳細な説明
組み換えヒトCD38ecd
ダラツムマブ(DARA)は、悪性骨髄腫細胞の表面に高発現しているCD38膜貫通タンパク質を標的とする免疫グロブリン(Ig)G1kヒトモノクローナル抗体(mAb)であり(de Weers M他 「新規な治療用ヒトCD38モノクローナル抗体であるダラツムマブは、多発性骨髄腫と他の血液系腫瘍の殺傷を誘導する」J Immunol. 2011年2月1日;第186巻(3):1840〜1848ページ;Lokhorst HM他 「多発性骨髄腫においてDARA単剤療法でCD38を標的とする」N Engl J Med. 2015年9月24日;第373巻(13):1207〜1219ページ)、ヒトの治療に用いられている。2016年、DARA単剤療法が、食品医薬品局(FDA)により、以前に少なくとも3系統の治療を受けた多発性骨髄腫患者の治療用として承認された。
DARAは定型的な血液適合性試験に干渉することが報告されている(Chapuy CI他「血液適合性試験へのDARAの干渉を解決する」Transfusion. 2015年6月;第55巻(6 Pt 2):1545〜1554ページ;Oostendorp M他「モノクローナル抗体療法による干渉が原因で輸血医学が複雑になるとき」Transfusion. 2015 年6月;第55巻(6 Pt 2):1555〜1562ページ)。DARAは、赤血球細胞(RBC)の細胞表面にある内在性CD38細胞外ドメインを特異的に認識し、ある種のインビトロ診断試験で偽陽性反応を引き起こす。
DARAで治療した患者からの血漿サンプルは、間接抗グロブリン試験(IAT)(例えば抗体検出(スクリーニング)試験、抗体同定パネル、抗ヒトグロブリン(AHG)交差適合)で陽性反応を常に引き起こす。患者の血清中での不規則抗体の検出は、最後のDARA輸液から6ヶ月後までマスクされている。予想外/不規則抗体はすべて、同種抗体やオート抗体と同様、輸血で不適合を引き起こす可能性のある抗体である。不規則抗体は、IgG型であることが最も一般的である。この干渉によって定型的な輸血前試験ができなくなり、DARAで治療する患者に適したRBCユニットの選択が複雑になる。DARAに加え、他の2種類のCD38特異的抗体(イサツキシマブとMOR202)が臨床開発されていて、他の何種類かが前臨床開発の状態である(van de Donk NW他「血液悪性腫瘍とより広範な疾患においてCD38を標的とするモノクローナル抗体」Immunol Rev. 2016年3月;第270巻(1):95〜112ページ)。
この問題を克服するため、さまざまな解決法が開発されていて報告されている。どの解決法も独自の利点と欠点を持っており、それを表1に記載する(Chapuy C.I. 他「最善の共同研究のためのDARA-DTT 研究グループ*。血液適合性試験へのダラツムマブの干渉を解決するためのジチオトレイトール(DTT)に基づく方法の国際的認可」Transfusion. 2016年12月;第56巻(12):2964〜2972ページ)。
CD38細胞外ドメインおよび/またはそのフラグメントの組み換え可溶性形態(sCD38ecd、本明細書ではsCD38とも呼ぶ)による抗CD38の中和は、魅力的な方法である。なぜならRBC表面のどのエピトープも損傷せず、あらゆる抗CD38抗体を中和することができ、実験室での定型的な試験で実施するのに患者の血液サンプルおよび/または血漿サンプルおよび/または血清サンプルをsCD38とともにインキュベートするだけでよいからである。主な欠点は、組み換えsCD38ecdが高価になる可能性があることである。この欠点は主観的なものである。なぜなら組み換えタンパク質はさまざまなインビトロ診断(IVD)で広く用いられていて、定型的な使用にとって手の届くコストに維持することができるからである。sCD38の使用に関するさらに別の欠点になりうるのは、sCD38の溶液を用いて抗CD38を中和するときに起こる患者の血液および/または血漿の希釈である。そうすることで、その後の抗体のスクリーニングおよび/または同定で臨床的に重要な不規則な血液型抗体が見逃される可能性がある。したがって、高濃縮度のsCD38が入手可能であって、患者の血液サンプルおよび/または血漿サンプルに含まれる抗CD38抗体を中和するとき、ほんの小体積のsCD38だけが必要とされることが望ましい。
代わりの解決法には、RBCの処理に、非常に広くて非特異的な効果を持つ化学的変性剤を用いることが含まれる。現在のところ、DARA干渉を除外するための選択法はRBCのDTT処理であり、CD38を減らすことでDARA抗体によってCD38が認識されないようにする。しかしこの処理では他のいくつかの血液型抗原も破壊されるため、その抗原に対する抗体をそれぞれの細胞表面で検出して同定することはもはやできない。例えば試薬赤血球細胞キットの中のRBCを還元剤ジチオトレイトール(DTT)で処理し、試験を再度行なうと、赤血球細胞の表面でDARAがCD38に結合することが効果的に阻止されるであろう。しかしDTTは、ジスルフィド結合を非特異的に破壊することによって赤血球細胞の表面でいくつかの抗原(例えば血液型判定と輸血反応において重要なケル・システムの抗原)を不活性化して破壊する。
逆に、sCD38は、抗CD38抗体が結合できる1つ以上のエピトープを含んでいる限り、RBCの表面にあるどのエピトープも損傷せず、あらゆる抗CD38抗体を中和することができる。
本開示は、組み換えヒトsCD38とそのフラグメントを含む組成物および/または方法および/またはキットに関する。本開示は、真核生物発現系および/または原核生物発現系の中で発現させる組み換えヒトsCD38とそのフラグメントを含む組成物および/または方法および/またはキットにも関する。
いくつかの実施態様では、組み換えsCD38および/またはそのフラグメントは、本分野で知られている方法を用いて可溶化される。いくつかの実施態様では、発明者は、DARAおよび/または開発中の他の抗CD38治療用抗体に干渉するブロッカーとしての組み換えsCD38を開発した。したがっていくつかの実施態様では、本開示は、CD38に結合する1つ以上の抗体に干渉する組み換えsCD38および/またはそのフラグメントに関する。いくつかの実施態様では、組み換えsCD38および/またはそのフラグメントは、CD38に結合する1つ以上のポリクローナル抗体に干渉する。いくつかの実施態様では、組み換えsCD38および/またはそのフラグメントは、CD38に結合する1つ以上のモノクローナル抗体に干渉する。いくつかの実施態様では、組み換えsCD38および/またはそのフラグメントは、CD38に結合する1つ以上のポリクローナル抗体とモノクローナル抗体に干渉する。いくつかの実施態様では、組み換えsCD38および/またはそのフラグメントは、CD38に結合する1つ以上のタンパク質に干渉する。
いくつかの実施態様では、本開示は、DARAの結合に干渉する組み換えsCD38タンパク質および/またはそのフラグメントに関する。いくつかの実施態様では、組み換えsCD38および/またはそのフラグメントは、イサツキシマブの結合に干渉する。いくつかの実施態様では、組み換えsCD38および/またはそのフラグメントは、MOR202の結合に干渉する。いくつかの実施態様では、組み換えsCD38および/またはそのフラグメントは、DARA、イサツキシマブ、MOR202のうちの1つ以上の結合に干渉する。いくつかの実施態様では、組み換えsCD38および/またはそのフラグメントは、ヒトCD38タンパク質および/またはそのフラグメントを意味する。いくつかの実施態様では、組み換えsCD38および/またはそのフラグメントは、非ヒトCD38タンパク質を意味する。CD38の非ヒト供給源の非限定的な例に含まれるのは、イヌ、ネコ、ウサギ、マウス、モルモット、サル、ウシ、ヒツジ、ヤギ、シマウマなどである。
いくつかの実施態様では、(sCD38と表記される)CD38ecdは図6に開示されているものである。いくつかの実施態様では、(sCD38と表記される)CD38ecdは配列番号1に開示されているものである。いくつかの実施態様では、CD38ecdは、CD38タンパク質のフラグメントであり、UniProt#P28907によるヒトCD38アミノ酸配列の残基45〜300(配列番号1)を含んでいる。いくつかの実施態様では、CD38ecdは、CD38タンパク質のうちで細胞表面において自然に発現するとき細胞表面に露出することが予測される部分のフラグメントである。いくつかの実施態様では、CD38ecdは、細胞表面において自然に発現するときのCD38の推定細胞外ドメインである。
いくつかの実施態様では、本開示は、sCD38としてのCD38ecd(配列番号1)の発現に関する。ただしCD38ecd(配列番号1)は、ヒトCD38タンパク質のうちで細胞表面に露出することが予測される部分である。いくつかの実施態様では、本開示は、sCD38としてのCD38ecd(配列番号1)のフラグメントの発現に関する。ただしCD38ecd(配列番号1)は、ヒトCD38タンパク質のうちで細胞表面に露出することが予測される部分である。
当業者であれば、本分野で知られている1つ以上の発現系を用いて組み換えCD38ecdまたはそのフラグメントを発現させうることを思いつくであろう。非限定的な例に含まれるのは、細菌発現系および/または真核生物発現系(その非限定的な例に含まれるのは、昆虫細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞のタイプである)である。
いくつかの実施態様では、発現系は、哺乳動物細胞、酵母細胞、昆虫細胞などを含む真核生物発現系である。いくつかの実施態様では、真核生物発現系は、CHO細胞、HEK細胞、BHK細胞、NSO細胞、Sp2/0細胞、COS細胞、C127細胞、HT-10780細胞、PER.C6細胞、HeLa細胞、Jurkat細胞からなる群から選択される。いくつかの実施態様では、sCD38またはそのフラグメントの発現に関する真核生物発現系(例えば哺乳動物細胞が含まれる)の非限定的な利点に含まれるのは、抗CD38抗体が結合するためのsCD38またはそのフラグメントの正しい折り畳み、正しい翻訳後修飾、分泌経路コンパートメントへの適切なソーティング、適切な機能などである。
いくつかの実施態様では、sCD38は、図1に示したように、免疫グロブリンIgG1 Fc領域を含む融合タンパク質(本明細書ではCD38ecd-Fc-10Hと呼ぶ;配列番号7)として発現する。いくつかの実施態様では、CD38ecd-Fc-10Hは、免疫グロブリンIgG1定常領域のフラグメントをコードする人工合成核酸によってコードされる組み換えタンパク質である。いくつかの実施態様では、CD38ecd-Fc-10Hは、免疫グロブリンIgG2定常領域のフラグメントをコードする人工合成核酸によってコードされる組み換えタンパク質である。いくつかの実施態様では、CD38ecd-Fc-10Hは、免疫グロブリンIgG3定常領域のフラグメントをコードする人工合成核酸によってコードされる組み換えタンパク質である。いくつかの実施態様では、CD38ecd-Fc-10Hは、免疫グロブリンIgG4定常領域のフラグメントをコードする人工合成核酸によってコードされる組み換えタンパク質である。いくつかの実施態様では、CD38ecd-Fc-10Hは、単量体Fc-融合タンパク質が発現するよう、変化したヒンジ領域を持つ上記いずれかの免疫グロブリンIgGアイソタイプの定常領域のフラグメントをコードする人工合成核酸によってコードされる組み換えタンパク質である。いくつかの実施態様では、CD38ecd-Fc-10Hは、配列番号5(図10)のN末端に融合されたCD38ecdを含んでいる。その配列番号5は、ヒンジ領域とCH2ドメインとCH3ドメインからなる免疫グロブリンIgG定常領域のフラグメントを含んでいて、そのフラグメントのC末端には10ヒスチジンタグと終止コドンが融合されている。いくつかの実施態様では、CD38ecd-Fc-10Hは細胞の表面で発現する。いくつかの実施態様では、マウスIgG1定常領域は、発現するタンパク質の発現、可溶性、安定性のうちの1つ以上を改善する。いくつかの実施態様では、マウスIgG1定常領域は、細胞の表面で発現するタンパク質の発現、可溶性、安定性のうちの1つ以上を改善する。いくつかの実施態様では、Hisタグがあることで、固定化金属アフィニティクロマトグラフィ(IMAC)精製によってCD38ecd-Fc-10Hを精製することが可能になる。
本明細書では、「核酸」は、DNAに基づくもの、またはRNAに基づくもの、またはその組み合わせが可能である。非限定的な例に含まれるのは、本分野で周知のプラスミド、コスミド、ファージ、ウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ミニサークル、修飾された核酸、核酸類似体などである。いくつかの実施態様では、核酸は、真核生物発現系の中、または原核生物発現系の中、またはその両方の中で、タンパク質、またはペプチド、またはその両方が効率的に発現するよう設計される。例には、核酸に基づくワクチンベクターも包含される。非限定的な例に含まれるのは、DNAワクチンベクター、RNAワクチンベクター、ウイルスに基づくワクチンベクター(例えばアデノ随伴ウイルスに基づくワクチンベクター)などである。
いかなる理論にも囚われることなく、本分野では、膜の中でのCD38の自然な状態は二量体および/または三量体であると考えられている(Bruzzone S他「トランスフェクトされたHeLa 細胞における触媒活性のある膜貫通CD38の二量体形態と三量体形態」FEBS Lett. 1998年8月21日;第433巻(3):275〜278ページ)。いくつかの実施態様では、CD38ecd-Fc-10Hは二量体タンパク質として発現する。いくつかの実施態様では、その二量体タンパク質は、CD38ecd-Fc-10Hのホモ二量体である。いくつかの実施態様では、CD38ecd-Fc-10Hは、CD38ecd-Fc-10H のコピーを3つ以上含むオリゴマータンパク質として発現させることができる。いくつかの実施態様では、CD38ecd-Fc-10Hは、オリゴマータンパク質として発現する。いくつかの実施態様では、CD38ecd-Fc-10Hは、CD38ecd-Fc-10H のコピーを2個〜12個を含むオリゴマータンパク質として発現する。いくつかの実施態様では、ヒスチジンタグがあることで、IMAC精製によってCD38ecd-Fc-10Hを精製することが可能になる。
いくつかの実施態様では、sCD38は、図2に示した融合タンパク質(本明細書ではCD38ecd-10Hと呼ぶ;配列番号8)として発現する。いくつかの実施態様では、CD38ecd-10Hは、ヒスチジンタグ(すなわち10個のヒスチジン残基を含むタグ)を有するCD38ecdをコードする人工合成核酸によってコードされる組み換えタンパク質である。いくつかの実施態様では、ヒスチジンタグがあることで、IMAC精製によってCD38ecd-Fc-10Hを精製することが可能になる。
いくつかの実施態様では、オリゴマーCD38ecd-Fc-10Hの活性は、溶液中、または固体表面上、またはその両方で、単量体CD38ecd-10Hの活性よりも大きい。いくつかの実施態様では、「活性」は、sCD38が、抗CD38抗体を中和する能力を意味する。いくつかの実施態様では、「活性」は、sCD38が、固体表面上、または溶液中、またはその両方において抗CD38抗体に関係する1つ以上の効果を中和する能力を意味する。いくつかの実施態様では、「活性」の効力/効率は、約70%超〜約100%の範囲である。いくつかの実施態様では、「活性」の効力/効率は、約70%、または75%、または80%、または85%、または90%、または95%、または96%、または97%、または98%、または99%、または100%であるか、これらの値の任意の2つによって規定される範囲内の値である。いくつかの実施態様では、「活性」の効力/効率は、約90%超〜100%の範囲である。いくつかの実施態様では、「活性」の効力/効率は、約90%超、または91%、または92%、または93%、または94%、または95%、または96%、または97%、または98%、または98.5%、または99%、または99.5%、または100%であるか、これらの値の任意の2つによって規定される範囲内の値である。
いくつかの実施態様では、sCD38は、細菌発現系の中で発現する。いくつかの実施態様では、細菌発現系の非限定的な利点に、真核タンパク質よりも低コストだが真核タンパク質の機能が維持されていることが含まれる。いくつかの実施態様では、発現系は、細菌発現系である。いくつかの実施態様では、sCD38は、図3に示した融合タンパク質(本明細書では10H-MBPt-CD38ecdと呼ぶ;配列番号9)として発現する。いくつかの実施態様では、10H-MBPt-CD38ecdは、10個のヒスチジン残基と細菌マルトース結合タンパク質(MBP)(Uniprot#P0AEX9;アミノ酸残基29〜393)全体を含む10H-MBPtタグ(配列番号6;図11、または配列番号19)がN末端に融合したCD38ecdをコードする人工合成核酸によってコードされる組み換えタンパク質である。いくつかの実施態様では、ヒスチジン10個のタグをIMAC精製で用いる。いくつかの実施態様では、MBPによって発現、溶解性、折り畳みのうちの1つ以上が改善される。
いくつかの実施態様では、10H-MBPt-CD38ecdは、タバコエッチ病ウイルス(TEV)プロテアーゼ開裂配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、10H-MBPt-CD38ecdは、MBPとCD38ecdの間にTEVプロテアーゼ開裂配列を含んでいる(図3)。いくつかの実施態様では、MBPとCD38ecdの間のTEVプロテアーゼ開裂配列により、CD38ecdから10H-MBPを開裂させることが可能になり、その結果として追加配列のない精製されたCD38ecdが得られる。
1つ以上の他のプロテアーゼ開裂部位と非プロテアーゼ開裂部位も考慮する。非限定的な例に含まれるのは、口蹄疫ウイルス(FMDV)プロテアーゼ、Arg-Cプロテイナーゼ、Asp-Nエンドペプチダーゼ、BNPS-スカトール、カスパーゼ、キモトリプシン-高特異性、キモトリプシン-低特異性、クロストリパイン(クロストリジオペプチダーゼB)、CNBr、エンテロキナーゼ、第Xa因子、ギ酸、グルタミルエンドペプチダーゼ、グランザイムB、ヒドロキシルアミン、ヨードソ安息香酸、LysC、LysN、NTCB(2-ニトロ-5-チオシアノ安息香酸)、好中球エラスターゼ、ペプシン、プロリン-エンドペプチダーゼ、プロテイナーゼK、ブドウ球菌ペプチダーゼI、テルモリシン、トロンビン、トリプシンと、当業者に知られている他の部位特異的酵素である。
いくつかの実施態様では、sCD38は、図4に示した融合タンパク質(本明細書では10Ht-CD38ecdと呼ぶ;配列番号10)として発現する。いくつかの実施態様では、10Ht-CD38ecdは、N末端に10個のヒスチジン残基を含むタグが融合したCD38ecdをコードする人工合成核酸によってコードされる組み換えタンパク質である。いくつかの実施態様では、10ヒスチジンタグをIMAC精製のために使用する。いくつかの実施態様では、10Ht-CD38ecdは、タバコエッチ病ウイルス(TEV)プロテアーゼ開裂配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、10Ht-CD38ecdは、10HとCD38ecdの間にTEVプロテアーゼ開裂配列を含んでいる(図4)。いくつかの実施態様では、10HとCD38ecdの間にあるTEVプロテアーゼ開裂配列によりCD38ecdから10Hを開裂させて切り離すことが可能になり、その結果として追加配列のない精製されたCD38ecdが得られる。
いくつかの実施態様では、sCD38は、図5に示した融合タンパク質(本明細書では10Ht-MBPt-DARAエピトープと呼ぶ;配列番号11)として発現する。いくつかの実施態様では、10Ht-MBPt-DARAエピトープは、図5に示したように、2つのDARAエピトープを含んでいてN末端に10ヒスチジンタグとマルトース結合タンパク質が融合したヒトCD38のアミノ酸配列(Uniprot#P28907の残基230〜280;配列番号2に示す)をコードする人工合成核酸によってコードされる組み換えタンパク質である。いくつかの実施態様では、2つのDARAエピトープは、DARAエピトープ#1(Uniprot#P28907の残基235〜246;配列番号3に示す)と、DARAエピトープ#2(Uniprot#P28907の残基267〜280;配列番号4に示す)である。
いくつかの実施態様では、sCD38の1つ以上のエピトープが、約10-6(ペプチド親和性)〜10-10(非常に強いペプチド親和性)という測定可能な親和性で抗CD38抗体に結合することができる。
いくつかの実施態様では、10ヒスチジンタグをIMAC精製のために用いる。いくつかの実施態様では、10Ht-MBPt-DARAエピトープは、タバコエッチ病ウイルス(TEV)プロテアーゼ開裂配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、10Ht-MBPt-DARAエピトープは、MBPとDARAエピトープの間にTEVプロテアーゼ開裂配列を含んでいる(図5)。いくつかの実施態様では、MBPとDARAエピトープの間にあるTEVプロテアーゼ開裂配列によりDARAエピトープから10H-MBPを開裂させて切り離すことが可能になり、その結果として追加配列のない精製されたDARAエピトープが得られる。いくつかの実施態様では、MBPによって発現、可溶性、折り畳みのうちの1つ以上が改善される。
いくつかの実施態様では、sCD38のフラグメントは、CD38ecd内にあって1つ以上の抗CD38ポリクローナル抗体および/またはモノクローナル抗体が結合する1つ以上のエピトープである。いくつかの実施態様では、sCD38および/またはそのフラグメントのサイズは、約5個のアミノ酸〜約300個のアミノ酸の範囲である。いくつかの実施態様では、サイズは、約10個〜約150個のアミノ酸の範囲である。いくつかの実施態様では、サイズは、約5個、または10個、または25個、または50個、または100個、または150個、または200個、または250個、または300個、または350個のアミノ酸であるか、これらの値の任意の2つによって規定される範囲内の値である。
精製、可溶化、検出などのための他の1つ以上のタグも考慮する。非限定的な例に含まれるのは、GST、SUMO、Aviタグ、カルモジュリン-タグ、ポリグルタミン酸タグ、E-タグ、FLAG-タグ、HA-タグ、His-タグ、Myc-タグ、NE-タグ、S-タグ、SBP-タグ、Sofタグ1、Sofタグ3、Strep-タグ、TCタグ、V5タグ、VSV-タグ、Xpressタグ、Isopepタグ、Spyタグ、Snoopタグ、BCCP(ビオチンカルボキシル担体タンパク質)、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ-タグ、緑色蛍光タンパク質-タグ、他の蛍光タンパク質タグ、Haloタグ、マルトース結合タンパク質-タグ、Nus-タグ、チオレドキシン-タグ、Fc-タグ、変性促進アミノ酸(例えばP、E、S、T、A、Q、G)を含有する設計された天然変性タグ、Tyタグなどである。
本開示は、本明細書に記載したsCD38および/またはそのフラグメントの任意の1つ以上の実施態様を含む1つ以上の組成物および/または方法および/またはキットと、そのバリアントに関する。
いくつかの実施態様では、sCD38および/またはそのフラグメント含む1つ以上の組成物および/または方法および/またはキットは、血液および/または血清および/または血漿の一般的な前処理に関する。いくつかの実施態様では、前処理により、当業者に知られている1つ以上の技術を用いて不規則抗体と他の抗体を検出および/または同定する際のサンプル中の抗CD38抗体によるあらゆる干渉が緩和される。
いくつかの実施態様では、抗CD38抗体による干渉に、血液適合性試験への干渉、抗体療法への干渉、赤血球細胞の凝集、血液輸血前試験への干渉などのうちの1つ以上が含まれる。
いくつかの実施態様では、前処理によってあらゆる抗CD38抗体を中和し、当業者に知られている1つ以上の技術を用いてサンプル中の不規則抗体と他の抗体を検出および/または同定できるようにする。当業者に知られている1つ以上の技術の非限定的な例に含まれるのは、従来の試験管試験、マルチカード、固相赤血球細胞付着試験、ゲル技術、不規則抗体を検出/同定するための現在または将来の他のあらゆる技術である。
抗CD38抗体による干渉の緩和、および/または抗CD38抗体の中和を前処理によって実現することで、適合性試験にとって重大かつ重要な不規則抗体と他の抗体の検出および/または同定が可能になる。したがっていくつかの実施態様では、血漿および/または血液および/または血清に含まれる抗CD38をsCD38および/またはそのフラグメントによって中和することを、診断の用途(例えば抗体のスクリーニング、不規則な血液型抗体の同定など)と組み合わせることができる。
いくつかの実施態様では、不規則抗体と他の抗体を探すための血液スクリーニング、または血漿スクリーニング、または血清スクリーニング、またはこれらの組み合わせにおいて、sCD38および/またはそのフラグメントを前処理試薬として用いることができる。いくつかの実施態様では、sCD38および/またはそのフラグメントをバイオモニタリング研究と診断アッセイにおける抗原として用いることができる。例えばいくつかの実施態様では、sCD38および/またはそのフラグメントをPROMONITOR(登録商標)ELISAで用い、慢性炎症性疾患や他の疾患(例えば多発性骨髄腫)の治療に生物学的療法を処方されている患者における例えば抗CD38抗体薬(DARA、イサツキシマブ、MOR202など)の生物学的利用能と免疫原性を調べることができる。いくつかの実施態様では、sCD38をPROMONITOR(登録商標)ファミリーの試験で用い、検証されたELISAで薬のレベルと抗薬抗体のレベルの両方を測定することができる。PROMONITOR(登録商標)ファミリーの試験に関する小冊子を本明細書に付録Aとして添付する。
いくつかの実施態様では、前処理が抗CD38抗体による干渉の緩和および/または抗CD38抗体の中和に対して有する効力は、当業者に知られている1つ以上の技術を利用して調べることができる。例えばいくつかの実施態様では、本明細書に提示した1つ以上の組成物を、カラム凝集技術に基づく独自の8カラムゲルカードであるDG Gel(登録商標)で用い、血液型判定と予想外の抗体の検査を行なうことができる。したがっていくつかの実施態様では、本明細書に提示した組成物をDG Gel(登録商標)カードで試薬として用い、抗CD38の中和効率を調べることができる。いくつかの実施態様では、効力は、70%超〜約100%の範囲である。いくつかの実施態様では、効力は、約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のいずれか、またはこれらの値の任意の2つによって規定される範囲内の値である。いくつかの実施態様では、効力は、90%超〜約100%の範囲である。いくつかの実施態様では、効力は、約90%超、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、98.5%、99%、99.5%、100%のいずれか、またはこれらの値の任意の2つによって規定される範囲内の値である。いくつかの実施態様では、DG Gel(登録商標)カードで用いるsCD38を含む1つ以上の組成物の体積は、約0.1μl〜約40μlの範囲が可能である。いくつかの実施態様では、DG Gel(登録商標)カードで用いるsCD38を含む組成物の体積は、約0.4μl〜約10μlの範囲が可能である。いくつかの実施態様では、DG Gel(登録商標)カードで用いるsCD38を含む組成物の体積は、約2μlである。
いくつかの実施態様では、本明細書で提供される組成物をアッセイで用い、患者の血液および/または血清および/または血漿サンプルに含まれるDARA、イサツキシマブ、MOR202のうちの1つ以上を阻止および/または中和することができる。
いくつかの実施態様では、本明細書に提示した組成物および/または方法および/またはキットをアッセイで用いて患者の血清サンプルおよび/または血漿サンプルからの1つ以上の抗CD38抗体を除去することができる。例えば抗CD38抗体を含む患者サンプルを、本明細書に開示した1つ以上のタグを含むsCD38および/またはそのフラグメントを含む組成物とともにインキュベートし、タグ付きのsCD38および/またはそのフラグメントを抗CD38抗体に結合させることができる。その後、当業者に知られている1つ以上のアフィニティクロマトグラフィ技術によってsCD38-抗CD38複合体を除去することができる。
いくつかの実施態様では、タグ付きのsCD38および/またはそのフラグメントを用い、血液透析、腹膜透析、血液濾過、血液透析濾過、血漿交換療法、プラズマフェレーシス、アフェレーシス、白血球除去の間に、ヒトの血漿および/または血清および/または血液に含まれる抗CD38を除去することができる。例えばタグ付きのsCD38および/またはそのフラグメントを用いて患者の血液サンプルおよび/または血清サンプルおよび/または血漿サンプルに含まれるDARA、イサツキシマブ、MOR202のうちの1つ以上を除去することができる。
いくつかの実施態様では、サンプル中の抗CD38抗体の濃度範囲は、約0.005μg/ml〜約2000μg/mlの範囲である。いくつかの実施態様では、サンプル中の抗CD38抗体の濃度範囲は、約0.05μg/ml〜約1000μg/mlの範囲である。いくつかの実施態様では、サンプル中の抗CD38抗体の濃度範囲は、約0.05μg/ml〜約500μg/mlの範囲である。いくつかの実施態様では、サンプル中の抗CD38抗体の濃度範囲は、約0.05μg/ml〜約20μg/mlの範囲である。いくつかの実施態様では、サンプル中の抗CD38抗体の濃度範囲は、約0.05μg/ml〜約100μg/mlの範囲である。いくつかの実施態様では、サンプル中の抗CD38抗体の濃度範囲は、約0.005、0.05、0.1、0.25、0.5、1、5、25、50、75、100、150、250、300、400、500, 750、1000、1500、2000μg/mlのいずれか、またはこれらの値の任意の2つによって規定される範囲内の値である。別の実施態様では、サンプル中の抗CD38抗体の濃度範囲は、約0.05μg/ml〜約2000μg/mlの範囲である。
いくつかの実施態様では、本明細書に開示した方法および/またはキットで用いるsCD38および/またはそのフラグメントを含む1つ以上の組成物の体積は、約0.05μl〜約50μlの範囲が可能である。いくつかの実施態様では、本明細書に開示した方法および/またはキットで用いるsCD38および/またはそのフラグメントを含む1つ以上の組成物の体積は、約0.25μl〜約10μlの範囲が可能である。いくつかの実施態様では、本明細書に開示した方法および/またはキットで用いるsCD38および/またはそのフラグメントを含む1つ以上の組成物の体積は、約2μlである。
いくつかの実施態様では、サンプル(例えば血液、血漿、血清など)の体積は、約1μl〜約100μlの範囲が可能である。いくつかの実施態様では、サンプル(例えば血液、血漿、血清など)の体積は、約100μl〜約5 mlの範囲が可能である。いくつかの実施態様では、サンプル(例えば血液、血漿、血清など)の体積は、約5 ml〜約500 mlの範囲が可能である。いくつかの実施態様では、サンプル(例えば血液、血漿、血清など)の体積は、約250 ml〜約10,000 mlの範囲が可能である。いくつかの実施態様では、サンプル(例えば血液、血漿、血清など)の体積は、約25μl〜約250μlの範囲が可能である。
いくつかの実施態様では、本明細書に提示した組成物中のsCD38および/またはそのフラグメントの濃度は、約0.25 mg/ml〜約400 mg/mlの範囲である。いくつかの実施態様では、本明細書に提示した組成物中と、そのキット内の組成物中のsCD38および/またはそのフラグメントの濃度は、約4 mg/ml〜約100 mg/mlの範囲である。いくつかの実施態様では、本明細書に提示した組成物中のsCD38および/またはそのフラグメントの濃度は、0.25、0.5、1、2.5、5、7.5、10、15、20、25、30、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400 mg/mlのいずれか、またはこれらの値の任意の2つによって規定される範囲内の値の範囲である。いくつかの実施態様では、本明細書に提示した組成物中のsCD38および/またはそのフラグメントの濃度は、約20 mg/mlである。
いくつかの実施態様では、抗CD38の最適な抑制のためのsCD38および/またはそのフラグメントの濃度範囲は、約1 mg/ml〜約500 mg/mlの範囲である。いくつかの実施態様では、抗CD38の最適な抑制のためのsCD38および/またはそのフラグメントの濃度範囲は、約5 mg/ml〜約100 mg/mlの範囲である。
いくつかの実施態様では、本開示によるsCD38および/またはそのフラグメントの実施態様の安定性は、37℃で約30日間〜約300日間の範囲である。いくつかの実施態様では、sCD38および/またはそのフラグメントの安定性は、2〜8℃で約6ヶ月間〜約48ヶ月間の範囲である。
いくつかの実施態様では、本明細書に開示した組成物は、1つ以上のキットの形態で提供することができる。
いくつかの実施態様では、組成物と、そのキット内の組成物は、液体、固体、半固体いずれかの形態で提供される。非限定的な例に含まれるのは、カプセル、錠剤、坐剤、インサート、ウエハー、顆粒、ペレット、ビーズ、ピル、サシェ、スプリンクル、フィルム、クリーム、ゲル、シロップ、再構成可能な固体、懸濁液、乳液、トローチ、粉末、粉薬、板状剤(platelet)などである。
いくつかの実施態様では、組成物と、そのキット内の組成物は、活性成分、および/または不活性成分、および/または賦形剤、および/または添加剤、および/または医薬として許容可能な基剤を含んでいる。非限定的な例に含まれるのは、ポリマー化合物、無機塩、アミノ酸(その非限定的な例にアルギニン、ヒスチジン、プロリンなどが含まれる)、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、界面活性剤、増粘剤、被覆剤、pH調節剤、抗酸化剤、香味剤、保存剤、着色剤などである。医薬として許容可能な他の基剤の非限定的な例に含まれるのは、液体基剤(水、アルコール、乳剤など)、固体基剤(ゲル、粉末など)などである。いくつかの実施態様では、組成物と、そのキット内の組成物は、送達用ビヒクルを安定にして標的細胞が取り込めるようにするため適切な塩と緩衝液を含むことができる。
いくつかの実施態様では、医薬として許容可能な基剤は、溶媒、緩衝液、溶液、分散媒体、コーティング、抗菌剤、抗真菌剤、金属キレート(例えばEDTA)、等張剤、吸収遅延剤などのうちの1つ以上を含むことができる。
水性組成物と、そのキット内の組成物は、送達用ビヒクル(例えばリポソーム、ナノ粒子、他の複合体)の中に、医薬として許容可能な基剤または水性媒体に溶けるか分散された状態のsCD38および/またはそのフラグメント(例えばタンパク質、または核酸、またはその両方)を有効量含んでいる。
本明細書では、「対象」または「患者」という用語はあらゆる脊椎動物を意味し、その非限定的な例に、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウが含まれる。いくつかの実施態様では、対象は哺乳動物である。いくつかの実施態様では、対象はヒトである。いくつかの実施態様では、対象はオスまたはメスである。
融合タンパク質のためのオリゴマー化タグ
本開示は、オリゴマー化タグを含む融合タンパク質と、組み換え融合タンパク質をオリゴマー化する方法にも関する。本開示は、免疫グロブリンFc領域またはそのフラグメントとポリヒスチジンドメインを含む組み換え融合タンパク質のためのオリゴマー化タグにも関する。
融合タンパク質は、場合によってはオリゴマー化タグに融合させてオリゴマー(例えば二量体、および/または三量体、および/または四量体、および/または五量体、および/またはより高次のオリゴマー)を形成することができる。オリゴマー化タグが特定の化学量論(例えば二量体、三量体、四量体、五量体)を好むようにすること、または化学量論が異なるオリゴマーが分布しているようにすることができる。オリゴマー化タグはホモオリゴマーを形成するように設計できるが、ホモオリゴマーとヘテロオリゴマーを区別する制限は特にない。いくつかの実施態様では、オリゴマー化タグは、ホモ二量体、ホモ三量体、ホモ四量体、ホモ五量体のいずれかを形成することができ、そこでは例えば組み換えポリペプチドのオリゴマー化によって単分散オリゴマーが優勢になる。オリゴマー化タグは、アッセイで用いる融合タンパク質にいくつかの利点を提供する。オリゴマー化タグは、組み換えポリペプチドを互いに対して配向させることができる。オリゴマー化タグは、標的に対する組み換えポリペプチドの親和性を増大させることもできる。オリゴマー化タグは、組み換えポリペプチドのアビディティ(多数の結合基による親和性の機能的累積を意味する)を増大させることもできる。
いくつかの実施態様では、融合タンパク質は、オリゴマー化タグに融合された組み換えポリペプチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、組み換えポリペプチドおよび/またはそのフラグメントの配列は、配列番号1、配列番号25、配列番号26、配列番号27からなる群から選択される。いくつかの実施態様では、オリゴマー化タグは、免疫グロブリンFcドメインまたはそのフラグメントと、ポリヒスチジンドメインを含んでいる。いくつかの実施態様では、融合タンパク質および/またはそのフラグメントの配列は、配列番号7、配列番号12、配列番号20、配列番号21からなる群から選択される。
いくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは、組み換えタンパク質に融合された精製ドメインである。いくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは、組み換えタンパク質に融合されたアフィニティタグである。いくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは、組み換えタンパク質に融合されたオリゴマー化タグである。いくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは、オリゴマー化タグの中に他のドメインとともに含まれている。いくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは、オリゴマー化タグの中に免疫グロブリンFc領域またはそのフラグメントとともに含まれている。本明細書の実施態様によるポリヒスチジンドメインは、典型的には、2〜24個のヒスチジン残基を含んでいる。いくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは、6〜12個のヒスチジン残基を含んでいる。本明細書の実施態様によるポリヒスチジンドメインは、典型的には、6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個のヒスチジン残基を含んでいる。
いくつかの実施態様では、本明細書の融合タンパク質は、免疫グロブリンFcドメインまたはそのフラグメントを含むオリゴマー化タグに融合させて発現させる。いくつかの実施態様では、オリゴマー化タグは、免疫グロブリンFcドメインヒンジ領域のアミノ酸配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、本明細書の融合タンパク質は、免疫グロブリンFcドメインまたはそのフラグメントを含むオリゴマー化タグに融合させて発現させる。いくつかの実施態様では、オリゴマー化タグは、免疫グロブリンIgG1定常領域を含んでいる。いくつかの実施態様では、オリゴマー化タグは、免疫グロブリンIgG2定常領域を含んでいる。いくつかの実施態様では、オリゴマー化タグは、免疫グロブリンIgG3定常領域を含んでいる。いくつかの実施態様では、オリゴマー化タグは、免疫グロブリンIgG4定常領域を含んでいる。いくつかの実施態様では、オリゴマー化タグは、単量体Fc-融合タンパク質が発現するよう、変化したヒンジ領域を持つ上記の任意の免疫グロブリンIgGアイソタイプの定常領域のフラグメントを含んでいる。いくつかの実施態様では、オリゴマー化タグは、ヒンジ領域とCH2ドメインとCH3ドメインを含む免疫グロブリンIgG定常領域のフラグメントを含んでいて、そのフラグメントはC末端がポリヒスチジンドメインと終止コドンに融合されている。
どの種の免疫グロブリンFcドメインにするかは、融合タンパク質の望む用途に基づいて選択することができる。例えばどの種の免疫グロブリンFcドメインにするかは、特定の試薬がアッセイにおいて免疫グロブリンFcドメインを標的とするか無視するかのどちらかになるように選択することができる。マウスFcドメインは、例えばアッセイにおいて抗マウス二次抗体を使用せずに他のマウス抗体を検出する場合に有用である可能性がある。同様に、マウスFcドメインは、融合タンパク質をアッセイの固体支持体または他の要素に抗マウス抗体を用いて架橋させるのに有用である可能性がある。Fcドメインの種類として、ヒト、マウス、ウサギ、ラット、ハムスター、モルモット、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ニワトリや、これらの任意の種のキメラが可能だが、どの種のFcドメインであるかに特に制約はない。
オリゴマー化タグの一例は、ヒンジ領域を含むマウスIgG Fcドメインであり、それによって、オリゴマー化タグを含む組み換えポリペプチドが共有結合ホモ二量体を形成することが可能になる。
いくつかの実施態様では、オリゴマー化タグのFc領域のアミノ酸配列は配列番号15である。いくつかの実施態様では、免疫グロブリンFc領域の配列は、配列番号15と少なくとも90%一致している。いくつかの実施態様では、免疫グロブリンFc領域の配列は、配列番号15と90%〜100%一致している。いくつかの実施態様では、免疫グロブリンFc領域の配列は、配列番号15と少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%一致している。
上記のオリゴマー化タグの利点に加え、Fcドメインは、発現細胞内での組み換えポリペプチドの発現および/または分泌を増大させることがしばしばある。
Fcドメインを含むポリペプチドを精製する方法は周知であるため、Fcドメインは組み換えポリペプチドの精製を助けることもできる。
他のオリゴマー化タグが本分野で知られており、オリゴマー化タグの具体的な選択に特に制約はない。いくつかの実施態様では、本明細書の融合タンパク質は、組み換えポリペプチドおよび/またはそのフラグメントを含んでいる。いくつかの実施態様では、組み換えポリペプチドおよび/またはそのフラグメントは、本発明によるオリゴマー化タグに融合させることのできる興味の対象となるあらゆるタンパク質である。いくつかの実施態様では、組み換えポリペプチドは、CD38の細胞外ドメインまたはそのフラグメントの組み換え可溶性形態である。いくつかの実施態様では、組み換えポリペプチドは、CD47の改変された細胞外ドメインまたはそのフラグメントである。いくつかの実施態様では、組み換えポリペプチドは、血小板糖タンパク質Ibα(GpIbα)の改変された細胞外ドメインまたはそのフラグメントである。いくつかの実施態様では、組み換えポリペプチドおよび/またはそのフラグメントの配列は、配列番号1、配列番号25、配列番号26、配列番号27からなる群から選択される。
いくつかの実施態様では、オリゴマー化タグの配列は、配列番号5、配列番号16、配列番号17、配列番号18からなる群から選択される。
いくつかの実施態様では、オリゴマー化タグは、配列番号28、配列番号29、配列番号30からなる群から選択された配列を持つ領域またはドメインを含んでいる。
本開示は、組み換え融合タンパク質をオリゴマー化する方法にも関する。いくつかの実施態様では、組み換え融合タンパク質をオリゴマー化する方法は、a)本開示の実施態様によるオリゴマー化タグをコードするヌクレオチド配列を、あるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に遺伝子操作によって融合させる工程と;b)工程a)で得られたヌクレオチド配列を宿主細胞の中で発現させる工程と;c)工程b)で得られた組み換え融合タンパク質を精製する工程を含んでいる。
いくつかの実施態様では、組み換え融合タンパク質をオリゴマー化する方法で用いるオリゴマー化タグは、免疫グロブリンFc領域またはそのフラグメントと、ポリヒスチジンドメインを含んでいる。いくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは、2〜24個のヒスチジン残基を含んでいる。いくつかの実施態様では、ポリヒスチジンドメインは、6〜12個のヒスチジン残基を含んでいる。本明細書の実施態様によるポリヒスチジンドメインは、典型的には、6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個のヒスチジン残基を含んでいる。いくつかの実施態様では、組み換え融合タンパク質をオリゴマー化する方法で用いるオリゴマー化タグのFc領域のアミノ酸配列は、配列番号15である。いくつかの実施態様では、免疫グロブリンFc領域の配列は、配列番号15と少なくとも90%一致している。いくつかの実施態様では、免疫グロブリンFc領域の配列は、配列番号15と90%〜100%一致している。いくつかの実施態様では、免疫グロブリンFc領域の配列は、配列番号15と少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%一致している。
いくつかの実施態様では、組み換え融合タンパク質をオリゴマー化する方法で用いるオリゴマー化タグの配列は、配列番号5、配列番号16、配列番号17、配列番号18からなる群から選択される。
いくつかの実施態様では、組み換え融合タンパク質をオリゴマー化する方法で用いるオリゴマー化タグはさらに、配列番号28、配列番号29、配列番号30からなる群から選択された配列を持つ領域またはドメインを含んでいる。
いくつかの実施態様では、本明細書に開示した組み換え融合タンパク質をオリゴマー化する方法の工程c)で取得した組み換え融合タンパク質の配列は、配列番号7、配列番号12、配列番号20、配列番号21からなる群から選択される。
実施例
以下の実施例は非限定的であり、当業者が思いつく他のさまざまな実施例が本開示の範囲に含まれる。
実施例1
CD38ecdの正しい折り畳みを再現しようと試みることと、治療用mAbが不規則抗体検出アッセイにおいて問題を起こさないようにすることを目的として、多数のバージョンのCD38タンパク質を構成した。1つのバージョンは、アフィニティタグに融合させた単量体細胞外ドメイン(CD38ecd-10His)であった。第2のバージョンであるCD38ecd-Fc融合体では、CD38ecdをマウスFc領域(ヒンジ-CH2-CH3)に融合させることにより、Fc領域によって互いに接続された二量体バージョン(ダブレット)を作り出した。別のバージョンであるCD38ecd-Fc-10H融合タンパク質では、CD38ecdをオリゴマー化タグに融合させることにより、多量体バージョンを作り出した。別のバージョンであるCD38ecd-Clathでは、CD38ecdをクラスリンドメインに融合させた。クラスリンドメインにより、三量体にすることが可能になる。別のバージョンであるCD38ecd-p53には、p53ドメインへの融合が関係していた。p53ドメインは、四量体化を引き起こすことが知られている。すべてのケースにおいて、これらは自然界には見いだされない新規な組成物である。これらのバージョンを、CD38の機能維持にとって本質的なあらゆる翻訳後修飾が保持されるようにして哺乳動物細胞の中で発現させた。
実施例2
組み換えCD38タンパク質は、いくつかの会社が研究用に販売している。しかし市販されているCD38の価格で入手する量とコストは、多くの目的にとって法外なものになる。別の会社が組み換えCD38の製造を試みているが、可溶性、高濃度の実現、足場を通じたエピトープのアビディティの問題といった多くの課題があり、市販されているCD38タンパク質のどれも、本明細書で提供されるCD38タンパク質および/またはそのフラグメントの組成を持っていない。
本明細書に記載した発現系を用いた最初の試験から、CD38ecd-Fc-10Hは可溶性であり、機能したことがわかる。重要なのは、CD38ecd-Fc-10Hが高濃度(35 mg/mlまで)で可溶性であったことであり、そのためDG Gel(登録商標)カードで2μlという少量のCD38ecd-Fc濃縮溶液を用いることが可能になる。
実施例3 - 患者サンプル中の抗CD38の力価
この実験の目標は、抗CD38抗体の効果を完全に除去するため、患者の血漿サンプル中に存在する濃度と力価が未知の抗CD38抗体を抑制して完全に中和するのに必要なCD38ecd-Fc-10Hタンパク質の最少量を明らかにすることであった。抗CD38で治療した後の3人の患者の血漿を、間接抗グロブリン試験(IAT)で、抗体スクリーニング用に市販されている試薬赤血球細胞を用いて滴定した。この実験は以下のようにして実施した。
血漿の滴定:抗CD38を含む各患者の血漿75μlをPBS、pH 7.4の中で1:8192まで算術的に滴定した。
抗体のスクリーニング:Screen-Cyte 0.8 %(Medion Grifols Diagnostics社、デューディンゲン、スイス国)の1つの細胞50μlと各血漿の滴定量25μlをピペットでDG Gel Coombs カード(ロット16681.01 保証期限2017年11月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離して結果を読み取った。
確立された力価は、1:1〜1:4096の範囲であった。患者の血漿をsCD38で効果的に前処理するには、少なくとも1:2048、より好ましくは1:8192という抗CD38力価を中和する必要があると結論された。
実施例4 - sCD38は抗CD38抗体を抑制する
実施例4a:2.2 mg/mlのCD38ecd-Fc-10Hを含む調製物を用いた抑制
サンプルの調製(抑制試験):抗CD38を含む患者1由来の血漿25μlを、希釈せずにそのまま用い、またはPBS、pH 7.4の中で算術的に滴定し、2.2 mg/ml のCD38ecd-Fc-10Hを含む調製物2μl〜32μlとともに37℃で15分間インキュベートした。対照実験として、CD38ecd-Fc-10Hの代わりに2μl〜32μlのPBS、pH 7.4をピペットで血漿に入れた。
抗体のスクリーニング:50μl のScreen-Cyte 0.8%細胞#3、ロット17005(Medion Grifols Diagnostics社、デユーディンゲン、スイス国)と、上記のようにして前処理した25μlの血漿をピペットでDG Gel Coombsカード(ロット17612.01 保証期限2018年2月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離して結果を読み取った。完全に陰性の結果(マイクロカラムの底部に平坦なボタン形の細胞)は、患者サンプルの中に存在する抗CD38が完全に抑制されたことを示していた。
2μlのCD38ecd-Fc10H-20170313-NTAEPCPBSを用いると、血漿の1:16希釈液を完全に抑制することができた。32μlの2.2 mg/ml CD38ecd-Fc10H-20170313-NTAEPCPBSを用いると、希釈なしの血漿に含まれる抗CD38を完全に抑制することができた。
実施例4b:35mg/mlのCD38ecd-Fc-10Hを含む調製物を用いた抑制
サンプルの調製(抑制試験):抗CD38を含む患者2の血漿(1:4096という抗CD38力価を示す)25μlを2μlの35 mg/ml CD38ecd-Fc-10Hとともに37℃で15分間インキュベートした。対照実験として、CD38ecd-Fc-10Hの代わりに2μlのPBS、pH 7.4をピペットで血漿に入れた。
抗体のスクリーニング:50μlのScreen-Cyte 0.8%の各細胞、ロット17017(Medion Grifols Diagnostics社、デユーディンゲン、スイス国)と、上記のようにして前処理した25μlの血漿をピペットでDG Gel Coombsカード(ロット16681.01 保証期限2017年11月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離し、結果を読み取った。完全に陰性の結果(マイクロカラムの底部に平坦なボタン形の細胞)は、患者サンプルの中に存在する抗CD38が完全に抑制されたことを示していた。
2μlのCD38ecd-Fc10H-20170915-PROTAを用いると、患者2からの血清を完全に抑制することができた。
実施例4c:33mg/mlのCD38ecd-Fc-10Hを含む調製物を用いた模擬DARA患者血漿(0.5 mg/ml)の抑制
DARAの添加による模擬患者血清の作製:抗CD38治療薬(Darzalex)をヒトAB血漿に添加して最終濃度を0.5 mg/mlにした。
サンプルの調製(抑制試験):25μlの模擬DARA患者血漿を2μlの35 mg/ml CD38ecd-Fc-10Hとともに37℃で15分間インキュベートした。対照実験として、CD38ecd-Fc-10Hの代わりに2μlのPBS、pH 7.4をピペットで血漿に入れた。
抗体のスクリーニング:50μlのScreen-Cyte 0.8%の各細胞、ロット180005(Medion Grifols Diagnostics社、デユーディンゲン、スイス国)と、上記のようにして前処理した25μlの模擬血漿をピペットでDG Gel Coombsカード(ロット17133.01 保証期限2018年10月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離し、結果を読み取った。完全に陰性の結果(マイクロカラムの底部に平坦なボタン形の細胞)は、患者サンプルの中に存在する抗CD38が完全に抑制されたことを示していた。
2μlのCD38ecd-FC10H-GDS20171106を用いると、ドナーの血漿に添加した0.5 mg/mlの濃度を完全に抑制することができた。
実施例5 - CD38ecd-Fc-10Hによる抗CD38の抑制は特異的であり、問題を引き起こす血液型関連同種抗体に干渉しない
Darzalexで治療中の患者の模擬血漿にヒトポリクローナル抗Dを添加したところ、sCD38を用いた前処理の後にだけ、市販のスクリーニングパネルによって抗Dの検出が可能になった。PBSで前処理した模擬血漿に添加した場合には、抗Dを正しく検出することができなかった。なぜならDarzalexが抗体スクリーニング手続きに干渉し、抗体スクリーニングアッセイにおいてスクリーニング細胞がDarzalexと反応することによって生じた全細胞で陽性反応が起こったからである。
(1)薬滴定実験:ヒト抗Dポリクローナル抗体を添加したヒトAB血漿の中で希釈した後、抗CD38治療薬(Darzalex;ロットGHS0901、Janssen社、アメリカ合衆国)を用いて模擬患者血清を調製した。75μlの抗CD38治療薬(Darzalex)をヒトAB血漿の中で算術的に滴定し、模擬患者血漿を作製した。50μlのScreen-Cyte 0.8%細胞#3、ロット17005(Medion Grifols Diagnostics社、デユーディンゲン、スイス国)と、Darzalex の各滴定量25μlをピペットでDG Gel Coombsカード(ロット17612.01 保証期限2018年2月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離し、結果を読み取った。この実験から、Darzalexに含まれる抗CD38の力価が1:64,000であることが確立された。
(2)抗Dの滴定:高力価の抗Dを含むドナー血清をヒトAB血漿の中で算術的に滴定した。50μlのScreen-Cyte 0.8%細胞#1、ロット17005(Medion Grifols Diagnostics社、デユーディンゲン、スイス国)と、Darzalex の各滴定量25μlをピペットでDG Gel Coombs カード(ロット17612.01 保証期限2018年2月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離し、結果を読み取った。この実験から、ドナー血清中の抗Dの力価が細胞1では1:64,000であることが確立された。
(3)模擬患者血漿:ヒトAB血漿中の抗D の1:512希釈液にDarzalexの1:16,000希釈液と1:8,000希釈液を添加することで、2μlの2.2 mg/ml CD38ecd-Fc-10Hで抑制できる濃度の抗CD38を含む模擬血漿を実現するとともに、抗Dが検出限界に近くなるようにした。この添加あり模擬血漿は、下記の(5)に示すようにして実施した抗体スクリーニングにおいて3種類の細胞すべてと陽性反応した。それに加え、抗CD38を含む患者2の血漿(TF1707/527)100μlに抗Dの1:4000希釈液を添加した。
(4)サンプルの調製(抑制試験):上の(1)〜(3)に記載したようにしてDarzalexを添加して調製した模擬血漿25μlを、それぞれ2μlまたは32μlの2.2 mg/ml CD38ecd-Fc-10H(CD38ecd-Fc10H-20170313-NTAEPCPBS)とともに37℃で15分間インキュベートした。対照実験として、CD38ecd-Fc-10Hの代わりに2μlまたは32μlのPBS、pH 7.4をピペットで血漿に入れた。
(5)抗体のスクリーニング:50μlのScreen-Cyte 0.8%細胞番号1〜3、ロット17005(Medion Grifols Diagnostics社、デユーディンゲン、スイス国)と、上記のようにして前処理した血漿25μlをピペットでDG Gel Coombsカード(ロット17612.01 保証期限2018年2月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離し、結果を読み取った。完全に陰性の結果(マイクロカラムの底部に平坦なボタン形の細胞)は、患者サンプルの中に存在する抗CD38が完全に抑制されたことを示していた。
2μlの2.2 mg/ml CD38ecd-Fc10H-20170313-NTAEPCPBSを用いると、添加あり模擬血漿を抗体スクリーニングパネルのD陰性細胞#3の中で完全に抑制することができた。32μlのCD38ecd-Fc10H-20170313-NTAEPCPBSを用いると、患者2の添加あり血漿を抗体スクリーニングパネルのDarzalex 陰性細胞#3の中で完全に抑制することができた(図13)。細胞1と2は、抑制後に陽性のままであった。これは、(4)で実施した抑制試験が添加した抗D抗体の反応性に影響を与えないことを示している。予想された結果が、添加なし模擬血漿での対照実験(細胞番号1〜3の完全な抑制)と、CD38ecd-Fc-10Hの代わりにPBSを用いた添加あり血漿での対照実験(まったく抑制なし)で得られた(図13)。
実施例5b:CD38ecd-Fc-10Hによって抗CD38を抑制することで、問題のある予想外の抗体の検出が抗CD38を添加したドナー血漿において可能になる
予想外の抗体を含むドナー血漿に抗CD38を添加したものを用い、CD38ecd-Fc-10Hによって抗CD38を完全に抑制した後の予想外の抗体の検出を評価した。抗D、抗E、抗c、抗Cw、抗K、抗Fya、抗Jka、抗S、抗s、抗M、抗Lua、抗Cobは、CD38ecd-Fc-10Hを用いた前処理の後にだけ、市販のスクリーニングパネルによる検出が可能になった。
(1)模擬患者血清の作製:抗CD38と同種抗体を添加したドナーAB血漿:抗CD38治療薬(Darzalex)をヒトAB血漿に添加して最終濃度を0.5 mg/mlにした。上に列挙した各同種抗体をヒトAB血漿の中で算術的に滴定した。すなわち、50μlのScreen-Cyte 0.8%(各抗体について、対応する抗原に関して陽性である細胞パネルを製品抗原マトリックスに基づいて選択した)と、試験する同種抗体の各希釈液25μlをピペットでDG Gel Coombsカード(ロット17133.01 保証期限2018年10月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離し、結果を読み取った。かろうじて陽性反応を検出できた最終希釈液を、抗CD38を添加したドナー血漿に予想外の抗体を添加するための希釈液として用いた。
(2)サンプルの調製(抑制試験):予想外の抗体を含むドナー血漿に抗CD38を添加したもの25μlを、2μlの33.4 mg/ml CD38ecd-Fc-10Hと混合し、37℃で15分間インキュベートした。
(3)抗体のスクリーニング:50μlのScreen-Cyte 0.8%細胞番号1〜3、ロット17026または18003(Medion Grifols Diagnostics社、デユーディンゲン、スイス国)と、前処理した模擬血漿25μlをピペットでDG Gel Coombsカード(ロット17133.01 保証期限 2018年10月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離し、結果を読み取った。
血漿25μlにつき2μlのCD38ecd-Fc-10H(33.4 mg/ml)の割合にすると、DARAを添加したドナー血漿にかろうじて検出できる量で添加した問題のある16/16の抗体を検出することができた(図14、表2)。抗体特異性には、抗D、抗E、抗c、抗Cw、抗K、抗Fya、抗Jka、抗S、抗s、抗M、抗Lua、抗Cobが含まれていた。
実施例6 - CD38ecd-Fc-10Hの安定性推定(安定性に関する加速実験)
実施例6a:希釈なしの抗CD38血漿の完全抑制
100μl のCD38ecd-Fc-10H調製物(CD38ecd-Fc10H-20170313-NTAEPCPBS)の5つのアリコートを別々の試験管に入れてスクリューキャップを閉め、37℃の定温にしたインキュベータの中に配置した。インキュベーションを始める前(すなわち0日目)と7日目、14日目、21日目、31日目に、1本の試験管を31日目まで2〜8℃に移した。31日目にすべてのアリコートを以下の手続きに従って調べた。
サンプルの調製(抑制試験):患者1(TF1715-197)の25μlの希釈なし抗CD38含有血漿を32μlのCD38ecd-Fc-10Hとともに37℃で15分間インキュベートした。対照実験として、CD38ecd-Fc-10Hの代わりに32μlのPBS、pH 7.4をピペットで血漿に入れた。あるいは血漿だけを37℃で15分間インキュベートした。
抗体のスクリーニング:DG Gel Sol(ロット16015 保証期限2018年4月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)の中の血液型O赤血球細胞の1%希釈液50μlと、上記のようにして前処理した血漿25μlをピペットでDG Gel Coombsカード(ロット17612.01 保証期限2018年2月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離し、結果を読み取った。完全に陰性の結果(マイクロカラムの底部に平坦なボタン形の細胞)は、患者サンプルの中に存在する抗CD38が完全に抑制されたことを示していた。0日目、7日目、14日目、21日目、31日目の結果は、等しく完全な抑制を示していたのに対し、対照実験は、反応スコア2、すなわち抑制なしを示していた。アレニウスプロットに基づくと、37℃において31日目のCD38ecd-Fc-10Hdが示していた安定性は、2〜8℃で保管したときの少なくとも24ヶ月の安定性に置き換えることができる。
実施例6b:2μlの2.2 mg/ml CD38ecd-Fc-10Hによる滴定された抗CD38の抑制
100μl のCD38ecd-Fc-10H調製物(CD38ecd-Fc10H-20170313-NTAEPCPBS)の5つのアリコートを別々の試験管に入れてスクリューキャップを閉め、37℃の定温にしたインキュベータの中に配置した。インキュベーションを始める前(すなわち0日目)と7日目、14日目、21日目、31日目に、1本の試験管を31日目まで2〜8℃に移した。31日目にすべてのアリコートを以下の手続きに従って調べた。1:8に希釈した25μlの血漿を体積2μlのCD38ecd-Fc-10Hで完全に抑制できることを予備実験で確認した後、患者1(TF1715-197)の抗CD38含有血漿200μl をPBS、pH 7.4の中で算術的に滴定した(1:2、1:4、1:8、1:16)。
サンプルの調製(抑制試験):患者1(TF1715-197)の抗CD38含有血漿の各滴定量25μl を2μlの2.2 mg/ml CD38ecd-Fc-10Hとともに37℃で15分間インキュベートした。対照実験として、CD38ecd-Fc-10Hの代わりに2μlのPBS、pH 7.4をピペットで血漿に入れた。
抗体のスクリーニング:DG Gel Sol(ロット16015 保証期限2018年4月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)の中の血液型O赤血球細胞の1%希釈液50μlと、上記のようにして前処理した血漿25μlをピペットでDG Gel Coombsカード(ロット17612.01 保証期限2018年2月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離し、結果を読み取った。完全に陰性の結果(マイクロカラムの底部に平坦なボタン形の細胞)は、患者サンプルの中に存在する抗CD38が完全に抑制されたことを示していた。0日目、7日目、14日目、21日目、31日目の結果は、力価1:8での完全な抑制を等しく示していたのに対し、対照実験は、すべての滴定で反応スコア2、すなわち抑制なしを示していた。アレニウスプロットに基づくと、37℃での31日目のCD38ecd-Fc-10Hdが示していた安定性は、2〜8℃で保管したときの少なくとも24ヶ月の安定性に置き換えることができる。
実施例7 - CD38ecd-Fc-10Hと組み換えヒトCD38(rhCD38)の機能比較
DARAを添加した模擬患者血漿の作製:抗CD38治療薬(Darzalex)をヒトAB血漿に添加して最終濃度を0.5 mg/mlにした。
サンプルの調製(抑制試験):抗CD38を添加した25μlのドナー血漿を2μlの33.4mg/mL CD38ecd-Fc-10Hとともに、または0.447mg/mlのrhCD38(CD38-6H、R&D Systems社、カタログ番号2404-AC-010、ロットPEH0417081、ミネアポリス、アメリカ合衆国)とともに、またはPBS、pH 7.4とともに37℃で15分間インキュベートした。
抗体のスクリーニング:50μl のScreen-Cyte 0.8 %細胞番号1〜3、ロット18001(Medion Grifols Diagnostics社、デューディンゲン、スイス国)と、前処理した模擬血漿25μlをピペットでDG Gel Coombsカード(ロット17108.01 保証期限2018年9月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離し、結果を読み取った。完全に陰性の結果(マイクロカラムの底部に平坦なボタン形の細胞)は、患者サンプルの中に存在する抗CD38が完全に抑制されたことを示していた。
2μlの組み換えCD38ecd-Fc-10Hにより、0.5 mg/mlの抗CD38を完全に抑制することができた。逆に、同じ実験設定で用いた市販のrhCD38は、同じCD38負荷を抑制することができなかった(図15)。
実施例8 - CD38ecd-Fc-10Hによって抗CD38を抑制するためのインキュベーション時間とインキュベーション温度の比較
サンプルの調製(抑制試験):抗CD38治療薬(Darzalex;ロットGHS0901、Janssen社、アメリカ合衆国)をPBS、pH 7.4の中で希釈して最終濃度を2 mg/mlにした。この溶液150μlをPBS、pH 7.4の中で1:8まで算術的に滴定した。それぞれの抗CD希釈液25μlを2μlの33.4mg/mL CD38ecd-Fc-10Hと混合し、37℃で15分間インキュベートするか、室温で15分間インキュベートするか、室温で30分間インキュベートするかした。
抗体のスクリーニング:50μl のScreen-Cyte 0.8 %細胞#3、ロット17025(Medion Grifols Diagnostics社、デューディンゲン、スイス国)と、前処理した上記サンプル25μlをピペットでDG Gel Coombsカード(ロット17108.01 保証期限2018年9月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離し、結果を読み取った。完全に陰性の結果(マイクロカラムの底部に平坦なボタン形の細胞)は、患者サンプルの中に存在する抗CD38が完全に抑制されたことを示していた。
2μlのCD38ecd-Fc-10Hを用いると、3つの前処理物すべてでサンプルの1:4希釈液(0.5 mg/mlの抗CD38に対応)を完全に抑制することができた。
実施例9 - CD38ecd-Fc-10HとCD38ecd-flex-Fc-10HとCD38ecd-10Hの活性の比較
サンプルの調製(抑制試験):抗CD38治療薬(Darzalex;ロットGHS0901、Janssen社、アメリカ合衆国)をPBS、pH 7.4の中で希釈して最終濃度を1 mg/mlにした。この溶液150μlをPBS、pH 7.4の中で1:8まで算術的に滴定した。それぞれの抗CD希釈液25μlを2μlの約8.5 mg/ml CD38ecd-Fc-10H、または約8.5 mg/ml CD38ecd-flex-Fc-10H、または約5 mg/ml CD38ecd-10Hと混合し、37℃で15分間インキュベートした。
抗体のスクリーニング:50μl のScreen-Cyte 0.8 %細胞#3、ロット18009(Medion Grifols Diagnostics社、デューディンゲン、スイス国)と、前処理した上記サンプル25μlをピペットでDG Gel Coombsカード(ロット17133.01 保証期限2018年10月;Diagnostic Grifols社、バルセロナ、スペイン国)のマイクロカラムのインキュベーション室に入れ、37℃で15分間インキュベートした。次にこのカードをDG Gelカードのための遠心分離機の中で遠心分離し、結果を読み取った。完全に陰性の結果(マイクロカラムの底部に平坦なボタン形の細胞)は、患者サンプルの中に存在する抗CD38が完全に抑制されたことを示していた。
2μlのCD38ecd-Fc-10Hと2μlのCD38ecd-flex-Fc-10Hを用いると、サンプルの1:8希釈液(0.125 mg/mlの抗CD38に対応)を完全に抑制することができた。2μlのCD38ecd-10Hを用いると、サンプルの1:8希釈液を完全に抑制することはできなかった。2μlのCD38ecd-10Hを用いると、サンプルの1:128希釈液(0.008 mg/mlの抗CD38に対応)だけを完全に抑制することができた(図17)。
実施例10 - Fcポリヒスチジン融合タンパク質のオリゴマー化
興味の対象である3つのタンパク質、すなわちCD38ecd、CD47ecd1、Gp1bαを組み換えによりFcポリヒスチジンオリゴマー化タグのさまざまなバージョンに融合させ、得られた組み換え融合タンパク質がオリゴマーを形成する能力を調べた。
1つのバージョンは、Fc-10Hisタグに融合させたsCD38タンパク質であった。このタンパク質を発現させて50 mg/mlまで精製したが、目に見える凝集は検出されなかった。第2のバージョンでは、組み換えsCD38タンパク質をflex-Fc-10Hisタグに融合させた。融合タンパク質のこのバージョンでは、Fcのヒンジ領域をシステインなしの可撓性リンカーで置き換えた。第3のバージョンでは、組み換えsCD38タンパク質をFc領域に融合させた。第4のバージョンでは、組み換えsCD38タンパク質を10Hisタグに融合させた。
融合タンパク質をオリゴマー化する方法を興味ある他のタンパク質に適用する目的で、CD47ecd1タンパク質の1つのバージョンでは、オリゴマー化タグFc-10HisをCD47ecd1タンパク質に融合させた。異なるバージョンのオリゴマー化タグもGp1bαタンパク質に融合させた。第1のバージョンでは、組み換えGp1bαタンパク質をFc-8Hisタグに融合させた。第2のバージョンでは、Gp1bαタンパク質を6Hisタグに融合させた。第3のバージョンでは、Gp1bαタンパク質をSBP-6Hタグに融合させた。第4のバージョンでは、Gp1bαタンパク質をp53-6Hisタグに融合させた。タグFc-10HisとFlex-Fc-10Hisそれ自身は対照としても用いた。
多数のバージョンの融合タンパク質を真核生物発現系の中で発現させ、精製した。サイズ排除クロマトグラフィ動的光散乱(SEC-MALS/DLS)により、溶液中のタンパク質の質量(Mw)、流体力学的半径(Rh(w))、多分散度(Mw/Mn)を測定した(表3)。測定された質量(Mw)と理論質量(Th.Mw)の比からオリゴマー化の程度を計算した。
sCD38融合タンパク質について、このタンパク質が抗体を滴定する能力も、抗CD38(ダラツムマブ)抑制IATにおけるようにして、CD38ecd-Fc-10Hを基準として用いて調べた。
Fc領域とポリヒスチジンドメインの特定の組み合わせ(Fc-ポリヒスチジン)を含むオリゴマー化タグは、そのN末端に融合した興味ある少なくとも3種類のタンパク質(sCD38、CD47ecd1、Gp1bα)のオリゴマー化(二量体の少なくとも12マーまたは6マー)を開始させる。興味の対象であるタンパク質を伴っていないFc-10Hisタグそのものも、融合してオリゴマーを形成する。表3に示したデータは、オリゴマー化がFc-ポリヒスチジンタグに固有の特性であり、その特性は使用する興味の対象であるタンパク質とは無関係であることを強く示唆している。興味の対象であるタンパク質のオリゴマー化は、Fcのヒンジ領域に依存しない。というのも、Flex-Fc-10Hisに融合したタンパク質もオリゴマー化を示すからである。Fc領域なしでポリヒスチジンだけを含む融合タンパク質はオリゴマー化をまったく開始させないため、得られるタンパク質は予想通り単量体である。Fc-ポリヒスチジンオリゴマー化タグを含む融合タンパク質はすべて、単分散度が大きい。これは、融合タンパク質が折り畳まれていない分子の凝集体ではないことを示している。
最後に、Fc-ポリヒスチジンオリゴマー化タグをsCD38タンパク質に融合させることで抗CD38の滴定におけるCD38ecdのアビディティが増大する。
本開示はいくつかの実施態様と実施例の文脈でのものだが、当業者は、本開示が具体的に開示されている実施態様を超えてそれに代わる他の実施態様および/または実施態様の利用と、その明白な改変および等価物にまで広がっていることを理解するであろう。それに加え、実施態様のいくつかのバリエーションを示して詳細に説明してきたが、本開示に基づけば、本開示の範囲に入る他の改変は当業者には明らかであろう。実施態様の具体的な特徴と側面をさまざまに組み合わせたり部分的に組み合わせたりすることが可能であり、それらもやはり本開示の範囲に入ることも考慮する。開示されている実施態様のさまざまな特徴と側面を互いに組み合わせること、または置き換えることにより、本開示とは異なる形態または実施態様を形成することが可能である。したがって本明細書に開示されている本開示の範囲は、上に記載した開示されている特定の実施態様に限定されてはならないと考えられる。
本明細書では、項の見出しは単に構成上の便宜を図るためであり、いかなる意味でも記載した主題を制限すると見なしてはならない。本出願で引用したあらゆる文献と、それと同様の材料(非限定的な例には、特許、特許出願、論文、書籍、条約、インターネットのウェブページが含まれる)は、あらゆる目的でその全体が参照によって明示的に組み込まれている。組み込まれている参考文献中の用語の定義が本教示に提供されている定義と異なるように思われるときには、本教示に提供されている定義が優先する。わずかで小さなずれは本明細書の本教示の範囲内であるため、本教示で論じられている温度、濃度、時間などの前には「約」が暗黙の前提として置かれていることがわかるであろう。
本出願では、具体的に異なることが述べられている場合を除き、単数形の使用に複数形が含まれる。また、「含む」、「含んでいる」、「含有する」、「含有している」は、制限することを意図していない。
本明細書と請求項では、単数形の「1つの」、「その」は、それとは異なることが明示してある場合を除き、複数形を含んでいる。
本開示で引用したあらゆる参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
電子形式の配列リスト
本出願は、ASCIIテキストファイルとして電子式配列リストとともにEFS-Webを通じて提出中である。電子式配列リストは、SEQLISTCD38PCT.txtという名称のファイルとして提供される。このファイルは、作成後、最後に保存されたのが2018年5月31日であり、73,000バイトのサイズである。電子式配列リストの情報は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている。

Claims (22)

  1. 抗CD38抗体の結合活性に干渉する、CD38の細胞外ドメインの組み換え可溶性形態を含む、抗CD38抗体に結合させるための組成物であって、当該CD38の細胞外ドメインの組み換え可溶性形態は、免疫グロブリンIgG1 Fc領域及びpolyHisドメインを含むオリゴマー化タグに融合され、当該オリゴマー化タグが融合されたCD38の細胞外ドメインの組み換え可溶性形態は配列番号7又は12で表される、組成物。
  2. CD38の細胞外ドメインの前記組み換え可溶性形態のサイズが、256個のアミノ酸である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記抗CD38抗体が、ヒトCD38、または非ヒトCD38、またはその組み合わせに対するものである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記抗CD38抗体が、モノクローナル、またはポリクローナル、またはその組み合わせである、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記抗CD38抗体が、Darzarex、イサツキシマブ、MOR202からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  6. CD38の細胞外ドメインの前記組み換え可溶性形態が、真核生物発現系または原核生物発現系の中で発現する、請求項1に記載の組成物。
  7. CD38の細胞外ドメインの前記組み換え可溶性形態の濃度が、約1 mg/ml〜約400 mg/mlの範囲である、請求項1に記載の組成物。
  8. 請求項1に記載の組成物と、プレートと、抗体の存在を突き止めるための試薬を含む、
    バイオモニタリング研究と診断アッセイのためのキット。
  9. 前記プレートと試薬がELISAアッセイ用に構成されている、請求項8に記載のキット。
  10. 前記プレートと前記試薬が、本出願の出願日の時点で商標PROMONITOR(登録商標)のもとで販売されているアッセイキットからのものである、請求項9に記載のキット。
  11. サンプル中の抗CD38抗体の結合を中和するかまたは阻止する方法であって、
    抗CD38抗体を含むある体積の、血液、血漿、及び血清からなる群から選択されるサンプルを、サンプル中のその抗CD38抗体を中和するのに十分な体積の請求項1に記載の組成物とともにインキュベートすること
    を含む、方法。
  12. 前記抗CD38抗体が、Darzarex、イサツキシマブ、MOR202からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記サンプルの体積が約25μl〜約250μlの範囲である、請求項11に記載の方法。
  14. 前記組成物の体積が約0.5μl〜約50μlの範囲である、請求項11に記載の方法。
  15. 前記サンプル中の前記抗CD38抗体の濃度が約0.005μg/ml〜約2000μg/mlの範囲である、請求項11に記載の方法。
  16. 前記組成物中のCD38の細胞外ドメインの前記組み換え可溶性形態の濃度が約1 mg/ml〜約400 mg/mlの範囲である、請求項11に記載の方法。
  17. CD38の細胞外ドメインの前記組み換え可溶性形態の中和効果が約70%〜約100%の範囲である、請求項11に記載の方法。
  18. 前記抗CD38抗体の結合活性が、血液輸血前試験への干渉、血液適合性試験への干渉、抗体療法への干渉からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  19. 抗CD38抗体で治療する患者に適した赤血球細胞ユニットを選択する方法であって、
    患者由来の血液サンプル中の抗CD38抗体を請求項11に記載の方法に従って中和し;
    そのサンプルと個々の赤血球細胞ユニットの適合性を試験し;
    その試験に基づいてそのサンプルに適合する赤血球細胞ユニットを選択すること
    を含む、方法。
  20. ヒトの血漿および/または血清および/または血液の処理中にその血漿および/または血清および/または血液に含まれる抗CD38を除去する方法であって、その血漿および/または血清および/または血液を請求項1の組成物に曝露することを含み、CD38の細胞外ドメインの前記組み換え可溶性形態にアフィニティタグが付けられている、方法。
  21. 前記処理が、血液透析、腹膜透析、血液濾過、血液透析濾過、血漿交換療法、プラズマフェレーシスからなる群から選択された処理を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記アフィニティタグの選択が、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、小さなユビキチン様修飾因子(SUMO)、Aviタグ、カルモジュリン-タグ、ポリグルタミン酸タグ、E-タグ、FLAG-タグ、HA-タグ, His-タグ、Myc-タグ、NE-タグ、S-タグ、SBP-タグ、Sofタグ1、Sofタグ3、Strep-タグ、TC タグ、V5 タグ、VSV-タグ、Xpressタグ、Isopepタグ、Spyタグ、Snoopタグ、ビオチンカルボキシル担体タンパク質(BCCP)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ-タグ、緑色蛍光タンパク質-タグ、他の蛍光タンパク質タグ、Haloタグ、マルトース結合タンパク質-タグ、Nus-タグ、チオレドキシン-タグ、Fc-タグ、変性促進アミノ酸を含有する設計された天然変性タグ、Tyタグからなる群からなされる、請求項20に記載の方法。
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