JP6826801B2 - 漁礁及び漁礁の設置方法 - Google Patents
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Description
また、この漁礁は、工場や製作ヤードにおいて製作し、設置する位置まで船舶や台船等を用いて輸送するときに、本体部の下面より上方にアンカー部を仮支持し、コンクリートの本体部の下面を台船等の甲板上に当接して載置することができる。したがって、アンカー部は、先端が尖った形状等であっても安定した状態で輸送することができる。
図1は、本発明の一実施形態である漁礁が海底に設置された状態を示す概略側面図及び概略平面図である。
この漁礁1は、コンクリートで形成された本体部2と鋼からなるアンカー部3とで主要部が構成されている。そして、図1(a)に示すように複数の本体部2を積み重ねて設置されている。
なお、貫入部材12は、図2(b)に示すように下端が本体部2の下面より上方となるように引き上げた状態で、支持体13の貫通孔及び貫入部材12の下部に設けられた貫通孔にボルト16を挿通して、貫入部材12を本体部2の下面より上方に仮支持することができるものとなっている。
本体部2は、工場又は製作ヤードにおいて、型枠内に鉄筋を組み立てて未硬化のコンクリートを打設することによって製作することができる。コンクリートが硬化した後、型枠を取り外し、予め埋め込まれている埋め込み部材15にボルト14をねじ込んでアンカー部3を本体部2に取り付ける。このとき、貫入部材12は図2(b)に示すように下端が本体部2の下面より上方に仮支持しておく。この状態で台船等に載せて設置位置まで搬送する。設置位置では揚重機等を用いて漁礁を吊り上げ、この状態でアンカー部3の貫入部材12を図2(a)に示されるように本体部2の下面より下方に突き出した状態として固定する。そして、図3に示すように揚重機4等で吊り上げた漁礁をゆっくりと降下させ、海底の所定の位置に吊り降ろす。
なお、本体部2には揚重機4等によって吊り上げるための吊り金具5を取り付けておくのが望ましい。
上記重量物6はコンクリートのブロック、岩塊等であってもよいし、砂利等を袋に詰めたもの等であってもよい。また、これらの重量物6を海底の本体部2の上に落下させて衝撃を与えてもよいし、繰り返し上下動をさせてアンカー部3の貫入部材12が地盤内に貫入されるのを促進することもできる。重量物として、又は重量物とともに起振機を吊りおろし、振動を付与することもできる。
図5に示すアンカー部21は、海底の地盤内に貫入される貫入部材22がL型鋼で形成され、ボルト23によって本体部2に固定されるものである。ボルト23は本体部2に埋め込まれている埋め込み部材(図示しない)のボルト孔にねじ込まれる。埋め込み部材は、図2(c)に示す埋め込み部材15と同様のものを用いることができ、本体部2のコンクリートを打設する前に、型枠に当接するように支持しておき、打設するコンクリートに埋め込まれたものである。
貫入部材32には、円孔である貫通孔32aの他に、軸線方向に長い長孔32bが形成されている。仮支持するときには一本又は複数のボルト33で仮固定しておき、海底に設置するために本体部2を吊り上げたときに、長孔32bに挿通されたボルト33よって横方向の移動を拘束しながら下方に摺動させる。そして、図6(a)に示すように本体部2の下面より下方に突き出した状態とし、この位置で固定することできるものである。
貫入部材42は、例えば異形鉄筋として用いられるものであって、太径で外周面の凸部がネジ山となっている、いわゆる全ねじ鉄筋を用いることができる。この鉄筋を所定の長さに切断し、先端部は軸線に対して傾斜した切断面として先端を尖った状態としている。
支持体43は、上記貫入部材42である全ねじ鉄筋にねじり合わされるナット44が鋼プレート45に溶接で接合されたものであり、鋼プレート45に設けられ貫通孔に挿通したボルト46によって本体部2に固定されるものである。
このようなアンカー部材41では、設置位置まで搬送するときには、図7(b)に示すように貫入部材42がナット44にねじり合わされた状態で本体部2の下面より上方に支持される。そして、吊り上げて海底に設置する前に、貫入部材42を軸線回りに回転させ、図7(a)に示すように本体部2の下面より所定長を突き出した状態とすることができる。
この漁礁51は、鉄筋コンクリートで形成された本体部52が、ほぼ立方体の各辺に沿った位置に設けられた柱62及び梁63からなる外枠体61と、4つの柱62から立方体の中心に向って張り出し、側面形状がほぼ三角形となった鉛直板64と、鉛直板64によって立方体の高さのほぼ中位で水平に支持された中央板65とを有するものである。そして、4つの柱62のそれぞれから側方に張り出すように設けられた鋼枠54を有し、この鋼枠54の張り出した先端部にアンカー部53が設けられている。
なお、アンカー部53は、図1に示す漁礁1と同様のものを使用することができ、図5から図7までに示すアンカー部を使用することもできる。
図10(a)に示す方法では、モルタルを収容した固化材収容袋71を貫入部材82の上部に支持しておき、貫入部材82には固化材収容袋71を突き破って収容したモルタルを放出するための放出手段72を備えるものとする。放出手段72は、貫入部材82に軸線が上下方向となるように取り付けられた管部材73と、管部材73の内側に挿通された軸部材74と、軸部材74の上端部に取り付けられた突き針75とを有している。突き針75は管部材73の内径より側方に張り出した部分を有し、管部材73の上端に係止されて軸部材74が管部材73から抜け出さないようになっている。軸部材74の下端は、ほぼ水平方向の小さな板部材76が取り付けられ、海底の地盤に突き当てられたときに地盤内に貫入しにくく、上方に押し上げられるものとなっている。そして、軸部材74の下端が貫入部材82の下端より上方となるように支持され、突き針75の上方にモルタルを収容した固化材収容袋71が吊り支持される。
この方法では、モルタルを収容した固化材収容袋77を、貫入部材82の先端の下側を覆うように支持している。このように固化材収容袋77を支持して漁礁を海底に沈下させると、モルタルを収容した固化材収容袋77が最初に海底に到達し、さらに貫入部材82の先端が固化材収容袋の上から海底の地盤に接近する。したがって、貫入部材82の尖った先端がモルタルを収容した固化材収容袋77を突き破り、海底の地盤内に突き入れられるとともに、その周囲にモルタルが放出される。そして、貫入部材82がさらに海底の地盤内に押し入れられるのにともなってモルタルも地盤内に引き入れられ、地盤を固化させる。
図11に示す貫入装置90は、漁礁1を海底7に設置した後、該漁礁1の上に沈下させて繰り返し上下方向の衝撃を付与する。これによってしてアンカー部3を海底7に貫入させるものである。
この貫入装置90は、漁礁1の上面の上に載置される基板部91と、該基板部91から上方に立ち上げられた内筒部92と、該内筒部の外側に装着される外筒部93とを備えている。
上記外筒部93は、上記内筒部92の外径より内径が大きい鋼管で形成されており、上端及び下端で内側が開放されている。そして、内側に内筒部92が下側から挿入された状態で、内筒部92に対して上下方向に相対的な移動が可能で、下端は基板部91に突き当てることができるものとなっている。この外筒部93の下端部の内側には内筒部92に設けられたフランジ部96に係止される係止突起97を備えている。係止突起97は周方向に複数が設けられており、外筒部93を上方に持ち上げたときに係止突起97がフランジ部96に突き当たり、内筒部92が抜け出さないものとしている。
上記外筒部93の上部の内側には直径方向に支持梁98が固定されており、この支持梁98を介して吊り上げることができるものとなっている。
上記基板部104は、鋼板材からなるものであり、図11に示す貫入装置90と同様に中心部に貫通孔(図示しない)が設けられるとともに、この周囲から下方に突出部106が設けられている。そして、この基板部104の上面からは上記軸部102の位置を2か所で規制する2つの規制部105が立ち上げられている。規制部105は軸部102が挿通される貫通孔107を有するものであり、この貫通孔107は軸部102が上下には所定の範囲で移動を許容するとともに、水平方向には移動を規制するものとなっている。
上記リール103にはワイヤ108が巻きつけられ、一端を海面上から牽引することができるものとしている。
12:貫入部材, 13:支持体, 14:ボルト, 15:埋め込み部材, 16:ボルト,
21:アンカー部, 22:貫入部材, 23:ボルト,
31:アンカー部, 32:貫入部材, 32a:円孔, 32b:長孔, 33:ボルト,
41:アンカー部, 42:貫入部材, 43:支持体, 44:ナット, 45:鋼プレート, 46:ボルト,
51:漁礁, 52:本体部, 53:アンカー部, 54:鋼枠,
61:外枠体, 62:柱, 63:梁, 64:鉛直板, 65:中央板,
71:固化材収容袋, 72:放出手段, 73:管部材, 74:軸部材, 75:突き針, 76:板部材, 77:固化材収容袋,
81:アンカー部, 82:貫入部材
90:貫入装置, 91:基板部, 92:内筒部, 93:外筒部, 94:貫通孔,
95:突出部, 96:フランジ部, 97:係止突起, 98:支持梁, 99:ワイヤ,
100:貫入装置, 101:打撃部, 102:軸部, 103:リール, 104:基板部, 105:規制部, 106:突出部, 107:規制部に設けられた貫通孔,
108:ワイヤ
Claims (4)
- コンクリートからなる本体部と、
該本体部の下面より下方に突き出し、海底の地盤内に突き入れられる複数のアンカー部と、を有し、
前記アンカー部は、先端部が海底に突き当てられた状態で前記本体部を海底より上方に支持することができるとともに、該本体部の自重又は自重と該本体部に作用する鉛直方向の力とによって海底地盤内に貫入が可能に、前記本体部の下端付近に固定されており、
該アンカー部は、海面上において前記本体部が支持されるときには、該本体部の下面より上方に仮支持することができ、
前記本体部を吊り上げた状態で支持したときに、該本体部の下面より下方に突き出すように固定することができるものであることを特徴とする漁礁。 - 前記本体部の側面より複数の方向に突き出した複数の張り出し部を有し、
前記アンカー部は、前記張り出し部を介して前記本体部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の漁礁。 - コンクリートからなる本体部の下面より下方に突き出すように複数のアンカー部を該本体部に固定し、
該本体部を前記アンカー部とともに吊り上げ、海底まで沈下させて、前記アンカー部の先端部が海底に突き当てられた状態で前記本体部を海底より上方に支持し、
両端が開放された鋼管を、軸線を上下方向にして吊り下げ、海面上での操作により海水中で前記本体部上の所定の高さまで巻き揚げ、該本体部上に落下させる動作を繰り返して前記アンカー部を海底地盤内に貫入することを特徴とする漁礁の設置方法。 - コンクリートからなる本体部の下面より下方に突き出すように複数のアンカー部を該本体部に固定し、
該本体部を前記アンカー部とともに吊り上げ、海底まで沈下させて、前記アンカー部の先端部が海底に突き当てられた状態で前記本体部を海底より上方に支持し、
2つの多角形の厚板材からなる打撃部の中心を軸部で連結し、該軸部に固定されたリールに巻き付けられたワイヤを海面上から牽引し、前記打撃部が前記本体部上で上下動をしながら回転するときの打撃によって前記アンカー部を海底地盤内に貫入することを特徴とする漁礁の設置方法。
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