実施例1は、本発明、並びに、後述する(A系統)に記載の発明の実施例である。
実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施例1のパチンコ機10の正面図である。図2は、パチンコ機10の背面図である。図3は、遊技盤30の正面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、図4に示すブロック図の要部である。図6は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視における左側部)を開閉軸J1として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視における左側部)を開閉軸J2として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)としている。なお、外枠11は、樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース12aと、この樹脂ベース12aに取り付けられる遊技盤30とを備えている。また、内枠12は、図1に示すように、樹脂ベース12aの前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、それを正面視すると、最下部に位置する下皿部13と、この下皿部13の上側に位置する上皿部21と、この上皿部21の上側に位置するガラス枠部23とに大別される。
これらの下皿部13、上皿部21、ガラス枠部23を、前面枠セット14の樹脂成形部品であるベース板体(図示省略)の前面側各箇所にそれぞれ取り付けることで、前面枠セット14が構成されている。
下皿部13は、図1に示すように、下皿15を形成する部品とその部品を囲う部品等とが一体化された部品であり、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で最下部箇所に固定されている。この下皿部13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17とを備えている。
球受皿としての下皿15は、図1に示すように、当該パチンコ機10の正面視で大型立体キャラクタ部25の左側箇所に設けられ、前面枠セット14の横幅半分程度の大きさとしており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能である。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所(例えば略中央箇所)に形成された円形排出部が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面における開口された円形排出部を通して下方向外部に抜くことができる。
上皿部21は、図1に示すように、上皿19を形成する部品とその部品を囲う部品等とが一体化された部品であり、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の上方位置)に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で下部箇所に固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら発射装置229の方へ導出するための球受皿である。
また、上皿部21は、図1に示すように、その上面箇所に、遊技者によって操作される各種の操作ボタンを備えている。これらの操作ボタンとしては、上皿部21の上面箇所における上皿19の球貯留空間に近い箇所に設けられた演出ボタン80と、演出ボタン80の手前側箇所(演出ボタン80よりも遊技者に近い箇所)に横並びに配列された上選択ボタン71、下選択ボタン72、左選択ボタン73、右選択ボタン74(総称する場合は、選択ボタン71〜74)とが挙げられる。なお、演出ボタン80は、本発明の操作手段に相当する。操作手段は、押しボタン式以外の操作手段、例えば、レバー式、タッチセンサー式などであってもよい。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿部21の上側に形成された窓部101と、この窓部101の周囲に設けられた各種の電飾部(第1電飾部300、第2電飾部302及び第3電飾部304)と音出力部24a,24bとを備えている。音出力部24aは、通常の遊技の進行に伴い出力される周波数帯の通常音声を出力するスピーカを備える。音出力部24bは、後述するように一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯(例えば19kHz)や、それよりも低い高さの周波数帯(17kHz,15kHz)を有する特定音も出力する。そのため、音出力部24bは、このような特定音が有する高周波数帯までも出力できるようなスピーカを備える。なお、音出力部24a,24bは、本発明の音声出力手段に相当する。
音出力部24は、図1に示すように、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所に設けられ、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカからの音を出力するための複数個の出力口で形成されている。この出力口は、図1では一部のみ図示し、全体図示を省略している。
詳述すれば、前面枠セット14には、図1に示すように、上皿部21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(図3参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞(開口部101a)となっており、その開口部101aを略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の背面側に取り付けられたものである。このガラスユニットは、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
さらに、ガラス枠部23は、図1に示すように、窓部101の周囲に、第1電飾部300、第2電飾部302及び第3電飾部304を備えている。詳述すれば、前面枠セット14は、図1に示すように、その正面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部300(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部302(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部304(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
パチンコ機10では、第1電飾部300、第2電飾部302及び第3電飾部304は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、パチンコ機10の第1電飾部300及び第2電飾部302には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。
また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12の表面や遊技盤30の表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の右下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図3を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、図3に示すように、正面視で四角形状の木製(例えば、合板)でその左側の両角部が取れたような形状の遊技板30bを備えており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース12aの裏側に当接した状態で取り付けられている。この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aは、前面枠セット14のベース板体(図示省略)の略楕円形状の図1に示した窓部101のガラス板137を通じて、当該前面枠セット14の前方外側から視認可能である。
また、遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33(例えば作動チャッカ)、第3の始動口34(例えばスルーゲート)及び可変表示装置ユニット35を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33、第3の始動口34及び可変表示装置ユニット35は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。
始動入賞装置33は、上から順に、第1の始動口33a(例えば作動チャッカ)と第2の始動口33b(例えば作動チャッカ)とが上下に配設された単一の入賞装置で構成されている。そして、上部側の第1の始動口33aには第1の始動口33a用の図示省略の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球は、その第1の始動口33a用の作動口スイッチにより検出される。また、下部側の第2の始動口33bには第2の始動口33b用の図示省略の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第2の始動口33bへの入球は、その第2の始動口33b用の作動口スイッチにより検出される。上述した上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第2の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無く、それらの入球を個別に検出できる。
また、一般入賞口31への入球が検出スイッチ(図示省略の入賞口スイッチ)で検出され、可変入賞装置32への入球が検出スイッチ(図示省略のカウントスイッチ)でそれぞれに検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。
例えば、第1の始動口33a、第2の始動口33bへの入球の場合には、3個の賞球払い出しがされる。また、一般入賞口31及び可変入賞装置32への入球の場合には、10個の賞球払い出しがされる。なお、これらの賞球の個数は任意であり、種々の個数としてもよい。
なお、第3の始動口34に遊技球が入球し、当該入球が検出スイッチ(図示省略の通過検出スイッチ)で検出されるが、当該第3の始動口34へ入球しても、遊技球の払い出しは実行されない。
その他に、図3に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内される。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘39が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、図3に示すように、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第3の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。なお、第3図柄表示装置42は、本発明の表示手段に相当する。表示手段は、第3図柄表示装置42以外の表示手段、例えば、表示演出専用の表示装置や、ガラス板137の代わり又はガラス板137とともに設けられる画像を表示可能なアクリルパネルなどの光透過性樹脂板であってもよい。
第1図柄表示装置40は、図3に示すように、例えば、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器(例えば、小数点付き7セグメントLED表示器)である第1セグメント表示部40aを備えている。この第1セグメント表示部40aは、第1の始動口33aまたは第2の始動口33bへの入球に基づいて変動発光等する。さらに、第1図柄表示装置40は、図3に示すように、第1セグメント表示部40aにおける変動表示の保留数を示す保留ランプ40cを備えている。
第1セグメント表示部40aは、第1の始動口33aまたは第2の始動口33bへの入球に基づいて、各セグメント発光部をランダムあるいは順番に発光変更することで、第1図柄の変動表示状態(本実施例では各セグメント発光部の発光変動態様)を発生させ、その発光変動の停止時に、例えば、第1記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると確変大当たり(特定当たり)を意味し、第2記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると潜伏確変大当たり(潜伏特定当たり)を意味し、第3記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると通常大当たり(非特定当たり)を意味し、第4記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると外れを意味する。なお、第1セグメント表示部40aによる第1記号〜第4記号の表示は、一般の遊技者が見ても何を意味するのか知らないため、遊技者がそれを見ただけでは、確変大当たり、潜伏確変大当たり、通常大当たりまたは外れを示すかが分からない(あるいは分かり難い)表示としている。
このように確変大当たり(特定当たり)や潜伏確変大当たり(潜伏特定当たり)や通常大当たり(非特定当たり)となると、可変入賞装置32が後述する特定遊技状態(例えば、大当たり状態)となる。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも2色以上の発光が可能なタイプの単一又は複数個のLEDを採用してもよい。具体的には、第1図柄表示装置40として、例えば赤色と青色に発光可能な2個のLEDを採用した場合を例に挙げると、各LEDの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(各LEDの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLEDが赤色発光状態で停止すると確変大当たり(特定当たり)を示し、一方のLEDが赤色発光状態で停止しかつ他方のLEDが消灯すると潜伏確変大当たり(潜伏特定当たり)を示し、両方のLEDが青色発光状態で停止すると通常大当たり(非特定当たり)を示し、両方のLEDが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示すことが挙げられる。また、第1図柄表示装置40を構成する第1セグメント表示部40a及び保留ランプ40cのうち少なくとも一つを、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRTまたはドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成してもよいし、特に第3図柄表示装置42の表示画面42aに表示する構成としてもよい。また、第1図柄表示装置40にて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成または複数種の色が表示される構成などが考えられる。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第3の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第2の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第3の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示される。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。また、第2図柄表示装置41及び保留ランプ41cのうち少なくとも一つを、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRTまたはドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成してもよいし、特に第3図柄表示装置42の表示画面42aに表示する構成としてもよい。
第3図柄表示装置42では、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞に基づき第1図柄表示装置40にて第1図柄の変動表示と所定の表示(停止表示)が行われる場合にそれに合わせて第3図柄の変動表示と所定の表示(停止表示)が行われる。なお、第3図柄表示装置42では、第1の始動口33aまたは第2の始動口33bへの入賞をトリガとした表示演出だけでなく、大当たり当選となった後に移行する特定遊技状態中の表示演出などが行われる。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば図6に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示される。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、正面視した状態で第3図柄表示装置42の表示画面42aをほぼ囲むようにしてこの第3図柄表示装置42の前方側にセンターフレーム47が配設されている。本実施形態では第3図柄表示装置42として液晶表示装置を採用するが他の種類の画像表示装置(例えば、PDP:プラズマ・ディスプレイ・パネルや、EL:エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレイや、有機ELなど)を採用してもよい。
図3に示す可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態(あるいは、入賞し難い閉状態としてもよい)になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特定遊技状態(例えば、大当たり状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。つまり、本実施例のパチンコ機10は、遊技球の投入数(発射装置229による遊技球の遊技領域30aへの発射数)の方が、遊技球の賞球払出数(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a、第2の始動口33bなどへの遊技球の入球に基づく賞球払出数)よりも多い通常遊技状態(遊技球消費状態)と、遊技球の賞球払出数の方が遊技球の投入数よりも多い特定遊技状態(例えば、大当たり状態)とに状態変移可能なものである。
より詳しくは、第1の始動口33aまたは第2の始動口33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aが変動表示され、その変動停止後の第1セグメント表示部40aの表示が予め設定した記号で停止した場合に特定遊技状態が発生する。例えば、第1記号を停止表示する場合には、確変大当たり(特定当たり)の特定遊技状態に当選したことを意味し、第2記号を停止表示する場合には、潜伏確変大当たり(潜伏特定当たり)の特定遊技状態に当選したことを意味し、第3記号を停止表示する場合には、通常大当たり(非特定当たり)の特定遊技状態に当選したことを意味し、第4記号を停止表示する場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を意味する。
そして、特定遊技状態の発生の場合には、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(例えば16ラウンド数)繰り返し開放される。また、遊技球が第1の始動口33a及び第2の始動口33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40c1,40c2,40c3,40c4(総称する場合は保留ランプ40cと呼ぶ)にて表示される。保留ランプ40cは、40c1,40c2,40c3,40c4の順に順番に点灯される。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面42aの一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図3に示すように、発射装置229(図2参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための2本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は2本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内される。2本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は、遊技盤30の正面視で、略縦楕円のうちでその左斜め上から時計回りで右斜め下までの箇所を除いた形状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図3の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図3の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、返しゴム54が位置している。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、図3に示すように、外レール52の先端部(図3の右上部)から内レール51の右側先端部(図3の右下部)までは、第1図柄表示装置40での遊技領域30a側の壁部56と、内枠12に形成された壁部55(図3に破線で示す)とが位置することにより、遊技領域30aが仕切られている。
なお、図3に示すように、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシールSL(プレートとしてもよい)を貼着するためのスペースである。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシールSLを貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図3に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが大きく構成されている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの向かって右側限界位置は壁部55(内枠12の一部)によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、発射装置229には、前面枠セット14の図示省略の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図2に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるとともに所定の制御基板が前後に重ねられる(例えば、後述する図4の払出制御基板311aが背面視で手前側で、電源装置313の電源制御基板及び発射制御装置312の発射制御基板が払出制御基板311aよりも奥側に位置する)ようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー353等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を図2に示す複数(3個)の取付台230〜232に分けて搭載してそれらを各制御基板ユニットとし、各制御基板ユニットが個別に内枠12又は遊技盤30の背面に装着するようにしている。具体的には、図2に示すように、主制御装置261を取付台230に搭載し、サブ制御装置262を取付台232に搭載してそれぞれユニット化すると共に、払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を取付台231に搭載してユニット化している。
また、払出機構部352は、図2に示すように、各種部品(後述するタンク355、タンクレール356、ケースレール357、払出装置358及び電源スイッチ基板382)がパチンコ機10の背面視で逆Lの字状に配設されて構成されており、払出機構部352及び保護カバー353も1ユニットとして一体化されており、当該ユニットを裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の背面に対して開閉できる構成としている。これは、裏パックユニット203とその他構成とが前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の背面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ(図示省略)が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ(図示省略)が設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,第2の始動口33bに対応する位置には第1の始動口33a用の作動口スイッチ(図示省略)と第2の始動口33b用の作動口スイッチ(図示省略)(図示省略)とがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの遊技球の入球をそれぞれの作動口スイッチで検出される。第3の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第3の始動口34への遊技球の通過を当該ゲートスイッチで検出される。
一般入賞口31の入賞口スイッチ(図示省略)及び第3の始動口34のゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、可変入賞装置32のカウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、第1の始動口33a及び第2の始動口33bの各作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第2の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
図2に示すように、主制御装置261は、パチンコ機10の背面視における下側の取付台230に搭載され、サブ制御装置262は、パチンコ機10の背面視における上側の取付台232に搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは、封印ユニット261cによって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。後述する電源基板より供給される電源はサブ制御装置262を介して表示制御装置45に出力される。なお、サブ制御装置262は、本発明の音声出力制御手段に相当する。
サブ制御装置262は、図5に示すようにRAM553の記憶領域において、後で詳細に説明する各種フラグやカウンタ、すなわち、パチンコ機10への電源投入から30×n遊技回(n:整数))が到来することに基づき、第3図柄の変動表示中の特定音演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯を有する第1特定音(19kHz)と、それよりも低い高さの周波数帯を有する第2特定音(17kHz),第3特定音(15kHz)とを音出力部24に出力する制御を行う第1,第2,第3特定音出力フラグと、特定音演出期間の経過時間を計数するカウンタと、有効期間に演出ボタン80が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯(第1特定音:19kHz,第2特定音:17kHz,第3特定音:15kHz)を把握する第1,第2,第3特定音聴取フラグと、可聴周波数帯が把握されたことに基づき、可聴周波数帯に応じた第1,第2,第3特定音聴取画像を第3図柄表示装置42に表示させる第1,第2,第3特定音聴取表示フラグと、変動表示結果が大当たり表示態様となる場合に、第1,第2,第3特定音聴取フラグによって把握された可聴周波数帯の高さに応じた高さ(19kHz,17kHz,15kHz)の第1,第2,第3一発告知音を出力する第1,第2,第3一発告知音フラグなど、を備えている。
図2に示すように、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が取付台231に搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備している。また、発射制御装置312は発射制御基板を具備している。また、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電/非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用している。なお、それ以外の発射装置229として、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものを採用してもよい。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス311b(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス311bが封印されている。
払出制御装置311には、図2に示すように、状態復帰スイッチ311cが設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ311cが押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できる。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図2に示すように、樹脂成形された保護カバー353と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられる。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触しており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わる。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消される。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされる。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にて接地(アース)されている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制される。
なお、図2に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力される。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、音声出力制御装置47と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成としており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成としており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。また、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じたボリューム信号S10が当該遊技球発射ハンドル18から発射制御装置312に入力されており、発射制御装置312はこのボリューム信号S10を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がONである期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レールに遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。なお、発射制御信号S8(パルス信号)の振幅値は、主制御装置261においてボリューム信号S10に基づいて決定されており、例えば遊技球発射ハンドル18の操作量が大きいほど発射制御信号S8(パルス信号)の振幅値が大きくなる。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFFである期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42における装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
音声出力制御装置46は、音出力部24aにおける通常音声の出力や、音出力部24bにおける特定音の出力を制御するものである。この音声出力制御装置46は、図5に示すように、CPU561と、ROM562と、RAM563などを備えている。CPU561及びRAM563は、第3図柄表示装置42での表示演出に合わせて通常音声の出力や特定音の出力を制御する処理を実行するものである。ROM562は、音声出力処理用のプログラムや、通常音声や特定音に対応する音データが記憶されている。音声出力部24aは、通常音声を出力するためのアンプ24a1とスピーカ24a2とを備えている。音声出力部24bは、特定音や一発告知音を出力するためのアンプ24b1とスピーカ24b2とを備えている。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流24ボルトが22ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図6に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示される。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、役物作動に係る乱数と、遊技の用に供するその他の乱数とを用いて、第1図柄表示装置40の抽選(大当たり抽選:第1図柄の大当たり抽選)や図柄表示の設定や、第2図柄表示装置41の抽選(第2図柄の当たり抽選)や図柄表示の設定や、第3図柄表示装置42の装飾図柄(第3図柄)の変動表示に関する抽選やその設定を行うこととしている。
具体的には、本実施例のパチンコ機10では、役物作動に係る乱数として、図7に示すように、第1図柄表示装置40の大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第1図柄表示装置40の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、第2図柄表示装置41の当たりの抽選に使用する第2図柄乱数カウンタC4と、第2図柄乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値第2図柄乱数カウンタCINI2と、を用いている。
また、このパチンコ機10では、遊技の用に供するその他の乱数として、図7に示すように、第3図柄表示装置42の装飾図柄の変動パターン選択に際して大まかにその変動パターンの種類を特定するための停止パターンの選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、第3図柄表示装置42の装飾図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3と、第2図柄表示装置41の外れ図柄選択に使用する第2図柄外れ図柄カウンタC5と、を用いている。上述した各カウンタは、CPU501で実行されるプログラムにより構成されている。
例えば、「停止パターン0」は複数種類の完全外れ変動パターンからなる完全外れ変動パターン群を示すものであり、「停止パターン1」は複数種類の前後外れリーチ変動パターンからなる前後外れリーチ変動パターン群を示すものであり、「停止パターン2」は複数種類の前後外れ以外リーチ変動パターンからなる前後外れ以外リーチ変動パターン群を示すものであり、「停止パターン3」は複数種類の通常大当たり変動パターンからなる通常大当たり変動パターン群を示すものであり、「停止パターン4」は複数種類の確変大当たり変動パターンからなる確変大当たり変動パターン群を示すものである。
これら全てのカウンタC1〜C5,CINI1〜CINI2,CS1〜CS3は、その更新の都度、前回値に「1」が加算され(以下、「更新」という)、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値が図7に示すRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜それぞれ格納される。また、RAM503には、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(第1保留エリア,第2保留エリア,第3保留エリア,第4保留エリア)からなる保留球格納エリアとが設けられており、これらの各エリアには、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3といった各値が時系列的に格納されるようになっている。なお、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの遊技球の入賞を、始動条件の成立とも呼ぶ。実行エリアに格納された各値を、実行分の変動表示と呼び、保留球格納エリアに格納される各値を、未実行分の変動表示とも呼ぶ。
具体的には、実行エリアおよび保留球格納エリアに実行分および未実行分のいずれの変動表示も格納されていない期間に、始動条件の成立があった場合は、実行エリアに実行分の変動表示が格納される。実行エリアに実行分の変動表示が格納されている期間に、始動条件の成立があった場合は、第1保留エリア,第2保留エリア,第3保留エリア,第4保留エリアの順に未実行分の変動表示が格納される。実行エリアに実行分の変動表示が格納されている場合は、保留球格納エリアに格納された未実行分の変動表示に関して、図柄の変動表示を実行しない変動未実行条件が成立している。
第1保留エリア,第2保留エリア,第3保留エリア,第4保留エリアに格納された未実行分の変動表示を、第1保留,第2保留,第3保留,第4保留とも呼ぶ。
なお、保留球格納エリアに格納された未実行分の変動表示は、(C1)に係る発明の未実行分の変動表示に相当し、保留球格納エリアは、(C1)に係る発明の保留手段に相当する。
上述した各カウンタについて図7を用いて以下に詳細に説明する。大当たり乱数カウンタC1は、例えば「0」〜「599」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「599」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜599)、後述するタイマ割込み(図12参照)毎に1回更新されるとともに、後述する通常処理(図9参照)の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態では後述するタイマ割込み(図12参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33a,第2の始動口33bに入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
大当たり乱数カウンタC1の当たり値、つまり、大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は2個で、その値は「150,450」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は4個で、その値は「50,150,350,450」である。つまり、低確率時では大当たり確率が1/300であり、高確率時では大当たり確率が1/150である。なお、高確率時とは、例えば予め定められた確率変動図柄によって大当たりになり、付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「確変」の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。また、高確率時(確変状態)は、確変大当たりまたは潜伏確変大当たりの終了後(可変入賞装置32の大入賞口32aが例えば16ラウンドにわたって開放動作した後)、次回の大当たりまで継続される。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際における、第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aの変動停止時の図柄(本実施例では、第1セグメント表示部40aの変動表示後の最終表示記号)を決定するものである。本実施例では、大当たり図柄カウンタC2は、例えば「0」〜「9」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「9」)に達した後「0」に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は、前述の大当たり乱数カウンタC1の場合と同様に、定期的に(後述するタイマ割込み(図12参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33a,第2の始動口33bに入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。なお、前述の大当たり乱数カウンタC1が当たりで、かつ、大当たり図柄カウンタC2の値が「1」,「4」,「7」の場合には、第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aが第3記号で停止し、低確率時大当たり、いわゆる通常大当たり(非特定当たり)を示す。また、前述の大当たり乱数カウンタC1が当たりで、かつ、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」,「2」,「5」,「8」の場合には、第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aが第1記号で停止し、高確率時大当たり、いわゆる確変大当たり(特定当たり)を示す。また、前述の大当たり乱数カウンタC1が当たりで、かつ、大当たり図柄カウンタC2の値が「3」,「6」,「9」の場合には、第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aが第2記号で停止し、潜伏高確率時大当たり、いわゆる潜伏確変大当たり(潜伏特定当たり)を示す。なお、大当たり乱数カウンタC1が外れの場合には、大当たり図柄カウンタC2の値に関わらず、第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aが第4記号で停止し、外れを示す。つまり、大当たり種類の振り分けとしては、確変:潜伏確変:通常=4:3:3としている。
また、停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0」〜「238」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後「0」に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置42での装飾図柄のリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、C3=0〜201が完全外れに該当し、C3=202〜208が前後外れリーチに該当し、C3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。なお、停止パターン選択カウンタC3の抽選(リーチの抽通)内容は、パチンコ機10が低確率時であるか高確率時であるか、第1図柄表示装置40の変動時間短縮機能が未作動であるか作動であるか、第1図柄の変動開始時の作動保留球数が何個であるか等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。停止パターン選択カウンタC3は、定期的に(後述するタイマ割込み(図12参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33a,第2の始動口33bに入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、3つの変動種別カウンタCS1〜CS3のうち、変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜198」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「198」)に達した後「0」に戻る構成となっており、変動種別カウンタCS2は、例えば「0〜240」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「240」)に達した後「0」に戻る構成となっており、変動種別カウンタCS3は、例えば「0〜162」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「162」)に達した後「0」に戻る構成となっている。以下の説明では、変動種別カウンタCS1を「第1変動種別カウンタ」、変動種別カウンタCS2を「第2変動種別カウンタ」、変動種別カウンタCS3を「第3変動種別カウンタ」とも適宜に呼ぶこととする。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のように装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別や、完全外れの種別など、大まかな装飾図柄の変動パターン群が決定される。ここでは、例えば、停止パターン選択カウンタC3が「停止パターン1」を示す値(つまり、前後外れリーチ変動パターン群を示す値)のものであったとし、前後外れリーチ変動パターン群の中でも第1変動種別カウンタCS1によってノーマルリーチ群(種類の異なる複数個のノーマルリーチからなる)の変動パターンが決定されたとする。
続いて、このように第1変動種別カウンタCS1で決定された変動パターン群の中からさらに一の変動パターンが、第2変動種別カウンタCS2によって決定される。ここでは、例えばノーマルリーチ群の中から一の種類のノーマルリーチが第2変動種別カウンタCS2によって決定されたとする。なお、種類の異なる複数個のノーマルリーチとしては、リーチ発生後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では例えば中装飾図柄)が停止するまでの経過時間が異なる等の違いを持たせることで実現することが挙げられる。
さらに続いて、このように第2変動種別カウンタCS2で決定された一の変動パターンにおいて変動時間加算を何れの時間とするかが、第3変動種別カウンタCS3によって決定される。例えば、この加算時間としては、第3図柄表示装置42での中装飾図柄列の装飾図柄(第3図柄)が滑り停止するなどの場合には、当該中装飾図柄列の装飾図柄が滑りその後に停止表示されるまでの時間である附加時間が挙げられる。このように、変動種別カウンタCS1〜CS3によって、より細かな装飾図柄変動態様を決定することができる。つまり、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。
なお、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と第2変動種別カウンタCS2だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1および第2変動種別カウンタCS2と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
変動種別カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。したがって、図7に示すように、変動種別カウンタCS1〜CS3は、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動開始時に取得することとしているので、保留球格納エリアに保存しておく必要はなく、カウンタ用バッファに逐次更新記憶しておくだけでよい。
なお、上述した各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、図7に示すように、第2図柄表示装置41の第2図柄の抽選には、第2図柄乱数カウンタC4が用いられる。第2図柄乱数カウンタC4は、例えば「0」〜「250」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。第2図柄乱数カウンタC4は、定期的に(後述するタイマ割込み(図12参照)毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2の始動口34を通過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149個あり、その範囲は「5〜153」である。
特に、第2図柄乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の値が当該第2図柄乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2は、第2図柄乱数カウンタC4と同様のループカウンタであり(値=0〜250)、後述するタイマ割込み(図12参照)毎に1回更新されるとともに、後述する通常処理(図9参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第2図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態では後述するタイマ割込み(図12参照)毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動口34を通過したタイミングでRAM503の第2図柄保留格納エリアに格納される。
つまり、RAM503には、保留球格納エリアとは別のエリアたる第2図柄保留格納エリアも有しており、1つの第2図柄用の実行エリアと4つの第2図柄用の保留エリア(第2図柄用保留第1〜第4エリア)とからなる第2図柄保留格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第2の始動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、第2図柄乱数カウンタC4の各値が時系列的に格納されるようになっている。
また、第2図柄外れ図柄カウンタC5は、後述する図9での通常処理の第2図柄制御処理が1回実行される毎に1回更新され、その値がカウンタ用バッファの第2図柄外れ図柄バッファに更新取得され、第2図柄乱数カウンタC4の第2図柄保留球格納エリアへの記憶の際に、この第2図柄外れ図柄バッファに更新取得された第2図柄外れ図柄カウンタC5も第2図柄保留球格納エリアに記憶される。したがって、図7に示すように、第2図柄乱数カウンタC4の値が落選の場合には、第2図柄保留球格納エリアの第2図柄外れ図柄カウンタC5の値に基づいて、「×」が描かれた表示部41bの点灯表示される。なお、第2図柄外れ図柄カウンタC5を備えず、第2図柄乱数カウンタC4のみに基づいて第2図柄変動表示結果を行うようにしてもよい。つまり、第2図柄乱数カウンタC4が当選なら「○」が描かれた表示部41aを点灯表示し、落選なら「×」が描かれた表示部41bの点灯表示するごとくである。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図8〜図18のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図12は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図12において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS602では、初期値乱数カウンタCINI1と初期値第2図柄乱数カウンタCINI2との更新を実行する。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「599」)に達した際「0」にクリアし、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「250」)に達した後の1インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する(図7参照)。
また、図12に示すように、続くステップS603では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、「599」,「9」,「250」)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する(図7参照)。
その後、図12に示すように、ステップS604では、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図13のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が第1の始動口33a,第2の始動口33bに入賞したか否かを作動口スイッチの検出情報により判別する。遊技球が第1の始動口33a,第2の始動口33bに入賞したと判別されると、続くステップS702では、第1図柄表示装置40の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞があり、かつ作動保留球数N<4であることを条件にステップS703に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。
また、続くステップS704では、第1図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、図7に示したRAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうちの最初のエリアに格納する。
また、図12に示すように、続くステップS605では、発射制御処理を実行する。具体的には、発射制御処理では、主制御装置261のCPU501は、図4に示すように、発射制御装置312からの発射許可信号S7がONである場合に、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力し、発射装置229による遊技球発射制御が行われる。このように発射制御処理をした後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図14は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリアに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図14のNMI割込み処理を開始する。図14のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
図14のNMI割込み処理において、ステップS801では、電源断の発生情報をバックアップエリアに設定する。本実施例では、電源断の発生情報のフラグを立ててバックアップエリアに記憶させる。
次に、メイン処理について説明する。
図8は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、主制御装置261のCPU501は、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。また、ステップS102では、主制御装置261のCPU501は、サブ側の制御装置(サブ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。続くステップS103では、主制御装置261のCPU501は、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、主制御装置261のCPU501は、電源監視基板261bに設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、オフであればステップS105に進み、オンであればステップS113に進む。続くステップS105では、主制御装置261のCPU501は、RAM503のバックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否か(電源断の発生情報のフラグが立っているか否か)を判別する。また、ステップS106では、主制御装置261のCPU501は、RAM判定値を算出し、続くステップS107では、主制御装置261のCPU501は、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、使用RAM領域をクリアおよびRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113では、主制御装置261のCPU501は、RAM503の使用領域を「0」にクリアし、RAM503の初期化処理を実行する。
続くステップS114では、主制御装置261のCPU501は、払出初期化コマンドを送信する。このように、払出初期化コマンドは、主制御装置261が初期化された時に払出制御装置311に出力される。
また、ステップS115では、主制御装置261のCPU501は、電源投入時のコマンドをサブ制御基板262aに送信する。この電源投入時のコマンドは、パチンコ機の機種を判別するためのコマンドを含むものであるため、サブ制御基板262aや表示制御装置45などのサブ側で当該コマンド内容に基づいて機種を判別することができる。
また、ステップS116では、主制御装置261のCPU501は、CTC(Counter/Timer Circuit)の初期設定を実行する。ステップS117では、主制御装置261のCPU501は、割込み許可を設定し、後述する通常処理(図9参照)に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS109では、主制御装置261のCPU501は、払出復帰コマンドを払出制御装置311に送信し、払出制御開始を払出制御装置311に指示する。詳細は後述するが、払出制御装置311は、主制御装置261から払出復帰コマンドを受信すると、復帰し、払出制御を開始する。
ステップS110では、主制御装置261のCPU501は、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に複帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、主制御装置261のCPU501は、CTC(Counter/Timer Circuit)の初期設定を実行する。さらに、ステップS112では、割込み許可を設定し、それから後述する通常処理(図9参照)に移行する。例えば、通常処理の途中で電源断が発生したとしても、当該通常処理の最後のステップ(図9に示す「RAMアクセス禁止」のステップ)まで実行してから電源断状態となるので、復電後は通常処理の最初のステップたるステップS201から実行されることになる。
次に、通常処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS210,S211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
図9において、先ずステップS201では、主制御装置261のCPU501は、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信するという外部出力処理を行う。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第1図柄表示装置40の第1図柄変動表示(第1セグメント表示部40aの変動表示)に連動して第3図柄表示装置42による装飾図柄(第3図柄)の変動表示も行われるのであるが、第1図柄表示装置40の第1図柄の変動表示に際して変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、全停止コマンド(確定コマンド)等を外部出力処理においてサブ制御装置262に送信する。
なお、このパチンコ機10では、第1図柄の変動開始時において、変動パターン指定コマンド→演出コマンド(変動時間の変更等を指定するためのコマンド)→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されるようになっている。また、第1図柄の変動開始後において、変動パターン指定コマンド→演出コマンド→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されるようにしてもよい。
変動パターン指定コマンドは、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変動パターンを指定するためのコマンドである。変動パターン指定コマンドは、主制御装置261からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信される。表示制御装置45は、送信されてきた変動パターン指定コマンドに基づいて、装飾図柄の変動パターンを表示実行するように第3図柄表示装置42を制御する。
装飾図柄指定コマンドは、第3図柄表示装置42での装飾図柄(第3図柄)の変動表示演出が、確変大当たり(特定当たり)、潜伏確変大当たり(潜伏特定当たり)、通常大当たり(非特定当たり)、外れの何れとなるかを指定するためのコマンドである。装飾図柄指定コマンドは、主制御装置261からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信される。表示制御装置45は、装飾図柄の変動パターンの表示結果を、送信されてきた装飾図柄指定コマンドに応じた結果(確変大当たり(特定当たり)、潜伏確変大当たり(潜伏特定当たり)、通常大当たり(非特定当たり)あるいは外れ)となるように第3図柄表示装置42を表示制御する。
全停止コマンドは、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変動パターンの停止を指示するためのコマンドである。全停止コマンドは、主制御装置261からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信される。表示制御装置45は、送信されてきた全停止コマンドに基づいて、装飾図柄の変動パターンを停止表示するように第3図柄表示装置42を制御する。
また、主制御装置261のCPU501は、通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて、変動パターン指定コマンドと演出コマンド(変動時間の変更等を指定するためのコマンド)とをサブ制御装置262に送信することがある。つまり、変動種別カウンタCS3の値に基づいて変動時間加算(前述した装飾図柄の滑り演出による附加時間)を何れの時間とするかが決定され、このような加算時間を適切にサブ制御装置262に指示するために、演出コマンドが用いられるのである。したがって、第1図柄の変動開始後において、変動パターン指定コマンド→演出コマンド→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されることがある。
次に、ステップS202では、主制御装置261のCPU501は、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当する図7に示すバッファ領域に格納する。
続く図9のステップS203では、主制御装置261のCPU501は、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号や下皿満タン信号を読み込む。その後、ステップS204では、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動表示を行うための第1図柄変動処理を実行する。この第1図柄変動処理により、大当たり判定や第1図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、第1図柄変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS205では、主制御装置261のCPU501は、大当たり状態である場合において可変入賞装置32の大入賞口32aを開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口32aを開放し、そのラウンド毎に、大入賞口32aの最大開放時間が経過したか、又は大入賞口32aに遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立するとそのラウンドにおける大入賞口32aの開放を止めて閉鎖し、残りのラウンドがある場合には、大入賞口32aの開放を残りラウンド数繰り返し実行する。
また、ステップS206では、主制御装置261のCPU501は、第2図柄表示装置41による第2図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2の始動口34を通過したことを条件に、その都度の第2図柄乱数カウンタC4が取得されると共に第2図柄表示装置41の表示部41a,41bにて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2図柄乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、主制御装置261のCPU501は、ステップS207に示すように、下部側の第2の始動口33bを所定時間開放する第2の始動口33bの開放処理を行う。なお説明は省略したが、第2図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3と同様に、図12に示すタイマ割込処理にて更新されるようになっている。
また、ステップS208では、主制御装置261のCPU501は、RAM503のバックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否か(電源断の発生情報のフラグが立っているか否か)を判別する。電源断の発生情報が設定されていない場合には、ステップS209に進み、電源断の発生情報が設定されている場合には、ステップS212に進む。
その後、ステップS209では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を繰り返し実行する(ステップS210,S211)。つまり、ステップS210では、初期値乱数カウンタCINI1及び初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の更新を実行する。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「599」)に達した後の1インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。これと同様に、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「250」)に達した後の1インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS211では、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「198」,「240」,「162」)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1,初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)及び初期値第2図柄乱数カウンタCINI2(すなわち、第2図柄乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
また、ステップS208において、電源断の発生情報が設定されていて、ステップS212に進んだ場合には、主制御装置261のCPU501は、割込み禁止を設定する。続いて、ステップS213では、主制御装置261のCPU501は、電源が速断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。続いて、ステップS214では、主制御装置261のCPU501は、制御信号の出力を停止する。続いて、ステップS215では、主制御装置261のCPU501は、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。続いて、ステップS216では、主制御装置261のCPU501は、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
次に、前記ステップS204の第1図柄変動処理を図10のフローチャートを参照して説明する。
図10において、ステップS401では、主制御装置261のCPU501は、今現在大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に第3図柄表示装置42で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS402では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに第1図柄の変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装置40の作動保留球数Nが「0」よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが「0」である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、第1図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、主制御装置261のCPU501は、作動保留球数Nを「1」減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2ユリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS406では、主制御装置261のCPU501は、変動開始処理を実行する。ここで、図11のフローチャートを用いて変動開始処理を詳細に説明すると、ステップS501では、主制御装置261のCPU501は、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモード(確変状態であるのか通常状態であるのか)との関係に基づいて判別され、前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値「0」〜「599」のうち「150,450」が当たり値(2個)であり、高確率時には「50,150,350,450」が当たり値(4個)である。
主制御装置261のCPU501は、大当たりであると判別した場合、ステップS502では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する大当たり図柄、すなわち、第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aで表示する第1記号〜第3記号の何れかとするかを求める。つまり、大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル(図示省略)に基づいて、大当たり図柄カウンタC2の値に対応する大当たり図柄(「特定当たり図柄」、「潜伏特定当たり図柄」または「非特定当たり図柄」)を求める。
次に、ステップS503では、主制御装置261のCPU501は、大当たり時における変動パターン(大当たり演出パターン)を決定する。具体的には、主制御装置261のCPU501は、停止パターン選択カウンタC3を用いることなく、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値及び変動種別カウンタCS1,CS2の値をその順に確認し、変動パターンを決定する。
つまり、大当たり図柄カウンタC2の値に基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄を通常大当たり(非特定当たり)の「停止パターン3」で表示するのか、又は第3図柄表示装置42での装飾図柄を確変大当たり(特定当たり)の「停止パターン4」で表示するのかを決定する。このように決定した「停止パターン3」または「停止パターン4」の種別をさらに第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて決定する。つまり、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のように装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別など、大まかな装飾図柄の変動パターン群を決定する。続いて、このように決定した大まかな装飾図柄の変動パターン群の中から、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、一の変動パターンを決定する。例えば、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、リーチ発生後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では中装飾図柄)が停止するまでの経過時間を所定時間にする等、より細かな装飾図柄変動態様を決定する。なお、大当たりの場合における次の各関係、つまり、大当たり図柄カウンタC2の数値と停止パターンとの関係、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動パターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれに大当たり用のテーブル等により予め規定されている。
一方、ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS504において、主制御装置261のCPU501は、外れ図柄、すなわち第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aを第4記号で停止表示させるという停止図柄に設定する。
次に、ステップS505では、主制御装置261のCPU501は、外れ時における変動パターン(外れ演出パターン)を決定し、当該外れ変動パターンを変動パターン指定コマンドに設定する。具体的には、主制御装置261のCPU501は、RAM503の保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1,CS2の値をその順に確認し、変動パターンを決定する。
つまり、停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄のリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」である「停止パターン1」と、同じくリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」である「停止パターン2」と、リーチ発生しない「完全外れ」である「停止パターン0」との何れの停止パターンにするかを決定する。例えば、この決定した停止パターンが例えば前後外れリーチとなる「停止パターン1」である場合には、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、前後外れリーチ変動パターン群の中からノーマルリーチ、スーパーリーチ等のような装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別が特定された変動パターンが決定されるなど、大まかな装飾図柄の変動パターン群を決定する。なおここではノーマルリーチが決定されたとする。続いて、このように決定した大まかな装飾図柄のノーマルリーチ変動パターン群の中から、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、さらに一の変動パターンを決定する。例えば、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、リーチ発生後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では中装飾図柄)が停止するまでの経過時間を所定時間にする等、より細かな装飾図柄変動態様を決定する。なお、外れの場合における次の各関係、つまり、停止パターン選択カウンタC3の数値と停止パターンとの関係、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動パターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれに外れ用のテーブル等により予め規定されている。
本実施の形態では、上述の外れ用のテーブルのうちの一つとしては、例えば、低確率時で、第1図柄表示装置40の変動時間短縮機能の状態で、第1図柄の変動開始時の当該第1図柄の作動保留数が「0」の場合に採用されるものがあり、停止パターン選択カウンタC3の値が「0〜201」の場合にはリーチなし(完全外れ)に該当し、「202〜208」が前後外れリーチに該当し、「209〜238」が前後外れ以外リーチに該当するものが挙げられる。
続いて、ステップS506では、主制御装置261のCPU501は、演出時間加算の決定、つまり、ステップS503で決定された大当たり変動パターンまたはステップS505で決定された外れ変動パターンの演出時間の加算の決定を行う。より具体的には、変動種別カウンタCS3の値に基づいて、第3図柄表示装置42での中装飾図柄列の装飾図柄(第3図柄)が滑り停止するなどによる演出時間の増加(当該中装飾図柄列の装飾図柄が滑りそれが停止表示されるまでの時間の増加)を含む変動パターンが決定される。
また、ステップS507では、主制御装置261のCPU501は、ステップS503で決定された大当たり変動パターンに対応する変動パターン指定コマンド、または、ステップS505で決定された外れ変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを設定する。
続いて、ステップS508では、主制御装置261のCPU501は、ステップS502,S503を経てきた場合には、ステップS502で決定された第1図柄表示装置40の大当たり図柄(「特定当たり図柄」または「非特定当たり図柄」)に対応する装飾図柄指定コマンドを設定し、ステップS504,S505を経てきた場合には、ステップS504で決定された第1図柄表示装置40の外れ図柄に対応する装飾図柄指定コマンドを設定する。
続いて、ステップS509では、主制御装置261のCPU501は、ステップS506で決定された演出時間加算に対応する演出時間加算指定コマンドを設定し、本処理を終了する。
図10の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第1図柄の変動表示中である場合には、ステップS407に進み、主制御装置261のCPU501は、第1図柄の変動時間が経過したか否かを判別する。この第1図柄の変動時間は、図11を用いて前述したように決定された変動パターン及び演出時間加算に基づいて決められており、つまり、第1図柄の変動パターンに応じて当該第1図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS407が肯定判別される。変動時間が経過していなければステップS408に進み、変動時間が経過していればステップS409に進む。
そして、ステップS408では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装置40での第1図柄の変動表示を更新する。つまり、第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aの変動表示を継続し、本処理を終了する。
一方、ステップS409では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄の変動表示を停止し、第1図柄の停止図柄を表示図柄へ設定する。つまり、図11のステップS502で大当たり図柄(確変大当たり)に決定された場合には、第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aの変動表示後に、この第1セグメント表示部40aを第1記号で停止表示する(確変大当たり(特定当たり)を意味する)。図11のステップS502で大当たり図柄(潜伏確変大当たり)に決定された場合には、第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aの変動表示後に、この第1セグメント表示部40aを第2記号で停止表示する(潜伏確変大当たり(潜伏特定当たり)を意味する)。図11のステップS502で大当たり図柄(通常大当たり)に決定された場合には、第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aの変動表示後に、この第1セグメント表示部40aを第3記号で停止表示する(通常大当たり(非特定当たり)を意味する)。図11のステップS504で外れ図柄に決定された場合には、第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aの変動表示後に、この第1セグメント表示部40aを第4記号で停止表示する(外れを意味する)。
続いて、ステップS410では、主制御装置261のCPU501は、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変動パターンの停止を指示するための全停止コマンドを設定し、その後本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図15は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、払出制御装置311のCPU511は、スタックアドレスと割込みモードを設定する。また、ステップS902では、払出制御装置311のCPU511はRAMアクセスを許可し、ステップS903では、払出制御装置311のCPU511は外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS904では、払出制御装置311のCPU511は、RAM513のバックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS905では、払出制御装置311のCPU511は、RAM判定値を算出し、続くステップS906では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
続いて、ステップS907では、払出制御装置311のCPU511は、復電時のRAM513の初期設定を行う。具体的には、主制御装置261が初期化されるとこの主制御装置261から払出初期化コマンドが払出制御装置311に送信され、払出制御装置311のCPU511は、主制御装置261からの払出初期化コマンドを受けると、このステップS907で復電時のRAM513の初期設定を行う。つまり、RAM領域の初期化を行い、遊技球の払出しの制御を開始する。
したがって、電源投入時にRAM消去スイッチ323が押下(ON)されている場合には、主制御装置261が初期化されるとともに、この主制御装置261から払出制御装置311に払出初期化コマンドが送信されることになり、払出制御装置311のCPU511は、主制御装置261からの払出初期化コマンドに基づいて、RAM513の初期化処理が行われる。
続いて、ステップS908では、払出制御装置311のCPU511は、当該CPU511の周辺デバイスの初期設定を行う。具体的には、CPU周辺デバイスとは、CTC(Counter/Timer Circuit)と呼ばれるタイマ制御デバイスであり、このCTCを所定値に設定してタイマ割込みを2ミリ秒(ms)毎に発生させる。
続いて、ステップS909では、払出制御装置311のCPU511は、割込み許可設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、ステップS904にて電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS906にてRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、払出制御装置311のCPU511はRAM513の全領域を「0」にクリア(ステップS910)し、初期化処理を行う(ステップS911)。
次に、払出制御処理の流れを図16のフローチャートを参照しながら説明する。
図16において、ステップS1001では、払出制御装置311のCPU511は、主制御装置261からのコマンドを取得し記憶する。ここで、この記憶するコマンドとしては、15種類の賞球コマンド(1個〜15個の払出しを指示するための15種類の賞球コマンド)や、払出制御装置311への払出制御開始を指示するための払出復帰コマンドや、払出制御装置311への払出初期化を指示するための払出初期化コマンドの合わせて17種類のコマンドが挙げられる。
ステップS1002では、払出制御装置311のCPU511は、払出許可を受信済みか否かを判別する。つまり、払出復帰コマンドや賞球コマンドを受けたか否かを判別する。また、ステップS1003では、払出制御装置311のCPU511は、状態復帰スイッチ(図示省略)をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS1004では、払出制御装置311のCPU511は、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。
また、ステップS1005では、払出制御装置311のCPU511は、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1006では、払出制御装置311のCPU511は、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が「0」でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図17)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図18)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続のバイブモータ制御(ステップS1013)を実行する。
ステップS1013では、払出制御装置311のCPU511は、バイブレータ360(図2参照)の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、ステップS1014では、払出制御装置311のCPU511は、停電発生か否かを判別する。停電発生であればステップS1015に進み、そうでなければステップS1001に戻る。ステップS1015では、払出制御装置311のCPU511は、電源断の発生情報を設定し、ステップS1016では、RAM判定値を作成する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ここで、図17に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図16の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図16の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図16の払出制御処理に戻る。
また、図18に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図16の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図16の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図16の払出制御処理に戻る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリアに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図14のNMI割込み処理を開始する。その内容は図14で説明した通りである。
次に、サブ制御装置262のメイン処理と通常処理とについて図19及び図20を用いて説明する。図19は、サブ制御装置262のCPU551により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。図20は、サブ制御装置262のCPU551により実行される通常処理の一例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1301では、サブ制御装置262のCPU551は、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、ポートの設定(ポートI/O切り替えおよび初期値出力)と、タイマの設定(1ミリ秒インターバルタイマ、液晶コマンドストローブ出力タイマ)と、割込み設定(サブコマンドストローブ割込み)とを行う。
また、ステップS1302では、サブ制御装置262のCPU551は、電源断処理が未完了か否かを判別する。具体的には、パチンコ機10の前面枠セット14の各種ランプ(環状電飾部102や中央電飾部103等)が全消灯しており、かつ、スピーカが消音状態となっているか否かを判別する。そして、電源断処理が未完了であればステップS1304に進み、そうでなければステップS1303に進む。
続いて、ステップS1303では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMが破壊されているか否かを判別し、破壊されていればステップS1304に進み、そうでなければステップS1307に進む。ステップS1304では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAM領域読み書きチェックを行う。そして、ステップS1305では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMは正常か否かを判別する。サブ制御装置262のRAMが正常であればステップS1306に進み、異常であればステップS1312に進む。ステップS1306では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM553のエリア毎にRAM破壊チェック用のデータを書き込み、その読み出し異常があれば破壊されていると判別するためのRAM破壊チェックデータの設定を行う。
そして、ステップS1307では、サブ制御装置262のCPU551は、電源断後の電源投入であるのか否かを判別する。電源断後の電源投入であればステップS1308に進み、そうでなければステップS1309に進む。
ステップS1308では、サブ制御装置262のCPU551は、未処理化RAM領域以外のRAM領域をクリアする。具体的には、未処理化RAM領域は、データをクリアするとシステム上問題となる情報を保存する領域であり、RAM領域破壊時以外は残したい情報のエリアのことである。例えば、サブコマンド受信バッファや電源投入情報などが挙げられる。主制御装置261が電源断して、サブ制御装置262がリセットした場合(主制御装置261から電源断通知コマンドを受信した場合)に、未処理化RAM領域以外のRAM領域をクリアする。
ステップS1309では、サブ制御装置262のCPU551は、割込み許可を設定する。ステップS1310では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMの初期値設定を行う。ステップS1311では、サブ制御装置262のCPU551は、演出用初期化フラグを「1」に設定し、図20に示す通常処理に移行する。
なお、ステップS1312では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM異常報知を行い、無限ループに入る。例えば、所定のランプを無条件で点灯させるなどの報知を行うことが挙げられる。
図20に示すように、ステップS1401では、サブ制御装置262のCPU551は、通常処理開始時から1ms以上経過したか否かを判別する。1ms以上経過していれば、ステップS1402に進み、経過していなければステップS1410に進む。
ステップS1402では、サブ制御装置262のCPU551は、ランプ出力処理を行う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄(第3図柄)の変動パターン演出に合わせたランプ出力を行う。
ステップS1403では、サブ制御装置262のCPU551は、電源投入報知を行う。具体的には、電源投入コマンドによる30秒間の報知を行う。
ステップS1404では、サブ制御装置262のCPU551は、客待ち演出を行う。具体的には、タイトル/静止画の切り替えを行う。つまり、いわゆるデモ画面表示を行う。
ステップS1405では、サブ制御装置262のCPU551は、第1図柄変動の保留個数表示更新処理を行う。具体的には、この保留個数表示更新処理は、第1図柄表示装置40の保留ランプ40cに対応した表示を第3図柄表示装置42でも行うための処理である。
ステップS1406では、サブ制御装置262のCPU551は、枠ボタン入力監視・演出処理を行う。具体的には、この枠ボタン入力監視・演出処理は、遊技者が押下可能な枠ボタン(例えば、図2に示した上選択ボタン71,下選択ボタン72,演出ボタン80など)を備えたパチンコ機において、枠ボタンの押下による機種別の演出を行うためのものである。したがって、このような枠ボタンを備えないパチンコ機においては、本処理は不要である。
ステップS1407では、サブ制御装置262のCPU551は、ランプ編集処理を行う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出に対応(同期)したランプ点灯パターンを編集する処理を行う。
ステップS1408では、サブ制御装置262のCPU551は、音編集・出力処理を行う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出に対応(同期)した音を鳴らす(音声、音楽、効果音などを音声出力する)処理を行う。
ステップS1409では、サブ制御装置262のCPU551は、演出実行管理処理を行う。具体的には、ランプと音声と液晶演出(第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出)とを同期させる時間管理等を行う。
ステップS1410では、サブ制御装置262のCPU551は、第3図柄表示装置42で行うべき装飾図柄の変動パターンおよび音声ランプの演出を決定するための乱数の値を更新する処理を行う。具体的には、この乱数は例えば「0」〜「32767」の値をとるものであって、上限値「37268」に達すると「0」に戻るものが挙げられる。
ステップS1411では、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からコマンドを受信した場合に、各コマンドに対応した処理を行う。
具体的には、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの変動パターン指定コマンドを受信した場合に、この変動パターン指定コマンドをコマンド変換した表示コマンドを表示制御装置45に送信する。なお、変動パターン指定コマンドをそのままスルー出力するようにしてもよい。また、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの装飾図柄指定コマンドを受信した場合に、この装飾図柄指定コマンドをコマンド変換した停止表示コマンドを表示制御装置45に送信する。また、装飾図柄指定コマンドのコマンド変換において、停止表示コマンド以外に予告コマンドが生成された場合には予告コマンドも表示制御装置45に送信する。この予告コマンドとしては、予告としての例えば魚群の出現の有無が挙げられる。また、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの全停止コマンド(確定コマンド)を受信した場合に、この全停止コマンドをそのまま表示制御装置45に送信する。
ステップS1412では、サブ制御装置262のCPU551は、表示制御装置45などにコマンドを出力するコマンド出力処理を行う。サブ制御装置262のCPU551は、例えば、前述の表示コマンドや停止表示コマンドなど各種のコマンドを表示制御装置45に送信する。
ステップS1413では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMが破壊されているか否かを判別する。RAM破壊されていなければステップS1401に戻り、破壊されていれば無限ループに入る。
ここで、サブ制御装置262による図20に示したステップS1406の枠ボタン入力監視・演出処理について、図21〜図22を用いて説明する。図21は、サブ制御装置262による枠ボタン入力監視・演出処理を示すフローチャートである。図22は、サブ制御装置262による演出ボタン入力監視・演出処理を示すフローチャートである。
サブ制御装置262は、図21に示すように、枠ボタン入力監視処理を行う。具体的には、先ず、ステップS1501では、サブ制御装置262のCPU551は、選択ボタン入力監視・演出処理を行う。
ステップS1502では、サブ制御装置262のCPU551は、演出ボタン入力監視・演出処理を行い、本処理を終了する。
<演出ボタン入力監視・演出処理>
ここで、この演出ボタン入力監視・演出処理を、図22のフローチャートを用いて詳細に説明する。
図22に示すように、ステップS1700では、サブ制御装置262のCPU551は、図1に示した演出ボタン80の入力を監視する。
ステップS1701では、サブ制御装置262のCPU551は、特定音演出有りの変動パターンであるか否かを判定する。具体的には、当該遊技回が30×n(n=整数)遊技回後の最初のリーチ変動パターンを含む遊技回であるか否かを判定する。リーチ変動パターンは、ノーマルリーチ,スーパーリーチなど各種のリーチ変動パターンでよい。特定音演出を行う遊技回において特定音演出を行う時間を確保するためである。30×n遊技回後の最初のリーチ変動パターンを含む遊技回であればステップS1702に進み、そうでなければ後述するステップS1713に進む。
ステップS1702では、サブ制御装置262のCPU551は、特定音演出期間における特定音演出開始タイミングであるか否かを判定する。特定音演出開始タイミングは、リーチ変動パターンにおいてリーチ成立後から所定秒後などのように決定される。特定音演出開始タイミングであればステップS1703に進み、そうでなければ後述するステップS1708に進む。
ステップS1703では、サブ制御装置262のCPU551は、特定音演出開始フラグを「1」に設定して、ステップS1704に進む。ステップS1704では、サブ制御装置262のCPU551は、特定音演出期間用カウンタの計数を開始する。特定音演出期間は、リーチ変動中の所定秒間のように決定される。
ステップS1705では、サブ制御装置262のCPU551は、演出ボタン80の検出があったか否かを判定する。演出ボタン80の検出があればステップS1707に進み、そうでなければ本処理を終了する。なお、ステップS1705では、演出ボタン80の正常な検出があった場合のみ肯判定する。例えば、演出ボタン80が連打された場合には、最初の1回の押下検出のみを有効と判定し、後の押下検出を無効と判定する。
ステップS1707では、サブ制御装置262のCPU551は、演出ボタン検出フラグを「1」に設定し、ステップS1708に進む。ステップS1708では、サブ制御装置262のCPU551は、演出ボタン80の有効な押下が検出された時点の特定音演出期間用カウンタの時間情報(以下、ボタン検出時間情報)を取得する。
ステップS1709では、サブ制御装置262のCPU551は、特定音演出終了タイミングであるか否かを判定する。特定音演出終了タイミングは、特定音演出期間の終了時点に相当する。特定音演出終了タイミングであればステップS1710に進み、そうでなければ後述するステップS1712に進む。
ステップS1710では、サブ制御装置262のCPU551は、特定音演出開始フラグを「0」に設定し、ステップS1711に進む。ステップS1711では、サブ制御装置262のCPU551は、特定音演出期間用カウンタの計数を終了する。
ステップS1712では、サブ制御装置262のCPU551は、特定音演出終了タイミングを待たずに特定音演出開始フラグがすでに「0」になっているか否かを判定する。特定音演出開始フラグが「0」であれば上述したステップS1711に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS1713では、サブ制御装置262のCPU551は、演出ボタン80の操作検出がされた時点の遊技回が、300×n回目(n:整数)であればステップS1714に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS1714では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知音の高さを決定するタイミングが到来したことを示す一発告知音決定フラグを「1」に設定して、本処理を終了する。一発告知音を決定する処理は、後述する。
次に、サブ制御装置262による図20に示したステップS1409の演出実行管理処理について図23〜図28を用いて説明する。また、特定音演出等で使用するフラグの説明には、図5も参照する。
図23は、サブ制御装置262による演出実行管理処理を示すフローチャートである。図24は、サブ制御装置262による演出ボタン有効判定期間設定処理を示すフローチャートである。図25は、サブ制御装置262による特定音出力処理を示すフローチャートである。図26は、サブ制御装置262による開閉モード(大当たり)表示設定処理を示すフローチャートである。図27は、サブ制御装置262による変動表示態様設定処理を示すフローチャートである。図28は、サブ制御装置262による一発告知音決定処理を示すフローチャートである。
<特定音聴取判定処理>
図23に示すように、ステップS1901では、サブ制御装置262のCPU551は、演出ボタン有効判定期間設定処理を行う。この演出ボタン有効判定期間設定処理について、図24を用いて以下に説明する。
図24に示すように、ステップS2001では、サブ制御装置262のCPU551は、ステップS1707で上述した演出ボタン検出フラグが「1」であるか否かを判定する。演出ボタン検出フラグが「1」であればステップS2002に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS2002では、サブ制御装置262のCPU551は、ステップS1708で取得されたボタン検出時間情報が、以下に説明する第1特定音有効判定期間内であるか否かを判定する。第1特定音有効判定期間とは、第1特定音出力中に第1特定音を聴き取って遊技者が演出ボタン80を操作したことを検出するための期間であって、第1特定音出力期間に合わせて予め設定される演出ボタン80の操作を有効とするための期間である。なお、後述する第2,第3特定音有効判定期間も同様である。ボタン検出時間情報が第1特定音有効判定期間内であればステップS2003に進み、そうでなければステップS2004に進む。
ステップS2003では、サブ制御装置262のCPU551は、以下に説明する第1特定音聴取フラグを「0」から「1」に設定するとともに、以下に説明する第1特定音聴取回数カウンタを「1」加算するし、ステップS2008に進む。 第1特定音聴取フラグは、サブ制御装置262のRAM553に備えられ、第1特定音有効判定期間に演出ボタン80が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯が19kHzであることを把握するフラグである。第1特定音聴取回数カウンタは、サブ制御装置262のRAM553に備えられ、遊技者が第1特定音を聴き取った回数をカウントするカウンタである。なお、後述する第2,第3特定音聴取回数カウンタも同様である。
このとき、サブ制御装置262のCPU551は、遊技者が第1特定音を聴き取ることができたことを示す第1特定音聴取表示フラグを「1」に設定するとともに、第1特定音聴取表示コマンドをセットする。第1特定音聴取表示フラグは、サブ制御装置262のRAM553に備えられる。第1特定音聴取表示コマンドは、表示制御装置45に送信される。なお、第2,第3特定音聴取表示フラグも同様に処理される。
ステップS2004では、サブ制御装置262のCPU551は、ボタン検出時間情報が第2特定音有効判定期間内であるか否かを判定する。第2特定音有効判定期間内であればステップS2005に進み、そうでなければステップS2006に進む。ステップS2005では、サブ制御装置262のCPU551は、以下に説明する第2特定音聴取フラグを「0」から「1」に設定するとともに、第2特定音聴取回数カウンタを「1」加算し、ステップS2008に進む。第2特定音聴取フラグは、第2特定音有効判定期間に演出ボタン80が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯が17kHzであることを把握するフラグである。また、第2特定音聴取表示フラグが「1」に設定される。
ステップS2006では、サブ制御装置262のCPU551は、ボタン検出時間情報が第3特定音有効判定期間内であるか否かを判定する。第3特定音有効判定期間であればステップS2007に進む。ステップS2007では、サブ制御装置262のCPU551は、以下に説明する第3特定音聴取フラグを「0」から「1」に設定するとともに、第3特定音聴取回数カウンタを「1」加算し、ステップS2008に進む。また、第3特定音聴取表示フラグが「1」に設定される。
ステップS2006で否判定であれば、ボタン検出時間情報は第1〜第3特定音有効判定期間のいずれでもないので、後述するステップS2009に進む。このように、特定音演出期間のうち第1〜第3特定音有効判定期間以外で演出ボタン80の押下が検出された場合は、当該押下の検出は、無効として扱われる。これにより、特定音演出期間内に当てずっぽうに演出ボタン80が操作されることに基づき、不正確な遊技者の年齢層が把握されることを低減することができる。
本実施例の特定音演出は、遊技者が第1〜第3特定音のいずれかを聴き取って演出ボタン80を押下した時点で終了される。そのため、ステップS2008では、サブ制御装置262のCPU551、特定音演出開始フラグを「0」に戻し、ステップS2009に進む。ステップS2009では、サブ制御装置262のCPU551は、演出ボタン検出フラグを「0」に戻し、本処理を終了する。
なお、上述したサブ制御装置262のRAM553における第1〜第3特定音聴取フラグは、本発明の把握手段に相当する。また、サブ制御装置262のRAM553における第1〜第3特定音聴取表示フラグは、本発明の特定情報表示制御手段に相当する。
<選択ボタン有効判定期間設定処理>
図23に示す演出実行処理に戻って、ステップS1902では、サブ制御装置262のCPU551は、選択ボタン有効判定期間設定処理を行う。選択ボタン有効判定期間設定処理は、選択ボタン71〜74の操作検出を有効とする期間を設定する。
<特定音出力期間設定処理>
ステップS1903は、サブ制御装置262のCPU551は、特定音出力期間設定処理を行う。この特定音出力処理について、図25を用いて以下に説明する。
図25に示すように、ステップS2100では、サブ制御装置262のCPU551は、特定音演出開始フラグが「1」であるか否かを判定する。特定音演出開始フラグが「1」であれば特定音演出を開始するためにステップS2101に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS2101では、サブ制御装置262のCPU551は、特定音演出を開始するに当たり必要な表示を表示制御装置45が第3図柄表示装置42に表示するように制御するための特定音演出表示開始コマンドをセットする。
ステップS2102では、サブ制御装置262のCPU551は、第1特定音出力タイミングが到来したか否か判定する。第1特定音出力タイミングであれば、ステップS2103に進み、そうでなければステップS2110に進む。
ステップS2103では、サブ制御装置262のCPU551は、以下に説明する第1特定音出力フラグを「1」に設定するとともに、第1特定音出力開始コマンドをセットする。第1特定音出力フラグは、サブ制御装置262のRAM553に備えられ、30×n回目の遊技回が到来する毎に、所定長さの特定音演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な19kHzの周波数帯を有する第1特定音が出力するフラグである。第1特定音出力終了コマンドは、音声出力制御装置47に送信される。
ステップS2104では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM553に備えられる第1特定音出力期間カウント用のタイマを加算または減算して、第1特定音出力期間をカウントし、ステップS2105に進む。
ステップS2105では、サブ制御装置262のCPU551は、タイマの値が0になったか否かを判定する。タイマの値が0でなければステップS2106に進み、タイマの値が0になればステップS2109に進む。
ステップS2106では、サブ制御装置262のCPU551は、ステップS2003で上述した第1特定音聴取フラグが「1」であるか否かを判定する。第1特定音聴取フラグが「1」であればステップS2109に進み、そうでなければ(「0」であれば)本処理を終了する。
ステップS2109では、サブ制御装置262のCPU551は、第1特定音出力期間をカウントするタイマの値が0になったこと、または、特定音演出開始フラグが「0」に設定されたことに基づき、第1特定音出力フラグを「0」に設定するとともに、第1特定音出力終了コマンドをセットする。第1特定音出力終了コマンドは、音声出力制御装置47に送信される。これにより、本処理を終了する。
ステップS2110では、サブ制御装置262のCPU551は、第2特定音出力タイミングであるか否かを判定する。第2特定音出力タイミングであれば、ステップS2111に進み、そうでなければステップS2119に進む。
ステップS2111では、サブ制御装置262のCPU551は、第1特定音聴取フラグが「1」であるかどうか判定する。第1特定音聴取フラグが「1」であれば、本処理を終了する。第1特定音聴取フラグが「1」でなければ、ステップS2112に進む。ステップS2112では、サブ制御装置262のCPU551は、第2特定音出力フラグを「1」に設定するとともに、第2特定音出力開始コマンドをセットして、ステップS2113に進む。第2特定音出力開始コマンドは、音声出力制御装置47へ出力される。
ステップS2113では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM553に備えられる第2特定音出力期間用のタイマを加算または減算し、第2特定音出力期間をカウントする。ステップS2114では、サブ制御装置262のCPU551は、タイマの値が0であるか否かを判定する。タイマの値が0でなければ、ステップS2115に進む。タイマの値が0であれば、ステップS2118に進む。
ステップS2115では、サブ制御装置262のCPU551は、ステップS2004で上述した第2特定音聴取フラグが「1」であるか否かを判定する。第2特定音聴取フラグが「1」であればステップS2118に進み、そうでなければ(「0」であれば)本処理を終了する。
ステップS2118では、サブ制御装置262のCPU551は、第2特定音出力期間をカウントするタイマの値が0になったこと、または、特定音演出開始フラグが「0」に設定されたことに基づき、第2特定音出力フラグを「0」に設定するとともに、第2特定音出力終了コマンドをセットする。第2特定音出力終了コマンドは、音声出力制御装置47に送信される。これにより、本処理を終了する。
ステップS2119では、サブ制御装置262のCPU551は、第3特定音出力タイミングであるか否かを判定する。第3特定音出力タイミングであればステップS2120に進む。第3特定音出力タイミングでなければ本処理を終了する。
ステップS2120では、サブ制御装置262のCPU551は、第2特定音聴取フラグが「1」に設定されているか否か判定する。第2特定音聴取フラグが「1」であれば、本処理を終了する。第2特定音聴取フラグが「1」でなければ、ステップS2121に進む。
ステップS2121では、サブ制御装置262のCPU551は、第3特定音出力フラグを「1」に設定するとともに、第3特定音出力コマンドをセットして、ステップS2122に進む。第3特定音出力コマンドは、音声出力制御装置47へ出力される。
ステップS2122では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM553に備えられる第3特定音出力期間用のタイマを加算または減算し、第3特定音出力期間をカウントする。ステップS2123では、サブ制御装置262のCPU551は、タイマの値が0になったか否かを判定する。タイマの値が0でなければ、ステップS2124に進む。タイマの値が0になれば、ステップS2127に進む。
ステップS2124では、サブ制御装置262のCPU551は、ステップS2006で上述した第3特定音聴取フラグが「1」であるか否かを判定する。第3特定音聴取フラグが「1」であればステップS2127に進み、そうでなければ(「0」であれば)本処理を終了する。
ステップS2127では、サブ制御装置262のCPU551は、特定音演出開始フラグを「0」に設定されたことに基づき、第3特定音出力フラグを「0」に設定するとともに、第3特定音出力終了コマンドをセットする。第3特定音出力終了コマンドは、音声出力制御装置47に送信される。これにより、本処理をすべて終了する。
なお、上述した第1特定音は、本発明の高周波数帯特定音に相当し、第2特定音と第3特定音は、本発明の低周波数帯特定音に相当する。上述したサブ制御装置262のRAM553に備えられる第1〜第3特定音出力フラグは、本発明の特定音出力制御手段に相当する。
<開閉モード(大当たり)表示設定処理>
図23に示す演出実行処理に戻って、ステップS1904では、サブ制御装置262のCPU551は、開閉モード(大当たり)表示設定処理を行う。この開閉モード(大当たり)表示設定処理について、図26を用いて以下に説明する。
図26に示すように、ステップS2201では、サブ制御装置262のCPU551は、オープニングコマンドを受信していればステップS2202に進み、そうでなければステップS2203に進む。
ステップS2202では、サブ制御装置262のCPU551は、表示用オープニングコマンドをセットする。
ステップS2203では、サブ制御装置262のCPU551は、エンディングコマンドを受信していればステップS2204に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS2204では、サブ制御装置262のCPU551は、表示用エンディングコマンドをセットし、本処理を終了する。
<変動表示態様設定処理>
図23に示す演出実行処理に戻って、ステップS1905では、サブ制御装置262のCPU551は、変動表示態様設定処理を行う。この変動表示態様設定処理について、図27を用いて以下に説明する。
図27に示すように、ステップS2301では、サブ制御装置262のCPU551は、変動パターン指定コマンドを受信していればステップS2302に進み、受信していなければステップS2308に進む。
ステップS2302では、サブ制御装置262のCPU551は、変動パターン指定コマンドが大当たりのものであるか否かを判定する。大当たりであればステップS2303に進み、大当たりでなければステップS2307に進む。
ステップS2303では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知抽選を行う。一発告知抽選は、変動表示の結果が大当たりとなる場合に、変動表示の結果が表示されるより前に、それを告知するための特定音を出力する演出を行うか否かの抽選である。
ステップS2304では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知抽選の結果が、一発告知演出を行うものであるか否かを判定する。一発告知演出を行うならばステップS2305に進み、一発告知演出を行わなければステップS2307に進む。
ステップS2305では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知演出フラグを「1」に設定する。ステップS2306では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知演出を含む図柄列変動の表示コマンドをセットし、本処理を終了する。
ステップS2307では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知演出を含まない図柄列変動の表示コマンドをセットし、本処理を終了する。
ステップS2308では、サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄指定コマンドを受信していればステップS2309に進み、受信していなければ本処理を終了する。
ステップS2309では、サブ制御装置262のCPU551は、指定された停止図柄による停止表示コマンドをセットし、本処理を終了する。
<一発告知音決定処理>
図23に示す演出実行処理に戻って、ステップS1906では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知音決定処理を行う。この一発告知音決定処理について、図28を用いて以下に説明する。
図28に示すように、ステップS2401では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知音決定フラグが「1」であるかどうか(300×n回目(n:整数)の遊技回であるかどうか)を判定する。本実施例では、パチンコ機10の電源投入から300×n回目の遊技回が到来する毎に、一発告知音決定処理が行われる。300×n回目の遊技回であればステップS2402に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS2402では、サブ制御装置262のCPU551は、ROM552から一発告知音決定テーブルを読み出す。ステップS2403,S2406,S2408では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知音決定テーブルを参照して、一発告知音の高さを決定する。
ここで、図29を用いて、サブ制御装置262のROM552に記憶されている一発告知音決定テーブルを説明する。図29(a)(b)は、サブ制御装置262が記憶する一発告知音決定テーブルを示す図である。
一発告知音決定テーブルは、サブ制御装置262のROM552に記憶されており、可聴周波数帯が所定回数把握された場合に、当該所定数回把握された可聴周波数帯の最頻値の高さに基づき遊技者が聴き取れると推定される上限の一発告知音の高さが決定し、決定された上限の一発告知音の高さに基づき一発告知音の種類が決定される。
サブ制御装置262のRAM553は、所定の記憶領域にて、把握された可聴周波数帯を記憶している。サブ制御装置262のCPU551は、一発告知音を決定するにあたり、ROM552に記憶された一発告知音決定テーブルを読み出すとともに、RAM553に記憶されているこれまでに把握された可聴周波数帯を読み出す。
一発告知音の高さには、第1特定音と同じ19kHzの周波数帯を有する第1一発告知音と、第2特定音と同じ17kHzの周波数帯を有する第2一発告知音と、第3特定音と同じ15kHzの周波数帯を有する第3一発告知音とがある。図29(a)に示すように、一発告知音の上限の高さは、第1〜第3特定音聴取回数のうちの最も多く聴き取ることができた特定音の聴取回数(以下、最多聴取回数)に基づき定められた第1条件と、個別の第1〜第3特定音聴取回数に基づき定められる第2条件とに基づき決定され、上限の一発告知音の高さに応じて一発告知音の種類が決定される。
まず、第1条件が最多聴取回数が9回または10回である場合を説明する。すなわち、第2条件が第1特定音聴取回数が9回または10回である場合、上限の一発告知音の高さが第1一発告知音(19kHz)に決定される。この場合、出力される一発告知音は、第1一発告知音が100パーセントの確率で決定される。第1特定音を聴き取った頻度が最も高い遊技者は、第1特定音と同じ高さの第1一発告知音を聴き取り易いと推測されるからである。
また、第2条件が第2特定音聴取回数が9回または10回である場合に、上限の一発告知音の高さが第2一発告知音(17kHz)に決定される。上述した第2条件において上限が第2一発告知音に決定される場合、出力される一発告知音は、第2一発告知音が100パーセントの確率で決定される。
また、第2条件が第3特定音聴取回数が9回または10回である場合は、上限の一発告知音の高さが第3一発告知音(15kHz)に決定される。上述した第2条件において上限が第3一発告知音に決定される場合、出力される一発告知音は、第3一発告知音が100パーセントの確率で決定される。
次に、第1条件が、最多聴取回数が6回〜8回である場合を説明する。すなわち、第2条件が、第1特定音聴取回数が6回〜8回である場合、上限の一発告知音の高さが第1一発告知音(19kHz)に決定される。この場合、出力される一発告知音は、第1一発告知音が70パーセント、第2一発告知音が20パーセント、第3一発告知音が10パーセントの確率で決定される。第1特定音を聴き取ることができた遊技者は、第1〜第3一発告知音のどれでも聴き取ることができるからである。
また、第2条件が第2特定音聴取回数が6回〜8回である場合に、上限の一発告知音の高さが第2一発告知音(17kHz)に決定される。この場合、出力される一発告知音は、第2一発告知音が70パーセント、第3一発告知音が30パーセントの確率で決定される。また、第2条件が第3特定音聴取回数が6回〜8回である場合は、上限の一発告知音の高さが第3一発告知音(15kHz)に決定される。この場合、出力される一発告知音は、第3一発告知音が100パーセントの確率で決定される。
次に、第1条件が最多聴取回数が5回である場合を説明する。すなわち、第2条件が、第1特定音聴取回数が5回(その他は4回以下)である場合、上限の一発告知音の高さが第1一発告知音(19kHz)に決定される。この場合、出力される一発告知音は、第1一発告知音が50パーセント、第2一発告知音が30パーセント、第3一発告知音が20パーセントの確率で決定される。第1特定音聴取回数が6回〜8回の遊技者に比べて、第1一発告知音を聴き取りにくいと推測されるからである。
また、第2条件が第2特定音聴取回数が5回(その他は4回以下)である場合に、上限の一発告知音の高さが第2一発告知音(17kHz)に決定される。この場合、出力される一発告知音は、第2,第3一発告知音がそれぞれ50パーセントの確率で決定される。また、第2条件が第3特定音聴取回数が5回である場合は、上限の一発告知音の高さが第3一発告知音(15kHz)に決定される。この場合、出力される一発告知音は、第3一発告知音が100パーセントの確率で決定される。
次に、第1条件が最多聴取回数が4回以下である場合は、上限の一発告知音の高さが第3一発告知音(15kHz)で100パーセントの確率に決定される。このような遊技者は、特定音演出にあまり興味を持っていないと推測されるからである。
また、一発告知音とともに、一発告知音以外の演出の種類を決定してもよい。例えば、一発告知音を含む変動表示において発生した大当たりラウンド終了後の遊技において使用される楽曲の種類を決定してもよいし、一発告知音を含む変動表示において発生した大当たりラウンド中に使用される楽曲の種類を決定してもよい。以下では、図29(b)を参照して、一発告知音の決定され方に応じて、大当たりラウンド終了後に使用される楽曲の種類を決定する例を説明する。
すなわち、1〜(300×1回)の遊技に基づいて第1一発告知音(前々回の一発告知音)が決定され、301〜(300×2回)の遊技に基づいて第1一発告知音(前回の一発告知音)が決定され、601〜(300×3回)の遊技に基づいて第1一発告知音(今回の一発告知音)が決定される場合、すなわち、第1一発告知音が3回連続で決定される場合、大当たりラウンド終了後において使用される楽曲が「最新のヒット曲」に決定される。これは、第1一発告知音が3回連続で決定されるということは、第1一発告知音を聴き取り易い20代前半までの遊技者が遊技を行っている可能性が高いからである。
また同様に、第2一発告知音が連続して3回決定された場合は、今回の大当たりラウンド終了後に使用される楽曲が「少し前のヒット曲」に決定される。これは、第2一発告知音が3回連続で決定されるということは、第2一発告知音を聴き取り易い20代後半から30代までの遊技者が遊技を行っている可能性が高いからである。
また同様に、第3一発告知音が連続して3回決定される場合は、今回の大当たりラウンド終了後に使用される楽曲が「昔のヒット曲」に決定される。これは、第3一発告知音が3回連続で決定されるということは、第3一発告知音を聴き取ることができる40代以降の遊技者が遊技を行っている可能性が高いからである。
次に、1〜900回の遊技に基づいて大当たりラウンド終了後に使用される楽曲が「最新のヒット曲」に決定された後、901〜(300×4回)の遊技に基づいて第2一発告知音が決定され、1201〜(300×5回)の遊技に基づいて第2一発告知音が決定され、1501〜(300×6回)の遊技に基づいて第2一発告知音が決定される場合、すなわち、第1一発告知音が3回連続で決定された後、第2一発告知音が3回連続で決定される場合、大当たりラウンド終了後において使用される楽曲が「少し前のヒット曲」に決定される。これは、前回の「最新のヒット曲」が決定された際に遊技を行っていた20代前半の遊技者が遊技を終えて、新たに20代後半から30代の遊技者が遊技を行っている可能性が高いからである。
また同様に、第1一発告知音が3回連続で決定された後、第3一発告知音が3回連続で決定される場合、大当たりラウンド終了後において使用される楽曲が「昔のヒット曲」に決定される。これは、前回の「最新のヒット曲」が決定された際に遊技を行っていた20代前半の遊技者が遊技を終えて、新たに40代以降の遊技者が遊技を行っている可能性が高いからである。
また、第1一発告知音が3回連続で決定された後、第1一発告知音、第2一発告知音、第3一発告知音のように決定される場合、大当たりラウンド終了後において使用される楽曲が「オールタイムヒット曲」に決定される。「オールタイムヒット曲」は、「最近のヒット曲」と「少し前のヒット曲」と「昔のヒット曲」とをそれぞれ含むヒット曲である。これは、決定される一発告知音の高さが不規則である理由が、遊技者が変わったことにあるのか、遊技者が特定音演出に関心を持たなくなったことにあるのか、判別できないからである。
また、「オールタイムヒット曲」は、1〜900回の遊技に基づいて決定される一発告知音の高さが不規則である場合に、決定されてもよい。また、「オールタイムヒット曲」が決定された後、次の901〜1800回の遊技に基づいて決定される一発告知音の高さが同じ高さ(例えば第1一発告知音)で3回連続する場合は、「最近のヒット曲」が決定されてもよい。1〜900回の遊技ではどのような遊技者が遊技を行っているのか判別できなかったが、901〜1800回の遊技では20代前半の遊技者が遊技を行っていることが判別できるからである。
なお、「最近のヒット曲」「少し前のヒット曲」「昔のヒット曲」とともに、歌手の映像を変動中の背景として第3図柄表示装置42に表示してもよいし、曲の時代に合わせたイメージ映像を変動中の背景として第3図柄表示装置42に表示してもよい。また、遊技者が変わったことが判別した場合、遊技者が変わったことに基づく画像を第3図柄表示装置42に表示してもよい。例えば、「最近のヒット曲」が「少し前のヒット曲」に変わる場合には、大当たりラウンド終了後に通常遊技が開始する際に「○○年代にタイムスリップ」のような画像を第3図柄表示装置42にしてもよい。
なお、上述したサブ制御装置262のROM552に記憶される一発告知音決定テーブルは、(A7)に係る発明の特定報知音決定手段に相当する。
図28に戻る。ステップS2403では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知音の上限を第1一発告知音とする条件が成立しているか否かを判定する。条件成立であればステップS2404に進み、条件成立でなければ、ステップS2405に進む。
ステップS2404では、サブ制御装置262のCPU551は、第1〜第3一発告知音のいずれかのフラグを「1」に設定するとともに、対応する第1〜第3一発告知音出力開始コマンドのいずれかをセットする。第1〜第3一発告知音フラグは、サブ制御装置262のRAM553に備えられており、変動表示結果が大当たり結果となる場合に、第1特定音聴取フラグによって把握された可聴周波数帯の高さ(19kHz)に応じて、この可聴周波数帯を持つ遊技者が聴き取り可能な高さ(19kHz〜15kHz)の第1〜第3一発告知音を出力するフラグである。第1〜第3一発告知音出力開始コマンドは、音声出力制御装置47に出力される。
ステップS2405では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知音の上限を第2一発告知音とする条件が成立しているか否かを判定する。条件成立であればステップS2406に進み、条件成立でなければ、ステップS2407に進む。
ステップS2406では、第2,第3一発告知音のいずれかのフラグを「1」に設定するとともに、対応する第2,第3一発告知音出力開始コマンドのいずれかをセットする。第2,第3一発告知音出力開始コマンドは、音声出力制御装置47に出力される。第2,第3一発告知音フラグは、変動表示結果が大当たり結果となる場合に、第2特定音聴取フラグによって把握された可聴周波数帯の高さ(17kHz)に応じて、この可聴周波数帯を持つ遊技者が聴き取り可能な高さ(17kHz〜15kHz)の第2,第3一発告知音を出力するフラグである。
ステップS2407では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知音の上限を第3一発告知音とする条件が成立しているか否かを判定する。条件成立であればステップS2408に進み、条件成立でなければ、本処理を終了する。
ステップS2408では、第3一発告知音フラグを「1」に設定するとともに、第3一発告知音出力開始コマンドをセットする。第3一発告知音出力開始コマンドは、音声出力制御装置47に出力される。第3一発告知音フラグは、変動表示結果が大当たり結果となる場合に、第3特定音聴取フラグによって把握された可聴周波数帯の高さ(15kHz)に応じた高さ(15kHz)の第3一発告知音を出力するフラグである。
なお、上述した第1〜第3一発告知音は、(A6)に係る発明の特定報知音に相当し、上述したサブ制御装置262のRAM553に備えられる第1〜第3一発告知音フラグは、(A6)に係る発明の特定音報知手段に相当する。
図23に示す演出実行処理に戻って、ステップS1907では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知演出処理を行う。この一発告知演出処理について、図30を用いて以下に説明する。図30は、サブ制御装置262による一発告知演出処理を示すフローチャートである。
ステップS2501では、サブ制御装置262のCPU551は、一発告知フラグが「1」であるか否かを判定する。一発告知フラグが「1」であれば、一発告知演出を行うためにステップS2502に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS2502では、サブ制御装置262のCPU551は、第1一発告知音フラグが「1」であるか否かを判定する。第1一発告知音フラグが「1」であればステップS2503に進み、そうでなければステップS2505に進む。
ステップS2503では、サブ制御装置262のCPU551は、予め定められた一発告知タイミングとなったか否か判定する。一発告知タイミングであればステップS2504に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS2504では、サブ制御装置262のCPU551は、第1一発告知音出力開始コマンドをセットし、ステップS2505に進む。第1一発告知音出力開始コマンドは、音声出力制御装置47に出力される。
ステップS2505では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM553に備えられるタイマを加算または減算し、一発告知音出力期間をカウントし、ステップS2506に進む。ステップS2506では、サブ制御装置262のCPU551は、タイマの値が0になったか否かを判定する。タイマの値が0になればステップS2507に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS2507では、サブ制御装置262のCPU551は、第1一発告知音出力フラグを「0」に設定するとともに、第1一発告知音出力終了コマンドをセットし、本処理を終了する。第1一発告知音出力終了コマンドは、音声出力制御装置47に出力される。
ステップS2508では、サブ制御装置262のCPU551は、第2一発告知音フラグが「1」であるか否かを判定する。第2一発告知音フラグが「1」であればステップS2509に進み、そうでなければステップS2514に進む。
ステップS2509では、サブ制御装置262のCPU551は、予め定められた一発告知タイミングとなったか否か判定する。この一発告知タイミングは、上述したステップS2503のタイミングと同じである。一発告知タイミングであればステップS2510に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS2510では、サブ制御装置262のCPU551は、第2一発告知音出力開始コマンドをセットし、ステップS2511に進む。第2一発告知音出力開始コマンドは、音声出力制御装置47に出力される。
ステップS2511では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM553に備えられるタイマを加算または減算し、一発告知音出力期間をカウントし、ステップS2512に進む。ステップS2512では、サブ制御装置262のCPU551は、タイマの値が0になったか否かを判定する。タイマの値が0になればステップS2513に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS2513では、サブ制御装置262のCPU551は、第2一発告知音出力フラグを「0」に設定するとともに、第2一発告知音出力終了コマンドをセットし、本処理を終了する。第2一発告知音出力終了コマンドは、音声出力制御装置47に出力される。
ステップS2514では、サブ制御装置262のCPU551は、第3一発告知音フラグが「1」であるか否かを判定する。第3一発告知音フラグが「1」であればステップS2515に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS2515では、サブ制御装置262のCPU551は、予め定められた一発告知タイミングとなったか否か判定する。この一発告知タイミングは、上述したステップS2503のタイミングと同じである。一発告知タイミングであればステップS2516に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS2516では、サブ制御装置262のCPU551は、第3一発告知音出力開始コマンドをセットし、ステップS2517に進む。第2一発告知音出力開始コマンドは、音声出力制御装置47に出力される。
ステップS2517では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM553に備えられるタイマを加算または減算し、一発告知音出力期間をカウントし、ステップS2518に進む。ステップS2518では、サブ制御装置262のCPU551は、タイマの値が0になったか否かを判定する。タイマの値が0になればステップS2519に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS2519では、サブ制御装置262のCPU551は、第2一発告知音出力フラグを「0」に設定するとともに、第2一発告知音出力終了コマンドをセットし、本処理を終了する。第2一発告知音出力終了コマンドは、音声出力制御装置47に出力される。
次に、表示制御装置45の通常処理について、図31を用いて説明する。図31(a)は表示制御装置の通常処理を示すフローチャートであり、(b)は表示制御装置による表示モード等の切り替え処理を示すフローチャートである。
図31(a)に示すように、ステップS3001では、表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信されてきた各種コマンドを入力処理するコマンド入力処理を行い、ステップS3002に進む。この各種コマンドとしては、例えば、表示コマンド、停止表示コマンド、表示用オープニングコマンド、表示用エンディングコマンド、デモ開始コマンド、図柄列変動開始コマンドなどが挙げられる。
ステップS3002では、表示制御装置45のCPU521は、表示モード等(図柄列変動、大当たりオープニング、大当たりエンディング等の表示)の切り替え処理を行い、ステップS3003に進む。ここで、この表示モード等の切り替え処理について図31(b)を用いて説明する。
図31(b)に示すように、ステップS3101では、表示制御装置45のCPU521は、特定音演出開始コマンドを受信しているか否か判定する。特定音演出開始コマンドを受信していれば、ステップS3102に進み、そうでなければステップS3103に進む。
ステップS3102では、表示制御装置45のCPU521は、特定音演出表示を開始する。具体的には、表示制御装置45は、特定音演出に必要な情報を表示するように第3図柄表示装置42を表示制御する。特定音演出に必要な情報については、後述する。
ステップS3103では、表示制御装置45のCPU521は、第1特定音演出コマンド、第2特定音聴取表示コマンドまたは第3特定音聴取表示コマンドのいずれかを受信しているか否かを判断する。ステップS3104では、表示制御装置42は、第1〜第3特定音聴取表示コマンドを受信していれば、遊技者が聴き取ることができた特定音の周波数帯の高さに応じて異なる結果表示を行う。異なる結果表示については、後述する。
ステップS3105では、表示制御装置45のCPU521は、図柄列変動開始コマンドを受信していれば、ステップS3106に進み、そうでなければステップS3107に進む。
ステップS3106では、表示制御装置45のCPU521は、図柄列変動を開始する。具体的には、表示制御装置45は、図6に示すように、3つの装飾図柄列L,M,Rの主装飾図柄SZ及び副装飾図柄FZを変動を開始する。
ステップS3109では、表示制御装置45のCPU521は、表示用オープニングコマンドを受信していれば、ステップS3110に進み、そうでなければステップS3111に進む。ステップS3110では、表示制御装置45のCPU521は、大当たりオープニングの表示を開始するように第3図柄表示装置42を表示制御する。
ステップS3111では、表示制御装置45のCPU521は、表示用エンディングコマンドを受信していれば、ステップS3112に進み、そうでなければ本処理を終了する。ステップS3112では、表示制御装置45のCPU521は、大当たりエンディングの表示を開始するように第3図柄表示装置42を表示制御する。
図31(a)に戻って、ステップS3003では、表示制御装置45のCPU521は、停止図柄を決定し、ステップS3004に進む。
ステップS3004では、表示制御装置45のCPU521は、変動表示態様の決定を行い、ステップS3005に進む。
ステップS3005では、表示制御装置45のCPU521は、補助演出(遊技者に提供表示するメッセージ等)の決定を行い、ステップS3006に進む。
ステップS3006では、表示制御装置45のCPU521は、第3図柄表示装置42の表示画像制御を行う。
例えば、図柄列変動においては、表示制御装置45は、図6に示すように、各装飾図柄列L,M,Rにおける主装飾図柄SZ及び副装飾図柄SZの図柄変動表示を、最終的に停止表示する変動表示を行うように第3図柄表示装置42を表示制御する。
ステップS3007では、表示制御装置45のCPU521は、その他の処理(デモ、保留表示など)を行う。
ステップS3008では、表示制御装置45のCPU521は、通常処理開始時から1ms以上経過したか否かを判別する。1ms以上経過していれば、ステップS3001に戻り、経過していなければステップS3008に戻る。
次に、図32を用いて、通常音声出力処理と特定音・一発告知音出力処理について説明する。図32(a)は、通常音声出力処理を示し、(b)は特定音・一発告知音出力処理を示すフローチャートである。
図32(a)に示すように、ステップS3151では、音声出力制御装置47のCPU561は、サブ制御装置262から通常音声出力コマンドを受信したか否かを判定する。通常音声出力コマンドは、第3図柄表示装置42での変動表示演出や大当たりラウンド中演出など遊技の進行に合わせて出力される音声を指定するためのコマンドである。通常音声出力コマンドを受信していれば、ステップS3152に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS3152では、音声出力制御装置47のCPU561は、通常音声出力コマンドで指定されたメロディの曲番に基づき、音データを指定する。次に、ステップS3153では、音声出力制御装置47のCPU561は、音量スイッチの設定値に基づき、アナログ形式の音データをアンプで増幅する際の増幅量を決定する。
次に、ステップS3154では、音声出力制御装置47のCPU561は、ステップS3152で指定された曲番に対応するデジタル形式の音データをROM562から読み出す。次に、ステップS3155では、音声出力制御装置47のCPU561は、読み出されたデジタル形式の通常音声の音データをアナログ形式の音データに変換する。
次に、ステップS3156では、音声出力制御装置47のCPU561は、アナログ形式の音データを通常音声用の音出力部24aへ出力する。具体的には、音出力部24aでは、ステップS3153で決定された増幅値に従って、アンプ24a1がアナログ形式の音データを増幅し、スピーカ24a2が増幅された音データを遊技者に聞こえるメロディとして出力する。
次に、図32(b)に示すように、ステップS3161では、音声出力制御装置47のCPU561は、サブ制御装置262から特定音出力開始コマンドや一発告知音出力開始コマンドを受信したか否かを判定する。特定音出力開始コマンドは、第1〜第3特定音の出力を開始するためのコマンドである。一発告知音出力開始コマンドは、一発告知音の出力を開始するためのコマンドである。コマンドを受信していればステップS3162に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS3162では、音声出力制御装置47のCPU561は、特定音出力コマンドでの指定に基づき、出力する第1〜第3特定音の音データを指定する。次に、ステップS3163では、音声出力制御装置47のCPU561は、音量スイッチの設定値に基づき、アナログ形式の音データをアンプで増幅する際の増幅量を決定する。
次に、ステップS3164では、音声出力制御装置47のCPU561は、特定音や一発告知音を出力する際に特定音や一発告知音が通常音声に紛れて聴き取りにくくなることを防止するために、通常音声の増幅量を変更(減少)する。
次に、ステップS3165では、音声出力制御装置47のCPU561は、ステップS3162で指定された第1〜第3特定音の音データをROM562から読み出す。次に、ステップS3166では、音声出力制御装置47のCPU561は、読み出されたデジタル形式の特定音の音データをアナログ形式の音データに変換する。
次に、ステップS3167では、音声出力制御装置47のCPU561は、アナログ形式の音データを特定音用の音出力部24bへ出力する。具体的には、音出力部24bへ出力は、ステップS3163で決定された増幅値に従って、アンプ24a1がアナログ形式の音声データを増幅し、スピーカ24b2が増幅された音データを第1〜第3特定音として出力する。
次に、ステップS3168では、音声出力制御装置47のCPU561は、サブ制御装置262から特定音出力終了コマンドや一発告知音出力終了コマンドを受信したか否かを判定する。特定音出力終了コマンドは、第1〜第3特定音出力期間が終了した場合や第1〜第3特定音出力期間中に演出ボタン80の検出があった場合に、第1〜第3特定音の出力を終了するためのコマンドである。一発告知音出力終了コマンドは、一発告知音の出力期間が終了した場合に、一発告知音の出力を終了するためのコマンドである。コマンドを受信していればステップS3169に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS3169では、音声出力制御装置47のCPU561は、特定音や一発告知音の出力が終了したので、ステップS3164で変更(減少)された通常音声の増幅量を元の増幅量に戻して、元の通りに通常音声が出力されるようにする。
<特定音演出及び一発告知演出の一例>
次に、図33を用いて、特定音演出及び一発告知演出の一例を説明する。
図33(a)に示すように、特定音演出は、30×n遊技回毎に行われる。また、300×n回目の遊技回毎に、それまでの特定音演出にて把握された可聴周波数帯に基づいて、一発告知音が決定される。なお、最初に一発告知音が決定されるまでは、予め定められた一発告知音を用いても構わない。図33(b)に示すように、特定音演出期間は、各変動表示中のリーチ演出開始所定秒後(リーチ開始と同時でもよいし、リーチ開始後5秒後などでもよい)から6秒間に設定されている。特定音演出期間では、遊技者の属性に応じて最初に聴覚的に認識できる時間が異なるように、第1特定音(19kHz)→第2特定音(17kHz)→第3特定音(15kHz)と変化する特定音が音出力部24から出力される。第1〜第3特定音を出力することが可能な第1〜第3特定音出力可能期間は、第1特定音出力可能期間が開始0秒後〜2秒後に設定され、第2特定音出力可能期間が開始2秒後〜4秒後に設定され、第3特定音出力可能期間が開始4秒後〜6秒後に設定されている。第1〜第3特定音出力可能期間内で第1〜第3特定音を出力するタイミングや長さを変えることが可能である。本実施例では、第1特定音出力期間は、特定音演出期間の開始0秒後〜1秒後までに設定され、第2特定音出力期間は、特定音演出期間の開始3秒後〜4秒後に設定され、第3特定音出力期間は、特定音演出期間の開始4秒後〜5秒後に設定される。
300×n回目の遊技回の変動表示では、特定音演出が開始される例えば2秒前に、特定音演出に必要な情報として、例えば、図5に示される「キーンという音が聞こえたらボタンを押して!」というような特定音演出の開始を知らせる画像や、特定音演出における演出ボタン80の操作方法を説明する画像や、特定音演出を実行中であることを知らせる画像など特定音演出に必要な情報が、表示制御装置45によって第3図柄表示装置42に表示される。なお、このような画像を表示する代わりに、演出ボタン80にLEDを内蔵し、特定音演出期間中にこのLEDを点灯することによって、特定音演出期間中であることを遊技者に報知してもよい。
第1特定音出力期間になると、第1特定音(19kHz)が音出力部24から出力される。第1特定音は、遊技可能な年齢層の遊技者のうち20代前半までの遊技者が聴き取り易い傾向がある。第1特定音有効判定期間中に演出ボタン80が押下された場合、当該遊技者の可聴周波数帯が19kHzであることがサブ制御装置262によって把握される。遊技機メーカーは、この可聴周波数帯を読み出すことで、当該遊技機で遊技を行う遊技者の年齢層が20代前半である可能性が高いことを把握することができる。このとき、第3図柄表示装置42には、遊技者が第1特定音を聴き取ることができたという結果を知らせる第1特定音聴取画像(例えば「19kHzまで聞こえたみたい。すごい!すごい!」や「君は超人だね。」などの文字画像)が表示されるので、遊技者の興味を引きながら、可聴周波数帯を把握できる。
遊技者が第1特定音出力期間中に第1特定音を聴き取ることができなかった場合、第2特定音出力期間にて第2特定音(17kHz)が音出力部24から出力される。17kHzの周波数帯を有する音は、遊技可能な年齢層の遊技者のうち30代までの遊技者が聴き取り易い傾向がある。第2特定音有効判定期間中に演出ボタン80が押下された場合、当該遊技者の可聴周波数帯が17kHzであることがサブ制御装置262によって把握される。遊技機メーカーは、この可聴周波数帯を読み出すことで、当該遊技機で遊技を行う遊技者の年齢層が20代後半から30代である可能性が高いことを把握することができる。このとき、第3図柄表示装置42には、遊技者が第2特定音を聴き取ることができたという結果を知らせる第2特定音聴取画像(例えば「17kHzまで聞こえたみたい。すごい!」や「君はもう少しで超人だね。」などの文字画像)が表示されるので、遊技者の興味を引きながら、可聴周波数帯を把握できる。
遊技者が第2特定音出力期間中に第2特定音を聴き取ることができなかった場合、第3特定音(15kHz)が音出力部24から出力される。15kHzの周波数帯を有する音は、遊技可能な年齢層の遊技者のうち40代以降の遊技者が聴き取り易い傾向がある。第3特定音有効判定期間中に演出ボタン80が押下された場合、当該遊技者の可聴周波数帯が15kHzであることがサブ制御装置262によって把握される。遊技機メーカーは、この可聴周波数帯を読み出すことで、当該遊技機で遊技を行う遊技者の年齢層が40代以降である可能性が高いことを把握することができる。このとき、第3図柄表示装置42には、遊技者が第2特定音を聴き取ることができたという結果を知らせる第2特定音聴取画像(例えば「15kHzまで聞こえたみたい。」や「君はまだ普通だね。」などの文字画像)が表示されるので、遊技者の興味を引きながら、可聴周波数帯を把握できる。
特定音演出は、30×n回目の遊技回毎に行われ、300×n回目の遊技回毎に、一定数(例えば30回〜300回まで10回)把握された可聴周波数帯の最頻値に基づき、一発告知音の高さが決定される。本実施例では、図33(c)に示すように、最頻値が19kHzの周波数帯であったと仮定して、第1特定音と同じ高さの一発告知音(第1一発告知音)が決定されている。一発告知演出では、19kHzの周波数帯を有する第1一発告知音が例えば2秒間、音出力部24から出力されるので、周りの遊技機に20代後半以降の遊技者がいても、20代後半以降の遊技者は第1一発告知音に気付かず、当該遊技機で遊技を行う20代前半の遊技者のみが第1一発告知音に気付く。そのため、当該遊技機で遊技を行う20代前半の遊技者に対してのみ、大当たり当選であることをひっそりと知らせることができる。このように、遊技機で遊技を行う遊技者に特有の事情(年齢層)を一発告知演出に反映させることで、誰でも分かるような従来の一発告知演出よりも、一発告知演出の興趣性を向上させることができる。
なお、上述した第1〜3特定音聴取画像は、本発明の特定情報に相当する。
<実施例1の作用効果>
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、第1〜第3特定音有効判定期間に演出ボタン80を押下できれば、第3図柄表示装置42において可聴周波数帯(第1特定音:19kHz,第2特定音:17kHz,第3特定音:15kHz)に応じた第1〜第3特定音聴取画像を見ることができるとうい面白味を遊技者に与えながら、遊技の進行中に遊技者の年齢層を把握するための情報を取得することができる。可聴周波数帯は、遊技者の年齢層が低いほど高く、遊技者の年齢層が高いほど低いので、遊技機メーカーが、サブ制御装置262のRAM553における第1〜第3特定音聴取フラグによって把握され可聴周波数帯を読み出すことで、調査対象となるパチンコ機10で遊技を行う遊技者の年齢層を好適に調査することができる。
実施例6のパチンコ機10を図51〜図56を用いて説明する。以下に示す遊技システムは、上述した実施例1〜5のいずれのパチンコ機10にも適用することができる。
図51は、実施例6のパチンコ機10の遊技システムの概略を示す説明図である。図52は、サブ制御装置262によるメニュー表示処理を示すフローチャートである。図53は、サブ制御装置262によるパスワード入力処理を示すフローチャートである。図54は、サブ制御装置262による遊技終了用コード表示処理を示すフローチャートである。図55は、遊技機連動遊技用のメニュー画面である。図56は、遊技機連動遊技サーバー処理を示すフローチャートである。
図51に示すように、本実施例のパチンコ機10は、遊技において取得された遊技に関する情報や遊技者に関する情報がQRコード(登録商標)を介して遊技者の携帯通信端末に読み取られる。遊技者の携帯通信端末がそのQRコード(登録商標)から変換されたURLにアクセスすることで、これらの情報が遊技機メーカーが運営するサーバーに記憶される。遊技者は、携帯通信端末を用いて、サーバーに記憶された情報を確認することができる。また、遊技者は、サーバーから発行されたパスワードをパチンコ機10に入力して遊技を行うことで、前回の遊技において取得された遊技者に関する情報を今回行う遊技にも反映させた遊技(以下、遊技機連動遊技)を行うことができる。以下、この遊技機連動遊技について説明する。
<メニュー表示処理>
図52を用いて、サブ制御装置262によるメニュー表示処理を示すフローチャートを説明する。
ステップS5001では、サブ制御装置262のCPU551は、第3図柄表示装置42において第3図柄が変動表示中であるか否かを判定する。第3図柄が変動表示中でなければステップS5002に進み、第3図柄が変動表示中であれば本処理を終了する。
ステップS5002では、サブ制御装置262のCPU551は、大当たり状態中であるか否かを判定する。大当たり状態中でなければステップS5003に進み、大当たり状態中であれば本処理を終了する。
ステップS5003では、サブ制御装置262のCPU551は、演出ボタン80の押下が検出されたか否かを判定する。演出ボタン80の押下が検出されればステップS5004に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS5004では、サブ制御装置262のCPU551は、第3図柄表示装置42に後述する遊技機連動遊技用のメニュー画面を表示させる。具体的には、表示制御装置45が第3図柄表示装置42に遊技機連動遊技用のメニュー画面を表示する制御を行う。
遊技機連動遊技用のメニュー画面には、図55(a)に示すように、「遊技を開始する」、「遊技を終了する」、「新規登録」、「メニューを閉じる」という項目が設けられており、「遊技を開始する」の左隣りに三角印のカーソルが位置している。
ステップS5005では、サブ制御装置262のCPU551は、メニュー項目において「遊技を開始する」が選択されたか否かを判定する。「遊技を開始する」が選択されたならばステップS5006に進み、そうでなければステップS5008に進む。図55(b)は、同図(a)のメニュー画面の表示中に遊技者が演出ボタン80を1回押下したときのメニュー画面である。同図(a)のメニュー画面では、「遊技を開始する」の項目が選択されている。
ステップS5006では、サブ制御装置262のCPU551は、遊技を開始するにあたり必要な情報を遊技開始用コードとして表示する。具体的には、図55(b)に示すように、メニュー項目の右隣りに、遊技開始用コードが表示される。遊技開始用コードは、遊技機連動遊技を開始するために必要なパスワード情報を、遊技機メーカーが運営するサーバーのアドレスと共にURL形式の文字列に変換可能なQRコード(登録商標)である。遊技開始用コードは、読み取り機能(バーコードリーダー)を備えた携帯通信端末に読み取られることによって、URL形式の文字情報に変換される。遊技者が携帯通信端末によってURLにアクセスすると、サーバーから遊技機連動遊技を開始するために必要なパスワードが付与される。遊技開始用コードの表示画面には、閉じるボタンが設けられており、演出ボタン80を押下することで、遊技開始用コードの表示画面が閉じてメニュー画面に戻る。
ステップS5007では、サブ制御装置262のCPU551は、パスワード入力処理を行う。
<パスワード入力処理>
図53を用いてサブ制御装置262によるパスワード入力処理について説明する。
ステップS5101では、サブ制御装置262のCPU551は、遊技開始用コードが表示されているか否かを判定する。遊技開始用コードが表示されていればステップS5102に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS5102では、サブ制御装置262のCPU551は、「パスワードを入力する」の項目が選択されているか否かを判定する。「パスワードを入力する」の項目が選択されていればステップS5104に進み、そうでなければステップS5103に進む。
ステップS5103では、サブ制御装置262のCPU551は、「パスワードを入力しない」の項目が選択されているか否かを判定する。「パスワードを入力しない」の項目が選択されていればステップS5109に進み、そうでなければステップS5102,ステップS5103を繰り返す。
ステップS5104では、サブ制御装置262のCPU551は、パスワード入力画面を表示する。パスワード入力画面では、アルファベットと数字と決定ボタンと戻るボタンなどが表示されており、選択ボタン71〜74が操作されることによってカーソルが動き、カーソルが重なった位置で演出ボタン80が押下されることによってカーソルが重なったアルファベットまたは数字が入力される。
ステップS5105では、サブ制御装置262のCPU551は、パスワードが入力されたか否かを判定する。具体的には、パスワード入力画面で決定ボタンが押下されればステップS5106に進み、そうでなければ決定ボタンあるいは戻るボタンが押下されるまで本処理を繰り返す。
ステップS5106では、サブ制御装置262のCPU551は、パスワード認証処理を行い、ステップS5107に進む。ステップS5107では、サブ制御装置262のCPU551は、入力されたパスワードとROM502に予め記憶されたパスワードとを照らし合わせて、入力されたパスワードが正しいか否かを判定する。
ステップS5108では、サブ制御装置262のCPU551は、パスワードに含まれる情報をパチンコ機10の遊技に反映させるパスワード反映処理を行う。パスワードに含まれる情報とは、サーバーに記憶された遊技者に関する情報である。遊技者に関する情報は、上述した実施例において、どの程度の高さの特定音を聴き取ることができたかなどのサーバーに記憶されたかなどの情報である。このような情報をパチンコ機10の遊技に反映させれば、反映後の遊技機連動遊技において、遊技者がどの程度の高さの特定音を聴き取ることができるかどうかを改めて調べる処理を省くことができる。
ステップS5109では、サブ制御装置262のCPU551は、遊技機連動遊技フラグを「1」に設定し、本処理を終了する。これにより、遊技機連動遊技が開始される。
図52に戻る。ステップS5008では、サブ制御装置262のCPU551は、メニュー画面において「遊技を終了する」との項目が選択されたか否かを判定する。「遊技を終了する」が選択されればステップS5009に進み、そうでなければステップS5010に進む。
ステップS5009では、サブ制御装置262のCPU551は、遊技終了用コード発行処理を行う。
<遊技終了用コード表示処理>
図54を用いて遊技終了用コード表示処理を説明する。
ステップS5201では、サブ制御装置262のCPU551は、遊技終了用コード表示画面であるか否かを判定する。「遊技を終了する」が選択されて遊技終了用コード表示画面が表示されればステップS5202に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS5202では、サブ制御装置262のCPU551は、遊技機連動遊技フラグが「1」であるか否かを判定する。遊技機連動遊技フラグが「1」であればステップS5203に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS5203では、サブ制御装置262のCPU551は、遊技機連動遊技終了用コードを作成する。遊技機連動遊技終了用コードは、遊技機10に関する機種情報,日時情報,大当たり回数や大当たり種別,変動回数や変動種別などの遊技に関する情報と、聴取できた特定音の高さなどの遊技者に関する情報とを含む遊技に関する情報を、遊技機メーカーが運営するサーバーのアドレスと共にURL形式の文字列に変換したQRコード(登録商標)である。遊技者が携帯通信端末によってURLにアクセスすると、サーバーに記憶された遊技に関する情報が更新されて、更新された遊技結果が確認できるようになる。遊技機連動遊技終了用コードの表示画面には、閉じるボタンが設けられており、演出ボタン80を押下することで、遊技機連動遊技終了用コードの表示画面が閉じてメニュー画面に戻る。
ステップS5204では、サブ制御装置262のCPU551は、作成された遊技機連動遊技終了用コードを表示し、本処理を終了する。
サーバーへ送信される遊技及び遊技者に関する情報は、聴取できた特定音の高さに変えて、または、聴取できた特定音の高さとともに、他の情報を送信してもよい。他の情報とは、例えば、実施例1であれば一発告知音の高さ(第1〜第3)であり、実施例2であればリーチ昇格演出の種類(A〜C)であり、実施例3であれば先読み予告演出の種類(第1〜第3)であり、実施例4であればステップアップ予告演出のステップ数やステップアップ画像の種類(第1〜第3)であり、実施例5であれば開放回数示唆演出や時短状態示唆演出の種類(第1〜第3)である。遊技機メーカーでは、サーバーに送信されたこれらの情報を読み出すことで、当該遊技機で遊技を行った遊技者に特有の情報(遊技者の年齢層,聴覚力,注意力,特定音演出に関する興味など)を把握することができる。
図52に戻る。ステップS5010では、サブ制御装置262のCPU551は、メニュー画面において「新規登録」が選択されたか否かを判定する。「新規登録」が選択されればステップS5011に進み、そうでなければステップS5012に進む。
ステップS5011では、サブ制御装置262のCPU551は、新規登録用コードを表示する。新規登録用コードは、新規登録である旨の情報,遊技機10に関する機種情報,日時情報などを、遊技機メーカーが運営するサーバーのアドレスと共にURL形式の文字列に変換可能なQRコード(登録商標)である。遊技者は、携帯通信端末によってURLにアクセスすると、サーバー内に設けられた遊技者自身の遊技結果を記録する画面を確認することができる。新規登録用コードの表示画面には、閉じるボタンが設けられており、演出ボタン80を押下することで、新規登録用コードの表示画面が閉じてメニュー画面に戻る。
ステップS5012では、サブ制御装置262のCPU551は、メニュー画面において「メニューを閉じる」が選択されたか否かを判定する。「メニューを閉じる」が選択されればステップS5013に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS5013では、サブ制御装置262のCPU551は、メニュー画面を閉じて、画面表示を元の遊技用の画面表示に戻す。
<遊技機連動遊技サーバー処理>
次に、図56を用いて、遊技メーカーが運営するサーバーで行われる遊技機連動遊技サーバー処理を説明する。
ステップS5301では、サーバーは、遊技者の携帯通信端末からアクセスがあったか否かを判定する。アクセスがあればステップS5302に進み、アクセスがなければ本処理を終了する。
ステップS5302では、サーバーは、遊技者の携帯通信端末から遊技開始要求があったか否かを判定する。具体的には、サーバーは、遊技開始用コードから変換されたURLを用いてアクセスされた場合に、遊技開始要求があったと判定する。遊技開始要求があればステップS5303に進み、そうでなければステップS5304に進む。
ステップS5303では、サーバーは、遊技者に関する情報を含ませたパスワードを作成し、作成したパスワードを遊技者の携帯通信端末に送信する。
ステップS5304では、サーバーは、遊技者の携帯通信端末から遊技終了要求があったか否かを判定する。具体的には、サーバーは、遊技終了用コードから変換されたURLを用いてアクセスされた場合に、遊技終了要求があったと判定する。遊技終了要求があればステップS5305に進み、そうでなければステップS5308に進む。
ステップS5305では、サーバーは、サーバーに記憶された情報を、遊技終了用コードから変換されたURLを用いて送信された遊技に関する情報や遊技者に関する情報に基づいて、更新する。
ステップS5306では、サーバーは、更新された大当たり回数や大当たり種別,変動回数や変動種別,聴取できた特定音の高さに基づいてランク付けを行う。遊技者が遊技機連動遊技を行うメリットの一つには、このランクに応じて得られる特典画像がある。
ステップS5307では、サーバーは、更新された情報に基づき、遊技者の携帯通信端末に表示される表示情報を更新する。これにより、遊技者は、その日の遊技結果や遊技結果に基づくランクや特典画像を確認することができる。
ステップS5308では、サーバーは、遊技者の携帯通信端末から新規登録要求があったか否かを判定する。具体的には、サーバーは、新規登録用コードから変換されたURLを用いてアクセスされた場合に、新規登録要求があったと判定する。新規登録要求があればステップS5309に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS5309では、サーバーは、新規登録要求に基づいて、サーバー内に当該遊技者が行う遊技機連動遊技に必要な領域を確保する。
<実施例6の作用効果>
上述したように、実施例6に係るパチンコ機10によれば、サブ制御装置262のRAM553における第1〜第3特定音聴取フラグによって把握された可聴周波数帯(第1特定音:19kHz,第2特定音:17kHz,第3特定音:15kHz)のような遊技者に関する情報や、可聴周波数帯が把握されたことに基づく演出の態様、例えば、実施例1では一発告知音の高さ(第1〜第3)、実施例2ではリーチ昇格演出の種類(A〜C)、実施例3では先読み予告演出の種類(第1〜第3)、実施例4ではステップアップ予告演出のステップ数(第1〜第3)、実施例5では開放回数示唆演出及び時短状態示唆演出のタイミングのような遊技に関する情報を、遊技機メーカーに送信することができる。遊技機メーカーは、送信された可聴周波数帯等から、当該パチンコ機10で遊技を行った遊技者に特有の情報(遊技者の年齢層,聴覚力,注意力,特定音演出に関する興味など)を調査することができる。これにより、遊技機メーカーは、パチンコ機10の回収を待たずに、当該パチンコ機10で遊技を行った遊技者に特有の情報を好適に調査することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、同様の効果を奏する別の構成としてもよく、例えば下記のように変形実施することができる。
<1>上述した実施例1では、特定音演出期間内に出力される特定音は、第1〜第3特定音の3種類であったが、第1特定音と第2特定音や第1特定音と第3特定音などの2種類であっても構わない。
<2>上述した実施例1の特定音演出では、第1〜第3特定音有効判定期間内に演出ボタン80の押下が検出されたことに基づき、第1〜第3特定音聴取画像が表示されたが、第1〜第3特定音聴取画像は、遊技者が聴き取ることができた特定音の高さに応じたものでなく、単に、第1〜第3特定音有効判定期間内に演出ボタン80の押下が検出されたことに基づくものであってもよい。例えば、第1〜第3特定音聴取画像は、第1〜第3特定音有効判定期間内に演出ボタン80の押下が検出されたことに基づく「よく聴き取れたね!」のような遊技者を褒めるメッセージ画像であってもよい。また、メッセージ画像とともに、遊技者が次も見たくなるような特典画像を表示してもよい。特典画像は、大当たり状態が発生する期待度を示唆する画像や、大当たり状態の終了後の遊技状態を示唆する画像でもよい。メッセージ画像を表示することによって、次の特定音演出においてもしっかりと聴き取ろうとする遊技者の意欲(特定音演出への参加意欲)を向上させることができる。
また、第1〜第3特定音有効判定期間外に演出ボタン80の押下が検出されたことに基づき、「しっかり聴き取れ!」のような遊技者を叱咤するメッセージ画像を表示してもよい。第1〜第3特定音有効判定期間外に演出ボタン80の押下が検出された場合は、可聴周波数帯の最頻値,平均値,近似値が低くなるように設定してもよい。このようにすれば、可聴周波数帯の最頻値,平均値,近似値の正確性を向上することができる。
<3>上述した実施例1では、特定音演出期間は、30×n(n:整数)遊技回目の第3図柄の変動表示中に設けられていたが、その他の期間、例えば大当たりラウンド遊技中などに設けられてもよい。
<4>上述した実施例1では、パチンコ機10の電源投入から30×n(n:整数)遊技回目を条件として特定音演出を行っていたが、その他の条件、例えば所定の変動表示演出が行われること(例えば、特定音演出に必要な所定長さのリーチ演出が行われること)を条件としてもよい。
<5>上述した実施例1では、一発告知音の高さは、所定数回把握された可聴周波数帯の最頻値の高さに基づき決定されていたが、所定数回把握された可聴周波数帯の平均値や中央値に基づき決定されても構わない。
<6>上述した実施例1では、第1〜第3特定音の出力を開始するタイミングは、一定のタイミングであったが、第1〜第3特定音の出力を開始するタイミングは一定でなくてもよい。以下では、第1〜第3特定音の出力を開始するタイミングは一定でない実施形態を説明する。特定音出力制御手段は、高周波数帯特定音、低周波数帯特定音または中間周波数帯特定音のうち少なくともいずれかの一つの特定音の出力を開始する出力開始タイミングを、前回の特定音演出期間における出力開始タイミングと異ならせる。したがって、特定音演出期間内に当てずっぽうに操作手段が操作されることに基づき、不正確な遊技者の年齢層が把握されることを低減することができる。
<7>上述した実施例1では、可聴周波数帯が把握されたことに基づき、前記可聴周波数帯に応じた情報を表示手段に表示するに留まるが、可聴周波数帯が把握されたことに基づき他の処理を行ってもよい。以下では、可聴周波数帯が把握されたことに基づき他の処理を行う実施形態を説明する。音声出力制御手段は、把握手段によって把握される可聴周波数帯に基づき、遊技者の年齢層を推定する推定手段を備える。禁止報知手段は、推定された年齢層が遊技場で遊技をすることが法律上禁止されている年齢層である場合に、当該年齢層の遊技者が遊技を行っていることを報知する。したがって、有効期間内に操作手段を操作できれば、表示手段において可聴周波数帯に応じた情報を見ることができるという面白味を遊技者に与えながら、法律上遊技が禁止されている年齢層の遊技者が遊技を行っていることを好適に報知することができる。
<8>上述した実施例2では、変動表示結果が予め定められた特定表示態様となる場合に、把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さが高いほど、リーチ演出を期待度が高いリーチ演出に昇格させる回数を多くしていたが、それ以外であってもよい。以下では、リーチ昇格演出以外の実施形態を説明する。
例えば、特定表示演出は、特定表示態様となる期待度を遊技者に示唆する予告演出である。表示制御手段は、変動表示結果が予め定められた特定表示態様となる場合に、把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さが高いほど、予告演出を期待度が高い予告演出に変化させる回数を多くする。したがって、変動表示結果が予め定められた特定表示態様となることが決まっている場合には、高い周波数帯を有する特定音を聴き取ることができるほど、期待度が高い予告演出になるまで多くの回数変化する予告演出を見ることができる。
また、例えば、特定表示演出は、特定表示態様となる期待度が所定の高さである第1特定表示演出(例えばノーマルリーチ演出)が表示される期間中に、操作手段または他の操作手段が操作されることによって、第1特定表示演出よりも期待度が高い第2特定表示演出(スーパーリーチ演出)を開始するための開始条件(例えばゲームをクリアするという条件)を満たす場合に、第1特定表示演出を終了して、第2特定表示演出を実行するゲーム演出であって、把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さに応じて開始条件を満たし易くする(ゲームをクリアし易くする)。したがって、高い周波数帯を有する特定音を聴き取ることができるほど、第2特定表示演出の開始条件が満たされ易くなるという期待感を高めることができる。
<9>上述した実施例2のリーチ昇格演出では、遊技者が第1〜第3特定音のいずれかを聴き取ったことに基づき、リーチ昇格演出が開始されていたが、特定音の出力態様及びリーチ昇格演出の開始時点の決定方法は他の方法であってもよい。例えば、特定音演出期間中に、第3特定音→第1特定音→第2特定音の順に出力し、全ての特定音出力期間中に全ての特定音を聴き取ることができれば(特定音の出力順クイズに正解すれば)、リーチ昇格演出を開始する。当該期間に特定音の出力順クイズに正解しなければ、新たな特定音の出力順クイズを行い、新たな特定音の出力順クイズに正解すれば、リーチ昇格演出を開始する。これにより、把握された可聴周波数帯の高さと出力順が正解であることに基づき、リーチ昇格演出の開始時点を決定することができる。
<10>上述した実施例4のステップアップ予告演出では、第3特定音(17kHz)→第2特定音(15kHz)→第1特定音(15kHz)というように周波数帯が段階的に高くなるように出力されていたが、これに限らず、第1,第2,第3特定音をランダムに(織り交ぜて)出力したり、第1,第2,第3特定音を一定のリズムに沿って(織り交ぜて)出力したり、同じ高さの周波数帯の特定音を複数回出力したりしてもよい。第1,第2,第3特定音をランダムに出力すれば、次に出力される特定音を遊技者が予想し難くできる。第1,第2,第3特定音を一定のリズムに沿って出力すれば、単純に高くしたり低くしたりするよりも、次に出力される特定音を遊技者が予想し難くできる。同じ高さの周波数帯の特定音を複数回出力すれば、その高さの周波数帯の特定音を聴き取ることができる遊技者にとって容易になる。遊技者が聴き取ることができた特定音の周波数帯が把握された時点で、それ以降の特定音の周波数帯の高さを一定としてもよい。
<11>上述した実施例1〜5では、一発告知音の高さ(第1〜第3)の決定や(実施例1)、リーチ昇格演出の種類(A〜C)の決定や(実施例2)、先読み予告演出の種類(第1〜第3)の決定や(実施例3)、ステップアップ予告演出のステップ数の決定や(実施例4)、開放回数示唆演出及び時短状態示唆演出のタイミングの決定(実施例5)や、年齢層の調査(実施例6)にあたり、第1特定音(19kHz),第2特定音(17kHz),第3特定音(15kHz)という3つの特定音が用いられてきたが、これに限らず、19kHzから15kHzまで連続的に一つの特定音の高さを下げたり、特定音の高さの段階を多くしたり少なくしたりしてもよいし、各特定音の高さを変えてもよい。これにより、決定対象や調査対象の年齢層を細分化することができる。
<12>上述した実施例1〜5では、上述した決定や調査にあたり特定音を用いていたが、これに限らず、遊技者が聴覚的、視覚的、触覚的または嗅覚的に認識可能な聴覚情報、視覚情報、触覚情報または嗅覚情報であっても構わない。聴覚情報の例は、実施例1〜5のような周波数帯を異ならせる音以外に、音量が異る音がある。遊技者の年齢層が低いほど小さい音量の音声まで聞き取り易い傾向があり、遊技者の年齢層が高いほど小さい音量を聴き取り難い傾向がある。このような傾向を実施例1〜5と同様に利用すれば、上述した決定や調査を行うことができる。
<13>視覚情報の例は、遊技者が視認する対象の大きさを異ならせることである。遊技者の年齢層が低いほど小さなレベルの対象まで視認し易い傾向があり、遊技者の年齢層が高いほど小さいレベルの対象を視認し難い傾向がある。そこで、例えば、特定音演出の代わりに、第3図柄表示装置42(実施例5では可変表示装置60)にて視力試験形式のクイズ演出を表示することで、遊技者が視覚的に認識可能な対象の大きさ,細かさ(レベル)を把握することができる。対象の大きさ,細かさを変化する代わりに、対象が動作するスピードを変化させてもよい。対象は、画像以外、例えば遊技盤30に配設される遊技部品(模型やチャッカーなど可動部を有する部品)であってもよい。このような傾向を実施例1〜5と同様に利用すれば、上述した決定や調査を行うことができる。
<14>触覚情報の例は、遊技者が触覚的に感じる振動の大きさを異ならせることである。遊技者の年齢層が低いほど小さなレベルの振動まで感じ易い傾向があり、遊技者の年齢層が高いほど小さなレベルの振動を感じ難い傾向がある。そこで、例えば、遊技球発射ハンドル18の内部にバイブレータを搭載して、遊技球発射ハンドル18を振動させることで、遊技者が触覚的に認識可能な振動の大きさ(レベル)を把握することができる。バイブレータは、遊技球発射ハンドル18以外の場所、例えば前面枠セット14の一部に搭載されてもよい。その場合、当該演出において、遊技者は、バイブレータが搭載された箇所に手を置いて、振動の大きさを感じる。触覚情報は、振動以外の情報、例えば突出物が手に当たる感覚や、風が遊技者の身体に当たる感覚などでもよい。このような傾向を実施例1〜5と同様に利用すれば、上述した決定や調査を行うことができる。
<15>嗅覚情報の例は、遊技者が嗅覚的に感じる香りの強さを異ならせることである。遊技者の年齢層が低いほど弱いレベルの香りまで感じ易い傾向があり、遊技者の年齢層が高いほど弱いレベルの香りを感じ難い傾向がある。そこで、例えば、前面枠セット14にアロマディヒューザのような香り放出装置を搭載して、香り放出装置から放出される香りの量(レベル)を異ならせることで、遊技者が嗅覚的に認識可能な香りの強さ(レベル)を把握することができる。具体的には、香油を温めるヒーターの温度を調節することで、香りの量を異ならせることができる。このような傾向を実施例1〜5と同様に利用すれば、上述した決定や調査を行うことができる。
<16>上述した実施例1〜5では、特定音または一発告知音として、15kHz,15kHzのような高音域の周波数帯を有する第2,第3特定音と、19kHzのような超高域の周波数帯を有する第1特定音を例に挙げて説明したが、第1,第2,第3特定音は、1kHz〜10kHzまでの高音域の周波数帯で構成される特定音であってもよい。また、第1,第2,第3特定音は、100kHz〜1kHzまでの中音域の周波数帯で構成される特定音であってもよい。また、第1,第2,第3特定音は、10Hz〜100Hzのような低音域の周波数帯で構成される特定音であってもよい。また、第1,第2,第3特定音は、高音域、中音域、低音域の周波数帯で構成される特定音であってもよい。
<17>上述した実施例1〜5では、第1,第2,第3特定音は、一定の周波数高さを有する音として説明していたが、「ピー」や「キーン」というような一定の音に限らず、「ラララ」や「キュンキュン」や「やったね」というような音または声でもよい。この場合、特定音演出の開始直前に、『「ラララ」という音が聞こえたらボタンを押してね』というような操作説明を表示しておき、「ラララ」という音が聞こえたタイミングで遊技者に演出ボタン80を押下させる。「ラララ」は、音の高さを変えることで聴き取り易さを変えるとよい。
また、特定音演出は、特定音を聴き取ることができるかどうかを見る演出であったが、特定音を当てる演出であってもよい。例えば、特定音演出の開始直前に、ピアノのある音域で弾かれた「ラララ」を先に出力し、『いまの音と同じ音が聞こえたらボタンを押してね』というような操作説明を表示する。各特定音演出では 、同じ音域で弾かれた「ラララ」や、異なる音域で弾かれた「ラララ」や、違う内容の「ラララララ」など出力し、正しい「ラララ」で演出ボタン80を操作できたか否かによって、遊技者の音感の違いを把握するものであってもよい。この場合、正解率が高い遊技者に一発告知音を出すようにしてもよい。
また、特定音演出は、遊技者が聴き取ることができた周波数帯から遊技者の年齢層を把握するものに限らず、遊技者の好みを把握するものであってもよい。例えば、特定音演出は、アイドルグループのメンバーが特定音演出ごとに交代で遊技者に声を掛け(例えば「私のこと応援してくれる?」という呼びかけ)、遊技者は好みのメンバーの呼び声に演出ボタン80を押すことによって応える(「応援するよ」という応え)、という演出であってもよい。この場合、特定音演出の結果が集まれば、遊技者はどのメンバーが好みであるかを把握することができる。その結果、一発告知音では、遊技者の好みのメンバーの声で「やったね」という一発告知メッセージを出力することで、一発告知演出に対する遊技者の関心を向上させることもできる。また、遊技機連動遊技では、遊技者がメンバーの呼び声に応えた回数に応じて、特典を付与することで、さらに特定音演出への遊技者の参加を促すこともできる。また、遊技機連動遊技では、遊技者が異なる遊技機(または異なるホール)で遊技する場合でも、予め把握された遊技者の好みのメンバーを遊技機に把握させて、演出に反映させることもできる。
<18>上述した実施例1では、一発告知音が出力される一発告知タイミングを予め定められたタイミングとしていたが、一発告知タイミングを遊技者に応じて変えてもよい。例えば、一発告知音の上限が第1一発告知音に決定され、第1一発告知音が出力される場合、第1一発告知音は通常では聴き取りにくい音であり当該遊技者も聞き逃すおそれがあるため、一発告知タイミングをリーチ演出期間中に複数回設けてもよい。これに対して、一発告知音の上限が第1一発告知音に決定されたが、実際には第2,第3一発告知音が出力される場合、当該遊技者にとっては第2,第3一発告知音は聴き取り易い音であるので、一発告知タイミングをリーチ期間中に1回設けるだけでもよい。
<19>上述した実施例1では、特定音演出は、30×n回目の変動後の最初のリーチ演出中に行うこととしたが、30×n回目の変動中に行ってもよい。この場合、30×n回目の変動時間が特定音演出期間よりも長いことが担保されている必要がある。そのため、30×n回目の変動中に特定音演出が行われる場合は、特定音演出を行う30×n回目の変動パターンが特定音演出期間よりも長い時間行われるように予め定められる必要がある。具体的には、このような特定音演出は、時短付き大当たりに当選した場合に発生する大当たりラウンド終了後の所定回数(例えば200回)の時短中に、20×n回目(n=1〜10)の変動時間を特定音演出時間よりも長い時間とした変動パターンテーブルを記憶しておくことで実現できる。
<20>上述した実施例1〜5では、遊技者の年齢層を把握するために、遊技者の聴覚を試す(周波数高さの異なる)特定音を出力していたが、遊技者の感覚(五感)以外の趣味、興味、嗜好を把握するために、遊技者の趣味、興味、嗜好を引き出す情報を出力してもよい。例えば、遊技者の嗜好を把握するために、特定演出毎に複数組のアイドルグループを1組ずつ交代で登場させて、各組のアイドルグループの中で最も好感を持つメンバーを遊技者に選択させて、一発告知演出では各組の中で最も好感を持つメンバーを集めた選抜メンバーを表示させる。具体的には、最も好感を持つメンバーは、選択ボタン71〜74によって選択されて、演出ボタン80によって決定される。これにより、遊技者の嗜好を好適に調査することができる。また、最も好感を集めたメンバーを中心にその後の演出(一発告知演出,非変動の通常遊技中,変動中,リーチ中,大当たりラウンド中の背景画像,音楽)を組み立てることで、これらの演出に関する遊技者の興趣を向上させることができる。なお、上述した各組のアイドルグループに関する画像が下記発明の「反応促進情報」に相当する。
また、遊技者の趣味、興味を把握するために、遊技者の趣味、興味を引き出す情報を出力してもよい。例えば、遊技者の興味、趣味を把握するために、特定演出毎にスポーツ、音楽、ファッション、ゲームなど複数のジャンルから選択された一つのジャンルのクイズを複数問出題し、正解率が高いジャンルを遊技者の興味、趣味に近いジャンルであると把握する。具体的には、クイズの回答は、選択ボタン71〜74によって選択されて、演出ボタン80によって決定される。これにより、遊技者の趣味、調味を好適に調査することができる。また、その後の演出をその遊技者の興味、趣味であるジャンルを中心に組み立てることで、その後の演出を遊技者の興味、趣味に近い内容とすることができる。なお、上述した各組のクイズに関する画像が下記発明の「反応促進情報」に相当する。
<21>上述した実施例1〜5では、遊技者の年齢層を把握するために、遊技者の聴覚を試す(周波数高さの異なる)特定音を出力していたが、それ以外の方法で遊技者の年齢層を把握してもよい。例えば、遊技者の年齢層に応じて正解率が異なり易いクイズを出題することで、遊技者の年齢層を把握してもよい。具体的には、20代,30代,40代・・・といった遊技者の年齢層毎に、各年齢層の遊技者にとって馴染みのあるヒット曲で構成される世代別イントロクイズを特定音演出毎に出題し、正解したイントロクイズの世代から遊技者の年齢層を把握することができる。このような方法によっても遊技者の年齢層を好適に把握することができる。
<22>上述した実施例1〜5では、通常音声を出力する音声出力部24aとは別に、特定音や一発告知音を出力する音声出力部24bを備えていたが、ひとつの音声出力部のみで通常音声と特定音、一発告知音を出力してもよい。
<23>上述した実施例では、パチンコ機に採用した場合について説明しているが、スロットマシンなど他の種類の遊技機に採用するようにしてもよい。
例えば、本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
以下では、各発明特定事項の後に、その一例となる実施例の構成を記載している。
<第1課題>
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機やスロットマシンなどがある。
この種の遊技機を設計する遊技機メーカーは、遊技者にアンケートを行って回答を回収することがある(例えば、特許文献1:特開2008−242529号公報(第1〜第2頁)参照)。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機では、遊技者にアンケートを行っても、遊技者はアンケートに回答しない場合があり、仮にアンケートに回答したとしても遊技者が正確に回答するという保障もなく、遊技機メーカーが遊技機で遊技を行う遊技者に関する情報(例えば遊技者の年齢層)を調査することが難しい、という問題がある。
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、遊技機で遊技を行う遊技者に関する情報を好適に調査できる遊技機を提供することを目的とする。
<A系統:年齢層の調査,一発告知>
(A0) 始動条件が成立することに起因して識別情報を変動表示し、その変動表示結果が予め定められた特定表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する遊技機において、
遊技の進行に応じて聴覚的、視覚的、触覚的または嗅覚的に認識可能な聴覚情報、視覚情報、触覚情報または嗅覚情報を出力する情報出力手段(音出力部24)と、
前記情報出力手段による情報の出力を制御する情報出力制御手段(サブ制御装置262)と、
遊技者の操作を受ける操作手段(演出ボタン80)と、を備え、
前記情報出力制御手段は、
所定条件の成立(30×n遊技回(n:整数))に基づき、前記識別情報の変動表示中の特定情報演出期間内に、遊技者によって最初に認識できる時点が異なる複数のレベルを有する特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報(第1特定音:19kHz,第3特定音:15kHz)の出力を制御する特定情報出力制御手段(第1,第3特定音出力フラグ)と、
前記特定情報演出期間内において、前記特定聴覚情報、前記特定視覚情報、前記特定触覚情報または前記特定臭覚情報の出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する設定手段(特定音聴取判定処理におけるステップS2002,2006)と、
前記有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が認識することができた前記特定聴覚情報、前記特定視覚情報、前記特定触覚情報または前記特定臭覚情報のレベルを把握する把握手段と(第1,第3特定音聴取フラグ)と、
前記レベルが把握されたことに基づき、前記レベルに応じた特定情報(第1,第3特定音聴取画像:「19kHzまで聞こえたみたい。すごい!すごい!」,「15kHzまで聞こえたみたい。」という文字画像)を表示手段(第3図柄表示装置42)に表示させる特定情報表示制御手段(第1,第3特定音聴取表示フラグ)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(A0)に記載の遊技機によれば、特定情報出力制御手段は、所定条件の成立に基づき、識別情報の変動表示中の特定情報演出期間内に、遊技者によって最初に認識できる時点が異なる複数のレベルを有する特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報の出力を制御する。設定手段は、特定情報演出期間内において、特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報の出力中に、操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する。把握手段は、有効期間に操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報のレベルを把握する。遊技者が認識できた特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報のレベルは、遊技者の年齢層に応じて異なるので、遊技機メーカーが把握手段に把握された遊技者が認識できた特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報のレベルを読み出すことで、遊技機で遊技を行った遊技者の年齢層を調査することができる。また、特定情報表示制御手段は、レベルが把握されたことに基づき、レベルに応じた特定情報を表示手段に表示させる。これにより、有効期間内に操作手段を操作できれば、表示手段において特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報のレベルに応じた特定情報が表示されるので、遊技者の興味を引くことができる。把握された特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報のレベルを遊技機メーカーが読み出せば、遊技者の年齢層など遊技機で遊技を行う遊技者に関する情報を把握できる。したがって、特定情報を見ることができるという面白味を遊技者に与えながら、遊技の進行中に遊技者の年齢層など遊技機で遊技を行う遊技者に関する情報を取得することができる。その結果、遊技機で遊技を行う遊技者に関する情報を好適に調査できる。
(A00) 始動条件が成立することに起因して識別情報を変動表示し、その変動表示結果が予め定められた特定表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する遊技機において、
遊技者の操作を受ける操作手段(演出ボタン80)と、
遊技の進行に応じて情報を出力する情報出力手段と、
前記情報出力手段による情報の出力を制御する情報出力制御手段(サブ制御装置262)と、を備え、
前記情報出力制御手段は、
所定条件の成立に基づき、前記識別情報の変動表示中の特定演出期間内に、遊技者に前記操作手段の操作を伴う所定の反応を促す反応促進情報の出力を制御する反応促進情報出力制御手段と、
前記特定演出期間内において、前記反応促進情報情報の出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する設定手段と、
前記有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、前記反応促進情報に対する遊技者の反応を把握する把握手段と、
前記反応が把握されたことに基づき、前記反応に応じた特定情報を前記情報出力手段に出力させる特定情報出力制御手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
これにより、有効期間内に操作手段を操作できれば、情報出力手段において反応促進情報に対する遊技者の反応に応じた特定情報が出力されるので、反応促進情報に対して操作手段を操作することに関する遊技者の興味を引くことができる。把握された遊技者の反応を遊技機メーカーが読み出せば、遊技機で遊技を行う遊技者に関する情報(年齢層に限らず、興味,趣味,嗜好などの情報)を把握できる。したがって、特定情報を見ることができるという面白味を遊技者に与えながら、遊技の進行中に遊技者の興味、趣味、嗜好などの情報を取得することができる。その結果、遊技機で遊技を行う遊技者に関する情報を好適に調査できる。
(A1) 始動条件が成立することに起因して識別情報を変動表示し、その変動表示結果が予め定められた特定表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する遊技機において、
遊技の進行に応じて音声を出力する音声出力手段(音声出力部24)と、
前記音声出力手段による音声の出力を制御する音声出力制御手段(サブ制御装置262)と、
遊技者の操作を受ける操作手段(演出ボタン80)と、を備え、
前記音声出力制御手段は、
所定条件の成立(30×n遊技回(n:整数))に基づき、前記識別情報の変動表示中の特定音演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯を有する高周波数帯特定音(第1特定音:19kHz)と、それよりも低い高さの周波数帯を有する低周波数帯特定音(第3特定音:15kHz)とを前記音声出力手段に出力する制御を行う特定音出力制御手段(第1,第3特定音出力フラグ)と、
前記特定音演出期間内において、前記高周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記低周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する設定手段(特定音聴取判定処理におけるステップS2002,2006)と、
前記有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯を把握する把握手段(第1,第3特定音聴取フラグ)と、
前記可聴周波数帯が把握されたことに基づき、前記可聴周波数帯に応じた特定情報(第1,第3特定音聴取画像:「19kHzまで聞こえたみたい。すごい!すごい!」,「15kHzまで聞こえたみたい。」という文字画像)を表示手段(第3図柄表示装置42)に表示させる特定情報表示制御手段(第1,第3特定音聴取表示フラグ)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(A1)に記載の遊技機によれば、特定音出力制御手段は、所定条件の成立に基づき、識別情報の変動表示中の特定音演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯を有する高周波数帯特定音と、それよりも低い高さの周波数帯を有する低周波数帯特定音とを音声出力手段に出力する制御を行う。設定手段は、特定音演出期間内において、高周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、低周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する。把握手段は、この有効期間に操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯を把握する。可聴周波数帯は、遊技者の年齢層が低いほど高く、遊技者の年齢層が高いほど低いので、遊技機メーカーが把握手段に把握された可聴周波数帯を読み出すことで、当該遊技機で遊技を行った遊技者の年齢層を調査することができる。また、特定情報表示制御手段は、可聴周波数帯が把握されたことに基づき、可聴周波数帯に応じた特定情報を表示手段に表示させる。これにより、有効期間内に操作手段を操作できれば、可聴周波数帯に応じた特定情報が表示手段に表示されるので、遊技者の興味を引くことができる。把握された可聴周波数帯を遊技機メーカーが読み出せば、遊技者の年齢層など遊技機で遊技を行う遊技者に関する情報を把握できる。したがって、表示手段において可聴周波数帯に応じた特定情報を見ることができるという面白味を遊技者に与えながら、遊技の進行に中に遊技者の年齢層など遊技機で遊技を行う遊技者に関する情報を取得することができる。その結果、遊技機で遊技を行う遊技者に関する情報を好適に調査できる。
なお、高周波数帯特定音及び低周波数帯特定音は、(A0)に記載される聴覚的に認識可能な聴覚情報に含まれる、遊技者によって最初に聴き取ることができる時点が異なる複数レベルを有する特定聴覚情報である。また、(A0)に記載される特定視覚情報、特定触覚情報および特定嗅覚情報も、特定聴覚情報における高周波数帯特定音及び低周波数帯特定音のように区分することができる。したがって、(A0)に係る発明も、後述する(A1a)〜(A7)に係る発明を適用することができる。
(A1a) 始動条件が成立することに起因して識別情報を変動表示し、その変動表示結果が予め定められた特定表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する遊技機において、
遊技の進行に応じて音声を出力する音声出力手段(音声出力部24)と、
前記音声出力手段による音声の出力を制御する音声出力制御手段(サブ制御装置262)と、
遊技者の操作を受ける操作手段(演出ボタン80)と、を備え、
前記音声出力制御手段は、
所定条件の成立に基づき、前記識別情報の変動表示中の特定音演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯を有する高周波数帯特定音(第1特定音:19kHz)と、それよりも低い高さの周波数帯を有する低周波数帯特定音(第3特定音:15kHz)とを前記音声出力手段に出力する制御を行う特定音出力制御手段(第1,第3特定音出力フラグ)と、
前記特定音演出期間内において、前記高周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記低周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する設定手段(特定音聴取判定処理におけるステップS2002,2006)と、
前記有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、その操作態様に応じた特定情報(第1,第3特定音聴取画像:「君は超人だね。」,「君はまだ普通だね。」という文字画像)を表示手段(第3図柄表示装置42)に表示させる特定情報表示制御手段(第1,第3特定音聴取表示フラグ)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(A1a)に記載の発明によれば、(A1)のような有効期間に操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯を把握する把握手段を備えていなくても、有効期間に操作手段が操作されたことに基づき、その操作態様に応じた特定情報を表示手段に表示させるので、当該操作態様に応じた特定情報を遊技機本体の所定の記憶手段に記憶しておけば、遊技機メーカーが特定情報を読み出すことで、当該遊技機で遊技を行った遊技者の年齢層を調査できる。例えば、特定音が高周波数帯特定音から低周波数帯特定音へ段階的に下げながら出力されている場合に、遊技者が高周波数帯特定音を聴き取ることができた場合は「君は超人だね。」という文字画像(特定情報)が表示され、低周波数帯特定音を聴き取ることができた場合は「君はまだ普通だね。」という文字画像(特定情報)が出力される。遊技機メーカーが読み出した特定情報が「君は超人だね。」という文字画像に対応する情報であれば、その特定情報が表示された遊技者は高周波数帯特定音を聴き取ることができる年齢層の遊技者であると把握できる。このように、読み出された特定情報から、当該遊技機で遊技を行った遊技者の年齢層を把握できる。
(A1b) 始動条件が成立することに起因して識別情報を変動表示し、その変動表示結果が予め定められた特定表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する遊技機において、
遊技の進行に応じて音声を出力する音声出力手段(音声出力部24)と、
前記音声出力手段による音声の出力を制御する音声出力制御手段(サブ制御装置262)と、
遊技者の操作を受ける操作手段(演出ボタン80)と、を備え、
前記音声出力制御手段は、
所定条件の成立に基づき、前記識別情報の変動表示中の特定音演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯を有する高周波数帯特定音(第1特定音:19kHz)と、それよりも低い高さの周波数帯を有する低周波数帯特定音(第3特定音:17kHz)とを前記音声出力手段に出力する制御を行う特定音出力制御手段(第1,第3特定音出力フラグ)と、
前記特定音演出期間内において、前記高周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記低周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する設定手段(特定音聴取判定処理におけるステップS2002,2006)と、
前記有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯を把握する把握手段(第1,第3特定音聴取フラグ)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(A1b)に記載の遊技機によれば、(A1)のような有効期間に操作手段が操作されたことに基づき、その操作態様に応じた特定情報を表示手段に表示させる特定情報表示制御手段を備えていなくても、有効期間に操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯を把握する把握手段のみを備えてもよい。このような遊技機においても、特定音演出期間にて遊技者に特有の情報(可聴周波数帯)を遊技者に違和感を与えずに把握することができるので、遊技機メーカーが把握手段に把握された可聴周波数帯を読み出すことで、当該遊技機で遊技を行った遊技者の年齢層を好適に調査することができる。
(A2) 前記(A1)から(A1b)に記載の遊技機において、
前記特定音出力制御手段は、前記高周波数帯特定音と前記低周波数帯特定音との間の高さの周波数帯を有する中間周波数帯特定音(第2特定音:17kHz)を出力し、
前記設定手段は、前記中間周波数帯特定音の出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A2)に記載の遊技機によれば、特定音出力制御手段は、高周波数帯特定音と低周波数帯特定音との間の高さの周波数帯を有する中間周波数帯特定音を出力する。設定手段は、中間周波数帯特定音の出力中に、操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する。したがって、遊技の進行の中で遊技者の年齢層をより細かく把握するための情報を取得することができる。
(A3) 前記(A1),(A1a)または(A2)に記載の遊技機において、
前記特定音出力制御手段は、前記高周波数帯特定音から前記低周波数帯特定音に向けて連続的または段階的に低くなる低下傾向出力を行うか、または、前記低周波数帯特定音から前記高周波数帯特定音に向けて連続的または段階的に高くなる増加傾向出力を行い、
前記特定情報表示制御手段は、前記低下傾向出力または前記増加傾向出力に応じて段階的に異なる特定情報(第1,第2,第3特定音聴取画像:「19kHzまで聞こえたみたい。すごい!すごい!」,「17kHzまで聞こえたみたい。すごい!」,「15kHzまで聞こえたみたい。」のように変化する文字画像、または、「君は超人だね。」,「君はもう少しで超人だね。」,「君はまだ普通だね。」のように変化する文字画像)を表示する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A3)に記載の遊技機によれば、特定音出力制御手段は、高周波数帯特定音から低周波数帯特定音に向けて連続的または段階的に低くなる低下傾向出力を行うか、または、低周波数帯特定音から高周波数帯特定音に向けて連続的または段階的に高くなる増加傾向出力を行う。特定情報表示制御手段は、低下傾向出力または増加傾向出力に応じて段階的に異なる特定情報を表示する。したがって、低下傾向出力または増加傾向出力に応じて段階的に異なる可聴周波数帯に応じた情報を表示手段において見ることができるという面白味を遊技者に与えながら、遊技の進行の中で遊技者の年齢層を把握するための情報を取得することができる。
(A4) 前記(A1)から(A3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定音出力制御手段は、前記特定音演出期間内に少なくとも前記高周波数帯特定音及び前記低周波数帯特定音のいずれも出力されない期間を設けており、
前記設定手段は、前記高周波数帯特定音及び前記低周波数帯特定音が出力されない期間に応じて、前記操作手段の操作を無効とする無効期間を設定する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A4)に記載の遊技機によれば、特定音出力制御手段は、特定音演出期間内に少なくとも高周波数帯特定音及び低周波数帯特定音のいずれも出力されない期間を設ける。設定手段は、高周波数帯特定音及び低周波数帯特定音が出力されない期間に応じて、操作手段の操作を無効とする無効期間を設定する。したがって、特定音演出期間内に当てずっぽうに操作手段が操作されることに基づき、不正確な遊技者の年齢層が把握されることを低減することができる。
(A5) 前記(A1)から(A4)のいずれかひとつに記載の遊技機において、
前記特定音出力制御手段は、少なくとも前記高周波数帯特定音または前記低周波数帯特定音いずれか一つの特定音の出力を開始する出力開始タイミングを、前回の特定音演出期間における出力開始タイミングと異ならせる
ことを特徴とする遊技機。
前記(A5)に記載の遊技機によれば、特定音出力制御手段は、少なくとも高周波数帯特定音または低周波数帯特定音いずれか一つの特定音の出力を開始する出力開始タイミングを、前回の特定音演出期間における出力開始タイミングと異ならせる。したがって、特定音演出期間内に当てずっぽうに操作手段が操作されることに基づき、不正確な遊技者の年齢層が把握されることを低減することができる。
(A6) 前記(A1),(A1b)から(A5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記変動表示結果が前記特定表示態様となる場合に、前記把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さに応じた高さの特定報知音(第1〜第3一発告知音)を出力する特定音報知手段(第1〜第3一発告知音フラグ)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(A6)に記載の遊技機によれば、特定音報知手段は、変動表示結果が前記特定表示態様となる場合に、把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さに応じた高さの特定報知音を出力する。これにより、把握手段によって把握された遊技者に特有の情報に応じて異なる高さの特定報知音で変動表示結果が特定表示態様となることを報知できる。したがって、遊技機で遊技を行う遊技者に特有の情報を好適に把握して、その情報を好適に遊技に反映させることができる遊技機を提供することができる。
(A7) 前記(A6)に記載の遊技機において、
前記音声出力制御手段は、前記可聴周波数帯が所定回数把握された場合に、当該所定数回把握された前記可聴周波数帯の平均値、中央値または最頻値の高さに基づき、前記特定報知音の高さを決定する特定報知音決定手段(一発告知音決定テーブル)を備え、
前記特定音報知手段は、前記特定報知音決定手段によって決定された高さの特定報知音を出力する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A7)に記載の遊技機によれば、特定音出力制御手段は、特定報知音決定手段を備え、特定報知音決定手段は、可聴周波数帯が所定回数把握された場合に、当該所定数回把握された可聴周波数帯の平均値、中央値または最頻値の高さに基づき、特定報知音の高さを決定する。特定音報知手段は、特定報知音決定手段によって決定された高さの特定報知音を出力する。したがって、1回で把握された可聴周波数帯の高さに応じた高さの報知音を出力する場合よりも、正確に把握された遊技者に特有の情報に応じて異なる高さの特定報知音で変動表示結果が特定表示態様となることを報知できる。
(A8) 前記(A1)から(A7)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記把握手段によって把握される可聴周波数帯に基づき、遊技者の年齢層を推定する推定手段と、
推定された年齢層が遊技場で遊技をすることが法律上禁止されている年齢層である場合に、当該年齢層の遊技者が遊技を行っていることを報知する禁止報知手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(A8)に記載の遊技機によれば、推定手段は、把握手段によって把握される可聴周波数帯に基づき、遊技者の年齢層を推定する。禁止報知手段は、推定された年齢層が遊技場で遊技をすることが法律上禁止されている年齢層である場合に、当該年齢層の遊技者が遊技を行っていることを報知する。したがって、法律上遊技が禁止されている年齢層の遊技者が遊技を行っていることを好適に報知することができる。
<第2課題>
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機やスロットマシンなどがある。この種の遊技機では、所定の表示演出が表示されている最中に、操作ボタンなどの操作手段の操作の検出が有効となることを示唆する示唆画像を表示して、当該示唆画像の表示中に操作手段の操作が有効であると検出されることに基づき、新たな表示演出を行うものがある(例えば、特許文献1:特開2006−81588号公報の第1〜第2頁参照)。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機では、操作手段の操作の検出が有効となることを示唆する示唆画像は、当該遊技機で遊技を行う遊技者の違いによらず一律の態様で表示されるので、当該示唆画像に反応して操作手段を操作する遊技者にとっては、その後の新たな表示演出の態様に差が付き難い。そのため、操作手段の操作が検出されることに基づき開始される表示演出の興趣性をこれ以上向上させることができない、という問題がある。
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、操作手段の操作が検出されることに基づき開始される表示演出の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
<B系統:昇格演出(リーチ,予告など)>
(B0) 始動条件が成立することに起因して識別情報を変動表示し、その変動表示結果が予め定められた特定表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する遊技機において、
遊技の進行に応じて聴覚的、視覚的、触覚的または嗅覚的に認識可能な聴覚情報、視覚情報、触覚情報または嗅覚情報を出力する情報出力手段(音出力部24)と、
前記情報出力手段による情報の出力を制御する情報出力制御手段(サブ制御装置262)と、
遊技者の操作を受ける操作手段(演出ボタン80)と、を備え、
前記情報出力制御手段は、
所定条件の成立(変動パターンコマンドがリーチ昇格演出を含むこと)に基づき、前記識別情報の変動表示中の特定情報演出期間内に、遊技者によって最初に認識できる時点が異なる複数のレベルを有する特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報(第1特定音:19kHz,第2特定音:17kHz,第3特定音:15kHz)の出力を制御する特定情報出力制御手段(第1〜3特定音出力フラグ)と、
前記特定情報演出期間内において、前記特定聴覚情報、前記特定視覚情報、前記特定触覚情報または前記特定嗅覚情報の出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する設定手段(特定音聴取判定処理におけるステップS2002,2004,2006)と、
前記有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が認識できた前記特定聴覚情報、前記特定視覚情報、前記特定触覚情報または前記特定嗅覚情報のレベルを把握する把握手段(第1〜第3特定音聴取フラグ)と、
前記レベルが把握されたことに基づき、前記識別情報の変動表示中に実行される特定表示演出(リーチ昇格演出)の演出態様(種類A〜C)を決定し、該決定された演出態様で、前記特定表示演出を表示手段に表示するように制御する特定表示演出制御手段(第1〜第3リーチ昇格演出フラグ)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(B0)に記載の遊技機によれば、情報出力手段は、遊技の進行に応じて聴覚的、視覚的、触覚的または嗅覚的に認識可能な聴覚情報、視覚情報、触覚情報または嗅覚情報を出力する。特定情報出力制御手段は、所定条件の成立に基づき、識別情報の変動表示中の特定情報演出期間内に、遊技者によって最初に認識できる時点が異なる複数のレベルを有する特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報の出力を制御する。設定手段は、特定情報演出期間内において、特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報の出力中に、操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する。把握手段は、有効期間に操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が認識できた特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報のレベルを把握する。遊技者が認識できた特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報のレベルは、遊技者の年齢層に応じて異なるので、遊技機で遊技を行う遊技者に特有の情報である。把握手段を用いれば、このような遊技者に特有の情報を好適に把握することができる。また、特定表示演出制御手段は、前記レベルが把握されたことに基づき、識別情報の変動表示中に実行される特定表示演出(リーチ昇格演出)の演出態様(種類A〜C)を決定し、該決定された演出態様で、特定表示演出を表示手段に表示するように制御する。つまり、特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報のレベルが把握されたことに基づき、特定表示演出の演出態様が異なる。したがって、遊技者は、より良く特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報を認識しようと試みるので、操作手段の操作が検出されることに基づき開始される表示演出の興趣性を向上させることができる。
(B1) 始動条件が成立することに起因して識別情報を変動表示し、その変動表示結果が予め定められた特定表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する遊技機において、
遊技の進行に応じて音声を出力する音声出力手段(音出力部24)と、
前記音声出力手段に対する音声の出力を制御する音声出力制御手段(サブ制御装置262)と、
遊技者の操作を受ける操作手段(演出ボタン80)と、を備え、
前記音声出力制御手段は、
所定条件の成立(変動パターンコマンドがリーチ昇格演出を含むこと)に基づき、前記識別情報の変動表示中の特定音演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯を有する高周波数帯特定音(第1特定音:19kHz)と、それよりも低い高さの周波数帯を有する低周波数帯特定音(第2特定音:17kHz,第3特定音:15kHz)とを前記音声出力手段が出力する制御を行う特定音出力制御手段(第1〜3特定音出力フラグ)と、
前記特定音演出期間内において、前記高周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記低周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する設定手段(特定音聴取判定処理におけるステップS2002,2004,2006)と、
前記有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯を把握する把握手段(第1〜第3特定音聴取フラグ)と、
前記可聴周波数帯が把握されたことに基づき、前記識別情報の変動表示中に実行される特定表示演出(リーチ昇格演出)の演出態様(種類A〜C)を決定し、該決定された演出態様で、前記特定表示演出を表示手段に表示するように制御する特定表示演出制御手段(第1〜第3リーチ昇格演出フラグ)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(B1)に記載の発明によれば、特定音出力制御手段は、所定条件の成立に基づき、識別情報の変動表示中の特定音演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯を有する高周波数帯特定音と、それよりも低い高さの周波数帯を有する低周波数帯特定音とを音声出力手段が出力する制御を行う。設定手段は、特定音演出期間内において、高周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、低周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する。把握手段は、有効期間に操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯を把握する。可聴周波数帯は、遊技者の年齢層が低いほど高く、遊技者の年齢層が高いほど低いので、遊技機で遊技を行う遊技者に特有の情報である。把握手段を用いれば、このような遊技者に特有の情報を好適に把握することができる。また、特定表示演出制御手段は、可聴周波数帯が把握されたことに基づき、識別情報の変動表示中に実行される特定表示演出の演出態様を決定し、該決定された演出態様で、特定表示演出を表示手段に表示するように制御する。つまり、可聴周波数帯が把握されたことに基づき、特定表示演出の演出態様が異なる。したがって、遊技者は、自己の年齢層に応じて可能な限り、より良く可聴周波数帯を認識しようと試みるので、操作手段の操作が検出されることに基づき開始される表示演出の興趣性を向上させることができる。
なお、高周波数帯特定音及び低周波数帯特定音は、(B0)に記載される聴覚的に認識可能な聴覚情報に含まれる、遊技者によって最初に聴き取ることができる時点が異なる複数レベルを有する特定聴覚情報である。また、(B0)に記載される特定視覚情報、特定触覚情報および特定嗅覚情報も、特定聴覚情報における高周波数帯特定音及び低周波数帯特定音のように区分することができる。したがって、(B0)に係る発明も、後述する(B2)〜(B4)に係る発明を適用することができる。
(B2) 前記(B1)に記載の遊技機において、
前記特定音出力制御手段は、前記高周波数帯特定音から前記低周波数帯特定音まで、連続的または段階的に下げながら出力し、
前記特定表示演出制御手段は、前記把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さに応じて前記特定表示演出の開始時点を決定し、当該決定された開始時点から予め定められた終了時点まで前記特定表示演出を表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
前記(B2)に記載の発明によれば、特定音出力制御手段は、高周波数帯特定音から低周波数帯特定音まで、連続的または段階的に下げながら出力する。特定表示演出制御手段は、把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さに応じて特定表示演出の開始時点を決定し、当該決定された開始時点から予め定められた終了時点まで特定表示演出を表示手段に表示する。つまり、把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さに応じて、特定表示演出の開始から終了までの時間が異なる。したがって、遊技者は、高い周波数帯を有する特定音を聴き取ることができるほど、長い特定表示演出を見ることができるので、操作手段の操作が検出されることに基づき開始される表示演出の興趣性を向上させることができる。
(B3) 前記(B1)または(B2)に記載の遊技機において、
前記特定表示演出は、前記特定表示態様となる期待度を遊技者に示唆するリーチ演出を、当該リーチ演出よりも期待度が高いリーチ演出に昇格させる演出であって、前記把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さが高いほど、前記リーチ演出を前記期待度が高いリーチ演出に昇格させる回数を多くするリーチ昇格演出である
ことを特徴とする遊技機。
前記(B3)に記載の遊技機によれば、特定表示演出は、特定表示態様となる期待度を遊技者に示唆するリーチ演出を、当該リーチ演出よりも期待度が高いリーチ演出に昇格させる演出であって、把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さが高いほど、リーチ演出を期待度が高いリーチ演出に昇格させる回数を多くするリーチ昇格演出である。したがって、遊技者は、高い周波数帯を有する特定音を聴き取ることができるほど、期待度が高いリーチ演出になるまで昇格する回数の多いリーチ演出を見ることができるので、操作手段の操作が検出されることに基づき開始される表示演出の興趣性を向上させることができる。
(B4) 前記(B1)または(B2)に記載の遊技機において、
前記特定表示演出は、前記特定表示態様となる期待度を遊技者に示唆する予告演出を、当該予告演出を期待度が高い予告演出に変化させる演出であって、前記把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さが高いほど、前記予告演出を前記期待度が高い予告演出に変化させる回数を多くする予告演出である
ことを特徴とする遊技機。
前記(B4)に記載の遊技機によれば、特定表示演出は、特定表示態様となる期待度を遊技者に示唆する予告演出を、当該予告演出を期待度が高い予告演出に変化させる演出であって、把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さが高いほど、予告演出を期待度が高い予告演出に変化させる回数を多くする予告演出である。したがって、遊技者は、高い周波数帯を有する特定音を聴き取ることができるほど、期待度が高い予告演出になるまで多くの回数変化する予告演出を見ることができるので、操作手段の操作が検出されることに基づき開始される表示演出の興趣性を向上させることができる。
<C系統:先読み予告>
(C0) 始動条件が成立することに起因して識別情報を変動表示し、その変動表示結果が予め定められた特定表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する遊技機において、
遊技の進行に応じて聴覚的、視覚的、触覚的または嗅覚的に認識可能な聴覚情報、視覚情報、触覚情報または嗅覚情報を出力する情報出力手段(音出力部24)と、
前記情報出力手段による情報の出力を制御する情報出力制御手段(サブ制御装置262)と、
遊技者の操作を受ける操作手段(演出ボタン80)と、を備え、
前記情報出力制御手段は、
前記未実行分の変動表示の判定結果が前記特定表示態様となる当選判定である場合で、かつ、当該当選判定となった未実行分の変動表示よりも前に複数の未実行分の変動表示が保留されている場合に、前記変動未実行条件解除後に行われる複数の変動表示期間中に設けられた特定情報演出期間内に、遊技者によって最初に認識できる時点が異なる複数のレベルを有する特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報(第1特定音:19kHz,第2特定音:17kHz,第3特定音:15kHz)の出力を制御する特定情報出力制御手段(第1〜第3特定音出力フラグ)と、
前記特定情報演出期間内において、前記特定聴覚情報、前記特定視覚情報、前記特定触覚情報または前記特定嗅覚情報の出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する設定手段(特定音聴取判定処理におけるステップS2002,2004,2006)と、
前記有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が認識できた前記特定聴覚情報、前記特定視覚情報、前記特定触覚情報または前記特定嗅覚情報のレベルを把握する把握手段(第1〜第3特定音聴取フラグ)と、
前記レベルが把握されたことに基づき、前記当選判定であることに基づく先読み予告(停止図柄をチャンス目「341」とする表示)の演出態様を決定し、該決定された演出態様で、前記先読み予告を表示手段に表示するように制御する先読み予告制御手段(第1〜第3先読み予告フラグ)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(C0)に記載の発明によれば、情報出力手段は、遊技の進行に応じて聴覚的、視覚的、触覚的または嗅覚的に認識可能な聴覚情報、視覚情報、触覚情報または嗅覚情報を出力する。特定情報出力制御手段は、未実行分の変動表示の判定結果が特定表示態様となる当選判定である場合で、かつ、当該当選判定となった未実行分の変動表示よりも前に複数の未実行分の変動表示が保留されている場合に、変動未実行条件解除後に行われる複数の変動表示期間中に設けられた特定情報演出期間内に、遊技者によって最初に認識できる時点が異なる複数のレベルを有する特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報の出力を制御する。設定手段は、特定情報演出期間内において、特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報の出力中に、操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する。把握手段は、有効期間に操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が認識できた特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報のレベルを把握する。遊技者が認識できた特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報のレベルは、遊技者の年齢層に応じて異なるので、遊技機で遊技を行う遊技者に特有の情報である。把握手段を用いれば、このような遊技者に特有の情報を好適に把握することができる。また、先読み予告制御手段は、レベルが把握されたことに基づき、当選判定であることに基づく先読み予告の演出態様を決定し、該決定された演出態様で、先読み予告を表示手段に表示するように制御する。つまり、特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報のレベルが把握されたことに基づき、先読み予告演出の演出態様が異なる。したがって、遊技者は、より良く特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定嗅覚情報を認識しようと試みるので、操作手段の操作が検出されることに基づき開始される表示演出の興趣性を向上させることができる。
(C1) 始動条件が成立することに起因して識別情報を変動表示し、その変動表示結果が予め定められた特定表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する遊技機において、
前記識別情報の変動表示を実行しない変動未実行条件が成立する場合に、当該変動表示を未実行分として保留する保留手段(保留球格納エリア)と、
前記未実行分の変動表示の結果が前記特定表示態様となるか否かを判定する未実行分判定手段(先読み当選フラグ)と、
遊技の進行に応じて音声を出力する音声出力手段(音出力部24)と、
前記音声出力手段に対する音声の出力を制御する音声出力制御手段(サブ制御装置262)と、
遊技者の操作を受ける操作手段(演出ボタン80)と、を備え、
前記音声出力制御手段は、
前記未実行分の変動表示の判定結果が前記特定表示態様となる当選判定である場合で、かつ、当該当選判定となった未実行分の変動表示よりも前に複数の未実行分の変動表示が保留されている場合に、前記変動未実行条件解除後に行われる複数の変動表示期間中に設けられた特定音演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯を有する高周波数帯特定音(第1特定音:19kHz)と、それよりも低い高さの周波数帯を有する低周波数帯特定音(第3特定音:15kHz)とを前記音声出力手段が出力する制御を行う特定音出力制御手段(第1〜第3特定音出力フラグ)と、
前記特定音演出期間内において、前記高周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記低周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する設定手段(特定音聴取判定処理におけるステップS2002,2004,2006)と、
前記有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯を把握する把握手段(第1〜第3特定音聴取フラグ)と、
前記把握手段によって前記可聴周波数帯が把握されたことに基づき、前記当選判定であることに基づく先読み予告(停止図柄をチャンス目「341」とする表示)の演出態様を決定し、該決定された演出態様で、前記先読み予告を表示手段に表示するように制御する先読み予告制御手段(第1〜第3先読み予告フラグ)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(C1)に記載の発明によれば、特定音出力制御手段は、未実行分の変動表示の判定結果が特定表示態様となる当選判定である場合で、かつ、当該当選判定となった未実行分の変動表示よりも前に複数の未実行分の変動表示が保留されている場合に、変動未実行条件解除後に行われる複数の変動表示期間中に設けられた特定音演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯を有する高周波数帯特定音と、それよりも低い高さの周波数帯を有する低周波数帯特定音とを前記音声出力手段が出力する制御を行う。設定手段は、特定音演出期間内において、高周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、低周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する。把握手段は、有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯を把握する。可聴周波数帯は、遊技者の年齢層が低いほど高く、遊技者の年齢層が高いほど低いので、遊技機で遊技を行う遊技者に特有の情報である。把握手段を用いれば、このような遊技者に特有の情報を好適に把握することができる。また、先読み予告制御手段は、把握手段によって可聴周波数帯が把握されたことに基づき、当選判定であることに基づく先読み予告の演出態様を決定し、該決定された演出態様で、先読み予告を表示手段に表示するように制御する。つまり、可聴周波数帯が把握されたことに基づき、先読み予告演出の演出態様が異なる。したがって、遊技者は、自己の年齢層に応じて可能な限り、より良く可聴周波数帯を認識しようと試みるので、操作手段の操作が検出されることに基づき開始される表示演出の興趣性を向上させることができる。
なお、高周波数帯特定音及び低周波数帯特定音は、(C0)に記載される聴覚的に認識可能な聴覚情報に含まれる、遊技者によって最初に聴き取ることができる時点が異なる複数レベルを有する特定聴覚情報である。また、(C0)に記載される特定視覚情報、特定触覚情報および特定嗅覚情報も、特定聴覚情報における高周波数帯特定音及び低周波数帯特定音のように区分することができる。したがって、(C0)に係る発明も、後述する(A1a)〜(A7)に係る発明を適用することができる。
(C2) 前記(C1)に記載の遊技機において、
前記特定音出力制御手段は、前記高周波数帯特定音から前記低周波数帯特定音まで、連続的または段階的に下げながら出力し、
前記先読み予告制御手段は、前記把握手段によって把握された前記可聴周波数帯の高さに応じて決まる前記変動未実行条件解除後に行われる変動表示から、前記当選判定となった未実行分の変動表示の前記変動未実行条件解除後に行われる変動表示まで、前記先読み予告を実行する
ことを特徴とする遊技機。
前記(C2)に記載の発明によれば、特定音出力制御手段は、高周波数帯特定音から低周波数帯特定音まで、連続的または段階的に下げながら出力する。先読み予告制御手段は、把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さに応じて決まる変動未実行条件解除後に行われる変動表示から、当選判定となった未実行分の変動表示の変動未実行条件解除後に行われる変動表示まで、先読み予告を実行する。したがって、遊技者は、高い周波数帯を有する特定音を聴き取ることができるほど、長い期間、多くの変動表示にわたって、先読み予告を見ることができるので、操作手段の操作が検出されることに基づき開始される表示演出の興趣性を向上させることができる。
<D系統:ステップアップ>
(D0) 始動条件が成立することに起因して識別情報を変動表示し、その変動表示結果が予め定められた特定表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する遊技機において、
遊技の進行に応じて聴覚的、視覚的、触覚的または嗅覚的に認識可能な聴覚情報、視覚情報、触覚情報または嗅覚情報を出力する情報出力手段(音出力部24)と、
前記情報出力手段による情報の出力を制御する情報出力制御手段(サブ制御装置262)と、
遊技者の操作を受ける操作手段(演出ボタン80)と、を備え、
前記情報出力制手段は、
所定条件の成立に基づき、前記識別情報の変動表示中の特定情報演出期間内に、遊技者によって最初に認識できる時点が異なる複数のレベルを有する特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報(第1特定音:19kHz,第2特定音:17kHz,第3特定音:15kHz)の出力を制御する特定情報出力制御手段(第1〜第3特定音出力フラグ)と、
前記特定情報演出期間内において、前記特定聴覚情報、前記特定視覚情報、前記特定触覚情報または前記特定臭覚情報の出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する設定手段(特定音聴取判定処理におけるステップS2002,2004,2006)と、
前記有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が認識できた前記特定聴覚情報、前記特定視覚情報、前記特定触覚情報または前記特定臭覚情報のレベルを把握する把握手段(第1〜第3特定音聴取フラグ)と、
前記レベルが把握されたことに基づき、特定ステップ情報(第1〜第3ステップ画像SU1〜SU3)を複数回、表示手段に表示させるステップアップ演出の演出態様を決定し、該決定された態様で、前記ステップアップ演出を表示手段に表示するように制御するステップアップ演出制御手段(第1〜第3ステップ画像表示フラグ)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(D0)に記載の遊技機によれば、特定情報出力制御手段は、所定条件の成立に基づき、識別情報の変動表示中の特定情報演出期間内に、遊技者によって最初に認識できる時点が異なる複数のレベルを有する特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報の出力を制御する。設定手段は、特定情報演出期間内において、特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報の出力中に、操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する。把握手段は、有効期間に操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が認識できた特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報のレベルを把握する。遊技者が認識できた特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報のレベルは、遊技者の年齢層に応じて異なるので、遊技機で遊技を行う遊技者に特有の情報である。把握手段を用いれば、このような遊技者に特有の情報を好適に把握することができる。ステップアップ演出制御手段は、レベルが把握されたことに基づき、特定ステップ情報を複数回、表示手段に表示させるステップアップ演出の演出態様を決定し、該決定された態様で、ステップアップ演出を表示手段に表示するように制御する。つまり、遊技者が認識できた特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報のレベルが把握されたことに基づき、ステップアップ演出の演出態様が異なる。したがって、遊技者は、より良く特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報を認識しようと試みるので、操作手段の操作が検出されることに基づき開始される表示演出の興趣性を向上させることができる。
(D1) 始動条件が成立することに起因して識別情報を変動表示し、その変動表示結果が予め定められた特定表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する遊技機において、
遊技の進行に応じて音声を出力する音声出力手段(音出力部24)と、
前記音声出力手段に対する音声の出力を制御する音声出力制御手段(サブ制御装置262)と、
遊技者の操作を受ける操作手段(演出ボタン80)と、を備え、
前記音声出力制御手段は、
所定条件の成立に基づき、前記識別情報の変動表示中の特定音演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯を有する高周波数帯特定音(第1特定音:19kHz)と、それよりも低い高さの周波数帯を有する低周波数帯特定音(第3特定音:15kHz)とを前記音声出力手段が出力する制御を行う特定音出力制御手段(第1〜第3特定音出力フラグ)と、
前記特定音演出期間内において、前記高周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記低周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する設定手段(特定音聴取判定処理におけるステップS2002,2004,2006)と、
前記有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯を把握する把握手段(第1〜第3特定音聴取フラグ)と、
前記可聴周波数帯が把握されたことに基づき、特定ステップ情報(第1〜第3ステップ画像SU1〜SU3)を複数回、表示手段に表示させるステップアップ演出の演出態様を決定し、該決定された態様で、前記ステップアップ演出を表示手段に表示するように制御するステップアップ演出制御手段(第1〜第3ステップ画像表示フラグ)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(D1)に記載の遊技機によれば、特定音出力制御手段は、所定条件の成立に基づき、識別情報の変動表示中の特定音演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯を有する高周波数帯特定音と、それよりも低い高さの周波数帯を有する低周波数帯特定音とを音声出力手段が出力する制御を行う。設定手段は、特定音演出期間内において、高周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、低周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する。把握手段は、有効期間に操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯を把握する。可聴周波数帯は、遊技者の年齢層が低いほど高く、遊技者の年齢層が高いほど低いので、遊技機で遊技を行う遊技者に特有の情報である。把握手段を用いれば、このような遊技者に特有の情報を好適に把握することができる。また、可聴周波数帯が把握されたことに基づき、特定ステップ情報を複数回、表示手段に表示させるステップアップ演出の演出態様を決定し、該決定された態様で、ステップアップ演出を表示手段に表示するように制御する。つまり、可聴周波数帯が把握されたことに基づき、ステップアップ演出の演出態様が異なる。したがって、遊技者は、自己の年齢層に応じて可能な限り、より良く可聴周波数帯を認識しようと試みるので、操作手段の操作が検出されることに基づき開始される表示演出の興趣性を向上させることができる。
なお、高周波数帯特定音及び低周波数帯特定音は、(D0)に記載される聴覚的に認識可能な聴覚情報に含まれる、遊技者によって最初に聴き取ることができる時点が異なる複数レベルを有する特定聴覚情報である。また、(D0)に記載される特定視覚情報、特定触覚情報および特定嗅覚情報も、特定聴覚情報における高周波数帯特定音及び低周波数帯特定音のように区分することができる。したがって、(D0)に係る発明も、後述する(D2)に係る発明を適用することができる。
(D2) 前記(D1)に記載の遊技機において、
前記特定音出力制御手段は、前記可聴周波数帯が把握されるごとに、前記低周波数帯特定音から前記高周波数帯特定音まで、連続的または段階的に周波数帯を上げながら出力し、
前記ステップアップ演出制御手段は、前記把握手段によって把握された前記可聴周波数帯の高さに応じて決まる回数、特定ステップ情報をステップアップさせる
ことを特徴とする遊技機。
前記(D2)に記載の遊技機によれば、特定音出力制御手段は、可聴周波数帯が把握されるごとに、低周波数帯特定音から高周波数帯特定音まで、連続的または段階的に周波数帯を上げながら出力する。ステップアップ演出制御手段は、把握手段によって把握された可聴周波数帯の高さに応じて決まる回数、特定ステップ情報をステップアップさせる。したがって、遊技者は、高い周波数帯を有する特定音を聴き取ることができるほど、長い時間、多くの回数にわたってステップアップする特定ステップ情報を見ることができる。
<第3課題>
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機やスロットマシンなどがある。パチンコ機は、例えば、遊技盤に設けられ入賞口に遊技球が入賞することに起因し、遊技者にとって有利な特定遊技状態となるものがある。
この種の遊技機では、特定遊技状態への移行を音声や画像で報知するものがある(例えば、特許文献1:特開2014−90765号公報の第1〜2頁参照)。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機では、特定遊技状態への移行を報知する演出は、遊技者の違いによらず一律の態様で行われるので、特定遊技状態への移行を報知する演出の興趣性をこれ以上向上させることが難しい、という問題がある。
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、特定遊技状態への移行を報知する演出の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
<E系統:特定遊技状態の報知>
(E0) 所定の移行条件(第1の始動口33aでの入球検出、または、V入賞口での入球検出)が成立する場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(羽根203a,203bの1回開放,2回開放、または、大当たりラウンド遊技終了後の時短状態)に移行する遊技機において、
遊技の進行に応じて聴覚的、視覚的、触覚的または嗅覚的に認識可能な聴覚情報、視覚情報、触覚情報または嗅覚情報を出力する情報出力手段(音出力部24)と、
前記情報出力手段による情報の出力を制御する情報出力制御手段(サブ制御装置262)と、
遊技者の操作を受ける操作手段(演出ボタン80)と、を備え、
前記情報出力制御手段は、
前記所定の移行条件が成立することに基づき、前記特定遊技状態に移行するより前に設けられた特定情報演出期間内に、遊技者によって最初に認識できる時点が異なる複数のレベルを有する特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報(第1特定音:19kHz,第2特定音:17kHz,第3特定音:15kHz)の出力を制御する特定情報出力制御手段(第1〜第3特定音出力フラグ)と、
前記特定情報演出期間内において、前記特定聴覚情報、前記特定視覚情報、前記特定触覚情報または前記特定臭覚情報の出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する設定手段(特定音聴取判定処理におけるステップS2002,2004,2006)と、
前記有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が認識できた前記特定聴覚情報、前記特定視覚情報、前記特定触覚情報または前記特定臭覚情報のレベルを把握する把握手段(第1〜第3特定音聴取フラグ)と、
前記レベルが把握されたことに基づき、前記特定遊技状態への移行を報知するタイミングを決定し、該決定されたタイミングで、前記特定遊技状態への移行を報知する特定報知制御手段(1回,2回開放示唆フラグ、または、時短状態示唆フラグ)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(E0)に記載の遊技機によれば、特定情報出力制御手段は、所定の移行条件が成立することに基づき、特定遊技状態に移行するより前に設けられた特定情報演出期間内に、遊技者によって最初に認識できる時点が異なる複数のレベルを有する特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報の出力を制御する。設定手段は、特定情報演出期間内において、特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報の出力中に、操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する。把握手段は、有効期間に操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が認識できた特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報のレベルを把握する。遊技者が認識できた特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報のレベルは、遊技者の年齢層に応じて異なるので、遊技機で遊技を行う遊技者に特有の情報である。把握手段を用いれば、このような遊技者に特有の情報を好適に把握することができる。特定報知制御手段は、レベルが把握されたことに基づき、特定遊技状態への移行を報知するタイミングを決定し、該決定されたタイミングで、特定遊技状態への移行を報知する。つまり、特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報のレベルが把握されたことに基づき、特定遊技状態への移行を報知するタイミングが異なる。したがって、遊技者は、より良く特定聴覚情報、特定視覚情報、特定触覚情報または特定臭覚情報を認識しようと試みるので、特定遊技状態への移行を報知する演出の興趣性を向上させることができる。
(E1) 所定の移行条件(第1の始動口33aでの入球検出、または、V入賞口での入球検出)が成立する場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(羽根203a,203bの1回開放,2回開放、または、大当たりラウンド遊技終了後の時短状態)に移行する遊技機において、
遊技の進行に応じて音声を出力する音声出力手段(音出力部24)と、
前記音声出力手段に対する音声の出力を制御する音声出力制御手段(サブ制御装置262)と、
遊技者の操作を受ける操作手段(演出ボタン80)と、を備え、
前記音声出力制御手段は、
前記所定の移行条件が成立することに基づき、前記特定遊技状態に移行するより前に設けられた特定情報演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯を有する高周波数帯特定音(第1特定音:19kHz)と、それよりも低い高さの周波数帯を有する低周波数帯特定音(第2特定音:17kHz,第3特定音:15kHz)とを前記音声出力手段が出力可能とする制御を行う特定音出力制御手段(第1〜第3特定音出力フラグ)と、
前記高周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記低周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、前記操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する設定手段(特定音聴取判定処理におけるステップS2002,2004,2006)と、
前記有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯を把握する把握手段(第1〜第3特定音聴取フラグ)と、
前記可聴周波数帯が把握されたことに基づき、前記特定遊技状態への移行を報知するタイミングを決定し、該決定されたタイミングで、前記特定遊技状態への移行を報知する特定報知制御手段(1回,2回開放示唆フラグ、または、時短状態示唆フラグ)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(E1)に記載の遊技機によれば、特定音出力制御手段は、所定の移行条件が成立することに基づき、特定遊技状態に移行するより前に設けられた特定情報演出期間内に、一部の遊技者のみ聴き取り可能な所定高さの周波数帯を有する高周波数帯特定音と、それよりも低い高さの周波数帯を有する低周波数帯特定音とを音声出力手段が出力可能とする制御を行う。設定手段は、高周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、低周波数帯特定音が出力される場合はその出力中に、操作手段の操作を有効とする有効期間を設定する。把握手段は、有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、遊技者が聴き取ることができた可聴周波数帯を把握する。可聴周波数帯は、遊技者の年齢層が低いほど高く、遊技者の年齢層が高いほど低いので、遊技機で遊技を行う遊技者に特有の情報である。把握手段を用いれば、このような遊技者に特有の情報を好適に把握することができる。特定報知制御手段は、可聴周波数帯が把握されたことに基づき、特定遊技状態への移行を報知するタイミングを決定し、該決定されたタイミングで、特定遊技状態への移行を報知する。つまり、可聴周波数帯が把握されたことに基づき、特定遊技状態への移行を報知するタイミングが異なる。したがって、遊技者は、自己の年齢層に応じて可能な限り、より良く可聴周波数帯を認識しようと試みるので、特定遊技状態への移行を報知する演出の興趣性を向上させることができる。
なお、高周波数帯特定音及び低周波数帯特定音は、(E0)に記載される聴覚的に認識可能な聴覚情報に含まれる、遊技者によって最初に聴き取ることができる時点が異なる複数レベルを有する特定聴覚情報である。また、(E0)に記載される特定視覚情報、特定触覚情報および特定嗅覚情報も、特定聴覚情報における高周波数帯特定音及び低周波数帯特定音のように区分することができる。
(E2) 前記(A0)から(E1)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(E2)に記載の遊技機によれば、操作手段を用いた遊技の興趣性を向上できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特定遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
(E3) 前記(A0)から(E1)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
前記(E3)に記載の遊技機によれば、操作手段を用いた遊技の興趣性を向上できるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
なお、本明細書に開示する種々の発明に関して、全ての構成要素について種々の組み合わせが可能であり、他の構成要件がなくても単独で発明として成立する点に留意されたい。