以下に説明する第1の実施形態、第2の実施形態、及び第3の実施形態において、変動表示と可変表示は同じ意味で用いられている。また、変動対応表示とアクティブ表示も同じ意味で用いられている。
(第1の実施形態)
(実施例1)
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示、変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面の上部におけるメイン領域5HDには、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面の左下には、保留領域5HAが配置されている。保留領域5HAでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図および第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、保留領域5HAに表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数および合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
保留領域5HAとともに、あるいは保留領域5HAに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、保留領域5HAとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の画面の右下には、アクティブ・キャラクタ領域5HBが配置される。アクティブ・キャラクタ領域5HBには、実行中の可変表示に対応する表示と、後述するキャラクタ演出等の実行を行うキャラクタの表示とが行われる。実行中の可変表示に対応する表示は、アクティブ表示(可変表示対応表示、消化時表示あるいは今回表示などともいう)と称する。アクティブ・キャラクタ領域5HBでは、例えば第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、保留領域5HAにて消去(消化)された保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。また、アクティブ・キャラクタ領域5HBでは、例えば第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、保留領域5HAにて消去(消化)された保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。
画像表示装置5の画面の中央下部であって、保留領域5HAとアクティブ・キャラクタ領域5HBとの間には、Vコン領域5HCが配置される。Vコン領域5HCには、後述するスティックコントローラ31Aを模した表示が行われる。
画像表示装置5の表示領域における所定縁部の近傍(ここでは、右側近傍)には、可動演出部材60が設けられている。可動演出部材60は、図2に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、画像表示装置5側に下端部を支点として図1の左側に向かって傾動し、上端部が画像表示装置5における表示領域の前面に進出する演出用模型(演出用役物装置)を構成する。すなわち、可動演出部材60は、図2に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、上下方向に延在する非傾動状態と、上記した傾動状態とに、変化可能である。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられており、当該普通入賞球装置6Aの右側には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)31Cが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35A(図2参照)が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31B(図2参照)が設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態またはオフ状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8Rおよび遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容の制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれてもよい。
図3は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの一例を示す図である。コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、後述する使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動コマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ120は、コマンド80XX(H)を受信すると、画像表示装置5において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8A01(H)は、第1始動入賞口へ遊技球が進入したときに、その旨を通知するための演出制御コマンド(第1始動入賞口指定コマンド)である。コマンド8A02(H)は、第2始動入賞口へ遊技球が進入したときに、その旨を通知するための演出制御コマンド(第2始動入賞口指定コマンド)である。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドであり、入賞時判定結果として、大当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ120は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。コマンド8C01(H)(表示結果1指定コマンド)は、ハズレを指定する。コマンド8C02(H)(表示結果2指定コマンド)は、15R大当り且つ確変を指定する。コマンド8C03(H)(表示結果3指定コマンド)は、15R大当り且つ非確変を指定する。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動開始指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動開始指定コマンド)である。第1図柄変動開始指定コマンドと第2図柄変動開始指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動開始指定コマンド)と総称することがある。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動表示)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき(初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたとき(再開時の初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、15ラウンド大当りの場合のファンファーレの開始(大当り遊技状態の開始)を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。
大当り遊技状態は、最初にファンファーレが実行され、その後に大入賞口である特別可変入賞球装置7の開放等(ラウンド遊技など)が行われる大当り遊技状態のメインとなる大当り遊技が実行され、大当り遊技のあとにエンディングが実行される。ファンファーレは、大当り遊技状態が開始されたこと、すなわち、大当り遊技がこれから開始されることを報知または示唆する演出である。エンディングは、大当り遊技状態が終了すること、すなわち、大当り遊技が終了したことを報知する演出である。
コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の開放を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A3XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の閉鎖を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA601(H)は、エンディングの開始を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短(有利)状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)は、時短(有利)状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短(有利)状態の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した合計保留記憶数を指定する演出制御コマンド(合計保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合計保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。
コマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドであり、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、変動パターンコマンドと同様、後述する使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応するコマンドがある。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120が演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120が演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して画像データを伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。更に、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。更に、演出制御基板12には、可動演出部材60を動作させる可動演出部材用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路16に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、各種の指令を生成する。例えば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5が表示すべき内容を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定し、画像データを生成する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123内には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路16へと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させる。また、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたり、モータ駆動回路16を介して可動演出部材用モータ61を駆動して可動演出部材60を動かす。このようにして、遊技の盛り上げるための演出など)が実行される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な価値が付与される特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、第1有利状態と第2有利状態とがあり、例えば、平均的な可変表示時間が異なる。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態および確変状態となる。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、高開放制御が行われる時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」などともいわれる。確変状態および時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態および確変状態のいずれかにならない通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーB、スーパーCといったリーチ演出が予め設定されている。スーパーA〜Cのリーチ演出は、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。以下では、スーパーA〜Cのリーチ演出を、スーパーリーチA〜Cといい、ノーマルのリーチ演出をノーマルリーチということがある。
スーパーリーチA〜Cは、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。スーパーリーチA〜Cでは、例えば、戦うキャラクタが異なるようにして、スーパーリーチA〜Cそれぞれを異なる演出態様とすればよい。スーパーAまたはBでは、所定のキャラクタが戦いに勝つと、可変表示結果が「大当り」となり、所定のキャラクタが戦いに負けると、可変表示結果が「ハズレ」となる。スーパーリーチCが実行された場合には、スーパーリーチCの実行後にスーパーリーチAが実行されることがある(スーパーリーチAに発展することがある)。スーパーリーチCが実行されたがスーパーリーチAに発展がない場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに負ける場合)には可変表示結果は「ハズレ」となる。一方で、スーパーリーチAに発展した場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに勝つ場合)には、可変表示結果は「大当り」になる可能性がある。
どのリーチ演出が実行されたかに応じて、その可変表示の可変表示結果が「大当り」(本実施形態では、大当り種別が「非確変」または「確変」である「大当り」)となる可能性(大当り期待度)が変化する。例えば、ノーマルリーチが実行された場合よりも、スーパーリーチAまたはBが実行された場合の方が大当り期待度は高くなる。また、スーパーリーチのうちでも、スーパーリーチA(スーパーリーチCから発展した場合も含む)が実行された場合には、スーパーリーチBが実行された場合よりも、大当り期待度が高くなる。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。 主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図6参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」または「確変」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定が、送信する演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM101にコマンド毎に設定されている。)のROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する(例えば、RAM102に設けられた送信コマンドバッファに記憶アドレスの値などを格納する)ことなどによって行われ、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値(例えば、ROM101における記憶アドレスなどを示す値)などによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンド(送信設定された演出制御コマンド)の伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図5は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値であったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図7(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図7(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。
図7(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図7(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時判定処理を行う(ステップS211)。始動入賞時判定処理は、所謂先読みのための処理である。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図4のステップS110、図9)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図4のステップS111、図11)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。
他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211の入賞時判定処理を実行することにより、今回の始動入賞によって実行される特図ゲームの特図表示結果が「大当り」となるか否かの判定や、今回の始動入賞によって実行される飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様などとなることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、保留表示の色やアクティブ表示の色を変化させる演出(変化演出)を実行するか否かを、決定することができる。この実施形態では、保留表示やアクティブ表示の初期の色は白であり、変化演出が実行されることにより、青、緑、赤に変化し得る。また、色には大当り期待度に応じた段階があり、下位から上位に白、青、緑、赤の順となっている。また、変化演出の実行期間は、一度の可変表示の期間内に収まるように設定されている。具体的には、遊技状態が時短(有利)状態や、特図保留記憶数(保留数)が所定数以上であることに応じて可変表示の期間が短縮される状態(短縮変動)であって、一度の可変表示の期間が短縮される場合においても、変化演出の実行期間は、一度の可変表示の期間内に収まるように設定されている。
図8は、始動入賞時判定処理の一例を示すフローチャートである。CPU103は、まず、例えばRAM102に所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンになるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオンになるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された複数の特図表示結果決定テーブルのうちから、現在の遊技状態に対応して用意されたテーブルを選択して使用テーブルにセットする(ステップS402)。特図表示結果決定テーブルは、遊技状態が確変状態であるかなどに応じて複数用意されている。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図10(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
例えば、特図表示結果決定テーブルとして、非確変状態および確変状態に対応する特図表示結果決定テーブル(図10(A)参照)が用意されている。CPU103は、このテーブルのうち、現在の遊技状態に対応したテーブルをROM101からRAM102に読み出すなどして当該テーブルを使用テーブルにセットする。
その後、CPU103は、図5のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理でセットされた使用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定することにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、CPU103は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた表示結果指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「ハズレ」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS405)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、CPU103は、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを参照する。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図10(B)に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられている大当り種別を今回の判定結果とする。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた表示結果指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「確変」または「非確変」の「大当り」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる(ステップS410)。
ステップS405、S410の処理のいずれかを実行した後には、CPU103は、変動カテゴリコマンド(始動入賞時の判定結果のうちの変動カテゴリを指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS413)。
ステップS413の後、CPU103は、始動入賞口指定コマンドの送信設定を行う(ステップS414)。ここでの第1始動入賞口指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2始動入賞口指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。ステップS414の後、入賞時判定処理は終了する。
再び、図5に戻って説明する。その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図4に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」または「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図9は、特別図柄通常処理として、図4のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図5に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図10(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、確変状態における確変制御の有無(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて割り当てられていればよい。CPU103は、ステップS232またはS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態である場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変制御有りの場合)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(確変制御無しの場合)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図10(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図4に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたに示す大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)に応じて、大当り種別を複数種類(「確変」、「非確変」)のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい(図10(B)参照)。CPU103は、ステップS232またはS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別の決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。例えば、乱数値MR2が「75」である場合、CPU103は、「確変」を大当り種別として決定(選択)する。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図10(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS241〜S243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図4のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。更に、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図11は、変動パターン設定処理として、図4のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、CPU103は、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図12は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」を指定する変動パターンとして、通常時(非時短時)用の変動パターンPA1−1からPA1−3と、時短時用の変動パターンPB1−1およびPB1−2とが用意されている。
また、可変表示結果が「大当り」(大当り種別が「確変」または「非確変」の「大当り」)になる場合と「ハズレ」になる場合とで内容が対応する変動パターンが用意されている。具体的には、ノーマルリーチを実行することを指定する変動パターンPA2−1(ハズレ用)および変動パターンPA3−1(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチAを実行することを指定する変動パターンPA2−2(ハズレ用)および変動パターンPA3−2(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチBを実行することを指定する変動パターンPA2−3(ハズレ用)および変動パターンPA3−3(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチCを実行し、その後にスーパーリーチAに発展することを指定する変動パターンPA2−4(ハズレ用)および変動パターンPA3−4(「大当り」)が用意されている。
図11に示すステップS262の処理では、例えば図13に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が、「非確変」または「確変」のいずれの場合も共通して、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、変動パターンPA3−3を選択する。
図11に示すステップS265の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、時短中でない場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図14(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中(時短フラグがオン状態のとき)には、図14(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。
各ハズレ変動パターン決定テーブルでは、第1特図保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が変動パターンの決定結果に割り当てられ、第2特図保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。なお、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値が変動パターンの決定結果に割り当てられる代わりに、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値が変動パターンの決定結果に割り当てられていてもよい。合計保留記憶数は、例えば、合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値、第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値との合計値などから特定すればよい。
CPU103は、時短中であるか否かと、合計保留記憶数カウント値と、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、に基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、合計保留記憶数が、時短中でないときには「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれに該当するか、時短中のときには「0」、「1」、「2」〜「8」のいずれに該当するか、に応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
CPU103は、例えば、時短フラグがオン状態のときで乱数値MR3が「229」である場合、CPU103は、合計保留記憶数カウント値が「0」のときには変動パターンPA2−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「1」のときには変動パターンPB1−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「3」〜「8」のいずれかのときには変動パターンPB1−2を選択する。
図11に示すステップS262、S265の処理のいずれかを実行した後には、CPU103は、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図12に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、CPU103は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1図柄変動開始指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、第1保留記憶数指定コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2図柄変動開始指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、第2保留記憶数指定コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ここでの第1図柄変動開始指定コマンドや第2図柄変動開始指定コマンドは、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが減少したかを指定する保留通知情報として送信される。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図4のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する演出制御コマンドである図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。送信設定された図柄確定指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
図4のステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する処理や、大当りフラグがオン状態である場合に時短フラグおよび確変フラグをオフ状態にし、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、時短制御中に実行される可変表示の残り回数をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にし、大当り開始時演出待ち時間(大当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新する処理が含まれる。また、特別図柄停止処理には、大当りフラグがオン状態でない場合、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する処理が含まれる。
送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦時短状態や確変状態が終了し、ハズレ時には、時短中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。時短中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、時短フラグがオフになり時短状態が終了する。つまり、時短状態(時短制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(下記の初期カウント値)だけ可変表示が実行された場合に終了する。また、遊技状態の変更があった場合には、変更後の遊技状態の通知が演出制御基板12側になされる。
図4のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと、ラウンド遊技の開始タイミングになったこと(例えば、上記で設定された大当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかに対応して(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。ステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機および大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(または一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理や、閉鎖状態に戻してからの経過時間の測定を開始する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。ステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS114からS116までが繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
時短状態(時短制御)は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されることとのうち、次回の大当り遊技状態が開始されるのみで終了するようにしてもよい。この場合、カウント初期値の設定や、時短回数カウンタ自体が不要である。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。 演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図15は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す演出制御プロセス処理では、まず、演出制御用CPU120は、入賞時処理を行う(ステップS160)。その後、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”)に応じて、演出プロセスフラグの値が“0”である場合には可変表示開始待ち処理(ステップS170)、“1”である場合には可変表示開始設定処理(ステップS171)、“2”である場合には可変表示中演出処理(ステップS172)、“3”である場合には特図当り待ち処理(ステップS173)、“4”である場合には大入賞口通常開放時処理(ステップS174)、“5”である場合にはエンディング演出処理(ステップS175)のいずれかを選択して実行する。
まず、ステップS160の入賞時処理について説明する。図16は、図15のステップS160にて実行される入賞時処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、まず、演出制御用CPU120は、主基板11における図8の始動入賞時判定処理で送信されるコマンド(入賞時のコマンド)が入力されたか否かを判定する(ステップS600)。
ここで、入賞時のコマンドとは、図3に示すコマンドのうち、始動入賞口指定コマンド(第1始動入賞口指定コマンドおよび第2始動入賞口指定コマンドのいずれか)と、表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド、表示結果2指定コマンドおよび表示結果3指定コマンドのいずれか)と、変動カテゴリコマンドとである。演出制御用CPU120は、始動入賞口指定コマンドにより始動入賞を認識することができる、また、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドにより、始動入賞に対応する入賞時判定結果が大当りであるかハズレであるかを認識することができる。また、演出制御用CPU120は、変動カテゴリコマンドにより始動入賞に対応する可変表示の変動パターン(スーパーリーチであるか否か等)を認識することができる。
入賞時のコマンドが入力されていない場合には(ステップS600;No)、入賞時処理は終了する。一方、入賞時のコマンドが入力された場合には(ステップS600;Yes)、演出制御用CPU120は、ステップS600において入力されたと判定された入賞時のコマンドに対応する新たな保留が何番目であるかを示す保留順位と、ステップS600において入力されたと判定された変動カテゴリコマンドが示す変動パターンとに応じて、新たな保留についての色の変化の態様を示す色変化パターンを決定する(ステップS601)。
図17〜図19は、保留順位および変動パターンに応じた色変化パターンの選択割合の一例を示す図である。図17(A)は、保留順位が1の場合の変動パターンに応じた色変化パターンの選択割合である。保留順位が1の場合には、対応する保留についての可変表示が実行されてアクティブ表示が行われるタイミングで当該アクティブ表示が初期の色である白から青、緑、赤のいずれかに変化する色変化パターン(C1−1〜C1−3)と、変化なしの場合との選択割合が設定されている。例えば、色変化パターンC1−2は、対応する保留についての可変表示が実行されてアクティブ表示が行われるタイミングでアクティブ表示が白から緑に変化する色変化パターンである。
図17(B)は、保留順位が2の場合の変動パターンに応じた色変化パターンの選択割合である。保留順位が2の場合には、対応する保留の保留順位が1となるタイミングの保留表示と、対応する保留についての可変表示が実行されてアクティブ表示が行われるタイミングの当該アクティブ表示との少なくともいずれかが青、緑、赤のいずれかに変化する色変化パターン(C2−1〜C2−9)と、変化なしの場合との選択割合が設定されている。例えば、色変化パターンC2−2は、対応する保留の保留順位が1となるタイミングで保留表示が白のままであり、対応する保留についての可変表示が実行されてアクティブ表示が行われるタイミングでアクティブ表示が白から緑に変化する(色変化のタイミングとなる)色変化パターンである。
図18は、保留順位が3の場合の変動パターンに応じた色変化パターンの選択割合である。保留順位が3の場合には、対応する保留の保留順位が2となるタイミングの保留表示と、対応する保留の保留順位が1となるタイミングの保留表示と、対応する保留についての可変表示が実行されてアクティブ表示が行われるタイミングの当該アクティブ表示との少なくともいずれかが青、緑、赤のいずれかに変化する色変化パターン(C3−1〜C3−19)と、変化なしの場合との選択割合が設定されている。例えば、色変化パターンC3−8は、対応する保留の保留順位が2となるタイミングで保留表示が白のままであり、対応する保留の保留順位が1となるタイミングで保留表示が白から緑に変化し(色変化のタイミングとなる)、対応する保留についての可変表示が実行されてアクティブ表示が行われるタイミングでアクティブ表示が緑から赤に変化する(色変化のタイミングとなる)色変化パターンである。
図19は、保留順位が4以上の場合の変動パターンに応じた色変化パターンの選択割合である。保留順位が4の場合には、対応する保留の保留順位が3となるタイミングの保留表示と、対応する保留の保留順位が2となるタイミングの保留表示と、対応する保留の保留順位が1となるタイミングの保留表示と、対応する保留についての可変表示が実行されてアクティブ表示が行われるタイミングの当該アクティブ表示との少なくともいずれかが青、緑、赤のいずれかに変化する色変化パターン(C4−1〜C4−34)と、色が初期の色である白のままで変化なしの場合との選択割合が設定されている。例えば、色変化パターンC4−18は、対応する保留の保留順位が3となるタイミングで保留表示が白のままであり、対応する保留の保留順位が2となるタイミングで保留表示が白から緑に変化し(色変化のタイミングとなる)、対応する保留の保留順位が1となるタイミングで保留表示が緑から赤に変化し(色変化のタイミングとなる)、対応する保留についての可変表示が実行されてアクティブ表示が行われるタイミングでアクティブ表示が赤のままとなる色変化パターンである。
また、図17〜図19に示す保留順位および変動パターンに応じた色変化パターンの選択割合では、ステップS600において入力されたと判定された入賞時のコマンドに対応する新たな保留に対応する変動パターン、換言すれば、ステップS600において入力されたと判定した変動カテゴリコマンドが、スーパーリーチ大当りの変動パターン、ノーマルリーチ大当りの変動パターン、スーパーリーチハズレの変動パターン、ノーマルリーチハズレの変動パターン、非リーチハズレの変動パターンのいずれであるかに応じて、色変化パターンの選択割合が異なっている。
具体的には、大当りの場合にはハズレの場合よりも、いずれかの色変化パターンが選択される割合、換言すれば、変化演出が実行されて白から変化する割合が高い。また、大当りの場合には、白のままの割合と、最終的に青になる割合と、最終的に緑になる割合と、最終的に赤になる割合とを比較すると、割合の低い順に、白のままの割合、最終的に青になる割合、最終的に緑になる割合、最終的に赤になる割合となっている。一方、ハズレの場合には、白のままの割合と、最終的に青になる割合と、最終的に緑になる割合と、最終的に赤になる割合とを比較すると、割合の低い順に、最終的に赤になる割合、最終的に緑になる割合、最終的に青になる割合、白のままの割合となっている。すなわち、大当りとなる期待度は、最終的に赤になるときが最も高く、次に、最終的に緑になるときが高く、次に最終的に青になるときが高く、白のままのときが最も低い。図17〜図19に示す保留順位および変動パターンに応じた色変化パターンの選択割合の情報は、例えば、RAM122に記憶されている。
ステップS601において、演出制御用CPU120は、ステップS600において入力されたと判定された入賞時のコマンドに対応する新たな保留の保留順位を認識する。例えば、RAM122には、現在の特図保留記憶数(保留数)を示す保留記憶数カウント値が設定されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞口指定コマンドまたは第2始動入賞口指定コマンドが入力される毎に1増加させ、第1図柄変動開始指定コマンドまたは第2図柄変動開始指定コマンドが入力される毎に1減少させる処理を行っている。このため、保留記憶数カウント値は、現在の特図保留記憶数を示すとともに、ステップS600において入力されたと判定された入賞時のコマンドに対応する新たな保留が何番目であるか(保留順位)を示すことになる。
ステップS600において入力されたと判定された入賞時のコマンドに対応する新たな保留の保留順位を認識した後、演出制御用CPU120は、その保留順位に応じて、図17〜図19に示す色変化パターンの選択割合のいずれかを選択する。更に、演出制御用CPU120は、選択した色変化パターンの選択割合を用い、ステップS600において入力されたと判定した変動カテゴリコマンドが、スーパーリーチ大当りの変動パターン、ノーマルリーチ大当りの変動パターン、スーパーリーチハズレの変動パターン、ノーマルリーチハズレの変動パターン、非リーチハズレの変動パターンのいずれであるかに応じて、色変化パターンを決定する。
再び、図16に戻って説明する。次に、演出制御用CPU120は、ステップS601における決定により、色の変化があるか否か、換言すれば、変化なし以外の色変化パターンを決定したか否かを判定する(ステップS602)。色の変化がある場合(ステップS602;Yes)、演出制御用CPU120は、ステップS601において決定した色変化パターンを含む保留情報を設定する(ステップS603)。図20は、保留情報の一例を示す図である。保留情報は、例えばRAM122内に記憶される。保留情報は、始動入賞に対応する保留記憶(保留)毎に、始動入賞に対応する保留が最古の保留から数えて何番目であるかを示す保留順位の情報が設定される。更に、ステップS601において色変化パターンが決定された場合には、ステップS603において、演出制御用CPU120は、対応する保留順位の情報に色変化パターンの情報を付加する。
再び、図16に戻って説明する。色の変化がない場合(ステップS602;No)、演出制御用CPU120は、色変化パターンのない保留情報、すなわち、保留順位の情報のみを含んだ保留情報を設定する(ステップS604)。
ステップS603において、色変化パターンを含む保留情報が設定された後、または、ステップS604において、色変化パターンのない保留情報が設定された後、演出制御用CPU120は、色が白である新たな保留表示を行う(ステップS605)。ここで、演出制御用CPU120は、ステップS603またはステップS604において新たに設定した保留情報が示す保留順位に応じて、表示制御部123に対して、色が白である新たな保留表示の表示制御指令を出力する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定して画像データを生成し、色が白である新たな保留表示の画像を画像表示装置5に表示させる。
再び、図15に戻って説明する。ステップS160における入賞時処理の後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“2”に更新されて終了する。
図21は、可変表示開始設定処理として、図15のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターンコマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、演出制御用CPU120は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
なお、演出制御用CPU120は、リーチの態様、大当り、ハズレ等の遊技状態に応じて中確定飾り図柄を保留変化図柄に決定する確率を異ならせてもよい。例えば、演出制御用CPU120は、スーパーリーチで且つハズレの場合に50%の確率で中確定飾り図柄を保留変化図柄に決定し、スーパーリーチで且つ大当りの場合に70%の確率で中確定飾り図柄を保留変化図柄に決定するようにしてもよい。また、演出制御用CPU120は、どの可変表示のときに、中確定飾り図柄を保留変化図柄とするかを決定してもよい。例えば、保留記憶数毎に、どの可変表示のときに、中確定飾り図柄を保留変化図柄とするかを決定するためのテーブルを用意しておく。演出制御用CPU120は、保留記憶数に応じたテーブルを参照して、どの可変表示のときに、中確定飾り図柄を保留変化図柄とするかを決定する。例えば、保留記憶数が4の場合に中確定飾り図柄を保留変化図柄とすることを決定した場合、1つ保留記憶が消化されたときの可変表示、2つ保留記憶が消化されたときの可変表示、3つ保留記憶が消化されたときの可変表示、1つ保留記憶が消化されたときと2つ保留記憶が消化されたときの可変表示等、中確定飾り図柄を保留変化図柄とするタイミングが決定される。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。更に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄および右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄および右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、ステップS527の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このとき、例えば、表示結果指定コマンドなどによって特定される大当り種別に応じて同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S527において設定された、左確定飾り図柄、右確定飾り図柄、中確定飾り図柄の態様や停止順序の情報は、例えばRAM122に記憶される。
ステップS523、S524、S527の処理のいずれかを実行した後には、演出制御用CPU120は、変動時演出の設定処理を行う(ステップS528)。
図22は、図21のステップS528にて実行される変動時演出設定処理の一例を示すフローチャートである。まず、演出制御用CPU120は、今回の変動(可変表示)においてアクティブ表示の色が変化するか否かを判定する(ステップS700)。
具体的には、演出制御用CPU120は、保留情報に色変化パターンが設定されているか否かを判定する。保留情報に色変化パターンが設定されている場合、演出制御用CPU120は、色変化パターンが設定されている保留情報の保留順位が1であるか否かを判定する。色変化パターンが設定されている保留情報の保留順位が1である場合、演出制御用CPU120は、認識した保留順位から1を差し引いた保留順位0が示すタイミングと、色変化パターンによって示される色変化のタイミングとが一致するか否かを判定する。例えば、認識した保留順位から1差し引いた保留順位が示すタイミングが保留順位0であり、色変化パターンによって示される色変化のタイミングが保留順位0のタイミング(アクティブ表示のタイミング)である場合には、両者は一致する。
演出制御用CPU120は、認識した保留順位から1を差し引いた保留順位0が示すタイミングと、色変化パターンによって示される色変化のタイミングが保留順位0のタイミングであり、一致する場合には、今回の変動においてアクティブ表示の色が変化すると判定し、一致しない場合には、今回の変動においてアクティブ表示の色が変化しないと判定する。
今回の変動においてアクティブ表示の色が変化する場合(ステップS700;Yes)、演出制御用CPU120は、アクティブ・キャラクタ領域5HBの内部において実行される、アクティブ表示の色を変化させる演出であるアクティブ変化演出を実行するためのアクティブ変化演出パターンを決定する(ステップS701)。本実施形態では、アクティブ変化演出は、必ずAキャラクタを利用して実行される。アクティブ変化演出パターンの情報は、例えばRAM122に記憶される。
次に、演出制御用CPU120は、今回の変動(可変表示)において保留表示の色が変化するか否かを判定する(ステップS702)。
具体的には、演出制御用CPU120は、保留情報に色変化パターンが設定されているか否かを判定する。保留情報に色変化パターンが設定されている場合、演出制御用CPU120は、色変化パターンが設定されている保留情報の保留順位が2以上であるか否かを判定する。色変化パターンが設定されている保留情報の保留順位が2以上である場合、演出制御用CPU120は、認識した保留順位から1を差し引いた保留順位が示すタイミングと、色変化パターンによって示される色変化のタイミングとが一致するか否かを判定する。例えば、認識した保留順位から1差し引いた保留順位が示すタイミングが保留順位1であり、色変化パターンによって示される色変化のタイミングが保留順位1のタイミングである場合には、両者は一致する。図20に示すように保留情報が設定されている場合を例に説明すると、色変化パターンが設定されている保留情報の保留順位4から1差し引いた保留順位が示すタイミングは保留順位3であり、色変化パターンC4−33が示す色変化のタイミングは図19を参照すると、保留順位3および2のタイミングである。このため、保留順位から1を差し引いた保留順位が示すタイミングと、色変化パターンによって示される色変化のタイミングとは一致する。
演出制御用CPU120は、認識した保留順位から1を差し引いた保留順位が示すタイミングと、色変化パターンによって示される色変化のタイミングとが一致する場合には、今回の変動において保留表示の色が変化すると判定し、一致しない場合には、今回の変動において保留表示の色が変化しないと判定する。
今回の変動において保留表示の色が変化する場合(ステップS702;Yes)、次に、演出制御用CPU120は、保留領域5HAの内部において実行される保留表示の色を変化させる演出である保留変化演出であって、Aキャラクタが利用されない保留変化演出を実行するための保留変化演出パターンを決定する(ステップS703)。本実施形態では、保留変化演出には、Aキャラクタを利用する態様と、Bキャラクタを利用する態様と、AキャラクタおよびBキャラクタを利用しない態様とがある。ステップS703において、演出制御用CPU120は、3態様の保留変化演出のうち、Bキャラクタを利用する態様、および、AキャラクタおよびBキャラクタを利用しない態様とのいずれかの保留変化演出を実行するための保留変化演出パターンを決定する。保留変化演出パターンの情報は、例えばRAM122に記憶される。
一方、今回の変動においてアクティブ表示の色が変化しない場合(ステップS700;No)、演出制御用CPU120は、今回の変動(可変表示)において保留表示の色が変化するか否かを判定する(ステップS704)。具体的な処理は、ステップS702と同様である。
今回の変動において保留表示の色が変化する場合(ステップS704;Yes)、次に、演出制御用CPU120は、保留領域5HAの内部において実行される保留表示の色を変化させる演出である保留変化演出を実行するための保留変化演出パターンを決定する(ステップS705)。ステップS705においては、前述のステップS703の場合とは異なり、演出制御用CPU120は、Aキャラクタを利用する態様と、Bキャラクタを利用する態様と、AキャラクタおよびBキャラクタを利用しない態様とのいずれの保留変化演出を実行するための保留変化演出パターンを決定することができる。
次に、演出制御用CPU120は、ステップS705において、Aキャラクタを利用する態様の保留変化演出を実行するための保留変化演出パターンを決定したか否かを判定する(ステップS706)。
Aキャラクタを利用する態様の保留変化演出を実行するための保留変化演出パターンを決定していない場合(ステップS706;No)、または、今回の変動において保留表示の色が変化しない場合(ステップS704;No)、次に、演出制御用CPU120は、キャラクタを利用した演出であるキャラクタ演出の設定処理を行う(ステップS707)。
図23は、図22のステップS707にて実行されるキャラクタ演出設定処理の一例を示すフローチャートである。まず、演出制御用CPU120は、キャラクタ演出の実行の有無を決定する(ステップS800)。
例えば、キャラクタ演出の実行有無の決定割合は、図24に示すように、アクティブ表示の現在の色に応じて決定される。演出制御用CPU120は、保留情報のうち、保留順位1の保留情報に色変化パターンが設定されていない場合には、アクティブ表示の現在の色を白であると判定する。一方、演出制御用CPU120は、保留情報のうち、保留順位1の保留情報に色変化パターンが設定されている場合には、その色変化パターンが示す色変化の態様に基づいて、アクティブ表示の現在の色を判定する。更に、演出制御用CPU120は、図24に示す、アクティブ表示の現在の色に応じた実行割合で、キャラクタ演出の実行の有無を決定する。
再び、図23に戻って説明する。次に、演出制御用CPU120は、ステップS800においてキャラクタ演出の実行を決定したか否かを判定する(ステップS801)。
キャラクタ演出の実行を決定した場合(ステップS801;Yes)、演出制御用CPU120は、キャラクタ演出の種別を決定する(ステップS802)。
例えば、キャラクタ演出の種別は、図25に示すように、説明演出と、当該変動期態度示唆演出とが用意されている。説明演出とは、Aキャラクタが登場して遊技における各種の説明を行う演出であり、当該変動期態度示唆演出とは、Aキャラクタが登場して今回の変動における大当りの期待度を示唆する演出である。図25では、今回の変動に対応する変動パターンを示す変動カテゴリコマンドが、非リーチハズレの変動パターン、ノーマルリーチハズレの変動パターン、スーパーリーチハズレの変動パターン、大当りの変動パターンのいずれであるかに応じて、説明演出および当該変動期態度示唆演出の決定割合が異なっている。ここで、遊技者による大当りの期待度は、非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチの順で徐々に高くなる。図25では、大当りとなる期待度が高くなるにつれて、説明演出が決定される割合は低くなり、当該変動期態度示唆演出が決定される割合が高くなっている。演出制御用CPU120は、今回の変動に対応する変動パターンを示す変動カテゴリコマンドに基づいて、図25に示す決定割合で、説明演出と、当該変動期態度示唆演出との何れかを決定する。決定されたキャラクタ演出の種別の情報は、例えばRAM122に記憶される。
再び、図23に戻って説明する。次に、演出制御用CPU120は、ステップS202において、キャラクタ演出の種別として、当該変動期態度示唆演出を決定したか否かを判定する(ステップS803)。
当該変動期態度示唆演出を決定した場合(ステップS803;Yes)、演出制御用CPU120は、当該変動期態度示唆演出において表示される文字の表示種別を決定する(ステップS804)。
例えば、文字の表示種別は、複数種類が用意されており、図26では、「!?」、「リーチ」、「チャンス」、「SP」、「プレミア」の5種類が用意されている。また、図26では、今回の変動に対応する変動パターンを示す変動カテゴリコマンドが、非リーチハズレの変動パターン、ノーマルリーチハズレの変動パターン、スーパーリーチハズレの変動パターン、大当りの変動パターンのいずれであるかに応じて、すなわち、大当りの期待度に応じて、文字表示種別の決定割合が異なっている。具体的には、大当りの期待度が低い方から順に「!?」、「リーチ」、「チャンス」、「SP」、「プレミア」となるように、文字表示種別の決定割合が異なっている。演出制御用CPU120は、今回の変動に対応する変動パターンを示す変動カテゴリコマンドに基づいて、図26に示す決定割合で、複数の文字表示種別の何れかを決定する。決定された文字表示種別の情報は、例えばRAM122に記憶される。
再び、図23に戻って説明する。ステップS804における文字表示種別の決定後、ステップS803において、当該変動期態度示唆演出を決定していないと判定された場合(ステップS803;No)、ステップS801において、キャラクタ演出の実行を決定していないと判定された場合(ステップS801;No)、キャラクタ演出設定処理が終了する。
再び、図22に戻って説明する。ステップS707におけるキャラクタ演出設定処理の後、ステップS702において、今回の変動で保留表示の色の変化がないと判定された場合(ステップS702;No)、ステップS703において、Aキャラクタが利用されない保留変化演出を実行するための保留変化演出パターンを決定した後、ステップS706において、Aキャラクタを利用する態様の保留変化演出を実行するための保留変化演出パターンを決定したと判定された場合(ステップS706;Yes)、演出制御用CPU120は、演出制御用CPU120は、保留順位が1の保留情報を消去し、残りの保留情報を繰り上げる(ステップS708)。これにより、保留順位が2以降の保留は、それぞれ保留順位が1繰り上がることになる。その後、変動時演出設定処理が終了する。
再び、図21に戻って説明する。ステップS528における変動時演出設定処理の後、演出制御用CPU120は、その他の予告演出の設定処理を行う(ステップS528a)。その他の予告演出とは、上述したアクティブ変化、保留変化演出、キャラクタ演出とは異なる演出であって、大当りであるか否かを示唆するための演出である。
次に、演出制御用CPU120は、ステップS528における変動時演出設定処理、および、ステップS528aにおけるその他の予告演出設定処理を含む各種演出の設定に応じて演出パターンの設定処理を行う(ステップS529)。
続いて、演出制御用CPU120は、ステップS529において設定した演出パターンに基づいて、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS530)。
続いて、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS531)。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
更に、演出制御用CPU120は、可変表示が開始されることに対応して、保留領域5HAにおける保留表示やアクティブ・キャラクタ領域5HBにおけるアクティブ表示を更新するための設定を行う(ステップS533)。
その後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
再び、図15に戻って説明する。ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、その制御データに基づいて、表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定して画像データを生成し、飾り図柄の可変表示中における、アクティブ変化演出、保留変化演出、キャラクタ演出、その他の予告演出の表示を含む各種の演出における画像を画像表示装置5に表示させる。
本実施形態において、キャラクタの表示期間は限定される。例えば、図27に示すように、キャラクタは、電源投入後、保留がなく、飾り図柄の可変表示が行われていない未変動の期間には表示されている。また、キャラクタは、変動が開始されてからも表示される。但し、スーパーリーチの演出が実行される場合には、当該スーパーリーチの演出の妨げにならないように、キャラクタは、スーパーリーチが開始されてから変動が終了するまでの期間には表示されない。すなわち、スーパーリーチが開始されてから変動が終了するまでの期間以外には、キャラクタは常駐する。演出制御パターンは、このようなキャラクタの表示、非表示を満たすように設定される。
図28は、当該変動期態度示唆演出および説明演出実行時の表示の一例を示す図である。まず、図28(A)に示すように、飾り図柄の可変表示中において、演出制御用CPU120は、保留領域5HAに色が白の保留表示HRを表示させるとともに、アクティブ・キャラクタ領域5HBにアクティブ表示ACとAキャラクタCHAおよびBキャラクタCHBとを表示させる。更に、演出制御用CPU120は、Vコン領域5HCにVコン表示VCを表示させる。図28(A)においては、アクティブ表示ACは、赤で表示されている。
この状態において、キャラクタ演出が実行される場合、図28(B)に示すように、演出制御用CPU120は、AキャラクタCHAがアクティブ表示ACから手紙ML1を受け取る態様の表示をさせる。
更に、キャラクタ演出が当該変動期態度示唆演出であることが決定された場合には、図28(C)に示すように、演出制御用CPU120は、メイン領域5HDに開いた状態の手紙ML2を表示させるとともに、その手紙ML2の文面として、当該変動期態度示唆演出時の文字表示種別として決定された表示(ここでは「チャンス」)を表示させる。また、図28(C)では、手紙ML2の下部の画像が透過している。
一方、キャラクタ演出が説明演出であることが決定された場合には、図28(D)に示すように、演出制御用CPU120は、メイン領域5HDに開いた状態の手紙ML3を表示させるとともに、その手紙ML3の文面として、説明を表示させる。また、図28(D)では、手紙ML3の下部の画像が透過している。
再び、図15に戻って説明する。ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別が「確変」または「非確変」であれば、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大入賞口通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大入賞口通常開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「確変」または「非確変」の大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「確変」または「非確変」の大当り遊技状態における各種の演出制御(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口通常開放時処理は、例えば主基板11からの大当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
以上、本実施形態によれば、画像表示装置5において、保留領域5HAに保留表示が表示される。また、アクティブ・キャラクタ領域5HBにアクティブ表示が表示され、更に、キャラクタ演出である説明演出や当該変動期待度示唆演出を実行可能なAキャラクタが表示される。そして、キャラクタ演出である当該変動期待度示唆演出や説明演出が実行される場合には、Aキャラクタがアクティブ表示から手紙を受け取る態様の表示が行われ、メイン領域5HDに開いた状態の手紙が表示される。このようなキャラクタ演出が実行されることにより、アクティブ表示ACを利用した演出が可能となり、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、図24に示すようにアクティブ表示の色に応じてキャラクタ演出が実行される割合が異なっている。このため、キャラクタ演出の実行の有無に際して、アクティブ表示の色に注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、飾り図柄の可変表示において、アクティブ表示と保留表示とが表示されるが、Aキャラクタがアクティブ表示から手紙を受け取る態様の表示が行われることで、キャラクタ演出が実行される。これにより、アクティブ表示を用いた演出パターンが豊富になり、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、保留領域5HAとアクティブ・キャラクタ領域5HBとが設けられており、Aキャラクタは、アクティブ・キャラクタ領域5HBアクティブ表示とともに表示される。これにより、アクティブ・キャラクタ領域5HBにおける表示に注目させて、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、キャラクタは、保留がなく、飾り図柄の可変表示が行われていない未変動の期間に表示されるとともに、変動が開始されてからも表示される。但し、スーパーリーチの演出が実行される場合には、キャラクタは、スーパーリーチが開始されてから変動が終了するまでの期間には表示されない。このように、スーパーリーチが開始されてから変動が終了するまでの期間以外には、キャラクタは常駐することになるため、キャラクタにも注目するようになり、遊技興趣が向上する。
また、本実施形態では、キャラクタ演出は、当該変動期待度示唆演出と説明演出とが用意されており、図25のキャラクタ演出の実行種別決定割合に基づいて、当該変動期待度示唆演出と説明演出とのいずれかの実行が決定されることにより、当該変動期待度示唆演出と説明演出との大当り期待度を異ならせることができる。これにより、キャラクタ演出のパターンが豊富になるとともに、キャラクタ演出に注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更および応用が可能である。
例えば、保留変化演出においてキャラクタが利用されるようにしてもよい。図29は、Bキャラクタを使用した保留変化演出実行時の表示の一例を示す図である。まず、図29(A)に示すように、飾り図柄の可変表示中において、演出制御用CPU120は、保留領域5HAに色が白の保留表示HRを表示させるとともに、アクティブ・キャラクタ領域5HBにアクティブ表示ACとAキャラクタCHAおよびBキャラクタCHBとを表示させる。更に、演出制御用CPU120は、Vコン領域5HCにVコン表示VCを表示させる。図28(A)においては、アクティブ表示ACは、白で表示されている。
この状態から保留変化演出が実行される場合、図29(B)に示すように、演出制御用CPU120は、BキャラクタCHBがアクティブ・キャラクタ領域5HBから保留領域5HAへ移動する表示をさせる。更に、図28(C)に示すように、演出制御用CPU120は、保留変化演出の対象となる保留表示HRの色を白から他の色(例えば赤)に変化させる表示を行う。これにより、キャラクタを用いた演出が多彩になり、遊技興趣を向上させることができる。
また、上述した実施形態では、キャラクタ演出において、Aキャラクタがアクティブ表示からへ手紙を受け取る態様の表示が行われるようにしたが、手紙以外のものを受け取る態様の表示が行われてもよい。例えば、図30では、キャラクタ演出が実行される場合、演出制御用CPU120は、AキャラクタCHAがアクティブ表示ACからプレゼント箱BXを受け取る態様の表示をさせる。プレゼント箱BXは、手紙ML1と同様に開けられて、当該変動期待度示唆演出の場合には文字表示種別として決定された表示が表示され、説明演出の場合には説明が表示される。
なお、Aキャラクタがアクティブ表示からへ手紙を受け取る態様の表示とプレゼント箱を受け取る態様の表示との双方が実行可能である場合、受け取るタイミングと開けるタイミングとを異ならせてもよい。例えば、図31に示すように、擬似連の演出が3回実行された後、リーチ演出が実行される場合を想定する。手紙が用いられる場合には、擬似連の演出1回目(擬似1)が開始されるタイミングでAキャラクタがアクティブ表示から受け取り、更に、開封する表示が行われる。その後、擬似連の演出2回目(擬似2)が開始されるタイミングでAキャラクタがアクティブ表示から受け取り、更に、開封する表示が行われ、更に、擬似連の演出3回目(擬似3)が開始されるタイミングでAキャラクタがアクティブ表示から受け取り、更に、開封する表示が行われる。
一方、プレゼント箱が用いられる場合には、擬似連の演出1回目(擬似1)が開始されるタイミングでAキャラクタがアクティブ表示から受け取り、更に、開く表示が行われる。その後、擬似連の演出2回目(擬似2)が開始されるタイミング、擬似連の演出3回目(擬似3)が開始されるタイミング、および、リーチ演出の開始のタイミングのそれぞれにおいて、Aキャラクタが開く表示が行われる。
このように、キャラクタ演出に用いられるアイテムを多様化するとともに、更に、Aキャラクタがアクティブ表示から受け取るタイミングや開くタイミングを異ならせることにより、演出を多彩にすることができるとともに、アクティブ表示がAキャラクタに作用する(Aキャラクタがアクティブ表示から受け取る)タイミングに注目させて、遊技興趣を向上させることができる。
なお、図31では、擬似連の演出の開始時に手紙が受け取られて開封される表示や、プレゼント箱が開けられる表示が行われたが、擬似連の演出の開始時以外のタイミングで、手紙が受け取られて開封される表示や、プレゼント箱が開けられる表示が行われるようにしてもよい。また、手紙が受け取られて開封される表示が行われる複数のタイミングと、プレゼント箱が開けられる表示が行われる複数のタイミングとは一部異なっていてもよいし、全てが異なっていてもよい。また、手紙の受け取りの表示が一度だけで、開封の表示が複数のタイミングで行われてもよい。更には、手紙が開封された結果、あるいは、プレゼント箱が開けられた結果として演出が実行される場合、当該演出は、手紙が開封されたり、プレゼント箱が開けられるタイミング等に応じて、様々な態様で実行されてもよい。
また、上述した実施形態では、Aキャラクタを使用したキャラクタ演出を実行する用にしたが、Bキャラクタを使用したキャラクタ演出を実行するようにしてもよい。
図32は、Bキャラクタを使用した当該変動期態度示唆演出実行時の表示の一例を示す図である。まず、図32(A)に示すように、飾り図柄の可変表示中において、演出制御用CPU120は、保留領域5HAに色が白の保留表示HRを表示させるとともに、アクティブ・キャラクタ領域5HBにアクティブ表示ACとAキャラクタCHAおよびBキャラクタCHBとを表示させる。更に、演出制御用CPU120は、Vコン領域5HCにVコン表示VCを表示させる。図32(A)においては、アクティブ表示ACは、白で表示されている。
この状態において、当該変動期態度示唆演出が実行される場合、図32(B)に示すように、演出制御用CPU120は、BキャラクタCHBがメイン領域5HDへ移動する表示をさせる。
更に、図32(C)に示すように、演出制御用CPU120は、メイン領域5HDに、当該変動期態度示唆演出時の文字表示種別として決定された表示(ここでは「SP」)を表示させる。なお、Aキャラクタを使用して図32に示す態様のキャラクタ演出が実行されてもよいし、Bキャラクタを使用して図28に示す態様のキャラクタ演出が実行されてもよい。
このように、AキャラクタやBキャラクタを使用した様々なキャラクタ演出が実行されることにより、キャラクタ演出が多彩になり、遊技興趣を向上させることができる。
また、飾り図柄の可変表示が実行されているときに、有利状態となる期待度を示唆する予告(例えば、擬似連、リーチ後背景予告等)の演出を実行するまでの待ち時間等を表示する特別演出としてタイマ演出が実行されるようにしてもよい。
図33は、タイマ演出が実行される場合の表示の一例を示す図である。まず、図33(A)に示すように、飾り図柄の可変表示中において、演出制御用CPU120は、保留領域5HAに色が白の保留表示HRを表示させるとともに、アクティブ・キャラクタ領域5HBにアクティブ表示ACとAキャラクタCHAおよびBキャラクタCHBとを表示させる。更に、演出制御用CPU120は、保留領域5HAとアクティブ・キャラクタ領域5HBとの間のVコン領域5HCにVコン表示VCを表示させる。図33(A)においては、アクティブ表示ACは、白で表示されている。また、飾り図柄の可変表示中において所定の演出(例えば、大当り期待度を示唆する演出(ステップアップ予告等)から分岐したり、大当り期待度を示唆せずにポイントが付与されるか否かを煽る演出等を含む)が実行されており、当該所定の演出においてポイントが付与されるようになっている。演出制御用CPU120は、Vコン領域5HCにVコン表示VCの色が下から徐々に変化することによってポイントを示す表示を行う。
その後、図33(B)に示すように、ポイントが最大(MAX)となり、Vコン表示VCの全体の色が変化すると、演出制御用CPU120は、Vコン表示VCの上部にタイマ表示TMを表示させる。更に、図33(C)に示すように、演出制御用CPU120は、Vコン表示VCの色を元に戻すとともに、タイマ表示TMにおける時間を徐々にカウントダウンさせる表示を行う。なお、タイマ表示TMはカウントアップするものでもよい。また、タイマ表示TMは、明確に時間を示す態様に限定されず、例えば、砂時計を模した表示のように、遊技者が明確に時間を認識できない表示であってもよい。
このように、保留領域5HAとアクティブ・キャラクタ領域5HBとの間のVコン領域5HCにタイマ演出におけるタイマ表示TMが表示されることにより、Vコン領域5HCに注目させて遊技興趣を向上させることができる。
また、保留変化演出の対象となる保留表示よりも前の保留表示の態様を変化させるようにしてもよい。図34は、保留変化演出の対象となる保留表示よりも前の保留表示の態様を変化させる場合の表示の一例を示す図である。まず、図34(A)に示すように、飾り図柄の可変表示中において、演出制御用CPU120は、保留領域5HAに色が白の保留表示HRを表示させるとともに、アクティブ・キャラクタ領域5HBにアクティブ表示ACとAキャラクタCHAおよびBキャラクタCHBとを表示させる。更に、演出制御用CPU120は、Vコン領域5HCにVコン表示VCを表示させる。図34(A)においては、アクティブ表示ACは、白で表示されている。
この状態において、新たな保留が発生すると、図34(B)に示すように、保留表示HRが1つ増える。演出制御用CPU120は、新たな保留に対応する保留情報に色変化パターンが設定されている場合、新たな保留表示HRが保留変化演出の対象となる保留表示であると判定することができる。新たな保留表示HRが保留変化演出の対象である場合、その後、図34(C)に示すように、飾り図柄が停止し、演出制御用CPU120は、新たな保留表示HRよりも前の保留表示HRの態様を変化させる表示を行う。その後、保留変化演出が実行されるタイミングの飾り図柄の可変表示が開始されると、図34(D)に示すように、演出制御用CPU120は、アクティブ・キャラクタ領域5HBにおけるアクティブ表示AC、AキャラクタCHA、BキャラクタCHBを消去して、ミニゲームの演出を開始する。更に、図34(E)に示すように、保留変化演出の対象となる保留表示HRの色を変化させる場合には、演出制御用CPU120は、ミニゲームが成功の状態になったことを示すために、アクティブ・キャラクタ領域5HBに「成功」との表示を行うとともに、ミニゲームが成功したことに応じて保留変化演出の対象となる保留表示HRの色を変化させる。これにより、保留変化演出が多彩になり、遊技興趣を向上させることができる。一方、保留変化演出の対象となる保留表示HRの色を変化させない場合には、演出制御用CPU120は、ミニゲームが失敗になったことを示すために、アクティブ・キャラクタ領域5HBに「失敗」との表示を行い、保留変化演出の対象となる保留表示HRの色を変化させない。
なお、図34では、新たな保留表示HRよりも前の保留表示HRは全て同じ態様のキャラクタの表示に変化させるようにしたが、全てが異なるキャラクタの表示に変化させたり、一部については共通のキャラクタの表示であり、残りが異なる態様のキャラクタの表示に変化させるようにしてもよい。また、表示された変更後のキャラクタの種類や組合せに応じて、その後に実行されるミニゲームの成功率(ミニゲームが成功したことに応じて保留変化演出の対象となる保留表示HRの色が変化する割合)が異なるようにしてもよい。これにより、演出の態様が多彩になり、遊技興趣が向上する。
また、大当りの期待度を示唆する演出として、保留領域5HAとアクティブ・キャラクタ領域5HBとが特殊な態様に変化可能であるようにしてもよい。図35は、保留領域とアクティブ・キャラクタ領域の態様を変化させる場合の表示の一例を示す図である。まず、図35(A)に示すように、飾り図柄の可変表示中において、演出制御用CPU120は、保留領域5HAに色が白の保留表示HRを表示させるとともに、アクティブ・キャラクタ領域5HBにアクティブ表示ACとAキャラクタCHAおよびBキャラクタCHBとを表示させる。更に、演出制御用CPU120は、Vコン領域5HCにVコン表示VCを表示させる。図35(A)においては、アクティブ表示ACは、白で表示されている。
例えば、演出制御用CPU120は、飾り図柄の可変表示の結果が大当りである場合には、ハズレである場合よりも高い割合で、保留領域5HAとアクティブ・キャラクタ領域5HBとを特殊な態様に変化させる。変化させる場合には、図35(B)に示すように、演出制御用CPU120は、保留領域5HAとアクティブ・キャラクタ領域5HBとにおいて「WARNING」の表示を行う。なお、「WARNING」はVコン領域5HCにかからないように表示される。また、アクティブ・キャラクタ領域5HBにおいてAキャラクタCHAとBキャラクタCHBは表示されたままの状態となる。これにより、大当りの期待度を示唆する演出が多彩になり、遊技興趣を向上させることができる。また、「WARNING」がVコン領域5HCにかからないように表示されることにより、Vコン領域5HCの色の変化によって示されるポイントの状況が確認されにくくなることを防止することができる。
また、リーチ演出が実行される場合、当該リーチ演出の画像が画像表示装置5の全面に表示されることがあるが、リーチ演出の実行期間においても、Vコン領域5HCにおける表示が移動して一部の領域で表示が継続されるようにしてもよい。
図36は、リーチ中にVコン領域の表示を移動させる場合の表示の一例を示す図である。まず、図36(A)に示すように、飾り図柄の可変表示中において、演出制御用CPU120は、保留領域5HAに色が白の保留表示HRを表示させるとともに、アクティブ・キャラクタ領域5HBにアクティブ表示ACとAキャラクタCHAおよびBキャラクタCHBとを表示させる。更に、演出制御用CPU120は、Vコン領域5HCにVコン表示VCとタイマ表示TMとを表示させる。図36(A)においては、アクティブ表示ACは、白で表示されている。
その後、リーチ演出が開始されると、図36(B)に示すように、演出制御用CPU120は、Vコン表示VCとタイマ表示TMとを左下に移動させて表示を継続させる。
リーチ演出が実行される場合、タイマ表示TMにおける時間がリーチ演出の開始前から跨いで表示され続けることがある。この場合に、Vコン領域5HCにおいてタイマ表示TMが同じ位置に表示されたままであると、リーチ演出の妨げになってしまうおそれがある。そこで、Vコン表示VCとタイマ表示TMとを、リーチ演出の妨げにならず、且つ、遊技者がタイマ表示TMを認識することができる位置(例えば図36(B)に示す左下の位置)に移動させて表示を継続させることで、リーチ演出とタイマ演出との双方を認識しやすくすることができる。なお、移動後の位置は図36(B)に示す左下に限定されず、Vコン表示VCとタイマ表示TMとを、リーチ演出の妨げにならず、且つ、遊技者がタイマ表示TMを認識することができる位置であればよい。
また、キャラクタ演出が実行される場合に、表示を透過させるようにしてもよい。図37は、表示を透過させる場合の表示の一例を示す図である。図37では、「チャンス」の文字を含んだ星Y01が第1予告画像として表示されるとともに、キャラクタ演出における画像であるキャラクタY02−1と文字Y02−2を含んだメモY02が第2予告画像として表示される。第1予告画像である星Y01よりも第2予告画像であるメモY02の方が手前に表示されているが、メモY02の少なくとも一部(メモY02のベースとなる部分)が半透明になっているため、星Y01が透過し、星Y01の形状および表示内容を遊技者が認識可能となっている。
なお、第1予告画像は大当り期待度の異なる複数種類を備えていてもよい。ここで、半透明とは、第1予告画像が第2予告画像によって覆われた部分の形状、色を少なくとも認識可能とした態様であればよい。これにより、第1予告画像の種類を認識でき、遊技興趣が向上する。
また、星Y01とメモY02とは、完全に重複させるわけではなく、各々の画像の一部を重複させているため、双方を認識しやすくなっている。また、メモY02におけるキャラクタY02−1と文字Y02−2とは不透明となっている。これにより、第2予告画像としてのメモY02の情報がわかりやすくなり、遊技興趣が低下することが防止される。
なお、第2予告画像は複数種類備えていてもよく、例えば、第2予告画像による大当り期待度が、第1予告画像の大当り期待度よりも高い場合には、第2予告画像を不透明としてもよい。これにより、大当り期待度の高い表示を強調して、遊技興趣を向上させることができる。また、第2予告画像が大当りの確定を示す画像である場合にも、第2予告画像を不透明としてもよい。
(実施例2)
次に実施例2について説明する。実施例2においては、上記した第1実施形態と同様の説明については、一部記載を省略する。図38は、実施例2における各種演出の一例を示す図である。実施例2では、示唆演出および煽り演出が実行される場合が示されている。ここで、示唆演出とは、アクティブ・キャラクタ領域5HBに表示される人型のアクティブ表示ACおよび人型のCキャラクタCHCのうち少なくとも一方を他方に作用させることにより、大当り遊技状態となる期待度を示唆する演出である。ここで、作用するとは、一方が他方に影響を及ぼすことによって表示態様が変化(あるいは変更)することである。
例えば、人型のCキャラクタCHCが人型のアクティブ表示ACに対して手を繋ぐこと、車型のアクティブ表示ACに人型のCキャラクタCHCが乗ることにより、一方が他方に影響を及ぼすことによって表示態様が変化するような演出が実行される。このように作用するとは、本実施の形態においては、2つの表示画像が合体するような関係となることである。なお、一方が他方に影響を及ぼすことによって表示態様が変化(変更)するとは、表示画像が合体する場合のみならず、一方が他方に影響を及ぼすことによって表示画像が変化するようなものであればよい。例えば、上記したように、アクティブ表示ACがAキャラクタCHAに手紙を渡すことを作用としてもよいし、アクティブ表示ACおよびCキャラクタCHCの両方が手を繋ぐような態様であってもよいし、アクティブ表示ACがCキャラクタCHCに対して手を繋ぐようにしてもよい。
また、示唆演出には、大当り遊技状態となる期待度の高い成功態様を示す第1示唆演出と、大当り遊技状態となる期待度の低い失敗態様を示す第2示唆演出とが設けられている。また、示唆演出を実行する前には、成功態様を示す第1示唆演出となるか失敗態様を示す第2示唆演出となるかを煽る煽り演出が実行される。煽り演出では、例えば、人型のCキャラクタCHCが人型のアクティブ表示ACの方へ駆け寄ったり離れたりし、手を繋ぐか否かを煽る演出が実行される。なお、逆に人型のアクティブ表示AC人型がCキャラクタCHCの方へ駆け寄ったり離れたりし、手を繋ぐか否かを煽る演出が実行されるようにしてもよい。また、煽り演出は、ボタン操作等の操作手段やタッチパネル等の検出手段を遊技者に操作(検出)させることを促す演出としてもよく、操作(検出)されたことを条件に示唆演出が実行されるようにしてもよい。また、実施例2で示す示唆演出は、第1実施形態で示した当該変動期待度示唆演出のように、当該変動の期待度を示唆する演出である点で共通している。このような示唆演出や煽り演出が実行される場合について図38を用いて説明する。
図38(A)に示すように、飾り図柄の可変表示中において、演出制御用CPU120は、保留領域5HAに色が白の保留表示HRを表示させるとともに、アクティブ・キャラクタ領域5HBにアクティブ表示ACとCキャラクタCHCを表示させる。更に、演出制御用CPU120は、Vコン領域5HCにVコン表示VCを表示させる。図38(A)においては、アクティブ表示ACは、所定の表示色(白、青、緑、赤)で表示されている。
この状態において、煽り演出が実行される場合、図38(B)に示すように、演出制御用CPU120は、人型のCキャラクタCHCが人型のアクティブ表示ACの方へ駆け寄る演出が実行される。煽り演出では、その後、人型のCキャラクタCHCが人型のアクティブ表示ACから離れる演出が実行される(図示省略)。そして、駆け寄る演出と離れる演出とが繰返される。
図38(B)に示す煽り演出の実行後、図38(C)または図38(D)のうちいずれかの演出が実行される。図38(C)は、成功態様を示す演出として、人型のCキャラクタCHCと人型のアクティブ表示ACとが手を繋ぐ第1示唆演出である。人型のCキャラクタCHCと人型のアクティブ表示ACの間には、ハートの画像が表示される。このような、成功態様の第1示唆演出は、当該変動表示の大当り期待度が高いときに、高い割合で実行されるように設定されている。
また、図38(D)は、失敗態様を示す演出として、人型のCキャラクタCHCと人型のアクティブ表示ACとが手を繋がない第2示唆演出である。人型のCキャラクタCHCと人型のアクティブ表示ACの間には、ハートが割れた画像が表示される。このような、失敗態様の第2示唆演出は、当該変動表示の大当り期待度が低いときに、高い割合で実行されるように設定されている。
また、アクティブ表示ACの表示態様には、人型以外にも複数種類設定されている。例えば、アクティブ表示ACの表示態様として車型の表示態様が設けられている。そして、アクティブ表示ACの表示態様に応じて(人型か車型かに応じて)、示唆演出の演出態様が異なるように設定されている。例えば、成功態様の第1示唆演出が実行される場合には、人型のアクティブ表示ACであれば、CキャラクタCHCと手を繋ぐ演出、車型のアクティブ表示ACであれば、CキャラクタCHCが車型のアクティブ表示ACに乗る演出が実行される。逆に、失敗態様の第2示唆演出が実行される場合には、人型のアクティブ表示ACであれば、CキャラクタCHCと手を繋がない演出、車型のアクティブ表示ACであれば、CキャラクタCHCが車型のアクティブ表示ACに乗らない演出が実行される。このように、アクティブ表示ACの表示態様の違いにより示唆演出の演出態様を異ならせることができるので、遊技者をアクティブ表示ACの表示態様に注目させることで、遊技興趣を向上させることができる。
また、アクティブ表示ACの表示態様に応じて、成功態様としての第1示唆演出の実行割合が異なるように設定されている。例えば、人型のアクティブ表示ACよりも車型のアクティブ表示ACの方が成功態様となりやすいように設定されている。このようにすれば、遊技者をアクティブ表示ACの表示態様に注目させることで、遊技興趣を向上させることができる。
また、大当りとなる期待度が高いことを示す示唆演出として、図38(C)に示すような成功態様としてのアクティブ表示ACとCキャラクタCHCが手を繋ぐ演出や、図38(D)に示すような失敗態様としてのアクティブ表示ACとCキャラクタCHCが手を繋がない演出が実行される。また、CキャラクタCHCがアクティブ表示ACの方へ駆け寄ったり離れたりする煽り演出が実行される。このようにすれば、示唆演出や煽り演出により、アクティブ表示ACとCキャラクタCHCとを使った演出が実行されるので、遊技興趣を向上させることができる。
[その他の変形例] また、上述した実施形態では、キャラクタ演出種別として、当該変動期態度示唆演出や説明演出が用いられたが、これらに限定されず、更に異なる種類の演出が含まれていてもよい。また、アクティブ表示や保留表示の態様の変化は、色の変化に限定されず、大きさ、形状、動作等の変化であってもよい。また、上記実施形態では、新たな保留についての保留表示の色を白としたが、保留表示の最初の段階から白以外の色で保留表示が表示され、その後に更に別の色に変化可能であるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、保留表示やアクティブ表示の色には大当り期待度に応じた段階があり、下位から上位に白、青、緑、赤の順となっているものとしたが、赤よりも更に大当り期待度の高い色あるいは表示があってもよい。例えば、赤よりも更に大当り期待度の高い色あるいは表示は、大当りの場合にのみ出現するものであってもよい。
また、上記実施形態では、色変化パターンの選択割合を、スーパーリーチ大当り、ノーマルリーチ大当り、スーパーリーチハズレ、ノーマルリーチハズレ、非リーチハズレの場合で異ならせたが、これに限定されない。例えば、大当りかハズレかによって色変化パターンの選択割合を異ならせてもよい。また、上述した実施形態では、キャラクタ演出種別の決定割合や、当該変動期態度示唆演出時の文字表示種別決定割合を、非リーチハズレ、ノーマルリーチハズレ、スーパーリーチハズレ、大当りの場合で異ならせたが、これに限定されない。例えば、大当りかハズレかによって決定割合を異ならせてもよい。
また、変化演出によって保留表示やアクティブ表示の色等の態様が変化する際に音が鳴るようにしてもよい。更には、変化した後の色に応じて音が異なるようにしてもよい。例えば、赤に変化する場合と青に変化する場合とでは、異なる音が鳴るようにしてもよい。更には、保留表示およびアクティブ表示において、同じ色に変化する場合には、共通の音が鳴るようにしてもよい。例えば、保留表示が青に変化する場合と、アクティブ表示が青に変化する場合とにおいて共通の音が鳴るようにしてもよい。
また、上記実施形態では、アクティブ表示ACの表示態様およびCキャラクタCHCの表示態様の変化パターンとして、アクティブ表示ACの表示態様およびCキャラクタCHCの表示態様を共に変化させるパターンと、アクティブ表示ACの表示態様を表示させずに、CキャラクタCHCの表示態様のみを変化させるパターンを設けてもよい。アクティブ表示ACの表示態様およびCキャラクタCHCの表示態様を共に変化させるパターンとは、上記したような、アクティブ表示ACとCキャラクタCHCとが手を繋ぐ演出(合体する演出)を実行するパターンである。また、アクティブ表示ACの表示態様を表示させずに、CキャラクタCHCの表示態様のみを変化させるパターンとは、保留表示HRがアクティブ・キャラクタ領域5HBに移動した際(当該変動の開始時に保留表示HRが消去されるとき)に、アクティブ表示ACを表示させずにCキャラクタCHCの周りにオーラ画像が表示されるパターンである。このような場合には、CキャラクタCHCの周りのオーラ画像の色により大当り期待度が示唆されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、煽り演出の種類を複数種類設けてもよい。例えば、煽り演出として、人型のCキャラクタCHCが走る煽り演出と、歩く煽り演出とを設け、大当り期待度により、選択される煽り演出の種類が異なってもよい。また、実行される示唆演出の種類に応じて、煽り演出の演出内容が異なるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図38(C)に示すような成功態様としての第1示唆演出を実行した後に、時間が進行するにつれて、図38(D)に示すような失敗態様としての第2示唆演出を実行するようにしてもよい。また、逆に失敗態様が実行された後に成功態様へと変化するものでもよい。また、成功態様と失敗態様とを繰返す演出を実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、失敗態様としての第2示唆演出が実行された後に、成功態様としての第1示唆演出が実行されるようにしてもよい。このように、一度失敗と見せかけた後に、成功態様としての第1示唆演出が実行されることがあるので、失敗態様となった後の演出に対しても遊技者を注目させることができる。また、成功態様に変化するタイミングが複数設けられていてもよい。また、大当り期待度により、復活するタイミングが異なるようにしてもよい。たとえば、動物の態様の画像とキャラクタの態様の画像とを表示する場合に、キャラクタが動物に乗った後に、一旦落ち着いたように見せかけ、その後振り落とされそうになるがバランスを取るというような演出を実行してもよい。
また、上記実施形態では、大当り種別決定用の乱数値MR2の値に基づいて大当りの種類を確定させる態様としているが、大当りの種類を確定させる条件はこれに限定されない。例えば、大入賞口の近傍に、または、大入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)することに基づいて、大当りの種類が確定する態様としてもよい。例えば、確変大当りと通常大当りとを設けた場合に、上記特定領域に遊技球が進入することに基づいて確変大当りが確定する態様としてもよい。
また、上記実施形態では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が表示されたことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにしているが、大当り遊技状態に制御する態様はこれに限定されない。例えば、第2始動入賞口の近傍に、または、第2始動入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)したことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにいてもよい。
なお、上記実施形態では、0〜9の数字または記号等の複数種類の特別図柄を可変表示させ表示結果を導出表示させる態様を示したが、可変表示は、そのような態様に限定されない。例えば、可変表示させる特別図柄と、可変表示結果として導出表示される特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄に含まれない特別図柄が可変表示結果として導出表示されてもよいし、変動する複数種類の特別図柄の中には可変表示結果として特別導出表示されないものが含まれていてもよい。また、必ずしも複数種類の特別図柄を可変表示させる必要はなく、1種類の特別図柄のみを用いて可変表示を実行する態様であってもよい。1種類の特別図柄を用いた可変表示として、例えば、当該1種類の特別図柄を点滅させてもよい(交互に点灯/消灯を繰返してもよい)。即ち、点灯、消灯の繰返しを可変表示としてもよい。そして、この場合であっても、当該1種類の特別図柄が最後に導出表示(点灯)されるものであってもよいし、当該1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。また、他の図柄(例えば、普通図柄、飾り図柄等)の可変表示についても同様である。
例えば、上記において、「割合」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係にかぎらず、A:B=100%:0%のような関係も含む概念である(即ち、一方が100%、他方が0%となるような割り振りも含む概念である)。また、AはBよりも割合が高いと言うときには、Aが100%であってBが100%未満である場合や、Bが0%であってAが0%よりも大きい場合も含む概念である。
また、例えば、上記実施形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板12側では2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
また、上記実施形態では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドをサブ側に送信していたが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し(大当り種別などで特定すればよい。)、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
上記第1の実施形態で実行される各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたART等の遊技者にとって有利な有利状態へ制御されることを示唆する演出として、示唆演出が実行されるようにしてもよい。このような場合には、複数回のゲームにおいて保留表示、アクティブ表示、およびキャラクタを表示させ、有利状態に制御する期待度に応じて、示唆演出の演出内容が異なるようにしてもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態を、図面(図39〜図69)を参照して説明する。
なお、第2の実施形態では、第1の実施形態において既に説明した内容の一部又は全部について再度説明(第1の実施形態と同様の表現又は異なる表現にて説明)する場合や、第1の実施形態において既に説明した内容の一部又は全部について説明を省略する場合や、第1の実施形態において説明を省略した内容の一部又は全部について説明する場合がある。また、第1の実施形態と第2の実施形態とでは、同一又は同様の対象について異なる名称を用いる場合がある。一例として、第1の実施形態における「飾り図柄」を第2の実施形態では「演出図柄」とも称し、第1の実施形態における「MR1」を第2の実施形態では「ランダムR」と称し、第1の実施形態における「可変表示開始待ち処理」を第2の実施形態では「変動パターンコマンド受信待ち処理」と称する場合がある。また、第2の実施形態におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
(実施例1)
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図39はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図40は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域207に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠202を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤206を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠202の下部表面には打球供給皿(上皿)203がある。打球供給皿203の下部には、打球供給皿203に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)204、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)205等が設けられている。また、ガラス扉枠202の背面には、遊技盤206が着脱可能に取付けられている。遊技盤206は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤206の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域207が形成されている。
余剰球受皿204を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置等に、スティック形状に構成され、遊技者が把持して複数方向に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。スティックコントローラ122には、指示操作が可能なトリガボタン125(図41参照)が設けられている。
打球供給皿203を形成する部材には、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン320が設けられている。プッシュボタン320は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出する。プッシュボタン320には、プッシュボタン320の操作行為を検知するプッシュセンサ324(図41参照)が設けられている。
遊技領域207の中央付近には、各種の演出についての画像を表示する画像表示装置として、メイン演出表示装置209と、サブ演出表示装置211との2つの液晶表示装置が設けられている。メイン演出表示装置209は、サブ演出表示装置211よりも大型の表示装置である。メイン演出表示装置209では、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示(可変表示ともいう)等の各種画像を表示する演出表示が実行可能である。サブ演出表示装置211は、メイン演出表示装置209よりも小型の表示装置であり、メイン演出表示装置209の下方側に隣接して設けられている。サブ演出表示装置211では、メイン演出表示装置209で表示される画像と演出上で連携した画像、または、メイン演出表示装置209で表示される画像とは演出上で独立した画像を表示する演出表示が実行可能である。
遊技領域207においては、遊技球の流下経路のうち、第1経路が、正面から見てメイン演出表示装置209よりも左側の領域に主に設けられ、第1経路とは異なる第2経路が、正面から見てメイン演出表示装置209よりも右側の領域に主に設けられている。第1経路に遊技球を流下させるためにメイン演出表示装置209の左側領域に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるためにメイン演出表示装置209の右側領域に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。
遊技領域207におけるメイン演出表示装置209の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、0〜9の数字等および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(7セグメントLED)で構成されている。メイン演出表示装置209は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。この表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。メイン演出表示装置209は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なってメイン演出表示装置209で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なってメイン演出表示装置209で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすい。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときは、メイン演出表示装置209においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときは、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、メイン演出表示装置209において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、メイン演出表示装置209の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音でされることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、メイン演出表示装置209の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
メイン演出表示装置209の下方には、第1始動入賞口(第1始動口)213を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口213に入賞した遊技球は、遊技盤206の背面に導かれ、第1始動口スイッチ213aによって検出される。
第1始動入賞口213を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口(第2始動口)214を有する可変入賞球装置215が設けられている。可変入賞球装置215は、第2始動入賞口214上部に電動により開閉動作が可能な左右一対の可動翼片(所謂電動チューリップ)が設けられ、可動翼片が閉鎖状態のときに、遊技球の進入が不可能な遊技者にとって不利な状態となり、可動翼片が開放状態のときに、遊技球の進入が可能な遊技者にとって有利な状態に制御される。したがって、可変入賞球装置215が閉状態のときは、第2始動入賞口214よりも、第1始動入賞口213に遊技球が入賞しやすい。
メイン演出表示装置209の左側方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
メイン演出表示装置209の右側方には、遊技球が通過したことに基づいて普通図柄表示器10での普通図柄を変動表示の実行が可能となるゲート32が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置215が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器241が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器241は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
普通図柄表示器10の変動表示の変動表示結果に基づいて、可変入賞球装置215が開放状態となると、遊技球が第2始動入賞口214に入賞可能な状態となる。第2始動入賞口214に入賞した遊技球は、遊技盤206の背面に導かれ、第2始動口スイッチ214aによって検出される。可変入賞球装置215は、ソレノイド216によって開状態とされる。可変入賞球装置215が開状態になることにより、遊技球が第2始動入賞口214に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置215が開状態のときは、第1始動入賞口213よりも、第2始動入賞口214に遊技球が入賞しやすい。可変入賞球装置215が閉状態のときは、遊技球は第2始動入賞口214に入賞しない。したがって、可変入賞球装置215が閉状態のときは、第2始動入賞口214よりも、第1始動入賞口213に遊技球が入賞しやすい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口213または第2始動入賞口214を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口213および第2始動入賞口214のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報または保留情報と呼ぶ)を示す(特定する)場合にも用いられる。このように、保留表示は、未だ開始されていない変動表示について、保留表示として表示するものである。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口214に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口213に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル205を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域207に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域207を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域207に入り、その後、遊技領域207を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口213に入り第1始動口スイッチ213aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、メイン演出表示装置209において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口213への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第1始動入賞口213は、遊技領域207に設けられた遊技釘の配設態様により、メイン演出表示装置209の左側にある第1経路からの遊技球が入賞可能とされているが、メイン演出表示装置209の右側にある第2経路からの遊技球の入賞が不可能とされている。したがって、遊技者が左打ちをしたときにのみ、第1始動入賞口213への遊技球の入賞が可能である。
遊技球が第2始動入賞口214に入り第2始動口スイッチ214aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、メイン演出表示装置209において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口214への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第2始動入賞口214は、遊技領域207に設けられた遊技釘の配設態様により、メイン演出表示装置209の左側にある第1経路と、その右側にある第2経路との両方からの遊技球の入賞が可能である。しかし、第2始動入賞口214が開放する条件となる普通図柄の変動表示を実行させる条件として用いられるゲート32が、メイン演出表示装置209の右側にある第2経路に設けられているため、第2始動入賞口214への入賞を狙うときには、遊技球を右打ちしてゲート32への通過を狙う必要がある。したがって、第2始動入賞口214への遊技球の進入は、主に右打ち時における第2経路からされる。
メイン演出表示装置209は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示をする。第1特別図柄の変動表示と、演出図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄の変動表示と、演出図柄の変動表示とは同期している。第1特別図柄表示器8a、または、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、メイン演出表示装置209において大当り表示結果として大当りを想起させる演出図柄の組合せが停止表示される。
メイン演出表示装置209の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図52の保留表示エリア18c)。保留表示エリアでは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別した形式で保留記憶情報が表示される。メイン演出表示装置209において、第1保留記憶数は左側の保留表示エリアに表示され、第2保留記憶数は右側の保留表示エリアに表示される。第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別することにより第1保留記憶情報と第2保留記憶情報とを容易に区別可能となる。
保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアの中央部に形成される(図52等のアクティブ表示エリアAHA)。アクティブ表示エリアにおいては、保留表示エリアにおいて表示されていた保留画像が、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像が表示される。なお、アクティブ表示エリアは、メイン演出表示装置209における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
図39に示すように、可変入賞球装置215の下方には特別可変入賞球装置220が設けられている。特別可変入賞球装置220は開閉板を備え、遊技者にとって有利な開放状態(遊技球が入賞可能なことにより有利)と、遊技者にとって不利な閉鎖状態(遊技球が入賞不可能なことにより有利)とに開閉可能な装置である。第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド221によって開閉板が開放状態に制御されることにより、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ223で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置220が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置220が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。
遊技盤206の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域207の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域207の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図40の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示される。
具体的に、大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置220が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置220の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が、上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。
時短状態への移行により特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技に制御される可能性が高まる。大当りのうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置215が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置215に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置215への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置215の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置215の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。この制御が行なわれると、この制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置215が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口214への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bやメイン演出表示装置209における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口214への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口214への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置215、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置215への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語としては、「低確低ベース状態」および「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
パチンコ遊技機1は、メイン演出表示装置209の左側にある第1経路からしか第1始動入賞口213に遊技球が進入できない構成であるため、高ベース状態よりも第2始動入賞口214に遊技球を進入させにくい低ベース状態において、遊技者は、左打ちをして第1始動入賞口213への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。パチンコ遊技機1は、メイン演出表示装置209の右側にある第2経路にゲート32が設けられているため、低ベース状態よりも第2始動入賞口214に遊技球を進入させやすい高ベース状態において遊技者は、右打ちをしてゲート32および第2始動入賞口214への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。
したがって、高ベース状態よりも第2始動入賞口214に遊技球を進入させにくい低ベース状態では、遊技者が左打ちをして第1始動入賞口213への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第1保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に第1保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。一方、低ベース状態よりも第2始動入賞口214に遊技球を進入させやすい高ベース状態では、遊技者が右打ちをして第2始動入賞口214への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第2保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に第2保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。
図40に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りでは、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図41は、主基板231における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図41は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板231には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)で作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板231以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有する。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ213a、第2始動口スイッチ214a、カウントスイッチ223からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板231に搭載されている。また、可変入賞球装置215を開閉するソレノイド216、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置220を開閉するソレノイド221を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板231に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器241の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ300、ROM302、RAM303、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM302は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM303は、ワークメモリとして使用される。ROM302およびRAM303は、演出制御用マイクロコンピュータ300に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ300と共動してメイン演出表示装置209およびサブ演出表示装置211のそれぞれの表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ300は、主基板231から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、メイン演出表示装置209での変動表示制御等の各種表示制御を行なう他、ランプドライバ基板235を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU301は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入出力ポート部305を介して入力する。また、演出制御用CPU301は、プッシュボタン320に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ324から、入出力ポート部305を介して入力する。また、演出制御用CPU301は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット323から、入出力ポート部305を介して入力する。また、演出制御用CPU301は、入出力ポート部305を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図42は、各乱数を示す説明図である。図42においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
特定遊技状態である大当りとしては、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。
図43は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図43(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図43(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図43(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図43(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図43(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図43(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図43(B)は、遊技球が第1始動入賞口213に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶)を用いて大当り種別を決定する場合に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図43(C)は、遊技球が第2始動入賞口214に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶)を用いて大当り種別を決定する場合に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図43(B)、および、図43(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図43(B)および図43(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれには、第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図43(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。
次に、図44を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図44は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図44には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図44(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図44に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。図44の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、メイン演出表示装置209において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、メイン演出表示装置209において擬似連図柄が仮停止する。擬似連図柄としては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連専用図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する)、または、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄の組合せのうち、擬似連図柄の組合せとして設定された擬似連兼用図柄の組合せ(疑似連チャンス目とも呼ばれる)が用いられる。仮停止図柄は、予め定められた1種類の仮停止図柄のみが仮停止されてもよく、複数種類の仮停止図柄のうちから選択された仮停止図柄が仮停止されてもよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
パチンコ遊技機1では、複数種類設けられたスーパーリーチの変動パターンのうち、一部の変動パターンである第2スーパーリーチ〜第4スーパーリーチにおいて、擬似連の変動表示が実行される(擬似連の変動表示が実行される変動時間を有している)。第2スーパーリーチでは擬似連において変動表示が2回(初回変動+再変動1回)実行され、第3スーパーリーチでは擬似連において変動表示が3回(初回変動+再変動2回)実行され、第4スーパーリーチでは擬似連において変動表示が4回(初回変動+再変動3回)実行される。なお、スーパーリーチにおいては、擬似連煽りのみの変動パターンが実行されてもよい、たとえば、擬似連煽りのみとなる変動パターンでは、たとえば、擬似連の初回変動(擬似連1回目)で中の図柄表示エリアにおいて擬似連図柄が出現して仮停止するような演出が行なわれて擬似連図柄が滑る演出が行なわれ、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出が行なわれることにより、擬似連の演出ではあるが、再変動が実行されない。
これらの情報に基づいて、たとえば、図44(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (60秒)〔擬似連4回〕」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が60秒で実行され、変動表示中に、初回変動および再変動を含めて4回の変動表示がされる擬似連の演出がされる第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図44のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。図44のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図44(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図44(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図44(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図44(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図44(b)の時短状態はずれ時判定テーブルと、図44(a)の通常状態はずれ時判定テーブルとでは、非時短状態よりも時短状態のときの方が変動時間が短くなるようにデータが設定されている。これにより、時短状態中の保留消化時間を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図44(a)および図44(b)の判定テーブルでは、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるようにデータが設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図44(d)の判定テーブルと、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図44(c)の判定テーブルとでは、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるようにデータが設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
図45は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、遊技制御状態に応じて、図45に示す各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ300へ送信する。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図48のS1215参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ300に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ300に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ300が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口213または第2始動入賞口214への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口213への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口214への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口213または第2始動入賞口214への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1215,S1225の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板231から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ300のRAM303に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンのデータは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、大当り等の各種遊技状態に関する予告を行なう予告演出制御パターンのデータは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図46は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図46に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ213a、第2始動口スイッチ214aおよびカウントスイッチ223の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器241の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。次に、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。次に、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための処理を実行する。CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ300に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。次に、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。次に、第1始動口スイッチ213a、第2始動口スイッチ214aおよびカウントスイッチ223の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
次に、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。次に、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示をするための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
次に、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。次に、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図47は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口213への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口214への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ213aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ214aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明では、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ300に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置220において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ300に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御等を行なう処理である。
図48は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ213aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ213aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ213aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否かを確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
第1始動入賞口213または第2始動入賞口214への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立したときは、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、この決定とは別に、第1始動入賞口213または第2始動入賞口214への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口213または第2始動入賞口214に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づき、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ300では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ300に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ300に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ300に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ300に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口213に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ300に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口213への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ214aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ214aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ214aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、S1215で説明したような入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ300に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ300に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ300に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ300に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することにより、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口214に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ300に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口214への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図49は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じ、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときは、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づき、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づき、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ300に送信する制御を行なう(S57)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口213を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口214を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された大当り判定用乱数について、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図43参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図43(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図43(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図43(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件とのいずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。
S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図43(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図43(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図43(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図43(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図43(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに記憶(設定)する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が記憶(設定)される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が記憶(設定)される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。大当りフラグがセットされていない場合は、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合は、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときは「3」を停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定されたときは「7」を停止図柄に決定する。次に、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
また、前述した変動パターン設定処理(S301)においては、CPU56が次のような処理を行なう。大当りフラグがセットされているか否かを確認するとともに、S74で記憶された大当り種別情報と、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報とに応じて、図44に示す、通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択し、乱数バッファからランダム2(変動パターン種別判定用乱数)およびランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、選択した判定テーブルを用いて、変動パターン種別および変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する。そして、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信するとともに、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄の変動を開始することを指定するコマンドとして、第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを送信する処理を行なう。そして、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄の変動を開始させる制御が実行させ、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新し、表示結果指定コマンド送信処理に進む。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図45参照)を送信する制御を行なう。特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ300の動作を説明する。図50は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ300(具体的には、演出制御用CPU301)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU301は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S1701)。その後、演出制御用CPU301は、タイマ割込フラグの監視(S1702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU301は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU301は、そのフラグをクリアし(S1703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU301は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM303に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S1704)。次いで、演出制御用CPU301は、演出制御プロセス処理を行なう(S1705)。演出制御プロセス処理では、S1704で解析した演出制御コマンドの内容に従ってメイン演出表示装置209での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ300が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、先読み演出有無判定用のSR2、先読み演出種類選択用のSR3、同色図柄演出パターン選択用のSR4、保留変化演出パターン選択用のSR5、保留変化示唆演出パターン選択用のSR6、擬似連演出種類選択用の乱数SR7、アクティブ変化示唆演出実行有無判定用の乱数SR8、アクティブ変化演出実行有無判定用の乱数SR9、同色図柄演出パターン選択用の乱数SR10、アクティブ変化演出種類選択用の乱数SR11、アクティブ変化演出パターン選択用のSR12、アクティブ変化示唆演出パターン選択用のSR13、および、出現保留色選択用のSR14を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S1706)。乱数SR1−1〜SR7のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成され、それぞれについて予め定められた範囲内で巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S1707)。S1707の保留記憶表示制御処理では、アクティブ表示エリアに表示するアクティブ表示(アクティブ表示)の表示制御も実行される。具体的には、以下のような処理において表示制御される。たとえば、S1704の処理において、第1特別図柄の変動開始時に送信される第1図柄変動指定コマンドを受信したときに所定の第1更新フラグをセットし、一方、第2特別図柄の変動開始時に送信される第2図柄変動指定コマンドを受信したときに所定の第2更新フラグをセットする。そして、第1更新フラグがセットされていれば、S1707の処理において、保留表示エリアの第1保留表示を1つ消去し、残りの第1保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、消去した保留表示に対応するアクティブ表示がアクティブ表示エリアに現れるような態様でアクティブ表示をし(シフトさせ)、アクティブ表示エリアの表示を更新する。第2更新フラグがセットされていれば、S1707の処理において、保留表示エリアの第2保留表示を1つ消去し、残りの第2保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、消去した保留表示に対応するアクティブ表示がアクティブ表示エリアに現れるような態様でアクティブ表示をし(シフトさせ)、アクティブ表示エリアの表示を更新する。その後、S1702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ300では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、メイン演出表示装置209、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御がされる。
図51は、図50に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S1705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S1700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS1800〜S1807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下の処理が実行される。演出制御プロセス処理では、メイン演出表示装置209の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理で実行される。
先読み演出処理(S1700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りとなることを特定するときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様またはアクティブ表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告する演出(図52等参照)が先読み演出として行なわれる。先読み演出の対象とした保留情報を「ターゲットの保留情報」と称する。先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称し、先読み演出の対象とした保留情報に基づいたアクティブ表示を「ターゲットのアクティブ表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S1800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S1801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S1802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S1803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S1804)は、変動時間の終了後、メイン演出表示装置209に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S1805)は、ラウンド中の表示制御をする処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S1806)は、ラウンド間の表示制御をする処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S1807)は、メイン演出表示装置209において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御をする処理である。
演出制御用CPU301は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM302に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従ってメイン演出表示装置209等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記憶されている。具体的には、メイン演出表示装置209の表示画面の変更に関わるデータが記憶されている。プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU301は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御をする。プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
演出制御用CPU301は、メイン演出表示装置209において表示される保留表示およびアクティブ表示について、大当りとなる期待度を示唆可能な態様で表示する演出制御を行なうことが可能である。
保留表示をする保留画像、および、アクティブ表示をするアクティブ画像のそれぞれは、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度、すなわち、大当り表示結果となるときの表示しやすさにより異なる表示態様で表示可能である。保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、たとえば円形等のような所定形状で表示され、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度により異なる画像色で表示可能である。保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、白色(通常色)<青色<緑色<赤色というような期待度の大小関係で、画像色の種類により期待度が異なる態様(色態様)で大当りとなる期待度が示唆可能である。
新たな保留記憶情報の発生に基づいて、メイン演出表示装置209において新たな保留記憶情報に対応する保留画像が出現する表示がされるときに、新たな保留画像は、通常色(白色)、青色、緑色、または、赤色のような表示態様で表示される。保留画像は、以下に説明するような先読み演出によって、表示態様が変化される場合がある。
パチンコ遊技機1においては、保留表示される保留記憶情報の変動表示に関する情報を、当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に先読みし、所定条件が成立したときに、その先読み結果に基づいて、先読みした保留記憶情報に対応する保留表示をターゲットとして先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。先読み演出としては、たとえば、保留変化演出および同色図柄演出のような複数種類の演出のうちから選択された演出が実行される。保留変化演出および同色図柄演出は、先読み演出として個別に実行される場合と同時に実行される場合とがある演出である。
保留変化演出は、所定のタイミング(たとえば、当該保留記憶情報よりも先に保留記憶された保留記憶情報に基づく変動表示の開始時等の所定のタイミング)で保留表示の表示態様(表示色)を変化させる演出である。保留変化演出では、先読み演出のターゲットの保留表示の色を、そのターゲットが大当り表示結果となる期待度により異なる画像色に変化させることが可能である。青色<緑色<赤色というような期待度の大小関係で、変化後の画像色の種類により期待度が異なる態様で大当りとなる期待度が示唆可能である。
同色図柄演出は、複数回の変動表示に亘り継続して、左,中,右の演出図柄の停止図柄を、「青図柄(左)−青図柄(中)−青図柄(右)」、「緑図柄(左)−緑図柄(中)−緑図柄(右)」または「赤図柄(左)−赤図柄(中)−赤図柄(右)」というような、同色に揃った色で表示する演出である。左,中,右の各演出図柄は、「0」〜「9」の10個の数字図柄のうち、偶数の図柄が青色の図柄で構成され、奇数の図柄のうち「1」,「5」,「9」の図柄が緑色の図柄で構成され、「3」,「7」の図柄が赤色の図柄で構成されている。これにより、演出図柄は、青色図柄揃いの青同色図柄と、緑色図柄揃いの緑同色図柄と、赤色図柄揃いの赤同色図柄とのいずれかの同色図柄を表示可能である。
同色図柄演出では、先読み演出のターゲットが大当り表示結果となる期待度により異なる画像色で、同色図柄演出における停止図柄を表示可能である。たとえば、青色<緑色<赤色というような期待度の大小関係で、画像色の種類により期待度が異なる態様で大当りとなる期待度が示唆可能である。青色の同色図柄を停止する同色図柄演出は、青同色演出と呼ばれる。緑色の同色図柄を停止する同色図柄演出は、緑同色演出と呼ばれる。赤色の同色図柄を停止する同色図柄演出は、赤同色演出と呼ばれる。
パチンコ遊技機1では、次のような同色図柄の組合せを表示可能である。青同色図柄としては、左,中,右の演出図柄の組合せが「2,4,6」という1種類の同色図柄の組合せを表示可能である。緑同色図柄としては、左,中,右の演出図柄の組合せが「1,5,9」という1種類の同色図柄の組合せを表示可能である。赤同色図柄としては、左,中,右の演出図柄の組合せが「3,3,7」という1種類の同色図柄の組合せを表示可能である。なお、青同色図柄、緑同色図柄、および、赤同色図柄のそれぞれについては、複数種類の同色図柄の組合せから選択した同色図柄の組合せを表示可能としてもよい。
変動表示が実行されるときにおいては、当該変動表示の開始時に、当該変動表示についての大当り判定結果を確認し、大当り判定結果に基づいて、当該変動表示に対応するアクティブ表示を所定のタイミング(たとえば、擬似連の変動パターンの変動表示における擬似連の初回変動および再変動の各変動開始時等の所定のタイミング)で、アクティブ表示の表示態様を変化させるアクティブ変化演出が実行可能である。
アクティブ変化演出は、擬似連の変動パターンの変動表示が実行されるときに所定割合で実行可能である。擬似連の変動パターンの変動表示においては、先読み演出で実行される同色図柄演出と同様の同色図柄を仮停止図柄として仮停止させる同色図柄演出と、擬似連専用図柄として「NEXT」という文字が描かれた図柄(以下、NEXT図柄という)を仮停止図柄として仮停止させるNEXT図柄演出とのいずれかが擬似連の演出種類として選択されて実行される。
新たな保留記憶情報の発生時に出現表示された保留画像は、保留表示として当該保留画像が表示されている段階で表示態様を変化させる保留変化演出が実行可能である。保留記憶情報に基づく変動表示に対応するアクティブ画像は、変動表示中の段階で表示態様を変化させるアクティブ変化演出が実行可能である。
保留画像についての保留変化演出、および、アクティブ変化演出についてのアクティブ変化演出としては、円形状の保留画像の色を変化させることにより表示態様を変化させる演出が実行可能である。通常色(白色)で出現表示された画像は、青色、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。青色で出現表示された画像は、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。緑色で出現表示された画像は、赤色の画像に変化可能である。
このように、保留変化演出、および、アクティブ変化演出のそれぞれにおいては、大当りとなる期待度が高くなる変化態様で、表示態様の変化演出が実行される。なお、保留変化演出においては、大当りとなる期待度が低くなる変化態様で表示態様の変化演出が実行される場合もあるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1では、低ベース状態においてのみ先読み演出およびアクティブ変化演出が実行され、高ベース状態において先読み演出およびアクティブ変化演出が実行されない。なお、高ベース状態においても先読み演出およびアクティブ変化演出が実行されるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1においては、低ベース状態においてのみ先読み演出およびアクティブ変化演出が実行されるので、第1保留記憶の保留表示またはアクティブ表示をターゲットとして、先読み演出およびアクティブ変化演出が実行される。なお、高ベース状態において先読み演出およびアクティブ変化演出が実行される場合には、第2保留記憶の保留表示またはアクティブ表示をターゲットとして、先読み演出およびアクティブ変化演出が実行されることとなる。
保留表示に関しては、保留変化演出により保留表示の表示態様が変化することを示唆する保留変化示唆演出が実行可能である。アクティブ表示に関しては、アクティブ変化演出によりアクティブ表示の表示態様が変化することを示唆するアクティブ変化示唆演出が実行可能である。保留変化示唆演出およびアクティブ変化示唆演出のそれぞれとしては、サブ演出表示装置211において、スロット演出または作用演出が実行される。
スロット演出は、保留表示またはアクティブ表示の変化示唆用の特定の図柄を所定期間変動表示した後表示結果を導出表示し、その表示結果が特定の表示結果となるか否かにより保留変化演出またはアクティブ変化演出が実行されるか否かを示唆する演出である。
作用演出は、保留表示またはアクティブ表示の変化示唆用の特定キャラクタの画像を表示し、そのキャラクタ画像が保留表示またはアクティブ表示に作用するか否かにより保留変化演出またはアクティブ変化演出が実行されるか否かを示唆する演出である。キャラクタ画像が保留表示またはアクティブ表示に作用する演出としては、たとえば、キャラクタ画像が保留表示またはアクティブ表示に向けて玉を投げる画像がサブ演出表示装置211で表示され、それに応じて、メイン演出表示装置209においてその玉が保留表示に当ると保留表示の表示態様またはアクティブ表示の表示態様が変化するというような演出が実行される。なお、キャラクタ画像が保留表示に作用する演出は、保留表示またはアクティブ表示に変化を及ぼすとの印象を遊技者に与える演出であれば、どのような演出であってもよい。
保留変化示唆演出が実行されるときは、先読み演出のターゲットの保留表示がシフト表示されるごとに1回ずつスロット演出または作用演出による示唆演出が実行される。アクティブ変化示唆演出が実行されるときは、擬似連の変動パターンの変動表示が実行されるときにおいて、擬似連における初回変動および再変動のそれぞれが実行されるごとに1回ずつスロット演出または作用演出による示唆演出が実行される。
次に、擬似連の変動パターンの変動表示が実行されるときの先読み演出、保留変化示唆演出、アクティブ変化演出、および、アクティブ変化示唆演出の一例を説明する。図52は、擬似連の変動パターンの変動表示が実行されるときの先読み演出、保留変化示唆演出、アクティブ変化演出、および、アクティブ変化示唆演出の一例を示すメイン演出表示装置209およびサブ演出表示装置211の表示画面図である。
図52においては、(A)〜(D)に、先読み演出時におけるメイン演出表示装置209およびサブ演出表示装置211の表示画面が示され、(E)〜(K)に、擬似連の変動パターンでのアクティブ変化演出時におけるメイン演出表示装置209およびサブ演出表示装置211の表示画面が示される。(E)〜(K)に示す擬似連の変動パターンでのアクティブ変化演出のうち、(H),(I)に、同色図柄演出時の表示画面が示され、(J),(K)に、NEXT図柄演出時の表示画面が示される。
図52においては、メイン演出表示装置209およびサブ演出表示装置211での表示状態が時間経過に従って示されている。メイン演出表示装置209では、表示画像として、左,中,右の演出図柄91,92,93と、保留表示エリア18cと、保留画像Hと、アクティブ画像AHとが示されている。サブ演出表示装置211では、表示画像として、スロット演出のスロット図柄212が示されている。図52において、左,中,右の演出図柄91,92,93は、変動表示中の状態が下向き矢印で示されている。
図52を参照して、メイン演出表示装置209の表示領域内における下部には、第1保留記憶数を保留画像Hにより表示する第1保留表示エリアと、第2保留記憶数を保留画像Hにより表示する第2保留表示エリアとを含む保留表示エリア18cが設けられている。メイン演出表示装置209の表示領域内における下部の中央領域には、アクティブ画像AHを表示するアクティブ表示エリアAHAが設けられている。
保留表示エリア18cのうち、アクティブ表示エリアAHAの左側の領域が第1保留表示エリアであり、アクティブ表示エリアAHAの右側の領域が第2保留表示エリアである。第1保留表示エリアにおいては、第1保留記憶情報が増加発生するごとに、右から左の方向へ順番に保留画像Hが表示されていき、第1保留記憶情報が消化されるごとに左から右の方向へ順番に保留画像Hがシフトする表示がされる。第2保留表示エリアにおいては、第2保留記憶情報が増加発生するごとに、左から右の方向へ順番に保留画像Hが表示されていき、第2保留記憶情報が消化されるごとに右から左の方向へ順番に保留画像Hがシフトする表示がされる。保留表示エリア18cにおいては、前述のような保留画像Hの表示色が変化する保留変化演出が実行される場合がある。
アクティブ表示エリアAHAにおいては、アクティブ画像AHが表示される。アクティブ表示エリアAHAでは、前述のようなアクティブ画像AHの表示色が変化するアクティ変化演出が実行される場合がある。
図52(A)では、先読み演出の保留変化示唆演出の開始時において、保留表示エリア18cにおいて、当初に2つの第1保留記憶情報に基づく2つの第1保留表示の保留画像Hが表示され、アクティブ表示エリアAHAにおいて、第1保留表示に対応するアクティブ画像AHが表示されている例が示されている。2つの保留表示のうち古い方の1つ目の保留画像Hに対応する保留記憶情報が、先読み演出のターゲットの保留記憶情報である。
先読み演出として、ターゲットの保留記憶情報に基づいて、保留変化演出、同色図柄演出、および、スロット演出による保留変化示唆演出が実行され、ターゲットの保留画像Hが1つ目の保留表示となった段階で、保留変化演出が実行される場合は、図52(A)に示すような、ターゲットの保留記憶情報の1つ前の保留記憶情報に基づく演出図柄91〜93の変動表示の開始時に、スロット演出による保留変化示唆演出が実行されてスロット図柄212が変動表示を開始する。その後所定時間(2秒程度)が経過すると、図52(B)に示すように、スロット図柄212の変動表示が終了し、「変化」という図柄が停止し、それに応じて、図52(C)に示すように、ターゲットの保留画像Hの色が変化(たとえば、白→青に変化)する保留変化演出が実行される。
図52(C)に示すように、ターゲットの保留画像Hの色が変化した後、スロット図柄212は、スロット演出が終了したことを示す「−」の画像が表示される。そして、図52(D)に示すように、同色図柄演出が実行されることにより、たとえば青同色図柄が演出図柄91〜93の仮停止図柄(図中において、実際は「色」を示す文字は表示されないが、色を識別容易とするために、青い「2」の図柄を「青2」で示し、青い「4」の図柄を「青4」で示し、青い「6」の図柄を「青6」で示している)として仮停止表示される。
図52(D)に示すように保留変化演出および同色図柄演出が実行されたターゲットの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときにおいて、擬似連の変動パターンによる変動表示が実行され、アクティブ変化演出を実行することが選択されたときには、ターゲットの保留画像Hがターゲットの変動表示に対応するアクティブ画像AHとしてアクティブ表示エリアAHAに移動表示した後、図52(E)に示すように、ターゲットの保留記憶情報に基づく演出図柄91〜93の変動表示の開始時に、先読み演出時と同様に、スロット演出による保留変化示唆演出が実行されてスロット図柄212が変動表示を開始する。
その後所定時間(2秒程度)が経過すると、図52(F)に示すように、スロット図柄212の変動表示が終了し、「変化」という図柄が停止し、それに応じて、図52(G)に示すように、ターゲットの変動表示に対応するアクティブ画像AHの色が変化(たとえば、青→緑に変化)するアクティブ変化演出が実行される。
図52(G)に示すように、ターゲットの変動表示に対応するアクティブ画像AHの色が変化した後、スロット図柄212は、スロット演出が終了したことを示す「−」の画像が表示される。
擬似連の演出として、同色図柄演出が実行されるときには、図52(H)に示すように、同色図柄演出が実行されることにより、たとえば青同色図柄が演出図柄91〜93の仮停止図柄として仮停止表示される。その後、再変動表示が実行されるときには、図52(I)に示すように、演出図柄91〜93が再変動表示を開始する。
一方、擬似連の演出として、NEXT図柄演出が実行されるときには、図52(J)に示すように、演出図柄91〜93が画面隅部に移動した状態で、NEXT図柄94が演出が実行されることにより、NEXT図柄が仮停止図柄として仮停止表示される。その後、再変動表示が実行されるときには、図52(K)に示すように、演出図柄91〜93が再変動表示を開始する。
擬似連の演出としてスロット演出による保留変化示唆演出が実行されるときには、図52(I)または図52(K)に示すように、擬似連の各再変動表示の開始時に、先読み演出時と同様に、スロット演出による保留変化示唆演出が実行されてスロット図柄212が変動表示を開始し、その後、所定時間経過後にスロット図柄212の変動表示が終了して、表示結果に応じた演出が実行される。
図52(D),(H)に示したように、同色図柄演出は、先読み演出と変動時演出との両方において共通演出として実行可能である。図52(A),(B)、および、図52(E),(F),(I),(K)に示したように、先読み演出では保留表示を対象として表示態様を変化させる保留変化演出と、その保留変化演出に対応する保留変化示唆演出とが実行可能であり、それらの演出と同様の演出として、変動時演出ではアクティブ表示を対象として表示態様を変化させるアクティブ変化演出と、そのアクティブ変化演出に対応するアクティブ変化示唆演出とが実行可能である。
このように、先読み演出と変動時演出とで、同様の演出、および、関連性がある演出を実行可能とすることにより、先読み演出と変動時演出とに関連性を生じさせて、演出の面白みを向上させることができ、これらの演出に関する興趣を向上させることができる。
図52(D)のように先読み演出として同色図柄演出を実行し、図52(H)のように擬似連演出として同色図柄演出を実行可能であることにより、先読み演出の演出態様と少なくとも一部が共通する演出態様で擬似連演出が実行可能であるので、擬似連演出が実行されているときに、先読み演出が実行されていると遊技者が錯覚する場合が生じる等、擬似連演出と先読み演出との演出の共通化によりこれらの演出に関する興趣をより一層向上させることができる。
図53は、先読み演出有無判定テーブル、および、先読み演出種類選択テーブルを示す説明図である。先読み演出有無判定テーブルは、先読み演出を実行するか否か(有無)を決定するための抽選に用いるデータテーブルである。先読み演出種類選択テーブルは、先読み演出を実行するときの演出種類を選択決定する抽選に用いるデータテーブルである。
先読み演出有無判定テーブルには、図53(A)の大当り時先読み演出有無判定テーブルと、図53(B)のスーパーリーチはずれ時先読み演出有無判定テーブルと、図53(C)のスーパーリーチ以外はずれ時先読み演出有無判定テーブルとが含まれている。また、これら先読み演出有無判定テーブルとは別に、図53(D)の先読み演出種類選択テーブルが設けられている。これら先読み演出有無判定テーブルおよび先読み演出種類選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM302に記憶されている。
図53(A)の大当り時先読み演出有無判定テーブルは、先読み演出のターゲットとなる保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となると予測される大当り予測時に用いられる。図53(B)のスーパーリーチはずれ時先読み演出有無判定テーブルは、保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がスーパーリーチの変動パターンではずれ表示結果となると予測されるスーパーリーチはずれ予測時に用いられる。図53(C)のスーパーリーチ以外はずれ時先読み演出有無判定テーブルは、保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がスーパーリーチ以外の変動パターンでのはずれ表示結果となると予測されるスーパーリーチ以外はずれ予測時に用いられる。
図53(A)〜(C)の先読み演出有無判定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ300により更新される乱数の1つとしての先読み演出実行有無決定用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、先読み演出を実行する決定と、先読み演出を実行しない決定とに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR2値の個数が示されている。
図53(A)の大当り時先読み演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「先読み演出を実行する>先読み演出を実行しない」という大小関係となるように、先読み演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図53(B)のスーパーリーチはずれ時先読み演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「先読み演出を実行する=先読み演出を実行しない」という大小関係となるように、先読み演出を実行する決定が選択される割合と、実行しない決定が選択される割合とが等しくなるようにデータが設定されている。図53(C)のスーパーリーチ以外はずれ時先読み演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「先読み演出を実行する<先読み演出を実行しない」という大小関係となるように、先読み演出を実行しない決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
このような図53(A)〜(C)でのデータの設定により、先読み演出のターゲットとなる保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、先読み演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、先読み演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。また、図53(B),(C)でのデータの設定により、先読み演出のターゲットとなる保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がはずれ表示結果となるが、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチではずれ表示結果となるときには、大当りとなる期待度がスーパーリーチとなるときよりも低い、スーパーリーチ以外の変動表示(たとえば、ノーマルリーチ変動表示、通常変動表示等)ではずれ表示結果となるときと比べて、先読み演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、先読み演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
この実施の形態では、新たに生じた保留記憶情報のすべてを判定対象として、図53(A)〜(C)の先読み演出有無判定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを判定する。なお、新たに生じた保留記憶情報のうち、ノーマルリーチおよびスーパーリーチを含むリーチの変動パターン種別での変動表示が実行される保留記憶情報のみを判定対象として、先読み演出を実行するか否かを判定してもよい。
図53(D)の先読み演出種類選択テーブルは、先読み演出を実行するときの演出種類を複数種類の演出種類のうちから選択するために用いられる。
図53(D)の先読み演出種類選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ300により更新される乱数の1つとしての先読み演出種類選択用のSR3(0〜102の数値範囲)の合計103個の数値が、複数種類の先読み演出種類に割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR3値の個数が示されている。先読み演出種類は、同色図柄演出単独の先読み演出と、保留変化演出単独の先読み演出と、同色図柄演出+保留変化演出の先読み演出の組合せとの3種類が選択可能に設けられている。これらのうち、同色図柄演出+保留変化演出の先読み演出の組合せには、保留変化示唆演出を実行する演出が加えて実行される。
先読み演出種類選択テーブルでの先読み演出種類の選択割合は、「同色図柄演出単独=保留変化演出単独>同色図柄演出+保留変化演出の組合せ(保留変化示唆演出付加)」という大小関係で設定されている。なお、先読み演出種類の選択割合は、このような割振り以外の割振りで設定されてもよい。
図53に示すように、先読み演出としては、同色図柄演出単独が実行される場合と、保留変化演出単独が実行される場合と、同色図柄演出+保留変化演出の組合せ(保留変化示唆演出付加)が実行される場合とがある。これにより、先読み演出のバリエーションが豊富になり、演出の興趣を向上させることができる。
図54は、先読み同色図柄演出パターン選択テーブルである。先読み同色図柄演出パターン選択テーブルは、先読み演出種類選択テーブルを用いて先読み演出の演出種類として「同色図柄演出」が選択決定されたときに、実行する同色図柄演出の同色図柄演出パターンを選択決定するための抽選に用いるテーブルである。先読み同色図柄演出パターン選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM302に記憶されている。
先読み同色図柄演出パターン選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ300により更新される乱数の1つとしての同色図柄演出パターン選択用のSR4(0〜107の数値範囲)の合計108個の数値が、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、青同色演出、緑同色演出、および、赤同色演出という複数種類の演出パターンに割振られている。SR4については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR4値の個数が示されている。
図54の先読み同色図柄演出パターン選択テーブルにおいては、大当り決定時の同色図柄演出の演出パターン選択割合が、「青同色演出<緑同色演出<赤同色演出」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「青同色演出>緑同色演出>赤同色演出」という大小関係で設定されている。
このような設定により、先読み演出として同色図柄演出が実行されるときには、大当り遊技状態に制御される期待度が「青同色演出<緑同色演出<赤同色演出」という大小関係となる。したがって、先読み演出として同色図柄演出が実行されるときには、同色図柄の色の種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、保留変化演出パターン選択テーブルについて説明する。保留変化演出パターン選択テーブルは、先読み演出種類選択テーブルを用いて、先読み演出として保留変化演出が選択されたときに、保留変化演出の演出パターン(演出態様)を選択決定するために用いられる。
保留変化演出パターン選択テーブルとしては、新たな始動入賞が発生した時点での第1保留記憶数の値別に、複数のテーブルが設けられている。新たな始動入賞が発生した時点での第1保留記憶数が4個であるときに対応して、第1保留変化演出パターン選択テーブルが設けられる。新たな始動入賞が発生した時点での第1保留記憶数が3個であるときに対応して、第2保留変化演出パターン選択テーブルが設けられる。新たな始動入賞が発生した時点での第1保留記憶数が2個であるときに対応して、第3保留変化演出パターン選択テーブルが設けられる。これら第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルは、ROM302に記憶されている。
図55は、第1保留変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。図56(A)は、第2保留変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。図56(B)は、第3保留変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。
第1〜第3の各保留変化演出パターン選択テーブルでは、保留変化演出パターン選択用のSR5(0〜1709の数値範囲)の合計1710個の数値が、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、選択対象として設定された複数種類の保留変化演出パターンに割振られている。SR5については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR5値の個数が示されている。
図55および図56に示すように、保留変化演出パターンは、保留変化演出色が、白色から青色に変化する「白→青変化」の演出種類と、白色または青色から緑色に変化する「白,青→緑変化」の演出種類と、白色、青色または緑色から赤色に変化する「白,青,緑→赤変化」の演出種類との複数の演出種類に分類されている。そして、青変化演出種類、緑変化演出種類、および、赤変化演出種類のそれぞれについては、図55および図56に示すように、複数種類の保留変化演出パターンが選択可能に設けられている。
保留変化演出パターンは、始動入賞時における保留表示の出現時から、先に記憶された保留記憶情報に基づく変動表示が実行(消化)されることに応じて、保留表示がシフトされる場合における何回目かのシフト時に、保留表示色が変化するような演出パターンである。
図55の第1保留変化演出パターン選択テーブルでは、保留変化演出パターンとして、始動入賞時における保留表示の出現時の保留表示色と、第1回目の保留表示のシフト時の色と、第2回目の保留表示のシフト時の保留表示色と、第3回目の保留表示のシフト時の保留表示色とが示されている。図56(A)の第2保留変化演出パターン選択テーブルでは、保留変化演出パターンとして、始動入賞時における保留表示の出現時の保留表示色と、第1回目の保留表示のシフト時の保留表示色と、第2回目の保留表示のシフト時の保留表示色とが示されている。図56(B)の第3保留変化演出パターン選択テーブルでは、保留変化演出パターンとして、始動入賞時における保留表示の出現時の保留表示色と、第1回目の保留表示のシフト時の保留表示色とが示されている。
一例を挙げると、図55の「白→青変化」の演出種類における「白→白→白→青」の保留変化演出パターンは、保留表示の出現時が白、第1回目の保留表示のシフト時が白、第2回目の保留表示のシフト時が白であり、第3回目の保留表示のシフト時に青に変化する演出パターンである。
図55および図56に示す第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルにおいては、大当り決定時の保留変化演出種類の選択割合が、「白→青変化<白,青→緑変化<白,青,緑→赤変化」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「白→青変化>白,青→緑変化>白,青,緑→赤変化」という大小関係で設定されている。
このような設定により、先読み演出として保留変化演出が実行されるときには、大当り遊技状態に制御される期待度が「白→青変化<白,青→緑変化<白,青,緑→赤変化」という大小関係となる。したがって、先読み演出として保留変化演出が実行されるときには、保留変化後の保留表示色の種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図55および図56に示す第1,第2保留変化演出パターン選択テーブルにおいては、「白→青変化」、「白,青→緑変化」、および、「白,青,緑→赤変化」のそれぞれについて、大当り決定時の保留変化演出パターンの選択割合が、保留変化演出の実行タイミングが早くなる程、すなわち、保留変化演出の実行タイミングが保留表示の出現時に近くなる程高くなるように設定されている。一方、はずれ決定時の保留変化演出パターンの選択割合は、大当り決定時の保留変化演出パターンの選択割合の逆の関係となるように設定されている。
このような設定により、先読み演出として保留変化演出が実行されるときには、保留変化演出の実行タイミングに応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、「白→青変化」、「白,青→緑変化」、および、「白,青,緑→赤変化」のそれぞれについては、大当り決定時の保留変化演出パターンの選択割合とはずれ決定時の保留変化演出パターンの選択割合との関係が、図55および図56に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、「白→青変化」、「白,青→緑変化」、および、「白,青,緑→赤変化」のそれぞれについては、保留変化演出パターンの選択割合が、大当り決定時とはずれ決定時とで同じとなるように設定してもよい。
図57は、保留変化示唆演出パターン選択テーブルを示す説明図である。保留変化示唆演出パターン選択テーブルは、先読み演出種類選択テーブルを用いて先読み演出の演出種類として「保留変化示唆演出」が選択決定されたときに、実行する保留変化示唆演出の演出パターンを選択決定するための抽選に用いるテーブルである。保留変化示唆演出パターン選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM302に記憶されている。
保留変化示唆演出パターン選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ300により更新される乱数の1つとしての保留変化示唆演出パターン選択用のSR6(0〜96の数値範囲)の合計97個の数値が、複数種類の保留変化示唆演出パターンに割振られている。SR6については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR6値の個数が示されている。保留変化示唆演出パターンとしては、前述したスロット演出の演出パターンと作用演出の演出パターンとの複数種類の演出パターンのうち、いずれかの演出パターンが選択可能である。
保留変化示唆演出として実行されるスロット演出は、変動表示が実行されるごとに、図52(A)〜(D)に示すようなスロット図柄212として、保留表示の変化示唆用の「×」と「変化」とよりなる複数種類の特定の図柄を所定期間変動表示した後表示結果を導出表示する演出であり、保留表示が変化するときは「変化」の図柄を停止し、保留表示が変化しないときは「×」の図柄を停止する演出パターンで演出が実行される。つまり、「変化」の図柄の停止が保留変化示唆演出の成功態様であり、「×」の図柄の停止が保留変化示唆演出の失敗態様であり、この保留変化示唆演出は、成功態様と失敗態様とで(少なくとも演出開始時点では)少なくとも一部が共通の演出態様で実行される。
保留変化示唆演出として実行される作用演出は、変動表示が実行されるごとに、変化示唆用の特定キャラクタの画像を表示し、その特定キャラクタ画像が保留表示に作用するか否かにより保留変化演出が実行されるか否かを示唆する演出であり、保留表示が変化するときは、変化する保留表示に特定キャラクタ画像が作用し(成功態様)、保留表示が変化しないときは、特定キャラクタ画像が保留表示に作用しない演出が実行される(失敗態様)。この保留変化示唆演出も、成功態様と失敗態様とで(少なくとも演出開始時点では)少なくとも一部が共通の演出態様で実行される。
保留変化示唆演出パターン選択テーブルでの保留変化示唆演出パターンの選択割合は、「スロット演出>作用演出」という大小関係で設定されている。なお、保留変化示唆演出パターンの選択割合は、このような割振りとは異なる関係の割振り(選択割合が逆の割振り、選択割合が同じ割振り)で設定されてもよい。
演出制御基板80に搭載されたRAM303には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部は、たとえばメイン演出表示装置209およびサブ演出表示装置211の画面上における演出画像の表示状態等というような演出動作状態や主基板231から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。演出制御タイマ設定部には、演出表示装置9およびサブ演出表示装置211の画面上における演出画像の表示動作等というような各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。演出制御カウンタ設定部には、たとえばSR1−1等の各種乱数を発生させるランダムカウンタのような、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。演出制御バッファ設定部の所定領域には、始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファを構成するデータが記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファは、第1特別図柄用と第2特別図柄用との2種類設けられている。
第1特別図柄用と第2特別図柄用との各始動入賞時受信コマンドバッファは、それぞれの特別図柄についての各保留記憶情報の発生時に受信した受信コマンドをする記憶バッファである。第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファにおいては、第1保留記憶数の最大値(たとえば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。このような始動入賞時受信コマンドバッファには、演出用バッファが、各保留記憶に対応付けられた態様で付加されている。演出用バッファでは、先読み演出判定有無、先読み演出実行変動指定、同色図柄演出態様指定、保留等変化演出態様指定、および、保留変化示唆演出態様指定という欄に相当する記憶領域を含む。
始動入賞時受信コマンドバッファについては、始動入賞時に受信したコマンドを格納する領域として、図柄指定コマンドを格納する「図柄指定」領域、変動種別コマンドを格納する「変動種別」領域、始動入賞指定コマンドを格納する「始動入賞指定」領域、および、保留記憶数指定コマンドを格納する「保留記憶数指定」領域が設けられている。
第1始動入賞口213または第2始動入賞口214への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、保留記憶数指定コマンド(第1または第2保留記憶数指定コマンド)というコマンドが、主基板231から演出制御基板80へと送信される。演出制御用CPU301は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。これにより、始動入賞があったときには、「図柄指定」、「変動種別」、「始動入賞指定」、および、「保留記憶数指定」のそれぞれの領域に、受信したコマンドが格納される。
始動入賞時受信コマンドバッファおよび対応する演出用バッファに格納されている各種データは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものが、変動表示の演出に用いるために読出された後、削除され、以降の記憶内容がシフトされる。バッファ番号「1」と「2」とにデータが記憶されている状態において、演出図柄の変動表示が開始される場合は、バッファ番号「1」に格納されている各データが読出後削除され、バッファ番号「2」に対応した領域において格納されている各データがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされる。
第1始動入賞および第2始動入賞のそれぞれの始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1,第2)、および保留記憶数指定コマンド(第1,第2)の順にコマンド送信がされる。したがって、コマンド受信が正常にされれば、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンドおよび保留記憶数指定コマンドが格納される。
第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファにおけるバッファ番号「1」〜「4」のデータに対応して、前述した図52に示すような先読み演出および擬似連演出の演出用の情報を格納するための記憶領域としての演出用バッファが設けられている。第2特別図柄については、この実施の形態では、図52に示したような先読み演出および擬似連演出を実行しないため、そのような演出を実行するために用いる演出用バッファは設けられていない。なお、第2特別図柄についても、図52に示したような先読み演出および擬似連演出を実行するための演出用バッファを設け、第1特別図柄と同様の先読み演出および擬似連演出を実行させてもよい。
第1特別図柄に関しては、始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定情報等の所定のデータに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ300により、後述する先読み演出処理で、「先読み演出判定有無」のデータ、「先読み演出実行変動指定」のデータ、「同色図柄演出態様指定」のデータ、「保留変化演出態様指定」のデータ、および、「保留変化示唆演出態様指定」のデータが、始動入賞時受信コマンドバッファにおける保留記憶情報に対応するバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれのデータに対応して、演出用バッファに設けられた「先読み演出判定有無」のデータ格納領域、「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域、「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域、および、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域に格納される。
「先読み演出判定有無」のデータは、先読み演出の判定がされたか否か(有無)を示すデータである。「先読み演出実行変動指定」のデータは、先読み演出を実行するときの変動表示として指定(決定)されているか否かを示すデータである。「同色図柄演出態様指定」のデータは、先読み演出としての同色図柄演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。「保留変化演出態様指定」のデータは、先読み演出としての保留変化演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。「保留変化示唆演出態様指定」のデータは、先読み演出を示唆する演出としての保留変化示唆演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報について、図56(A)〜(C)の先読み演出有無判定テーブルに基づいて先読み演出を実行するか否かの判定がされているか否かに応じて、「先読み演出判定有無」のデータ格納領域に、「判定無」または「判定有」を特定可能なデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報について先読み演出をしない判定がされたときは、新たな始動入賞に対応する保留記憶情報に対応する演出バッファにおいて、「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域に「指定無」を特定可能なデータが記憶され、「先読み演出態様指定」のデータの格納領域に「演出無」を特定可能なデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報に基づいて、先読み演出を実行する判定がされ、かつ、図55(D)の先読み演出種類選択テーブルに基づき、先読み演出種類が決定されたときには、決定された先読み演出種類に応じて、次のようにデータの記憶がされる。
新たな保留記憶情報に基づいて、同色図柄演出単独の先読み演出種類が選択され、図54の同色図柄演出パターンのうちから演出パターンが選択されたときは、次のように演出バッファにデータが記憶される。新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報のそれぞれに対応する演出バッファにおいて、「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域に、「指定有」を特定可能なデータが記憶され、「同色図柄演出態様指定」のデータの格納領域に、「青同色演出」、「緑同色演出」、および、「赤同色演出」のうちから選択された演出パターンを特定可能なデータが記憶される。
このように、新たな保留記憶情報に基づいて、同色図柄演出が単独で実行される演出パターンが選択されたときは、新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ、および、「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域のデータに基づいて、どの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、どのような演出パターンの同色図柄演出が実行されるかが演出制御用マイクロコンピュータ300により認識可能となる。
新たな保留記憶情報に基づいて、保留変化演出単独の先読み演出種類が選択され、図55および図56の保留変化演出パターンのうちから演出パターンが選択されたときは、新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、選択された演出パターンで特定された保留出現時色で保留画像が出現表示され、次のように演出バッファにデータが記憶される。
選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されるシフト回の変動表示を実行する保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ格納領域に「指定有」を特定可能なデータが記憶され、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に、選択された演出パターンで特定された「保留変化色」を特定可能なデータが記憶される。
一方、選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されない変動回の保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ格納領域に「指定無」を特定可能なデータが記憶され、「保留変化演出態様指定」のデータの格納領域に「指定無」を特定可能なデータが記憶される。
このように、新たな保留記憶情報に基づいて、保留変化演出が実行される演出パターンが選択されたときは、新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ、および、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域のデータに基づいて、どの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに保留画像の色が変化せず、どの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに保留画像の色がどのような色に変化する演出パターンの保留変化演出が実行されるかが演出制御用マイクロコンピュータ300により認識可能となる。
新たな保留記憶情報に基づいて、同色図柄演出および保留変化演出の組合せによる先読み演出種類(保留変化示唆演出付加)を実行することが選択され、図54の同色図柄演出パターンのうちから演出パターンが選択され、図55および図56の保留変化演出パターンのうちから演出パターンが選択され、図57の保留変化示唆演出パターンのうちから演出パターンが選択されたときは、次のように演出バッファにデータが記憶される。
新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報のそれぞれに対応する演出バッファにおいて、「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域に、「指定有」を特定可能なデータが記憶され、「同色図柄演出態様指定」のデータの格納領域に、「青同色演出」、「緑同色演出」、および、「赤同色演出」のうちから選択された演出パターンを特定可能なデータが記憶される。
さらに、新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、図55および図56の保留変化演出パターンのうちから選択された演出パターンで特定された保留出現時色で保留画像が出現表示され、次のように演出バッファにデータが記憶される。選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されるシフト回の変動表示を実行する保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に、選択された演出パターンで特定された「保留変化色」を特定可能なデータが記憶される。
さらに、新たな保留記憶情報に基づいて、図57の保留変化示唆演出パターンのうちから選択された演出パターンで特定された示唆演出を実行するために、次のように演出バッファにデータが記憶される。保留変化演出パターンのうちから選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されないシフト回の変動表示を実行する保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域に、選択された保留変化示唆演出パターンで特定された「保留変化しないときの示唆演出」を特定可能なデータが記憶される。保留変化演出パターンのうちから選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されるシフト回の変動表示を実行する保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域に、選択された保留変化示唆演出パターンで特定された「保留変化するときの示唆演出」を特定可能なデータが記憶される。
このように、新たな保留記憶情報に基づいて、同色図柄演出および保留変化演出の組合せが実行され、かつ、保留変化示唆演出を実行する演出種類が選択されたときは、新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ、「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域のデータ、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域のデータ、および、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域のデータに基づき、どの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、どの演出パターンの同色図柄演出、保留変化演出、および、保留変化示唆演出が実行されるかを演出制御用マイクロコンピュータ300が認識可能となる。
演出制御用マイクロコンピュータ300は、このような演出バッファのデータに基づいて、同色図柄演出が単独で実行される演出パターン、保留変化演出が単独で実行される演出パターン、および、同色図柄演出+保留変化演出の組合せに加えて保留変化示唆演出が実行される演出パターンでの演出を実行することが可能である。
図58は、前述の先読み演出処理(S1700)を示すフローチャートである。先読み演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ300は、以下のような処理をする。
まず、前述した演出用バッファにおいて、少なくとも1つの保留記憶状態に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域に「先読み演出実行変動指定」のデータが記憶されているか否かを確認することにより、先読み演出の実行予定期間中であるか否かを判定する(S1710)。先読み演出の実行予定期間中とは、前述した同色図柄演出または保留変化演出のような先読み演出を実行することが実行が予定されている期間をいい、実際に先読み演出が実行中の期間を含む期間をいう。
S1710で先読み演出の実行予定期間中であるときは、新たな先読み演出に関する設定をしないことにより、重複した先読み演出の実行を避けるために処理を終了する。一方、S1710で先読み演出の実行予定期間中でないときは、新たな先読み演出に関する設定を可能とするために、S1711に進む。S1711では、前述した第1保留記憶についての始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファにおける記憶内容をチェックし、その中に、先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるか否かを判定する(S1711)。たとえば、先読み演出判定有無のデータ格納領域において「判定無」を特定可能なデータが記憶されている保留記憶のデータがあるか否かを判定する。
S1711で先読み演出を実行するか否かが未判定の第1保留記憶がないときは、処理を終了する。一方、S1711で先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるときは、現在の第1保留記憶個数が2以上であるか否かを第1保留記憶数指定コマンドにより特定される第1保留記憶数に基づいて確認する(S1712)。S1712では、第1保留記憶数が2未満であるときに、新たな第1保留記憶情報に基づく変動表示を実行する前に変動表示を実行する第1保留記憶情報がなく、新たな第1保留記憶情報に基づく先読み演出のうち保留画像を対象とした先読み演出を実行する対象となる先の変動表示が存在しないので、先読み演出を実行する変動表示が実行可能であるか否かを確認する。
S1712で現在の第1保留記憶個数が2以上でないときは、先読み演出を実行しない(先読み演出無)ことに決定し(S1714)、後述するS1719に進む。一方、S1712で現在の第1保留記憶個数が2以上であるときは、S1711で判定した先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶について、始動入賞時受信コマンドバッファにおける「図柄指定」の記憶内容をチェックし、先読み判定対象の第1保留記憶情報が大当り表示結果を指定したものであるか否かを判定する(S1713)。
S1713で大当り表示結果を指定したものであると判定されたときは、先読み演出決定用のSR2を抽出し、図53(A)の大当り時先読み演出有無判定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを判定する(S1718)。一方、S1713で大当り表示結果を指定したものではないと判定されたときは、S1711で先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶について、始動入賞時受信コマンドバッファにおける「変動種別」の記憶内容をチェックし、スーパーリーチを指定したものであるか否かを判定することにより、先読み判定対象の第1保留記憶情報がスーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものであるか否かを判定する(S1715)。
S1715で先読み判定対象の第1保留記憶情報が、スーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものであると判定されたときは、先読み演出決定用のSR2を抽出し、図53(B)のスーパーリーチはずれ時先読み演出有無判定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを判定する(S1716)。
一方、S1715で先読み判定対象の第1保留記憶情報が、スーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものでないと判定されたときは、先読み演出決定用のSR2を抽出し、図53(C)のスーパーリーチ以外はずれ時先読み演出有無判定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを判定する(S1717)。
S1716、S1717、または、S1718により先読み演出を実行するか否かが判定された後は、前述の演出用バッファにおいて、今回の先読判定対象の第1保留記憶に対応する「先読み演出判定有無」のデータ格納領域に、先読み演出の「判定有」を特定するデータを記憶させる(S1718)。
次に、S1716、S1717、または、S1718により、先読判定対象の第1保留記憶情報について、先読み演出を実行する決定(実行有)がされたか否かを判定する(S1720)。S1720で、先読み演出を実行する決定がされていない(実行無)と判定されたときは、後述するS1729に進む。一方、S1720で、先読み演出を実行する決定がされた(実行有)と判定されたときは、先読判定対象の第1保留記憶情報について、「図柄指定」の領域のデータに基づいて大当りとなるかはずれとなるかの先読み結果を確認するとともに、先読み演出種類決定用のSR3を抽出し、図53(D)の先読み演出種類選択テーブルを用いて、先読み演出種類を選択決定する(S1721)。これにより、先読判定対象の第1保留記憶情報について、先読み演出の演出種類が、同色図柄演出単独、保留変化演出単独、および、同色図柄演出+保留変化演出の組合せ(保留変化示唆演出を含む)のうちのいずれかの演出種類に決定される。
次に、S1721で決定された先読み演出の演出種類が、同色図柄演出単独であるか否かを確認する(S1722)。S1722で同色図柄演出単独に決定されているときは、先読判定対象の第1保留記憶情報について、「図柄指定」の領域のデータに基づいて大当りとなるかはずれとなるかの先読み結果を確認するとともに、同色図柄演出パターン選択用のSR4を抽出し、図54の先読み同色図柄演出パターン選択テーブルを用いて、同色図柄演出パターンを選択決定し、決定した同色図柄演出パターンを特定可能なデータを「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S1723)。次に、S1729に進む。
S1729では、ROM302に記憶され、新たな保留記憶情報に対応する保留記憶表示の出現時の保留色を選択決定するために用いることが可能な出現保留色選択テーブルを用いて、新たな保留記憶情報に対応する保留記憶表示の出現時の保留色を選択決定し、S1730に進む。出現保留色選択テーブルは、保留記憶表示の出現時の保留色を、白、青、緑、赤のうちから選択するデータテーブルであり、演出制御用マイクロコンピュータ300により更新される乱数の1つとしての出現保留色選択用のSR14の値に基づいて出現時の保留色がランダムに選択決定される。出現保留色選択テーブルは、新たな保留記憶情報に対応する変動表示の表示結果が大当り表示結果となるか否かに応じて、保留色の選択割合が異なる。たとえば、大当り表示結果となるときの保留色の選択割合は、「白<青<緑<赤」という選択割合の関係が設定されており、はずれ表示結果となるときの保留色の選択割合は、「白>青>緑>赤」という選択割合の関係が設定されている。
一方、S1722で同色図柄演出単独に決定されていないときは、S1721で決定された先読み演出の演出種類が、保留変化演出単独であるか否かを確認する(S1724)。S1724で保留変化演出単独に決定されているときは、S1725により、先読判定対象の第1保留記憶情報について、「図柄指定」の領域のデータに基づいて大当りとなるかはずれとなるかの先読み結果を確認するとともに「保留記憶数指定」の領域のデータに基づいて、新たな保留記憶情報を含む第1保留記憶数を確認する。そして、保留変化演出パターン選択用のSR5を抽出し、図55および図56の第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルのいずれかを用いて、保留変化演出パターンを選択決定し、決定した保留変化演出パターンを特定可能なデータを「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S1725)。S1725においては、決定した保留変化演出パターンに基づいて、新たな保留記憶情報に対応する保留表示の出現時の保留色も決定される。次に、S1730に進む。
一方、S1724で保留変化演出単独に決定されていないときは、S1721で決定された先読み演出の演出種類が、消去法的に、同色図柄演出+保留変化演出の組合せ(保留変化示唆演出を含む)の演出種類である。その場合には、前述したS1723と同様の処理を実行することにより、図54の先読み同色図柄演出パターン選択テーブルを用いて、同色図柄演出パターンを選択決定し、決定した同色図柄演出パターンを特定可能なデータを「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S1726)。
次に、前述したS1725と同様の処理を実行することにより、図55および図56の第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルのいずれかを用いて、保留変化演出パターンを選択決定し、決定した保留変化演出パターンを特定可能なデータを「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S1727)。
次に、先読判定対象の第1保留記憶情報について、保留変化示唆演出パターン選択用のSR6を抽出し、図57の保留変化示唆演出パターン選択テーブルを用いて、保留変化示唆演出パターンを選択決定し、決定した保留変化示唆演出パターンを特定可能なデータを「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S1723)。前述したS1725と同様の処理を実行することにより、図55および図56の保留変化示唆演出パターン第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルのいずれかを用いて、保留変化演出パターンを選択決定し、決定した保留変化演出パターンを特定可能なデータを「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S1728)。そして、S1730に進む。
S1730では、S1725,S1727,またはS1729で決定した出現保留色の保留画像を、新たな保留画像として出現させる表示をし(S1730)、処理を終了する。このように出現表示された保留画像は、変動表示が実行される毎に、図51のS1707の保留記憶表示制御処理により保留シフト動作が実行され、表示位置がシフト(移動)させられる。
このように先読み演出処理においては、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留色を選択決定することに加えて、先読み演出を実行するか否かの選択決定、先読み演出を実行する決定がされたときの先読み演出の演出態様(演出種類、演出パターン等)、および、先読み演出を実行する決定がされたときの示唆演出の演出態様等の先読み演出に関連する各種演出に関する処理が実行される。
なお、前述したような、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留色を選択決定する処理については、図50のS1707の保留記憶表示制御処理に含め、当該保留記憶表示制御処理を実行するときに、実行するようにしてもよい。
図59は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S1801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU301は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S1601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S1602)。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM302に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S1604)、S1616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S1604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S1602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S1605)、S1616へ進む。S1605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S1601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に、演出制御用CPU301は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S1603)、S1616へ進む。
S1603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出(擬似連等の変動表示態様を含む)、および、先読み演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理(S1616)を実行した後、S1617に進む。演出設定処理の処理内容については、図66を用いて後述する。
S1617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S1617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S1616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM302に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および予告演出における演出表示動作という各種演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S1617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S1618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S1619)。
S1619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等)の制御を開始する(S1620)。たとえば、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板235に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27から音声出力をさせるために、音声出力基板70に制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S1621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S1802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S1622)。
図60は、擬似連演出種類選択テーブル、アクティブ変化示唆演出実行有無選択判定テーブル、および、アクティブ変化演出実行有無選択判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM302に記憶されている。図60(A)の擬似連演出種類選択テーブルは、擬似連の変動パターンの変動表示を実行するときにおける擬似連の演出種類を選択する抽選に用いるデータテーブルである。
擬似連演出種類選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ300により更新される乱数の1つとしての擬似連演出種類選択用の乱数SR7(0〜100の数値範囲)の合計101個の数値が、変動開始時の大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、同色図柄演出と、NEXT図柄演出という複数種類の擬似連演出種類に割振られている。SR7については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR7の個数が示されている。
図60の擬似連演出種類選択テーブルでは、大当り決定時の擬似連演出種類の選択割合が、「同色図柄演出>NEXT図柄演出」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「同色図柄演出<NEXT図柄演出」という大小関係で設定されている。このような設定により、擬似連演出が実行されるときには、大当り遊技状態に制御される期待度が「同色図柄演出>NEXT図柄演出」という大小関係となる。したがって、変動表示が実行されるときの擬似連演出種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、擬似連演出種類についての大当り決定時とはずれ決定時との選択割合の関係は、図60(A)に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、擬似連演出種類の選択割合は、大当り決定時とはずれ決定時とで同じとなるように設定してもよく、変動表示結果に関係なく設定されてもよい。
図60(B)のアクティブ変化示唆演出実行有無選択テーブルは、擬似連の変動パターンの変動表示を実行するときにおいてアクティブ変化示唆演出を実行するか否か(有無)を判定するための抽選に用いるデータテーブルである。アクティブ変化示唆演出実行有無選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ300により更新される乱数の1つとしてのアクティブ変化示唆演出実行有無判定用の乱数SR8(0〜104の数値範囲)の合計105個の数値が、擬似連演出種類が同色図柄演出に選択決定されたときと、擬似連演出種類がNEXT図柄演出に選択決定されたときとに分けて、アクティブ変化示唆演出を実行する決定と、アクティブ変化示唆演出を実行しない決定とに割振られている。
アクティブ変化示唆演出実行有無選択テーブルにおいては、同色図柄演出に選択決定時のアクティブ変化示唆演出実行有無の選択割合が、「実行>不実行」という大小関係で設定され、NEXT図柄演出に選択決定時のアクティブ変化示唆演出実行有無の選択割合が、「実行<不実行」という大小関係で設定されている。
これにより、擬似連演出は、アクティブ変化示唆演出が実行される期待度が「同色図柄演出選択決定時>NEXT図柄演出選択決定時」という大小関係となる。したがって、変動表示が実行されるときの擬似連演出種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行される割合が異なるようにすることができ、演出の興趣を向上させることができる。
図60(B)のように、特別演出としての擬似連演出における同色図柄演出とNEXT図柄演出との演出種類に応じて、アクティブ変化示唆演出の実行割合が異なるので、擬似連演出が実行されるときに、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行される割合が異なるので、擬似連演出とクティブ変化示唆演出とに関連性を持たせてこれらの演出に関する興趣を向上させることができる。
なお、同色図柄演出選択決定時とNEXT図柄演出選択決定時とについてのアクティブ変化示唆演出の実行有無の選択割合の関係は、図60(B)に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、同色図柄演出選択決定時とNEXT図柄演出選択決定時とについてのアクティブ変化示唆演出の実行有無の選択割合は、同じとなるように設定してもよく、同色図柄演出とNEXT図柄演出との選択に関係なく設定されてもよい。
図60(C)のアクティブ変化演出実行有無選択テーブルは、擬似連の変動パターンの変動表示を実行するときにおいてアクティブ変化演出を実行するか否か(有無)を判定するための抽選に用いるデータテーブルである。
アクティブ変化演出実行有無選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ300により更新される乱数の1つとしてのアクティブ変化演出実行有無判定用の乱数SR9(0〜106の数値範囲)の合計107個の数値が、擬似連演出種類が同色図柄演出に選択決定されたときと、擬似連演出種類がNEXT図柄演出に選択決定されたときとに分けて、アクティブ変化演出を実行する決定と、実行しない決定とに割振られている。
アクティブ変化演出実行有無選択テーブルにおいては、同色図柄演出に選択決定時のアクティブ変化演出実行有無の選択割合が、「実行<不実行」という大小関係で設定され、NEXT図柄演出に選択決定時のアクティブ変化演出実行有無の選択割合が、「実行>不実行」という大小関係で設定されている。
この設定により、擬似連演出は、アクティブ変化演出が実行される期待度が「同色図柄演出選択決定時<NEXT図柄演出選択決定時」という大小関係となる。したがって、変動表示が実行されるときの擬似連演出種類に応じて、アクティブ変化演出が実行される割合が異なるようにすることができ、演出の興趣を向上させることができる。
図60(C)のように、同色図柄演出とNEXT図柄演出とのような演出種類に応じて、アクティブ変化演出の実行割合が異なることにより、擬似連演出が実行されるときに、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行された後にアクティブ表示の態様が変化する割合が異なるので、擬似連演出とアクティブ変化示唆演出とに関連性を持たせてこれらの演出に関する遊技の興趣を向上させることができる。
なお、同色図柄演出選択決定時とNEXT図柄演出選択決定時とについてのアクティブ変化演出の実行有無の選択割合の関係は、図60(C)に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、同色図柄演出選択決定時とNEXT図柄演出選択決定時とについてのアクティブ変化演出の実行有無の選択割合は、同じとなるように設定してもよく、同色図柄演出とNEXT図柄演出との選択に関係なく設定されてもよい。
図61は、擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルを示す説明図である。同色図柄演出パターン選択テーブルは、図60(A)の擬似連演出種類選択テーブルを用いて擬似連演出の演出種類として「同色図柄演出」が選択決定されたときに、実行する擬似連時同色図柄演出の演出パターンを選択決定する抽選に用いるテーブルである。擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルは、ROM302に記憶されている。
擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ300により更新される乱数の1つとしての同色図柄演出パターン選択用の乱数SR10(0〜101の数値範囲)の合計102個の数値が、先読み演出時における同色図柄演出パターンの実行履歴の種類ごとに、変動表示開始時の大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、変動表示開始時の大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、青同色演出、緑同色演出、および、赤同色演出という複数種類の演出パターンに割振られている。SR10については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR10値の個数が示されている。
図61の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルにおいては、当該変動表示が実行される保留記憶情報をターゲットとした先読み演出時における同色図柄演出パターンの実行履歴が「同色図柄演出なし」、「青同色演出」、「緑同色演出」、および、「赤同色演出」の4種類の履歴に分けられている。「同色図柄演出なし」は、先読み演出時に同色図柄演出が実行されなかった履歴を示す。「青同色演出」は、先読み演出時に青同色演出が実行された履歴を示す。「緑同色演出」は、先読み演出時に緑同色演出が実行された履歴を示す。「赤同色演出」は、先読み演出時に赤同色演出が実行された履歴を示す。
図61の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルにおいて、先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「同色図柄演出なし」のとき、および、「青同色演出」のときは、大当り決定時の同色図柄演出の演出パターン選択割合が、「青同色演出<緑同色演出<赤同色演出」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「青同色演出>緑同色演出>赤同色演出」という大小関係で設定されている。
図61の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルにおいて、先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「緑同色演出」のときは、大当り決定時の同色図柄演出の演出パターン選択割合が、「緑同色演出<赤同色演出」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「緑同色演出>赤同色演出」という大小関係で設定されている。図61の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルにおいて、先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「赤同色演出」のときは、大当り決定時およびはずれ決定時において、「赤同色演出」のみが選択される選択割合が設定されている。
このような設定により、擬似連の演出として同色図柄演出が実行されるときには、大当り遊技状態に制御される期待度が「青同色演出<緑同色演出<赤同色演出」という大小関係となる。したがって、先読み演出として同色図柄演出が実行されるときには、同色図柄の色の種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「同色図柄演出なし」のとき、および、「青同色演出」のときは、青,緑,赤のすべての同色演出が選択可能に設定されている。先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「緑同色演出」のときは、緑,赤の同色演出が選択可能に設定されている。先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「赤同色演出」のときは、赤の同色演出のみが選択可能に設定されている。
これにより、ある保留記憶情報に基づいて、先読み演出時に同色図柄演出が実行された後に、当該保留記憶情報に基づく擬似連の変動表示時に同色図柄演出が実行されるときには、先読み演出時に実行された同色図柄演出における大当り期待度以上の大当り期待度の同色図柄演出が実行可能となる。したがって、先読み演出から変動表示における擬似連の演出に移行したときに、遊技者の大当りへの期待感が成り下がらないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図61の青同色演出、緑同色演出、赤同色演出のように、先読み演出時の同色図柄演出パターン履歴に応じて、先読み演出時に実行された同色図柄演出パターンの大当り期待度以上の期待度の同色図柄演出パターンで擬似連演出を実行可能である。先読み演出と共通態様の同色図柄演出での擬似連演出を実行する変動表示が実行される前に実行された先読み演出の演出態様における期待度以上の期待度の演出態様で、擬似連演出が実行可能であるので、先読み演出の演出態様における期待度以上の期待度の演出態様で擬似連演出が実行されるか否かに遊技者を注目させることができ、演出の興趣を向上できる。
図62は、アクティブ変化演出種類選択テーブルを示す説明図である。アクティブ変化演出種類選択テーブルは、図60(C)のアクティブ変化演出実行有無判定テーブルを用いてアクティブ変化演出を実行することが選択決定されたときに、アクティブ変化演出を実行するときのアクティブ表示の変化演出種類(色変化パターン)を選択決定するための抽選に用いるテーブルである。アクティブ変化演出種類選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM302に記憶されている。
アクティブ変化演出種類選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ300により更新される乱数の1つとしてのアクティブ変化演出種類選択用の乱数SR11(0〜105の数値範囲)の合計106個の数値が、先読み演出時における保留演出の実行履歴の種類ごとに、変動表示開始時の大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、変動表示開始時の大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、複数種類の変化演出種類に割振られている。SR11については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR11値の個数が示されている。
図62のアクティブ変化演出種類選択テーブルでは、当該変動表示が実行される保留記憶情報をターゲットとした先読み演出時における保留演出の実行履歴が「最終保留色白」、「最終保留色青」、および、「最終保留色緑」の3種類の履歴に分けられている。
「最終保留色白」は、先読み演出時に保留変化演出が実行されず変動表示直前の最終的な保留表示が白色であった履歴を示す。「最終保留色青」は、青色で出現表示され先読み演出時に保留変化演出が実行されなかったか、または、先読み演出時に保留変化演出が実行され青色に変化したかにより、変動表示直前の最終的な保留表示が青色であった履歴を示す。「最終保留色緑」は、緑色で出現表示され先読み演出時に保留変化演出が実行されなかったか、または、先読み演出時に保留変化演出が実行され緑色に変化したかにより、変動表示直前の最終的な保留表示が緑色であった履歴を示す。変動表示直前の最終的な保留表示が赤色であったときは、大当りの期待度が高くなる態様のアクティブ変化演出が不可能であるので、先読み演出時における保留演出の実行履歴の種類には含まれていない。
アクティブ変化演出種類選択テーブルで、先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色白」のときは、アクティブ表示の変化演出種類が「白→青変化」、「白→緑変化」、および、「白→赤変化」のいずれかが選択可能である。先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色白」のときは、大当り決定時のアクティブ表示の変化演出種類の選択割合が「白→青変化<白→緑変化<白→赤変化」の大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が「白→青変化>白→緑変化>白→赤変化」の大小関係で設定されている。
図62のアクティブ変化演出種類選択テーブルにおいて、先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色青」のときは、アクティブ表示の変化演出種類が「青→緑変化」、および、「青→赤変化」のうちいずれかが選択可能である。先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色青」のときは、大当り決定時のアクティブ表示の変化演出種類の選択割合が、「青→緑変化<青→赤変化」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「青→緑変化>青→赤変化」という大小関係で設定されている。
アクティブ変化演出種類選択テーブルにおいて、先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色緑」のときは、大当り決定時およびはずれ決定時において、アクティブ表示の変化演出種類として「緑→赤変化」のみが選択可能となる選択割合が設定されている。
このような設定により、アクティブ変化演出が実行されるときには、アクティブ表示の色による大当り遊技状態に制御される期待度が「青色<緑色<赤色」という大小関係となる。したがって、アクティブ変化演出が実行されるときには、アクティブ表示の色の種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、アクティブ変化演出パターン選択テーブルについて説明する。アクティブ変化演出パターン選択テーブルは、図60(C)のアクティブ変化演出実行有無判定テーブルを用いて、アクティブ変化演出を実行することが選択されたときに、アクティブ変化の演出パターン(演出態様)を選択決定するために用いられる。
アクティブ変化演出パターン選択テーブルとしては、アクティブ変化演出が実行される擬似連の変動表示における擬似連の変動回数(初回変動+再変動の合計回数)の値別に、複数のテーブルが設けられている。擬似連の変動回数が4回(擬似連4回)であるときに対応して、第1アクティブ変化演出パターン選択テーブルが設けられる。擬似連の変動回数が3回(擬似連3回)であるときに対応して、第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルが設けられる。擬似連の変動回数が2回(擬似連2回)であるときに対応して、第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルが設けられる。これら第1〜第3アクティブ変化演出パターン選択テーブルは、ROM302に記憶されている。
図63は、第1アクティブ変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。図64(A)は、第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。図64(B)は、第3アクティブ変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。
第1〜第3の各アクティブ変化演出パターン選択テーブルでは、アクティブ変化演出パターン選択用のSR12(0〜103の数値範囲)の合計104個の数値が、図62のアクティブ変化演出種類選択テーブルを用いて決定されたアクティブ表示の変化演出種類の種類ごとに、変動表示開始時の大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、変動表示開始時の大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、選択対象として設定された複数種類のアクティブ変化演出パターンに割振られている。SR12は、割振られた乱数SR12値の個数が示されている。
図63および図64に示すように、アクティブ変化演出パターンは、アクティブ表示の変化演出種類により、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」という複数種類の変化演出種類に分類されている。そして、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」のそれぞれについては、図63および図64に示すように、複数種類のアクティブ変化演出パターンが選択可能に設けられている。
アクティブ変化演出パターンは、擬似連の演出で、初回変動から各再変動が表実行されるときの何回目かの変動時にアクティブ表示色が変化するような演出パターンである。
図63の第1アクティブ変化演出パターン選択テーブルでは、アクティブ変化演出パターンとして、初回変動時のアクティブ表示色と、第1回目の再変動時のアクティブ表示色と、第2回目の再変動時のアクティブ表示色と、第3回目の再変動時のアクティブ表示色とが示されている。図64(A)の第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルでは、アクティブ変化演出パターンとして、アクティブ変化演出パターンとして、初回変動時のアクティブ表示色と、第1回目の再変動時のアクティブ表示色と、第2回目の再変動時のアクティブ表示色とが示されている。図64(B)の第3アクティブ変化演出パターン選択テーブルでは、アクティブ変化演出パターンとして、初回変動時のアクティブ表示色と、第1回目の再変動時のアクティブ表示色とが示されている。
一例を挙げると、図63の「白→青変化」の演出種類における「白→白→白→青」のアクティブ変化演出パターンは、アクティブ表示が、擬似連の変動表示中において、初回変動時が白、第1回目の再変動時が白、第2回目の再変動時が白であり、第3回目の再変動時に青に変化する演出パターンである。
図63および図64に示す第1,第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルにおいては、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」のそれぞれのアクティブ変化演出種類について、大当り決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合が、アクティブ変化演出の実行タイミングが早くなる程、すなわち、アクティブ変化演出の実行タイミングが擬似連の初回変動に近くなる程高くなるように設定されている。一方、はずれ決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合は、大当り決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合の逆の関係となるように設定されている。
このような設定により、アクティブ変化演出が実行されるときには、アクティブ変化演出の実行タイミングに応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」のそれぞれについては、大当り決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合とはずれ決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合との関係が、図63および図64に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」のそれぞれについては、アクティブ変化演出パターンの選択割合が、大当り決定時とはずれ決定時とで同じとなるように設定してもよい。
図52、図55〜図56、図62〜図64に示すように、保留表示およびアクティブ表示は、保留表示で変化した後アクティブ表示でも変化するというように、段階的に変化可能であるので、アクティブ表示の態様がどの段階まで変化するかに遊技者を注目させることができ、演出の興趣を向上させることができる。
図65は、アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルを示す説明図である。アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルは、図60(B)のアクティブ変化示唆演出実行有無判定テーブルを用いてアクティブ変化示唆演出を実行することが決定されたときに、実行するアクティブ変化示唆演出の演出パターンを選択決定するための抽選に用いるテーブルである。アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM302に記憶されている。
アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ300により更新される乱数の1つとしてのアクティブ変化示唆演出パターン選択用のSR13(0〜97の数値範囲)の合計98個の数値が、複数種類のアクティブ変化示唆演出パターンに割振られている。SR13については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR13値の個数が示されている。アクティブ変化示唆演出パターンとしては、前述したスロット演出の演出パターンと作用演出の演出パターンとの複数種類の演出パターンのうち、いずれかの演出パターンが選択可能である。
アクティブ変化示唆演出として実行されるスロット演出は、擬似連の演出中において変動表示(初回変動+再変動の変動表示)が実行されるごとに、図52(E)〜(K)に示すようなスロット図柄212として、アクティブ表示の変化示唆用の「×」と「変化」とよりなる複数種類の特定の図柄を所定期間変動表示した後表示結果を導出表示する演出であり、アクティブ表示が変化するときは「変化」の図柄を停止し、アクティブ表示が変化しないときは「×」の図柄を停止する演出パターンで演出が実行される。
アクティブ変化示唆演出として実行される作用演出は、擬似連の演出中において変動表示(初回変動+再変動の変動表示)が実行されるごとに、変化示唆用の特定キャラクタの画像を表示し、その特定キャラクタ画像がアクティブ表示に作用するか否かによりアクティブ変化演出が実行されるか否かを示唆する演出であり、アクティブ表示が変化するときは、アクティブ表示に特定キャラクタ画像が作用し、アクティブ表示が変化しないときは、特定キャラクタ画像がアクティブ表示に作用しない演出が実行される。アクティブ変化示唆演出で表示される特定キャラクタ画像は、保留変化示唆演出で表示される特定キャラクタ画像と同じ画像のキャラクタである。なお、アクティブ変化示唆演出の特定キャラクタ画像としては、保留変化示唆演出で表示される特定キャラクタ画像と少なくとも一部が異なるキャラクタ画像を用いてもよい。
アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルでのアクティブ変化示唆演出パターンの選択割合は、「スロット演出>作用演出」という大小関係で設定されている。なお、アクティブ変化示唆演出パターンの選択割合は、このような割振りとは異なる関係の割振り(選択割合が逆の割振り、選択割合が同じ割振り)で設定されてもよい。
図65のように、スロット演出および作用演出のような複数種類のアクティブ変化示唆演出パターンのうち、スロット演出および作用演出のような特定のアクティブ変化示唆演出パターンの割合が、同色図柄演出およびNEXT図柄演出のような擬似連演出の演出種類に応じて異なるので、遊技者を擬似連演出の演出種類に注目させることができる。
図52(A)〜(D)、図57の先読み演出時の保留変化示唆演出パターンと、図52(E)〜(I)、図65の擬似連演出時のアクティブ変化示唆演出パターンとに示すように、先読み演出時の保留変化示唆演出を引継いだ態様で擬似連演出時のアクティブ変化示唆演出を実行可能であるので、先読み演出と擬似連演出とを一連の演出態様とすることができ、演出に関する興趣を向上させることができる。
図66は、前述の演出設定処理(S1616)を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ300は、以下に説明する処理を行なう。
まず、今回の変動表示が、先読み演出を実行する指定がされた変動表示であるか否かを判定する(S630)。具体的に、S630では、前述の第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータとして「指定有」のデータが記憶されているときに、先読み演出を実行する指定がされた変動表示であると判定する。S630において、先読み演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されたときは、後述するS631に進む。
S630により先読み演出を実行する指定がされた変動表示であると判定されたときは、前述の第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「同色図柄演出態様指定」のデータ、「保留変化演出態様指定」のデータ、および、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ等の先読み演出に関連する演出の設定データに基づいて、同色図柄演出態様または保留変化演出態様のような先読み演出態様、および、保留変化示唆演出態様等の先読み演出に関連する演出態様を、先読み演出に関連する演出として実行する演出態様として設定(データを設定)する(S632)。S632では、同色図柄演出の演出パターンを実行するときには、停止図柄を同色図柄演出の色に応じた同色停止図柄の組合せとするために、停止図柄を、図59のS1604等により決定された停止図柄に代えて、前述のような方法で、選択決定された同色演出図柄の組合せを変動表示時の停止図柄として設定する処理も行なう。
S632で先読み演出態様および保留変化示唆の演出態様が設定されることにより、S1802で変動表示が実行されるときに、たとえば、図52(A)〜(D)に示すような先読み演出等が実行されることとなる。
一方、S630により先読み演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されたときは、今回の変動表示の開始時に受信した変動パターンコマンドで指定された変動パターンを確認することに基づいて、今回の変動表示が、擬似連の変動パターンであるか否かを確認する(S631)。
S631で今回の変動表示が擬似連の変動パターンではないときは、S647に進む。一方、S631で今回の変動表示が擬似連の変動パターンであるときは、今回の変動表示の開始時に受信した表示結果指定コマンドで指定された変動表示結果を確認することに基づいて大当りとなるかはずれとなるかを確認するとともに、擬似連演出種類選択用の乱数SR7を抽出し、図60の図60(A)の擬似連演出種類選択テーブルを用いて、擬似連演出種類を同色図柄演出とNEXT図柄演出とのいずれかに選択決定し、選択決定された演出種類を特定可能なデータを、RAM303に設けられた擬似連演出種類記憶領域に記憶する(S633)。次に、今回の変動表示の開始前のタイミングでRAM102の最終保留色記憶領域に最終保留色データとして記憶しておいたデータに基づいて、今回の変動表示の開始前における保留表示色の最終色である最終保留色が「赤」以外であるか否かを確認する(S634)。
S634で最終保留色が「赤」以外であるときは、S633での擬似連演出種類の選択決定結果を確認することに基づいて、今回の擬似連演出種類が同色図柄演出とNEXT図柄演出とのいずれかを確認するとともに、アクティブ変化示唆演出実行有無判定用の乱数SR8を抽出し、図60(B)のアクティブ変化示唆演出実行有無選択テーブルを用いて、アクティブ変化示唆演出の実行の有無を判定する(S635)。
次に、S633での擬似連演出種類の選択決定結果を確認することに基づいて、今回の擬似連演出種類が同色図柄演出とNEXT図柄演出とのいずれかを確認するとともに、アクティブ変化演出実行有無判定用の乱数SR9を抽出し、図60(C)のアクティブ変化演出実行有無選択テーブルを用いて、アクティブ変化演出の実行の有無を判定し(S636)、S637に進む。また、前述のS634で最終保留色が「赤」であるときは、直接的にS637に進む。
S637では、S633での擬似連演出種類の選択決定結果により同色図柄演出に決定されたか否かを確認する(S637)。S637により同色図柄演出に決定されたときは、図61の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルを用いて、擬似連の演出中に実行する同色図柄演出の演出パターンを、選択決定し、決定した演出パターンを特定可能なデータをRAM102の擬似連同色図柄演出パターン記憶領域に記憶する(S638)。S638では、同色図柄演出の演出パターンを実行するために、同色図柄演出の色に応じた仮停止図柄の組合せも前述のような方法で決定する。そして、S639に進む。一方、S637により同色図柄演出に決定されていないときは、直接的にS639に進む。
具体的にS638では、RAM102に設けられ、変動表示の実行前における先読み演出時に同色図柄演出が実行されたときに、先読み演出時同色図柄演出パターン履歴が記憶される先読み演出時同色図柄演出パターン履歴記憶領域の記憶データに基づいて、先読み演出時同色図柄演出パターン履歴が、図61の先読み演出時同色図柄演出パターン履歴欄に示されたいずれの履歴に該当するかを確認し、さらに、今回の変動表示の開始時に受信した表示結果指定コマンドで指定された変動表示結果を確認することに基づいて大当りとなるかはずれとなるかを確認する。そして、S638では、同色図柄演出パターン選択用の乱数SR10を抽出し、その抽出値と、確認した先読み演出時同色図柄演出パターン履歴と、確認した変動表示結果とに基づいて、図61の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルを用いて、擬似連同色図柄演出の演出パターンを選択決定する。
S639では、S633での擬似連演出種類の選択決定結果によりNEXT図柄演出に決定されたか否かを確認する(S639)。S633によりNEXT図柄演出に決定されたときは、NEXT図柄を仮停止図柄として仮停止させるNEXT図柄演出の演出パターンを、選択決定し、RAM102の擬似連NEXT図柄演出パターン記憶領域に記憶する(S640)。そして、S641に進む。一方、S639によりNEXT図柄演出に決定されていないときは、直接的にS641に進む。
S641では、S636でのアクティブ変化演出の実行有無判定結果によりアクティブ変化演出を実行する決定がされたか否かを確認する(S641)。S641によりアクティブ変化演出を実行する決定がされたときは、図62のアクティブ変化演出種類選択テーブルを用いて、擬似連の演出中に実行するアクティブ変化演出の演出種類を、選択決定し、決定した演出種類を特定可能なデータをRAM102のアクティブ変化演出種類記憶領域に記憶する(S642)。
具体的にS642では、今回の変動表示の開始前のタイミングでRAM102の最終保留色記憶領域に最終保留色データとして記憶しておいたデータに基づいて、今回の変動表示の開始前における保留表示色の最終色である最終保留色を確認し、さらに、今回の変動表示の開始時に受信した表示結果指定コマンドで指定された変動表示結果を確認することに基づいて大当りとなるかはずれとなるかを確認する。そして、S642では、アクティブ変化演出種類選択用の乱数SR11を抽出し、その抽出値と、確認した最終保留色と、確認した変動表示結果とに基づいて、図62のアクティブ変化演出種類選択テーブルを用いて、アクティブ変化演出の演出種類を選択決定する。
次に、S643では、図63および図64の第1〜第3アクティブ変化演出パターン選択テーブルのいずれかを用いて、アクティブ変化演出パターンを選択決定し、決定したアクティブ変化演出パターンを特定可能なデータを、RAM102のアクティブ変化演出種パターン記憶領域に記憶し(S643)、S644に進む。一方、S641によりアクティブ変化演出を実行しない決定がされたときは、直接的にS644に進む。
S644では、S635のアクティブ変化示唆演出の実行有無判定結果によりアクティブ変化示唆演出を実行する決定がされたか否かを確認する(S644)。S644によりアクティブ変化示唆演出を実行する決定がされたときは、図65のアクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルを用いて、擬似連の演出中に実行するアクティブ変化演出の演出パターンを、選択決定し、決定した演出パターンを特定可能なデータをRAM102のアクティブ変化演出パターン記憶領域に記憶する(S645)。そして、S646に進む。
具体的にS645では、S633で決定され擬似連演出種類記憶領域に記憶されたデータに基づいて擬似連演出種類を確認し、アクティブ変化示唆演出パターン選択用のSR13を抽出し、その抽出値と、確認した擬似連演出種類とに基づいて、図65のアクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルを用いて、アクティブ変化示唆演出の演出パターンを選択決定する。
S646では、S631で今回の変動表示が擬似連の変動パターンであると判断されたときにおいて、擬似連の変動表示中に実行可能な、NEXT図柄演出、同色図柄演出、アクティブ変化演出、および、アクティブ変化示唆演出に関する選択決定結果として、S638,S640,S642,S643,S645等で記憶されたデータに基づいて、今回の変動表示における擬似連で実行する演出の演出態様を設定する(S646)。
S646でアクティブ表示の演出態様およびアクティブ変化示唆の演出態様が設定されることにより、S1802で変動表示が実行されるときに、たとえば、図52(E)〜(J)に示すようなアクティブ表示演出等が実行されることとなる。次に、S647においては、前述した先読み演出および擬似連の演出以外のその他の各種演出を設定する処理を実行する(S647)。その後、演出設定処理を終了する。
このような演出設定処理が実行されることに基づく演出制御の設定に基づいて、図51に示す演出図柄変動中処理(S1802)により、S632で設定された演出態様に基づいて、変動開始当初における所定の演出期間において、同色図柄演出および保留変化演出のような先読み演出と、保留変化演出に付随して実行される保留変化示唆演出とが実行されることとなる。また、このような演出設定処理が実行されることに基づく演出制御の設定に基づいて、図51に示す演出図柄変動中処理(S1802)により、S646で設定された演出態様に基づいて、変動開始当初における特定の演出期間において、NEXT図柄演出、および、同色図柄演出のような擬似連演出と、アクティブ変化演出と、アクティブ変化演出に付随して実行されるアクティブ変化示唆演出とが実行されることとなる。
(実施例2) 次に、実施例2を説明する。実施例2では、擬似連出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせる例を説明する。
たとえば、擬似連演出としては、同色図柄演出とNEXT図柄演出とのいずれかが実行される場合において、たとえば、擬似連演出として同色図柄演出が実行される場合には、擬似連演出の前における先読み演出において、同色図柄演出が実行されたときに、その後の擬似連演出として同色図柄演出が実行され、擬似連演出の終了後のリーチ変動等の状態において、先読み演出における同色図柄演出の色と同じ色のエフェクト画像を画面中央部に表示する演出制御を行なう。一方、擬似連演出としてNEXT図柄演出が実行される場合には、擬似連演出の前における先読み演出において、同色図柄演出が実行されたときに、その後の擬似連演出としてNEXT図柄演出が実行され、擬似連演出の終了後のリーチ変動等の状態において、先読み演出における同色図柄演出の色と同じ色のエフェクト画像を画面隅部に表示する演出制御を行なう。擬似連演出として、特定のストーリーが展開されるストーリー擬似連演出が実行可能である場合に、擬似連演出の前における先読み演出において、同色図柄演出が実行されたときに、その後の擬似連演出としてストーリー擬似連演出が実行され、擬似連演出の終了後のリーチ変動等の状態において、先読み演出における同色図柄演出の色と同じ色のエフェクト画像を画面全体に表示する演出制御をする。
このような演出制御を行えば、擬似連演出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせることが可能となるので、擬似連演出による演出効果をより一層高めることができる。
なお、擬似連演出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせる例としては、擬似連演出の終了後のエフェクト画像を異ならせることに限らず、擬似連演出の終了後に表示する背景画像を異ならせる、または、擬似連演出の終了後に表示するキャラクタ画像を異ならせる等、その他の画像を異ならせることにより、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせるようにしてもよい。
また、擬似連出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせる例としては、擬似連演出の実行前の先読み演出と関連性を持たせた画像を表示する例に限らず、擬似連演出の実行前の先読み演出と関連性を持たない画像を表示してもよい。
(実施例3) 次に、実施例3を説明する。実施例3では、保留表示の態様を変化させるときと、変動対応表示の態様を変化させるときとで、変化演出の種類が異なるようにした例を説明する。実施例3においては、保留変化演出、および、アクティブ変化演出として複数種類の作用演出のうちから選択された作用演出が用いられる。演出制御用CPU301は、保留変化演出と、アクティブ変化演出とで、作用演出の選択割合が異なる。
演出制御用CPU301は、作用演出決定テーブルを用いて、乱数に基づく抽選処理を行ない、作用演出の種類を決定する。「作用演出」とは、保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化する際に保留表示やアクティブ表示に何らかの形式で作用するような態様で実行される演出であり、作用演出が実行されることによって保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化することを示唆することができる。
図67は、作用演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図67(A)は、超短縮変動(変動時間2.0秒)用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。また、図67(B)は、短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。また、図67(C)は、通常変動(変動時間12.0秒)用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。さらに、図67(D)は、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。図67に示すように、この実施の形態では、作用演出決定テーブルには、「シフト時変化」や「落雷作用演出」、「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」、「リーチ後変化」に対して、それぞれ判定値が割り振られている。
図67に示すように、作用演出が実行される期間は大きく変動開始時と変動中期と変動後期とに区別され、いずれの期間であるかによって実行可能な作用演出の種類が異なっている。図67に示すように、変動開始時に実行可能な作用演出として「シフト時変化」および「落雷作用演出」があり、変動中期に実行可能な作用演出として「役物作用演出」および「キャラクタ作用演出A」があり、変動後期に実行可能な作用演出として「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」および「リーチ後変化」がある(ただし、「リーチ後変化」は、後述するように、アクティブ表示の表示態様を変化する場合にのみ実行可能である)。
「変動開始時」とは、例えば、変動表示を開始してから所定時間(例えば、5秒)経過後)までの期間や、変動表示を開始してから高速変動に移行するまでの期間など、何らかの形式で変動表示の開始から直後までの期間であることを認識できるものであればよい。また、「変動中期」とは、変動開始時の期間を終了してから、例えば、変動終了所定期間(例えば、10秒)前までの期間や、1つ目の演出図柄(例えば、左図柄)が停止表示されるまでの期間、リーチが発生するまでの期間など、何らかの形式で変動表示の中段の期間であることを認識できるものであればよい。また、「変動後期」とは、例えば、変動終了所定期間(例えば、10秒)前から変動表示を終了するまでの期間や、1つ目の演出図柄(例えば、左図柄)が停止表示されてから変動表示を終了するまでの期間、リーチが発生してから変動表示を終了するまでの期間など、何らかの形式で変動表示の後段の期間であることまたは終了直前の期間であることを認識できるものであればよい。
また、予告対象の保留表示を宝箱を模した態様で表示する演出パターンを用いる場合には、そのまま予告対象の変動表示において「宝箱開放作用演出」が実行されてアクティブ表示の表示態様が変化されることから、図42に示す作用演出決定テーブルには含まれていないが、「宝箱開放作用演出」は変動開始時に実行される作用演出に分類される。
「シフト時変化」とは、作用演出の実行を伴うことなく、保留表示のシフト(変動表示の開始)のタイミングで直ちに予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させるものである(従って、「シフト時変化」は厳密には作用演出には含まれない)。また、「落雷作用演出」とは、演出表示装置9において予告対象の保留表示やアクティブ表示に落雷したような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させるものである。また、「役物作用演出」とは、可動部材が可動するような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させるものである。また、「キャラクタ作用演出A」とは、メイン演出表示装置209においてキャラクタAが予告対象の保留表示に作用するような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化させるものである。また、「保留変化図柄作用演出」とは、演出表示装置9において予告対象の保留表示が変化することを示唆する保留変化図柄を仮停止表示させるような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化させるものである。また、「キャラクタ作用演出B」とは、メイン演出表示装置209においてキャラクタBが予告対象の保留表示に作用するような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化させるものである。さらに、「リーチ後変化」とは、作用演出の実行を伴うことなく、リーチ発生後の所定のタイミングで(例えば、リーチ発生から5秒経過後)アクティブ表示の表示態様を変化させるものである(従って、「リーチ後変化」も厳密には作用演出には含まれない)。
演出制御用CPU301は、始動入賞時判定結果がスーパーリーチはずれ、またはスーパーリーチ大当りのいずれであるかを特定し、作用演出決定テーブルを用いて、特定した入賞時判定結果に応じて割り振られている判定値に基づいて作用演出の種類を決定する。
図67(A)に示すように、超短縮変動(変動時間2.0秒)用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであるかスーパーリーチ大当りであるかにかかわらず、100%の確率で変動開始時の「シフト時変化」に決定される。すなわち、超短縮変動の変動表示では変動時間が極めて短く作用演出の演出期間を殆ど確保できないので、保留表示のシフトのタイミングで直ちに予告対象の保留表示の表示態様を変化させるように制御される。
また、図67(B),(C)に示すように、短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルや通常変動(変動時間12.5秒)用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」および「キャラクタ作用演出A」、変動後期の「保留変化図柄作用演出」および「キャラクタ作用演出B」のいずれかに決定される。図67(B),(C)に示すように、スーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれとなる場合と比較して、変動後期の「保留変化図柄作用演出」および「キャラクタ作用演出B」が決定される割合が高くなっている。また、逆に、スーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれとなる場合と比較して、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」が決定される割合が低くなっている。従って、作用演出が実行されて保留表示が変化するのが変動表示の後半になるに従って、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように、作用演出決定テーブルに判定値が割り振られている。なお、この実施の形態で示した態様に限らず、例えば、変動開始時や変動中期に作用演出が実行されて保留表示が変化した場合に、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
また、図67(C)に示す通常変動(変動時間12.5秒)用の作用演出決定テーブルでは、図67(B)に示す短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルと比較して、変動後期の「保留変化図柄作用演出」および「キャラクタ作用演出B」が決定される割合が高くなっている。また、逆に、図67(C)に示す通常変動(変動時間12.5秒)用の作用演出決定テーブルでは、図67(B)に示す短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルと比較して、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」が決定される割合が低い。従って、この実施の形態では、変動時間が長くなるに従って、変動表示の後半に作用演出が実行されて保留表示が変化される割合が高くなる。なお、変動時間が長くなるに従って、変動開始時や変動中期に作用演出が実行されて保留表示が変化される割合が高くなるようにしてもよい。
今回開始する変動表示でアクティブ表示の変化があれば、演出制御用CPU301は、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いて、乱数に基づく抽選処理を行ない、作用演出の種類を決定する。演出制御用CPU301は、表示結果コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドに基づいて、表示結果がはずれであるか大当りであるかを特定し、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いて、特定した表示結果に応じて割り振られている判定値に基づいて作用演出の種類を決定する。
図67(D)に示すように、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、変動後期の「リーチ後変化」のいずれかに決定される。図67(D)に示すように、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比較して、変動中期の「役物作用演出」や変動後期の「リーチ後変化」が決定される割合が高くなっている。また、逆に、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比較して、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」が決定される割合が低くなっている。従って、作用演出が実行されてアクティブ表示が変化するのが変動表示の後半になるに従って、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように、作用演出決定テーブルに判定値が割り振られている。なお、変動開始時や変動中期に作用演出が実行されてアクティブ表示が変化した場合に、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
また、図67(D)に示すように、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」に決定される割合の合計がはずれの場合で30%+30%=60%、大当りの場合でも20%+20%=40%と比較的高くなっている。これは、保留等予告演出の予告対象の変動表示ではスーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りとなることから、リーチ発生後やスーパーリーチ演出の実行中に作用演出を実行してしまうと演出が却って煩わしくなる。そのため、予告対象の変動表示に関しては変動開始時に作用演出を実行してアクティブ表示を変化させる割合を高めている。また、変動中期や変動後期にアクティブ表示を変化させる場合であっても、演出表示装置9における演出を伴わない「役物作用演出」や、厳密には作用演出なしでアクティブ表示を変化させる「リーチ後変化」のみを実行可能としている。
この実施の形態では、図67に示すように、変動開始時の「シフト時変化」や「落雷作用演出」および変動中期の「役物作用演出」のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合とアクティブ表示の表示態様を変化させる場合とで共通に実行可能な変化態様がある。また、変動中期の「キャラクタ作用演出A」および変動後期の「保留変化図柄作用演出」や「キャラクタ作用演出B」のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合にのみ実行可能な変化態様がある。また、変動後期の「リーチ後変化」のように、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合にのみ実行可能な変化態様もある。
また、この実施の形態では、図67(A)〜(C)に示す保留表示を変化させる際の作用演出を決定するための作用演出決定テーブル、および図67(D)に示すアクティブ表示を変化させる際の作用演出を決定するための作用演出決定テーブルにおいて、入賞時判定結果や表示結果に応じて判定値の割振りを異ならせる場合を示したが、その態様に限られない。例えば、保留等予告演出を通して保留表示やアクティブ表示が何段階に亘って変化したかによって異なる判定値の割振りにより作用演出を決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、作用演出が実行されれば必ず保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化する場合を示したが、そのような態様に限らず、作用演出が実行されても保留表示やアクティブ表示が変化しない場合(いわゆるガセの作用演出を実行する場合)があるように構成してもよい。
また、上記のように、いわゆるガセの作用演出を実行可能に構成する場合、作用演出の種類によって保留表示やアクティブ表示が変化する期待度が異なる(言い換えれば、ガセの作用演出である割合が異なる)ように構成してもよい。この場合、例えば、役物作用演出が実行される場合には、キャラクタ作用演出Aが実行される場合よりも、保留表示が変化する期待度が高い(言い換えれば、キャラクタ作用演出Aの方が役物作用演出よりもガセの作用演出の割合が高い)ようにしてもよい。また、例えば、変動後期の作用演出が実行される場合の方が、変動開始時や変動中期の作用演出が実行される場合と比較して、保留表示やアクティブ表示が変化する期待度が高い(言い換えれば、変動後期の作用演出の方がガセの作用演出の割合が低い)ように構成してもよい。
次に、図67に示した作用演出の実行タイミングについて説明する。図68および図69は、図67に示した作用演出の実行タイミングを説明するための説明図である。図68は、予告対象の変動表示よりも前の変動表示で実行される作用演出の実行タイミングを示す。図69は、予告対象の変動表示で実行される作用演出の実行タイミングを示す。
図68に示すように、予告対象の変動表示よりも前の変動表示においては、「シフト時変化」、「落雷作用演出」、「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、「保留変化図柄作用演出」または「キャラクタ作用演出B」を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化可能である。図68に示すように、「シフト時変化」の場合には、厳密には作用演出の実行を伴うことなく、保留表示のシフト(変動表示の開始)のタイミングで直ちに予告対象の保留表示の表示態様が変化する(変動開始時に分類される)。また、「落雷作用演出」の場合には、変動開始時の期間に落雷作用演出が実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。
また、「役物作用演出」の場合には、変動中期の期間に役物作用演出が実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。また、「キャラクタ作用演出A」の場合には、変動中期の期間にキャラクタ作用演出Aが実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。この実施の形態では、図68に示すように、同じ変動中期の期間に実行される作用演出であっても、「役物作用演出」の方が「キャラクタ作用演出A」よりも早いタイミングで実行される作用演出である。なお、この実施の形態で示した態様に限らず、同じ変動中期の期間に実行される作用演出であれば、例えば、「役物作用演出」と「キャラクタ作用演出A」とで全く演出期間や演出タイミングが同じであるように構成してもよいし、演出期間が一部共通するように構成してもよい。
「保留変化図柄作用演出」の場合には、変動後期の期間に保留変化図柄作用演出が実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。「キャラクタ作用演出B」の場合には、変動後期の期間にキャラクタ作用演出Bが実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。図68に示すように、同じ変動後期の期間に実行される作用演出であっても、「キャラクタ作用演出B」の方が「保留変化図柄作用演出」よりも早いタイミングで実行される作用演出である。なお、同じ変動後期の期間に実行される作用演出であれば、例えば、「保留変化図柄作用演出」と「キャラクタ作用演出B」とで全く演出期間や演出タイミングが同じであるようにしてもよく、演出期間が一部共通するようにしてもよい。
図69に示すように、予告対象の変動表示においては、「シフト時変化」、「落雷作用演出」、「宝箱開放作用演出」、「役物作用演出」、または「リーチ後変化」を実行して、アクティブ表示の表示態様を変化可能である。図69に示すように、「シフト時変化」の場合には、厳密には作用演出の実行を伴うことなく、保留表示のシフト(変動表示の開始)のタイミングで直ちにアクティブ表示の表示態様が変化する(変動開始時に分類される)。「落雷作用演出」の場合には、変動開始時の期間に落雷作用演出が実行されて、アクティブ表示の表示態様が変化する。「宝箱開放作用演出」の場合には、変動開始時の期間に宝箱作用演出が実行されて、アクティブ表示の表示態様が変化する。図69に示すように、「宝箱開放作用演出」の演出期間は、「落雷作用演出」の演出期間に包含される。なお、同じ変動開始時の期間に実行される作用演出であれば、「落雷作用演出」と「宝箱開放作用演出」とで演出期間や演出タイミングが異なっていてもよいし、逆に全く演出期間や演出タイミングが同じであるようにしてもよい。
また、「役物作用演出」の場合には、変動中期の期間に役物作用演出が実行されて、アクティブ表示の表示態様が変化する。また、「リーチ後変化」の場合には、変動後期の期間において、厳密には作用演出を伴うことなく、リーチ発生後の所定のタイミングで(例えば、リーチ発生から5秒経過後)アクティブ表示の表示態様が変化する。
以上に説明したように、複数種類の変動表示時間(非リーチの変動時間として、通常変動の変動時間12.5秒と、短縮変動の変動時間8.0秒と、超短縮変動の変動時間2.0秒とがある)のうちのいずれかの変動表示時間に亘って変動表示を実行する。また、入賞時判定の判定結果に基づいて、保留表示の表示態様を変化させる変化演出(作用演出)を実行可能である。そして、複数種類の変動表示時間のうちの短い変動表示時間に亘って変動表示が実行されるときと、複数種類の変動表示時間のうちの長い変動表示時間に亘って変動表示が実行されるときとで、変化演出(作用演出)を実行可能なタイミングの数が異なる(図67(A)に示すように、超短縮変動の変動表示では変動開始時の「シフト時変化」のみ実行可能であり、図67(B),(C)に示すように、短縮変動と通常変動の変動表示では変動開始時に加えて変動中期や変動後期の作用演出を実行可能である)。そのため、変動表示時間に応じて変化演出(作用演出)が実行されるタイミングが変化するので、変化演出(作用演出)の演出効果を向上させることができる。
以上に説明した実施例3では、演出制御用CPU301は、図67(D)のように、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」、「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、および、変動後期の「リーチ後変化」を実行可能であるのに対して、図67(A)〜(C)のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」、「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、および、変動後期の「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」を実行可能である。これにより、実施例3では、保留表示の態様を変化させるときと、アクティブ表示の態様を変化させるときとで、変化演出の種類が異なるので、変化演出の演出効果を向上させることができる。
なお、参考文献(特開2015−128537号公報)には、特別演出を含む変動表示期間において変動対応表示を実行し、変動対応表示を実行するタイミングによって、変動対応表示が変化する割合が異なるものが開示されている。上記参考文献の遊技機では、特別演出と、変動対応表示の変化の示唆演出との関連性が乏しく、演出の興趣を向上させることが不十分であるという問題があった。第2の実施形態に係る発明は、上記実状に鑑みてなされたものである。第2の実施形態に係る発明によれば、特別演出と示唆演出とに関する興趣を向上させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図60(B)のように、特別演出としての擬似連演出における同色図柄演出とNEXT図柄演出との演出種類に応じて、アクティブ変化示唆演出の実行割合が異なるので、擬似連演出が実行されるときに、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行される割合が異なるので、擬似連演出とクティブ変化示唆演出とに関連性を持たせてこれらの演出に関する興趣を向上させることができる。
(2) 図60(C)のように、同色図柄演出とNEXT図柄演出とのような演出種類に応じて、アクティブ変化演出の実行割合が異なることにより、擬似連演出が実行されるときに、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行された後にアクティブ表示の態様が変化する割合が異なるので、擬似連演出とアクティブ変化示唆演出とに関連性を持たせてこれらの演出に関する興趣を向上させることができる。
(3) 図60(A)のように、擬似連における同色図柄演出とNEXT図柄演出との演出種類に応じて、大当り遊技状態に制御される割合が異なることにより、擬似連演出の演出種類に基づいて、これらの演出に関する遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図65のように、スロット演出および作用演出のような複数種類のアクティブ変化示唆演出パターンのうち、スロット演出および作用演出のような特定のアクティブ変化示唆演出パターンが実行される割合が、同色図柄演出およびNEXT図柄演出のような擬似連演出の演出種類に応じて異なるので、遊技者を擬似連演出の演出種類に注目させることができる。
(5) 図52(D)のように先読み演出として同色図柄演出を実行し、図52(H)のように擬似連演出として同色図柄演出を実行可能であることにより、先読み演出の演出態様と少なくとも一部が共通する演出態様で擬似連演出が実行可能であるので、擬似連演出が実行されているときに、先読み演出が実行されていると遊技者が錯覚する場合が生じる等、擬似連演出と先読み演出との演出の共通化によりこれらの演出に関する興趣をより一層向上させることができる。
(6) 図61の青同色演出、緑同色演出、および、赤同色演出のように、先読み演出時の同色図柄演出パターン履歴に応じて、先読み演出時に実行された同色図柄演出パターンの大当り期待度以上の期待度の同色図柄演出パターンで、擬似連演出を実行可能である。これにより、先読み演出と共通態様の同色図柄演出での擬似連演出を実行する変動表示が実行される前に実行された先読み演出の演出態様における期待度以上の期待度の演出態様で、擬似連演出が実行可能であるので、先読み演出の演出態様における期待度以上の期待度の演出態様で擬似連演出が実行されるか否かに遊技者を注目させることができ、これらの演出に関する興趣を向上させることができる。
(7) 図52(A)〜(D)、図57の先読み演出時の保留変化示唆演出パターンと、図52(E)〜(I)、図65の擬似連演出時のアクティブ変化示唆演出パターンとに示すように、先読み演出時の保留変化示唆演出を引継いだ態様で擬似連演出時のアクティブ変化示唆演出を実行可能であるので、先読み演出と擬似連演出とを一連の演出態様とすることができ、これらの演出に関する興趣を向上させることができる。
(8) 図52、図55〜図56、図62〜図64に示すように、保留表示およびアクティブ表示は、保留表示で変化した後アクティブ表示でも変化するというように、段階的に変化可能であるので、アクティブ表示の態様がどの段階まで変化するかに遊技者を注目させることができ、演出の興趣を向上させることができる。
(9) 実施例2に示したように、擬似連演出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせることが可能となるので、擬似連演出による演出効果をより一層高めることができる。
(10) 実施例3に示したように、図67(D)のように、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」、「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、および、変動後期の「リーチ後変化」を実行可能であるのに対して、図67(A)〜(C)のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」、「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、および、変動後期の「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」を実行可能である。これにより、実施例3では、保留表示の態様を変化させるときと、アクティブ表示の態様を変化させるときとで、変化演出の種類が異なるので、変化演出の演出効果を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、演出表示装置として、2つの演出表示装置を用いる例を示したが、これに限らず、1つの演出表示装置を用いてもよい。
(2) 変動表示を開始させてから表示結果を導出表示させるまでに、変動表示を仮停止した後に当該変動表示を再開させる特別演出である擬似連演出としては、同色図柄演出と、NEXT図柄演出と代表例として示し、ストーリー擬似連演出を追加的に示した。しかし、これに限らず、特別演出である擬似連演出としては、擬似連チャンス目と呼ばれる予め定められた擬似連図柄の組合せを仮停止する擬似連演出、および、「継続」または「LOOP」等の擬似連の継続を示唆する文字等の所定の画像を、数字図柄に加えて、または、数字図柄とは別に表示することにより仮停止表示する擬似連演出等のその他の擬似連演出を用いてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行された後にアクティブ表示の態様が変化する割合が異なる例として、複数種類の擬似連演出のすべての演出について、アクティブ変化示唆演出が実行可能な例を示したが、これに限らず、アクティブ変化示唆演出が実行されない(アクティブ変化示唆演出の選択割合が0%)種類の擬似連演出が、複数種類の擬似連演出中に含まれてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、始動入賞に基づく新たな保留記憶情報が発生した時点で、先読み演出での保留変化演出パターンと、アクティブ変化演出パターンとの両方を先に選択して、記憶データとして記憶しておき、その記憶データに基づいて、アクティブ表示がされたときのアクティブ変化演出を実行するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、図61に示すように、同色図柄演出を実行するときに、先読み演出時と擬似連演出時とで、同色図柄演出の演出態様(演出色)が変化し得る例を示した。しかし、これに限らず、先読み演出時と擬似連演出時とで、同色図柄演出の演出態様(演出色)が必ず維持されることにより、先読み演出時と擬似連演出時とで、同じ演出態様の同色図柄演出が実行されるようにしてもよい。
(6) 図57および図65に示すように、保留変化示唆演出とアクティブ変化示唆演出とで、演出の選択により、継続して同じ演出が実行される場合と、異なる演出が実行される場合とが生じ得るが、保留変化示唆演出が実行されたときは、保留変化示唆演出の演出と同じ演出がアクティブ変化示唆演出でも必ずされてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、図53(D)および図58に示すように、保留変化示唆演出が実行されるときには、必ず保留変化演出が実行される例を示した。しかし、これに限らず、保留変化示唆演出が実行されるときでも、所定の割合で保留変化演出が実行さないようにしてもよい。逆に、前述した実施の形態では、図60(B),(C)および図66に示すように、アクティブ変化示唆演出が実行されるときでも、所定の割合でアクティブ変化演出が実行されない例を示した。しかし、これに限らず、アクティブ変化示唆演出が実行されるときには、必ずアクティブ変化演出が実行されるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、先読み演出として同色図柄演出を実行する場合において、同色図柄演出を実行することが決定されたときに、その決定時点で存在しているすべての保留記憶情報に基づく変動表示の回数分の同色図柄演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、同色図柄演出を実行することが決定されたときに、合計4個の保留記憶情報が存在しているときに、先読みターゲットの保留記憶情報の変動表示結果の先読みに基づいて、大当り表示結果となるときに、はずれ表示結果となるときよりも多い回数の同色図柄演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。そのようにすれば、先読み演出において同色図柄演出が実行される回数により、大当りの期待度が異なり得るので、遊技の興趣を向上させることができる。また、同様に、擬似連演出での同色図柄演出の実行回数についても、同様に、変動表示が大当り表示結果となるときに、はずれ表示結果となるときよりも多い回数の同色図柄演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。そのようにすれば、擬似連演出において同色図柄演出が実行される回数により、大当りの期待度が異なり得るので、遊技の興趣を向上させることができる。また、このような先読み演出での同色図柄演出が実行される回数の制御と、擬似連演出での同色図柄演出が実行される回数の制御とを組合せることにより、先読み演出での同色図柄演出が実行される回数と、擬似連演出での同色図柄演出が実行される回数との合計数の多少により、大当りとなる期待度が異なるようにする演出制御(たとえば、大当りとなる期待度が高い程、合計回数が多くなる割合が高い等)を実行してもよい。
(9) 前述した実施の形態では、保留変化およびアクティブ変化演出のそれぞれにおいて、変化回数が1回のみの例を示したが、これに限らず、保留変化およびアクティブ変化演出のそれぞれについて、変化回数が1回または複数回(たとえば、白→青→緑というように複数段階で変化する等)から選択されるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとで、保留変化演出またはアクティブ変化演出のような変化演出が実行される期待度を異ならせてもよい。また、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとで、保留変化演出またはアクティブ変化演出のような変化演出が実行されるときの変化回数の選択割合を異ならせてもよい。また、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとで、保留変化演出またはアクティブ変化演出のような変化演出が実際に実行される割合を異ならせてもよい。また、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとで、保留変化演出またはアクティブ変化演出のような変化演出が実行されたときに大当りとなる期待度が異なるようになる演出制御を実行してもよい。
(11) 前述した実施の形態では、先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、同色図柄演出の種類に応じて、保留変化演出が実行される期待度を異ならせてもよい。先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、保留変化演出が実行されるときの変化回数の選択割合を異ならせてもよい。先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、保留変化演出が実際に実行される割合を異ならせてもよい。先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じ、大当りとなる期待度が異なるようになる演出制御をしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、擬似連演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、アクティブ変化演出が実行される期待度を異ならせてもよい。また、擬似連演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、アクティブ変化演出が実行されるときの変化回数の選択割合を異ならせてもよい。また、擬似連演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、アクティブ変化演出が実際に実行される割合を異ならせてもよい。また、擬似連演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、大当りとなる期待度が異なるようになる演出制御を実行してもよい。
(13) 前述した実施の形態では、先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行するか否かにより、複数種類設けられた保留変化演出のうちの実行される保留変化演出の種類を異ならせてもよい。また、先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行するか否かにより、複数種類設けられた保留変化演出のうちの実行される保留変化演出の種類の選択割合を異ならせてもよい。
(14) 前述した実施の形態では、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとのそれぞれについて、特定の先読み演出と重複して実行されたときの方が、重複して実行されないときと比べて、保留変化演出またはアクティブ変化演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、NEXT図柄演出について、先読み演出として実行されない例を示したが、これに限らず、NEXT図柄演出は、先読み演出として、変動表示が実行されるごとにNEXT図柄が所定タイミングで表示されるようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態において、図57および図65に示す保留変化示唆演出パターンは、「変化」の図柄が停止したときに、保留表示またはアクティブ表示が変化する演出が実行されるが、その「変化」の図柄の文字色を青、緑、赤等の複数種類設け、停止した「変化」の図柄の文字色により、保留表示またはアクティブ表示の色の変化段階数を異ならせてもよい。たとえば、停止した「変化」の図柄の「文字」の文字が青色であると、「白→青」というように1段階変化し、停止した「変化」の図柄の「文字」の文字が緑色であると、「白→緑」というように2段階変化するようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、アクティブ表示の態様が変化する演出の実行頻度について、擬似連2回、擬似連3回、擬似連4回というような擬似連の種類によって、実行頻度が異なるようにしてもよく、実行頻度が同じとなるようにしてもよい。また、アクティブ表示の態様が変化することを示唆する変化示唆演出について、アクティブ表示の態様の変化が成功するか否かを問わず、擬似連の種類によって、実行頻度が異なるようにしてもよく、実行頻度が同じとなるようにしてもよい。また、アクティブ表示の態様が変化する演出の実行頻度、および、アクティブ表示の態様が変化することを示唆する変化示唆演出の全般について、擬似連の種類によって、実行頻度が異なるようにしてもよく、実行頻度が同じとなるようにしてもよい。また、アクティブ表示が変化する演出の成功割合(変化示唆演出が実行されたときの変化成功割合)について、擬似連の種類によって、成功割合が異なるようにしてもよく、成功割合が同じとなるようにしてもよい。また、アクティブ表示の態様が変化することを示唆する変化示唆演出について、擬似連の種類によって、演出態様が異なるようにしてもよく、演出態様が同じとなるようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態では、保留記憶数が2以上ないときに先読み演出を実行しない例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶数が2以上ないときであっても、先読み演出を実行するようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、遊技者にとって有利な有利状態は、高確率状態(確変状態)、時短状態、および高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態と第2の実施形態を合せた実施形態である。すなわち、第3の実施形態のパチンコ遊技機1は、第1の実施形態のパチンコ遊技機1の特徴と第2の実施形態のパチンコ遊技機1の特徴とを兼ね備えた遊技機である。
(実施例1)
まず、第1の実施形態をベースに第2の実施形態を合わせた実施例について説明する。第1の実施形態では、図38に示されるように、可変表示の実行中に、当該可変表示に対応するアクティブ表示を表示可能であり、可変表示に対応する所定表示を表示可能であり、キャラクタを表示可能であり、期待度示唆演出、第1示唆演出、第2示唆演出、及び煽り演出を実行可能である。期待度示唆演出、第1示唆演出、第2示唆演出、及び煽り演出をまとめて第1実施形態演出と称する。この第1実施形態演出は、飾り図柄の変動中(疑似連も含む)であれば、実行可能である。
こうした第1の実施形態において、実施例1では、例えばVコン領域5HCにおけるVコン表示VCの上部にスロット演出のスロット図柄212を設けることで、アクティブ表示の表示態様が変化することを示唆する変化示唆演出を実行する。また、図38に示されるアクティブ表示ACの色を変化させることにより、アクティブ表示ACの表示態様を変化させる。
さらに、実施例1では、第2の実施形態に示される特別演出を実行する。そして、実施例1においても、第2の実施形態に示される特別演出を実行し、その特別演出では、複数種類の特別演出が実行される。そして、実施例1における特別演出が実行されるときも、第2の実施形態と同様に、特別演出の種類に応じて、変化示唆演出が実行される割合が異なるようにする。また、特別演出の種類に応じて、変化示唆演出が実行された後のアクティブ表示の表示態様が変化する割合が異なるようにする。
以上より、第1の実施形態をベースとして、第1の実施形態と第2の実施形態を合せた実施形態を実現することができる。
(実施例2)
次に、第2の実施形態をベースに第1の実施形態を合わせた実施例について説明する。第2の実施形態では、図52に示されるように、可変表示を開始させてから表示結果を導出表示させるまでに、可変表示を仮停止した後に当該可変表示を再開させる特別演出を実行可能であり、可変表示の実行中に、当該可変表示に対応するアクティブ表示を行なうことが可能である。さらに、可変表示の実行中に、アクティブ表示の表示態様を変化させることが可能であり、アクティブ表示の表示態様が変化することを示唆することが可能である。
そして、第2の実施形態では、複数種類の特別演出を実行可能であり、特別演出が実行されるときに、特別演出の種類に応じて、前記変化示唆演出が実行される割合が異なる。また、特別演出の種類に応じて、変化示唆演出が実行された後のアクティブ表示の表示態様が変化する割合が異なる。さらに、第2の実施形態には、可変表示に対応する所定表示(保留画像H)を表示可能であることが示されている。
こうした第2の実施形態において、実施例2では、例えばアクティブ画像AHを、第1の実施形態に示された人型のアクティブ表示ACとし、CキャラクタCHCを表示することで、キャラクタを表示する。その上で、所定表示およびキャラクタのうち少なくとも一方を他方に作用させる(CキャラクタCHCをアクティブ表示ACと手を繋がせることで有利状態となる期待度を示唆する)ことにより、有利状態となる期待度を示唆する期待度示唆演出を実行する。
そして、実施例2では、アクティブ表示ACとCキャラクタCHCとを用いて、第1示唆演出と、第2示唆演出とを実行し、第1示唆演出となるか第2示唆演出となるかを煽る煽り演出を実行する。
以上より、第2の実施形態をベースとして、第1の実施形態と第2の実施形態を合せた実施形態を実現することができる。
上述した第3の実施形態による効果について説明する。まず、第3の実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態の効果が得られる。すなわち、第3の実施形態によれば、特別演出の種類に応じて、変化示唆演出が実行される割合が異なるので、遊技興趣を向上させることができる。また、特別演出の種類に応じて、変化示唆演出が実行された後のアクティブ表示の表示態様が変化する割合が異なるので、遊技興趣を向上させることができる。さらに、第3の実施形態では、第1示唆演出と、第2示唆演出とを実行し、第1示唆演出となるか第2示唆演出となるかを煽る煽り演出を実行するので、遊技興趣を向上させることができる。
こうした各実施形態の効果に加え、次に述べる効果も得られる。まず、第3の実施形態では、アクティブ表示の変化演出、疑似連演出、変化示唆演出、期待度示唆演出、作用演出、及び煽り演出等の多くの種類の演出を実行可能である。このように、多くの演出を実行可能であると、演出を組合せた場合の数が増加するので、遊技者が飽きにくくなるという効果がある。例えば、アクティブ表示は、スロット演出及び作用演出による変化が用意されているので、いずれか一方が発生しない場合であっても、他方が発生するかもしれないという期待感が得られることから、遊技者は興趣を持続可能となる。
また、遊技者は、演出内容や演出の組合せによって、自ら期待度を判定して、その判定結果に基づいて演出を楽しむ傾向がある。例えば、演出Aではあまり期待度は高くないが、演出Bでは高い期待度だったので、大当りするかもしれないと考えながら演出を楽しむことがある。こうした背景を踏まえると、第3の実施形態は、アクティブ表示の変化演出、疑似連演出、変化示唆演出、期待度示唆演出、作用演出、及び煽り演出といった複数の演出が設けられているため、遊技者に期待度を判定させるための要素をより多く提供できることから、遊技者は興趣を持続可能となる。
特に、第3の実施形態では、アクティブ表示が変化するか否かを示唆する変化示唆演出、と大当りの期待度を示唆する期待度示唆演出とが設けられているため、アクティブ表示が変化するか否かや、大当りの期待度が持てるか否かなど、興趣を高める要素が絡み合うため、遊技者を演出に注目させることができることから、遊技者は興趣を持続可能となる。
上述した各実施形態は、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示したが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、変動表示を行ない、表示結果を導出表示させることが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
また、上記では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。