JP6829457B2 - 遠心抽出器 - Google Patents
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Description
●遠心抽出器1の試験装置構成について
比較検討において、いずれの遠心抽出器1としても、ロータ内径φ80mmのものを用い、従来の遠心抽出器1と、実施形態1乃至実施形態4の遠心抽出器1の5種類の試験装置を製作した。ノズル20からの洗浄液の吐出圧力は、基本的には0.3 MPa程度とした。
●供給液について
比較検討における試験液の組成等、基本的な条件は以下の通りとした。
a)堆積運転時供給液
堆積運転には、模擬スラッジSとしてアルミナ(メディアン径0.73 μm)を15 g/Lとした上で、分散剤として、カルボン酸型高分子界面活性剤(ポイズ521、花王製)を重量割合5%で純水中に加えた。
b)洗浄運転時供給液
洗浄運転においては、洗浄液として純水を用いた。
●スラッジ堆積処理について
スラッジ洗浄試験の前準備として、アルミナを含む供給液を遠心抽出器1で処理し、ロータ9内壁にスラッジSの堆積層を形成させた。スラッジSの初期堆積率は、ロータ内径φ80 mmの遠心抽出器で処理流量が85 %程度まで低下するスラッジ堆積率30 %を基本とした。ここでスラッジ堆積率はロータ9内の最大堆積量に対する割合として定義される。ロータ9の回転数及び供給液の流量は、限界粒子径が0.72 μmとなる3500 min-1、44 L/hとした。
●洗浄運転について
洗浄運転は洗浄効果が確認されている『滞留法』を一連の洗浄操作に組み入れた。図7は滞留法の概略を説明する図である。具体的には、図7に示すように、ハウジング10内に洗浄液を一定量供給し、内壁に掛かる遠心力を、スラッジの再堆積が生じない一定の値(1G:150 min-1)として1時間の洗浄運転を行った。
●手順について
ア) 試験装置
模擬スラッジ(アルミナ)を15 g/Lの濃度で純水に混濁させて供給液を調製した。また、凝集防止のため分散剤をアルミナ重量に対して5%の割合で添加した。試験開始前に供給液の濁度測定と粒度分布測定を行い、所定の濃度と粒度分布に相当することを確認した。
イ) スラッジ堆積処理
3500 min-1でロータ9を回転させた上で、上記供給液を1時間供給し、30 %の初期堆積率に相当する量のスラッジをロータ9内に堆積させた。スラッジ堆積処理では、約15分間隔で単位時間当たりの排出液量を測定し、目標流量から外れた場合にはポンプ出力を調整して所定の流量(=44 L/h)とした。
ウ) 洗浄運転
各ノズル20(滞留法のみ(従来例)の場合は水相供給管52)より、洗浄液をオーバーフローラインまで供給した後、ロータ回転数150 min-1にて滞留法による洗浄操作を1時間実施した。洗浄液供給時の流量は滞留法のみの場合、堆積運転時と同様の44 L/hとした。各ノズル20を用いた試験では、それぞれ0.3 MPaの吐出圧で洗浄液を供給した。
エ) 抜き出し
上記ウ)にて得られた洗浄液は、いずれも水平抜出方式により回収した。
●試験データの評価について
図8は試験データの評価法の概略を説明する図である。上記の手順にて回収した洗浄液中のスラッジに加えて、(1)ロータ内、(2)ロータ上部、(3)ボトム内からそれぞれ残留したスラッジを回収した。それぞれスラッジを回収した箇所を図8に示す。回収したスラッジ濃度と液量から液中のスラッジ含有量を求め、その合計量から洗浄率及び残留率を求めた。洗浄率については洗浄液中に含まれるスラッジの割合とし、その他(1)ロータ内、(2)ロータ上部、(3)ボトム内については残留率として評価した。
● 結果と検討
試験結果を図9に示す。第1実施形態に関してはロータ上部のみを狙った構造であることから、ノズル20使用によるロータ内の残留率低下には直接寄与しないが、これが生み出す二次的な洗浄液の流れによってロータ内の堆積スラッジが洗浄され、ロータ内の残留率の低下(洗浄率の上昇)に繋がっていると考えられる
第2実施形態、及び第3実施形態に関しては、第1実施形態よりもノズル20の吹出口が多い構造であるが、洗浄率自体は第1実施形態と同程度であった。ただし、第1実施形態に比べて第2実施形態ではボトム部の残留率が若干低下し、第3実施形態ではボトム部の残留率が増加した。なお、第3実施形態に関しては、ロータ上部の残留率が増加しているが、これは第3実施形態のノズル吹出口が多くなるために、吐出圧の上昇には洗浄液流量の増加が必要であり、結果として洗浄液の供給時間が短くなったためと考えられる。
5・・・洗浄液供給管
7・・・ロータリージョイント
9・・・ロータ
10・・・ハウジング
11・・・軸部流路
12・・・ロータ部流路
15・・・延長棹
16・・・延長棹部流路
20・・・ノズル
21・・・第1ギア
22・・・第2ギア
25・・・モータ軸
30・・・モータ
35・・・回転軸
40・・・軸受け部
45・・・ベアリング
51・・・有機相供給管
52・・・水相供給管
55・・・混合槽
57・・・流入孔
60・・・水相流出孔
63・・・水相流出路
65・・・水相排出管
72・・・分離孔
74・・・分離流路
80・・・有機相流出孔
83・・・有機相流出路
85・・・有機相排出管
Claims (6)
- ハウジングと、
回転軸によって前記ハウジング内に吊り下げられると共に、前記回転軸の回転に伴い回転するロータと、
前記ロータの周りに形成され、有機溶媒と抽出剤を供給する有機相供給管と、水溶液を供給する水相供給管と、が接続される混合槽と、
前記混合槽から前記ロータ内に流入した液体のうち、液体(重物質)を前記ハウジング外部へ流出させる水相排出管と、
前記混合槽から前記ロータ内に流入した液体のうち、液体(軽物質)を分離して前記ハウジング外部へ流出させる有機相排出管と、
前記回転軸芯に設けられる軸部流路と、
前記ロータ内に設けられ、前記軸部流路と連通するロータ部流路と、
前記ロータ部流路と連通するノズルと、
前記回転軸に配される第1ギアと、
前記第1ギアと噛合する第2ギアと、
前記第2ギアに回転駆動力を付与するモータと、を有することを特徴とする遠心抽出器。 - 前記ロータから延出する延長棹と、
前記延長棹内に設けられ、前記ロータ部流路と連通する延長棹部流路と、
前記延長棹部流路と連通するノズルと、を有することを特徴とする請求項1に記載の遠心抽出器。 - 前記延長棹部流路が連通するノズルを複数有することを特徴とする請求項2に記載の遠心抽出器。
- ハウジングと、
回転軸によって前記ハウジング内に吊り下げられると共に、前記回転軸の回転に伴い回転するロータと、
前記ロータの周りに形成され、有機溶媒と抽出剤を供給する有機相供給管と、水溶液を供給する水相供給管と、が接続される混合槽と、
前記混合槽から前記ロータ内に流入した液体のうち、液体(重物質)を前記ハウジング外部へ流出させる水相排出管と、
前記混合槽から前記ロータ内に流入した液体のうち、液体(軽物質)を分離して前記ハウジング外部へ流出させる有機相排出管と、
前記回転軸芯に設けられる軸部流路と、
前記ロータ内に設けられ、前記軸部流路と連通するロータ部流路と、
前記ロータから延出する延長棹と、
前記延長棹内に設けられ、前記ロータ部流路と連通する延長棹部流路と、
前記延長棹部流路と連通するノズルと、
前記回転軸に配される第1ギアと、
前記第1ギアと噛合する第2ギアと、
前記第2ギアに回転駆動力を付与するモータと、を有することを特徴とする遠心抽出器。 - 前記回転軸の端部に配されるロータリージョイントを有し、
前記ロータリージョイント内の流路と前記軸部流路とが連通することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の遠心抽出器。 - 前記ノズルが前記ロータに対して固着されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の遠心抽出器。
Priority Applications (1)
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JP2016162747A JP6829457B2 (ja) | 2016-08-23 | 2016-08-23 | 遠心抽出器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
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JP2018030066A JP2018030066A (ja) | 2018-03-01 |
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Family Applications (1)
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JP2016162747A Active JP6829457B2 (ja) | 2016-08-23 | 2016-08-23 | 遠心抽出器 |
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- 2016-08-23 JP JP2016162747A patent/JP6829457B2/ja active Active
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