以下、本発明を適用したリンゴ品質推定プログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
図1は、本発明を適用したリンゴ品質推定プログラムが実装されるリンゴ品質推定システム1の全体構成を示すブロック図である。リンゴ品質推定システム1は、情報取得部9と、情報取得部9に接続された推定装置2と、推定装置2に接続されたデータベース3とを備えている。
情報取得部9は、本システムを活用する者が各種コマンドや情報を入力するためのデバイスであり、具体的にはキーボードやボタン、タッチパネル、マウス、スイッチ等により構成される。情報取得部9は、テキスト情報を入力するためのデバイスに限定されるものではなく、マイクロフォン等のような音声を検知してこれをテキスト情報に変換可能なデバイスで構成されていてもよい。また情報取得部9は、カメラ等の画像を撮影可能な撮像装置として構成されていてもよい。情報取得部9は、紙媒体の書類から文字列を認識できる機能を備えたスキャナで構成されていてもよい。また情報取得部9は、後述する推定装置2と一体化されていてもよい。情報取得部9は、検知した情報を推定装置2へと出力する。また情報取得部9は地図情報をスキャニングすることで位置情報を特定する手段により構成されていてもよい。また情報取得部9は、温度センサ、湿度センサ、風向センサ、を測るための照度センサで構成されていてもよい。また情報取得部9は、天候についてのデータを気象庁や民間の天気予報会社から取得する通信インターフェースで構成されていてもよい。また情報取得部9は身体に装着して身体のデータを検出するための身体センサで構成されていてもよく、この身体センサは、例えば体温、心拍数、血圧、歩数、歩く速度、加速度を検出するためのセンサで構成されていてもよい。また情報取得部9は図面等の情報をスキャニングしたり、或いはデータベースから読み出すことで取得するデバイスとして構成されていてもよい。情報取得部9は、これら以外に臭気や香りを検知する臭気センサにより構成されていてもよい。
データベース3は、リンゴ品質推定を行う上で必要な様々な情報が蓄積される。リンゴ品質推定を行う上で必要な情報としては、過去において取得したリンゴの外観に関する参照用外観情報、参照用外観情報を取得する際のリンゴの品種に関する参照用品種情報、参照用外観情報を取得する際のリンゴから取得した参照用スペクトル情報、参照用外観情報を取得する際のリンゴの香りに関する参照用香り情報、参照用外観情報を取得する際のリンゴの重量に関する参照用重量情報、参照用外観情報を取得する際のリンゴの栽培履歴に関する参照用栽培履歴情報と、これらに対して実際に判断がなされたリンゴの品質とのデータセットが記憶されている。
つまり、データベース3には、このような参照用外観情報に加え、参照用品種情報、参照用スペクトル情報、参照用香り情報、参照用重量情報、参照用栽培履歴情報の何れか1以上と、リンゴの品質が互いに紐づけられて記憶されている。
推定装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。ユーザは、この推定装置2による探索解を得ることができる。
図2は、推定装置2の具体的な構成例を示している。この推定装置2は、推定装置2全体を制御するための制御部24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、有線通信又は無線通信を行うための通信部26と、各種判断を行う推定部27と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部28とが内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部23が接続されている。
制御部24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、推定装置2内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央制御ユニットである。また、この制御部24は、操作部25を介した操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
操作部25は、キーボードやタッチパネルにより具現化され、プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザから入力された場合には、これを制御部24に通知する。この通知を受けた制御部24は、推定部27を始め、各構成要素と協調させて所望の処理動作を実行していくこととなる。この操作部25は、前述した情報取得部9として具現化されるものであってもよい。
推定部27は、探索解を推定する。この推定部27は、推定動作を実行するに当たり、必要な情報として記憶部28に記憶されている各種情報や、データベース3に記憶されている各種情報を読み出す。この推定部27は、人工知能により制御されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
表示部23は、制御部24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
記憶部28は、ハードディスクで構成される場合において、制御部24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部28には、本発明を実行するためのプログラムが格納されている。このプログラムは制御部24により読み出されて実行されることになる。
上述した構成からなるリンゴ品質推定システム1における動作について説明をする。
リンゴ品質推定システム1では、例えば図3に示すように、参照用外観情報と、リンゴの品質との3段階以上の連関度が予め設定されていることが前提となる。参照用外観情報とは、リンゴの外観について、リンゴを撮像することにより得られた画像情報から得られるものであり、画像情報を解析することで得ることができる。この画像は静止画のみならず動画であってもよい。この参照用外観情報は、リンゴについて撮像した画像を解析することで、リンゴの大きさ、形状、色、キズの度合の何れかに基づいて、リンゴの外観を特定するようにしてもよい。これらのリンゴの外観は、以前において学習させた特徴量に基づいて判別するようにしてもよい。このとき、人工知能を活用し、リンゴの大きさ、形状、色、キズの度合等の画像データと、リンゴの品質を学習させておき、実際に参照用外観情報を取得する際には、これらの学習させた画像データと照らし合わせて、そのリンゴの品質を判別するようにしてもよい。
かかる場合には、画像情報と、リンゴの大きさ、形状、色、キズの度合の何れかの外観とを教師データとして機械学習された予想モデルを用い、入力を上記画像情報とし、出力を上記外観として判定した結果に基づいて、外観を特定するようにしてもよい。
リンゴの品質は、評価者による以前の経験に基づいてその良しあしを判断してもよいし、実際に試食をしてその味を判断するようにしてもよい。かかる場合にはリンゴを試食する複数人の検査者がその味について、甘さ、酸っぱさ、香ばしさ、歯ごたえ、苦み等の各項目について複数段階で評価し、それらを統計的に分析して品質評価値としてもよい。また、リンゴの品質は、味覚を検知可能な味覚センサを通じて判別するようにしてもよい。
図3の例では、入力データとして例えば参照用外観情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用外観情報P01〜P03は、出力としてのリンゴの品質に連結している。この出力においては、出力解としての、リンゴの品質が表示されている。
参照用外観情報は、この出力解としてのリンゴの品質A~Dに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用外観情報がこの連関度を介して左側に配列し、各リンゴの品質が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外観情報に対して、何れのリンゴの品質と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外観情報が、いかなるリンゴの品質に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外観情報から最も確からしいリンゴの品質を選択する上での的確性を示すものである。図3の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としてのリンゴの品質と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが低いことを示している。
推定装置2は、このような図3に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外観情報と、その場合のリンゴの品質の何れが採用、評価されたか、過去のデータセットを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図3に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用外観情報が、リンゴの外観が大きさ、形状、色、キズの度合等が複数段階の数値で評価されたαであるものとする。このような参照用外観情報に対するリンゴの品質としてはリンゴの品質Aが多く評価されたものとする。このようなデータセットを集めて分析することにより、参照用外観情報との連関度が強くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用外観情報P01である場合に、過去のリンゴの品質の評価を行った結果の各種データから分析する。こ参照用外観情報P01である場合に、リンゴの品質Aの事例が多い場合には、このリンゴの品質の評価につながる連関度をより高く設定し、リンゴの品質Bの事例が多い場合には、このリンゴの品質の評価につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用外観情報P01の例では、リンゴの品質Aと、リンゴの品質Cにリンクしているが、以前の事例からリンゴの品質Aにつながるw13の連関度を7点に、リンゴの品質Cにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図3に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを、以前の評価対象のリンゴの外観の画像等と実際に推定・評価したリンゴの品質とのデータセットを通じて作った後に、実際にこれから新たにリンゴの品質の判別を行う上で、上述した学習済みデータを利用してリンゴの品質を探索することとなる。かかる場合には、実際に判別対象の領域において外観情報を新たに取得する。新たに取得する外観情報は、上述した情報取得部9により入力される。外観情報は、リンゴの品質を判別しようとする画像を撮像することで取得する。この判別方法は、上述した参照用外観情報と同様の手法で行うようにしてもよい。
このようにして新たに取得した外観情報に基づいて、リンゴの品質を判別する。かかる場合には、予め取得した図3(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外観情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介してリンゴの品質Bがw15、リンゴの品質Cが連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高いリンゴの品質Bを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められるリンゴの品質Cを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する外観情報から、最も好適なリンゴの品質を探索し、ユーザに表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザ、即ちリンゴ生産業者、販売業者、流通業者は、探索されたリンゴの品質に基づいてリンゴの選別を行うことができ、リンゴの味を予測することができ、さらにリンゴの値段を決めることができる。しかもリンゴに接触することなく、非破壊検査を通じてこれらの品質を予測することができるため、リンゴに傷をつけることがなくなり、歩留まりを向上させることが可能となる。
図4の例では、参照用外観情報と、参照用品種情報との組み合わせが形成されていることが前提となる。参照用品種情報とは、リンゴの品種に関する品種情報である。
リンゴの品質は、参照用外観情報に加え、リンゴの品種に応じて異なる。リンゴの品種は、「ふじ」「ジョナゴールド」「つがる」等の品種が存在するが、いずれも品種ごとに期待される味は異なる。つまり「ふじ」は、「ふじ」に期待されるしゃくしゃくとした食感、甘みと酸味のバランスがあり、それらは何れも外観の画像(色合い、大きさ等)と相関性を持っている。このため、参照用外観情報に加え、このような参照用品種情報と組み合わせてリンゴの品質を定義することにより、リンゴの品質を高精度に評価することができる。参照用品種情報は、参照用外観情報を取得するリンゴに関し、生産者からインタビューし、個別に品種名をデータ入力してもよいし、あらかじめシステム上で選択・設定されていてもよい。
図4の例では、入力データとして例えば参照用外観情報P01〜P03、参照用品種情報P14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用外観情報に対して、参照用品種情報が組み合わさったものが、図4に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、リンゴの品質が表示されている。
参照用外観情報と参照用品種情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、リンゴの品質に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用外観情報と参照用品種情報がこの連関度を介して左側に配列し、リンゴの品質が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外観情報と参照用品種情報に対して、リンゴの品質と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外観情報と参照用品種情報が、いかなるリンゴの品質に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外観情報と参照用品種情報から最も確からしいリンゴの品質を選択する上での的確性を示すものである。このため、これらの参照用外観情報と参照用品種情報の組み合わせで、最適なリンゴの品質を探索していくこととなる。
図4の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
推定装置2は、このような図4に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外観情報と参照用品種情報、並びにその場合のリンゴの品質が何れが見合うものであったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図4に示す連関度を作り上げておく。
例えば、過去にあった実際の事例における参照用外観情報が、外観αであるものとする。また参照用品種情報が、「つがる」であるものとする。かかる場合に、実際にそのリンゴの品質がいくらであったかを示すリンゴの品質をデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。なお、このような参照用外観情報や、参照用品種情報は、生産業者、販売業者、流通業者等が管理する管理データベースから抽出するようにしてもよい。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用外観情報P01で、参照用品種情報P16である場合に、そのリンゴの品質を過去のデータから分析する。リンゴの品質がA(甘さ度合〇〇、酸味度合〇〇、苦み度合〇〇、歯ごたえ〇〇等)の事例が多い場合には、この品質Aにつながる連関度をより高く設定し、リンゴの品質Bの事例が多く、リンゴの品質Aの事例が少ない場合には、リンゴの品質Bにつながる連関度を高くし、リンゴの品質Aにつながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、リンゴの品質Aと品質Bの出力にリンクしているが、以前の事例からリンゴの品質Aにつながるw13の連関度を7点に、リンゴの品質Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図4に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図4に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用外観情報P01に対して、参照用品種情報P14の組み合わせのノードであり、リンゴの品質Cの連関度がw15、リンゴの品質Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用外観情報P02に対して、参照用位置情報P15、P17の組み合わせのノードであり、リンゴの品質Bの連関度がw17、リンゴの品質Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれからリンゴの品質を判別する際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際に外観情報と、品種情報とを取得する。品種情報は、実際に品質を推定しようとするリングの品質を入力又は選択する。
このようにして新たに取得した外観情報、品種情報に基づいて、最適なリンゴの品質を探索する。かかる場合には、予め取得した図4(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外観情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、品種情報がP17である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、リンゴの品質Cがw19、リンゴの品質Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高いリンゴの品質Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められるリンゴの品質Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
また、入力から伸びている連関度w1〜w12の例を以下の表2に示す。
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
図5は、上述した参照用外観情報に加え、上述した参照用品種情報の代わりに参照用スペクトル情報との組み合わせと、当該組み合わせに対するリンゴの品質との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用位置情報の代わりに説明変数として加えられるこの参照用スペクトル情報は、リンゴから得られる赤外、遠赤外、可視光、近紫外、紫外の各スペクトルの情報である。リンゴからのスペクトル情報を取得することで、リンゴの品質(味、光沢)と関係することが既に知られている。このため、この参照用スペクトル情報を組み合わせて連関度を形成することにより、リンゴの品質の判断精度を向上させる趣旨である。
図5の例では、入力データとして例えば参照用外観情報P01〜P03、参照用スペクトル情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用外観情報に対して、参照用スペクトル情報が組み合わさったものが、図5に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、リンゴの品質が表示されている。
参照用外観情報と参照用スペクトル情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、リンゴの品質に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用外観情報と参照用スペクトル情報がこの連関度を介して左側に配列し、リンゴの品質が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外観情報と参照用スペクトル情報に対して、リンゴの品質と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外観情報と参照用スペクトル情報が、いかなるリンゴの品質に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外観情報と参照用スペクトル情報から最も確からしいリンゴの品質を選択する上での的確性を示すものである。
推定装置2は、このような図5に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外観情報と、参照用外観情報を取得する際に得た参照用スペクトル情報、並びにその場合のリンゴの品質が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図5に示す連関度を作り上げておく。参照用スペクトル情報は、例えば、スペクトル情報を分析可能な計測器やカメラ等を通じて取得してもよい。
例えば、過去にあった実際のリンゴの品質の評価時において、ある参照用外観情報に対して、参照用スペクトル情報が、近赤外においてピークが〇〇nmにおいて発生したものとする。かかる場合に、リンゴの品質がAと判別されている事例が多い場合には、これらをデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用外観情報P01で、参照用スペクトル情報P20である場合に、そのリンゴの品質を過去のデータから分析する。リンゴの品質Aの事例が多い場合には、このリンゴの品質がAにつながる連関度をより高く設定し、リンゴの品質がBの事例が多く、リンゴの品質がAの事例が少ない場合には、リンゴの品質がBにつながる連関度を高くし、リンゴの品質がAにつながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、リンゴの品質Aとリンゴの品質Bの出力にリンクしているが、以前の事例からリンゴの品質Aにつながるw13の連関度を7点に、リンゴの品質Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図5に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図5に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用外観情報P01に対して参照用スペクトル情報P18の組み合わせのノードであり、リンゴの品質Cの連関度がw15、リンゴの品質Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用外観情報P02に対して、参照用スペクトル情報P19、P21の組み合わせのノードであり、リンゴの品質Bの連関度がw17、リンゴの品質Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれからリンゴの品質の探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際にそのリンゴの品質の判別対象の外観情報と、スペクトル情報とを取得する。ここでスペクトル情報は、リンゴの品質を実際に見積もる際に、新たに取得するが、その取得方法は、上述した参照用スペクトル情報と同様である。
このようにして新たに取得した外観情報と、スペクトル情報に基づいて、最適なリンゴの品質を探索する。かかる場合には、予め取得した図5(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外観情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、スペクトル情報がP21と同一か又は類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、リンゴの品質Cがw19、リンゴの品質Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高いリンゴの品質Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められるリンゴの品質Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図6は、上述した参照用外観情報に加え、上述した参照用品種情報の代わりに参照用香り情報との組み合わせと、当該組み合わせに対するリンゴの品質との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用位置情報の代わりに説明変数として加えられるこの参照用香り情報は、リンゴの香りに関するあらゆる情報である。参照用香り情報は、リンゴから臭いセンサ、香りセンサ等を通じて取得してもよい。このリンゴの香りは、リンゴの味に大きく影響を及ぼすことが知られている。仮にリンゴが腐っていた場合には異臭がし、当然味も劣化し、品質は低下する。
図6の例では、入力データとして例えば参照用外観情報P01〜P03、参照用香り情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用外観情報に対して、参照用香り情報が組み合わさったものが、図6に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、リンゴの品質が表示されている。
参照用外観情報と参照用香り情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、リンゴの品質に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用外観情報と参照用香り情報がこの連関度を介して左側に配列し、リンゴの品質が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外観情報と参照用香り情報に対して、リンゴの品質と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外観情報と参照用香り情報が、いかなるリンゴの品質に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外観情報と参照用香り情報から最も確からしいリンゴの品質を選択する上での的確性を示すものである。
推定装置2は、このような図6に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外観情報と、参照用外観情報を取得する際に得た参照用香り情報、並びにその場合のリンゴの品質が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図6に示す連関度を作り上げておく。
例えば、過去にあった実際のリンゴの品質の評価時において、ある参照用外観情報に対して、参照用香り情報が、臭気指数相当値〇〇であるものとする。かかる場合に、リンゴの品質がAと判別されている事例が多い場合には、これらをデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用外観情報P01で、参照用香り情報P20である場合に、そのリンゴの品質を過去のデータから分析する。リンゴの品質Aの事例が多い場合には、このリンゴの品質がAにつながる連関度をより高く設定し、リンゴの品質がBの事例が多く、リンゴの品質がAの事例が少ない場合には、リンゴの品質がBにつながる連関度を高くし、リンゴの品質がAにつながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、リンゴの品質Aとリンゴの品質Bの出力にリンクしているが、以前の事例からリンゴの品質Aにつながるw13の連関度を7点に、リンゴの品質Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図6に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図6に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用外観情報P01に対して参照用香り情報P18の組み合わせのノードであり、リンゴの品質Cの連関度がw15、リンゴの品質Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用外観情報P02に対して、参照用香り情報P19、P21の組み合わせのノードであり、リンゴの品質Bの連関度がw17、リンゴの品質Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれからリンゴの品質の探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際にそのリンゴの品質の判別対象の外観情報と、香り情報とを取得する。ここで香り情報は、リンゴの品質を実際に見積もる際に、新たに取得するが、その取得方法は、上述した参照用香り情報と同様である。
このようにして新たに取得した外観情報と、香り情報に基づいて、最適なリンゴの品質を探索する。かかる場合には、予め取得した図6(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外観情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、香り情報がP21と同一か又は類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、リンゴの品質Cがw19、リンゴの品質Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高いリンゴの品質Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められるリンゴの品質Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図7は、上述した参照用外観情報に加え、上述した参照用品種情報の代わりに参照用重量情報との組み合わせと、当該組み合わせに対するリンゴの品質との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用位置情報の代わりに説明変数として加えられるこの参照用重量情報は、リンゴの重量に関するあらゆる情報である。参照用重量情報は、リンゴから重量計等を通じて取得してもよい。このリンゴの重量は、リンゴの品質に大きく影響を及ぼすことが知られている。仮にリンゴが小さすぎる場合には、果肉の量が少なくなり、低品質とみなされる。
図7の例では、入力データとして例えば参照用外観情報P01〜P03、参照用重量情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用外観情報に対して、参照用重量情報が組み合わさったものが、図7に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、リンゴの品質が表示されている。
参照用外観情報と参照用重量情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、リンゴの品質に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用外観情報と参照用重量情報がこの連関度を介して左側に配列し、リンゴの品質が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外観情報と参照用重量情報に対して、リンゴの品質と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外観情報と参照用重量情報が、いかなるリンゴの品質に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外観情報と参照用重量情報から最も確からしいリンゴの品質を選択する上での的確性を示すものである。
推定装置2は、このような図7に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外観情報と、参照用外観情報を取得する際に得た参照用重量情報、並びにその場合のリンゴの品質が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図6に示す連関度を作り上げておく。
例えば、過去にあった実際のリンゴの品質の評価時において、ある参照用外観情報に対して、参照用重量情報が、〇〇グラムであるものとする。かかる場合に、リンゴの品質がAと判別されている事例が多い場合には、これらをデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用外観情報P01で、参照用重量情報P20である場合に、そのリンゴの品質を過去のデータから分析する。リンゴの品質Aの事例が多い場合には、このリンゴの品質がAにつながる連関度をより高く設定し、リンゴの品質がBの事例が多く、リンゴの品質がAの事例が少ない場合には、リンゴの品質がBにつながる連関度を高くし、リンゴの品質がAにつながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、リンゴの品質Aとリンゴの品質Bの出力にリンクしているが、以前の事例からリンゴの品質Aにつながるw13の連関度を7点に、リンゴの品質Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図7に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図7に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用外観情報P01に対して参照用重量情報P18の組み合わせのノードであり、リンゴの品質Cの連関度がw15、リンゴの品質Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用外観情報P02に対して、参照用重量情報P19、P21の組み合わせのノードであり、リンゴの品質Bの連関度がw17、リンゴの品質Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれからリンゴの品質の探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際にそのリンゴの品質の判別対象の外観情報と、重量情報とを取得する。ここで重量情報は、リンゴの品質を実際に見積もる際に、新たに取得するが、その取得方法は、上述した参照用重量情報と同様である。
このようにして新たに取得した外観情報と、重量情報に基づいて、最適なリンゴの品質を探索する。かかる場合には、予め取得した図7(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外観情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、重量情報がP21と同一か又は類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、リンゴの品質Cがw19、リンゴの品質Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高いリンゴの品質Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められるリンゴの品質Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図8は、上述した参照用外観情報に加え、上述した参照用品種情報の代わりに参照用栽培履歴情報との組み合わせと、当該組み合わせに対するリンゴの品質との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用位置情報の代わりに説明変数として加えられるこの参照用栽培履歴は、リンゴの栽培履歴に関するあらゆる情報である。参照用栽培履歴は、リンゴの木に実がなる前の期間に対する栽培履歴から、収穫に至るまでのすべての栽培履歴を含むものである。この栽培履歴情報としては、リンゴの木に対する施肥や水やり、農薬散布の時期や回数、量が含まれることは勿論であるが、これに加えて栽培の過程における気温、湿度、天候(晴れ、曇り、雨等の履歴や、台風の来襲時期等)等も含まれる。このような栽培の過程がリンゴの品質に影響を及ぼす。栽培の過程はユーザインターフェース、ユーザ端末を介して入力することで取得してもよい。
図8の例では、入力データとして例えば参照用外観情報P01〜P03、参照用栽培履歴情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用外観情報に対して、参照用栽培履歴情報が組み合わさったものが、図8に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、リンゴの品質が表示されている。
参照用外観情報と参照用栽培履歴情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、リンゴの品質に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用外観情報と参照用栽培履歴情報がこの連関度を介して左側に配列し、リンゴの品質が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外観情報と参照用栽培履歴情報に対して、リンゴの品質と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外観情報と参照用栽培履歴情報が、いかなるリンゴの品質に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外観情報と参照用栽培履歴情報から最も確からしいリンゴの品質を選択する上での的確性を示すものである。
推定装置2は、このような図8に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外観情報と、参照用外観情報を取得する際に得た参照用栽培履歴情報、並びにその場合のリンゴの品質が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図8に示す連関度を作り上げておく。
例えば、過去にあった実際のリンゴの品質の評価時において、ある参照用外観情報に対して、参照用栽培履歴情報が、施肥の時期が〇〇、水やりの時期が〇〇、台風が来襲した日が8月16日、であるものとする。かかる場合に、リンゴの品質がAと判別されている事例が多い場合には、これらをデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用外観情報P01で、参照用栽培履歴情報P20である場合に、そのリンゴの品質を過去のデータから分析する。リンゴの品質Aの事例が多い場合には、このリンゴの品質がAにつながる連関度をより高く設定し、リンゴの品質がBの事例が多く、リンゴの品質がAの事例が少ない場合には、リンゴの品質がBにつながる連関度を高くし、リンゴの品質がAにつながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、リンゴの品質Aとリンゴの品質Bの出力にリンクしているが、以前の事例からリンゴの品質Aにつながるw13の連関度を7点に、リンゴの品質Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図8に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図8に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用外観情報P01に対して参照用栽培履歴情報P18の組み合わせのノードであり、リンゴの品質Cの連関度がw15、リンゴの品質Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用外観情報P02に対して、参照用栽培履歴P19、P21の組み合わせのノードであり、リンゴの品質Bの連関度がw17、リンゴの品質Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれからリンゴの品質の探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際にそのリンゴの品質の判別対象の外観情報と、栽培履歴情報とを取得する。ここで栽培履歴情報は、リンゴの品質を実際に見積もる際に、新たに取得するが、その取得方法は、上述した参照用栽培履歴情報と同様である。
このようにして新たに取得した外観情報と、栽培履歴情報に基づいて、最適なリンゴの品質を探索する。かかる場合には、予め取得した図8(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外観情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、栽培履歴情報がP21と同一か又は類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、リンゴの品質Cがw19、リンゴの品質Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高いリンゴの品質Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められるリンゴの品質Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
上述した連関度においては、10段階評価で連関度を表現しているが、これに限定されるものではなく、3段階以上の連関度で表現されていればよく、逆に3段階以上であれば100段階でも1000段階でも構わない。一方、この連関度は、2段階、つまり互いに連関しているか否か、1又は0の何れかで表現されるものは含まれない。
上述した構成からなる本発明によれば、特段のスキルや経験が無くても、誰でも手軽にリンゴの品質の探索を行うことができる。また本発明によれば、この探索解の判断を、人間が行うよりも高精度に行うことが可能となる。更に、上述した連関度を人工知能(ニューラルネットワーク等)で構成することにより、これを学習させることでその判別精度を更に向上させることが可能となる。
なお、上述した入力データ、及び出力データは、学習させる過程で完全に同一のものが存在しない場合も多々あることから、これらの入力データと出力データを類型別に分類した情報であってもよい。つまり、入力データを構成する情報P01、P02、・・・・P15、16、・・・は、その情報の内容に応じて予めシステム側又はユーザ側において分類した基準で分類し、その分類した入力データと出力データとの間でデータセットを作り、学習させるようにしてもよい。
なお、上述した連関度では、参照用外観情報に加え、参照用品種情報、参照用スペクトル情報、参照用香り情報、参照用重量情報、参照用栽培履歴情報の何れかとの組み合わせで構成されている場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではない。つまり連関度は、参照用外観情報に加え、参照用品種情報、参照用スペクトル情報、参照用香り情報、参照用重量情報、参照用栽培履歴情報の何れか2以上との組み合わせで構成されていてもよい。また連関度は、参照用外観情報に加え、参照用品種情報、参照用スペクトル情報、参照用香り情報、参照用重量情報、参照用栽培履歴情報の何れか1以上に加え、他のファクターがこの組み合わせに加わって連関度が形成されていてもよい。
いずれの場合も、その連関度の参照情報に合わせたデータの入力がなされ、その連関度を利用してリンゴの品質を求める。
また、本発明によれば、3段階以上に設定されている連関度を介して最適な解探索を行う点に特徴がある。連関度は、上述した10段階以外に、例えば0〜100%までの数値で記述することができるが、これに限定されるものではなく3段階以上の数値で記述できるものであればいかなる段階で構成されていてもよい。
このような3段階以上の数値で表される連関度に基づいて最も確からしいリンゴの品質、を判別することで、探索解の可能性の候補として複数考えられる状況下において、当該連関度の高い順に探索して表示することも可能となる。このように連関度の高い順にユーザに表示できれば、より確からしい探索解を優先的に表示することも可能となる。
これに加えて、本発明によれば、連関度が1%のような極めて低い出力の判別結果も見逃すことなく判断することができる。連関度が極めて低い判別結果であっても僅かな兆候として繋がっているものであり、何十回、何百回に一度は、その判別結果として役に立つ場合もあることをユーザに対して注意喚起することができる。
更に本発明によれば、このような3段階以上の連関度に基づいて探索を行うことにより、閾値の設定の仕方で、探索方針を決めることができるメリットがある。閾値を低くすれば、上述した連関度が1%のものであっても漏れなく拾うことができる反面、より適切な判別結果を好適に検出できる可能性が低く、ノイズを沢山拾ってしまう場合もある。一方、閾値を高くすれば、最適な探索解を高確率で検出できる可能性が高い反面、通常は連関度は低くてスルーされるものの何十回、何百回に一度は出てくる好適な解を見落としてしまう場合もある。いずれに重きを置くかは、ユーザ側、システム側の考え方に基づいて決めることが可能となるが、このような重点を置くポイントを選ぶ自由度を高くすることが可能となる。
更に本発明では、上述した連関度を更新させるようにしてもよい。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また参照用外観情報、参照用品種情報、参照用スペクトル情報、参照用香り情報、参照用重量情報、参照用栽培履歴情報を取得し、これらに対するリンゴの品質、改善施策に関する知見、情報、データを取得した場合、これらに応じて連関度を上昇させ、或いは下降させる。
つまり、この更新は、人工知能でいうところの学習に相当する。新たなデータを取得し、これを学習済みデータに反映させることを行っているため、学習行為といえるものである。
また、この連関度の更新は、公衆通信網から取得可能な情報に基づく場合以外に、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
また学習済モデルを最初に作り上げる過程、及び上述した更新は、教師あり学習のみならず、教師なし学習、ディープラーニング、強化学習等を用いるようにしてもよい。教師なし学習の場合には、入力データと出力データのデータセットを読み込ませて学習させる代わりに、入力データに相当する情報を読み込ませて学習させ、そこから出力データに関連する連関度を自己形成させるようにしてもよい。