JP6828554B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーキ制御装置に関する。
従来から、車両の車輪に設けられたホイールシリンダの内部にブレーキ液による圧力を発生させることで車輪に制動力を付与するブレーキ制御装置がある。そのようなブレーキ制御装置では、ブレーキ液をホイールシリンダに供給するための流路にブレーキ液を吐出するポンプを駆動するモータの目標回転数を決定し、その目標回転数の制御信号をモータに送信する。
特開2014−51162号公報
上述のような従来技術では、モータは一定の回転数(目標回転数)で動作し続けるので、モータスロットの次数成分(次数による周波数成分)等による作動音が目立つ場合があった。
そこで、本発明の課題の一つは、モータの作動音を低減するブレーキ制御装置を提供することである。
本発明の一態様によるブレーキ制御装置は、例えば、車両の車輪に設けられたホイールシリンダの内部にブレーキ液による圧力を発生させることで前記車輪に制動力を付与するブレーキ制御装置であって、前記ブレーキ液を前記ホイールシリンダに供給するための流路に前記ブレーキ液を吐出するポンプを駆動するモータの目標回転数に基づいて、前記目標回転数よりも大きい第1の回転数、および、前記目標回転数よりも小さい第2の回転数、を決定する回転数決定部と、前記回転数決定部によって決定された前記第1の回転数、および、前記第2の回転数をステップ状波形で交互に切り替える制御信号を前記モータに送信する制御部と、を備える。このように、第1の回転数、および、第2の回転数を変化が急なステップ状波形で交互に切り替える制御信号をモータに送信することにより、モータの実際の回転数の追従性が向上して実際の回転数が拡散するので、モータスロットの次数成分等による作動音を低減することができる。
また、上記のブレーキ制御装置において、例えば、前記回転数決定部は、前記第1の回転数、および、前記第2の回転数それぞれを、前記ステップ状波形の一区間ごとにランダムに変化させる。このように、指示回転数(第1の回転数、第2の回転数)をランダムに変化させることで、変化させない場合と比較して、モータスロットの次数成分等による作動音をさらに拡散させて低減することができる。したがって、乗員がより気づきにくい音とすることができる。
また、上記のブレーキ制御装置において、例えば、前記回転数決定部は、前記第1の回転数、および、前記第2の回転数を決定する場合に、回転数が変わる前後の回転数の差の絶対値が所定値以上になるようにする。このように、回転数が変わる前後の回転数の差の絶対値が所定値以上になるようにすることで、指示回転数に対して実際の回転数の追従性が悪いモータでも、実際の回転数をより確実に変動させることができる。したがって、モータの回転数をより確実に拡散させてモータスロットの次数成分等による作動音を低減することができる。
また、上記のブレーキ制御装置において、例えば、前記回転数決定部は、前記第1の回転数、および、前記第2の回転数を、それらに基づくモータスロットの次数による周波数成分が同じ臨界帯域内に入るように決定する。このように、第1の回転数、および、第2の回転数を、それらに基づくモータスロットの次数による周波数成分が同じ臨界帯域内に入るように決定することで、スペクトルマスキング効果により、モータによる作動音をマスキングすることができる。したがって、乗員がより気づきにくい音とすることができる。
また、上記のブレーキ制御装置において、例えば、前記制御部は、前記第1の回転数、および、前記第2の回転数を切り替える変動周波数を、音の粗さ感を表すラフネス感が所定以上強い変動周波数帯、および、音のふらつき感を表す変動感が所定以上強い変動周波数帯から外れた値として決定する。このように、第1の回転数、および、第2の回転数を切り替える変動周波数を、ラフネス感が所定以上強い変動周波数帯、および、変動感が所定以上強い変動周波数帯から外すことで、モータの回転数を拡散させてモータスロットの次数成分等による作動音を低減するとともに、モータの回転数を変動させることで生じるラフネス感と変動感を抑制することができる。したがって、乗員がより気づきにくい音とすることができる。
また、上記のブレーキ制御装置において、例えば、前記制御部は、前記第1の回転数、および、前記第2の回転数を切り替える変動周波数を、時間マスキング効果が発生するように予め設定された所定周波数以上に決定する。これにより、時間マスキング効果により、モータによる作動音をマスキングすることができる。したがって、乗員がより気づきにくい音とすることができる。
図1は、実施形態のブレーキ制御装置の制御対象であるブレーキ装置の概略構成例を示した構成図である。 図2は、実施形態のブレーキ制御装置の機能構成例を示したブロック図である。 図3は、バーク尺度と臨界帯域との関係を示す表である。 図4は、ラフネス感領域と変動感領域を説明するためのグラフである。 図5は、実施形態におけるモータに対する制御信号の波形例を示す図である。 図6は、実施形態のブレーキ制御装置が実行する処理例を示したフローチャートである。 図7は、実験結果を示すグラフである。 図8は、実施形態のブレーキ制御装置が実行する他の処理例を示したフローチャートである。 図9は、実施形態におけるモータに対する制御信号の他の波形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に記載する実施形態の構成、ならびに、当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
まず、図1を参照して、実施形態のブレーキ制御装置の制御対象であるブレーキ装置の構成について説明する。図1は、実施形態のブレーキ制御装置100(図1には不図示、後述する図2参照)の制御対象であるブレーキ装置の概略構成例を示した構成図である。このブレーキ装置は、例えば四輪の車両に設けられるが、四輪の車両以外の車両にも適用可能である。
図1に示すように、実施形態によるブレーキ装置は、前輪である車輪2FLおよび2FRと、後輪である車輪2RLおよび2RRと、の両方に制動力(摩擦制動トルク)を付与することが可能に構成された液圧ブレーキ1を備える。液圧ブレーキ1は、圧力発生部32と、ホイールシリンダ38FL、38FR、38RLおよび38RRと、圧力調整部34FL、34FR、34RLおよび34RRと、還流機構37と、を備える。なお、以下では、説明を簡潔にするために、車輪2FL、2FR、2RLおよび2RRを総称して車輪2と記載する場合がある。また、ホイールシリンダ38FL、38FR、38RLおよび38RRを総称してホイールシリンダ38と記載する場合がある。また、圧力調整部34FL、34FR、34RLおよび34RRを総称して圧力調整部34と記載する場合がある。
圧力発生部32は、車両の運転者によるブレーキペダル31の操作に応じた圧力(液圧)を発生させる機構である。ホイールシリンダ38FL、38FR、38RLおよび38RRは、それぞれ、摩擦制動部材を加圧することで車輪2FL、2FR、2RL、および2RRに制動力を付与する機構である。圧力調整部34FL、34FR、34RLおよび34RRは、それぞれ、ホイールシリンダ38FL、38FR、38RLおよび38RRに与えられる液圧を調整する機構である。還流機構37は、液圧を発生させる媒体としてのブレーキ液を上流側に、すなわちホイールシリンダ38側から圧力発生部32側に還流させる機構である。
圧力発生部32は、マスタシリンダ32aと、リザーバタンク32bと、を備える。マスタシリンダ32aは、ブレーキペダル31の操作(踏み込み)に伴って押し込まれることで、リザーバタンク32bから補充されるブレーキ液を2つの吐出ポートに吐出する。これら2つの吐出ポートは、それぞれ、開状態と閉状態とを電気的に切り替え可能な電磁弁33を介して、フロント側の圧力調整部34FRおよびリヤ側の圧力調整部34RLと、フロント側の圧力調整部34FLおよびリヤ側の圧力調整部34RRと、に接続される。電磁弁33は、ブレーキ制御装置100(後述する図2参照)の制御に基づいて開閉する。
圧力調整部34は、開状態と閉状態とを電気的に切り替え可能な電磁弁35および36を有している。電磁弁35および36は、電磁弁33と、リザーバ41と、の間に設けられている。電磁弁35は、電磁弁33に接続され、電磁弁36は、リザーバ41に接続されている。
電磁弁35および36は、ブレーキ制御装置100(後述する図2参照)の制御に基づいて開閉することで、ホイールシリンダ38で発生する圧力を、昇圧したり、維持したり、減圧したりすることが可能である。なお、ホイールシリンダ38FLは、圧力調整部34FLの電磁弁35および36の間に接続され、ホイールシリンダ38FRは、圧力調整部34FRの電磁弁35および36の間に接続されている。また、ホイールシリンダ38RLは、圧力調整部34RLの電磁弁35および36の間に接続され、ホイールシリンダ38RRは、圧力調整部34RRの電磁弁35および36の間に接続されている。
還流機構37は、リザーバ41と、ポンプ39と、モータ40と、を備える。リザーバ41は、ブレーキ液を一時的に貯蔵する。ポンプ39は、モータ40によって駆動されることで、ブレーキ液をホイールシリンダ38側からマスタシリンダ32a側に汲み上げる。なお、図1の例では、リザーバ41およびポンプ39は、圧力調整部34FRおよび34RLの組み合わせと、圧力調整部34FLおよび34RRの組み合わせと、に対応してそれぞれ1つずつ設けられている。
次に、図2を参照して、ブレーキ制御装置100の構成について説明する。図2は、実施形態のブレーキ制御装置100の機能構成例を示したブロック図である。ブレーキ制御装置100は、車両の車輪2に設けられたホイールシリンダ38の内部にブレーキ液による圧力を発生させることで車輪2に制動力を付与する。ブレーキ制御装置100は、例えば、プロセッサやメモリなどといった通常のコンピュータと同様のハードウェアを備えたブレーキECU(Electronic Control Unit)の一部を構成する。
図2に示すように、ブレーキ制御装置100は、回転数決定部101と、制御部102と、を備える。これらの機能構成は、例えば、ブレーキ制御装置100のプロセッサがメモリに格納された種々のプログラムを実行した結果として実現される。なお、これらの機能構成の一部または全部が専用のハードウェア(回路)によって実現されてもよい。
回転数決定部101は、ブレーキ液をホイールシリンダ38に供給するための流路にブレーキ液を吐出するポンプ39を駆動するモータ40の目標回転数に基づいて、目標回転数よりも大きい第1の回転数、および、目標回転数よりも小さい第2の回転数、を決定する。なお、モータ40の目標回転数は、従来と同様に算出されるものなので、詳細な説明を省略する。
また、回転数決定部101は、第1の回転数、および、第2の回転数を決定する場合に、回転数が変わる前後の回転数の差の絶対値が所定値以上になるようにする。また、回転数決定部101は、第1の回転数、および、第2の回転数を、それらに基づくモータスロットの次数による周波数成分が同じ臨界帯域内に入るように決定する。
ここで、図3を参照して、臨界帯域について説明する。図3は、バーク尺度と臨界帯域との関係を示す表である。バーク尺度とは、音響心理学における尺度で、1〜24の24段階があり、それぞれが所定の臨界帯域と対応付けられている。臨界帯域とは、スペクトルマスキングが起きやすい音の周波数の帯域を指す。スペクトルマスキングとは、ある音が聞こえている場合に、その音と周波数の近い音が聞こえにくくなることを指す。音響心理学において、音の周波数を変化させる場合に、変化させる大きさが同じでも、2つの臨界帯域をまたいで変化させるときに比べて、1つの臨界帯域内で変化させるときのほうが、聞いている人はその変化を感じにくく、したがって、変化による不快感が発生しにくいことがわかっている。
次に、回転数に基づくモータスロットの次数による周波数成分(以下、「モータスロット次数成分」ともいう。)について説明する。モータスロットの次数がNで、モータの回転数がX(rpm)とすると、モータスロット次数成分は、{X(rpm)/60(秒)×N}(Hz)となる。例えば、モータスロットの次数を「18」とすると、モータスロット次数成分は{X(rpm)/60(秒)×18}(Hz)=(3/10)×X(Hz)となる。したがって、例えばモータの回転数が100rpm変化すれば(1300rpm→1200rpm等)、モータスロット次数成分は30Hz変化する。
これらを踏まえて、回転数決定部101は、第1の回転数、および、第2の回転数を、それらに基づくモータスロットの次数による周波数成分が同じ臨界帯域内に入るように決定する(詳細は後述)。
図2に戻って、制御部102は、回転数決定部101によって決定された第1の回転数、および、第2の回転数をステップ状波形(詳細は後述)で交互に切り替える制御信号をモータ40に送信する。また、制御部102は、第1の回転数、および、第2の回転数を切り替える変動周波数を、音の粗さ感を表すラフネス感が所定以上強い変動周波数帯(以下、「ラフネス感領域」ともいう。)、および、音のふらつき感を表す変動感が所定以上強い変動周波数帯(以下、「変動感領域」ともいう。)から外れた値として決定する。
ここで、図4を参照して、ラフネス感領域と変動感領域について説明する。図4は、ラフネス感領域と変動感領域を説明するためのグラフである。図4のグラフにおいて、横軸は変動周波数の大きさ(対数目盛)を表し、縦軸はラフネス感や変動感の大きさを表す。ラインL1は、ラフネス感の大きさを示す。そして、ラフネス感領域R1は、ピークである70Hzを含んだ領域として予め定義される。
また、ラインL2は、変動感の大きさを示す。そして、変動感領域R2は、ピークである4Hzを含んだ領域として予め定義される。また、ラインL1とラインL2は、20Hzで交差している。したがって、ラフネス感領域R1と変動感領域R2の両方から外れた値としては、例えば、20±5Hz程度の範囲内を設定しておけばよいが、これに限定されない。また、ラフネス感領域R1と変動感領域R2の両方から外れた値として、例えば、20Hzを採用してもよいが、モータ40の応答性を考慮してそれより少し小さい17Hzを採用してもよい。
図2に戻って、制御部102は、第1の回転数、および、第2の回転数を切り替える変動周波数を、時間マスキング効果が発生するように予め設定された所定周波数以上に決定する。時間マスキング効果とは、音が発生してから約0.2秒間、次の音が聞こえにくくなることをいう。したがって、所定周波数は約5Hzとなる。そして、変動周波数として例えば17Hzを採用すれば、約5Hz以上という条件も満たしていることになる。なお、変動周波数が17Hzの場合、1周期は1000/17(ms)=58.82・・・、つまり約60msとなる。
次に、図5を参照して、モータに対する制御信号の波形例について説明する。図5は、実施形態におけるモータ40に対する制御信号の波形例を示す図である。図5において、横軸は時間、縦軸はモータ40の回転数(rpm(Revolution Per Minute))である。直線C1は、目標回転数を示す。そして、波形C2が、第1の回転数、および、第2の回転数をステップ状波形で交互に切り替える制御信号である。上述したように、回転数決定部101は、第1の回転数、および、第2の回転数を決定する場合に、回転数が変わる前後の回転数の差の絶対値が所定値以上になるようにする。また、回転数決定部101は、第1の回転数、および、第2の回転数を、それらに基づくモータスロット次数成分が同じ臨界帯域内に入るように決定する。また、上述したように、制御部102は、例えば変動周波数を17Hzとする。その場合、1周期は約60msとなる。
一般に、ブレーキ装置に使用されるモータ40は、容量が大きくて応答性が低く、指示回転数に対する実際の回転数の追従性は悪い。そこで、第1の回転数、および、第2の回転数を変化が急なステップ状波形で交互に切り替える制御信号をモータ40に送信する。これにより、モータ40の実際の回転数の追従性が向上して実際の回転数が拡散するので、モータスロット次数成分等による作動音を低減することができる。
次に、図6を参照して、ブレーキ制御装置100が実行する処理例について説明する。図6は、実施形態のブレーキ制御装置100が実行する処理例を示したフローチャートである。
まず、回転数決定部101は、モータ40の目標回転数を算出する(ステップS1)。次に、回転数決定部101は、第1の回転数、および、第2の回転数を、それらの差の絶対値が所定値以上になるように算出する(ステップS2)。
次に、回転数決定部101は、第1の回転数の場合のモータスロット次数成分である第1の周波数成分を算出する(ステップS3)。次に、回転数決定部101は、第2の回転数の場合のモータスロット次数成分である第2の周波数成分を算出する(ステップS4)。
次に、回転数決定部101は、第1の周波数成分と第2の周波数成分が同じ臨界帯域内(図3参照)に入っているか否かを判定し(ステップS5)、Yesの場合はステップS7に進み、Noの場合はステップS6に進む。
ステップS6において、回転数決定部101は、第1の周波数成分と第2の周波数成分が同じ臨界帯域内に入るように、第1の回転数、および、第2の回転数を調整する。なお、モータ40の働きは、ポンプ39を駆動することでブレーキ液をホイールシリンダ38側からマスタシリンダ32a側に汲み上げることである。したがって、モータ40に対する指示回転数は、本来の予定よりも大きくなる分には問題がない。そこで、回転数決定部101は、例えば、第1の周波数成分と第2の周波数成分が同じ臨界帯域内に入るように、第1の回転数、および、第2の回転数に同じ数値を加算することで当該調整を行えばよいが、これに限定されない。ステップS6の後、ステップS7に進む。
ステップS7において、制御部102は、変動周波数が17Hzで、回転数決定部101によって決定された第1の回転数、および、第2の回転数をステップ状波形で交互に切り替える制御信号(図5参照)をモータ40に送信する。モータ40は、この制御信号を受けて動作する。ステップS7の後、処理を終了する。
次に、図7を参照して、実験結果について説明する。図7は、実験結果を示すグラフである。図7において、縦軸は作動音の大きさ(dB)を表し、横軸はその作動音の周波数(Hz)を表す。この実験では、作動音をFFT(Fast Fourier Transform)で解析した。
図5に示す直線C1のように一定の目標回転数の制御信号をモータ40に与えた場合の作動音を表したのがラインL11である。ここで、ブレーキ装置における作動音としては、モータスロット次数成分による作動音以外にも、例えば、いわゆるギアポンプシステムにおけるギア歯数の次数成分による作動音がある。ラインL11では、ギア歯数の次数成分がピークP11として、また、モータスロット次数成分がピークP12として、それぞれ大きな値として表れている。
一方、図5に示す波形C2のようにステップ状波形の制御信号をモータ40に与えた場合の作動音を表したのがラインL12である。ラインL12では、ラインL11におけるピークP11やピークP12のような大きな値は無く、作動音の周波数が拡散されていることがわかる。
このように、本実施形態のブレーキ制御装置100によれば、第1の回転数、および、第2の回転数を変化が急なステップ状波形で交互に切り替える制御信号をモータ40に送信することでモータ40の実際の回転数の追従性が向上して実際の回転数が拡散するので、モータスロットの次数成分等による作動音を低減することができる。
また、回転数が変わる前後の回転数の差の絶対値が所定値以上になるようにすることで、指示回転数に対して実際の回転数の追従性が悪いモータ40でも、実際の回転数をより確実に変動させることができる。したがって、モータ40の回転数をより確実に拡散させてモータスロット次数成分等による作動音を低減することができる。
また、第1の回転数、および、第2の回転数を、それらに基づくモータスロット次数成分が同じ臨界帯域内に入るように決定することで、スペクトルマスキング効果により、モータ40による作動音をマスキングすることができる。したがって、乗員がより気づきにくい音とすることができる。
また、第1の回転数、および、第2の回転数を切り替える変動周波数を、ラフネス感領域、および、変動感領域から外すことで、モータ40の回転数を拡散させてモータスロット次数成分等による作動音を低減するとともに、モータ40の回転数を変動させることで生じるラフネス感と変動感を抑制することができる。したがって、乗員がより気づきにくい音とすることができる。
また、第1の回転数、および、第2の回転数を切り替える変動周波数を、時間マスキング効果が発生するように予め設定された所定周波数以上に決定することで、時間マスキング効果により、モータ40による作動音をマスキングすることができる。したがって、乗員がより気づきにくい音とすることができる。
(変形例)
次に、図8を参照して、変形例として、実施形態のブレーキ制御装置100が実行する他の処理例について説明する。図8は、実施形態のブレーキ制御装置100が実行する他の処理例を示したフローチャートである。
なお、この変形例では、回転数決定部101は、第1の回転数、および、第2の回転数それぞれを、ステップ状波形の一区間ごとにランダムに変化させる。そのために、回転数決定部101は、例えば、目標回転数ごとに第1の回転数範囲と第2の回転数範囲が対応付けられたマップ(情報)を使用する。このマップは、第1の回転数範囲から選択された任意の第1の回転数と、第2の回転数範囲から選択された任意の第2の回転数との差の絶対値が所定値以上になるように、予め作成されている。また、このマップは、第1の回転数、および、第2の回転数がどのように選択されても、それらに基づくモータスロットの次数による周波数成分が同じ臨界帯域内に入るように、予め作成されている。
図8に示すように、まず、回転数決定部101は、モータ40の目標回転数を算出する(ステップS11)。次に、回転数決定部101は、上述したマップに基づいて、第1の回転数範囲を決定する(ステップS12)。次に、回転数決定部101は、上述したマップに基づいて、第2の回転数範囲を決定する(ステップS13)。
次に、制御部102は、変動周波数が17Hzで、第1の回転数範囲からランダムに選択した第1の回転数と、第2の回転数範囲からランダムに選択した第2の回転数をステップ状波形で交互に切り替える制御信号をモータ40に送信する(ステップS14)。モータ40は、この制御信号を受けて動作する。ステップS14の後、処理を終了する。
次に、図9を参照して、モータ40に対する制御信号の他の波形例について説明する。図9は、実施形態におけるモータ40に対する制御信号の他の波形例を示す図である。図9においては、図5と同様、横軸は時間、縦軸はモータ40の回転数(rpm)である。直線C1は、目標回転数を示す。そして、波形C3は、ランダムに変化する第1の回転数、および、ランダムに変化する第2の回転数をステップ状波形で交互に切り替える制御信号である。変動周波数は、例えば図5の場合と同様に17Hzである。
このように、指示回転数(第1の回転数、第2の回転数)をランダムに変化させることで、変化させない場合と比較して、モータスロット次数成分等による作動音をさらに拡散させて低減することができる。したがって、乗員がより気づきにくい音とすることができる。
(従来技術との比較)
従来技術では、例えば、モータの回転数を、所定の周期で、目標回転数を振幅の中心とした±数%(例えば±3%)の範囲の正弦波形で変動させるものがあった。しかし、この従来技術では、目標回転数や変動周期によって回転数の変動によるモータの作動音が目立ちやすくなる場合がある。原因としては、例えば、次の2つが考えられる。
1つ目は、変動の振幅が一律±数%であることで、目標回転数によっては回転数が複数の臨界帯域をまたいで変化し、ユーザに不快な音として知覚されてしまうことである。2つ目は、変動周波数がラフネス感領域や変動感領域に入ってしまい、ユーザに、不快な粗さ感や変動感をともなった音として知覚されてしまうことである。つまり、従来技術では、人間の聴覚特性や音響心理学が考慮されていなかった。
一方、本実施形態のブレーキ制御装置100では、人間の聴覚特性や音響心理学が考慮されており、そして、上述した内容から明らかなように、そのような2つの問題は発生しない。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、または変更を行うことができる。また、上述した実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、変動周波数は、17Hzに限定されず、ラフネス感領域と変動感領域の両方から外れた値であれば他の数値を採用してもよい。
2FL、2FR、2RL、2RR 車輪
32a マスタシリンダ
37 還流機構
38FL、38FR、38RL、38RR ホイールシリンダ
39 ポンプ
40 モータ
100 ブレーキ制御装置
101 回転数決定部
102 制御部

Claims (6)

  1. 車両の車輪に設けられたホイールシリンダの内部にブレーキ液による圧力を発生させることで前記車輪に制動力を付与するブレーキ制御装置であって、
    前記ブレーキ液を前記ホイールシリンダに供給するための流路に前記ブレーキ液を吐出するポンプを駆動するモータの目標回転数に基づいて、前記目標回転数よりも大きい第1の回転数、および、前記目標回転数よりも小さい第2の回転数、を決定する回転数決定部と、
    前記回転数決定部によって決定された前記第1の回転数、および、前記第2の回転数をステップ状波形で交互に切り替える制御信号を前記モータに送信する制御部と、
    を備えるブレーキ制御装置。
  2. 前記回転数決定部は、前記第1の回転数、および、前記第2の回転数それぞれを、前記ステップ状波形の一区間ごとにランダムに変化させる、請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 前記回転数決定部は、前記第1の回転数、および、前記第2の回転数を決定する場合に、回転数が変わる前後の回転数の差の絶対値が所定値以上になるようにする、請求項1または請求項2に記載のブレーキ制御装置。
  4. 前記回転数決定部は、前記第1の回転数、および、前記第2の回転数を、それらに基づくモータスロットの次数による周波数成分が同じ臨界帯域内に入るように決定する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のブレーキ制御装置。
  5. 前記制御部は、前記第1の回転数、および、前記第2の回転数を切り替える変動周波数を、音の粗さ感を表すラフネス感が所定以上強い変動周波数帯、および、音のふらつき感を表す変動感が所定以上強い変動周波数帯から外れた値として決定する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のブレーキ制御装置。
  6. 前記制御部は、前記第1の回転数、および、前記第2の回転数を切り替える変動周波数を、時間マスキング効果が発生するように予め設定された所定周波数以上に決定する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のブレーキ制御装置。
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