以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、「略**」との記載は、「略同一」を例に挙げて説明すると、全く同一はもとより、実質的に同一と認められるものを含む意図である。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
以下、本実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の構成について、図1〜図4を用いて説明する。
[構成]
図1は、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の平面図である。図2は、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の一部拡大平面図である。図3は、図1のIII−III線における実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の断面図である。図4は、図2のIV−IV線における実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の拡大断面図である。
図1では、行方向に沿って等間隔に配列された12枚の太陽電池セル10が並ぶ方向をX軸方向と規定する。隣り合う2つの太陽電池ストリング11が互いに平行となるように列方向に6つの太陽電池ストリング11が並ぶ方向をY軸方向と規定する。そして、上下方向をZ軸方向と規定する。なお、図1では、X軸方向と、Y軸方向とZ軸方向とは、使用態様によって変化するため、これには限定されない。図1以降の各図においても、同様である。
太陽電池モジュール1の「表面」とは、太陽電池セルの「表面」側の光が入射可能な面を意味し、太陽電池モジュール1の「裏面」とは、その反対側の面を意味する。また、太陽電池モジュール1の「表面」とは上側(プラスZ軸方向)であり、太陽電池モジュール1の「裏面」とは下側(マイナスZ軸方向)である。
図1に示す太陽電池モジュール1は、例えば住宅等の施設の屋根の上に複数設置されるモジュールである。太陽電池モジュール1は、表面保護部材40(透光基板の一例)と裏面保護部材50(透光基板の一例)との間に、複数の太陽電池セル10が充填部材60で封止された構造となっている。太陽電池モジュール1は、例えばXY平面視で略矩形の平板状をなしている。一例として、太陽電池モジュール1は、行方向の長さが約1600mmで、列方向の長さが約800mmの略矩形状である。なお、太陽電池モジュール1の形状は、12枚の太陽電池セル10を備える太陽電池ストリング11を6つ並べた形状に限るものではなく、また、矩形状に限るものではない。
太陽電池モジュール1は、複数の太陽電池セル10と、配線材20(インターコネクタ)と、光反射部材30と、表面保護部材40と、裏面保護部材50と、充填部材60と、フレーム7とを備えている。
太陽電池セル10は、太陽光等の光を電力に変換する光電変換素子(光起電力素子)である。太陽電池セル10は、同一平面において行列状(マトリクス状)に複数枚配列されてセルアレイを構成している。
行方向又は列方向の一方に沿って直線状に配列された複数の太陽電池セル10は、隣り合う2つの太陽電池セル10同士が配線材20によって連結されて太陽電池ストリング11(セルストリング)を構成している。1つの太陽電池ストリング11内の複数の太陽電池セル10は、配線材20によって直列接続されている。
太陽電池ストリング11とは、行方向に沿って等間隔に配列された12枚の太陽電池セル10を配線材20で接続された太陽電池セル10の集合体である。より具体的には、各太陽電池ストリング11は、行方向に隣り合う2つの太陽電池セル10を3本の配線材20で順次連結していくことで構成されており、行方向に沿って配列された一列分全ての太陽電池セル10が連結されている。
太陽電池ストリング11は、複数形成されている。複数の太陽電池ストリング11(太陽電池ストリングス)は、行方向又は列方向の他方に沿って並べられている。本実施の形態では、6つの太陽電池ストリング11が形成されている。6つの太陽電池ストリング11は、互いに平行となるように列方向に沿って等間隔で並べられている。
なお、隣り合う2つの太陽電池ストリング11は、行方向の両端側で配線材20を介して接続配線21に接続されている。接続配線21に接続されている太陽電池ストリング11は、その他端側(プラスX軸側)が隣接する太陽電池ストリング11と接続配線21で接続されている。接続配線21は、太陽電池ストリング11どうしを接続する配線部材である。これにより、複数の太陽電池ストリング11が直列接続又は並列接続されてセルアレイが構成される。接続配線21は、太陽電池ストリング11どうしを接続する配線部材である。本実施の形態では、隣り合う6つの太陽電池ストリング11が直列接続されて1つの直列接続体(72枚の太陽電池セル10が直列接続されたもの)が構成されている。
図2に示すように、行方向及び列方向に隣り合う2つの太陽電池セル10は、隙間をあけて配置されている。後述するように、この隙間を跨ぐように光反射部材30が配置されている。
太陽電池セル10は、XY平面視で略矩形の平板状をなしている。具体的には、太陽電池セル10は、125mm角の略正方形の角が欠けた形状であって、直線状の長辺と、直線状または非直線状の短辺と、が交互に繋がった略八角形の形状である。つまり、1つの太陽電池ストリング11は、隣り合う2つの太陽電池セル10の一辺同士が対向するように構成されている。なお、太陽電池セル10の形状は、略矩形状に限るものではない。
太陽電池セル10は、半導体pn接合を基本構造としており、一例として、n型の半導体基板であるn型単結晶シリコン基板と、n型単結晶シリコン基板の一方の主面側に順次形成された、n型非晶質シリコン層およびn側電極と、n型単結晶シリコン基板の他方の主面側に順次形成された、p型非晶質シリコン層およびp側電極とによって構成されている。なお、n型単結晶シリコン基板とn型非晶質シリコン層との間に、i型非晶質シリコン層、酸化シリコン層、窒化シリコン層などのパッシベーション層を設けてもよい。また、n型単結晶シリコン基板とp型非晶質シリコン層との間にも、パッシベーション層を設けてもよい。n側電極およびp側電極は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極である。
なお、太陽電池セル10は、n側電極が太陽電池モジュール1の主受光面側(表面保護部材40側)となるように配置されているが、これに限るものではない。また、太陽電池モジュール1が片面受光方式である場合には、裏面側に位置する電極(本実施の形態ではp側電極)は透明である必要はなく、例えば反射性を有する金属電極であってもよい。
図3に示すように、各太陽電池セル10において、この表面は表面保護部材40側(プラスZ軸方向側)の面であり、裏面は裏面保護部材50側(マイナスZ軸方向側)の面である。太陽電池セル10には、表面集電極12と裏面集電極13とが形成されている。表面集電極12は、太陽電池セル10の表面側電極(例えばn側電極)に電気的に接続される。裏面集電極13は、太陽電池セル10の裏面側電極(例えばp側電極)に電気的に接続される。
表面集電極12および裏面集電極13の各々は、例えば、配線材20の延設方向と直交するように直線状に形成された複数本のフィンガー電極と、これらのフィンガー電極に接続されるとともにフィンガー電極に直交する方向(配線材20の延設方向)に沿って直線状に形成された複数本のバスバー電極とによって構成されている。バスバー電極の本数は、例えば、配線材20と同数であり、本実施の形態では、3本である。なお、表面集電極12および裏面集電極13は、互いに同じ形状となっているが、これに限定されるものではない。
表面集電極12および裏面集電極13は、銀(Ag)等の低抵抗導電材料からなる。例えば、表面集電極12および裏面集電極13は、バインダー樹脂中に銀等の導電性フィラーが分散した導電性ペースト(銀ペースト等)を所定のパターンでスクリーン印刷することで形成することができる。
この太陽電池セル10では、表面および裏面の両方が受光面となる。太陽電池セル10に光が入射すると太陽電池セル10の光電変換部でキャリアが発生する。発生したキャリアは、表面集電極12および裏面集電極13で収集されて配線材20に流れ込む。この太陽電池セル10では、表面集電極12および裏面集電極13を設けることで、太陽電池セル10で発生したキャリアを外部回路に効率的に取り出せる。
図2に示すように、配線材20は、太陽電池ストリング11において、隣り合う2つの太陽電池セル10同士を電気的に接続する。本実施の形態では、隣り合う2つの太陽電池セル10は、互いに略平行に配置された3本の配線材20によって接続されている。各配線材20は、接続する隣り合う2つの太陽電池セル10の並び方向に沿って延設されている。
配線材20は、長尺状の導電性配線であって、例えば、リボン状の金属箔や細線状の金属ワイヤである。配線材20は、例えば、銅箔や銀箔等の金属箔の表面全体をハンダ材や銀等で被覆したものを所定の長さに短冊状に切断することによって作製する。
各配線材20については、配線材20の一端部が、隣り合う2つの太陽電池セル10のうちの一方の太陽電池セル10の表面に配置され、配線材20の他端部が、隣り合う2つの太陽電池セル10のうちの他方の太陽電池セル10の裏面に配置されている。
各配線材20は、隣り合う2つの太陽電池セル10において、一方の太陽電池セル10のn側集電極(表面側の集電極)と、他方の太陽電池セル10のp側集電極(裏面側の集電極)とを電気的に接続している。具体的には、配線材20は、一方の太陽電池セル10の表面集電極12のバスバー電極と他方の太陽電池セル10の裏面集電極13のバスバー電極とに接合されている。配線材20と表面集電極12(裏面集電極13)とは、例えば、導電性接着剤を間に挟んで熱圧着することで接着される。
導電性接着剤としては、例えば、導電性接着剤ペースト、導電性接着フィルム又は異方性導電フィルムを用いることができる。導電性接着剤ペーストは、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂又はウレタン樹脂等の熱硬化型の接着性樹脂材料に導電性粒子を分散させたペースト状の接着剤である。導電性接着フィルム及び異方性導電フィルムは、熱硬化型の接着性樹脂材料に導電性粒子を分散させてフィルム状に形成されたものである。
なお、配線材20と表面集電極12(裏面集電極13)とは、導電性接着剤ではなく、ハンダ材によって接合されていてもよい。また、導電性接着剤に代えて、導電性粒子を含まない樹脂接着剤を用いてもよい。この場合、樹脂接着剤の塗布厚みを適切に設計することによって、熱圧着時の加圧時に樹脂接着剤が軟化し、表面集電極12の表面と配線材20とを直接接触させて電気的に接続させる。
図4に示すように、太陽電池セル10には、光反射部材30が設けられている。光反射部材30は、複数の太陽電池セル10の各々に設けられている。
光反射部材30は、隣り合う2つの太陽電池セル10の間の隙間に位置するように配置されている。本実施の形態において、光反射部材30は、Y方向における隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間を跨ぐように、この隣り合う2つの太陽電池セル10の各々に設けられている。隣り合う2つの太陽電池セル10の各々の隙間は、一方の太陽電池セル10の一辺と、この一辺と対向する他方の太陽電池セル10の一辺との間である。つまり、隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間は、行方向に長尺であり、太陽電池ストリング11と平行な方向に延びている。つまり、光反射部材30は、隙間をあけて配置された隣り合う2つの太陽電池セル10の裏面側において、一方の太陽電池セル10から他方の太陽電池セル10まで跨るように設けられている。
本実施の形態では、光反射部材30は、最外周の太陽電池ストリング11の太陽電池セル10を除いて、1つの太陽電池セル10には2つの光反射部材30が設けられている。光反射部材30は、太陽電池ストリング11の行方向に延在するテープ状であり、一例として、長尺な矩形状である。光反射部材30は、幅方向(Y軸方向)の一方の端部と太陽電池セル10の端部とが重なるようにして、太陽電池セル10の一辺に沿って貼り付けられている。つまり、光反射部材30は、配線材20と略平行に貼り付けられている。
光反射部材30は、樹脂基材31と、樹脂基材31の裏面(樹脂基材31のマイナスZ軸側の面)に形成された反射膜32とを有する。樹脂基材31は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)又はアクリル等によって構成されている。また、反射膜32は、例えばアルミニウム又は銀等の金属からなる金属膜であり、本実施の形態では、アルミニウム蒸着膜である。
ここで、樹脂基材31の裏面には凹凸部30aが形成されており、反射膜32は蒸着によって樹脂基材31の凹凸部30a(裏面)に形成されている。このようにして、樹脂基材31と反射膜32とが積層され、裏面に凹凸形状を備えた光反射部材30が構成されている。凹凸部30aは、太陽電池モジュール1に入射した光が光反射部材30の表面に入射した際に、その光を散乱させて表面保護部材40と空気層との界面又は表面保護部材40と充填部材60との界面で反射させて、太陽電池セル10へと導くことを可能とする。これにより、隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の領域に入射する光も有効に発電に寄与することで、太陽電池モジュール1の発電効率が向上する。
光反射部材30は、長尺矩形状であって、例えば、長さが100mm〜130mmであり、幅が1mm〜20mmであり、厚さが0.05mm〜0.5mmである。本実施の形態では、光反射部材30は、長さが125mmであり、幅が5mmであり、厚さが0.1mmである。
また、樹脂基材31の厚さは、例えば50μm〜500μmである。凹凸部30aは、例えば、凹部と凸部との間の高さが20μm以上100μm以下であり、隣り合う凸部の間隔(ピッチ)が20μm以上400μm以下である。本実施の形態では、凹部と凸部との間の高さが12μmであり、隣り合う凸部の間隔(ピッチ)が40μmである。
なお、凹凸部30aの形状は、光反射部材30の長手方向に沿った三角溝形状としたが、これに限定されるものではなく、光を散乱させることができるものであれば、光反射部材30の長手方向に交差する方向に沿った三角溝形状、円錐形状、四角錐形状又は多角錐形状、あるいは、これらの形状の組み合わせ等であってもよい。
光反射部材30は、樹脂基材31の表面(樹脂基材31のプラスZ軸側の面)と太陽電池セル10のマイナスZ軸側面とを樹脂接着剤33によって貼り付けることで太陽電池セル10に設けられている。例えば、光反射部材30と太陽電池セル10とは、樹脂接着剤33を間に挟んで熱圧着することで接着される。樹脂接着剤33は、例えば、EVAからなる感熱接着剤または感圧接着剤であり、樹脂基材31の表面に予め設けられていてもよい。つまり、光反射部材30は、樹脂基材31、反射膜32及び樹脂接着剤33によって構成されていてもよい。これにより、熱圧着によって光反射部材30が太陽電池セル10に接着固定される。また、本実施の形態では、光反射部材30は、太陽電池モジュール1の裏面側に貼り付けられている。
表面保護部材40は、太陽電池モジュール1の表面を保護する部材であり、太陽電池モジュール1の内部(太陽電池セル10等)を、風雨や外部衝撃等の外部環境から保護する。表面保護部材40は、太陽電池セル10の表面側に配設されており、太陽電池セル10の表面側の受光面を保護している。
表面保護部材40は、太陽電池セル10の表面側に設けられるので、太陽電池セル10において光電変換に利用される波長帯域の光を透過する透光性部材によって構成されている。表面保護部材40は、例えば、透明ガラス材料からなるガラス基板(透明ガラス基板)、又は、フィルム状や板状の透光性及び遮水性を有する硬質の樹脂材料からなる樹脂基板である。
一方、裏面保護部材50は、太陽電池モジュール1の裏側の面を保護する部材であり、太陽電池モジュール1の内部を外部環境から保護する。裏面保護部材50は、太陽電池セル10の裏面側に配設されている。
本実施の形態では、太陽電池セル10の裏面も受光面である。したがって、裏面保護部材50は、太陽電池セル10の裏側の受光面を保護しており、また、透光性部材によって構成されている。裏面保護部材50は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂材料からなるフィルム状や板状の樹脂シートである。なお、裏面保護部材50として、ガラス材料からなるガラスシート又はガラス基板を用いてもよい。
なお、太陽電池セル10の裏面側からの光の入射がない場合、裏面保護部材50は、不透光の板体又はフィルムとしてもよい。この場合、裏面保護部材50としては、例えば、黒色部材、又は、アルミ箔等の金属箔を内部に有する樹脂フィルム等の積層フィルム等、不透光部材(遮光性部材)を用いてもよい。
表面保護部材40及び裏面保護部材50の間には充填部材60が充填されている。表面保護部材40及び裏面保護部材50と太陽電池セル10とは、この充填部材60によって接着されて固定されている。
充填部材60(充填材)は、表面保護部材40と裏面保護部材50との間に配置される。本実施の形態において、充填部材60は、表面保護部材40と裏面保護部材50との間を埋めるように充填されている。
充填部材60は、エチレンビニルアセテート(EVA)等の透光性樹脂材料からなる。充填部材60は、複数の太陽電池セル10を表面側充填部材61と裏面側充填部材62とで挟み込むことで形成される。例えば、充填部材60は、6本の太陽電池ストリング11を挟み込んだ2枚の樹脂シート(EVAシート)をラミネート処理(ラミネート加工)することで形成される。
フレーム7は、太陽電池モジュール1の周縁端部を覆う外枠である。本実施の形態におけるフレーム7は、アルミ製のアルミフレーム(アルミ枠)である。フレーム7は、4本用いられており、それぞれ太陽電池モジュール1の4辺の各々に装着されている。フレーム7は、例えば、接着剤によって太陽電池モジュール1の各辺に固着されている。
なお、太陽電池モジュール1には、太陽電池セル10で発電された電力を取り出すための図示しない端子ボックスが設けられている。端子ボックスは、例えば裏面保護部材50に固定されている。端子ボックスには、ホットスポットの発生を防止するためのダイオードなどの複数の回路部品が内蔵されている。
[製造方法:1−1圧着装置の構成]
太陽電池モジュール1の製造にあたって、圧着装置100を用いる。まずは、圧着装置100の構成について、図5〜図7を用いて説明する。
図5は、実施の形態1に係る圧着装置100と太陽電池ストリング11との斜視図である。図6は、図5のVI−VI線における実施の形態1に係る圧着装置100の圧着ヘッド110を示す断面図である。図7は、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法における圧着装置100を示すブロック図である。図5では、光反射部材配置工程(S4)において、圧着ヘッド110が光反射部材30を保持しながら、圧着ヘッド110が移動している状態を示している。また、図5では、作業台90、準備台91、押さえ治具70などを省略している。
図5に示すように、太陽電池モジュール1の製造において、隣り合う2つの太陽電池セル10の各々に光反射部材30を配置し、熱圧着するにあたり、圧着装置100を用いる。圧着装置100は、搬送部101と、装置本体部102とを有している。
搬送部101は、複数の圧着ヘッド110と、複数の熱源部120と、アーム部130とを有している。
アーム部130は、図7の装置本体部102によって制御され、装置本体部102によって自在に移動する。本実施の形態では、アーム部130は、太陽電池ストリング11と平行な行方向に延びる第1支持部131と、第1支持部131の中央部分で直交する第2支持部132とを有している。
第1支持部131には、その太陽電池ストリング11側に複数の圧着ヘッド110が設けられている。本実施の形態では12個の圧着ヘッド110が第1支持部131に設けられている。
圧着ヘッド110は、行方向(長手方向)に延びる長尺の筐体である。圧着ヘッド110は、熱源部120を介して第1支持部131に固定され、行方向に向かって略等間隔で一列に並んでいる。具体的には、XY平面視において、圧着ヘッド110は、太陽電池ストリング11における、隣り合う2つの太陽電池セル10の行方向に並ぶ配置領域R1と対応するように、第1支持部131に略等間隔で一列に配置されている。配置領域R1は、XY平面視で、隣り合う2つの太陽電池セル10の間の隙間及び光反射部材30が重なる領域と、光反射部材30の一部が太陽電池セル10の端部と重なる領域(重複領域)とで形成される領域である。圧着ヘッド110を太陽電池セル10に向かって下ろした際に、配置領域R1と略一致するように、圧着ヘッド110が第1支持部131に略等間隔で一列に配置されている。つまり、光反射部材30と配置領域R1とは、XY平面視で、略同一の形状、かつ略同一の大きさである。なお、本実施の形態では、圧着ヘッド110は、行方向に一列に並べられているが、太陽電池ストリングが3列以上ある場合、全ての配置領域R1に対応するように2列以上に設けていてもよい。
図6に示すように、圧着ヘッド110は、第1支持部131に水平に保持され、非熱圧着部111と、第1熱圧着部112と、第2熱圧着部113とを有している。
非熱圧着部111は、行方向に延びる長尺の板状をなしている。非熱圧着部111は、光反射部材30を図5の配置領域R1に配置した際に、圧着ヘッド110で熱圧着しない領域である。非熱圧着部111は、隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間と対応している。なお、本実施の形態では、溝部116内は中空であるが、光反射部材30を太陽電池セル10に接着しないような、内部に熱伝導率の低い素材で充填されていてもよい。この場合、熱伝導率の低い素材で充填されている部分も非熱圧着部となる。
第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113は、非熱圧着部111の列方向における両端で行方向に延びる長尺の板状をなし、かつ、非熱圧着部111から下方に向かって延びている。具体的には、第1熱圧着部112は、非熱圧着部111のプラスY軸側から下方に向かって延びるように設けられている。第2熱圧着部113は、非熱圧着部111のマイナスY軸側から下方に向かって延びるように設けられている。第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113は、略平行な関係にある。つまり、圧着ヘッド110では、非熱圧着部111が圧着ヘッド110の下端面(マイナスZ軸側面)から上方に向かって凹む溝部116の底部を形成している。溝部116は、行方向で貫通している。つまり、圧着ヘッド110は、行方向から見た場合に、U字状に形成されている。なお、圧着ヘッド110は、銅、鉄、アルミニウム等の金属や、これらを含有する合金等である。
第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113の下端面は、光反射部材30を太陽電池セル10に接着させる領域である。具体的には、加熱された第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113が弾性部115を介して光反射部材30を太陽電池セル10に熱圧着(接着)させる。つまり、XY平面視で太陽電池セル10の端部と重なっている光反射部材30の部分と、太陽電池セル10の端部とが樹脂接着剤33で熱圧着して接着する。第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113の列方向におけるそれぞれの厚みは、光反射部材30と太陽電池セル10との重複領域における幅方向の厚みと略同一である。
第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113は、光反射部材30を熱圧着する弾性部115を有している。弾性部115は、シリコンゴム等の弾性体である。弾性部115は、第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113の下端面に沿うように設けられている。弾性部115は、加熱された第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113の熱を伝導し、光反射部材30を太陽電池セル10に熱圧着することが可能に構成されている。言い換えれば、弾性部115の下端面は、光反射部材30の反射膜32と接触する接触面115bである。
圧着ヘッド110は、複数の吸気孔114を有している。吸気孔114は、溝部116の非熱圧着部111に略等間隔で一列に形成されている。圧着ヘッド110は、吸気孔114から外気を吸気することによって、光反射部材30を吸着する。吸着された光反射部材30は水平に保持される。なお、本実施の形態では、吸気孔114から吸引された外気は、圧着装置100の装置本体部102に向かうが、第1支持部131や第2支持部132等に形成する排出孔から排出されてもよい。この場合、後述する図7のポンプ102bは、第1支持部131や第2支持部132等に設けられる。
熱源部120は、圧着ヘッド110の上面に設けられ、圧着ヘッド110を一定温度で加熱するヒータである。熱源部120は、光反射部材30を太陽電池セル10に熱圧着するために、圧着ヘッド110を所定温度になるように加熱する。熱源部120は、光反射部材30を太陽電池セル10に熱圧着することができる温度に圧着ヘッド110を加熱する。熱源部120が圧着ヘッド110を加熱する温度は、70℃から80℃程度までの温度であることが好ましい。本実施の形態では12つの圧着ヘッド110に熱源部120がそれぞれ設けられている。
なお、本実施の形態では、第1支持部131は、行方向に一列だけ設けられているが、本実施の形態のように太陽電池ストリングが3列以上ある場合、全ての配置領域R1に対応するように第1支持部131を2列以上設けていてもよい。
図7に示すように、装置本体部102は、アーム部130を所定の位置に移動させる駆動部102aと、外気を吸着するポンプ102bと、駆動部102a、ポンプ102b、熱源部120等を制御する制御部102c等を有している。
駆動部102aは、動力部102dからの電力が制御部102cによって供給されて駆動する。例えば、駆動部102aは、制御部102cから送信されてくる動作開始信号を受信して動作を開始する。また、駆動部102aは、制御部102cから送信されてくる動作停止信号を受信して動作を停止する。
制御部102cは、図示しない表示部及び図示しない記憶部などを制御するための制御回路などから構成されている。制御部102cは、プロセッサ、またはマイクロコンピュータなどによって構成されている。
図5及び図7に示すように、制御部102cは、予め記憶された動作プログラムに基づいて、駆動部102aの駆動、ポンプ102bの駆動、熱源部120の加熱温度等を制御するように構成されている。制御部102cは、アーム部130に所定の動作を行わせるために、駆動部102aを制御する。具体的には、駆動部102aは、光反射部材30をアーム部130の圧着ヘッド110に吸着した位置から配置領域R1まで、圧着ヘッド110等を移動させる。制御部102cは、光反射部材30を圧着ヘッド110に吸着させるために、ポンプ102bの吸気量を制御する。制御部102cは、位置センサなどを含むセンサ部の信号に応じて、動作プログラムに含まれる制御を実行することができる。
[製造方法:1−2太陽電池モジュールの製造方法]
次に、太陽電池モジュール1の製造方法について、図8〜図12を用いて説明する。
図8は、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法を示すフローチャートである。図9は、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法の押さえ工程(S2)を示す説明図である。図10のAは、図9のX−X線における実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の太陽電池ストリング11の状態を示す説明図である。図10のBは、図9のX−X線における実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法の押さえ工程(S2)を示す説明図である。図11は、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法の光反射部材配置工程(S4)及び光反射部材貼付工程(S5)を示す説明図である。図12は、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法の積層体形成工程(S6)及びラミネート工程(S7)を示す説明図である。
図10のAは、押さえ工程(S2)前である、ストリング形成工程(S1)で得た太陽電池ストリング11を示している。図10のBは、押さえ工程(S2)を行っている状態を示している。
押さえ工程(S2)の前に、ストリング形成工程(S1)において、複数の太陽電池セル10を配線材20で接続した太陽電池ストリング11を準備する。ストリング形成工程(S1)では、図3の表面集電極12及び裏面集電極13が形成された複数の太陽電池セル10を配線材20で連結する。
このストリング形成工程(S1)では、導電性接着剤を用いた熱圧着によって配線材20を太陽電池セル10に貼り付ける。つまり、本実施の形態において、所定の温度は、太陽電池セル10を配線材20に熱圧着する際の加熱温度である。例えば、所定の温度を200℃として、10秒の熱圧着(加熱及び加圧)を行うことで、配線材20と太陽電池セル10とを貼り合わせている。
本実施の形態では、導電性接着剤として、導電性接着ペーストを用いている。この場合、太陽電池セル10の図3の表面集電極12(裏面集電極13)のバスバー電極に沿ってその表面上に導電性接着ペーストを配置し、配線材20をバスバー電極上に配置する。その後、配線材20と太陽電池セル10とを圧着装置100で熱圧着させることで、配線材20と太陽電池セル10とを電気的に接続する。
複数の太陽電池セル10を配線材20で順次接続していき、複数の太陽電池セル10が一列に連結された太陽電池ストリング11を作製する。なお、本実施の形態では、12枚の太陽電池セル10を連結している。
図8及び図10のAに示すように、ストリング形成工程(S1)で形成された太陽電池ストリング11は、反った状態となる場合がある。また、太陽電池ストリング11の状態となった太陽電池セル10は、接続された配線材20との間に生じる応力により、太陽電池セル10自体が湾曲し、反った状態となる場合もある。そのため、太陽電池セル10の上に光反射部材30を配置する前に、図10のBに示すように、太陽電池セル10ごとに押さえ治具70(押さえ手段の一例)で押える(押さえ工程(S2))。
図10のA及び図10のBに示すように、具体的には、太陽電池ストリング11の一端側(マイナスX軸側)から他端側(プラスX軸側)に向かって、太陽電池セル10を1枚ずつ押さえ治具70で押えていく。言い換えれば、太陽電池ストリング11の一端側を基準側とする。まず、太陽電池ストリング11の一端側にある1つめの太陽電池セル10を1つめの押さえ治具70で固定する。その後に、行方向に隣接する2つめの太陽電池セル10を2つめの押さえ治具70で固定する。そして、この工程を太陽電池セル10に対応する枚数分行う。そして、太陽電池ストリング11における全ての太陽電池セル10が作業台90に押えられた状態となる。隣り合う2つの太陽電池ストリング11の隙間を跨ぐように光反射部材30を貼り付ける場合、太陽電池セル10が24枚であるため、24個の押さえ治具70がこの太陽電池セル10を1枚ずつ順番に押えていく。なお、太陽電池ストリング11の中央部分に位置する太陽電池セル10を押さえてから列方向に押さえていってもよい。
なお、本実施の形態において、押さえ工程(S2)では、押さえ手段の一例として押さえ治具70で太陽電池セル10を押えているが、これに限らない。具体的には、太陽電池ストリング11を載置した作業台90には、太陽電池セル10に対応する吸引孔が形成されていてもよい。言い換えれば、作業台90の吸引孔の上に太陽電池セル10が配置される。制御部102cは、太陽電池セル10を作業台90に押しつけるように、ポンプ102bに吸引孔から外気を吸引させて太陽電池セル10を吸着してもよい。この場合、太陽電池セル10は、作業台90に固定される。
図8、図9及び図11に示すように、光反射部材30は、樹脂接着剤33が下面となるように、準備台91に予め用意しておく。光反射部材30は、XY平面視で、光反射部材30の長手方向が行方向と略平行となるように、略等間隔で一列に並べられる。言い換えれば、光反射部材30は、アーム部130の圧着ヘッド110に対応するように略等間隔で一列に並べた状態で準備台91に載置する(光反射部材準備工程(S3))。より具体的には、プラスX軸方向における光反射部材30の一端と、この光反射部材30とプラスX軸方向で隣接する異なる光反射部材30の他端との間隔は、プラスX軸方向における圧着ヘッド110の一端と、この圧着ヘッド110とプラスX軸方向で隣接する異なる圧着ヘッド110の他端との間隔と略等しい。このため、配置領域R1においても、これらの間隔と同様に略等しい。
図9に示すように、光反射部材30は、準備台91に真空吸着されている。具体的には、準備台91に形成されている図示しない複数の吸着孔から吸気を行い、光反射部材30が準備台91に貼り付くように固定される。吸着孔からの吸気は、ポンプ等で行う。光反射部材30は、吸着孔に対応する位置に配置される。
なお、本実施の形態では、光反射部材準備工程(S3)を押さえ工程(S2)の後に行っているが、光反射部材配置工程(S4)までに光反射部材準備工程(S3)が行われていればよく、ストリング形成工程(S1)又は押さえ工程(S2)の前に行われてもよい。この場合、押さえ工程(S2)は、光反射部材準備工程(S3)及び光反射部材貼付工程(S5)の間で継続して行われる。
図8、図9及び図11に示すように、光反射部材30を隣り合う2つの太陽電池ストリング11における配置領域R1に配置するために、圧着装置100を用いる。圧着装置100は、押さえ治具70で太陽電池セル10を押えた状態で、作業台90に載置されている隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間を跨ぐように、光反射部材30を配置する(光反射部材配置工程(S4))。また、非熱圧着部111が隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間と対応している。具体的には、太陽電池セル10をXY平面視した場合に、第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113と重複領域とが重なり、非熱圧着部111と隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の領域とが重なるように圧着ヘッド110を配置する。
光反射部材配置工程(S4)における具体的な動作は、駆動部102aが準備台91に並べられている光反射部材30の上面に当接するようにアーム部130の圧着ヘッド110を移動させる。ポンプ102bが外気を吸引すると、光反射部材30は、圧着ヘッド110に吸着される。この際、光反射部材30は、圧着ヘッド110における第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113の弾性部115に当接した状態で略水平に保持される。この状態で、制御部102cは、駆動部102aを稼働させて、アーム部130を列方向と略平行に移動させる。具体的には、駆動部102aは、アーム部130を介して圧着ヘッド110が光反射部材30を略水平に保持した状態で、準備台91から作業台90に載置されている太陽電池ストリング11における配置領域R1まで、光反射部材30を列方向と略平行に移動させる。言い換えれば、圧着ヘッド110は、列方向と略平行に移動し、光反射部材30に対応する配置領域R1に位置される。
圧着ヘッド110は、光反射部材30を配置領域R1に載置する。この際、制御部102cは熱源部120を稼働させおり、熱源部120によって圧着ヘッド110は所定の温度まで加熱されている。制御部102cは駆動部102aを駆動させ、駆動部102aはアーム部130を介した圧着ヘッド110を下方に向けて加圧させる。光反射部材30は、第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113によって太陽電池セル10に熱圧着されることで接着される。押さえ治具70で太陽電池セル10を押えた状態で、光反射部材30を太陽電池セル10の端部に貼り付ける(光反射部材貼付工程(S5))。こうして、XY平面視した場合に、光反射部材30と太陽電池セル10との重複領域が熱圧着され、非熱圧着部111と隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の領域とが重なる領域は、熱圧着されない。こうして、図11に示すように、光反射部材30が貼り付けられた太陽電池ストリング11を得る。
なお、圧着装置100は、圧着ヘッド110と光反射部材30との位置合わせ、及び光反射部材30と配置領域R1との位置合わせを行う際に、光反射部材30の貼り付け精度を測定し、この測定した貼り付け精度を光反射部材配置工程(S4)及び光反射部材貼付工程(S5)にフィードバックしてもよい。この場合、光反射部材30の貼り付け精度は、カメラ等の撮像装置を用いた画像認識によって測定することができる。
制御部102cは、所定の時間が経過した後に、光反射部材30と太陽電池セル10との接着が完了したものと判断する。こうして、光反射部材貼付工程(S5)で、配置領域R1に光反射部材30が接着された太陽電池ストリング11を得る。そして、押さえ治具70を取り除く。
図8及び図12に示すように、光反射部材30が接着された太陽電池ストリング11を作業台90と異なる積層台93に載置する。この積層台93で、表面保護部材40、表面側の樹脂シート6、光反射部材30が接着された太陽電池ストリング11、裏面側の樹脂シート6及び裏面保護部材50を有する積層体80を形成する(積層体形成工程(S6))。具体的には、積層台93の上面から、表面保護部材40、樹脂シート6、光反射部材30が接着された太陽電池ストリング11、樹脂シート6、裏面保護部材50の順に積層していく。
積層体形成工程(S6)の前に、光反射部材貼付工程(S5)で得た隣り合う太陽電池ストリング11を、配線材20を介して接続配線21を接続することが好ましい。接続配線21の接続は、光反射部材貼付工程(S5)の前であってもよいし、光反射部材貼付工程(S5)の後であってもよいし、光反射部材貼付工程(S5)と同時であってもよい。これにより、複数の太陽電池ストリング11が直列接続又は並列接続されてセルアレイが構成される。そして、接続配線21及び光反射部材30が接続された太陽電池ストリング11を用いて、積層体80を得る。
積層体形成工程(S6)で形成した積層体80を熱圧着する(ラミネート工程(S7))。そして、この積層体80を例えば100℃以上の温度で、真空中で熱圧着(加熱及び圧着)を行う。この熱圧着によって、樹脂シート6は、加熱されて溶融し、太陽電池セル10を封止する充填部材60となる。こうして、太陽電池モジュール1を作製する。
太陽電池モジュール1にフレーム7を取り付ける。具体的には、太陽電池モジュール1の4辺の各々の周縁端部に、シリコン樹脂等の接着剤によってフレーム7を固定する。
[作用効果]
次に、本実施の形態1おける太陽電池モジュール1の製造方法の作用効果について説明する。
上述したように、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法では、作業台90に載置されている隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間を跨ぐように、光反射部材30を配置する光反射部材配置工程(S4)と、光反射部材30と接触する接触面115bを有する第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113と、第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113に挟まれて光反射部材30を熱圧着しない非熱圧着部111とを有する圧着ヘッド110を用いて光反射部材30と太陽電池セル10との重複領域を熱圧着することで、光反射部材30を太陽電池セル10の端部に貼り付ける光反射部材貼付工程(S5)とを含む。
この製造方法によれば、第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113が光反射部材30と太陽電池セル10との重複領域で熱圧着し、第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113以外の領域である非熱圧着部111が光反射部材30を熱圧着しない。このため、光反射部材30を太陽電池セル10に貼り付ける際に、隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間で光反射部材30が作業台90に接着し難い。このため、光反射部材貼付工程(S5)では、他の製造工程の妨げとならない。その結果、光反射部材30が接着された太陽電池ストリング11を作業台90から移動させても、光反射部材30が作業台90への接着による太陽電池ストリング11の破損が生じ難い。
したがって、光反射部材30を貼り付ける光反射部材貼付工程(S5)が一連の製造工程の妨げとなることを抑制し、かつ、太陽電池ストリング11の破損を抑制することができる。太陽電池ストリング11の破損が抑制されれば、歩留まりの低下を抑制することができる。
また、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法において、光反射部材貼付工程(S5)では、太陽電池セル10をXY平面視した場合に、第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113と重複領域とが重なり、非熱圧着部111と隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の領域とが重なるように圧着ヘッド110を配置することで、光反射部材30を太陽電池セル10の端部に貼り付ける。
この製造方法によれば、第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113と重複領域とが重なり、非熱圧着部111と隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の領域とが重なっている。つまり、非熱圧着部111が隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間と対応しているため、非熱圧着部111と対応する光反射部材30が作業台90に接着し難い。このため、光反射部材30が作業台90に接着することを確実に防止することができる。
また、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、さらに、光反射部材配置工程(S4)の前に、行方向に沿って直線状に配列された複数の太陽電池セル10を配線材20で連結して太陽電池ストリング11を形成するストリング形成工程(S1)と、ストリング形成工程(S1)で形成された太陽電池ストリング11の太陽電池セル10を押さえ治具70で押える押さえ工程(S2)とを含み、押さえ工程(S2)は、光反射部材準備工程(S3)及び光反射部材貼付工程(S5)の間で継続して行われている。
この製造方法によれば、押さえ治具70により太陽電池セル10を押圧するため、太陽電池ストリング11の反りを抑制するとともに、太陽電池ストリング11を作業台90に固定することができる。その結果、太陽電池ストリング11ごとの反りによる斑が解消されるため、隣り合う2つの太陽電池ストリング11の隙間に跨るように光反射部材30を精度よく貼り付けることができる。
また、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法において、押さえ工程(S2)では、太陽電池ストリング11の行方向に向かって、太陽電池セル10を押さえ治具70で順次押さえていく。
この製造方法によれば、太陽電池ストリング11の一端側から他端側に向かって(行方向に向かって)押さえ治具70が太陽電池セル10を順番に押えていくため、太陽電池ストリング11の反りをより抑制し易くなる。このため、太陽電池ストリング11ごとの反りによる斑が解消され易くなり、より精度よく光反射部材30を太陽電池セル10に貼り付けることができる。特に、押さえ治具70が太陽電池セル10を順番に押えていくため、太陽電池ストリング11にストレスを与え難い。
また、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、さらに、光反射部材貼付工程(S5)の後に、表面保護部材40と樹脂シート6と太陽電池ストリング11と樹脂シート6と裏面保護部材50とをこの順で積層し、積層された積層体80を熱圧着するラミネート工程(S7)を含む。
この製造方法によれば、光反射部材30が接着された太陽電池ストリング11に、表面保護部材40、樹脂シート6、太陽電池ストリング11、樹脂シート6及び裏面保護部材50の順で積層して積層体80を形成するため、光反射部材30が表面保護部材40、裏面保護部材50及び樹脂シート6に接着し難い。このため、積層体80を形成するために、作業台90から別の台である積層台93に移動させても、光反射部材30の接着による太陽電池ストリング11の破損が生じ難い。特に、積層体80を形成する前に光反射部材貼付工程(S5)を行うため、太陽電池セル10に破損が生じても破損が生じた部分を取り換えることができる。このため、歩留まりの低下を抑制することができる。
また、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法において、圧着ヘッド110は、光反射部材30を吸着する吸気孔114を有している。光反射部材配置工程(S4)では、吸気孔114に光反射部材30を吸着して、隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間を跨ぐように光反射部材30を配置する。
この製造方法によれば、光反射部材30を準備台91から隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間を跨ぐ位置に移動させる際に、光反射部材30を配置し易い。
また、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法において、第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113は、光反射部材30と接触する弾性部115を有する。
この製造方法によれば、圧着ヘッド110が光反射部材30を吸着しても、弾性部115が光反射部材30により損傷を与え難い。このため、歩留まりの低下をより抑制することができる。
また、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法において、圧着ヘッド110は、長尺状をなし、2つの第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113に対して非熱圧着部111が凹む溝部116を有している。
この製造方法によれば、溝部116を有する圧着ヘッド110を用いれば、隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間を跨ぐように、光反射部材30を太陽電池セル10に容易に熱圧着することができる。このため、製造コストを低廉化することができる。
特に、圧着ヘッド110は、U字状をなしており、このような部材を制作し易い。
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1の変形例において、太陽電池モジュール1における他の構成は、実施の形態1の太陽電池モジュール1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
[製造方法:1−1−1圧着装置の構成]
実施の形態1と実施の形態1の変形例との相違点は、圧着装置100における圧着ヘッド110が異なっている点である。以下、圧着装置100における圧着ヘッド110の構成について、図13を用いて説明する。
図13は、図5のVI−VI線における実施の形態1の変形例に係る圧着装置100の圧着ヘッド110を示す断面図である。
図13に示すように、圧着ヘッド110に形成されている複数の吸気孔114は、非熱圧着部111と、第1熱圧着部112と、第2熱圧着部113とに形成されている。
具体的には、吸気孔114は、非熱圧着部111において、第1連通孔111aと、第2連通孔111bとを有している。第1連通孔111aは、非熱圧着部111の上面から下方に向かって延びている。第2連通孔111bは、第1連通孔111aと連通して、第1連通孔111aの下端から列方向に向かって延びている。
吸気孔114は、第1熱圧着部112及び第2熱圧着部113において、第3連通孔112aと、第4連通孔113aとを有している。第3連通孔112aは、第1熱圧着部112の下端面から上方向に向かって延びて、第2連通孔111bのプラスY軸端側に接続している。第4連通孔113aは、第2熱圧着部113の下端から上方向に向かって延びて、第2連通孔111bのマイナスY軸端側に接続している。
吸気孔114は、弾性部115において、貫通孔115aを有している。貫通孔115aは、第3連通孔112aと、第4連通孔113aと対応するように形成されている。
こうして、ポンプ102bが吸気を行えば、圧着ヘッド110に光反射部材30が弾性部115を介して第1、2熱圧着部112、113に略水平に保持される。
この太陽電池モジュール1の製造方法では、実施の形態1の太陽電池モジュール1の製造方法と同様であり、同一の方法については詳細な説明を省略する。
また、この太陽電池モジュール1における作用効果は、実施の形態1の太陽電池モジュール1と同様の作用効果であり、同一の作用効果については詳細な説明を省略する。
(実施の形態2)
実施の形態2において、太陽電池モジュール1における他の構成は、実施の形態1の太陽電池モジュール1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
[製造方法:2−1圧着装置の構成]
太陽電池モジュール1の製造にあたって、圧着装置200を用いる。まずは、圧着装置200の構成について、図14を用いて説明する。
図14のAは、実施の形態2に係る太陽電池モジュール1の製造方法において、圧着ローラ210を用いて光反射部材30を太陽電池セル10に熱圧着する状態を示す説明図である。図14のBは、図14のAのXIVB−XIVB線における実施の形態2に係る圧着装置200の圧着ローラ210を示す断面図である。図14のAは、図11のXIVA−XIVA線において、図11の光反射部材30が接着された太陽電池ストリング11に、圧着ローラ210を用いて光反射部材30を太陽電池セル10に熱圧着する状態である。
実施の形態2において、圧着装置200における他の構成は、実施の形態1の圧着装置100と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
実施の形態1の圧着装置100と実施の形態2の圧着装置200との相違点は、実施の形態1の圧着ヘッド110は断面がU字状をなした長尺の部材であり、実施の形態2で熱圧着を行うヘッドはローラである点で異なる。また、実施の形態1の圧着ヘッド110は光反射部材配置工程(S4)を行うが、実施の形態2の圧着ローラ210は光反射部材配置工程(S4)を行わない。
図7及び図14に示すように、圧着装置200は、搬送部101と、装置本体部102とを有している。
搬送部101は、複数の移動ヘッドと、アーム部とを有している。移動ヘッドは、移動ヘッドに実施の形態1の熱源部120が設けられていない点を除き実施の形態1の圧着ヘッド110と同様の構成である。このため、移動ヘッドが隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間を跨ぐように光反射部材30の配置を行う。また、本実施の形態のアーム部は、実施の形態1のアーム部130と同様の構成である。
装置本体部102は、圧着ローラ210、駆動部102a、熱源部120等を制御する制御部102c等を有している。
圧着ローラ210は、非熱圧着部211と、第1熱圧着部212と、第2熱圧着部213とを有している。圧着ローラ210には、収容部210aが形成されている。
非熱圧着部211は、環状をなし、内周側に収容部210aを形成している。非熱圧着部211は、回転軸心X1周りで回動可能に設けられている。非熱圧着部211の収容部210aには、熱源部120が設けられている。熱源部120は、非熱圧着部211の内周面を加熱することができるように設けられている。なお、ポンプ102bは、収容部210aに収容されていてもよい。
非熱圧着部211の外周面には、環状の第1熱圧着部212と、環状の第2熱圧着部213とが形成されている。第1熱圧着部212は、非熱圧着部211の一方側の外周端縁から径外方向に突出する環状である。第2熱圧着部213は、非熱圧着部211の他方側の外周端縁から径外方向に突出する環状である。第1熱圧着部212及び第2熱圧着部213の間と、非熱圧着部211の外周面とで環状の環状溝210bが形成されている。言い換えれば、第1熱圧着部212、第2熱圧着部213及び非熱圧着部211は、環状に凹む環状溝210bを形成している。本実施の形態では、環状溝210b内は中空であるが、光反射部材30を太陽電池セル10に熱圧着しないような、内部に熱伝導率の低い素材で充填されていてもよい。この場合では、熱伝導率の低い素材で充填されている部分も非熱圧着部211となる。
駆動部102aは、圧着装置200を一定の速度で行方向に移動させる。圧着装置200の圧着ローラ210は、光反射部材30を配置した太陽電池ストリング11の上面を太陽電池ストリング11の一端側から他端側に向かって転がるように移動する。なお、図14では、太陽電池ストリング11の一端側から他端側に向かって移動するが、その逆方向であってもよい。また、なお、駆動部102aが圧着装置200を行方向に移動させずに、作業台90を移動させる駆動装置によって行方向に移動させてもよい。
[製造方法:2−2太陽電池モジュールの製造方法]
次に、太陽電池モジュール1の製造方法について、説明する。
実施の形態2において、太陽電池モジュール1の製造方法における他の方法は、実施の形態1の太陽電池モジュール1の製造方法と同様であり、同一の方法については同一の符号を付して方法に関する詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、実施の形態1の太陽電池モジュール1の製造方法のストリング形成工程(S1)から押さえ工程(S2)まで同一の方法であり、その説明を省略する。
押さえ工程(S2)の後に、光反射部材30を配置した太陽電池ストリング11の一端側から他端側に向かって、圧着ローラ210が転がるよう移動する(光反射部材貼付工程(S5))。本実施の形態においては、圧着ローラ210は、太陽電池ストリング11のマイナスX軸側からプラスX軸側に向かって転がるように移動する。
具体的には、光反射部材30を配置した太陽電池ストリング11の一端側に、圧着ローラ210を位置させる。また、圧着ローラ210が移動する際に、圧着ローラ210の第1熱圧着部212が、一方側の太陽電池セル10と光反射部材30とが行方向に重なっている部分を通過するように配置する。さらに、圧着ローラ210の第2熱圧着部213が、他方側の太陽電池セル10と光反射部材30とが行方向に重なっている部分を通過するように配置する。言い換えれば、XY平面視で、光反射部材30が隣り合う2つの太陽電池セル10を跨いでいる部分(重なっている部分)と略一致、かつ隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間と非熱圧着部211とが略一致しながら通過するように、圧着ローラ210を配置する。
圧着装置200の圧着ローラ210は、光反射部材30を配置した太陽電池ストリング11の一端側から他端側に向かって、太陽電池セル10と光反射部材30とを熱圧着しながら移動する(光反射部材貼付工程(S5))。こうして、光反射部材30と、光反射部材30と重なる太陽電池セル10の部分とが接着され、光反射部材30が接着された太陽電池ストリング11を得る。
実施の形態1の太陽電池モジュール1の製造方法のラミネート工程(S7)と同一の方法により、太陽電池モジュール1を作製する。
なお、本実施の形態の光反射部材貼付工程(S5)では、圧着ローラ210が行方向に移動して光反射部材30と太陽電池セル10とを熱圧着していくが、圧着ローラ210を移動させずに作業台90を行方向に移動させて太陽電池セル10と光反射部材30とを熱圧着させてもよい。この場合、作業台90を移動させる駆動装置を備えたベルトコンベア等で実現する。
[作用効果]
次に、本実施の形態おける太陽電池モジュール1の作用効果について説明する。
上述したように、実施の形態2に係る太陽電池モジュール1の製造方法において、圧着ヘッド110は、ローラ(圧着ローラ210)であり、非熱圧着部211は、第1熱圧着部212及び第2熱圧着部213に対して環状に凹む環状溝210bを形成している。
この製造方法によれば、長尺の圧着ヘッド110を用いている圧着装置200に比べて圧着ローラ210を備える装置を小型化することができる。
この太陽電池モジュール1における作用効果は、実施の形態1の太陽電池モジュール1と同様の作用効果であり、同一の作用効果については詳細な説明を省略する。
(実施の形態2の変形例)
実施の形態2の変形例において、太陽電池モジュール1における他の構成は、実施の形態2の太陽電池モジュール1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
[製造方法:2−1−1圧着装置の構成]
太陽電池モジュール1の製造にあたって、圧着装置200を用いる。まずは、圧着装置200の構成について、図15を用いて説明する。
図15は、実施の形態2の変形例に係る太陽電池モジュール1の製造方法において、圧着ローラ210を用いて光反射部材30を太陽電池セル10に熱圧着する状態を示す説明図である。図15は、図9のXV−XV線において、図11の光反射部材30を配置した太陽電池ストリング11に、圧着ローラ210を用いて光反射部材30を太陽電池セル10に熱圧着する状態である。
実施の形態2の変形例において、圧着装置200における他の構成は、実施の形態2の圧着装置200と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
実施の形態2の圧着装置200と実施の形態2の変形例の圧着装置200との相違点は、実施の形態2の変形例の圧着装置200に光反射部材30の基となる光反射テープ3が巻かれているボビン221、供給ローラ222、1対の搬送ローラ223、カッター224等を有している点で異なっている。また、実施の形態2の変形例の圧着装置200は、実施の形態2の搬送部101を有していない点でも異なっている。
図15に示すように、圧着装置200は、圧着ローラ210、駆動部102a、制御部102cの他に、搬送部201、筐体202、ボビン221、カッター224を有している。筐体202は、圧着ローラ210、駆動部102a、制御部102c、搬送部201、ボビン221、カッター224及び排出ローラ226を収容している。
搬送部201には、搬送経路P1が形成されている。また、搬送部201は、供給ローラ222、1対の搬送ローラ223、カッター224、載置パッド225及び排出ローラ226を有している。供給ローラ222、1対の搬送ローラ223及び排出ローラ226は、駆動部102aにより、回動可能に筐体202に支持されている。
搬送経路P1は、光反射テープ3が巻きついているボビン221から供給ローラ222までの経路と、供給ローラ222から1対の搬送ローラ223までの経路と、1対の搬送ローラ223からカッター224までの経路と、カッター224から載置パッド225及び排出ローラ226までの経路である。搬送経路P1は、ボビン221側が上流側で、載置パッド225及び排出ローラ226が下流側である。搬送経路P1では、光反射テープ3が搬送方向(矢印の向き)に向かって搬送される。
ボビン221は、搬送経路P1の上流側に設けられている。ボビン221には、光反射テープ3が巻き付けられている。ボビン221の下流側には、供給ローラ222が設けられている。供給ローラ222は、ボビン221に巻き付けられている光反射テープ3を搬送方向に向かって搬送するように回動する。供給ローラ222の下流側には、1対の搬送ローラ223が設けられている。1対の搬送ローラ223は、供給ローラ222から搬送されてきた光反射テープ3を搬送方向に向かって搬送するように回動する。1対の搬送ローラ223の下流側には、光反射テープ3を切断するカッター224が設けられている。カッター224は、光反射テープ3を所定の長さに切断し、光反射部材30を形成する。カッター224の下流側には、光反射部材30を隣り合う2つの太陽電池セル10の図5の配置領域R1に配置する載置パッド225及び排出ローラ226が設けられている。載置パッド225及び排出ローラ226により、光反射部材30が排出される。
カッター224の傍には、光反射部材30の長さを検知する図示しない光センサが設けられている。光センサは、検知した信号を制御部102cに送信する。制御部102cは、この光センサで検知した信号により、光反射部材30の長さを所定の長さに切断するように制御する。本実施の形態では、光反射部材30の長さを略均等に切断するように設定されている。
制御部102cは、駆動部102aにより圧着装置200の移動速度を制御している。圧着装置200は、作業台90に載置されている押さえ工程(S2)で押さえた太陽電池ストリング11の上を、走査方向に向かって一定の速度で移動する。本実施の形態において、走査方向とは、圧着装置200が進行する方向であり、行方向と平行な方向である。図15では、太陽電池ストリング11の他端側(プラスX軸側)から一端側(マイナスX軸側)に向かって移動するが、その逆方向であってもよい。
また、制御部102cは、押さえ工程(S2)において、押さえ治具70で押さえた太陽電池ストリング11の図11の配置領域R1に、光反射部材30を略等間隔で一列に配置できるように、圧着ローラ210、供給ローラ222、1対の搬送ローラ223及び排出ローラ226の回動や、カッター224の切断動作も、駆動部102aを介して制御している。例えば、制御部102cは、載置パッド225及び排出ローラ226から光反射部材30を図11の配置領域R1に配置する際に、圧着装置200の移動速度と、排出ローラ226の外周面の回転速度とは略同一となるように制御したり、行方向における隣り合う2つの図11の配置領域R1の間の領域では、排出ローラ226等の駆動を停止するように制御したりする。隣り合う2つの図11の配置領域R1の間の領域とは、光反射部材30を貼り付け無い領域で、最外周の太陽電池ストリング11の太陽電池セル10を除いて、4枚の太陽電池セル10で囲まれる太陽電池セル10のコーナ側の部分である。
このような圧着装置200を用いて太陽電池モジュール1を製造すれば、実施の形態1に係る図11の準備台91に光反射部材30を準備することなく、光反射部材30を隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間を跨ぐように配置することができる。また、この圧着装置200では、実施の形態1に係る図5のアーム部を備える必要もない。このため、圧着装置200では、準備台91に光反射部材30を準備する工程を省けるとともに、装置を小型化することができる。
実施の形態2の変形例において、太陽電池モジュール1の製造方法における他の方法は、実施の形態2の太陽電池モジュール1の製造方法と同様であり、同一の方法については方法に関する詳細な説明を省略する。
また、実施の形態2の変形例において、この太陽電池モジュール1における作用効果は、実施の形態1の太陽電池モジュール1と同様の作用効果であり、同一の作用効果については詳細な説明を省略する。
(実施の形態3)
実施の形態3において、太陽電池モジュール1における他の構成は、実施の形態1の太陽電池モジュール1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
太陽電池モジュール1の製造にあたって、圧着装置300を用いる。まずは、圧着装置300の構成について、図16及び図17を用いて説明する。
図16は、実施の形態3に係る圧着装置300と太陽電池ストリング11との斜視図である。図17のAは、実施の形態3に係る圧着装置300の圧着ヘッド310を示す拡大斜視図である。図17のBは、実施の形態3に係る圧着装置300の圧着ヘッド310を示す拡大斜視図である。図17のAは圧着ヘッド310を斜め上側から見た斜視図であり、図17のBは圧着ヘッド310を斜め下側から見た斜視図である。
本実施の形態では、各々の圧着ヘッド310の第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の接触面312a、313aは、離散的に設けられている点で実施の形態1等と相違する。また、本実施の形態では、準備台91の代わりに移動台401を用いている点で実施の形態1等と相違する。
[製造方法:3−1圧着装置の構成]
本実施の形態において、圧着装置300における他の構成は、実施の形態1の圧着装置100と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
各々の圧着ヘッド310の第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313には、マイナスZ軸方向の端面(後述する接触面312a、313a)からプラスZ軸方向に延び、Y軸方向に貫通する切り欠き310aが形成されている。つまり、切り欠き310aが形成されることで、圧着ヘッド310の第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313に、Z軸方向に延びる複数の柱状構造が形成される。第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の柱状構造は、離散的に配置されている。
切り欠き310aは、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313において、圧着ヘッド310の外部と圧着ヘッド310の溝部116とを連通すように切り欠かれている。第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の柱状構造については2つ以上であればよい。つまり、切り欠き310aは、1つ以上であればよい。本実施の形態では、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313のそれぞれに、3つの柱状構造が設けられる。
本実施の形態では、第1熱圧着部312の柱状構造は、熱源部120のプラスY軸方向端縁側で、X軸方向に等間隔で並ぶように設けられる。第2熱圧着部313の柱状構造は、熱源部120のマイナスY軸方向端縁側で、X軸方向に等間隔で並ぶように設けられる。第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313における柱状構造の下端面には、弾性部315が設けられる。弾性部315は、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の形状と対応するように設けられ、他の構成においては実施の形態1の弾性部115と同様である。
第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313における柱状構造の下端面に設けられる弾性部315(接触面312a、313a)は、光反射部材貼付工程(S5)の際に、光反射部材30と太陽電池セル10との重複領域に接触する。そして、重複領域において、複数の第1熱圧着部312及び複数の第2熱圧着部313と接触しない領域が非接触面312b、313bとなる。つまり、弾性部315の下面が接触面312a、313aとなり、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313に切り欠き310aが形成されている部分が非接触面312b、313bとなる。
本実施の形態では、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の柱状構造は、圧着ヘッド310のX軸方向の両端側に設けられている。言い換えれば、切り欠き310aは、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の両端側以外の部分に形成されている。第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313は、光反射部材貼付工程(S5)の際に、各々の重複領域の両端側を熱圧着する。
各々の圧着ヘッド310の第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313は、光反射部材30と太陽電池セル10との重複領域に接触する接触面312a、313aと、光反射部材30と太陽電池セル10との重複領域に接触しない非接触面312b、313bとを有する。
接触面312aは、第1熱圧着部312の下端面に設けられる弾性部315の下端面であり、光反射部材30と太陽電池セル10との重複領域に接触する。また、接触面313aは、第2熱圧着部313の下端面に設けられる弾性部315の下端面であり、光反射部材30と太陽電池セル10との重複領域に接触する。非接触面312b、313bは、各々の第1熱圧着部312及び各々の第2熱圧着部313の上端面(プラスZ軸方向の端面)であり、光反射部材30と太陽電池セル10との重複領域に接触しない。本実施の形態では、非接触面312b、313bは、非熱圧着部111と面一となっている。
本実施の形態では、第1熱圧着部312において、1つの柱状部材と隣接する他の柱状部材との間の領域が非接触面312bである。また、第2熱圧着部313において、1つの第2熱圧着部313と隣接する他の第2熱圧着部313の間の領域が非接触面313bである。
接触面312a、313aを重複領域に接触させて光反射部材30を太陽電池セル10に熱圧着させた際に、この圧着ヘッド310では、重複領域の一部が熱圧着され、重複領域の残りの部分が熱圧着されない。つまり、接触面312a、313aと重複領域とが重なる領域では、光反射部材30が太陽電池セル10に熱圧着され、非接触面312b、313bと重複領域とが重なる領域では、光反射部材30が太陽電池セル10に熱圧着されない。
また、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313は、それぞれ3つ以上の接触面312a、313aを有する。接触面312a、313aの各々は、温度が互いに異なっていてもよい。例えば、各々の重複領域の両端側に位置する接触面312a、313aは、両端側以外の接触面312a、313aよりも温度が高くてもよい。そして、各々の重複領域の両端側に位置する接触面312a、313aは、他の接触面312a、313aよりも高温である。つまり、圧着ヘッド310のX軸方向の両端側に設けられる、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の柱状構造は、他の柱状構造よりも温度が高い。各々の重複領域の両端側に位置する接触面312a、313aは、約180℃程度としてもよく、他の部分の接触面312a、313aは、約70℃から120℃程度としてもよい。この場合、光反射部材貼付工程(S5)の際に、光反射部材30の角部側が太陽電池セル10に接着される。
圧着ヘッド310のX軸方向の両端側を高温にする場合、例えば、複数の熱源部120を用いて、X軸方向の両端側を高温にし、他を低温にすることで、個々の接触面312a、313aの温度を変えてもよい。また、1台の熱源部120を用いる場合、X軸方向の両端側における第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の柱状構造の材質を、他の第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の柱状構造よりも熱伝導率の良い材質にしてもよい。
本実施の形態では、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の一部である柱状構造は、圧着ヘッド310のX軸方向の両端側に設けられているため、接触面312a、313aも重複領域の両端側(X軸方向の両端側)に設けられる。この場合、光反射部材貼付工程(S5)の際に、光反射部材30の角部を熱圧着することができる。なお、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の一部である柱状構造は、圧着ヘッド310のX軸方向の両端側に設けられているが、これには限定されず、これら柱状構造が設けられる位置は特に限定されない。
各々の第1熱圧着部312には、第3連通孔312cが形成されている。第3連通孔312cは、図13の非熱圧着部111の第2連通孔111bと連通している。また、各々の第2熱圧着部313には、第4連通孔313aが形成されている。第4連通孔313aは、非熱圧着部111の第2連通孔111bと連通している。
なお、切り欠き310aを形成する代わりに、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313に弾性部315を離散的に設けてもよい。つまり、複数の弾性部315を第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の下端面に離散的に設ける。この場合、弾性部315を離散的に設けるだけで、光反射部材30を太陽電池セル10に貼り付ける荷重の面積を減らすことができる。
[製造方法:3−2準備台の構成]
太陽電池モジュール1の製造にあたって、準備台400を用いる。次に、準備台400の構成について、図18を用いて説明する。図18は、実施の形態3に係る準備台400と光反射部材30との斜視図である。なお、図18では、一列の移動台401について説明するがこれに限定されず、移動台401は複数列あってもよい。
準備台400は、複数の移動台401と、本体部402と、駆動機構とを有する。
複数の移動台401は、本体部402上面に設けられ、複数の光反射部材30を配置することが可能な台である。これら移動台401は、X軸方向で一列に並んでいる。複数の移動台401には、複数の光反射部材30を一対一で配置する。なお、本実施の形態では、光反射部材30を載置した移動台401を上面視した場合に、移動台401は、光反射部材30と略同一の形状である。複数の移動台401は、本体部402上面で、所望の動きを行う。例えば、複数の移動台401は、光反射部材30と配置領域R1とがY軸上で重なる(対応する)ように移動する。
各々の移動台401は、一の光反射部材30と隣接する他の光反射部材30とが所定間隔を開けるように、X軸方向に移動する。所定間隔は、X軸方向における、隣り合う2つの配置領域R1の間隔である。複数の移動台401は、X軸方向における、隣り合う2つの配置領域R1の間隔と略同一の間隔となるように移動する。言い換えれば、配置領域R1の並びにおけるそれぞれの間隔に合わせて、隣り合う2つの移動台401の間隔を調節する。
本実施の形態では、準備台400が作業台90のプラスY軸方向に設けられているが、準備台400が作業台90のX軸方向に設けられていてもよい。この場合、複数の移動台401は、光反射部材30と配置領域R1とがX軸上で対応するように移動台401が本体部402上で移動する。具体的には、複数の移動台401は、配置領域R1の並び方向上で、X軸方向における、隣り合う2つの配置領域R1の間隔と、隣り合う2つの光反射部材30の間隔とが略同一となるように、本体部402上で移動する。言い換えれば、複数の移動台401は、圧着装置100に設けられている複数の圧着ヘッド310の並びにおけるそれぞれの間隔に合わせて、隣り合う2つの光反射部材30の配置を調節する。
また、移動台401には、載置した光反射部材30の位置ズレを抑制する吸気孔が設けられていてもよい。
本体部402は、移動台401を支持する基台であり、複数の移動台401を移動させる駆動機構、制御部、電源部などが収容される。なお、駆動機構、制御部、電源部は、移動台401に内蔵されていてもよい。
駆動機構は、移動台401を所望の量だけ移動させる装置であり、例えば、電動アクチュエータ等である。駆動機構は、移動台401の移動量や、移動速度等が制御部等で調節される。
[製造方法:3−3太陽電池モジュールの製造方法]
次に、太陽電池モジュール1の製造方法について、図19〜図21を用いて説明する。図19は、実施の形態3に係る太陽電池モジュール1の製造方法のフローチャートである。図20は、実施の形態3に係る太陽電池モジュール1の製造方法の移動工程(S11)を示す説明図である。図21は、実施の形態3に係る太陽電池モジュール1の製造方法の光反射部材配置工程(S4)とラミネート工程(S7)とを示す説明図である。なお、太陽電池モジュール1の製造方法について、実施の形態1と同一の工程については同一の符号を付してその説明を省略する。
図19及び図20に示すように、ストリング形成工程(S1)及び押さえ工程(S2)を経て光反射部材準備工程(S3)が行われる。光反射部材準備工程(S3)では、複数の光反射部材30が複数の移動台401に一対一で載置される。本実施の形態では、光反射部材30と移動台401とをX軸方向に1列設けた図を用いているが、これらが複数列存在していてもよい。本実施の形態の太陽電池モジュール1では、X軸方向に12か所の配置領域R1がY軸方向に5列設けられているため、これら60か所の配置領域R1に一度に光反射部材30を配置できるように、60台の移動台401が設けられていてもよい。
次に、光反射部材準備工程(S3)の後に、移動台401は、複数の光反射部材30を配置する複数の配置領域R1と対応するように移動する。具体的には、1つの移動台401には1つの光反射部材30が載置されており、複数の移動台401は、X軸方向の並びにおける間隔に合わせて配列された配置領域R1と対応するように、本体部402上で移動する(移動工程(S11))。こうして、複数の光反射部材30は、配列された配置領域R1の並びにおける間隔に合わせて、隣り合う2つの光反射部材30のX軸方向の間隔が調節される。つまり、隣り合う2つの光反射部材30の間隔は、X軸方向において、隣り合う2つの間隔(幅)と、配置領域R1の間隔とが略同一となる。
なお、光反射部材30が複数列設けられている場合、1つの移動台401には1つの光反射部材30が載置されており、複数の移動台401は、複数の光反射部材30をマトリクス状に配列された配置領域R1と対応するように、本体部402上で移動してもよい(移動工程(S11))。複数の光反射部材30は、マトリクス状に配列されてもよい。こうして、複数の光反射部材30は、X軸方向及びY軸方向において、圧着装置300に設けられる複数の圧着ヘッド310の並びにおける間隔に合わせて配置されるため、光反射部材配置工程(S4)で、複数の圧着ヘッド310が複数の光反射部材30を一対一で吸着することができる。こうして、光反射部材30は、隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間を跨ぐように配置領域R1に配置できる。
次に、光反射部材配置工程(S4)を行った後に、図21に示すように、光反射部材貼付工程(S5)では、隣り合う2つの太陽電池セル10の配置領域R1に光反射部材30を貼り付ける際に、圧着ヘッド310が光反射部材30の樹脂接着剤33を押しつぶさないように貼り付ける。なお、光反射部材貼付工程(S5)で、隣り合う2つの太陽電池セル10の配置領域R1に光反射部材30を貼り付ける際に、圧着ヘッド310が光反射部材30に掛ける力は、実施の形態1等と同様の力である。このため、光反射部材貼付工程(S5)では、非接触面312b、313bの分だけ、重複領域にかかる荷重の面積が実施の形態1等に比べて減少している。
次に、積層体形成工程(S6)を経たラミネート工程(S7)では、積層体形成工程(S6)で形成した積層体を熱圧着する。その際に、光反射部材30の樹脂接着剤33が押しつぶされ、樹脂接着剤33が光反射部材30と太陽電池セル10との接着をより確実にする。
このように、光反射部材貼付工程(S5)で局部的に光反射部材30を太陽電池セル10に熱圧着し、ラミネート工程(S7)で光反射部材30を太陽電池セル10に確実に貼り付ける。そして、太陽電池モジュール1を得る。
[作用効果]
次に、本実施の形態おける太陽電池モジュール1の製造方法の作用効果について説明する。
上述したように、実施の形態3に係る太陽電池モジュール1の製造方法において、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の各々は、さらに、重複領域に接触しない非接触面312b、313bを有する。そして、光反射部材貼付工程(S5)では、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313により各々の重複領域の一部が熱圧着され、非熱圧着部111により各々の重複領域の残りの部分が熱圧着されない。
光反射部材貼付工程(S5)において、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313が重複領域の全面を熱圧着する場合、光反射部材30及び太陽電池セル10にかかる荷重により、太陽電池セル10が破損する恐れがある。そこで、太陽電池セル10にかかる荷重の面積を減らして圧着ヘッド310に加える荷重を減らすことができ、太陽電池セル10の破損を防止することができる。
特に、光反射部材貼付工程(S5)において、例えば、光反射部材30を太陽電池セル10の重複領域で熱圧着する際にかかる荷重が100N以下であれば、太陽電池セル10の破損をより抑制することができる。この圧着ヘッド310では、接触面312a、313aと非接触面312b、313bとを有するため、光反射部材貼付工程(S5)で光反射部材30を太陽電池セル10の重複領域に熱圧着する際にかかる荷重の面積を減らすことができる。このため、太陽電池セル10の破損が抑制され、太陽電池モジュール1の歩留まりの低下を抑制することができる。
また、実施の形態3に係る太陽電池モジュール1の製造方法において、接触面312a、313aは、第1熱圧着部312及び第2熱圧着部313の各々に複数設けられ、光反射部材貼付工程(S5)の際に、接触面312a、313aと重複領域とが重なる。
この製造方法によれば、太陽電池セル10と光反射部材30とが重なる重複領域で、複数の接触面312a、313aにより光反射部材30が太陽電池セル10に熱圧着される。このため、圧着ヘッド310が準備台91の光反射部材30を吸着して配置領域R1まで移動する際に、光反射部材30が圧着ヘッド310から離脱し難い。
また、実施の形態3に係る太陽電池モジュール1の製造方法において、接触面312a、313aは、光反射部材貼付工程(S5)の際に、各々の重複領域の両端側で、接触面312a、313aと重複領域とが重なる。
この製造方法によれば、太陽電池セル10と光反射部材30とが重なる重複領域の両端側で、複数の接触面312a、313aにより光反射部材30が太陽電池セル10に熱圧着される。このため、圧着ヘッド310が準備台91の光反射部材30を吸着して配置領域R1まで移動する際に、より光反射部材30が圧着ヘッド310から離脱し難いため、光反射部材30を配置領域R1により確実に配置することができる。
特に、光反射部材貼付工程(S5)の際に、光反射部材30の角部側が太陽電池セル10に貼り付けられる。光反射部材30の角部側が太陽電池セル10に貼り付けられると、光反射部材30が太陽電池セル10から剥がれ難くなる。
また、実施の形態3に係る太陽電池モジュール1の製造方法において、さらに、光反射部材配置工程(S4)の前に、複数の光反射部材30を複数の移動台401に一対一で載置する光反射部材準備工程(S3)と、光反射部材配置工程(S4)の前、かつ、光反射部材準備工程(S3)の後に、光反射部材配置工程(S4)で隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間を跨ぐ複数の配置領域R1の並びにおけるそれぞれの間隔に合わせて、隣り合う2つの光反射部材30の間隔を隣り合う2つの移動台401が調節する移動工程(S11)とを含む。
この製造方法によれば、複数の光反射部材30が複数の移動台401に一対一で載置した後に、複数の配置領域R1の並びにおけるそれぞれの間隔に合わせて、複数の移動台401が本体部402上で移動する。このため、複数の光反射部材30は、複数の圧着ヘッド310に一対一で対応する位置に合わせられるため、各々の光反射部材30を精度よく並べる必要がない。このため、この製造方法によれば、太陽電池モジュール1の製造をより簡易に行うことができる。
(その他変形例等)
以上、本発明に係る太陽電池モジュールについて、実施の形態1〜3及び実施の形態1、2の変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態1〜3及び実施の形態1、2の変形例に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態1においては、圧着ヘッドの長手方向は、列方向に向かって略等間隔で一列に並んでいるが、列方向と直交するように並んでいてもよい。つまり、圧着ヘッドは、行方向に向かって並んでいてもよい。この場合、太陽電池ストリングスが3つ以上並んでいる場合において、圧着ヘッドが光反射部材を熱圧着する際に、行方向に向かって順番に圧着しながら移動してもよい。
また、上記実施の形態1においては、6つの太陽電池ストリングにおける、隣り合う2つの太陽電池セルの配置領域に対応するように、60個の圧着ヘッドを有する5本の第1支持部が設けられていてもよい。この場合、押さえ工程を経た6つの太陽電池ストリングにおいて、光反射部材配置工程及び光反射部材貼付工程を一度に行うことができる。
また、上記の実施の形態では、太陽電池セルの表面側に、光反射部材を配置してもよい。この場合、光反射部材における絶縁部材の凹凸部を上方に向くように配置し、絶縁部材における凹凸部とは反対側の面を、太陽電池セルの表面に樹脂接着剤で接着する。つまり、図4の光反射部材は、X軸方向及びY軸方向で規定される平面に対して面対称に配置されていてもよい。
また、上記の実施の形態では、最外周の太陽電池ストリングの太陽電池セルを除いて、1つの太陽電池セルには2つの光反射部材が設けられていたが、これに限らない。例えば、全ての太陽電池セルの各々に光反射部材を2つずつ設けてもよい。また、1つの太陽電池セルに設けられる光反射部材の数は、2つではなく、1つ又は3つ以上であってもよい。例えば、太陽電池セルの四辺の各々に光反射部材を設けてもよいし、各辺に複数の光反射部材を設けてもよい。
また、上記の実施の形態では、光反射部材を隣り合う2つの太陽電池セルをつなぐ配線材の上又は下に貼り付けてもよい。この場合、光反射部材の凹凸部は、配線材と略直交するように設けられていてもよい。
また、上記の実施の形態では、太陽電池セルの半導体基板をn型半導体基板としたが、p型半導体基板としてもよい。
また、上記の実施の形態において、太陽電池モジュールは、表面保護部材及び裏面保護部材の両方が受光面である両面受光方式であったが、これに限らない。例えば、表面保護部材及び裏面保護部材の一方のみ(例えば表面保護部材)が受光面となる片面受光方式であってもよい。片面受光方式の場合、p側電極は透明である必要はなく、例えば反射性を有する金属電極であってもよい。
また、上記の実施の形態において、太陽電池セルの光電変換部の半導体材料は、シリコンであったが、これに限るものではない。太陽電池セルの光電変換部の半導体材料としては、ガリウム砒素(GaAs)又はインジウムリン(InP)等を用いてもよい。
その他、実施の形態1〜3及び実施の形態1、2の変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態1〜3及び実施の形態1、2の変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。