JP6833592B2 - ロボット制御装置及び搬送システム - Google Patents
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Description
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る搬送システムを示す模式図である。搬送システムは、スカラ型の搬送ロボット2と、搬送ロボット2の動作を制御するロボット制御装置1と、搬送ロボット2の動作を教示する教示装置3とを備える。
このように構成されたアーム機構24の第1アーム24a及び第2アーム24bは、ベース23の設置面に略平行な平面において互いに回転することにより、ベース23に対して進退することができる。
このように構成された第1ハンド21及び第2ハンド22はアーム機構24と共に、ベース23の設置面に略平行な平面において回転可能である。
また、サーボモータには、第1アーム24a、第2アーム24b、第1ハンド21及び第2ハンド22の回転角度を検出するエンコーダがそれぞれ設けられている。エンコーダは、検出した回転角度を示す情報をロボット制御装置1へ出力する。
なお、サーボモータ及びサーボアンプの設置位置は上記に限定されない。例えば、サーボモータの出力をプーリーやベルト等の伝達機構を介して第1アーム軸25a、第2アーム軸25b、第1ハンド軸25c及び第2ハンド軸25dに伝達させてもよい。また、サーボアンプは、ロボット制御装置1内に設置してもよい。
教示装置3は、搬送ロボット2を自動運転させるための情報として、第1ハンド21及び第2ハンド22の位置及び姿勢を示す一又は複数の教示点を記憶している。第1ハンド21及び第2ハンド22の教示点は、例えば、任意のデカルト座標系における各ハンドの座標、及び第2アーム24bに対する各ハンドの回転角度を示す数値情報である。なお、教示点は、上記デカルト座標系における第1ハンド21及び第2ハンド22の所定部位の位置を示している。以下、当該部位を制御点と呼ぶ。制御点は、必ずしも第1ハンド21及び第2ハンド22の先端を示すものでは無い。制御点は、例えば、第1ハンド21及び第2ハンド22の中心点、各ハンドに保持されたワークWの中心点等を示している。また、デカルト座標系は、第1ハンド21及び第2ハンド22の位置ないし教示点の表現方法の一例であり、特にこれに限定されるものでは無い。第1ハンド21及び第2ハンド22の角度も同様である。
図2に示すように搬送室4の中央部に搬送ロボット2を設置した場合、図2及び図3中、破線で示すように、平面視において第1アーム軸25aを中心とした半径Rwの円弧状の退避線Aが設定される。なお、制御部11は、退避線Aを規定する半径Rwの初期値として、所定半径R1を記憶している。退避線Aは、第2ハンド22の制御点Pがこの退避線Aを越えてベース23から離れないように、第2ハンド22の回転を制御するためのものである。
関節手動運転モードにおいては、使用者は教示装置3を用いて、第1アーム軸25a、第2アーム軸25b、第1ハンド軸25c、第2ハンド軸25dから選択される任意の一又は複数の軸を各別に回転させることができる。例えば、使用者は、第1アーム軸25aだけを回転させたり、第1アーム軸25a及び第1ハンド軸25cを同時に回転させたりすることができる。教示装置3は、使用者の操作に応じて、第1アーム軸25a、第2アーム軸25b、第1ハンド軸25c及び第2ハンド軸25の回転及びその回転方向を示す情報をロボット制御装置1へ出力する。
直線手動運転モードにおいては、使用者は教示装置3のスイッチを操作することによって、第1ハンド21の移動方向及び姿勢を指定することができる。教示装置3は、第1ハンド21の移動方向及び姿勢を示す教示情報をロボット制御装置1へ出力する。第1ハンド21の移動方向は、例えば、上記デカルト座標系における第1ハンド21の移動方向を示すベクトル情報である。姿勢は、例えば、第2アーム24bに対する第1ハンド21の回転角度を示す数値情報である。
そして、制御部11は、教示情報と、回転角度の情報とに基づいて、各サーボモータの駆動を制御するための指令情報を演算し、演算した指令情報を各サーボモータのサーボアンプへ出力する。サーボアンプは指令情報に従ってサーボモータを回転駆動させる。サーボモータの回転駆動は、PI制御やPID制御等によって制御されるが、特に限定されるものではない。指令情報は、第1アーム24a、第2アーム24b、第1ハンド21及び第2ハンド22を回転させる回転角度を示す情報である。当該回転角度には、例えば回転方向の情報も含まれる。
なお、退避線Aは、第2ハンド22が当該退避線Aを越えて外側へ移動しても、直ちに第2ハンド22及びワークWが周囲の構造物に干渉しないよう、所定量の余裕を持たせると良い。つまり、第2ハンド22及びワークWとその周囲の構造物との干渉を回避することを可能にする退避線の最長半径よりも、所定長、短い半径を有する円弧状の退避線Aを設定すると良い。
直線手動運転モードにおいて、ベース23から離れる方向へ第1ハンド21が移動すると、第1ハンド21と共に第2ハンド22も移動する。このとき、第1ハンド21と共に移動する第2ハンド22は周囲の構造物に干渉するおそれがあるため、制御部11は、第2ハンド22が周囲の構造物と干渉しないように、第2ハンド22を回転させる。具体的には、制御部11は、ベース23から見て、第2ハンド22が退避線Aを越えないように、第2ハンド22を回転させる。
図4は、搬送ロボット2の制御処理手順を示すフローチャートである。手動運転モードにおいて、教示装置3から出力された教示情報がロボット制御装置1に入力された場合、制御部11は以下の処理を実行する。当該処理は、教示情報がロボット制御装置1に入力される都度実行される。制御部11は、各サーボモータから第1ハンド21及び第2ハンド22の現在位置の情報を取得する(ステップS11)。具体的には、制御部11は、第1アーム24a、第2アーム24b、第1ハンド21及び第2ハンド22の回転角度の情報を取得する。当該情報によって、制御部11は第1ハンド21及び第2ハンド22の位置を特定することができる。位置の表現方法は特に限定されるものでは無いが、例えば第1ハンド21及び第2ハンド22の位置はデカルト座標系で表される。
自動運転モードにおいては、教示装置3は、一又は複数の教示点の情報を読み出し、読み出した教示点の情報を含む教示情報をロボット制御装置1へ出力する。自動運転モードの場合、制御部11は、現在の第1ハンド21及び第2ハンド22の位置又は自動運転を開始する始点としての教示点を起点にして、教示された各ハンドの位置へ第1ハンド21及び第2ハンド22を直線移動させ、教示された姿勢とするために必要な第1アーム24a及び第2アーム24bの回転角度を演算する。具体的には、制御部11は、任意のデカルト座標系において、第1ハンド21及び第2ハンド22が現在の位置から次の教示点(以下、目標教示点と呼ぶ)へ至るまでの直線経路上に並ぶ複数の点を補間点として演算する。そして、第1ハンド21及び第2ハンド22を各補間点へ順次移動させるために必要な第1アーム24a及び第2アーム24bの回転角度を算出する。なお、教示装置3によって、複数の教示点が教示されている場合、第1ハンド21及び第2ハンド22が各教示点へ順番に移動するように、同様の方法で各教示点間の補間点を演算し、各補間点へ順次移動させるために必要な第1アーム24a及び第2アーム24bの回転角度を算出する。そして、制御部11は、演算によって得られた第1アーム24a、第2アーム24b並びに第1ハンド21及び第2ハンド22の回転角度を含む指令情報を各サーボアンプへ出力する。第1ハンド21を移動させる際、ベース23側から見て、第2ハンド22の制御点Pが退避線Aを越えないように、第2ハンド22を回転させて退避させる制御は、直線手動運転モードと同様である。ただし、自動運転モードでの退避線は、後述するように退避線Akとなる。
このように位置ずれがある場合、目標教示点に到達するように、制御部11が第1ハンド21の移動を制御しても第1ハンド21及び第2ハンド22が目標教示点に未到達になることがある。第1ハンド21及び第2ハンド22が目標教示点に到達できない場合、ロボット制御装置1は、異常有りと認識し、ワークWの搬送制御を中断する。
ところが、図9左図に示すように、関節手動運転モードにて第1ハンド21及び第2ハンド22の後退位置の教示点を変更し、自動運転開始時において第2ハンド22の制御点Pが退避線Aの外側になった場合、問題が生ずる。ただし、前進位置の教示点は変更されていないものとする。
図9左図に示す後退位置の教示点においては、自動運転開始時において第2ハンド22の制御点Pが既に退避線Aより外側に位置している。このため、第1ハンド21を前進位置の教示位置へ移動させたとしても、第2ハンド22は退避線A上に戻ること無く当該外側の円弧上を移動することになるため、図9右図に示すように図8右図に示した後退位置の教示点に到達することができず、ワークWの搬送制御が中断される。自動運転モードにおいては、第2ハンド22は、第1ハンド21の移動に追従し、退避線Aを越えないように回転するだけであるためである。
図10左図から図10中図に示すように第1ハンド21及び第2ハンド22が前進位置へ移動すると、第2ハンド22の制御点Pが退避線A上に達し、退避線A上を移動する。その後、図10右図に示すように第1ハンド21及び第2ハンド22が後退位置の教示点へ戻ろうとしても、第2ハンド22の制御点Pは図10左図に示す後退位置の教示点に戻ることができない。
上記のような異常停止を避けるために、制御部11は、以下の処理を実行する。
まず、制御部11は、各サーボモータから、第1ハンド21及び第2ハンド22の現在の位置情報を取得する(ステップS31)。そして、制御部11は、教示装置3から出力される教示情報を取得する(ステップS32)。自動運転モードに係る教示情報は、到達すべき第1ハンド21及び第2ハンド22の位置及び姿勢を示す情報である。
0≦rk≦1…(1)
上記の通り、自動運転開始時点において第2ハンド22は厳密に退避線A上にある保証が無い。そこで、第1ハンド21が各補間点にあるときの退避線Akを以下のように設定する。
すなわち、各補間点における第1アーム軸25aから第2ハンド22の制御点Pまでの距離Rkを演算し、第1アーム軸25aから距離Rkだけ離れた位置を退避線Akとして設定する。
Rk=Rs+rk(Re−Rs)…(2)
但し、
Rs:自動運転開始時点における第1アーム軸25aから第2ハンド22の制御点Pまでの距離
Re:目標教示点における第1アーム軸25aから第2ハンド22の制御点Pまでの距離
Rk:補間点における第1アーム軸25aから第2ハンド22の制御点Pまでの距離
Φ1:第1アーム軸25aと、第1ハンド軸25cとを結ぶ直線に対する第2ハンド22のなす角度(0≦Φ1≦π)
Φ2:第1アーム軸25aと、第1ハンド軸25cとを結ぶ直線に対する第2アーム24bのなす角度(0≦Φ2≦π/2)
La:第1ハンド21及び第2ハンド22の長さ
X:補間点における第1アーム軸25aから第1ハンド軸25cまでの距離
L:第1アーム24a及び第2アーム24bの長さ
Rk:第1アーム軸25aから退避線Akまでの距離
wa1=−π+(Φ1+Φ2)…(5)
wa2=−π−(Φ1−Φ2)…(6)
wa1=π−(φ1+φ2)…(7)
wa2=π+(φ1−φ2)…(8)
これに対して、自動運転モードでは、自動運転開始時の第2ハンド22の制御点Pの位置と第2ハンド22の目標教示点に基づいて補間点が定まり、補間点及び目標教示点に対応する退避線Akが設定される。
そのため、例えば図10に示すように、第2ハンド22の制御点Pが(直線手動運転モードで設定される)退避線Aを越えた場合に退避線Aより内側に戻れない状態を回避できる。
なぜならば、自動運転モードでは第2ハンド22の制御点Pの目標教示点が退避線Aよりも内側にあれば、その位置に応じた退避線Akが設定されるからである。
更に、自動運転開始時における第2ハンド22の制御点Pの位置が考慮されて退避線Akが設定されるので、当初設定された自動運転時の教示点が自動運転開始前に変更されることにより、当初設定していた第2ハンド22の制御点Pの教示点の位置と自動運転開始時の第2ハンド22の制御点Pの位置とに誤差が生じたとしても問題が生じない。
例えば図9に示すように、当初設定された自動運転時の教示点が自動運転開始前に変更されたとしても、図8右図に示す位置を目標教示点とするために、図9右図に示すように前進位置の教示点に到達できない状態を回避することができる。
実施形態2に係る搬送システムは、設定される退避線の態様が実施形態1と異なるため、以下では主に上記相違点について説明し、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
ロボット制御装置1は、直線手動運転モード又は自動運転モードにおいて移動する第1ハンド21の移動方向に対応する退避線B,Cを選択し、選択された退避線B,Cを越えて第2ハンド22が第1ステーション205a又は第2ステーション205b側へ移動しないように、第2ハンド22を回転させる。つまり、ロボット制御装置1の制御部11は、第1ハンド21の移動方向として、第1ステーション205aの方向が教示された場合、第2ハンド22が直線状の退避線Bを越えないように当該第2ハンド22を回転させる。一方、制御部11は、第1ハンド21の移動方向として、第2ステーション205bの方向が教示された場合、第2ハンド22が円弧状の退避線Cを越えないように当該第2ハンド22を回転させる。
2 搬送ロボット
3 教示装置
4,204 搬送室
5,205a,205b ステーション
11 制御部
21 第1ハンド
22 第2ハンド
23 ベース
24 アーム機構
24a 第1アーム
24b 第2アーム
24c 一端部
24d 他端部
25a 第1アーム軸
25b 第2アーム軸
25c 第1ハンド軸
25d 第2ハンド軸
205a 第1ステーション
205b 第2ステーション
A,B,C 退避線
W ワーク
Claims (4)
- 一端部がベースに回転可能に支持されると共に、板状のワークを保持する第1ハンド及び第2ハンドが他端部にそれぞれ回転可能に支持されたスカラ型のアーム機構を有する搬送ロボットを制御するロボット制御装置であって、
前記ベースから離れる方向へ前記第1ハンドを移動させる場合、前記ベースより外側に向かって少なくとも一部が凸の曲線をなす退避線を越えて前記ベースから前記第2ハンドが離れないように、前記第2ハンドを前記アーム機構に対して回転させる制御部を備え、
前記制御部は、
前記ベースに対する前記第1ハンド及び第2ハンドの現在位置を示す情報を取得する取得部を備え、取得した現在位置の情報並びに前記第1ハンド及び第2ハンドの目標位置を示す情報に基づいて、前記第1ハンドの移動経路上の複数点毎に設定される退避線を越えないように前記アーム機構に対する前記第2ハンドの回転角度を算出して前記第2ハンドを回転させる
ロボット制御装置。 - 前記退避線は前記一端部の回転軸を中心とした円弧状部分を含む
請求項1に記載のロボット制御装置。 - 前記退避線は前記一端部の回転軸を中心とした円弧状部分及び直線状部分を含む
請求項1に記載のロボット制御装置。 - 一端部がベースに回転可能に支持されると共に、板状のワークを保持する第1ハンド及び第2ハンドが他端部にそれぞれ回転可能に支持されたスカラ型のアーム機構を有し、前記ワークを搬送する搬送ロボットと、
請求項1〜請求項3までのいずれか一項に記載のロボット制御装置と
を備える搬送システム。
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