近年、一般的な送信装置として、複数の電源部、複数の増幅部及び合成器を備えたものが広く知られている。一般的な送信装置は、複数の電源部の各々の電源を用いて複数の増幅部の各々で高周波信号を生成し、この高周波信号を合成部で合成した後、合成後の信号をアンテナを介して受信装置に送信する。
また、一般的な送信装置においては、水冷方式と比較して装置を小さくするために、空冷方式を採用する場合がある。
ここで、空冷方式を採用した一般的な送信装置1000の構成について説明する。
図10〜図12は一般的な送信装置1000の構成を示すための図である。図10は、送信装置1000の上面を透過した図である。図11は、図10のC1−C1切断面で送信装置1000を切断した断面図である。また、図12は、図10のC2−C2切断面で送信装置1000を切断した断面図である。図12においては、便宜上、後述する吸気口1110を図示しない。
図10〜図12に示されるように、送信装置1000は、筐体2000、複数の電源部3000、複数の増幅部4000及び合成部5000を備える。
筐体2000は、複数の電源部3000、複数の増幅部4000及び合成部5000を収容する。図11に示されるように、筐体2000の左側面及び右側面はメッシュ状に形成されており、筐体2000の左側面及び右側面には複数の貫通孔が形成されている。筐体2000の左側面に形成された複数の貫通孔の各々を、吸気口2150とする。また、筐体2000の右側面に形成された複数の貫通孔の各々を、排気口2350とする。また、吸気口2150側又は排気口2350側の何れか一方又は両方には、送信装置1000の左側面側から右側面側に向けて空気を送風するファン(不図示)が配置されている。
図10に示されるように、複数の電源部3000は、筐体2000の背面側から容易に着脱可能なように、筐体2000の背面側に配置されている。また、複数の電源部3000の各々は、互いに間隙を介して重ねられるように設けられている。複数の電源部3000の各々は、複数の増幅部4000の各々に電源を供給する。
図10に示されるように、複数の増幅部4000は、筐体2000の前面側に配置されている。これにより、複数の増幅部4000は、筐体2000の前面側から容易に着脱可能である。また、複数の増幅部4000の各々は、互いに間隙を介して重ねられるように設けられている。複数の増幅部4000の各々は、複数の電源部3000の各々の電源を用いて、筐体2000の外部から入力される送信信号を増幅する。その後、複数の増幅部4000の各々は、増幅させた信号を合成部5000に出力する。
図10及び図12に示されるように、合成部5000は、一般的に直方体状に形成されている。また、合成部5000は、合成部5000の外面を構成する面のうち最も大きい面が筐体2000の両側面と向かい合うように配置される。合成部5000は、複数の増幅部4000の各々から出力された送信信号の各々を合成する。その後、合成部5000は、合成後の信号を筐体2000の外部のアンテナ等に向けて出力する。
次に、一般的な送信装置1000の動作について説明する。
図11の矢印で示されるように、筐体2000外の空気は、筐体2000の左側面に形成された吸気口2150から筐体内に吸入され、複数の増幅部4000の各々の間の間隙及び複数の電源部3000の各々の間の間隙を通った後に、筐体2000の右側面に形成された排気口2350から筐体2000外に排気される。これにより、複数の増幅部4000及び複数の電源部3000は、空気によって冷却されていた。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態における送信装置100について、図に基づき説明する。図1〜図3は、送信装置100の構成を示す外観図である。図4は送信装置100の構成を示す透過図である。具体的には、図4は、送信装置100を上面側から透過した透過図である。図5は、図4のA1−A1切断面で送信装置100を切断したときの断面図である。図6は、図4のA2―A2切断面で送信装置100を切断したときの断面図である。図6においては、便宜上、後述する吸気用仕切り板205を図示しない。以下の説明において、前面側、背面側、右側面側、左側面側、上面側及び下面側とは、図1〜図6に示される各々の方向を指す。
例えば、送信装置100は、テレビジョン放送に用いられる映像信号を、アンテナを介して不図示の受信装置へ送信する。
送信装置100の構成について説明する。図4から図6に示されるように、送信装置100は、筐体200、電源部300、増幅部400、合成部500を備える。
筐体200について説明する。筐体200は、収容部203、吸気用仕切り板205、吸気用通風部210、吸気口215、吸気用ファン220、排気用仕切り板225、排気用通風部230、排気口235及び排気用ファン240を備えている。
図4〜図6に示されるように、筐体200は、直方体状に形成されている。筐体200には、ステンレス等を用いることができる。また、例えば、筐体200の上部には、LCD(liquid crystal display)等が取り付けられた他の筐体(不図示)を配置することができる。
収容部203について説明する。図4〜図6に示されるように、収容部203は、筐体200の内側の空間であって、筐体200の上面、下面、吸気用仕切り板205及び排気用仕切り板225により囲われた空間である。収容部203には、複数の電源部300、複数の増幅部400及び合成部500が配置されている。図4及び図5に示されるように、収容部203は、吸気用仕切り板205に形成された貫通孔を介して、吸気用通風部210と連通している。また、収容部203は、排気用仕切り板225に形成された貫通孔を介して、排気用通風部230と連通している。
吸気用仕切り板205について説明する。吸気用仕切り板205は、複数の貫通孔が形成された板である。図4及び図5に示されるように、吸気用仕切り板205は、筐体200の内側の左側面側に配置されている。具体的には、吸気用仕切り板205は、吸気用通風部210及び収容部203の間に配置されている。例えば、吸気用仕切り板205は、メッシュ状に形成された金属板である。
吸気用通風部210について説明する。図5に示されるように、吸気用通風部210は、筐体200の左側面側の空間である。吸気用通風部210は、吸気用仕切り板205の貫通孔を介して、収容部203と連通している。また、吸気用通風部210の下面側には、吸気口215が形成されている。吸気用通風部210は、吸気口215を介して、筐体200外の空間と連通している。
吸気口215及び吸気用ファン220について説明する。吸気口215は、筐体200の左側面側であって、下面側に形成されている。吸気口215の近傍(吸気用通風部210と筐体200外の空間との境界部)には、吸気用ファン220が配置されている。吸気用ファン220は、吸気口215を介して、筐体200外の空気を吸気用通風部210に吸気するように駆動している。具体的には、吸気用ファン220は、筐体200外の空気が間隙Y(複数の増幅部400の各々の間)を介して筐体200の一方の側面側から他方の側面側に流れるように、吸気口215により吸入された筐体200外の空気を排気口235から排気する。
排気用仕切り板225について説明する。排気用仕切り板225は、複数の貫通孔が形成された板である。図4及び図5に示されるように、排気用仕切り板225は、筐体200の内側の右側面側に配置されている。具体的には、排気用仕切り板225は、排気用通風部230及び収容部203の間に配置されている。例えば、排気用仕切り板225は、メッシュ状に形成された金属板である。
排気用通風部230について説明する。図5に示されるように、排気用通風部230は、筐体200の右側面側の空間である。排気用通風部230は、排気用仕切り板225の貫通孔を介して、収容部203と連通している。また、排気用通風部230の上面側には、排気口235が形成されている。排気用通風部230は、排気口235を介して、筐体200外の空間と連通している。
排気口235及び排気用ファン240について説明する。排気口235は、筐体200の右側面側であって、上面側に形成されている。排気口235の近傍(排気用通風部230と筐体200外の空間との境界部)には、排気用ファン240が配置されている。排気用ファン240は、排気口235を介して、排気用通風部230内の空気を筐体200外の空間へ排気するように駆動している。具体的には、排気用ファン240は、筐体200外の空気が間隙Y(複数の増幅部300の各々の間)を介して筐体200の一方の側面側から他方の側面側に流れるように、吸気口215により吸入された筐体200外の空気を排気口235から排気する。
次に複数の電源部300について説明する。図4〜図6に示されるように、複数の電源部300は、筐体200内の一つの面側(図1〜図6の背面側)に配置される。具体的には、複数の電源部300は、複数の増幅部400の背面側に配置される。図6に示されるように、複数の電源部300の各々は、間隙Xを介して重ねられるように設けられる。また、図4に示されるように、複数の電源部300の各々は、第1の接続部M1を介して、複数の増幅部400の各々に接続されている。また、複数の電源部300の各々の間隙X側の面には、ヒートシンクを取り付けることができる。
例えば、複数の電源部300は、交流電源を複数の増幅部400へ出力する。
図4〜図6に示されるように複数の増幅部400は、筐体200の一つの面側(図1〜図6の前面側)に配置される。図6に示されるように複数の増幅部400の各々は、間隙Yを介して重ねられるように設けられる。また、複数の増幅部400の各々は、筐体200の前面側から取り付け又は取り外しができるように設けられる。また、複数の増幅部400の各々は、第2の接続部M2を介して、合成部500に接続されている。例えば、複数の増幅部400は、筐体200の内側に形成されたリブ(不図示)の上に配置される。また、複数の増幅部400の各々の間隙Y側の面には、ヒートシンクを取り付けることができる。
例えば、増幅部400は、電源部300より出力された交流電源を、直流電源に変換する。増幅部400は、直流電源を用いて、不図示の励振器から出力された信号を増幅する。複数の増幅部400の各々は、増幅した信号を合成部500に出力する。
図4に示されるように、合成部500は、複数の増幅部400の各々と向かい合うように、複数の増幅部400の背面側に配置される。また、合成部500は、複数の増幅部400の各々から出力される信号を合成する。また、合成部500は、合成部500の外形を構成する面のうち面積が最も小さい面が一方の側面(図4及び図5に示される左側面)及び他方の側面(図4及び図5に示される右側面)に向かい合うように配置される。また、合成部500は、複数の増幅部400と複数の電源部300の間に配置されている。具体的には、合成部500は、複数の増幅部400の背面側であって、複数の電源部300の正面側に配置されている。
合成部500は、複数の増幅部400の各々から出力された増幅信号を合成する。そして、合成部500は、同軸ケーブル等(不図示)を介して、合成した信号を合成部500の出力端子から不図示のアンテナに向けて出力する。なお、合成部500は、パッシブフィルタであるため、電源を必要としない。
以上、送信装置100の構成について説明した。なお、吸気用ファン220及び排気用ファン240は、本実施形態の送風部である。また、上記の説明において、送信装置100は、吸気用ファン220及び排気用ファン240の両方を備えると説明したが、送信装置100は、吸気用ファン220及び排気用ファン240のどちらか一方のみを備えていても良い。
次に、送信装置100の送信動作について説明する。
まず、複数の電源部300の各々は、複数の増幅部400の各々に交流電源を出力する。そして、複数の増幅部400の各々は、複数の電源部300の各々から出力された交流電源を直流電源に変換する。複数の増幅部400の各々は、直流電源を用いて、他の筐体の励振器(不図示)から出力された信号を増幅する。複数の増幅部400の各々は、増幅した信号を、合成部500に出力する。合成部500は、複数の増幅部400から出力された信号を合成する。合成部500は、同軸ケーブル(不図示)等を介して、合成した信号をアンテナ(不図示)に出力する。
以上、送信装置の送信動作について説明した。
次に、図を用いて、送信装置100の冷却動作について説明する。送信装置100の冷却動作は、前述の送信動作と並行して行われる。図4の矢印α1〜α5は、筐体200の内側における空気の進行方向を示す矢印である。図5の矢印は、送信装置100における空気の進行方向を示す矢印である。
まず、吸気用ファン220は、筐体200外の空気を、筐体200内に吸入する。具体的には、吸気用ファン220は、筐体200の外の空気を吸気口215から吸気用通風部210内に取り入れる。吸気用通風部210内に流入した空気は、吸気用仕切り板205の貫通孔を介して、収容部203に流入する。収容部203に流入した空気は、複数の電源部300、複数の増幅部400及び合成部500の熱を含んだ上で、吸気用仕切り板205側から排気用仕切り板225側に向かう。
この際、吸気用仕切り板205側から排気用仕切り板225側に向かう空気の一部(図4の矢印α1の方向に進む空気)は、図6に示される間隙X(複数の電源部300の各々の間の間隙)を通った上で排気口235に向かう。これにより、複数の電源部300の各々が冷却される。また、吸気用仕切り板205側から排気用仕切り板225側に向かう空気の一部(図4の矢印α2の方向に進む空気)は、図6に示される間隙Y(複数の増幅部400の各々間の間隙)を通った上で排気口235に向かう。これにより、複数の増幅部400の各々が冷却される。また、吸気用仕切り板205側から排気用仕切り板225側に向かう空気の一部(図4の矢印α3の方向に進む空気)は、合成部500によって遮られ、図4の矢印α4の方向に進む空気及び図4のα5の方向に進む空気に分岐した上で排気口235に向かう。これにより、合成部500が冷却される。
そして、収容部203内の空気は、排気用仕切り板225の貫通孔を介して排気用通風部230へ流入する。排気用通風部230に流入した空気は、排気口235により、筐体200の外へと排気される。具体的には、排気用通風部230内の空気は、排気用ファン240により、排気口235を介して、筐体200の外へと排気される。
このように送信装置100では、筐体200外の空気が、吸気口215を介して筐体200内に吸入された後、間隙X及び間隙Yを通って、排気口235から筐体200外へ排気される。このとき、間隙X及び間隙Yを通る空気には、複数の電源部300、複数の増幅部400及び合成部500の排熱が含まれる。したがって、排気口235から筐体200外へ排気される空気には、複数の電源部300、複数の増幅部400及び合成部500の排熱が含まれる。これにより、複数の電源部300、複数の増幅部400及び合成部500は、筐体200外の空気によって冷却される。
以上、送信装置100の動作について説明した。
以上のように、本実施形態に記載の送信装置100は、筐体200と、複数の増幅部400と、合成部500とを備えている。また、筐体200は、吸気口215及び排気口235を備えている。複数の増幅部400は、筐体200の前面側に配置され、各々が間隙Yを介して重ねられるように設けられる。合成部500は、複数の増幅部400の各々と向かい合うように、複数の増幅部400の背面側に配置され、複数の増幅部400の各々から出力される信号を合成する。吸気口215は、筐体200の一方の側面側に設けられ、筐体200外の空気を筐体200内に吸入するために設けられている。排気口235は、筐体200の一方の側面と向かい合う他方の側面側に設けられ、吸気口215により吸入された筐体200外の空気を筐体200外へ排出するために設けられている。また、送風部250は、筐体200外の空気が間隙Yを介して筐体200の一方の側面側から他方の側面側に流れるように、吸気口215により吸入された筐体200外の空気を排気口235から排気する。また、合成部500は、合成部500の外形を構成する面のうち面積が最も小さい面が一方の側面側に向かうように配置される。
このように、合成部500は、合成部500の外形を構成する面のうち面積が最も小さい面が一方の側面に向かうように配置される。筐体200の一方の側面側には、吸気口215が設けられている。したがって、合成部500の最も小さい面が風上に向かって配置されている。これにより、一方の側面に設けられた吸気口215より吸入された空気のうち、合成部500によって遮られる空気(図4の矢印α3の方向に進む空気)の量を最小限に抑制することが出来る。これによって、合成部500に遮られることによって、進行方向を変える空気(図4の矢印α4の方向に進む空気及び図4の矢印α5の方向に進む空気)の量を最小限に抑制できる。したがって、吸気口215から排気口235へ向かう空気が、滞留することを抑制できる。また、吸気口215から排気口235へ向かう空気の流れが乱れることを抑制できる。これによって、空気が吸気口215から排気口235まで円滑に流れる。この結果、送信装置100においては、筐体200の内側をより効率よく冷却することができる。
なお、図10〜図12に示される送信装置1000では、合成部5000は、合成部5000の外形を構成する最も広い面が、風上に向かうように配置されていた。このため、送信装置1000においては、合成部5000によって遮られる空気(図10の矢印p1の方向に進む空気)の量が多かった。したがって、背面側(図10の矢印p2によって示される方向)に向かう空気及び、前面側(図10の矢印p3によって示される方向)に向かう空気の量が多くなる。この結果、送信装置1000においては、筐体2000内の空気が吸気口2150から排気口2350まで円滑に流れないため、筐体2000の内側をより効率よく冷却することができなかった。
一方で、送信装置100においては、前述したように、合成部500に遮られることによって、進行方向を変える空気(図4の矢印α4の方向に進む空気及び図4の矢印α5の方向に進む空気)の量を最小限に抑制できる。この結果、送信装置100においては、筐体200内の空気が吸気口215から排気口235まで円滑に流れるため、前述の送信装置1000と比較して、筐体200の内側をより効率よく冷却できる。
本実施形態の送信装置100は、複数の電源部300を備えている。複数の電源部300は、複数の増幅部400の背面側に配置され、各々が間隙Xを介して重ねられるように設けられている。また、複数の電源部300の各々は、複数の増幅部400の各々に接続されている。
このように、複数の電源部300は、筐体200の内側に、各々が間隙Xを介して重ねられるように設けられている。複数の電源部300は、吸気口215から排気口235へ向かう空気によって冷却される。一方で、吸気口215から排気口235へ向かう空気は、間隙Xを通ることができる。そのため、これによって、空気が吸気口215から排気口235まで円滑に流れる。この結果、送信装置100においては、複数の電源部300を備える場合であっても、筐体200の内側をより効率よく冷却することができる。
本実施形態の送信装置100の合成部500は、複数の増幅部400と複数の電源部300の間に配置されている。
このように、合成部500は、複数の増幅部400と複数の電源部300の間に配置されている。また、合成部500は、合成部500の外形を構成する面のうち面積が最も小さい面が一方の側面に向かうように配置される。これによって、合成部500が複数の増幅部400と複数の電源部300との間に配置されている場合において、複数の増幅部400の前面側の面と複数の電源部300の背面側の面の間の距離を短くできる。したがって、筐体200を小さくすることができる。この結果、送信装置100を小さくすることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施の形態における送信装置100Aについて、図に基づき説明する。図7は、送信装置100Aの構成を示す透過図である。具体的には、図7は、送信装置100Aを上面側から透過した透過図である。図8は、図7のB1−B1切断面で送信装置100Aを切断したときの断面図である。図9は、図10のB2―B2切断面で送信装置100を切断したときの断面図である。図9においては、便宜上、後述する吸気用仕切り板205を図示しない。以下の説明において、前面側、背面側、右側面側、左側面側、上面側及び下面側とは、図7〜図9に示される各々の方向を指す。
送信装置100Aの構成について説明する。図7〜図9に示されるように、送信装置100Aは、筐体200、複数の増幅部400及び合成部500を備える。
筐体200は、吸気口215、排気口235及び送風部250を備える。吸気口215は、筐体200の一方の側面側に設けられ、筐体200外の空気を筐体200内に吸入するために設けられている。排気口235は、筐体200の一方の側面と向かい合う他方の側面側に設けられている。また、排気口235は、吸気口215により吸入された筐体200外の空気を筐体200外へ排出するために設けられている。送風部250は、筐体200外の空気が間隙Yを介して筐体200の一方の側面側から他方の側面側に流れるように、吸気口215により吸入された筐体200外の空気を排気口235から排気する。なお、図7においては、筐体200の左側面側に送風部250が配置されていることが示されているが、送風部250の配置場所は筐体200の左側面側に限られない。例えば、送風部250は、筐体200の右側面側に配置されていても良い。
複数の増幅部400は、筐体200の前面側に配置され、各々が間隙Yを介して重ねられるように設けられる。合成部500は、複数の増幅部400の各々と向かい合うように、複数の増幅部400の背面側に配置され、複数の増幅部400の各々から出力される信号を合成する。
以上、送信装置100Aの構成について説明した。
次に、送信装置100Aの送信動作について説明する。
複数の増幅部400の各々は、直流電源を用いて、他の筐体の励振器(不図示)から出力された信号を増幅する。複数の増幅部400の各々は、増幅した信号を、合成部500に出力する。合成部500は、複数の増幅部400から出力された信号を合成する。合成部500は、同軸ケーブル(不図示)等を介して、合成した信号をアンテナ(不図示)に出力する。
以上、送信装置の送信動作について説明した。
次に、図を用いて、送信装置100Aの冷却動作について説明する。送信装置100の冷却動作は、前述の送信動作と並行して行われる。図7の矢印β1〜β4は、筐体200の内側における空気の進行方向を示す矢印である。図8の矢印は、送信装置100Aにおける空気の進行方向を示す矢印である。
まず、送風部250は、筐体200外の空気が間隙Yを介して筐体200の一方の側面側から他方の側面側に流れるように、吸気口215により吸入された筐体200外の空気を排気口235から排気する。筐体200に流入した空気は、複数の増幅部400及び合成部500の熱を含んだ上で、排気口235から排気される。
この際、筐体200の一方の側面側から他方の側面側に流れる空気の一部(図7の矢印β4の方向に進む空気)は、図9に示される間隙X(複数の増幅部400の各々間の間隙)を通った上で排気口235に向かう。また、筐体200の一方の側面側から他方の側面側に流れる空気の一部(図7の矢印β1の方向に進む空気)は、合成部500によって遮られ、図7の矢印α2の方向に進む空気及び図7のα3の方向に進む空気に分岐した上で排気口235に向かう。これにより、合成部500が冷却される。
このように送信装置100Aでは、筐体200外の空気が、吸気口215を介して筐体200内に吸入された後、間隙Xを通って、排気口235から筐体200外へ排気される。このとき、間隙Yを通る空気には、複数の増幅部400及び合成部500の熱が含まれる。これにより、複数の増幅部400及び合成部500は、筐体200外の空気によって冷却される。
以上、送信装置100Aの動作について説明した。
以上のように、本実施形態に記載の送信装置100Aは、筐体200と、複数の増幅部400と、合成部500とを備えている。また、筐体200は、吸気口215及び排気口235を備えている。複数の増幅部400は、筐体200の前面側に配置され、各々が間隙Yを介して重ねられるように設けられる。合成部500は、複数の増幅部400の各々と向かい合うように、複数の増幅部400の背面側に配置され、複数の増幅部400の各々から出力される信号を合成する。吸気口215は、筐体200の一方の側面側に設けられ、筐体200外の空気を筐体200内に吸入するために設けられている。排気口235は、筐体200の一方の側面と向かい合う他方の側面側に設けられ、吸気口215により吸入された筐体200外の空気を筐体200外へ排出するために設けられている。また、送風部250は、筐体200外の空気が間隙Yを介して筐体200の一方の側面側から他方の側面側に流れるように、吸気口215により吸入された筐体200外の空気を排気口235から排気する。また、合成部500は、合成部500の外形を構成する面のうち面積が最も小さい面が一方の側面側に向かうように配置される。
このように、合成部500は、合成部500の外形を構成する面のうち面積が最も小さい面が一方の側面に向かうように配置される。筐体200の一方の側面側には、吸気口215が設けられている。したがって、合成部500の最も小さい面が風上に向かって配置されている。これにより、一方の側面に設けられた吸気口215より吸入された空気のうち、合成部500によって遮られる空気(図7の矢印β1の方向に進む空気)の量を最小限に抑制することが出来る。これによって、合成部500に遮られることによって、進行方向を変える空気(図7の矢印β2の方向に進む空気及び図7の矢印β3の方向に進む空気)の量を最小限に抑制できる。したがって、吸気口215から排気口235へ向かう空気が、滞留することを抑制できる。また、吸気口215から排気口235へ向かう空気の流れが乱れることを抑制できる。これによって、空気が吸気口215から排気口235まで円滑に流れる。この結果、送信装置100Aにおいては、筐体200の内側をより効率よく冷却することができる。
上記の第1の実施形態及び第2の実施形態の説明において、合成部500は、合成部500の外形を構成する面のうち面積が最も小さい面が一方の側面に向かうように配置されると説明した。一方で、上記の第1の実施形態の送信装置100及び第2の実施形態の送信装置100Aにおいて、筐体200の一方の側面に対して垂直な方向の光で、合成部500を筐体200の一方の側面に投影した際に生じる影の面積が最も小さくなるように合成部500を配置しても良い。この場合においても、送信装置100及び100Aは、前述の効果と同様の効果を奏する。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。