JP6826531B2 - 少なくとも1つのマニピュレータを有する投影露光装置 - Google Patents

少なくとも1つのマニピュレータを有する投影露光装置 Download PDF

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Description

本発明は、2014年11月20日出願のドイツ特許出願第10 2014 223 750.5号に対する優先権を主張するものである。この特許出願の開示全体は、引用によって本出願に組み込まれている。
本発明は、マイクロリソグラフィのための投影露光装置、及びそのような投影露光装置を制御する方法に関する。マイクロリソグラフィのための投影露光装置は、半導体構成要素の生産中に半導体ウェーハの形態にある基板上に構造を生成するように機能する。この目的のために、投影露光装置は、露光工程中にマスク構造をウェーハ上に結像するための複数の光学要素を有する投影レンズを含む。
マスク構造がウェーハ上に可能な限り精密に結像されることを確実にするために、可能な最も低い波面収差レベルのみを有する投影レンズが必要である。従って、投影レンズには、その個々の光学要素の状態を変更することによって波面収差を補正することを可能にするマニピュレータが装備される。そのような状態変化の例は、関連の光学要素の6つの剛体自由度のうちの1又は2以上における位置変化、光学要素への高温及び/又は低温の印加、及び光学要素の変形を含む。通常はこの目的で投影レンズの収差特性が規則的に測定され、適切な場合は個々の測定値の間の収差特性の変化がシミュレーションによって決定される。この点に関して、例えば、レンズ要素の加熱効果を計算に考慮することができる。「レンズ要素加熱」に対する同義語として「レンズ要素加温」、「ミラー加熱」、及び「ミラー加温」という用語を使用する。収差特性を補正するために実施されるマニピュレータ変化は、「マニピュレータ変化モデル」とも呼ぶ移動発生最適化アルゴリズムを用いて計算される。そのような最適化アルゴリズムは、例えば、WO 2010/034674 A1に記載されている。
移動(トラベル:travel)」は、光学要素の状態変数におけるその光学効果を変更する目的のための移動に沿ってマニピュレータ起動によって達成される変化を意味すると理解される。光学要素の状態変数を変更することによって定義されるそのような移動は、マニピュレータの設定値変化変数によって指定される。一例として、この操作は、光学要素の特定の方向の変位だけではなく、同じく例えば、光学要素への高温、低温、力、特定の波長を有する光、又は電流の特に局所的又は区域的な印加にあるとすることができる。一例として、変位の場合に、設定値変化変数は、網羅される経路長さ又は網羅される角度範囲を定義することができる。
従来技術で公知の移動発生最適化アルゴリズムは、多くの場合に、移動指令を確立する時の過度に長い計算時間に起因してウェーハの露光中の能動的マニピュレータ制御には不適切である。移動発生最適化アルゴリズムの計算時間は、例えば、チコノフ正則化(Tikhonov regularization)を用いて短縮することができる。しかし、それは、最適化工程の結果における精度の低下に至る可能性がある。
WO 2010/034674 A1 US 2013/0188246A1
Stephen Boyd及びLieven Vandenbergheによる教科書「凸最適化(Convex Optimization)」、Cambridge University Press、2004年の第5.5.3章 Michael Bartholomew−Biggsによる教科書「工学用途を有する非線形最適化(Nonlinear Optimization with Engineering Applications)」、Springer、2008年の第7章 Daniel Malacaraによる教科書「光学工場試験法(Optical Shop Testing)」第2版、John Wiley & Sons、Inc.出版(1992年)の第13.2.3章 H.Gross著「光学系ハンドブック(Handbook of Optical Systems)」第2巻、Wiley−VCH Verlag GmbH&Co.KGaA、ドイツ国ヴァインハイム、2005年の215ページ
本発明の目的は、上述の問題を解決し、特に、移動指令を高いクロック速度でかつ同時に高い精度で発生させることができる投影露光装置及びそのような投影露光装置を制御する方法を提供することである。
上述の目的は、例えば、マスク構造を結像するための投影レンズと、移動に沿って光学要素の特性を操作することにより、投影レンズの少なくとも1つの光学要素の光学効果を変更するように構成された少なくとも1つのマニピュレータと、少なくとも1つのマニピュレータのための移動指令を発生させるための移動確立デバイスとを含むマイクロリソグラフィのための投影露光装置を用いて本発明によって達成することができる。この場合に、移動確立デバイスは、最初に、少なくとも1つの作業変数を用いて最適化アルゴリズムを実行することにより、投影レンズの第1の状態特徴付けから第1の移動指令を発生させるように構成される。最適化アルゴリズムは、最適化の行程において作業変数の値を変更し、最適化の終了時に存在する作業変数の値を伝達値として保存するように構成される。移動確立デバイスは、第1の状態特徴付けに対して更新された投影レンズの更なる状態特徴付けから最適化アルゴリズムの繰り返し実行によって更なる移動指令を発生させ、かつこの工程において、保存された伝達値を少なくとも1つの作業変数の開始値として使用し、すなわち、保存された伝達値を最適化アルゴリズムの繰り返し実行を実施する時の少なくとも1つの作業変数の開始値として使用するように更に構成される。
本発明により、最適化の終了時に存在する作業変数の値の伝達値としての保存と、その後の最適化における最適化アルゴリズムの繰り返し実行のための保存された伝達値の少なくとも1つの作業変数の開始値としての使用とは、以前の最適化からの「知識」をその後の最適化のために使用することを可能にする。その後の最適化に必要とされる時間は、従って、作業変数をもはや完全に再計算する要求がないのでかなり短縮することができる。むしろ、伝達された値から進んで作業変数の適応化のみが、その後の最適化中に実施される。その結果、移動指令は、依然として高い精度と共に高いクロック速度で発生させることができる。最適化結果に対して達成可能な精度は、特に、作業変数が全く新しく決定される対応する最適化の結果よりも劣ることはない。
作業変数は、スカラー変数又はベクトル変数とすることができる。次に、作業変数の値は、相応にスカラー又はベクトルである。投影レンズの状態特徴付けは、少なくとも1つの状態パラメータを含む。状態パラメータは、投影レンズの結像品質を特徴付ける。状態特徴付けが複数の状態パラメータを含む場合に関して、後者は、例えば状態ベクトル
Figure 0006826531
を用いて記述することができる。
少なくとも1つのマニピュレータのための移動指令は、各場合に少なくとも1つのマニピュレータを起動するための少なくとも1つの移動を含む。マニピュレータ起動は、事前定義された移動に沿って光学要素の特性を変更することによる投影レンズ内の少なくとも1つの光学要素の光学効果の変化を意味すると理解しなければならない。複数のマニピュレータMiが設けられる場合に関して、移動指令は、好ましくは、マニピュレータの各々に対するそれぞれの移動xiを含む。この場合に、個々のマニピュレータMiに割り当てられる移動xiは、次に、移動ベクトル
Figure 0006826531
によって記述することができる。
状態ベクトル
Figure 0006826531
による状態特徴付けの記述及び移動ベクトル
Figure 0006826531
による移動指令の記述において、本発明による最適化アルゴリズムは、例えば、次式の最適化問題を解くように構成することができる。
Figure 0006826531
この場合に、
Figure 0006826531
は、マニピュレータの感度行列を表している。この行列は、マニピュレータMiの感度をその動きの自由度に関して定義する。マニピュレータMiに関して、感度行列
Figure 0006826531
は、マニピュレータMiが標準移動xi 0だけ調節された場合に投影レンズの状態ベクトル
Figure 0006826531
がどの程度変化するかを定義する。
計算式(1)に従って、最適化アルゴリズムは、
Figure 0006826531
のユークリッドノルム
Figure 0006826531
の二乗によって記述されるメリット関数の最小値を確立する。
状態発生器は、少なくとも1つの光学要素の加熱の結果として発生するこれらの光学要素の光学特性変化をシミュレートし、かつシミュレーション結果に基づいて状態特徴付けを決定するように構成されたシミュレーションデバイスを含むことができる。
作業変数は、「内部作業変数」とも呼ぶことができ、すなわち、作業変数の値は、最適化アルゴリズムによって最適化結果として出力されない。伝達値としての作業変数の値の保存は、移動確立デバイスの作業メモリ内への値の一時的バッファ格納により、又は永久メモリ内への格納によって実施することができる。メリット関数は、例えば、特定のマスク構造の露光開始前にユーザが事前定義することができる。これに代えて、移動確立デバイスはまた、例えば、結像されるマスク構造の構造タイプ及び/又は照明設定のような露光パラメータに基づいてメリット関数を発生させるメリット関数発生器を有することができる。
一実施形態により、最適化アルゴリズムは、メリット関数をメリット関数の外側で記述される少なくとも1つの制約を考慮して最適化するように構成される。そのような制約は、「明示的制約(explicit constraint)」とも呼ぶことができる。後者は、従って、WO 2010/034674 A1の45ページに(av)の下に記載されているチコノフ正則化のメリット関数に関する場合のようにメリット関数に関連して記載される黙示的制約(implicit constraint)とは異なる。この実施形態により、例えば、上述の計算式(1)の下に記載される例示的な最適化問題は、メリット関数の外側で記述される制約によって次式のように補足することができる。
Figure 0006826531
式中のiは、1と移動の個数k(k≧1)の間の値を有することができ、xiは、関連の移動を表し、ci NBは、関連の移動xiに対するそれぞれの固定限界値を表している。
更なる実施形態により、投影露光装置は、投影露光装置の作動中に投影レンズの第1の状態特徴付けと第2の更新された状態特徴付けとを与えるように構成された状態発生器を更に含む。特に、状態発生器は、投影露光装置の作動中の露光工程間に起こる露光一時停止において、同じく露光工程中に投影レンズの第1及び第2の状態特徴付けを与えるように構成される。一般的に、状態発生器は、投影レンズの状態特徴付けを与え、かつそれを投影露光装置の作動中、特に露光一時停止又は露光工程において複数回更新するように構成される。
更なる実施形態により、少なくとも1つの作業変数は、少なくとも1つのマニピュレータの移動に対する限界値を含み、限界値は、最適化工程中に複数回設定される。この点に関して、そのような作業変数は、一時的制約、すなわち、最適化工程中に一時的にしか成り立ない制約を例えば次式のように定義することができる。
Figure 0006826531
この場合に、ci tは、関連の移動xiに対する一時的限界値である。作業変数がan(nは、1と作業変数の個数lの間の値を有することができる)で表示される場合に、an=ci tである。
更なる実施形態により、最適化アルゴリズムは、少なくとも1つの制約を考慮してメリット関数を最適化するように構成され、制約は、パラメータに対する限界値を指定し、少なくとも1つの作業変数は、関連するパラメータがそれぞれの時点で限界値から最大で10%だけ、特に最大で5%だけ、又は最大で1%だけ外れているか否かに関する情報を含む。言い換えれば、作業変数は、パラメータが限界値の値に到達したか否か、又は限界値から最大で10%だけ外れているか否かを示している。この点に関して、この実施形態により、対応する値は、例えば次のように作業変数に割り振ることができる。
Figure 0006826531
である場合に、an=1、他の場合にan=0 (4)
特に、各制約の関連するパラメータがそれぞれの時点で対応する限界値から最大で10%だけ外れているか否かを示す各制約又は全ての制約の部分集合に関する情報を有するリストを形成する複数の作業変数が与えられる。
更なる実施形態により、少なくとも1つの作業変数は、Karush−Kuhn−Tucker条件の少なくとも1つのラグランジュ変数を含む。当業者は、例えば、Stephen Boyd及びLieven Vandenbergheによる教科書「凸最適化(Convex Optimization)」、Cambridge University Press、2004年の第5.5.3章からKarush−Kuhn−Tucker条件を知っている。
更なる実施形態により、少なくとも1つの作業変数は、与えられた時点で最適化アルゴリズムによって選択される最適化変数の変化方向を含む。そのような作業変数は、好ましくは、最適化値の変化方向を指定するベクトル変数
Figure 0006826531
である。最適化値は、一般的に、メリット関数である。最適化アルゴリズムが最小化問題を解くように構成される場合に、作業変数は、好ましくは、最適化値の下降方向を指定する。そのような最適化問題のメリット関数は、以前の例による移動xiによって与えられた1又は複数の作業変数に依存する値を定義する。メリット関数の値が、例えば、2つの移動xiに依存するグラフィックで表される場合に、「山脈」がもたらされ、その最小値が最適化アルゴリズムによって見出されることになる。最適化アルゴリズムの実行中に、作業変数ベクトル
Figure 0006826531
は、「山脈」上で段階的に動かされる。最適化アルゴリズムの実行中の特定の時点でこの動きが発生する方向は、対応する作業変数に格納される。言い換えれば、最小化問題の場合の作業変数は、好ましくは、与えられた時点での「山脈」上で最も急勾配な山下りの方向を指定する。当業者は、この場合に使用される最急降下法を例えばMichael Bartholomew−Biggsによる教科書「工学用途を有する非線形最適化(Nonlinear Optimization with Engineering Applications)」、Springer、2008年の第7章から知っている。
更なる実施形態により、最適化アルゴリズムは、作業変数の値を最適化の行程において反復的に変更するように構成される。
更なる実施形態により、最適化アルゴリズムは、1秒よりも短く、特に100ミリ秒よりも短く、50ミリ秒よりも短く、又は20ミリ秒よりも短い期間内に更なる移動指令を確立するように構成される。状態特徴付けの更新速度は、最適化アルゴリズムのクロック速度に相応に適応される。
更なる実施形態により、状態特徴付けは、各場合に投影レンズの結像品質を特徴付ける1組の収差パラメータを含み、更なる状態特徴付けの複数の選択された収差パラメータは、第1の状態特徴付けの対応する収差パラメータから各場合に10%未満、特に5%未満、又は1%未満しか外れないほど頻繁に更新される。収差パラメータは、特にゼルニケ(Zernike)係数である。
一実施形態変形により、選択された収差パラメータは、n≦100であるゼルニケ係数Znの群からの少なくとも2つのゼルニケ係数を含み、その割り当てゼルニケ多項式は、特にn≦81、n≦64、n≦49、n≦36、又はn≦25である奇数波(odd−wave)ゼルニケ多項式である。ここで、収差パラメータは、各場合にこれらのゼルニケ係数の中からの個々のゼルニケ係数により、又は他に記述したゼルニケ係数Znの群からの選択の線形結合によって定義することができる。一例示的実施形態により、ゼルニケ係数Znの選択は、Z2、Z3、Z7、Z8、Z10、Z11を含む。更なる例示的実施形態により、選択された収差パラメータは、ゼルニケ係数Z4を更に含む。更なる例示的実施形態により、選択された収差パラメータは、ゼルニケ係数Z2、Z3、及びZ4を含む。更なる例示的実施形態により、選択された収差パラメータは、25≦n≦100である全てのゼルニケ係数Znを含む。ゼルニケ係数は、下記の図の説明においてより詳細に説明するように、いわゆるフリンジソーティング(fringe sorting)に従って示される。
更なる実施形態により、移動確立デバイスは、露光工程中の最適化アルゴリズムの繰り返し実行によって多数の更なる移動指令を発生させ、各場合に先行の移動指令の発生中に格納された伝達値を少なくとも1つの作業変数のそれぞれの開始値として使用するように構成される。一実施形態変形により、露光工程中に発生される複数の更なる移動指令は、少なくとも50個の移動指令を含む。特に、露光工程中に発生される複数の更なる移動指令は、少なくとも200個又は少なくとも1000個の移動指令を含む。
更なる実施形態により、メリット関数の外側で記述される少なくとも1つの制約は、少なくとも1つのマニピュレータによって実施される移動に対する固定境界を含む。そのような制約に対しては、上述の計算式(2)において上述している。これに代えて、制約は、複数のマニピュレータの移動から線形モデルを用いて発生される変数を定義することができる。そのような制約は、次式のように定式化することができる。
Figure 0006826531
式中のb1からbnは、個々の移動x1からxn重み因子(weighting factors)である。移動が、透過作動する可熱板又は可熱ミラーの局所温度変化を定義する場合に、固定境界は、この局所温度変化の最大値である。
移動が、透過作動する可熱板又は可熱ミラーの加熱電力を定義する場合に、固定境界は、この加熱電力の最大値である。
移動が、変形可能レンズ要素又は変形可能ミラーとして具現化された投影レンズの光学要素のレンズ要素材料又はミラー基板における局所応力を定義する場合に、固定境界は、この局所応力の最大値である。
移動が、レンズ要素材料又はミラー基板に印加されている変形可能レンズ要素又は変形可能ミラーとして具現化された投影レンズの光学要素の力を定義する場合に、固定境界は、この力の最大値である。
移動が、レンズ要素材料又はミラー基板に印加されている変形可能レンズ要素又は変形可能ミラーとして具現化された投影レンズの光学要素のモーメントを定義する場合に、固定境界は、この局所応力の最大値である。局所応力の典型的な大きさは、5と100メガパスカルの間である。
更なる実施形態により、状態発生器は、投影レンズを用いてレチクルのマスク構造が基板上に一度結像される露光工程中に投影レンズの状態特徴付けを複数回更新するように構成される。露光工程は、特に、基板上へのレチクルのマスク構造の1回の結像に必要とされる期間、言い換えれば、視野を露光するのに必要とされる期間にわたって延びる。
上述の目的は、マスク構造を結像するために複数の光学要素を含む投影レンズを含むマイクロリソグラフィのための投影露光装置を制御する方法によって更に達成することができる。本方法は、最適化を実行することによって投影レンズの第1の状態特徴付けから第1の移動指令を発生させる段階であって、最適化の行程において、少なくとも1つの作業変数の値が変更され、最適化の終了時に存在する作業変数の値が伝達値として保存される上記発生させる段階と、光学要素のうちの少なくとも1つの光学効果を第1の移動指令によって定義される移動に沿って光学要素の特性を操作することによって変更する段階とを含む。更に、本方法は、第1の状態特徴付けに対して更新された投影レンズの更なる状態特徴付けから最適化の繰り返し実行によって更なる移動指令を発生させる段階であって、保存された伝達値が、少なくとも1つの作業変数の開始値として使用される上記発生させる段階を含む。
本方法の一実施形態により、それぞれの最適化は、メリット関数の外側で記述される少なくとも1つの制約を考慮するメリット関数の最適化によって実施される。
本方法の更なる実施形態により、少なくとも1つの作業変数は、移動に対する限界値を含み、限界値は、最適化工程中に複数回設定される。
本発明による投影露光装置の上述の実施形態、例示的実施形態、及び実施形態変形等に関して指定した特徴は、本発明による方法に相応に当て嵌めることができ、その逆も同様である。本発明による実施形態のこれら及び他の特徴は、図及び特許請求の範囲の説明に示している。個々の特徴は、本発明の実施形態として別々又は組合せのいずれにおいても実現することができる。更に、それらは、独立に保護可能である有利な実施形態を説明することができ、そのための保護は、適切な場合に本出願の係属中にのみ又はその後で主張される。
本発明の上述の及び更なる有利な特徴を以下の本発明による例示的実施形態の詳細説明において添付の概略図面を参照して例示する。
移動指令を発生させるための移動確立デバイスを含むマイクロリソグラフィのための投影露光装置の本発明による一実施形態の図である。 図1に記載の移動確立デバイスの構成及び機能の図である。
下記で説明する例示的実施形態、実施形態、又は実施形態変形において、機能的又は構造的に互いに類似の要素には、可能な限り類似の参照符号を付与している。従って、特定の例示的実施形態の個々の要素の特徴を理解するために、他の例示的実施形態の説明又は本発明の概要説明を参照されたい。
説明を容易にするために、図面内に直交xyz座標系を示しており、この座標系は、図に示す構成要素のそれぞれの位置関係を明らかにしている。図1では、y方向は作図面と垂直にその中に入り込むように延び、x方向は右に向けて延び、z方向は上方に延びる。
図1は、マイクロリソグラフィのための投影露光装置10の本発明による実施形態を示している。この実施形態は、EUV波長領域での作動、すなわち、100nmよりも短い波長、特に約13.5nm又は約6.7nmの波長を用いた作動に向けて設計される。この動作波長に起因して、全ての光学要素はミラーとして具現化される。しかし、本発明は、EUV波長領域の投影露光装置に限定されない。例えば、本発明による更なる実施形態は、例えば、365nm、248nm、又は193nmのようなUV範囲の動作波長に向けて設計される。この場合に、光学要素の少なくとも一部は、従来の透過レンズ要素として構成される。
図1に記載の投影露光装置10は、露光放射線14を発生させるための放射線源12を含む。この場合に、露光放射線源12は、EUV放射線源として具現化され、例えば、プラズマ放射線源として具現化される。露光放射線14は、最初に照明光学ユニット16を通過し、照明光学ユニット16によってマスク18上に向けられる。照明光学ユニット16は、マスク18上に入射する露光放射線14の異なる角度分布を発生させるように構成される。ユーザによって望まれる照明設定に基づいて、照明光学ユニット16は、マスク18上に入射する露光放射線14の角度分布を構成する。選択可能な照明設定の例は、いわゆる二重極照明、環状照明、及び四重極照明を含む。
マスク18は、ウェーハの形態にある基板24上に結像するためのマスク構造を有し、マスク変位台20上に変位可能に装着される。マスク18は、図1に示すように反射マスクとして具現化することができ、又はこれに代えて、特にUVリソグラフィに向けて透過マスクとして構成することができる。図1に記載の実施形態において、露光放射線14は、マスク18で反射され、その後に、マスク構造を基板24上に結像するように構成された投影レンズ22を通過する。露光放射線14は、投影レンズ22内で、この場合はミラーの形態にある複数の光学要素を用いて誘導される。基板24は、基板変位台26上に変位可能に装着される。投影露光装置10は、いわゆるスキャナ又はいわゆるステッパとして具現化することができる。
図1に記載の実施形態において、投影レンズ22は、4つの光学要素E1からE4のみを有する。全ての光学要素は可動方式で装着される。この目的のために、光学要素E1からE4の各々にそれぞれのマニピュレータM1からM4が割り当てられる。マニピュレータM1、M2、及びM3は、それぞれ割り当て光学要素E1、E2、及びE3のx方向及びy方向の変位、従って、光学要素のそれぞれの反射面が置かれる平面に対して実質的に平行な変位を可能にする。
マニピュレータM4は、y軸と平行に配置された傾斜軸28の周りの回転によって光学要素E4を傾斜させるように構成される。従って、E4の反射面の角度は、入射放射線に対して変化する。マニピュレータに対する更なる自由度が考えられる。この点に関して、例えば、関連の光学要素の光学面に対して横断方向の光学要素の変位又は反射面に対して垂直の基準軸の周りの回転を与えることができる。
一般論として、この図に示すマニピュレータM1からM4の各々は、事前定義された移動に沿った剛体移動の実施によって割り当て光学要素E1からE4の変位をもたらすために設けられる。そのような移動は、例えば、異なる方向の平行移動と、任意の方式における傾斜及び/又は回転とを組み合わせることができる。これに代えて又はこれに加えて、割り当て光学要素の状態変数の異なるタイプの変化をマニピュレータの対応する起動によって実施するように構成されたマニピュレータを設けることができる。この点に関して、起動は、例えば、光学要素に特定の温度分布又は特定の力分布を印加することによって起こすことができる。この場合に、移動は、光学要素における温度分布の変化又は変形可能要素又は変形可能ミラーとして具現化された光学要素における局所応力の印加の結果とすることができる。
投影露光装置10は、マスク変位台20及び基板変位台26を含む露光工程を制御するための中央制御デバイス30を更に含む。投影露光装置10は、マニピュレータM1からM4を制御するためのマニピュレータコントローラ34を更に含む。更に、マニピュレータコントローラ34は、状態発生器54と移動確立デバイス40とを含む。状態発生器54は、投影レンズ22の現在状態特徴付け64aを移動確立デバイス40に伝達し、移動確立デバイス40は、そこから移動指令50を発生させる。移動指令50は、移動xiを含み、図示の事例ではx1、x2、x3、及びx4を含む。これらの移動は、下記でより詳細に説明するようにマニピュレータM1からM4を制御するように機能する。
上述のように、移動確立デバイス40によって発生される移動指令50は、マニピュレータM1からM4によって実施される関連の光学要素E1からE4の状態変数の移動xiの形態にある変化を含む。確立された移動xiは、移動信号によって個々のマニピュレータM1からM4に通信され、これらの移動xiに対して実施されるそれぞれの補正移動を事前定義する。これらの補正移動は、発生した投影レンズ22の波面収差を補正するための割り当て光学要素E1からE4の対応する変位を定義する。移動xiを定義するために、移動確立デバイス40は、特に露光工程中にそれぞれ更新された状態特徴付け64aを投影レンズ22の収差パラメータの形態で状態発生器54から受信する。これらの収差パラメータは、例えば、波面を特徴付けるゼルニケ係数を含むことができる。
一実施形態により、移動確立デバイス40は、1秒未満の期間内に更新された移動xiを発生させる。一例として、移動xiは、200ミリ秒未満の期間内、更に実時間で更新することができる。1秒未満に実施される移動の更新は、例えば、各視野露光の後にマニピュレータを再調節することを可能にする。
上述したように、規則的に更新される投影レンズ22の状態特徴付け64aは、状態発生器54によって移動確立デバイス40に通信される。一実施形態により、それぞれの状態特徴付け64aは、投影レンズ22の結像品質を特徴付ける1組の収差パラメータを含む。収差パラメータは、ゼルニケ係数の形態で存在することができる。状態特徴付け64aは、更新された状態特徴付け64aの複数の選択された収差パラメータが先行の状態特徴付け64aから各々10%未満しか外れないほど頻繁に状態発生器64によって更新される。
一実施形態により、10%未満しか外れない選択された収差パラメータは、n≦100であるゼルニケ係数Znの群からの少なくとも2つのゼルニケ係数を含むことができ、その割り当てゼルニケ多項式は奇数波ゼルニケ多項式である。ここで、収差パラメータは、各場合にこれらのゼルニケ係数の中からの個々のゼルニケ係数により、又は他に各場合に記述したゼルニケ係数Znの群からの選択の線形結合によって定義することができる。
本出願では、例えば、US 2013/0188246A1の段落[0125]から[0129]に記載されているように、例えば、Daniel Malacaraによる教科書「光学工場試験法(Optical Shop Testing)」第2版、John Wiley & Sons、Inc.出版(1992年)の第13.2.3章から公知のゼルニケ関数Zm nをいわゆるフリンジソーティングに従ってZjで表示し、ここで、cjは、それぞれのゼルニケ多項式(「ゼルニケ関数」とも呼ぶ)に割り当てられたゼルニケ係数である。フリンジソーティングは、例えば、H.Gross著「光学系ハンドブック(Handbook of Optical Systems)」第2巻、Wiley−VCH Verlag GmbH&Co.KGaA、ドイツ国ヴァインハイム、2005年の215ページの表20−2に例示されている。投影レンズの像平面内の点での波面収差W(ρ,Φ)は、瞳平面内の極座標(ρ,Φ)に依存して次式のように展開される。
Figure 0006826531
ゼルニケ多項式は、Zjを用いて、すなわち、下付き添字jを用いて表示されるが、本出願の関連では、ゼルニケ係数cjを当業者の間で通例であるようにZjを用いて、すなわち、例えば、非点収差に対するZ5及びZ6のような標準位置の添字を用いて表示する。
一実施形態により、状態発生器54は、メモリ56とシミュレーションデバイス58とを有する。投影レンズ22における波面測定によって確立された収差パラメータ状態の形態にある状態特徴付け64は、メモリ56に格納される。これらの測定結果は、外部波面測定計器を用いて収集することができる。しかし、これに代えて、状態特徴付け64は、基板変位台26内に組み込まれた波面測定デバイス55によって測定することができる。例えば、そのような測定は、ウェーハの各露光の後又は完全なウェーハセットの露光の後にそれぞれ規則的に実施することができる。これに代えて、シミュレーション、又はシミュレーションと簡略測定の組合せを測定の代わりに実施することができる。
メモリ56に格納されている収差パラメータの形態にある状態特徴付け64の測定値は、適切な場合は露光工程中にシミュレーションデバイス58によってそれぞれの更新された条件に適応される。一実施形態変形により、この目的のために、現在照射強度62が中央制御デバイス30によってシミュレーションデバイス58に規則的に通信される。シミュレーションデバイス58は、そこからそれぞれの照明設定に基づいてレンズ要素加熱に起因してもたらされる収差パラメータ変化を計算する。更に、シミュレーションデバイスは、投影露光装置10の雰囲気圧をモニタする圧力センサ60から測定値を継続的に受信する。収差パラメータに対する雰囲気圧変化の効果は、シミュレーションデバイス58によって考慮される。
移動確立デバイス40の構成又は機能を図2に例示している。この移動確立デバイスは、最適化アルゴリズム42を実行するように構成される。最適化アルゴリズム42は、外部制約とも呼ぶことができるメリット関数44の外側で記述される少なくとも1つの制約46を考慮してメリット関数44を最適化するように機能する。一般的に、この最適化には複数の外部制約が考慮される。
下記では、最適化アルゴリズム42によって発生される移動指令50の移動を上記に示した個々の移動xiであるベクトル成分を有する移動ベクトル
Figure 0006826531
によって記述する。現在状態特徴付け64aを状態ベクトル
Figure 0006826531
によって記述する。一実施形態変形により、マニピュレータMi、この事例ではマニピュレータM1からM4の感度が、状態変化の場合のその自由度に関して感度行列
Figure 0006826531
を用いて記述される。この場合に、感度行列
Figure 0006826531
は、標準移動xi 0によるマニピュレータMiの調節と、得られる投影レンズ22の状態ベクトル
Figure 0006826531
の変化との間の関係を記述する。
一実施形態により、本発明による最適化アルゴリズム42は、次式の最適化問題を解くように構成される。
Figure 0006826531
Figure 0006826531
式(7)に従う最適化問題は、
Figure 0006826531
によって記述される少なくとも1つの制約46を考慮して
Figure 0006826531
によって記述されるメリット関数44を最小にするように構成される。この場合に、
Figure 0006826531
はユークリッドノルムを表し、ci NBは、関連の移動xiに対するそれぞれの固定限界値を表している。そのようなメリット関数に対する基本解に関するより詳細な情報は、例えば、WO 2010/034674 A1の特に38ページ〜45ページから得ることができる。
式(7)の下で表される最適化問題は、制約46がメリット関数44の外側で記述されることにおいて特徴付けられる。そのような制約を「明示的制約」と呼ぶ場合もある。従って、「明示的制約」は、メリット関数の関連で記述される、例えば、WO 2010/034674 A1の45ページにある(aV)の下に記載されるチコノフ正則化のメリット関数の場合等に記述される黙示的制約とは異なる。
式(7)の中に含まれる制約に代えて又はそれに加えて、制約46は、線形モデルを用いて複数のマニピュレータの移動から発生される変数を定義することができる。そのような制約は、次式のように定式化することができる。
Figure 0006826531
式中のg1からgnは、個々の移動x1からxn重み因子である。
図2に更に示すように、最適化アルゴリズム42は、最適化工程とも呼ぶ最適化の行程において、すなわち、移動指令
Figure 0006826531
を決定するための最適化アルゴリズムの実行中に特定の状態特徴付けからanによって表示される1又は複数の作業変数48を反復的に変化させ、最適化の終了時に存在する作業変数48の値を伝達メモリ49内に伝達値として格納するように構成される。伝達メモリ49は、移動確立デバイス40の一部であり、例えば、作業メモリ又は永久メモリとすることができる。作業変数anのパラメータnは、作業変数の連番を表し、1と作業変数の合計数lとの間の値を有することができる。
そのような作業変数は、少なくとも1つのマニピュレータの移動に対する限界値を含むことができ、この限界値は、最適化工程中に複数回設定される。この点に関して、1又は複数のそのような作業変数は、1又は複数の一時的制約、すなわち、最適化工程中に一時的にしか成り立たない制約を例えば次式のように定義することができる。
Figure 0006826531
ここで、作業変数は、ci tによって定義され、それによって関連の移動xiに対する一時的限界値が指定される。
一実施形態変形により、作業変数anは、これに加えて又はこれに代えて、対応する時点で関連のパラメータxiが、式(7)に従って制約46によって定義される限界値ci NBから最大で10%だけ外れているか否かに関する情報を含むことができる。言い換えれば、対応する作業変数anは、パラメータが限界値の値に到達したか否か、又は限界値から最大で10%だけ外れているか否かを指定する。作業変数anには、次に、値1又は値0を次のように割り振ることができる。
Figure 0006826531
である場合にan=1、他の場合にan=0 (10)
更なる実施形態変形により、作業変数anは、これに加えて又はこれに代えて、Karush−Kuhn−Tucker条件の少なくとも1つのラグランジュ変数を含むことができる。
更に、作業変数anは、これに加えて又はこれに代えて、与えられた時点で最適化アルゴリズムによって選択される最適化変数の変化方向を含むことができる。そのような作業変数anは、好ましくは、最適化変数の変化方向を指定するベクトル変数
Figure 0006826531
である。式(7)の下で指定される最適化問題では、最適化変数は、最小にされるメリット関数
Figure 0006826531
である。変化方向を指定する作業変数
Figure 0006826531
は、メリット関数の下降方向を指定する。メリット関数の値が、例えば、2つの移動xiに依存するグラフィックで表される場合に、「山脈」がもたらされ、その最小値が最適化アルゴリズムによって見出されることになる。最適化アルゴリズムの実行中に、作業変数のベクトル
Figure 0006826531
は、「山脈」上で段階的に動かされる。最適化アルゴリズムの実行中の特定の時点でこの動きが発生する方向は、対応する作業変数
Figure 0006826531
に格納される。言い換えれば、最小化問題の場合の対応する作業変数
Figure 0006826531
は、好ましくは、与えられた時点で「山脈」上で最も急勾配な山下りの方向を指定する。
既に上述したように、最適化工程の終了時に存在する1又は複数の作業変数48の値は、伝達メモリ49内に伝達値として格納される。次いで、状態特徴付け64aの更新された値が読み込まれ、この更新された状態特徴付け64aに基づいて更なる最適化が実施される。この場合に、最適化アルゴリズム42は、作業変数48に対して伝達メモリ49に格納された1又は複数の値を使用する。
言い換えれば、次いで実施される最適化工程において、作業変数48は、再び標準値にリセットされることはなく、先行の最適化工程から引き継がれる。すなわち、次いで実施される最適化は、先行の最適化工程からの「知識」を使用し、その結果、最適化を実施するのに必要とされる期間を有意に短縮することができる。言い換えれば、作業変数48の値の伝達により、移動指令50を与える時のより高いクロック速度が、精度を失うことなく可能になる。
好ましくは、クロック速度は、最適化結果が、最適化工程毎に作業変数の伝達値がそれぞれのその後の最適化工程に対して十分な妥当性を有するような小さい程度までしか変化しないような大きさで選択される。作業変数は、その後の最適化工程の終了時に存在する作業変数の値が伝達された値からわずかしか異ならない場合に十分な妥当性を有する。
上述の例示的実施形態の説明は、一例であると理解しなければならない。それによって達成される開示は、第1に、当業者が本発明及びそれに関連付けられた利点を理解することを可能にし、第2に、当業者の理解において同じく明らかである記述した構造及び方法の変更及び修正を包含する。従って、全てのそのような変形及び修正は、それらが添付の特許請求の範囲及び均等物における定義に従う本発明の範囲に収まる限り、特許請求の範囲の保護によって網羅されるように意図している。
参照符号のリスト
10 投影露光装置
12 露光放射線源
14 露光放射線
16 照明系
18 マスク
20 マスク変位台
22 投影レンズ
24 基板
26 基板変位台
28 傾斜軸
30 中央制御デバイス
34 マニピュレータコントローラ
40 移動確立デバイス
42 最適化アルゴリズム
44 メリット関数
46 制約
48 作業変数
49 伝達メモリ
50 移動指令
54 状態発生器
55 波面測定デバイス
56 メモリ
58 シミュレーションデバイス
60 圧力センサ
62 現在照射強度
64 状態特徴付け
64a 現在状態特徴付け
x1からx4 移動
E1からE4 光学要素
M1からM4 マニピュレータ
40 移動確立デバイス
42 最適化アルゴリズム
46 制約
49 伝達メモリ
50 移動指令

Claims (13)

  1. マイクロリソグラフィのための投影露光装置であって、
    マスク構造を結像するための投影レンズと、
    前記投影レンズの少なくとも1つの光学要素の光学効果を移動(トラベル:travel)に沿って該光学要素の特性を操作することによって変更するように構成された少なくとも1つのマニピュレータと、
    前記少なくとも1つのマニピュレータのための移動指令を発生させるための移動確立デバイスと、
    を含み、
    前記移動確立デバイスは、少なくとも1つの内部作業変数を用いて最適化アルゴリズムを実行することにより、最初に前記投影レンズの第1の状態特徴付けから第1の移動指令を発生させるように構成され、該最適化アルゴリズムは、該投影レンズの波面収差のレベルを低くするように構成され、該内部作業変数は、該最適化アルゴリズムにより該第1の移動指令として出力される最適化結果とは異なり、
    前記最適化アルゴリズムは、前記最適化の行程において前記内部作業変数の値を変更し、かつ該最適化の終了時に存在する該内部作業変数の該値を伝達値として保存するように構成され、
    前記移動確立デバイスは、前記最適化アルゴリズムの繰り返し実行により、前記第1の状態特徴付けに対して更新された前記投影レンズの更なる状態特徴付けから更なる移動指令を発生させ、そして、該最適化アルゴリズムの該繰り返し実行を行うときに、前記保存された伝達値を前記少なくとも1つの内部作業変数の開始値として使用するように更に構成され、
    前記少なくとも1つの内部作業変数は、
    i)前記少なくとも1つのマニピュレータの前記移動に対する限界値であって、該限界値は、前記最適化アルゴリズムの実行中に複数回設定される、該限界値と、
    ii)関連するパラメータがそれぞれの時点で限界値から最大で10%だけ外れているか否かに関する情報であって、前記最適化アルゴリズムは、該関連するパラメータに対する該限界値を指定する少なくとも1つの制約を考慮してメリット関数を最適化するように構成される、該情報と、
    iii)Karush−Kuhn−Tucker条件の少なくとも1つのラグランジュ変数と、
    iv)与えられた時点で前記最適化アルゴリズムによって選択される最適化変数の変化方向と
    からなる一群の中からの少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする投影露光装置。
  2. 前記最適化アルゴリズムは、メリット関数を該メリット関数の外側で記述される少なくとも1つの制約を考慮して最適化するように構成され、ここにおいて少なくとも1つの制約が、該メリット関数において用いられるパラメータに関する固定限界値を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の投影露光装置。
  3. 投影露光装置の作動中に前記投影レンズの前記第1の状態特徴付けと前記更なる、更新された状態特徴付けとを与えるように構成された状態発生器を更に含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投影露光装置。
  4. 前記最適化アルゴリズムは、前記最適化の前記行程において前記内部作業変数の前記値を反復的に変更するように構成される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の投影露光装置。
  5. 前記最適化アルゴリズムは、1秒よりも短い期間内に前記更なる移動指令を確立するように構成される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の投影露光装置。
  6. 前記状態特徴付けは、各場合に、前記投影レンズの結像品質を特徴付ける1組の収差パラメータを含み、該状態特徴付けは、前記更なる状態特徴付けの複数の選択された収差パラメータが、前記第1の状態特徴付けの対応する該収差パラメータから各場合に10%未満だけしか外れないほど頻繁に更新される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の投影露光装置。
  7. 前記選択された収差パラメータは、その割り当てられたゼルニケ多項式が奇ゼルニケ多項式であるn≦100のゼルニケ係数Znの群からの少なくとも2つのゼルニケ係数を含む、
    ことを特徴とする請求項に記載の投影露光装置。
  8. 前記移動確立デバイスは、露光工程中の前記最適化アルゴリズムの繰り返し実行によって多数の更なる移動指令を発生させ、かつ先行の移動指令の該発生中に格納された前記伝達値をここで前記少なくとも1つの内部作業変数のそれぞれの開始値として各場合に使用するように構成される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の投影露光装置。
  9. 前記露光工程中に発生される前記多数の更なる移動指令は、少なくとも50個の移動指令を含む、
    ことを特徴とする請求項に記載の投影露光装置。
  10. 前記メリット関数の外側で記述される前記少なくとも1つの制約は、前記少なくとも1つのマニピュレータによって実行される前記移動に対する固定境界を含む、
    ことを特徴とする請求項2から請求項のいずれか1項に記載の投影露光装置。
  11. 前記状態発生器は、レチクルの前記マスク構造が前記投影レンズを用いて基板の上に一度結像される露光工程中に該投影レンズの前記状態特徴付けを複数回更新するように構成される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の投影露光装置。
  12. 複数の光学要素を含んでマスク構造を結像するための投影レンズを含むマイクロリソグラフィのための投影露光装置を制御する方法であって、
    前記投影レンズの波面収差のレベルを低くするように最適化を実行することによって前記投影レンズの第1の状態特徴付けから第1の移動(トラベル:travel)指令を発生させる段階であって、該最適化の行程において、少なくとも1つの内部作業変数の値が変更され、該最適化の終了時に存在する該内部作業変数の該値が伝達値として保存される前記発生させる段階であって、該内部作業変数は、該最適化アルゴリズムにより該第1の移動指令として出力される最適化結果とは異なる段階と、
    前記第1の移動指令によって定義された移動に沿って前記光学要素の特性を操作することにより、該光学要素のうちの少なくとも1つの光学効果を変更する段階と、
    前記最適化の繰り返し実行により、前記第1の状態特徴付けに対して更新された前記投影レンズの更なる状態特徴付けから更なる移動指令を発生させる段階であって、前記保存された伝達値が前記少なくとも1つの内部作業変数の開始値として使用される前記発生させる段階と、
    を含み、
    前記少なくとも1つの内部作業変数は、
    i)前記少なくとも1つのマニピュレータの前記移動に対する限界値であって、該限界値は、前記最適化アルゴリズムの実行中に複数回設定される、該限界値と、
    ii)関連するパラメータがそれぞれの時点で限界値から最大で10%だけ外れているか否かに関する情報であって、前記最適化アルゴリズムは、該関連するパラメータに対する該限界値を指定する少なくとも1つの制約を考慮してメリット関数を最適化するように構成される、該情報と、
    iii)Karush−Kuhn−Tucker条件の少なくとも1つのラグランジュ変数と、
    iv)与えられた時点で前記最適化アルゴリズムによって選択される最適化変数の変化方向と
    からなる一群の中からの少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする方法。
  13. それぞれの前記最適化は、メリット関数の該メリット関数の外側で記述される少なくとも1つの制約を考慮する最適化によって実施され、ここにおいて少なくとも1つの制約が、該メリット関数において用いられるパラメータに関する固定限界値を含む、
    ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
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