JP6829611B2 - 肌状態評価方法 - Google Patents
肌状態評価方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6829611B2 JP6829611B2 JP2017008989A JP2017008989A JP6829611B2 JP 6829611 B2 JP6829611 B2 JP 6829611B2 JP 2017008989 A JP2017008989 A JP 2017008989A JP 2017008989 A JP2017008989 A JP 2017008989A JP 6829611 B2 JP6829611 B2 JP 6829611B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- skin
- time waveform
- characteristic
- time
- skin condition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 title claims description 138
- 239000013598 vector Substances 0.000 claims description 67
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 52
- 238000001514 detection method Methods 0.000 claims description 49
- 238000009826 distribution Methods 0.000 claims description 26
- 238000009795 derivation Methods 0.000 claims description 23
- 230000008569 process Effects 0.000 claims description 21
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 claims description 18
- 230000009466 transformation Effects 0.000 claims description 14
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 claims description 9
- 238000012854 evaluation process Methods 0.000 claims description 6
- 238000004590 computer program Methods 0.000 claims description 3
- 230000035807 sensation Effects 0.000 description 47
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 26
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 20
- 238000002360 preparation method Methods 0.000 description 19
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 17
- 230000008859 change Effects 0.000 description 12
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 11
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 6
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 6
- 239000000523 sample Substances 0.000 description 5
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 4
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 4
- 239000002537 cosmetic Substances 0.000 description 3
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 3
- 230000001953 sensory effect Effects 0.000 description 3
- 238000011161 development Methods 0.000 description 2
- 239000006185 dispersion Substances 0.000 description 2
- 230000010365 information processing Effects 0.000 description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 2
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 2
- 230000008035 nerve activity Effects 0.000 description 2
- 210000005037 parasympathetic nerve Anatomy 0.000 description 2
- 230000000737 periodic effect Effects 0.000 description 2
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 2
- 230000003595 spectral effect Effects 0.000 description 2
- 208000014644 Brain disease Diseases 0.000 description 1
- 241000032989 Ipomoea lacunosa Species 0.000 description 1
- 206010041349 Somnolence Diseases 0.000 description 1
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 1
- 210000004556 brain Anatomy 0.000 description 1
- 238000004422 calculation algorithm Methods 0.000 description 1
- 208000037265 diseases, disorders, signs and symptoms Diseases 0.000 description 1
- 208000035475 disorder Diseases 0.000 description 1
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 1
- 230000003699 hair surface Effects 0.000 description 1
- 208000019622 heart disease Diseases 0.000 description 1
- 230000010354 integration Effects 0.000 description 1
- 239000004973 liquid crystal related substance Substances 0.000 description 1
- 238000002559 palpation Methods 0.000 description 1
- 229920000642 polymer Polymers 0.000 description 1
- 238000011158 quantitative evaluation Methods 0.000 description 1
- 238000011160 research Methods 0.000 description 1
- 230000000717 retained effect Effects 0.000 description 1
- 238000003860 storage Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
- Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)
Description
特許文献2には、毛髪表面特性センサから得られる摺動信号からスティックスリップによる振動を検出し、スティックスリップによる周期的で強いパルスが発生する特定周波数領域の任意の範囲で周期的なパルスの積算強度を求め、この積算強度に基づいて毛髪の表面特性を評価する手法が提案されている。
非特許文献1では、医師の触診を模するために高分子圧電体を用いて皮膚の粗さや硬さを測定する試みが報告され、圧電体の出力波形を周波数空間で評価している。
非特許文献2では、心電図RR間隔のローレンツプロットから得られる値が副交感神経活動の新しい評価指標として用いることができることが報告されている。
ところが、現時点では、振動波形の時間変動の特徴から人の肌状態を定量的に評価する手法は存在しない。
一方で、触感が振動に関与することが知られている。しかしながら、振動情報に基づく既存の評価手法では、特許文献1及び非特許文献1の手法のように、振動強度の積算値及び分散値、並びにパワースペクトル密度の面積が評価パラメータとして利用されているに過ぎない。
このような既存の手法を転用し人の肌状態の定量評価を行ったとしても、評価精度の面において問題がある。例えば、不均一なざらつき感といった肌状態は上述のような評価パラメータでは評価することは困難である。
図1は、本実施形態に係る肌状態評価方法を示すフローチャートである。
本実施形態に係る肌状態評価方法は、少なくとも、図1に示されるように工程(S11)、工程(S13)、及び工程(S15)を含む。
ここで対象肌は、状態を評価したい被験者の任意の部位の肌の任意の領域である。
また、本明細書では、検出部を肌に間接的又は直接的に接触させ摺動させることで検出される物理量のことを短縮して「触感検出値」と表記する場合がある。検出部を肌に間接的又は直接的に接触させ摺動させることで検出される物理量は、肌の振動に伴う変位や摩擦抵抗力などの圧力値であり、人の触覚で感知される物理量といえるからである。但し、本明細書で表記する「触感検出値」は、触感に関与することが知られていない物理量を含んでもよい。
前者の例としては、上述の振動の時系列データや圧力の時系列データなどがあり得る。触感検出値に関する時間波形情報のうち触感検出値自体の時間変化を示す波形情報は、ベース波形データと表記する場合もある。
後者の例としては、そのような触感検出値の時系列データ(ベース波形データ)に対してウェーブレット変換といった時間情報を残す周波数解析を適用することにより、特定周波数成分の混合強度(パワー)の時間変化を示す波形情報や、ベース波形データに対してフーリエ変換を適用することで特定周波数成分に限定した波形情報があり得る。このように、ベース波形データに対して何らかの演算を施された波形情報を変換波形データと表記する場合もある。
また、当該コンピュータが、受信された触感検出値の時系列データに対して所定の演算を施すことにより、変換波形データを当該時間波形情報として取得することもできる。
また、当該コンピュータは、他のコンピュータから当該変換波形データを受信してもよい。更には、当該コンピュータは、当該時間波形情報を可搬型記録媒体から読み出してもよい。
ここで「対象時間波形の時間変動特性を示す特性情報」とは、対象となる時間波形の時間軸上での変動傾向を示す情報を意味する。この特性情報は、例えば、対象となる時間波形と、その時間波形を時間軸上で所定時間分シフトしたシフト波形との関係から得ることができる。この時間変動特性を示す特性情報の具体的な導出手法については後述する。
ここで、比較対象肌は、対象肌と同一人物の肌であっても、他人の肌であってもよい。例えば、比較対象肌は、或る美容施術又は化粧料を施す前の同一人物の肌である。この例によれば、美容施術又は化粧料を施す前後での被験者の肌を相対的に評価することができる。他の例として、同一人物の或る年齢時の肌が比較対象肌とされてもよい。この例によれば、その年齢時から今までの被験者の肌の変化を相対評価することができる。他の例として、同一人物の他の部位の肌が比較対象肌とされてもよい。この例によれば、被験者自身の肌を部位間で相対的に評価することができる。更に他の例として、理想とされる肌或いは被験者が憧れる人の肌が比較対象肌とされてもよい。また、対象肌と比較対象肌とでは同一部位が対象とされてもよいし、異なる部位が対象とされてもよい。
工程(S15)で評価される肌の状態とは、検出部を肌に間接的又は直接的に接触させ摺動させることで検出される物理量で示される状態であり、肌の触感(ざらざら、すべすべ、べとべと、滑らか、もちもちなど)に関わる状態、肌年齢、良し悪しの程度など様々なである。
例えば、コンピュータが、工程(S13)で導出された特性情報に基づいて、所定のアルゴリズムにより対象肌の状態を評価してもよい。この場合、コンピュータは、評価結果(「最高レベル」、「良好」、「改善要」など)を提示することもできる。また、コンピュータが工程(S13)で導出された特性情報を提示し、この特性情報を参照した者(被験者や評価者など)が、その特性情報を考慮して対象肌を評価してもよい。
本実施形態において肌状態の評価の根拠とされる特性情報は、対象時間波形の時間変動特性又は時間波形間の相互関係特性を示すため、検出部を肌に間接的又は直接的に接触させ摺動させることで検出された物理量(触感検出値)の時間変動の情報を含んでいるといえる。
従って、本実施形態によれば、触感検出値に関わる肌状態を定量的に評価することができる。より具体的に言えば、当該特性情報は、触感検出値に関する時間波形情報から導出されるため、触感に関わる検出情報に基づいているともいえる。このため、本実施形態によれば、不均一なざらつき感といった肌の触感(触り心地など)に関わる状態を定量的に評価することができる。
[第一実施形態]
第一実施形態では、上述の時間変動特性を示す特性情報に基づく肌状態評価の一具体例を挙げる。以下、第一実施形態に係る肌状態評価方法を本評価方法と略称する場合もある。
図2は、第一実施形態に係る肌状態評価方法を示すフローチャートである。
本評価方法は、図2に示されるように、工程(S21)から工程(S25)を含む。工程(S21)は、図1に示される工程(S11)に対応し、工程(S22)から工程(S24)は、工程(S13)に対応し、工程(S25)は、工程(S15)に対応する。
本評価方法は、例えば、後述の肌状態評価装置により実行される。但し、本評価方法は、各工程において人手が介入することを許容する。
即ち、ここでの直交座標系は、時間波形情報により示される対象時間波形における時間軸上で所定時間離れた振幅値ペアの一方を横軸(x軸)、他方を縦軸(y軸)にした直交平面座標系となる。このように時間波形情報を直交座標系の座標点群に変換することをローレンツプロットと表記する場合もある。
ローレンツプロットに用いる当該所定時間は、シフト時間であり、抽出したい周波数成分に対応する適切な値に設定されることが望ましい。例えば、細かな時間変化を抽出したい場合には、所定時間Δtは、大まかな時間変化を抽出したい場合に比べて、小さい値に設定すればよい。
図3で示される振動パワー波形データは、ベース波形データである振動波形データに対してウェーブレット変換を適用して得られる変換波形データである。この変換波形データが時間波形情報として取得され、この変換波形データがローレンツプロットにより直交座標系の座標点群に変換される。ローレンツプロットでは、変換波形データの振幅値(パワー値)が横軸(x軸)に、所定時間Δtシフトされたシフト波形データの振幅値(パワー値)が縦軸(y軸)に取られる。つまり、当該直交座標系の一座標点のy軸要素である振幅値は、変換波形データにおいて、同座標点のx軸要素である振幅値から所定時間Δt後に現れる値である。
座標変換では、当該直交座標系の座標点群が「y=x」軸及び「y=−x」軸に投影された座標に変換される。図3では、「y=x」軸が変換後の座標系においてX'軸と表記され、「y=−x」軸が変換後の座標系においてY'軸と表記されている。
例えば、工程(S24)では、当該変換座標点群における、「y=x」軸(図3のX'軸)における原点からの距離の平均値若しくは標準偏差、「y=−x」軸(図3のY'軸)における原点からの距離の平均値若しくは標準偏差、又は、それら平均値若しくはそれら標準偏差を用いて算出される比率若しくは分布面積の一つ以上を当該一種以上の指標値として導出することができる。
比率としては、X'軸における平均距離とY'軸における平均距離との比率、又は、X'軸における標準偏差σxとY'軸における標準偏差σyとの比率(σx/σy)が算出され得る。
分布面積は、標準偏差σx及び標準偏差σyを用いて、楕円面積として(π×σx×σy)で算出され得る。
但し、算出される一種以上の指標値は、このような例に限定されず、変換座標点群の分布状態を示す他の指標値であってもよい。例えば、距離の分散値又は分散値の比率が指標値として用いられてもよいし、分布面積は、長方形面積として(2σx×2σy)で算出されてもよい。工程(S24)で算出される一種以上の指標値は、工程(S23)で得られた変換座標点群の分布状態を示す複数種の指標値のうち、肌状態と相関の高い指標値とされることが望ましい。
図4は、直線波形のローレンツプロット及び座標変換を示す図である。図4に示されるように、直線波形は、ローレンツプロット及び座標変換により一座標点に変換される。直線波形の振幅を増加させると、座標変換後の座標点はX'軸上を移動する。このことから、X'軸における平均距離は時間波形情報の振幅値の平均情報を示すといえる。
また、三角波形に周期の乱れを含めると、座標変換後の複数座標点の分布がY'軸方向に延びる。更に、三角波形を不均一化すると、座標変換後の複数座標点の分布が散らばる。このことから、Y'軸における平均距離は時間波形情報の周期の乱れの平均情報を示し、Y'軸における標準偏差σyは時間波形情報の周期の乱れの大きさを示すといえる。
更に、分布面積は、標準偏差σx及びσyを用いるため、時間波形情報の振幅の幅及び周期の乱れの大きさを示すといえ、標準偏差の比率(σx/σy)は、時間波形情報の振幅の幅と周期の乱れの大きさとの比率を示すといえる。
なお、図5で示されるローレンツプロットでは所定時間Δtが1周期に設定されている。
これらにより、ローレンツプロットを用いて得られる指標値が、肌から得られる触感検出値に関する時間波形情報の特徴を示すことが理論的に実証される。更に、本発明者らにより、これら指標値により人の肌の状態を定量評価できることは実証されている(実施例の項参照)。
指標値の提示は、ディスプレイのような表示装置への表示で実現されてもよいし、プリンタへの印刷で実現されてもよいし、音声出力で実現されてもよい。
本評価方法では、被験者自ら又は評価者が、工程(S25)で提示された指標値を参照して、被験者の肌状態を評価することができる。このとき、工程(S25)では、被験者の肌に関する指標値と比較するための基準となる指標値又は肌状態の良し悪しの境界を示す閾値を更に提示することもできる。また、このような比較のための指標値又は閾値は、予め印刷媒体などに出力されていてもよい。
図6は、二種の指標値を座標軸とするグラフの例を示す図である。図6に示されるグラフでは、Y'軸の平均距離が横軸(x軸)とされ、Y'軸の標準偏差σyが縦軸(y軸)とされている。時間波形に関するY'軸の平均距離は周期の乱れの平均情報を示し、Y'軸の標準偏差は周期の乱れの大きさを示す。そのため、図6のグラフによれば、不均一なざらざら感のような周期の乱れに関する肌状態を視覚的に評価することができる。
例えば、図6に示されるように、被験者の肌(被験肌)に関する指標値と共に、同年代の平均的な肌状態や理想的な肌状態のような基準となる肌状態に関する指標値(基準指標値)がプロットされていてもよい。これにより、グラフ上におけるこの基準指標値との位置関係に応じて、被験者の肌状態を容易に評価することができる。
従って、第一実施形態によれば、触感検出値の時間変動に関わる肌状態、例えば、不均一なざらざら感のような肌の触感を高精度に定量評価することができる。
上述の第一実施形態では、被験者の肌に関して導出される一種以上の指標値に基づいて、肌状態が評価されたが、指標値を用いることなく肌状態を評価することはできる。
例えば、図2の工程(S24)の代わりに、工程(S23)で得られた変換座標点群がプロットされたグラフを当該時間変動特性を示す特性情報として導出し、工程(S25)においてこのグラフを提示してもよい。このグラフは、例えば、図3の下部に示される座標変換後のグラフである。
また、ローレンツプロットされたグラフを当該時間変動特性を示す特性情報として導出し、このグラフを提示してもよい。即ち、図2の工程(S23)を省き、工程(S24)の代わりに、工程(S22)で得られた直交座標系の座標点群がプロットされたグラフを当該特性情報として導出する。この場合、図3の中央に示されるローレンツプロットされたグラフが提示される。
当該直交座標系の座標点群又はこの座標点群に対する座標変換により得られる変換座標点群がプロットされたグラフによれば、グラフの形状から視覚的にその指標値と同様の情報を把握することができる。即ち、このグラフによっても、被験者の肌状態を高精度に定量評価することができる。
第二実施形態では、上述の時間変動特性を示す特性情報に基づく肌状態評価の一具体例として、第一実施形態と異なる例を挙げる。以下、第二実施形態に係る肌状態評価方法を本評価方法と略称する場合もある。
本評価方法は、図7に示されるように、工程(S31)から工程(S34)を含む。工程(S31)は図1に示される工程(S11)に対応し、工程(S32)及び工程(S33)は工程(S13)に対応し、工程(S34)は工程(S15)に対応する。
本評価方法は、例えば、後述の肌状態評価装置により実行される。但し、本評価方法は、各工程において人手が介入することを許容する。
工程(S32)は、工程(S31)で取得された時間波形情報を時間軸上で所定時間シフトしたシフト波形情報を生成する工程である。
ここでの所定時間もローレンツプロットに用いる当該所定時間と同様にシフト時間であり、抽出したい周波数成分に対応する適切な値に設定されることが望ましい。例えば、細かな時間変化を抽出したい場合には、所定時間Δtは、大まかな時間変化を抽出したい場合に比べて、小さい値に設定すればよい。
この演算としては、内積演算、ベクトル間のユークリッド距離演算などがある。内積演算によれば、内積値及びベクトル間の角度cosθが当該時間変動特性を示す特性情報として算出され得る。また、ベクトル間のユークリッド距離が当該時間変動特性を示す特性情報として算出されてもよい。なお、当該演算により得られる値は、ベクトル間の類似度と呼ぶこともできる。
図8で示される振動パワー波形データは、図3と同様である。このような変換波形データが時間波形情報として取得され、この変換波形データが時間シフトされ、シフト波形データが生成される。例えば、振動パワー波形データの中の10000個のパワー値を成分とする元ベクトルAとシフト波形データの中の10000個のパワー値を成分とするシフトベクトルBとの内積演算が行われる。但し、各ベクトルの要素数(成分数)は、このような数に限定されない。
図8の例では、内積演算により内積値とcosθとが当該時間変動特性を示す特性情報として導出されている。
工程(S34)での演算結果の提示手法は、第一実施形態における指標値の提示手法と同様である。
本評価方法では、被験者自ら又は評価者が、工程(S34)で提示された演算結果を参照して、被験者の肌状態を評価することができる。このとき、工程(S34)では、被験者の肌に関する演算結果と比較するための基準となる値又は肌状態の良し悪しの境界を示す閾値を更に提示することもできる。また、このような比較のための基準値又は閾値は、予め印刷媒体などに出力されていてもよい。
従って、第二実施形態によれば、触感検出値の時間変動に関わる肌状態、例えば、不均一なざらざら感といった肌の触感を高精度に定量評価することができる。
上述の第一及び第二実施形態では、被験者の肌(対象肌)から検出された触感検出値に関する時間波形情報を処理して得られた情報に基づいて、被験者の肌の状態が評価された。第三実施形態では、被験者の肌に関する対象時間波形と比較対象肌に関する時間波形との間の相互関係特性を示す特性情報に基づいて、被験者の肌の状態が相対的に評価される。以下、第三実施形態に係る肌状態評価方法を本評価方法と略称する場合もある。
本評価方法は、図9に示されるように、工程(S41)から工程(S46)を含む。工程(S41)は図1に示される工程(S11)に対応し、工程(S42)から工程(S45)は工程(S13)に対応し、工程(S46)は工程(S15)に対応する。
本評価方法は、例えば、後述の肌状態評価装置により実行される。但し、本評価方法は、各工程において人手が介入することを許容する。
工程(S45)は、被験者の肌に関して工程(S44)で導出された一種以上の指標値と比較対象肌に関する一種以上の指標値との類似度を算出する工程である。
工程(S45)で算出される類似度は、被験者の肌の対象時間波形と比較対象肌の時間波形との間の相互関係特性を示す特性情報の一例である。
比較対象肌に関する指標値は、被験者の肌に関して工程(S41)で取得された触感検出値に関する時間波形情報と同じ測定条件で検出された時間波形情報に基づいて算出されることが望ましい。その測定条件としては、触感検出値を検出する際の検出部又はプローブ(指など)の肌への押し付け力、摺動速度などである。測定条件を合わせることで、評価精度を向上させることができる。
類似度の提示は、ディスプレイのような表示装置への表示で実現されてもよいし、プリンタへの印刷で実現されてもよいし、音声出力で実現されてもよい。
本実施形態では、被験者自ら又は評価者が、工程(S46)で提示された類似度を参照して、被験者の肌状態を比較対象肌との間で相対的に評価する。例えば、提示された類似度が高い程、被験者の肌状態は比較対象肌の状態により近いと評価でき、提示された類似度が低い程、被験者の肌状態は比較対象肌の状態からより乖離していると評価できる。
工程(S46)では、類似度と共に、肌状態が近いと評価するための閾値と肌状態が遠い(異なる)と評価するための閾値とを提示することもでき、このような閾値は、予め印刷媒体などに出力されていてもよい。
ところで、被験者の肌状態と比較対象肌の状態との類似度合又は乖離(相違)度合が、肌に関する時間波形情報から得られる複数種の指標値間の類似度により定量的に評価できることは、本発明者らにより実証されている(実施例の項参照)。
従って、第三実施形態によれば、触感検出値の時間変動に関わる肌状態、例えば、不均一なざらざら感といった被験者の肌の触感を比較対象肌との比較により定量的に評価することができる。
上述の第三実施形態では、工程(S46)において類似度が提示されたが、類似度の提示に代えて、その類似度に対応する評価結果(「似ています」、「あまり似ていません」など)を提示してもよい。この場合、コンピュータが、予め保持される閾値などとその類似度とを比較することで、評価結果を導出し、この評価結果を提示することができる。
例えば、この比較グラフは、図6に示されるグラフで、基準指標値の代わりに比較対象肌に関する指標値に対応する点がプロットされていればよい。
言い換えれば、被験者の肌の対象時間波形の時間変動特性を示す特性情報として導出されたグラフと、比較対象肌に関して被験者の肌と同様に時間変動特性を示す特性情報として導出されたグラフとが対比可能な状態で示される比較情報を、被験者の肌の対象時間波形と比較対象肌の時間波形との間の相互関係特性を示す特性情報として導出することができる。
ローレンツプロットにより得られる直交座標系の座標点群又はこの座標点群に対する座標変換により得られる変換座標点群がプロットされたグラフによれば、グラフの形状から視覚的にその指標値と同様の情報を把握することができる。即ち、このグラフによっても、被験者の肌状態を比較対象肌との間で高精度に相対評価することができる。
第四実施形態では、被験者の肌に関する対象時間波形と比較対象肌に関する時間波形との間の相互関係特性を示す特性情報に基づく肌状態評価の一具体例として、第三実施形態と異なる例を挙げる。以下、第四実施形態に係る肌状態評価方法を本評価方法と略称する場合もある。
本評価方法は、図11に示されるように、工程(S51)から工程(S53)を含む。工程(S51)は図1に示される工程(S11)に対応し、工程(S52)は工程(S13)に対応し、工程(S53)は工程(S15)に対応する。
本評価方法は、例えば、後述の肌状態評価装置により実行される。但し、本評価方法は、各工程において人手が介入することを許容する。
工程(S52)は、工程(S51)で取得された時間波形情報を成分とする被験肌ベクトルと比較対象肌の時間波形情報を成分とする比較肌ベクトルとの類似度を、被験者の肌の対象時間波形と比較対象肌の時間波形との間の相互関係特性を示す特性情報として導出する工程である。
当該類似度は、被験肌ベクトルと比較肌ベクトルとの間のユークリッド距離として算出されてもよいし、それらベクトル間の角度として算出されてもよい。後者の場合、両ベクトルの内積演算を行い求められるcosθの値を類似度として算出することができる。
図12の例では、被験者の肌に関する時間波形情報を成分とする被験肌ベクトルAと比較対象肌に関する時間波形情報を成分とする比較肌ベクトルBとの内積演算を行い求められるcosθの値が類似度として算出されている。この場合、類似度が1に近付く程、類似度が高く、類似度が0に近付く程、類似度が低くなる。被験肌ベクトルA及び比較肌ベクトルBの各成分数(要素数)は、時間波形情報に含まれる振幅値群の一部又は全部とされる。
また、比較対象肌に関する時間波形情報が、被験者の肌に関する時間波形情報と共に(又は前後して)取得されてもよい。
比較対象肌に関する比較肌ベクトルは、被験者の肌に関して工程(S51)で取得された触感検出値に関する時間波形情報と同じ測定条件で検出された時間波形情報から生成されることが望ましい。その測定条件としては、触感検出値を検出する際の検出部又はプローブ(指など)の肌への押し付け力、摺動速度などである。測定条件を合わせることで、評価精度を向上させることができる。
従って、第四実施形態によれば、第三実施形態と同様に、被験者の肌の状態(触感など)を比較対象肌との比較により定量的に評価することができる。
上述の第一、第二、及び第三実施形態では、ローレンツプロット又は波形情報の時間シフトにおいて、所定時間が用いられた。
これら各実施形態では、それぞれ異なる複数の所定時間を用いてローレンツプロット又は波形情報の時間シフトをそれぞれ行い、所定時間ごとに上述の一種以上の指標値をそれぞれ算出するようにしてもよい。
図13は、それぞれ異なる各所定時間Δtを用いたローレンツプロットの例を示す図である。図13に示されるように、各所定時間Δtを用いたローレンツプロットにより得られる座標点群はそれぞれ異なる分布を示している。即ち、所定時間Δtを変えることで、肌に関する時間波形において異なる成分の特徴を抽出できることが分かる。
また、第三実施形態では、被験者の肌に関する指標値及び比較対象肌に関する指標値を、所定時間Δtごとに比較することにより、被験者の肌状態を比較対象肌との間で相対的に評価することができる。例えば、上述の比較グラフが所定時間Δtごとにそれぞれ提示されてもよい。また、被験者の肌と比較対象肌との指標値間の類似度が所定時間Δtごとに算出及び提示されてもよい。
このようにすれば、小さい変化や大きい変化など着目すべき周波数成分に特化して、被験者の肌状態を高精度に評価することができる。
このような着目すべき周波数成分に特化した評価を行うためには、処理対象とする時間波形情報を特定の周波数成分に制限した波形情報としてもよい。
上述の各実施形態及び変形例に係る肌状態評価方法は、図14及び図15例示される肌状態評価装置(以降、単に評価装置と略称する場合もある)により実行可能である。
図14は、肌状態評価装置10のハードウェア構成例を概念的に示す図である。
評価装置10は、いわゆるコンピュータ(情報処理装置)であり、例えば、バスで相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、入出力インタフェース(I/F)13、通信ユニット14等を有する。評価装置10を形成する各ハードウェア要素の数はそれぞれ制限されず、これらハードウェア要素は情報処理回路と総称することもできる。また、評価装置10は、図14に図示されないハードウェア要素を含んでもよく、そのハードウェア構成は制限されない。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
入出力I/F13は、出力装置15、入力装置16等のユーザインタフェース装置と接続可能である。出力装置15は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイのような、CPU11等により処理された描画データに対応する画面を表示する装置、印刷装置などの少なくとも一つである。入力装置16は、キーボード、マウス等のようなユーザ操作の入力を受け付ける装置である。出力装置15及び入力装置16は一体化され、タッチパネルとして実現されてもよい。
通信ユニット14は、他のコンピュータとの通信網を介した通信や、他の機器との信号のやりとり等を行う。通信ユニット14には、可搬型記録媒体等も接続され得る。また、通信ユニット14には、肌の触感に関わる物理量を検出可能な上述の検出部が接続されてもよい。
評価装置10は、取得部21、生成部22、及び出力処理部23を有する。これら処理モジュールは、ソフトウェア要素であり、例えば、メモリ12に格納される肌状態評価プログラム(コンピュータプログラム)18がCPU11により実行されることにより実現される。このコンピュータプログラム18は、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから入出力I/F13又は通信ユニット14を介してインストールされ、メモリ12に格納されてもよい。
それら各ソフトウェア要素の動作により、評価装置10は、上述の各実施形態及び変形例に係る肌状態評価方法を実行することができる。即ち、評価装置10(CPU11)は、図1、図2、図7、図9、又は図11に示される各工程を順次実行することができる。各工程の処理内容はそれぞれ上述の通りであるが、以下に、各工程の処理内容が適宜補足される。
取得部21は、触感検出値に関する時間波形情報を外部のコンピュータ、機器(検出部など)、可搬型記録媒体などから入出力I/F13又は通信ユニット14を介して取得することができる。
取得部21は、検出部により検出された物理量の時間波形データを外部から取得し、これら波形データに対して周波数解析などの演算を適用し、変換波形データを当該時間波形情報として取得してもよい。更に、取得部21は、そのような変換波形データを外部から取得することもできる。
具体的には、生成部22は、図2に示される工程(S22)から工程(S24)を実行して、工程(S23)で得られる変換座標点群の分布状態を示す一種以上の指標値を対象肌の対象時間波形の時間変動特性を示す特性情報として算出することができる。また、生成部22は、工程(S22)の実行により得られる直交座標系の座標点群又は工程(S22)及び工程(S23)の実行により得られる変換座標点群がプロットされたグラフを当該対象時間波形の時間変動特性を示す特性情報として生成することもできる。また、生成部22は、図7に示される工程(S32)及び工程(S33)を実行することにより、元ベクトルとシフトベクトルとの演算結果を当該対象時間波形の時間変動特性を示す特性情報として算出することもできる。
更に、生成部22は、図9に示される工程(S42)から工程(S45)を実行することにより、対象肌に関して算出された一種以上の指標値と比較対象肌に関する一種以上の指標値との類似度を、上記相互関係特性を示す特性情報として算出することもできる。加えて、生成部22は、図11に示される工程(S52)を実行することにより、対象肌に関する時間波形情報を成分とするベクトルと比較対象肌の時間波形情報を成分とするベクトルとの類似度を上記相互関係特性を示す特性情報として算出することもできる。
この評価情報は、例えば、対象肌(被験者の肌)の評価結果を示す情報である。例えば、当該評価情報は、被験者の肌状態が良いか悪いか、被験者の肌状態が比較対象肌に近いか遠いかなどを示す。
図16は、ウェーブレット変換後の振動波形データから得られた3種の指標値を示す図である。図16には、X'軸及びY'軸の標準偏差及び楕円面積(分布面積)の3種の指標値が示されており、被験者(サンプル提供者)は、30代及び40代の2名と50代の2名との合計4名である。
図16によれば、いずれの指標値においても、50代と30代及び40代との間で指標値の差が出ている。
これにより、ウェーブレット変換後の振動波形データ(時間波形情報)から得られた複数種の指標値においてそれぞれ年齢の違いに伴う肌状態の違いを表していることが実証されている。
各グラフによれば、分布状態の違いが視覚的に容易に把握することができる。即ち、図17によれば、ローレンツプロットにより得られる直交座標系の座標点群がプロットされたグラフにより、年齢に伴う肌状態の違いが可視化できることが実証されている。
図17には振動波形データを当該時間波形情報として用いる例が示されているが、その振動波形データに対してウェーブレット変換を適用して得られる変換波形データを用いた場合でも同様に、年齢に伴う肌状態の違いが可視化できることが確認されている。
同一被験者の肌に関して皮膚外用剤適用前後のグラフを比較すると、ローレンツプロットされたグラフの分布状態の違いが容易に把握可能である。具体的には、どちらの被験者においても、皮膚外用剤適用後のグラフのほうが、その分布の範囲が、皮膚外用剤適用前のグラフよりも小さくなっていることが視認される。
また、各グラフに対応する各肌に対する滑らかさ感の官能評価が行われ、滑らかから粗いの範囲が1ポイントから5ポイントの5段階で評価された。結果、グラフG1aに対応する肌が3ポイント、グラフG1bに対応する肌が2ポイント、グラフG2aに対応する肌が3ポイント、グラフG2bに対応する肌が1ポイントであった。
この官能評価の結果においても、皮膚外用剤適用後には、滑らかさ感が増していることが示されており、結果として、ローレンツプロットにより得られるグラフの変化が官能評価結果の変化と相関していることが確認される。
これにより、図18によれば、ローレンツプロットにより得られる直交座標系の座標点群がプロットされたグラフにより、皮膚外用剤の効果による肌状態の違いも可視化できることが実証されている。
また、ここでは図示していないが、皮膚外用剤の効果による肌状態の違いも同様に可視化できることも実証されている。
標準偏差を示す2つのグラフによれば、X'軸及びY'軸の標準偏差、即ち、振幅の幅も周期の乱れも共に、皮膚外用剤適用後のほうが小さくなっている。
楕円面積を示すグラフによれば、皮膚外用剤適用後の面積が小さくなっている。
図19によれば、ローレンツプロットにより得られる直交座標系の座標点群に基づいて得られる指標値によって、皮膚外用剤の効果による肌状態の違いを定量化できることが実証されている。
図20によれば、内積値及びcosθのいずれにおいても、50代と30代及び40代との間で顕著な差が出ている。また、cosθの値については、50代のほうがより小さくなっている。これは、50代の肌から得られる振動波形データのほうが、30代及び40代よりも時間変動が大きいことを示しており、触感の不均一性が年齢に応じて増していることを示しているといえる。
このように、肌に関する時間波形情報から第二実施形態の手法で得られた演算結果においてもそれぞれ年齢の違いに伴う肌状態の違いを表していることが実証される。
図20には振動波形データを当該時間波形情報として用いる例が示されているが、その振動波形データに対してウェーブレット変換を適用して得られる変換波形データを用いた場合でも同様に、年齢に伴う肌状態の違いが可視化できることが確認されている。
皮膚外用剤の適用により被験者の肌の触感は改善されたことが確認された。また、グラフG3で示される比較対象肌は、触感の良い肌である。つまり、被験者の実際の肌状態は、グラフG1で示される状態よりもグラフG2で示される状態のほうが、比較対象肌に近い状態であった。
一方、グラフG1、G2、及びG3で示される各肌に関して、第一実施形態の手法により、X'軸及びY'軸の平均距離、X'軸及びY'軸の標準偏差、並びに楕円面積の5種の指標値がそれぞれ算出された。そして、各肌の指標値間の類似度として各特徴ベクトルのなす角度cosθが算出された。
結果、グラフG2とグラフG3との指標値間の類似度がグラフG1とグラフG3との間の類似度よりも高い値を示した。これは、実際の肌状態の類似性と一致しているため、第三実施形態の手法で算出された複数種の指標値間の類似度により、実際の肌状態の近さが定量化できることを実証している。
各肌の実際の状態は、図21で述べたものと同様である。
一方で、グラフG11、G12、及びG13で示される各肌に関する変換波形データが第四実施形態の手法によりベクトル化され、それらベクトル間の内積演算により得られるcosθがベクトル間の類似度として算出された。
結果、グラフG12とグラフG13とのベクトル間の類似度がグラフG11とグラフG13との間の類似度よりも高い値を示した。これは、実際の肌状態の類似性と一致しているため、第四実施形態の手法で算出されたベクトル間の類似度により、実際の肌状態の近さが定量化できることを実証している。
前記取得された時間波形情報を用いて、対象時間波形の時間変動特性又は該対象時間波形と比較対象肌の時間波形との間の相互関係特性を示す特性情報を導出する導出工程と、
前記導出された特性情報に基づいて、前記肌の状態を評価する評価工程と、
を含む肌状態評価方法。
前記取得された時間波形情報を、前記対象時間波形における時間軸上で所定時間離れた振幅値ペアで形成される直交座標系の座標点群に変換し、
前記直交座標系の前記座標点群を、前記直交座標系の直交軸であるx軸及びy軸で示される「y=x」軸及び「y=−x」軸に投影した変換座標点群に更に変換し、
前記変換座標点群の分布状態を示す一種以上の指標値を前記対象時間波形の前記時間変動特性を示す前記特性情報として導出する、
<1>に記載の肌状態評価方法。
<3> 前記導出工程では、前記変換座標点群における、「y=x」軸における原点からの距離の平均値若しくは標準偏差、「y=−x」軸における原点からの距離の平均値若しくは標準偏差、又は、該平均値若しくは該標準偏差を用いて算出される比率若しくは分布面積の一つ以上を前記一種以上の指標値として導出する、
<2>に記載の肌状態評価方法。
<4> 前記導出工程では、前記変換座標点群の分布状態を示す複数種の指標値を導出し、
前記評価工程では、
各指標種を座標軸とする座標系に、前記肌に関する前記複数種の指標値に対応する点がプロットされたグラフを提示する、
<2>又は<3>に記載の肌状態評価方法。
<5> 前記導出工程では、
前記取得された時間波形情報を、前記対象時間波形における時間軸上で所定時間離れた振幅値ペアで形成される直交座標系の座標点群に変換し、
前記直交座標系の座標点群又は該座標点群に対する座標変換により得られる変換座標点群がプロットされたグラフを前記対象時間波形の前記時間変動特性を示す前記特性情報として導出し、
前記評価工程では、前記グラフを提示する、
<1>から<4>のいずれか一つに記載の肌状態評価方法。
<6> 前記導出工程では、
前記取得された時間波形情報を成分とする元ベクトルと該時間波形情報を時間軸上で所定時間シフトしたシフト波形情報を成分とするシフトベクトルとの演算により、前記対象時間波形の前記時間変動特性を示す前記特性情報を導出する、
<1>から<5>のいずれか一つに記載の肌状態評価方法。
<7> 前記導出工程では、前記肌に関して導出された前記一種以上の指標値と前記比較対象肌に関する一種以上の指標値との類似度を、前記相互関係特性を示す前記特性情報として導出する、
<2>から<4>のいずれか一つに記載の肌状態評価方法。
<8> 前記導出工程では、前記肌の前記対象時間波形の前記時間変動特性を示す前記特性情報として導出された前記グラフと、前記比較対象肌に関して前記肌と同様に前記時間変動特性を示す前記特性情報として導出されたグラフとが対比可能な状態で示される比較情報を、前記相互関係特性を示す前記特性情報として導出する、
<5>に記載の肌状態評価方法。
<9> 前記導出工程では、前記取得された時間波形情報を成分とするベクトルと前記比較対象肌の時間波形情報を成分とするベクトルとの類似度を前記相互関係特性を示す前記特性情報として導出する、
<1>に記載の肌状態評価方法。
<10> 検出部を肌に間接的又は直接的に接触させ摺動させることで検出された物理量に関する時間波形情報を取得する取得手段と、
前記取得された時間波形情報を用いて、対象時間波形の時間変動特性又は該対象時間波形と比較対象肌の時間波形との間の相互関係特性を示す特性情報を生成する生成手段と、
前記生成された特性情報又は該特性情報に基づく前記肌の状態の評価情報を出力する出力処理手段と、
を備える肌状態評価装置。
<11> 前記生成手段は、
前記取得された時間波形情報を、前記対象時間波形における時間軸上で所定時間離れた振幅値ペアで形成される直交座標系の座標点群に変換し、
前記直交座標系の前記座標点群を、前記直交座標系の直交軸であるx軸及びy軸で示される「y=x」軸及び「y=−x」軸に投影した変換座標点群に更に変換し、
前記変換座標点群の分布状態を示す一種以上の指標値を前記対象時間波形の前記時間変動特性を示す前記特性情報として算出する、
<10>に記載の肌状態評価装置。
<12> 前記生成手段は、前記変換座標点群における、「y=x」軸における原点からの距離の平均値若しくは標準偏差、「y=−x」軸における原点からの距離の平均値若しくは標準偏差、又は、該平均値若しくは該標準偏差を用いて算出される比率若しくは分布面積の一つ以上を前記一種以上の指標値として算出する、
<11>に記載の肌状態評価装置。
<13> 前記生成手段は、前記変換座標点群の分布状態を示す複数種の指標値を算出し、
前記出力処理手段は、各指標種を座標軸とする座標系に、前記肌に関する前記複数種の指標値に対応する点がプロットされたグラフを出力する、
<11>又は<12>に記載の肌状態評価装置。
<14> 前記生成手段は、
前記取得された時間波形情報を、前記対象時間波形における時間軸上で所定時間離れた振幅値ペアで形成される直交座標系の座標点群に変換し、
前記直交座標系の座標点群又は該座標点群に対する座標変換により得られる変換座標点群がプロットされたグラフを前記対象時間波形の前記時間変動特性を示す前記特性情報として生成し、
前記出力処理手段は、前記グラフを出力する、
<10>から<13>のいずれか一つに記載の肌状態評価装置。
<15> 前記生成手段は、
前記取得された時間波形情報を成分とする元ベクトルと該時間波形情報を時間軸上で所定時間シフトしたシフト波形情報を成分とするシフトベクトルとの演算により、前記対象時間波形の前記時間変動特性を示す前記特性情報を算出する、
<10>から<14>のいずれか一つに記載の肌状態評価装置。
<16> 前記生成手段は、前記肌に関して導出された前記一種以上の指標値と前記比較対象肌に関する一種以上の指標値との類似度を、前記相互関係特性を示す前記特性情報として算出する、
<11>から<13>のいずれか一つに記載の肌状態評価装置。
<17> 前記出力処理手段は、前記生成手段により生成された前記グラフと、前記比較対象肌に関して前記肌と同様に前記時間変動特性を示す前記特性情報として生成されたグラフとを対比可能な状態で出力する、
<14>に記載の肌状態評価装置。
<18> 前記生成手段は、前記取得された時間波形情報を成分とするベクトルと前記比較対象肌の時間波形情報を成分とするベクトルとの類似度を前記相互関係特性を示す前記特性情報として算出する、
<10>に記載の肌状態評価装置。
11 CPU
12 メモリ
13 入出力I/F
14 通信ユニット
15 出力装置
16 入力装置
18 肌状態評価プログラム
21 取得部
22 生成部
23 出力処理部
Claims (9)
- 検出部を肌に間接的又は直接的に接触させ摺動させることで検出された物理量に関する時間波形情報を取得する工程と、
前記取得された時間波形情報を用いて、対象時間波形の時間変動特性又は該対象時間波形と比較対象肌の時間波形との間の相互関係特性を示す特性情報を導出する導出工程と、
前記導出された特性情報に基づいて、前記肌の状態を評価する評価工程と、
を含み、
前記導出工程では、
前記取得された時間波形情報を、前記対象時間波形における時間軸上で所定時間離れた振幅値ペアで形成される直交座標系の座標点群に変換し、
前記直交座標系の前記座標点群を、前記直交座標系の直交軸であるx軸及びy軸で示される「y=x」軸及び「y=−x」軸に投影した変換座標点群に更に変換し、
前記変換座標点群の分布状態を示す一種以上の指標値を前記対象時間波形の前記時間変動特性を示す前記特性情報として導出する、
肌状態評価方法。 - 前記導出工程では、前記変換座標点群における、「y=x」軸における原点からの距離の平均値若しくは標準偏差、「y=−x」軸における原点からの距離の平均値若しくは標準偏差、又は、該平均値若しくは該標準偏差を用いて算出される比率若しくは分布面積の一つ以上を前記一種以上の指標値として導出する、
請求項1に記載の肌状態評価方法。 - 前記導出工程では、前記変換座標点群の分布状態を示す複数種の指標値を導出し、
前記評価工程では、
各指標種を座標軸とする座標系に、前記肌に関する前記複数種の指標値に対応する点がプロットされたグラフを提示する、
請求項1又は2に記載の肌状態評価方法。 - 検出部を肌に間接的又は直接的に接触させ摺動させることで検出された物理量に関する時間波形情報を取得する工程と、
前記取得された時間波形情報を用いて、対象時間波形の時間変動特性又は該対象時間波形と比較対象肌の時間波形との間の相互関係特性を示す特性情報を導出する導出工程と、
前記導出された特性情報に基づいて、前記肌の状態を評価する評価工程と、
を含み、
前記導出工程では、
前記取得された時間波形情報を、前記対象時間波形における時間軸上で所定時間離れた振幅値ペアで形成される直交座標系の座標点群に変換し、
前記直交座標系の座標点群又は該座標点群に対する座標変換により得られる変換座標点群がプロットされたグラフを前記対象時間波形の前記時間変動特性を示す前記特性情報として導出し、
前記評価工程では、前記グラフを提示する、
肌状態評価方法。 - 検出部を肌に間接的又は直接的に接触させ摺動させることで検出された物理量に関する時間波形情報を取得する工程と、
前記取得された時間波形情報を用いて、対象時間波形の時間変動特性又は該対象時間波形と比較対象肌の時間波形との間の相互関係特性を示す特性情報を導出する導出工程と、
前記導出された特性情報に基づいて、前記肌の状態を評価する評価工程と、
を含み、
前記導出工程では、
前記取得された時間波形情報を成分とする元ベクトルと該時間波形情報を時間軸上で所定時間シフトしたシフト波形情報を成分とするシフトベクトルとの演算により、前記対象時間波形の前記時間変動特性を示す前記特性情報を導出する、
肌状態評価方法。 - 前記導出工程では、前記肌に関して導出された前記一種以上の指標値と前記比較対象肌に関する一種以上の指標値との類似度を、前記相互関係特性を示す前記特性情報として導出する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の肌状態評価方法。 - 前記導出工程では、前記肌の前記対象時間波形の前記時間変動特性を示す前記特性情報として導出された前記グラフと、前記比較対象肌に関して前記肌と同様に前記時間変動特性を示す前記特性情報として導出されたグラフとが対比可能な状態で示される比較情報を、前記相互関係特性を示す前記特性情報として導出する、
請求項4に記載の肌状態評価方法。 - プロセッサ及びメモリを少なくとも備える肌状態評価装置であって、請求項1から7のいずれか一項に記載の肌状態評価方法を実行する肌状態評価装置。
- プロセッサ及びメモリを少なくとも備えるコンピュータに請求項1から7のいずれか一項に記載の肌状態評価方法を実行させるコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017008989A JP6829611B2 (ja) | 2017-01-20 | 2017-01-20 | 肌状態評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017008989A JP6829611B2 (ja) | 2017-01-20 | 2017-01-20 | 肌状態評価方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018114244A JP2018114244A (ja) | 2018-07-26 |
JP6829611B2 true JP6829611B2 (ja) | 2021-02-10 |
Family
ID=62983596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017008989A Active JP6829611B2 (ja) | 2017-01-20 | 2017-01-20 | 肌状態評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6829611B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03268740A (ja) * | 1990-03-20 | 1991-11-29 | Sony Corp | 心電波形の処理方法 |
FR2790656B1 (fr) * | 1999-03-11 | 2001-06-01 | Centre Techn Ind Mecanique | Dispositif et procede de caracterisation de la peau par tribometrie |
JP2007192801A (ja) * | 2005-12-19 | 2007-08-02 | Hiroshima Industrial Promotion Organization | 音波を用いた弾性特性の測定方法 |
JP2009240374A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-22 | Osaka Univ | 皮膚特性測定装置および皮膚特性測定プログラム |
JP2011005058A (ja) * | 2009-06-27 | 2011-01-13 | Nec Corp | 機械特性測定装置および機械特性測定装置の使用方法 |
JP2014226451A (ja) * | 2013-05-27 | 2014-12-08 | 昭和電工株式会社 | 睡眠状態計測装置及び睡眠状態計測方法 |
JP6345446B2 (ja) * | 2014-03-10 | 2018-06-20 | 日本光電工業株式会社 | 生体情報解析装置 |
-
2017
- 2017-01-20 JP JP2017008989A patent/JP6829611B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018114244A (ja) | 2018-07-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Manfredi et al. | Natural scenes in tactile texture | |
Murata | An attempt to evaluate mental workload using wavelet transform of EEG | |
von Tscharner et al. | Gender dependent EMGs of runners resolved by time/frequency and principal pattern analysis | |
JP7335392B2 (ja) | 化粧料の使用触感を評価する方法、及び化粧料の使用触感を評価する装置 | |
Cesini et al. | Correlation between friction-induced vibrations and tactile perception during exploration tasks of isotropic and periodic textures | |
US20220160292A1 (en) | Viscoelasticity calculation system and viscoelasticity measurement method | |
Spirduso et al. | Quantification of manual force control and tremor | |
Muthuraman et al. | Dynamical correlation of non-stationary signals in time domain—A comparative study | |
Pope et al. | Evaluation of low back muscle surface EMG signals using wavelets | |
CN114126498B (zh) | 检测装置和检测方法 | |
Kelleher et al. | Biomechanical research on bowed string musicians: a scoping study | |
JP6832717B2 (ja) | 肌状態評価方法 | |
JP6968671B2 (ja) | ヒトの肌又は化粧料の評価方法 | |
JP6829611B2 (ja) | 肌状態評価方法 | |
US20210048285A1 (en) | Portable surface characteristics measurement device and control method thereof | |
JP2019025071A (ja) | 肌状態評価方法及び肌状態評価装置 | |
JP6203324B1 (ja) | 認知状態推定システム及び認知状態推定方法 | |
JP2023133526A (ja) | 検出装置および検出方法 | |
JP2013192719A (ja) | 解析装置、解析プログラムおよび解析方法 | |
JP6810619B2 (ja) | 肌状態評価方法 | |
JP7455753B2 (ja) | 肌評価方法、及び肌評価装置 | |
Janko et al. | Scale dependence of force patterns during the scanning of a surface by a bare finger | |
Kitamichi et al. | Intersubjective Tactile Sharing Method Based on Human Skin Vibration Characteristics | |
Kuniszyk-Jóźkowiak et al. | Time–frequency analysis of the EMG digital signals | |
JP7156110B2 (ja) | 痛み評価装置、痛み評価方法、及び痛み評価プログラム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191205 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201015 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201027 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201208 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210119 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210122 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6829611 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |