以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の画面上には、当該始動入賞記憶表示エリア5Hに近接してアクティブ表示エリア5HAが配置されている。アクティブ表示エリア5HAは、実行中の可変表示に対応する表示が行われる。アクティブ表示エリア5HAにおける表示は、アクティブ表示(可変表示対応表示、消化時表示あるいは今回表示などともいう)と称する。アクティブ表示エリア5HAでは、例えば第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにて消去(消化)された第1保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。また、アクティブ表示エリア5HAでは、例えば第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、第2保留記憶部5HLにて消去(消化)された第2保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。
画像表示装置5の表示領域における所定位置(ここでは、中央下側)には、可動体99が設けられている。可動体99は、図2に示す可動体用モータ61の回転駆動により、回転動作する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられており、当該普通入賞球装置6Aの右側には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35A(図2参照)が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31B(図2参照)が設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態又はオフ状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容の制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれてもよい。
図3は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの一例を示す図である。コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、後述する使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動コマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用CPU120は、コマンド80XX(H)を受信すると、画像表示装置5において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8A01(H)は、第1始動入賞口へ遊技球が進入したときに、その旨を通知するための演出制御コマンド(第1始動入賞口指定コマンド)である。コマンド8A02(H)は、第2始動入賞口へ遊技球が進入したときに、その旨を通知するための演出制御コマンド(第2始動入賞口指定コマンド)である。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドであり、入賞時判定結果として、大当りとするか否か、及び、大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用CPU120は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。コマンド8C01(H)(表示結果1指定コマンド)は、ハズレを指定する。コマンド8C02(H)(表示結果2指定コマンド)は、15R大当り且つ確変を指定する。コマンド8C03(H)(表示結果3指定コマンド)は、15R大当り且つ非確変を指定する。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動開始指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動開始指定コマンド)である。第1図柄変動開始指定コマンドと第2図柄変動開始指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動開始指定コマンド)と総称することがある。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動表示)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき(初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたとき(再開時の初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、15ラウンド大当りの場合のファンファーレの開始(大当り遊技状態の開始)を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。
大当り遊技状態は、最初にファンファーレが実行され、その後に大入賞口である特別可変入賞球装置7の開放等(ラウンド遊技など)が行われる大当り遊技状態のメインとなる大当り遊技が実行され、大当り遊技のあとにエンディングが実行される。ファンファーレは、大当り遊技状態が開始されたこと、すなわち、大当り遊技がこれから開始されることを報知又は示唆する演出である。エンディングは、大当り遊技状態が終了すること、すなわち、大当り遊技が終了したことを報知する演出である。
コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の開放を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A3XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の閉鎖を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA601(H)は、エンディングの開始を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短(有利)状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)は、時短(有利)状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短(有利)状態の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した合計保留記憶数を指定する演出制御コマンド(合計保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合計保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。
コマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドであり、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が何れの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、変動パターンコマンドと同様、後述する使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応するコマンドがある。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120が演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120が演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して画像データを伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。更に、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。更に、演出制御基板12には、可動演出体99を回転動作させる可動体用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路16に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、各種の指令を生成する。例えば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5が表示すべき内容を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定し、画像データを生成する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123内には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路16へと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させる。また、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたり、モータ駆動回路16を介して可動体用モータ61を駆動して可動体99を動かす。このようにして、各種の演出(後述する、リーチ演出、可動演出部材演出、画像表示装置5が遊技者に対するメッセージの画像を表示するメッセージ演出など、遊技の盛り上げるための演出など)が実行される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な価値が付与される特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、第1有利状態と第2有利状態とがあり、例えば、平均的な可変表示時間が異なる。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態及び確変状態となる。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、高開放制御が行われる時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにならない通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。なお、遊技者にとっての有利度とは、例えば、ある事象が生じたときに実際に遊技者にとって有利な状態(特典が付与される、あるいは、付与されている状態、特典付与の割合が高い状態、特典とは異なる有利な状態など)になる割合、あるいは、有利な状態になっている割合などをいう。また、特殊態様により付与の可能性が高いことが示される特典は、遊技者にとっての有利度の対象(有利な状態)と同じであってもよく、遊技者にとっての有利度の対象とは異なるものであってもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーB、スーパーCといったリーチ演出が予め設定されている。この実施の形態におけるスーパーA〜Cのリーチ演出は、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。以下では、スーパーA〜Cのリーチ演出を、スーパーリーチA〜Cといい、ノーマルのリーチ演出をノーマルリーチということがある。
上述したように、この実施の形態におけるスーパーリーチA〜Cは、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。スーパーリーチA〜Cでは、例えば、戦うキャラクタが異なるようにして、スーパーリーチA〜Cそれぞれを異なる演出態様とすればよい。スーパーA又はBでは、所定のキャラクタが戦いに勝つと、可変表示結果が「大当り」となり、所定のキャラクタが戦いに負けると、可変表示結果が「ハズレ」となる。スーパーリーチCが実行された場合には、スーパーリーチCの実行後にスーパーリーチAが実行されることがある(スーパーリーチAに発展することがある)。スーパーリーチCが実行されたがスーパーリーチAに発展がない場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに負ける場合)には可変表示結果は「ハズレ」となる。一方で、スーパーリーチAに発展した場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに勝つ場合)には、可変表示結果は「大当り」になる可能性がある。
どのリーチ演出が実行されたかに応じて、その可変表示の可変表示結果が「大当り」(本実施形態では、大当り種別が「非確変」又は「確変」である「大当り」)となる可能性(大当り期待度)が変化する。例えば、ノーマルリーチが実行された場合よりも、スーパーリーチA〜Cが実行された場合の方が大当り期待度は高くなる。また、スーパーリーチのうちでも、スーパーリーチA(スーパーリーチCから発展した場合も含む)が実行された場合には、スーパーリーチBが実行された場合やスーパーリーチCが実行された場合(スーパーリーチAに発展しない場合)よりも、大当り期待度が高くなる。なお、これとは反対に、スーパーリーチCが実行された場合に、スーパーリーチBが実行された場合やスーパーリーチAが実行された場合よりも、大当り期待度が高くなっていてもよい。この場合、スーパーリーチAの実行後にスーパーリーチCが実行されることがあってもよい(スーパーリーチCに発展することがあってもよい)。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では理解を容易にするために説明を省略しているが、例えば「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(再変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回までなど)行うことができる。この実施の形態における擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数を指すものとする。
「擬似連」の可変表示演出において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示されると、その後に、再度可変表示(再変動)が行われる。擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せとなる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。また、擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチハズレ組合せ(単に、「リーチ組合せ」ともいう)となる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。例えば擬似連チャンス目のうちで「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される飾り図柄(中図柄)を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(擬似連チャンス図柄)としてもよい。通常時における飾り図柄の可変表示でも使用される飾り図柄のうちに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示されることで擬似連チャンス目となる擬似連チャンス図柄が含まれてもよい。
「擬似連」の可変表示演出において、再変動(擬似連変動)が行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも複数回続けて開始されたかのように見せることができる。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み演出ともいう)となるものが含まれている。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告可能な予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、例えば始動入賞の発生による特図ゲームの保留記憶などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。
例えば、先読み予告演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の表示を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する「保留表示変化」の先読み予告演出が実行される。より具体的には、特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示色を、通常時における所定色(例えば灰色)とは異なる特定色(例えば赤色、緑色、青色、白色のいずれかなど)や通常時における形状(例えば丸型)とは異なる形状(例えば星形)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えばサクラ柄など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。あるいは、保留表示として所定のメッセージ(例えば「秘」など)を示す表示態様とすることにより、表示色が特定色に変化する可能性が通常よりも高いことを報知(示唆)できるようにしてもよい。こうした表示態様が特定態様に変化する可能性が高いことを示唆する保留表示は、示唆保留表示ともいう。「保留表示変化」の先読み予告演出は、保留変化演出ともいう。なお、先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告、当該変動予告、あるいは可変表示中予告演出ともいう)と称される。この実施の形態では、「保留表示変化」の先読み演出として、予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となるよう、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる演出が行われる場合がある。具体的に、予め用意されたキャラクタ(変化演出用キャラクタ)を示す演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させ、予告対象となる可変表示に対応する保留表示に作用を及ぼすような作用演出が行われることにより、予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となる。なお、理解を容易にするため、この実施の形態では、作用演出の実行タイミング(予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となるタイミング)を、予告対象となる保留表示が最初にシフトしたタイミングとしているが、当該作用演出の実行タイミングを、複数回のシフトのうちのいずれのシフトタイミングとするか、可変表示結果に応じて異なる割合で決定するようにしてもよい。なお、詳しくは後述するが、この実施の形態における「保留表示変化」の先読み演出では、作用演出が行われる場合と行われない場合があり、作用演出が行われない場合には、変化演出用キャラクタは表示されずに、予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となるよう態様が変化する。
始動入賞の発生に基づいて実行される先読み予告演出は、始動入賞が発生した後に、先読み予告演出による予告内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある始動入賞の発生によりリーチ状態となる可能性があることを予告する先読み予告演出は、少なくとも始動入賞の発生に基づく飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(または非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある始動入賞の発生により可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを予告する先読み予告演出は、少なくとも始動入賞の発生に基づく可変表示において確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
この実施の形態では、単独予告演出の一例として、アクティブ表示エリア5HAにおける演出画像の表示を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、開始条件が成立した可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する「アクティブ表示変化」の予告演出が実行される。より具体的には、アクティブ表示エリア5HAにおける表示色を、通常時における所定色(例えば灰色)とは異なる特定色(例えば赤色、緑色、青色、白色のいずれかなど)や通常時における形状とは異なる形状とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、アクティブ表示エリア5HAに表示されるアイコンを、通常時における丸型無地とは異なる特定アイコンとすることにより、例えば「?」、「チャンス」、「激熱」などのメッセージを報知して、可変表示結果が「大当り」となる可能性を示唆できればよい。その他、アクティブ表示エリア5HAに表示されるアイコンには、例えば「NEXT」などのメッセージを報知して、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動が実行されることを報知するアイコンがあってもよい。「アクティブ表示変化」の予告演出は、アクティブ変化演出ともいう。
具体的に、この実施の形態におけるアクティブ変化演出では、予め用意されたキャラクタ(変化演出用キャラクタ)を示す演出画像(保留表示演出時に表示された演出画像)を画像表示装置5の画面上に表示させ、予告対象の保留表示(保留変化演出の対象の保留表示)がアクティブ表示エリア5HAに移行(シフト)したタイミングでアクティブ表示エリア5HAの表示(アクティブ表示)に作用演出を行うことにより、表示色を変化させる場合と、作用演出が行われずにアクティブ表示の表示色を変化させる場合とがある。なお、上述したように、この実施の形態では、保留変化演出として、予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となるよう表示態様を変化させる演出が行われる。そして、単独予告演出としてアクティブ変化演出が行われ、表示態様が変化した保留表示がアクティブ表示エリア5HAに移行して、表示色が変化する。すなわち、まず保留変化演出にて予告対象が示され、アクティブ変化演出において表示色が変化する(大当り期待度が示唆される)こととなり、この一連の演出(保留変化演出およびアクティブ変化演出)を、この実施の形態では保留・アクティブ変化演出という。なお、この実施の形態では、理解を容易にするために保留変化演出では予告対象を遊技者に認識可能とするに留まり、大当り期待度はアクティブ変化演出にて示唆する(すなわち、アクティブ変化演出において始めて表示色が変化する)例を示しているが、保留変化演出においても表示色を変化させ大当り期待度を示唆してもよい。具体的に、保留変化演出において表示色を変化させ、アクティブ変化演出では表示色が変化しないガセの演出を行ってもよいし、保留変化演出において表示色を変化させ、さらにアクティブ変化演出においても表示色を変化させてもよい。例えば、保留変化演出において保留表示がシフトする度に表示色を段階的に変化させ(シフトしても変化させない場合も含む)、アクティブ表示エリア5HAにシフトした場合にアクティブ変化演出を行ってさらに表示色を変化させてもよい(ガセの演出を行ってもよい)。また、この実施の形態における保留・アクティブ変化演出では、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示が拡大表示される場合がある。具体的には後述するが、保留・アクティブ変化演出において、緑色や赤色に表示色が変化する保留・アクティブ変化演出が開始されると、当該保留・アクティブ変化演出が終了するまでの期間、表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示が拡大表示されることがある(白色や青色に表示色が変化する保留・アクティブ変化演出では拡大表示は行われない)。また、拡大表示される保留・アクティブ変化演出が開始されると、画像表示装置5内に特定表示領域としての小画面が表示され、当該保留・アクティブ変化演出にて表示される画像(例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像など)以外の表示が全て特定表示領域としての小画面にて行われることとなる。当該小画面表示は、当該保留・アクティブ変化演出が終了すると終了する(特定表示領域における表示制御が終了する)。なお、小画面にて表示される各種画像は、画像表示装置5に対して表示された画像と比率が同じであればよい(例えば、画像表示装置5の画面サイズが10で小画面の画面サイズが1であれば、小画面にて表示される画像は、画像表示装置5において表示されていたサイズの10分の1の比率となればよい)。また、この実施の形態では、拡大表示が行われない場合には、保留・アクティブ変化演出において作用演出が行われないものとしているが、例えば小さなキャラクタ画像を表示することにより作用演出を行うなど、拡大表示を行う場合と異なる態様により作用演出を行ってもよい。
また、この実施の形態では、先読み予告演出として、予告対象の保留に対応する可変表示が行われるまでの期間(当該予告対象の保留の可変表示も含む)、可変表示が行われる度に可動体99を回転動作させる可動体演出が実行される。具体的に、可動体演出は、予告対象の保留の可変表示が行われるまでの複数回の可変表示において実行され、各可変表示の開始から所定期間(例えば2秒間など)行われる。その際、画像表示装置5では、エフェクト画像を表示し、当該可動体99が動作していることを効果的に目立たせる表示が行われる。
すなわち、この実施の形態では、保留・アクティブ変化演出と可動体演出といった2種類の先読み演出が実行されるが、これらはそれぞれ単独で行われてもよいし、重複して行われてもよい。なお、拡大表示が行われる保留・アクティブ変化演出と可動体演出が重複して行われる場合の可動体演出のことを可動体特殊演出という。可動体特殊演出では、画像表示装置5に表示された特定表示領域としての小画面にてエフェクト画像が表示される。これにより、可動体99が回転動作していることを遊技者に容易に認識可能とし、かつ保留表示やアクティブ表示が認識不可能となることを防止している。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図6参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」又は「確変」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定が、送信する演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM101にコマンド毎に設定されている。)のROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する(例えば、RAM102に設けられた送信コマンドバッファに記憶アドレスの値などを格納する)ことなどによって行われ、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値(例えば、ROM101における記憶アドレスなどを示す値)などによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンド(送信設定された演出制御コマンド)の伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図5は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値であったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される(図6参照)。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図7(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図7(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。
図7(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図7(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時判定処理を行う(ステップS211)。始動入賞時判定処理は、所謂先読みのための処理である。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図4のステップS110、図9)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図4のステップS111、図11)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。
他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211の入賞時判定処理を実行することにより、今回の始動入賞によって実行される特図ゲームの特図表示結果が「大当り」となるか否かの判定や、今回の始動入賞によって実行される飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様などとなることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、保留表示の色を変化させる保留変化演出やアクティブ表示の色を変化させるアクティブ変化演出を実行するか否かを、決定することができる。
図8は、始動入賞時判定処理の一例を示すフローチャートである。CPU103は、まず、例えばRAM102に所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンになるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオンになるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された複数の特図表示結果決定テーブルのうちから、現在の遊技状態に対応して用意されたテーブルを選択して使用テーブルにセットする(ステップS402)。特図表示結果決定テーブルは、遊技状態が確変状態であるかなどに応じて複数用意されている。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図10(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
例えば、特図表示結果決定テーブルとして、非確変状態及び確変状態に対応する特図表示結果決定テーブル(図10(A)参照)が用意されている。CPU103は、このテーブルのうち、現在の遊技状態に対応したテーブルをROM101からRAM102に読み出すなどして当該テーブルを使用テーブルにセットする。
その後、CPU103は、図5のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理でセットされた使用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定することにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、CPU103は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた表示結果指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「ハズレ」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS405)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、CPU103は、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを参照する。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図10(B)に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられている大当り種別を今回の判定結果とする。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた表示結果指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「確変」又は「非確変」の「大当り」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる(ステップS410)。
ステップS405、S410の処理のいずれかを実行した後には、CPU103は、変動カテゴリコマンド(始動入賞時の判定結果のうちの変動カテゴリを指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS413)。
ステップS413の後、CPU103は、始動入賞口指定コマンドの送信設定を行う(ステップS414)。ここでの第1始動入賞口指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2始動入賞口指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。ステップS414の後、入賞時判定処理は終了する。
再び、図5に戻って説明する。その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図4に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」又は「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図9は、特別図柄通常処理として、図4のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図5に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図10(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、確変状態における確変制御の有無(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて割り当てられていればよい。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態である場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変制御有りの場合)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(確変制御無しの場合)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図10(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図4に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在の遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたに示す大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)に応じて、大当り種別を複数種類(「確変」、「非確変」)のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい(図10(B)参照)。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別の決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。例えば、乱数値MR2が「75」である場合、CPU103は、「確変」を大当り種別として決定(選択)する。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図10(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS241〜S243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図4のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。更に、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図11は、変動パターン設定処理として、図4のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、CPU103は、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図12は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」を指定する変動パターンとして、通常時(非時短時)用の変動パターンPA1−1からPA1−3と、時短時用の変動パターンPB1−1及びPB1−2とが用意されている。
また、可変表示結果が「大当り」(大当り種別が「確変」又は「非確変」の「大当り」)になる場合と「ハズレ」になる場合とで内容が対応する変動パターンが用意されている。具体的には、ノーマルリーチを実行することを指定する変動パターンPA2−1(ハズレ用)及び変動パターンPA3−1(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチAを実行することを指定する変動パターンPA2−2(ハズレ用)及び変動パターンPA3−2(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチBを実行することを指定する変動パターンPA2−3(ハズレ用)及び変動パターンPA3−3(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチCを実行し、その後にスーパーリーチAに発展することを指定する変動パターンPA2−4(ハズレ用)及び変動パターンPA3−4(「大当り」)が用意されている。
図11に示すステップS262の処理では、例えば図13に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が、「非確変」又は「確変」のいずれの場合も共通して、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、変動パターンPA3−3を選択する。
図11に示すステップS265の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、時短中でない場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図14(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中(時短フラグがオン状態のとき)には、図14(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。
各ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。合計保留記憶数は、例えば、合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値、第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値との合計値などから特定すればよい。
CPU103は、時短中であるか否かと、合計保留記憶数カウント値と、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、に基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、合計保留記憶数が、時短中でないときには「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれに該当するか、時短中のときには「0」、「1」、「2」〜「8」のいずれに該当するか、に応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
CPU103は、例えば、時短フラグがオン状態のときで乱数値MR3が「229」である場合、CPU103は、合計保留記憶数カウント値が「0」のときには変動パターンPA2−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「1」のときには変動パターンPB1−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「3」〜「8」のいずれかのときには変動パターンPB1−2を選択する。
図11に示すステップS262、S265の処理のいずれかを実行した後には、CPU103は、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図12に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、CPU103は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1図柄変動開始指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、第1保留記憶数指定コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2図柄変動開始指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、第2保留記憶数指定コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ここでの第1図柄変動開始指定コマンドや第2図柄変動開始指定コマンドは、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが減少したかを指定する保留通知情報として送信される。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図4のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する演出制御コマンドである図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。送信設定された図柄確定指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
図4のステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する処理や、大当りフラグがオン状態である場合に時短フラグ及び確変フラグをオフ状態にし、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、時短制御中に実行される可変表示の残り回数をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にし、大当り開始時演出待ち時間(大当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新する処理が含まれる。また、特別図柄停止処理には、大当りフラグがオン状態でない場合、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する処理が含まれる。
送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦時短状態や確変状態が終了し、ハズレ時には、時短中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。時短中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、時短フラグがオフになり時短状態が終了する。つまり、時短状態(時短制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(下記の初期カウント値)だけ可変表示が実行された場合に終了する。また、遊技状態の変更があった場合には、変更後の遊技状態の通知が演出制御基板12側になされる。
図4のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと、ラウンド遊技の開始タイミングになったこと(例えば、上記で設定された大当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかに対応して(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。ステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理や、閉鎖状態に戻してからの経過時間の測定を開始する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。ステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS114からS116までが繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
なお、時短状態(時短制御)は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されることとのうち、次回の大当り遊技状態が開始されるのみで終了するようにしてもよい。この場合、カウント初期値の設定や、時短回数カウンタ自体が不要である。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図15は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す演出制御プロセス処理では、まず、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出や可動体演出といった先読み演出の実行設定などを行う先読み処理を実行する(ステップS160)。
図16は、図15のステップS160にて実行される先読み処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、まず、演出制御用CPU120は、主基板11における図8の始動入賞時判定処理で送信される始動入賞口指定コマンド(第1始動入賞口指定コマンド及び第2始動入賞口指定コマンドの何れか)と、表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド、表示結果2指定コマンド及び表示結果3指定コマンドの何れか)と、変動カテゴリコマンドとが入力されたか否かを判定する(ステップS600)。演出制御用CPU120は、始動入賞口指定コマンドにより始動入賞を認識することができる。また、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドにより、始動入賞に対応する入賞時判定結果が大当りであるかハズレであるかを認識することができる。また、演出制御用CPU120は、変動カテゴリコマンドにより始動入賞に対応する可変表示の変動パターン(スーパーリーチであるか否か等)を認識することができる。なお、これらのコマンドは、RAM122に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファに格納されていればよい。
始動入賞口指定コマンド、表示結果指定コマンド及び変動カテゴリコマンドが入力されていない場合には(ステップS600;No)、先読み処理を終了する。一方、始動入賞口指定コマンド、表示結果指定コマンド及び変動カテゴリコマンドが入力された場合には(ステップS600;Yes)、演出制御用CPU120は、特図保留記憶数を示す保留記憶数カウント値を1増加させる(ステップS601)。保留記憶数カウント値は、例えば、RAM122に設けられる。保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口指定コマンドが入力される毎に1増加し、第1図柄変動開始指定コマンド又は第2図柄変動開始指定コマンドが入力される毎に1減少する。これにより、保留記憶数カウント値は、現在の特図保留記憶数を示すことになる。
保留記憶カウント値を1増加させた後(ステップS601)、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出や可動体演出といった先読み演出の実行設定を行う先読み演出実行設定処理を行う(ステップS602)。
図17は、図16のステップS602にて実行される先読み演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すように、まず、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出および可動体演出といった先読み演出の実行有無を決定する(ステップS700)。具体的に、ステップS700の処理では、図18に示す先読み演出実行決定テーブルを参照して、先読み演出の実行有無を決定する。なお、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み演出の設定が行われないように制限される。また、先読み演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み演出について、全部の態様の先読み演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み演出を実行しないようにしてもよい。また、この実施の形態では、既に先読み演出を実行中である場合には、当該予告対象となる可変表示が終了するまで、他の対象に対する先読み演出を実行する処理が行われないよう制限される。さらに、時短制御中は先読み演出を実行する処理が行われないよう制限されてもよい(時短制御が行われない通常状態の場合にのみ先読み演出が実行されるようにしてもよい)し、時短制御中は第2始動入賞口指定コマンドに基づいて先読み演出を実行し(第1始動入賞口への入賞に対する先読み演出を制限する)、時短制御が行われない通常状態の場合には第1始動入賞口指定コマンドに基づいて先読み演出を実行する(第2始動入賞口への入賞に対する先読み演出を制限する)ようにしてもよい。また、例えば保留記憶数が2以上の場合にのみ先読み演出を実行可能とするなど、保留記憶数に応じて先読み演出の実行を制限してもよい。また、保留記憶数が1の場合に先読み演出を実行するときには、予告対象の保留表示が認識可能となる変化(保留・アクティブ変化演出が行われる場合にのみ表示される特殊表示態様への変化)、アクティブ表示の表示態様の変化といったそれぞれの変化が遊技者にとって一瞬で行われることとなる。そのため、当該保留記憶数が1の場合に先読み演出を実行するときには、最終色が「赤」となるなど、期待度が最も高い表示態様となる場合にのみ行われるようにしてもよい。これによれば、保留表示やアクティブ表示に遊技者の注目を集めることができる。
また、始動入賞時受信コマンドバッファに格納されている前回までの変動カテゴリコマンドをチェックして、先読み演出を実行可能な変動カテゴリであるか否かを判定し、実行可能な変動カテゴリであると判定した場合にのみ先読み演出を実行可能としてもよい(実行不可能な場合には先読み演出を制限してもよい)。例えば、最新の変動カテゴリコマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時受信コマンドバッファに格納されている変動カテゴリコマンドにより指定された変動カテゴリを全て読み取り、読み取った全てが「非リーチ」の可変表示態様に対応した変動カテゴリを指定するものである場合に、先読み演出を実行可能な変動カテゴリであると判定すればよい。これによれば、予告対象となる可変表示が開始されるまでの各可変表示では、すべて「非リーチ」の可変表示態様となる場合に先読み演出が実行可能となる。したがって、先読み演出の途中でリーチ演出が実行されてしまい先読み演出の連続性が損なわれることを防止できる。
図18は、先読み演出実行決定テーブルの構成例を示す図である。図18に示す先読み演出実行決定テーブルでは、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方を実行する場合、保留・アクティブ変化演出のみ実行して可動体演出を実行しない場合、保留・アクティブ変化演出および可動体演出を実行せず可動体演出のみ実行する場合(以上が先読み演出を実行する場合)、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方を実行しない場合(先読み演出を実行しない場合)のそれぞれに対し、図16のステップS600において入力されたと判定した表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果が大当りであるかハズレであるかに応じて、異なる決定割合が設定されている。図示するように、対応する保留の入賞時判定結果に応じて先読み演出の実行割合が異なっており、大当りの場合はハズレの場合よりも先読み演出が実行される割合が高くなっている。また、先読み演出が実行される場合であっても、大当りの場合は保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方が実行される割合が高くなっている。したがって、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方が行われることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。図18に示す先読み演出実行決定テーブルは、例えば、RAM122に記憶されている。演出制御用CPU120は、先読み演出実行決定テーブルと、ステップS600において入力されたと判定した表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果とに基づいて、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方を実行するのか、保留・アクティブ変化演出のみ実行して可動体演出を実行しないのか、保留・アクティブ変化演出および可動体演出を実行せず可動体演出のみ実行するのか、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方を実行しないのか、を決定する。すなわち、図17のステップS700の処理では、先読み演出の実行有無とともに、先読み演出を実行する場合、保留・アクティブ変化演出を実行するのか、可動体演出を実行するのか、それとも両方を実行するのか、といった先読み演出の種類も一気に決定している。なお、これとは別に、先読み演出の実行有無を先に決定し、その後、先読み演出を実行すると決定した場合に、さらに実行する先読み演出の種類を決定するといったように、2段階で決定するようにしてもよい。
図17に戻り、演出制御用CPU120は、ステップS700における決定が、保留・アクティブ変化演出を実行することを決定したか否かを判定する(ステップS701)。保留・アクティブ変化演出を実行しないと決定した場合(ステップS701;No)、演出制御用CPU120は、先読み演出実行設定処理を終了する。
保留・アクティブ変化演出を実行することが決定された場合(ステップS701;Yes)、演出制御用CPU120は、図19に示す最終色決定テーブルを参照して、最終的に変化する色(最終色)を決定する(ステップS706)。なお、上述したように、この実施の形態では、理解を容易にするため、保留変化演出では予告対象を遊技者に認識可能とする(特殊表示態様へ変化させる)に留まり、アクティブ変化演出において始めて表示色が変化する例を示しているが、例えば、保留変化演出において表示色を段階的に変化させてもよい。具体的には、保留・アクティブ変化演出パターンを複数用意しておき、保留表示がシフトする度に表示色が変化可能としてもよい。保留・アクティブ変化演出パターンは、例えば、保留記憶数に応じて、始動入賞に対応する保留が最古の保留から数えて何番目であるかを示す保留順位が3番目(保留3)、2番目(保留2)、1番目(保留1)となるときの保留表示の色及び色の変化の態様と、始動入賞に対応する可変表示が実行中となるとき(アクティブとなるとき)のアクティブ表示の色及び色の変化の態様が示されていればよい。ステップS706の処理では、段階的に変化させる場合も含めた最終的な表示色を決定すればよい。
図19は、最終色決定テーブルの構成例を示す図である。最終色決定テーブルでは、「白」、「青」、「緑」、「赤」のそれぞれの最終色に、可変表示結果に応じて異なる割合で決定されるよう設定されている。この実施の形態における最終色決定テーブルでは、最終色が「赤」である場合が最も大当りとなる割合が高く、次いで「緑」が高く、その次に「青」、「白」が最も大当りとなる割合が低く設定されている。また、「緑」および「赤」の場合にはスーパーリーチ以上が確定されるよう決定割合が設定されている。上述したように、緑色や赤色に表示色が変化する保留・アクティブ変化演出では、表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示が拡大表示されることがあるため、拡大表示が行われた場合には、予告対象となる保留表示に対応する可変表示では少なくともスーパーリーチとなることが確定的に報知されたことになる。したがって、拡大表示が行われることへの遊技者の期待感を向上させることができる。
図17に戻り、ステップS706の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS706の処理にて決定した最終色が「緑」または「赤」であるか否かを判定する(ステップS707)。最終色が「緑」でも「赤」でもない場合、すなわち、「白」または「青」である場合(ステップS707;No)、演出制御用CPU120は、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大して表示する拡大態様設定を、無しに決定する(ステップS708)。これにより、「白」または「青」に変化する保留・アクティブ変化演出では、拡大表示は行われず、画像表示装置5内に特定表示領域としての小画面も表示されないこととなる。ステップS708の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読み演出実行設定処理を終了する。
一方、ステップS707の処理にて、最終色が「緑」または「赤」であると判定した場合(ステップS707)、演出制御用CPU120は、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大して表示する拡大態様設定有無を、図20に示す拡大態様設定有無決定テーブルを参照して決定する(ステップS709)。
図20は、拡大態様設定有無決定テーブルの構成例を示す図である。図20に示す拡大態様設定有無決定テーブルでは、拡大表示を行う拡大態様設定有りと、拡大表示を行わない拡大態様設定無しに対し、図16のステップS600において入力されたと判定した表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果が大当りであるかハズレであるかに応じて、異なる決定割合が設定されている。図示するように、対応する保留の入賞時判定結果に応じて拡大表示を行う拡大態様設定有りに決定される割合が異なっており、大当りの場合はハズレの場合よりも拡大態様設定有りに決定され割合が高くなっている。したがって、拡大表示が行われることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
図17に戻り、ステップS709の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS709にて拡大態様設定有りに決定されたか否かを判定する(ステップS710)。拡大態様設定無しに決定された場合(ステップS710;No)、演出制御用CPU120は、先読み演出実行設定処理を終了する。その一方で、拡大態様設定有りに決定された場合(ステップS710;Yes)、演出制御用CPU120は、ステップS700にて可動体演出を行うと決定されたか否か、すなわち保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を行うと決定したか否かを判定する(ステップS711)。可動体演出を行わない、すなわち、保留・アクティブ変化演出のみ行う場合(ステップS711;No)、演出制御用CPU120は、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出のみ実行することを示す拡大フラグをオン状態にセットする(ステップS712)。拡大フラグは、RAM122に設けられていればよい。ステップS712の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読み演出実行設定処理を終了する。
一方、可動体演出を行うと判定した場合、すなわち拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を行う場合(ステップS711;Yes)、演出制御用CPU120は、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出を実行し、さらに可動体演出を行うこと、すなわち実行される可動体演出が上述した可動体特殊演出であることを示す重複フラグをオン状態にセットする(ステップS713)。重複フラグは、RAM122に設けられていればよい。ステップS713の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読み演出実行設定処理を終了する。なお、重複フラグがオン状態にセットされること、すなわち、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を行うこと、を特定条件が成立するともいう。
図16に戻り、ステップS602の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、保留表示又はアクティブ表示を追加する処理を行う(ステップS603)。例えば、保留記憶数が1で、且つ、特図ゲーム開始の条件が成立している場合、演出制御用CPU120は、アクティブ表示エリア5HAにアクティブ表示を追加する制御を行い、それ以外の場合には、演出制御用CPU120は、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留順位に応じた保留表示を追加する制御を行う。特図ゲーム開始の条件とは、上述したように、第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件と第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件とがある。例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了して画像表示装置5において可変表示が実行されておらず、デモ画像等が表示されている場合、第1開始条件や第2開始条件は成立した状態となる。
具体的に、演出制御用CPU120は、画像表示装置5が表示すべき保留表示やアクティブ表示の内容(初期状態として灰色の表示)を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定し、画像データを生成し、アクティブ表示エリア5HAにアクティブ表示を表示させ、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留表示を表示させる。ステップS603の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読み処理を終了する。
再び、図15に戻って説明する。ステップS160における先読み処理の後、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、ステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1図柄図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、図16のステップS602の処理で設定された先読み演出や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“2”に更新されて終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別が「確変」又は「非確変」であれば、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大入賞口通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大入賞口通常開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における各種の演出制御(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口通常開放時処理は、例えば主基板11からの大当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図21は、可変表示開始設定処理として、図15のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターンコマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、演出制御用CPU120は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。更に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、ステップS527の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このとき、例えば、表示結果指定コマンドなどによって特定される大当り種別に応じて同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S527において設定された、左確定飾り図柄、右確定飾り図柄、中確定飾り図柄の態様や停止順序の情報は、例えばRAM122に記憶される。
ステップS523、S524、S527の処理のいずれかを実行した後には、演出制御用CPU120は、重複フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS528)。上述したように、重複フラグは、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出を実行し、さらに可動体演出を行うことを示すフラグであり、図17のステップS712の処理にてオン状態にセットされる。重複フラグがオン状態にセットされていると判定した場合(ステップS528;Yes)、演出制御用CPU120は、可動体演出として、画像表示装置5に表示された特定表示領域としての小画面にてエフェクト画像を表示する可動体特殊演出を実行するための設定を行う可動体特殊演出設定処理を実行する(ステップS529)。具体的に、ステップS529の処理では、予告対象の保留の可変表示が行われるまでの複数回の可変表示において各可変表示の開始から2秒間、可動体99を回転動作させるとともに、当該回転動作に合わせて特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示する設定が行われる。ステップS529の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出を実行するための設定を行う保留・アックティブ変化演出実行設定処理を行う(ステップS530)。ステップS530の処理では、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大表示させる設定を行うとともに、予告対象となる保留表示が最初にシフトしたタイミングで作用演出を行い、さらに、アクティブ表示エリア5HAにシフトしたタイミングでアクティブ表示の表示色を、作用演出を行って変化させる設定が行われる。また、ステップS530の処理では、画像表示装置5に特定表示領域としての小画面を表示し、当該保留・アクティブ変化演出にて表示される画像(例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像など)以外の表示を全て小画面にて行う設定が行われるとともに、当該保留・アクティブ変化演出の終了後に特定表示領域としての小画面への表示を終了し、元に戻す設定が行われる。なお、ステップS529の処理をステップS530の処理の後に実行してもよい。
ステップS528にて重複フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS528;No)、演出制御用CPU120は、可動体演出を実行するか否かを判定する(ステップS531)。可動体演出を実行する場合(ステップS531;Yes)、演出制御用CPU120は、可動体演出を実行するための可動体演出設定処理を行う(ステップS532)。具体的に、ステップS532の処理では、予告対象の保留の可変表示が行われるまでの複数回の可変表示において各可変表示の開始から2秒間、可動体99を回転動作させるとともに、当該回転動作に合わせて画像表示装置5における可動体99の近傍にエフェクト画像を表示する設定が行われる。
ステップS532の処理を実行した後、またはステップS531にて可動体演出を実行しないと判定した場合(ステップS531;No)、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出を実行するか否かを判定する(ステップS533)。保留・アクティブ変化演出を実行すると判定した場合(ステップS533;Yes)、演出制御用CPU120は、拡大フラグの設定状況に応じて、保留・アクティブ変化演出を実行するための保留・アクティブ変化演出実行設定処理を行う(ステップS534)。上述したように、拡大フラグは、図17のステップS712にてオン状態に設定される。ステップS534の処理では、拡大フラグがオン状態にセットされている場合には、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大表示させる設定を行うとともに、予告対象となる保留表示が最初にシフトしたタイミングで作用演出を行い、さらに、アクティブ表示エリア5HAにシフトしたタイミングでアクティブ表示の表示色を変化させる設定を行う。一方、拡大フラグがオン状態にセットされておらず、オフ状態である場合には、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大表示させる設定や作用演出は行われず、予告対象となる保留表示が最初にシフトしたタイミングで予告対象を認識可能とするよう表示態様を変化させる設定を行い、さらに、アクティブ表示エリア5HAにシフトしたタイミングでアクティブ表示の表示色を(作用演出なしに)変化させる設定のみを行う。
ステップS530またはステップS534の処理を実行した後、またはステップS533にて保留・アクティブ変化演出を実行しないと判定した場合(ステップS533;No)、演出制御用CPU120は、その他の演出を実行するための演出パターンの設定処理を行う(ステップS535)。
続いて、演出制御用CPU120は、ステップS528〜ステップS534の処理にて設定された内容、及びステップS529の処理において設定した演出パターンに基づいて、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS536)。
続いて、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS537)。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS538)。このときには、例えばステップS536にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
更に、演出制御用CPU120は、可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示やアクティブ表示エリア5HAにおけるアクティブ表示を更新するための設定を行う(ステップS539)。ここで、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留表示が表示されている場合には、演出制御用CPU120は、保留順位1に対応する保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつ移動(シフト)させる。一方、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留表示が表示されておらず、アクティブ表示エリア5HAにおけるアクティブ表示のみが表示されている場合、演出制御用CPU120は、表示の更新を行わない。
その後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS540)、可変表示開始設定処理を終了する。
図22は、可変表示中演出処理として、図15のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS801)。一例として、ステップS541の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS541にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS801;No)、演出制御用CPU120は、可動体演出を実行するための可動体演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS802)。可動体演出実行期間は、図21に示すステップS529やステップS532にて設定されている。可動体演出実行期間であると判定した場合(ステップS802;Yes)、演出制御用CPU120は、重複フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS803)。重複フラグがオン状態にセットされている場合(ステップS803;Yes)、可動体99を回転動作させるとともに、当該回転動作に合わせて特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示する可動体特殊演出制御を行う(ステップS805)。一方、重複フラグがオフの場合(ステップS803;No)、可動体99を回転動作させるとともに、当該回転動作に合わせて画像表示装置5における可動体99の近傍にエフェクト画像を表示する可動体演出制御を行う(ステップS804)。
ステップS805またはステップS804の処理を行った後、またはステップS802にて可動体演出実行期間ではないと判定した場合(ステップS803;No)、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出を実行するための保留・アクティブ変化演出実行期間であるか否か判定する(ステップS806)。保留・アクティブ変化演出実行期間は、図21に示すステップS530やステップS534にて設定されている。保留・アクティブ変化演出実行期間であると判定した場合(ステップS806;Yes)、演出制御用CPU120は、図21のステップS530またはステップS534にて設定された内容にしたがって、保留・アクティブ変化演出を実行する(ステップS807)。具体的に、ステップS807の処理では、拡大表示を行う拡大態様設定が行われている場合には、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大表示させる拡大制御を行うとともに、作用演出を行うためのキャラクタを表示し、保留表示およびアクティブ表示の表示態様を変化させる制御や、特定表示領域としての小画面にて当該保留・アクティブ変化演出に関する表示以外の表示を行う制御などが行われる。具体的に、特定表示領域としての小画面では、背景画像や可変表示、保留・アクティブ変化演出以外の予告演出など、当該保留・アクティブ変化演出に関する表示以外の全ての表示が行われる。一方、拡大表示を行う拡大態様設定が行われていない場合には、拡大制御を行わず、作用演出を実行せずに保留表示およびアクティブ表示の表示態様を変化させる制御が行われる。
ステップS807の処理を実行した後、またはステップS806にて保留・アクティブ変化演出実行期間ではないと判定した場合(ステップS806;No)、演出制御用CPU120は、重複フラグまたは拡大フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS808)。重複フラグまたは拡大フラグがオン状態にセットされていると判定した場合(S808;Yes)、保留・アクティブ変化演出実行期間が終了したか否かを判定する(ステップS809)。保留・アクティブ変化演出実行期間が終了した場合(ステップS809;Yes)、特殊領域としての小画面による表示制御、すなわち特定表示領域制御を終了し、表示を元に戻す(ステップS810)。ステップS810の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、重複フラグまたは拡大フラグのうち、オン状態にセットされているフラグをオフ状態にクリアする(ステップS811)。
ステップS811の処理を実行した後、ステップS808にて重複フラグも拡大フラグもオフであると判定した場合(ステップS808;No)、またはステップS809にて保留・アクティブ変化演出実行期間が終了していないと判定した場合(ステップS809;No)、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS812)。リーチ演出実行期間は、所定のリーチ演出に対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS812にてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS812;Yes)、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS813)。
ステップS812にてリーチ演出実行期間ではないときや(ステップS812;No)、ステップS813の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS814)、可変表示中演出処理を終了する。なお、ステップS814にて行われる演出は、特定表示領域としての小画面が表示されている場合は、当該小画面で行われることとなる。小画面表示が行われているか否かは、例えば、RAM122に設けられた小画面表示中フラグの状態を参照することにより判定すればよい。小画面表示中フラグは、ステップS807の処理にて小画面表示が行われた場合にオン状態にセットされ、ステップS810の処理にてオフ状態にクリアされればよい。
ステップS801にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS801;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS815)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS815;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS815にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS815;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS816)。続いて当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定し(ステップS817)、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS818)、可変表示中演出処理を終了する。
続いて図23と図25を参照して、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と、可動体演出(ここで実行される可動体演出は可動体特殊演出となる)とが行われる場合における演出動作について説明する。図23は、保留・アクティブ変化演出と可動体演出とが行われる場合におけるタイミングチャートである(より具体的には、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と、可動体特殊演出を行う場合におけるタイミングチャートである)。図25は、保留・アクティブ変化演出と可動体演出の演出動作例を示す図である(より具体的には、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と、可動体特殊演出を行う場合における演出動作例を示す図である)。図示する例では、3回目の可変表示が先読み演出の予告対象の可変表示であり、当該予告対象の可変表示をターゲット変動といい、当該予告対象の保留表示をターゲット保留という。
まず1回目の可変表示が開始されると(図25(A)から図25(B)への推移)、保留・アクティブ変化演出が実行され、表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示が拡大表示される(図25(A)に示す始動入賞記憶表示エリア5Hの保留表示およびアクティブ表示エリア5HAのアクティブ表示が、図25(B)に示す始動入賞記憶表示エリア5Hの保留表示およびアクティブ表示エリア5HAのアクティブ表示に拡大表示される。)とともに作用演出が実行される。なお、作用演出が実行されることなく、背景が切り替わることに関連して星形(特殊態様)に変化させるようにしてもよい。また、図25(B)と図25(F)に示す場合とで異なる態様の作用演出を実行することにより保留表示の表示態様を変化させてもよい。図示する例ではアクティブ表示エリア5HA全体(アクティブ表示AHと台座表示AHAの両方)が拡大表示された例を示している。また、予告対象の保留表示がいずれの保留表示であるかを遊技者に認識可能とするよう、予告対象の保留表示の表示態様を星型(特殊態様)に変化させる(図25(B)に示す保留表示HG)。これに合わせて特定表示領域としての小画面が表示される(図25(B)に示す小画面6DP)。また、同時に可動体演出として、可変表示開始から2秒間、可動体99が回転動作されるとともに、小画面にエフェクト画像(図25(B)に示すエフェクト画像44)が表示される可動体特殊演出が実行される(以上、図25(B))。また、背景画像や飾り図柄が縮小されて小画面に表示される(図25(A)に示す背景画像66や飾り図柄5L、5C、5Rが図25(B)に示す背景画像66、飾り図柄5L、5C、5Rとして縮小して表示される)。なお、図示するように、一旦拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が実行されると、特定表示領域としての小画面は、少なくとも当該保留・アクティブ変化演出が終了するまでの期間は表示され続けることとなる。
そして1回目の可変表示が終了し(図25(C))、2回目の可変表示が開始されると、当該可変表示開始から2秒間、可動体99を回転動作させるとともに、可動体特殊演出が実行される(図25(D))。ターゲット変動が開始されると、当該ターゲット変動の開始から2秒間、可動体99を回転動作させるとともに、可動体特殊演出が実行されるとともに、アクティブ表示に対して作用演出が行われる(図25(F))。続いて可動体特殊演出が終了すると、作用演出の結果としてアクティブ表示の表示色が、図17のステップS706にて決定された最終色に変化する(図25(F)に示す特殊態様のアクティブ表示5HGの態様がアクティブ表示5HKの態様に変化する)。なお、図示する例では、赤色に変化した例を示している(図25(G))。保留・アクティブ変化演出が終了すると、当該終了に合わせて拡大表示が終了される(図25(H)に示すように始動入賞記憶表示エリア5Hの保留表示およびアクティブ表示エリア5HAのアクティブ表示(台座表示も含む)が元の大きさで表示される)。その後、特定表示領域を非表示として小画面による制御を終了し、元の表示(飾り図柄5L、5C、5Rも元の大きさで表示され、背景画像66も元の大きさで表示される)に戻す(図25(H))。そして、リーチ演出などの演出動作が行われることとなる。図23に示すように、この実施の形態における保留・アクティブ変化演出は、可動体演出(この場合には可動体特殊演出)の終了後に終了する。また、特定表示領域としての小画面は、保留・アクティブ変化演出の終了後に消去される。したがって、演出の終了タイミングが明確となり、演出効果を高めることができる。また、可動体演出が中途半端な状態のときに終了することによる違和感を軽減(防止)することができる。また、図25に示すように、特定表示領域としての小画面では、背景画像や飾り図柄の可変表示、エフェクト画像など、保留・アクティブ変化演出に関する表示(例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像など)以外の表示が行われ、保留表示やアクティブ表示は行われない。したがって、保留表示やアクティブ表示などの可変表示に対応する対応表示が複数の表示領域に表示されることで与えてしまう違和感を防止することができる。
図24は、可動体演出の演出動作例を示す図であり、より具体的には、先読み演出として可動体演出のみが行われる場合の演出動作例を示す図である。上述したように、可動体演出には、当該可動体99が動作していることを効果的に目立たせるためのエフェクト画像を特定表示領域としての小画面に表示する特殊可動体演出と、当該エフェクト画像を画像表示装置5における可動体99の近傍に表示する(通常の)可動体演出とが実行され得るため、その違いについて説明する。図24(A)に示すように、可変表示中に3つ目の保留表示が記憶され(図24(A)に示す始動入賞記憶表示エリア5Hに3つの保留表示が表示され、アクティブ表示エリア5HAにアクティブ表示AHと台座表示AHAが表示され)、当該保留がターゲット保留として決定された場合を例に説明する。図24(B)に示すように、実行中の可変表示が終了し、次の可変表示が開始されると、図24(C)に示すように、可変表示の開始から2秒間、可動体演出として可動体99が回転動作し、エフェクト画像(図24(C)に示すエフェクト画像44)が表示される。この場合、拡大表示は行われていないため、図25(B)や図25(D)、図25(F)などと異なり、エフェクト画像は、図示するように像表示装置5における可動体99の近傍に表示される(図24(C)に示すようにエフェクト画像44が可動体99の近傍に表示される)。また、図25(B)などと異なり、背景画像(図24(A)に示す背景画像66)や飾り図柄(図24(A)に示す飾り図柄5L、5C、5R)は画像表示装置5に表示され、小画面には表示されない。そして可変表示開始から2秒間経過すると可動体演出が終了し、可動体99の回転動作が停止するとともにエフェクト画像も消去される。その後、ターゲット保留に対応する変動(ターゲット変動)が開始されるまで(ターゲット変動も含む)、各変動にて可動体演出が実行される。
なお、図24や図25における可動体演出のように、ターゲット変動までに複数回の可動体演出を実行する場合、各回における回転動作のスピードを徐々に早くしたり、エフェクト画像の色を各回で変更してもよい。この場合、保留・アクティブ変化演出における最終色のエフェクト画像が最終回の可動体演出にて表示されるようにしてもよい。これによれば演出の統一感が保て、遊技興趣を向上させることができる。なお、可動体99にもLEDやランプを設け、回転動作に応じて様々な色にて点灯や点滅などしてもよい。例えば、可動体99にLEDを設け、期待度に応じた色で発光させ回転動作させてもよい(すなわち、期待度に応じて異なる態様にて可動体演出を実行してもよい)。そして、演出補助表示として表示するエフェクト画像の色を当該LEDの発光色に応じた色としてもよい。これによれば演出効果を向上させることができる。また、演出補助表示の実行パターンが多様化し、遊技興趣の低下を防止することができる。さらに、可動体演出において、可動体99の回転動作に合わせて動作音を出力してもよい。この場合、実行中の可動体演出が特定表示領域としての小画面でエフェクト画像を表示する可動体特殊演出であるか、通常の可動体演出であるかに応じて出力するスピーカを異ならせてもよい。例えば、通常の可動体演出においては、スピーカ8Lおよびスピーカ8Rにて動作音を出力する一方で、可動体特殊演出においては、特定表示領域が表示されている側のスピーカ(図25に示す例では画像表示装置の左側に特定表示領域としての小画面が表示されるためスピーカ8L)からのみ動作音を出力するようにしてもよい。また、特定表示領域としての小画面が表示されている期間(すなわち、保留・アクティブ変化演出が実行されている期間)は、特定表示領域としての小画面にて行われる表示に関する音声出力を、全て特定表示領域が表示されている側のスピーカからのみ出力するようにしてもよい。これによれば演出効果を高めることができる。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
演出制御用CPU120は、先読み演出として保留・アクティブ変化演出と可動体演出といった2種類の演出を実行可能である。そして、保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を実行する場合、画像表示装置5に表示された特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示して、通常時とは異なる態様により可動体演出を実行可能である。したがって、演出の視認性が低下してしまうことによる遊技興趣の低下を防止することができる。
また、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を実行する場合、画像表示装置5に表示された特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示して、可動体演出が実行されていることを遊技者に報知する。したがって、可動体演出の実行中であることを容易に認識することができ遊技興趣を向上させることができる。また、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出として、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出を実行可能である。したがって、保留・アクティブ変化演出として表示態様が変化することを容易に認識することができ遊技興趣を向上させることができる。
演出制御用CPU120は、可動体演出として可動体99を回転動作させるとともに、当該可動体99が動作していることを効果的に目立たせるよう、エフェクト画像を演出補助表示として表示する。そして、可動体演出のみを行う場合にはエフェクト画像を画像表示装置5における可動体99の近傍に表示するのに対し、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を行う場合には、特定表示領域としての小画面に当該エフェクト画像を表示する。したがって、演出補助表示を適格に行うことができ遊技興趣を向上させることができる。
また、演出制御用CPU120は、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出を実行した場合、当該保留・アクティブ変化演出に関する表示(例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像など)以外の表示(背景画像や飾り図柄の可変表示、エフェクト画像など)を全て特定表示領域としての小画面にて行い、保留表示やアクティブ表示は小画面にて表示されない。したがって、保留表示やアクティブ表示などの可変表示に対応する対応表示が複数の表示領域に表示されることで与えてしまう違和感を防止することができる。また、演出制御用CPUは、特定表示領域としての小画面において、背景画像や可変表示、保留・アクティブ変化演出以外の予告演出など、保留・アクティブ変化演出に関する表示以外の全ての表示を行うことが可能である。したがって、演出の視認性が向上し演出効果を向上させることができ遊技興趣を向上させることができる。
また、演出制御用CPU120は、可動体演出の終了後に保留・アクティブ変化演出を終了させ、当該保留・アクティブ変化演出の終了後に特定表示領域としての小画面を非表示として小画面による制御を終了する。したがって、演出の終了タイミングが明確となり、演出効果を高めることができる。また、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出において、先読み演出の予告対象がいずれの保留であるのかを遊技者に認識可能とする態様に変化させる。すなわち、保留・アクティブ変化演出が行われる場合特有の表示態様に変化させる。したがって、保留・アクティブ変化演出が行われる対象が明確になり、演出効果を向上させることができる。
また、演出制御用CPU120は、期待度に応じて可動体演出を実行可能であり、当該可動体演出において演出補助表示としてのエフェクト画像を表示する。そして、さらに拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が行われる場合(拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出との両方を行うという特定条件が成立する場合)には、当該エフェクト画像を、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が行われない場合(特定条件が成立していない場合)と比較して異なる位置にて表示可能である。したがって、演出補助表示の実行パターンが多様化し、遊技興趣の低下を防止することができる。より具体的に、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が行われる場合、演出制御用CPU120は、可動体演出として可動体特殊演出を実行することで、特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示する。したがって、特定条件が成立していうることを容易に認識することができ遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、画像表示装置5の画面上において、当該始動入賞記憶表示エリア5Hに近接してアクティブ表示エリア5HAが配置され、アクティブ表示は保留表示に近接して表示される。これにより、保留表示が消去された場合に、遊技者にアクティブ表示を注目させることが可能となる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
上記実施の形態では、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出において、作用演出を行うことにより予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかを認識可能とする(保留・アクティブ変化演出が行われる場合にのみ表示される特殊表示態様とする)例を示した(図25(B)参照)が、これは一例である。例えば、作用演出はアクティブ表示の表示態様を変化させる場合にのみ行ってもよく、特殊表示態様とする場合には作用演出を行わないようにしてもよい。なお、特殊表示態様に変化するタイミングは、当該保留・アクティブ変化演出が開始されたタイミングであってもよいし、予告対象の可変表示に対応する保留(ターゲット保留)がシフトしたタイミング(何回目のシフトのタイミングかを決定してもよい)であってもよい。また、上記実施の形態では、「緑」または「赤」にアクティブ表示の表示態様が変化する保留・アクティブ変化演出を実行する場合に、拡大表示が行われない場合もある例を示したが、「緑」または「赤」にアクティブ表示の表示態様が変化する保留・アクティブ変化演出を実行する場合には100%拡大表示を行うようにしてもよい。また、「白」や「青」にアクティブ表示の表示態様が変化する保留・アクティブ変化演出を実行する場合であっても、拡大表示が行われることがあってもよい。また、上記実施の形態では、保留・アクティブ変化演出において拡大表示される場合、拡大表示の対象が表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示自体である例を示したが、これに加え、保留表示およびアクティブ表示の表示部や表示領域(例えば台座表示や領域的に区切ってある部分など)なども拡大表示されてもよい。
また、上記実施の形態では、先読み演出として保留・アクティブ変化演出と可動体演出とが行われ、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出とが同一期間に行われることを条件に、可動体演出の実行態様を異ならせる(可動体特殊演出を行う)例を示したが、これは一例である。当該条件は、先読み演出として実行される2種類の演出が同一期間に行われることに限られない。例えば、キャラクタによるセリフ予告や文字やテロップなどを用いた予告、背景の態様を変化させる背景変化予告などといった、可変表示中に行われる当該変動に対する予告演出が同一期間に行われたり、大当り制御中に行われる演出が同一期間に行われるなど、任意の状態で行われる2種類の演出が同一期間に行われればよく、一方の演出が実行されると他方の演出が視認困難となるものであれば、演出の種類は任意の演出であってよい。また、一方の演出が先読み演出で、もう一方の演出が可変表示中に行われる当該変動に対する予告演出であってもよい。また、同一期間に実行される演出は2種類に限られず3種類以上であってもよい。この場合、特定表示領域をさらに表示してもよい。また、3種類以上の演出が同一期間に実行される場合には、特定表示領域としての小画面にて複数の演出が実行されてもよい。また、特定表示領域としての小画面にて擬似連チャンス目となる擬似連チャンス図柄を表示させることで、当該変動における複数回の変動にわたって拡大制御を行うようにしてもよい。また、上記実施の形態では、特定表示領域を画像表示装置5内に表示する例を示したが、画像表示装置5の他にサブ液晶が設けられている遊技機などでは、特定表示領域を表示しなくてもよく、当該特定表示領域としての小画面にて行われる表示をサブ液晶にて行ってもよい。また、上記実施の形態では、保留・アクティブ変化演出と可動体演出とが同一期間に行われることを条件に、可動体演出の実行態様を異ならせ、保留表示やアクティブ表示を拡大表示し優先的に表示する例を示したが、これとは反対に、可動体演出を優先してもよい。具体的には、可動体99を画像表示装置5の画面いっぱいに動作させる予告演出を実行可能とし、その場合には、保留表示やアクティブ表示を特定表示領域としての小画面に表示してもよい。
また、上記実施の形態では、小画面にて表示される各種画像が、画像表示装置5に対して表示された画像と比率が同じである例、すなわち、画像表示装置5の画面サイズが10で小画面の画面サイズが1であれば、小画面にて表示される画像は、画像表示装置5において表示されていたサイズの10分の1の比率となる例を示したが、これは一例である。上述したように、特定表示領域としての小画面では、例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像などといった保留・アクティブ変化演出にて表示される画像以外の表示が全て行われることとなるが、そのうち、ボタン演出など、遊技者の操作を要す演出を行う場合には、当該操作を促す画像(促進表示)についてのみ画像表示装置5に対して表示される画像と同じ比率で縮小しないようにしてもよい(小画面は10分の1に縮小されていても、促進表示としてのボタン表示は10分の2の縮小であってもよい)。これによれば、遊技者が促進表示を見逃してしまうことを防止することができる。また、特定表示領域としての小画面の表示中には、ボタン演出など、遊技者の操作を要す演出の実行を禁止してもよい。これによれば、保留・アクティブ変化演出に遊技者の注目を集めることができる。なお、保留・アクティブ変化演出の終了後に実行されるボタン演出については実行可能とすればよい。
また、上記実施の形態では、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が実行されると、作用演出が実行されてアクティブ表示の表示態様が「緑」または「赤」といった期待度が比較的高い表示態様へ変化する例を示したが、これは一例である。例えば、アクティブ表示を変化させる作用演出には、成功演出と失敗演出とがあってよい。具体的には、成功演出が行われた場合には、アクティブ表示の表示態様が特殊表示態様から「緑」または「赤」へ変化する一方、失敗演出が行われた場合には、特殊表示態様から「灰色」である通常態様へと変化する。また、失敗演出が行われた場合、通常態様ではなく、「白」や「青」の表示態様に変化させてもよい。
上記実施の形態では、理解を容易にするため、保留変化演出では予告対象を遊技者に認識可能とする(特殊表示態様へ変化させる)に留まり、アクティブ変化演出において始めて表示色が変化する例を示しているが、保留変化演出において表示色を変化させてもよい。さらに、上記実施の形態では、拡大表示を行わない保留・アクティブ変化演出においては作用演出が行われない例を示したが、これに限られない。例えば、図26に示すような保留変化演出を行うことによって、その保留表示に対応する可変表示に関する動作を予告してもよい。なお、図示する例では、拡大表示を行わない保留・アクティブ変化演出としての保留変化演出が実行された場合を例として示しているが、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出としての保留変化演出においても適用可能である。
図26は、保留変化演出の演出動作例を示す図である。図示する保留変化演出は、保留表示の1つに向けて投げ放たれたカラーボールが対象の保留表示にぶつかって割れる(すなわち作用させる)ことで、対象の保留表示の色が変化するか否かを見せる演出である。ここでの設定は、カラーボールは必ず対象の保留表示にぶつかることを前提とし、そのボールが割れるか否かの演出を遊技者に楽しませるというものである。もちろん、投げ放たれたボールが対象の保留表示にぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。見事にボールが割れて保留表示の色が変われば演出結果は成功、ボールが割れずに保留表示の色が変わらなければ失敗である。成功したときには、失敗したときよりも、その保留表示が大当りである期待度が高い。保留表示の色が大当り等の期待度の高い色に変化することを“成り上がる”ともいう。
図示する保留変化演出では、保留表示の1つに向けて投げ放たれたカラーボールの速度が途中で減速する点に1つの特徴がある。特に減速する期間の長さは一様ではなく、少なくとも2種類の中から決定され、その減速期間が長い場合の方が短い場合よりも演出結果が成功となる可能性が高くなる。ただし、いずれの減速期間が選択された場合であっても、ボールが投げ放たれてから減速し始めるタイミングは共通である。
画像表示装置5の画面には、下向きの3本の矢印で示す飾り図柄の可変表示中に、各種画像が表示される。下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像THまたはHが保留記憶情報の数に対応して表示される(以下、保留記憶画像または保留表示と呼ぶ)。これらの保留表示は、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを区別した形式で、保留記憶画像が表示されるようにしてもよい。画面の左下のアクティブ表示エリア5HA内には、アクティブ表示の表示位置を示す位置表示AHA(台座表示AHA)が表示されている。台座表示AHAの上にはアクティブ表示AHが表示されている。なお、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出における保留変化演出として実行する場合、図示する例における下向きの3本の矢印で示す飾り図柄の可変表示は、上記実施の形態で示したように、特定表示領域としての小画面にて行われればよい。この場合、図26に示す保留表示やアクティブ表示は拡大表示されていればよい(なお図示する例では可動体99を省略している)。
図26(a)を参照して飾り図柄の可変表示中に、カラーボール931を持ったキャラクタ930が登場する。キャラクタ930の登場タイミングは、様々に設定できる。ただし、キャラクタ930の登場から演出の成功・失敗の結果が出るまでの演出期間の間に保留表示がシフトして、演出が無駄にならないようにする必要がある。このため、可変表示の残り期間が演出期間に比べて十分に長い段階でキャラクタ930を登場させる。
キャラクタ930は、画面に現れている4つの保留表示のうちの左から2つめの保留表示THに向かってカラーボール931を投げる。キャラクタ930がカラーボール931を投げてから、そのカラーボール931が保留表示THにぶつかるまでの時間は所定期間である。その所定期間の長さは演出が成功する場合と失敗する場合とで異なるが、同じにしてもよい。いずれにしても、その所定期間において、カラーボール930の速度が変化する。
カラーボール931は、投球されてから一定期間が経過するまで(所定距離を移動するまで)の間、一定速度で移動するのであるが、一定期間が経過した段階で、その速度が減速する。つまり、減速期間に突入する。その様子を図26(b)に示す。このような減速制御の演出は、例えば、スローモーション再生の演出である。減速期間は、3秒または5秒である。ただし、いずれの減速期間が設定された場合であっても、キャラクタ930がボールを投げ放ってから減速期間に突入するまでの期間は共通である。そのようなスローモーション再生による減速期間を経て、再び、カラーボールの931の速度が初速に戻り、やがてカラーボール931が対象の保留表示THに衝突する。なお、初速に戻らずに減速したまま演出が終了してもよいし、減速期間終了後の速度が初速や減速期間での速度とは異なる速度となるようにしてもよい。
その後、演出のパターンは、衝突したカラーボール931が割れて中の塗料が対象の保留表示を覆い、保留表示の色を当初とは別の色に成り上がる成功パターンと、衝突したカラーボール931が割れずに跳ね返り、保留表示の色が変化しない失敗パターンとに分かれる。図26(c)は成功パターンを示し、図26(d)は失敗パターンを示す。成功パターンの場合には、カラーボール931が割れる前にプッシュボタン31Bが振動し、成功パターンを遊技者に予告する(ボタン報知演出)。これにより、遊技者の期待感を向上させることができる。もちろん、プッシュボタン31Bが振動する場合と振動しない場合とがあるようにしてもよい。なお、このような予告報知は、プッシュボタン31Bに代えて、あるいは、プッシュボタン31Bに加えて、音声や画像によって行うものとしてもよい。また、ボタン報知演出を抽選により決定するようにしてもよい。このような場合には、プッシュボタン31Bが振動する場合の方が、プッシュボタン31Bが振動しない場合よりも大当り期待度が高くなるようにするのが望ましい。また、プッシュボタン31Bの振動に強弱を設けてもよい。このような場合には、ボタン報知演出の抽選の際にプッシュボタン31Bの強弱を含めた抽選をすればよい。そして、プッシュボタン31Bが強振動する場合の方が、プッシュボタン31Bが弱振動する場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
成功パターンでは、保留表示の色が元の色(例えば灰色)から複数の色のいずれかに変化する。例えば、その色のバリエーションは、白、青、緑、赤である。このような色の違いは、例えば、その保留表示に対応する変動表示が大当りになる期待度の違いを表している。例えば、赤が最も大当りの期待度が高く、緑、青の順でそれに続く。遊技者は、成功パターンにおいて、いずれの色に変化するかという点に注目できるために、より面白みのある遊技を提供できる。なお、色の変化に対する期待をより一層に高めるために、カラーボール931が保留表示に衝突した段階、または、衝突する直前の段階で、そのボールの動きを一旦停止させてもよい。
以上、説明した保留変化演出によれば、カラーボール931が放たれてからそれが保留表示に衝突する前に、カラーボール931の速度が減速する期間が存在するため、その間で、遊技者の期待感を高めることができる。特に、カラーボール931の速度を減速させることなく、そのままの速度で保留表示に衝突させる演出に比べると、遊技者の期待感は格段に向上する。また、減速期間は複数の中から選択的に設定されるため、遊技者に減速期間に対して注目させつつバラエティに富んだ演出を提供できる。
また、上記実施の形態では、アクティブ変化演出や保留表示変化演出においてアクティブ表示や保留表示の色が変化するようにしたが、アクティブ表示や保留表示の大きさや形状が変化する等、アクティブ表示や保留表示が様々な態様で変化するようにしてもよい。また、アクティブ表示や保留表示の色である赤色、緑色、青色、白色は、アクティブ表示及び保留表示の双方で用いることができるが、アクティブ表示時のみに表示される色、文字、キャラクタ等があってもよく、保留表示の保留表示時のみに表示される色、文字、キャラクタ等があってもよい。
また、上記実施形態では、図18に示す先読み演出実行決定テーブルを用いることにより、大当りの場合とハズレの場合とで先読み演出の実行割合を異ならせたが、これに限定されない。例えば、変動カテゴリコマンドに対応する変動パターンに基づいて、始動入賞に対応するリーチ演出の有無で先読み演出の実行割合を異ならせて、リーチ演出が実行される場合には、リーチ演出が実行されない場合よりも先読み演出の実行割合を高くしてもよい。また、変動カテゴリコマンドに対応する変動パターンが示す変動時間に基づいて、先読み演出の実行割合を異ならせて、変動時間が所定時間以上の場合には、所定時間未満の場合よりも先読み演出の実行割合を高くしてもよい。
また、上記実施形態では、大当り種別決定用の乱数値MR2の値に基づいて大当りの種類を確定させる態様としているが、大当りの種類を確定させる条件はこれに限定されない。例えば、大入賞口の近傍に、又は、大入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)することに基づいて、大当りの種類が確定する態様としてもよい。例えば、確変大当りと通常大当りとを設けた場合に、上記特定領域に遊技球が進入することに基づいて確変大当りが確定する態様としてもよい。
また、上記実施形態では、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて大当り図柄が表示されたことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにしているが、大当り遊技状態に制御する態様はこれに限定されない。例えば、第2始動入賞口の近傍に、または、第2始動入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)したことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにいてもよい。
なお、上記実施形態では、0〜9の数字または記号等の複数種類の特別図柄を可変表示させ表示結果を導出表示させる態様を示したが、可変表示は、そのような態様に限定されない。例えば、可変表示させる特別図柄と、可変表示結果として導出表示される特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄に含まれない特別図柄が可変表示結果として導出表示されてもよいし、変動する複数種類の特別図柄の中には可変表示結果として特別導出表示されないものが含まれていてもよい。また、必ずしも複数種類の特別図柄を可変表示させる必要はなく、1種類の特別図柄のみを用いて可変表示を実行する態様であってもよい。1種類の特別図柄を用いた可変表示として、例えば、当該1種類の特別図柄を点滅させてもよい(交互に点灯/消灯を繰返してもよい)。即ち、点灯、消灯の繰返しを可変表示としてもよい。そして、この場合であっても、当該1種類の特別図柄が最後に導出表示(点灯)されるものであってもよいし、当該1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。また、他の図柄(例えば、普通図柄、飾り図柄等)の可変表示についても同様である。
例えば、上記において、「割合」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係にかぎらず、A:B=100%:0%のような関係も含む概念である(即ち、一方が100%、他方が0%となるような割り振りも含む概念である)。また、AはBよりも割合が高いと言うときには、Aが100%であってBが100%未満である場合や、Bが0%であってAが0%よりも大きい場合も含む概念である。
また、例えば、上記実施形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板12側では2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
また、上記実施形態では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドをサブ側に送信していたが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し(大当り種別などで特定すればよい。)、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
また、例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、可変表示を行うことが可能な表示手段(例えば画像表示装置5など)を備え、有利状態に制御可能な遊技機であって、所定の演出手段により実行される演出の態様によって前記有利状態に制御されるか否かを示唆する示唆演出を実行するとともに、該示唆演出に関連した演出補助表示を前記表示手段にて実行可能である示唆演出実行手段(例えばステップS804またはステップS805の処理を実行する演出制御用CPU120など)を備え、前記示唆演出実行手段は、特定条件が成立しているか否かに応じて前記演出補助表示を異なる位置で実行可能であり(例えばステップS803にてYesと判定された場合にステップS805の処理を実行するなど)、さらに、動作を伴う態様(例えば、進出位置や退避位置に表示位置を切り替える態様、無表情の表示態様から目を見開いて汗を流す表示態様や涙を流す表示態様に切り替える態様)にて可変表示に対応する特定表示(例えば、実行中の変動に対応するアクティブ表示、未だ開始されていない変動に対応する保留表示)を表示可能であり、特定表示の表示態様(例えば、表示色(白色、青色、赤色)。表示する形状、模様、位置、範囲などであってもよい。)を変化可能な特定表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90663B,S90667Bを行うことによりアクティブ表示を表示し、ステップS903911,S903929を行うことにより保留表示を表示し、ステップS904713を行うことにより特定表示の表示態様を変化させる部分)と、特定表示の表示態様の変化を示唆する変化示唆演出(例えば、変化演出(第1変化演出、第2変化演出))を実行可能な変化示唆演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS904506において変化演出を設定し、ステップS908004において変化演出に応じたプロセステーブルを選択し、ステップS908006,S908105を行うことにより変化演出を実行する部分)とを備え、特定表示手段は、変化示唆演出が実行されるときの特定表示の動作態様(例えば、表示位置(進出位置、退避位置)。動作頻度(高頻度、低頻度)や表示方向(例えば、下向き、右向き)などの他の動作態様であってもよい。)によって異なる割合で該特定表示の表示態様を変化可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、ステップS904707〜S904709を実行することにより、第1変化演出の実行対象である特定表示の表示位置が進出位置である場合には100%の割合で特定表示の表示態様を変化させる一方で、第1変化演出の実行対象である特定表示の表示位置が退避位置である場合には特定表示の表示態様を変化させない(0%の割合で特定表示の表示態様を変化させる))遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、演出補助表示の実行パターンが多様化し、遊技興趣の低下を防止することができる。また、特定表示の動作態様に遊技者を注目させることができる。
さらに、演出補助表示の実行パターンが多様化し、遊技興趣の低下を防止することができ、特定表示の動作態様に遊技者を注目させることができる遊技機の形態の一例として、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、動作を伴う態様(例えば、進出位置や退避位置に表示位置を切り替える態様、無表情の表示態様から目を見開いて汗を流す表示態様や涙を流す表示態様に切り替える態様)にて可変表示に対応する特定表示(例えば、実行中の変動に対応するアクティブ表示、未だ開始されていない変動に対応する保留表示)を表示可能であり、特定表示の表示態様(例えば、表示色(白色、青色、赤色)。表示する形状、模様、位置、範囲などであってもよい。)を変化可能な特定表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90663B,S90667Bを行うことによりアクティブ表示を表示し、ステップS903911,S903929を行うことにより保留表示を表示し、ステップS904713を行うことにより特定表示の表示態様を変化させる部分)と、特定表示の表示態様の変化を示唆する変化示唆演出(例えば、変化演出(第1変化演出、第2変化演出))を実行可能な変化示唆演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS904506において変化演出を設定し、ステップS908004において変化演出に応じたプロセステーブルを選択し、ステップS908006,S908105を行うことにより変化演出を実行する部分)とを備え、特定表示手段は、変化示唆演出が実行されるときの特定表示の動作態様(例えば、表示位置(進出位置、退避位置)。動作頻度(高頻度、低頻度)や表示方向(例えば、下向き、右向き)などの他の動作態様であってもよい。)によって異なる割合で該特定表示の表示態様を変化可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、ステップS904707〜S904709を実行することにより、第1変化演出の実行対象である特定表示の表示位置が進出位置である場合には100%の割合で特定表示の表示態様を変化させる一方で、第1変化演出の実行対象である特定表示の表示位置が退避位置である場合には特定表示の表示態様を変化させない(0%の割合で特定表示の表示態様を変化させる))遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。なお、この他の形態例を「実施の形態」ということがある。図27はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
遊技領域907の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置909が設けられている。演出表示装置909の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置909は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置909の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置909で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置909で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置909に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置909の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域909c,909dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置909を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置909上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置909の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域909c,909dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。なお、「可変表示が同期する」とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域909c,909dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置909の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置909とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域909c,909dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置909の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
遊技盤906における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)908aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器908aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤906における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)908bが設けられている。第2特別図柄表示器908bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器908bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。従って、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置9015が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置9015に向かう遊技球は第2始動入賞口9014に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口9013は演出表示装置909の直下に設けられているが、演出表示装置909の下端と第1始動入賞口9013との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口9013の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口9013の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口9013に導きづらくして、第2始動入賞口9014の入賞率の方を第1始動入賞口9013の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図27に示すように、第2始動入賞口9014に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置9015が設けられているが、第1始動入賞口9013および第2始動入賞口9014のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器908aの側方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器908bの側方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置909の表示画面の下部には、第1保留記憶数および第2保留記憶数のうちいずれか一方を表示する保留記憶表示部9018cが設けられている。例えば、保留記憶表示部9018cは、低ベース状態では第1保留記憶数を表示する一方、高ベース状態では第2保留記憶数を表示する。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示するものであってもよい。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成した場合に、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口9013および第2始動入賞口9014への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成してもよい。
また、本実施の形態では、保留記憶表示部9018cにおいて未だ変動が行われていない保留記憶に対する保留表示が行われるとともに、該保留記憶に対する変動表示を開始してから終了するまでの間、該保留記憶に対する保留表示を、保留記憶表示部9018cとは異なるアクティブ表示部9018dにおいて継続して表示し続ける。すなわち、該アクティブ表示部9018dにおいて、実行中の変動表示に対応したアクティブ表示(変動表示対応画像)が表示されることとなる。
以下、保留記憶表示部9018cと、アクティブ表示部9018dと、保留記憶表示部9018cおよびアクティブ表示部9018dを囲っている範囲とを「インターフェース画像」と総称することがある。このインターフェース画像は、保留表示やアクティブ表示の有無に限らず表示されているものであるが、特定の状況(例えば、大当り遊技状態中やスーパーリーチなどの特定の演出の実行中)には消去されるものである。また、以下、保留表示とアクティブ表示とを「特定表示」と総称することがある。
具体的に、保留記憶表示部9018cおよびアクティブ表示部9018dには、モグラのキャラクタが保留表示およびアクティブ表示として表示される。例えば、図27に示す例では、1つのアクティブ表示と、3つの保留表示とが表示されている。
また、特定表示の表示態様として「白色」、「青色」および「赤色」が設けられており、対応する変動において大当りとなることに対する信頼度が異なるようになっている。例えば、大当りに対する信頼度は、赤色>青色>白色となっている。
特定表示の表示態様は、所定の変化演出が行われることにより変化可能となっている。変化演出としては、対象となる特定表示に向けてハンマーが振り下ろされる第1変化演出と、対象となる特定表示に向かって矢が飛んでくる第2変化演出とが設けられており、ハンマーで叩かれた特定表示、または矢が命中した特定表示の表示態様が変化するようになっている。
また、特定表示の表示位置として、地中から飛び出しているように見える進出位置(例えば図27の1つ目の保留表示の表示位置)および地中に潜っているように見える退避位置(例えば図27のアクティブ表示や2つ目および3つ目の保留表示の表示位置)が設けられている。各特定表示の表示位置は、ランダムに切り替わるよう制御される。例えば、表示位置の切り替わる頻度(動作頻度)が変動毎に決定され、決定された動作頻度にもとづいて表示位置が切り替わるようになっている。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置909における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置909における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ90560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化けなどが生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化けなどの不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
演出表示装置909の周囲の飾り部において、左側には、モータ9086の回転軸に取り付けられ、モータ9086が回転すると移動する可動部材9078が設けられている。この実施の形態では、可動部材9078は、予告演出(可動物予告演出)が実行されるときに動作する。なお、可動物予告演出にかぎらず、例えば、擬似連の演出やスーパーリーチ演出において可動部材9078が動作するようにしてもよい。
また、演出表示装置909の周囲の飾り部において、左右の下方には、モータ9087の回転軸に取り付けられ、モータ9087が回転すると移動する羽根形状の可動部材(以下、演出羽根役物という。)9079a,9079bが設けられている。演出羽根役物9079a,9079bは、例えば、予告演出(演出羽根役物予告演出)が実行されるときに動作する。なお、演出羽根役物予告演出にかぎらず、例えば、擬似連の演出やスーパーリーチ演出において演出羽根役物9079a,9079bが動作するようにしてもよい。
また、図27に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
遊技領域906には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)9029,9030,9033,9039も設けられている。入賞口9029,9030,9033,9039に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ9029a,9030a,9033a,9039aで検出される。
遊技盤906の右側方には、普通図柄表示器9010が設けられている。普通図柄表示器9010は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置9015の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。高確率状態。)では、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置9015の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤906の遊技領域907の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED9025が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
打球供給皿903を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン90120が設けられている。操作ボタン90120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン90120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置9015が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置9015が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置9015が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置9015が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置9015の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置9015の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器9010における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置9015が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、この実施の形態では、高ベース状態に移行される場合には、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)にも移行される。そのように時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図28は、主基板(遊技制御基板)9031における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図28は、払出制御基板9037および演出制御基板9080等も示されている。主基板9031には、プログラムに従ってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムに従って制御動作を行うCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。この実施の形態では、ROM9054およびRAM9055は遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU9056のほかRAM9055が内蔵されていればよく、ROM9054は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部9057は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路9053が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板90910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM9055の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路9053は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路9053は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路9053は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路9053が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM9054等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ90560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ90560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路9053が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路9053が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ9032a、始動口スイッチ9013a、カウントスイッチ9023、入賞口スイッチ9029a,9030a,9033a,9039aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令に従って駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板9031に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板9077を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置909の表示制御を行う。
また、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板9035を介して、遊技盤に設けられている装飾LED9025、および枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行うとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行う。
図29は、中継基板9077、演出制御基板9080、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070の回路構成例を示すブロック図である。なお、図29に示す例では、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070を設けずに、演出制御に関して演出制御基板9080のみを設けてもよい。
演出制御基板9080は、演出制御用CPU90101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ90100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板9080において、演出制御用CPU90101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板9077を介して入力される主基板9031からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ90102および入力ポート90103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU90101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)90109に演出表示装置909の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行うVDP90109が演出制御基板9080に搭載されている。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP90109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置909に出力する。
演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP90109に出力する。CGROMは、演出表示装置909に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP90109は、演出制御用CPU90101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP90109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板9080において、まず、入力ドライバ90102に入力する。入力ドライバ90102は、中継基板9077から入力された信号を演出制御基板9080の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080の内部から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板9077には、主基板9031から入力された信号を演出制御基板9080に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路9074が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図29には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート90571を介して主基板9031から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板9077から主基板9031の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板9077からの信号は主基板9031の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ90560側)に入り込まない。なお、出力ポート90571は、図28に示されたI/Oポート部9057の一部である。また、出力ポート90571の外側(中継基板9077側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90106を介して、可動部材9078を動作させるためにモータ9086を駆動する。また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90106を介して、演出羽根役物9079a,9079bを動作させるためのモータ9087を駆動する。
また、演出制御用CPU90101は、入力ポート90107を介して、遊技者による操作ボタン90120の押圧操作に応じて操作ボタン90120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU90101は、出力ポート90105を介してランプドライバ基板9035に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90104を介して音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板9035において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ90351を介してLED/ランプドライバ90352に入力される。LED/ランプドライバ90352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて枠LED9028などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED9025などに電流を供給する。
音声出力基板9070において、音番号データは、入力ドライバ90702を介して音声合成用IC90703に入力される。音声合成用IC90703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路90705に出力する。増幅回路90705は、音声合成用IC90703の出力レベルを、ボリューム90706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ9027に出力する。音声データROM90704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図30は、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU9056は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS904)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS905)。なお、割込モード2は、CPU9056が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU9056は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU9056は、通常の初期化処理(ステップS9010〜S9015)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS907)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU9056は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS908)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS908では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS9041〜S9043の処理)を行う。具体的には、ROM9054に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9041)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM9055内の領域)に設定する(ステップS9042)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS9041およびS9042の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU9056は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS9043)。また、CPU9056は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板9080に対して送信する(ステップS9044)。そして、ステップS9014に移行する。なお、ステップS9044において、CPU9056は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図39参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS9044で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU9056は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU9056は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU9056は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS9010)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM9055の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM9054に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS9012)。
ステップS9011およびS9012の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU9056は、サブ基板(主基板9031以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS9013)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置909において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU9056は、乱数回路9053を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS9014)。CPU9056は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路9053にランダムR´の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS9015において、CPU9056は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS9010〜S9015)が完了すると、CPU9056は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS9017)および初期値用乱数更新処理(ステップS9018)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS9016)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS9019)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置909において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ90100である。
タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図31に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS9020)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU9056は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、ステップS9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。なお、ステップS9027の普通図柄プロセス処理では、ゲート9032への遊技球の通過を検出したことにもとづいて普通図柄の変動表示を実行して変動表示結果を導出表示したり、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに可変入賞球装置9015を開放状態に制御したり閉鎖状態に制御したりする処理を実行する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS9028)。
さらに、CPU9056は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS9030)。具体的には、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板9037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置9097を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS9033)。CPU9056は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS9034)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS9021〜S9033(ステップS9029を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび演出表示装置909にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび演出表示装置909にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア909L、909C、909Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置909において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り種別が全て確変大当りであるように遊技機を構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすることが好ましい。
図32は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図32に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1´−1〜非リーチPA1´−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2´−1〜ノーマルPA2´−2、ノーマルPB2´−1〜ノーマルPB2´−2、スーパーPA3´−1〜スーパーPA3´−2、スーパーPB3´−1〜スーパーPB3´−2の変動パターンが用意されている。なお、図32に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1´−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2´−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2´−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3´−1〜スーパーPA3´−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図32に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2´−3〜ノーマルPA2´−4、ノーマルPB2´−3〜ノーマルPB2´−4、スーパーPA3´−3〜スーパーPA3´−4、スーパーPB3´−3〜スーパーPB3´−4、特殊PG1´−1〜特殊PG1´−3、特殊PG2´−1〜特殊PG2´−2の変動パターンが用意されている。なお、図32において、特殊PG1´−1〜特殊PG1´−3、特殊PG2´−1〜特殊PG2´−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図32に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2´−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2´−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3´−3〜スーパーPA3´−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1´−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図32に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図33は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4´(MR4´):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、通常大当り、確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3´−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3´−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3´−3とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4´−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4´−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4´−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも擬似連や滑り演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2´−1と、リーチを伴わないが擬似連や滑り演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2´−2と、リーチも擬似連や滑り演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2´−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2´−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2´−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2´−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2´−7とに種別分けされている。
図31に示された遊技制御処理におけるステップS9023では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2´、ランダム3´)または初期値用乱数(ランダム5´)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ90560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図34(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図34(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図34(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図34(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図34(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図34(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図34(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図34(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図34(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路9053のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図34(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図34(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図34(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図34(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図34(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口9013に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口9014に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図34(D),(E)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブル90131a,90131bを示す説明図である。このうち、図34(D)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)90131aである。また、図34(E)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)90131bである。
大当り種別判定テーブル90131a,90131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図34(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル90131aには「突然確変大当り」に対して8個の判定値が割り当てられている(40分の8の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル90131bには「突然確変大当り」に対して2個の判定値が割り当てられている(40分の2の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口9013に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口9014に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル90131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル90131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図34(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当り(2ラウンドの大当り)と、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての通常大当りおよび確変大当り(15ラウンドの大当り)とに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図34(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態(高ベース状態)に移行させる大当りである(後述するステップS90167,90168参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を100回終了すると時短状態が終了する(後述するステップS90168,S90137〜90140参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、100回の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するステップS90132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである(この実施の形態では確変状態に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するステップS90169,S90170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS90132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するステップS90169,S90170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS90132参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル90131a,90131bには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU9056は、ランダム1´の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図35(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル90132A〜90132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル90132A〜90132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2´)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル90132A〜90132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2´)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3´−1〜ノーマルCA3´−2、スーパーCA3´−3、特殊CA4´−1、特殊CA4´−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図35(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル90132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図35(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル90132Bとで、ノーマルCA3´−1〜ノーマルCA3´−2、スーパーCA3´−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル90132A〜90132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図35(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「通常大当り」または「確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2´)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3´−3、スーパーPA3´−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3´−3、スーパーPB3´−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル90132Aおよび確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル90132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル90132Cでは、例えば、特殊CA4´−1、特殊CA4´−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、通常大当りや確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図35(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル90132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル90132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2´)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図35(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4´−1が決定される場合が示されている。
図36(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル90135A〜90135Cを示す説明図である。このうち、図36(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル90135Aを示している。また、図36(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル90135Bを示している。また、図36(C)は、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル90135Cを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル90135A〜90135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2´)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図36に示す例では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル90135B〜90135Cを用いる場合を示しているが、確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図36(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル90135Cを用いる場合を示しているが、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル90135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル90135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル90135A〜90135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2´)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2´−1〜非リーチCA2´−3、ノーマルCA2´−4〜ノーマルCA2´−6、スーパーCA2´−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図36(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2´)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図36(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2´)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル90135A,90135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図36(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、図35に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図36(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図37(A),(B)は、ROM9054に記憶されている当り変動パターン判定テーブル90137A〜90137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル90137A〜90137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3´)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル90137A〜90137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3´−1〜ノーマルCA3´−2、スーパーCA3´−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル90137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4´−1、特殊CA4´−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル90137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル90137A〜90137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3´)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図37(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3´−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3´−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3´−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図37(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4´−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4´−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図37(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4´−1は、擬似連や滑り演出を伴わない変動パターンである特殊PG1´−1と特殊PG2´−1を含むようにし、特殊CA4´−2は、擬似連や滑り演出を伴う特殊PG1´−2、特殊PG1´−3および特殊PG2´−2を含むように構成してもよい。
図38は、ROM9054に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル90138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル90138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3´)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル90138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図39および図40は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図39および図40に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置909において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図32に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置909において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ90100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ90100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「通常大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(2)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(4)保留記憶情報として、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図48参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図41は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図41に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「通常大当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「確変大当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図42および図43は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図42および図43に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS90232において、CPU9056は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU9056は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2´−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2´−1となることを認識することができる。次いで、CPU9056は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU9056は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU9056は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU9056は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU9056は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU9056は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU9056は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2´−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2´−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図36(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜10,21〜29についても同様であり、図35(A)〜(D)や図36(C)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が確変状態や時短状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS90232において、CPU9056は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2´−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU9056は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU9056は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2´−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態や時短状態である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2´−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2´−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS90232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS90226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、例えば、始動入賞時に、「通常大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS90232において、CPU9056は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3´−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU9056は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU9056は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3´−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU9056は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3´−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS90232において、CPU9056は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3´−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU9056は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU9056は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3´−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU9056は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3´−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS90232において、CPU9056は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4´−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU9056は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU9056は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251となる場合(すなわち、特殊CA4´−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU9056は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2´−1、スーパーCA2´−7およびスーパーCA3´−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図35、図36参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、スーパーCA2´−7またはスーパーCA3´−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して、後述する先読み予告演出が実行される。なお、非リーチCA2´−1、スーパーCA2´−7およびスーパーCA3´−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図42および図43に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ1コマンド、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2´−1、スーパーCA2´−7およびスーパーCA3´−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、時短状態(高ベース状態)であるときに第1始動入賞口9013への始動入賞が発生した場合や、大当り遊技中に第1始動入賞口9013への始動入賞が発生した場合を除いて(ステップS901215A,S901216A参照)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、図41に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図42および図43に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて、先読み予告演出を実行する。
演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)は、主基板9031に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ90560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図39および図40に示された内容に応じて画像表示装置909の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板9070に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板9031から中継基板9077を介して演出制御基板9080に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図39および図40に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器908aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器908bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置909などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図44および図45は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS9026)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU9056は、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ9013aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90311,S90312)。また、CPU9056は、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ9014aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口9014への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90313,S90314)。そして、ステップS90300〜S90310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ9013aまたは第2始動口スイッチ9014aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS90300〜S90310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS90300〜S90310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS90300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS90301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS90303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS90304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図56参照)、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS90305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS90306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS90307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS90308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS90309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS90310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
図46は、ステップS90312,S90314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図46(A)は、ステップS90312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図46(B)は、ステップS90314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図46(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ9013aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS901211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901213A)。次いで、CPU9056は、乱数回路9053やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図47(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS901214A)。なお、ステップS901214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図47は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図47に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM9055に形成されている。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数などの乱数値を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶する場合を示しているが、保留記憶として記憶する所定の情報は乱数値にかぎられない。例えば、大当り判定用乱数などにもとづいて大当りや小当りとするか否かをあらかじめ決定しておき、その決定結果を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶してもよい。
次いで、CPU9056は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS901215A)。セットされていれば、そのままステップS901220Aに移行する。時短フラグがセットされていなければ、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS901216A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(すなわち、大当り遊技状態または小当り遊技状態であれば)、CPU9056は、そのままステップS901220Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS901217A)。そして、CPU9056は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901218A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901219A)。また、CPU9056は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901220A)。
なお、ステップS901218A,S901219Aの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU9056は、第1始動入賞口9013に始動入賞してステップS901217Aの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS901218A〜S901220Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生してステップS901217Aの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
ただし、ステップS901215AまたはステップS901216AでYと判定したことによりステップS901217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU9056は、ステップS901220Aにおいて、第1保留記憶数加算指定コマンドのみを送信する制御を行い、入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する制御は行わない。なお、ステップS901217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値(例えば、「FF(H)」)をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ステップS901215Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口9013への始動入賞があった場合には、遊技状態が低ベース状態である場合にのみステップS901217Aの入賞時演出処理が実行される。また、この実施の形態では、ステップS901216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口9013への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合にのみステップS901217Aの入賞時演出処理が実行される。なお、大当り遊技状態である場合にのみステップS901217Aに移行しないようにし、小当り遊技状態である場合にはステップS901217Aに移行して入賞時演出処理が実行されるようにしてもよい。
また、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、15ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。具体的には、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS90305参照)から大当り終了処理(ステップS90307参照)までの処理が実行されている状態である。
次に、図46(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ9014aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS901211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901213B)。次いで、CPU9056は、乱数回路9053やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図47(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS901214B)。なお、ステップS901214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU9056は、入賞時演出処理を実行する(ステップS901217B)。そして、CPU9056は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901218B)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901219B)。また、CPU9056は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901220B)。
なお、ステップS901218B,S901219Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU9056は、第2始動入賞口9014に始動入賞してステップS901217Bの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS901218B〜S901220Bの処理が実行されることによって、第2始動入賞口9014への始動入賞が発生してステップS901217Bの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS901215Aと同様の処理を行い、時短状態であればステップS901217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、通常状態(低ベース状態)である場合にのみステップS901217Bの入賞時演出処理を実行して、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
また、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS901216Aと同様の処理を行い、大当り遊技中であればステップS901217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。また、第2始動口スイッチ通過処理において、ステップS901217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい(すなわち、第2特別図柄に対しては入賞時判定処理を実行しないようにしてもよい)。
図48は、ステップS901217A,S901217Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU9056は、まず、ステップS901214A,S901214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR´)と図34(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS90220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口9013や第2始動入賞口9014に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、先読み予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR´)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS90220のN)、CPU9056は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90221)。確変フラグがセットされていれば、CPU9056は、ステップS901214A,S901214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR´)と図34(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS90222)。なお、始動入賞時にステップS90221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS90221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS90221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS9061参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR´)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS90222のN)、CPU9056は、ステップS901214A,S901214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR´)と図34(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS90223)。この場合、CPU9056は、第1始動入賞口9013への始動入賞があった場合(ステップS901217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図34(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口9014への始動入賞があった場合(ステップS901217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図34(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR´)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS90223のN)、CPU9056は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS90224)。
次いで、CPU9056は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS90225)。この実施の形態では、CPU9056は、ステップS90225において、遊技状態が確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否か(具体的には、確変フラグや時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS90225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS90225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS90225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS9061参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU9056は、ステップS90225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS90226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図42および図43に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU9056は、遊技状態が確変状態や時短状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU9056は、後述するステップS90232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図42参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図42参照)。
また、例えば、CPU9056は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU9056は、後述するステップS90232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図42参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図42参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図42参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図42参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図42参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図42参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図42参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図42参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、ステップS90225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR´)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS90223のY)、CPU9056は、「小当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS90227)。
次いで、CPU9056は、小当り用の閾値を設定する(ステップS90228)。なお、この実施の形態では、CPU9056は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS90232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図43参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
ステップS90220またはステップS90222で大当り判定用乱数(ランダムR´)が大当り判定値と一致した場合には、CPU9056は、ステップS901214A,S901214Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1´)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS90229)。この場合、CPU9056は、第1始動入賞口9013への始動入賞があった場合(ステップS901217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図34(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)90131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口9014への始動入賞があった場合(ステップS901217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図34(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)90131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU9056は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS90230)。この場合、「通常大当り」となると判定した場合には、CPU9056は、「通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「確変大当り」となると判定した場合には、CPU9056は、「確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU9056は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU9056は、ステップS90229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS90231)。
例えば、CPU9056は、「通常大当り」と判定した場合には、閾値74および149を設定する。この場合、CPU9056は、後述するステップS90232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図43参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図43参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図43参照)。
また、例えば、CPU9056は、「確変大当り」と判定した場合には、閾値38および79を設定する。この場合、CPU9056は、後述するステップS90232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図43参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図43参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図43参照)。
また、例えば、CPU9056は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU9056は、後述するステップS90232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図43参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図43参照)。
次いで、CPU9056は、ステップS90226,S90228,S90231で設定した閾値と、ステップS901214A,S901214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS90232)。
なお、ステップS90226,S90228,S90231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図35、図36参照)を設定するようにし、ステップS90232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU9056は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS90233)。具体的には、CPU9056は、ステップS90232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図42および図43に示すような「00(H)」〜「0B(H)」、「10(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
図49および図50は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS90300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU9056は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS9051)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、CPU9056は、最後に実行した変動表示を終了してから30秒が経過したか否かを確認する(ステップS9051A)。なお、最後に実行した変動表示を終了してから30秒が経過したか否かは、例えば、最初にステップS9051でYと判定したときに所定のタイマに30秒に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。30秒を経過していれば、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS9051B)、処理を終了する。なお、例えば、CPU9056は、ステップS9051Bで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。また、この実施の形態では、最後に実行した変動表示を終了してから30秒経過後に客待ちデモ指定コマンドを送信して、客待ちデモンストレーション表示を開始する場合を示しているが、30秒にかぎらず、例えば、1分経過後から客待ちデモンストレーション表示を開始するものであってもよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU9056は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS9052)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU9056は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS9053)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU9066は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS9054)。
この実施の形態では、ステップS9052〜S9054の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
なお、この実施の形態で示したように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図48に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、確変状態(高確率状態)における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS90220の処理のみを実行し、ステップS90221,S90222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU9056は、RAM9055において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の乱数バッファ領域に格納する(ステップS9055)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS9056)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM9055の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM9055の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU9056は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU9056は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS9058)。なお、CPU9056は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM9055の所定の領域に保存する。
また、CPU9056は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS9060)。この場合、CPU9056は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS9028)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口9013を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口9014を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS90300〜S90310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU9056は、乱数バッファ領域からランダムR´(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU9056は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS901214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS901214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図34参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM9054における図34(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM9054における図34(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU9056は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU9056は、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値が図34(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS9061)、ステップS9071に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR´)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS9061のN)、CPU9056は、小当り判定テーブル(図34(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU9056は、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値が図34(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU9056は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図34(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図34(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS9062)、CPU9056は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS9063)、ステップS9075に移行する。
なお、ランダムR´の値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS9062のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS9075に移行する。
ステップS9071では、CPU9056は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS9072)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図34(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル90131aを選択する。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図34(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル90131bを選択する。
次いで、CPU9056は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS9073)。なお、この場合、CPU9056は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS901214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS901214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図34(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU9056は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM9055における大当り種別バッファに設定する(ステップS9074)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU9056は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS9075)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS90301)に対応した値に更新する(ステップS9076)。
図51は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS90301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU9056は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS9091)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル90132A〜90132C(図35(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS9092)。そして、ステップS90100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU9056は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS9093)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル90132D(図35(D)参照)を選択する(ステップS9094)。そして、ステップS90100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU9056は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS9095)。なお、この実施の形態では、通常大当りにもとづく大当り遊技終了時に時短状態に移行されるときに時短フラグがセットされるとともに、確変大当りにもとづく大当り遊技終了時にも確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行されることから時短フラグがセットされる。従って、ステップS9095でYと判定された場合には、通常大当りにもとづく大当り遊技終了後に時短状態にのみ制御されているときに加えて、確変大当りにもとづく大当り遊技終了後に確変状態とともに時短状態に制御されているときがある。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS9095のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU9056は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS9096)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS9096のN)、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル90135A(図36(A)参照)を選択する(ステップS9097)。そして、ステップS90100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS9096のY)には、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル90135B(図36(B)参照)を選択する(ステップS9098)。そして、ステップS90100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS9095のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル90135C(図36(C)参照)を選択する(ステップS9099)。そして、ステップS90100に移行する。
この実施の形態では、ステップS9095〜S9099の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図36(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル90135Bが選択される。また、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、図36(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル90135Cが選択される。この場合、後述するステップS90100の処理で変動パターン種別として非リーチCA2´−3が決定される場合があり、非リーチCA2´−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS90102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1´−2が決定される(図38参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図36(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図36(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU9056は、ステップS9095でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル90135A(図36(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU9056は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2´(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS9092、S9094、S9097、S9098またはS9099の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS90100)。
次いで、CPU9056は、ステップS90100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル90137A、90137B(図37参照)、はずれ変動パターン判定テーブル90138A(図38参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS90101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3´(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS90101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS90102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3´(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU9056は、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS90103)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS90104)。
次に、CPU9056は、RAM9055に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS90105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302)に対応した値に更新する(ステップS90106)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS9095〜S90100の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図36に示す非リーチCA2´−1〜非リーチCA2´−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図36に示すノーマルCA2´−4〜ノーマルCA2´−6、スーパーCA2´−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU9056は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して先読み予告演出を行うように構成することが好ましい。
図52は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU9056は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図39参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU9056は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS90110)。セットされていない場合には、ステップS90116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90111,S90112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS9074で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU9056は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90113,S90114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS9074で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU9056は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90115)。
一方、CPU9056は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS90110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU9056は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS90116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU9056は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90118)。
そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS90303)に対応した値に更新する(ステップS90119)。
図53は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS90303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU9056は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS901121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS901122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS901121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU9056は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU9056は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU9056は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU9056は、変動時間タイマを1減算し(ステップS901125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS901126)、演出制御用マイクロコンピュータ90100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901127)。そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS90304)に対応した値に更新する(ステップS901128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図54は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS90304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU9056は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU9056は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグや、時短状態であることを示す時短フラグ、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS90132)、演出制御用マイクロコンピュータ90100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が「確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM9055に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置909において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS90134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS90135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS90305)に対応した値に更新する(ステップS90136)。
また、ステップS90131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU9056は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS90137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU9056は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS90138)。そして、CPU9056は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS90139)、時短フラグをリセットする(ステップS90140)。
次いで、CPU9056は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する(ステップS90142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置909において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS90143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS90144)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS90308)に対応した値に更新する(ステップS90145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS90141のN)、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS90300)に対応した値に更新する(ステップS90146)。
図55は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS90307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU9056は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS90160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS90164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS90161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90162)。ここで、「通常大当り」であった場合には大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「確変大当り」であった場合には大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置909において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS90163)、処理を終了する。
ステップS90164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU9056は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS90165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS90165のY)、CPU9056は、今回終了する大当り遊技が通常大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS90166)。なお、通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS9074で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば(ステップS90166のY)、CPU9056は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS90167)。また、CPU9056は、時短回数カウンタに所定回数(本例では100回)をセットする(ステップS90168)。
通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合でなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば)、CPU9056は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS90169)とともに、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS90170)。
そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS90300)に対応した値に更新する(ステップS90171)。
なお、この実施の形態では、以上の処理が実行されることによって、確変状態に制御される場合には時短状態にも制御されることから、遊技状態として、通常状態(低確率/低ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態)、および確変状態(高確率/高ベース状態)の3つの状態があることになる。
図56は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS9032)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS903201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU9056は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS903202)。この場合、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS9022参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器908a,908bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器908a,908bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS903203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU9056は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS903204)。この場合、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS9022参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器908a,908bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器908a,908bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS903204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS9022の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS903201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ90100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS9032)において、CPU9056は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図57は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS90702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(ステップS90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS90704)。
次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS90705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置909の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU90101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS90706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置909の第4図柄表示領域909c,909dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS90707)。その後、ステップS90702に移行する。
図58は、主基板9031の遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図39および図40参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図59〜図61は、コマンド解析処理(ステップS90704)の具体例を示すフローチャートである。主基板9031から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU90101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU90101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS90611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU90101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS90612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS90613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS90614)、演出制御用CPU90101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS90615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS90616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS90617)、演出制御用CPU90101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS90618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS90619)、演出制御用CPU90101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001〜A002(H))であれば(ステップS90621)、演出制御用CPU90101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90622)。この場合、例えば、大当り開始1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り開始2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))であれば(ステップS90623)、演出制御用CPU90101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90624)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301〜A302(H))であれば(ステップS90625)、演出制御用CPU90101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90626)。この場合、例えば、大当り終了1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り終了2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))であれば(ステップS90627)、演出制御用CPU90101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90628)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS90651)、演出制御用CPU90101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている図柄指定コマンド格納領域に一時格納する(ステップS90652)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS90653)、演出制御用CPU90101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納する(ステップS90654)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS90655)、演出制御用CPU90101は、RAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS90656)。また、演出制御用CPU90101は、図柄指定コマンドに一時格納されている図柄指定コマンドと、変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納されている変動カテゴリコマンドと、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドとを、RAMに形成されている第1始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS90657)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS90658)、演出制御用CPU90101は、RAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS90659)。また、演出制御用CPU90101は、図柄指定コマンドに一時格納されている図柄指定コマンドと、変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納されている変動カテゴリコマンドと、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドとを、RAMに形成されている第2始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS90660)。
図62は、始動入賞時コマンド格納領域およびアクティブ表示用格納領域の具体例を示す説明図である。このうち、図62(A)は、第1始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示し、図62(B)は、第2始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示し、図62(C)は、アクティブ表示用格納領域の具体例を示している。図62(A)に示すように、第1始動入賞時コマンド格納領域には、第1保留記憶数の最大値(この例では4)に対応した領域(格納領域1〜4)が確保されている。また、第2始動入賞時コマンド格納領域には、第2保留記憶数の最大値(この例では4)に対応した領域(格納領域1〜4)が確保されている。この実施の形態では、図46の第1始動口スイッチ通過処理のステップS901218A〜S901220Aおよび第2始動口スイッチ通過処理のステップS901218B〜S901220Bで示したように、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)の3つのコマンドがセットで送信される。そのため、図62に示すように、第1始動入賞時コマンド格納領域および第2始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜4には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、演出制御用CPU90101は、コマンド解析処理において、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを受信したときに、それぞれ図柄指定コマンド格納領域および変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納する。そして、保留記憶数加算指定コマンドを受信すると、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば第1保留記憶が1増加した場合であることが分かり、第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば第2保留記憶が1増加した場合であることが分かるので、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば一時格納した図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドとともに第1保留記憶数加算指定コマンドを第1始動入賞時コマンド格納領域に格納し、第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば一時格納した図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドとともに第2保留記憶数加算指定コマンドを第2始動入賞時コマンド格納領域に格納する(なお、図62では、第1始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜4の全ての格納領域にコマンドが格納され、第2始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜4のうちの格納領域1のみにコマンドが格納されている例が示されている)。
なお、図62に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで後述するステップS90664,S90668で順次削除される。この場合、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を優先実行するので、まず、図62(B)に示す第2始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1の記憶内容が削除される。次いで、新たに第2保留記憶が発生しなければ、第1保留記憶のみが記憶されている状態となるので、次に演出図柄の変動表示を開始するタイミングで図62(A)に示す第1始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、第1始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、図62(A)に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、格納領域1に格納されている各コマンドが削除され、格納領域2に格納されている各コマンドが格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている各コマンドが格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている各コマンドが格納領域3にシフトされる。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図48参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
また、第1始動入賞時コマンド格納領域、第2始動入賞時コマンド格納領域およびアクティブ表示用格納領域には、特定表示(保留表示、アクティブ表示)の表示態様に関する情報が格納される。具体的には、「表示態様パターン」と「変化タイミング」と「動作頻度」とが格納される。
「表示態様パターン」とは、特定表示の表示態様の変化パターンであり、Pt1´〜Pt4´のいずれかが格納される。Pt1´とは白色から変化しない表示態様パターンであり、Pt2´とは白色から青色に変化する表示態様パターンであり、Pt3´とは白色から青色に変化した後にさらに赤色に変化する表示態様パターンであり、Pt4´とは白色から赤色に変化する表示態様パターンである。なお、表示態様の変化回数については1回または2回に限るものではなく、表示態様が3回以上変化可能な表示態様パターンが設けられていてもよい。また、白色以外の表示態様から開始される表示態様パターン(例えば、青色や赤色にて表示が開始される表示態様パターン)が設けられていてもよい。
「変化タイミング」とは、特定表示の表示態様が変化するタイミングであり、表示態様が変化する表示態様パターン(Pt1´以外の表示態様パターン)である場合に格納される。具体的には、アクティブ表示として表示しているタイミングであることを示す「アクティブ」と、1個目の保留表示として表示しているタイミングであることを示す「1個目」と、2個目の保留表示として表示しているタイミングであることを示す「2個目」と、3個目の保留表示として表示しているタイミングであることを示す「3個目」とのいずれかが格納される。
「動作頻度」とは、保留表示の表示位置(進出位置、退避位置)を切り替える頻度のことであり、切り替える頻度が高い「高頻度」と、切り替える頻度が低い「低頻度」とのいずれかが格納される。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS90661)、演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS90662)。次いで、演出制御用CPU90101は、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS90663A)、セットされている場合にはステップS90664へ移行する。セットされていない場合には、第1保留表示およびアクティブ表示を更新する(ステップS90663B)。具体的には、アクティブ表示部9018dにおけるアクティブ表示を消去し、第1保留表示を1つずつシフト(例えば、保留記憶表示部9018cの1つ目の第1保留表示をアクティブ表示部9018dにシフトし、保留記憶表示部9018cの2つ目〜4つ目の第1保留表示が点灯表示されていた場合には、2つ目に表示されていた第1保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた第1保留表示を2つ目の表示領域にシフトし、4つ目に表示されていた第1保留表示を3つ目の表示領域にシフト)する。
次いで、演出制御用CPU90101は、アクティブ用格納領域を更新する(ステップS90663C)。具体的には、第1始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている表示態様パターン、変化タイミング、および動作頻度に関する情報をアクティブ用格納領域に格納する。
次いで、演出制御用CPU90101は、第1始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンド)および特定表示の表示態様に関する情報(表示態様パターン、変化タイミング、および動作頻度)を削除し、第1始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップS90664)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS90665)、演出制御用CPU90101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS90666)。次いで、演出制御用CPU90101は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS90667A)、セットされていない場合にはステップS90668へ移行する。セットされている場合には、第2保留表示を更新する(ステップS90667B)。具体的には、アクティブ表示部9018dにおけるアクティブ表示を消去し、第2保留表示を1つずつシフト(例えば、保留記憶表示部9018cの1つ目の第2保留表示をアクティブ表示部9018dにシフトし、保留記憶表示部9018cの2つ目〜4つ目の第2保留表示が点灯表示されていた場合には、2つ目に表示されていた第2保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた第2保留表示を2つ目の表示領域にシフトし、4つ目に表示されていた第2保留表示を3つ目の表示領域にシフト)する。
次いで、演出制御用CPU90101は、アクティブ用格納領域を更新する(ステップS90667C)。具体的には、第2始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている表示態様パターン、変化タイミング、および動作頻度に関する情報をアクティブ用格納領域に格納する。
次いで、演出制御用CPU90101は、第2始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンド)および特定表示の表示態様に関する情報(表示態様パターン、変化タイミング、および動作頻度)を削除し、第2始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップS90668)。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS90669)、演出制御用CPU90101は、演出表示装置909における背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS90670)。従って、この実施の形態では、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)である場合には、通常状態に応じた背景画面が表示されることによって通常状態に応じた演出モード(以下、通常演出モードともいう)に制御される。また、演出制御用CPU90101は、セットされていれば、高ベース状態フラグをリセットし(ステップS90671A,S90671B)、保留記憶表示部9018cに表示する保留表示を第2保留表示から第1保留表示に切り替える(ステップS90671C)。
受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS90672)、演出制御用CPU90101は、演出表示装置909における背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS90673)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、時短状態に応じた背景画面が表示されることによって時短状態に応じた演出モード(以下、時短演出モードともいう)に制御される。また、演出制御用CPU90101は、セットされていなければ時短状態フラグをセットし(ステップS90674A,S90674B)、保留記憶表示部9018cに表示する保留表示を第1保留表示から第2保留表示に切り替える(ステップS90674C)。
受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS90676)、演出制御用CPU90101は、演出表示装置909における背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS90677)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、確変状態に応じた背景画面が表示されることによって確変状態に応じた演出モード(以下、確変演出モードともいう)に制御される。また、演出制御用CPU90101は、ステップS90674Aへ移行する。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS90679)。例えば、受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば、客待ちデモ指定コマンドを受信したことを示す客待ちデモ指定コマンド受信フラグをセットする。そして、ステップS90611に移行する。
図63は、図57に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、まず、保留表示の表示態様に関する制御を行う保留表示制御処理を実行する(ステップS90800A)。以下、保留表示の表示態様を変化させる演出を「先読み予告演出」ということがある。
次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800):遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS90801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS90801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS90802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS90802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS90803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS90803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS90804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS90804):変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS90805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS90806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS90807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS90806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS90807):演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に対応した値に更新する。
図64は、保留表示制御処理を示すフローチャートである。保留表示制御処理において、演出制御用CPU90101は、新たな始動入賞が発生して新たに始動入賞時コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS903901)。具体的には、図62に示す第1始動入賞時コマンド格納領域または第2始動入賞時コマンド格納領域において新たなコマンドが格納されていれば、新たに始動入賞が発生して新たに始動入賞時コマンドを受信したと判定することができる。新たに始動入賞時コマンドを受信していなければ、そのまま保留表示制御処理を終了する。
新たに始動入賞時のコマンドを受信していれば、高ベース状態フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS903902)、セットされていない場合(低ベース状態である場合)、新たな保留記憶が第1保留記憶であるか否かを判定する(ステップS903903)。具体的には、新たな始動入賞時コマンドを格納した格納領域が第1始動入賞時コマンド格納領域である場合には、新たな保留記憶が第1保留記憶であると判定する。第2保留記憶であれば、そのまま保留表示制御処理を終了する。
第1保留記憶であれば、全ての第1保留表示の表示態様パターンがPt1´であるか否かを判定する(ステップS903904)。具体的に、図62(A)に示した第1始動入賞時格納領域にPt1´以外の表示態様パターンが格納されている場合には、全ての第1保留表示の表示態様パターンがPt1´ではないと判定し、第1始動入賞時格納領域にPt1´以外の表示態様パターンが格納されていない場合には、全ての第1保留表示の表示態様パターンがPt1´であると判定する。Pt1´でない表示態様パターンの第1保留表示が存在する場合には、新たな第1保留表示の表示態様パターンをPt1´に決定する一方(ステップS903905)、Pt1´でない表示態様パターンの第1保留表示が存在しない場合には、新たな第1保留表示の表示態様パターンを決定するための表示態様パターン決定抽選を行う(ステップS903906)。具体的に、図65に示す表示態様パターン決定抽選テーブルを用いて、表示態様パターン決定抽選を行う。
図65は、表示態様パターン決定抽選テーブルを示す説明図である。図65に示す表示態様パターン決定抽選テーブルでは、入賞時判定結果(確変大当りまたは通常大当り、突然確変大当り(突確大当り)または小当り、スーパーリーチはずれ、その他)に応じて表示態様パターン(Pt1´〜Pt4´)に対応する判定値が割り当てられているが、図65に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU90101は、例えば、表示態様パターン決定抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
図65(A)は、保留記憶数が1である場合に用いられる第1表示態様パターン決定抽選テーブルであり、図65(B)は、保留記憶数が2以上である場合に用いられる第1表示態様パターン決定抽選テーブルである。なお、ここで「保留記憶数」とは、新たに発生した保留記憶が第1保留記憶である場合(すなわち、ステップS903906の表示態様パターン決定抽選が実行される場合)には第1保留記憶数のことであり、新たに発生した保留記憶が第2保留記憶である場合(すなわち、ステップS903924の表示態様パターン決定抽選が実行される場合)には第2保留記憶数のことである。
まず、図65(A)に示す第1表示態様パターン決定抽選テーブルについて説明する。例えば、入賞時判定結果が確変大当りまたは通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)またはC402(H)である場合)、Pt1´が20%の割合で、Pt2´が30%の割合で、Pt4´が50%の割合で決定される。
例えば、入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、Pt1´が25%の割合で、Pt2´が35%の割合で、Pt4´が40%の割合で決定される。
例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H)またはC609(H)である場合)、Pt1´が50%の割合で、Pt2´が30%の割合で、Pt4´が20%の割合で決定される。
例えば、入賞時判定結果がその他である場合、Pt1´が90%の割合で、Pt2´が10%の割合で決定される。
このように、本実施の形態では1回の変動につき特定表示の表示態様を1回だけ変化可能であることとしたため、保留記憶数が1である場合には変化回数が2回であるPt3´が選択されない構成である。なお、1回の変動中に特定表示の表示態様が複数回変化可能である構成とすれば、保留記憶数が1である場合であってもPt3´を選択可能としてもよい。
次に、図65(B)に示す第2表示態様パターン決定抽選テーブルについて説明する。例えば、入賞時判定結果が確変大当りまたは通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)またはC402(H)である場合)、Pt1´が10%の割合で、Pt2´が20%の割合で、Pt3´が30%の割合で、Pt4´が40%の割合で決定される。
例えば、入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、Pt1´が15%の割合で、Pt2´が20%の割合で、Pt3´が30%の割合で、Pt4´が35%の割合で決定される。
例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H)またはC609(H)である場合)、Pt1´が40%の割合で、Pt2´が30%の割合で、Pt3´が20%の割合で、Pt4´が10%の割合で決定される。
例えば、入賞時判定結果がその他である場合、Pt1´が90%の割合で、Pt2´が10%の割合で決定される。
これにより、表示態様パターン毎の期待度はPt1´<Pt2´<Pt3´<Pt4´となっている。また、保留表示の表示態様が示す期待度は白色<青色<赤色となっている。なお、大当りとなるとき、または特定の大当りとなるときにのみ選択され得る表示態様パターンが設けられていることとしてもよい。また、該表示態様パターンにおいてのみ変化され得る表示態様(例えば、レインボー)が設けられていることとしてもよい。
なお、本実施の形態では、入賞時判定結果が確変大当りである場合と通常大当りである場合とで同じ割合にて表示態様パターンを決定することとしたが、それぞれ異なる割合にて表示態様パターンを決定することとしてもよい。同様に、入賞時判定結果が突然確変大当りである場合と小当りである場合とで、それぞれ異なる割合にて表示態様パターンを決定することとしてもよい。
また、より細かい条件によって表示態様パターンを決定する割合が異なることとしてもよい。例えば、変動カテゴリコマンドが示すリーチ演出の種類、擬似連の有無、または擬似連回数などにもとづいて異なる割合にて表示態様パターンを決定することとしてもよい。
ステップS903905またはステップS903906の後、演出制御用CPU90101は、Pt1´以外の表示態様パターンが決定された場合には、特定表示の表示態様の変化タイミングを決定するための変化タイミング決定抽選を実行する(ステップS903907のN,S903908)。具体的に、図66に示す変化タイミング決定抽選テーブルを用いて、変化タイミング決定抽選を行う。
図66は、変化タイミング決定抽選テーブルを示す説明図である。図66に示す変化タイミング決定抽選テーブルでは、入賞時判定結果(確変大当りまたは通常大当り、突然確変大当り(突確大当り)または小当り、スーパーリーチはずれ、その他)および保留記憶数(1〜4)に応じて変化タイミング(アクティブ、1個目、2個目、3個目)に対応する判定値が割り当てられているが、図66に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU90101は、例えば、変化タイミング決定抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
なお、ここで「保留記憶数」とは、新たに発生した保留記憶が第1保留記憶である場合(すなわち、ステップS903908の変化タイミング決定抽選が実行される場合)には第1保留記憶数のことであり、新たに発生した保留記憶が第2保留記憶である場合(すなわち、ステップS903926の変化タイミング決定抽選が実行される場合)には第2保留記憶数のことである。
図66(A)は、変化回数が1である場合(すなわち、表示態様パターンがPt2´またはPt4´である場合)に用いられる第1変化タイミング決定抽選テーブルであり、図66(B)は、変化回数が2である場合(すなわち、表示態様パターンがPt3´である場合)に用いられる第2変化タイミング決定抽選テーブルである。
まず、図66(A)に示す第1変化タイミング決定抽選テーブルについて説明する。例えば、保留記憶数が「4」であり、入賞時判定結果が確変大当りまたは通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)またはC402(H)である場合)、「3個目」が40%の割合で、「2個目」が30%の割合で、「1個目」が40%の割合で、「アクティブ」が10%の割合で決定される。
例えば、保留記憶数が「4」であり、入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、「3個目」が37%の割合で、「2個目」が33%の割合で、「1個目」が17%の割合で、「アクティブ」が13%の割合で決定される。
例えば、保留記憶数が「4」であり、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H)またはC609(H)である場合)、「3個目」が13%の割合で、「2個目」が17%の割合で、「1個目」が33%の割合で、「アクティブ」が37%の割合で決定される。
例えば、保留記憶数が「4」であり、入賞時判定結果がその他である場合、「3個目」が10%の割合で、「2個目」が20%の割合で、「1個目」が30%の割合で、「アクティブ」が40%の割合で決定される。
また、例えば、保留記憶数が「3」であり、入賞時判定結果が確変大当りまたは通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)またはC402(H)である場合)、「2個目」が50%の割合で、「1個目」が30%の割合で、「アクティブ」が20%の割合で決定される。
例えば、保留記憶数が「3」であり、入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、「2個目」が40%の割合で、「1個目」が35%の割合で、「アクティブ」が25%の割合で決定される。
例えば、保留記憶数が「3」であり、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H)またはC609(H)である場合)、「2個目」が25%の割合で、「1個目」が35%の割合で、「アクティブ」が40%の割合で決定される。
例えば、保留記憶数が「3」であり、入賞時判定結果がその他である場合、「2個目」が20%の割合で、「1個目」が30%の割合で、「アクティブ」が50%の割合で決定される。
また、例えば、保留記憶数が「2」であり、入賞時判定結果が確変大当りまたは通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)またはC402(H)である場合)、「1個目」が70%の割合で、「アクティブ」が30%の割合で決定される。
例えば、保留記憶数が「2」であり、入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、「1個目」が60%の割合で、「アクティブ」が40%の割合で決定される。
例えば、保留記憶数が「2」であり、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H)またはC609(H)である場合)、「1個目」が40%の割合で、「アクティブ」が60%の割合で決定される。
例えば、保留記憶数が「2」であり、入賞時判定結果がその他である場合、「1個目」が30%の割合で、「アクティブ」が70%の割合で決定される。
また、例えば、保留記憶数が「1」である場合、「アクティブ」が100%の割合で決定される。
次に、図66(B)に示す第2変化タイミング決定抽選テーブルについて説明する。例えば、保留記憶数が「4」であり、入賞時判定結果が確変大当りまたは通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)またはC402(H)である場合)、「3個目」および「2個目」の組み合わせが30%の割合で、「3個目」および「1個目」の組み合わせが25%の割合で、「3個目」および「アクティブ」の組み合わせが20%の割合で、「2個目」および「1個目」の組み合わせが13%の割合で、「2個目」および「アクティブ」の組み合わせが7%の割合で、「1個目」および「アクティブ」の組み合わせが5%の割合で、決定される。
例えば、保留記憶数が「4」であり、入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、「3個目」および「2個目」の組み合わせが20%の割合で、「3個目」および「1個目」の組み合わせが25%の割合で、「3個目」および「アクティブ」の組み合わせが25%の割合で、「2個目」および「1個目」の組み合わせが15%の割合で、「2個目」および「アクティブ」の組み合わせが10%の割合で、「1個目」および「アクティブ」の組み合わせが5%の割合で、決定される。
例えば、保留記憶数が「4」であり、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H)またはC609(H)である場合)、「3個目」および「2個目」の組み合わせが5%の割合で、「3個目」および「1個目」の組み合わせが10%の割合で、「3個目」および「アクティブ」の組み合わせが15%の割合で、「2個目」および「1個目」の組み合わせが25%の割合で、「2個目」および「アクティブ」の組み合わせが25%の割合で、「1個目」および「アクティブ」の組み合わせが20%の割合で、決定される。
例えば、保留記憶数が「4」であり、入賞時判定結果がその他である場合、「3個目」および「2個目」の組み合わせが5%の割合で、「3個目」および「1個目」の組み合わせが7%の割合で、「3個目」および「アクティブ」の組み合わせが13%の割合で、「2個目」および「1個目」の組み合わせが20%の割合で、「2個目」および「アクティブ」の組み合わせが25%の割合で、「1個目」および「アクティブ」の組み合わせが30%の割合で、決定される。
また、例えば、保留記憶数が「3」であり、入賞時判定結果が確変大当りまたは通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)またはC402(H)である場合)、「2個目」および「1個目」の組み合わせが50%の割合で、「2個目」および「アクティブ」の組み合わせが30%の割合で、「1個目」および「アクティブ」の組み合わせが20%の割合で、決定される。
例えば、保留記憶数が「3」であり、入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、「2個目」および「1個目」の組み合わせが40%の割合で、「2個目」および「アクティブ」の組み合わせが35%の割合で、「1個目」および「アクティブ」の組み合わせが25%の割合で、決定される。
例えば、保留記憶数が「3」であり、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H)またはC609(H)である場合)、「2個目」および「1個目」の組み合わせが25%の割合で、「2個目」および「アクティブ」の組み合わせが35%の割合で、「1個目」および「アクティブ」の組み合わせが40%の割合で、決定される。
例えば、保留記憶数が「3」であり、入賞時判定結果がその他である場合、「2個目」および「1個目」の組み合わせが20%の割合で、「2個目」および「アクティブ」の組み合わせが30%の割合で、「1個目」および「アクティブ」の組み合わせが50%の割合で、決定される。
また、例えば、保留記憶数が「2」である場合、「1個目」および「アクティブ」の組み合わせが100%の割合で決定される。
このように、本実施の形態では、保留表示が開始されてから早いタイミングで表示態様が変化するほど大当りに対する信頼度が高い構成になっているが、これに限るものではなく、例えば、逆に保留表示が開始されてから早いタイミングで表示態様が変化するほど大当りに対する信頼度が低い構成であってもよい。
なお、本実施の形態では、図66に示した変化タイミング決定テーブルを用いて変化タイミングを決定することとしたが、いずれの表示態様に変化するかにもとづいて異なる割合にて変化タイミングが決定されることとしてもよい。例えば、赤色に変化する場合には青色に変化する場合よりも高い割合で遅いタイミング(例えば、「アクティブ」)を変化タイミングとして決定することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、入賞時判定結果が確変大当りである場合と通常大当りである場合とで同じ割合にて変化タイミングを決定することとしたが、それぞれ異なる割合にて変化タイミングを決定することとしてもよい。同様に、入賞時判定結果が突然確変大当りである場合と小当りである場合とで、それぞれ異なる割合にて変化タイミングを決定することとしてもよい。
また、より細かい条件によって変化タイミングを決定する割合が異なることとしてもよい。例えば、変動カテゴリコマンドが示すリーチ演出の種類、擬似連の有無、または擬似連回数などにもとづいて異なる割合にて変化タイミングを決定することとしてもよい。
ステップS903907のYまたはステップS903908の実行後、演出制御用CPU90101は、決定結果(表示態様パターンおよび変化タイミング)を第1始動入賞時コマンド格納領域に格納し(ステップS903909)、動作頻度として低頻度を格納する(ステップS903910)。そして、白色にて新たな第1保留表示を開始する(ステップS903911)。
ステップS903902において高ベース状態フラグがセットされている場合、新たな保留記憶が第2保留記憶であるか否かを判定する(ステップS903921)。具体的には、新たな始動入賞時コマンドを格納した格納領域が第2始動入賞時コマンド格納領域である場合には、新たな保留記憶が第2保留記憶であると判定する。第1保留記憶である場合にはそのまま保留表示制御処理を終了する。
第2保留記憶であれば、全ての第2保留表示の表示態様パターンがPt1´であるか否かを判定する(ステップS903922)。具体的に、図62(B)に示した第2始動入賞時格納領域にPt1´以外の表示態様パターンが格納されている場合には、全ての第2保留表示の表示態様パターンがPt1´ではないと判定し、第2始動入賞時格納領域にPt1´以外の表示態様パターンが格納されていない場合には、全ての第2保留表示の表示態様パターンがPt1´であると判定する。Pt1´でない表示態様パターンの第2保留表示が存在する場合には、新たな第2保留表示の表示態様パターンをPt1´に決定する一方(ステップS903923)、Pt1´でない表示態様パターンの第2保留表示が存在しない場合には、新たな第2保留表示の表示態様パターンを決定するための表示態様パターン決定抽選を行う(ステップS903924)。具体的に、図65に示した表示態様パターン決定抽選テーブルを用いて、表示態様パターン決定抽選を行う。
ステップS903923またはステップS903924の後、演出制御用CPU90101は、Pt1´以外の表示態様パターンが決定された場合には、変化タイミングを決定するための変化タイミング決定抽選を実行する(ステップS903925のN,S903926)。具体的に、図66に示した変化タイミング決定抽選テーブルを用いて、変化タイミング決定抽選を行う。
ステップS903925のYまたはステップS903926の実行後、演出制御用CPU90101は、決定結果(表示態様パターンおよび変化タイミング)を第2始動入賞時コマンド格納領域に格納し(ステップS903927)、動作頻度として低頻度を格納する(ステップS903928)。そして、白色にて新たな第2保留表示を開始する(ステップS903929)。
図67は、図63に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU90101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS90811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS90812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS90801)に対応した値に更新する(ステップS90813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS9044参照)のであるが、図67に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図68は、図63に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS90801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU90101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS908001)。次いで、演出制御用CPU90101は、ステップS908001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS908002)。すなわち、演出制御用CPU90101によってステップS908002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU90101は、ステップS908002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。また、演出制御用CPU90101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS908002において、演出制御用CPU90101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図69は、演出表示装置909における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図69に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU90101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU90101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU90101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置909に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU90101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、この実施の形態では、確変大当りとなる場合には左中右が奇数図柄で揃った状態で停止表示されることから、奇数図柄は確変大当りとなることを想起させる。そのように確変大当りとなることを想起させる図柄を確変図柄という。一方、この実施の形態では、通常大当りとなる場合には左中右が偶数図柄で揃った状態で停止表示されることから、偶数図柄は確変大当りとならない(通常大当りとなる)ことを想起させる。そのように確変大当りとならないことを想起させる図柄を非確変図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU90101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置909において予告演出(先読み予告演出を除く予告演出。例えば、ステップアップ予告演出やキャラクタ予告演出、セリフ予告演出。)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS908003)。
そして、演出制御用CPU90101は、特定表示(保留表示、アクティブ表示)の動作頻度を決定するための動作頻度決定処理を実行する(ステップS908003A)。
次いで、演出制御用CPU90101は、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出、および実行する場合にはその変化演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS908004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS908005)。
図70は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU90101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU90101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置909の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図70に示すプロセステーブルは、演出制御基板9080におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。なお、演出制御用CPU90101は、予告演出を実行することに決定されている場合には、ステップS908004において予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU90101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ9027)の制御を実行する(ステップS908006)。例えば、演出表示装置909において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP90109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板9035に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ9027からの音声出力を行わせるために、音声出力基板9070に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU90101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU90101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU90101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS908007)。
そして、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS90802)に対応した値にする(ステップS908008)。
図71は、動作頻度決定処理を示すフローチャートである。動作頻度決定処理において、演出制御用CPU90101は、開始する変動における変化演出の実行の有無、実行する場合の変化演出の種類および実行対象の特定表示を決定するための処理(ステップS904500〜S904506)を実行した後に、各特定表示の動作頻度を決定するための処理(ステップS904507〜S904511)を実行する。
まず、演出制御用CPU90101は、赤色の特定表示が表示されているか否かを判定し(ステップS904500)、表示されている場合にはステップS904507へ移行する。このように、本実施の形態では、単一の特定表示しか表示態様が変化しない構成であるため、既に赤色の特定表示(最も信頼度の高い表示態様の特定表示)が表示されているときには、変化演出を実行しても更なる表示態様の変化が見込めないため、変化演出を実行し得ない構成とした。なお、更なる表示態様の変化が見込めない場合であっても変化演出を実行可能であることとしてもよいし、複数の特定表示の表示態様を変化可能な遊技機であれば、最も信頼度の高い表示態様の特定表示が表示されている場合であっても変化演出を実行可能であることとしてよい。
赤色の特定表示が表示されていない場合、演出制御用CPU90101は、開始する変動における変化演出の実行の有無を決定するための変化演出実行抽選を実行する(ステップS904501)。具体的には、図72(A)に示す変化演出実行抽選テーブルを用いて、変化演出実行抽選を行う。
図72(A)は、変化演出実行抽選テーブルを示す説明図である。図72(A)に示す変化演出実行抽選テーブルでは、開始する変動における特定表示の変化予定の有無(当該変動における変化予定)に応じて変化演出の実行の有無および実行する場合の変化演出の種類(第1変化演出、第2変化演出)に対応する判定値が割り当てられているが、図72(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU90101は、例えば、変化演出実行抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
なお、開始する変動における特定表示の変化予定の有無については、図62に示した始動入賞時コマンド格納領域(開始する変動が第1保留記憶にもとづく変動である場合には第1始動入賞時コマンド格納領域、開始する変動が第2保留記憶にもとづく変動である場合には第2始動入賞時コマンド格納領域)にもとづいて判定される。この時点では変動が開始されることにもとづく始動入賞時コマンド格納領域の更新(ステップS90664,S90668)は行われていないため、開始しようとしている変動に関する情報は、始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に記憶されている。従って、1つ目の格納領域における変化タイミングとして「アクティブ」が格納されているか、2つ目の格納領域における変化タイミングとして「1個目」が格納されているか、3つ目の格納領域における変化タイミングとして「2個目」が格納されているか、4つ目の格納領域における変化タイミングとして「3個目」が格納されている場合に、変化予定があると判定される。
例えば、変化予定がある場合、第1変化演出を実行することが70%の割合で、第2変化演出を実行することが30%の割合で決定される。変化予定がない場合、第1変化演出を実行することが3%の割合で、第2変化演出を実行することが7%の割合で、変化演出を実行しないことが90%の割合で決定される。
このように、変化予定がある場合には必ずいずれかの変化演出が実行される。すなわち、変化演出が実行された場合に限り表示態様が変化可能である構成になっている。
また、このように、変化予定がある場合には第1変化演出の方が第2変化演出よりも高い割合で実行し、変化予定がない場合には第2変化演出の方が第1変化演出よりも高い割合で実行するよう構成されている。これにより、第1変化演出が実行される場合の方が、第2変化演出が実行される場合よりも高い割合で特定演出の表示態様が変化されるようになっている。従って、変化演出の種類によって特定表示の表示態様の変化の有無を示唆しているものである。
なお、本実施の形態では、変化演出の種類として第1変化演出と第2変化演出とを設けることとしたが、これに限るものではない。例えば、実行時には必ず特定表示の表示態様が変化する変化演出が設けられていることとしてもよい。
また、本実施の形態では、変化演出の種類を決定してから動作頻度を決定することとするが、これに限るものではない。例えば、変化演出の種類よりも先に特定表示の動作頻度を決定し、動作頻度にもとづいて変化演出の種類を決定する(例えば、低頻度であれば第2変化演出が選択されやすい)こととしてもよい。
ステップS904501の後、演出制御用CPU90101は、変化演出を実行するか否かを判定し(ステップS904502)、実行しない場合にはステップS904507へ移行する。変化演出を実行する場合には、変化予定があるか否かを判定し(ステップS904503)、変化予定がない場合(すなわち、変化演出を実行するが表示態様は変化しない場合)、青色の特定表示が表示されているか否かを判定し(ステップS904503A)、表示されていない場合には、変化演出の実行対象の特定表示を決定するための実行対象決定抽選を実行する(ステップS904503B)。具体的に、図72(B)に示す実行対象決定抽選テーブルを用いて、実行対象決定抽選を行う。
図72(B)は、実行対象決定抽選テーブルを示す説明図である。図72(B)に示す実行対象決定抽選テーブルでは、保留記憶数に応じて変化演出の実行対象(アクティブ表示、1個目の保留表示、2個目の保留表示、3個目の保留表示)に対応する判定値が割り当てられているが、図72(B)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU90101は、例えば、実行対象決定抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
なお、ここで「保留記憶数」とは、開始する変動が第1保留記憶にもとづく変動である場合には第1保留記憶数のことであり、第2保留記憶にもとづく変動である場合には第2保留記憶数のことである。なお、この段階では、変動が開始されることにもとづく保留記憶数の減算(ステップS90662,S90666)は行われていない。
例えば、保留記憶数が「4」である場合、アクティブ表示を実行対象とすることが40%の割合で、1個目の保留表示を実行対象とすることが20%の割合で、2個目の保留表示を実行対象とすることが20%の割合で、3個目の保留表示を実行対象とすることが20%の割合で決定される。
例えば、保留記憶数が「3」である場合、アクティブ表示を実行対象とすることが60%の割合で、1個目の保留表示を実行対象とすることが20%の割合で、2個目の保留表示を実行対象とすることが20%の割合で決定される。
例えば、保留記憶数が「2」である場合、アクティブ表示を実行対象とすることが80%の割合で、1個目の保留表示を実行対象とすることが20%の割合で決定される。
例えば、保留記憶数が「1」である場合、アクティブ表示を実行対象とすることが100%の割合で決定される。
このように、本実施の形態では、アクティブ表示を実行対象としやすい構成とした。これにより、実行中の変動に対する期待感を遊技者に与えることができる。
なお、本実施の形態では、既に表示されている保留表示のみを変化演出の実行対象として決定し得る構成としたが、ここでは表示態様が変化しない変化演出(いわゆる、ガセ演出)の実行対象を決定するため、表示されていない保留表示を実行対象とし得るものであってもよい。例えば、保留記憶数が「3」である場合(すなわち、変化演出が実行されるときにアクティブ表示、1個目の保留表示、および2個目の保留表示しか表示されていない場合)であっても、3個目の保留表示を変化演出の実行対象として決定可能であり、3個目の保留表示が実行対象として決定された場合には3個目の保留表示の表示領域にて変化演出が行われる(第1変化演出であればハンマーが空振りし、第2変化演出であれば矢が通り過ぎる)こととしてもよい。
S904503Aにおいて、青色の特定表示が表示されている場合には、青色の特定表示を変化演出の実行対象として決定する(ステップS904504)。これにより、既に表示態様が青色に変化している特定表示の表示態様が更に変化することに対する期待感を遊技者に与えることができる。なお、既に表示態様が青色に変化している特定表示が表示されているときであっても、他の特定表示(白色の特定表示)を実行対象とする変化演出(表示態様が変化しない変化演出(いわゆる、ガセ演出))を実行することとしてもよい。しかしながら、既に青色に変化している特定表示を表示しているにもかかわらず他の特定表示を実行対象とするガセ演出を頻繁に実行しては、遊技者にストレスを与えてしまうことが考えられる。そこで、既に青色に変化している特定表示とは異なる特定表示を実行対象とするガセ演出を実行可能な構成であっても、既に青色に変化している特定表示を実行対象とする変化演出を高い割合で実行することが望ましい。
また、ステップS904503において、変化予定がある場合、変化予定である特定表示(アクティブ表示、保留表示)を変化演出の実行対象として決定する(ステップS904505)。なお、上述したように、この時点では、変動が開始されることにもとづく始動入賞時コマンド格納領域の更新(ステップS90664,S90668)は行われていないため、格納領域1に対応する特定表示が変化予定であれば「アクティブ」を、格納領域2に対応する特定表示が変化予定であれば「1個目」を、格納領域3に対応する特定表示が変化予定であれば「2個目」を、格納領域4に対応する特定表示が変化予定であれば「3個目」を、変化演出の実行対象として決定する。
ステップS904503B,S904504,S904505のいずれかを実行した後、演出制御用CPU90101は、実行する変化演出の種類および実行対象の特定表示を設定する(ステップS904506)。ここで設定された内容の変化演出に応じたプロセステーブルがステップS908004において選択されてステップS908006や後述するステップS908105を実行することにより、変化演出が実行されることとなる。
次いで、演出制御用CPU90101は、何個目の保留表示であるかを特定するための保留特定値K(すなわち、K=1であれば1個目の保留表示、K=2であれば2個目の保留表示、K=3であれば3個目の保留表示、K=4であれば4個目の保留表示)に「1」をセットし(ステップS904507)、各特定表示の動作頻度を決定するための動作頻度決定抽選を実行する。具体的に、図72(C)に示す動作頻度決定抽選テーブルを用いて、動作頻度決定抽選を行う。
図72(C)は、動作頻度決定抽選テーブルを示す説明図である。図72(C)に示す動作頻度決定抽選テーブルでは、特定表示の表示態様の変化予定の有無(K個目の保留表示の変化予定)および変化演出(K個目の保留表示への変化演出)に応じて動作頻度(高頻度、低頻度)に対応する判定値が割り当てられているが、図72(C)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU90101は、例えば、動作頻度決定抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
特定表示の表示態様の変化予定の有無については、図62に示した始動入賞時コマンド格納領域を参照して判定する。具体的に、保留特定数K=1であれば1つ目の格納領域における変動タイミングとして「アクティブ」が格納されているか、保留特定数K=2であれば2つ目の格納領域における変動タイミングとして「1個目」が格納されているか、保留特定数K=3であれば3つ目の格納領域における変動タイミングとして「2個目」が格納されているか、保留特定数K=4であれば4つ目の格納領域における変動タイミングとして「3個目」が格納されている場合に、変化予定があると判定する。
また、「変化演出」については、ステップS904506において設定された変化演出の種類と実行対象とにもとづいて判定される。例えば、保留特定数K=1であればアクティブ表示が実行対象として設定された場合、保留特定数K=2であれば1個目の保留表示が実行対象として設定された場合、保留特定数K=3であれば2個目の保留表示が実行対象として設定された場合、保留特定数K=4であれば3個目の保留表示が実行対象として設定された場合に、設定された種類の変化演出が実行されるものと判定される。
例えば、変化予定があり、第1変化演出を実行する場合には、低頻度が20%の割合で、高頻度が80%の割合で決定される。変化予定があり、第2変化演出を実行する場合には、低頻度が30%の割合で、高頻度が70%の割合で決定される。
また、例えば、変化予定がなく、第1変化演出を実行する場合には、低頻度が40%の割合で、高頻度が60%の割合で決定される。変化予定がなく、第2変化演出を実行する場合には、低頻度が45%の割合で、高頻度が55%の割合で決定される。変化予定がなく、変化演出を実行しない場合には、低頻度が90%の割合で、高頻度が10%の割合で決定される。
このように、変化演出の実行対象である特定表示の動作態様として、低頻度より高頻度が決定されやすい構成となっている。従って、動作態様が高頻度である特定表示は、低頻度である特定表示よりも変化演出の実行対象となりやすくなっている。
また、変化予定がある特定表示の方が、変化予定がない特定表示よりも、動作頻度として高頻度が決定されやすい構成となっている。従って、動作頻度によって変化の有無が示唆されるようになっている。
なお、本実施の形態では、動作頻度として高頻度と低頻度とを設けることとしたが、変化演出が実行される場合にのみ選択されうる確定動作頻度が設けられていることとしてもよい。確定動作頻度が行われることにより、変化演出が実行されることが遊技者に報知されるものである。
また、本実施の形態では、上述したように、変化予定がある特定表示の方が、変化予定がない特定表示よりも高い割合で動作頻度として高頻度が選択されることとしたが、これに限るものではない。例えば、変化予定がある特定表示が表示されている場合には、変化予定がある特定表示が表示されていない場合と比較して、高い割合で動作頻度として高頻度が選択される(すなわち、変化予定がない特定表示であっても、他の特定表示として変化予定が有る特定表示が表示されている場合には、動作頻度として高頻度が選択されやすい)ことしてもよい。また、変化予定がある特定表示の近い位置に表示されている特定表示であるほど高い割合で高頻度が選択されることとしてもよい。
次いで、演出制御用CPU90101は、K個目の保留表示の動作態様を記憶する(ステップS904509)。例えば、K=1であれば1つ目の格納領域に、K=2であれば2つ目の格納領域に、K=3であれば3つ目の格納領域に、K=4であれば4つ目の格納領域に、動作態様として「高頻度」または「低頻度」を格納する。そして、保留特定数Kと保留記憶数(実行する変動が第1保留記憶にもとづく変動であれば第1保留記憶数、実行する変動が第2保留記憶にもとづく変動であれば第2保留記憶数)が同値であるか否かを判定し(ステップS904510)、同値でなければ保留特定数Kに1加算して(ステップS904511)、再びステップS904508へ移行する。このように、記憶されている全ての保留記憶に対する動作頻度を一つずつ決定するようになっている。保留特定数Kと保留記憶数が同値となったときに動作頻度決定処理を終了する。
なお、ステップS904508では、動作頻度に代えて、もしくは加えて、動作頻度以外の動作態様を決定することとしてもよい。例えば、特定表示として表示するモグラが飛び出す態様とするか回転する態様とするかを決定することとしてもよい。
図73は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS90802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS908101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS908102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS908103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS908104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS908105)。
その後、演出制御用CPU90101は、特定表示の表示位置を固定することを示す表示位置固定フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS904700A)、セットされている場合にはステップS904707へ移行する。表示位置固定フラグは、第1変化演出の実行中にセットされるフラグであり、すなわち、第1変化演出の実行中にはステップS904701〜S904706の処理(特定表示の表示位置を変更するための処理)を実行しない構成となっている。
なお、本実施の形態では、第1変化演出の実行中には、全ての特定表示の表示位置の切り替えを制限する構成としたが、少なくとも第1変化演出の実行対象である特定表示の表示位置が切り替わることを制限するものであれば、他の特定表示の表示位置の切り替えについては制限しないものであってもよい。
ステップS904700Aにおいて表示位置固定フラグがセットされていない場合、演出制御用CPU90101は、予め設定された表示位置変化タイミングであるか否かを判定する(ステップS904700B)。本実施の形態では、変動開始から偶数秒後を表示位置変化タイミングとしており、すなわち、2秒毎に表示位置が変化し得る構成となっている。なお、表示位置変化タイミングは、抽選によって決定されるものであってもよいし、変動パターン毎に決定されているものであってもよい。
表示位置変化タイミングである場合(ステップS904700BのY)、何個目の特定表示であるかを特定するための特定表示特定数R(R=1であれば1個目の特定表示(すなわち、アクティブ表示)、R=2であれば2個目の特定表示(すなわち、1個目の保留表示)、R=3であれば3個目の特定表示(すなわち、2個目の保留表示)、R=4であれば4個目の特定表示(すなわち、3個目の保留表示))に1をセットし(ステップS904701)、特定表示特定数Rにより特定される特定表示の表示位置を切り替えるか否かを決定するための表示位置切替抽選を実行する(ステップS904702)。具体的に、図74に示す表示位置切替抽選テーブルを用いて、表示位置切替抽選を行う。
図74は、表示位置切替抽選テーブルを示す説明図である。図74に示す表示位置切替抽選テーブルでは、動作頻度に応じて表示位置の切り替えの有無に対応する判定値が割り当てられているが、図74に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU90101は、例えば、表示位置切替抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する
例えば、動作頻度が高頻度である場合、表示位置の切り替えをすることが70%の割合で、表示位置の切り替えをしないことが30%の割合で決定される。また、例えば、動作頻度が低頻度である場合、表示位置の切り替えをすることが20%の割合で、表示位置の切り替えをしないことが80%の割合で決定される。
表示位置を切り替えることが決定された場合には(ステップS904703のY)、R個目の特定表示の表示位置が退避位置であれば進出位置に切り替え、進出位置であれば退避位置に切り替える(ステップS904704)。そして、特定表示特定数Rの値が保留記憶数(実行する変動が第1保留記憶にもとづく変動であれば第1保留記憶数、実行する変動が第2保留記憶にもとづく変動であれば第2保留記憶数)に1加算した値と同値であるか否かを判定し(ステップS904705)、同値でない場合には特定表示特定数Rに1加算して再びステップS904702へ移行する。このように、全ての特定表示の表示位置の切り替えの有無を一つずつ決定するようになっている。同値である場合には、ステップS904707へ移行する。
ステップS904707では、演出制御用CPU90101は、第1変化演出の実行タイミングであれば(ステップS904707のY)、表示位置固定フラグをセットし(ステップS904707A)、変化演出の実行対象の特定表示の表示態様が変化予定であるか否かを判定する(ステップS904708)。変化予定である場合には、実行対象の特定表示の表示位置を進出位置に切り替える(ステップS904709)。また、変化予定でない場合には、実行対象の特定表示の表示位置を退避位置に切り替える(ステップS904710)。これにより、第1変化演出を実行する場合には、第1変化演出の実行対象の特定表示の表示位置が進出位置であれば表示態様が変化し、退避位置であれば表示態様が変化しないようになっている。
ステップS904711では、演出制御用CPU90101は、変化演出の終了タイミングであれば(ステップS904711のY)、セットされていれば表示位置固定フラグをリセットし(ステップS904711A)、変化演出の実行対象の特定表示の表示態様が変化予定であるか否かを判定し(ステップS904712)、変化予定であれば実行対象の特定表示の表示態様を変化させる(ステップS904713)。なお、ステップS904713では、特定表示を変化演出の種類に応じた表示態様とした(例えば、第1変化演出を実行したときには無表情の表示態様から目を見開いて汗を流す表示態様に切り替えて表示する一方、第2変化演出を実行したときには無表情の表示態様から涙を流す表示態様に切り替えて表示する)後に、青色や赤色に変化するものである。なお、青色や赤色に変化させたときに、再び無表情の表示態様に切り替えることとする。
そして、演出制御用CPU90101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS908111)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS90803)に応じた値に更新する(ステップS908112)。
図75は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS90803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU90101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS908301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS908305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS908304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS908302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS908305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU90101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS908302)。
その後、演出制御用CPU90101は、始動入賞時コマンド格納領域およびアクティブ表示用格納領域における動作頻度記憶領域をクリアする(ステップS905301)。このように、本実施の形態では、変動毎に動作頻度が更新されるようになっている。
また、演出制御用CPU90101は、ステップS908302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS908303のN)、演出制御用CPU90101は、ステップS908311に移行する。
ステップS908302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS908303のY)、演出制御用CPU90101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS908304)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS908305)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU90101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS908306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS908307)。なお、演出制御用CPU90101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS908308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ9027、および演出用部品としての可動部材9078と演出羽根役物9079a,9079b)の制御を実行する(ステップS908309)。
そして、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS90804)に応じた値に更新する(ステップS908310)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS908303のN)、演出制御用CPU90101は、所定のフラグをリセットする(ステップS908311)。例えば、演出制御用CPU90101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU90101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図67のステップS90811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。そして、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に応じた値に更新する(ステップS908312)。
図76および図77は、変化演出が実行されたときの演出表示装置909の表示例を示す説明図である。例えば、図76(A1)〜(A3)は、表示位置が進出位置である保留表示を対象とする第1変化演出が実行された場合の表示例を示している。例えば、図76(A1)に示すように、特定表示としてアクティブ表示9051と3つの保留表示9052〜9054とが表示されており、いずれの特定表示の表示態様も白色である。また、各特定表示の表示位置は、1つ目の保留表示9052のみが進出位置であり、他の特定表示(アクティブ表示9051、保留表示9053,9054)は退避位置である。次いで、図76(A2)に示すように、表示位置が進出位置である1つ目の保留表示9052を対象とする第1変化演出が実行される。このとき、ハンマーXで叩かれた1つ目の保留表示9052は、目を見開いて汗を流す表示態様に切り替わる。そして、図76(A3)に示すように、第1変化演出が実行された1つ目の保留表示9052の表示態様が白色から青色に変化する。
また、例えば、図76(B1)〜(B3)は、表示位置が退避位置である保留表示を対象とする第1変化演出が実行された場合の表示例を示している。例えば、図76(B1)に示すように、特定表示としてアクティブ表示9051と3つの保留表示9052〜9054とが表示されており、いずれの特定表示の表示態様も白色である。また、各特定表示の表示位置はいずれも退避位置である。次いで、図76(B2)に示すように、表示位置が退避位置である1つ目の保留表示9052を対象とする第1変化演出が実行される。このとき、第1変化演出におけるハンマーXは1つ目の保留表示9052を叩かない。そして、図76(B3)に示すように、第1変化演出が実行された1つ目の保留表示9052の表示態様は変化しない。
このように、本実施の形態では、第1変化演出の実行対象である特定表示の表示位置によって、特定表示の表示態様が変化する割合が異なる(進出位置であれば100%変化し、退避位置であれば100%変化しない)ようになっている。
また、例えば、図77(A1)〜(A3)は、表示位置が進出位置である保留表示を対象とする第2変化演出が実行された場合の表示例を示している。例えば、図77(A1)に示すように、特定表示としてアクティブ表示9051と3つの保留表示9052〜9054とが表示されており、いずれの特定表示の表示態様も白色である。また、各特定表示の表示位置は、1つ目の保留表示9052のみが進出位置であり、他の特定表示(アクティブ表示9051、保留表示9053,9054)は退避位置である。次いで、図77(A2)に示すように、表示位置が進出位置である1つ目の保留表示9052を対象とする第2変化演出が実行される。このとき、矢Yが命中した1つ目の保留表示9052は、涙を流す表示態様(第1変化演出におけるハンマーXで叩かれたときとは異なる表示態様)に切り替わる。そして、図77(A3)に示すように、第2変化演出が実行された1つ目の保留表示9052の表示態様が白色から青色に変化する。
また、例えば、図77(B1)〜(B3)は、表示位置が退避位置である保留表示を対象とする第2変化演出が実行された場合の表示例を示している。例えば、図77(B1)に示すように、特定表示9051としてアクティブ表示と3つの保留表示9052〜9054とが表示されており、いずれの特定表示の表示態様も白色である。また、各特定表示の表示位置は、いずれも退避位置である。次いで、図77(B2)に示すように、表示位置が退避位置である1つ目の保留表示9052を対象とする第2変化演出が実行される。このとき、矢Yが命中した1つ目の保留表示9052は、涙を流す表示態様(第1変化演出におけるハンマーXで叩かれたときとは異なる表示態様)に切り替わる。そして、図77(B3)に示すように、第2変化演出が実行された1つ目の保留表示9052の表示態様が白色から青色に変化する。
このように、本実施の形態では、第2変化演出が実行される場合には、特定表示の表示位置が進出位置であるか退避位置であるかにかかわらず、表示態様が変化し得る構成となっている。なお、第2変化演出が実行された場合であっても、実行対象の特定表示の表示態様が変化しないパターンとして、放たれた矢Yが特定表示には命中しないパターンが設けられている。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、動作を伴う態様(本例では、進出位置や退避位置に表示位置を切り替える態様、無表情の表示態様から目を見開いて汗を流す表示態様や涙を流す表示態様に切り替える態様)にて可変表示に対応する特定表示(本例では、実行中の変動に対応するアクティブ表示、未だ開始されていない変動に対応する保留表示)を表示可能であり、特定表示の表示態様(本例では、表示色(白色、青色、赤色)。表示する形状、模様、位置、範囲などであってもよい。)を変化可能な特定表示手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90663B,S90667Bを行うことによりアクティブ表示を表示し、ステップS903911,S903929を行うことにより保留表示を表示し、ステップS904713を行うことにより特定表示の表示態様を変化させる部分)と、特定表示の表示態様の変化を示唆する変化示唆演出(本例では、変化演出(第1変化演出、第2変化演出))を実行可能な変化示唆演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS904506において変化演出を設定し、ステップS908004において変化演出に応じたプロセステーブルを選択し、ステップS908006,S908105を行うことにより変化演出を実行する部分)とを備えることとした。
また、以上に説明したように、本実施の形態では、特定表示手段は、変化示唆演出が実行されるときの特定表示の動作態様(本例では、表示位置(進出位置、退避位置)。動作頻度(高頻度、低頻度)や表示方向(例えば、下向き、右向き)などの他の動作態様であってもよい。)によって異なる割合で該特定表示の表示態様を変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、ステップS904707〜S904709を実行することにより、第1変化演出の実行対象である特定表示の表示位置が進出位置である場合には100%の割合で特定表示の表示態様を変化させる一方で、第1変化演出の実行対象である特定表示の表示位置が退避位置である場合には特定表示の表示態様を変化させない(0%の割合で特定表示の表示態様を変化させる))こととした。これにより、特定表示の動作態様に遊技者を注目させることができる。
なお、本実施の形態では、アクティブ表示および保留表示の両方を表示可能な遊技機であって、そのいずれも動作を伴う態様にて表示可能であることとしたが、これに限るものではない。例えば、アクティブ表示および保留表示のうちいずれか一方のみ動作を伴う態様にて表示可能であることとしてもよい。また、例えば、アクティブ表示および保留表示のうちいずれか一方のみを表示可能であることとしてもよい。
また、アクティブ表示および保留表示の動作態様や表示態様が共通であることとしたが、これに限るものではなく、それぞれ異なる動作態様や表示態様にてアクティブ表示と保留表示とを表示可能であることとしてもよい。
また、本実施の形態では、始動入賞時に表示態様パターンおよび変化タイミングを決定するとともに、変動開始時に変化演出の有無と動作頻度とを決定することとしたが、決定タイミングについてはこれに限るものではない。例えば、表示態様パターンについては始動入賞時に決定せずに、変動中に表示態様を変化させるか否かを変動開始毎に決定する(すなわち、変化タイミングについても変動開始時に決定する)こととしてもよいし、または始動入賞時に変化演出の有無や動作頻度についても決定するものであってもよい。
また、本実施の形態では保留表示を最大4個まで表示可能である構成としたが、これに限るものではない。例えば、第1保留表示および第2保留表示の両方を表示可能であることとすれば、最大8個の保留表示を表示可能であることとしてもよい。
また、本実施の形態では、単一の特定表示の表示態様の変化を示唆する変化演出を実行することとするが、これに限るものではなく、複数の特定表示の表示態様の変化を一括して示唆する変化演出を実行可能であることとしてもよい。例えば、それぞれ異なる特定表示に向けて2本の矢が放たれて、矢が命中した特定表示の表示態様が変化することを示唆する変化演出を実行することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、複数種類の変化示唆演出のうち一部の変化示唆演出(第1変化演出)を実行する場合のみ、特定表示の表示位置が進出位置であるか退避位置であるかによって異なる割合で特定表示の表示態様が変化することとしたが、全ての種類の変化示唆演出を実行する場合において、特定表示の表示位置が進出位置であるか退避位置であるかによって異なる割合で特定表示の表示態様が変化することとしてもよい。
また、以上に説明したように、本実施の形態では、変化示唆演出実行手段は、第1変化示唆演出(本例では、第1変化演出)と第2変化示唆演出(本例では、第2変化演出)とを含む複数種類の変化示唆演出のうちいずれかの変化示唆演出を実行可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、ステップS908004,S908006,S908105を行うことによりいずれかの変化演出を実行する)、特定表示手段は、実行される変化示唆演出が第1変化示唆演出であるときと、第2変化示唆演出であるときとで異なる動作態様により特定表示を表示可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、ステップS904713を行うことにより、第1変化演出を実行するときは無表情の表示態様から目を見開いて汗を流す表示態様に切り替えて特定表示を表示する一方、第2変化演出を実行するときは無表情の表示態様から涙を流す表示態様に切り替えて特定表示を表示する。いずれの変化示唆演出が実行されるかによって動作頻度が変化することとしてもよい。)こととした。これにより、特定表示の動作態様に遊技者を注目させることができる。
なお、本実施の形態では、変化演出が実行された後の特定表示の表示態様が、実行された変化演出によって異なることとしたが、変化演出が実行される前、または実行されている間の特定表示の表示態様が、実行される変化演出によって異なることとしてもよい。例えば、リンゴが空から落ちてくる変化演出が実行される場合にはリンゴが表示される前から口を開ける態様に特定表示の表示態様を切り替えることとしてもよいし、またはリンゴが表示されてから該リンゴが特定表示に達するまでに口を開ける態様にて特定表示の表示態様を切り替えることとしてもよい。
また、以上に説明したように、本実施の形態では、特定表示手段は、変化示唆演出が実行される前の特定表示の動作態様(本例では、動作頻度(高頻度、低頻度)。表示位置(進出位置、退避位置)や表示方向(例えば、下向き、右向き)などの他の動作態様であってもよい。)によって異なる割合で特定表示の表示態様を変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、図72(C)に示す動作頻度決定抽選テーブルを用いてステップS904508を実行することにより、変化演出の実行対象である特定表示の動作頻度が高頻度である場合と低頻度である場合とで表示態様の変化割合が異なる。)こととした。これにより、特定表示の動作態様に遊技者を注目させることができる。
また、本実施の形態において、特定表示手段は、表示態様を変化させるか否かにかかわらず動作を伴う態様にて特定表示を表示し(本例では、いずれの特定表示についても表示位置(進出位置、退避位置)が切り替わる態様にて表示し)、変化示唆演出実行手段は、特定表示の動作態様によって異なる割合で変化示唆演出を実行可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、図72(C)に示す動作頻度決定抽選テーブルを用いてステップS904508を実行することにより、動作頻度が高頻度である場合には低頻度である場合と比較して変化演出(第1変化演出、第2変化演出)を実行しやすい)こととした。これにより、特定表示の動作態様に遊技者を注目させることができる。
また、本実施の形態において、特定表示手段は、特定動作態様(本例では、進出位置)と非特定動作態様(本例では、退避位置)とに切り替えて特定表示を表示可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、ステップS904704,S904709,S904710を実行可能である)、変化示唆演出が実行されるときの特定表示の動作態様が特定動作態様であるときに該特定表示の表示態様を変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、ステップS904707〜S904713を実行することにより、第1変化演出の実行対象である特定表示の表示位置が進出位置であるときに該特定表示の表示態様を変化可能である)こととした。これにより、特定表示の動作態様に遊技者を注目させることができる。
また、本実施の形態では、変化示唆演出実行手段は、第1変化示唆演出(本例では、第1変化演出)と第2変化示唆演出(本例では、第2変化演出)とを含む複数種類の変化示唆演出のうちいずれかの変化示唆演出を実行可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、ステップS908004,S908006,S908105を行うことによりいずれかの変化演出を実行する)、特定表示手段は、特定動作態様(本例では、進出位置)と非特定動作態様(本例では、退避位置)とに切り替えて特定表示を表示可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、ステップS904704,S904709,S904710を実行可能である)、第1変化示唆演出が実行されるときには特定表示の動作態様が特定動作態様である場合に該特定表示の表示態様を変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、ステップS904707〜S904713を実行することにより、第1変化演出の実行対象である特定表示の表示位置が進出位置であるときに該特定表示の表示態様を変化可能である)一方、第2変化示唆演出が実行されるときには特定表示の動作態様にかかわらず該特定表示の表示態様を変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、ステップS904711〜S904713を実行することにより、第2変化演出の実行対象である特定表示の表示位置が進出位置であるか退避位置であるかにかかわらず該特定表示の表示態様を変化可能である)こととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
また、本実施の形態では、特定表示の表示態様により有利状態に制御されることを示唆可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、ステップS903906,S903924において、図65に示す表示態様パターン決定抽選テーブルを用いて表示態様パターンを決定することにより、表示態様により大当りに対する信頼度(白色<青色<赤色)を示唆する)、特定表示の動作態様により特定表示の表示態様が変化するか否かを示唆可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、ステップS904508において、図72(C)に示す動作頻度決定抽選テーブルを用いて動作頻度を決定することにより、動作頻度により特定表示の表示態様が変化することに対する信頼度(低頻度<高頻度)を示唆する)こととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
また、本実施の形態では、表示態様が変化するか否かを動作態様によって示唆する特定表示(示唆する側の特定表示)と、表示態様が変化するか否かが示唆される特定表示(示唆される側の特定表示)とが同一の特定表示であることとしたが、これに限るものではなく、示唆する側の特定表示と示唆される側の特定表示とがそれぞれ異なるものであってもよい。例えば、特定表示Aの動作頻度が高頻度であるか否かにより、特定表示Aに隣接して表示されている特定表示Bの表示態様が変化することを示唆することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、2種類の変化示唆演出が設けられていることとしたが、1種類のみの変化示唆演出が設けられていることとしてもよいし、または3種類以上の変化示唆演出が設けられていることとしてもよい。
また、本実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を優先して実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されることとしてもよい。
また、この実施の形態では、保留変化パターンと変化タイミングとをそれぞれ異なる抽選によって決定することとしたが、これに限るものではない。例えば、保留変化パターンおよび変化タイミングの情報を含むデータ(すなわち、どのタイミングでどの表示態様に変化するかが予め定められたデータ)が複数設けられており、いずれかのデータに応じた保留変化を行うかを抽選により決定することとしてもよい。
また、本実施の形態では、保留表示が開始された次の変動が開始されるよりも前のタイミング(例えば、保留表示が開始されたときに実行されている変動中)では該保留表示の表示態様は変化し得ない構成としたが、これに限るものではなく、保留表示が開始された次の変動が開始されるよりも前のタイミングで該保留表示の表示態様を変化可能であることとしてもよい。例えば、保留表示が開始されたときに実行されている変動中に該保留表示の表示態様が変化可能であることとしてもよい。
また、本実施の形態では、保留表示の表示が開始されてから次の変動が開始されるまでの間、該保留表示の動作頻度が必ず低頻度であることとしたが、これに限るものではなく、必ず高頻度であることとしてもよいし、または高頻度および低頻度のいずれかが始動入賞時に抽選により選択されることとしてもよい。その場合、保留表示が開始された次の変動が開始されるよりも前のタイミングで該保留表示の表示態様を変化可能であることが望ましい。
また、本実施の形態では、変動開始時に表示されている特定表示の動作頻度を決定することとしたが、これに限るものではない。例えば、実際に記憶されている保留記憶数にかかわらず、表示可能な全ての特定表示(1つのアクティブ表示と、4つの保留表示)の動作頻度を常に決定しておくこととしてもよい。例えば、2つの保留記憶が記憶されている変動中に始動入賞が発生して3つ目や4つ目の保留表示が表示される場合を考慮し、該変動の開始時に予め3つ目や4つ目の保留表示を含む表示可能な全ての特定表示の動作頻度を決定しておく(1つのアクティブ表示および4つの保留表示の全ての動作頻度を毎変動開始時に決定しておく)こととしてもよい。
また、本実施の形態では、保留表示に関する情報が格納されている始動入賞時コマンド格納領域と、アクティブ表示に関する情報が格納されているアクティブ表示用格納領域とがそれぞれ設けられていることとしたが、保留表示に関する情報とアクティブ表示に関する情報とが共通の格納領域に格納されていることとしてもよい。その場合、ステップS904501,S904503B,S904508,S904702では該共通の格納領域を参照して処理を行うものである。
また、本実施の形態では、動作頻度にもとづいた抽選によって表示位置の切り替えの有無を決定することとしたが、これに限るものではない。例えば、動作頻度毎に固定の動作パターン(いずれのタイミングでいずれの表示位置に切り替えるかがパターン化されたもの)が設けられており、該動作パターンにもとづいて表示位置が切り替えられることとしてもよい。例えば、高頻度用の動作パターンとして、退避位置にて2秒間表示した後に進出位置にて3秒間表示することを繰り返す動作パターンが設けられ、低頻度用の動作パターンとして、退避位置にて5秒間表示した後に進出位置にて8秒間表示することを繰り返す動作パターンが設けられていることとしてもよい。
なお、変化演出の実行の有無を決定する際に、既に表示態様が変化している特定表示が表示されている場合には、変化演出の実行割合を高めることとしてもよい。例えば、既に青色の特定表示が表示されているときには、変化演出の実行割合を高めることとしてもよい。これにより、既に表示態様が変化している特定表示の表示態様が更に変化することを遊技者に期待させることができる。なお、表示態様が複数段階に変化可能な遊技機において、既に最終段階の表示態様に変化している特定表示が存在する場合には、該特定表示を実行対象とする変化演出を実行しても遊技者に期待感を与えることができないため、該特定表示を実行対象とする変化演出の実行を制限することとしてもよい。
また、本実施の形態では、一つずつの特定表示の動作頻度を決定することとしたが、これに限るものではなく、複数の特定表示の動作頻度を一括して決定することとしてもよい。例えば、各特定保留における動作頻度(高頻度、低頻度)の組み合わせを選択することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、第1変化演出の実行対象である特定表示の変化の有無に応じて、該特定表示の表示位置を強制的に切り替える(変化する場合には進出位置に切り替え、変化しない場合には退避位置に切り替える。ステップS904707〜S904710参照。)こととしたが、これに限るものではなく、第1変化演出の実行時に実行対象の特定表示の表示位置が偶然進出位置である場合(例えば、ステップS904704にて表示位置が進出位置に切り替えられていた場合)に、該特定表示の表示態様を変化させることとしてもよい。具体的には、始動入賞時に最終表示態様(いずれの表示態様まで変化するか)を決定しておき(その際、変化タイミングについては決定しない)、未だ最終表示態様に変化していない特定表示に対して第1変化演出を実行可能であり、第1変化演出が実行されたタイミングと該特定表示の表示態様が進出位置に制御されているタイミングとが一致した場合に、該特定表示の表示態様を変化させることとしてもよい。
なお、その場合、特定表示に対応する変動が開始されても(すなわち、該特定表示としてアクティブ表示が表示されているときに)最終表示態様まで変化していない場合には、アクティブ表示の表示態様を強制的に最終表示態様まで変化させることとしてもよい。具体的には、第1変化演出を実行するとともに、アクティブ表示の表示位置を強制的に進出位置に切り替えることにより、最終表示態様まで変化させることとしてもよいし、または、表示位置にかかわらず強制的に表示態様を変化させる変化演出(第2変化演出であってもよいし、他の変化演出であってもよい)を実行することにより、最終表示態様まで変化させることとしてもよい。
また、表示態様によって動き方が異なるように特定表示を表示することとしてもよい。例えば、特定表示が白色であるときには回転動作して表示され、青色であるときには飛び跳ねるよう表示され、赤色であるときには走り回るように表示されることとしてもよい。
なお、本実施の形態では、図65に示した選択割合にて表示態様パターンを決定することにより、赤色に変化することに対する信頼度は、白色<青色となっている。例えば、大当りや小当りとなる割合ははずれとなる割合よりも極端に低く、一般的に入賞時の保留記憶数が1であることより2以上であることの方が多いことから、図65(B)の第2表示態様パターン決定抽選テーブルにおける入賞時判定結果がSPリーチはずれまたはその他である場合に着目すると、Pt1´〜Pt4´(白色が含まれる表示態様パターン)が選択される場合に対するPt4´(白色から赤色に変化する表示態様パターン)が選択される割合と、Pt2´,Pt3´(青色が含まれる表示態様パターン)が選択される場合に対するPt3´(青色から赤色に変化する表示態様パターン)が選択される割合の方が高くなっている。これにより、白色よりも青色の方が赤色に変化しやすい構成となっている。
また、既に表示態様が変化された変化済特定表示の表示態様の変化を示唆する変化示唆演出と、変化済特定表示が表示されている状態で変化済特定表示とは異なる他の特定表示の表示態様の変化を示唆する変化示唆演出とを、少なくとも一部が共通する態様にて実行可能であることとしてもよい。具体的には、以下の変形例1を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
変形例1では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、複数の特定表示の表示態様を変化可能である。具体的に、上述した実施の形態における図64のステップS903904,S903905,S903922,S903923の処理(すなわち、表示態様が変化する表示態様パターンの特定表示が既に表示されている状態で新たに保留記憶が発生した場合に、新たな保留表示の表示態様パターンをPt1´とする処理)を実行しないことにより、複数の特定表示の表示態様を変化可能となっている。
図78は、変形例1における、第2変化演出を実行するときの演出表示装置9の表示例を示す説明図である。例えば、図78(1)に示すように、特定表示としてアクティブ表示9051と3つの保留表示9052〜9054とが表示されており、1個目の保留表示9052の表示態様は青色であり、他の特定表示(アクティブ表示9051、保留表示9053,9054)の表示態様は白色である。また、各特定表示の表示位置はいずれも退避位置である。このとき、図78(1)に示すように、いずれの特定表示を実行対象とする場合であっても共通の第2変化演出(矢Yが放たれる演出)が実行される。
表示態様が既に青色に変化している1個目の保留表示9052を実行対象とする場合、図78(2),(3)に示すように、1個目の保留表示9052に矢Yが命中し、表示態様が青色から赤色に変化する。
表示態様が既に青色に変化している1個目の保留表示9052とは異なる特定表示(具体的には、2個目の保留表示9053)を実行対象とする場合、図78(4),(5)に示すように、2個目の保留表示9053に矢Yが命中し、表示態様が白色から青色に変化する。
以上に説明したように、この変形例1において、変化示唆演出実行手段は、既に表示態様が変化された変化済特定表示(例えば、図78(1)〜(2)に示す1個目の保留表示9052)の表示態様の変化を示唆する変化示唆演出(例えば、図78(1),(2)に示す第2変化演出)と、変化済特定表示が表示されている状態で変化済特定表示とは異なる他の特定表示(例えば、図78(1),(4)に示す2個目の保留表示9053)の表示態様の変化を示唆する変化示唆演出(例えば、図78(1),(4),(5)に示す第2変化演出)とを、少なくとも一部が共通する態様(例えば、図78(1)に示すように矢Yが飛んでくる態様)にて実行可能であることとした。これにより、演出内容に意外性をもたせることができ、演出効果を向上させることができる。
なお、この変形例1では、変化済特定表示の表示態様の変化を示唆する変化示唆演出と少なくとも一部が共通する態様にて実行される変化示唆演出が変化を示唆する特定表示が、変化済特定表示に隣接する保留表示であることとしたが、これに限るものではない。例えば、隣り合っていない保留表示やアクティブ表示であってもよい。
また、この変形例1では、単一の変化済特定表示が表示されている場合について説明したが、複数の変化済特定表示が表示されている場合であっても同様の処理を実行することとしてもよい。
また、この変形例1では第2変化演出の例を用いて説明したが、これに限るものではなく、例えば、既に表示態様が変化された変化済特定表示の表示態様の変化を示唆する第1変化演出と、変化済特定表示が表示されている状態で変化済特定表示とは異なる他の特定表示の表示態様の変化を示唆する第1変化演出とを、少なくとも一部が共通する態様にて実行する(例えば、ハンマーを左右に移動する共通態様にて表示した後に実行対象の特定表示の上部に停止する)こととしてもよい。
また、特定表示手段は、可変表示に対応する特定表示を、少なくとも、通常態様と、通常態様よりも期待度の高い第1特定態様と、演出内容を示唆する第2特定態様とを含むいずれかの表示態様にて表示可能であり、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出を実行可能であり、第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたときに該特定表示の表示態様を第2特定態様から第1特定態様に変化可能であることとしてもよい。具体的には、以下の変形例2を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
変形例2において、保留記憶表示部18cにおいて表示される保留表示の表示態様として、大当り(確変/通常/突然確変大当り)や小当りとなることに対する信頼度を示す通常表示態様と、所定の演出の実行を示唆する演出示唆表示態様とが設けられている。
通常表示態様には、白色で表示される「白」、赤色で表示される「赤」、および金色で表示される「金」が含まれており、大当り(確変/通常/突然確変大当り)や小当りとなることに対する信頼度は、金>赤>白となっている。
演出示唆表示態様には、「特殊」という文字を表示することにより特殊ゾーン演出の予告対象であることを示唆する第1特殊示唆態様と、「特殊?」という文字を表示することにより特殊ゾーン演出の予告対象であることを示唆する第2特殊示唆態様と、「NEXT」という文字を表示することにより擬似連を実行することを示唆する擬似連示唆態様と、「SP」という文字を表示することによりスーパーリーチに発展することを示唆するSP示唆態様とが含まれる。第1特殊示唆態様は、特殊ゾーン演出の予告対象である場合にのみ選択され得る表示態様である一方、第2特殊示唆態様は、特殊ゾーン演出の予告対象であるか否かにかかわらず選択され得る表示態様である。また、擬似連示唆態様は、擬似連を実行する場合にのみ選択され得る表示態様であり、SP示唆態様は、スーパーリーチに発展する場合にのみ選択され得る表示態様である。
なお、特殊ゾーン演出とは、1回の変動または複数回の連続した変動にて、通常の背景とは異なる特殊背景を表示する演出である。また、特殊ゾーン演出は、実行回数が多いほど大当り(確変/通常/突然確変大当り)や小当りに対する信頼度が高い構成となっている。以下、特殊ゾーン演出の実行を開始することを「特殊ゾーンに突入する」ということがある。
特殊ゾーンに突入する直前には、突入成功演出が実行される。突入成功演出は、特殊ゾーンに突入することを示唆した後に、特殊ゾーンに突入することが確定した旨を示す演出(例えば、「特殊ゾーンチャンス!」と表示した後に「成功!」と表示する演出)である。また、特殊ゾーンに突入しないときには、特殊ゾーンに突入することを示唆することにより遊技者に期待感を与える突入失敗演出が実行されることがある。例えば、突入成功演出と同様に特殊ゾーンに突入することを示唆した後に、特殊ゾーンに突入しない旨を示す演出(例えば、「特殊ゾーンチャンス!」と表示した後に「失敗・・・」と表示する演出)を突入失敗演出として実行可能である。以下、突入成功演出と突入失敗演出とを「突入予告演出」と総称することがある。
突入予告演出は、変動開始時から3秒間に亘って行われる演出である。そして、特殊ゾーンに突入する場合には、変動開始から3秒後(突入成功演出の終了時)に特殊ゾーン演出が開始されるものである。なお、突入予告演出を実行する変動の変動時間が3秒より短い場合には、変動停止の1秒前に突入予告演出を強制的に終了するものとする。その際、特殊ゾーンに突入する場合には、突入成功演出を強制的に終了するとともに特殊ゾーン演出を開始するものとする。
この変形例2では、保留表示およびアクティブ表示を表示の表示態様ついては、対応する保留記憶が発生したとき(始動入賞時)に決定されるようになっている。具体的に、始動入賞が発生したときに、まず、通常表示態様の変化態様(保留変化パターンおよび変化タイミング)を決定し、次に、演出示唆表示態様にて表示するか否かを決定する。演出示唆表示態様にて表示しないことが決定された場合には、始動入賞時のタイミングから通常表示態様にて保留表示が開始される。また、演出示唆表示態様にて表示することが決定された場合には、始動入賞時のタイミングから演出示唆表示態様にて保留表示の表示を開始し、示唆内容の演出を実行したとき(例えば、特殊ゾーン演出を開始してから5秒後、擬似連における再変動を行ってから5秒後、スーパーリーチを開始してから5秒後)、または実行しないことが確定したとき(例えば、突入失敗演出を実行したとき)に通常示唆表示態様に変化するようになっている。
図79は、変形例2における、第2特殊示唆態様にて保留表示を表示する場合における表示例を示す説明図である。まず、(1)アクティブ表示9051と2個の保留表示9052,9053とが表示されている変動中に、(2)新たな保留記憶が発生して該保留記憶に対応する保留表示9054が第2特殊示唆態様(「特殊?」)にて表示される。このとき、該保留記憶を予告対象とする特殊ゾーン演出を実行することが決定される。また、このとき、「白」から「赤」に変化し、さらに「金」に変化する保留変化パターンが決定され、変化タイミングとして1個目および2個目が決定されたこととする。
そして、(3)はずれ目で変動が終了し、(4)次の変動が開始される。このとき、新たな変動に対応するアクティブ表示9051が表示されるとともに、保留表示がシフトする。そして、突入予告演出が実行される(画像Pが表示される)。それから3秒が経過すると、(5)突入成功演出であったことが報知され(画像Pが切替表示され)、特殊ゾーンに突入する(画像Qが表示される)。それから5秒後のタイミングで、(6)第2特殊示唆態様にて表示していた保留表示9053の表示態様が「赤」に変化する。
その後、図示は省略するが、はずれ目で変動が終了し、次の変動が開始される。このとき、新たな変動に対応するアクティブ表示が表示されるとともに、保留表示がシフトする。そして、「赤」にて表示していた保留表示の表示態様が「金」に変化する。
以上に説明したように、この変形例2において、特定表示手段は、可変表示に対応する特定表示(本例では、保留表示、アクティブ表示)を、少なくとも、通常態様(本例では、「白」)と、通常態様よりも期待度の高い第1特定態様(本例では、「赤」)と、演出内容を示唆する第2特定態様(本例では、演出示唆表示態様(第1特殊示唆態様、第2特殊示唆態様、擬似連示唆態様、SP示唆態様))とを含むいずれかの表示態様にて表示可能であり(本例では、図79に示すように、「白」や「赤」や第2特殊示唆態様にて保留表示を表示可能であり)、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出を実行可能な演出実行手段(本例では、図79(5),(6)に示すように、第2特殊示唆態様にて示唆された特殊ゾーン演出を実行可能であり)を備え、特定表示手段は、第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたときに該特定表示の表示態様を第2特定態様から第1特定態様に変化可能である(本例では、図79に示すように、特殊ゾーン演出が開始された5秒後に、第2特殊示唆態様にて表示していた保留表示9053を「赤」に変化可能である)こととした。これにより、特定態様に対する期待感を高めることができる。
なお、この変形例2では、「通常態様」および「第1特定態様」としてそれぞれ単一の表示態様(「白」、「赤」)が設けられていることとしたが、「通常態様」および「第1特定態様」のうち少なくとも一方として、複数の表示態様が設けられていることとしてもよい。また、「第2特定態様」として複数の表示態様(第1特殊示唆態様、第2特殊示唆態様、擬似連示唆態様、SP示唆態様)が設けられていることとしたが、「第2特定態様」として単一の表示態様が設けられていることとしてもよい。
また、「第2特定態様の特定表示」により示唆される演出は上述したものに限られず、段階的に発展していくステップアップ予告演出、キャラクタが登場するキャラクタ予告演出、セリフを表示するセリフ演出、遊技者に操作ボタン90120への操作を促すボタン演出、保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させる作用演出など、いずれの演出であってもよい。
また、この変形例2では、文字(「特殊」、「特殊?」、「NEXT」、「SP」)により演出を示唆する表示態様を「第2特定態様」としたが、キャラクタ、ボタンまたは模様により演出の内容を示唆するものであってもよい。
また、この変形例2では、特殊ゾーン演出、擬似連演出、またはスーパーリーチ演出を開始してから5秒後を「第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたとき」としたが、これに限るものではない。例えば、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行された時点、または該時点の前後のタイミングであればよい。
また、この変形例2では、「第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたとき」を、各演出が開始された5秒後に統一することとしたが、これに限るものではない。例えば、示唆内容の演出毎に異なるタイミングが予め設定されている(例えば、示唆内容の演出が擬似連であれば擬似連開始の3秒後、示唆内容の演出がスーパーリーチであればスーパーリーチ開始の4秒後)こととしてもよいし、または複数のタイミングからいずれかのタイミングを抽選によって決定することとしてもよい。抽選で決定する場合には、抽選割合が大当りであるか否かによって異なることとしてもよい。これにより、保留表示またはアクティブ表示の表示態様が第2特定態様から第1特定態様に変化するタイミングによって期待感を与えることができる。
また、この変形例2では、保留変化パターンと変化タイミングとをそれぞれ異なる抽選によって決定することとしたが、これに限るものではない。例えば、保留変化パターンおよび変化タイミングの情報を含むデータ(すなわち、どのタイミングでどの表示態様に変化するかが予め定められたデータ)が複数設けられており、いずれかのデータに応じた保留変化を行うかを抽選により決定することとしてもよい。
また、保留表示またはアクティブ表示の表示態様の変化タイミングについては予め定められていないものであってもよく、例えば、変動を開始する度に、保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させるか否かを抽選によって決定することとしてもよい。また、変化後の表示態様についても予め定められていないものであってもよく、例えば、変化タイミングにて、いずれの表示態様に変化させるかを抽選によって決定することとしてもよい。
また、この変形例2では、保留表示またはアクティブ表示の表示態様として、通常表示態様と演出示唆表示態様とをそれぞれ異なる抽選によって決定することとしたが、これに限るものではない。例えば、通常表示態様おより演出示唆表示態様を含む表示態様の変化パターンが複数設けられており、いずれの変化パターンにて表示態様を変化させるかを決定することとしてもよい。
また、この変形例2では、保留表示またはアクティブ表示を演出示唆表示態様にて表示しているときは、通常表示態様では表示していない構成としたが、これに限るものではない。例えば、通常表示態様の保留表示またはアクティブ表示の方が、演出示唆表示態様の保留表示またはアクティブ表示よりも、表示優先度の低い画像として表示することとすれば、演出示唆表示態様の保留表示またはアクティブ表示の表示中であっても、通常表示態様の表示制御(変化タイミングにおける表示態様の変化制御)を中断することなく、この変形例2と同様の表示を行うことができる。
また、この変形例2では、演出実行手段は、第2特定態様にて特定表示が表示されていても、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出を実行しない場合があり(例えば、特殊ゾーン演出を実行しない場合であっても第2特殊示唆態様にて保留表示またはアクティブ表示を表示可能である。すなわち、第2特殊示唆態様にて保留表示またはアクティブ表示を表示していたときには、示唆内容である特殊ゾーン演出を実行しない場合がある。)、特定表示手段は、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されない場合であっても、第2特定態様にて表示されている特定表示の表示態様を第1特定態様に変化可能である(例えば、第2特殊示唆態様にて保留表示またはアクティブ表示を表示していたにもかかわらず特殊ゾーン演出を実行しないときにも、第1特定態様である「赤」に変化可能である)こととしてもよい。これにより、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されなかったときの期待感を維持することができる。
また、この変形例2では、特定表示手段は、第2特定態様よりも期待度の高い第1特定態様にて、特定表示を表示可能である(例えば、第2特殊示唆態様よりも大当りまたは小当りとなることに対する信頼度の高い「赤」にて、保留表示またはアクティブ表示を表示可能である)こととしてもよい。これにより、第1特定態様に対する期待感を高めることができる。
また、この変形例2では、特定表示手段は、第2特定態様の特定表示により示唆される内容の演出よりも期待度の高い第1特定態様にて、特定表示を表示可能である(例えば、特殊ゾーン演出よりも大当りまたは小当りとなることに対する信頼度の高い「赤」にて、保留表示またはアクティブ表示を表示可能である)こととしてもよい。これにより、第1特定態様に対する期待感を高めることができる。
また、この変形例2では、特定表示手段は、第2特定態様から第1特定態様に変化した特定表示の表示態様をさらに変化可能である(例えば、保留表示またはアクティブ表示の表示態様を、演出示唆表示態様から「赤」に変化し、さらに「金」に変化可能である)こととしてもよい。これにより、第1特定態様に変化した後の特定表示の表示態様に対する期待感を高めることができる。
また、この変形例2では、特定表示手段は、示唆内容の異なる複数種類の第2特定態様(本例では、第1特殊示唆態様、第2特殊示唆態様、擬似連示唆態様、SP示唆態様)にて特定表示を表示可能であり、第2特定態様の種類にもとづいて異なる割合にて、特定表示の表示態様を第2特定態様から第1特定態様に変化させる(例えば、「赤」が含まれる保留変化パターン(P01以外)であるときにいずれの演出示唆表示態様にて表示するかの割合が異なる。従って、演出示唆表示態様の種類によって異なる割合にて、「赤」に変化させるようになっている。)こととしてもよい。これにより、特定表示の表示態様に注目させることができる。
この変形例2では、擬似連示唆態様にて保留表示またはアクティブ表示を表示した場合には、対応する変動にて必ず擬似連演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、擬似連示唆態様にて保留表示またはアクティブ表示を表示したときに、擬似連演出を実行する場合と実行しない場合とが設けられていてもよい。同様に、SP示唆態様にて保留表示またはアクティブ表示を表示したときに、スーパーリーチ演出を実行する場合と実行しない場合とが設けられていてもよい。
なお、この変形例2では、始動入賞時に受信する変動カテゴリコマンドにもとづいて、1回または2回の擬似連を伴う変動であることを認識(先読み)することができる構成であるため、1回または2回の擬似連を伴う変動を予告対象として擬似連示唆態様を実行可能であるが、3回の擬似連を伴う変動を予告対象としても擬似連示唆態様を実行可能であることとしてもよい。
また、保留変化パターンにおける変化態様としては、通常表示態様だけでなく演出示唆表示態様が含まれており、通常表示態様および演出示唆表示態様への変化態様を一括して決定可能であることとしてもよい。例えば、「白」から第1特殊示唆表示態様に変化する保留変化パターンや、第2特殊示唆表示態様から「赤」に変化する保留変化パターンや、「白」から擬似連示唆態様に変化し、さらに「赤」に変化する保留変化パターンや、「白」からSP示唆表示態様に変化する保留変化パターンなどの複数の保留変化パターンが設けられており、いずれの保留変化パターンとするかを選択することとしてもよい。
また、いずれの入賞時判定結果であっても共通の保留変化パターン決定テーブルを用いて保留変化パターンを決定することとしてもよいし、または複数の保留変化パターン決定テーブルが設けられており、受信した変動カテゴリコマンドに応じた保留変化パターン決定テーブルを用いて保留変化パターンを決定することとしてもよい。
また、この変形例2では説明を省略したが、複数回の再変動を含む擬似連を伴う変動であることが始動入賞時に確定し、擬似連示唆態様にて保留表示を表示することが決定された場合、いずれの再変動タイミングにて擬似連示唆態様から通常表示態様(例えば、「赤」、「金」)に変化するかを決定可能であることとしてもよい。例えば、1回目の再変動タイミングに表示態様を変化することを決定した場合には、1回の再変動を含む擬似連の実行を擬似連示唆態様により示唆することとなる一方、2回目の再変動タイミングに表示態様を変化することを決定した場合には、2回の再変動を含む擬似連の実行を擬似連示唆態様により示唆することとなる。すなわち、複数回の再変動を含む擬似連を伴う変動であることが始動入賞時に確定し、擬似連示唆態様にて保留表示を表示することが決定された場合、1回の再変動を含む擬似連の実行を示唆対象とするのか、または2回の再変動を含む擬似連の実行を示唆対象とするのかを決定可能であることとしてもよい。
また、擬似連示唆態様として複数の表示態様が設けられており、いずれの種類の擬似連示唆態様にて保留表示を表示するかによって、再変動の回数を示唆可能であることとしてもよい。例えば、擬似連示唆態様A〜Cが設けられており、1回の再変動を行う擬似連である場合には擬似連示唆態様Aにて保留表示を表示しやすく、2回の再変動を行う擬似連である場合には擬似連示唆態様Bにて保留表示を表示しやすく、3回の再変動を行う擬似連である場合には擬似連示唆態様Cにて保留表示を表示しやすいこととしてもよい。
また、この変形例2では、変動を開始してから3秒後に特殊ゾーン演出を開始することとしたが、特殊ゾーン演出の開始タイミング(突入タイミング)についてはこれに限るものではない。例えば、変動を開始するタイミングや、所定演出(例えば、スーパーリーチ演出)の実行中の所定のタイミングにて特殊ゾーン演出を開始することとしてもよい。また、擬似連を伴う変動であれば、1回目の再変動タイミングや、2回目の再変動タイミングにて特殊ゾーン演出を開始することとしてもよい。また、複数のタイミングのうちいずれのタイミングにおいて特殊ゾーン演出を開始するかを抽選により決定することとしてもよい。
また、上記の実施の形態、変形例1および変形例2に示した遊技機における制御のうち任意の制御を組み合わせて実行可能な遊技機としてもよい。
また、第2特定態様の特定表示は動作を伴い、変化示唆演出が実行されるときの第2特定態様の特定表示の動作態様によって異なる割合で該第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行される(例えば、変化演出が実行されるときの第2特殊示唆態様の特定表示の表示位置によって、第2特殊示唆態様にて示唆された特殊ゾーン演出の実行割合が異なる)こととしてもよい。これにより、第2特定態様の特定表示の動作態様に遊技者を注目させることができる。
また、第2特定態様の特定表示は動作を伴い、変化示唆演出が実行される前の第2特定態様の特定表示の動作態様によって異なる割合で該第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行される(例えば、変化演出が実行される前の第2特殊示唆態様の特定表示の動作頻度によって、第2特殊示唆態様にて示唆された特殊ゾーン演出の実行割合が異なる)こととしてもよい。これにより、第2特定態様の特定表示の動作態様に遊技者を注目させることができる。
また、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ90100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
なお、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機に適用することとしてもよい。
また、本実施の形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数(ランダムR´)や変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置909等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が他の基板(例えば、図29に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など、または音声出力基板9070に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板9035に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ90560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
なお、課題を解決するための手段で前述した(1)において、変化示唆演出の一例として、第1変化演出(対象となる特定表示に向けてハンマーが振り下ろされる表示演出)と、第2変化演出(対象となる特定表示に向かって矢が飛んでくる表示演出)、つまり、画像表示による演出を例示したが、変化示唆演出として、画像表示による演出に代えて、あるいは画像表示による演出に加えて、可動手段(可動役物等の可動体)の動作による演出を行うようにしてもよい。可動手段の動作による変化示唆演出を行うようにしても、特定表示の動作態様に遊技者を注目させることができる。特に、画像表示による演出に加えて、可動手段の動作による変化示唆演出を行うようにすれば、特定表示の動作態様に遊技者をさらに注目させることができる。
また、変化示唆演出を可動手段の動作によって行うようにしたときに、該可動手段の動作に関連させて演出補助表示を行うようにしてもよい。そのようにすれば、演出補助表示の実行パターンがさらに多様化し、遊技興趣の低下を防止することができる。
また、変化示唆演出が実行されるときの特定表示の動作態様によって異なる割合で特定表示の表示態様を変化させるようにしたが、それに加えて、変化示唆演出が実行されるときの特定表示の動作態様によって異なる割合で有利状態に制御されるようにしてもよい。つまり、変化示唆演出が実行されるときの特定表示の動作態様が特別動作態様であれば、他の動作態様に比べて特定表示の表示態様を変化させやすくするとともに有利状態に制御されやすくしてもよく、反対に、他の動作態様に比べて特定表示の表示態様を変化させにくいが、特定表示の表示態様が変化したときには他の動作態様によって特定表示の表示態様が変化したときに比べて有利状態に制御されやすくするようにしてもよい。そのようにすれば、特定表示の動作態様に遊技者を一層注目させることができる。さらには、変化示唆演出が実行されるときの特定表示の動作態様が特別動作態様であれば、有利状態に制御されることが確定するようにしてもよい。そのようにすれば、特定表示の動作態様に遊技者をさらに注目させることができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。