JP6829347B1 - フライ油劣化判定装置及びフライ油劣化判定方法 - Google Patents

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Abstract

フライヤー内のフライ油の劣化度を簡単かつ正確に判定できるようにする。フライ油劣化判定装置41は、電気フライヤー14内のフライ油17で揚げた揚げ物19の種類及び種類別の揚げ個数を記録する記録部45と、揚げ物19の種類別に揚げ個数とフライ油17の劣化度との関係を示す相関データを保持する保持部46と、記録されている揚げ物19の種類及び種類別の揚げ個数と相関データとに基づいてフライ油17の劣化度を判定する判定部47と、を備える。

Description

本発明は、フライ油の劣化を判定する装置及び方法に関する。
揚げ物を調理、販売する店舗では、フライヤー内のフライ油の交換を適切に行う必要がある。フライヤー内のフライ油での揚げ物の揚げ個数の増大に連れて、フライ油の劣化が徐々に進行し、やがて廃油ポイント(廃油時期又は交換時期)に達するからである。その廃油ポイントは、フライ油の劣化に基づいて決定される。そこで、種々のフライ油の劣化判定方法が提案されている。
特許文献1のフライ油の劣化判定方法では、3−メチル−2,4−ノナンジオンを劣化指標に用いることにより、大豆由来の油脂を20〜100質量%含むフライ油の劣化を判定している。
特許文献2のフライ油の劣化判定方法では、判定用容器の本体の内面の所定高さの位置に、本体の内面の色とは異なる所定の色のマークを付けて置き、判定対象のフライ油を容器本体内に注ぎ、マークの色の見分けがつかなくなった時のフライ油の油面の高さからフライ油の劣化度を判定している。
特開2018−28459号公報 特開2009−25194号公報
特許文献1のフライ油劣化判定方法では、3−メチル−2,4−ノナンジオンの含有量を分析する必要があり、分析作業に時間と手間がかかる。
特許文献2のフライ油劣化判定方法では、フライ油の劣化指標として多数存在する中で、色だけの劣化の判定である。フライ油の使い方によっては、色は、廃油ポイントに達していなくても、別の劣化指標は、廃油ポイントにすでに達している可能性がある。したがって、フライ油の劣化度を正確に判定できない可能性がある。
本発明の目的は、フライヤー内のフライ油の劣化度を簡単かつ正確に判定できるようにしたフライ油劣化判定装置及び方法を提供することである。
本発明のフライ油劣化判定装置は、
フライヤー内のフライ油で揚げた揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数を記録する記録部と、
揚げ物の種類別に揚げ個数とフライ油の劣化度との関係を示す相関データを保持する保持部と、
前記記録部が記録した揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数と、前記相関データとに基づいて、前記フライヤー内のフライ油の劣化の度合いである劣化度を判定する判定部と、
を備える。
本発明によれば、揚げ物の種類別に揚げ個数とフライ油の劣化度との関係を示す相関データが保持される。そして、フライヤー内のフライ油で揚げた揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数が記録されて、記録された揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数と、相関データとに基づいてフライ油の劣化度を判定する。したがって、フライ油の分析を省略して、フライ油の劣化を簡単に判定できるとともに、揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数に応じて進行するフライ油の劣化度を正確に判定することができる。
好ましくは、本発明のフライ油劣化判定装置において、
前記相関データは、揚げ物の種類別に、フライ油の1又は2以上の劣化指標ごとに、前記劣化指標の値と揚げ個数との関係を示す劣化指標別データを含み、
前記判定部は、前記劣化指標別データに基づいて、前記フライヤー内のフライ油に関する前記劣化指標の値を評価するとともに、評価された該値に基づいて、該フライ油の劣化度を判定する。
この構成によれば、フライ油の劣化度を判定するために、1又は2以上の劣化指標で評価する。これにより、フライ油の劣化度についての判定精度を高めることができる。
好ましくは、本発明のフライ油劣化判定装置において、
前記判定部は、評価された前記フライヤー内のフライ油の前記劣化指標のいずれか1つの値が所定の閾値を超えていたときは、該フライ油の劣化度が所定の劣化度であると判定する。
この構成によれば、フライ油の劣化を、複数の劣化指標から評価して判定するので、フライ油の劣化を正確に判定することができる。また、複数の劣化指標のいずれか1つでも所定の閾値を超えていれば、フライ油の劣化度が所定の劣化度であると判定することにより、揚げ物を揚げるフライ油の品質を一定水準に保持することができる。
好ましくは、本発明のフライ油劣化判定装置において、
前記劣化指標には、フライ油について、酸価、粘度、粘度上昇率、色、アニシジン価、極性化合物量、ヨウ素価、発煙時の油温、揮発性成分量、揮発性成分組成及び風味、並びにフライ油で揚げた前記揚げ物について、揮発性成分量、揮発性成分組成及び風味のうちの少なくとも1つが含まれている。
フライ油についての酸価、粘度、粘度上昇率又は色は、フライ油の一般的分析として、劣化指標以外の種々の指標としても用いられている。したがって、劣化指標として、これら分析パラメータを採用するときは、比較的安価でかつ信頼性の高い機器を使用して、フライ油の劣化度を判定することができる。
劣化指標として、フライ油のアニシジン価、極性化合物量又はヨウ素価を選択するときは、基準油脂分析試験法に従って値を決めることができる。したがって、劣化指標として、これら分析パラメータを採用するときは、高精度でフライ油の劣化度を判定することができる。
劣化指標として、発煙時の油温を選択するときは、発煙は、外部から観察することができ、油温も一般的に使用されている温度センサー検出できる。したがって、劣化指標として、発煙時の油温を採用するときは、比較的安価でかつ簡単にフライ油の劣化度を判定することができる。
フライ油についての揮発性成分量、揮発成分組成及び風味、並びにフライ油で揚げた揚げ物についての揮発性成分量及び風味は、揚げ物の味に強く関係し、味は、人ごとに好みの差が大きい。したがって、劣化指標として、これら分析パラメータを採用するときは、調理人のこだわりを強く反映したフライ油の劣化度を判定することができる。
好ましくは、本発明のフライ油劣化判定装置は、
さらに、前記判定部により判定された前記フライヤー内のフライ油の劣化度に基づいて、該フライ油で揚げることを許可される揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数、又は前記フライヤー内の前記フライ油の残油の一部廃棄又は廃棄無しで前記フライヤー内に新油を付加する新油付加処理における廃棄量及び付加量を決定する決定部を備える。
フライ油で揚げる揚げ物の種類が特定の種類に偏ると、劣化指標の値の増大が、複数の劣化指標間で不均衡になることがある。この構成によれば、決定部が、フライ油で揚げることを許可する揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数を決定することにより、劣化指標の値の増大を、複数の劣化指標間で均衡化し、フライ油を長持ちさせることができる。
さらに、この構成によれば、新油付加処理について、残油の廃棄量及び、新油の付加量が決定される。フライヤーの全フライ油の交換処理とは別の処理である新油付加処理を行うことにより、フライ油の劣化度の進行を抑えつつ、フライ油の交換量を減らすことができる。
好ましくは、本発明のフライ油劣化判定装置は、
さらに、前記決定部による決定結果及び該決定結果に基づく前記新油付加処理の実施タイミングを報知する報知部を備える。
この構成によれば、判定部による判定結果及び/又は決定部による決定結果を遅滞なく報知することができる。
好ましくは、本発明のフライ油劣化判定装置において、
前記記録部は、前記フライ油で揚げられた揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数を、前記フライヤー内を撮像するカメラの出力画像、前記フライヤーの操作部に対する操作、前記フライ油で揚げた揚げ物の販売記録、及び調理者の調理作業記録の少なくとも1つに基づいて、認識して記録する。
この構成によれば、フライ油で揚げた揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数を、支障なく検出することができる。
本発明のフライ油劣化判定方法は、
記録部が、フライヤー内のフライ油で揚げた揚げ物の種類と種類別の揚げ個数とを記録する記録ステップと、
判定部が、記録された揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数と、揚げ物の種類別に揚げ個数とフライ油の劣化度との関係を示す相関データとに基づいて、前記フライヤー内のフライ油の劣化の度合いである劣化度を判定する判定ステップと、
を含む。
本発明によれば、劣化度を簡単かつ正確に判定することができる。
顧客に販売する揚げ物を調理する調理場を示す図である。 フライ油劣化判定装置が組み込まれたネットワークシステムの模式図である。 フライ油劣化判定装置の機能ブロック図である。 フライ油の酸価についての劣化特性の一例を模式的に示すグラフである。 フライ油の粘度についての劣化特性の一例を模式的に示すグラフである。 フライ油の色についての劣化特性の一例を模式的に示すグラフである。 酸価がフライ油の使用開始から揚げ物の揚げ回数の増大に連れて、増大していくことを示すグラフである。 回帰式を適用して廃油ポイント(フライ油の交換時期)を決定する説明グラフである。 回帰式を適用してフライ油を廃油にするまでに揚げ可能な揚げ個数を揚げ物の種類別に決定するときの説明グラフである。 フライ油劣化判定方法のフローチャートである。 フライ油の加熱継続時間とフライ油17の酸価との関係を示すグラフである。 店舗の営業時間中の時刻とフライヤーの油槽のフライ油の温度との一般的な関係を示している。 フライ油が160℃以上である累積時間と劣化(特に酸価)との関係を示すグラフである。 油槽内のフライ油について酸価と使用時間との関係が追加油の回転率Rでどのように変化するかを示したグラフである。
以下に、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、実質的に同一又は等価な要素及び部分については、共通の参照符号を使用している。また、同一の構成を有する一組の要素については、数字が同一で、添字のアルファベットのみが異なる参照符号を使用している(例:ボタンスイッチ23a,23b,・・・)。さらに、一組の各要素を総称するときは、添え字の部分を省略した参照符号を使用する(例:ボタンスイッチ23)。
(調理場)
図1は、顧客に販売する揚げ物19を調理する調理場10を示す図である。調理場10は、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗32内に設けられており、電気フライヤー14が設置されている。
電気フライヤー14は、油槽15と、油槽15を収容するハウジング16とを有する。油槽15は、上側が開放され、ハウジング16の上部に設けられる。フライ油17は、油槽15内に所定の高さになるまで張られる。揚げ物19は、柄22付きのフライバスケット21内に投入されてから、油槽15内の加熱状態のフライ油17内に漬けられる。
フライバスケット21内に一緒に投入されて、かつフライ油17に一緒に漬ける揚げ物19の種類(例:チキン(鶏の唐揚げ)、ポテト及びコロッケ)は、通常は同一とされることが多い。すなわち、フライ油17の漬け時間(揚げ時間)は、揚げ物19の種類ごとに相違しており、異種の揚げ物19は、漬け時間が異なるので、同時に揚げることが難しいからである。
複数のボタンスイッチ23a,23b,・・・,23iが、揚げ物19の種類別に、ハウジング16の外面に設けられており、揚げ物19に対応するボタンスイッチを押すと、その揚げ物19に適した漬け時間が経過した後に、電気フライヤー14からブザー音が一定時間鳴り、フライバスケット21が自動的に油槽15から上昇するようになっている。又は、ブザー音が電気フライヤー14の不図示のスピーカから出力されるか、壁26のディスプレイ25に揚げが終了したことが表示されるようになっている。
なお、揚げ物19の種類別に、フライ油17の温度を調整するスイッチが設けられていてもよい。ただし、フライ油17の温度は、揚げ物19の種類によってそれほど変わらないことが多いので、特定の温度に設定できるようになっているだけでもよい。
カメラ29は、天井又は壁26に取り付けられている。カメラ29は、ビデオカメラ及びスチルカメラのどちらでもよく、電気フライヤー14の油槽15内の状態を連続して又は一定時間間隔で撮影する。カメラ29の出力画像からは、フライバスケット21内の揚げ物19の種類や個数等が検出可能である。
調理を行う際には、まず、調理場10の調理者(図示せず)は、揚げ物19をフライバスケット21内に入れた後、フライバスケット21内の揚げ物19がフライ油17に漬かるように、フライバスケット21を油槽15の周壁の上端に掛ける。それと同時又は前後して、調理者は、今回、揚げ調理する揚げ物19の種類に対応する1つのボタンスイッチ23を押下する。
電気フライヤー14は、調理者により操作されたボタンスイッチ23を判別し、操作されたボタンスイッチ23に対応付けられた揚げ時間が経過すると、前述したように、電気フライヤー14からブザー音が一定時間鳴り、フライバスケット21が自動的に油槽15から上昇するようになっている。又は、電気フライヤー14の不図示のスピーカからブザー音を出力するか、壁26のディスプレイ25に揚げが終了したことを表示する。
それによって作業者は、フライが終了したことを感知し、フライバスケット21を引き上げて揚げ物19を油槽15から取出す。なお、フライバスケット21の上げ下げは、駆動機構を設けて、自動的に行うようにすることもできる。
(ネットワーク)
図2は、フライ油劣化判定装置41が組み込まれたネットワークシステムの模式図である。本部37は、例えばコンビニエンスチェーンや、スーパーのチェーンに属する複数の店舗32a,32b,・・・,32jを統括し、管理サーバ40を自己の管理下に有する。
管理サーバ40は、インターネット36を介して各店舗32の情報機器や遠隔制御器と通信を行う。管理サーバ40は、フライ油劣化判定装置41を実装し、データベース42に接続されている。データベース42は、管理サーバ40の記憶装置としての役割も果たし、データベース以外の情報も適宜、記憶可能になっている。
管理サーバ40は、フライ油劣化判定装置41以外のコンピュータソフトウェアとして売り上げ管理(例:POSシステム)等も実行する。管理サーバ40は、種々のコンピュータソフトウェアの実行主体として、基本的なハードウェア(例:CPU、ROM、RAM及びI/F(インターフェース)など)はすべて備える周知の構造である。
(フライ油劣化判定装置)
図3は、フライ油劣化判定装置41の機能ブロック図である。フライ油劣化判定装置41は、記録部45、保持部46、判定部47、決定部48及び報知部49を備えている。フライ油劣化判定装置41が実行する処理の詳細については、図8を参照して後述する。
(劣化指標)
図4A−図4Cは、それぞれフライ油の劣化を判定する際に使用する劣化指標の一例を模式的に示すグラフである。図4A−図4Cにおいて、縦軸は、揚げ物19の揚げ個数であり、横軸は、それぞれフライ油17の劣化指標としての酸価、粘度及び色の値である。
図4A−図4Cにおいて、Uoは、油槽15のフライ油17を古いものから新しいものに交換して、油槽15内の交換後のフライ油17を使用開始する時に対応する座標である。
図4Cの色では、フライ油17の色を基準油脂分析試験法2.2.1.1−2013で測定されるY+10Rを模式的に示している。
図4Aの酸価では、フライ油17の酸価を基準油脂分析法2.3.1−2013で測定される値を模式的に示している。なお、フライ油17の酸価は、2.5を上回ると、油槽15のフライ油17は、廃油されて、新しいフライ油17に交換される。
図4Bの粘度は、フライ油17の粘度を市販の粘度計、例えばE型粘度計(TVE−25H・東機産業社製)で測定される値を模式的に示している。
なお、フライ油17の劣化指標として、粘度上昇率を選択することもできる。粘度上昇率の一般的な定義では、油槽15のフライ油17を古いものから新しいものに交換し、交換後のフライ油17で揚げ物19を初めて揚げる前の粘度(使用開始時の粘度)の測定値をVsとする。そして、その後、該フライ油17を使って揚げ物19を繰り返し揚げていくに連れて、該フライ油17の劣化が進行して、フライ油17の粘度は上昇していく。使用開始してからの粘度の測定時の測定値をVtとする。粘度上昇率は、Vsに対する粘度の上昇量(=Vt−Vs)の比率として定義される。
アニシジン価は、基準油脂分析法2.5.3−2013で測定することができる。
極性化合物量は、基準油脂分析法2.5.5−2013、及びそれに基づく市販の極性化合物測定装置(株式会社テストー製など)で測定することができる。
図4A−図4Cでは、揚げ物19の種類の例として、チキン(点線)、ポテト(1点鎖線)及びコロッケ(破線)の3種類が選択されている。なお、チキンやポテトの揚げた量は、揚げ個数よりも揚げ重量で計量した方が便利となることがあるが、図4A−図4Cでは、揚げ重量で計量したときは、揚げ重量に対応する揚げ個数に換算している。
図4A−図4Cから、揚げ物19間で同じ個数をフライ油17で揚げても、劣化指標の値の増大量が相違することが分かる。
図4A−図4Cの揚げ物19の種類別の特性データは、揚げ物19の種類別に揚げ個数とフライ油の劣化度との関係を示す劣化指標別の相関データとして、保持部46がデータベース42に保持する。判定部47は、これらの劣化指標別の相関データを参照して、劣化指標別の劣化指標の値を評価し、評価した値に基づいてフライ油17の総合的な劣化度を判定する。
図5は、劣化指標の1つとしての酸価が、フライ油17の使用開始(図4AのUo)から揚げ物19の揚げ回数の増大に連れて、増大していくことを示すグラフである。図5において、横軸は、フライ油17の使用開始時間Stからの経過時間を示す。
図5では、フライ油17の使用中、一定時間間隔で、酸価の値を棒の高さで示している。また、各棒には、各時点で酸価に寄与した揚げ物19の種類を示している。時間に応じて売れ筋の揚げ物19の種類が変更することがあるので、各時点に棒における揚げ物19の種類の比率は、経過時間ごとに相違している。
図5からも明らかなように、一般に、油槽15内のフライ油17が新しいフライ油17に交換されてから、揚げ物19の揚げ個数の増大に連れて、フライ油17の劣化が進んでいく。そのため、例えば、フライ油17が酸価の上限に達した時が、フライ油17の交換の時期になる。
ここで、フライ油17の交換時期(廃油ポイント)を決めるための手法の一例について説明する。この手法においては、まず、劣化指標の値を算出する回帰式が設定される。次の式(1)は、酸価Pの値を算出する回帰式である。実際の適用では、回帰式は、酸価以外の粘度等の劣化指標ごとに設定され、劣化指標ごとに算出された値が評価される。
式(1):P=a・X+b・Y+c・Z+d
式(1)において、X,Y,Zは、それぞれチキン、ポテト及びコロッケの揚げ個数である。a,b,cは、それぞれチキン、ポテト及びコロッケの揚げ物1個当たりの上昇する酸価である。dは、補正量である。a〜dは、試験を行って決められる。a〜dは、全部の店舗32の電気フライヤー14に適用せず、電気フライヤー14の存在する地域ごとに設定したり、季節に応じて変更したりすることも可能である。
式(1)の回帰式は、単回帰式の一例として示している。酸価等の劣化指標の値を算出する回帰式は、式(1)の単回帰式以外に、適用状況に応じて回帰式中の変数X,Y,Zの全部又は一部を2次元とする重回帰式を適宜適用することもできる。
図6は、式(1)の回帰式を適用して廃油ポイント(フライ油17の交換時期)を決定する説明グラフである。フライ油17の使用開始後のある時点での揚げ物19の種類別の揚げ個数は、それぞれチキンは4kg、ポテトは10kg、コロッケは400個になっている。そして、これらの揚げ個数に対応する酸価の値は、それぞれチキンは1.0(a=0.25/kg)、ポテトは1.8(b=0.18/kg)、コロッケは2.0(c=0.005/個)になる。そうすると、フライ油17の初期の酸価、すなわちd=0のとき、チキンを2kg、ポテトを10kg、コロッケを40個揚げた場合、これらの値を回帰式の式(1)に代入すると、P=2.5になる。ここでは、P=2.5は、フライ油17の廃油ポイントに設定する。
図7は、回帰式を適用してフライ油17を廃油にするまでに揚げ可能な揚げ個数を揚げ物19の種類別に決定するときの説明グラフである。
フライ油17の廃油ポイントを2.5に設定している場合で説明する。P=2.5になるときのチキン、ポテト、コロッケの揚げ個数(量)は、既知とする。既知の揚げ個数(量)として、例えば、チキン20kg(a=0.025/kg)、ポテト10kg(b=0.18/kg)、コロッケ400個(c=0.005/kg)を想定する。ある時点での酸価予測値は1.5であり、かつその時点での揚げ個数は、チキンは2kg、ポテトは5kg、コロッケは110個揚げていたと、想定する。その場合、前述の既知数(チキン20kg、ポテト10kg及びコロッケ400個)からそれぞれの揚げ個数を引くと、同じフライ油17を使って、廃油ポイントまでに揚げることのできる揚げ個数は、それぞれチキン18kg、ポテト5kg及びコロッケ290個となることが分かる。
(その他の劣化指標)
電気フライヤー14内のフライ油17のその他の劣化指標として、さらに、フライ油17について、ヨウ素価、発煙時の油温、揮発性成分量及び揮発成分組成がある。さらに、電気フライヤー14のフライ油17で揚げた揚げ物19の風味を劣化指標にすることもできる。劣化指標の実際の測定では、これらの劣化指標のうちの少なくとも1つが選択される。その他の劣化指標について、以下に詳しく説明する。
劣化指標としてのヨウ素価は、基準油脂分析試験法2.3.4.1−1996 に従って測定することができる。ヨウ素価は、二重結合の数の大小を示す数値で、油脂が酸化することにより、二重結合に酸素が結合することが予測されるので、ヨウ素価が変化することが考えられる。
劣化指標としての油槽15のフライ油17からの発煙時の油温を選択することができる。揚げ物19を揚げている時の通常の油温は、170〜190℃であり、この油温では、発煙しない。しかしながら、フライ油17の劣化が進むに連れて、発煙時の油温が下降し、この油温でも発煙が生じることになる。発煙は、油槽15のフライ油17からの発煙は、カメラ29により監視可能であるが、油槽15の近傍に別途専用の監視カメラを配備することもできる。発煙時の油温が170℃未満であるときは、油槽15のフライ油17は、全量廃油して、新しいフライ油17と交換される。
フライ油17自体やフライ油17で揚げた揚げ物19からの揮発性成分は、揚げ物やフライ油から揮発してくる成分(におい成分)であって、フライ油の劣化により成分量や組成が変化する。この揮発性成分は、ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)や、においセンサーなどで測定可能である。
フライ油17で揚げた揚げ物19の風味は、官能評価(実際に人が食べて評価する方法)や、味覚センサーなどで測定可能である。フライ油17の劣化が進行すると、劣化の進行したフライ油17を使って揚げた揚げ物19の美味しさは、当然に、低下する。このように、フライ油の劣化指標には、化学的な劣化指標のみならず、美味しさの観点による劣化指標も含むことができる。
さらに、フライ油17のカルボニル価も、フライ油17の劣化指標として選択可能である。フライ油17は、酸化すると、最初に、過酸化物を生成する。その後、その過酸化物は、分解し、カルボルニル基を含む二次生成物を生成する。したがって、フライ油17のカルボニル価からフライ油17の劣化度を分析することできる。カルボニル価が50を上回ると、油槽15のフライ油17は、全量廃油して、新しいフライ油17と交換される。
(各劣化指標の利点)
フライ油17についての酸価、粘度、粘度上昇率又は色は、フライ油17の一般的分析として、劣化指標以外の種々の指標としても用いられている。したがって、劣化指標として、これら分析パラメータを採用するときは、比較的安価でかつ信頼性の高い機器を使用して、フライ油17の劣化度を判定することができる。
劣化指標として、フライ油17のアニシジン価、極性化合物量又はヨウ素価を選択するときは、基準油脂分析試験法に従って値を決めることができる。したがって、劣化指標として、これら分析パラメータを採用するときは、高精度でフライ油17の劣化度を判定することができる。
劣化指標として、発煙時の油温を選択するときは、発煙は、外部から観察することができ、油温も一般的に使用されている温度センサー検出できる。したがって、劣化指標として、発煙時の油温を採用するときは、比較的安価でかつ簡単にフライ油17の劣化度を判定することができる。
フライ油17についての揮発性成分量、揮発性成分組成及び風味、並びにフライ油17で揚げた揚げ物についての揮発性成分量、揮発性成分組成及び風味は、揚げ物の味に強く関係し、味は、人ごとに好みの差が大きい。したがって、劣化指標として、これら分析パラメータを採用するときは、調理人のこだわりを強く反映したフライ油17の劣化度を判定することができる。
(劣化判定方法)
次に、図8を参照して、フライ油17の交換時期を決定するために、フライ油劣化判定装置41が実行するフライ油劣化判定方法について説明する。図8は、フライ油劣化判定方法のフローチャートである。
STEP101では、記録部45は、電気フライヤー14において揚げ物19の揚げ調理が開始されたか否かを判定する。記録部45は、カメラ29の画像又は調理者によるボタンスイッチ23の操作に基づいて、揚げ物19の揚げ調理が開始されたか否かを判定することができる。
記録部45は、STEP101の判定が否定的であった場合には、STEP101の処理を一定時間後、再度実行する。
記録部45は、STEP101の判定が肯定的になりしだい、処理をSTEP102に進める。
STEP102では、記録部45は、電気フライヤー14内で揚げ調理中の揚げ物19の種類及び個数を検出する。電気フライヤー14内で揚げ調理中である揚げ物19の種類及び個数は、例えば、カメラ29の画像から検出することができる。
また、電気フライヤー14内で揚げ調理されている揚げ物19の種類及び個数は、調理者が電気フライヤー14のどのボタンスイッチ23を操作したかを検出することによっても、検出可能である。なぜならば、通常、1回の揚げ調理では、フライバスケット21内の揚げ物19は、同一の種類(例:チキン、ポテト又はコロッケ)の揚げ物19が常に等しい個数、入れるようになっているからである。
なお、フライバスケット21の内容物の量を個数でなく、重量で測るときは、記録部45は、測定した重量を個数に換算して、該個数を揚げ個数として記録することができる。
STEP103では、記録部45は、電気フライヤー14において揚げ物19の揚げ調理が終了したか否かを判定する。電気フライヤー14における揚げ物19の揚げ調理が終了したか否かは、カメラ29の画像に基づいて判定することができる。
また、電気フライヤー14における揚げ物19の揚げ調理が終了すると、電気フライヤー14からブザー音が一定時間鳴り、フライバスケット21が自動的に油槽15から上昇するようになっている。又は調理者が柄22を油槽15から取り出すまで、鳴るようにしてもよい。したがって、記録部45は、ブザー音の発生から電気フライヤー14における揚げ物19の揚げ調理の終了を検出することもできる。
なお、記録部45は、STEP102からSTEP103へ処理を移行する前に、記憶装置としてのデータベース42の記録数(揚げ物19の揚げ個数)の更新を行う。具体的には、STEP102で検出した揚げ物19の種類についてデータベース42に記録されている記録数を、更新前の値にSTEP102で検出した揚げ物19の個数を加算した加算値に更新する。
記録部45は、STEP103の判定が否定的であった場合には、STEP103の処理を一定時間後、再度実行する。
記録部45は、STEP103の判定が肯定的になりしだい、処理をSTEP104に進める。
STEP104では、判定部47は、フライ油17の劣化の度合いである劣化度を更新する。なお、フライ油17の劣化度は、油槽15内のフライ油17が新しいフライ油17に交換されるごとに、使用開始時の劣化無しの劣化度に対応する初期値にセットされる。初期値への劣化度のセットは、所定の割り込み信号により実施される。
STEP105では、決定部48は、電気フライヤー14のフライ油17について調理担当者の処理が必要か否かを判定する。フライ油17の処理には、電気フライヤー14のフライ油17を全部新しいフライ油17に交換する全油交換処理と、新油付加処理とがある。
決定部48は、全油交換処理及び新油付加処理のどちらを実施すべきかや、新油付加処理を実施する場合には廃油量及び付加量をどうするかは、種々の状況(例:種々のデータから予測した揚げ物19の種類別の将来の予測売上個数、フライ油17の現在の劣化度、及び劣化度の進行度。)に基づいて判断する。
新油付加処理については、図9以降で後述する。ここでは、全油交換処理について説明する。決定部48は、フライ油17の全油交換処理を決定するときは、電気フライヤー14のフライ油17が廃油時期(廃油ポイント)になったか否かに基づいて判定する。
具体的には、例えば、決定部48は、判定部47が図4A−図4Cの劣化指標別データを参照して、劣化指標別に判定したフライ油17の劣化度から廃油時期を決定することができる。その場合、決定部48は、複数設定されている劣化指標のうちの1つでも、劣化の上限に達したと、判定部47が評価した時、廃油ポイントになったと決定する。
決定部48は、例えば、判定部47が式(1)を用いて算出した酸価Pが、廃油ポイントに達した時を廃油時期と決定することができる。
決定部48は、STEP105の判定が肯定的であるときは、処理をSTEP106に進める。また、否定的であるときは、処理をSTEP101に戻す。
STEP106では、報知部49は、各種報知を行う。各種報知には、例えば、判定部47による判定結果、決定部48による決定結果、及び該決定結果に基づく新油付加処理の実施タイミングが含まれる。具体的な報知の仕方は、ディスプレイ25(図1)でその旨を表示すること、ディスプレイ25の内蔵のスピーカを使って、音声やブザー音を出力することが含まれる。
図8のフライ油劣化判定方法の処理は、STEP106の終了しだい、終了する。報知部49の具体的な報知内容については、次の新油付加処理を説明してから、述べる。
(新油付加処理)
STEP106,107に関連する新油付加処理について説明する。全油交換処理が、電気フライヤー14のフライ油17を全量、新しいフライ油17に交換するのに対し、新油付加処理は、電気フライヤー14の古いフライ油17を残しつつ、新しいフライ油17を電気フライヤー14に付加する処理(以下、適宜「追加油」という。)である。
追加油とは、油槽15のフライ油17を全量、新しいフライ油17に交換するのではなく、油槽15内に古いフライ油17を残したまま、新しいフライ油17を油槽15に量Wn、追加することを意味するものとする。なお、新しいフライ油17を油槽15に量Wn、追加するに当たり、古いフライ油17は油槽15から量Wo廃棄する。通常は、量Wo=量Wnかつ量W>0であるが、量Wo<量Wnや量Wo=量Wnであるときも、追加油に含める。
図9−図12を参照して、追加油の意義について説明する。図9は、フライ油17の加熱継続時間とフライ油17の酸価との関係を示すグラフである。フライ油17を等温度に維持しつつ、フライ油17の酸価が加熱継続時間(0時間−12時間)に対してどのように変化しているかを示している。加熱温度が120℃であるときは、加熱継続時間が増大しても、酸価は不変であるのに対し、加熱温度が170℃であるときは、加熱継続時間の増大に連れて、酸価が増大していることが分かる。
電気フライヤー14における揚げ物19の調理は、典型的には、油槽15内のフライ油17を170℃に維持して、行われる。図10は、店舗32の営業時間中の時刻と電気フライヤー14の油槽15のフライ油17の温度との一般的な関係を示している。揚げ物19は、店舗32の営業時間中、常時、電気フライヤー14で調理されているのではなく、断続的に行われる。電気フライヤー14で揚げ物19を調理している期間では、油槽15のフライ油17の温度は、160℃以上であると、判断される。したがって、油槽15のフライ油17の温度が160℃未満である期間は、除外期間Teとして、次の図11の累積時間から除外される。
図11は、フライ油17が160℃以上である累積時間と劣化(特に酸価)との関係を示すグラフである。酸価と累積時間は比例関係にあることが分かる。
図12は、油槽15内のフライ油17について酸価と使用時間との関係が追加油の回転率Rでどのように変化するかを示したグラフである。なお、回転率Rは次の式(1)で定義する。
R(%/h)={設定時間内の追加油の合計量(リットル)/張り込み油量(リットル)}÷設定時間(h)×100%・・・(1)
式(1)において張り込み油量は、油槽15の容積である。例えば、張り込み油量を20リットル、設定時間を8時間、該8時間内の追加油の合計量が10リットルであるときは、式(1)から回転率Rは次のように計算される。R(%/h)={10(リットル)/20(リットル)}÷8(h)×100%=6.25%/h・・・(2)
一方、廃油の合計量は、10リットルとなる。なお、式(1)での追加油は、新規なフライ油17の各追加では、追加量と同量の古いフライ油17を廃油している。
毎日、張り込み油量の10%を追加油の実施のために、廃油すると、1月(=30日)で合計300%の廃油が生じることになる。また、5日に1回、全量(100%)廃油することにすると、1月で600%の廃油が生じることになる。
図12から回転率Rが大きいほど、油槽15のフライ油17の酸価が抑えられることになる。しかしながら、回転率Rが大きいほど、廃油の量(フライ油17の購入量)も増える。また、酸価が廃油レベルLdに達したときは、油槽15のフライ油17を全量、新規なフライ油17と交換する必要がある。油槽15の清掃は、フライ油17の全量交換の時しか実施困難である。回転率R≒10%であるときは、酸価については、廃油レベルLdに達しないので、フライ油17の全量交換をしなくても済ませるものの、油槽15の清掃のために、定期的に実施したほうが好ましい。
したがって、例えば、最初は、回転率R≒10%/hで追加油を実施し、そろそろフライ油17の清掃する必要が生じたり、フライ油17の清掃作業を実施する日に近づいてきたら、回転率R≒5又は0にすることが効率的である。または、揚げ物19の売れ行きが良い繁忙期は、回転率R≒10%で、追加油を実施し、有閑期は、回転率R≒5又は0にすることが効果的である。
新油付加処理に関連するSTEP108の報知の具体的内容として、「油槽15から○○%(○○kg)廃油(抜き油)して、新しいフライ油17を○○kg付加してください」などがある。これにより、電気フライヤー14におけるフライ油17の劣化度の進行を抑えつつ、フライ油17の使用量の削減(油を長持ちさせる)や、廃油量の削減につなげることができる。
(変形例)
本発明のフライヤーは、揚げ物をフライ油で揚げる調理容器であるなら、何でもよい。実施形態では、電気フライヤー14が用いられているが、ガスで加熱されるフライヤーや鍋等を本発明のフライヤーとすることもできる。
実施形態の電気フライヤー14は、操作部がボタン式であるが、例えば、種類ごとに回転位置が設定されているダイヤル式や、種類ごとに配置されるレバー式であってもよい。
実施形態を説明する図4A−図4Cでは、フライ油劣化に影響する劣化指標の例として酸価、粘度及び色の3つについて特性を示している。本発明の劣化指標は、それらに限定されず、フライ油劣化に影響を与えるその他の劣化指標を任意に選ぶことができる。その他の劣化指標としては、例えば、粘度上昇率、アニシジン価や極性化合物量が挙げられる。なお、フライ油の劣化度を判定する際の指標とする劣化指標には、複数の劣化指標から1又は2以上が含まれるようにされる。
実施形態では、記録部45は、フライ油17で揚げられた揚げ物19の種類及び種類別の揚げ個数を、電気フライヤー14内を撮像するカメラ29の出力画像や調理者がフライバスケット21を電気フライヤー14にセットした時、どの操作部としてのどのボタンスイッチ23を操作したかに基づいて記録している。
しかしながら、電気フライヤー14が設置されている店舗32から本部37へ送信される、揚げ物19についての販売記録(hPOS)から検出することもできる。該販売記録には、POSの情報、調理者による調理作業記録の情報を含めることができる。さらに、調理者等のスタッフによる調理作業記録等の記録は、手書きであってもよい。
図1の例では、判定部47の判定結果に基づくディスプレイ25に「フライ油を交換してください。」と表示している。本発明では、判定部47及び/又は決定部48が所望の表示をディスプレイ25に行うことができる。
例えば、決定部48の決定結果に基づくディスプレイ25の表示例として「残りの揚げ個数は〇個です。」及び「フライ油の発注時期です。」がある。ディスプレイ25には、その他、フライ油の管理や調理に関する情報を適宜かつ種々に表示することができる。
さらに、判定部47がディスプレイ25に表示する「フライ油を交換してください。」は、所定時間経過したら消去する表示ではなく、店員がフライ油を交換するまで、継続する表示にすることができる。そして、ディスプレイ25に「フライ油を交換してください。」が表示されてから、別の所定時間経過後も、フライ油の交換がなされたなったときは、電気フライヤー14の使用を強制的に停止するように制御することもできる。
実施形態では、フライ油劣化判定装置41は、コンピュータソフトウェアとして本部37の管理サーバ40に実装されている。本発明のフライ油劣化判定装置は、店舗32に配備される情報処理機器(図示せず)に実装して、本部37の管理サーバ40から切り離して、単独で作動するようにしてもよい。
実施形態では、交換時期(廃油ポイント)を決めるときに例えば式(1)の回帰式を用いたり、揚げ物19の種類別の劣化度と劣化指標の値との相関関係を決めるときに試験や実験又は経験則から求めた図4A−図4Cの特性グラフを用いている。なお、交換時期を決めるときに用いる回帰式の回帰は、単回帰及び重回帰のどちらでもよい。また、このような回帰式や特性については、AI(artificial intelligence:人工知能)、機械学習、サポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)、バギング、ブースティング、アダブースト、決定木、ランダムフォレスト、ロジスティック回帰、ニューラルネットワーク、ディープラーニング、ディープラーニングの中でも畳み込みニューラルネットワーク(Convolurional Neural Network(CNN)、Recurrent Neural Network(RNN))、LSTM(Long Short−Term Memory)などで探索し、探索結果を回帰式や特性として用いることができる。
14・・・電気フライヤー(フライヤー)、17・・・フライ油、19・・・揚げ物、29・・・カメラ、41・・・フライ油劣化判定装置、42・・・データベース、45・・・記録部、46・・・保持部、47・・・判定部、48・・・決定部、49・・・報知部。

Claims (9)

  1. フライヤー内のフライ油で揚げた揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数を記録する記録部と、
    揚げ物の種類別に揚げ個数とフライ油の劣化度との関係を示す相関データを保持する保持部と、
    前記記録部が記録した揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数と、前記相関データとに基づいて、前記フライヤー内のフライ油の劣化の度合いである劣化度を判定する判定部と、
    を備えることを特徴とするフライ油劣化判定装置。
  2. 前記相関データは、揚げ物の種類別に、フライ油の1又は2以上の劣化指標ごとに、前記劣化指標の値と揚げ個数との関係を示す劣化指標別データを含み、
    前記判定部は、前記劣化指標別データに基づいて、前記フライヤー内のフライ油に関する前記劣化指標の値を評価するとともに、評価された該値に基づいて、該フライ油の劣化度を判定することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記判定部は、評価された前記フライヤー内のフライ油の前記劣化指標のいずれか1つの値が所定の閾値を超えていたときは、該フライ油の劣化度が所定の劣化度であると判定することを特徴とする請求項2に記載の装置。
  4. 前記劣化指標には、フライ油について、酸価、粘度、粘度上昇率、色、アニシジン価、極性化合物量、ヨウ素価、発煙時の油温、揮発性成分量、揮発成分組成及び風味、並びにフライ油で揚げた前記揚げ物について、揮発性成分量及び風味のうちの少なくとも1つ含まれていることを特徴とする請求項2又は3に記載の装置。
  5. さらに、前記判定部により判定された前記フライヤー内のフライ油の劣化度に基づいて、該フライ油で揚げることを許可される揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数、又は前記フライヤー内の前記フライ油の残油の一部廃棄又は廃棄無しで前記フライヤー内に新油を付加する新油付加処理における廃棄量及び付加量を決定する決定部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
  6. さらに、前記決定部による決定結果及び該決定結果に基づく前記新油付加処理の実施タイミングを報知する報知部を備えることを特徴とする請求項5に記載の装置。
  7. さらに、前記判定部による判定結果を報知する報知部を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
  8. 前記記録部は、前記フライ油で揚げられた揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数を、前記フライヤー内を撮像するカメラの出力画像、前記フライヤーの操作部に対する操作、前記フライ油で揚げた揚げ物の販売記録、及び調理者の調理作業記録の少なくとも1つに基づいて、認識して記録することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 記録部が、フライヤー内のフライ油で揚げた揚げ物の種類と種類別の揚げ個数とを記録する記録ステップと、
    判定部が、記録された揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数と、揚げ物の種類別に揚げ個数とフライ油の劣化度との関係を示す相関データとに基づいて、前記フライヤー内のフライ油の劣化の度合いである劣化度を判定する判定ステップと、
    を含むことを特徴とするフライ油劣化判定方法。
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