以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
[遊技機の構成]
まず、図1を参照して、本実施の形態に係る遊技機の構成の一例を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例のスロットマシン1が併設されている。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。
液晶表示器51は、タッチパネル式の液晶表示装置である。液晶表示器51の表示画面には、表示面に対する遊技者からのタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定するためのタッチパネルが設けられている。また、液晶表示器51は、タッチパネルを振動させる振動装置を含む。振動装置は、タッチパネルへのタッチ操作に応じて、当該タッチパネル自体を振動させる振動子を有している。振動子としては、たとえば、水晶振動子、セラミック振動子などを用いればよい。振動装置は、複数種類の振幅および周期のうちのいずれかで振動子を振動させて、タッチパネルを振動させることにより、遊技者がタッチ操作したときの感触を変化させることができる。
図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、図2に示すように、前面扉1bの内側には、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24などが設けられている。また、筐体1a内部には、前述したリール2L、2C、2Rを含むリールユニット2、電源ボックス100などが設けられている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(メダルの払出率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
なお、前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39などは、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
後述する内部抽選、AT抽選等においては、設定値に応じた当選確率が用いられることにより、設定値に応じてメダルの払出率が変わるようになっている。設定値は、1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
また、メイン制御部41は、設定変更状態への制御を開始および終了を特定するためのコマンド、設定確認状態への制御を開始および終了を特定するためのコマンド、および、設定変更状態において設定された設定値を特定するためのコマンドをサブ制御部91へ送信する。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(例えば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板91、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
サブ制御部91は、液晶表示器51に画像を表示させることによる演出を制御する。また、サブ制御部91は、液晶表示器51のタッチパネルからの信号(たとえば、タッチ操作された画面位置を特定可能な情報)に応じて演出を制御する。また、サブ制御部91は、液晶表示器51のタッチパネルからの信号と、実行中の演出とに応じて、振動装置を制御する。サブ制御部91は、振動装置を複数種類の振幅および周期のうちのいずれかで振動させるための制御信号を出力する。
サブ制御部91の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
図5および図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)を示している。BB1、BB2は、ボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。BB1、BB2の払出枚数欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払出されたメダル枚数が351枚以上となったゲームにおいて終了する。
また、図6の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態などを示している。また、「/」は、「または」を示している。例えば、図6の転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT1に制御され、付与される価値は再遊技付与である。また、転落リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「リプレイ/プラム‐リプレイ‐リプレイ/プラム」が停止する。また、特別リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」が停止する。「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」は、特別リプレイに当選しているときにのみ無効ライン上に停止可能であって、特別リプレイに当選していないときにはいずれのライン上にも停止されない図柄の組合せである。
図7は、移行出目の図柄組合せを示す図である。移行出目は、図14に示す左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、右下がりベルあるいは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0、2、3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図9は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図8の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図9の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。
BB1、BB2のいずれかに当選したときには、RT4に制御される。BB1、BB2のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においては、RT1およびRT3中よりも高く、RT0およびRT2中よりも低い確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)でリプレイに当選する。なお、RT4におけるリプレイ確率は、当選した小役を取りこぼすことなく入賞させることができたとしても、払出率が1を超えない確率に設定されている。つまり、RT4におけるリプレイ確率は、RT4中に当選した小役を取りこぼすことなく入賞させた場合に払出されるメダルの合計枚数が、RT4中においてメダルあるいはクレジットを賭数の設定に用いたメダルの合計枚数を超えず、メダルが増加しない確率に設定されている。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図5で説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT3へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図9の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
図10および図11は、遊技状態毎に抽選対象役(以下、当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。例えば、ベルは、RT0〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。RT4中は、ボーナス抽選されないが、ボーナスと同時当選し得る入賞役(以下では、同時当選役ともいう)の当選確率が他のRT中と同確率となるように、同時当選役であるベルや弱スイカについては括弧内に示す判定値数で内部抽選が行われる。図10および図11に示す判定値数は、設定値が「1」に設定されているときの判定値数を示す。複数種類の抽選対象役には、設定値が大きくなるほど判定値数が多くなるように定められた抽選対象役(たとえば、強・弱スイカ、強・弱・中段チェリー、ボーナス1〜12など)が含まれる。
図9および図11に示すように、特別リプレイは、RT2およびRT4に制御されているときに抽選対象役となるように定められている。また、図6に示すように、特別リプレイがRT2中に入賞したときには上乗せ抽選が行われ、特別リプレイがRT4中に入賞したときには設定示唆演出が行われる。
また、ボーナス中においては、たとえば、中段ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率(64000/65536)で当選するように定められている。また、中段ベルは、操作タイミングにかかわらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率で中段ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
図12は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。例えば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
抽選対象役のうちボーナス1〜ボーナス12は、BB1またはBB2と弱チェリーやベルなどの所定の入賞役が同時に読み出されて当選し得る役である。また、図10で示したように、ボーナス1〜ボーナス12は、異なる判定値数が定められている。このため、遊技者にとっての有利度であって、同時当選役に当選したときにBB1またはBB2が実際に同時当選している割合(以下、信頼度ともいう)が、ボーナス6や12などに含まれる中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベル(以下、中段ベルともいう)が最も低くなるように、判定値数が定められている。
図13および図14は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せを入賞ラインLNに停止させるリール制御が行なわれる。例えば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、例えば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。
また、同時当選役に当選しているときには、当該同時当選役に当選していないときと異なるリール制御が行われ得る。たとえば、弱スイカに当選しているときには、中段スイカよりも右下がりスイカあるいは上段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われるのに対し、強スイカに当選しているときには、右下がりスイカおよび上段スイカのいずれよりも中段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。また、弱チェリーあるいは強チェリーが当選しているときには、下段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われ、中段チェリーが当選しているときには、中段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。これにより、リール2L〜2Rが停止したときの図柄の組合せから、チェリーかスイカか、弱か強か、あるいは、中段チェリーか否かなどを推定可能となり、ボーナス当選あるいはAT当選に対する期待感を異ならせることができる。
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図10〜図12など参照)が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0〜65535)内の数値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、BB1に当選したときには、BB1当選フラグが設定され、強チェリーに当選したときには、下段チェリーの当選フラグと、1枚役の当選フラグとが設定される。BB1、BB2の当選フラグについては、当選したBBに入賞するまで持ち越される一方、BB1、BB2以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無にかかわらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図13、図14など参照)。リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L〜8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化して通常ゲームに移行させる。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図5〜図7など参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、図8で示した状態に制御する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。また、BB1、BB2のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(図8、図9など参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
メイン制御部41は、非AT中においては、特定の抽選対象役(本実施形態では、図12に示すベル、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、BB1、BB2)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。AT抽選処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。なお、特定の抽選対象役は、内部抽選においてBB1、BB2、同時当選役である例について説明するが、これに限らず、同時当選役の一部を含むものであってもよく、またBB1またはBB2と同時当選し得ない入賞役を含むものであってもよい。
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数を決定する。ATゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶する。また、メイン制御部41は、ATを開始するタイミングを抽選する。メイン制御部41は、たとえば、AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始すること(ATを開始するタイミング)を乱数値の抽選により決定する。
遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベルが最も低くなるようにAT抽選が行われる。また、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度、および、ATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値は、同じ特定の抽選対象役に当選しているときであっても、当該特定の抽選対象役がBB1またはBB2と同時当選していないとき(たとえば、強チェリー当選時)よりも、BB1またはBB2と同時当選しているとき(たとえば、BB1+強チェリー当選時)の方が高くなるようにAT抽選が行われる。
サブ制御部91は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。当選示唆演出としては、たとえば、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出が設けられている。所定画像を表示させる演出には、たとえば、キャラクタA演出、キャラクタB演出、ボタン演出、連打演出、連続演出、タッチ操作演出などが含まれる。このような所定画像を表示させる演出は、スピーカ53、54から所定の効果音を出力する制御や、演出効果LED52やリールLED55などを点灯させる制御とともに行われる。なお、いずれかの制御が単独で行われてもよいし、2つ以上の組合せ(たとえば、所定画像と音とが実行され、LEDの点灯が実行されない等)で実行されるようにしてもよい。
キャラクタA演出とは、キャラクタAを表示させる演出である。キャラクタB演出とは、キャラクタBを表示させる演出である。ボタン演出とは、ボタン画像を表示させて演出用スイッチ56への操作を促し、演出用スイッチ56への操作に応じてBB当選あるいはAT当選の信頼度を示唆する所定画像を表示させる演出である。連打演出とは、演出用スイッチ56への連打操作を促し、所定操作期間内における演出用スイッチ56への連打操作に応じて所定のメータ画像を増加させて、MAXに到達することなどによりBB当選あるいはAT当選している旨を示唆する演出である。連続演出とは、複数ゲーム(3ゲーム)に亘ってBB当選あるいはAT当選の可能性を示唆する演出を実行した後に、抽選結果を報知する演出である。タッチ操作演出とは、液晶表示器51へのタッチ操作を促し、当該タッチ操作に応じてBB当選あるいはAT当選の可能性を示唆する所定画像を表示させる演出である。
サブ制御部91は、BB当選およびAT当選しているか、BB当選あるいはAT当選のいずれか一方だけ当選しているか、あるいは、BB当選もAT当選もしていないかに応じて異なる割合で、当選示唆演出を実行するか否か、および、実行する当選示唆演出の種別をいずれにするかを決定するための当選示唆演出抽選処理を実行する。
当選示唆演出抽選処理では、少なくともBB当選あるいはAT当選しているときには必ず当選示唆演出を実行する旨を決定し、BB当選もAT当選もしていないときでも所定割合で当選示唆演出を実行する旨を決定する。所定割合は、たとえばBB当選の信頼度が高い小役当選であるとき程、高い割合に設定されている。これにより、当選示唆演出は、BB当選あるいはAT当選している場合だけでなく、BB当選もAT当選もしていないときでも実行される。
また、当選示唆演出抽選処理では、当選示唆演出を実行すると決定したときには、少なくともBB当選あるいはAT当選しているかいずれにも当選していないかに応じて異なる割合で当選示唆演出の種別を決定する。具体的に、遊技者にとっての有利度であって、実行されたときにBB当選あるいはAT当選している信頼度が、タッチ操作演出が最も高くなり、続いて連続演出、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められている。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。
サブ制御部91は、後述する内部当選コマンドおよびAT抽選時コマンドにより、特定の抽選対象役に当選したこと、AT当選したこと、ATの当選または非当選、ATゲーム数、AT開始タイミングを特定する。当選示唆演出を実行する所定タイミングは、ATを開始するタイミングの抽選(AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始することの抽選)で決定されたAT開始タイミングの前ゲームである。たとえば、AT開始タイミングが0ゲーム後と決定されたなら当該ゲーム(AT当選ゲームにてAT当選が報知される)に当選示唆演出が実行される。また、AT開始タイミングが32ゲーム経過後と決定されたなら31ゲーム間は、前兆演出(AT当選を煽る演出)を実行し、32ゲーム目に当選示唆演出を実行し、AT当選を報知する。
ここで、サブ制御部91は、ATに非当選したことをAT抽選時コマンドにより特定した場合にもガセの演出として当選示唆演出(ATが非当選であることを報知する演出)を実行する。たとえば、サブ制御部91は、内部当選コマンドにより特定の抽選対象役に当選し、AT抽選時コマンドによりATに非当選であることを特定することができるが、ATを開始するタイミングは、メイン制御部41では決定されていない。このような場合には、サブ制御部91が0〜32ゲームからガセの当選示唆演出を実行するゲーム数の抽選を行い、ガセの当選示唆演出のゲーム数を決定する。
メイン制御部41は、BB当選せずにAT当選しているときにはAT開始タイミングとなったときに、ATフラグを設定してATに制御する。一方、メイン制御部41は、BB当選とともにAT当選しているときには、BB入賞してボーナスが終了したときにATフラグを設定し、ボーナス終了後の次のゲームからATに制御する。ここで、ATへの制御は、たとえばAT開始タイミングが10ゲームと決定されている場合には、10ゲームが0ゲームとなったタイミングで制御されるようにしてもよいし、0ゲームとなった次のゲームのタイミングで制御されるようにしてもよい。
ATフラグは、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶し、ATゲーム数が0に到達したときにクリアされる。メイン制御部41は、ATフラグに基づいてAT中であるか否かを特定する。AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される結果、RT2に制御可能となる。AT開始後におけるATゲーム数の減算は、たとえば、RT0において特殊リプレイに当選(減算開始契機が成立)した次のゲームから開始する。BB終了後に開始されるATについても同様である。これにより、メイン制御部41は、決定したATゲーム数にわたりAT+RT2に制御可能となる。
メイン制御部41は、AT中においては、特別の抽選対象役(本実施形態では、特別リプレイ)が当選した場合に、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
上乗せ抽選では、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せすると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数に上乗せする上乗せゲーム数を決定する。決定された上乗せゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶されているATゲーム数に加算される。これにより、メイン制御部41は、ATに制御するゲーム数を上乗せする。
サブ制御部91は、上乗せ抽選が行われたときには、上乗せ当選したか否かを示唆する上乗せ示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。上乗せ示唆演出としては、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出など、どのようなものであってもよい。
[各種コマンドについて]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンド、AT抽選時コマンド、AT中コマンド、ATゲーム数コマンド、当選示唆演出抽選時コマンドなどを含む複数種類のコマンドを送信する。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類、特別役の持ち越しの有無を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドに基づいて、所定の入賞役に当選しているときに当該入賞役を特定可能な情報(ナビ演出とは異なる情報)を報知可能である。たとえば、同時当選役や特定の抽選対象役当選を示す内部当選フラグを受信したときには、同時当選役や特定の抽選対象役のいずれに当選しているかを報知可能である。これにより、同時当選役や特定の抽選対象役のうちいずれに当選しているかを遊技者に報知可能となり、遊技者の期待感を向上させることができる。
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやボーナスに制御されたときに送信される。
AT抽選時コマンドは、AT抽選が行われたときに送信され、AT抽選に当選したか否か、当選したATゲーム数が何ゲームであるか、および、AT開始タイミングが何ゲーム目(AT当選から何ゲーム目)であるかなどを特定可能なコマンドである。
AT中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがAT中におけるゲームであるか否かを特定可能なコマンドである。たとえば、ATゲーム数が付与されていてもATフラグがセットされておらずATが開始されていなければ、非ATを特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が付与されておりかつATフラグがセットされておりATが開始されているときには、ATを特定可能なコマンドが送信される。
ATゲーム数コマンドは、メイン制御部41が管理するATゲーム数を特定可能なコマンドであって、ゲームが開始したときに送信される。たとえば、ATゲーム数が0であるときには、0を特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が100であるときには、100を特定可能なコマンドが送信される。
当選示唆演出抽選時コマンドは、当選示唆演出抽選が行われたときに送信され、当選示唆演出抽選に当選して当選示唆演出を実行するか否か、当選した同時当選役の種別がいずれであるかなどを特定可能なコマンドである。サブ制御部91は、当選示唆演出抽選時コマンドに基づき、当選示唆演出を実行する旨およびその種別を特定したときには、その種別およびBB抽選・AT抽選の結果などに応じた当選示唆演出を次ゲーム開始時に実行した後に、BB抽選およびAT抽選の結果を報知する。
BB抽選およびAT抽選の結果としては、いずれも非当選であったときには「残念!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選であったときには「BB確定!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、AT当選であったときには「AT確定!」といったメッセージとともに「100ゲーム獲得!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選かつAT当選であったときには「BB・AT確定!」といったメッセージとともに「BB終了後100ゲームに亘りAT!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行される。なお、BB当選したゲームにおいてBB入賞した場合には、サブ制御部91は、BB当選を報知するための当選示唆演出を実行しない。
また、サブ制御部91は、AT中コマンドに基づきAT中であるか否かを判別して、状態に応じた背景画像による演出を液晶表示器51において実行させるとともに、AT中であるときには内部当選コマンドに基づきナビ演出を実行する。また、サブ制御部91は、ATゲーム数コマンドに基づき、ATゲーム数のみならず、前回受信時のATゲーム数との差数を算出することでAT当選あるいは上乗せ当選により獲得したATゲーム数を特定し、上乗せ示唆演出を実行する。
本実施の形態では、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などをサブ制御部91が所定の報知手段を制御することにより実行する例について説明した。しかし、これらサブ制御部91の制御に替えてあるいは加えて、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などについては、メイン制御部41に接続された報知手段を当該メイン制御部41が制御することにより実行するようにしてもよい。たとえば、状態に応じた背景画像による演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、状態に対応する情報を表示することにより実行するようにしてもよい。また、ナビ演出については、図4に示す左・中・右停止有効LED22L〜22Rを用いて、停止すべきストップスイッチに対応するLEDのみを点灯させることにより実行するようにしてもよい。なお、左・中・右停止有効LED22L〜22Rとは、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部に設けられ、通常時においては対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知するLEDである。また、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、抽選結果に応じた情報を表示し、AT当選あるいは上乗せ当選しているときには獲得したATゲーム数を表示するようにしてもよい。
[ゲームの流れ]
ここで、図8および図9を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。まず、RT4およびボーナス以外のRT0〜RT3におけるゲームの流れを説明する。RT0〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。
設定変更状態が終了した後において、RT3に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT3ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT3においてナビ演出が実行されることがないため、RT3において左ベル1〜4などのベルのうちの何れかに当選すると、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出される(図14参照)。よって、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
RT1では、昇格リプレイに入賞することにより、RT0に移行する。昇格リプレイに入賞するためには、図13で示したように、リプレイGR1〜6の何れかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
また、RT0に制御された場合でも、当該RT0への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR11〜13に当選する可能性があり、このときには2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に転落してしまう。
さらに、RT0で左ベル1〜4などのベルのうち何れかに当選した場合において、所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。また、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR21〜23に当選する可能性があり、このときに、所定のリール(図13に示す特殊リプレイを入賞させるためのリール)を第1停止すると特殊リプレイが入賞してRT2に制御される可能性がある。しかし、RT2に制御された場合でも、左ベル1〜4などのベルのうち何れかに当選したときには、所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、リプレイGR1〜6の何れかに当選したときに、昇格リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行させることができる。RT0では、リプレイGR11〜13の何れかに当選したときに、通常リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT0を維持することができる。また、RT0では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT0を維持させることができる。さらに、RT0では、リプレイGR21〜23の何れかに当選したときに、特殊リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、特殊リプレイ入賞によりRT2に移行させることができる。
RT2では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT2に制御されるように、かつRT2が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT2において消化されることとなる。なお、ATはATゲーム数が0になると終了する。ATのゲーム数は、RT2+AT(本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT2においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。)に制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT0でリプレイGR21〜23のいずれかに当選し、特殊リプレイが入賞可能となったゲームの次ゲームからカウント開始される。これにより、実質的にはARTでATゲーム数分のゲームを消化するとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT2への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT2中は、非AT中であるため、前述したように左第1停止される。一方、中ベル1〜4または右ベル1〜4のうち何れかに当選したときには、左第1停止すると第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、ARTが終了した後のRT2中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
次に、BB1あるいはBB2に当選した後のゲームの流れについて説明する。いずれのRTに制御されているかにかかわらず、BB1あるいはBB2に当選したときには、図8で示したとおり、RT4へ制御される。また、BB当選ゲーム終了後の次ゲームにおいて当選示唆演出が実行されてBB当選している旨が報知されて、遊技者はBB1あるいはBB2に当選したことを把握することができる。BB入賞が発生すると、対応するボーナスに移行されて、所定の終了枚数払出されたときに終了して、RT3へ移行される。
[タッチ操作演出について]
スロットマシン1のサブ制御部91は、当選示唆演出としてタッチ操作演出を実行する旨を決定したときに、所定タイミングにおいてタッチ操作演出を実行するためのタッチ操作演出関連処理を行う。以下では、図15および図16を参照してタッチ操作演出について説明する。図15は、タッチ操作演出を説明するための図である。本実施の形態におけるタッチ操作演出は、所定タイミングとしてゲーム終了時に実行されるが、これに限らず、ゲーム開始時(リール回転開始時)や、第1停止時などの他のタイミングに実行されるものであってもよい。
図15(a)は、タッチ操作演出が開始されたときの液晶表示器51の表示状態を示す図である。タッチ操作演出関連処理では、タッチ操作演出が開始されると、スピーカ53、54から所定の効果音を出力させ、所定の点灯態様で演出効果LED52を点灯させるとともに、液晶表示器51にタイトルメッセージとして「お宝GETのチャンス!!木の下をタッチして掘り起こせ!!」を表示させる。
図15(b)は、タッチ操作を促進するための演出が実行されたときの液晶表示器51の表示状態を示す図である。タッチ操作演出関連処理では、促進演出として、液晶表示器51の上部に、「木の下にタッチだ!!」といったメッセージを表示させ、下部には、3本の木の画像を表示させる。これにより、3本の木の画像のうちのいずれかの木の根元を選択してタッチすることを促すことができる。タッチ操作演出関連処理では、タッチ操作演出を開始するときに、3本の木の画像のうちいずれの木の画像の根元へのタッチ操作を正解操作とするかが決定される。正解操作されたときには、AT当選状況およびBB当選状況が報知されることになる。図15の例では、3本の木のうち右側の木の根元へのタッチ操作を正解操作とすることが決定されたとする。
図15(c)は、左側の木の根元へタッチ操作されたとき、つまり不正解操作されたときの状況を示している。タッチ操作演出関連処理では、タッチ操作に応じて、タッチ操作された位置の木の根元の土が掘り起こされるような演出画像を表示するための処理が行われる。なお、不正解操作であるため、宝箱は出てこない(表示されない)。また、真ん中の木の根元へタッチ操作されたときも同様に、掘り起こしても宝箱は出てこない。タッチ操作演出関連処理では、タッチ操作が正解操作でないときに、振動装置による振動を発生させるための処理が行われず、振動が規制される(“シーン”は振動していないことを示している)。
図15(d)は、右側の木の根元へタッチ操作されたとき、つまり正解操作されたときの状況を示している。タッチ操作演出関連処理では、正解操作となる位置へのタッチ操作に応じて、タッチ操作された位置の木の根元の土が掘り起こされるような演出画像とともに、掘り起こされた部分に対する宝箱画像の対応部分を表示するための処理が行われる。また、液晶表示器51の上部には、「そこだぞ!!」といったメッセージが表示される。
また、タッチ操作演出関連処理では、正解操作となる位置へのタッチ操作がされている間において、振動装置を振動態様Aで振動させるための処理を行う。具体的には、振動装置を振動態様Aで制御(駆動)するための信号を出力する。振動態様Aで振動装置が制御されたときには、正解操作を行う遊技者に対して“ザラザラ”といった感触を与えることができる。これにより、視覚のみならず触覚から正解操作であることを遊技者に把握させることができる。タッチ操作演出関連処理は、正解操作がされている間において振動を継続させるが、正解操作から不正解操作となったときには振動停止させて振動を規制する。
さらに、タッチ操作演出関連処理では、振動態様Aによる振動に対応させて、液晶表示器51のバックライトを点灯態様aで点灯させるための処理を行う。点灯態様aは、バックライトを通常よりも明るく点灯させる態様である。
図15(e)は、タッチ操作により掘り起こしが完了したときの状況を示している。掘り起こしが完了したときとは、正解操作により宝箱画像に対応するすべての土が掘り起こされて、宝箱画像全体が表示されたときをいう。タッチ操作演出関連処理では、宝箱画像全体を表示する。また、液晶表示器51の上部には、「完了だ!!」といったメッセージが表示される。さらに、タッチ操作演出関連処理では、正解操作による所定操作が完了(掘り起こし完了となる操作)したときに、振動装置を振動態様Aから振動態様Bに切り替えて振動させるための処理を行う。振動態様Bで振動装置が制御されたときには、正解操作による所定操作を完了させた遊技者に対して“ドックンドックン”といった感触を与えることができる。これにより、視覚のみならず触覚から正解操作による所定操作が完了したことを遊技者に把握させることができる。さらに、タッチ操作演出関連処理では、振動態様Bによる振動に対応させて、液晶表示器51のバックライトを点灯態様bで点灯させるための処理を行う。点灯態様bは、バックライトを振動態様Bに合わせて点滅(たとえば、“ドックン”に合わせて点灯させた後に消灯)させる態様である。
掘り起こし完了が報知された後には、バックライトの点灯態様を通常の態様に戻すとともに、図15(f)に示すように、液晶表示器51の中央に掘り起こされた宝箱が大きく表示され、液晶表示器51の上部に「タッチして開けろ」といったメッセージが表示される。バックライトこれにより、宝箱画像に対してタッチ操作することを促進することができる。
図15(g)〜(i)は、宝箱画像に対してタッチ操作されたときの状況を示す図である。AT当選もBB当選もしていないときには、図15(g)に示すように、宝箱の中に何も入っていない演出画像が表示されるとともに、「残念!」」といったメッセージが標示される。また、タッチ操作演出関連処理では、宝箱画像がタッチ操作されても、AT当選もBB当選もしていないときには振動装置による振動を発生させるための処理が行われない(“シーン”)。
AT当選し、ATゲーム数として50ゲームが付与されたときには、図15(h)に示すように、ATゲーム数に相当する「50」が宝箱から出てくる演出画像が表示される。また、タッチ操作演出関連処理では、宝箱画像がタッチ操作されたときに、振動装置を振動態様Cで振動させるための処理を行う。振動態様Cで振動装置が制御されたときには、タッチ操作を行う遊技者に対して“ドンドン”といった感触を与えることができる。これにより、視覚のみならず触覚からATゲーム数が付与されたことを遊技者に把握させることができる。さらに、タッチ操作演出関連処理では、振動態様Cによる振動に対応させて、液晶表示器51のバックライトを点灯態様cで点灯させるための処理を行う。点灯態様cは、バックライトを振動態様Cに合わせて点滅(たとえば、“ドン”に合わせて点灯させた後に消灯)させる態様である。
また、付与されたATゲーム数が100ゲームであったときには、図15(i)に示すように、ATゲーム数に相当する「100」が宝箱から出てくる演出画像が表示されるとともに、振動装置を振動態様Dで振動させるための処理が行われる。振動態様Dで振動装置が制御されたときには、タッチ操作を行う遊技者に対して“ドドドンドドドン”といった振動態様Cよりも強い感触を与えることができる。これにより、視覚のみならず触覚からより多くのATゲーム数が付与されたことを遊技者に把握させることができる。このように付与されたATゲーム数に応じた態様で振動装置が制御される。また、BB当選していたときにも、AT当選とは異なる態様で、BB当選した旨を報知する演出(たとえば、「ボーナス確定!」といったメッセージが宝箱から出てくる演出など)とともに、振動装置が制御される。これにより、付与された特典の種類や大きさに応じて振動装置による振動態様を異ならせることができ、遊技者に異なる感触を与えることができる。
さらに、タッチ操作演出関連処理では、振動態様Dによる振動に対応させて、液晶表示器51のバックライトを点灯態様dで点灯させるための処理を行う。点灯態様dは、バックライトを振動態様Dに合わせて点滅(たとえば、“ドドドン”に合わせて点灯させた後に消灯)させる態様である。
図16は、タッチ操作時における振動装置の振動態様の一例を説明するための図である。振動装置の振動態様は、主に、振幅(揺れの大きさ)と周期(揺れの間隔)とが異なるように定められている。振動態様A〜Dの振幅および周期は、各々、図16(a)に示すように、X1〜X4、Y1〜Y4となるように定められている。また、振動態様A〜Dは、各々、バックライトの点灯態様を特定可能となり、前述したとおり、a〜dのいずれかが特定される。
図16(b)は、振動態様を波形で示した振動波形の一例を説明するための図である。図16(b)では、振動態様AおよびBについて示している。縦軸は、振幅を示し、横軸は、時間を示している。振動態様Aは、振幅の大きさがX1、1周期がY1となる。振動態様Bは、振幅の大きさがX1よりも大きいX2、1周期がY1よりも長いY2となる。これにより、振動態様AおよびBを比較すると、振動態様Bの方が振動態様Aよりも強い振動を感じさせることができる。また、振動態様Aの方が振動態様Bよりも細かい間隔で振動を感じさせることができる。これにより、振動態様Aでは、タッチ操作を行う遊技者に対して“ザラザラ”といった細かい振動の感触を与えることができ、振動態様Bでは、“ドックンドックン”といった強い振動の感触を与えることができる。その他の振動態様についても同様に、振幅と周期とが調整されていることにより、図15で示した感触を遊技者に与えることができる。
次に、前述した実施の形態における告知演出により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態によれば、図15(d)で示したように、正解操作で操作されると振動態様Aでタッチパネルを振動させ、図15(e)で示したように、正解操作での操作が完了すると振動態様Bでタッチパネルを振動させる。このため、振動態様からタッチパネルである操作部に対して正常に操作されていること、および、所定操作がなされたことを遊技者に対して認識させることができる。
(2) 前述した実施の形態によれば、操作部としてタッチパネルが採用されている。このように、所定領域に対して操作可能なタッチパネルであっても、図15(c)で示すように適正な位置に操作されていなければ振動が規制される一方、図15(d)および(e)などで示すように適正な位置に操作されたときに振動するため、適正な位置へのタッチ操作であることを認識させることができる。その結果、操作ミスを早々と気付かせることができ、操作ミスを防止できる。
(3) 前述した実施の形態によれば、図16に示すように、振動態様は、振幅(揺れの大きさ)と周期(揺れの間隔)とから構成されており、これらを異ならせることにより、振動の強さや振動の間隔を異ならせることができる。これにより、振動の強さや振動の間隔から、操作部であるタッチパネルに対して正常に操作されていること、および、所定操作がなされたことを遊技者に対して認識させることができる。つまり、触覚的に把握させることができる。
(4) 前述した実施の形態によれば、図16で示すように、タッチパネルを発光させるバックライトを、振動態様に応じた点灯態様で発光させることができる。このため、操作部に対して正常に操作されていること、および、所定操作がなされたことを視覚的に認識させることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[振動について]
前述した実施の形態では、振動として、タッチパネル自体を振動装置により物理的に振動させる例について説明した。しかし、振動としては、遊技者の触覚に作用するものであればこれに限らず、たとえば、操作部に静電気を発生させることにより触覚に作用するものであってもよい。また、触覚は、指が触れる接触面の摩擦により振動を感じる取る感覚である。このため、振動の概念には、たとえば、超音波振動により操作部と遊技者の指との間に空気膜を発生させることによる浮揚作用や、低摩擦の領域と高摩擦の領域とを交互に配置して各領域の割合を異ならせることなどによって、接触面の摩擦力を変化させて触覚に作用させるものであってもよい。また、振動は、風圧によって触覚に作用させるものなどであってもよい。
また、前述した実施の形態では、図16に示すように、1つの振動態様の1周期に対して1つの振幅が定められている例について説明したが、これに限らず、1つの振動態様の1周期に対して複数の振幅が含まれるように定められているものであってもよい。振動態様には、たとえば、1周期において、振幅X1で振動させた後に振幅X2で振動させるように定められた態様が含まれるものであってもよい。また、1つの振動態様に対して、複数の周期のものが含まれるように定められているものであってもよい。振動態様には、たとえば、1周期目は、振動態様Aで振動させ、次の周期は、振動態様Bで振動させるように定められた態様が含まれるものであってもよい。
また、前述した実施の形態では、図15(c)などで示したように、不正解操作時に振動させない例について説明したが、これに限らず、たとえば、正解操作時とは異なる態様で振動させるようにしてもよい。
[操作部および所定操作について]
前述した実施の形態では、操作部としてタッチパネルを例示したが、これに限らず、押圧操作されたか否かを検出する接触型のスイッチ(たとえば、演出用スイッチ56)や、非接触で操作されたか否かを検出する非接触型のスイッチ(たとえば、赤外線センサ)であってもよい。また、所定操作として正解となる位置の土を掘り起こして宝箱画像全体を表示させる正解操作を例示したが、これに限らず、たとえば、迷路を表示して特定経路に沿って所定のゴールまで到達させるタッチ操作などであってもよい。
また、遊技者が遊技機から離れる際に、遊技機をロック状態とするための操作に適用してもよい。たとえば、非遊技中に表示可能なメニュー画面において、3×3の合計9つのボタンを想起させるボタン画像を表示し、遊技者の意思に応じて所定数(たとえば4〜9)のボタン画像を所定順序(たとえば、L字となる順序、U字となる順序など)で通過するようにタッチ操作することにより特定経路を予め設定する。特定経路が設定されると、各種演出を一旦停止させてロック状態に制御する。ロック状態にして遊技機を離れた後、再び遊技を再開するときには、たとえば、液晶表示器51に対してタッチ操作する。タッチ操作により、「設定した経路でタッチ操作してロックを解除してください!」といったメッセージとともに再び9つのボタン画像が表示される。遊技機を離れる前に設定した特定経路でタッチ操作することにより、各種演出の状態を復旧する。このような例においても、ロックを解除する際のタッチ操作により、特定経路上を操作しているときには、振動態様Aで振動させ、特定経路での操作が完了してロック解除するときには、振動態様Bで振動させるようにしてもよい。また特定経路からタッチ操作がはずれたときには、振動を停止させるようにしてもよい。なお、ロック状態は、サブ制御部91側の制御を停止するものに限らず、メイン制御部41側の制御を停止するものであってもよい。また、特定経路を設定した遊技者が戻ってこない場合も想定されるため、ロック状態は、遊技機の内部に設けられている操作手段(たとえば、リセット/設定スイッチ38など)を操作することによっても解除されるようにしてもよい。
また、操作されたか否かを検出するスイッチにおける所定操作は、たとえば、所定回数の操作であってもよく、また、所定時間に亘る長押し操作などであってもよい。なお、長押し操作時における振動は、操作されたときから開始してもよく、また、操作された後において長押し操作であることが特定されたときから開始してもよい。
さらに、操作部は、複数設けられており、所定操作は、当該複数の操作部が所定の順番で操作されることなどであってもよい。たとえば、操作部をストップスイッチ8L〜8Rとし、所定操作を所定入賞役が入賞する操作手順で操作されることなどとしてもよい。より具体的に、ナビ演出により報知される操作手順で第1停止、第2停止したときに、第1停止および第2停止を検出したストップスイッチを振動態様Aで振動させ、第3停止して所定入賞役が入賞するときに第3停止を検出したストップスイッチを振動態様Bで振動させるようにしてもよい。このようなストップスイッチに対する振動は、遊技者にとって有利度合いが高い状況(たとえば、AT当選時、上乗せ当選時、BB当選時など)において高い割合で実行されるようにしてもよい。また、ナビ演出が実行されていないときであっても、所定入賞役を入賞させる操作手順で操作(正解操作)される毎に所定の態様で振動させるようにしてもよい。
また、複数の操作部が所定の順番で操作されることにより、特別な演出が実行されるものであってもよい。たとえば、バトル演出を実行しているときに、たとえば、「必殺技を出せ!」といったメッセージを表示し、ストップスイッチ8L〜8Rおよびスタートスイッチ7を所定の順番で操作入力(いわゆるコマンド入力)することにより、操作入力の態様に応じた必殺技を味方キャラクタが繰り出す演出を実行するようにしてもよい。具体的には、ストップスイッチが8L→8R→8Cの順で操作された後にスタートスイッチ7が操作されたときには、必殺技Aの演出を実行し、ストップスイッチ8C→8R→8Lの順で操作された後にスタートスイッチ7が操作されたときには、必殺技Bの演出を実行する。この場合、必殺技に合致する順で操作される毎に振動態様Aで振動させ、スタートスイッチ7が操作されたときに振動態様Bで振動させるようにし、必殺技に定められていない順で操作されたときには振動させないようにしてもよい。また、別の例として、バトル演出中に「必殺技Aを出せ!」とったメッセージを表示し、必殺技Aに対応する上記の順で操作されたときに振動させ、必殺技Aに対応しない順で操作されたときには振動させないようにしてもよい。この場合、仮に必殺技Bに対応する順で操作されたとしても振動せず、かつ必殺技Bの演出は実行されない。
[発光手段について]
前述した実施の形態では、発光手段として、操作部であるタッチパネルを発光させるバックライトを例示したが、これに限らず、操作部がたとえば演出用スイッチであるときには当該演出用スイッチの内部に搭載されたLEDであってもよい。また、発光手段は、操作部を発光させるものに限らず、操作部の周辺に配置された発光手段や、遊技機の筐体に搭載されている発光手段(たとえば、演出用効果LED)など、操作部自体を発光させないものであってもよい。
また、図16(a)で示したように、振動態様の種類に応じて発光態様が異なる例について説明したが、これに限らず、正確に操作されているときには振動態様の種類にかかわらず、共通の発光態様で発光させるようにしてもよい。また、操作に応じて発光態様を異ならせるようにしてもよい。たとえば、タッチ操作により操作されている位置が変化しているときに発光態様を変化させ、タッチ操作されているだけで操作されている位置が変化していないときには発光態様を変化させないようにしてもよい。
[遊技機および遊技用装置について]
前述した実施の形態および変形例では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
また、前述した実施の形態および変形例では、図15および図16で示したタッチ操作演出にかかわる技術的事項をスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技を行うことが可能な遊技機であればこれに限らず、たとえば、いわゆるパチンコ遊技機に適用することもできる。たとえば、所定の遊技領域に遊技媒体(パチンコ玉)を打込んで遊技を行うパチンコ遊技機において、打込んだパチンコ玉が遊技領域に設けられた始動領域を通過することにより抽出した乱数に基づいて、大当りを発生させるか否か、大当りを発生させるときには当該大当り終了後において、大当りとなる確率が通常時よりも向上する確変状態に変動表示が所定回数(いわゆるST回数)行なわれるまで制御するか否かなどについて決定するものであってもよい。この場合において、たとえば、大当りとなるか否かや、確変状態となるか否かなどを報知するための演出として、前述したタッチ操作演出に相当する演出を実行し、操作に応じた振動態様で操作部を振動させるようにしてもよい。
また、図15および図16で示したタッチ操作演出にかかわる技術的事項は、スロットマシンやパチンコ遊技機などの遊技機が設置された遊技場(いわゆるホール)において用いられる遊技用装置に適用できる。遊技用装置としては、たとえば、遊技場に設置された遊技機毎に対応して設けられているものであって、当該遊技機での遊技を可能にするための処理(たとえば、メダル、パチンコ球の貸出)を実行可能な台間機や、当該遊技機あるいは当該遊技場に設置された遊技機に関する遊技履歴などの情報を表示可能な情報表示器であってもよい。
また、遊技用装置としては、遊技場の係員が所持し遊技機の設定(たとえば、エラー解除など)を行う携帯端末や、遊技場に設置された遊技機に関する遊技履歴などの情報を管理して表示可能なホール管理コンピュータであってもよい。このような遊技用装置にタッチ操作演出にかかわる技術的事項を適用する場合、たとえば、所望の動作あるいは情報を表示するに際して選択可能な操作部(たとえば、表示領域、操作ボタン)と選択不可能な操作部(たとえば、表示領域、操作ボタン)とが存在し得るときに、選択可能な操作部への操作に応じた振動態様で、当該操作部を振動させるようにしてもよい。
このように、スロットマシンとは異なる遊技機や、各種の遊技用装置に適用した場合であっても、前述した実施の形態と同様に、振動態様から操作部に対して正常に操作されていること、および、所定操作がなされたことを遊技者に対して認識させることができるといった効果を奏する。
[特典について]
前述した例では、特典として、BB当選、AT当選、ATに制御可能にするATゲーム数など、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行なう場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[特定状態について]
前述した例では、特定状態として、小役の入賞確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATなどの遊技者にとって有利な状態を例示した。しかし、特定状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。
また、特定状態は、所定の価値が付与されている可能性を複数ゲームに亘って示唆する連続演出やバトル演出が実行されている状態、通信回線網上で特典を得るための条件やプレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、特定状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、例えば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間に例えば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。例えば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。