JP6828617B2 - 安水の水面高さ測定方法 - Google Patents
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Description
コークス炉ガスは、分岐流路において安水から分離され、コークス炉ガス精製設備へ送給される。一方、タール等を含む安水は、前記流路の下流に配置されているタールデカンタにおいて、比重差によって安水層とタール等を含むタール層に分離される。タール層から高い濃度で採取されたタールはタール精製設備に送給され、安水層から採取された安水はコークス炉ガスを冷却するため循環再利用される。
また、特許文献2には、安水層と安水/タールエマルジョン層の界面レベルを検出する界面センサーを安水中に浸漬させて設置し、且つ界面センサーの検出面に安水を噴出するスプレーノズルを設ける発明が開示されている。
流速が0.1m/秒以上である前記安水にパイプを浸漬して該パイプに流速0.5m/秒以上の測定用ガスを吹き込み、前記測定用ガスの吹込み圧力を測定すると共に、
前記安水の水面を覆うガス雰囲気を遮蔽する遮蔽壁に開口部を設けて該開口部に付着物遮断部材を配置し、前記ガス雰囲気の静圧を前記開口部を介して測定し、
前記測定用ガスの吹込み圧力と前記ガス雰囲気の静圧との差圧を求め、前記差圧より前記安水の水面高さを決定することを特徴としている。
安水の流速と測定用ガス吹込み速度が上記条件を満たせば、誤検知の原因となるパイプ開口部周辺へのタール等の付着は見られなくなる。
またこれに伴い、タール発生量、安水流入量を考慮することにより、安水層とタール層あるいは安水/タールエマルジョン層の界面高さ位置を高い精度で推定することが可能となる。
コークス炉10に装入した石炭を乾留する際に発生するコークス炉ガスは、コークス炉10上部に設置された上昇管11のベンド部12において散布される安水により冷却、洗浄された後、ドライメン13からコークス炉ガス回収配管14を介して搬送され、コークス炉ガス回収配管14の水平部の途中に設けられた分岐配管15からコークス炉ガス精製設備(図示省略)へ送給される。一方、コークス炉ガスを冷却、洗浄した安水は、コークス炉ガス回収配管14の下流に設けられた鉛直配管(安水供給管)を介してタールデカンタ16内に流入する。
第1の実施の形態では、タールデカンタ16内における安水18の水面高さを測定する方法について説明する(図2参照)。
タールデカンタ16では、底部にタール20、上部に安水18が溜まるが、安水18は再循環され、タール20は精製設備へ送られるため、安水18及びタール20はタールデカンタ16内で低速で移動している。安水面より上部は密閉空間(コークス炉ガスを含むガスの漏洩防止を施した空間)とされ、ガス流が生じるガス雰囲気21とされている。
パイプ22の後部(上部)には、測定用ガスを吹き込むためのガス配管22aが接続されており、流速0.5m/秒以上の測定用ガスがパイプ22に吹き込まれる。
また、遮蔽壁23に開口部25を形成し、円筒状の付着物遮断部材27を開口部25からガス雰囲気21中に挿入する。
安水18の流速が0.1m/秒以上である箇所は、タールデカンタ16内における安水供給箇所近傍(例えば、安水供給管の出口を中心とする半径50cm以内の領域)や、コークス炉ガス回収配管14の内部などである。タールデカンタ16内において安水供給箇所から離れた箇所では、比重差によって安水18とタール20を分離させるため液流速が0.01m/秒程度となっており、パイプ22の開口部周辺へのタール等付着抑制効果が小さくなる。
測定原理上、安水流速の上限値に特に制約を設ける必要はない。しかし、タールデカンタ16やコークス炉ガス回収配管14における流速の最大値は、供給量や管径にもよるが、1.0m/秒程度と見られる。
測定用ガスには、窒素、アルゴン、空気、酸素、水素などを使用することができ、特に限定するものではない。しかし、ガス雰囲気21にコークス炉ガスが含まれる場合があるため、コークス炉ガスに引火しないように酸素や空気以外が好適である。
なお、測定用ガスの流速は、測定用ガス供給量(Nm3/秒)を、パイプ22内径より算出した断面積(m2)で除すことにより算出してもよい。
パイプ22の内径は特に限定されないが、JIS G3452に規定されている配管用炭素鋼鋼管(SGP)の内径6.5mm〜52.9mmでは測定可能であった。
なお、開口部25から安水18に向けてガスを通気し、通気するガス圧力でガス雰囲気21の圧力を測定した場合、開口部25近傍にタール等が付着すると圧損が生じるため、ガス雰囲気21の圧力を不当に高く測定することとなる。
図3(A)では、円筒状の付着物遮断部材28を開口部25からガス雰囲気21中に挿入せず、付着物遮断部材28の先端を開口部25に固定する方式としている。
図3(B)では、開口部25の前方に板状の付着物遮断部材29を配置して、開口部25内に付着物が侵入しないようにしている。
第2の実施の形態では、コークス炉ガス回収配管14内における安水19の水面高さを測定する方法について説明する(図4参照)。
コークス炉ガス回収配管14内の下部にはタール、スラッジが混入した安水19が流れ、コークス炉ガス回収配管14内の上部にはコークス炉ガスが流れている。
第1の実施の形態と同様、パイプ22の後部(上部)には、測定用ガスを吹き込むためのガス配管22aが接続されており、流速0.5m/秒以上の測定用ガスがパイプ22に吹き込まれる。
また、遮蔽壁24に開口部26を形成し、コークス炉ガス回収配管14内の上部を満たすガス雰囲気21中に円筒状の付着物遮断部材27を挿入する。
コークス炉ガス回収配管の水平部及びタールデカンタに、内径9.2mmのパイプを天井部より挿入し、安水に浸漬させた。その際、パイプ先端が天井部から1000mmの位置となるよう調整した。なお、コークス炉ガス回収配管の内径は1300mm、タールデカンタの底面から天井部までの高さは4000mmである。
また、安水の水面を覆うガス雰囲気の静圧測定に使用する円筒状の付着物遮断部材を、安水に浸漬したパイプの近傍に配置した。
そして、安水に浸漬したパイプと付着物遮断部材の各上端部を圧力導管を介して半導体歪ゲージの付いたダイヤフラム式差圧計に接続した。
上記測定方法を用いて、安水の水面高さの長期連続測定(約3ヶ月)を実施した。その結果、窒素ガス流量を2.0L/分、窒素ガス流速を0.5m/秒とした実施例1では、パイプの閉塞は見られず、測定精度も良好であった。一方、窒素ガス流量を0.8L/分、窒素ガス流速を0.2m/秒とした比較例1では、タールによるパイプの一部閉塞(付着物が顕著)が生じ、測定精度も低かった。
上記測定方法を用いて、安水の水面高さの長期連続測定(約3ヶ月)を実施した。その結果、安水の流速が0.1m/秒である安水供給管近傍にパイプを浸漬し、且つパイプ内の窒素ガス流速を0.5m/秒とした実施例2では、パイプの閉塞は見られず、測定精度も良好であった。一方、安水供給管から離れ、安水の流速が0.01m/秒と遅い箇所にパイプを浸漬した比較例2では、パイプ内の窒素ガス流速を0.5m/秒としても一部閉塞が生じ、測定精度も低かった。
Claims (1)
- コークス炉から発生するコークス炉ガスを冷却する安水の水面高さを測定する方法であって、
流速が0.1m/秒以上である前記安水にパイプを浸漬して該パイプに流速0.5m/秒以上の測定用ガスを吹き込み、前記測定用ガスの吹込み圧力を測定すると共に、
前記安水の水面を覆うガス雰囲気を遮蔽する遮蔽壁に開口部を設けて該開口部に付着物遮断部材を配置し、前記ガス雰囲気の静圧を前記開口部を介して測定し、
前記測定用ガスの吹込み圧力と前記ガス雰囲気の静圧との差圧を求め、前記差圧より前記安水の水面高さを決定することを特徴とする安水の水面高さ測定方法。
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JP2017126192A JP6828617B2 (ja) | 2017-06-28 | 2017-06-28 | 安水の水面高さ測定方法 |
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