JP6832106B2 - 触媒メタル担体 - Google Patents

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Description

本発明は触媒メタル担体に関する。
従来、自動車エンジン等の内燃機関から排出される排ガスを浄化する触媒メタル担体として、特許文献1、2に記載のものがある。
特許文献1に記載の自動車エンジン用触媒メタル担体は、ステンレス鋼製筒状ケースの内周面に、複数の凹部が円周方向に連続して形成された円筒形状のステンレス鋼製金属箔(箔厚約200μm)がロー付けされて構成される。これにより、筒状ケースが形成する排気通路の内部に、円筒形状の金属箔によって仕切られる多数の小排気流路を区画する。そして、筒状ケースの内周面、並びに上記小排気流路を画成している金属箔の表面には、触媒が塗布、焼付けされて担持される。
特許文献2に記載の自動車エンジン用触媒メタル担体は、ステンレス鋼製筒状ケースの内部に、複数個のメタルハニカム体を離隔配置するとともに、メタルハニカム体の間にチューブ形状体及び/又はプレート形状体を配置し、当該筒状ケースの内周面にそれらのメタルハニカム体、チューブ形状体及び/又はプレート形状体がロー付けされて構成される。メタルハニカム体はステンレス鋼等の金属製の平箔及び波箔を用いて構成される。これにより、筒状ケースが形成する排気通路の内部に、メタルハニカム体の小孔からなる多数の小排気流路を形成するとともに、チューブ形状体及び/又はプレート形状体によって仕切られる小排気流路を区画する。そして、筒状ケースの内周面、並びに上記小排気流路を画成しているメタルハニカム体の小孔内面、チューブ形状体及び/又はプレート形状体の表面には、触媒がコーティングされて担持される。
特開2001-129407号公報 特開2008-142682号公報
特許文献1に記載の触媒メタル担体には以下の問題点がある。
(1)自動車エンジンでは、高負荷運転で高温になった排ガスにより歪んだ金属箔と空冷下の筒状ケース間に大きな熱応力発生、或いは自動車の車体及びエンジンの振動が激しくなると、これらの熱応力や激しい振動が金属箔を破壊し、円筒形状の金属箔を筒状ケースに固定できなくなる。
特許文献2に記載の触媒メタル担体には以下の問題点がある。
(2)自動車エンジンでは、高負荷運転で高温になった排ガスにより歪んだメタルハニカム体と空冷下の筒状ケース間に大きな熱応力発生、或いは自動車の車体及びエンジンの振動が激しくなると、これらの熱応力や激しい振動がメタルハニカム体を破壊し、メタルハニカム体を筒状ケースに固定できなくなる。
特許文献1、2に記載の触媒メタル担体が、例えば自動車レース競技等の自動車の過酷な走行環境下で使用されると、排ガス温度の高温化、車体及びエンジンの振動の増大化がとりわけ激しくなることから、上述(1)、(2)の問題点は一層顕著になる。
特に、自動車レース競技等の過酷な走行条件においては、未燃ガスが触媒メタル担体における筒状ケースの内周面、円筒形状の金属箔、或いはメタルハニカム体や、チューブ形状体及び/又はプレート形状体に付着してアフターファイヤを生じ、円筒形状の金属箔、或いはメタルハニカム体や、チューブ形状体及び/又はプレート形状体は一層高温、高圧の排ガスに曝されるものになる。
そして、特許文献1、2に記載の触媒メタル担体において、円筒形状の金属箔、或いはメタルハニカム体や、チューブ形状体及び/又はプレート形状体が筒状ケースに固定できなくなると、それらの円筒形状の金属箔、或いはメタルハニカム体や、チューブ形状体及び/又はプレート形状体が筒状ケースから脱落して浄化性能を喪失するだけでなく、走路上に散乱し、後続車両の安全な走行を妨害するものになり、レース中断等を招くおそれもある。
本発明の課題は、過酷な使用環境下で高い耐久性を確保できる触媒メタル担体を提供することにある。
請求項1に係る発明は、筒状ケースが形成する排気通路の内部に金属製のフィン形成体が配置されてなる触媒メタル担体であって、フィン形成体が表面に触媒を担持して構成される板状のフィンを有し、フィンがその板長手方向で筒状ケースの内周面に交差するように排気通路内に延在され、該フィンにおける筒状ケースの内周面に交差する端部が該筒状ケースの内周面に固定され、該フィン形成体のフィンによって排気通路内に小排気流路を区画し、該フィンの当該小排気流路に接する板長手面における板長手方向の一端部から他端部の間の中間部に、該フィンの当該板長手面における板長手方向に生ずる熱歪を吸収するためのU字状曲がり部が設けられ、該U字状曲がり部は、該フィンの該板長手面における該中間部に板長手方向の両側で連なる両側部分に対し、折れ曲がり状をなしてつながるようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記U字状曲がり部は、前記フィンの前記板長手面における前記中間部に板長手方向の両側で連なる両側直線状部分に対し、折れ曲がり状をなしてつながるようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において更に、前記フィン形成体が複数枚の板状のフィンを有し、各フィンによって排気通路内に複数の小排気流路を区画し、各フィンが、それらの板長手面における板長手方向の中間部で、それらの各小排気流路を区画する部分毎に前記U字状曲がり部を備えてなるようにしたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに係る発明において更に、前記フィン形成体を構成するフィンの板厚が0.8乃至3mmとされるようにしたものである。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに係る発明において更に、前記フィン形成体のフィンにおける筒状ケースの内周面に交差する端部が該筒状ケースの内周面に溶接止めされるようにしたものである。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに係る発明において更に、前記フィン形成体の筒状ケースからの脱落を防止する抜け止め部材が、該フィン形成体のフィンに接合されることなく、該フィン形成体を該筒状ケースの筒軸方向に保持する状態で、該筒状ケースに支持されるようにしたものである。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれかに係る発明において更に、前記筒状ケースの内部に、該筒状ケースの排気通路に沿う一端側から他端側に向けて順に並ぶ複数個のフィン形成体が配置されるようにしたものである。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至のいずれかに係る発明において更に、前記フィン形成体が複数枚の板状のフィンを組合せた板組体からなるようにしたものである。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明において更に、前記板組体を構成する各フィンが、プレス成形体からなるようにしたものである。
請求項10に係る発明は、請求項1乃至7のいずれかに係る発明において更に、前記フィン形成体が、複数枚の板状のフィンが一体をなすように削り出された一体物からなるようにしたものである。
請求項11に係る発明は、請求項10に係る発明において更に、前記フィン形成体が、複数枚の板状のフィンとともに一体をなしてそれらのフィンにつながって該フィンを囲む外環部を有し、この外環部が筒状ケースの内周面に固定されるようにしたものである。
請求項12に係る発明は、請求項11に係る発明において更に、前記フィン形成体が、外環部に、該外環部を周方向において切離した熱歪吸収用の切離部を備えるようにしたものである。
(請求項1乃至5
(a)フィン形成体の板状のフィンにおける筒状ケースの内周面に交差する端部が、該筒状ケースの内周面に、溶接止め又は加締め止め等されて固定されるとともに、該フィンの板長手方向の中間部に、熱歪吸収用の曲がり部が設けられる。
(b)フィン形成体の板状のフィンにおける筒状ケースの内周面に交差する端部が、該筒状ケースの内周面に、例えば溶接止めされて固定されたとき、自動車エンジンの過酷な使用環境下で、排ガス温度が高負荷運転によって例えば1000℃乃至1200℃程度の高温になる長時間連続使用環境下でも、この排ガス温度が溶接止め部の融点(例えばSUS430の1427〜1510℃)を超えることがなく、該溶接止め部が溶けることはないから、フィン形成体を筒状ケースに安定的に固定できる。
(c)自動車エンジンの過酷な使用環境下で、高負荷運転による高温の排ガスに曝されるフィン形成体におけるフィンの熱歪は、当該フィンの中間部に設けた曲がり部の熱的変形によって吸収され、フィンの端部の溶接止め部又は加締め止め部に及ばない。従って、溶接止め部又は加締め止め部が空冷下の筒状ケースと過熱状態のフィンとの接合境界部に位置して厳しい熱的環境にあるにもかかわらず、それらの溶接止め部又は加締め止め部に大きな熱応力を発生させず、それらの溶接止め部又は加締め止め部を破壊させることがないから、フィン形成体を筒状ケースに安定的に固定できる。
(d)自動車の車体及びエンジンの振動が激しくなるときにも、この振動に起因してフィン形成体のフィンに生ずる振動による破壊は、金属箔やメタルハニカムに比べ厚肉のフィン(例えば0.8乃至3mm)を用いることでフィン形成体の強度を向上させることによって回避できるから、フィン形成体を筒状ケースに安定的に固定できる。
(請求項6)
(e)前記フィン形成体の筒状ケースからの脱落を防止する抜け止め部材が、該フィン形成体のフィンに接合されることなく、該フィン形成体を該筒状ケースの筒軸方向に保持する状態で、該筒状ケースに支持される。従って、前述(a)乃至(d)にもかかわらず、フィン形成体と筒状ケースとの溶接止め部又は加締め止め部が万一破壊に至ったとしても、筒状ケースの内周面から分離したフィン形成体を抜け止め部材によって抜け止めし、筒状ケースからのフィン形成体の脱落を確実に防止できる。
このとき、抜け止め部材は、フィン形成体のフィンに接合されず、該フィン形成体を筒状ケースの筒軸方向に保持するのみで該フィン形成体を抜け止めしている。従って、抜け止め部材がフィン形成体のフィンに溶接等されて固定されるものに比して、フィンにおける板長手方向の変形が抜け止め部材との係わりによって拘束されることがなく、フィンの曲がり部による前述(c)におけるフィンの熱歪の吸収効果を阻害しない。
(請求項
(f)前記筒状ケースの内部に、該筒状ケースの排気通路に沿う一端側から他端側に向けて順に並ぶ複数個のフィン形成体が配置される。触媒を担持する、筒状ケースの全長に渡る内周面積、及び全フィン形成体の合計表面積を増大化し、触媒メタル担体の浄化性能を向上できる。
(請求項8、9
(g)前記フィン形成体が複数枚の板状のフィンを組合せた板組体からなるものとすることにより、各フィンを例えば板厚0.8乃至3mm、より好適には1乃至2mmの板状とし、フィン形成体の耐熱強度、耐振動強度等を確保し、触媒メタル担体の耐久性を容易に確保できる。
(請求項10
(h)前記フィン形成体が、複数枚の板状のフィンが一体をなすように削り出された一体物からなるものとすることにより、各フィンを例えば板厚0.8乃至3mm、より好適には1乃至2mmの板状とし、フィン形成体の耐熱強度、耐振動強度等を確保し、触媒メタル担体の耐久性を容易に確保できる。
(請求項11、12
(i)前記フィン形成体が、複数枚の板状のフィンとともに一体をなしてそれらのフィンにつながって該フィンを囲む外環部を有し、この外環部が筒状ケースの内周面に固定される。一体物をなすフィン形成体の各フィンにおける筒状ケースの内周面に交差する端部を、該端部につながる外環部を介して、筒状ケースの内周面に単純かつ確実に固定できる。
図1は第1実施形態の触媒メタル担体を示す正面図である。 図2は触媒メタル担体を示す側面図である。 図3はフィン形成体となる板組体の小組体を構成する板を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 図4は板組体の小組体を示す正面図である。 図5は板組体を構成する取付板を示し、(A)は側面図、(B)は端面図である。 図6は板組体を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 図7は板組体が挿入された筒状ケースを示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 図8は抜け止め部材を示す正面図である。 図9は第2実施形態の触媒メタル担体を示す正面図である。 図10は図9のX−X線に沿う断面図である。 図11は筒状ケースを示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 図12はフィン形成体を示す正面図である。 図13は抜け止め部材を示す正面図である。
(第1実施形態)(図1乃至図8)
図1、図2に示す触媒メタル担体1は、自動車エンジンの排気ポートに連通する排気管の出口端部(中間部でも可)に接続されて用いられる。触媒メタル担体1は、円筒状等の筒状ケース10が形成する排気通路11の内部に金属製のフィン形成体20が配置され、フィン形成体20が有する多数個の板状のフィン21の表面に触媒を担持して構成される。
触媒メタル担体1は、エンジン回転の上昇、下降の度に加熱冷却がくり返され、空冷下の筒状ケース10に拘束されるフィン形成体20の各フィン21と該筒状ケース10との接合部には大きな熱歪に基づく大きな熱応力ひいては熱疲労を発生させ易く、厳しい熱的環境にある。触媒メタル担体1が自動車エンジンの過酷な長時間連続使用環境下で使用されるときには、フィン形成体20を構成する各フィン21は、高負荷運転による高温排ガスの高熱に曝され、或いは触媒の反応による発熱を受けて熱せられ、更には付着した未燃ガスが爆発して生ずるアフターファイヤによって過熱され、一層大きな熱歪を生ずる。
また、触媒メタル担体1は、激しい車体及びエンジンの振動に起因する激しい振動が繰り返し付与され、フィン形成体20の各フィン21と筒状ケース10との接合部には大きな繰り返し応力を発生させ易く、厳しい振動環境にある。
触媒メタル担体1は、以上のような過酷な熱的環境及び振動環境で使用されても、高い耐久性を確保するため、筒状ケース10、フィン形成体20、及び抜け止め部材40を以下の如くに組立てて構成される。
(筒状ケース10)
筒状ケース10は、図1、図2、図7に示す如く、例えばステンレス鋼板の帯状材(例えばSUS430材、板厚1.5mm)を円筒状に曲げ成形し、その両端部が突き合せ状態でTIG溶接等で溶接されて形成される(溶接部W1)。
(フィン形成体20)
フィン形成体20は、図1、図2、図7に示す如く、多数個の例えばステンレス鋼板からなる板状フィン21を有し、各フィン21がその板長手方向で筒状ケース10の内周面に交差し、かつその板幅方向で筒状ケース10の筒軸方向に沿うように排気通路11内に延在され、相隣るフィン21によって該排気通路11内に多数の小排気流路12を区画する。
本実施形態のフィン形成体20は、複数枚のステンレス鋼板の板31(第1と第2の板31A、31B)を組合せた板組体30から構成され、それらの板31によって各フィン21を形成するものとしている。板組体30を構成する各板31(第1と第2の板31A、31B)は、本実施形態では、図3に示す如くのプレス成形体により形成される。
ここで、フィン形成体20を構成する本実施形態の板組体30は、第1と第2の小組体30A、30Bからなる。第1の小組体30Aは第1の板31Aを有して構成され、第2の小組体30Bは第2の板31Bを有して構成される。各小組体30A、30Bのそれぞれは、図4に示す如く、3枚の板31A、31Bのそれぞれが互いに三角形をなすように突き合され、当該三角形の各頂部で、相突き合される2枚の板31Aと板31A、又は板31Bと板31Bが板長手方向の両端部においてそれらの板幅方向の両端部に図3に示す如くに設けた折れ曲がり状先端部31Fを、図5に示したステンレス鋼板の取付板32の板幅方向の中央部における板長手方向の両端部に設けた切欠溝部32Fに差し込み、この切欠溝部32Fに差し込まれた各2枚の板31A又は板31Bの先端部31Fと取付板32とがTIG溶接等で溶接された小組体となる(溶接部W2)。
また、本実施形態の板組体30において、第1と第2の板31A、31Bは、図3に示す如く、それらの板幅方向に沿う一端部から中間部に渡るスリット31Sを備える。そして、板組体30を構成する小組体30A、30Bは、図6に示す如く、一方の小組体30Aにおける板31Aの中実部が他方の小組体30Bにおける板31Bのスリット31Sに嵌合され、他方の小組体30Bにおける板31Bの中実部が一方の小組体30Aにおける板31Aのスリット31Sに嵌合され、それらの各嵌合部でそれらの板31A、31BがTIG溶接等で溶接されて板組体30を構成するものになる(溶接部W3)。
更に、フィン形成体20にあっては、各フィン21における筒状ケース10の内周面に交差する端部(本実施形態では、板組体30における板31(第1と第2の板31A、31B)の先端部)31Fが、筒状ケース10の内周面に固定されるとともに、該フィン21の板長手方向の中間部に熱歪吸収用の曲がり部21R(本実施形態では板31(31A、31B)の板長手方向の中間部に設けられたU字状曲がり部31R)が設けられる。
本実施形態において、フィン形成体20の各フィン21における筒状ケース10の内周面に交差する端部は、図7に示す如く、筒状ケース10の内周面に溶接止めされる。具体的には、フィン形成体20を構成する板組体30が筒状ケース10の内周面に嵌合するように挿入され、該板組体30を構成する各板31(31A、31B)の先端部31Fに設けた各取付板32が筒状ケース10の内周面に添設され、筒状ケース10において板組体30の各取付板32に対応する部位に設けられた溶接用孔部13において、それらの筒状ケース10と各取付板32とがTIG溶接等で溶接される(溶接部W4)。
但し、フィン形成体20の各フィン21における筒状ケース10の内周面に交差する端部は、筒状ケース10の内周面に溶接止めされず、加締め止め等されて固定されるものでも良い。
尚、本実施形態の触媒メタル担体1は、筒状ケース10の内部に、1個のフィン形成体20(第1と第2の小組体30A、30Bからなる板組体30)が配置された。但し、触媒メタル担体1にあっては、筒状ケース10の内部に、該筒状ケース10の排気通路11に沿う一端側から他端側に向けて順に並ぶ複数個のフィン形成体20が配置されるものとしても良い。
ここで、フィン形成体20を複数個使用し、筒状ケース10の排気通路11に沿う一端側から他端側に向けて相並ぶフィン形成体20を周方向で互いにθ度ずらして配置した場合、相並ぶフィン形成体20におけるそれらのフィン21端面の重なり合わない部分が排気通路11に露出し、触媒と排気ガスの接する表面積が増加することで、排気ガスの浄化性能が向上する。また互いのフィン21が重なり合わない部分を設けることで、上流側に配置されたフィン形成体20におけるフィン21の排気下流側に排気が流入可能な空間ができる。この空間ひとつひとつが排気の流れを細かく分割する排気の経路となり、排気通路11内では異なる経路を通る排気の流れ同士が干渉し合うことで流れが乱れて排気の抵抗となり、排気ガスがメタル担体1を通過する時間が長くなる。つまり触媒と排気ガスの接する時間が増加することにより、排気ガスの浄化性能がより一層向上する。
フィン形成体20を複数個使用し、筒状ケース10の排気通路11に沿う一端側から他端側に向けて相並ぶフィン形成体20を互いに周方向にずらさず(同一向き、かつそれらのフィン21が互いに重なり合うようにして)配置した場合、メタル担体1におけるフィン21とその相並ぶフィン21によって区画される小排気流路12の小排気流路面積は、フィン形成体20単体における小排気流路12の小排気流路断面積と等しく、相並ぶフィン形成体20においてそれらのフィン21を周方向で互いにθ度ずらして配置した場合に比べて小排気流路断面積を広く確保できるため、排気抵抗を低減でき、エンジン出力を向上できる。またメタル担体1の排気上流側から排気下流側にかけて、相並ぶフィン形成体20におけるそれらのフィン21が互いに同一位置で重なり合う状態は、フィン21の板幅方向長さを増加させることと同義であり、メタル担体1の内部において排気を整流する効果も得られるため、排気抵抗の低減はより顕著となる。
(抜け止め部材40)
抜け止め部材40は、フィン形成体20の筒状ケース10からの脱落を防止する。抜け止め部材40は、フィン形成体20に溶接等されて接合されることなく、該フィン形成体20における各フィン21の板幅方向の端面に添設される状態で、該筒状ケース10の少なくとも排気下流側の端部の内周面に固定され、フィン形成体20の少なくとも排気下流側への脱落を防止する。フィン形成体20が配置された筒状ケース10の排気上流側で、該筒状ケース10が接続される排気管の内径がそれらの筒状ケース10、フィン形成体20の外径よりも小径化されていて、該フィン形成体20の排気上流側への脱落が当該排気管の内径の存在によって防止されるならば、抜け止め部材40を筒状ケース10の排気上流側の端部に設けることは必ずしも要しない。
本実施形態の抜け止め部材40は、例えばステンレス鋼からなり、図8に示す如く、中心部41から周方向において例えば60度間隔を介して半径方向に延在される例えば6本の棒状部42を有するとともに、各棒状部42の先端部で周方向の両側に張り出て、該棒状部42とともにT字状をなす取付部43を有する。抜け止め部材40は、筒状ケース10の内周面に嵌合するように挿入され、各取付部43が筒状ケース10の内周面に添設され、該取付部43の周辺部(本実施形態では筒状ケース10の外方に臨む3箇所)が筒状ケース10の内周面にTIG溶接等で溶接される(溶接部W5)。このとき、抜け止め部材40の棒状部42は、フィン形成体20における各フィン21の前面に配置されるものの、それらのフィン21に接合されることなく、それらのフィン21に添設される。
ここで、触媒メタル担体1の組立手順は、例えば以下の通りになされる。
(1)板組体30からなるフィン形成体20を筒状ケース10の内周面に嵌合するように挿入する。そして、筒状ケース10と、フィン形成体20を構成する板組体30の取付板32とがTIG溶接等で溶接されて固定される。
(2)抜け止め部材40が筒状ケース10の排気下流側の端部からその内周面に嵌合するように挿入され、この抜け止め部材40の取付部43の周辺部が筒状ケース10の内周面にTIG溶接等で溶接される。
以上のようにして組立てられた触媒メタル担体1は、筒状ケース10の内周面、フィン形成体20及び抜け止め部材40の表面に、触媒(酸化触媒、還元触媒、又は三元触媒等)を塗布、焼付けられて担持するものになる。
従って、本実施形態の触媒メタル担体1によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)フィン形成体20の板状の各フィン21における筒状ケース10の内周面に交差する端部が、該筒状ケース10の内周面に、溶接止め又は加締め止め等されて固定されるとともに、該フィン21の板長手方向の中間部に、熱歪吸収用の曲がり部21Rが設けられる。
(b)自動車エンジンの過酷な使用環境下で、排ガス温度が高負荷運転によって例えば1000℃乃至1200℃程度の高温になる長時間連続使用環境下でも、この排ガス温度が溶接止め部の融点(例えばSUS430の1427〜1510℃)を超えることがなく、該溶接止め部が溶けることはないから、フィン形成体20を筒状ケース10に安定的に固定できる。
(c)自動車エンジンの過酷な使用環境下で、高負荷運転による高温の排ガスに曝されるフィン形成体20における各フィン21の熱歪は、当該フィン21の中間部に設けた曲がり部21Rの熱的変形によって吸収され、各フィン21の端部の溶接止め部又は加締め止め部に及ばない。従って、溶接止め部又は加締め止め部が空冷下の筒状ケース10と過熱状態の各フィン21との接合境界部に位置して厳しい熱的環境にあるにもかかわらず、それらの溶接止め部又は加締め止め部に大きな熱応力を発生させず、それらの溶接止め部又は加締め止め部を破壊させることがないから、フィン形成体20を筒状ケース10に安定的に固定できる。
(d)自動車の車体及びエンジンの振動が激しくなるときにも、この振動に起因してフィン形成体20に生ずる振動による破壊は、フィン形成体20における各フィン21の板厚を例えば0.8乃至3mmとし、フィン形成体20の強度を向上させることによって回避できるから、フィン形成体20を筒状ケース10に安定的に固定できる。
(e)前記筒状ケース10の内部に、該筒状ケース10の排気通路11に沿う一端側から他端側に向けて順に並ぶ複数個のフィン形成体20が配置される。触媒を担持する、筒状ケース10の全長に渡る内周面積、及び全フィン形成体20の合計表面積を増大化し、触媒メタル担体の浄化性能を向上できる。
(f)前記フィン形成体20の筒状ケース10からの脱落を防止する抜け止め部材40が、該フィン形成体20のフィン21に接合されることなく、該フィン形成体20を該筒状ケース10の筒軸方向に保持する状態で、該筒状ケース10の少なくとも排気下流側の端部に固定されて支持される。従って、前述(a)乃至(d)にもかかわらず、フィン形成体20と筒状ケース10との溶接止め部又は加締め止め部が万一破壊に至ったとしても、筒状ケース10の内周面から分離したフィン形成体20を抜け止め部材40によって抜け止めし、筒状ケース10からのフィン形成体20の脱落を確実に防止できる。
このとき、抜け止め部材40は、フィン形成体20のフィン21に接合されず、該フィン形成体20を筒状ケース10の筒軸方向に保持するのみで該フィン形成体20を抜け止めしている。従って、抜け止め部材40がフィン形成体20の各フィン21に溶接等されて固定されるものに比して、各フィン21における板長手方向の変形が抜け止め部材40との係わりによって拘束されることがなく、各フィン21の曲がり部21Rによる前述(c)における各フィン21の熱歪の吸収効果を阻害しない。
(g)前記フィン形成体20が複数枚の金属製の板を組合せた板組体30からなるものとすることにより、各フィン21を例えば板厚0.8乃至3mm、より好適には1乃至2mmの板状とし、フィン形成体20の耐熱強度、耐振動強度等を確保し、触媒メタル担体1の耐久性を容易に確保できる。
(第2実施形態)(図9乃至図13)
図9、図10に示す触媒メタル担体2が、前記触媒メタル担体1と実質的に異なる点は、フィン形成120が有する多数個の板状のフィン121が一体をなすように削り出された一体物からなるものとしたことにある。
即ち、触媒メタル担体2は、自動車エンジンの排気ポートに連通する排気管の出口端部(中間部でも可)に接続されて用いられる。触媒メタル担体2は、円筒状等の筒状ケース110が形成する排気通路111の内部に金属製のフィン形成体120が配置され、フィン形成体120が有する多数個の板状のフィン121の表面に触媒を担持して構成される。
触媒メタル担体2は、エンジン回転の上昇、下降の度に加熱冷却がくり返され、空冷下の筒状ケース110に拘束されるフィン形成体120の各フィン121と該筒状ケース110との接合部には大きな熱歪に基づく大きな熱応力ひいては熱疲労を発生させ易く、厳しい熱的環境にある。触媒メタル担体2が自動車エンジンの過酷な長時間連続使用環境下で使用されるときには、フィン形成体120を構成する各フィン121は、高負荷運転による高温排ガスの高熱に曝され、或いは触媒の反応による発熱を受けて熱せられ、更には付着した未燃ガスが爆発して生ずるアフターファイヤによって過熱され、一層大きな熱歪を生ずる。
また、触媒メタル担体2は、激しい車体及びエンジンの振動に起因する激しい振動が繰り返し付与され、フィン形成体120の各フィン121と筒状ケース110との接合部には大きな繰り返し応力を発生させ易く、厳しい振動環境にある。
触媒メタル担体2は、以上のような過酷な熱的環境及び振動環境で使用されても、高い耐久性を確保するため、筒状ケース110、フィン形成体120、及び抜け止め部材140を以下の如くに組立てて構成される。
(筒状ケース110)
筒状ケース110は、図9、図10、図11に示す如く、例えばステンレス鋼板の帯状材(例えばSUS430材、板厚1.5mm)を円筒状に曲げ成形し、その両端部が突き合せ状態でTIG溶接等で溶接されて形成される(溶接部W1)。
(フィン形成体120)
触媒メタル担体2は、図9、図10、図12に示す如く、多数個の例えばステンレス鋼板の板状フィン121を有し、各フィン121がその板長手方向で筒状ケース110の内周面に交差し、かつその板幅方向で筒状ケース110の筒軸方向に沿うように排気通路111内に延在され、相隣るフィン121によって該排気通路111内に多数の小排気流路112を区画する。
本実施形態のフィン形成体120は、多数個の板状のフィン121が一体をなすように削り出された一体物から構成される。フィン形成体120は、本実施形態ではステンレス鋼の板材或いはブロック体からレーザー加工によって削り出されて形成される。
ここで、本実施形態のフィン形成体120は、図12に示す如く、多数個(本実施形態では12個)の板状のフィン121を中心部122から周方向に一定の間隔(本実施形態では30度間隔)を介して半径方向に延在され、各フィン121の先端部につながって該フィン121を囲む外環部123を有する。フィン121と中心部122と外環部123が一体物をなす。
更に、フィン形成体120にあっては、各フィン121における筒状ケース110の内周面に交差する端部が、外環部123ととともに、該筒状ケース110の内周面に固定されるとともに、該フィン121の板長手方向の中間部に熱歪吸収用の曲がり部(本実施形態では、U字状曲がり部)121Rが設けられる。尚、フィン形成体120は、外環部123の周方向に一定間隔をなす複数位置(本実施形態では3位置)で該外環部123を周方向において切離した、熱歪吸収用の切離部123Rを備える。
本実施形態において、フィン形成体120における筒状ケース110の内周面に固定される外環部123は、筒状ケース110の内周面に溶接止めされる。具体的には、筒状ケース110の周方向に一定間隔をなす複数位置(本実施形態では4位置)に設けられるスリット部113において、それらの筒状ケース110と外環部123の外周面とがTIG溶接等で溶接される(溶接部W2)。
尚、フィン形成体120にあっては、各フィン121の先端部につながる外環部123を備えないとき、各フィン121の先端部を直接的に筒状ケース110の内周面に固定しても良い。
また、フィン形成体120において、各フィン121の先端部を直接的に筒状ケース110の内周面に固定し、又は各フィン121の先端部につながる外環部123を筒状ケース110の内周面に固定する手段は、溶接止めに限らず、加締め止め等されても良い。
更に、本実施形態の触媒メタル担体2は、筒状ケース110の内部に、該筒状ケース110の排気通路111に沿う一端側から他端側に向けて順に並ぶ複数個(本実施形態では4個)のフィン形成体120が配置される。このとき、相隣るフィン形成体120は、それらのフィン121を周方向で互いにθ度(図9)(本実施形態では15度)ずらして配置される。
ここで、フィン形成体120を複数個使用し、筒状ケース110の排気通路111に沿う一端側から他端側に向けて相並ぶフィン形成体120を周方向で互いにθ度ずらして配置した場合、相並ぶフィン形成体120におけるそれらのフィン121端面の重なり合わない部分が排気通路111に露出し、触媒と排気ガスの接する表面積が増加することで、排気ガスの浄化性能が向上する。また互いのフィン121が重なり合わない部分を設けることで、上流側に配置されたフィン形成体120におけるフィン121の排気下流側に排気が流入可能な空間ができる。この空間ひとつひとつが排気の流れを細かく分割する排気の経路となり、排気通路111内では異なる経路を通る排気の流れ同士が干渉し合うことで流れが乱れて排気の抵抗となり、排気ガスがメタル担体1を通過する時間が長くなる。つまり触媒と排気ガスの接する時間が増加することにより、排気ガスの浄化性能がより一層向上する。
尚、複数個の相並ぶフィン形成体120は、周方向で互いにずらすものに限らず、互いに反転して配置し、互いに反転し、かつ周方向にずらして配置し、或いは互いに反転させず、かつ周方向でずらさずに配置しても良い。
フィン形成体120を複数個使用し、筒状ケース110の排気通路111に沿う一端側から他端側に向けて相並ぶフィン形成体120を表裏交互に反転して配置した場合、相並ぶフィン形成体120におけるそれらのフィン121端面の重なり合わない部分が排気通路111に露出し、触媒と排気ガスの接する表面積が増加することで、排気ガスの浄化性能が向上する。また互いのフィン121が重なり合わない部分を設けることで、上流側に配置されたフィン形成体120におけるフィン121の排気下流側に排気が流入可能な空間ができる。この空間ひとつひとつが排気の流れを細かく分割する排気の経路となり、排気通路111内では異なる経路を通る排気の流れ同士が干渉し合うことで流れが乱れて抵抗となり、排気ガスがメタル担体1を通過する時間が長くなる。つまり触媒と排気ガスの接する時間が増加することにより、排気ガスの浄化性能がより一層向上する。
フィン形成体120を複数個使用し、筒状ケース110の排気通路111に沿う一端側から他端側に向けて相並ぶフィン形成体120を表裏交互に反転し、かつ相並ぶフィン形成体120を周方向で互いにθ度ずらして配置した場合、相並ぶフィン形成体120におけるそれらのフィン121端面の重なり合わない部分が排気通路111に露出し、触媒と排気ガスの接する表面積が増加することで、排気ガスの浄化性能が向上する。また互いのフィン121が重なり合わない部分を設けることで、上流側に配置されたフィン形成体120におけるフィン121の排気下流側に排気が流入可能な空間ができる。この空間ひとつひとつが排気の流れを細かく分割する排気の経路となり、排気通路111内では異なる経路を通る排気の流れ同士が干渉し合うことで流れが乱れて排気の抵抗となり、排気ガスがメタル担体1を通過する時間が長くなる。つまり触媒と排気ガスの接する時間が増加することにより、排気ガスの浄化性能がより一層向上する。
フィン形成体120を複数個使用し、筒状ケース110の排気通路111に沿う一端側から他端側に向けて相並ぶフィン形成体120を互いに反転させず、かつ周方向でずらさずに(同一向き、かつそれらのフィン121が互いに重なり合うようにして)配置した場合、メタル担体2におけるフィン121とその相並ぶフィン121によって区画される小排気流路112の小排気流路断面積は、フィン形成体120単体における小排気流路112の小排気流路断面積と等しく、相並ぶフィン形成体120を表裏交互に反転した場合や、相並ぶフィン形成体120においてそれらのフィン121を周方向で互いにθ度ずらして配置した場合、あるいはそれら両方を組み合わせた場合に比べて小排気流路断面積を広く確保できるため、排気抵抗を低減でき、エンジン出力を向上できる。またメタル担体2の排気上流側から排気下流側にかけて、相並ぶフィン形成体120におけるそれらのフィン121が互いに同一位置で重なり合う状態は、フィン121の板幅方向長さを増加させることと同義であり、メタル担体2の内部において排気を整流する効果も得られるため、排気抵抗の低減はより顕著となる。
(抜け止め部材140)
抜け止め部材140は、フィン形成体120の筒状ケース110からの脱落を防止する。抜け止め部材140は、フィン形成体120に溶接等されて接合されることなく、該フィン形成体120における各フィン121の板幅方向の端面に添設される状態で、該筒状ケース110の少なくとも排気下流側の端部の内周面に固定され、フィン形成体120の少なくとも排気下流側への脱落を防止する。フィン形成体120が配置された筒状ケース110の排気上流側で、該筒状ケース110が接続される排気管の内径がそれらの筒状ケース110、フィン形成体120の外径よりも小径化されていて、該フィン形成体120の排気上流側への脱落が当該排気管の内径の存在によって防止されるならば、抜け止め部材140を筒状ケース110の排気上流側の端部に設けることは必ずしも要しない。
本実施形態の抜け止め部材140は、例えばステンレス鋼からなり、図13に示す如く、中心部141から周方向において例えば120度間隔を介して半径方向に延在される例えば3本の棒状部142を有するとともに、各棒状部142の先端部で周方向の両側に張り出て、該棒状部142とともにT字状をなす取付部143を有する。抜け止め部材140は、筒状ケース110の内周面に嵌合するように挿入され、各取付部143が筒状ケース110の内周面に添設され、該取付部143の周辺部(本実施形態では筒状ケース110の外方に臨む3箇所)が筒状ケース110の内周面にTIG溶接等で溶接される(溶接部W3)。このとき、抜け止め部材140の棒状部142は、フィン形成体120における各フィン121の前面に配置されるものの、それらのフィン121に接合されることなく、それらのフィン121に添設される。
ここで、触媒メタル担体2の組立手順は、例えば以下の通りになされる。
(1)フィン形成体120を筒状ケース110の内周面へ嵌合するように挿入する。そして、筒状ケース110と、フィン形成体120の外環部123の外周面とがTIG溶接等で溶接されて固定される。
(2)抜け止め部材140が筒状ケース110の排気上流側と排気下流側の両外側からその内周面に嵌合するように挿入され、この抜け止め部材140の取付部143の周辺部が筒状ケース110の内周面にTIG溶接等で溶接されて固定される。
以上のようにして組立てられた触媒メタル担体2は、筒状ケース110の内周面、フィン形成体120及び抜け止め部材140の表面に、触媒(酸化触媒、還元触媒、又は三元触媒等)を塗布、焼付けられて担持するものになる。
従って、本実施形態の触媒メタル担体2によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)フィン形成体120の板状の各フィン121における筒状ケース110の内周面に交差する端部が、該筒状ケース110の内周面に、溶接止め又は加締め止め等されて固定されるとともに、該フィン121の板長手方向の中間部に、熱歪吸収用の曲がり部121Rが設けられる。
(b)自動車エンジンの過酷な使用環境下で、排ガス温度が高負荷運転によって例えば1000℃乃至1200℃程度の高温になる長時間連続使用環境下でも、この排ガス温度が溶接止め部の融点(例えばSUS430の1427〜1510℃)を超えることがなく、該溶接止め部が溶けることはないから、フィン形成体120を筒状ケース110に安定的に固定できる。
(c)自動車エンジンの過酷な使用環境下で、高負荷運転による高温の排ガスに曝されるフィン形成体120における各フィン121の熱歪は、当該フィン121の中間部に設けた曲がり部121Rの熱的変形によって吸収され、各フィン121の端部の溶接止め部又は加締め止め部に及ばない。従って、溶接止め部又は加締め止め部が空冷下の筒状ケース110と過熱状態の各フィン121との接合境界部に位置して厳しい熱的環境にあるにもかかわらず、それらの溶接止め部又は加締め止め部に大きな熱応力を発生させず、それらの溶接止め部又は加締め止め部を破壊させることがないから、フィン形成体120を筒状ケース110に安定的に固定できる。
(d)自動車の車体及びエンジンの振動が激しくなるときにも、この振動に起因してフィン形成体120に生ずる振動による破壊は、フィン形成体120における各フィン121の板厚を例えば0.8乃至3mmとし、フィン形成体120の強度を向上させることによって回避できるから、フィン形成体120を筒状ケース110に安定的に固定できる。
(e)前記筒状ケース110の内部に、該筒状ケース110の排気通路111に沿う一端側から他端側に向けて順に並ぶ複数個のフィン形成体120が配置される。触媒を担持する、筒状ケース110の全長に渡る内周面積、及び全フィン形成体120の合計表面積を増大化し、触媒メタル担体の浄化性能を向上できる。
(f)前記フィン形成体120の筒状ケース110からの脱落を防止する抜け止め部材140が、該フィン形成体120のフィン121に接合されることなく、該フィン形成体120を該筒状ケース110の筒軸方向に保持する状態で、該筒状ケース110の少なくとも排気下流側の端部に固定される。従って、前述(a)乃至(d)にもかかわらず、フィン形成体120と筒状ケース110との溶接止め部又は加締め止め部が万一破壊に至ったとしても、筒状ケース110の内周面から分離したフィン形成体120を抜け止め部材140によって抜け止めし、筒状ケース110からのフィン形成体120の脱落を確実に防止できる。
このとき、抜け止め部材140は、フィン形成体120のフィン121に接合されず、該フィン形成体120を筒状ケース110の筒軸方向に保持するのみで該フィン形成体120を抜け止めしている。従って、抜け止め部材140がフィン形成体120の各フィン121に溶接等されて固定されるものに比して、各フィン121における板長手方向の変形が抜け止め部材140との係わりによって拘束されることがなく、各フィン121の曲がり部121Rによる前述(c)における各フィン121の熱歪の吸収効果を阻害しない。
(g)前記フィン形成体120が、多数個の板状のフィン121が一体をなすように削り出された一体物からなるものとすることにより、各フィン121を例えば板厚0.8乃至3mm、より好適には1乃至2mmの板状とし、フィン形成体120の耐熱強度、耐振動強度等を確保し、触媒メタル担体の耐久性を容易に確保できる。
(h)前記フィン形成体120が、多数個の板状のフィン121とともに一体をなしてそれらのフィン121につながって該フィン121を囲む外環部123を有し、この外環部123が筒状ケース110の内周面に固定される。一体物をなすフィン形成体120の各フィン121における筒状ケース110の内周面に交差する端部を、該端部につながる外環部123を介して、筒状ケース110の内周面に単純かつ確実に固定できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、フィン形成体において、各フィンの板長手方向の中間部に設けられる曲がり部は、当該フィンの板長手方向の中間一か所に限らず、中間複数か所のそれぞれに設けられても良い。
また、触媒メタル担体を構成する筒状ケース、フィン形成体、及び抜け止め部材等の構成材料は、耐熱性に優れるものであれば特に限定されない。
本発明によれば、過酷な使用環境下で高い耐久性を確保できる触媒メタル担体を提供することができる。
1、2 触媒メタル担体
10、110 筒状ケース
11、111 排気通路
12、112 小排気流路
20、120 フィン形成体
21、121 フィン
21R、121R 曲がり部
123 外環部
123R 切離部
30 板組体
30A、30B 小組体
31、31A、31B 板
31S スリット
40、140 抜け止め部材

Claims (12)

  1. 筒状ケースが形成する排気通路の内部に金属製のフィン形成体が配置されてなる触媒メタル担体であって、
    フィン形成体が表面に触媒を担持して構成される板状のフィンを有し、フィンがその板長手方向で筒状ケースの内周面に交差するように排気通路内に延在され、該フィンにおける筒状ケースの内周面に交差する端部が該筒状ケースの内周面に固定され、
    該フィン形成体のフィンによって排気通路内に小排気流路を区画し、該フィンの当該小排気流路に接する板長手面における板長手方向の一端部から他端部の間の中間部に、該フィンの当該板長手面における板長手方向に生ずる熱歪を吸収するためのU字状曲がり部が設けられ
    該U字状曲がり部は、該フィンの該板長手面における該中間部に板長手方向の両側で連なる両側部分に対し、折れ曲がり状をなしてつながる触媒メタル担体。
  2. 前記U字状曲がり部は、前記フィンの前記板長手面における前記中間部に板長手方向の両側で連なる両側直線状部分に対し、折れ曲がり状をなしてつながる請求項1に記載の触媒メタル担体。
  3. 前記フィン形成体が複数枚の板状のフィンを有し、各フィンによって排気通路内に複数の小排気流路を区画し、
    各フィンが、それらの板長手面における板長手方向の中間部で、それらの各小排気流路を区画する部分毎に前記U字状曲がり部を備えてなる請求項1又は2に記載の触媒メタル担体。
  4. 前記フィン形成体を構成するフィンの板厚が0.8乃至3mmとされる請求項1乃至3のいずれかに記載の触媒メタル担体。
  5. 前記フィン形成体のフィンにおける筒状ケースの内周面に交差する端部が該筒状ケースの内周面に溶接止めされる請求項1乃至4のいずれかに記載の触媒メタル担体。
  6. 前記フィン形成体の筒状ケースからの脱落を防止する抜け止め部材が、該フィン形成体のフィンに接合されることなく、該フィン形成体を該筒状ケースの筒軸方向に保持する状態で、該筒状ケースに支持される請求項1乃至5のいずれかに記載の触媒メタル担体。
  7. 前記筒状ケースの内部に、該筒状ケースの排気通路に沿う一端側から他端側に向けて順に並ぶ複数個のフィン形成体が配置される請求項1乃至6のいずれかに記載の触媒メタル担体。
  8. 前記フィン形成体が複数枚の板状のフィンを組合せた板組体からなる請求項1乃至のいずれかに記載の触媒メタル担体。
  9. 前記板組体を構成する各フィンが、プレス成形体からなる請求項に記載の触媒メタル担体。
  10. 前記フィン形成体が、複数枚の板状のフィンが一体をなすように削り出された一体物からなる請求項1乃至のいずれかに記載の触媒メタル担体。
  11. 前記フィン形成体が、複数枚の板状のフィンとともに一体をなしてそれらのフィンにつながって該フィンを囲む外環部を有し、この外環部が筒状ケースの内周面に固定される請求項10に記載の触媒メタル担体。
  12. 前記フィン形成体が、外環部に、該外環部を周方向において切離した熱歪吸収用の切離部を備える請求項11に記載の触媒メタル担体。
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