JP6826855B2 - 廃棄物の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属が混在する廃棄物の焼却処理時において、廃棄物から流出する溶融した金属(以下、“溶融金属”)を回収する技術に関する。
現在使用が禁止されている有害なPCBを含有する廃棄物は、専用の焼却炉において焼却処理されることで無害化される。PCB含有廃棄物の焼却処理方法として、特許文献1にはPCB含有廃棄物を1100℃以上の温度まで加熱することで無害化する方法が開示されている。
ところで、PCBを含有する廃棄物の焼却処理温度が高い場合には、その焼却処理温度よりも融点が低い金属が廃棄物から流出することが懸念される。流出した溶融金属が廃棄物を搬送する搬送台車や炉壁、炉床に落下した場合には、溶融金属が搬送台車の鉄等の金属と化合して搬送台車を損耗させたり、炉壁や炉床に付着した溶融金属を剥がす際に炉材を損耗させるおそれがある。また、溶融金属が搬送台車の車輪やレールに固着すると、搬送トラブルを引き起こすことも考えられる。
それらの問題を未然に防ぐため、特許文献2では、搬送台車の上に籾殻を敷いて、溶融金属と搬送台車の接触を回避する方法が開示されている。特許文献2の方法では、廃棄物の焼却処理時に籾殻が焼却されてシリカ粉末となり、そのシリカ粉末の上に溶融金属を落下させるようにしている。シリカ粉末に落下した溶融金属はシリカ粉末と共に除去される。これにより、搬送台車や炉壁、炉床への溶融金属の付着を防いでいる。
特開2013−184089号公報 特開2016−8802号公報
PCBを含有する廃棄物の無害化処理を行うにあたっては、有害なPCBを適切に除去することが求められる一方で、貴重な資源の有効活用という観点からは廃棄物処理の際に流出する溶融金属を可能な限り回収することが望まれる。これはPCBを含有する廃棄物の焼却処理を行う場合に限られず、他の廃棄物の焼却処理を行う場合も同様である。しかしながら、特許文献2の方法では、溶融金属とシリカ粉末が混ざってしまい、金属だけを回収することができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、融点が1000℃以下の金属を含む廃棄物を、その金属の融点よりも高い温度で焼却処理する時に廃棄物から流出する溶融金属を回収することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、融点が1000℃以下の金属を含む廃棄物を前記金属の融点よりも高い温度で焼却処理する廃棄物の処理方法であって、前記廃棄物から流出した溶融金属を受け止める回収容器の内面を前記溶融金属の固着が抑制される固着抑制面とすると共に、前記回収容器の底部内面に該回収容器の底部内面より高い位置で前記廃棄物を支持する支持部と前記溶融金属が貯留する貯留部とが形成されるように、該回収容器の底部内面から上方に突出する前記廃棄物の支持部材を設け、前記回収容器を搬送機構に載せ、前記廃棄物を前記回収容器に載せて焼却処理をした後、前記溶融金属が前記貯留部に流出して貯留した状態のまま、前記回収容器を焼却炉の外に搬出して前記貯留部に貯留する溶融金属を回収することを特徴としている。
融点が1000℃以下の金属を含む廃棄物を、その金属の融点よりも高い温度で焼却処理する時に廃棄物から流出する溶融金属を回収することができる。
本発明の実施形態に係る焼却炉の概略構成を示す図である。 図1中のA−A断面図である。 本発明の実施形態に係る搬送台車の動作を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る搬送台車の動作を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る搬送台車の動作を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る回収容器の概略形状を示す平面図である。本図では廃棄物を二点鎖線で示している。 図6中のB−B断面図である。 図6中のC−C断面図である。本図では廃棄物の図示を省略している。 本発明の他の実施形態に係る回収容器の概略形状を示す平面図である。本図では廃棄物を二点鎖線で示している。 図9中のD−D断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施形態に係る溶融金属の回収容器1は、PCBを含有する廃棄物の焼却炉で使用されている。図1に示すように焼却炉10は、加熱処理前の廃棄物Wが待機する搬入待機室11と、廃棄物Wの加熱処理を行う処理室12と、加熱処理後の廃棄物Wが待機する搬出待機室13を備えている。搬入待機室11と処理室12の間、および、処理室12と搬出待機室13との間には開閉自在な扉14が設けられている。処理室12は、廃棄物Wを加熱する昇温部12aと、加熱された廃棄物Wの温度を保持する温度保持部12bと、廃棄物Wを冷却する冷却部12cとを有している。
処理室12の昇温部12aおよび温度保持部12bの天井部には、処理室内で発生する排ガスを排気する複数の排気管15が間隔をおいて接続されている。また、図2に示すように、処理室12の昇温部12aおよび温度保持部12bの側壁部にも複数の排気管16が間隔をおいて接続されている。排気管15および排気管16は図1に示す排気ダクト17に接続されており、各排気管15,16で排気される排ガスは、排気ダクト17を介して排ガス処理装置(不図示)に送られる。また、図2に示すように処理室12の昇温部12aおよび温度保持部12bの側壁部には、一定の間隔でバーナー18が設置されている。バーナー18のうち、温度保持部に設置されているもの(3〜8ゾーン)は、燃油とPCB汚染油を燃料として使用しており、燃油とPCB汚染油の噴霧を切り替えられる構造となっており、汚染油は炉内に吹き込んで処理できる。また、処理室12の冷却部12cの天井部および側壁部には水冷ジャケット19が設けられており、廃棄物Wは水冷ジャケット内部に配置された配管を通る水との熱交換により冷却される。
廃棄物Wの炉内の移動は図1に示す搬送台車30により行われる。搬送台車30には廃棄物Wから流出した溶融金属を回収する回収容器1が着脱自在に載せられており、廃棄物Wはその回収容器1の上に載せられた状態で搬送される。搬送台車30の炉内の移動は、搬入待機室11に設けられた台車押出装置40と搬出待機室13に設けられた台車引出装置50によって行われる。
台車押出装置40は、シリンダーロッド42が上下に伸縮するように構成されたシリンダー装置41と、シリンダーロッド42の先端部に接続されている複数のリンク44から成るリンク機構43とを備えている。リンク機構43は、シリンダーロッド42の上下動に連動してリンク機構43の先端部(搬送ラインの最も下流側に位置するリンク44の端部)が水平方向に移動するように構成されている。リンク機構43の先端部には、搬送台車30を搬入待機室11から処理室12に押し出す押出部材45が取り付けられている。また、図2に示すように搬入待機室11には、廃棄物Wを載せた搬送台車30を焼却炉内に搬入するための入口トラバーサ31が設けられている。なお、台車押出装置40のシリンダー装置41としては例えば油圧シリンダーが用いられる。また、図2では台車押出装置40の図示を省略している。
台車引出装置50は、シリンダーロッド52が上下に伸縮するように構成されたシリンダー装置51と、シリンダーロッド52の先端部に接続されている複数のリンク54から成るリンク機構53とを備えている。リンク機構53は、シリンダーロッド52の上下動に連動してリンク機構53の先端部(搬送ラインの最も上流側に位置するリンク54の端部)が水平方向に移動するように構成されている。リンク機構53の先端部には、搬送台車30を処理室12から搬出待機室13に引き出す引出部材55が取り付けられている。引出部材55には、上方に突出する突出部55aが形成されており、シリンダーロッド52の伸長時に搬送台車30の下面部に引っ掛かるような形状となっている。また、図2に示すように搬出待機室13には、廃棄物Wを載せた搬送台車30を焼却炉外に搬出するための出口トラバーサ32が設けられている。なお、台車引出装置50のシリンダー装置51としては例えば油圧シリンダーが用いられる。また、図2では台車引出装置50の図示を省略している。
上記の台車押出装置40および台車引出装置50による搬送台車30の移動は次のようにして行われる。まず、入口トラバーサ31により未処理廃棄物Wを載せた搬送台車30が図3のように搬入待機室11に搬入されると、図4のように台車押出装置40のシリンダーロッド42が伸び、シリンダーロッド42の先端部が下方に移動する。これに伴い、台車押出装置40の押出部材45は、リンク機構43により処理室側に移動し、搬送台車30に接触する。この状態で更にシリンダーロッド42が伸びることで搬送台車30が押出部材45に押し出され、搬送台車30が処理室内に搬入される。このとき、既に処理室内にある搬送台車30は、新たに処理室12に搬入された搬送台車30に押されるようにして搬送台車1台分移動することになる。このようにして搬送台車30が玉突き状態で移動することで、処理済廃棄物Wを載せた搬送台車30が処理室12から押し出されるように移動する。この段階では、処理済廃棄物Wを載せた搬送台車30の一部が扉14の下方に位置した状態にあり、扉14を閉めることができない。
続いて、台車引出装置50のシリンダーロッド52が伸び、シリンダーロッド52の先端部が下方に移動する。これに伴い、台車引出装置50の引出部材55が処理室側に移動し、引出部材55の先端に設けられた突出部55aが搬送台車30の下面に係合する。この状態でシリンダーロッド42が縮むことで、処理済廃棄物Wを載せた搬送台車30が引出部材55に引っ張られ、搬出待機室13に移動する。
その後、図5のように各扉14が閉められ、処理室内の廃棄物の焼却処理が行われる。この間に搬出待機室13に移動した搬送台車30は出口トラバーサ32によって焼却炉10から搬出される。そして、焼却炉外において、処理済廃棄物Wと未処理廃棄物Wの積み替え作業が行われ、図3のように未処理廃棄物Wを載せた搬送台車30が入口トラバーサ31により搬入待機室11に搬入される。
本実施形態の焼却炉10における搬送台車30の移動はこのようにして行われる。次に、搬送台車30に載せられる溶融金属の回収容器1について説明する。
図6〜図8に示すように本実施形態の回収容器1は、平面視において四角形状であって、底部1aと側壁1bを有し、かつ、上部が開口したような形状となっている。即ち、回収容器1は、金属製のパンのような形状であって、廃棄物Wから流出した溶融金属を受け止めることが可能な形状となっている。なお、回収容器1の形状は四角形状に限定されない。また、回収容器1の素材としては例えばSUS304が用いられるが、金属以外の他の材料であっても良い。回収容器1の素材は、廃棄物Wから流出した溶融金属により回収容器1が損傷しないような材料であれば良い。
回収容器1の底部内面には、廃棄物Wの底面を支持する支持部材2が設けられており、支持部材2は回収容器1の底部内面から上方に向けて突出するような形状を有している。これにより、図7のように回収容器1の底部内面よりも鉛直方向の上下関係において高い位置で廃棄物Wを支持する支持部1cと、廃棄物Wから流出した溶融金属を受け止めて貯留させる貯留部1dが形成される。
また、本実施形態の支持部材2として、回収容器1の内面において、対向する一方の側壁1bから他方の側壁1bまで延伸するようにして第1の支持部材2aと第2の支持部材2bが設けられている。第1の支持部材2aと第2の支持部材2bは延伸方向が互いに異なっている。第1の支持部材2aは、図6に示す平面視において縦方向が延伸方向であって、横方向に所定の間隔で3つ並ぶように配置されている。一方、第2の支持部材2bは、図6に示す平面視において横方向が延伸方向であって、縦方向に所定の間隔で6つ並ぶように配置されている。第1の支持部材2aと第2の支持部材2bとが、このように直交するように設けられていることで、回収容器1の貯留部1dが複数の領域に分割されている。換言すると、回収容器1を水平面で輪切りにした場合に、その水平面が支持部材2により複数の領域に分割された状態となっている。
支持部材2は、延伸方向に垂直な断面視において回収容器1の底部内面から先端部に向けて尖るような形状を有している。これにより、溶融金属が貯留部1dに流れやすくなり、廃棄物Wと支持部材2との間に溶融金属が溜まり難くなる。その結果、廃棄物Wと支持部材2との間で溶融金属が凝固することに起因した廃棄物Wの固着を抑制することができる。なお、本明細書における“支持部材が尖る”とは、支持部材2の先端に近づくにつれて支持部材2の水平断面の断面積が徐々に小さくなるような形状を言い、ピンの先端のように点状に尖る形状のほか、紙の端のように線状に尖る形状も含まれる。
また、回収容器1の内面には、溶融金属が回収容器1に固着することを抑制するためのコート剤が塗布されることでコート層が形成されている。溶融金属がアルミニウムである場合、コート剤としては例えばヨータイ株式会社製のCOAT-ALが用いられる。コート剤として溶融金属の回収容器1として適したものを用いた点も本実施形態の特徴点の一つである。通常の廃棄物焼却炉では、耐熱性、酸性ガスに対する耐腐食性および耐摩耗性などを考慮して長期間の連続運転に適した炉材が選定されており、溶融金属に対する耐食性は通常では考慮されていない。一方、本実施形態においては、電気炉での溶融による乾式金属製錬で用いられるコート剤を使用している。また、金属表面にコート層を設ける本実施形態の構成は、溶融金属の回収容器1の伝熱性、高温環境下での強度を担保し、作製にかかるコストを抑制するという観点でも好ましい構成である。
次に、溶融金属の回収容器1を用いた廃棄物Wの処理方法について説明する。
まず、回収容器1の内面に、溶融金属の固着を抑制するコート剤を塗布する。
続いて、搬送台車30に回収容器1を載せ、回収容器1の上に廃棄物Wを載せる。その後、廃棄物Wは図1に示す搬入待機室11に搬入される。続いて、廃棄物Wは処理室12の昇温部12aに搬送され、バーナーにより例えば850℃以上に加熱される。その後、廃棄物Wは処理室12の温度保持部12bに搬送され、例えば850〜950℃の温度域で廃棄物Wが保持される。この温度保持部12bで廃棄物Wが所定の時間保持されることで、廃棄物Wに含まれるPCBが揮発し、排ガスと共に排気管15を通ってPCBが除去される。
廃棄物Wに含まれるPCBはここで除去されることになるが、温度保持部12bは高温状態にあるため、温度保持部12bの温度よりも融点の低い金属は温度保持部12bを通過する間に溶融し、廃棄物Wから流出する。本実施形態では、温度保持部12bを850〜950℃の温度域で保持しているが、この温度はアルミニウムの融点よりも高いため、廃棄物Wにアルミニウムが含まれている場合には、廃棄物Wからアルミニウムが流出する。
一方、本実施形態においては、搬送台車30と廃棄物Wとの間に回収容器1が設けられていることから、廃棄物Wから流出した溶融金属を回収容器1で受け止めることができる。そして、回収容器1の内面においては、支持部材2により廃棄物Wを支持する支持部1cと、溶融金属が貯留する貯留部1dが分けられていることによって、廃棄物Wと支持部材2との間に溶融金属を付着することを抑えつつ、貯留部1dに溶融金属を溜めることができる。
温度保持部12bによりPCBが除去された廃棄物Wは、その後、処理室12の冷却部12cで冷却され、搬出待機室13を介して炉外に搬出される。そして、搬送台車30から廃棄物Wを降ろす作業を実施した後、回収容器1の貯留部1dに貯留する溶融金属の回収作業を行う。この段階の回収容器1の温度は、温度保持部12bで溶融した金属の融点を下回る温度となっているため、溶融金属は凝固した状態にある。回収容器1の内面にはコート剤が塗布されているため、貯留部1dに貯留する凝固した溶融金属は、鉄製のヘラ等で容易に剥がすことができる。このようにして廃棄物Wから流出した溶融金属を回収する。
また、本実施形態においては、回収容器1の支持部材2が一方向に延伸するような形状を有し、かつ、回収部材の底部内面から先端部に向けて尖るような形状を有していることにより、回収容器1から金属インゴットを剥離させやすくすることができる。また、回収容器1の内面は、第1の支持部材2aと第2の支持部材2bにより貯留部1dが分割されるように構成されているため、回収される金属インゴットの大きさを小さくすることができる。即ち、回収される金属インゴットを軽量化することができ、回収運搬作業を容易に行うことが可能となる。
また、貯留部1dが分割されていることにより、各貯留部1dには一定の厚さの溶融金属の液層が形成されやすくなっている。一定の厚さで貯留する溶融金属は、雰囲気に接する表面が限定され、液層内部の状態が安定しやすくなる。さらに、溶融金属が液層状に貯留すると、比重の差によって異なる金属が液層上部と下部に分離しやすくなる。また、貯留部1dの分割により各貯留部1dの領域が小さくなるため、廃棄物Wから落下する大型の焼却物が各貯留部1dに混入しにくくなっている。即ち、本実施形態に係る回収容器1は、液層を形成する受け皿として用いられることで、溶融金属の回収に不要なものを分離し、大型の焼却物の混入を抑制して、溶融金属の回収を効率的なものとすることができる。
回収容器1から金属インゴットを剥がして回収した後は、回収容器1に再度コート剤を塗布し、前述の手順と同様の手順により次の廃棄物Wの焼却処理を行う。
本実施形態の廃棄物Wの処理方法は以上のようにして行われる。このように本実施形態に係る溶融金属の回収容器1によれば、融点が1000℃以下の金属を含む廃棄物Wを、その金属の融点よりも高い温度で焼却処理する際に、廃棄物Wから流出する溶融金属を回収することができる。また、本実施形態においては、廃棄物Wを定置した状態とし、回収容器1も炉内の移動による動作のみとなっているために、貯留部1dに貯留した溶融金属の酸化が抑制され、純金属と同等の成分の金属を回収することが可能となっている。もし、廃棄物や貯留した溶融金属が撹拌などにより動かされる状態であると、炉内の雰囲気により溶融金属の酸化が進行してしまうので、好ましくない。
なお、本実施形態では、廃棄物Wが載せられた回収容器1の搬送機構として搬送台車30を用いたが、回収容器1の搬送機構はこれに限定されない。搬送機構に回収容器1を載せて炉内を移動できる構成であれば、ローラーコンベアやベルトコンベア等の他の搬送機構であっても良い。
また、本実施形態においては回収容器1の貯留部1dを複数の領域に分割するために、一方向に延伸する第1の支持部材2aと第2の支持部材2bとが直交するように支持部材2を設けたが、各支持部材2の形状はこれに限定されず、回収容器1に載せる廃棄物Wの数量や形状等に応じて適宜変更される。
また、本実施形態では、回収容器1の貯留部1dを複数の領域に分割するように支持部材2を設けたが、例えば図9,図10に示すように貯留部1dを分割しないような形状の支持部材2を設けても良い。図9,図10に示す例では、四角錐状の支持部材2が回収容器1の底部内面に所定の間隔をおいて配置されている。このような回収容器1であっても、廃棄物Wを支持する支持部1cと、溶融金属が貯留する貯留部1dとを分けることができる。ただし、回収運搬作業の作業性の観点からは、貯留部1dを複数に分割し、回収される金属インゴットを軽量化することが好ましい。
また、本実施形態では、支持部材2を回収容器1の底部内面から先端部に向かって尖るように形成したが、支持部材2の先端は平面であっても良い。この場合であっても、廃棄物Wを支持する支持部材2と、溶融金属が貯留する貯留部1dとを分けることができる。ただし、廃棄物Wと支持部材2との間において溶融金属の凝固による廃棄物Wの固着を抑制するためには、支持部材2の先端部が尖るように形成されていることが好ましい。
また、本実施形態では、回収容器1の内面にコート剤を塗布することでコート層を形成することとしたが、溶融金属が固着しにくい材質で回収容器1を作製すれば、コート層を有していなくても良い。また、溶融金属が固着しにくい材質で回収容器が作製されていたとしても、回収容器の内面にコート層を形成しても良い。即ち、回収容器1の内面が溶融金属の固着が抑制される面(以下、“固着抑制面”)となっていれば、溶融金属が固着しにくい材質で回収容器1が作製されることで固着抑制面が形成されていても、回収容器1の内面にコート剤が塗布されることで固着抑制面が形成されていても、本実施形態で説明したような溶融金属の回収を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明に係る溶融金属の回収容器を用い、PCBを含有する廃棄物の焼却処理を実施した。本実施例では焼却処理中に廃棄物からアルミニウムが流出する。また、廃棄物を載せる回収容器の形状は図6に示すような形状であり、回収容器の素材はSUS304である。回収容器の内面には、水2kgにヨータイ株式会社製COAT-AL2kgを混ぜたものを塗布した。そして、焼却処理後の回収容器の貯留部で凝固しているアルミニウムインゴットを回収し、その成分を分析した。なお、回収したアルミニウムインゴットの1個あたりの重量は10kg以下となっており、作業者が持ち運び可能な重量であった。
アルミニウムインゴットの成分分析は、株式会社リガク製走査型蛍光X線分析装置ZSX Primus IIを用いて行い、測定モードの中から“金属”を選択してXRF分析を実施した。本実施例では、成分分析に供する供試材として2種類のアルミニウムインゴットAとアルミニウムインゴットBを用意した。アルミニウムインゴットAは、回収容器から回収したアルミニウムインゴットの一部を切断し、XRF測定用のサンプルホルダーに収めたものである。アルミニウムインゴットBは、回収容器から回収された箔状や粒状のアルミニウムを集め、プレス機で圧縮成形してXRF測定用のサンプルホルダーに収めたものである。アルミニウムインゴットAおよびBの成分分析の結果を下記表1に示す。
Figure 0006826855
表1に示されるように、アルミニウムインゴットAは実質的に純アルミであり、非常に良い品質であると言える。また、アルミニウムインゴットBはアルミニウムインゴットAに比べ、鉄の濃度がやや高いものの、全体的に見れば、良質のアルミニウムであると言える。本実施例の結果からわかるように、本発明に係る溶融金属の回収容器を用いれば、リサイクルすることが可能な良質な品位のアルミニウムを回収することができる。
なお、支持部材を設けない回収容器を用いて廃棄物の焼却処理を実施したところ、回収容器に溜まるアルミニウムが凝固して廃棄物に固着してしまい、アルミニウムを回収することができなかった。
本発明は、PCB含有廃棄物の焼却処理に適用することができる。
1 溶融金属の回収容器
1a 回収容器の底部
1b 回収容器の側壁
1c 回収容器の支持部
1d 回収容器の貯留部
2 支持部材
2a 第1の支持部材
2b 第2の支持部材
10 焼却炉
11 搬入待機室
12 処理室
12a 昇温部
12b 温度保持部
12c 冷却部
13 搬出待機室
14 扉
15 排気管
16 排気管
17 排気ダクト
18 バーナー
19 水冷ジャケット
30 搬送台車
31 入口トラバーサ
32 出口トラバーサ
40 台車押出装置
41 シリンダー装置
42 シリンダーロッド
43 リンク機構
44 リンク
45 押出部材
50 台車引出装置
51 シリンダー装置
52 シリンダーロッド
53 リンク機構
54 リンク
55 引出部材
55a 引出部材の突出部
W 廃棄物
未処理廃棄物
処理済廃棄物

Claims (5)

  1. 融点が1000℃以下の金属を含む廃棄物を前記金属の融点よりも高い温度で焼却処理する廃棄物の処理方法であって、
    前記廃棄物から流出した溶融金属を受け止める回収容器の内面を前記溶融金属の固着が抑制される固着抑制面とすると共に、前記回収容器の底部内面に該回収容器の底部内面より高い位置で前記廃棄物を支持する支持部と前記溶融金属が貯留する貯留部とが形成されるように、該回収容器の底部内面から上方に突出する前記廃棄物の支持部材を設け、
    前記回収容器を搬送機構に載せ、
    前記廃棄物を前記回収容器に載せて焼却処理をした後、
    前記溶融金属が前記貯留部に流出して貯留した状態のまま、前記回収容器を焼却炉の外に搬出して前記貯留部に貯留する溶融金属を回収する、廃棄物の処理方法。
  2. 前記回収容器の内面に前記溶融金属の固着を抑制するコート剤を塗布することで前記固着抑制面を形成する、請求項に記載の廃棄物の処理方法。
  3. 前記支持部材を前記回収容器の底部内面から先端部に向けて尖るように形成する、請求項又はに記載された廃棄物の処理方法。
  4. 前記貯留部が複数の領域に分割されるように前記支持部材を形成する、請求項のいずれか一項に記載された廃棄物の処理方法。
  5. 前記溶融金属がアルミニウムである、請求項のいずれか一項に記載された廃棄物の処理方法。
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