JP6832786B2 - 掃気ノズル及びこれを用いた基板処理装置、並びにパーティクル除去方法 - Google Patents

掃気ノズル及びこれを用いた基板処理装置、並びにパーティクル除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、掃気ノズル及びこれを用いた基板処理装置、並びにパーティクル除去方法に関する。
従来から、基板を収容する反応室内に導入された成膜ガスを用いて基板の表面に所定の薄膜を成膜する化学的気相成長装置、及び原子層堆積装置において、反応室の基板搬出入口の近傍に開口を有するパージガス供給用配管を備え、基板を反応室から搬出する際に基板にパージガスを吹き付ける技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
かかる特許文献1に記載の化学的気相成長装置では、反応室からの残留した成膜ガス及び反応副生成物が放出して大気中の酸素や水等と反応したり、冷却により固化したりしてパーティクルとなるのを防止している。
特開平7−249584号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、基板に付着している反応室からの残留した成膜ガスや反応副生成物が反応室の外部に放出されるのは防止することができるが、反応室内で発生し、反応室の基板搬出入時に開閉する扉に付着したパーティクルが、成膜時に基板の表面に付着することを防止することができない。特に、縦型熱処理装置のような、縦長の形状を有し、底部に開口が設けられて底部から基板の搬入出を行い、下方から開口を密閉する蓋体を用いた処理容器では、蓋体の上面にパーティクルが蓄積する場合があり、これらのパーティクルを除去しないと、成膜処理時に基板の表面に散布され、製品の欠陥となり品質を劣化させ歩留まりを低下させるおそれがある。
そこで、本発明は、半導体製造装置用の処理容器に好適に使用することができ、処理容器の開口を密閉する蓋体上に蓄積したパーティクルを効果的に除去することができる掃気ノズル及びこれを用いた基板処理装置、並びにパーティクル除去方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る掃気ノズルは、円筒形の側面を有する処理容器に用いられる掃気ノズルであって、
前記処理容器の内周面に沿う形状を有する吐出管と、
該吐出管の内側に、斜め下方を向くように設けられた複数の吐出孔と、
前記処理容器を外側から貫通して該吐出管に接続されるとともに、前記処理容器に支持されるガス供給部と、を有する。
本発明によれば、処理容器の開口を密閉する蓋体上に蓄積したパーティクルを効果的に除去することができる。
本発明の実施形態に係る掃気ノズル及び基板処理装置の一例を示した図である。 本発明の実施形態に係る掃気ノズルの一例の断面構成を示した図である。 本発明の実施形態に係る掃気ノズルの一例の全体構成を示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る掃気ノズルを下方から見た下面図である。 掃気ノズルの設置位置を説明するための図である。 シミュレーション実験の設定条件を説明するための図である。 インナーチューブ内の圧力を変化させて掃気ノズルから供給されるガスの気流を比較した図である。 パーティクルの排出についてシミュレーション実験を行った結果を示した図である。 掃気ノズルの噴き出し方向についてのシミュレーション実験について説明するための図である。 掃気ノズルの噴き出し方向についてのシミュレーション実験結果を示した図である。 孔径による流出分布の相違についてのシミュレーション実験を説明するための図である。 吐出孔の形状による流速分布の相違についてのシミュレーション実験を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
図1は、本発明の実施形態に係る掃気ノズル及び基板処理装置の一例を示した図である。図1に示す通り、本実施形態に係る基板処理装置は、反応管10と、ヒーター20と、マニホールド30と、インジェクタ40と、テーブル50と、載置台51と、蓋体60と、昇降機構70と、排気管81と、掃気ノズル90と、ガス供給管100、101と、ガス供給源110、111と、バルブ120、121と、ウエハボート130と、断熱材140と、筐体150と、制御部160とを有する。また、ウエハボート130には、複数のウエハWが載置される。
図1に示す基板処理装置は、ウエハボート130上に複数枚のウエハWを縦方向に所定間隔を空けた状態で積載し、インジェクタ40から反応管10内に処理ガスを供給しながらヒーター20で加熱してウエハに成膜処理を行う縦型熱処理装置として構成されている。本実施形態に係る掃気ノズル90は、円筒形の側面を有する処理容器を有する基板処理装置であれば、種々の基板処理装置に適用可能であるが、本実施形態においては、基板処理装置を縦型熱処理装置として構成した例を挙げて説明する。
反応管10は、ウエハWを収容し、ウエハWに加熱処理を施すための処理容器である。反応管10は、略円筒形状を有し、ウエハボート130に鉛直方向に積載された数十枚〜100枚のウエハWを一度にバッチ処理可能な大きさを有する。なお、反応管10は、種々の材料から構成されてよいが、例えば、石英から構成されてもよい。なお、反応管10の下方には排気ポート80が形成されており、真空ポンプ85により排気可能な状態となっている。
反応管10は、下端、つまり底面が開口しており、ウエハWを載置したウエハボート130の搬入及び搬出は、下端の開口から行う構成となっている。
ヒーター20は、反応管10の周囲に設けられ、外側から反応管10内に載置されたウエハWを加熱処理するための加熱手段である。
マニホールド30は、反応管10の下端部を支持するとともに、インジェクタ40、掃引ノズル90等の反応管10の内部にガスを供給する手段を接続する箇所である。マニホールド30の側面には複数のガス導入ポートが形成されており(図示せず)、外部のガス供給管100、101が接続可能であるとともに、反応管10の内部に設けられたインジェクタ40、掃引ノズル90等と連通可能に構成されている。また、マニホールド30は、フランジに類似した外側に張り出した形状を有する。
インジェクタ40は、反応管10の内部に処理ガスを供給するためのガス供給手段である。インジェクタ40は、反応管10の下端に設けられた貫通穴およびマニホールド30のガス導入ポートに反応管10の内側から挿入され、反応管10の内周面に沿って縦に延び、内側を向いて設けられた複数の吐出孔からウエハWに処理ガスが供給可能に構成されている。なお、処理ガスは、基板処理装置が成膜処理を行う場合には、成膜に必要なガスが供給され、エッチング等の他の処理を行う場合には、各々の用途に応じた処理ガスが供給される。なお、インジェクタ40は、例えば、石英で形成される。
テーブル50は、ウエハボート130を載置する載置台51を支持するための支持テーブルである。
載置台51は、テーブル50上に設けられ、テーブル50とともにウエハボート130を載置支持するための支持台である。なお、テーブル50及び載置台51も、例えば、石英で構成されてもよい。
蓋体60は、反応管10の下端の開口を密閉可能な蓋部材である。蓋体60は、金属蓋63と、金属蓋63の上面を覆う石英蓋61により構成されるが、以後の説明では発明内容を理解し易くするために蓋体60と呼ぶこととする。蓋体60の上部にはシール材62が設けられ、図1に示すように、シール材62が反応管10の外周側の底面の一部と接触し、密閉した状態で蓋体60を閉めることができる構成となっている。
昇降機構70は、蓋体60を昇降させるための機構であり、アーム71及び回転軸72を有する。回転軸72は、昇降機構70に支持されたアーム71の先端に取り付けられており、蓋体60を貫通し、先端にテーブル50が固定されている。これにより、蓋体60を固定したまま回転させない一方、回転軸72でウエハボート130を回転させながら基板処理を行うことができる。昇降機構70は、ウエハボート130及び蓋体60等を一体的に昇降できるとともに、テーブル50、載置台51及びウエハボート130のみ回転可能に構成されている。なお、テーブル50を蓋体60側へ固定して設け、ウエハボート130を回転させることなくウエハWの処理を行うようにしてもよい。
よって、蓋体60は、ウエハWが載置されたウエハボート130を支持した状態で昇降可能に構成されており、ウエハボート130を支持した状態で反応管10の下端の開口を密閉可能に構成されている。よって、ウエハボート130の反応管10への搬入及び反応管10からの搬出は、蓋体60の上方にウエハボート130が支持された状態で蓋体60を昇降させることにより行う。
排気ポート80は、反応管10の内部を排気するための管路であり、真空ポンプ85等の排気手段に接続され、反応管10内を排気可能に構成される。また、排気ポート80と真空ポンプ85との間には、排気管81が接続されており、排気管81の途中に圧力調整用のバルブ86が設けられる。
掃気ノズル90は、蓋体60の上面のパーティクルを掃気により除去するための掃気手段である。掃気ノズル90は、テーブル50の下方に設けられた蓋体60の上面に沿った掃気を噴出可能なように、反応管10の下端付近に配置される。掃気ノズル90は、インジェクタ40と同様に、マニホールド30を介して反応管10の内部に導入され、蓋体60の上面のパーティクルを吹き飛ばして除去すべくガスの噴出供給を行う。なお、掃気ノズル90の形状等の具体的な構成は後述する。
ガス供給管100は、反応管10の外部から掃気ノズル90にガスを供給するためのガス供給配管である。なお、インジェクタ40に処理ガスを供給すべく、インジェクタ40にもガス供給管101が接続される。
ガス供給源110は、掃気ノズル90にガスを供給するためのガス供給源である。ガスの種類は、用途に応じて種々のガスを選択してよいが、反応性を有しない不活性ガスを用いてもよく、例えば、パージガスとして多く使用されているNガスを用いてもよい。その他、Ar、He等の希ガスを用いてもよい。また、インジェクタ40に処理ガスを供給するガス供給源111も同様に設けられる。
バルブ120は、掃気ノズル90にガスを供給するタイミングを調整する手段であり、制御部160により制御される。バルブ121は、インジェクタ40に処理ガスを供給するタイミングを調整する手段であり、やはり制御部160により制御される。また、ガス供給管100、101には、ガスの流量を調整するマスフローコントローラ(図示せず)が設置されており、制御部160により制御される。
ウエハボート130は、上述のように、複数のウエハWを縦方向において所定間隔を有して、各々を水平に保持可能な基板保持具である。ウエハボート130も、例えば石英で構成されてもよい。
断熱材140は、ヒーター20の熱が外部に漏れないようにするための手段である。反応管10及びヒーター20を覆うように設けられる。
筐体150は、縦型熱処理装置全体を覆うハウジング手段である。筐体150の内部に断熱材140が充填され、外部に放出される熱を抑制する。
制御部160は、縦型熱処理装置全体を制御する手段である。制御部160は、掃気ノズル90からガスを噴出するタイミングも制御する。制御部160は、種々の演算処理手段から構成されてよいが、例えば、CPU(中央処理装置、Central Processing Unit)及びROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを有し、プログラムにより動作するマイクロコンピュータから構成されてもよいし、特性の用途向けに複数機能の回路を1つにまとめた集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)等から構成されてもよい。制御部160は、演算処理機能を有し、熱処理装置全体を制御することができれば、種々の手段から構成されてよい。
縦型熱処理装置は、図1で示した構成の他、FOUP(Front Opener Unified Pod)等のウエハカセットからウエハボート130にウエハWを移載するウエハ移載機構等を備えるが、それらの要素は、本実施形態に係る基板処理装置の特徴部分との関連性は薄いため、本実施形態においては、その図示及び説明は省略する。
次に、本発明の実施形態に係る掃気ノズル90についてより詳細に説明する。
まず、掃気ノズル90を設けた背景について説明する。縦型熱処理装置においては、成膜時において反応管10の内壁、ウエハボート130や各石英治具類にも成膜がなされてしまうが、それらの膜剥がれに起因するパーティクル、真空排気管に付着した反応副生成物に起因する戻りパーティクル、ドライクリーニングにおける残渣に起因するパーティクル等がパーティクル発生要因として挙げられる。本来、これらのパーティクルはパージや真空排気によって反応管10から排出される筈であるが、排出しきれずに残渣として蓋体60上に堆積してしまう場合がある。このパーティクルは、次の成膜時に反応管10内が真空排気されたときに巻き上げられ、バッチ処理間において、特に下部領域のパーティクル発生要因として影響を及ぼすと考えられている。この蓋体60上のパーティクルを除去すべく、掃気ノズル90が設けられている。以下、掃気ノズル90の具体的な構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る掃気ノズルの一例の断面構成を示した図である。図2に示される通り、掃気ノズル90は、反応管10の下端に設けられた貫通穴およびマニホールド30の側面に形成されたガス導入ポートに反応管10の内側から挿入するように設けられ、ガス導入ポートの外側から外嵌されるナット等の固定手段により固定されている。このようにして、掃気ノズル90は、蓋体60の付近、つまり反応管10の下端付近に、反応管10の内側の形状に沿って配置される。よって、本発明の実施形態に係る掃気ノズル90は、円弧状の形状を有する吐出管91を備える。掃気ノズル90は、蓋体60の上面とテーブル50の下方の隙間部分にガスを供給可能なように、蓋体60の上面に接近して設けられる。
図3は、本発明の実施形態に係る掃気ノズル90の一例の全体構成を示した斜視図である。図3に示されるように、掃気ノズル90は、円弧状の吐出管91と、吐出管91にガスを供給するガス供給部93とを有する。ガス供給部93は、ガス供給管100に接続されるため、ガス供給管100の一部と考えてもよい。ガス供給部93は、円弧形状を有する吐出管91の全長の真中の位置の上面に接続され、吐出管91を支持する。なお、吐出管91は円弧形状に限定されものではなく、反応管10の内周面に概略的に沿う限り、種々の形状を有することができる。例えば、蓋体60を昇降するときにウエハボートと干渉しないように十分なクリアランスが設けられている場合には、反応管10の内周面に沿う程度の長さを有する(長さしかない)直線形状として形成されてもよいし、複数の直線部が連続的に接続されて全体として円弧に近似した形状になるように形成されてもよい。本実施形態において、処理容器の内周面に沿うとは、このような円筒形の側面を有する処理容器の内周面に概略的に沿う形状も含むものとする。
図4は、本発明の実施形態に係る掃気ノズル90を下方から見た下面図である。図4に示されるように、吐出部91は、下面に複数の吐出孔92を有する。掃気ノズル90は、蓋体60の上面に存在するパーティクルを除去することが主たる機能であるため、下方を向いて吐出孔92が設けられる。なお、吐出孔92は、真下では無く、斜め下方を向くように配置されることが好ましい。蓋体60の上面に沿うようなガスの流れを形成するため、水平方向の成分を含むことも必要だからである。なお、斜め下向きの範囲は、用途に応じて適宜設定してよいが、例えば、鉛直方向に対して、15°〜75°の開き角の範囲に設定してもよく、好ましくは20〜45°の範囲に設定してもよい。
また、図4に示されるように、掃気ノズル90は、反応管10の内周面に沿って配置される。これにより、反応管10の内周面の一方側から他方側に直線状にガスを供給することが可能となる。吐出管91の長さ(幅)は、蓋体60の上面全体にパージガスを供給できれば特に限定されないが、蓋体60の半周部分に沿って吐出管を設けると、先端付近では左右方向から蓋体60の中心に向けてパージガスが供給されることになり、一方側から他方側に直線状にガスを供給することが困難になる。よって、吐出管91の長さ(幅)は蓋体60の直径よりも小さくなるように設定されるのが好ましい。具体的には、蓋体60の中心と吐出管91の両端を結ぶ線の角度が120°以下となる範囲に設定されるのが好ましく、90°以下の範囲に設定されるのがより好ましい。また、蓋体60の中心と吐出管91の両端を結ぶ線の角度は60°以下であることが更に好ましく、上述の本実施形態においては57°に設定されている。また、反応管10の全周に対する長さで考えると、吐出管91の長さは、反応管10の全周の半分以下であることが好ましく、1/4以下であることがより好ましく、1/6以下であることが更に好ましい。なお、複数の吐出孔92は、上述のような120°以下の開き角を有する限り、反応管10の中心方向を向いて形成されていてもよいし、一方の端部から他方の端部に平行に流れる層流を形成するように互いに平行に形成されていてもよい。
図5は、掃気ノズルの設置位置を説明するための図である。図5において、テーブル50と蓋体60との間に隙間が空いているが、この隙間にガスを噴出供給可能なように、掃気ノズル90が設けられている。よって、掃気ノズル90の吐出管91は、反応管10の内周面に沿って、テーブル50よりも下方にガスを供給可能なように、蓋体60の上面に接近して設けられている。
次に、掃気ノズル90について種々のシミュレーション実験を行ったので、その内容を説明しながら掃気ノズル90の具体的な構成、掃気ノズル90を用いたパーティクル除去方法について更に詳細に説明する。
図6は、シミュレーション実験の設定条件を説明するための図である。図6に示される通り、図1〜5で説明した縦型熱処理装置に掃気ノズル90を設置した場合を想定している。反応管10の壁面の温度は600℃に設定し、鉛直に対して25°の角度で斜め下方を向いて吐出孔92を配列している。また、吐出管91の肉厚を1mmとし、吐出孔92の直径を1mmとして23個の吐出孔92を均等間隔になるように配置した。ガスとしては窒素ガスを用い、300m/sの流速で供給した。また、反応管10は、全面からガスの流出が可能な状態を想定し、反応管10に一旦衝突して反射する反射流は考えないこととした。
図7は、反応管10内の圧力を変化させて掃気ノズル90から供給されるガスの気流を比較した図である。図7(a)は、反応管10内の圧力を0.3Torrに設定した場合のシミュレーション結果であり、図7(b)は、反応管10内の圧力を大気圧(760Torr)に設定した場合のシミュレーション結果である。
図7(a)の真空下の場合においては、ピンポイントにしかガスが吹き付けられないため、パーティクルを飛ばす方向もコントロールできない状態であることが分かる。
一方、図7(b)の大気下の場合においては、気流が片側から他方側に流れ、広範囲の吹き付けが可能であることが分かる。気流が一端から反対側の他端まで達しているので、パーティクルを飛ばす方向もある程度コントロール可能であることが分かる。
このように、掃気ノズル90からガスを供給する際には、反応管10の内部の圧力を大気圧付近に設定することが好ましい。
図8は、パーティクルの排出についてシミュレーション実験を行った結果を示した図である。図8(a)は、蓋体60と反応管10との間に隙間を発生させない状態で掃気ノズル90からガスを供給した場合のシミュレーション結果を示した図であり、図8(b)は、蓋体60と反応管10との間に隙間を発生させた状態で掃気ノズル90からガスを供給した場合のシミュレーション結果を示した図である。なお、図8(b)においては、隙間は5mmに設定した。
図8(a)の隙間が無い場合においては、左側の端部に注目すると、反応管10の上方からパーティクルが排出していることが分かる。この場合、パーティクルの排出経路が長くなるため、反応管10内にパーティクルが残るおそれがある。
一方、図8(b)の隙間がある場合においては、蓋体60と反応管10との間の隙間からパーティクルが排出されており、パーティクルが上昇する流れが存在しない。よって、スムーズにパーティクルを除去できることが分かる。
このように、掃気ノズル90からガスの供給を行うときには、蓋体60と反応管10との間に隙間が生じているタイミングが好ましいことが分かる。
図7、8の結果から、反応管10内の圧力を大気圧とし、反応管10と蓋体60との間に隙間が生じているタイミングで掃気ノズル90からガスの噴出供給を行うのがパーティクルの除去に効果的であることが分かる。このようなタイミングは、蓋体60が反応管10の開口を塞いで密閉状態となってから、密閉状態を解き、蓋体60が下降し始めるタイミングであるが、隙間が十分に形成されていない場合には、図8(a)に示すように反応管10の上方に向かってパーティクルが上昇する恐れがあるため、反応管10と蓋体60との間に所定距離の隙間を形成し蓋体60の下降を停止したタイミングでガスの噴出供給を行ってもよい。蓋体60を開放する際には、外部から反応管10の内部にパーティクルを吸い込まない観点から、反応管10の内部の圧力が外部よりもやや高いか、外部と同じ圧力で開放することが好ましい。よって、蓋体60が反応管10を密閉している状態で反応管10の内部圧力が外部よりも低い場合には、反応管10の内部圧力を大気圧付近まで上昇させ、その後に蓋体60を下降させ、蓋体60と反応管10との間に隙間が発生したら掃気ノズル90からガスを供給することが好ましいと言える。
蓋体60の上面のパーティクルを除去するタイミングは、ドライクリーニングの直後や、ウエハWの処理を行った直後が考えられる。ウエハWの加熱処理等の処理の際は勿論のこと、ドライクリーニングの際にも反応管10の内部は大気圧よりも低い状態となっているので、反応管10の内部での処理が終了したら、内部の圧力を上昇させ、大気圧に到達した段階で蓋体60の下降を開始し、蓋体60と反応管10との間に隙間を形成した後に掃気ノズル90からガスを蓋体60に向けて供給すれば、効果的に蓋体60上に堆積したパーティクルを除去できる。
制御部160は、このようなタイミングに掃気ノズル90からガスを噴出供給するように、バルブ120を制御する。蓋体60の下降も制御部160が制御しているので、これに合わせてバルブ120を開にする制御を行えばよい。これにより、効果的なタイミングで蓋体60上に堆積したパーティクルを除去することができる。
なお、蓋体60から除去されたパーティクルは縦型熱処理装置の下方に連設されたウエハ搬送室としてのローディングエリア内に排出されるが、ローディングエリア内にはエアーサーキュレーションが形成されているため、パーティクルは下流へと排出されることになる。
図9は、掃気ノズルの噴き出し方向についてのシミュレーション実験について説明するための図である。図9(a)は、吐出孔92を中心軸に向け、中心軸に向けてガスを噴出した状態を示しており、図9(b)は、吐出孔92を平行に設定し、平行にガスを噴き出した状態を示した図である。このような2通りの噴き出しパターンについてシミュレーション実験を行った。
図10は、掃気ノズルの噴き出し方向についてのシミュレーション実験結果を示した図である。図10(a)は、中心軸に向けて噴き出したシミュレーション結果であり、図10(b)は、平行に噴き出したシミュレーション結果である。
図10(a)と図10(b)とを比較すると、図10(b)の平行にガスを噴き出したシミュレーション結果の方が、ガスが広範囲に広がっていることが分かる。パーティクルの除去という観点では、ガスが広範囲に広がった方が好ましいので、中心軸に向けて噴き出すよりも、平行にガスを噴き出した方が好ましいと言える。
図11は、孔径による流出分布の相違についてのシミュレーション実験を説明するための図である。本シミュレーション実験においては、掃気ノズル90の吐出孔92の孔径を1.0mmと0.5mmの2通りに設定し、両者のガス流出量分布を比較した。
図11(a)は、シミュレーション実験の内容を説明するための図である。図11(a)に示されるように、中心から外側に向かって1〜12の孔番号を付し、その流出量を調べた。また、ガス供給部93からは、窒素ガスを10L/minの流量で供給した。
図11(b)は、シミュレーション実験結果を示した図である。図11に示されるように、孔径が1.0mmの方は、孔番号1の中心部で流量が大きくなり、その反動で孔番号2において流量が小さくなった。一方、孔径が0.5mmの方は、全体で均一な流量が得られた。このことから、吐出孔92の孔径はあまり大きくせず、0.5mm程度とすることが均一な流量分布が得られて好ましいことが分かった。
図12は、吐出孔の形状による流速分布の相違についてのシミュレーション実験を説明するための図である。
図12(a)は、本シミュレーションに用いた掃気ノズル90の吐出孔92の形状について説明するための図である。図12(a)には、先端がラッパ状に開口したラッパ型の吐出孔が示されている。ラッパ型の吐出孔は、0.5mmの孔径と長さを有するストレート孔の部分と、長さが0.5mmで先端の開口が0.75mmに広がったラッパ状の部分を有する吐出孔とした。一方、先端のラッパ状の部分を除き、0.5mmの開口径と長さを有する部分のみとしたストレート型とで流速分布を比較した。
図12(b)は、0.5mmのストレート型の吐出孔における流速分布のシミュレーション結果であり、図12(c)は、ラッパ型の吐出孔における流速分布のシミュレーション結果である。図12(b)、(c)において、流速が速い順に領域A、B、C、D、Eで示している。図12(b)、(c)を比較すると、図12(c)の方がガスの噴き出し範囲が広がり、速度が低下していることが分かる。流速A、B、Cの範囲は、明らかに図12(b)の方が図12(c)よりも長い範囲となっている。
このように、ガスの流側を増加させたい場合はストレートな吐出孔の形状が好ましく、流速を低下させてもガスを広げたい場合には、ラッパ型の形状の吐出孔を採用するのが好ましいことが分かる。
このように、掃気ノズル90の条件の種々の設定により、用途に応じて好ましい掃気ノズル90を構成することができることが分かる。
以上説明したように、本実施形態に係る掃気ノズル、基板処理装置及びパーティクル除去方法によれば、掃気ノズル90を設けることにより、蓋体60の上面に堆積したパーティクルを効果的に除去することができる。また、本実施形態においては、掃気ノズル90を縦型熱処理装置の蓋体60の上面のパーティクルの除去に利用する例を挙げて説明したが、掃気ノズル90は、処理容器の開口部近傍に配置され処理容器の内周面に沿った形状を有していれば適用可能であるので、処理容器の形状によっては、サセプタのパーティクル除去に利用することも可能であるし、パーティクル除去ではなく、処理ガスの供給に用いることも可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
10 反応管
20 ヒーター
30 マニホールド
40 インジェクタ
50 テーブル
60 蓋体
70 駆動機構
72 回転軸
80 排気ポート
81 排気管
85 真空ポンプ
90 掃気ノズル
91 吐出管
92 吐出孔
93 ガス供給部
100、101 ガス供給管
110、111 ガス供給源
130 ウエハボート
160 制御部
W ウエハ

Claims (20)

  1. 円筒形の側面を有する処理容器に用いられる掃気ノズルであって、
    前記処理容器の内周面に沿う形状を有する吐出管と、
    該吐出管の内側に、斜め下方を向くように設けられた複数の吐出孔と、
    前記処理容器を外側から貫通して該吐出管に接続されるとともに、前記処理容器に支持されるガス供給部と、を有する掃気ノズル。
  2. 前記吐出管は前記処理容器の内径に沿う円弧状の形状を有する請求項1に記載の掃気ノズル。
  3. 前記ガス供給部は、前記吐出管の全長の真中に接続される請求項2に記載の掃気ノズル。
  4. 円筒形の側面を有し、底面が開口した処理容器と、
    複数の基板を保持可能な基板保持具を上面に載置した状態で前記開口に基板保持具を搬入可能であるとともに、前記開口を密閉可能な蓋体と、
    前記処理容器の内周面に沿う形状を有する吐出管を有し、前記蓋体にガスを噴出供給可能な掃気ノズルと、を有し、
    前記吐出管は前記処理容器の内径に沿う円弧状の形状を有し、前記処理容器の下端付近の内周面に沿って設けられ、前記蓋体の一方の側から他方の側に向かって前記ガスを供給可能なように内側に複数の吐出孔を有する基板処理装置。
  5. 前記吐出孔は、斜め下方向を向いて設けられ、上方から前記蓋体の上面に沿った流れを形成しながら前記ガスを供給可能である請求項に記載の基板処理装置。
  6. 前記吐出孔は、水平方向においては前記ガスが平行流を形成するように平行に形成されている請求項に記載の基板処理装置。
  7. 前記吐出孔は、水平方向においては前記円弧状の形状の中心を向くように形成されている請求項に記載の基板処理装置。
  8. 前記吐出管は、前記処理容器を外部から貫通するガス供給管に接続されるとともに、該ガス供給管に支持されている請求項4乃至のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  9. 前記ガス供給管は、前記吐出管の全長の真中の位置に接続されている請求項に記載の基板処理装置。
  10. 前記蓋体が下降を開始し、前記蓋体と前記処理容器の下端に隙間が発生したタイミングで前記掃気ノズルから前記蓋体の上面に前記ガスを供給させる制御手段を更に有する請求項4乃至のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  11. 前記蓋体が下降を開始するタイミングは、前記処理容器内のドライクリーニング終了後のタイミングである請求項10に記載の基板処理装置。
  12. 前記蓋体が下降を開始するタイミングは、前記処理容器内における前記基板の処理が終了したタイミングである請求項10に記載の基板処理装置。
  13. 前記ガスは窒素ガスである請求項4乃至12のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  14. 前記処理容器は、前記基板に成膜処理を行うための容器であり、
    前記処理容器内に処理ガスを供給するインジェクタと、
    前記処理容器の周囲に設けられた加熱ヒーターと、を更に有する請求項4乃至13のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  15. 下端に開口を有し、円筒形の側面を有する処理容器の前記開口を下方から密閉する蓋体の下降を開始する工程と、
    前記処理容器の前記下端付近の内周面に沿って設けられた吐出管から、前記蓋体の上面にガスを噴出供給し、前記蓋体の上面のパーティクルを除去する工程と、を有するパーティクル除去方法。
  16. 前記蓋体の下降を開始する工程の後に、前記処理容器と前記蓋体との間に所定間隔の隙間を形成して前記蓋体の下降を停止する工程を更に有し、
    前記パーティクルを除去する工程は、前記蓋体の下降を停止した後に行われる請求項15に記載のパーティクル除去方法。
  17. 前記蓋体の下降を開始する工程の前に、前記処理容器内の圧力を大気圧に設定する工程を更に有する請求項15又は16に記載にパーティクル除去方法。
  18. 前記蓋体の下降を開始する工程は、前記処理容器内をドライクリーニングした後に行われる請求項15乃至17のいずれか一項に記載のパーティクル除去方法。
  19. 前記蓋体の下降を開始する工程は、前記処理容器内において基板の処理を行った後に行われる請求項15乃至17のいずれか一項に記載のパーティクル除去方法。
  20. 前記ガスは窒素ガスである請求項15乃至19のいずれか一項に記載のパーティクル除去方法。
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