JP6830413B2 - 二酸化炭素の回収設備、及び、二酸化炭素の回収方法 - Google Patents

二酸化炭素の回収設備、及び、二酸化炭素の回収方法 Download PDF

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Description

本開示は、二酸化炭素の回収設備、及び、二酸化炭素の回収方法に関する。
高炉ガス、ボイラ排ガス、天然ガス等から二酸化炭素を回収する技術として化学吸収法が知られている。化学吸収法では、吸収塔においてアミン水溶液と混合ガスとを接触させて、アミン水溶液中に二酸化炭素を吸収させる。この二酸化炭素を吸収したアミン水溶液を再生塔で加熱して二酸化炭素を放出させ、二酸化炭素とアミン水溶液とを分離する。二酸化炭素を分離することによって再生されたアミン水溶液は循環使用される。(例えば、特許文献1参照)
このように、化学吸収法では、アミン水溶液の加熱及び冷却によってガスに含まれる二酸化炭素を回収する。このため、二酸化炭素の回収設備では、加熱のための熱源としてボイラで発生した水蒸気(スチーム)が使用され、冷却のために冷却水が使用される。
特許第5272099号公報
化学吸収法による二酸化炭素の回収設備は、アミン水溶液等の流体を熱交換器等の冷却器で冷却するために多量の冷却水を用いる。冷却水は、水の有効利用を図るため、冷却塔などで冷却して循環使用することが考えられる。ここで、通常の開放型の冷却塔を用いると、冷却の際に水の一部が蒸発する。また、循環使用する場合、冷却水の水質維持のために、循環水の一部を排出し補給水で置換する必要がある。しかしながら、特に水資源に乏しい地域では、補給水の確保に制約が生じることが懸念される。
そこで、本発明は、一つの側面において、冷却水の補給量を十分に低減することが可能な二酸化炭素の回収設備を提供する。本発明は、別の側面において、冷却水の補給量を十分に低減することが可能な二酸化炭素の回収方法を提供する。
本発明は、一つの側面において、二酸化炭素を含むガスを吸収液に吸収させる吸収装置と、吸収液を水蒸気との熱交換で加熱する加熱器を有し、吸収液を再生して二酸化炭素を含む処理ガスを得る再生装置と、を備える二酸化炭素の回収設備であって、再生した吸収液及び処理ガスの少なくとも一方を冷却する冷却器と、冷却器からの冷却水と再生装置の加熱器からの凝縮水とを回収し、回収した冷却水及び凝縮水を循環水として冷却器に供給する水循環装置を備え、水循環装置は、冷却塔と、冷却塔で冷却された循環水の少なくとも一部を浄水と濃縮水とに分離して浄水を循環水とする浄水器と、加熱器からの凝縮水を濃縮水で冷却する第1熱交換器と、を備える。
吸収装置及び再生装置の冷却器で熱交換した冷却水は、熱交換前に比べて高い温度を有する。このため、熱交換後の冷却水は冷却塔で冷却する必要がある。ここで、冷却塔での冷却の際、水分の蒸発によって不純物が濃縮する傾向にある。また、加熱器からの凝縮水は、通常、熱交換後の冷却水よりも高い温度を有するため、凝縮水を循環すると、冷却塔の負荷が増大し、不純物の濃縮が一層進行する傾向にある。そこで、上記水循環装置では、冷却塔で冷却された冷却水を浄水と濃縮水とに分離する浄水器と、凝縮水を濃縮水で冷却する第1熱交換器とを備える。浄水器で分離された浄水を循環水にするとともに不純物が濃縮された濃縮水で凝縮水を冷却することによって、循環水の水質を維持しつつ、冷却塔の負荷を軽減することができる。したがって、冷却塔での水分の蒸発量を低減することが可能となり、その結果、水循環装置への補給水量を十分に低減することができる。
上述の水循環装置は、再生装置の下流側において処理ガスから分離される分離水を回収し、分離水を循環水として冷却器に供給するように構成されることが好ましい。これによって、分離水を循環水として再利用することが可能となり、水循環装置への補給水量を一層低減することができる。
上述の二酸化炭素の回収設備は、処理ガスに含まれる不純物を低減し、処理ガスよりも不純物の濃度が低減された二酸化炭素ガスを得る精製装置を備えていてもよい。この場合、水循環装置は、再生装置と精製装置の間において処理ガスから分離される分離水と、精製装置において二酸化炭素ガスから分離される分離水とを回収し、それぞれの分離水を循環水として冷却器に供給するように構成されることが好ましい。これによって、それぞれの分離水を循環水として再利用することが可能となり、水循環装置への補給水量をより一層低減することができる。また、純度の高い二酸化炭素ガスを回収することができる。
水循環装置は、加熱器からの凝縮水を分離水で冷却する第2熱交換器を備えることが好ましい。上記第2熱交換器を備えることによって、加熱器からの凝縮水の温度が一層低減され、冷却塔の負荷を一層軽減することができる。また、処理ガス及び二酸化炭素ガスから分離される分離水は、循環水よりも二酸化炭素の溶解量が高い。このような分離水が第2熱交換器で加熱されることから、分離水に溶解する二酸化炭素が低減される。したがって、第2熱交換器よりも下流側の配管の炭酸腐食を抑制することができる。
浄水器は逆浸透膜及びイオン交換膜の少なくとも一方を有していてもよい。逆浸透膜を有する浄水器であれば、補給水及び循環水の不純物濃度が高くても当該不純物の濃度を十分に低減することができる。また、ランニングコストを低減することができる。イオン交換膜を有する浄水器であれば、不純物イオンを十分に低減することができる。逆浸透膜及びイオン交換膜の両方を備える浄水器であれば、上述の効果を全て享受することができる。
上述の二酸化炭素の回収設備は、二酸化炭素を含むガスを吸収装置に導入する前に当該ガスとアルカリ水溶液とを接触させる脱硫塔と、脱硫塔の塔底液を冷却する第3熱交換器と、を備えていてもよい。第3熱交換器には、脱硫塔からの脱硫排水及び濃縮水の少なくとも一方を含む冷却液を導入してもよい。このような回収設備であれば、水循環装置への補給水量をより一層低減することができる。
本発明は、別の側面において、二酸化炭素を含むガスを吸収液に吸収させる吸収装置と、吸収液を水蒸気との熱交換で加熱する加熱器を有し、吸収液を再生して二酸化炭素を含む処理ガスを得る再生装置と、を用いる二酸化炭素の回収方法であって、再生した吸収液及び処理ガスの少なくとも一方を冷却する冷却器からの冷却水と再生装置の加熱器からの凝縮水とを回収し、回収した冷却水及び凝縮水を循環水として冷却器に供給する水循環工程を備え、水循環工程は、循環水を冷却塔で冷却することと、冷却塔で冷却された冷却水の少なくとも一部を浄化して浄水と濃縮水とに分離し、浄水を循環水として用いることと、加熱器からの凝縮水を濃縮水で冷却することと、を有する、二酸化炭素の回収方法を提供する。
上記水循環工程では、冷却塔で冷却された循環水の少なくとも一部を浄化して浄水と濃縮水とに分離し、浄水を循環水として用いるとともに、凝縮水を濃縮水で冷却する。これによって、循環される循環水(冷却水)の水質を維持しつつ、冷却塔の負荷を軽減することができる。したがって、冷却塔での水分の蒸発量を低減することが可能となり、その結果、水循環装置への補給水量を十分に低減することができる。
本発明は、一つの側面において、冷却水の補給量を十分に低減することが可能な二酸化炭素の回収設備を提供することができる。本発明は、別の側面において、冷却水の補給量を十分に低減することが可能な二酸化炭素の回収方法を提供することができる。
一実施形態に係る二酸化炭素の回収設備を模式的に示す図である。 図1の二酸化炭素の回収設備における脱硫装置、吸収装置、再生装置及び精製装置の構成の一例を示す図である。 別の実施形態に係る二酸化炭素の回収設備を模式的に示す図である。 さらに別の実施形態に係る二酸化炭素の回収設備を模式的に示す図である。 図4の二酸化炭素の回収設備における脱硫装置、吸収装置、再生装置及び精製装置の構成の一例を示す図である。
以下、場合により図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態の二酸化炭素の回収設備100を模式的に示す図である。回収設備100の内容、及び回収設備100を用いた二酸化炭素の回収方法を以下に説明する。
回収設備100は、ボイラ等で発生する二酸化炭素を含む排ガスの脱硫を行う脱硫装置15と、脱硫装置15で脱硫された排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収装置20と、吸収液を水蒸気との熱交換で加熱する加熱器31を有し、吸収液を再生して二酸化炭素を含む処理ガスを得る再生装置30と、処理ガスに含まれる不純物を低減し、処理ガスよりも不純物の濃度が低減された二酸化炭素ガスを得る精製装置40と、水循環装置50とを備える。
水循環装置50は、吸収装置20と再生装置30の間、再生装置30、精製装置40、並びに、再生装置30及び精製装置40の間に、それぞれに設けられた冷却器61,35,62,45に冷却水CWをそれぞれ供給するとともに、当該冷却器で使用された冷却水を回収して冷却し、冷却した循環水(冷却水)を冷却器61,35,62,45に再び供給する。すなわち、水循環装置50は、冷却器61,35,62,45で用いられる冷却水を、循環供給する装置である。冷却器61,35,62,45で用いられた冷却水は、流路50aによって回収される。
水循環装置50は、再生装置30の加熱器31からの凝縮水、再生装置30と精製装置40の間における冷却器62の下流側において処理ガスから分離される第1分離水、及び、精製装置40で二酸化炭素ガスから分離される第2分離水を、流路53,67,59を介して回収し、各冷却器に循環供給可能なように構成される。このような水循環装置50によって水循環工程を行うことができる。
再生装置30の加熱器31からの凝縮水は、流路53を介して第2熱交換器52及び第1熱交換器51に導入される。一方、第1分離水及び第2分離水は、流路67及び流路59をそれぞれ流通した後、合流し、第2熱交換器52に導入される。合流する前の第1分離水の温度は例えば30〜50℃であり、第2分離水の温度は例えば10〜20℃である。第1分離水と第2分離水の重量比は、例えば、第1分離水:第2分離水=5:0.5〜2である。第2熱交換器52の上流側において、凝縮水は、例えば95〜100℃の温度を有する。一方、第2熱交換器52の上流側において、第1分離水及び第2分離水の合流水は、例えば30〜40℃の温度を有する。
凝縮水は、第2熱交換器52において、第1分離水及び第2分離水の合流水との熱交換によって、例えば90〜99℃に冷却される(第1熱交換工程)。一方、第1分離水及び第2分離水の合流水は、第2熱交換器52において、凝縮水との熱交換によって、例えば50〜70℃に加熱される。このような熱交換によって、合流水に溶解する炭酸ガスの溶解量を低減し、第2熱交換器52よりも下流側の流路の炭酸腐食を低減することができる。表1に、各流体の温度の一例と、当該温度における炭酸ガスの溶解量を示す。
Figure 0006830413
第2熱交換器52における熱交換量は、合流水と凝縮水の重量比、及び合流水と凝縮水の第2熱交換器52への供給温度によって変化する。合流水と凝縮水の重量比は、例えば、合流水:凝縮水=1:10〜20である。
第2熱交換器52において冷却された凝縮水は、続いて第1熱交換器51に導入される。凝縮水は、第1熱交換器51において、浄水器56からの濃縮水との熱交換によって、例えば55〜70℃に冷却される(第2熱交換工程)。第1熱交換器51における熱交換量は、凝縮水と濃縮水との重量比、及び凝縮水と濃縮水の第1熱交換器51への供給温度によって変化する。凝縮水と濃縮水の重量比は、例えば、凝縮水:濃縮水=1:0.5〜4である。
第2熱交換器52及び第1熱交換器51において、合流水及び濃縮水との熱交換によって冷却された凝縮水は、冷却塔54に供給される。凝縮液は、冷却塔54に供給される前に十分に冷却されていることから、凝縮液を回収することによる冷却塔54の負荷の上昇を十分に抑制できる。そして、冷却塔54において、水の蒸発を十分に低減することができる。したがって、冷却水(循環水)における不純物の濃縮が抑制されるとともに、水循環装置50への補給水量を十分に低減することができる。
本実施形態では、凝縮水の流通方向でみたときに、第2熱交換器52の方が第1熱交換器51よりも上流側に設けられているが、これに限定されない。例えば、濃縮水によって冷却する第1熱交換器51を、合流水によって冷却する第2熱交換器52よりも上流側に設けてもよい。また、第2熱交換器52では、第1分離水と第2分離水の両方を用いて凝縮水を冷却しているが、これに限定されない。第2熱交換器52では、第1分離水と第2分離水のどちらか一方によって凝縮水を冷却してもよい。また、熱交換器を増設し、第1分離水と第2分離水のそれぞれと、凝縮水とを熱交換できるようにしてもよい。
第1熱交換器51で冷却された凝縮水は、第2熱交換器52で熱交換し、炭酸ガスの溶解量が低減された合流水とともに、例えば45〜55℃の温度で冷却塔54に供給され、冷却される(冷却工程)。流路50aで回収された冷却水も、冷却塔54に供給される。冷却塔54としては、通常の開放型の冷却塔が挙げられる。冷却塔54で例えば20〜40℃に冷却された循環水の一部は、流路55を流通して浄水器56に供給される。一方、循環水の他部は、脱硫装置15、吸収装置20、再生装置30及び精製装置40に備えられる冷却器61,35,62,45に供給され冷却水(循環水)として利用される。
浄水器56は、循環水を浄化して、循環水よりも不純物が低減された浄水と、循環水よりも不純物が濃縮された濃縮水とに分離する。浄水は、流路58を流通して冷却塔54に回収され循環水として利用される。なお、浄水の温度は例えば20〜40℃であることから、別の幾つかの実施形態では、流路58にポンプを設けて、浄水をそのまま冷却器61,35,62,45の少なくとも一つに供給してもよい。浄水及び濃縮水の不純物濃度、及び、浄水と濃縮水の分離割合に特に制限はなく、補給水及び循環水の水質、循環水の循環量に応じて調整してもよい。不純物としては、K、Na、Ca2+、Mg2+、Fe3+、Al3+などの陽イオン、及び、HCO ,SO 2−、Cl、NO −、SiO 等の陰イオンが挙げられる。
浄水器56としては、通常の逆浸透膜を有するもの、及び/又は、イオン交換膜を有するものが挙げられる。逆浸透膜を有する浄水器であれば、補給水及び循環する冷却水の不純物濃度が高くても当該不純物の濃度を十分に低減することができる。また、ランニングコストを低減することができる。イオン交換膜を有する浄水器であれば、不純物イオンを十分に低減することができる。逆浸透膜及びイオン交換膜の両方を備える浄水器であれば、イニシャルコストが高くなる傾向にあるものの上述の効果を全て享受することができる。
浄水器56で不純物が濃縮された20〜40℃の濃縮水は、流路57を流通して第1熱交換器51に導入される。第1熱交換器51では、再生装置30の加熱器31からの凝縮水との熱交換によって、濃縮水は例えば50〜70℃に加熱される。その後、濃縮水は水循環装置50の外部に排出される。
二酸化炭素の回収設備100における水循環装置50は、加熱器31からの凝縮水を第1熱交換器51及び第2熱交換器52で冷却して回収するとともに、第1分離水及び第2分離水も回収し、冷却器61,35,62,45に循環供給可能に構成されている。そして、水循環装置50は、冷却塔54で冷却された循環水の一部を浄水と濃縮水とに分離して浄水を循環水とする浄水器56を備えることによって、冷却水CW(循環水)に不純物が濃縮することを抑制できる。
また、浄水器56からの濃縮水、第1分離水及び第2分離水によって凝縮水を冷却していることから、冷却塔54の負荷の増大を抑制するとともに、冷却塔54における冷却水の蒸発量を低減することができる。したがって、水循環装置50への補給水量を低減することができる。二酸化炭素の回収設備100は、補給水量を0にすることも可能であることから、水資源に乏しい地域において特に有用である。
図1の二酸化炭素の回収設備100を用いて、一実施形態に係る二酸化炭素の回収方法を行うことができる。すなわち、一実施形態に係る二酸化炭素の回収方法は、二酸化炭素を含むガスを脱硫する脱硫装置15と、二酸化炭素を含むガスを吸収液に吸収させる吸収装置20と、吸収液を加熱器31で水蒸気との熱交換で加熱して吸収液を再生し二酸化炭素を含む処理ガスを得る再生装置30と、処理ガスよりも不純物の濃度が低減された二酸化炭素ガスを得る精製装置40を用いる。
この二酸化炭素の回収方法は、吸収装置20と再生装置30の間、再生装置30、精製装置40、並びに、再生装置30及び精製装置40の間に、それぞれに設けられた冷却器61,35,45,62からの冷却水と、再生装置30の加熱器31からの凝縮水とを回収し、回収した冷却水及び凝縮水を循環水として冷却器61,35,45,62に供給する水循環工程を備える。
水循環工程は、水循環装置50によって行われる。水循環工程は、循環水を冷却塔54で冷却することと(冷却工程)、冷却塔54で冷却された循環水の少なくとも一部を浄化して浄水と濃縮水とに分離して、浄水を循環水として用いることと(浄水工程)、加熱器31からの凝縮水を合流水で冷却することと(第1熱交換工程)、上記凝縮水を濃縮水で冷却することと(第2熱交換工程)を有する。これらの各工程は、上述の二酸化炭素の回収設備100の説明内容に基づいて行うことができる。このような二酸化炭素の回収方法によれば、冷却に用いる補給水量を十分に低減することができる。
図2は、図1の二酸化炭素の回収設備100における脱硫装置15、吸収装置20、再生装置30及び精製装置40の構成の一例を示す図である。
ボイラ等で生じる排ガスは、脱硫装置15に導入される。脱硫装置15において排ガスとアルカリ水溶液とが気液接触してアルカリ水溶液に硫黄酸化物等が吸収される。アルカリ水溶液の例としては、炭酸カルシウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化マグネシウム水溶液及びアンモニア水などが挙げられる。硫黄酸化物の吸収性能の観点から、水酸化ナトリウム水溶液を好ましく用いることができる。
脱硫装置15には、脱硫塔内の温度を調節するために、水循環装置50から冷却水CWが供給されてもよい。この場合、脱硫装置15で使用された冷却水CWは、図1の流路50aを流通して水循環装置50に回収されてもよい。
脱硫装置15の下部からは、硫黄酸化物等を吸収したアルカリ水溶液が排出される。排出される脱硫排水中には、硫黄化合物及びアルカリに由来するイオンが多く含まれている。水質を維持する観点から、この排水は水循環装置50に回収しないことが好ましい。
脱硫装置15で処理された排ガスは、流路18を流通して吸収装置20に供給される。吸収装置20及び再生装置30は、化学吸収法によって二酸化炭素を回収する。吸収装置20における吸収塔20aでは、排ガスと二酸化炭素を吸収する吸収液とを接触させて、排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させる。
流路18は、吸収塔20aの下部に接続されている。一方、吸収塔20aの上部には、再生装置30で二酸化炭素の含有量が十分に低減された吸収液を吸収塔20a内に供給する流路36cが接続されている。吸収液は、流路36cを流通して、吸収塔20a内に供給される。吸収液は、二酸化炭素を吸収する液体であり、例えばアミン水溶液である。アミン水溶液としては、例えば、MEA(モノエタノールアミン)、EAE(エチルアミノエタノール)、IPAE(イソプロパアミノエタノール)、及びTMDAH(テトラメチルジアミノヘキサン)等の水溶液が挙げられる。
吸収塔20aでは、吸収液が降下するとともに排ガスが上昇する。これによって、吸収液と排ガスが向流接触して、排ガスに含まれる二酸化炭素が吸収液に吸収される。吸収液による二酸化炭素の吸収量は温度に依存する。このため、吸収塔20a内の温度を調節することによって、吸収液による二酸化炭素の吸収量を調整することができる。吸収塔20aは、排ガスと吸収液との接触効率を高くする充填層を有していてもよい。充填層には、例えば、ラシヒリング等の充填物が充填される。複数の充填層の間には、図示しないトレイが設置されていてもよい。
吸収塔20a内において、吸収液は排ガスと気液接触しながら降下して、排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収する。吸収塔20a内の温度は、例えば吸収液の種類に応じて設定することが可能であり、例えば30〜40℃である。吸収塔20a内の圧力は例えば0〜1.0MPaである。
吸収塔20aにおいて、二酸化炭素が低減又は除去されたガス(オフガス)は、吸収塔20aの塔頂部に接続された流路22によって、吸収塔20aから排出される。このガスは、流路22を流通して洗浄塔80に導入される。洗浄塔80には、図示しない流路によって水が供給される。洗浄塔80では、ガスと水とを接触させることによって、ガスに含まれる微量成分が除去される。洗浄塔80で洗浄されたガスは、流路82を通過した後、大気に放出されてもよいし、含有成分に応じて種々の用途に用いられてもよい。
吸収塔20aで二酸化炭素を吸収した吸収液(リッチ液)は、吸収塔20aの塔底部に溜められ、当該塔底部に接続された流路24aによって、吸収塔20aから30〜40℃で排出される。吸収塔20aから排出される吸収液は、ポンプを経由して熱交換器65に導入される。ここで、再生塔30aから流路36aによって排出される吸収液(リーン液)と熱交換して例えば80〜90℃に加熱される。熱交換器65で加熱された吸収液は、流路24bを流通して再生塔30aに導入される。流路24bは、再生塔30aの上部に接続されている。
再生装置30は、吸収装置20で得られた、二酸化炭素を吸収した吸収液(リッチ液)から二酸化炭素を分離して、吸収液を再生する。再生装置30における再生塔30aは、液体と気体との分離を効率よく行うために充填層を備えていてもよい。充填層は、例えば、ラシヒリング等の充填物が充填されている。
再生塔30aに導入された吸収液は、再生塔30a内を流下して、再生塔30aの塔底部又は塔底部付近に設けられたトレイ上に滞留する。再生塔30aの外部には、再生塔30aの塔底部又は塔底部付近に滞留する吸収液を加熱する加熱器31が設けられている。吸収液は、流路34aを流通して加熱器31に導入され、熱媒である水蒸気と熱交換して加熱される。吸収液は、加熱器31によって、例えば80〜130℃に加熱される。加熱器31で加熱された吸収液は、流路34b又は流路34cを流通して再生塔30a内に戻る。
加熱器31は、熱交換器であり、熱媒である水蒸気との熱交換を行うことによって吸収液を加熱する。水蒸気は、流路16を流通して加熱器31に供給される。水蒸気は、加熱器31において熱交換によって冷却され凝縮水となる。凝縮水は、図1の流路53によって水循環装置50に回収される。
吸収液から分離された二酸化炭素を含むガスは、再生塔30a内を上昇する。当該ガスは、処理ガスとして、再生塔30aの塔頂に接続された流路32aによって再生塔30aの外部に排出される。このようにして、原料ガスに含まれていた二酸化炭素が吸収液から分離され、吸収液が再生される。流路32aから排出される処理ガス中における二酸化炭素の濃度は、例えば99体積%以上であり、好ましくは99.9体積%以上である。
再生塔30aの塔底部には、二酸化炭素が低減された吸収液(リーン液)を再生塔30aから排出する流路36aが接続されている。吸収液(リーン液)は、流路36aを流通して熱交換器65に導入され、吸収装置20からの吸収液(リッチ液)との熱交換によって冷却される。その後、熱交換器65で冷却された吸収液(リーン液)は、冷却器61に導入され、例えば30〜40℃に冷却される。その後、吸収液(リーン液)は、流路36cを流通して、吸収塔20aの上部に供給される。このように、吸収液は吸収塔20aと再生塔30aとの間を循環しながら使用される。
冷却器61には、図1の水循環装置50から冷却水CWが供給される。冷却器61では、冷却水CWとの熱交換によって吸収液(リーン液)が冷却される。冷却器61で吸収液(リーン液)を冷却した冷却水CWは、図1の流路50aによって水循環装置50に回収される。
処理ガスは、例えば85〜95℃の温度で再生塔30aの塔頂部から排出され、流路32aを流通して冷却器35に導入される。冷却器35は、図1の水循環装置50から供給される冷却水CWとの熱交換によって、処理ガスを例えば30〜50℃に冷却する。冷却器35での冷却によって、処理ガスの一部は凝縮してもよい。ここで生じた凝縮液は、ポンプによって流路32bを流通して、再生塔30aでリフラックスとして用いられる。冷却器35で処理ガスを冷却した冷却水CWは、図1の流路50aによって水循環装置50に回収される。
冷却器35で冷却された処理ガスの残部は流路32cを流通して圧縮機60に導入され、0.8〜1MPaに昇圧されるとともに100〜150℃に昇温される。圧縮機60の下流側に設けられた冷却器62では、冷却器62に導入される冷却水CWとの熱交換によって、圧縮機60で昇圧及び昇温した処理ガスが例えば30〜50℃に冷却される。冷却器62で処理ガスを冷却した冷却水CWは、流路67によって水循環装置50に回収される。冷却器62の冷却水CWは、水循環装置50から供給される。
冷却器62での冷却に伴って、処理ガスに含まれる水分が凝縮する。処理ガスに同伴される水分は、分離器66等を用いて処理ガスから分離される。このようにして分離された水(第1分離水)は、図1の流路50aによって、水循環装置50に回収される。
冷却器62で冷却された処理ガスは、熱交換器63において、精製装置40における不純物除去塔42で得られた二酸化炭素ガスと熱交換して例えば130〜150℃に加熱される。熱交換器63で加熱された処理ガスは、熱交換器64で水蒸気と熱交換して、不純物除去塔42での処理に適した温度(例えば150〜170℃)に加熱される。熱交換器64で用いる熱媒は、水蒸気であってもよいし、熱媒油であってもよい。熱媒として水蒸気を用いる場合、熱交換によって生じる凝縮水は、図1の水循環装置50に回収されてもよい。
熱交換器64で加熱された処理ガスは、不純物除去塔42に導入される。不純物除去塔42では、処理ガスに含まれる不純物が除去される。不純物の例としては、NO等の酸化物及び酸素が挙げられる。不純物除去塔42の例としては、還元触媒が収容された触媒塔、及び、活性炭等の吸着剤が収容された吸着塔等が挙げられる。
不純物除去塔42が触媒塔の場合、処理ガスが、水素雰囲気下で還元触媒と接触することで、処理ガスに含まれる不純物が低減され、二酸化炭素の純度が向上する。触媒塔で用いられる還元触媒としては、公知の脱酸素触媒を使用できる。例えば、担体に貴金属を担持させた触媒が挙げられる。担体の例としては、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムが挙げられる。貴金属の例としては、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム及びこれらの合金が挙げられる。担体及び貴金属は、上述の一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせてもよい。
一方、不純物除去塔42が吸着塔の場合、処理ガスが吸着剤と接触することで、処理ガスに含まれる不純物が低減され、二酸化炭素の純度が向上する。精製装置40は、触媒塔及び吸着塔のどちらか一方を備えていてもよいし、両者を組み合わせて備えていてもよい。
不純物除去塔42において、処理ガスから不純物が除去されて、二酸化炭素ガスが得られる。二酸化炭素ガスの純度は、例えば99.9体積%以上である。なお、本明細書における「二酸化炭素ガス」は、処理ガスよりも二酸化炭素の純度が高ければよく、不純物を含んでいてもよい。本明細書における「体積%」は、標準状態(25℃、1bar)における体積比率である。
不純物除去塔42で得られた二酸化炭素ガスは、流路42aを流通して、150〜170℃の温度で熱交換器63に導入される。二酸化炭素ガスは、熱交換器63で処理ガスと熱交換して例えば130〜150℃に冷却される。熱交換器63で冷却された二酸化炭素ガスは、冷却器45に導入される。二酸化炭素ガスは、冷却器45において図1の水循環装置50から供給される冷却水CWと熱交換して例えば20〜40℃に冷却される。冷却器45で二酸化炭素ガスを冷却した冷却水CWは、図1の流路50aによって水循環装置50に回収される。
冷却器45において冷却された二酸化炭素ガスは、脱湿機44に導入される。脱湿機44には、ゼオライト等の吸着剤が収容されている。脱湿機44では、二酸化炭素ガスが吸着剤に接触し、二酸化炭素ガスに含まれる水分等が低減される。脱湿機の温度又は圧力を調節することによって、吸着剤に一旦吸着された水は吸着剤から脱離される。これによって、二酸化炭素ガスに含まれる水を分離することができる。このようにして分離した水(第2分離水)は、流路59によって、水循環装置50に回収される。
脱湿機44で脱湿された二酸化炭素ガスは、脱湿機44において水分等が低減された後、脱臭塔46に導入される。脱臭塔46には、活性炭が収容されている。脱臭塔46では、二酸化炭素ガスが活性炭に接触し、二酸化炭素ガスに含まれる臭気成分が低減される。臭気成分としては、例えば、不純物除去塔42で生じる硫化水素、及び炭化水素等が挙げられる。
脱臭塔46で脱臭された二酸化炭素ガスは、タンク等に移送されて保管される。このようにして得られる二酸化炭素ガス(CO)は、不純物濃度が十分に低減されており、その純度は、例えば99.95体積%以上である。このような高純度の二酸化炭素ガスは、例えば飲料又は食料の用途にも好適に用いることができる。
表2に、水循環装置50に補給される補給水と、浄水器56で濃縮して排出される濃縮水と、脱硫装置15で生じる排水(脱硫排水)の性状の一例を示す。
Figure 0006830413
表2に示すとおり、濃縮水の不純物は補給水に対して3倍に濃縮される。このように浄水器56で濃縮された濃縮水を排出することによって、循環水における不純物濃度が高くなることを抑制することができる。なお、濃縮の倍率は3倍に限定されず、例えば2〜5倍であってもよい。加熱器31からの凝縮水は熱源として用いられた水蒸気に由来し、合流水(第1分離水+第2分離水)は処理ガスに含まれる水分に由来するため、これらは補給水と同等の水質を有する。このため、凝縮水及び合流水を水循環装置50に回収しても、循環水の水質を十分良好に維持することができる。
一方、脱硫排水は、アルカリ及び硫黄分を含有するため、補給水に比べて不純物濃度が高い。このため、本実施形態では、脱硫排水を水循環装置50に回収することなく、排出している。これによって、濃縮水の排水量を低減して水循環装置50への補給水をなくしても、循環水の水質を良好に維持することができる。このような観点から、水循環装置50に回収される水の性状は、表2に示す陽イオンの合計及び陰イオンの合計が、それぞれ500mg/L以下であることが好ましい。
以上、図2を参照しながら、二酸化炭素の回収設備100における脱硫装置15、吸収装置20、再生装置30及び精製装置40の構成の一例を説明したが、各装置の構成は上述の実施形態に限定されない。例えば、脱硫装置15、精製装置40及び洗浄塔80はなくてもよい。水循環装置50は、冷却器61,35,62,45の全てに冷却水を供給し、回収することは必須ではなく、一部の冷却器には、別系統の水循環装置が冷却水を供給するとともに回収してもよい。また、一部の冷却器で用いた冷却水は回収せずに排出されてもよく、少なくとも一つの冷却器で用いた冷却水が回収されればよい。脱硫装置15及び吸収装置20が冷却器を備える場合、水循環装置50から当該冷却器に冷却水を供給して回収してもよい。
図3は、別の実施形態に係る二酸化炭素の回収設備102を模式的に示す図である。回収設備102は、圧縮機60から下流側の設備、すなわち、圧縮機60、冷却器62、分離器66、精製装置40及び第2熱交換器52を備えない点で、回収設備100と異なっている。回収設備102のその他の構成は、回収設備100と同一であり、回収設備100の説明内容を適用できる。回収設備102では、排ガスから、排ガスよりも高い二酸化炭素濃度を有する処理ガスが得られる。
二酸化炭素の回収設備102における水循環装置50Aは、加熱器31からの凝縮水を第1熱交換器51で冷却して回収し、冷却器61,35に循環供給可能に構成されている。そして、水循環装置50Aは、冷却塔54で冷却された冷却水を浄水と濃縮水とに分離する浄水器56を備えることによって、冷却水(循環水)に不純物が濃縮することを抑制できる。
第1熱交換器51において、浄水器56からの濃縮水によって凝縮水を冷却していることから、冷却塔54の負荷の増大を抑制するとともに、冷却塔54における冷却水の蒸発量を低減することができる。したがって、水循環装置50Aへの補給水量を低減することができる。二酸化炭素の回収設備102も、補給水量を0にすることができる。したがって、水資源に乏しい地域において特に有用である。
二酸化炭素の回収設備102を用いる二酸化炭素の回収方法は、第1熱交換工程を行わないこと以外は、二酸化炭素の回収設備100を用いる二酸化炭素の回収方法と同様である。このときの水循環工程は、水循環装置50Aによって行うことができる。
図4は、さらに別の実施形態に係る二酸化炭素の回収設備を模式的に示す図である。図4の回収設備104は、脱硫装置15Aで得られる脱硫排水で加熱器31からの凝縮水を冷却している点、及び、この脱硫排水と浄水器56で得られる不純物が濃縮された濃縮水とを、脱硫装置15Aにおいて冷却液として用いる点で、回収設備100と異なっている。回収設備104のその他の構成は、回収設備100と同一である。
回収設備104では、脱硫装置15Aで得られる脱硫排水は流路19Aを流通して、流路57を流通する濃縮水と合流する。脱硫排水の温度は例えば通常35〜45℃であり、濃縮水の温度は例えば25〜35℃である。合流した脱硫排水と濃縮水は、第1熱交換器51に導入され、第2熱交換器52で冷却された加熱器31からの凝縮水をさらに冷却する。第1熱交換器51で凝縮水を冷却した脱硫排水及び濃縮液は、流路72を流通して脱硫装置15Aに冷却液として導入される。
回収設備104では、濃縮水及び脱硫排水を、脱硫装置15Aの冷却液として有効利用している。このため、脱硫装置15Aで冷却水CWを用いて冷却し、当該冷却水CWを水循環装置50に回収する場合、冷却水CWの使用量を低減することができる。したがって、水循環装置50への補給水量を一層低減することができる。
回収設備104では、濃縮水と脱硫排水の両方を脱硫装置15Aの冷却液として用いているが、両方を冷却液として用いることは必須ではなく、どちらか一方のみを冷却液として脱硫装置15Aに導入してもよい。また、濃縮水と脱硫排水の合流位置は、第1熱交換器51の上流側でなくてもよい。例えば、加熱器31からの凝縮水の冷却よりも脱硫装置15Aにおける冷却を優先する場合は、第1熱交換器51を流通した濃縮水に脱硫排水を合流させてもよい。濃縮水と脱硫排水とが合流する際の両者の重量比は、例えば、濃縮水:脱硫排水=1:0.5〜2である。
二酸化炭素の回収設備104を用いる二酸化炭素の回収方法では、上記第2熱交換工程において、加熱器31からの凝縮水を濃縮水及び脱硫排水の少なくとも一方を含む冷却液で冷却する。また、濃縮液及び脱硫排水の少なくとも一方を含む冷却液で脱硫装置における脱硫塔の塔底液を冷却する冷却工程を有する。これら以外の工程は、二酸化炭素の回収設備100を用いる二酸化炭素の回収方法と同様である。この回収方法によれば、冷却水の消費量を低減することが可能になることから、水循環装置50への補給水量を一層低減することができる。
図5は、図4における二酸化炭素の回収設備104における脱硫装置15A、吸収装置20、再生装置30及び精製装置40の構成の一例を示す図である。図5の例は、脱硫装置15Aの点で図2の例と異なっている。すなわち、脱硫装置15A以外の構成は、図3の例と同一であり、図3の説明内容を適用できる。
脱硫装置15Aは、脱硫塔15aと、脱硫塔15aの塔底液の一部を循環させながら冷却する第3熱交換器74と、塔底液の他部と空気又は酸素とを接触させる反応槽17とを備える。脱硫塔15aには、アルカリ水溶液が図示しない流路によって供給される。脱硫塔15aにおいてアルカリ水溶液と排ガスが接触して、排ガス中の硫黄酸化物がアルカリ水溶液中に吸収され、塔底液として脱硫塔15aから排出される。アルカリ水溶液の例は上述したとおりである。
例えば45〜55℃の温度を有する塔底液の一部は、脱硫塔15aの内部の温度を所定の範囲に維持するために、第3熱交換器74において35〜40℃に冷却される。冷却された塔底液は、脱硫塔15aの上部又は中央部に供給される。このように塔底液の一部を循環して冷却液として使用することによって、脱硫装置15Aに供給される排ガスの温度が高温(例えば100〜160℃)であっても、脱硫装置15A内の温度を所定範囲に維持することができる。
塔底液の他部は、反応槽17において空気又は酸素と接触する。空気は例えばブロアによって反応槽17に供給されてもよい。反応槽17では、例えば、亜硫酸塩が酸化されて相対的に環境負荷(COD)が低い硫酸塩となる。アルカリ水溶液が水酸化ナトリウム水溶液である場合、反応槽17では、NaSOが酸化されてNaSOになる。このような塩を含む塔底液、すなわち脱硫排水は、流路19を流通して図4の流路57を流通する濃縮水と合流する。合流した濃縮水と脱硫排水を含む冷却液は、第3熱交換器74に導入され、塔底液の一部を冷却する。第3熱交換器74で塔底液の一部を冷却した冷却液は、硫酸塩を含む35〜45℃程度の廃液として系外に排出することができる。
第3熱交換器74を設けた場合、水循環装置50からの冷却水CWのみで脱硫塔15aの温度を調整する場合に比べて、冷却塔54への補給水量を約10%低減することができる。濃縮水と脱硫排水を含む冷却液は硫酸塩等を含むため、第3熱交換器74は、メンテナンスを容易にする観点から、プレート式熱交換器であることが好ましい。脱硫装置17Aは、塔底液の流通方向でみたときに、第3熱交換器74に加えて、水循環装置50からの冷却水で塔底液の一部を冷却する冷却器を第3熱交換器74の上流側又は下流側に備えていてもよい。
以上、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、二酸化炭素の回収設備では、ボイラ等からの排ガスだけではなく、高炉ガス又は天然ガスから二酸化炭素を回収してもよい。二酸化炭素を含むガスの性状に応じて、脱硫装置を省略してもよい。また、図1又は図3の二酸化炭素の回収設備100又は102が図5に示す脱硫装置15Aを備えていてもよい。
冷却水の補給量を十分に低減することが可能な二酸化炭素の回収設備及び二酸化炭素の回収方法が提供される。
15,15A…脱硫装置、15a…脱硫塔、16,18,19,22,24a,24b,32a,32b,32c,34a,34b,34c,36a,36c,42a,50a,53,55,57,58,59,67,72,82…流路、17…反応槽、35,45,61,62…冷却器、20…吸収装置、20a…吸収塔、30…再生装置、30a…再生塔,31…加熱器、40…精製装置、42…不純物除去塔、44…脱湿機、46…脱臭塔、50,50A…水循環装置、51…第1熱交換器、52…第2熱交換器、54…冷却塔、56…浄水器、60…圧縮機、63,64,65…熱交換器、66…分離器、74…第3熱交換器、80…洗浄塔、100,102,104…回収設備。

Claims (7)

  1. 二酸化炭素を含むガスを吸収液に吸収させる吸収装置と、前記吸収液を水蒸気との熱交換で加熱する加熱器を有し、前記吸収液を再生して前記二酸化炭素を含む処理ガスを得る再生装置と、を備える二酸化炭素の回収設備であって、
    再生した前記吸収液及び前記処理ガスの少なくとも一方を冷却する冷却器からの冷却水と前記再生装置の前記加熱器からの凝縮水とを回収し、回収した前記冷却水及び前記凝縮水を循環水として前記冷却器に供給する水循環装置を備え、
    前記水循環装置は、冷却塔と、前記冷却塔で冷却された前記循環水の少なくとも一部を浄水と濃縮水とに分離して前記浄水を前記循環水とする浄水器と、前記加熱器からの前記凝縮水を前記濃縮水で冷却する第1熱交換器と、を備える、二酸化炭素の回収設備。
  2. 前記水循環装置は、前記再生装置の下流側において前記処理ガスから分離される分離水を回収し、前記分離水を前記循環水として前記冷却器に供給するように構成される、請求項1に記載の二酸化炭素の回収設備。
  3. 前記処理ガスに含まれる不純物を低減し、前記処理ガスよりも前記不純物の濃度が低減された二酸化炭素ガスを得る精製装置を備え、
    前記水循環装置は、前記再生装置と前記精製装置の間において前記処理ガスから分離される分離水と、前記精製装置において前記二酸化炭素ガスから分離される分離水とを回収し、それぞれの前記分離水を前記循環水として前記冷却器に供給するように構成される、請求項1又は2に記載の二酸化炭素の回収設備。
  4. 前記水循環装置は、前記加熱器からの前記凝縮水を前記分離水で冷却する第2熱交換器を備える、請求項2又は3に記載の二酸化炭素の回収設備。
  5. 前記浄水器は逆浸透膜及びイオン交換膜の少なくとも一方を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二酸化炭素の回収設備。
  6. 二酸化炭素を含む前記ガスを前記吸収装置に導入する前に当該ガスとアルカリ水溶液とを接触させる脱硫塔と、前記脱硫塔の塔底液を冷却する第3熱交換器と、を備え、
    前記第3熱交換器には、前記脱硫塔からの脱硫排水及び前記濃縮水の少なくとも一方を含む冷却液を導入する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の二酸化炭素の回収設備。
  7. 二酸化炭素を含むガスを吸収液に吸収させる吸収装置と、前記吸収液を水蒸気との熱交換で加熱する加熱器を有し、前記吸収液を再生して前記二酸化炭素を含む処理ガスを得る再生装置と、を用いる二酸化炭素の回収方法であって、
    再生した前記吸収液及び前記処理ガスの少なくとも一方を冷却する冷却器からの冷却水と前記再生装置の前記加熱器からの凝縮水とを回収し、回収した前記冷却水及び前記凝縮水を循環水として前記冷却器に供給する水循環工程を備え、
    前記水循環工程は、
    前記循環水を冷却塔で冷却することと、
    前記冷却塔で冷却された前記循環水の少なくとも一部を浄化して浄水と濃縮水とに分離し、前記浄水を前記循環水として用いることと、
    前記加熱器からの前記凝縮水を前記濃縮水で冷却することと、を有する、二酸化炭素の回収方法。
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