JP6830799B2 - 身体状態情報推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、利用者の運動情報から身体の状態に関する情報を推定する、身体状態情報推定方法、身体状態情報推定プログラム、身体状態情報推定装置及び身体状態情報推定システムに関する。
高血圧や脂質異常症、糖尿病等といった成人病は、本人の自覚がないまま進行し、放置すれば動脈硬化を引き起こして心筋梗塞や脳梗塞等を引き起こすことが知られている。このような症状は、メタボリック症候群とも呼ばれていて、肥満と関係することから腹囲や内臓脂肪面積が予測因子として利用できる。また、高齢になるにしたがって筋肉量が減少し、疾病ではないものの、腰痛や膝痛、転倒といった運動機能に関する不調が表れることがある。このような運動機能の不調は、ロコモティブ症候群とも呼ばれている。メタボリック症候群やロコモティブ症候群を予防、改善するためには、本人が自身の体の脂肪や筋肉量といった身体組成を自覚することが有効である。
身体組成を測定する機器としては、DEXA(Dual−Energy X−ray Absorptiometry)やCT(Computed Tomography)がある。ただし、このような機器は、いずれも医療機関にしか置かれていないため、利用者が頻繁に利用して身体組成を日常的にチェックすることには使い難い。
また、DEXAやCTよりも簡易な構成として、生体に微弱な電流を流してインピーダンスを測定することにより身体組成を測定する比較的小型の装置も市販されている。このような小型の装置を使用した測定結果に基づいて身体組成を測定する公知技術は、例えば、特許文献1に記載されている。
さらに、身体組成を測定する機器を使用せず、被験者の活動度を時系列で計測することによって被験者の状態変化を検出する生体解析装置が特許文献2に記載されている。
特開2004−254741号公報 特開2008−67892号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているインピーダンスの計測は、心臓にペースメーカーが入っている者や妊婦には使用することができない。また、身体組成を毎日計測することが習慣化できない利用者もいる。さらに、特許文献2に記載されている技術は、利用者の状態を継続的に計測し、この変化を検出するものに過ぎない。したがって、特許文献2には、計測によって得られたデータを利用者の身体組成と関連付けることは一切記載されていない。
本発明は、利用者が習慣的に自身の身体組成をはじめとする身体を知ることができる身体状態情報推定方法、身体状態情報推定プログラム、身体状態情報推定装置及び身体状態情報推定システムを提供することを目的とする。
本発明の身体状態情報推定方法は、少なくとも、予め取得された複数の被験者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する被験者運動情報と、前記被験者の身体に関する被験者身体状態情報と、の関連性を表す身体状態関連情報に、利用者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する利用者運動情報を適用して前記利用者の身体状態情報を推定する身体状態情報推定工程を含むことを特徴とする。
本発明の身体状態情報推定プログラムは、少なくとも、予め取得された複数の被験者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する被験者運動情報と、前記被験者の身体状態情報と、の関連性を表す身体状態関連情報に、利用者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する利用者運動情報を適用して前記利用者の身体状態情報を推定する身体状態情報推定方法ステップを含むことを特徴とする。
本発明の身体状態情報推定装置は、少なくとも、予め取得された複数の被験者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する被験者運動情報と、前記被験者の身体に関する被験者身体状態情報と、の関連性を表す身体状態関連情報に、利用者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する利用者運動情報を適用して前記利用者の身体状態情報を推定する身体状態情報推定部を含むことを特徴とする。
本発明の身体状態情報推定システムは、利用者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する利用者運動情報を取得する運動情報取得装置と、前記運動情報取得装置から前記利用者運動情報を入力し、前記利用者運動情報に基づいて前記利用者の身体に関する身体状態情報を推定する上記身体状態情報推定装置と、を含むことを特徴とする。
以上説明した本発明は、身体組成を直接計測する機器を用いることなく、習慣的に自身の身体組成を知ることができる身体状態情報推定方法、身体状態情報推定プログラム、身体状態情報推定装置及び身体状態情報推定システムを提供することができる。
本発明の一実施形態の身体状態情報推定装置を説明するための図である。 図2(a)、図2(b)は、本発明の一実施形態の身体状態情報推定システムの構成を例示した図である。 本発明の一実施形態の身体状態情報のうち、内臓脂肪面積の実測値と推定値との関係を示した図である。 本発明の一実施形態の身体状態情報のうち、骨格筋指数の実測値と推定値との関係を示した図である。 本発明の一実施形態のメッセージを例示した図である。 本発明の一実施形態の身体状態情報推定方法を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
[身体状態情報推定装置及び身体状態情報推定システム]
(身体状態情報推定装置)
図1は、本実施形態の身体状態情報推定装置10を説明するための図である。身体状態情報推定装置10は、身体状態情報推定装置の利用者(以下、単に「利用者」と記す)が行った運動及びこの運動が行われた時間帯に関する運動情報に基づいて利用者の身体状態情報を推定する身体状態情報推定部132を備えている。身体状態情報の推定は、少なくとも、予め取得された複数の被験者(以下、単に「被験者」と記す)が行った運動及びこの運動が行われた時間帯に関する運動情報と、被験者の身体状態情報と、の関連性を表す身体状態関連情報に、利用者の運動情報を適用して行われる。
上記記載において、「被験者」とは、身体状態関連情報を作成するための運動情報及び身体状態情報を提供した者をいい、利用者とは、この身体状態関連情報を利用した身体状態情報推定方法を利用する者をいう。「運動」とは、被験者及び利用者が意識して身体を動かすことを指す。「時間帯」とは、運動の開始の時刻と終了の時刻とによって定義される時間である。「運動情報」とは、被験者が行った運動の量や強度等と、この運動が行われた時間帯とを対応付ける情報である。
運動の量は、例えば、運動が継続して行われた時間や身体を動かす動作の回数及び消費カロリー等によって表されるものであってもよい。運動強度は、例えば、酸素摂取量や心拍数によって定義するものであってもよい。運動強度の表現としては、安静時の酸素摂取量や心拍数を基準にする「METs」が知られていて、直接測定されたパラメータをMETsに換算して使用するものであってもよい。
「身体状態情報」は、人の身体の状態を示す情報であって、具体的には、体の脂肪や筋肉等の組成に関する身体組成情報や、腹囲や腰の周長といった身体のサイズに関するサイズ情報が挙げられる。「身体状態関連情報」は、被験者の身体状態情報と、この被験者が行った運動の運動情報とを対応付ける情報である。
身体状態情報推定装置10は、身体状態情報を推定するために、利用者運動情報を取得する加速度センサ11、制御部13、表示部15、タイマ17、関連情報蓄積用メモリ19及び入力部21を備えている。
(加速度センサ)
加速度センサ11は、x、y、zの3軸方向の加速度を検出するセンサであって、y軸方向を重力方向として身体状態情報推定装置10、ひいては利用者にかかる加速度を検出している。このような加速度センサ11としては、例えば、スズケン社のライフコーダ(登録商標)EXや、ライフコーダPLUS等が使用される。ただし、加速度センサ11は、一軸センサであってもよい。加速度センサ11を使って運動情報を取得する本実施形態では、利用者の歩行動作を運動として計測している。歩行を計測する場合、加速度センサ11は、利用者の腰付近に装着される。
なお、本実施形態は、歩行以外の運動を運動情報の取得に採用してもよい。歩行以外の運動としては、例えば、腕立て伏せ等が考えられる。腕立て伏せの回数や速度を計測する場合には、加速度センサ11を利用者の上腕付近に装着することが考えられる。
(制御部)
制御部13は、運動情報作成部131、身体状態情報推定部132及びメッセージ作成部133を備えている。運動情報作成部131は、加速度センサ11が取得した加速度データを入力する。そして、加速度データから利用者の歩行の歩数とその運動強度(以下、「歩行強度」とも記す)を検出する。なお、歩行強度は、例えば、歩行の「速度」により検出してもよい。
さらに、歩数または歩行強度にタイマ17から取得した時刻の情報を対応つけて運動情報を作成する。このような制御部13は、所謂コンピュータであり、図示しないCPU(Central Processing Unit)やデータ蓄積用のメモリ及びワーキングメモリといった公知の構成を備えている。運動情報作成部131、身体状態情報推定部132及びメッセージ作成部133は、各々、制御部13上において、所定の機能を発揮するハードウェア及びこのハードウェアを制御するプログラムにより構成される。
運動情報作成部131は、加速度センサ11から出力された加速度信号を読み取り、以下に説明するように各種の演算処理によって運動の量及び運動強度を算出する。本実施形態は、運動量として歩行の歩数を加速度が加わった回数によって計測する。また、運動の強度を歩行強度とし、歩行強度を加わった加速度の強さによって計測する。
運動情報作成部131は、加速度センサ11で取得した加速度信号から重力方向の加速度成分を抽出してもよい。加速度信号から歩数や速度を算出する演算処理はこれまで各種が提案されており特に限定されない。以下に例を示す。
はじめに、運動情報作成部131は、加速度センサ11から逐次出力される加速度信号を電圧信号に変換し、デジタル変換及びノイズ除去し、三軸加速度の合成または重力方向成分の抽出等の処理を行って加速度データを生成する。なお、本実施形態において加速度とは、地球の重力加速度の影響を除去したものをいう。すなわち、歩行中の利用者には重力加速度と併せて1G以上の加速度(例えば1.2G)が負荷される。ただし、運動情報作成部131は、計測された加速度から重力加速度の影響を適宜排除した値(この場合、0.2G)を加速度として取得してもよい。
歩数を計測する場合、運動情報作成部131は、加速度データを閾値と比較して加速度の値が閾値を上回ったことにより利用者の歩行を計測する。歩行の計測回数は、歩数としてカウントされる。また、歩行の運動強度を計測する場合、運動情報作成部131は、加速度データを閾値と比較して加速度の大きさを判定し、その判定結果に基づいて運動強度を算出する。閾値は運動情報作成部131に予め記憶されている。運動情報作成部131は、加速度センサ11が装着された状態で活動する利用者から加速度を常時計測し、所定の時間間隔(以下、強度決定間隔という)毎に時々刻々と歩数や歩行による運動強度を算出する。
本実施形態では、運動情報作成部131が、計測された加速度データをその大きさに基づいて例えば0から9及び0.5の11段階に分類する。分類された加速度データは、強度決定間隔の間に計測されたデータを1単位として前記したデータ蓄積用のメモリに記憶される。
強度決定間隔は、1秒以上10秒以下、たとえば4秒間や6秒間等とすることができる。強度決定間隔を10秒以下とすることで、利用者の運動を詳細に解析することができる。
運動情報作成部131は、強度決定間隔毎に加速度センサ11からの加速度信号に基づいて1個または複数個の加速度データを生成して加速度の大きさを判定する。好ましくは、強度決定間隔毎に複数個の加速度データを生成してそれぞれ加速度の大きさを判定するとよい。この場合、加速度センサ11が加速度信号を取得するサンプリング間隔は、上記の強度決定間隔よりも短く設定し、より好ましくは強度決定間隔の時間内に加速度センサ11は加速度信号を複数回に亘って計測するように設定する。このため、強度決定間隔を1秒以上とすることで、加速度センサ11のサンプリング間隔を過度に短くすることなく、強度決定間隔の時間内に多くの加速度信号を加速度センサ11で計測することができる。
運動情報作成部131は、判定された加速度の大きさ毎の発生回数に基づいて、強度決定間隔の時間内における利用者の運動強度を決定する。これにより、瞬間的に大きな加速度が検出されたことに起因して運動強度が過大に判定されることが抑制される。また、検出された加速度の大きさが同等であっても、加速度の発生頻度の大小に基づいて運動強度を異なる強度段階に区別することができる。
運動情報作成部131は、強度決定間隔の時間内にカウントされた加速度を平均して運動強度を決定してもよい。これにより、利用者が立ち上がったり倒れたりした瞬間に記録される大きな加速度によって過度に高い運動強度が計測されることが防止される。このようにして、運動情報作成部131は強度決定間隔毎に、この強度決定間隔の時間内に取得された複数個の加速度データに基づいて1個の運動強度を生成することができる。
身体状態情報推定部132は、関連情報蓄積用メモリ19から身体状態関連情報を読み出す。そして、身体状態関連情報に運動情報作成部131が作成した運動情報を適用して利用者の身体状態情報を推定する。なお、身体状態関連情報については、後に詳述する。
メッセージ作成部133は、利用者の運動情報を被験者の身体状態情報及び被験者の運動情報と比較して、利用者に運動及びこの運動を行う時間帯を示唆するアドバイス情報を含んだメッセージを作成する。アドバイス情報の作成にあたっては、入力部21を介して利用者が予め入力した目標値や条件を使用することもできる。利用者の目標値とは、例えば、利用者が目標とする脂肪や筋力の身体状態情報が挙げられる。また、条件としては、利用者が希望する運動量または運動強度の上限値が挙げられる。入力部21は、キーボード、ペンタブ、タッチパネル、音声入力装置など、種々のものを用いることができる。
メッセージ作成部133は、利用者の身体状態情報が目標の身体状態情報に近づき、かつ上限値を超えないように運動を行うアドバイス情報を作成する。メッセージ作成部133によって作成されたアドバイス情報を含むメッセージは、表示部15に出力され、表示される。表示部15として、公知のディスプレイ装置を用いることができる。また、本実施形態では、メッセージを表示部15にテキストで表示させる構成に限定されるものでなく、それに替えてあるいはそれに加えて、運動すべき時間帯や運動量等を音声や光で利用者に通知することもできる。
このような本実施形態の身体状態情報推定装置10は、例えば、歩数計機能を持ったスマートフォンとして構成してもよい。身体状態情報推定装置10をスマートフォンとして構成した場合、加速度センサ11、タイマ17、関連情報蓄積用メモリ19、入力部21及び表示部15にスマートフォンが備える公知の構成を利用することもできる。
(身体状態情報推定システム)
また、本発明の実施形態は、上記した身体状態情報推定装置10の構成に限定されるものではなく、運動情報を取得する運動情報取得装置と、取得された運動情報を演算処理して身体状態情報を推定する身体状態情報推定装置とを別体とすることもできる。
図2(a)、図2(b)は、運動情報取得装置と身体状態情報推定装置とを別体とした構成を例示した図である。なお、本実施形態では、運動情報取得装置と身体状態情報推定装置とを別体とした構成を「身体状態情報推定システム」とも記す。図2(a)に示した構成は、運動情報取得装置30と、身体状態情報を使って身体状態情報を推定する身体状態情報推定装置50と、によって身体状態情報推定システムを構築した例を示している。運動情報取得装置30は、加速度センサ11、運動情報作成部131及びタイマ17に加えて出力インターフェース(I/F)31を備えている。身体状態情報推定装置50は、身体状態情報推定部132、メッセージ作成部133、関連情報蓄積用メモリ19及び入力部21及び表示部15に加えて入力インターフェース(I/F)51を備えている。
出力I/F31及び入力I/F51は、データの記録媒体を使って運動情報取得装置30から身体状態情報推定装置50に運動情報を入力するものであってもよい。また、有線あるいは無線で運動情報を授受するものであってもよく、赤外線通信によって運動情報を送受信するものであってもよい。
また、本実施形態は、図2(b)に示したように、加速度センサ11、運動情報作成部131及びタイマ17を備えた運動情報取得装置20と、身体状態情報推定部132、メッセージ作成部133、関連情報蓄積用メモリ19、入力部21及び表示部15を備えた身体状態情報推定装置40とをネットワークNに接続してコンピュータシステムを構築してもよい。
本実施形態を図2(a)のように運動情報取得装置30と身体状態情報推定装置50とに分けて構成した場合、利用者が身体に装着する運動情報取得装置を小型化し、利用者の運動情報取得装置の装着にかかる負荷を軽減することができる。また、身体状態情報推定部132やメッセージ作成部133を大型の機器とすることができるので、身体状態情報を高い精度で推定することができる。また、推定し、あるいは表示できる身体状態情報の種別やメッセージの内容を多様化し、あるいは充実することができる。
また、図2(b)のように、本実施形態を運動情報取得装置20と身体状態情報推定装置40とに分けてネットワークNに接続した場合、取得した運動情報を逐次身体状態情報推定装置に送信し、リアルタイムで歩数や運動強度を計測することができる。そして、利用者に対してリアルタイムにメッセージを送信することができる。
[身体状態情報推定方法]
次に、本実施形態の身体状態情報推定方法を説明する。
本実施形態の身体状態情報推定方法は、少なくとも、被験者の運動情報と、被験者の身体状態情報と、の関連性を表す身体状態関連情報に、利用者が行った運動及びこの運動が行われた時間帯に関する利用者の運動情報を適用して利用者の身体状態情報を推定する工程を含んでいる。本実施形態では、このような身体状態情報推定方法の説明に先立って、先ず、身体状態関連情報について説明する。
(身体状態関連情報)
本発明者らは、500人の男性を被験者として各人の運動情報を取得した。運動情報の取得は、被験者の歩行を運動の指標とし、歩行の歩数を「運動量」、歩行強度を「運動強度」とした。また、運動情報の取得は、図2(a)に示した運動情報取得装置30を被験者が28日間起床から就寝の間腰につけて行った。さらに、運動情報の取得は、3時間の時間範囲内に行われた歩行を1単位として行った。このため、本実施形態では、被験者の28日間の歩行の歩数と歩行強度とが3時間毎に時間帯と対応つけられて記録される。
本発明者らは、被験者の歩行の歩数、歩行強度及び歩行が行われた時間帯と、被験者の身体状態情報との間に相関性があることを見出した。例えば、昼から午後にかけての時間帯はエネルギー代謝が他の時間より高く、ホルモンの分泌も活発に行われている。本発明者らの調査によれば、このような時間帯に運動を行うと、脂肪を効率的に燃焼することができる。また、夕方から夜の時間帯は、スピードや持久力が他の時間帯より高まって運動能力を発揮させやすい。さらに、夜間の運動は、細胞がたんぱく質を他の時間帯より多く生成するため、重量挙げ等の筋力の増強に効果的である。このような調査の結果は、運動学、栄養学の観点からも妥当であると考えられる。本発明者らは、このような運動学等に加え、被験者の実際の身体状態情報と運動情報との対応を使って利用者の要望に即したトレーニングをアドバイスすることに想到し、本発明を完成させた。
運動を歩行(走行を含む)とした場合、本実施形態は、以下の(1)から(10)に示した44種類のパラメータを定める。そして、このパラメータを使って被験者の身体状態情報を推定する身体状態関連情報を作成する。
(1) 1〜8;各時間帯の歩数の平均値
設定された3時間の時間帯(例えば3−6時)毎の歩数(Ns3−6)を計測する。そして、各時間帯の歩数の28日間の平均値(Ns3−6ave)を算出して、各時間帯の歩数の平均値とする。
Ns3−6ave、Ns6−9ave、Ns9−12ave、Ns12−15ave、Ns15−18ave、Ns18−21ave、Ns21−24ave、Ns24−3ave
(2) 9〜16;各時間帯の歩行強度の平均値
設定された3時間の時間帯(例えば3−6時)毎の歩行の強度(Np3−6)を計測し、前記した1秒以上10秒以下、たとえば4秒間や6秒間等の決定間隔で歩行強度を決定する。歩行強度は3時間の間に変化するから、利用者が歩行中であると運動情報作成部131が判断した時間内における歩行強度を強度決定間隔ごとに算出し、それらを時間平均した値を、その時間帯の平均歩行強度とする。そして、各時間帯の平均歩行強度に関して28日間の平均値(Np3−6ave)を算出して、各時間帯の歩行強度の平均値とする。
Np3−6ave、Np6−9ave、Np9−12ave、Np12−15ave、Np15−18ave、Np18−21ave、Np21−24ave、Np24−3ave
(3) 17〜27;各段階(0〜9及び0.5)の強度の出現頻度の平均値
1日において、決定間隔ごとに出現した強度を強度毎(Nf0、Nf0.5、Nf1、Nf2、Nf3、Nf4、Nf5、Nf6、Nf7、Nf8、Nf9)に毎日カウントする。そして、各強度の出現頻度に関して28日間の平均値(Nf0ave)を算出して、各段階の強度の頻度の平均値とする。
Nf0ave、Nf0.5ave、Nf1ave、Nf2ave、Nf3ave、Nf4ave、Nf5ave、Nf6ave、Nf7ave、Nf8ave、Nf9ave
(4) 28;歩数の変動係数
28日間の歩数の標準偏差Nssdを算出する。また、計測された歩数を28日間で平均した平均値(Nsave)を算出する。そして、標準偏差Nssdを平均値(Nsave)で除算した以下の値を歩数の変動係数とする。
Nssd/Nsave
(5) 29;装着時間変動係数
28日間の装着時間の標準偏差Nisdを算出する。また、計測された装着時間を28日間で平均した平均値(Niave)を算出する。そして、標準偏差Nisdを平均値Niaveで除算した以下の値を装着時間変動係数とする。
Nisd/Niave
(6) 30;歩行強度変動係数
28日間の歩行強度の標準偏差Npsdを算出する。また、計測された歩行強度を28日間で平均した平均値(Npave)を算出する。そして、標準偏差Npsdを平均値Npaveで除算した以下の値を歩行強度変動係数とする。
Npsd/Npave
(7) 31〜41;各段階(0〜9及び0.5)の歩行強度の頻度の変動係数
各段階(0〜9及び0.5)の強度で歩行が行われた頻度(Nf、Nf0.5、Nf、Nf、Nf、Nf、Nf、Nf、Nf、Nf、Nf)を毎日カウントする。また、カウントされた頻度の標準偏差を強度毎に算出する(Nsd、Nsd0.5、Nsd、Nsd、Nsd、Nsd、Nsd、Nsd、Nsd、Nsd、Nsd)。そして、上記標準偏差(Nsd、Nsd0.5、Nsd、Nsd、Nsd、Nsd、Nsd、Nsd、Nsd、Nsd、Nsd)を(3)に示した各強度の28日間の平均値(Nf0ave、Nf0.5ave、Nf1ave、Nf2ave、Nf3ave、Nf4ave、Nf5ave、Nf6ave、Nf7ave、Nf8ave、Nf9ave)で除算して、各段階の歩行強度の頻度の変動係数とする。
Nsd/Nf0ave、Nsd0.5/Nf0.5ave、Nsd/Nf1ave、Nsd/Nf2ave、Nsd/Nf3ave、Nsd/Nf4ave、Nsd/Nf5ave、Nsd/Nf6ave、Nsd/Nf7ave、Nsd/Nf8ave、Nsd/Nf9ave
ただし、上記Nsd、Nf0aveは、いずれも被験者が運動情報取得装置30を装着していない時間帯の情報を除くものとする。
(8) 42;年齢
(9) 43;身長
(10) 44;体重
表1、表2及び表3は、上記パラメータのうち、被験者の身体状態情報と、この身体状態情報を推定するために使用されるパラメータを例示するものである。また、表1から表3は、被験者の身体状態情報の実測値と推定値との相関性を示している。パラメータの欄において、「;」の後に続く括弧付き数字は上記した各パラメータの括弧付き数字に対応する。
表1においては、身体状態情報として、内臓脂肪、腹囲、骨格筋指数及び体脂肪率を挙げている。表2は、表1に続く表であり、表2においては、身体状態情報として、腹囲と腰の周長との比(腹囲/腰の周長、以下、「ウェスト・ヒップ比」と記す)及び握力を挙げている。特に握力は、全身の筋力と相関性の高いパラメータである。さらに、表3においては、身体状態情報として、細胞内水分量、細胞外水分量、タンパク質量、ミネラル量、体水分量及びECW/TBCを挙げている。表1から表3に示すように、本実施形態のパラメータを使った握力及びECW/TBCを除く身体状態情報の推定では、実測値との相関関数Rが0.709から0.94、決定係数Rが0.502から0.883の高い値をとっている。
Figure 0006830799
Figure 0006830799
Figure 0006830799
上記パラメータのうち、(1)の歩行強度の平均値は、利用者の歩行速度の推定に使用することができる。歩行強度の推定は、歩行強度の平均値を重回帰式に適用して行われる。歩行速度を推定する重回帰式は、以下のとおりである。
(男性)
推定歩行速度(Km/h)=0.862(歩行強度平均値)+0.035(身長(cm))−4.705
(女性)
推定歩行速度(Km/h)=0.684(歩行強度平均値)+1.851
本実施形態の歩行強度「5」等の数値は、例えば、METsで定められる最大酸素摂取量の酸素を利用者が摂取すると考えられる歩行強度を最大値とし、安静時の酸素摂取量を最小値とし、この間を分割することによって定めることができる。なお、METsでは、例えば、3METsを67m/分で平地を歩く程度、3.3METsを81m/分で平地を歩く程度、3.8METsを94m/分で平地を歩く程度、4METsを95m〜100m/分で平地を歩く程度、5METsを107m/分で平地を速歩する程度と定めている。
本実施形態の回帰分析は、市販の統計計算用のソフトウェアを使って行った。回帰分析には、多変量回帰分析や、ロジスティック回帰分析が使用される。回帰分析では、説明変数に使用されるパラメータに変数増加法、変数減少法あるいはその両方を行って組み合わせを変えながら正答率が高くなるパラメータが選択される。さらに、パラメータに付される係数は適宜選択される。
また、本実施形態の身体状態情報推定方法では、表1から表3に示すように、身体状態情報の推定にあたり、身体状態情報の他、さらに、身長、体重及び年齢の少なくとも一つを使って身体状態情報を推定している。本実施形態では、被験者の身長、体重及び年齢の少なくとも一つを被験者の運動情報と共に使って身体状態関連情報を決定し、決定した身体状態関連情報に対して利用者の運動情報と共に身長、体重及び年齢の少なくとも一つを適用して利用者の身体状態情報を推定する。
さらに、本実施形態の身体状態情報推定方法では、表1から表3に示すように、被験者が一日のうちの特定の時間帯に行った運動の運動量または運動強度に関する情報を被験者の運動情報として使用している。
表1から表3中に示した身体状態情報や身長等のパラメータの末尾に付された(+)は、そのパラメータが大きくなれば身体状態情報の推定値が大きくなることを示している。また、(−)は、そのパラメータが大きくなれば身体状態情報の推定値が小さくなることを示している。
また、本実施形態は、身体状態情報の推定に使用するパラメータとして、計測された運動情報そのものばかりでなく、被験者が行った運動の運動量または運動強度の分散の程度を使用している。運動量または運動強度の分散の程度は、例えば、運動量または運動強度の計測期間内における「ばらつき」を示すパラメータであり、本実施形態では上記変動係数によって表される。
さらに、本実施形態は、運動の一日のうちの運動量の分布に関する情報をも運動情報として推定に使用することができる。運動量の分布とは、例えば、「朝運動時間割合」、「昼運動時間割合」及び「夜運動時間割合」等によって表される。朝運動時間割合は、3時から9時に行われた歩行の歩数が1日の歩数に占める割合を示す。昼運動時間割合は、9時から18時に行われた歩行の歩数が1日の歩数に占める割合を示す。夜運動時間割合は、18時から3時に行われた歩行の歩数が1日の歩数に占める割合を示す。
ただし、本実施形態の運動情報を含むパラメータは、以上説明した例に限定されるものではない。例えば、運動情報は、3時間毎に1単位として計測されるものに限定されず、任意の時間を単位として計測するものであってもよい。パラメータの平均値は、計測時間中の平均に限定されるものでなく、任意の単位時間あたりの平均値であってもよいし、1日あたりの平均値であってもよい。
また、本実施形態は、被験者の歩数と歩行強度とを28日間に亘って記録するものに限定されるものではない。歩数等の記録は、7日間以上行えばよい。
表1から表3に示した相関係数R及び決定係数Rは、被験者の各身体状態情報の実測値と、パラメータを使って推定された推定値との相関性を示している。各身体状態情報の実測値は、いずれも被験者の身体に微弱な電流を流して計測されたインピーダンスから測定された値である。内臓脂肪では、相関係数Rが0.805、決定係数Rが0.649の高い相関性を得た。また、腹囲では、相関係数Rが0.911、決定係数Rが0.830、骨格筋指数では相関係数Rが0.846、決定係数Rが0.715、体脂肪率では相関係数Rが0.781、決定係数Rが0.610、ウェスト・ヒップ比では相関係数Rが0.709、決定係数Rが0.502と、いずれも高い相関性を得た。
以上のことにより、本実施形態は、被験者の身体状態情報を高い信頼性を持って推定することが可能である。
次に、以上説明した被験者の身体状態情報の実測値と推定値との関係の具体例を示す。
図3は、身体状態情報のうち、内臓脂肪面積(VFA)の実測値と推定値との関係を示した図である。図3の縦軸は実測値を示し、横軸は推定値を示している。この例では、横軸に示した推定値が以下の式(1)によって算出されている。式(1)は、運動情報と推定値との関係を統計的にロジスティック回帰分析した結果得られた関数である。
(数1)
−4×10−3(6時から9時の間の歩数の平均)−7×10−3(12時から15時の間の歩数の平均値)+3.479(体重)−1.587(身長)+0.706(年齢)
...式(1)
図3に示した実測値と推定値は、相関係数Rが0.805、決定係数Rが0.649の高い相関性を有している。式(1)は、被験者の運動情報と身体状態情報(内臓脂肪面積)との関係性を示す身体状態関連情報の一例となる。本実施形態は、式(1)中の括弧内に示したパラメータに利用者のものを適用し、利用者の身体状態情報を推定する。
図4は、身体状態情報のうち、骨格筋指数(SMI)の実測値と、骨格筋指数の推定値との関係を示した図である。図4の縦軸は実測値を示し、横軸は推定値を示している。この例では、横軸に示した推定値が以下の式(2)によって算出されている。式(2)は、運動情報と推定値との関係を統計的にロジスティック回帰分析した結果得られた関数である。
(数2)
1.38×10−4(9時から12時の間の歩数の平均)+8×10−5(15時から18時の間の歩数の平均)+0.206(18時から21時の間の歩行強度の平均値)+0.062(体重)−0.11(身長) ...式(2)
図4に示した実測値と推定値は、相関係数Rが0.846、決定係数Rが0.715の高い相関性を有している。式(2)は、被験者の運動情報と身体状態情報(骨格筋指数)との関係性を示す身体状態関連情報の一例となる。本実施形態は、式(2)中の括弧内に示したパラメータに利用者のものを適用し、利用者の身体状態情報を推定する。
さらに、本発明者は、表2に示した握力が以下の式(3)、式(4)で表される身体状態関連情報によって推定できることを見出した。式(3)は、男性についてパラメータから握力を推定する身体状態関連情報であり、式(4)は、女性についてパラメータから握力を推定する身体状態関連情報である。
(数3)
7×10−4(12−15時の間の歩数の平均)+5×10−4(18−21時の間の歩数の平均値)−0.328(年齢)+0.232(身長)+0.126(体重)+10.599 式(3)
(数4)
0.385(3−6時の歩行強度の平均値)+0.754(15−18時に行った歩の強度の平均値)−0.163(年齢)+0.204(身長)+0.108(体重)−4.86 式(4)
また、本実施形態の身体状態関連情報は、当然のことながら、式(1)から式(4)のような一次式の形式に限定されるものではない。身体状態関連情報は、利用者の運動情報や身長等を入力して身体状態情報を得るものであればどのようなものであってもよく、例えば、一次式以外の演算式であってもよいし、テーブル等の対応表であってもよい。
(メッセージ)
次に、上記した身体状態関連情報に運動情報を適用して得られた結果に基づいて作成されるアドバイス情報を含むメッセージの例について説明する。
メッセージ作成部133は、利用者が目標とする身体状態情報及び、この身体状態情報に対応する身体状態関連情報に基づいて、利用者が行うべき運動に関するアドバイスを含むメッセージを作成する。
上記記載において、アドバイスとは、利用者に対して運動の量、強度、運動すべき時間帯等を示唆する情報であり、アドバイス情報に適宜必要な情報を付加してメッセージが作成される。アドバイス情報に付加される情報としては、例えば、図5に示した図等がある。
図5は、アドバイスに付加されるメッセージを例示した図である。図5では、利用者の握力が同年代、同性の握力の平均値と比較して何パーセントであるかを示した「筋力」を示している。「筋力」は、50%を平均値としているため、利用者の握力が平均値以下である場合には50%以下の数値がメッセージに表示される。また、利用者の握力が平均値以上である場合には50%以上の数値がメッセージに表示される。
さらに、図5に例示したメッセージには、筋力レベルを五角形のグラフで示した「筋力レベル」と、当該筋力が利用者と同性のどの年代の平均値に該当するかを示す「筋力年齢」と、が含まれている。「筋力レベル」では、「2」で示した領域が平均値を示し、「1」で示した領域が平均値以下、「3」で示した領域が平均値以上を示す。メッセージにおいては、例えば、利用者の握力に対応する領域が所定の色に着色されて利用者に表示されるようにしてもよい。
さらに、図5に示したメッセージには、利用者の握力が同性のどの年代に該当するかを示す「筋力年齢」が含まれる。握力は、全身の筋力と高い相関性を持つため、利用者の気筋力の推定する指標に好適である。
上記したメッセージは、さらに紙媒体に印字されて出力されるようにしてもよいし、利用者のスマートフォン等にメール等として送信してもよい。このようなメールは、本人の他、予め登録された第三者(家族等)にも送信するようにしてもよい。さらに、本実施形態は、運動情報取得装置30にも図示しない表示部を設け、メッセージを運動情報取得装置30の表示部を通じて両者に提示してもよい。さらに、本実施形態は、運動情報取得装置30を身体状態情報推定装置50に接続したとき、身体状態情報推定装置50の表示部15にメッセージが表示されるようにすることができる。
本実施形態では、図1、図2に示した入力部21により、利用者が目標とする内臓脂肪面積等の身体状態情報(以下、「目標値」と記す)や利用者が設定した運動量や運動強度の上限値を予め入力することができる。メッセージ作成部133は、式(1)に示した身体状態関連情報に利用者の身長、体重、年齢を入力し、目標値に対応して利用者が歩行すべき6時から9時、及び12時から15時の歩数を算出する。
次に、メッセージ作成部133は、算出された歩数と取得された利用者の歩数との差分を算出し、例えば、「6時の歩行の歩数をあと○○○歩増やしましょう」等のアドバイス情報を含んだメッセージを送信する。
このような処理において、利用者の体重、身長及び年齢は、利用者が本実施形態の身体状態情報推定方法の利用開始にあたり、入力部21を使って身体状態情報推定装置50に予め登録しておいてもよいし、入力部21から任意のタイミングで入力するものであってもよい。
また、本実施形態では、上記の処理において、増やすべき運動量や運動強度が利用者の設定した上限値を上回った場合、メッセージ作成部133は、上限値に設定された歩数や強度の歩行をするように利用者にアドバイスするメッセージを作成する。このような処理によれば、利用者の実際の身体状態情報と目標値との差分が比較的大きくても、時間をかけることによって利用者の苦痛を抑えながら身体状態情報を目標値に近づけることができる。
さらに、メッセージ作成部133は、利用者の身体状態情報が目標値に達した場合、「内臓脂肪面積が×××まで減りました、目標達成です」等のメッセージを作成してもよい。
(利用者の身体状態情報の推定)
図6は、本実施形態の身体状態情報推定方法を説明するためのフローチャートである。また、図6のフローチャートは、図2(a)に示した身体状態情報推定装置50として構成されるコンピュータによって行われる例を示している。このフローチャートでは、利用者の運動情報として運動強度を3時間計測し、計測値の平均値を算出する処理を例示するものとする。また、図6のフローチャートでは、説明の簡単のため、1つの運動情報を一回取得する例を示している。しかし、表1から表3に示すように、本実施形態は、複数種の運動情報を複数回取得する場合も多い。
本実施形態の身体状態情報推定方法では、処理が開始されると、運動情報取得装置30の加速度センサ11が、利用者の運動情報の取得を開始する(ステップS501)。なお、このような処理は、例えば、利用者が望んでいる身体状態情報の推定内容に応じた時刻に自動的に開始するものであってもよいし、起床と同時に開始するものであってもよい。
「利用者が望んでいる身体状態情報の推定内容に応じた時刻」とは、例えば、利用者が表1に示した内蔵脂肪の減少を望んでいる場合の6時または12時を指す。
利用者の運動情報の取得が開始されると、タイマ17は、3時間が経過するまで計時を継続して行う(ステップS502)。加速度センサ11は、タイマ17が計時を行っている間は利用者にかかる加速度を検出し、運動情報作成部131に運動強度として出力し続ける。3時間の計時が終了した場合(ステップS502:Yes)、運動情報作成部131は、加速度センサ11が計測した運動強度の3時間の平均値を算出する(ステップS503)。また、運動情報作成部131は、算出された平均値に計測が行われた時間帯を対応つけて運動情報を作成する。作成された運動情報は、出力I/F31及び入力I/F51を介して身体状態情報推定部132に送られる。身体状態情報推定部132は、関連情報蓄積用メモリ19から身体状態関連情報を読み出し、利用者の運動情報を適用して身体状態情報を推定する(ステップS504)。
メッセージ作成部133は、例えば、推定された利用者の身体状態情報と実際の身体状態情報の差分に基づいて利用者に歩数や運動強度をアドバイスするアドバイス情報を作成する。そして、アドバイス情報に身体状態情報等を付加してメッセージを作成する(ステップS505)。メッセージは、表示部15に出力される(ステップS506)。
なお、メッセージの出力は、図6に示したフローチャートに記載されたものに限定されるものではない。例えば、表1に示した骨格筋指数のように、9時から12時、15時から18時、18時から21時の3回に渡って行われる運動から運動情報を取得する場合、21時までに行われた運動の運動情報から身体状態情報を推定する。そして、推定された身体状態情報に基づいて作成されたメッセージを、例えば、翌日の運動開始時に利用者に提供するようにしてもよい。
以上説明したフローチャートの少なくともステップS504からステップS506は、例えば、身体状態情報推定装置50において図示しないコンピュータによって実現されるプログラムによって処理される。
以上説明した本実施形態は、利用者が行った運動に基づいて利用者の身体状態情報を推定している。このため、利用者は特別な機器を用いることなく身体状態情報を推定することができる。また、本実施形態は、自動的に利用者から運動情報を取得することができるので、利用者に負担をかけることなく身体状態情報の推定を習慣化することができる。
また、本実施形態は、時間行動学の原理に基づいて被験者の実測値を考慮した身体状態関連情報に運動情報を適用して身体状態情報を推定している。このため、実測値と相関性が高い推定値を得ることができる。
[変形例]
また、本実施形態は、以上説明したように、運動情報から身体状態情報を推定することに限定されるものではない。例えば、利用者の運動情報を被験者の運動情報と比較して、利用者が将来発生し得る障害または疾病(以下、「疾病等」と記す)を予測する疾病予測工程をさらに含む、ようにすることもできる。
疾病等を予測する場合、図2に示した関連情報蓄積用メモリ19には身体状態関連情報に代えて、疾病関連情報が蓄積される。疾病関連情報とは、被験者の活動に関する情報をパラメータにして表される活動と疾病の予測値(INDEX)との関係を示す情報である。例えば、認知症(疾病)に関するINDEXを得るための疾病関連情報は、以下のように表される。
−1.629(3〜6時に行った歩行の強度の平均値)−0.02(21〜24時に行った歩行の歩数の平均値)+0.192(年齢)−17.139 式(5)
本変形例にあっては、図6に示したフローチャートにおいて、図2に示した身体状態情報推定部132が関連情報蓄積用メモリ19から例えば式(5)の疾病関連情報を読み出し、式(5)に示した括弧()内に利用者の活動(歩行)に関するパラメータや年齢等のパラメータを適用することにより、利用者が認知症を発症する可能性の有無やその度合いを予測することができる。
なお、本変形例において、疾病関連情報は、身体状態関連情報と同様に、式の形に限定されずテーブル等の活動情報を与えて疾病の予測値を得られるものであれば、どのような形式のものであってもよい。
上記実施形態及び実施例は以下の技術思想を包含するものである。
<1>
少なくとも、予め取得された複数の被験者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する被験者運動情報と、前記被験者の身体に関する被験者身体状態情報と、の関連性を表す身体状態関連情報に、利用者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する利用者運動情報を適用して前記利用者の身体状態情報を推定する身体状態情報推定工程を含むことを特徴とする、身体状態情報推定方法。
<2>
前記身体状態情報推定工程においては、さらに、前記利用者の身長、体重及び年齢の少なくとも一つに関する情報に基づいて前記利用者の身体状態情報が推定される、<1>に記載の身体状態情報推定方法。
<3>
前記被験者運動情報は、前記被験者が一日のうちの特定の時間帯に行った運動の運動量または運動強度に関する情報である、<1>または<2>に記載の身体状態情報推定方法。
<4>
前記被験者運動情報は、前記被験者が行った運動の運動量または運動強度の分散の程度に関する情報である、<1>または<2>に記載の身体状態情報推定方法。
<5>
前記被験者運動情報は、前記被験者が行った運動の運動量または運動強度の分布の程度に関する情報である、<1>または<2>に記載の身体状態情報推定方法。
<6>
前記利用者が目標とする前記身体状態情報に対応する前記身体状態関連情報に基づいて、利用者が行うべき運動に関するアドバイスを含むメッセージを作成するメッセージ作成工程、をさらに含む<1>から<5>のいずれか1項に記載の身体状態情報推定方法。
<7>
前記被験者運動情報と、前記被験者の疾病または障害に関する被験者疾病情報と、の関連性を表す疾病関連情報に前記利用者運動情報を適用して前記利用者が発症する疾病または障害を予測する疾病予測工程をさらに含む、<1>から<6>のいずれか1項に記載の身体状態情報推定方法。
<8>
少なくとも、予め取得された複数の被験者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する被験者運動情報と、前記被験者の身体状態情報と、の関連性を表す身体状態関連情報に、利用者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する利用者運動情報を適用して前記利用者の身体状態情報を推定する身体状態情報推定方法ステップを含むことを特徴とする身体状態情報推定プログラム。
<9>
少なくとも、予め取得された複数の被験者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する被験者運動情報と、前記被験者の身体に関する被験者身体状態情報と、の関連性を表す身体状態関連情報に、利用者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する利用者運動情報を適用して前記利用者の身体状態情報を推定する身体状態情報推定部を含むことを特徴とする、身体状態情報推定装置。
<10>
利用者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する利用者運動情報を取得する運動情報取得装置と、
前記運動情報取得装置から前記利用者運動情報を入力し、前記利用者運動情報に基づいて前記利用者の身体に関する身体状態情報を推定する<9>に記載の身体状態情報推定装置と、
を含むことを特徴とする身体状態情報推定システム。
10,40,50 身体状態情報推定装置
11 加速度センサ
13 制御部
15 表示部
17 タイマ
19 関連情報蓄積用メモリ
20,30 運動情報取得装置
21 入力部
31 出力I/F
51 入力I/F
131 運動情報作成部
132 身体状態情報推定部
133 メッセージ作成部
N ネットワーク

Claims (6)

  1. 少なくとも、予め取得された複数の被験者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する被験者運動情報と、前記被験者の身体に関する被験者身体状態情報と、の関連性を表す身体状態関連情報に、利用者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する利用者運動情報を適用して前記利用者の身体状態情報を推定する身体状態情報推定工程を含み、
    前記被験者運動情報は、前記被験者が一日のうちの特定の時間帯に行った運動の運動量もしくは運動強度に関する情報、または前記被験者が行った運動の運動量もしくは運動強度の分散の程度に関する情報であることを特徴とする、身体状態情報推定方法。
  2. 前記身体状態情報推定工程においては、さらに、前記利用者の身長、体重及び年齢の少なくとも一つに関する情報に基づいて前記利用者の身体状態情報が推定される、請求項1に記載の身体状態情報推定方法。
  3. 前記利用者が目標とする前記身体状態情報に対応する前記身体状態関連情報に基づいて、前記利用者が行うべき運動に関するアドバイスを含むメッセージを作成するメッセージ作成工程、をさらに含む請求項1または2に記載の身体状態情報推定方法。
  4. 少なくとも、予め取得された複数の被験者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する被験者運動情報と、前記被験者の身体状態情報と、の関連性を表す身体状態関連情報に、利用者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する利用者運動情報を適用して前記利用者の身体状態情報を推定する身体状態情報推定機能を含み、
    前記被験者運動情報は、前記被験者が一日のうちの特定の時間帯に行った運動の運動量または運動強度に関する情報、または前記被験者が行った運動の運動量または運動強度の分散の程度に関する情報であることを特徴とする身体状態情報推定プログラム。
  5. 少なくとも、予め取得された複数の被験者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する被験者運動情報と、前記被験者の身体に関する被験者身体状態情報と、の関連性を表す身体状態関連情報に、利用者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する利用者運動情報を適用して前記利用者の身体状態情報を推定する身体状態情報推定部を含み、
    前記被験者運動情報は、前記被験者が一日のうちの特定の時間帯に行った運動の運動量または運動強度に関する情報、または前記被験者が行った運動の運動量または運動強度の分散の程度に関する情報であることを特徴とする、身体状態情報推定装置。
  6. 利用者が行った運動及び当該運動が行われた時間帯に関する利用者運動情報を取得する運動情報取得装置と、
    前記運動情報取得装置から前記利用者運動情報を入力し、前記利用者運動情報に基づいて前記利用者の身体に関する身体状態情報を推定する請求項に記載の身体状態情報推定装置と、
    を含むことを特徴とする身体状態情報推定システム。
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