JP2014011869A - モータ駆動装置及びヒートポンプ装置 - Google Patents

モータ駆動装置及びヒートポンプ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014011869A
JP2014011869A JP2012146370A JP2012146370A JP2014011869A JP 2014011869 A JP2014011869 A JP 2014011869A JP 2012146370 A JP2012146370 A JP 2012146370A JP 2012146370 A JP2012146370 A JP 2012146370A JP 2014011869 A JP2014011869 A JP 2014011869A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
current
unit
voltage
outdoor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012146370A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Sato
俊彰 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2012146370A priority Critical patent/JP2014011869A/ja
Publication of JP2014011869A publication Critical patent/JP2014011869A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

【課題】モータ始動前にモータの回転の有無を判別して始動前の回転によって異常が発生しないようにモータを始動することのできる安価なモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】モータ駆動装置52は、室外ファンモータ51の電機子コイルLu,Lv,Lwに駆動電力を供給して室外ファンモータ51を駆動する。このモータ駆動装置52の電流検出部62は、室外ファンモータ51の始動前に電機子コイルLu,Lv,Lwに生じる誘起電圧に起因して流れる電流を検出する。モータ制御部54は、電流検出部62が検出する電流の電流値に基づいて室外ファンモータ51の始動の可否を決定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、モータの巻き線に駆動電力を供給してモータを駆動するためのモータ駆動装置、及び当該モータ駆動装置を備えるヒートポンプ装置に関する。
ヒートポンプ装置の室外機においては、例えばファンモータなどに、高効率かつ長寿命で電気的ノイズや機械的ノイズの小さいブラシレス直流モータ(以下ブラシレスDCモータという)の需要が増えている。このようなブラシレスDCモータなどの多相モータには、エネルギー効率の高いインバータ回路から電力が供給されて駆動されるタイプがある。さらに、このようなブラシレスDCモータを駆動するモータ駆動装置においては、低コスト化を促進させるべく、ホールセンサ等のロータ位置センサを用いずにブラシレスDCモータのロータ位置と回転数とを推定してモータ駆動を行う、いわゆるロータ位置センサレス方式が採られることがある。
ところで、室外機の室外熱交換器において冷媒と室外空気の熱交換を行うヒートポンプ装置では、ファンモータの起動前から室外空気の流れ等の影響によって既にファンモータが回転していることがある。しかし、ロータの位置をホールセンサなどを用いずに推定するロータ位置センサレス方式では、一般にモータの起動後すなわちモータ駆動状態でなければロータ位置を推定することが難しいため、起動していない状態のモータに接続されたファンが例えば風等の影響により既に回転していたとしても、簡易な構成で起動前のロータ位置を推定することは難しい。
ファンモータの起動前からファンが回転していると、ファンモータの始動時に過電圧や過電流などの異常が発生することがある。そのため、ファンモータの始動時にファンモータが外力を受けて回転しているか否かを判別することが必要になる場合があり、例えば特許文献1(特開平7−337080号公報)に記載されているように、起動前にファンモータの端子電圧からファンモータの回転方向や回転数(単位時間当たり)を検出することが行われている。
特許文献1に記載されているように、ファンモータの端子電圧から回転方向や回転数を検出するためには、端子電圧検出回路などを別途設ける必要があり、ファンモータ駆動装置の価格の上昇に繋がる。
本発明の課題は、モータ始動前にモータの回転の有無を判別して始動前の回転によって異常が発生しないようにモータを始動することのできる安価なモータ駆動装置を提供することである。
本発明の第1観点に係るモータ駆動装置は、モータの巻き線に駆動電力を供給してモータを駆動するためのモータ駆動装置であって、モータの始動前に巻き線に生じる誘起電圧に起因して流れる電流を検出するための電流検出部と、電流検出部が検出する電流の電流値に基づいてモータの始動の可否を決定する、モータの制御を行うための制御部と、を備える。
第1観点に係るモータ駆動装置によれば、電流検出部で検出される電流値が0又は0近傍の値であれば、モータの始動前に、外力などによってモータが強制的に回転させられていてもその回転数が低いと判断できる。そのため、電流値に基づいてモータの始動の可否を決定することで、制御部はモータ始動前にモータが停止しているか又はわずかに回転している状態でモータを始動することができ、過電圧や過電流などの異常を発生させずに安定した起動を行うことができる。
本発明の第2観点に係るモータ駆動装置は、第1観点に係るモータ駆動装置において、モータの複数の巻き線に駆動電力を供給してモータを駆動するためのモータ駆動装置であって、モータの始動前に複数の巻き線に生じる誘起電圧に起因して流れる2相以上の電流を検出するための電流検出部と、電流検出部が検出する2相以上の電流の電流値に基づいてモータの始動前の回転位相を推定する、モータの制御を行うための制御部と、を備える。
第2観点に係るモータ駆動装置によれば、巻き線に生じる誘起電圧に起因して流れる2相以上の電流値から制御部によって、モータの始動前の回転位相を推定することができるので、より確実に始動前のモータの回転状態を推定し、位相に合わせた始動を行なうことができる。
本発明の第3観点に係るモータ駆動装置は、第1観点のモータ駆動装置において、電流検出部は、巻き線に生じる誘起電圧に起因する電流がモータの停止時に流れる電流経路に直列に挿入されている抵抗成分に生じる電圧から電流値を検出する。
第3観点に係るモータ駆動装置によれば、誘起電圧に起因する電流の電流値が小さくても、抵抗成分を使って簡単に電流値を検出できる。また、過電流保護や電流制御のために設けた抵抗を共用することができるため、回路を追加することがない。
本発明の第4観点に係るモータ駆動装置は、第1観点から第3観点のいずれかのモータ駆動装置において、モータの始動前に抵抗成分に直列に接続されて電流経路の一部を形成するモータ以外の負荷をさらに備える。
第4観点に係るモータ駆動装置によれば、電流検出部では、負荷を通して電流経路に電流を流すことができ、平滑コンデンサがあってもその影響を小さくできることから、流れる電流が大きくなるため、電流の検出が容易になる。
本発明の第5観点に係るモータ駆動装置は、第4観点のモータ駆動装置において、負荷に直列に接続されている第1スイッチをさらに備え、第1スイッチは、モータの始動前に閉じられ、モータの始動後に開放されるように構成されている。
第5観点に係るモータ駆動装置によれば、モータ始動後には負荷を通じて電流が流れないため、余分な電流が流れるのを防止することができ、負荷を設けたことが原因となって消費電力が増加するのを防止することができる。
本発明の第6観点に係るモータ駆動装置は、第1観点から第5観点のいずれかのモータ駆動装置において、直流電源が供給する直流電圧が電流経路に印加されないようにモータの始動前に直流電源を遮断することが可能な第2スイッチをさらに備える。
第6観点に係るモータ駆動装置によれば、始動前に直流電源の直流電圧を遮断することによって始動前に電流経路に流れる電流が直流電圧の影響を受けなくなり、低い回転数でも検出し易くなる。
本発明の第7観点に係るヒートポンプ装置は、冷媒と熱交換される空気の流れを発生させるためのファンモータと、ファンモータの巻き線に駆動電力を供給してファンモータを駆動するための第1観点から第5観点のいずれかのモータ駆動装置と、を備える。
本発明の第1観点に係るモータ駆動装置又は第7観点に係るヒートポンプ装置では、モータ始動前にモータの回転有無の判別に、従来からモータ駆動装置に設けられている電流検出部を使うことができるので、付加する回路を減らすことができ、安価なモータ駆動装置を提供することができる。
本発明の第2観点に係るモータ駆動装置では、制御部はモータ始動前にモータが停止しているかわずかに回転している状態を確実に把握して、過電圧や過電流などの異常を発生させずに安定した起動を確実に行わせることができる。
本発明の第3観点に係るモータ駆動装置では、抵抗成分を使うことで電流検出部の構成が簡単になり、モータ駆動装置を安価に構成できる。
本発明の第4観点に係るモータ駆動装置では、電流値の検出が容易になることによって電流検出部の構成を簡素化でき、モータ駆動装置を安価に構成できる。
本発明の第5観点に係るモータ駆動装置では、消費電力の増加を抑制してモータ駆動装置の消費電力が大きくなるのを抑制することができる。
本発明の第6観点に係るモータ駆動装置では、始動前のモータの低い回転数も検出し易くなるので、過電圧や過電流などの異常の発生を抑制する効果を向上させることができる。
第1実施形態に係る空気調和装置の外観を示す斜視図。 空気調和装置の冷媒回路及びその周辺の概要を示す回路図。 室外機の内部構造を説明するための斜視図。 室内機の内部構造を示す断面図。 制御部による制御系統の概要を示すブロック図。 第1実施形態に係る室外ファンモータ部及びその周辺回路の一例を示す回路図。 電流検出部の構成の一例を示す回路図。 始動前のプロペラファンの回転に係わる制御の一例を説明するためのフローチャート。 第1実施形態に係る室外ファンモータ部及びその周辺回路の他の例を示す回路図。 始動前のプロペラファンの回転に係わる制御の他の例を説明するためのフローチャート。 第1実施形態に係る室外ファンモータ部及びその周辺回路の他の例を示す回路図。 電流検出部の構成の他の例を示す回路図。 第2実施形態に係る室外ファンモータ部及びその周辺回路の一例を示す回路図。 電流検出部の構成の一例を示すための回路図。 (a)ロータ磁極の変化の一例を示すタイミングチャート、(b)誘起電圧の変化の一例を示す波形図、(c)電流波形の一例を示す波形図、(d)角度補間を説明するための図。 モータ制御部におけるロータ位置の推定手順を示すフローチャート。 第2実施形態に係る室外ファンモータ部及びその周辺回路の他の例を示す回路図。 電流検出部の構成の他の例を示すための回路図。 (a)ロータ磁極の変化の一例を示すタイミングチャート、(b)誘起電圧の変化の一例を示す波形図、(c)電流波形の一例を示す波形図、(d)電流波形の他の例を示す波形図。 (a)始動時のプロペラファン及び多翼ロータの気流と動作の関係を示すグラフ、(b)運転停止時のプロペラファン及び多翼ロータの気流と動作の関係を示すグラフ。 運転停止後すぐにプロペラファンを始動する場合のモータ制御部の制御を示すフローチャート。
<第1実施形態>
以下、本発明のモータ駆動装置について、ヒートポンプ式空気調和装置の室外ファンモータ部のモータ駆動装置を例に挙げて説明する。このヒートポンプ式空気調和装置の室外ファンモータ部は、ブラシレス直流モータ(以下、ブラシレスDCモータという)とブラシレスDCモータを駆動するためのモータ駆動装置を備えている。
(1)ヒートポンプ式空気調和装置の概要
(1−1)空気調和装置の構成の概要
図1は、本発明の第1実施形態に係るヒートポンプ式空気調和装置(以下、空気調和装置という)の外観を示す斜視図である。図1の空気調和装置10は、室内機20と室外機30とを備えている。室外機30は、室内に設置される室内機20に冷媒配管によって接続されて、室内機20とともに空気調和装置10の冷媒回路を構成する。そのために、冷媒配管や通信線や伝送線路などが通る連絡配管12によって室内機20と室外機30が連絡されている。
図2は、図1の空気調和装置10の構成の概要を示す回路図である。図2において、各装置を繋ぐ実線は冷媒配管を表しており、各装置を繋ぐ破線は信号伝送線路を表している。図2に示されている冷媒回路14を構成するために、室内機20には、室内熱交換器21などが設けられ、室外機30には、圧縮機31、四路切換弁32、室外熱交換器33、電動弁34及びアキュムレータ35などが設けられている。
ここで、冷媒が循環する冷媒回路14の回路構成について簡単に説明する。圧縮機31の吐出側には四路切換弁32の第1ポートが接続されている。四路切換弁32の第2ポートには室外熱交換器33の一方の出入口が接続され、第3ポートにはアキュムレータ35が接続され、第4ポートには冷媒連絡配管12bが接続されている。四路切換弁32は、冷房時には実線で示されている経路に切り換えられ、第1ポートと第2ポートの間を冷媒が流れるとともに第3ポートと第4ポートの間を冷媒が流れる。一方、暖房時に四路切換弁32は、破線で示されている経路に切り換えられ、第1ポートと第4ポートの間を冷媒が流れるとともに、第2ポートと第3ポートの間を冷媒が流れる。室外熱交換器33の他方の出入口は、電動弁34と冷媒連絡配管12aとを介して室内熱交換器21の一方の出入口に接続されている。室内熱交換器21の他方の出入口は、冷媒連絡配管12bを介して四路切換弁32の第4ポートに接続されている。また、圧縮機31の吸入側は、アキュムレータ35を介して四路切換弁32の第3ポートに接続されている。
冷房時には、圧縮機31で圧縮されて吐出された冷媒が四路切換弁32を介して室外熱交換器33に送られる。冷房時には室外熱交換器33は凝縮器として働き、凝縮により外気との熱交換が行われて熱を奪われた冷媒は、次に電動弁34に送られる。電動弁34は膨張弁として働き、高圧液状の冷媒が低圧の湿り蒸気の状態に変化する。このように電動弁34で膨張した冷媒は、冷媒連絡配管12aを通って室内熱交換器21に入る。冷房時には室内熱交換器21は蒸発器として働き、蒸発により室内空気と冷媒との間で熱交換が行われ、熱を奪って温度が上昇した冷媒は、冷媒連絡配管12aと四路切換弁32を通って、圧縮機31の吸入側に接続されているアキュムレータ35に送られる。
暖房時には、圧縮機31で圧縮されて吐出された冷媒が四路切換弁32から冷媒連絡配管12bを経由して凝縮器として働く室内熱交換器21に送られる。そして、冷房時とは逆の経路をたどって、蒸発器として働く室外熱交換器33を出た冷媒は圧縮機31に送られる。つまり、圧縮機31から、四路切換弁32、冷媒連絡配管12b、室内熱交換器21、冷媒連絡配管12a、電動弁34、室外熱交換器33、四路切換弁32、アキュムレータ35を順に経て圧縮機31に戻る経路を冷媒が循環する。
室内機20及び室外機30には、それぞれ、室内熱交換器21及び室外熱交換器33における熱交換を促すために、室内熱交換器21に室内空気を送る室内ファン22及び、室外熱交換器33に外気を送るプロペラファン37が設けられている。そして、これら室内ファン22及びプロペラファン37を駆動するための室内ファンモータ部23及び室外ファンモータ部50がそれぞれ室内機20及び室外機30に設けられている。
(1−2)室外機の構造
図1に示されているように、室外機30は、略直方体状の形状をしており、ケーシング15によって覆われている。ケーシング15の前面には、前板組立体16が配置されており、前板組立体16には、その略中央部にファン吹出口17が設けられている。
図3には、ケーシング15を外した状態の室外機30が示されている。ケーシング15の背面から一方の側面にかけて、室外熱交換器33が露出している。プロペラファン37は、ファン吹出口17の背面側に配置され、プロペラファン37を駆動する室外ファンモータ部50は、プロペラファン37の背面側に配置されている。そして、ケーシング15の背面及び一方の側面から吸込まれた外気は、室外熱交換器33を通過してケーシング15の前面のファン吹出口17から吹き出される。
ファン吹出口17から吹き出される気流は、プロペラファン37が室外ファンモータ51によって駆動され、反時計回り(CCWの方向)にプロペラファン37が回転することにより発生する。しかし、プロペラファン37が室外ファンモータ部50によって駆動されていないときでも、室外で発生している外気流による外力がプロペラファン37に作用してプロペラファン37を回転させるトルクが発生することがある。例えば、ファン吹出口17から室外熱交換器33の方向に外気流が通り抜けると、その外気流によりプロペラファン37に生じるトルクによってプロペラファン37は時計回り(CWの方向)に回転する。
(1−3)室内機の構造
図4に示されているように、室内機20は、本体ケーシング20aの上部に吸込口20bが設けられ、下部に吹出口20cが設けられている。本体ケーシング20aの内部には、吸込口20bの下方に断面逆V字型に配置されている室内熱交換器21がある。また、室内熱交換器21のさらに下部には、室内熱交換器21で熱交換された室内空気を吹出口20cから吹き出させるための多翼ロータ22aを有するクロスフロー型の室内ファン22がある。図4には示されていないが、本体ケーシング20aの側面の近傍に室内ファン22のモータ及びモータ駆動装置がある。この多翼ロータ22aが時計回りに回転することで、吸込口22bから室内空気が吸い込まれ、室内熱交換器21で熱交換された調和空気が吹出口20cから吹き出される。
図4を見ると分かるが、多翼ロータ22aの羽根が多翼ロータ22aの外周に対して同じ角度をなすように傾斜している。そのため、室内ファン22を駆動するモータが駆動されず、多翼ロータ22aに室内ファンモータ部23から駆動力が掛かっていない場合には、吸込口20bから室内空気が吹き込んで多翼ロータ22aを回転させても、逆に吹出口20cから室内空気が吹き込んで多翼ロータ22aを回転させても、多翼ロータ22aは、反時計回りに回転する。つまり、外部から本体ケーシング20aの内部に吹き込む室内空気の力で回転する多翼ロータ22aの回転方向は、室内ファンモータ部23によって駆動されるときの回転方向に対して逆方向になる。
(2)制御系統
(2−1)制御系統の概要
空気調和装置10における空気調和の動作を正しく効率よく行わせるために、室内機20及び室外機30は、それぞれの機器の中に組み込まれた室内制御装置91及び室外制御装置92によって制御される。図5は制御系統の構成の概略を示すブロック図である。室内制御装置91と室外制御装置92とは、通信線12cを介して互いに接続されて互いにデータの送受信を行っている。室内制御装置91及び室外制御装置92は、CPU(中央演算処理装置)やメモリや周辺回路などを含んで構成されている。
室外機30には、室外機30の各部の温度を測定するため多数の温度センサが設けられており、室外熱交換器温度センサ41、熱交換器出入口温度センサ42、吸入側温度センサ43、吐出側温度センサ44及び外気温度センサ45などが設けられている。
室外熱交換器温度センサ41では、室外熱交換器33の内部の冷媒の温度が測定される。室外熱交換器33の出入口に設けられている熱交換器出入口温度センサ42では、室外熱交換器33から室内機20へと流れる冷媒の温度が測定される。吸入側温度センサ43では、圧縮機31に吸入される冷媒の温度が測定される。吐出側温度センサ44では、圧縮機31から吐出される冷媒の温度が測定される。外気温度センサ45では、室外機30の周囲の外気温度が測定される。これらの温度センサ41〜45で測定された温度のデータは、室外制御装置92に送信される。
室外機30には、圧縮機31に吸入される冷媒の圧力を測定するための吸入側圧力センサ46及び、圧縮機31から吐出される冷媒の圧力を測定するための吐出側圧力センサ47などの圧力センサが設けられている。吸入側圧力センサ46及び吐出側圧力センサ47などで測定された冷媒の圧力のデータは室外制御装置92に送信される。
さらに、室外制御装置92には、圧縮機31の圧縮機モータ部38、四路切換弁32、電動弁34及び室外ファンモータ部50が接続されている。この室外制御装置92により、例えば圧縮機モータ部38や室外ファンモータ部50の回転数やそれらの運転・停止が制御され、四路切換弁32の切換えが制御され、電動弁34の開度が制御される。
室内機20には、室内熱交換器21の出入口の冷媒の温度を測定するための液側温度センサ24とガス側温度センサ25が設けられ、室内の温度を測定するための室内温度センサ26が設けられている。これらの温度センサ24〜26で測定された温度のデータは、室内制御装置91に送信される。また、室内制御装置91には、室内ファン22の室内ファンモータ部23、風向調節機構27及び表示部28などが接続されている。この室内制御装置91により、例えば室内ファンモータ部23の回転数や運転・停止が制御される。風向調節機構27が室内機20に設けられた風向調調節板20c,20dなどの角度を変更することにより、吹出口20cから室内に吹き出される調和空気の向きが調節される。室内制御装置91は、各種の表示を行うため表示部28に対して表示を指示する制御信号を出力する。例えば、後述する室外ファンモータ部50での異常発生に伴って、室内制御装置91は、異常発報の表示を表示部28に行わせることもできる。
(3)室外ファンモータ部及びその周辺の構成
図6に、室外ファンモータ部とモータ制御部とそれらの周辺の構成が示されている。室外ファンモータ部50は、室外ファンモータ51とモータ駆動装置52とを備えている。室外ファンモータ部50のモータ駆動装置52には、商用交流電源48から電力が供給される。
(3−1)室外ファンモータ
図6に示されている室外ファンモータ51は、ロータ位置センサレス方式で駆動されるブラシレスDCモータである。室外ファンモータ51は、ロータ51aとステータ51bとを備えている。ステータ51bは、電機子コイルLu,Lv,Lwの一端が中性点nで共通に接続されたスター結線を有している。プロペラファン37に結合されているロータ51aは、多極の永久磁石を有している。ロータ51aは、その回転軸を中心に、永久磁石と電機子コイルLu,Lv,Lwとの間で発生する電磁力によってステータ51bに対して相対的に回転する。室外ファンモータ51を回転させるための駆動電圧Vu,Vv,Vwは、インバータ回路53から電機子コイルLu,Lv,Lwに供給される。
(3−2)モータ駆動装置
モータ駆動装置52は、インバータ回路53とモータ制御部54と整流回路55と平滑コンデンサ56と電圧検出部61と電流検出部62と放電部63とを備えている。
(3−2−1)整流回路及び平滑コンデンサ
モータ駆動装置52の整流回路55は、商用交流電源48に接続されている。整流回路55で整流された直流バス電圧は、直流バスライン55a,55bによってインバータ回路53に供給される。整流回路55の高電圧側の直流バスライン55aと低電圧側の直流バスライン55bとの間に平滑コンデンサ56が接続されている。整流回路55、あるいは整流回路55と平滑コンデンサ56で、インバータ回路用の直流電源を形成していると言うこともできる。
(3−2−2)インバータ回路
インバータ回路53は、これら電機子コイルLu,Lv,Lwの他端と高電圧側の直流バスライン55aとの間に接続されている上アームの絶縁ゲート型バイポーラトランジスタQ1,Q2,Q3及び、これら電機子コイルLu,Lv,Lwの他端と低電圧側の直流バスライン55bとの間に接続されている下アームの絶縁ゲート型バイポーラトランジスタQ4,Q5,Q6をスイッチング素子として備えている。以下、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタQ1をトランジスタQ1と略記し、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタQ2〜Q6についても同様に記載する。トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6には、それぞれ還流ダイオードD1,D2,D3,D4,D5,D6が逆並列に接続されている。各還流ダイオードD1〜D6は、各々が接続されているトランジスタQ1〜Q6に逆電圧が印加された場合にそれぞれ導通して逆電圧から各トランジスタQ1〜Q6を保護する。
このインバータ回路53は、上アームのトランジスタQ1,Q2,Q3をオン状態にすることによって、それぞれのトランジスタQ1,Q2,Q3を介して高電圧側の直流バスライン55aから電機子コイルLu,Lv,Lwの他端に高電圧を印加する。また、このインバータ回路53は、下アームのトランジスタQ4,Q5,Q6をオン状態にすることによって、それぞれのトランジスタQ4,Q5,Q6を介して低電圧側の直流バスライン55bから電機子コイルLu,Lv,Lwの他端に低電圧を印加する。
(3−2−3)電圧検出部
直流バスライン55a,55bの間に接続されている電圧検出部61によって、直流バスライン55a,55bの間の過電圧が検出される。このような電圧検出部61は、例えば直流バスライン55a,55bの間に接続された複数の抵抗により分圧された電圧が閾値電圧を超えたか否かを検知するトランジスタや基準電圧と比較するコンパレータなどとで構成される。
(3−2−4)電流検出部
電流検出部62は、低電圧側の直流バスライン55bに直列に挿入されており、室外ファンモータ部50に流れている電流を検出する。電流検出部62は、例えば図7に示されているような、直流バスライン55bに接続されているシャント抵抗62aと、シャント抵抗62aの電圧を比較する比較器62bと基準電圧Vrefを発生するDA変換器(DAC)62cとで構成される。
DAC62cに与えられる電圧指示信号D1により、DAC62cは複数の基準電圧Vrefを発生する。モータ制御部54は、プロペラファン37(室外ファンモータ51)の駆動時には、電圧指示信号D1により過電流を検出するための第1の基準電圧Vref1を発生させる。また、モータ制御部54は、プロペラファン37(室外ファンモータ51)の始動前には、電圧指示信号D1によりプロペラファン37の外気流による回転の有無を検出するための第2の基準電圧Vref2を発生させる。
(3−2−5)放電部
放電部63は、室外制御装置92によって制御され、平滑コンデンサ56の放電を行う。この放電部63によって行われる平滑コンデンサ56の放電により、高電圧側の直流バスライン55aと低電圧側の直流バスライン55bの間の電圧が調整される。
(3−2−6)検知部
検知部60は、室外ファンモータ51のロータ位置の位置検出に必要なモータの電圧や電流に関する検知を行う回路構成を有している。このような回路構成が従来から公知であることから回路構成の記載をここでは省略しているが、例えば、モータ制御部54が室外ファンモータ51の電機子コイルLu,Lv,Lwに誘起される誘起電圧によって制御を行う場合には、検知部60は、電機子コイルLu,Lv,Lwのうちの駆動電圧が0Vになっている電機子コイルに誘起される誘起電圧を検出する回路構成が採用される。
また、モータ制御部54がロータ位置センサレスベクトル制御を行う場合には、検知部60は、例えばモータ電流検出回路とモータ電圧検出回路により構成される。モータ電流検出回路は、インバータ回路53の母線電流や相電流をシャント抵抗の両端電圧で検出する回路構成が採用される。この場合は、モータ制御部54におけるロータ位置の検出方式いわゆる1シャント方式や2シャント方式や3シャント方式に応じて、検知部60で検出する電流が決まる。また、必要に応じてシャント両端電圧がオペアンプ等により増幅されて制御に使用される。モータ電圧検出回路は、モータ端子電圧を直接検出する場合や、前述の電圧検出部で分圧された電圧からインバータのスイッチング状態に応じて推定された電圧とする場合などがある。
(3−2−7)モータ制御部
室外ファンモータ部50を制御するためのモータ制御部54には、位置検出部54aとPWM(Pulse−Width Modulation)制御部54bとゲート制御電圧生成部54cと放電制御部54dと過電流保護部54eが含まれる。
〔位置検出部〕
位置検出部54aは、検知部60の検知結果に基づいて、室外ファンモータ51におけるロータ51aの位置に係る検出を行う。そして、室外ファンモータ51の回転方向や回転数などのモータ制御に必要なロータ位置に係るデータを出力する。ロータ位置センサレスベクトル制御の場合には、上述の電流検出値・電圧検出値より、ロータ位置の推定を行なう。
〔PWM制御部〕
PWM制御部54bは、室外ファンモータ51の回転方向や回転数に基づいてデューティ値などを決定し、パルス幅変調を行うためのPWM制御信号をゲート制御電圧生成部54cに出力する。
〔ゲート制御電圧生成部〕
ゲート制御電圧生成部54cは、図5に示すように、インバータ回路53のトランジスタQ1〜Q6のオン・オフを制御するための6つのゲート制御電圧Gu,Gv,Gw,Gx,Gy,GzをPWM制御部54bから出力されるPWM制御信号に応じて出力する。ゲート制御電圧生成部54cから出力されるゲート制御電圧Gu,Gv,Gw,Gx,Gy,Gzにより、駆動電圧Vu,Vv,Vwがロータ位置に基づくタイミングでインバータ回路53から室外ファンモータ51に出力される。
〔放電制御部〕
放電制御部54dは、放電部63を制御する。具体的には、放電制御部54dは、電圧検出部61により検出された直流バス電圧が閾値電圧を超えた場合に、平滑コンデンサ56に蓄積された電荷の少なくとも一部が放電されるように、放電部63を制御する。例えば、放電制御部54dは、放電される電荷量を、閾値電圧と直流バス電圧との差に基づいて決定し、決定した電荷量から放電部63が放電を行う時間を決定する。ここで、閾値電圧は、インバータ回路53内の各トランジスタQ1〜Q6等の定格により決定される。
直流バス電圧が昇圧されて閾値電圧を超えたことが電圧検出部61で検出されると、電圧検出部61から放電制御部54dに閾値電圧を超えたことが通知され、放電制御部54dが放電部63に放電を行わせる。すると、平滑コンデンサ56に蓄積された電荷量が減少するため、直流バス電圧は、インバータ回路53内の各トランジスタQ1〜Q6の定格以下に抑えられる。このように、放電制御部54dは、電圧検出部61により検出された電圧に基づいて平滑コンデンサ56の両端の電圧の調整を行い、直流バス電圧がインバータ回路53の各トランジスタQ1〜Q6の定格電圧を超える恐れがある場合に直流バス電圧が定格電圧以下に収まるように制御する。
〔過電流保護部〕
過電流保護部54eは、電流検出部62により検出された電流に基づいて室外ファンモータ51に流れる電流の調整を行い、インバータ回路53の各トランジスタQ1〜Q6の定格電流を超えないようにする。例えば、電流検出部62で検出された電流値が閾値電流を超えた場合に、過電流保護部54eはゲート制御電圧生成部54cに対してインバータ回路53の駆動の停止を指示する信号を出力する。
〔タイマー〕
タイマー54fは、予め設定されている条件に従って、モータ制御部54の種々の動作のタイミングを指示する信号を基準となるクロック(図示省略)から生成する。例えば、室外制御装置92から室外ファンモータ部50のモータ制御部54に対して始動を指示する信号が与えられてから予め決められた時間が経過して初めて、ゲート制御電圧生成部54cがゲート制御電圧Gu,Gv,Gw,Gx,Gy,Gzを出力するタイミングを示す信号をタイマー54fが出力する。
(4)モータ制御部による制御
(4−1)プロペラファンの駆動時の制御
プロペラファン37を室外ファンモータ部50で駆動しているときは、室外制御装置92から室外ファンモータ部50に対してプロペラファン37の回転数が指示される。室外ファンモータ部50は、プロペラファン37が指示された回転数になるように、モータ制御部54でインバータ回路53から室外ファンモータ51に供給される駆動電圧Vu,Vv,Vwが制御される。過電流保護部54eは、室外ファンモータ51を駆動時にもインバータ回路53の保護を行うように構成されているが、過電流保護部54eの詳しい動作は後述する。
(4−2)プロペラファンの始動時の制御
プロペラファン37(室外ファンモータ51)の始動時には、図3に示したように、プロペラファン37が外気流によって時計回りCWや反時計回りCCWに回転している可能性がある。そのため、室外ファンモータ51の始動時にプロペラファン37が回転しているか否かを判定する。
始動時におけるモータ駆動装置52の動作を図8のフローチャートに沿って説明する。始動時には、室外制御装置92から室外ファンモータ部50のモータ制御部54に対して始動を指示する信号が与えられる(ステップS1)。
モータ制御部54は、室外制御装置92からの始動の指示を受けた時点で、電流検出部62の設定を始動用設定に切り換える(ステップS2)。具体的には、モータ制御部54は、始動時に電流検出部62の設定を始動用設定に切り換え、DAC62cに対して第2の基準電圧Vref2の出力を指示する信号D1を与える。
第2の基準電圧Vref2は、第1の基準電圧Vref1に比べて小さな値に設定されている。そのため、プロペラファン37が外気流によって時計回りCWや反時計回りCCWに所定の回転数を超えてロータ51aが回転したときにシャント抵抗62aに流れる電流を電流検出部62により検知することができる。回転数はシャント抵抗62aに流れる電流の周波数から求めることができる。
この場合、空気調和装置10は、始動開始前には商用電源ライン48a,48bからの電力の供給はないタイプであるとする。ファンモータ51の始動前にプロペラファン37が回転することによる電機子コイルLu,Lv,Lwの誘起電圧が還流ダイオードD1〜D6の閾値電圧を超えると、図6の矢印Ar1の向きに、還流ダイオードD1〜D6を通して電流が流れて平滑コンデンサ56に電荷が蓄積される。この時にシャント抵抗62aの両端に生じる電圧を検出することにより、モータ制御部54は、始動前のプロペラファン37の回転数が所定値を超えたか否かの情報を電流検出部62から得ることができる(ステップS3)。具体的には、シャント抵抗62aの両端電圧を第2の基準電圧Vref2と比較してシャント抵抗62aの両端電圧の方が高ければ、比較器62bから過電流保護部54eに過電流の発生を通知するのと同じ信号がプロペラファン37のファン回転信号として出力される。ただし、プロペラファン37の回転数を検出するため、シャント抵抗62aに流れる電流の周波数が分かるような出力になっている。例えば、過電流保護の場合に、一度電流値が第1の基準電圧Vref1を超えたときに一定期間出力を保持する機能が電流検出部62に付加されているときは、始動前にその機能を停止させてシャント抵抗62aに流れる電流の周波数と同じもしくは所定倍の周波数を持つ信号を電流検出部62が出力できるように構成される。
ステップS3で、電流検出部62の比較器62bから過電流保護部54eにファン回転信号が出力されると、過電流保護部54eは、所定期間だけファン回転信号をカウンタなどでカウントし、所定値以上のプロペラファン37の回転数が計測されると、ゲート制御電圧生成部54cに対して過電流保護のためにインバータ回路53を停止させる停止指示信号を出力する。
ゲート制御電圧生成部54cは、プロペラファン37の始動前に過電流保護部54eから停止指示信号を受け取ると、モータ制御部54がゲート制御電圧生成部54cに対してプロペラファン37の駆動を指示していてもインバータ回路53を動作させない(ステップS4)。具体的には、始動前に過電流保護部54eから停止指示信号を受け取ったゲート制御電圧生成部54cは、PWM制御部54bからどのように信号を受け取ってもインバータ回路53を構成する全てのトランジスタQ1〜Q6のオフ状態を保たせるように、ゲート制御電圧Gu,Gv,Gw,Gx,Gy,Gzをローレベルにする。
ステップS3で、プロペラファン37の回転数が所定値未満であることが確認されれば、インバータ回路53を駆動する(ステップS5)。具体的には、プロペラファン37の回転数が所定値未満であると、電流検出部62においてシャント抵抗62aの両端電圧が所定期間内に第2の基準電圧Vref2を境にして変化する回数も所定値未満になるため、過電流保護部54eにおける電流検出部62からのファン回転信号の周波数が低くなる。そのため、過電流保護部54eは、インバータ回路53を停止させる停止指示信号を出力しない。それにより、従来と同様にモータ制御部54による制御のもとでインバータ回路53が動作して、通常のプロペラファン37の駆動が開始される。
なお、平滑コンデンサに電荷が蓄積されていくと平滑コンデンサの電圧が高くなっていくため、モータの誘起電圧が平滑コンデンサ電圧とダイオードの閾値電圧の和を超えた場合のみ、電流が流れるようになる。
(5)変形例
(5−1)変形例1A
上記第1実施形態では、空気調和装置10が室外ファンモータ部50の始動開始前には商用電源ライン48a,48bからの電力の供給はないタイプであるとして、室外ファンモータ部50の始動前にプロペラファン37が外気流により回転していることを検出する構成と動作について説明した。
しかし、空気調和装置10が室外ファンモータ部50の始動開始前に商用電源ライン48a,48bからの電力の供給があるタイプの場合には、図9に示されているように、直流バスライン55a,55bに電源スイッチ57を備えるように構成することもできる。電源スイッチ57は、モータ制御部54によって制御され、始動開始前にプロペラファン37が外気流によって回転しているか否かを判定する間だけインバータ回路53に供給される直流電源を遮断する。
(5−2)変形例1B
上記第1実施形態では、放電部63は、室外ファンモータ部50がプロペラファン37の駆動を始めてからモータ制御部54の制御のもとで動作をするように構成されている。しかし、放電部63は、図9に示されているように、平滑コンデンサ56に並列に接続される抵抗63aと、抵抗63aに直列に接続されている放電用スイッチ63bとを含む回路構成とすることもできる。
この場合に、モータ制御部54は、始動前にプロペラファン37が外気流により回転していることを検出するときには、放電用スイッチ63bをオン状態にして抵抗63aに電流が流れるように構成する。図9のように構成すると、平滑コンデンサ56の電荷が放電され続けるために平滑コンデンサの両端電圧が下がり、始動前にプロペラファン37が外気流により回転していることを検出するときに平滑コンデンサ56に電荷を溜め続けるだけの場合に比べて、プロペラファン37が外気流により回転している間は、より長い期間、電流をシャント抵抗62aに流し続けることができる。
図9のような構成を取ることで、比較的長い時間に渡ってシャント抵抗62aに多くの電流を流すことができるため、図8のフローチャートを図10のように変更することができる。図10のフローと図8のフローで異なるのは、ステップS6〜S8が追加されている点である。ステップS6〜S8を追加することで、タイマー54fを用いてプロペラファン37の回転数が所定値未満になるか否かを判断する期間が設けられている。
始動前に過電流保護部54eから停止指示信号を受け取ったタイマー54fは、所定時間が経過する毎に、モータ制御部54に対して時間の経過を示すタイミング信号を出力する(ステップS6)。タイマー54fからのタイミング信号を受ける毎に、モータ制御部54では、始動前にインバータ回路53の停止を保っている状態であるか否かを判断する(ステップS7)。
もし、モータ制御部54は、始動前に所定回数以上インバータ回路53の停止が維持されていることを確認すると(ステップS7)、例えば室内機20の表示部28を用いて異常発報を行った後に空気調和装置10の運転を停止する(ステップS8)。
ステップS7で始動前のインバータ回路53の停止維持の確認回数が所定回数未満であれば、ステップS3に戻ってプロペラファン37の回転数が所定値未満になったか否かを確認する。
(5−3)変形例1C
上記変形例1Aは、平滑コンデンサ56の電源側にスイッチ57を設けて電源を遮断しているが、図11に示すように、平滑コンデンサ56までを直流電源とみなして、平滑コンデンサ56のインバータ側で電源を遮断すると共に、直流バスライン間に抵抗63aとスイッチ63bからなる放電部63を挿入して電流経路を構成してもよい。
(5−4)変形例1D
上記第1実施形態や上述の変形例1A,1Bでは、ブラシレスDCモータが室外機30に設けられている空気調和装置10を例に挙げて説明したが、室内機20の室内ファンモータ部23にブラシレスDCモータが設置されている場合には室内ファンモータ部23に対しても本発明を適用することができる。
(5−5)変形例1E
上記第1実施形態や上述の変形例1A,1Bでは、プロペラファン37が回転していると判断されたときに、室外ファンモータ部50を停止する場合について説明したが、プロペラファン37が回転しているときに他の措置を取るように構成することもできる。例えば、インバータ回路53の出力によってロータ位置を固定した後に、プロペラファン37を起動するように構成することもできる。
(5−6)変形例1F
上記実施形態では、プロペラファン37の回転数を検出するために、シャント抵抗62aに流れる電流の周波数と同じもしくは所定倍の周波数を持つ信号を電流検出部62が出力できるように構成されていたが、電流検出部の構成はこれに限らない。例えば図12に示すように、シャント抵抗62aの後段に比較的周期の長いローパスフィルタ(LPF)62dを設けることによって、シャント抵抗62aの両端電圧から、電流値の平均値に応じた出力を得ることができる。図12にはLPFを設ける例を示したが、LPF62dに代えて平均値回路などを設けて、電流値の平均値に応じた出力を得てもよい。流れる電流値は誘起電圧の大きさによって変化するので、言い換えれば電流値は回転数によって変化すると言える。その電流値に応じた出力を適切なVrefと比較することにより、所定回転数以上で信号出力を行なうような電流検出部62を構成することができる。
(6)特徴
(6−1)
以上説明したように、モータ制御部54は、電流検出部62で検出される電流値の周波数が所定値以下であれば、室外ファンモータ51の始動前に、外力などによって室外ファンモータ51が強制的に回転させられていてもその回転数が低いと判断できる。このように、始動前にシャント抵抗62aを流れる電流値に基づいて室外ファンモータ51の始動の可否を決定することで、モータ制御部54は始動前に室外ファンモータ51が停止しているか又はわずかに回転している状態で室外ファンモータ51を始動することができる。そのため、プロペラファン37が外気流などで回転することに起因する過電圧や過電流などを防止することができ、過電圧や過電流などに起因する異常を発生させずに安定した起動を行うことができる。
このように、始動前に室外ファンモータ51の回転有無の判別に従来からモータ駆動装置52に設けられている電流検出部62を使うことができるので、付加する回路を減らすことができ、安価なモータ駆動装置52を提供することができる。
(6−2)
電流検出部62は、電機子コイルLu,Lv,Lw(巻き線)に生じる誘起電圧に起因する電流が室外ファンモータ51の停止時に流れる電流経路に直列に挿入されているシャント抵抗62a(抵抗成分)に生じる電圧から電流値を検出する。比較器62bの第2の基準電圧Vref2を小さくすることで、誘起電圧に起因する電流の電流値が小さくても、シャント抵抗62aを使って簡単に電流値を検出できる。シャント抵抗62a(抵抗成分)を使うことで過電流検出回路と兼ねることができるため、電流検出部62の構成が簡単になり、モータ駆動装置52を安価に構成できる。
(6−3)
上述の変形例1Bの場合には、始動前には放電用スイッチ63bがオンされ、平滑コンデンサの電荷が放電されるため、平滑コンデンサ56のみがつながる場合に比べて流れる電流が大きくなり、電流の検出が容易になる。電流値の検出が容易になることによって電流検出部62の構成が簡単になり、モータ駆動装置52を安価に構成できる。また、比較的長い期間に渡ってプロペラファン37が始動前に回転しているか否かを検出できるようになるため、始動前のプロペラファン37の回転数が所定値未満になるまで待つことができ、所定値未満になってから始動する状態を実現し易くなって使い勝手が良くなる。
また、抵抗63a(負荷)に直列に接続されている放電用スイッチ63b(第1スイッチ)は、室外ファンモータ51の開始前に閉じられ、始動後には開放される。そのため、室外ファンモータ51の始動後には抵抗63aを通じた電流が流れないため消費電力が大きくなるのを防止することができる。さらに、放電部63にこのような機能を担わせることにより構成部品が増えるのを防いでコストの上昇を抑制することができる。
(6−4)
上述の変形例1Aの場合には、整流回路55(直流電源)が供給する直流バス電圧が平滑コンデンサ52(電流経路の一部)に印加されないように、室外ファンモータ51の始動前に電源スイッチ57(第2スイッチ)で直流バス電圧を平滑コンデンサ52から遮断することができる。それにより、平滑コンデンサ52(電流経路)に整流回路55からの直流バス電圧が印加されないので、平滑コンデンサ52に流れる電流は室外ファンモータ51の回転のみによって決まるため、低い回転数でも検出し易くなる。始動前のプロペラファン37の低い回転数も検出し易くなり、過電圧や過電流などの異常の発生を抑制する効果を向上させることができる。
(6−5)
上述の変形例1Cの場合には、室外ファンモータ51の始動前に電源スイッチ57(第2スイッチ)により平滑コンデンサ56のインバータ側で電源を遮断して、整流回路(直流電源)の供給する直流電圧が、シャント抵抗62a(抵抗成分)の直列に挿入されている電流経路に印加されないように遮断できると共に、平滑コンデンサ56の接続も遮断される。それにより、室外ファンモータ51の始動前には、プロペラファン37が外気流により回転している間、平滑コンデンサ56の電圧上昇に妨げられず、常に電流をシャント抵抗62aに流し続けることができるため、より正確に回転数を検出することが可能となる。
(6−6)
上述の変形例1Fの場合には、電流検出部62は、ローパスフィルタ62d又は平均値回路などを設けていることから、室外ファンモータ51の始動前に電機子コイルLu,Lv,Lw(巻き線)に誘起電圧によって生じる電流値の平均値からプロペラファン37の回転数が所定回転数以上か否かを判断してモータの始動の可否を決定できる。そのため、制御部が行うモータの制御において、ノイズなどの回転数検出の誤差を生じさせる電流値の変化の影響を抑制することができる。
<第2実施形態>
(1)ヒートポンプ式空気調和装置の概要
本発明の第2実施形態に係るヒートポンプ式空気調和装置の概要は、上述の<第1実施形態>(1)ヒートポンプ式空気調和装置の概要で説明した第1実施形態に係る空気調和装置の概要と同じであるため説明を省略する。
(2)制御系統
本発明の第2実施形態に係る空気調和装置の制御系統の構成は、上述の<第1実施形態>(2)制御系統で説明した第1実施形態に係る空気調和装置の制御系統の構成と同じであるため説明を省略する。
(3)室外ファンモータ部及びその周辺の構成
第2実施形態に係る室外ファンモータ部50Aは、ロータ位置の検出に、例えば3シャント方式の検出方式を用いている。そのため、図13に示されているように、トランジスタQ2,Q4,Q6のそれぞれのエミッタと直流バスライン55bとの間に抵抗r1,r2,r3が接続されている。そして、プロペラファン37の始動前の回転を検出するための抵抗r1,r2の両端の電圧からそれぞれの抵抗r1,r2の電流値を電流検出部62Aで検出できるように構成されている。
(3−1)室外ファンモータ
室外ファンモータ51の構成は、上述の第1実施形態の室外ファンモータ51と同じであるため説明を省略する。
(3−2)モータ駆動装置
モータ駆動装置52Aは、上述の第1実施形態のモータ駆動装置52と比較して、センサレスでロータ位置の検出をする検知部60Aが3シャント方式である点を限定している点と電流検出部62Aの構成が異なるだけである。
従って、モータ駆動装置52Aが備えている整流回路55、平滑コンデンサ56、インバータ回路53A、電圧検出部61、電流検出部62A、放電部63、検知部60A及びモータ制御部54Aのうちの整流回路55、平滑コンデンサ56、電圧検出部61及び放電部63については上述の第1実施形態と同じ構成であるため説明を省略する。また、モータ制御部54Aについては、ロータ位置を推定する機能以外の構成は第1実施形態に係るモータ制御部54と同じであるため構成についての説明を省略し、追加されている機能については後ほど詳細に説明する。
また、既に説明したインバータ回路53Aの抵抗r1,r2,r3以外の回路構成については、第1実施形態のインバータ回路53と同じである。従って、以下では、電流検出部62Aの構成と、電流検出部62Aを用いたプロペラファン37の始動前のロータ位置の推定を中心に説明する。
電流検出部62Aは、図14に示されているように、抵抗r1,r2に流れる電流を検出するため、過電流を検出する以外に比較器62b1,62b2を備えている。比較器62b1,62b2は、第3の基準電圧Vref3と抵抗r1,r2の両端の電圧を比較する。そして、抵抗r1,r2の両端の電圧が第3の基準電圧Vref3を超えるときには、外気流によるプロペラファン37の回転により電機子コイルLu,Lvに電流が流れていることを示す信号を出力する。
(4)モータ制御部による制御
第2実施形態に係るモータ制御部54Aによる制御が第1実施形態に係るモータ制御部54による制御と異なる点は、上述したようにロータ位置の推定に関する機能だけであるため、その点について以下詳細に説明する。
図15(a)はロータ磁極の変化の一例を示すタイミングチャート、図15(b)は誘起電圧の変化の一例を示す波形図、図15(c)は電流波形の一例を示す波形図、図15(d)は角度補間を説明するための図である。説明を簡単にするため、図15には、電流値が一定で、片方向検出の場合が示されている。図16は、図14に示されているモータ制御部54Aにおけるロータ位置の推定手順を示すフローチャートである。ただし、実際にはモータのインダクタンスが無限大ではないために電流値は一定値とはならず、電流値が変動する。
電流検出部62Aにおいて、図15(c)に示されている電流の検出が行われる。電流波形が高くなっている部分が電流の流れている箇所であるが、これらの箇所で電流検出部62の比較器62b1,62b2は、抵抗r1,r2の両端の電圧が第3の基準電圧Vref3を超えるため電流が流れていることを示す信号を出力する。このような比較器62b1,62b2からの信号を受けてモータ制御部54Aが電流検出を行う(ステップS11)。
モータ制御部54Aは、U相の電流波形及びV相の電流波形から電気角240度以上に渡って電流が流れない区間(パルス無し区間)を抽出する(ステップS12)。その抽出結果を用いて、モータ制御部54Aは、電流が流れる区間を検出する。例えば、最も近い2つのパルス無し区間に挟まれた区間を電流が流れる区間として検出する。U相及びV相それぞれの電流が流れる区間は最大でも電気角120度以内であることから、このような検出によって電流が流れる区間が検出される。
図15(c)に示されている電流波形は、電気角120度以内の1パルスの電流波形であるが、例えば後述するような電気角120度以内で2パルスの電流波形となることもある。しかし、電流波形が室外ファンモータ51の誘起電圧値やインピーダンスやDCバスの負荷などによって区々となるものの、電流が流れる区間の中央が電気角90度の位置に対応する。そこで、電流が流れる区間の中央を特定して、誘起電圧の電気角90度の位置を推定する(ステップS13)。
次に、U相の電流波形に対してV相の電流波形が進んでいるか遅れているかを検出することで、プロペラファン37の回転方向を特定する(ステップS14)。例えば、U相の電流波形が立ち上がってから180度以内にV相の電流波形が立ち上がらなければ、U相の電流波形が進んでいると判断して、U相の電流波形が進む向きにプロペラファン37が回転していると特定する。
最後に、電気角360度以内で角度の補間が行われて、ロータ位置が推定される(ステップS15)。例えば、上述の例では、U相の電流波形から求まるU相の誘起電圧の電気角90度の位置と、V相の電流波形から求まるV相の誘起電圧の電気角90度の位置との間を補間することで、電気角0度から360度のどこにロータ位置があるかの推定が行える。
(5)変形例
(5−1)変形例2A
上記第2実施形態ではプロペラファン37の始動前に電流検出部62Aで抵抗r1,r2に流れる電流を検出する場合について説明したが、電機子コイルLu,Lvに流れる電流は、図17に示すようにインバータ回路53Aの出力側で検出することもできる。抵抗r5は、トランジスタQ1のエミッタとトランジスタQ2のコレクタの接続点に一方端を接続し、電機子コイルLuに他方端を接続している。抵抗r6は、トランジスタQ3のエミッタとトランジスタQ4のコレクタの接続点に一方端を接続し、電機子コイルLvに他方端を接続している。
電流検出部62Bは、例えば差動増幅器DA1,DA2を用いて図18に示されているように構成することができる。電流検出部62Aでは、抵抗r1,r2に生じる電圧を比較器62b1,62b2で第3の基準電圧Vref3と直接比較したが、電流検出部62Bの比較器62b1,62b2には差動増幅器DA1,DA2で増幅された抵抗r4,r5の両端の電圧が入力される。インバータ回路53Aの出力側では正方向と負方向の両方の向きに電流が流れるので、差動増幅器DA1,DA2の出力波形も、図19(c)や図19(d)に示されている電流波形と同様の波形になる。しかし、比較器62b1,62b2では、第3の基準電圧Vref3を超える区間だけ信号を出力するので、モータ制御部54Aは上記第2実施形態と同様に構成できる。ここで示した図19(a)はロータ磁極の変化の一例を示すタイミングチャート、図19(b)は誘起電圧の変化の一例を示す波形図、図19(c)は電流波形の一例を示す波形図、図19(d)は電流波形の他の例を示す波形図である。
なお、回路の仕様によっては、r4・r5両端の電位がDCバスライン55bの電位と大きく異なる場合があるため、検出回路の耐圧・絶縁性の設計に注意が必要となる。そのような場合には、絶縁アンプを用いたり、絶縁型のCT(電流トランス)を用いたりすることで、回路設計が容易となる。
(5−2)変形例2B
上記第2実施形態や上述の変形例2Aでは、ロータ位置センサレス方式のブラシレスDCモータが室外機30に設けられている空気調和装置10を例に挙げて説明したが、室内機20の室内ファンモータ部23にロータ位置センサレス方式のブラシレスDCモータが設置されている場合には室内ファンモータ部23に対しても適用することができる。
室内ファンモータ部23が多翼ロータ22aを駆動する場合には、既に説明したように、室内空気の流れで多翼ロータ22aが回転させられるときには回転方向が決まる。そのため、プロペラファン37の場合に行った回転方向の推定(図16のステップS14参照)が必要なくなる。
このような多翼ロータ22aについて始動前の回転を検出する場合には、回転方向の推定に必要な2相の電流の検出は必要なくなる。例えば、上述の場合にはU相の電流検出だけでも回転方向は特定され、例えば図14の比較器62b2や図18の比較器62b2及び差動増幅器DA2を省くことができる。
ここでは、ロータ位置センサレス方式のブラシレスDCモータの場合について、機器外部から吹き込む気流で多翼ロータ22aの回転方向が一方向に制限されることの利点を説明したが、ホールセンサやホールICなどの磁極位置センサなどを使ってロータ位置を検出するタイプのブラシレスDCモータの場合についても同様の効果を奏する。すなわち、プロペラファン37の場合に、回転方向を知るために2つの磁極位置センサが必要であったものが、多翼ロータ22aの場合には回転方向が制限されるため、1つの磁極位置センサで回転方向の特定ができ、磁極位置センサを1個省くことができる。
(5−3)変形例1E及び変形例2C
上記第1実施形態及び第2実施形態では、比較的長期間に渡って空気調和装置10が使用されていない状態が続いた後に、空気調和装置10のプロペラファン37や多翼ロータ22a(室外ファンモータ部50,50Aや室内ファンモータ部23)が始動される場合について説明している。このような空気調和装置10の長期の停止期間の後にプロペラファン37を駆動する場合には、外力が働かない状態ではプロペラファン37が止まっていることが前提になっている。
しかし、上記第1実施形態や第2実施形態のプロペラファン37や多翼ロータ22a(室外ファンモータ部50,50Aや室内ファンモータ部23)の始動前の制御は、空気調和装置10が長期間停止していた場合には限られず、例えば運転停止後すぐにプロペラファン37や多翼ロータ22aが再始動される場合にも適用できる。ただし、運転停止後すぐにプロペラファン37や多翼ロータ22aを再始動させる場合には、外力がなければプロペラファン37や多翼ロータ22aが停止しているという前提を設定できる状況を確認する。以下、このような状況の確認を含むプロペラファン37や多翼ロータ22aの始動について説明する。
図20(a)は、空気調和装置10が長期間停止しているときに風量一定の気流が発生した場合と気流が発生していない場合のプロペラファン37及び多翼ロータ22aの動作を示すグラフである。気流が発生しない場合には、曲線L0で示されているように、プロペラファン37も多翼ロータ22aも常に停止している状態を保つ。曲線L1は、プロペラファン37に順風が吹きつけたときのプロペラファン37の回転の状況を示している。プロペラファン37は気流の発生に伴って正回転を始め、十分に時間が経過すると風量に応じた一定の回転数に達する。曲線L2は、プロペラファン37に逆風が吹きつけたときのプロペラファン37の回転の状況を示している。プロペラファン37は気流の発生に伴って逆回転を始め、十分に時間が経過すると風量に応じた一定の回転数に達する。曲線L3は、多翼ロータ22aに順風が吹きつけたとき及び逆風が吹きつけたときの多翼ロータ22aの回転の状況を示している。順風の場合も逆風の場合にも、多翼ロータ22aは気流の発生に伴って逆回転を始め、十分に時間が経過すると風量に応じた一定の回転数に達する。
図20(b)は、空気調和装置10が運転停止したときに風量一定の気流が発生した場合と気流が発生していない場合のプロペラファン37及び多翼ロータ22aの動作を示すグラフである。気流が発生しない場合には、プロペラファン37は曲線L10で示されているように時間t1で停止状態に達し、多翼ロータ22aは曲線L20で示されているように時間t2で停止状態に達する。
曲線L11は、停止時にプロペラファン37に順風が吹きつけたときのプロペラファン37の回転の状況を示している。プロペラファン37は停止後回転数が低下するが気流の影響で時間が経っても停止せずに正回転し、十分に時間が経過すると風量に応じた一定の回転数に達する。曲線L12は、停止時にプロペラファン37に逆風が吹きつけたときのプロペラファン37の回転の状況を示している。プロペラファン37は停止後回転数が低下するが気流の影響で時間が経っても停止せずに逆回転し、十分に時間が経過すると風量に応じた一定の回転数に達する。曲線L21は、停止時に多翼ロータ22aに順風が吹きつけたとき又は逆風が吹きつけたときの多翼ロータ22aの回転の状況を示している。多翼ロータ22aは停止後回転数が低下するが気流の影響で時間が経っても停止せずに逆回転し、十分に時間が経過すると風量に応じた一定の回転数に達する。
図20(a)及び図20(b)において所定値k1,k2は、プロペラファン37や多翼ロータ22aが止まっていると判断して室外ファンモータ部50,50Aや室内ファンモータ部23を始動しても不具合を発生しない回転数である。室外ファンモータ部50,50Aや室内ファンモータ部23の始動は、プロペラファン37や多翼ロータ22aが止まる時間t1,t2が経過した後に行うのが安全面からは好ましい。しかし、始動までの時間の短縮を図りたい場合には、不具合を発生しない所定値k1,k2未満の例えば時間t3の状態で始動することもできる。以下の説明では、時間t3を所定時間として室外ファンモータ部50,50Aや室内ファンモータ部23の始動について説明する。
図21は、運転停止後すぐにプロペラファン37を始動する場合のモータ制御部54Aの制御を示すフローチャートである。室内ファンモータ部23も室外ファンモータ部50と同様に構成することができるので、以下の説明では室内ファンモータ部23についての説明は省略する。
まず、空気調和装置10の運転の停止が指示されると、室外ファンモータ部50,50Aのインバータ回路の波形出力が停止される(ステップS20)。この波形出力の停止から室内ファンモータ部23のタイマー54fが停止時間の計測を始め、所定時間t3が経過した時点でプロペラファン37の回転数を検出する。プロペラファン37の回転数が所定値k1,k2以上であれば、外気流により回転中と判断する(ステップS23)。所定値k1,k2が2つあるが、例えばいずれか小さい方を用いて回転中か否かの判断が行われる。多翼ロータ22aの場合には逆転しかしないために所定回転数はk2に定まる。プロペラファン37の回転の判断において、正回転中と逆回転中で回転しているか否かの判断基準を変えたいときには、ステップS23の前に回転方向の判断が行われる。
回転数が所定値以上であれば、外気流によりプロペラファン37が回転していると判断され(ステップS23)、ロータ位置の固定が行われる(ステップS24)。そして、ロータ固定後にインバータ回路53,53Aから通常波形が出力され、室外ファンモータ51が起動される。
もし、ステップS25に進み、プロペラファン37が停止していると判断されれば、ロータ位置の固定動作を省いてインバータ回路53,53Aから通常波形が出力され、室外ファンモータ51が起動される(ステップS16)。
(6)特徴
(6−1)
上記第2実施形態では、電流検出部62Bは、室外ファンモータ51の始動前に電機子コイルLu,Lv(複数の巻き線)に生じる誘起電圧に起因して流れるU相とV相の2相の電流を検出する。ここでは、2相の電流を検出しているが、電流検出部は3相以上の電流を検出するように構成されてもよい。モータ制御部54Aは、電流検出部62Bが検出するU相とV相の電流の電流値に基づいて、室外ファンモータ51の始動前の回転位相を推定する。室外ファンモータ51の始動前の回転位相を推定することができるので、より確実に始動前のモータの回転数を推定することができる。
10 空気調和装置
20 室内機
30 室外機
37 プロペラファン
50,50A 室外ファンモータ部
51 室外ファンモータ
52,52A モータ駆動装置
53,53A インバータ回路
54,54A モータ制御部
62,62A,62B 電流検出部
62a シャント抵抗
91 室内制御装置
92 室外制御装置
特開平7−337080号公報

Claims (7)

  1. モータ(51)の巻き線(Lu,Lv,Lw)に駆動電力を供給して前記モータを駆動するためのモータ駆動装置(52,52A)であって、
    前記モータの始動前に前記巻き線に生じる誘起電圧に起因して流れる電流を検出するための電流検出部(62,62A,62B)と、
    前記電流検出部が検出する電流の電流値に基づいて前記モータの始動の可否を決定する、前記モータの制御を行うための制御部(54,54A)と、
    を備える、モータ駆動装置。
  2. モータ(51)の複数の巻き線(Lu,Lv,Lw)に駆動電力を供給して前記モータを駆動するためのモータ駆動装置(52A)であって、
    前記モータの始動前に複数の前記巻き線に生じる誘起電圧に起因して流れる2相以上の電流を検出するための電流検出部(62A,62B)と、
    前記電流検出部が検出する2相以上の電流の電流値に基づいて前記モータの始動前の回転位相を推定する、前記モータの制御を行うための制御部(54A)と、
    を備える、モータ駆動装置。
  3. 前記電流検出部は、前記巻き線に生じる誘起電圧に起因する電流が前記モータの停止時に流れる電流経路に直列に挿入されている抵抗成分(62a,r1,r2,r4,r5)に生じる電圧から電流値を検出する、
    請求項1又は請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記モータの始動前に前記抵抗成分に直列に接続されていて前記電流経路の一部を形成する前記モータ以外の負荷(63a)をさらに備える、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記負荷に直列に接続されている第1スイッチ(63b)をさらに備え、
    前記第1スイッチは、前記モータの始動前に閉じられ、前記モータの始動後に開放されるように構成されている、
    請求項4に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記モータを駆動するために前記モータの前記巻き線に印加される電圧を発生する直流電源(55)と、
    前記直流電源が供給する直流電圧が前記電流経路に印加されないように前記モータの始動前に直流電源を遮断することが可能な第2スイッチ(57)をさらに備える、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  7. 冷媒と熱交換される空気の流れを発生させるためのファンモータ(51)と、
    前記ファンモータの巻き線に駆動電力を供給して前記ファンモータを駆動するための請求項1から6のいずれか一項に記載のモータ駆動装置(52)と、
    を備える、ヒートポンプ装置。
JP2012146370A 2012-06-29 2012-06-29 モータ駆動装置及びヒートポンプ装置 Pending JP2014011869A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012146370A JP2014011869A (ja) 2012-06-29 2012-06-29 モータ駆動装置及びヒートポンプ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012146370A JP2014011869A (ja) 2012-06-29 2012-06-29 モータ駆動装置及びヒートポンプ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014011869A true JP2014011869A (ja) 2014-01-20

Family

ID=50108110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012146370A Pending JP2014011869A (ja) 2012-06-29 2012-06-29 モータ駆動装置及びヒートポンプ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014011869A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104779852A (zh) * 2015-03-23 2015-07-15 四川长虹电器股份有限公司 一种电机启动控制方法
CN105529979A (zh) * 2016-02-01 2016-04-27 四川长虹电器股份有限公司 一种电机启动速度闭环控制方法
CN111692088A (zh) * 2020-05-21 2020-09-22 钦州绿传科技有限公司 一种防止电子油泵失效的诊断及控制方法
JP2021016235A (ja) * 2019-07-11 2021-02-12 株式会社東芝 モータ制御システム
WO2024090135A1 (ja) * 2022-10-28 2024-05-02 ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社 モータ駆動装置及びモータ駆動方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104779852A (zh) * 2015-03-23 2015-07-15 四川长虹电器股份有限公司 一种电机启动控制方法
CN105529979A (zh) * 2016-02-01 2016-04-27 四川长虹电器股份有限公司 一种电机启动速度闭环控制方法
JP2021016235A (ja) * 2019-07-11 2021-02-12 株式会社東芝 モータ制御システム
JP7228486B2 (ja) 2019-07-11 2023-02-24 株式会社東芝 モータ制御システム
CN111692088A (zh) * 2020-05-21 2020-09-22 钦州绿传科技有限公司 一种防止电子油泵失效的诊断及控制方法
WO2024090135A1 (ja) * 2022-10-28 2024-05-02 ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社 モータ駆動装置及びモータ駆動方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5724933B2 (ja) 制御装置及びヒートポンプ装置
JP5850073B2 (ja) 電力変換装置
JP5505528B1 (ja) 消費電力削減装置
WO2008038739A1 (fr) Appareil et système de commande de moteur
JP5539928B2 (ja) モータ駆動装置、それを用いたファン制御装置およびヒートポンプ装置
JP2014011869A (ja) モータ駆動装置及びヒートポンプ装置
JP2018057114A (ja) モータ駆動システムおよび空気調和機
US9929682B2 (en) Motor control device
KR102267353B1 (ko) 공기조화기 및 그 제어방법
JP2008206386A (ja) インバータ装置
JP5424250B2 (ja) モータ制御装置
JP2009124776A (ja) ブラシレスdcモータの駆動装置およびそれを搭載した換気送風装置
JP2012159270A (ja) 制御装置及びヒートポンプ装置
JP4798624B2 (ja) 送風装置およびそれを搭載した電気機器
JP5549359B2 (ja) 多相モータ駆動方法、多相モータ駆動システム及びヒートポンプ装置
JP6742257B2 (ja) ヒートポンプ機器
JP4436651B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2014128146A (ja) モータ制御装置
JP2007306754A (ja) ブラシレスdcモータの制御装置およびそれを搭載した換気送風機
JP5618899B2 (ja) モータ制御装置および空気調和機
JP2012130091A (ja) ファン制御装置、ファン制御方法および冷凍サイクルシステム
JP5648700B2 (ja) 消費電力削減装置
JP5253593B2 (ja) 空気調和機
KR100848157B1 (ko) 비엘디씨 모터의 제어방법 및 이를 이용한 공기조화기
JP2017219220A (ja) ヒートポンプ機器