JP6827428B2 - 混合物を原位置分離する方法 - Google Patents

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Description

混合物を分離する方法および装置であって、さらに、原位置に形成された領域において、混合物の分離された成分を濃縮可能にする方法および装置である。
背景技術の以下の考察は、単に本発明の理解を容易にすることを意図するものである。参照される資料のいずれも、本出願の優先日時点における通常の一般知識の一部である、または一部であったことは、本考察により承認または認知されるものではない。
分子間に存在する引力は、分子間力として知られている。分子間力は、スキンケアのために使用される混合物の安定性および状態など、物質の安定性および物理的状態に大きく関わる。混合物は、混合されているが化合していない、2つ以上の異なる成分の物理的な組み合わせからなる材料系であり、それぞれの成分の固有性が保たれている。こうした混合物は、元素および化合物などの成分を、機械的に配合または混合することによる生成物であり、成分間に化学結合はなく、成分に化学変化もないため、各成分はそれぞれの化学特性および構成を保っている。混合物には、乳濁液、懸濁液、コロイドなどがある。
混合物は、分子間力により、物理的特性および安定性を得る。分子間力としては、イオン双極子相互作用(イオン双極子力およびイオン誘起双極子力)、水素結合、双極子モーメント、レナードジョーンズ(Lennard−Jones)ポテンシャル、分極能、およびファンデルワールス(Van Der Waals)相互作用(ケーソム(Keesom)[永久・永久双極子]相互作用、デバイ(Debye)[永久・誘起双極子]力、ロンドン(London)分散力)が挙げられる。ロンドン分散力は、最も弱い分子間力であり、隣接する2つの原子の電子が、これら原子に一時的に双極子を形成させる位置にあるときに生じる一時的な引力である。
乳濁液は混合物の一種であり、通常は混ざり合わない液体成分を、それぞれの物理化学的特性を保持するように混合して、分散させたものである。乳濁液では、ある液体(分散相または内相)が他の液体(連続相または外相)に分散されている。2相の境界は、界面と呼ばれる。2つの液体から、異なる種類の乳濁液を形成することができる。一例として、油と水から、油が分散相で水が分散媒である水中油型乳濁液を形成することができ、また、水が分散相で油が外相である油中水型乳濁液を形成することもできる。「水中油中水型」乳濁液や「油中水中油型」乳濁液など、複合的な乳濁液も可能である。
安定した乳濁液を生成するためには、2相間の界面張力に打ち勝つための作業が必要であり、これは混合により実現できるが、非常に高い速度で混合すると長期的安定性が十分に得られないことがある。分散相の液滴を安定化させるには、1つの乳化剤または複数の乳化剤の組み合わせが一般に必要である。
懸濁液は、混合物の一種である。懸濁液は、沈降分離するのに十分大きい固体粒子を含む、不均質な混合物であり、固体粒子は通常、1μmよりも大きくなければならない。内相(固体)が機械的撹拌により外相(液体)全体に分散され、多くの場合、特定の賦形剤または懸濁化剤が用いられる。懸濁液の粒子は、コロイドとは対照的に、攪乱されないまま時間が経つと沈殿する。コロイドは、微視的に分散された不溶性粒子を他の物質全体に浮遊させた混合物である。またコロイドは、分散相(浮遊粒子)および連続相(浮遊の媒体)を有する。混合物がコロイドと認められるには、その混合物が沈殿しない、または沈殿していると明らかに認識できるまでに非常に長い時間を要するものでなければならない。
乳濁液、コロイド、および懸濁液などの混合物は一般に、美容配合物およびスキンケア配合物の製造において使用される。混合物の形態の、美容またはスキンケア製品の品質保持期間を保つために、混合物は高い安定性を持たなければならない。それでも、皮膚への美容配合物の塗布など状況によっては、活性薬剤などの成分が混合物から放出されることが望ましい。しかし、この高い安定性により、成分が混合物から放出され得る可能性は低くなる。安定した混合物の原位置分離(すなわち、一度皮膚に塗布された混合物を分離すること)は、この放出プロセスの助けとなるであろう。
したがって、皮膚に塗布する間に、混合物からの成分の分断および拡散を促進できるような、混合物を原位置で分離する方法が必要である。
本発明の目的は、原位置において混合物を分離する改良された方法、または代替方法を提供することである。これに加え、あるいはこれに代えて、本発明の目的は、いずれも混合物の効果を発揮させるため、さらなる分断、拡散、および閉鎖の手段として、原位置に形成された領域において、不安定化した混合物の分離成分を濃縮する、改良された方法、または代替方法を提供することである。
本発明は、第1の成分および第2の成分を有する混合物を分離する方法を提供するものであり、該方法は、
a) 前記混合物を分離するために、弱磁場、機械的剪断力、熱エネルギー、および表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を、前記混合物に印加するステップと、
b) 前記第1の成分が前記第2の成分よりも濃縮される第1の領域と、前記第2の成分が前記第1の成分よりも濃縮される第2の領域とを形成するために、弱い磁力と表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも1つの濃縮エネルギー形態を、前記混合物に印加するステップと、
を含む。
混合物を分離する前記方法は、少なくとも2つの不安定化エネルギー形態と、少なくとも2つの濃縮エネルギー形態とを印加することを含むのが好ましい。
混合物を分離する前記方法は、少なくとも2つの不安定化エネルギー形態と、前記濃縮エネルギー形態として表面エネルギーとを印加することを含むのがより好ましい。
混合物を分離する前記方法は、不安定化エネルギー形態の1つが表面エネルギーである少なくとも2つの不安定化エネルギー形態と、(ii)前記濃縮エネルギー形態として表面エネルギーとを印加することを含むのがより好ましい。
前記混合物は、分離が起きる前に、表面に塗布されるのが好ましく、皮膚表面に塗布されるのがより好ましい。
本発明はさらに、第1の成分および第2の成分を有する混合物を分離するアプリケータ装置を提供するものであり、該装置は、
a) 弱磁場、機械的剪断力、熱エネルギー、および表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を生成する手段と、
b) 弱い磁力および表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも1つの濃縮エネルギー形態を生成する手段と、
を備え、
使用時には、前記不安定化エネルギー形態は前記混合物を不安定化し、また前記濃縮エネルギー形態は、前記第1の成分が前記第2の成分よりも濃縮される第1の領域と、前記第2の成分が前記第1の成分よりも濃縮される第2の領域とを形成する。
混合物を分離する前記アプリケータ装置は、少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を生成する手段と、少なくとも2つの濃縮エネルギー形態を生成する手段とを備えるのが好ましい。
混合物を分離する前記アプリケータ装置は、少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を生成する手段と、前記濃縮エネルギー形態として表面エネルギーを生成する手段とを備えるのがより好ましい。
混合物を分離する前記アプリケータ装置は、不安定化エネルギー形態の1つが表面エネルギーである少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を生成する手段と、前記濃縮エネルギー形態として表面エネルギーを生成する手段とを備えるのがより好ましい。
前記混合物は、
a) 前記混合物を分離するために、弱磁場、機械的剪断力、熱エネルギー、および表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を、前記混合物に印加するステップと、
b) 前記第1の成分が前記第2の成分よりも濃縮される第1の領域と、前記第2の成分が前記第1の成分よりも濃縮される第2の領域とを形成するために、弱い磁力と表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも1つの濃縮エネルギー形態を、前記混合物に印加するステップと、
が実施される前に、表面に塗布されるのが好ましく、皮膚表面に塗布されるのがより好ましい。
本発明はさらに、第1の成分および第2の成分を有する混合物を表面に塗布した後に、該混合物を不安定化する方法を提供するものであり、該方法は、
c) 前記混合物を不安定化するために、弱磁場、機械的剪断力、熱エネルギー、および表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を、前記混合物に印加するステップと、
d) 前記第1の成分が前記第2の成分よりも濃縮される第1の領域と、前記第2の成分が前記第1の成分よりも濃縮される第2の領域とを形成するために、弱い磁力と表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも1つの濃縮エネルギー形態を、前記混合物に印加するステップと、
を含む。
本発明はさらに、第1の成分および第2の成分を有する混合物を表面に塗布した後に、該混合物を不安定化するアプリケータ装置を提供するものであり、該装置は、
c) 弱磁場、機械的剪断力、熱エネルギー、および表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を生成する手段と、
d) 弱い磁力および表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも1つの濃縮エネルギー形態を生成する手段と、
を備え、
使用時には、前記不安定化エネルギー形態は前記混合物を不安定化し、また前記濃縮エネルギー形態は、前記第1の成分が前記第2の成分よりも濃縮される第1の領域と、前記第2の成分が前記第1の成分よりも濃縮される第2の領域とを形成する。
以下の添付図面を参照しながら、説明する。
図1は、本発明に係る軟質磁性膜の形態をした複合弱磁場の例を図示したものである。 図2は、テープストリッピングにより求められた、表面自由エネルギーの存在下における塗布後の皮膚内へのビタミンE浸透量のグラフである。 図3は、テープストリッピングにより求められた、表面自由エネルギーの存在下における皮膚内へのナイアシンアミド浸透量のグラフである。 図4は、テープストリッピングにより求められた、弱磁場の存在下における皮膚内へのナイアシンアミド浸透量のグラフである。 図5は、テープストリッピングにより求められた、機械的剪断力の存在下における皮膚内へのナイアシンアミド浸透量のグラフである。 図6は、テープストリッピングにより求められた、機械的剪断力および表面エネルギーの存在下における皮膚内へのナイアシンアミド浸透量のグラフである。
本発明において、「皮膚」および「真皮」、「真皮表面」および「表面」は、それぞれ互換的に使用される。「皮膚」は、ケラチン生成細胞、繊維芽細胞、メラニン細胞などの細胞からなる、哺乳動物の最外保護被覆である。皮膚は、外側の表皮層とその下にある真皮層とからなる。皮膚は、粘膜面を含む。
「混合物」は、混合されているが化合していない、2つ以上の異なる成分の物理的な組み合わせからなる材料系であり、それぞれの成分の固有性が保たれている。こうした混合物は、元素および化合物などの成分を機械的に配合または混合することによる生成物であり、成分間に化学結合はなく、成分に化学変化もないため、各成分はそれぞれの化学特性および構成を保っている。混合物には、乳濁液、懸濁液、コロイドなどがある。
混合物は、製造時に強く撹拌されて生成され、高いエネルギー状態にある。また混合物は、成分が混合状態に保たれるよう分子間力が作用する限り、その状態を保つ。安定した混合物が遷移点を超えるのに十分なエネルギーが加えられると、混合物を安定した高いエネルギー状態に保持している分子間力が打ち負かされて、最低のエネルギー形態に戻ろうとする系本来の傾向により、混合物は不安定となり、元の複数の構成成分に分離する。
本発明は、第1の成分および第2の成分を有する混合物を分離する方法を提供するものであり、該方法は以下のステップからなる。
a) 混合物を不安定化するために、弱磁場、機械的剪断力、熱エネルギー、および表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を、混合物に印加するステップ。
b) 第1の成分が第2の成分よりも濃縮される第1の領域と、第2の成分が第1の成分よりも濃縮される第2の領域とを形成するために、弱い磁力と表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも1つの濃縮エネルギー形態を、混合物に印加するステップ。
混合物を分離する方法は、少なくとも2つの不安定化エネルギー形態と、少なくとも2つの濃縮エネルギー形態とを印加することを含むのが好ましい。
混合物を分離する方法は、(i)少なくとも2つの不安定化エネルギー形態と、(ii)濃縮エネルギー形態として表面エネルギーとを印加することを含むのがより好ましい。
混合物を分離する方法は、(i)不安定化エネルギー形態の1つが表面エネルギーである少なくとも2つの不安定化エネルギー形態と、(ii)濃縮エネルギー形態として表面エネルギーとを、印加することを含むのがより好ましい。
混合物は、分離が起きる前に、表面に塗布されるのが好ましく、皮膚表面に塗布されるのがより好ましい。
アプリケータ装置を用いて、混合物を真皮表面または皮膚に塗布してもよい。混合物を皮膚に塗布した後に、アプリケータ装置を用いて皮膚全体に広げてもよく、または、混合物をアプリケータ装置に塗布した後に、混合物が付いたアプリケータ装置を皮膚に当てて混合物を広げてもよい。アプリケータ装置は、真皮表面上で、手動またはモータ駆動により動かしたり擦りつけたりすることができる。
アプリケータ装置としては、例えば、ローラーボール、布パッドやスポンジなどのパッド類、スティック、化粧筆、へらなどの固体表面アプリケータが挙げられる。
アプリケータ装置は、本発明の不安定化エネルギー形態および濃縮エネルギー形態を生成する手段を備えてもよい。例えば、アプリケータ装置の皮膚に接触する部分を形成する材料には、不安定化エネルギー形態と濃縮エネルギー形態のうち少なくとも一方を生成する材料(例えば、特定の表面力を有する材料や弱磁場を形成する材料)を選んでもよい。これに加え、あるいはこれに代えて、アプリケータは、アプリケータ装置の皮膚に接触する部分の近傍に、不安定化エネルギー形態と濃縮エネルギー形態のうち少なくとも一方を生成する手段(例えば、磁性膜、または発熱体)を備えてもよい。
混合物を塗布するアプリケータ装置を、皮膚、すなわち真皮バリアの表面上で動かしてもよい。この動きは、手作業または機械的手段のいずれによるものであってもよい。アプリケータの動作が手作業により(すなわち、擦るまたはブラッシングするなどの一般的な、消費者の動作により)行われる場合、その振動数は1Hz〜5Hz程度である。代わりに、その動作が機械的または電気的手段(モータにより駆動されるまたは回転するローラーボールの形態のものなど)により行われる場合、その振動は約100〜8,000Hz程度にするのがよい。その動作が機械的または電気的手段により行われる場合は、アプリケータ装置は、真皮バリア上でアプリケータの少なくとも一部を動かすための手段を備える。そのような手段は、アプリケータの少なくとも一部の相反運動または回転運動に適応した、電気的または機械的な任意の機構を備えている。相反運動または回転運動を受けるアプリケータ装置の当該一部は、少なくとも、アプリケータ装置の皮膚に接触する部分でなければならない。そのような手段は、アプリケータの少なくとも一部の相反運動または回転運動に適応した、電気的または機械的な任意の機構を備えている。例えば、アプリケータは、相反運動が可能な、好ましくはアプリケータ装置の皮膚に接触する部分を相反運動させることができる駆動機構を備えてもよい。
本明細書で使用される場合、回転運動は、円弧状、半円状、円形、または環状の運動を含む。
不安定化のためのエネルギー形態
混合物を分離するために用いる不安定化エネルギー形態は、混合物内の分子間力に打ち勝つのに十分であることが好ましい。不安定化エネルギー形態により、混合物のエネルギー状態は遷移点を超えるため、混合物を安定状態に保持する分子間力が打ち負かされる。このため、混合物は、個々の成分の化学構造、薬理学的特性、または機能が変わることなく、元の複数の構成成分の形態に戻る。
混合物は、皮膚に塗布された後、または塗布されている間に、不安定化エネルギー形態により不安定となって個々の成分になるのが好ましい。したがって、混合物は皮膚に塗布された後に原位置で不安定となる。
●機械的剪断力
不安定化エネルギー形態は、機械的剪断力の形態で与えられるのが好ましい。アプリケータを用いて剪断力を生じさせ、真皮表面または皮膚表面などの表面上に混合物を広げてもよい。混合物は表面上で薄膜状に広がるのが好ましい。
表面上の混合物の薄膜の厚さは、約0.1mm〜1mmが好ましい。例えば、薄膜は、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、または0.9mmであってもよい。
機械的剪断力は、約150Pa〜20,000Paで加えるのが好ましい。例えば、剪断力は、約150Pa、200Pa、300Pa、400Pa、500Pa、600Pa、700Pa、800Pa、900Pa、1,000Pa、2,000Pa、3,000Pa、4,000Pa、5,000Pa、6,000Pa、7,000Pa、8,000Pa、9,000Pa、10,000Pa、11,000Pa、12,000Pa、13,000Pa、14,000Pa、15,000Pa、16,000Pa、17,000Pa、18,000Pa、19,000Pa、または20,000Paであってもよい。その範囲は、150Pa〜1,000Pa、300Pa〜8,000Pa、または400Pa〜12,000Paであってもよく、好ましくは400Pa〜12,000Paの範囲である。
アプリケータを用いて、機械的剪断力を真皮表面上の混合物に加えてもよい。混合物を皮膚に塗布してから、アプリケータを用いて皮膚全体に広げてもよく、または、混合物をアプリケータに塗布してから、混合物の付いたアプリケータを皮膚に当てて混合物を広げてもよい。
機械的剪断力により、皮膚全体に混合物の薄膜が形成されることで、混合物の不安定化が促進されることにより、その表面部分が皮膚、空気、他の不安定化エネルギー形態や濃縮エネルギー形態に触れやすくなる。
●弱磁場
不安定化エネルギー形態は、弱磁場の形態で与えられてもよい。弱磁場でということは、混合物を不安定化するために用いる磁場は、約100mT(すなわち1000G)未満ということである。弱磁場は、0.1mT〜50mTの間(1〜500Gの間)がより好ましい。「磁場」および「磁束密度」は、本明細書において互換的に使用され、テスラ(Teslas:T)またはガウス(Gauss:G)の単位で計測されるベクトル場を意味する。
弱磁場は、磁性膜により与えられるのが好ましい。磁性膜は、軟質磁性膜であるのが好ましい。磁性膜は、固体マトリックスまたは半固体マトリックス、好ましくは軟質固体マトリックスまたは半固体マトリックスに配置された磁気素子、磁気粒子、磁気断片、または磁気薄片で構成されるのが好ましい。
磁性膜は、アプリケータ装置内の、混合物を皮膚全体に広げるためにアプリケータ装置の皮膚に接触する部分の近傍に設けられてもよい。あるいは、アプリケータ装置の皮膚に接触する部分を形成する材料により、弱磁場を形成してもよい。
磁性膜において、互いに異なる磁気素子間の水平方向の磁束が作用して、対象となる皮膚組織の誘電特性に極性を与え、浸透の変化を誘発する一方で、個々の磁気素子が、皮膚バリアを超えて運ばれる対象の成分に反磁性反発力を与える。
一般に、磁性膜の磁気素子は、中心間で1〜10mm、好ましくは2〜8mm、より好ましくは3〜7mmの間で、水平方向にオフセットしているのが好ましい。水平方向のオフセットは、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、もしくは10mm、またはこれらの間の任意の範囲であってもよい。
結果として、磁気素子は、1〜10個/cm、好ましくは1〜6個/cm、より好ましくは1.5〜4個/cmの繰り返し率で配置されてもよい。また、磁気素子は、1個/cm、1.5個/cm、2個/cm、2.5個/cm、3個/cm、3.5個/cm、4個/cm、4.5個/cm、5個/cm、5.5個/cm、6個/cm、6.5個/cm、7個/cm、7.5個/cm、8個/cm、8.5個/cm、9個/cm、9.5個/cm、もしくは10個/cm、またはこれらの間の任意の範囲の繰り返し率で配置されてもよい。
特定の空間領域における磁気素子の磁極は、1.0mm〜10mm離れているのが好ましく、磁極が1.0mm〜5.0mm離れているのがより好ましい。例えば、磁極は、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0mm離れていてもよく、またはこれらの間の任意の範囲で離れていてもよい。
本発明の別の側面において、磁気素子の各磁極の磁束密度は、約100mT未満である。各極の磁束密度は約0.1mT〜約50mTが好ましく、約12mT〜45mTが最も好ましい。例えば、磁束密度は、0.1mT、1mT、5mT、10mT、11mT、12mT、13mT、14mT、15mT、20mT、25mT、30mT、35mT、40mT、45mT、50mT、55mT、60mT、65mT、70mT、75mT、80mT、85mT、90mT、95mT、もしくは100mT、またはこれらの間の任意の範囲であってもよい。
当業読者は、100mTが1000Gに相当することに気付くであろう。したがって、磁気素子の各磁極の磁束密度は、1000G未満であるのが好ましく、約1G〜約1000Gの間であるのがより好ましい。各極の磁束密度は約1G〜約500Gの間であるのがより好ましい。
別の側面において、極性が逆の隣接する2つの磁極間の磁束密度の差、すなわち磁束差は、約0.2mT〜約200mTの間である。極性が逆の2つの隣接する磁極の磁束密度の差は、約10mT〜約140mTの間がより好ましく、また約10mT〜50mTの間が最も好ましい。したがって、磁束差は、2mT、5mT、10mT、20mT、25mT、30mT、35mT、40mT、45mT、50mT、55mT、60mT、65mT、70mT、75mT、80mT、85mT、90mT、95mT、100mT、105mT、110mT、115mT、120mT、130mT、140mT、150mT、160mT、170mT、180mT、190mT、200mT、またはこれらの間の任意の範囲であってもよい。
磁気材料の磁気素子は、以下のパラメータのうち少なくとも1種のパラメータを有するのが好ましい。
i) 水平方向のオフセットが、約1〜10mm、2〜8mm、または3〜7mm。
ii) 素子の繰り返し率が、約1〜10個/cm、1〜6個/cm、または1.5〜4個/cm。
iii) 特定の空間領域における磁気素子の磁極が、約1.0mm〜10mm離れている、または1.0mm〜5.0mm離れている。
iv) 磁気素子の各磁極の磁束が、約0.1mT〜100mT、1mT〜約60mT、または12mT〜45mTの間である。
v) 極性が逆の2つの隣接する磁極の磁束の磁束差は、約0.2mT〜200mT、20mT〜140mT、または20mT〜90mTの間である。
磁性膜における磁気素子は、単純な直線パターンを形成するN極素子の列およびS極素子の列を有し、直線状に配置されてもよい。
または、磁性膜における磁気素子は、中性極、N極、S極の異なる3つの極性を持つ複合場を形成してもよい。図1は、磁場の例を図示したものであり、中性極(「−」と表示)は0〜30mTの間の磁束を有し、N極(「N」と表示)は25mT〜50mTの間の磁束密度を有し、S極(「S」と表示)は−25mT〜−50mTの磁束密度を有する。3つの極性の配置は、中性磁束を中心に置く一連のS、N、S、Nの菱形を形成しており、隣接する菱形と互いに連結している。
例えば、図1において、磁束が、1行目で横方向に20mT、−45mT、20mT、−45mTとなる場合もあり、2行目で横方向に45mT、20mT、45mT、20mTとなる場合もある。
最強の磁場勾配は、N極とS極との間に位置するであろう。勾配は、50mT〜100mTの間であるのが好ましく、90mTであるのがより好ましい。
磁性膜上にこのような複合場を形成するために、N、S、N、Sの標準的な直線状の平行な磁束パターンであって、各磁束が、例えば、45mT(すなわち、N極がすべて45mTで、S極がすべて−45mTである)の磁束パターンから始めてもよい。そして、この磁束パターンに対して、例えば、25mT(すなわち、N極がすべて25mTで、S極がすべて−25mTである)の別の直線状の平行なN、S、N、Sの磁束パターンを、90度で交差させてもよい。2つの磁束パターンのN極とS極とが重なるところでは、磁束が互いに打ち消されて、例えば、20mT(例えば、45mTのN極と−25mTのS極とが打ち消し合って、中性の20mTの磁束が残る)の中性磁束となる。このような複合場は、1度〜90度の間のオフセット角度、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90度のオフセット角度で、2つの直線状のアレイを重ね合わせることにより、形成されるのが好ましい。
磁性膜の厚さは、0.5〜1.2mmの間であるのが好ましい。
磁性膜の磁気素子または磁気粒子は、固体マトリックスまたは半固体マトリックスに、もしくは固体ベースまたは半固体ベースに配置されるのが好ましい。固体マトリックスまたは半固体マトリックス、もしくは固体ベースまたは半固体ベースは、軟質固体マトリックスまたは半固体マトリックス、もしくは軟質固体ベースまたは半固体ベースであるのが好ましい。固体マトリックスまたは半固体マトリックスは、ゴム、シリコーン、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate:PEN)、ポリエーテルスルホン(polyethersulphone:PES)、ポリイミド(polyimide:PI)、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane:PDMS)、グラフェン、ポリメタクリル酸メチル(poly(methyl methacrylate):PMMA)からなる群から選択される軟質マトリックスで構成されてもよいが、これらに限定されない。磁性膜は、前もって磁化された素子を固体マトリックスまたは半固体マトリックスと組み合わせることにより作成してもよく、または、磁化されていない素子を、固体マトリックスまたは半固体マトリックスに設けてから、必要とされる磁気パターンを素子に型押ししてもよい。
磁性膜は、一連の種類の強磁性を示す磁気材料を用いて構成してもよい。材料は、鉄化合物(例えば、バリウムフェライト、磁鉄鉱、または軟鋼などのフェライト)、コバルト材料、ストロンチウム材料、バリウム材料、またはニッケル材料などの強磁性材料であるのが好ましく、任意に、ホウ素、炭素、ケイ素、リン、またはアルミニウムなどの非金属成分が加えられる。代わりに、ネオジムまたはサマリウムコバルトなどの希土類材料も使用してもよい。
弱磁場は、混合物の反磁性や常磁性の成分に作用するのが好ましい。反磁性は、外部から加えられた磁場と反対の磁場を形成させ、反発作用を生じさせる、物体または材料の特性である。常磁性は、外部から加えられた磁場の方向に磁場を形成させ、引力作用を生じさせる、物体または材料の特性である。
磁束をある限界内において操作することにより、磁気源から離れ皮膚バリアに向かう方向の混合物のある成分の反磁性反発力が増し、磁気源に向かい皮膚から離れる方向の混合物の他の成分の常磁性引力が増す。このように、反磁性反発力/常磁性引力により、拡散中の分子に配向性および可動性を付加する手段が得られる。
特定の理論に縛られることなく一般に信じられていることだが、磁束をある限界を超えて増やしても、成分の反磁性/常磁性の増速流を継続して増やすことにはならない。代わりに、あるレベルを超えると、反磁性反発力/常磁性引力による拡散促進とは逆に作用する熱雑音や他の不規則化過程が、磁束の増加によってむしろ増えることになる。この熱雑音は、磁場の存在によって発生した反磁性反発力/常磁性引力の作用が対抗できない、分子のランダム運動を増加させる原因となる。磁束を非常に高いレベルに増やしても、または磁束密度が5,000〜50,000G以上の、磁石のような強力な磁石を用いても、成分のエントロピ運動が増し、元素の運動のランダム性が増加することにより成分が所望の特定方向に移動しなくなるため、適切な反磁性反発力/常磁性引力を生じさせることはできない。
弱磁場の形態で与えられる不安定化エネルギー形態を受ける混合物は、−20×10−6emu(electro-magnetic units)〜−300,000×10−6emu単位の間の反磁性磁化率を有する1つ以上の成分を含むのが好ましい。反磁性成分は、1以下である比透磁率を有し、したがって0以下の磁化率を有しているため、磁場の反発を受ける。例えば、混合物の成分の反磁性磁化率は、−20×10−6emu、−50×10−6emu、−100×10−6emu、−200×10−6emu、−500×10−6emu、−1,000×10−6emu、−2,000×10−6emu、5,000×10−6emu、−10,000×10−6emu、−50,000×10−6emu、−100,000×10−6emu、−150,000×10−6emu、−200,000×10−6emu、−300,000×10−6emu、またはこれらの間の任意の値であってもよい。混合物の異なる成分はそれぞれ異なる反磁性磁化率を有しているため、好適値が決められない。
弱磁場の形態で与えられる不安定化エネルギー形態を受ける混合物は、0〜1×10−4emu単位の間の常磁性磁化率を有する1つ以上の成分を含むのが好ましい。常磁性成分は、1以上の透磁率(すなわち、正の磁化率)を有しているため、磁場に引き寄せられる。例えば、混合物の成分の常磁性磁化率は、0emu、0.1emu(すなわち、1×10−1emu)、0.2emu、0.5emu、0.7emu、0.01emu(すなわち、1×10−2emu)、0.02emu、0.05emu、0.07emu、0.001emu(すなわち、1×10−3emu)、0.002emu、0.005emu、0.007emu、もしくは0.0001emu(すなわち、1×10−4emu)、またはこれらの間の任意の値であってもよい。混合物の異なる成分はそれぞれ異なる反磁性磁化率を有しているため、好適値が決められない。
弱磁場は、上述したように磁性膜内の磁気素子をアプリケータに組み込むことにより、混合物に付与してもよい。混合物を皮膚全体に広げるためにアプリケータを使用することで、混合物はアプリケータの磁性膜により形成された弱磁場の中に置かれることになる。
弱磁場を与える磁性膜を備えたアプリケータを、皮膚、すなわち真皮バリアの表面上で動かしてもよい。この動きは、手作業または機械的手段のいずれによるものであってもよい。この動きが、弱磁場を与える磁性膜を備えたアプリケータ装置が動くように、手作業により(すなわち、擦るまたはブラッシングするなどの一般的な、消費者の動作により)行われる場合、その振動数は1Hz〜5Hz程度である。このような場合、磁石アレイの各素子により形成される磁場の強度は、約1mT〜100mTの間にするのがよい。代わりに、その動作が機械的または電気的手段(モータにより駆動されるまたは回転するローラーボールの形態のものなど)により行われる場合、その振動は、約1mT〜100mTの間の磁束を用いつつ、約100〜8,000Hz程度にするのがよい。
弱磁場は、混合物の成分に作用し、ある成分を弱磁場の発生源の方に引き寄せ、また他の成分を弱磁場の発生源から離れる方向に押し出すことにより、混合物を不安定化する。これら反対の力によって、乳濁液の安定性を低減させる内部の相反する力が生成されることにより、混合物内のエネルギーが上昇し、混合物のエネルギーレベルの上昇が促進されて遷移点を超えるため、混合物は元の複数の分離した低いエネルギーの構成成分に戻る。
●表面エネルギー
不安定化エネルギー形態は、表面エネルギーの形態で与えられるのが好ましい。「表面エネルギー」という用語は、混合物内の分子間力に打ち勝つために外部発生源からの分子間力(イオン双極子相互作用(イオン双極子力およびイオン誘起双極子力)、水素結合、双極子モーメント、レナードジョーンズポテンシャル、分極能、およびファンデルワールス相互作用(ケーソム[永久・永久双極子]相互作用、デバイ[永久・誘起双極子]力、ロンドン分散力)など)を利用するものを示す。表面エネルギーは、混合物を皮膚に塗布するために既知かつ所望の分子間力を持つ特定の表面エネルギーの材料を用いて与えられるのが好ましく、この場合、混合物を塗布するために用いる材料の表面エネルギーは、混合物の成分と相互作用して、ある成分を材料の方に引き寄せ、また混合物のある成分に対して材料から離れる方向に反発する。
混合物を塗布するために用いる材料によって与えられる表面エネルギーは、10〜1,200mJ/mの間の表面エネルギーであるのが好ましい。例えば、表面エネルギーは、10mJ/m、18mJ/m、20mJ/m、30mJ/m、140mJ/m、50mJ/m、60mJ/m、70mJ/m、80mJ/m、90mJ/m、100mJ/m、120mJ/m、150mJ/m、170mJ/m、200mJ/m、220mJ/m、250mJ/m、270mJ/m、300mJ/m、320mJ/m、400mJ/m、500mJ/m、600mJ/m、700mJ/m、800mJ/m、900mJ/m、1,000mJ/m、1,100mJ/m、1,200mJ/m、またはこれらの間の任意の値であってもよい。表面エネルギーは、10〜80mJ/m、10〜100mJ/m、100〜250mJ/m、250〜500mJ/m、500〜1,000mJ/m、1,000〜1,200mJ/mの範囲であってもよい。
表面エネルギーは、アプリケータ装置を通して混合物に付与されるのが好ましい。アプリケータ装置材料の選択により、本発明は混合物の様々な種類の成分を対象とすることができる。表面エネルギーは、特定の所望の表面エネルギーを持つ材料をアプリケータ装置の皮膚に接触する部分に混ぜることにより、混合物に付与してもよい。皮膚全体に混合物を広げるためにアプリケータ装置を使用することにより、混合物は、アプリケータ装置内の材料によって生成された表面エネルギーに接触する。
表1 代表的なアプリケータ装置材料の表面エネルギー
一部の例外を除き、一般的に高い表面エネルギーを持つ材料は、油性成分および親油性成分に反発し、水性成分および親水性成分を引き寄せる。また、一部の例外を除き、表面エネルギーが低い材料は、水性成分および親水性成分に反発し、油性成分および親油性成分を引き寄せる。
これに代えて、あるいはこれに加えて、親水性の材料は親水性成分を引き寄せ、親油性の材料は親油性成分を引き寄せる。
表面エネルギーを生成する材料を含むアプリケータ装置を、皮膚、すなわち真皮バリアの表面上で動かしてもよい。この動きは、手作業または機械的手段のいずれによるものであってもよい。この動きが、手作業で(すなわち、アプリケータ装置を用いて表面を擦るまたはブラッシングするなどの一般的な、消費者の動作により)行われる場合、その振動数は1Hz〜5Hz程度である。このような場合、材料により生成される表面エネルギーの強度は、約10〜1,200mJ/mの間にするのがよい。代わりに、アプリケータ装置の動きが、機械的または電気的手段(モータにより駆動されるまたは回転するローラーボールの形態のものなど)により行われる場合、その振動は、約10〜1,200mJ/mの間の表面エネルギーを用いつつ、約100〜8,000Hz程度にするのがよい。
表面エネルギーが混合物の成分に作用し、ある成分は表面エネルギーの発生源の方に引き寄せられ、また混合物のある成分は表面エネルギーの発生源から離れる方向に反発するのが好ましい。表面エネルギーによって、混合物の特定の成分が選択的に引き寄せられ、他の成分が反発することにより、混合物内のエネルギーが上昇し、混合物のエネルギーレベルの上昇が促進されて遷移点を超えるため、混合物は元の複数の低いエネルギーの構成成分に戻る。
●熱エネルギー
不安定化エネルギー形態は、熱エネルギーの形態で与えられるのが好ましい。熱エネルギーは、混合物の温度を上げるために、混合物に付与される。
最適な熱エネルギーは、混合物が塗布される表面によって決まる。熱エネルギーは、20℃〜100℃、より好ましくは20℃〜60℃、より好ましくは20℃〜40℃の範囲であってもよい。例えば、熱エネルギーは、混合物を20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃に加熱することにより、混合物に付与してもよい。
熱エネルギーは、皮膚への塗布の前にアプリケータ装置上の混合物を加熱することにより、または混合物を皮膚に塗布して塗布の間に混合物を加熱することにより、または加熱したアプリケータ装置により広げることにより、混合物に付与してもよい。熱エネルギーは、発熱体をアプリケータ装置内に組み込むことにより、混合物に付与してもよい。混合物を皮膚全体に広げるためにアプリケータ装置を使用することで、混合物はアプリケータ装置内の発熱体により生成される熱エネルギーの範囲内に置かれることになる。
熱エネルギーを生成する発熱体を備えたアプリケータ装置を、皮膚、すなわち真皮バリアの表面上で動かしてもよい。この動きは、手作業または機械的手段のいずれによるものであってもよい。アプリケータ装置のこの動きが、手作業で(すなわち、擦るまたはブラッシングするなどの一般的な、消費者の動作により)行われる場合、その振動数は1Hz〜5Hz程度である。このような場合、発熱体により、混合物を20℃〜40℃の間に加熱するとよい。代わりに、アプリケータ装置の動きが、機械的または電気的手段(モータにより駆動されるまたは回転するローラーボールの形態のものなど)により行われる場合、その振動を約100〜8,000Hzの間にするのがよく、また発熱体により混合物を20℃〜40℃の間に加熱するのがよい。
不安定化エネルギー形態は、弱磁場、機械的剪断力、熱エネルギー、および表面エネルギーのうち2つ以上の任意の組み合わせであってもよい。不安定化エネルギー形態は、2つの不安定化エネルギー形態、3つの不安定化エネルギー形態、または4つの不安定化エネルギー形態の任意の組み合わせであってもよい。不安定化エネルギー形態は、3つの不安定化エネルギー形態の組み合わせであるのが好ましい。
不安定化エネルギー形態の組み合わせは、以下から選択してもよい。
●弱磁場+機械的剪断力
●弱磁場+熱エネルギー
●弱磁場+表面エネルギー
●機械的剪断力+熱エネルギー
●機械的剪断力+表面エネルギー
●熱エネルギー+表面エネルギー
●弱磁場+機械的剪断力+表面エネルギー
●弱磁場+機械的剪断力+熱エネルギー
●弱磁場+表面エネルギー+熱エネルギー
●機械的剪断力+熱エネルギー+表面エネルギー
●弱磁場+機械的剪断力+表面エネルギー+熱エネルギー
不安定化エネルギー形態は、弱磁場+機械的剪断力+表面エネルギーの組み合わせであるのが好ましい。
不安定化エネルギー形態が、機械的剪断力+表面エネルギー、熱エネルギー+表面エネルギー、または機械的剪断力+熱エネルギー+表面エネルギーの組み合わせであるのがより好ましい。
不安定化エネルギー形態は、0.1mT〜50mTの間の弱磁場と、約150Pa〜20,000Paの間で加えられる機械的剪断力と、10〜1,200mJ/mの間の表面エネルギーとの組み合わせにより与えられるのが好ましい。機械的剪断力の範囲は、400Pa〜12,000Paが好ましい。
不安定化エネルギー形態は、約150Pa〜20,000Paの間の機械的剪断力と、20℃〜40℃の範囲で加えられる熱エネルギーと、10〜1,200mJ/mの間の表面エネルギーとにより与えられるのがより好ましい。また、不安定化エネルギー形態は、約150Pa〜20,000Paの間で加えられる機械的剪断力と10〜1,200mJ/mの間の表面エネルギーとの組み合わせ、または20℃〜40℃の範囲の熱エネルギーと10〜1,200mJ/mの間の表面エネルギーとの組み合わせであってもよい。機械的剪断力の範囲は、400Pa〜12,000Paが好ましい。
濃縮のためのエネルギー形態
第1の成分が第2の成分よりも濃縮される第1の領域と、第2の成分が第1の成分よりも濃縮される第2の領域とを形成するために、濃縮エネルギー形態を用いるのが好ましい。
濃縮エネルギー形態が混合物の第1の成分と相互作用し、該成分が皮膚から離れる方向に引き寄せられることで、第1の成分が第2の成分よりも濃縮された領域が形成されるのが好ましい。この濃縮された領域は、濃縮エネルギー形態の発生源の近傍において空間層の形態をとってもよい。
また、濃縮エネルギー形態が混合物の第2の成分と相互作用し、第2の成分が皮膚に向かって濃縮エネルギー形態から離れる方向に押し出されることで、第2の成分が第1の成分よりも濃縮された領域が形成されるのが好ましい。この濃縮された領域は、皮膚の近傍において空気層の形態をとってもよい。
好ましくは、濃縮エネルギー形態により、1つ以上の混合物成分の閉鎖、すなわちバリア効果のために、濃度勾配または親油性勾配を作る。
それ以上に好ましくは、濃縮エネルギー形態が混合物の異なる成分と同時に相互作用し、1つ以上の成分が皮膚から離れる方向に引き寄せられることで、濃縮エネルギー形態の近傍において第1の空間層が形成され、また同時に、濃縮エネルギー形態が混合物の1つ以上の成分と相互作用し、該成分が皮膚に向かって濃縮エネルギー形態から離れる方向に押し出されることで、皮膚の近傍において第2の空間層が形成される。
不安定化エネルギー形態は濃縮エネルギー形態として同時に作用するのが好ましい。この場合、不安定化エネルギー形態は、混合物を安定状態に保つ分子間力に打ち勝つために混合物のエネルギー状態をその遷移点よりも上昇させることにより、混合物を不安定化するため、濃縮エネルギー形態としても作用し、第1の成分が第2の成分よりも濃縮された第1の領域および第2の成分が第1の成分よりも濃縮された第2の領域が形成される。
濃縮エネルギー形態の発生源の方に引き寄せられる成分は、より親油性の高いものであるのが好ましい。また、皮膚に向かって押し出される成分は、より親水性の高いものであるのが好ましい。しかしながら、この逆(皮膚に対して親油性、濃縮エネルギー形態の発生源に対して親水性)の場合も可能であり、用途によっては望ましいこともある。濃縮形態の強度および種類を選択することにより、本発明では、混合物の水相と油相のいずれでも選択的に、皮膚から離れる方向に引き寄せることができる。
●弱磁場
濃縮エネルギー形態を弱磁場として与えてもよい。
弱磁場は、弱磁場の形態の不安定化エネルギー形態に対して上述の特性を有するのが好ましい。
弱磁場を形成する磁気材料中の磁気素子は、以下のパラメータのうち少なくとも1種のパラメータを有するのが好ましい。
i) 水平方向のオフセットが、約1〜10mm、2〜8mm、または3〜7mm。
ii) 素子の繰り返し率が、約1〜10個/cm、1〜6個/cm、または1.5〜4個/cm。
iii) 特定の空間領域における磁気素子の磁極が、約1.0mm〜10mm離れている、または1.0mm〜5.0mm離れている。
iv) 磁気素子の各磁極の磁束が、約0.1mT〜100mT、1mT〜約60mT、または12mT〜45mTの間である。
v) 極性が逆の2つの隣接する磁極の磁束の磁束差は、約0.2mT〜200mT、20mT〜140mT、または20mT〜90mTの間である。
弱磁場を形成する磁気材料は、磁性膜の形態であるのが好ましい。磁性膜は軟質磁性膜であるのが好ましい。磁性膜は、固体マトリックスまたは半固体マトリックス、好ましくは軟質固体マトリックスまたは半固体マトリックス、に配置された磁気素子、磁気粒子、磁気断片、または磁気薄片で構成されるのが好ましい。弱磁場の形態の濃縮エネルギー形態を生成するために用いる磁性膜は、弱磁場の形態の不安定化エネルギー形態を生成する磁性膜に対して上述した特性を有するのが好ましい。
磁性膜は、アプリケータ装置内の、混合物を皮膚全体に広げるためにアプリケータ装置の皮膚に接触する部分の近傍に設けられてもよい。あるいは、アプリケータ装置の皮膚に接触する部分を形成する材料により、弱磁場を形成してもよい。
弱磁場が混合物の少なくとも1つの第1の成分と相互作用することで、弱磁場に向かう第1の成分の常磁性および引力が誘起されるのが好ましい。この第1の成分の引力により、濃縮エネルギー形態の発生源の近傍に位置する領域であって、不安定化した混合物の第1の成分が不安定化した混合物の第2の成分よりも濃縮された領域が形成される。
また、弱磁場が混合物の少なくとも1つの第2の成分と相互作用することで、弱磁場から離れる方向の第2の成分の反磁性および反発作用を誘起してもよい。この第2の成分の反発作用により、混合物が塗布される表面の近傍に位置する領域であって、不安定化した混合物の第2の成分が不安定化した混合物の第1の成分よりも濃縮される領域が形成される。
最も好ましくは、弱磁場が混合物の異なる成分と相互作用し、1つ以上の第1の成分が皮膚から離れる方向に常磁性的に引き寄せられることで、第1の成分が濃縮された弱磁場の近傍に空間層が形成され、また同時に、弱磁場が混合物の1つ以上の第2の成分と相互作用し、第2の成分が皮膚に向かって弱磁場から離れる方向に反磁性的に押し出されることで、第2の成分が濃縮された皮膚の近傍に空間層が形成されることである。
皮膚表面およびアプリケータ装置に隣接する異なる領域で、混合物の異なる成分を濃縮する上で弱磁場は、個々の磁場の強度を増すことだけではなく、変化を起こさせる極性および配向の2つの磁場の磁束差を利用することによっても、さらに有効になる。本発明の誘電分極した弱磁場を用いて、(i)混合物の成分に反磁性的に反発したり該成分を常磁性的に引き寄せたりすることで、異なる領域において異なる成分が濃縮され、(ii)対象の組織の浸透性が高まり、(iii)ある効果が他の効果を無効にすることなく、真皮バリア全体にわたって混合物の成分の拡散が促進される。
最も好ましくは、不安定化エネルギー形態として作用する弱磁場が、濃縮エネルギー形態としても同時に作用することである。この場合、弱磁場の形態の不安定化エネルギー形態は、混合物を安定状態に保つ分子間力に打ち勝つために混合物のエネルギー状態をその遷移点よりも上昇させることにより、混合物を不安定化しているため、濃縮エネルギー形態としても作用しており、第1の成分が第2の成分よりも濃縮された第1の領域および第2の成分が第1の成分よりも濃縮された第2の領域が形成される。
●表面エネルギー
濃縮エネルギー形態は表面エネルギーであるのが好ましい。
表面エネルギーは、表面エネルギーの形態の不安定化エネルギー形態に対して上述した特性を有するのが好ましい。アプリケータ装置の皮膚に接触する部分の材料の選択により、本発明は混合物の様々な種類の成分を対象とすることができる。
混合物を塗布するために皮膚に接触するアプリケータ装置の部分を形成する材料により与えられる表面エネルギーは、10〜1,200mJ/mの間のエネルギーレベルを有するのが好ましい。
表面エネルギーの形態の濃縮エネルギー形態は、混合物の異なる成分を引き寄せまたは反発すために外部発生源からの分子間力(イオン双極子相互作用(イオン双極子力およびイオン誘起双極子力)、水素結合、双極子モーメント、レナードジョーンズポテンシャル、分極能、およびファンデルワールス相互作用(ケーソム[永久・永久双極子]相互作用、デバイ[永久・誘起双極子]力、ロンドン分散力)など)を利用することにより、作用する。表面エネルギーは、混合物を皮膚に塗布するために既知かつ所望の分子間力を持つ特定の表面エネルギーの材料を用いることにより、与えられるのが好ましく、この場合、混合物を塗布するために用いる材料の表面エネルギーは、混合物の成分と相互作用して、ある成分を材料の方に引き寄せ、また混合物のある成分に対して材料から離れる方向に反発する。
表面エネルギーが混合物の少なくとも1つの第1の成分と相互作用し、第1の成分が皮膚から離れる方向に表面エネルギーの発生源の方に引き寄せられることで、第1の成分が第2の成分よりも濃縮された領域が形成されるのが好ましい。この第1の成分が濃縮された領域は、表面エネルギーの発生源の近傍において空間層の形態をとってもよい。
また、表面エネルギーが混合物の少なくとも1つの第2の成分と相互作用することで、表面エネルギーの発生源から離れる方向の第2の成分の反発作用を誘起してもよい。この第2の成分の反発作用により、混合物が塗布される表面の近傍に位置する領域であって、不安定化した混合物の第2の成分が不安定化した混合物の第1の成分よりも濃縮される領域が形成される。
最も好ましくは、表面エネルギーが混合物の異なる成分と相互作用し、第1の成分が皮膚から離れる方向に表面エネルギーの方に引き寄せられることで、第1の成分が第2の成分よりも濃縮された領域が形成され、また同時に、表面エネルギーが混合物の1つ以上の第2の成分と同時に相互作用し、第2の成分が皮膚に向かって表面エネルギーの発生源から離れる方向に押し出されることで、第2の成分が濃縮された皮膚の近傍に空間層が形成されることである。
また、最も好ましくは、不安定化エネルギー形態として作用している表面エネルギーが、濃縮エネルギー形態として同時に作用していることである。この場合、表面エネルギーの形態の不安定化エネルギー形態は、混合物を安定状態に保つ分子間力に打ち勝つために混合物のエネルギー状態をその遷移点よりも上昇させることにより、混合物を不安定化しているため、濃縮エネルギー形態としても作用しており、第1の成分が第2の成分よりも濃縮された第1の領域および第2の成分が第1の成分よりも濃縮された第2の領域が形成される。
本発明の例では、1つの濃縮エネルギー形態が混合物の親水性成分を皮膚に向かって押し出し、別の濃縮エネルギー形態が親油性成分を濃縮エネルギー形態の発生源の方に引き寄せる。したがって、皮膚の近くに親水性の高い領域が形成され、また皮膚からさらに離れて親油性の高い領域が形成されることになる。そのため、親水性成分は皮膚の近くに位置し、親油性成分は親水性の高い領域と外部環境との間に閉鎖バリアを形成する。
代わりに、1つの濃縮エネルギー形態が混合物の親水性成分を濃縮エネルギー形態の発生源の方に引き寄せてもよく、そして別の濃縮エネルギー形態が親油性成分を皮膚に向かって押し出してもよい。この場合、親水性の高い領域はさらに皮膚から離れて、また親油性の高い領域は皮膚の近くに形成されることになる。
濃縮エネルギー形態は2つの濃縮エネルギー形態の組み合わせでもよい。濃縮エネルギー形態は、弱磁場と表面エネルギーの組み合わせでもよい。
濃縮エネルギー形態は、0.1mT〜50mTの間の弱磁場および10〜1,200mJ/mの間の表面エネルギーにより与えられるのが好ましい。
また、濃縮エネルギー形態は、10〜1,200mJ/mの間の表面エネルギーにより与えられるのがより好ましい。
弱磁場および表面エネルギーの両方から影響されやすい混合物の成分があってもよい。これらの成分の移動方向(すなわち、アプリケータ装置から離れる方向、またはアプリケータ装置に向かう方向)は、異なるエネルギー形態に対するそれぞれの感受性の強度によって決まる。例えば、アプリケータ装置の皮膚に接触する部分の中の磁性膜により形成される弱磁場によって、成分が反磁性的に反発されてもよい一方で、アプリケータ装置の皮膚に接触する部分が、該成分が弱磁場によって反発されるよりも強く該成分をアプリケータ装置の表面の方に引き寄せる表面力を持つ材料を使用して作成されている場合、この表面力の引力は反磁性反発力に打ち勝ち、また該成分はアプリケータに近く皮膚から離れた領域において濃縮されることになる。あるいは、弱磁場の効果と該成分にかかる表面力が、どちらも同じ方向に向いていてもよい。例えば、該成分が、アプリケータ装置の皮膚に接触する部分の中の磁性膜により形成される弱磁場に常磁性的に引き寄せられると同時に、アプリケータ装置の皮膚に接触する部分の原料である材料の表面エネルギーによって引き寄せられてもよい。
望ましくないエネルギー形態
エネルギー形態によっては、印加中に成分の薬効薬理、化学的性質または機能を改質または変化させる傾向や、皮膚が原因で、本発明の方法での使用に適さないものもある。そのような望ましくないエネルギー形態には電気式マイクロカレント(微弱電流)形態が含まれ、こうした形態は、混合物中の成分の化学的性質および濃度を変え、また皮膚保護機能に対する電気穿孔効果を持つ、荷電種の電気移動を生じさせるため、望ましくない。電気式マイクロカレント形態はイオン結合を分断させ、電流の流れが混合物中で化学変化を生じさせる。また、電気式マイクロカレント形態は、場合によっては皮膚透過性を悪化させることがある。超音波、すなわちソノフォレーシス(超音波導入)も、悪影響を及ぼす可能性のあるキャビテーションや脂質流動化など、皮膚バリアに対する影響があるため、望ましくない。
また、5,000〜50,000G以上の磁場強度を持つような強磁場も、混合物の成分のエントロピ運動が増すため、本発明で使用するのに適さない。この成分の運動のランダム性が増加すると、成分が所望の特定方向に移動しなくなる。
混合物、および混合物を塗布する箇所である皮膚をあまりに高い温度に加熱することも、望ましくない。高すぎる温度は、混合物の多くの美容および治療成分を破壊し、場合によっては皮膚の敏感な保護機能が損なわれる。また、混合物を皮膚に塗布する場合は、約50℃を超える温度も、本発明での使用に適さない。
皮膚表面に塗布される混合物は、上述したように濃縮エネルギー形態を受ける少なくとも1つの成分を含むのが好ましい。
混合物の最初のエネルギーレベルは、混合物の成分の性質に左右される。より高い分子間力を持つ混合物は、本発明の方法および装置に対してより好ましい反応を示す。例えば、より高い分子間力を持つ混合物は、本発明の不安定化エネルギー形態に対してより好ましい反応を示す。さらに、より高い分子間力を持つ成分で構成された混合物は、本発明の濃縮エネルギー形態に対してもより好ましい反応を示す。
混合物は、成分を皮膚に向かって濃縮エネルギー発生源から離れる方向に押し出す濃縮エネルギー形態を受ける、少なくとも1つの成分を含むのが好ましい。また、混合物は、成分を濃縮エネルギー発生源に向かって皮膚から離れる方向に引き寄せる濃縮エネルギー形態を受ける、少なくとも1つの成分を含むのが好ましい。
例えば、多くの有機成分が反磁性反発力を受けて、弱磁場の形態の濃縮エネルギー形態から離れる方向に移動し、また皮膚に向かって移動する。したがって、有機体である成分を、皮膚により近い空間領域内へと移動させ、該領域内で濃縮してもよい。
しかしながら、有機成分でも、2つの異なる濃縮エネルギー形態を印加することにより、異なる空間領域に分割することが可能である。たとえ、弱磁場および反磁性反発力を用いて、ある有機成分が皮膚の方に移動させられる場合でも、少なくとも1つの有機成分を濃縮エネルギー発生源の方に引き寄せ、反磁性反発力に打ち勝つ強度を持つ、第2の濃縮エネルギー発生源が混合物に適用されれば、混合物のある有機成分(反磁性的な押し出しの影響を受けやすい有機成分)を含む領域が、皮膚の近くに形成され、また、反磁性反発力の押し出しよりも強く成分を引き寄せる濃縮エネルギー形態の影響を受けやすい混合物の少なくとも1つの別の成分を含む別の領域が、濃縮エネルギー形態の近くに形成される。
2つの異なる濃縮エネルギー形態を用いる例として、反磁性的に1つの成分が濃縮エネルギー形態から離れる方向に反発する弱磁場を、別の成分を濃縮エネルギー形態の発生源の方に引き寄せる表面エネルギーと組み合わせて使用してもよい。例えば、好ましくは、反磁性反発力により、ナイアシンアミドなどの親水性成分が皮膚に向かって押し出されてもよく、また好ましくは、表面エネルギーにより、パラフィンなどの親油性成分が濃縮エネルギー形態の発生源の方に引き寄せられてもよい。この場合、皮膚の近くに親水性の高い領域が形成され、皮膚からさらに離れ濃縮エネルギー形態の発生源のより近くに親油性の高い領域が形成されることになる。そうすると、親水性成分を皮膚の中に移動させることができ、親油性成分により親水性の高い領域と外部環境との間に閉鎖バリアが形成される。
代わりに、反磁性反発力を利用し、レチノールなどの親油性成分を皮膚に向かって押し出して該成分が濃縮される領域を皮膚の近くに形成してもよく、また同時に、表面エネルギーを利用し、水などの親水性成分を濃縮エネルギー形態の発生源の方に引き寄せて該成分が減らされる領域を形成してもよい。
混合物は、クリーム、軟膏、塗布剤(香膏)、糊、フィルム、または液体の形態であってもよい。混合物形態の違いは、それぞれの油対水比や配合物中の他の添加物および賦形剤によって決まることが多い。
混合物の局所投与形態は、皮膚の表面上に、経皮的に、経粘膜的に、経眼的に、直腸的に、または経膣的に使用してもよい。
混合物が乳濁液の形態の場合、乳濁液は、油中水(water-in-oil:w/o)、水中油(oil-in-water:o/w)、水中油中水(water-in-oil-in-water:w/o/w)、もしくは油中水中油(oil-in-water-in-oil:o/w/o)、または両連続エマルションであってもよい。乳濁液の粒子サイズにより、従来のマクロエマルション(例えば、液滴サイズが約10〜1000μm)、マイクロエマルション(例えば、液滴サイズが約1〜10μm)、もしくはナノエマルション(例えば、液滴サイズが0.01〜1μm)、または当業読者に周知の任意の他種の乳濁液であってもよい。
本発明で用いる混合物は、他の緩衝剤、希釈剤、担体、補助剤、または賦形剤などの添加物を含んでもよい。磁気的に不活性もしくは中性である、または、本質的に常磁性であるもしくは皮膚の表面に塗布される成分よりも常磁性が高い磁化率を有する、薬理学的に許容可能な緩衝剤を使用してもよい。例えば、トリス緩衝液またはリン酸緩衝液である。
様々な目的に応じて、他の賦形剤を混合物に使用してもよい。例えば、緩衝剤、防腐剤、共溶媒、界面活性剤、油類、保水剤、皮膚軟化剤、キレート剤、安定剤、または酸化防止剤を使用してもよい。使用してもよい防腐剤として、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、重硫酸ナトリウム、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、エチルアルコール、メチルパラベン、ポリビニルアルコール、ベンジルアルコール、ゲルマベン(Germaben)(登録商標)、パラベン、イミド尿素、カトン(Kathon)(登録商標)、およびフェニルエチルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。混合物は、ツイーン(Tween)(登録商標)80などの界面活性剤をさらに含んでもよい。混合物の他の成分として、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、精製水、その他が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、グリセリン、その他などの等張化剤および電解液も含んでもよい。酸化防止剤としては、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、その他が挙げられるが、これらに限定されない。
混合物に使用してもよい好適な緩衝剤として、望ましい投与経路のために米国食品医薬品局に認可された、炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、その他を含んでもよい。これらの薬剤は、約2〜約9、好ましくは約4〜約8、より好ましくは4.5、5、5.5、6、6.5、7、もしくは7.5のpH(またはこれらの間の任意のpH)を維持するのに十分な量だけ、存在してもよい。このような緩衝剤は、全組成の重量ベースで約5%の量あってもよい。
また混合物は、プロピレングリコール、水、およびエタノールなどの溶媒、ゲルマベンなどの防腐剤、ゼラチンなどの粘度調整剤、ビタミンCおよびEなどのビタミン類を含んでもよい。また混合物は、精油、エステル、その他の芳香剤や着色剤などの添加物をさらに含んでもよい。
皮膚表面に塗布される成分の指示、有効量、禁忌、販売会社、その他は、入手可能である、または当業者に公知のものである。
本発明はさらに、第1の成分および第2の成分を有する混合物を分離するアプリケータ装置を提供するものであり、該アプリケータ装置は、
a) 弱磁場、機械的剪断力、熱エネルギー、および表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を生成する手段と、
b) 弱い磁力および表面エネルギーからなる群から選択される少なくとも1つの濃縮エネルギー形態を生成する手段と、
を備え、
使用時には、不安定化エネルギー形態は混合物を不安定化し、また濃縮エネルギー形態は、第1の成分が第2の成分よりも濃縮される第1の領域と、第2の成分が第1の成分よりも濃縮される第2の領域とを形成する。
混合物を不安定化するアプリケータ装置は、少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を生成する手段と、少なくとも2つの濃縮エネルギー形態を生成する手段とを備えるのが好ましい。
混合物を不安定化するアプリケータ装置は、(i)少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を生成する手段と、(ii)濃縮エネルギー形態として表面エネルギーを生成する手段とを備えるのがより好ましい。
混合物を不安定化するアプリケータ装置は、(i)不安定化エネルギー形態の1つが表面エネルギーである少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を生成する手段と、(ii)濃縮エネルギー形態として表面エネルギーを生成する手段とを備えるのがより好ましい。
混合物は、表面に塗布されるのが好ましく、アプリケータを用いて分離される前に、皮膚表面に塗布されるのがより好ましい。
不安定化エネルギー形態の少なくとも1つは、濃縮エネルギー形態として同時に作用しているのが好ましい。この場合、表面エネルギーの形態の不安定化エネルギー形態は、混合物を安定状態に保つ分子間力に打ち勝つために混合物のエネルギー状態をその遷移点よりも上昇させることにより、混合物を不安定化しているため、濃縮エネルギー形態としても作用しており、第1の成分が第2の成分よりも濃縮された第1の領域および第2の成分が第1の成分よりも濃縮された第2の領域が形成される。
混合物を不安定化するために装置によって印加される不安定化エネルギー形態は、混合物内の分子間力に打ち勝つのに十分であることが好ましい。不安定化エネルギー形態により、混合物のエネルギー状態はその遷移点を超えるため、混合物を安定状態に保持する分子間力が打ち負かされる。このため、混合物は、個々の成分の化学構造、薬理学的特性、または機能が変わることなく、元の複数の分離した構成成分の形態に戻る。
不安定化エネルギー形態は、弱磁場、機械的剪断力、熱エネルギー、および表面エネルギーのうち2つ以上の任意の組み合わせであるのが好ましい。不安定化エネルギー形態は、2つの不安定化エネルギー形態、3つの不安定化エネルギー形態、または4つの不安定化エネルギー形態の任意の組み合わせであってもよい。不安定化エネルギー形態は、3つの不安定化エネルギー形態の組み合わせであるのが好ましい。また、装置によって生成される弱磁場、機械的剪断力、熱エネルギー、および表面エネルギーは、不安定化エネルギーとして用いられる弱磁場、機械的剪断力、熱エネルギー、および表面エネルギーに対して上述した特性を有するのが好ましい。
アプリケータ装置により印加される濃縮エネルギー形態は、第1の成分が第2の成分よりも濃縮される第1の領域と、第2の成分が第1の成分よりも濃縮される第2の領域とを形成するのが好ましい。これらの濃縮された領域は、第1の方は濃縮エネルギー形態の発生源の近傍において、第2の方は皮膚の近傍において、空間層の形態であってもよい。
また、アプリケータ装置により印加される濃縮エネルギー形態は、弱磁場と表面エネルギーのうち少なくとも一方であることが好ましい。弱磁場および表面エネルギーは、濃縮エネルギーとして用いられる弱磁場および表面エネルギーに対して上述した特性を有するのが好ましい。
アプリケータ装置は、不安定化エネルギー形態および濃縮エネルギー形態の両方を生成しているのが好ましい。装置により生成される不安定化エネルギー形態は、濃縮エネルギー形態として同時に作用しているのが好ましい。この場合、安定化エネルギー形態は、混合物を安定状態に保つ分子間力に打ち勝つために混合物のエネルギー状態をその遷移点よりも上昇させることにより、混合物を不安定化しているため、濃縮エネルギー形態としても作用しており、第1の成分が第2の成分よりも濃縮された第1の領域および第2の成分が第1の成分よりも濃縮された第2の領域が形成される。
アプリケータ装置により生成される不安定化エネルギー形態は、弱磁場+機械的剪断力+表面エネルギーの組み合わせであるのが好ましい。不安定化エネルギー形態が、機械的剪断力+表面エネルギー、熱エネルギー+表面エネルギー、または機械的剪断力+熱エネルギー+表面エネルギーの組み合わせであるのがより好ましい。
また、アプリケータ装置により生成される不安定化エネルギー形態は、0.1mT〜50mTの間の弱磁場と、約150Pa〜20,000Paの間で加えられる機械的剪断力と、10〜1,200mJ/mの間の表面エネルギーとの組み合わせであるのが好ましい。機械的剪断力の範囲は、400Pa〜12,000Paが好ましい。
また、アプリケータ装置により生成される濃縮エネルギー形態は、2つの濃縮エネルギー形態の組み合わせであってもよい。濃縮エネルギー形態は、弱磁場+表面エネルギーの組み合わせであってもよい。
また、アプリケータ装置によって生成される濃縮エネルギー形態は、0.1mT〜50mTの間の弱磁場、および10〜1,200mJ/mの間の表面エネルギーであるのが好ましい。表面エネルギーにより与えられる濃縮エネルギー形態は、10〜1,200mJ/mであるのがより好ましい。
少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を生成する手段と、少なくとも1つの濃縮エネルギー形態を生成する手段とを備えるアプリケータ装置を用いて、混合物が真皮表面または皮膚に塗布される。アプリケータ装置は、アプリケータ装置の形態であるのが好ましい。混合物を皮膚に塗布した後に、アプリケータ装置を用いて皮膚全体に広げてもよく、または、混合物をアプリケータ装置に塗布した後に、混合物が付いたアプリケータ装置を皮膚に当てて混合物を広げてもよい。アプリケータ装置は、真皮表面上で、手動またはモータ駆動により動かしたり擦りつけたりすることができる。
アプリケータ装置としては、例えば、ローラーボール、布パッドやスポンジなどのパッド類、スティック、化粧筆、へらなどの固体表面アプリケータが挙げられる。
アプリケータ装置は、本発明の不安定化エネルギー形態を生成する手段および濃縮エネルギー形態を生成する手段を備えてもよい。例えば、アプリケータ装置の皮膚に接触する部分を形成する材料には、不安定化エネルギー形態と濃縮エネルギー形態のうち少なくとも一方を生成する材料(例えば、特定の表面力を有する材料や弱磁場を形成する材料)を選んでもよい。これに加え、あるいはこれに代えて、アプリケータ装置は、アプリケータ装置の皮膚に接触する部分に隣接して位置する、不安定化エネルギー形態と濃縮エネルギー形態のうち少なくとも一方を生成する手段(例えば、上述した磁性膜、あるいは発熱体)を備えてもよい。
混合物を塗布するアプリケータ装置を、皮膚、すなわち真皮バリアの表面上で動かしてもよい。この動きは、手作業または機械的手段のいずれによるものであってもよい。アプリケータ装置の動作が手作業により(すなわち、擦るまたはブラッシングするなどの一般的な、消費者の動作により)行われる場合、その振動数は1Hz〜5Hz程度である。代わりに、その動作が機械的または電気的手段(モータにより駆動されるまたは回転するローラーボールの形態のものなど)により行われる場合、その振動は約100〜8,000Hz程度にするのがよい。その動作が機械的または電気的手段により行われる場合は、アプリケータ装置は、真皮バリア上でアプリケータの少なくとも一部を動かすための手段を備えるのが好ましい。アプリケータ装置の該一部は、少なくともアプリケータ装置の皮膚に接触する部分でなければならない。そのような手段は、アプリケータの少なくとも一部の相反運動または回転運動に適応した、電気的または機械的な任意の機構を備えている。例えば、アプリケータは、相反運動が可能な、好ましくはアプリケータ装置の皮膚に接触する部分を相反運動させることができる駆動機構を備えてもよい。
本明細書で使用される場合、回転運動は、円弧状、半円状、円形、または環状の運動を含む。
本発明に係る装置の一例は、ローラーボール型アプリケータである。ローラーボール型アプリケータのボールは、弱磁場(<500G)を形成する磁性膜を備える。ボールはアルミニウム製で、高い表面エネルギーを有する(約1,000mJ/m)。
ローラーボール型アプリケータを皮膚全体に動かして、混合物の薄膜を皮膚に塗布すると、同時に以下の効果が生じる。
i) 混合物内に剪断力が発生し、
ii) 弱磁場により、高い反磁性磁化率で混合物の成分、特に混合物の有機成分に反発作用が生じ、
iii) 高い表面エネルギー(>1,000mJ/m)を持つアルミニウム製ローラーボールにより、ローラーボールと配合物の水相との間に強い引力が生じる。
弱磁場および表面エネルギーによって生じた、異なる成分の剪断力および反発作用および引力が組み合わさることにより、それぞれの配合物の分子間力に打ち勝つまで混合物中の分子エネルギーレベルが上昇し、遷移点を超えて、混合物が分離した構成成分に戻る。混合物がその基本成分に遷移するため、これらの成分は、反磁性反発力により、反磁性磁化率でローラーボール型装置の磁性膜から離れる方向で皮膚に向かって押し出される。同時に、ローラーボールの表面エネルギーにより、水相が皮膚から離れてローラーボールの方に引き寄せられる。結果として、皮膚の近傍およびローラーボール型アプリケータの近傍で、混合物のそれぞれの成分が予想通り濃縮される。
一般事項
本明細書に記載した本発明は、具体的に記載した以外の変更および変形ができることを、当業者ならば認識するだろう。本発明がこのような変更および変形のすべてを含むことは、理解されるべきである。また、本発明は、本明細書で個々にまたは集合的に参照または記載したステップ、特徴、混合物および成分のすべてを含み、並びにステップまたは特徴のあらゆる組み合わせ、または任意の2つ以上の組み合わせも含む。
本明細書に記載する詳細な実施形態は、例示目的のみであることを意図しており、本発明は、これら実施形態によって範囲を制限されるものではない。機能的に同等な装置、混合物、成分および方法は明らかに、本明細書に記載する本発明の範囲内である。
本明細書で引用した(特許、特許出願、学術論文、実験マニュアル、書籍、または他の文書を含む)すべての出版物の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。これらの参考文献のいずれも、先行技術を構成する、あるいは本発明が関連する分野の当業者の通常の一般知識の一部であるとは、承認されない。
本文で引用された各文書、参考文献、特許出願または特許は、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれ、それらが本文の一部として読者に読まれ、検討されるべきであることを意味する。本文で引用した文書、参考文献、特許出願または特許を本文で反復しないのは、簡潔の目的のためにすぎない。
本明細書においてまたは参照により本明細書に含まれる任意の文書において参照した任意の製品の、任意の製造業者による説明書、解説書、製品仕様書、および製品シートは、参照により本明細書でここに組み込まれ、本発明の実施で使用することができる。
本明細書で、「derived(導出される)」および「derived from(から導出される)」という用語が使用される場合、特定の完全体(integer)が特定の供給源から、必ずしも直接的でなく得られてもよいことを示すと解釈すべきである。
本明細書で使用される場合、単数形の「a/an(ある)」および「the(前記)」は、文脈が明らかに他を指示していない限り、複数の参照を含む。
本明細書を通じて、文脈により他の意味に解釈すべき場合を除いて、「comprise(含む)」という用語、またはその変形である「comprises」もしくは「comprising」などは、記載した完全体または完全体の群を含むことを示唆するが、その他の完全体または完全体の群を除外することは示唆しないと、理解される。
実施例またはそれ以外に指示された場合を別として、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分、反応条件の量、およびその他の量を表すすべての数は、すべての場合に「約(about)」という用語によって変更されると理解すべきである。したがって、これに反する指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲に示される数値パラメータは近似値であり、この近似値は、本発明によって得られる所望の特性に応じて変更してもよい。したがって、「約80%」は「約80%」を意味し、また「80%」も意味する。少なくとも、各々の数値パラメータは有効桁数および通常の丸め技法の観点で解釈すべきである。
本発明の広い範囲で示される数値範囲および数値パラメータは近似値であるが、特定の実施例に示される数値はできる限り正確なものとして報告される。しかしながら、任意の数値は本質的に、それぞれの試験測定で見られる標準偏差から必然的に生ずる一定の誤差を含む。
本明細書で使用する選択された用語の他の定義は、本発明の詳細な説明の中に見出され、全体に適用され得る。別途定義しない限り、本明細書で使用する他のすべての科学技術用語は、本発明が属する分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味を有する。
以下の実施例は、上記発明を使用する様式をより十分に説明するため、並びに、本発明の様々な態様を実行するために考慮された最良の形態を示すものである。これらの実施例は、決して本発明の真の範囲を限定するものではなく、むしろ例示目的のために提示することを理解されよう。
本発明のさらなる特徴を、以下の非制限的な実施例でさらに十分に説明する。本説明は、本発明を例示する目的のためだけに含まれている。これは上述した本発明の広範な説明に対する制限として理解されるべきではない。
実施例1
混合物を分離するための表面自由エネルギーの使用
被験者の手のひら側の前腕または上腕に、2つの3×3cmの正方形領域の輪郭を描き、それぞれをナイロンおよびポリプロピレンに割り当てた。一定分量の5%ビタミンE混合物を含む標準仕様の水性B.P.クリーム(Aqueous B.P. Cream)(登録商標)または5%ナイアシンアミドを含む標準仕様の水性B.P.クリームを、両方の領域に塗布してから、皮膚表面にそれぞれ該当するアプリケータで擦り込んだ。30分の吸収時間の後、水洗いで余分な混合物を各領域から取り除いた。次に、Lademannらの適応方法(テープストリッピング法−ある臨界パラメータの評価 欧州薬剤生物薬剤学会誌 72(2009)317〜323(The tape stripping procedure − evaluation of some critical parameters European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 72 (2009) 317−323))を用いて、領域にテープストリッピングを行った(領域をテープで剥ぎ取った)。
次に、有効なHPLC法を用いて、剥ぎ取ったテープのサンプルを、ビタミンEまたはナイアシンアミドについて分析した。
表2 ナイロン製アプリケータで塗布した場合のビタミンEの浸透
表3 ポリプロピレン製アプリケータで塗布した場合のビタミンEの浸透
表4 ナイロン製アプリケータで塗布した場合のナイアシンアミドの浸透
表5 ポリプロピレン製アプリケータで塗布した場合のナイアシンアミドの浸透
ナイロン製アプリケータを用いた場合、ポリプロピレン製アプリケータを用いた時よりも、かなり多いビタミンEの皮膚への浸透が見られた(図2)。ナイロンは、親水性の材料であり、水などの親水性成分を引き寄せる。このため、アプリケータのナイロンがビタミンE混合物に作用して混合物を不安定化し、また混合物の水性成分をアプリケータの方に引き寄せるので、皮膚の近くにビタミンE(親油性物質)が高い濃度で残されることになる。このため、生じた濃度勾配により、ビタミンEの浸透がより促進される。一方、ポリプロピレンは、親油性の材料であり、アプリケータとして用いると、ビタミンEなどの親油性成分を引き寄せる。皮膚から離れたアプリケータの近くで親油性成分の濃度が高いため、ビタミンE成分の浸透が低下する。
一方、ナイアシンアミドは、親水性の成分である。したがって、親水性のナイロン製アプリケータを用いると、表面から離れてアプリケータの方に成分が引き寄せられることにより、皮膚近くのナイアシンアミドの量が減少する。そして濃度が低下するため、ナイアシンアミドの皮膚への浸透が低下することになる。親油性のアプリケータを用いた場合には、親油性成分がアプリケータの方に引き寄せられ、皮膚の近くにナイアシンアミドが高い濃度で残されるため、濃度勾配により浸透が増すことになる。
実施例2
混合物を分離するための弱磁場の使用
ゲル混合物の作成方法
i) ナイアシンアミド(0.140g)を6.05mLのミリQ水に溶かす。
ii) 溶液をマイクロウェーブで8秒間加熱する。
iii) 短時間ボルテックスし、マグネチックスターラ上に放置する。
iv) ゆっくりとUltrez20(0.280g)を加え、Ultrez20の溶液への混入を促進するため時々ボルテックスする。
v) 500μLのイソプロピルアルコールを濃厚な透明ゲルに加える。
vi) 炭酸マンガン(MnCO)(0.035g)をゲルに加える。
vii) マグネチックスターラ上で撹拌しながら5日間放置する(MnCOがゆっくりとゲル中に溶解する)
viii) 残りの500μLのイソプロピルアルコールを加え、勢いよくボルテックスする。
弱磁場
PVCフィルムベース中に分散した酸化ストロンチウムを含む、位置をずらした複数の双極性磁気素子の直線状アレイであるETP008を使用した。変位させた双極性磁気素子は、450Gの磁極磁束で平行に作製した。各素子、すなわち各磁極は、1.5対/cmのピッチで位置をずらした双極性磁気素子の対を形成し、幅は2.7mmとした。対間の磁束勾配は、900Gまたは1350G/cmであった。
テープストリッピング法
被験者の手のひら側の前腕または上腕に、2つの直径2.5cmの領域の輪郭を描き、それぞれを受動(弱磁場なし)および能動(ETP008により形成された弱磁場)に割り当てた。一定分量のナイアシンアミド混合物を、両方の領域に擦らずに塗布した。磁性膜(ETP008)を5分間、能動領域上のきわめて近く(約0.5mm)に置いた。30分の吸収時間の後、水洗いで余分な混合物を各領域から取り除いてから、Lademannらの適応方法(テープストリッピング法−ある臨界パラメータの評価 欧州薬剤生物薬剤学会誌 72(2009)317〜323)を用いて、テープストリッピングを行った。
次に、有効な質量分光分析法を用いて、剥ぎ取ったテープのサンプルを、ナイアシンアミドについて分析した。
表6 能動型アプリケータで塗布した場合のナイアシンアミドの浸透
表7 弱磁場型アプリケータの存在下で塗布した場合のナイアシンアミドの浸透
弱磁場が存在することで混合物が不安定化し、常磁性の成分が皮膚から離れて弱磁場の方に引き寄せられ、また反磁性特性を持つ皮膚の成分が押し出されることにより、それぞれの層が原位置に形成される結果となった。ナイアシンアミドは、反磁性特性を有するため、弱磁場の存在により皮膚に向かって押し出される。さらに、それぞれの反磁性特性/常磁性特性による成分の濃縮により、弱磁場の発生源の近くで親油性成分の濃度が増し、皮膚に近い親水性領域の上に閉鎖性の親油性領域を形成することになる。
実施例3
混合物を分離するための機械的剪断力の使用
塗布方法
5%ナイアシンアミドを含む9.4mgの標準仕様の水性B.P.美容クリームを、被験者の前腕内側の、3つの3cm×6cmの長方形の中に塗布した。圧力を19174Pa、11465Pa、および582Paに調整したクロム製アプリケータを用いて、長方形ごとに1つの圧力を加えてクリームを30秒間擦り込んだ。30分後に、被験者は該当部分を石けん水で洗ってから乾燥させた。
塗布した長方形それぞれの中の皮膚をテープで剥ぎ取り、処置部分それぞれの直下におけるナイアシンアミドの含有量を計測した。図5に示すように、圧力582Paで最良の結果が得られた。
表8 機械的剪断力の存在下において塗布された場合のナイアシンアミドの浸透
実施例4
混合物を分離するための圧力+表面エネルギーの使用
塗布方法
5%ナイアシンアミドを含む18.8mgの標準仕様の水性B.P.美容クリームを、被験者の前腕内側の、4つの3cm×6cmの長方形の中に塗布した。圧力を19174Pa、11465Pa、および582Paに調整したポリプロピレン製アプリケータを用いて、長方形ごとに1つの圧力を加えてクリームを30秒間擦り込んだ。さらに、圧力を582Paに調整したクロム製アプリケータを用いて、4つ目の長方形の上のクリームを30秒間擦り込んだ。30分後に、被験者は該当部分を石けん水で洗ってから乾燥させた。
皮膚をテープで剥ぎ取り、処理部分それぞれの直下におけるナイアシンアミドの含有量を計測した。図6に示すように、圧力582Paかつポリプロピレン製アプリケータの場合に、クロム製アプリケータの場合よりも良い、最良の結果が得られた。
表9 機械的剪断力および表面エネルギーの存在下で塗布した場合のナイアシンアミドの浸透
結果に示すように、美容混合物の水溶性の成分を皮膚に確実に浸透させる上で、ポリプロピレン製アプリケータを582Paで用いる場合が、クロム製アプリケータを582Paで用いる場合よりも効果が高い。これは、ポリプロピレン製アプリケータの方が、金属製のアプリケータよりも表面エネルギーが低いからである。したがって、ポリプロピレン製アプリケータにより、水性成分および親水性成分(ナイアシンアミド)は反発して皮膚の中に押し込まれ、油性成分および親油性成分は引き寄せられて、金属製アプリケータよりもかなり強固に閉鎖面を形成する。
本開示の発明に関する上述の教示を踏まえると、基本的な発明の概念から逸脱することなく、本発明の様々な実施形態を実施するための上述の形態に、多くの変更および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。本発明の上述の実施形態は、単なる例示であって、いかなる形でも発明を限定するものではないと解釈すべきであり、そのような変更および変形はすべて、本発明の範囲内と見なされるものとし、その性質は上述の説明から判断されるべきである。

Claims (7)

  1. 第1の親油性成分および第2の親水性成分を有する混合物を不安定化するアプリケータ装置であって、
    a) 少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を生成する手段であって、ここで、第1の不安定化エネルギー形態が表面エネルギーの不安定化エネルギー形態であり、かつ、当該表面エネルギーの不安定化エネルギー形態が、(i)1,000〜1,200mJ/mの間にある表面エネルギーを生成し、かつ、(ii)400Pa〜12,000Paの間にある機械的剪断力としての第2の不安定化エネルギー形態を生成可能である第1の材料によって生成される、手段と、
    b) 表面エネルギーの濃縮エネルギー形態である少なくとも1つの濃縮エネルギー形態を生成する手段であって、ここで、当該表面エネルギーの濃縮エネルギー形態が、10〜100mJ/mの間にある表面エネルギーを生成する第2の材料によって生成される、手段と、
    を備え、かつ、
    c) 真皮表面に接触するためのアプリケータ表面を有しており、
    ここで、上記(a)の前記の不安定化エネルギー形態を生成する手段と、上記(b)の前記の表面エネルギーの濃縮エネルギー形態を生成する手段は、いずれも、上記(c)の前記アプリケータ表面を形成する材料である、装置。
  2. 第1の親油性成分および第2の親水性成分を有する混合物を分離する方法であって、
    a) 少なくとも2つの不安定化エネルギー形態を前記混合物に印加して、当該混合物を不安定化させるステップと、
    b) 少なくとも1つの濃縮エネルギー形態を前記混合物に印加して、第1の成分が第2の成分よりも濃縮される第1の領域、および前記第2の成分が前記第1の成分よりも濃縮される第2の領域を形成するステップと、
    を含み、
    ここで、前記不安定化エネルギー形態及び前記濃縮エネルギー形態は、請求項1に記載のアプリケータ装置によって供給される、
    方法。
  3. a) 不安定化した前記混合物の第1の親油性成分が不安定化した前記混合物の第2の親水性成分よりも濃縮される前記第1の領域は、前記濃縮エネルギー形態の発生源の近傍に位置し、かつ、前記第2の親水性成分が前記第1の親油性成分よりも濃縮される前記第2の領域は、前記混合物が塗布される前記真皮表面の近傍に位置するか;又は、
    b) 不安定化した前記混合物の第1の親油性成分が不安定化した前記混合物の第2の親水性成分よりも濃縮される前記第1の領域は、前記混合物が塗布される前記真皮表面の近傍に位置し、かつ、第2の親水性成分が第1の親油性成分よりも濃縮される前記第2の領域は、前記濃縮エネルギー形態の発生源の近傍に位置する、
    請求項1に記載のアプリケータ装置。
  4. a) 不安定化表面エネルギーを生成する第2の手段が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチルから選択される材料であり;かつ/又は、
    b) 濃縮エネルギー形態を生成する第1の手段が、銅、アルミニウム、クロムから選択される材料である、
    請求項1に記載のアプリケータ装置。
  5. a) 第3の不安定化エネルギー形態であって、当該第3の不安定化エネルギー形態が弱磁場である、形態;及び/又は、
    b) 第2の濃縮エネルギー形態であって、当該第2の濃縮エネルギー形態が弱磁場である、形態
    を含む、
    請求項1に記載のアプリケータ装置。
  6. 前記の不安定化エネルギー形態及び/又は濃縮エネルギー形態の弱磁場が、以下のパラメータ:
    a) 水平方向のオフセットが、約1〜10mm、2〜8mm、若しくは3〜7mm;及び/又は、
    b) 繰り返し率が、約1〜10個/cm、1〜6個/cm、若しくは1.5〜4個/cm;及び/又は、
    c) 特定の空間領域における磁気素子の磁極が、約1.0mm〜10mm離れているか、若しくは1.0mm〜5.0mm離れていること;及び/又は、
    d) 磁気素子の各磁極の磁束が、約0.1mT〜100mT、1mT〜約60mT、若しくは12mT〜45mTの間であること;及び/又は、
    e) 極性が逆の2つの隣接する磁極の磁束の磁束差が、約0.2mT〜200mT、20mT〜140mT、若しくは20mT〜90mTの間であること
    を有する磁性材料によって生成される、
    請求項5に記載のアプリケータ装置。
  7. 前記混合物は、分離が起きる前に、前記真皮表面に塗布される、請求項2に記載の方法。
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