JP6829729B2 - 基地局装置、通信システム、通信方法及びプログラム - Google Patents
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Description
本願は、2016年11月17日に日本に出願された特願2016−224341号について優先権を主張し、その内容をここに援用する。
マクロセルとは、カバレッジが比較的大きい基地局装置を意味する。マクロセルのカバレッジの半径は、典型的には数百m〜数kmである。スモールセルとは、カバレッジがマクロセルよりも小さい基地局装置を意味する。スモールセルのカバレッジの半径は、典型的には、数百m以下である。スモールセルには、ピコセル、フェムトセルなどが含まれる。
マクロセルとスモールセルとを混在させることで、無線通信システムにおいて通信容量の向上と設置コストの低減が図られる。
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る通信システム1の基本構成例を示す概念図である。
通信システム1は、マクロセル基地局装置10とスモールセル基地局装置20と端末装置30を含んで構成される。マクロセル基地局装置10のカバレッジCM01内には、複数のスモールセル基地局装置20が配置される。また、カバレッジCM01内に在圏する端末装置30の数は、1個である場合も、2個以上である場合もある。以下の説明では、複数のスモールセル基地局装置20を、20−1、20−2等の符号を用いて区別する。
複数のスモールセル基地局装置20−1等を区別する必要がない場合には、スモールセル基地局装置20と総称する。また、複数の端末装置30を、30−1、30−1等の符号を用いて区別する。複数の端末装置30−1等を区別する必要がない場合には、端末装置30と総称する。
(ステップS03)マクロセル基地局装置10は、予め設定したスモールセル位置情報に基づいて、端末装置30からの距離が所定範囲内であるスモールセル基地局装置20を特定する。スモールセル位置情報は、スモールセル基地局装置20の位置を示す情報である。図2に示す例では、スモールセル基地局装置20−1、20−2が特定される。マクロセル基地局装置10は、特定したスモールセル基地局装置20−1、20−2に、端末装置30へのビーム放射指示を送信する。ビーム放射指示とは、目標位置の方向を指向方向とするビームの放射を指示する制御信号である。図2に示す例では、目標位置は端末装置30の位置である。その後、ステップS04の処理に進む。
(ステップS05)端末装置30は、自装置に到来する電波のビームのうちマクロセル基地局装置10が自装置に割り当てたビームをサーチし、最も受信状態が良好なビームを選択する。受信状態として、例えば、電波強度、信号干渉雑音比(SINR:Signal−to−Interference−plus−Noise Ratio)などの通信品質の指標値を用いることができる。電波強度、SINRは、それぞれ値が大きいほど受信状態が良好であることを示す指標値である。端末装置30は、選択したビームに係るスモールセル基地局装置20を特定し、特定したビームとスモールセル基地局装置20を示すビーム捕捉情報をマクロセル基地局装置10に送信する。その後、ステップS06の処理に進む。
次に、本実施形態に係るマクロセル基地局装置10の構成例について説明する。
図3は、本実施形態に係るマクロセル基地局装置10の構成例を示す概略ブロック図である。マクロセル基地局装置10は、第1通信部11、第2通信部12及び制御部13を含んで構成される。
送信部111は、制御部13から入力される送信信号を電波として端末装置30に送信する。
受信部112は、端末装置30からの電波を受信信号として受信する。受信部112は、受信した受信信号を制御部13に出力する。
第2通信部12は、コアネットワークの各構成機器(図示せず)及びスモールセル基地局装置20のそれぞれとの間で、各種のデータを送受信する。
位置取得部131は、自装置のカバレッジエリア内の端末装置30からビーム要求を受信するとき、その端末装置30の位置を示す端末位置情報を取得する。位置取得部131は、端末位置情報を取得する際、例えば、端末装置30から端末位置情報を受信する。位置取得部131は、端末装置30から受信した測定レポート(Measurement Report)から端末位置情報を抽出する。端末装置30の位置測定部331(後述)は、自部が測定した自装置の位置を示す端末位置情報を、測定レポートに含めてマクロセル基地局装置10に送信する。なお、端末装置30がビーム要求などの制御信号に端末位置情報を含める場合には、位置取得部131は、制御信号から端末位置情報を抽出してもよい。
次に、本実施形態に係るスモールセル基地局装置20の構成例について説明する。
図4は、本実施形態に係るスモールセル基地局装置20の構成例を示す概略ブロック図である。スモールセル基地局装置20は、第1通信部21、第2通信部22及び制御部23を含んで構成される。
送信部211は、制御部23から入力される送信信号を電波として端末装置30に送信する。送信部211は、複数のアンテナと、各アンテナから放射させる電波の強度を調整する増幅器ならびに位相を調整する移相器を備える。この構成により、送信部211は、放射される電波のビームの指向方向とビーム幅を調整することができる。また、送信部211は、複数のビームを放射することができる。各ビームの指向方向、ビーム幅は、それぞれ調整可能である。また、放射されるビーム間で周波数帯域、時間帯が異なってもよい。
受信部212は、端末装置30からの電波を受信信号として受信する。受信部212は、受信した受信信号を制御部23に出力する。
第2通信部22は、コアネットワークの各構成機器(図示せず)及びマクロセル基地局装置10のそれぞれとの間で、各種のデータを送受信する。
ビーム制御部233は、少なくとも2種類のビーム幅の電波のビームを送信部211に放射させる。2種類のビーム幅のうち、広い方のビーム幅を有するビームを広ビームと呼び、狭い方のビーム幅を有するビームを狭ビームと呼ぶことがある。ビーム制御部233は、送信部211に広ビームを所定の時間(例えば、10〜20ms)毎に放射させる。広ビームは、主に発見信号の搬送に用いられる。発見信号とは、自装置の発見に用いられる信号である。なお、発見信号は、広ビームに代えて無指向性の電波を用いて搬送されてもよい。ビーム制御部233は、マクロセル基地局装置10からビーム放射指示を受信するとき、受信したビーム放射指示に含まれるビームIDに対応付けられた指向方向の狭ビームを送信部211に放射させる。狭ビームは、参照信号やユーザデータの搬送に用いられる。狭ビームを放射させる頻度は、一般に発見信号よりも高い。狭ビームの送信強度、ビーム幅は、予め設定されていてもよいし、可変であってもよい。ビーム放射指示でビームID毎に送信強度が指定されている場合には、ビーム制御部233は、送信部211に指定された送信強度でその狭ビームを放射させる。ビーム放射指示でビームID毎にビーム幅が指定されている場合には、ビーム制御部233は、送信部211に指定されたビーム幅でその狭ビームを放射させる。ビーム幅は、一般に周波数、アンテナ間隔及びアンテナ数に応じて定まるが、一方向に配列された複数のアンテナのうち、動作させるアンテナが多いほど、ビーム幅を狭くすることができる。ビーム制御部233は、マクロセル基地局装置10からビーム確立指示を受信するとき、ビーム放射指示で指定されたビームのうち、ビーム確立指示に含まれるビームIDで指定される狭ビームの放射を継続し、その他の狭ビームの放射を停止する。これにより、スモールセル基地局装置20から端末装置30への通信路が確立する。
次に、本実施形態に係る端末装置30の構成例について説明する。
図5は、本実施形態に係る端末装置30の構成例を示す概略ブロック図である。端末装置30は、通信部31、通信状態判定部32及び制御部33を含んで構成される。
送信部311は、制御部33から入力される送信信号を電波としてマクロセル基地局装置10又はスモールセル基地局装置20に送信する。
受信部312は、マクロセル基地局装置10又はスモールセル基地局装置20からの電波を受信信号として受信する。受信部312は、受信した受信信号を通信状態判定部32と制御部33に出力する。
位置測定部331は、所定時間毎に自装置の位置を測定し、測定した自装置の位置を示す端末位置情報を生成する。位置測定部331は、生成した端末位置情報を測定レポートに含めマクロセル基地局装置10に送信する。端末装置30の位置を測定する手法については、後述する。
ビーム処理部333がビーム捕捉情報を送信した後、通信処理部334は、選択したビームを受信して得られる受信信号で搬送されるデータパケットからユーザデータを抽出する。
次に、端末装置30の位置を測定する手法について説明する。端末装置30の位置を測定する手法には、主に次の3種類の手法(1)〜(3)がある。位置測定部331は、いずれの手法を用いてもよい。
(1)各種センサの検出信号の利用: 位置測定部331は、自装置が備える各種のセンサが検出した信号を用いる。例えば、端末装置30は、4個以上のGPS(GPS:Global Positioning System)衛星からの電波を受信するGPS受信器を備える。その場合、位置測定部331は、GPS受信器が受信した受信データ間の時間差に基づいて端末装置30の緯度及び経度を定める。端末装置30が加速度センサ及びジャイロセンサを備える場合には、位置測定部331は、例えば、ジャイロセンサが検出した向きで、加速度センサが検出した加速度の方向を補正し、補正した加速度を2階積分して端末装置30の位置を算出してもよい。
なお、位置測定部331は、加速度センサが検出した重力の向きを基準としたジャイロセンサが検出した端末装置30の向きをさらに特定してもよい。位置測定部331は、特定した向きをさらに測定レポートに含めてマクロセル基地局装置10に送信する。その場合、マクロセル基地局装置10のスモールセル特定部132は、端末装置30からの測定レポートが示す端末装置30の向きとスモールセル基地局装置20が送信するビーム毎の受信電力の履歴を蓄積する。そして、スモールセル特定部132は、距離に基づいて選択した複数のスモールセル基地局装置20のうち、その時点における端末装置30の向きに対して、蓄積した履歴を参照して最も受信電力が高いビームを与えるビームを送信するスモールセル基地局装置20を選択してもよい。一般に、狭ビームとして放射される電波は、遮蔽による電波の回り込みが少ない。そのため、送信元と端末装置30との間に遮蔽物が存在すると、たとえ送信元からの距離が小さくても、送信元からのビームの受信電力が極端に低くなり、そのビームよりも他の方向から到来するビームの方が、受信電力が高くなることがある。よって、端末装置30の向きも考慮されることで、より良好な受信品質が期待されるビームを与えるスモールセル基地局装置20が選択される。
なお、端末装置30が気圧センサを備える場合には、位置測定部331は、気圧センサ検出した気圧から所定の換算式を用いて端末装置30の高度を算出してもよい。位置測定部331は、特定した高度を測定レポートに含めてマクロセル基地局装置10に送信する。その場合、マクロセル基地局装置10のスモールセル特定部132は、端末装置30からの測定レポートが示す端末装置30の高度とスモールセル基地局装置20が送信するビーム毎の受信電力の履歴を蓄積する。そして、スモールセル特定部132は、距離に基づいて選択した複数のスモールセル基地局装置20のうち、その時点における端末装置30の高度に対して、蓄積した履歴を参照して最も受信電力が高いビームを与えるビームを送信するスモールセル基地局装置20を選択してもよい。一般に、狭ビームとして放射される電波は、高さ方向に拡散しないため、放射される領域の高さが制御可能となる。そのため、たとえ送信元からの距離が小さくても、送信元からのビームの受信電力が極端に低くなり、そのビームよりも他の方向から到来するビームの方が、受信電力が高くなることがある。よって、端末装置30の高さも考慮されることで、より良好な受信品質が期待されるビームを与えるスモールセル基地局装置20が選択される。
位置測定部331は、特定されたマクロセル基地局装置10までの距離、方向と、予め設定されたマクロセル基地局装置10の位置を参照することで、自装置の位置を算出することができる。また、位置測定部331は、スモールセル基地局装置20からの電波の受信信号を用いて、マクロセル基地局装置10と同様な手法で、スモールセル基地局装置20までの距離、方向と、予め設定されたスモールセル基地局装置20の位置を参照することで、自装置の位置を算出することができる。なお、位置測定部331は、受信信号に基づいて定めたマクロセル基地局装置10までの距離、スモールセル基地局装置20までの距離及び予め設定されたマクロセル基地局装置10の位置、スモールセル基地局装置20の位置に基づいて、端末装置30の位置を特定してもよい。また、位置測定部331は、受信信号に基づいて定めたマクロセル基地局装置10までの方向、スモールセル基地局装置20までの方向及び予め設定されたマクロセル基地局装置10の位置、スモールセル基地局装置20の位置に基づいて、端末装置30の位置を特定してもよい。
次に、本実施形態に係るビーム追加処理について説明する。図6は、本実施形態に係るビーム追加処理の一例を示すシーケンス図である。図6に示す処理は、動作停止中の端末装置30が通信を開始するときに実行される場合を例にする。
なお、端末装置30との接続が確立した後、マクロセル基地局装置10の通信処理部134は、端末装置30との通信に係る各種の制御情報を生成し、生成した制御情報を端末装置30に送信する。制御情報には、例えば、端末装置30との通信において利用可能とする一群のビームを示す利用可能ビーム情報が含まれる。複数の端末装置30と接続されているとき、通信処理部134は、接続されている端末装置30間で互いに異なるビームを割り当てる。個々のビーム間で、周波数帯域、帯域幅、送信タイミングのいずれか又はそれらの組が異なっていてもよい。これにより、複数の端末装置30間における干渉が回避される。また、通信処理部134は、端末装置30から所定時間毎に受信する測定レポートが示す通信品質に応じて制御情報を逐次に更新してもよい。通信処理部134は、更新の都度、更新された制御情報を端末装置30に送信する。
(ステップS104)端末装置30の通信処理部334は、新たなビームを必要と判定するとき、測定された位置を示す端末位置情報を含むビーム要求(ビーム追加要求)を生成し、生成したビーム要求をマクロセル基地局装置10に送信する。マクロセル基地局装置10の位置取得部131は、端末装置30から受信したビーム要求に含まれる端末位置情報を取得する。その後、ステップS105の処理に進む。
(ステップS105)マクロセル基地局装置10のスモールセル特定部132は、予め設定したスモールセル位置情報を参照して、端末位置情報が示す端末装置30の位置からの距離が、所定の距離の閾値以下となる位置のスモールセル基地局装置20を特定する。その後、ステップS106の処理に進む。
(ステップS107)マクロセル基地局装置10のビーム制御部133は、特定したスモールセル基地局装置20毎のビームを示すビーム情報を端末装置30に送信する。その後、ステップS108の処理に進む。
(ステップS109)端末装置30のビーム処理部333は、マクロセル基地局装置10から受信したその時点で最新の制御信号から自装置に割り当てられた一群のビームを特定する。端末装置30のビーム処理部333は、特定したビームのうち、マクロセル基地局装置10から受信したビーム情報が示すビームのうち、通信状態が最も良好なビームを選択する。その後、ステップS110の処理に進む。
(ステップS112)スモールセル基地局装置20の通信処理部234は、マクロセル基地局装置10から受信したデータパケットを、放射を継続しているビームを用いて送信する。その後、図6に示す処理を終了する。
次に、本実施形態に係るビーム停止処理について説明する。図7は、本実施形態に係るビーム停止処理の一例を示すシーケンス図である。図7に例示される処理は、図6に例示される処理により開始した通信を終了し、動作停止(idle)状態に移行するときに開始される。端末装置30の通信処理部334が、通信終了を判定する場合には、例えば、次の場合がある。(v)通信中において通信終了を指示するためのユーザ操作を受け付けるとき、(vi)通信中において所定のアプリケーションブログラムに記述された通信終了要求が実行されるとき、(vii)受信信号で搬送されるユーザデータの受信が終了するとき。
(ステップS122)端末装置30の通信処理部は、通信終了要求をマクロセル基地局装置10に送信する。その後、ステップS123の処理に進む。
(ステップS124)スモールセル基地局装置20のビーム制御部233は、マクロセル基地局装置10から受信したビーム放射停止指示で指定されるビームの放射を停止させる。その後、ステップS125の処理に進む。
(ステップS125)スモールセル基地局装置20のビーム制御部233は、ビーム放射停止通知をマクロセル基地局装置10に送信する。マクロセル基地局装置10のビーム制御部133は、スモールセル基地局装置20からビーム放射停止通知を受信する。その後、図7に示す処理を終了する。この状態において、スモールセル基地局装置20は、マクロセル基地局装置10から次のビーム放射指示を待ち受ける。
この構成により、端末装置30の近傍のスモールセル基地局装置20から、端末装置30の方向に指向方向を有するビームを用いてデータが搬送される。従って、あらゆる方向に多数のビームが放射される場合ほど無線リソースを必要としないので、無線リソースが有効に利用される。また、スモールセル基地局装置20からの不要なビームの放射が回避されるので、ビームの放射に係る電力が節減される。
この構成により、自装置の方向に指向方向を有する通信に用いられていないビームのうち、通信状態が良好なビームが選択され、選択されたビームの情報が、マクロセル基地局装置10に通知される。例えば、端末装置30の周囲の環境により一部のビームが遮蔽又は干渉を受ける場合であっても、それらの影響による通信状態の劣化が発生しないもしくは少ないビームが選択される。マクロセル基地局装置10がスモールセル基地局装置20に選択されたビームを利用してデータを搬送させることで、端末装置30に搬送されるデータの通信品質を向上させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。上述した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を援用し、主に差異点について説明する。
本実施形態に係る通信システム1a(図示せず)は、マクロセル基地局装置10a、スモールセル基地局装置20及び端末装置30を含んで構成される。第1の実施形態との主な差異点は、マクロセル基地局装置10aの位置取得部131a(後述)がその時点から所定時間後における端末装置30の位置を予測する点である。
以下の説明では、予測により算出される位置を予測位置と呼ぶ。予測位置は、その時点における位置よりも移動方向にその速度に応じて変位した位置となる。所定時間は、例えば、マクロセル基地局装置10のビーム制御部133からのビーム放射指示の送信時から、ビーム放射指示で指定される指向方向へのビームの放射開始時までに要する制動時間に相当する。位置取得部131aは、予測位置を示す予測位置情報をスモールセル特定部132に出力する。
ビーム制御部133は、端末位置情報に代えて予測位置情報を用いて、ビーム毎の指向方向を定める。即ち、ビーム制御部133は、特定されたスモールセル基地局装置20から予測位置の方向を指向方向として定める。
次に、本実施形態に係るビーム変更処理について説明する。図9は、本実施形態に係るビーム変更処理の一例を示すシーケンス図である。図9に例示される処理は、通信中の端末装置30が移動により接続先のスモールセル基地局装置20−1をスモールセル基地局装置20−2に変更する場合を例にする。
(ステップS132)端末装置30の通信処理部334は、受信強度が所定の受信強度よりも低いと判定するとき、ビームの変更を要すると判定する。通信処理部334は、ビーム要求(ビーム変更要求)をマクロセル基地局装置10aに送信する。その後、ステップS133の処理に進む。
(ステップS134)マクロセル基地局装置10aの位置取得部131aは、端末装置30毎に端末位置情報を集積し、その時点までの端末装置30の位置の時系列を生成する。
位置取得部131aは、端末装置30の位置の時系列を用いてその時点から所定時間後の予測位置を予測する。その後、ステップS135の処理に進む。
(ステップS137)マクロセル基地局装置10aのビーム制御部133は、特定したスモールセル基地局装置20毎のビームを示すビーム情報を端末装置30に送信する。その後、ステップS138の処理に進む。
(ステップS139)端末装置30のビーム処理部333は、受信したビーム情報が示すビームのうち、通信状態が最も良好なビームを選択する。図9に示す例では、スモールセル基地局装置20−2から放射されるビームが選択される。その後、ステップS140の処理に進む。
(ステップS140)端末装置30のビーム処理部333は、選択したビームを示すビーム捕捉情報をマクロセル基地局装置10aに送信する。その後、ステップS141の処理に進む。
(ステップS143)スモールセル基地局装置20の通信処理部234は、マクロセル基地局装置10から受信したデータパケットを、放射を継続しているビームを用いて送信する。その後、図9に示す処理を終了する。
この構成により、通信状態の変化に応じてビームが追加又は変更される。追加又は変更されるビームとして、良好な通信状態が得られるビームが選択される。そのため、通信状態が良好に維持される。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。上述した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を援用し、主に差異点について説明する。
本実施形態に係る通信システム1b(図示せず)は、マクロセル基地局装置10b、スモールセル基地局装置20及び端末装置30を含んで構成される。第1の実施形態又は第2の実施形態との主な差異点は、マクロセル基地局装置10bの通信処理部134bが、端末装置30との通信状態に基づいて新たなビームの要否を判定する点である。本実施形態では、端末装置30の通信処理部334におけるビームの要否判定が省略されてもよい。
通信処理部134bが新たなビームの要否を判定する手法は、端末装置30の通信処理部334と同様であってもよい。即ち、通信処理部134bが、新たなビームが必要と判定する場合には、例えば、次の場合がある。(ix)相手先から端末装置30への通信開始要求を受信するとき、(x)相手先と端末装置30との通信中において、相手先から受信するユーザデータの情報量が、所定の情報量の閾値よりも多いとき。通信処理部134bは、新たなビームを必要と判定するとき、ビーム要求を位置取得部131に出力する。
次に、本実施形態に係るビーム変更処理について説明する。図11は、本実施形態に係るビーム変更処理の一例を示すシーケンス図である。図11に例示される処理は、図9と同様に通信中の端末装置30が移動により接続先のスモールセル基地局装置20−1をスモールセル基地局装置20−2に変更する場合を例にする。ステップS155−S162の処理は、図9のステップS136−143の処理と同様であるため、その説明を援用する。
その後、ステップS152の処理に進む。
(ステップS152)マクロセル基地局装置10bの通信状態判定部135bは、取得した情報量が所定の情報量よりも少ないと判定するとき、ビームの変更を要すると判定する。通信処理部134bは、ビーム要求(ビーム変更要求)を位置取得部131に出力する。その後、ステップS153の処理に進む。
(ステップS154)マクロセル基地局装置10bのスモールセル特定部132は、予め設定したスモールセル位置情報を参照して、端末位置情報が示す端末装置30の位置からの距離が、所定の距離の閾値以下となる位置であって、端末装置30との通信に用いられていないスモールセル基地局装置20を特定する。特定されるスモールセル基地局装置20には、スモールセル基地局装置20−2が含まれる。その後、ステップS155の処理に進む。
この構成により、通信状態の変化に応じて、ビームを追加又は変更される。追加又は変更されるビームとして、良好な通信状態が得られるビームが選択される。そのため、通信状態が良好に維持される。
例えば、マクロセル基地局装置10b(図10)は、位置取得部131に代えて位置取得部131a(図8)を備えてもよい。
また、上述では、キャリアアグリゲーションにおいて、主に1台のマクロセル基地局装置10、10a、10bと1台のスモールセル基地局装置20を用いる場合を例にしたが、これには限られない。キャリアアグリゲーションにおいて、複数のスモールセル基地局装置20が用いられてもよい。その場合には、マクロセル基地局装置10、10a、10bは、ステップS105(図6:ビーム追加処理)において複数のスモールセル基地局装置20を選択する。マクロセル基地局装置10、10a、10bと端末装置30は、選択した複数のスモールセル基地局装置20のそれぞれについてステップS106〜S112の処理を実行すればよい。また、ビーム停止処理(図7)ならびにビーム変更処理(図9)は、その複数のスモールセル基地局装置20の全部について行われてもよいし、一部について行われてもよい。
(1)端末装置と通信する第1通信部と、指向性を有するビームを放射可能な他の基地局装置と通信する第2通信部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記端末装置の位置を示す位置情報を、前記第1通信部を介して前記端末装置から受信し、前記端末装置の位置に基づく前記放射指示を、前記第2通信部を介して前記他の基地局装置に送信する基地局装置。
また、上述した実施形態におけるマクロセル基地局装置10、10a、10b、スモールセル基地局装置20、端末装置30の一部または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。マクロセル基地局装置10、10a、10b、スモールセル基地局装置20、端末装置30の一部、の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
Claims (9)
- 端末装置と通信する第1通信部と、
指向性を有するビームの放射指示を複数の他の基地局装置の少なくともいずれかに送信する第2通信部と、
前記端末装置の位置を示す位置情報と、前記端末装置の向きを示す情報を、前記第1通信部を介して前記端末装置から受信し、
前記端末装置の向きを示す情報と、前記複数の他の基地局装置が送信するビーム毎の受信電力の履歴を示す情報を蓄積し、前記第1通信部を介して前記端末装置から受信している前記端末装置の向きを示す情報と、蓄積した情報に基づいて、最も受信電力が高いビームを送信する基地局装置を、前記複数の他の基地局装置から特定し、
前記端末装置の位置を示す位置情報と、前記端末装置の向きを示す情報に基づく前記放射指示を、前記第2通信部を介して、特定した前記基地局装置に対して送信する制御部と、
を備える基地局装置。 - 前記制御部は、
受信した前記端末装置の位置を示す位置情報を用いて所定時間後の前記端末装置の位置を予測し、
予測した前記所定時間後の前記端末装置の位置に基づく前記放射指示を、前記第2通信部を介して前記複数の他の基地局装置の少なくともいずれかに送信する
請求項1に記載の基地局装置。 - 前記制御部は、
前記端末装置の通信状態を判定し、
判定した前記通信状態に基づいて前記ビームの追加又は変更の要否を判定する
請求項1又は請求項2に記載の基地局装置。 - 第1の基地局装置、指向性を有するビームを放射可能な複数の第2の基地局装置及び端末装置を備える通信システムであって、
前記第1の基地局装置は、
前記端末装置と通信する第1通信部と、
前記複数の第2の基地局装置と通信する第2通信部と、
前記端末装置の位置を示す位置情報と、前記端末装置の向きを示す情報を、前記第1通信部を介して前記端末装置から受信し、
前記端末装置の向きを示す情報と、前記複数の第2の基地局装置が送信するビーム毎の受信電力の履歴を示す情報を蓄積し、前記第1通信部を介して前記端末装置から受信している前記端末装置の向きを示す情報と、蓄積した情報に基づいて、最も受信電力が高いビームを送信する基地局装置を、前記複数の第2の基地局装置から特定し、
前記端末装置の位置を示す位置情報と、前記端末装置の向きを示す情報に基づくビームの放射指示を、前記第2通信部を介して、特定した前記基地局装置に対して送信する基地局制御部と、
を備え、
前記端末装置は、
前記端末装置の位置を示す位置情報と、前記端末装置の向きを示す情報を、前記第1の基地局装置に送信する第3通信部と、
前記端末装置の位置を示す位置情報と、前記端末装置の向きを示す情報に基づく前記放射指示を、前記第1の基地局装置から送信された前記基地局装置と、前記第3通信部を介して通信する端末制御部と、
を備える
通信システム。 - 前記端末制御部は、前記複数の第2の基地局装置のそれぞれが放射するビームのうち、
通信状態が最も良好なビームを選択し、
前記端末制御部は、選択されたビームを用いて、前記複数の第2の基地局装置のいずれかと、前記第3通信部を介して通信する
請求項4に記載の通信システム。 - 前記端末制御部が、前記通信状態が最も良好なビームを選択した場合に、
前記複数の第2の基地局装置のいずれかは、前記端末装置に対するビームの放射を継続し、
前記複数の第2の基地局装置のいずれか以外の基地局装置は、前記端末装置に対するビームの放射を停止する
請求項5に記載の通信システム。 - 前記端末装置は、通信終了要求を、前記第1の基地局装置に送信し、
前記第1の基地局装置は、前記通信終了要求を、前記端末装置から受信した場合に、ビーム放射停止通知を、前記複数の第2の基地局装置のいずれかに送信し、
前記複数の第2の基地局装置のいずれかは、前記ビーム放射停止通知を、前記第1の基地局装置から受信した場合に、前記端末装置に対するビームの放射を停止する
請求項4に記載の通信システム。 - 基地局装置の通信方法であって、
端末装置の位置を示す位置情報と、前記端末装置の向きを示す情報を、前記端末装置と通信する第1通信部を介して前記端末装置から受信する第1の過程と、
前記端末装置の向きを示す情報と、複数の他の基地局装置が送信するビーム毎の受信電力の履歴を示す情報を蓄積し、前記第1通信部を介して前記端末装置から受信している前記端末装置の向きを示す情報と、蓄積した情報に基づいて、最も受信電力が高いビームを送信する基地局装置を、前記複数の他の基地局装置から特定する第2の過程と、
指向性を有し、前記端末装置の位置を示す位置情報と、前記端末装置の向きを示す情報に基づくビームの放射指示を、前記ビームを放射可能な前記複数の他の基地局装置の少なくともいずれかと通信する第2通信部を介して、特定した前記基地局装置に対して送信する第3の過程と、
を有する通信方法。 - 基地局装置のコンピュータに、
端末装置の位置を示す位置情報と、前記端末装置の向きを示す情報を、前記端末装置と通信する第1通信部を介して前記端末装置から受信する第1の手順、
前記端末装置の向きを示す情報と、複数の他の基地局装置が送信するビーム毎の受信電力の履歴を示す情報を蓄積し、前記第1通信部を介して前記端末装置から受信している前記端末装置の向きを示す情報と、蓄積した情報に基づいて、最も受信電力が高いビームを送信する基地局装置を、前記複数の他の基地局装置から特定する第2の手順、
指向性を有し、前記端末装置の位置を示す位置情報と、前記端末装置の向きを示す情報に基づくビームの放射指示を、前記ビームを放射可能な前記複数の他の基地局装置の少なくともいずれかと通信する第2通信部を介して、特定した前記基地局装置に対して送信する第3の手順、
を実行させるためのプログラム。
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