JP6830178B2 - 回路内蔵ブラシレスdcモータおよびそれを用いた熱交換型冷却機 - Google Patents

回路内蔵ブラシレスdcモータおよびそれを用いた熱交換型冷却機 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、携帯基地局等の機器冷却に使用される熱交換型冷却機に使用される高効率なブラシレスDCモータに関し、詳しくは固定子とモータを駆動するインバータ回路含めた制御回路とを覆うモールド外郭とした回路内蔵ブラシレスDCモータとこれを搭載した熱交換型冷却機等におけるブラシレスDCモータの停止時に発生する回生電圧を抑制する制御に関するものである。
従来、高回転で回転しているブラシレスDCモータを停止させた場合、慣性によりしばらく羽根の回転が継続する。この時、ブラシレスDCモータは発電機となり、ブラシレスDCモータの端子間に電圧(回生電圧)が発生する。このため、回生電圧の大きさによっては、インバータ回路のスイッチング素子の耐圧を超える電圧が印加されることがある。これにより、場合によっては、スイッチング素子が耐圧破壊を起こし、スイッチング素子の故障する恐れが生じる。
そこで、図7に、保護装置を設けたブラシレスDCモータを空気調和機に搭載した構成図を示す。図7に示すように、直流電源101、ブラシレスDCモータ102のLU、LV、LWで構成された巻線103を流れる電流を制御するスイッチング素子群104(Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6)を備える。ブラシレスDCモータ102の回転子105は、永久磁石で構成されている。位相検知手段106は回転子105の磁極位置を検出し、駆動手段107は位相検知手段106の出力信号に基づいて回転子105を一定方向に回転させるために必要な信号を生成し、その信号によりスイッチング素子群104を駆動する。線間電圧検知手段108は巻線103間の電圧を検出し、判断手段109は線間電圧検知手段108により検出された線間電圧値が一定値を越えたかどうかを判別する。開閉手段110はスイッチング素子群104と巻線104との間に挿入される。
このような構成において、回生電圧によるスイッチング素子群104の保護について以下説明する。
図8(a)(b)は、直流電源電圧低下検出時のスイッチング素子のオン・オフ信号状態を示す。図8(a)に示すように、台風や洪水、落雷や雪害などの自然災害等による電源供給が一時的に途切れた時、瞬時停電が発生し、直流電源101の直流電圧が瞬時に低下する。直流電源101の直流電圧がしきい値を下回った時、直流電源電圧低下を検出し、図8(b)に示すように、スイッチング素子群104をすべてオフにしてブラシレスDCモータ102を停止させる。なお、ブラシレスDCモータを停止させた際でも、しばらく回転子105の回転が継続するため回生電圧が発生する。
回生電圧の発生による電流経路を、図9(a)(b)を用いて説明する。
図9(a)は図8(b)に示す直流電源電圧低下検出前のスイッチング素子群104のオン、オフ状態を示し、図9(b)は図8(b)に示す直流電源電圧低下検出後のスイッチング素子群のオン、オフ状態を示している。
直流電源電圧低下検出前は、図9(a)に示すようにスイッチング素子Q1,Q3,Q5がオン、Q2,Q4,Q6がオフしている。この時の電流経路は、直流電源101からスイッチング素子Q1を通り、巻線103のLUからLVを経てQ5を通る電流経路と、直流電源101からスイッチング素子Q3を通り、モータ巻線LWからLVを経て、Q5を通る経路がある。
この状態において、瞬時停電が発生し直流電源電圧低下を検出した場合、図9(b)に示すように6個のスイッチング素子をすべてオフしてブラシレスDCモータ102を停止させると、巻線103に蓄えられた回生エネルギーにより、ブラシレスDCモータ102とスイッチング素子群104とが接続されているところのモータ端子A、B、Cの電圧が上昇する。グランド電位よりモータ端子A、Cの電圧が高くなり、スイッチング素子Q4、Q6に並列に接続された還流ダイオードがオンする。また、直流電源101の電圧よりモータ端子Bの電圧が高くなり、スイッチング素子Q2に並列に接続された還流ダイオードがオンする。これにより、スイッチング素子Q4に並列に接続された還流ダイオードを通り、巻線103のLUからLVを経てスイッチング素子Q2に並列に接続された還流ダイオードを通り直流電源101に戻る経路と、スイッチング素子Q6に並列に接続された還流ダイオードを通り、巻線103のLWからLVを経てスイッチング素子Q2に並列に接続された還流ダイオードを通り直流電源101に戻る経路で電流が流れる。この時、ブラシレスDCモータ102が高回転(例えば3,500回転/1分間)で回転し、ブラシレスDCモータ102を急峻に停止させると回生エネルギーが大きくなり、モータ端子A、B、Cの電圧が現状より高くなる。ブラシレスDCモータ102に取り付けられている羽根の慣性により、しばらくの間、回転が継続し回生電圧が発生し、この回生電圧の大きさによっては、スイッチング素子群104の耐圧を超える電圧が印加されることがある。スイッチング素子群104を保護するためにブラシレスDCモータ102の巻線103間の電圧値を監視し、巻線103間の電圧値がある一定値を越える場合、開閉手段110をオフ、すなわち、リレーなどの開閉器を用いて、ブラシレスDCモータ102とスイッチング素子群104であるインバータ回路とを切り離して、回生電圧によるスイッチング素子群104の耐圧破壊を防止する(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63−206189号公報
しかし、このような従来の構成では、リレーなどの開閉器を追加することによる部品点数や回路基板の面積増加や、或いは開閉器の耐圧を考慮した設計によるコストアップが必要になるという課題を有していた。
また、直流電源電圧が急峻に低下した場合、制御電圧も同時に低下してしまい、インバータ回路が即座に制御できない状態となるため、すべてのスイッチング素子群を強制的にオフ状態にしなければいけなくなり、その瞬間に回生電圧が発生する回生現象が発生する。すなわち、直流電源電圧が急峻に低下した場合は、速やかに回生電圧が発生しないような対策を行わなければいけないという課題を有していた。
静電容量の大きい電解コンデンサ等を用いて回生電圧を抑制することは可能である。しかしながら固定子とモータを駆動するインバータ回路を含めた制御回路とをモールド外郭で覆われた回路内蔵ブラシレスDCモータとするためには、インバータ回路に実装するコンデンサの容量を大きくできないという課題を有していた。例えば、静電容量の大きい電
解コンデンザを用いた場合、モールド成形時の圧力、熱等により破壊されてしまう。
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ブラシレスDCモータが高回転で回っている際に直流電圧が急峻に低下した場合でも、コンデンサ等の部品点数を増加させることなく回生電圧によるスイッチング素子群の耐圧破壊を防止することができる回路内蔵ブラシレスDCモータを提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために本発明に係る回路内蔵ブラシレスDCモータは、
永久磁石を施した回転子と、
三相巻線を施した固定子と、
直流電源から入力された直流電圧を、コンデンサを介して正側に接続された複数個の上段スイッチング素子及び負側に接続された複数個の下段スイッチング素子に引き込み、前記上段スイッチング素子と前記下段スイッチング素子のスイッチングを行うことで前記三相巻線に駆動電圧を与えるインバータ回路と、
前記インバータ回路の動作を制御する制御回路と、
前記固定子と前記インバータ回路と前記制御回路と前記コンデンサを熱硬化性樹脂で覆ったモールド外郭と、
を備え、
前記制御回路は、
前記直流電源の電圧があらかじめ定められたしきい値よりも低下したことを検知する電源電圧監視手段と、
前記電源電圧監視手段が電圧低下を検知した場合に、あらかじめ決められた回数だけ前記上段スイッチング素子と前記下段スイッチング素子のオン時間を略同一にしてスイッチングを行い、続いて前記上段スイッチング素子及び前記下段スイッチング素子をすべてオフ状態にする停止手段と、
を備え、前記コンデンサは前記モールド外郭と接触した回路内蔵ブラシレスDCモータとする。
これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、ブラシレスDCモータが高回転で回っている際に直流電圧が急峻に低下した場合でも、回生電圧の発生を抑制することができ、インバータを構成するスイッチング素子群などの耐圧破壊を防ぐことができ、また、コンデンサ等の部品点数を増加させることなく回生電圧によるスイッチング素子群の耐圧破壊を防止することができる回路内蔵ブラシレスDCモータを提供できる。
本発明に係る回路内蔵ブラシレスDCモータの断面図 本発明に係る回路内蔵ブラシレスDCモータのブロック図 本発明に係る回路内蔵ブラシレスDCモータの直流電源電圧低下検出後のスイッチング素子のオン・オフ状態を示す図(a)直流電源電圧低下時の電圧状態を示す図(b)直流電源電圧低下時のスイッチング素子のオン・オフ動作を示す図 本発明に係る回路内蔵ブラシレスDCモータの直流電源電圧低下検出後のインバータ回路の動作状態を示す図(a)上段スイッチング素子がオン状態の時を示す図(b)下段スイッチング素子がオン状態の時を示す図 本発明に係る回路内蔵ブラシレスDCモータの直流電源電圧低下検出後のスイッチング素子の動作のフローチャート 本発明に係る回路内蔵ブラシレスDCモータを搭載した熱交換型冷却機を示す図 従来のブラシレスDCモータの保護装置のブロック図 従来のブラシレスDCモータの保護装置の直流電源電圧低下検出前後のスイッチング素子のオン・オフ状態を示す図(a)直流電源電圧低下時の電圧状態を示す図(b)直流電源電圧低下時のスイッチング素子のオン・オフ動作を示す図 従来のブラシレスDCモータの保護装置の直流電源電圧低下検出前後のインバータ回路の動作状態を示す図(a)直流電源電圧低下検出前の電流経路を示す図(b)直流電源電圧低下検出後の電流経路を示す図
本発明に係る回路内蔵ブラシレスDCモータは、永久磁石を施した回転子と、三相巻線を施した固定子と、直流電源から入力された直流電圧を、コンデンサを介して正側に接続された複数個の上段スイッチング素子および負側に接続された複数個の下段スイッチング素子に引き込み、前記上段スイッチング素子と前記下段スイッチング素子のスイッチングを行うことで前記三相巻線に駆動電圧を与えるインバータ回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路と、前記固定子と前記インバータ回路と前記制御と前記コンデンサを熱硬化性樹脂で覆ったモールド外郭と、を備え、前記制御回路は、前記直流電源の電圧があらかじめ定められたしきい値よりも低下したことを検知する電源電圧監視手段と、前記電源電圧監視手段が電圧低下を検知した場合に、あらかじめ決められた回数だけ前記上段スイッチング素子と前記下段スイッチング素子のオン時間を略同一にしてスイッチングを行い、続いて前記上段スイッチング素子及び下段スイッチング素子をすべてオフ状態にする停止手段と、を備え、前記コンデンサは前記モールド外郭と接触した回路内蔵ブラシレスDCモータとした。
これにより、ブラシレスDCモータが高回転で回っている際に、電圧が急峻に低下した場合でも、インバータを構成するスイッチング素子などの耐圧破壊を防ぐことができる。
また、前記回転子の目標回転数を出力する回転数指示手段と、前記回転子の位置を検出する位置検出手段と、を備え、前記制御回路は、前記位置検出手段が検出した回転子の位置から得られた回転数と、前記目標回転数とを比較して前記回転子と前記目標回転数との回転数差がなくなるように前記三相巻線に加わる電圧を制御する回転数一定制御手段を備えた構成である。
これにより、所定の送風風量を常に確保することができる。
また、回路内蔵ブラシレスDCモータを搭載した熱交換型冷却機としたものである。
これにより、部品点数を増加させることなく回生電圧によるスイッチング素子の耐圧破壊を防止することができるため、低コスト化、小型化、低騒音化や高信頼性の熱交換型冷却機が実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、全図面を通して、同一部位については同一の符号を付して、二度目以降の説明を省略している。さらに各図面において、本発明に直接には関係しない各部の詳細については説明を省略している。
(実施の形態1)
最初に、図1を参照しながら回路内蔵ブラシレスDCモータの構成を説明する。なお、
図1は、本実施の形態に係る回路内蔵ブラシレスDCモータの断面図である。
図1に示すように、ブラシレスDCモータ1は、回転子2と固定子3を有して構成されている。
回転子2は、フェライト系磁石粉末と樹脂を混ぜて成型され表面にN極とS極が交互に施された永久磁石にシャフト4が圧入されている。シャフト4は、ボールベアリング5が圧入され、ブラケット6でボールベアリング5を支持している。
シャフト4は、金属たとえばステンレスで造られ先端部に羽根が取り付けられる構造となっている。ボールベアリング5は、外輪と内輪からなり、外輪と内輪の間に玉と玉を保持する保持器から構成され潤滑油で充たされ、回転子2の回転時の磨耗や摩擦を軽減する。
ブラケット6は、金属で造られ固定子3と密着し、羽根の荷重を支える。
固定子3は、電磁鋼板を積層した鉄心に三相の巻線7を巻装している。
回路内蔵ブラシレスDCモータ8は、ブラシレスDCモータ1とプリント基板9とを絶縁を兼ねた樹脂、例えば、不飽和ポリエステルを主成分とする熱硬化性樹脂10で隙間無く覆われて一体化されモールドされている。
プリント基板9は、電力線11と信号リード線12が接続され、コンデンサ13とインバータ回路14と制御回路15が基板上に実装されている。
電力線11は、直流電源と接続され、ブラシレスDCモータを駆動するための動力電源が供給されている。
信号リード線12は、外部制御装置16に接続され、ブラシレスDCモータ1に取り付けられた羽根が回転することにより発生する風量を制御するため、目標風量を得るための速度指令信号を出力している。
コンデンサ13とインバータ回路14と制御回路15と外部制御装置16は後述する。以下、図2を参照しながら説明する。図2は回路内蔵ブラシレスDCモータのブロック図である。
直流電源17は、直流の電圧を供給し、コンデンサ13を介してインバータ回路14に印加される。
コンデンサ13は、直流の電圧を平滑化している。
インバータ回路14は、三相ブリッジの構成を有しており、三相ブリッジを構成する6個のスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6からなる。スイッチング素子Q1,Q2,Q3はそれぞれU相、V相、W相の上段スイッチング素子である。同様にスイッチング素子Q4,Q5,Q6はそれぞれU相、V相、W相の下段スイッチング素子である。ブラシレスDCモータ1の巻線7はLU、LV、LWの三相の巻線の構成であり、それぞれU相、V相、W相に接続されている。
制御回路18は、位置検出手段19と回転数指示手段20と回転数一定制御手段21とドライブ手段22と電源電圧監視手段23と停止手段24を有して構成されている。
電源電圧監視手段23は、直流電源17の電圧変化を監視し、あらかじめ設定された直流電圧のしきい値を下回った場合、電圧低下信号を出力する。
停止手段24は、電源電圧監視手段23が出力する電圧低下信号を受けて、PWM信号に基づいてスイッチング素子のオン時間を略同一にしてスイッチングを行い、続いて上段スイッチング素子および下段スイッチング素子をすべてオフ状態にする。
以下、図3,図4、図5を参照しながら、直流電源電圧低下時における説明する。図3は、回路内蔵ブラシレスDCモータの直流電源電圧低下検出後のスイッチング素子のオン・オフ状態を示す図(a)直流電源電圧低下時の電圧状態を示す図(b)直流電源電圧低下時のスイッチング素子のオン・オフ動作を示す図、図4は、回路内蔵ブラシレスDCモータの直流電源電圧低下検出後のインバータ回路の動作状態を示す図(a)上段スイッチング素子がオン状態の時を示す図(b)下段スイッチング素子がオン状態の時を示す図、図5は、回路内蔵ブラシレスDCモータの直流電源電圧低下検出後のスイッチング素子の動作のフローチャートである。
制御回路15は、瞬時停電等により直流電源17から直流の電圧が供給されなくなった時において、回生電圧の発生を抑制するようにインバータ回路14を制御している。
図3(a)に示すように、瞬時停電が発生し、直流電源17の電圧が低下する。電源電圧監視手段23が直流電源17の電圧低下を検出し、上段のスイッチング素子(Q1,Q2,Q3)および下段のスイッチング素子(Q4,Q5,Q6)のオン時間を略同一にしてスイッチングを行い、あらかじめ決められた回数に到達した後、上段のスイッチング素子(Q1,Q2,Q3)および下段のスイッチング素子(Q4,Q5,Q6)をすべてオフ状態にしてブラシレスDCモータ1を停止させる。
図3(b)に示すように直流電源電圧低下検出前のスイッチング素子のオン・オフ状態における電流経路は、例えば図4(a)に示すように流れているとする。
この時、直流電源17の電圧低下を検出した場合、上段のスイッチング素子(Q1,Q2,Q3)および下段のスイッチング素子(Q4,Q5,Q6)のオン時間を略同一にしてスイッチングを行う。図4(a)は上段スイッチング素子(Q1,Q2,Q3)をオンとした時の電流経路であり、スイッチング素子Q1を通り、巻線7のLU、LVを経て、スイッチング素子Q2を流れる経路と、スイッチング素子Q3を通り、巻線7のLW、LVを経て、スイッチング素子Q2を流れる経路ができる。また、図4(b)は下段スイッチング素子(Q4,Q5,Q6)をオンとした時の電流経路であり、スイッチング素子Q4を通り、巻線7のLU、LVを経て、スイッチング素子Q5を流れる経路と、スイッチング素子Q6を通り、巻線7のLW、LVを経て、スイッチング素子Q5を流れる経路ができる。このように直流電源17を流れる経路がなく、ブラシレスDCモータ1の巻線7とインバータ回路14を循環する回路が形成されることで、巻線7に蓄えられた回生エネルギーが消費される。
図5に示すフローチャートに基づいて、図3(b)に示すようなインバータ回路14の制御を行い回生電圧の発生を抑制するフローを説明する。
直流電源17の電圧がしきい値電圧よりも下回った時(ステップ1)、上段のスイッチング素子(Q1,Q2,Q3)および下段のスイッチング素子(Q4,Q5,Q6)のオン時間を略同一にしてスイッチングを行い、あらかじめ決められた回数に到達するまで繰り返し行い(ステップ2)、決められた回数に到達した場合(ステップ3)、上段スイッチング素子(Q1,Q2,Q3)および下段スイッチング素子(Q4,Q5,Q6)をすべてオフ状態にする(ステップ4)。
これによって、ブラシレスDCモータ1の巻線7とインバータ回路14を循環する回路が形成され、ブラシレスDCモータ1の巻線7に蓄えられた回生エネルギーが消費され、回生電圧の発生を抑制し、スイッチング素子の耐圧破壊を防止させることができる。
なお、ブラシレスDCモータ1を停止させるときの同一オン時間は、発生する回生エネルギーの低減効果が大きい40〜60%のデューティ比で調整することが望ましい。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、ブラシレスDCモータ1の回転数と目標回転数との回転数差がなくなるようにブラシレスDCモータ1の三相の巻線7に加わる電圧を制御する回転数一定制御とを備えている。
以下、図2を参照しながら説明する。
位置検出手段19は、固定子3に対する回転子2の相対的位置を3個の磁気センサー25の出力を利用して検出し、回転子2に施された永久磁石のN極とS極の磁極の切替り位置とブラシレスDCモータ1の回転数を検出する。
例えば、ブラシレスDCモータ1の回転子2が1回転する時の磁気センサー25の出力が1回転あたり4パルスである時、単位時間当たりのパルス数を取得すればブラシレスDCモータ1の回転数が求められる。例えば、1秒間に200パルスであった場合のブラシレスDCモータ1の回転数は500回転となる。
回転数指示手段20は、外部制御装置16より出力された速度指令信号を受けとり、目標回転数を算出する。
例えば、外部制御装置16は0〜5Vの速度指令信号を出力する。回転数指示手段20は速度指令信号が0Vの時は0回転、すなわち、停止とする。同様に速度指令信号が5Vの時は、あらかじめ決められた最大回転数とする。例えば、速度指令信号が5Vの時は、1000回転に設定されている時、0〜5Vが0〜1000回転で制御できるので、2.6Vの時の目標回転数は520回転となる。
回転数一定制御手段21は、目標回転数とブラシレスDCモータ1の回転数を比較し、ブラシレスDCモータ1の回転数が目標回転数よりも小さい場合は、風量不足とみなし、ブラシレスDCモータ1に印加する電圧を増加させる。ブラシレスDCモータ1の回転数が目標回転数よりも高い場合は、風量過多とみなし、ブラシレスDCモータ1に印加する電圧を減少させる。ブラシレスDCモータ1の回転数と目標回転数が一致している場合は、
適正風量とみなし、ブラシレスDCモータ1に印加する電圧の増加減は行ない。
例えば、目標回転数が520回転、ブラシレスDCモータ1の回転数が500回転である時、目標回転数とブラシレスDCモータ1の回転数を比較し、目標回転数に対して20回転低いので、風量不足となる。また、目標回転数が500回転、ブラシレスDCモータ1の回転数が520回転である時、目標回転数とブラシレスDCモータ1の回転数を比較し、目標回転数に対して20回転高いので、風量過多となる。目標回転数が520回転、ブラシレスDCモータ1の回転数が520回転である時、適正風量とみなす。このようにして風量が適正かあるいは過多であるか不足しているかを判断し、ブラシレスDCモータ1に印加する電圧を増加減させる。ブラシレスDCモータ1に印加する電圧を増加する時は、ドライブ手段22が出力するPWM信号のオン時間を大きくし、ブラシレスDCモータ1に印加する電圧を減少させる時は、ドライブ手段22が出力するPWM信号のオフ時間を小さくする。これによりブラシレスDCモータ1の回転数と目標回転数が略一致するようにドライブ手段22にブラシレスDCモータ1に印加する電圧に基づいたPWM信号を出力する。
ドライブ手段22は、PWM駆動方式によって、ブラシレスDCモータ1に印加される電
圧を増加減少させる。つまりPWM信号をスイッチング素子をオン・オフさせる信号に変換して、インバータ回路14に出力し、スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6を順次導通させ、ブラシレスDCモータ1を回転させる。
このような構成にすれば、ブラシレスDCモータ1の回転数と目標回転数との回転数差がなくなるようにブラシレスDCモータ1の回転数を制御できるため、これによって、所定の送風風量を常に確保することができる回路内蔵ブラシレスDCモータ8とさせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、回路内蔵ブラシレスDCモータ8を室内側ブラシレスDCモータ26および室外側ブラシレスDCモータ27に搭載した熱交換型冷却機28としている。
このような構成の熱交換型冷却機28は、携帯基地局等の冷却に使用され、携帯基地局本体側から、熱交換型冷却機28に直流の低圧電源が供給され、回路内蔵ブラシレスDCモータ8を搭載した送風機等を駆動している。
以下、その熱交換型冷却機28の動作について、図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、発熱体収納箱29内の熱せられた空気(以下、これを内気と称する)は熱交換型冷却機28の内気吸込口30より、室内側ブラシレスDCモータ26を搭載した室内側送風機31によって吸込まれ、熱交換素子32を通過したのち、室内吐出口33より発熱体収納箱29内に戻る循環風路を循環している。一方、室外側ブラシレスDCモータ27を搭載した室外側送風機34によって、外気吸込口35より吸込まれた外気は、熱交換素子32を通過したのち、外気吹出口36より、外気に再度排出されている。内気風路と外気風路は仕切板37によって両風路が独立するよう略気密状態に仕切られ、また内気風路と外気風路の交点には外気と内気の顕熱を交換する熱交換素子32が配置されている。上記構成により、熱交換型冷却機28は、低温外気を取り入れ、発熱体収納箱29内部の暖かい空気との間で熱交換素子32にて熱交換をおこない、暖かくなった外気は排気し、冷たくなった空気を箱内に給気する。
また、室内側ブラシレスDCモータ26及び室外側ブラシレスDCモータ27を駆動する外部制御装置16は、基地局を設置する場所の低温外気や粉塵の影響を受けないように、熱交換型冷却機28の内気風路内に設置され、室内側ブラシレスDCモータ26と室外側ブラシレスDCモータ27とは、電力線11と信号リード線12とで接続されている。外部制御装置16には、発熱体収納箱29内等に設置された低圧の直流電源17より、駆動電力が供給されている。
これによって、部品点数を増加させることなく回生電圧の発生によるスイッチング素子の耐圧破壊を防止することができるため、低コスト化、小型化、高信頼性の熱交換型冷却機とすることができる。
本発明にかかるブラシレスDCモータは、三相巻線を巻装した固定子と永久磁石を備えた回転子とインバータ回路とインバータ回路の動作を制御する制御回路とを熱硬化性樹脂で覆われた回路内蔵ブラシレスDCモータであり、ブラシレスDCモータが高回転で回っている際に直流電圧が急峻に低下した場合でも、回生電圧の発生を抑制することができ、インバータを構成するスイッチング素子などの耐圧破壊を防止し、部品点数の増加なく、低コスト、小型化、高信頼性の回路内蔵ブラシレスDCモータおよびそのモータを用いた熱交換型冷却機として有用である。
1 ブラシレスDCモータ
2 回転子
3 固定子
4 シャフト
5 ボールベアリング
6 ブラケット
7 巻線
8 回路内蔵ブラシレスDCモータ
9 プリント基板
10 熱硬化性樹脂
11 電力線
12 信号リード線
13 コンデンサ
14 インバータ回路
15 制御回路
16 外部制御装置
17 直流電源
18 制御回路
19 位置検出手段
20 回転数指示手段
21 回転数一定制御手段
22 ドライブ手段
23 電源電圧監視手段
24 停止手段
25 磁気センサー
26 室内側ブラシレスDCモータ
27 室外側ブラシレスDCモータ
28 熱交換型冷却機
29 発熱体収納箱
30 内気吸込口
31 室内側送風機
32 熱交換素子
33 室内吐出口
34 室外側送風機
35 外気吸込口
36 外気吹出口
37 仕切板

Claims (3)

  1. 永久磁石を施した回転子と、
    三相巻線を施した固定子と、
    直流電源から入力された直流電圧を、コンデンサを介して正側に接続された複数個の上段スイッチング素子及び負側に接続された複数個の下段スイッチング素子に引き込み、前記上段スイッチング素子と前記下段スイッチング素子のスイッチングを行うことで前記三相巻線に駆動電圧を与えるインバータ回路と、
    前記インバータ回路の動作を制御する制御回路と、
    前記固定子と前記インバータ回路と前記制御回路と前記コンデンサを熱硬化性樹脂で覆ったモールド外郭と、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記直流電源の電圧があらかじめ定められたしきい値よりも低下したことを検知する電源電圧監視手段と、
    前記電源電圧監視手段が電圧低下を検知した場合に、あらかじめ決められた回数だけ前記上段スイッチング素子と前記下段スイッチング素子のオン時間を略同一にしてスイッチングを行い、続いて前記上段スイッチング素子及び前記下段スイッチング素子をすべてオフ状態にする停止手段と、
    を備え、前記コンデンサは前記モールド外郭と接触した回路内蔵ブラシレスDCモータ。
  2. 前記回転子の目標回転数を出力する回転数指示手段と、
    前記回転子の位置を検出する位置検出手段と、を備え、
    前記制御回路は、
    前記位置検出手段が検出した回転子の位置から得られた回転数と、前記目標回転数とを比較して前記回転子と前記目標回転数との回転数差がなくなるように前記三相巻線に加わる電圧を制御する回転数一定制御手段を備えた請求項1記載の回路内蔵ブラシレスDCモータ。
  3. 請求項1または2に記載の回路内蔵ブラシレスDCモータを搭載した熱交換型冷却機。
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