JP6832219B2 - 空気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粉じん、汚染物質等の微粒子を含んだ空気を浄化する空気浄化装置に関する。
従来、空気中に含まれる悪臭や汚染物質を水で除去する空気浄化装置としては、「上部にオーバーブローパイプの基部を連設する水槽本体と、この水槽本休の下方に水を補給する給水パイプと、水槽本体内の水を外部に循環させる第1送水パイプと、この第1パイプからの送水を吸い込むポンプと、このポンプからの高圧水流を噴射ノズルへ送る第2送水パイプと、この第2送水パイプの先端に設けられ、かつ第2送水パイプからの高圧水流を噴射することができるように第1ダクトの開口部の近傍に臨ませたノズルと、下端部を水槽本体に連設し、上端部に前記ノズルを有し、かつ空気の汚染物質を吸引する開口部を有する第1ダクトと、下端部を水槽本体に連設するとともに、前記噴射ノズルの噴射により浄化された空気を上端部から外部に排出する第2ダクトから構成されている。
上記構成にあっては、前記噴射ノズルから噴射される高圧水流の流速が、空気中の汚染物質を空気と共に第1ダクト内に吸引し、次いで、水槽本体の水で汚染物質を除去した後、浄化された空気を第2ダクトを通らせ、大気に新鮮な空気を排出することができるものである」(特許文献1)。
しかしながら、上記の公知発明は、高圧水流の流速が、空気を外部から開口部を介して第1ダクト内に素早く吸引するため、空気が水流に乗って第1ダクトをそのまま通過する。したがって、水がすぐに水槽にストレートに落ちてしまう。それ故に浄化したい空気と水の接触時間が短く、空気中の悪臭や汚染物質が十分に除去できないという問題点があった。
付言すると、水は第1ダクトから水槽へ真っ直ぐ落ちていくため、空気と十分に接触しないので、浄化が不十分になってしまうという欠点があった。
特開平7−112110号公報
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、微粒子を含んだ空気と水を混合するように長時間接触させ、空気中の微粒子を水に吸着させ、空気を浄化する空気浄化装置を得ることを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の空気浄化装置は、上部に空間を有する水槽本体と、該水槽本体の上部に設けられていると共に、上端部に空気吸入部を備える筒状の浄化ダクトと、前記水槽本体の上部に設けられ、前記空気吸入部から吸入された空気を大気へ排出する排出ダクトと、前記水槽本体にポンプ及び該ポンプに接続する循環路を介して接続され、前記浄化ダクト内に水を噴射する噴射ノズルを備える空気浄化装置であって、前記噴射ノズルの下方には、該噴射ノズルから噴射された水と前記空気吸入部から吸入された空気とが混合した混合流体を、さらにらせん状に拡散させて撹拌する撹拌部材を有する撹拌部を備え、前記撹拌部材は、前記噴射ノズルから噴射された水が衝突する円形又は多角形状の底板と、該底板の外周部に立設された屈曲を有する複数個の水流案内板とで構成されている
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1に記載の発明においては、噴射ノズルから噴射された水と吸入した空気を撹拌する撹拌部を浄化ダクト内に備えるので、上部の空気吸入部から下部の水槽方向へ流れる空気と、水が確実に混ざり合うとともに、複雑な流れになって水槽方向へ落下するため、空気を長時間水と接触させることができる。
したがって、空気中に含まれる粉塵、悪臭や汚染物質等を水で除去することができる。
(2)拡散部材に衝突し、水流案内板によってらせん状(渦巻状)のに水と空気が流れることにより、撹拌部材周囲の水と空気が乱流状態で混ざり合い、空気中の汚染物質等の吸着効果を向上させることができる。
(3)請求項2に記載された発明も前記(1)〜(2)と同様な効果が得られると共に、空気及び水が底板及び水流案内板に複数回衝突するため、空気と水が確実に混ざり合い、空気中の汚染物質等の吸着効果を向上させることができる。
(4)請求項3に記載された発明も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られると共に、大径の撹拌部で乱流状態で渦を巻くように水が旋回し、その水に空気が混合されるので、空気を長時間水と接触させることができ、空気中に含まれる粉塵、悪臭や汚染物質等を水で除去することができる。
図1乃至図7は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図8乃至図10は本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
第1実施形態の空気浄化装置の概要説明図。 撹拌部材の平面図。 撹拌部材の斜視説明図。 拡散部の説明図。(a)拡散部の正面図。(b)(a)のb−b線断面図。 使用状態の概要説明図。 撹拌部付近の空気及び水の流れを示す平面視からの概要説明図。 撹拌部付近の空気及び水の流れを示す正面視からの概要説明図。 第2実施形態の空気浄化装置の概要説明図。 撹拌部材の平面図。 撹拌部材の斜視説明図。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1乃至図7に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は本発明の空気浄化装置である。
この空気浄化装置1は、例えば図1に示すように、上部に空間を有する水槽本体2と、該水槽本体2の上部に連通するように設けられ、上方へ突出するとともに、上端部に空気吸入部3を備える筒状の浄化ダクト4と、前記水槽本体2の上部に連通するように設けられ、前記浄化ダクト4から吸入された空気を大気へ排出する排出ダクト5と、前記水槽本体2にポンプ6を介して接続され、前記浄化ダクト4内に水を噴射する噴射ノズル7と、該噴射ノズル7の下方に、噴射ノズル7から噴射された水と衝突し、浄化ダクト4内に噴射された水と前記空気吸入部3から吸入された空気をらせん状に拡散させて撹拌する撹拌部材8を有する撹拌部9とで構成されている。
水槽本体2は、箱型に形成されており、本実施形態においては、上部には浄化ダクト4と排出ダクト5が接続される接続空間10を有している。浄化ダクト4と排出ダクト5は、この接続空間10を介して間接的に接続されている。なお、この排出ダクト5は上向きで排出するものでもよく、また、メッシュフィルター等を備えてもよい。
本実施形態においては、水槽本体2の上部に浄化ダクト4を取付けるためのフランジ部2aが形成されている。なお排出ダクト5は、水槽本体2の上部に一体的に設けられている。
接続空間10の下部には、貯水部11が形成されており、この貯水部11に噴射ノズル7から噴射された水が落下する。貯水部11にはポンプ6を備える循環路12が接続されており、貯水部11の水はこの循環路12を通って噴射ノズル7へ供給される。なお、水槽本体2にはポンプ6が空転することを防止する空転防止センサー13を設けることが望ましい。
この接続空間10と貯水部11は説明の便宜上区別しているが、接続空間10は貯水部11の水面よりも上の部位を意味するものであって、必ずしも隔壁等が設けられている必要はない。本実施形態では、貯水部11の水面が一定以上上昇しないように、接続空間10の下端となる部位にオーバーフロー口11aを備えている。
また、水槽本体2の底面には貯水部11の水を排出する排出口2bが設けられている。浄化ダクト4は、図1に示すように、上下端が開放されるとともにフランジ部4aが形成された筒状の部材であって、その上端部の開口は前記空気吸入部3となっており、その下端部は水槽本体2の接続空間10に連通されている。
この浄化ダクト4の上端部よりの部位には、下向きに水を噴射する噴射ノズル7が取り付けられており、この噴射ノズル7の下方には、前記撹拌部材8が設けられている。本実施形態では、浄化ダクト4は、この撹拌部材8が設けられる部位が他の部位よりも大径に形成されている。
この噴射ノズル7は、前述のように水槽本体2の貯水部11からポンプ6を介して供給された水を浄化ダクト4の下方に向かって噴射し、空気中の汚染物質や粉じん等を水に吸着させるためのものである。
この噴射ノズル7から水が浄化ダクト4の下方へ噴射されると膜状に広がるとともに、浄化ダクト4の内部は負圧となり、浄化ダクト4の上部の空気吸入部3より空気が吸入され、水と吸入された空気が接触し、空気中の異物は水流中に抱き込まれ、空気と水とが混合した混合流体となる。
撹拌部材8は、図2及び図3に示すように、本実施形態においては、噴射ノズル7から噴射された水(混合流体)が衝突する平面視円形(円盤形状)の底板14と、該底板14の外周部に立設された鈍角状の屈曲15を有する4個の水流案内板16とで構成されている。
本実施形態では、撹拌部9は浄化ダクト4よりも大径に形成されており、このフランジ状の撹拌部9の天面9aに前記水流案内板16の上端部16aを固定することにより撹拌部材8を取り付けている。
この底板14は、本実施形態では平面視円形に形成されているが、例えば六角形や八角形、四角形等の平面視多角形状に形成してもよい。
4個の水流案内板16の先端部16bは、隣り合う水流案内板16の基端部16cの半径方向外側の位置(線r)よりも先端部側にそれぞれ位置している。このように水流案内板16を立設することにより、狭い流路17が4つ形成された状態となり、底板14に衝突した水が横方向に流れ、その後、水流案内板16に必ず衝突してから撹拌部9(浄化ダクト4の大径部分)内に拡散されるので、らせん状の旋回流を発生させ、水と空気を撹拌する効果を向上させることができる。
また、水流案内板16には本実施形態では鈍角状の屈曲15を形成しているので、噴射された水は、底板14、水流案内板16の基端部付近及び水流案内板16の屈曲15付近に衝突し、水と空気が混合するので、汚染物質の吸着効果を高めることができる。
なお、本実施形態では、水流案内板16の上端部16aは撹拌部9の天面9aに固定されているので、水や空気が確実に流路17を通過し、水と空気を撹拌する効果を向上させることができる。
撹拌部9は、図4に示すように、本実施形態においては、浄化ダクト4の上下端部よりも大径で、かつ、外方にフランジ状に突出するように形成されている。このように撹拌部9を形成することにより、撹拌部9の底面9b付近に水と空気が激しく回転しながら一定時間とどまり、水と空気をより長時間混合し、汚染物質の吸着効果を高めることができる。
なお、この撹拌部9を大径にせず、浄化ダクト4の直径と同径としても、前記撹拌部材8の撹拌作用により、一定の汚染物質の吸着効果を得ることができる。
噴射された水は、撹拌部材8の底板14、水流案内板16の基端部付近及び水流案内板16の屈曲15付近に衝突することにより水の流れる方向が変わるだけではなく細かい粒子状となるため、空気と撹拌された場合に、汚染物質や粉じん等の吸着効果を高めることができるとともに、拡散部材に衝突することによりレナード効果により還元イオン電子が発生し、汚染物質等の吸着効果をさらに高めることができる。
この空気浄化装置1を使用する場合には、ポンプ6を作動させ、噴射ノズル7から水を勢い良く噴射する。そうすると、浄化ダクト4内が負圧となり、空気吸入部3から浄化すべき空気が吸入される。
噴射された水は、略円錐状に浄化ダクト4の内部に膜状に広がるとともに、浄化ダクト4へ流れた空気と混ざり合いながら、撹拌部9と浄化ダクト4の上方の連通部分4bより撹拌部9に流入し、撹拌部材8の底板14に衝突する。その後、水と吸入された空気は横方向に流れるとともに、例えば図6に示すように、流路17を通過することにより旋回しながら、らせん状に混じり合い、空気中に含まれる汚染物質等が水に吸着される。
この時、大径の撹拌部9では、図7に示すように、らせん状に旋回しながら混じり合った空気と水は、遠心力により撹拌部9の底面9b付近で回転しながらその壁面を上昇し、撹拌部材8から放出された水及び空気は回転しながら撹拌部9の底面9b方向へ向かうため、遠心力による水面を上昇する力(図7中の黒塗り矢印)と、撹拌部材8から放出された水及び空気が撹拌部9の底面9b方向へ向かう力(図7中の二点鎖線矢印)が衝突し、この撹拌部9の底面9b付近でも高さ方向にも乱流状態の流れ(図7中の白抜き矢印)が発生し、空気と水とが激しく混合される。
このように混合された水と空気は、旋回しながら激しく撹拌され、撹拌部9と浄化ダクト4の下方の連通部分4cから水槽本体2へと流れ落ちる。
なお、この時、吸入される空気量と遠心力によって押し上げられた水の水量のバランスによって、撹拌部9の底面9b付近で撹拌する度合を調整し、水と空気の吸着度合を調整する。
その後空気は接続空間10に流れ、排出ダクト5から大気に解放される。汚染物質等を吸着した水は、貯水部11へ流れ込む。貯水部11に流れ込んだ水は、再度循環路12を通り、噴射ノズル7等から噴射される。
なお、図示しないが貯水部11には、汚染物質と水を分離する装置等を設け、循環路12を通る前に汚染物質と水を分離する事が望ましい。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図8乃至図10に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図8乃至図10に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、底板14の外周部に3個の水流案内板16を立設した撹拌部材8Aにした点で、このような撹拌部材8Aを用いた空気浄化装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態の収納容器と同様な作用効果が得られる。本実施形態においては、水流案内板16の先端部16bは、隣り合う水流案内板16の基端部16cの半径方向外側の位置(線r)よりも先端部側に位置していないものの、水流のほとんどが水流案内板16に衝突し、その先端部16から撹拌部9へ放出されるため、水流全体として渦巻状(らせん状)の水流が発生し、第1の実施形態と同様に、水と空気が激しく撹拌される。
なお、本発明の実施形態においては、水流案内板を3枚又は4枚用いるものについて説明したが、それ以上の枚数、例えば4〜8枚程度設けてもよい。
また、大径に形成された撹拌部の天面に水流案内板を固定し、撹拌部材を取付ける形態について説明したが、例えば底板を撹拌部の側壁にバー部材で固定して取り付けたり、ノズルに吊り下げ部材により吊り下げ固定して撹拌部材を設けてもよい。撹拌部の天面に水流案内板を固定しない場合、撹拌部の天面と水流案内板の上端部は当接することが望ましいが、この間に隙間ができるように設けてもよい。
本発明の空気浄化装置は、空気浄化装置を製造する産業で利用される。
1、1A:空気浄化装置、 2:水槽本体、
3:空気吸入部、 4:浄化ダクト、
5:排出ダクト、 6:ポンプ、
7:噴射ノズル、 8、8A:撹拌部材、
9:撹拌部、 10:接続空間、
11:貯水部、 12:循環路、
13:空転防止センサー、 14:底板、
15:屈曲、 16:水流案内板、
17:流路。

Claims (3)

  1. 上部に空間を有する水槽本体と、該水槽本体の上部に設けられていると共に、上端部に空気吸入部を備える筒状の浄化ダクトと、前記水槽本体の上部に設けられ、前記空気吸入部から吸入された空気を大気へ排出する排出ダクトと、前記水槽本体にポンプ及び該ポンプに接続する循環路を介して接続され、前記浄化ダクト内に水を噴射する噴射ノズルを備える空気浄化装置であって、
    前記噴射ノズルの下方には、該噴射ノズルから噴射された水と前記空気吸入部から吸入された空気とが混合した混合流体を、さらにらせん状に拡散させて撹拌する撹拌部材を有する撹拌部を備え、前記撹拌部材は、前記噴射ノズルから噴射された水が衝突する円形又は多角形状の底板と、該底板の外周部に立設された屈曲を有する複数個の水流案内板とで構成される空気浄化装置。
  2. 前記複数個の水流案内板は、隣り合う前記水流案内板の間に流路が形成されるように立設されていることを特徴とする請求項1に記載の空気浄化装置。
  3. 前記撹拌部は浄化ダクトの上下端部よりも大径で、かつ、外方にフランジ状に突出するように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の空気浄化装置。
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