以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、第1の実施の形態の遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技機用枠3とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技機用枠3に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠を有する。遊技機用枠3は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品とを含む構造体である。
ガラス扉枠の下部表面には打球供給皿がある。打球供給皿の下部には、打球供給皿に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿や、打球を発射する打球操作ハンドルが設けられている。また、ガラス扉枠の背面には、遊技盤2が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤2は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤2の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域が形成されている。
余剰球受皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置等に、スティック形状に構成され、遊技者が把持して複数方向に傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。なお、スティックコントローラ31Aには、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手で把持した状態において、所定の操作指で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン221が設けられ、スティックコントローラ31Aの操作桿の内部には、トリガボタン221に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ225が内蔵されている。また、スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット223が設けられている。また、スティックコントローラ31Aには、スティックコントローラ31Aを振動動作させるためのバイブレータ用モータ126が内蔵されている。
打球供給皿3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン31Bに対して成された遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン31Bとスティックコントローラ31Aの取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン31B及びスティックコントローラ31Aの取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン31Bとスティックコントローラ31Aの取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域の中央付近には、液晶表示装置で構成された画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5の表示画面には、第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示に同期した飾り図柄の可変表示を行う飾り図柄表示エリアがある。よって、画像表示装置5は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示エリアには、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用の飾り図柄を可変表示する飾り図柄表示エリアがある。飾り図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアがあるが、飾り図柄表示エリアの位置は、画像表示装置5の表示画面において固定的でなくてもよいし、飾り図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。画像表示装置5は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示装置4Aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握し易くすることができる。
また、画像表示装置5において、最終停止図柄となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、又は複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。更に、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、画像表示装置5に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、画像表示装置5における液晶表示の演出として飾り図柄の変動表示を行う場合を示しているが、画像表示装置5で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果に基づいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うと共に、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、ハズレであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗等の結果を表示するのではなく、物語等の所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
画像表示装置5の表示画面の右上方部には、飾り図柄と後述する特別図柄及び普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域5A、5Bが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域5Aと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域5Bとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示が実行されるのであるが、画像表示装置5を用いた演出を行う場合、例えば、飾り図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部又は一部を遮蔽するような演出が行われる等、演出態様が多様化してきている。そのため、画像表示装置5上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識し難い場合も生じている。そこで、この実施の形態では、画像表示装置5の表示画面の一部で更に第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域5Aと第2特別図柄用の第4図柄表示領域5Bを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動は、第4図柄表示領域5A、5Bを所定の表示色で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域5Aにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域5Bにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点及び終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域5Aにおいて大当りを想起させる表示色で表示される。例えば、ハズレのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域5Bにおいて大当りを想起させる表示色で表示される。例えば、ハズレのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域5A、5Bの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を画像表示装置5の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、画像表示装置5とは別に、ランプやLED等の発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域5A、5Bを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を画像表示装置5の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLED等の発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯及び消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯及び消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置5の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示装置4Aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器で実現されている。即ち、第1特別図柄表示装置4Aは、0〜9の数字を可変表示するように構成されている。また、画像表示装置5の右方には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示装置4Bも設けられている。第2特別図柄表示装置4Bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器で実現されている。即ち、第2特別図柄表示装置4Bは、0〜9の数字を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じであるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとを特別図柄表示装置と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示装置4A、4Bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示装置を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件又は第2始動条件が成立した後、可変表示の開始条件が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入ったことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を最終的に停止表示させることである。
画像表示装置5の下方には、第1始動入賞口を有する普通入賞球装置6Aが設けられている。第1始動入賞口に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。
また、第1始動入賞口13を有する普通入賞球装置6Aの下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口を有する普通可変入賞球装置6Bが設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第2始動口スイッチ22Bによって検出される。普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81によって開状態とされる。普通可変入賞球装置6Bが開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口に入賞可能になり、遊技者にとって有利な状態になる。普通可変入賞球装置6Bが開状態になっている状態では、第1始動入賞口よりも、第2始動入賞口に遊技球が入賞し易い。また、普通可変入賞球装置6Bが閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口に入賞しない。したがって、普通可変入賞球装置6Bが閉状態になっている状態では、第2始動入賞口よりも、第1始動入賞口に遊技球が入賞し易い。なお、普通可変入賞球装置6Bが閉状態になっている状態において、入賞はし辛いものの、入賞することは可能であるように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口と第2始動入賞口とを総称して始動入賞口又は始動口ということがある。
普通可変入賞球装置6Bが開放状態に制御されているときには普通可変入賞球装置6Bに向かう遊技球は第2始動入賞口に極めて入賞し易い。そして、第1始動入賞口は画像表示装置5の直下に設けられているが、画像表示装置5の下端と第1始動入賞口との間の間隔を更に狭めたり、第1始動入賞口の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口に導き辛くして、第2始動入賞口の入賞率の方を第1始動入賞口の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口に対してのみ開閉動作を行う普通可変入賞球装置6Bが設けられているが、第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示装置4Bの上方には、第2始動入賞口に入った有効入賞球数、即ち第2保留記憶数を表示する4つの表示器から成る第2保留表示器25Bが設けられている。第2保留表示器25Bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示装置4Bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2保留表示器25Bのさらに上方には、第1始動入賞口に入った有効入賞球数、即ち第1保留記憶数を表示する4つの表示器から成る第1保留表示器25Aが設けられている。第1保留表示器25Aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示装置4Aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、画像表示装置5の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留表示部5HLと、第2保留記憶数を表示する第2保留表示部5HRとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数を表示する領域が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握し易くすることができる。
画像表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特別図柄の可変表示時間中、及び第2特別図柄表示装置4Bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特別図柄の可変表示と、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の可変表示と、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、画像表示装置5において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、普通可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は開閉板を備え、第1特別図柄表示装置4Aに特定表示結果が導出表示されたときと、第2特別図柄表示装置4Bに特定表示結果が導出表示されたとき、特定遊技状態に制御される。特定表示結果とは予め定められた表示結果であり、例えば、本実施の形態では、大当り図柄がある。特定遊技状態とは、遊技者にとって有利な第1状態と遊技者にとって不利な第2状態とに変化可能な可変入賞手段を第1状態に変化させることであり、本実施の形態では、開状態と閉状態とに変化可能な特別可変入賞球装置7を開状態とする大当り遊技状態がある。例えば、特定表示結果として大当り図柄が導出表示されたとき、特定遊技状態として大当り遊技状態に制御される。各特定遊技状態において、閉状態とされている開閉版がソレノイド82によって開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
また、図1に示すように、普通可変入賞球装置6Bの右方には、入賞役物50が設けられている。図2は、入賞役物50を説明するための説明図である。図2に示すように、入賞役物50の上部には、遊技球が進入可能な開口部50aが設けられ、開口部50aには、普通入賞ゲート33が設けられている。普通入賞ゲート33を通過した遊技球は入賞ゲートスイッチ33aで検出される。この実施の形態では、遊技球が普通入賞ゲート33を通過し入賞ゲートスイッチ33aで検出されると、3個の賞球が払い出される。
入賞役物50内において、普通入賞ゲート33の下方には、可変入球装置43が設けられている。可変入球装置43は、遊技機1の正面から見て前後方向にスライド動作可能な開閉部材24を備え、ソレノイド17によって開閉部材24が遊技機1の正面から見て後方にスライド動作することによって、可変入球装置43が開放状態に制御され、可変入球装置43に遊技球が入球可能になる。したがって、この実施の形態では、可変入球装置43は、特別可変入賞球装置7と類似の態様で開放状態に制御可能である。なお、可変入球装置43と特別可変入賞球装置7とを共に開閉板の開放動作によって開放状態に制御したり、共にスライド動作によって開放状態に制御したりすることによって、全く同様の態様で開放状態に制御可能に構成してもよい。
また、可変入球装置43には、入球口LED43Aが設けられており、この実施の形態では、可変入球装置43が開放状態に制御されると入球口LED43Aが点灯され、可変入球装置43が開放状態に制御されていることが認識し易くなるようにしている。なお、この実施の形態で示した態様に限らず、例えば、可変入球装置43が開放状態に制御されると、画像表示装置5の表示画面上に可変入球装置43が開放状態に制御されたことを示す表示を表示したり、スピーカ8L、8Rから所定の演出音を出力したりすることによって、可変入球装置43が開放状態に制御されていることが認識し易くなるようにしてもよい。
図2(A)は、入賞役物50において可変入球装置43が閉鎖状態に制御されている状態を示している。図2(A)に示すように、可変入球装置43が閉鎖状態に制御されている場合には、入賞役物50の開口部50aから進入した遊技球は、普通入賞ゲート33を通過するものの可変入球装置43内には入球できない。そして、可変入球装置43上部の開閉部材24は右方から左方に向かって若干低くなる態様で斜めに形成されているので、可変入球装置43上部の開閉部材24に落下した遊技球は、図2(A)に示すように、開閉部材24上を左方に導かれる。入賞役物50の左方内部には、後述する第1アウト口41とは異なる第2アウト口42が設けられており、図2(A)に示すように、開閉部材24上を左方に導かれた遊技球は、入賞役物50の左方の側壁に設けられた開口部44から第2アウト口42に導かれ、遊技機1内に排出される。なお、第2アウ口25は遊技機1正面から見て視認不能な態様で入賞役物50内部に設けられ、開口部44は入賞役物50の側壁に設けられ遊技機1正面に対して直角方向となり正面方向からは見え難いので、第2アウト口42から遊技球が排出されるのが認識し難くなるように構成されている。
図2(B)は、入賞役物50において可変入球装置43が開放状態に制御されている状態を示している。図2(B)に示すように、可変入球装置43が開放状態に制御されている場合には、入賞役物50の開口部50aから進入した遊技球は、普通入賞ゲート33を通過した後、更に可変入球装置43に入球可能である。可変入球装置43に入球した遊技球は入球検出スイッチ19で検出される。但し、この実施の形態では、遊技球が可変入球装置43に入球し入球検出スイッチ19で検出されても、後述するように普通入賞獲得表示が実行されるのみで、賞球の払い出しは行われない。
この実施の形態では、後述するように、大当り遊技中に特別可変入賞球装置7が開放状態に制御されるのと同じタイミングで可変入球装置43も開放状態に制御される。したがって、この実施の形態では、大当り遊技中に可変入球装置43が開放状態となって入球可能となる場合があり、可変入球装置43に遊技球が入球すると普通入賞獲得表示が行われて、大入賞口への入賞に対する賞球とは別に普通入賞が発生して賞球が得られたこをと報知する。したがって、この実施の形態では、大当り遊技中である場合には、遊技領域の右方を狙って発射操作を行った方が大入賞口への入賞に加えて普通入賞獲得表示が行われるので、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作を行う。
なお、この実施の形態では、賞球自体は可変入球装置43への入球で生じるのではなく普通入賞ゲート33の通過で生じるのであるから、大当り遊技中に制御されていないときに遊技領域の右方を狙って発射操作を行えば、普通入賞ゲート33を遊技球が通過してある程度の賞球が得られてしまう。そのため、例えば、遊技領域の右方にセンサ等を設けて、大当り遊技中に制御されていないときに右打ち操作していることを検出したら、警告表示を行ったり、左打ち操作を示唆する左打ち報知を行ったりすることによって、遊技者に左打ち操作を促すように構成することが望ましい。
図2を用いて説明したように、この実施の形態では、普通入賞ゲート33を遊技球が通過したが可変入賞球装置22に入球しなかった場合には、その遊技球が可変入球装置43の近傍に配置された第2アウト口42から排出され、遊技球が排出されるのが認識し難くなるように構成されている。そのように構成することによって、この実施の形態では、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制するようにしている。具体的には、例えば、普通入賞ゲート33を通過したが可変入賞球装置22に入球しなかった遊技球がそのまま下方に落下して通常の第1アウト口41から排出されるように構成してしまったのでは、第1アウト口41までの経路も長く、第1アウト口41は正面から見て視認し易いように開口部が設けられているのであるから、遊技球が入球せずに排出されてしまうことを遊技者に認識されてしまう。しかしながら、既に普通入賞ゲート33を遊技球が通過していることにより3個の賞球が払い出されているのであるから実際には遊技者には損は生じていない。したがって、このように普通入賞ゲート33を通過した遊技球がアウト口から排出されるのを認識されてしまったのでは、通常の第1アウト口41から排出される遊技球の数が多く見えてしまい、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、普通入賞ゲート33を通過したが可変入賞球装置22に入球しなかった遊技球については、視認し難い第2アウト口42から排出されるように構成することによって、通常の第1アウト口41から排出される遊技球と混同されることを防止し、そのように遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制できるようにしている。
なお、第2アウト口42の態様は、この実施の形態で示したものに限られない。第1アウト口41と比較して可変入球装置43に近い位置であれば、例えば、可変入球装置43の下方の入賞役物50の底面部分に第2アウト口を設け、その入賞役物50の底面部分に設けられた第2アウト口から遊技球が排出されるようにしてもよい。そのように構成しても、第2アウト口が入賞役物50の底面部分に設けられていれば、遊技機1正面に対して直角方向となり正面方向からは見え難いので、第2アウト口から遊技球が排出されるのを認識し難くすることができる。
また、例えば、第2アウト口の手前に装飾部材を設けることによって第2アウト口を見え難くすることにより、第2アウト口から遊技球が排出されるのを認識し難くするようにしてもよい。また、例えば、第1アウト口と比較して第2アウト口の開口部の大きさを小さくすることにより、第2アウト口から遊技球が排出されるのを認識し難くするようにしてもよい。そのように何らかの形式で第1アウト口と比較して第2アウト口の方が遊技者から視認し難い態様に構成されているものであればよい。
また、可変入球装置43に入球した遊技球を遊技盤2の盤面の裏側に排出するための排出経路と、第2アウト口42に進入した遊技球を遊技盤2の盤面の裏側に排出するための排出経路とは、遊技盤2の盤面の裏側で接続されて共通化されていてもよいし、別個独立の排出経路として設けられていてもよい。
画像表示装置5の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器20が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器20は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器で実現されている。即ち、普通図柄表示器20は、0〜9の数字を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器20は、例えば、00〜99の数字を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器20は、7セグメントLED等に限らず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器で構成されていてもよい。
遊技球が通過ゲート41を通過しゲートスイッチ21で検出されると、普通図柄表示器20の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器20における停止図柄が所定の図柄である場合に、普通可変入賞球装置6Bが所定回数、所定時間だけ開状態になる。即ち、普通可変入賞球装置6Bの状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器20の近傍には、通過ゲート41を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普図保留表示器25Cが設けられている。通過ゲート41への遊技球の通過がある毎に、即ちゲートスイッチ21によって遊技球が検出される毎に、普図保留表示器25Cは点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器20の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。更に、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められると共に、普通可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数が高められる高ベース状態へ移行することがある。
遊技盤2の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれる第1アウト口41がある。また、遊技領域の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ8L、8Rが設けられている。遊技領域の外周には、前面枠に設けられた遊技効果ランプ9が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドルを操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域に発射する打球発射装置が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域に入り、その後、遊技領域を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口に入り第1始動口スイッチ22Aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおいて第1特別図柄の可変表示が開始されると共に、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示が開始される。即ち、第1特別図柄及び飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口に入り第2始動口スイッチ22Bで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおいて第2特別図柄の可変表示が開始されると共に、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示が開始される。即ち、第2特別図柄及び飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、15R確変大当り又は8R確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行すると共に、遊技球が始動入賞し易くなるように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、普通可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高められたり、普通可変入賞球装置6Bが開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞し易くなる。
なお、普通可変入賞球装置6Bが開状態となる時間を延長するのでなく、普通図柄表示器20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器20における停止図柄が所定の図柄となると、普通可変入賞球装置6Bが所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、普通可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高まる。したがって、普通図柄確変状態に移行すれば、普通可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態となる。即ち、普通可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器20における普通図柄の変動時間が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。したがって、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、普通可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態となる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。したがって、有効な始動入賞が発生し易くなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
更に、上記に示した全ての状態に移行させることによって、始動入賞し易くなるようにしてもよい。また、上記に示した各状態のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞し易くなるようにしてもよい。また、上記に示した各状態のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞し易くなるようにしてもよい。
図3は、主基板11における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、制御基板37及び演出制御基板12等も示されている。主基板11には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ100が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM101、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM102、プログラムに従って制御動作を行うCPU103及びI/O105を含む。この実施の形態では、ROM101及びRAM102は遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されている。即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU103の他、RAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/O105は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ100には、更に、ハードウェア乱数を発生する乱数回路100が内蔵されている。
また、RAM102は、その一部又は全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。即ち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM102の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてCPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行するということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路100は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路100は、初期値と上限値とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出時であることに基づいて、読み出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路100は、数値データの更新範囲の選択設定機能、数値データの更新規則の選択設定機能、及び数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路100が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバを用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路100が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路100が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23及び入賞ゲートスイッチ33aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に与えるスイッチ回路110も主基板11に搭載されている。また、普通可変入賞球装置6Bを開閉するソレノイド81、及び大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7を開閉するソレノイド82を遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って駆動するソレノイド回路111も主基板11に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B及び普図保留表示器25Cの表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板11に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段が、中継基板15を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する画像表示装置5の表示制御を行う。
また、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段が、ランプ制御基板14を介して、枠側に設けられている遊技効果ランプ9及び可変入球装置43に設けられている入球口LED43Aの表示制御を行うと共に、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rからの音出力の制御を行う。
図4は、中継基板15、演出制御基板12、ランプ制御基板14及び音声制御基板13の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプ制御基板14及び音声制御基板13には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプ制御基板14及び音声制御基板13を設けずに、演出制御に関して演出制御基板12のみを設けてもよい。
演出制御基板12は、演出制御用CPU120、及び飾り図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板12において、演出制御用CPU120は、内蔵又は外付けのROMに格納されたプログラムに従って動作し、中継基板15を介して入力される主基板11からの取込信号に応じて、入力ドライバ202及び入力ポート203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドに基づいて、VDP109に画像表示装置5の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ200と共動して画像表示装置5の表示制御を行うVDP109が演出制御基板12に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して画像表示装置5に出力する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROMから必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、画像表示装置5に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等、及び背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU120の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンド及び演出制御INT信号は、演出制御基板12において、まず、入力ドライバ202に入力する。入力ドライバ202は、中継基板15から入力された信号を演出制御基板12の内部に向かう方向にしか通過させない信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板15には、主基板11から入力された信号を演出制御基板12に向かう方向にしか通過させない信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。更に、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板11から演出制御コマンド及び演出制御INT信号が出力されるので、中継基板15から主基板11の内部に向かう信号が規制される。即ち、中継基板15からの信号は主基板11の内部に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/O105の一部である。また、出力ポート571の外側に、更に、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aのトリガボタン221に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ225から、入力ポート206を介して入力する。また、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから、入力ポート208を介して入力する。また、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aの操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット223から、入力ポート207を介して入力する。また、演出制御用CPU120は、出力ポート205を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ31Aを振動動作させる。
また、演出制御用CPU120は、可変入球装置43に遊技球が入球したことを示す入球検出スイッチ19からの検出信号を、入力ポート207を介して入力する。また、演出制御用CPU120は、出力ポート205を介してソレノイド17に駆動信号を出力することにより、可変入球装置43を開放状態に制御する。
なお、この実施の形態では、入球検出スイッチ19からの検出信号を演出制御用マイクロコンピュータ200側に入力する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、遊技制御用マイクロコンピュータ100側に入力するように構成してもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、入球検出スイッチ19からの検出信号を入力すると、入球検出スイッチ19からの検出信号を入力したことを示すコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ200は、そのコマンドを受信したことに基づいて、後述する普通入賞獲得表示を表示するように制御してもよい。
更に、演出制御用CPU120は、出力ポート205を介してランプ制御基板14に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU120は、出力ポート204を介して音声制御基板13に対して音番号データを出力する。
ランプ制御基板14において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて遊技効果ランプ9や入球口LED43A等の発光体に電流を供給する。
音声制御基板13において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ8L、8Rに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間における効果音又は音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。また、音声合成用IC703は演出制御基板12から所定の要求を受け付けた場合に音声を生成しスピーカ8L、8Rに出力する。
次に遊技機の動作について説明する。図5は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ100へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU103は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU103は、まず、割込み禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込みの割込みモードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ100の特定レジスタの値と内蔵デバイスが出力する割込みベクタから合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込みが発生すると、CPU103は、自動的に割込み禁止状態に設定すると共に、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイスであるCTC及びPIOの設定が成される。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ100は、I/Oポート及びタイマ/カウンタ回路504も内蔵している。
次いで、CPU103は、RAM102をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板に対して、主基板11が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU103は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU103は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回又は2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU103は、電力供給停止時処理が行われた、即ち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU103は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU103は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータをチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアすると共に、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU103は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されている筈であるから、チェック結果は正常になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU103は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41及びS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ、出力ポートの出力状態が保存されている領域、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU103は、ROM101に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS43)。また、CPU103は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU103は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM102の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11及びS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ等、制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU103は、ROM101に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、画像表示装置5に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU103は、乱数回路100を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。
そして、CPU103は、所定時間毎に定期的にタイマ割込みがかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込み設定処理を実行する(ステップS16)。即ち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタに設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるとする。
タイマ割込みの設定が完了すると、CPU103は、まず、割込み禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込み許可状態にする(ステップS19)。即ち、CPU103は、初期値用乱数更新処理及び表示用乱数更新処理が実行されるときには割込み禁止状態にして、初期値用乱数更新処理及び表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込み許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数を発生するためのカウンタ等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示装置4A、4Bの表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込み禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込み処理でも実行されることから、タイマ割込み処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。即ち、ステップS18a、S18bの処理中にタイマ割込みが発生してタイマ割込み処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a、S18bの処理中では割込み禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込み許可になっている期間において、タイマ割込みが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、タイマ割込みの発生に応じて起動されるタイマ割込み処理を実行する。タイマ割込み処理において、CPU103は、まず、電源断信号が出力されたか否かを検出する電源断処理を実行する(ステップS20)。そして、CPU103は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23及び入賞ゲートスイッチ33a等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU103は、特別図柄表示装置4A、4B、普通図柄表示器20、特別図柄保留記憶表示器18、普図保留表示器25Cの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示装置4A、4B及び普通図柄表示器20については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU103は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。
ステップS24の後、CPU103は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU103は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。更に、CPU103は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU103は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU103は、特別図柄の変動に同期する飾り図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、飾り図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間が同じであることを意味する。
次いで、CPU103は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号等のデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU103は、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23及び入賞ゲートスイッチ33aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23及び入賞ゲートスイッチ33aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
なお、本実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンした場合には、賞球個数として1個が設定された払出制御コマンドが出力され、該払出制御コマンドを受信した払出制御用マイクロコンピュータは、1個の賞球を払い出すものである。また、カウントスイッチ23がオンした場合には、賞球個数として15個が設定された払出制御コマンドが出力され、該払出制御コマンドを受信した払出制御用マイクロコンピュータは、15個の賞球を払い出すものである。また、入賞ゲートスイッチ33aがオンした場合には、賞球個数として3個が設定された払出制御コマンドが出力され、該払出制御コマンドを受信した払出制御用マイクロコンピュータは、3個の賞球を払い出すものである。
なお、本実施の形態では、所定期間が経過するか、又は10球の遊技球の大入賞口への入賞を検出した場合に、一のラウンドを終了するものであり、上述したように、大入賞口へ遊技球が入賞した場合には15個の賞球が払い出されるのであるから、一のラウンドでは150個の賞球の払い出しが可能である。つまり、15R確変大当りである場合には2250個の賞球の払い出しが可能であり、8R確変大当りである場合には1200個の賞球の払い出しが可能ある。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域が設けられているのであるが、CPU103は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU103は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。更に、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU103は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が高確率状態にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
その後、割込み許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込み処理におけるステップS21〜S39の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込み処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込み処理では例えば割込みが発生したことを示すフラグのセットのみが成され、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4B、及び画像表示装置5にハズレ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がハズレ図柄になる場合における「非リーチ」の可変表示態様という。
第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4B、及び画像表示装置5にハズレ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアに、飾り図柄が揃って停止表示される。
図7は、予め用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」であり飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」であり飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図7に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチしない場合に使用される非リーチPA1−2の変動パターンは、短縮変動用の変動パターンであり、飾り図柄の変動時間が短い時間に短縮される。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。更に、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦ハズレとなる飾り図柄を仮停止させた後に飾り図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図7に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4の変動パターンが用意されている。
また、図7に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。更に、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
なお、この実施の形態では、図7に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値毎に別々の判定テーブルを用意しておき、第1保留記憶数又は第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。ランダム1:大当りの種類を決定する。ランダム2:変動パターンの種類を決定する。ランダム3:変動パターンを決定する。ランダム4:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する。ランダム5:ランダム4の初期値を決定する。
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出等の特定演出の有無でグループ化してもよい。
図6に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、大当り種別判定用乱数及び普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップを行う。即ち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数又は初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたハードウェアが生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU103は、所定の時期に、乱数回路100のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図9(B),(C)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル131a、131bを示す説明図である。このうち、図9(B)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル131aである。また、図9(C)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル131bである。
大当り種別判定テーブル131a、131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定が成されたときに、大当り種別判定用の乱数に基づいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「8R確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(B),(C)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「15R確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられているのに対して、大当り種別判定テーブル131bには「15R確変大当り」に対して30個の判定値が割り当てられている場合を説明する。したがって、この実施の形態では、第1始動入賞口に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合よりも、第2始動入賞口に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合の方が、「15R確変大当り」と決定される割合が高い。
この実施の形態では、図9(B),(C)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」及び「8R確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンド及び8ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15R確変大当り」及び「8R確変大当り」の2種類である場合を示しているが、2種類に限らず、例えば、3種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が2種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として1種類のみ設けられていてもよい。
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである。そして、可変表示を所定回実行するまで、確変状態及び時短状態が継続する。以下、確変状態と時短状態とに制御されている遊技状態を「高確率高ベース状態」、確変状態および時短状態のいずれにも制御されていない状態を「低確率低ベース状態」ということがある。
「8R確変大当り」とは、8ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである。そして、可変表示を所定回実行するまで、確変状態及び時短状態が継続する。
大当り種別判定テーブル131a、131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」及び「8R確変大当り」のそれぞれに対応した判定値が設定されている。CPU103は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図10及び図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10及び図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ200は、コマンド80XX(H)を受信すると、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、及び大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ200は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示を開始することを示す演出制御コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示を開始することを示す演出制御コマンドである。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示を終了して表示結果を導出表示することを示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ200は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンドである。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンドである。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、即ち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンドである。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンド毎にそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンド毎に異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンドである。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンド毎にそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンド毎に異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、即ち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンドである。
コマンドA401(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンドである。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンドである。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンドである。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンドである。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンドである。
演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200は、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ100から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10及び図11に示された内容に応じて画像表示装置5の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声制御基板13に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞があり第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、及び表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODEを表し、2バイト目はEXTを表す。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビットは必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状の取込信号を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込み処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10及び図11に示す例では、変動パターンコマンド及び表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示と第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示とで共通に使用でき、第1特別図柄及び第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置5等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図12は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4B、及び大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、第1始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ22A、又は第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ22Bがオンしていたら、即ち、第1始動入賞口への始動入賞、又は第2始動入賞口への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311、S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13a又は第2始動口スイッチ22Bがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理:特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態をステップS301に応じた値に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理:特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態をステップS302に対応した値に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理:特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態をステップS303に対応した値に更新する。
特別図柄変動中処理:特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態をステップS304に対応した値に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると画像表示装置5において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理:特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態をステップS305に対応した値に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態をステップS300に対応した値に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことに基づいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理:特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ等を初期化すると共に、ソレノイド82を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態をステップS306に対応した値に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、ラウンド1を開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理:特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、且つ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に対応した値に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS307に対応した値に更新する。
大当り終了処理:特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグをセットする処理を行う。そして、内部状態をステップS300に対応した値に更新する。
図13は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ22Aがオン状態でなければ、ステップS1217に移行する。第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば、CPU103は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否かを確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすと共に(ステップS1213)、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。次いで、CPU103は、乱数回路100やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1215)。なお、ステップS1215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムRや、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数及び変動パターン判定用乱数が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数や変動パターン判定用乱数を始動口スイッチ通過処理において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図14は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域の構成例を示す説明図である。図14に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファ及び第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムRや、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数及び変動パターン判定用乱数が記憶される。なお、第1保留記憶バッファ及び第2保留記憶バッファは、RAM102に形成されている。
そして、CPU103は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS1216)。
次いで、CPU103は、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1217)。第2始動口スイッチ22Bがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ22Bがオン状態であれば、CPU103は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否かを確認する(ステップS1218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすと共に(ステップS1219)、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1220)。次いで、CPU103は、乱数回路100やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1221)。なお、ステップS1221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムRや、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数及び変動パターン判定用乱数が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数を始動口スイッチ通過処理において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU103は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS222)。
図15及び図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS271)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS272)、処理を終了する。なお、例えば、CPU103は、ステップS272で客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込み以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU103は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS273)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU103は、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS274)。第2保留記憶数が0であれば、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS275)。
この実施の形態では、ステップS273〜S275の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(ステップS276)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、且つ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS277)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、且つ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、且つ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
即ち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=nに対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=nに対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU103は、合算保留記憶数の値を1減らす。即ち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS278)。なお、CPU103は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM102の所定の領域に保存する。
また、CPU103は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS279)。この場合、CPU103は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU103は、確変フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動毎に背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ100の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータ200に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、飾り図柄コマンド制御処理において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込み毎に、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、更に4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、更に4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときには更に図柄変動指定コマンドも送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込みにおいて演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、即ち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、又は第2始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータ、即ち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域からランダムRを読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU103は、始動口スイッチ通過処理のステップS1215,S1221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。即ち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合は、遊技状態が非確変状態の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブルと、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブルとが設けられている。そして、CPU103は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS280)、ステップS281に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示装置における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当り又は8R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミング、又は50回の特別図柄の変動表示を終了するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS280のN)、CPU103は、そのままステップS285に移行する。
ステップS281では、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS282)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU103は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数の値と一致する値に対応した種別を大当りの種別に決定する(ステップS283)。なお、この場合、CPU103は、始動口スイッチ通過処理のステップS1215,S1221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102における大当り種別バッファに設定する(ステップS284)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「8R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS285)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、ハズレ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。即ち、「15R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「8R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別及び特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、予め特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数に基づいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果に基づいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS286)。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS361)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS362)。そして、ステップS368に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU103は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS363)。なお、確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当り又は8R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミング、又は50回の可変表示が終了するタイミングでリセットされる。確変フラグがセットされていれば(ステップS363のY)、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変用のハズレ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS367)。そして、ステップS368に移行する。
確変フラグがセットされていなければ(ステップS363のN)、CPU103は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS364)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS364のN)、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常のハズレ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS365)。そして、ステップS368に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合には(ステップS364のY)、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、変動時間短縮時のハズレ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS366)。そして、ステップS368に移行する。
この実施の形態では、ステップS363〜S366の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、変動時間短縮用のハズレ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態である場合には、確変用のハズレ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS368の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS369の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される。したがって、この実施の形態では、遊技状態が確変状態である場合、又は合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、確変状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数に基づく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、遊技状態が確変状態である場合であっても、合算保留記憶数が略0である場合には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU103は、ステップS363でYと判定したときに、合算保留記憶数が略0であるか否かを確認し、合算保留記憶数が略0であれば、ハズレ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域からランダム2を読み出し、ステップS362、S83、S367、S365又はS366の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS368)。なお、始動入賞のタイミングでランダム2を抽出しないように構成する場合には、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、ステップS368の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り変動パターン判定テーブル、ハズレ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS369)。また、乱数バッファ領域からランダム3を読み出し、ステップS369の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS370)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3を抽出しないように構成する場合には、CPU103は、変動パターン判定用乱数を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS371)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU103は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS372)。
次に、CPU103は、RAM102に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS373)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS374)。
なお、ハズレと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、ステップS363〜S366、S368の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図18は、表示結果指定コマンド送信処理を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU103は、決定されている大当りの種類、ハズレに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンドを送信する制御を行う。具体的には、CPU103は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS381)。セットされていない場合には、ステップS385に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「15R確変大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS382、S383)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS284で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU103は、大当りの種別が「8R確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS382、S384)。なお、「8R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS284で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。
一方、CPU103は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS381のN)、即ち、ハズレである場合には、CPU103は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS385)。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理に対応した値に更新する(ステップS386)。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグをリセットする(ステップS132)。
次いで、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータ200に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。
また、CPU103は、時間計測タイマに大当り表示時間に相当する値を設定する(ステップS134)。また、CPU103は、ラウンド数カウンタに大当り種別に応じたラウンド数をセットする(ステップS135)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU103は、確変フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS137)、セットされていない場合、即ち、通常状態である場合にはステップS141へ移行する。確変フラグがセットされている場合、即ち、確変状態である場合、確変回数カウンタの値を1減算し(ステップS138)、確変回数カウンタの値が0となったか否かを判定する(ステップS139)。0となっていない場合はステップS141へ移行する。0となった場合は確変フラグをリセットし(ステップS140)、ステップS141へ移行する。これにより、所定回数の変動を行うことを契機に確変状態から通常状態へ移行することとしている。ステップS141において、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新する(ステップS141)。
図20は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU103は、時間計測タイマの値を−1する(ステップS1401)。なお、ラウンド1の開始前である場合には、ステップS1401の処理が実行されることによって、特別図柄停止処理のステップS134でセットした時間計測タイマの値が計測されることにより、ラウンド1の開始前の大当り表示時間が計測されることになる。また、ラウンド1以降である場合には、ステップS1401の処理が実行されることによって、後述する大入賞口開放中処理のステップS1469でセットした時間計測タイマの値が計測されることにより、各ラウンド後のインターバル期間が計測されることになる。
なお、この実施の形態では、大当り表示時間とインターバル期間とを共通の時間計測タイマを用いて計測する場合を示しているが、大当り表示時間とインターバル期間とを別々のタイマを用いて時間を計測するように構成してもよい。
次いで、CPU103は、カウントスイッチ23からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1403)。カウントスイッチ23がオンしたら、即ち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1403のY)、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータ200に大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1404)。そして、ステップS1411に移行する。
時間計測タイマがタイムアウトしたら(ステップS1411)、CPU103は、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータに現在のラウンド数をセットして、演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS1412)。
次いで、CPU103は、大入賞口への遊技球の入賞数をカウントするための入賞個数カウンタを初期化する(ステップS1413)。即ち、入賞個数カウンタの値を0にする。
次いで、CPU103は、大入賞口を開放状態に制御する(ステップS1414)。具体的には、ソレノイド82を駆動して特別可変入賞球装置7を開放状態にする。
次いで、CPU103は、大当り種別、及び開始するラウンドに応じた開放時間を、大入賞口の開放時間を計測するための開放時間タイマにセットする(ステップS1415)。本実施の形態では、いずれの種別の大当りであっても、全てのラウンドにおける大入賞口の開放時間は29.5秒であるため、ステップS1415では、CPU103は、開放時間タイマに29.5秒に相当する値をセットする。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理に対応した値に更新する(ステップS1416)。
図21は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU103は、まず、カウントスイッチ23からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1452)。カウントスイッチ23がオンしたら、即ち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1452のY)、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS1453)。また、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータ200に大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1454)。そして、ステップS1462に移行する。
次いで、CPU103は、入賞個数カウンタの値が10となっているか否かを確認する(ステップS1462)。入賞個数カウンタの値が10となっていれば、ステップS1465に移行する。したがって、この実施の形態では、大入賞口の開放期間が経過する前であっても、大入賞口への入賞数が10個に達した場合には、ステップS1462でYと判定されてステップS1465に移行し、大入賞口を閉鎖状態に制御してそのラウンドを終了する場合がある。
入賞個数カウンタの値が10未満であれば(ステップS1462のN)、CPU103は、開放時間タイマを1減算し(ステップS1463)、開放時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1464)。開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。開放時間タイマがタイムアウトしていれば、CPU103は、大入賞口を閉鎖状態に制御する(ステップS1465)。具体的には、ソレノイド82の駆動を停止して特別可変入賞球装置7の開閉板を閉状態にする。また、CPU103は、現在のラウンド数をEXTデータにセットして、演出制御用マイクロコンピュータ200に大入賞口開放後指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1466)。
次いで、CPU103は、ラウンド数カウンタの値を1減算すると共に(ステップS1467)、減算後のラウンド数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS1468)。ラウンド数カウンタの値が0となっている場合には、CPU103は、時間計測タイマに最終ラウンド後のインターバル演出を行う期間に相当する値を設定する(ステップS1471)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理に対応した値に更新する(ステップS1472)。
ラウンド数カウンタの値が0となっていなければ、CPU103は、時間計測タイマにインターバル期間に相当する値を設定する(ステップS1469)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理に対応した値に更新する(ステップS1470)。
図22は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS401)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS409に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、CPU103は、時間計測タイマの値を1減算する(ステップS402)。
次いで、CPU103は、カウントスイッチ23からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS403)。カウントスイッチ23がオンしたら、即ち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS403のY)、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータ200に大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS404)。そして、ステップS405に移行する。
ステップS403〜S404の処理が実行されることによって、大当り遊技の最終のラウンド期間を終了した後のインターバル期間であっても、大入賞口への入賞を検出して大入賞口入賞指定コマンドを送信することが可能である。
次いで、CPU103は、減算後の時間計測タイマの値が0となったか否かを確認する(ステップS405)。時間計測タイマの値が0となっていれば、CPU103は、大当りフラグをリセットし(ステップS406)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS407)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマに、画像表示装置5において大当り終了表示が行われている時間に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS408)、処理を終了する。
ステップS409では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS409)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、即ち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS410)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS410のY)、CPU103は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(ステップS411)。また、CPU103は、確変回数カウンタに所定回数をセットする(ステップS412)。
次いで、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新する(ステップS413)。
図23は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行する特別図柄表示制御処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、CPU103は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定又は更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU103は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定又は更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示装置4A、4Bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示装置4A、4Bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば、CPU103は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU103は、特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示装置4A、4Bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示装置4A、4Bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データに基づいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2又は3のいずれかであれば、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ200側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットすると共に、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理において、CPU103は、開始フラグがセットされたことに基づいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことに基づいて停止図柄を停止表示させるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図24は、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ200が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS421)。
その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(ステップS422)を行うループ処理に移行する。タイマ割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込み処理においてタイマ割込みフラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込みフラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(ステップS423)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS424)。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS425)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応した処理を選択して画像表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS426)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応した処理を選択して画像表示装置5の第4図柄表示領域5A、5Bにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
ステップS426の後、大当り図柄決定用乱数等の乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS427)。その後、ステップS422に移行する。
図25は、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込み処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。なお、演出制御INT信号に基づく割込み処理は、4ms毎に実行されるタイマ割込み処理に優先して実行される。
図26及び図27は、コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイトずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンドを、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。なお、この実施の形態では、ステップS622でセットされる大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU120は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。なお、この実施の形態では、ステップS624でセットされる大当り終了指定コマンド受信フラグのことを、エンディングフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU120は、受信した大入賞口開放中指定コマンドをRAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(ステップS626)。また、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS627)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS628)、演出制御用CPU120は、受信した大入賞口開放後指定コマンドをRAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(ステップS629)。また、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU120は、大入賞口に遊技球が入賞したことを示す大入賞口入賞フラグをセットする(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS679)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面に変更する(ステップS680)。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS682)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面に変更する(ステップS683)。
また、受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS685)、演出制御用CPU120は、30秒後に画像表示装置5に客待ちデモ画面を表示するよう制御をおこなう(ステップS687)。具体的には、30秒を計測するタイマをセットし、該タイマがタイムアウトした際に客待ちデモ画面を画像表示装置5に表示する。なお、計測中に変動パターンコマンド等を受信した場合には、該タイマをリセットし、計測を終了する。ステップS687の後、各保留記憶数保存領域に格納する保留記憶数をクリアする(ステップS688)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、又は処理を実行する(ステップS691)。そして、ステップS611に移行する。
図28は、図24に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、画像表示装置5の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により飾り図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理:遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理:飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理:変動パターンを構成する各変動状態の切替タイミング等を制御すると共に、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理:飾り図柄の変動を停止し表示結果を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理、変動パターンコマンド受信待ち処理のいずれかに対応した値に更新する。
大当り表示処理:大当りである場合には、変動時間の終了後、画像表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理に対応した値に更新する。
ラウンド中処理:ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理:ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理:画像表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に更新する。
図29は、図28に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理に対応した値に更新する(ステップS813)。
図30は、図28に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU120は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、及び表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータに応じて飾り図柄の表示結果を決定する(ステップS8002)。即ち、演出制御用CPU120によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターンに応じて、識別情報の可変表示の表示結果を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、擬似連を指定する変動パターンも用いる場合に、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU120は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄も決定する。なお、演出制御用CPU120は、決定した飾り図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドに基づいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図31は、画像表示装置5における飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図31に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」又は「8R確変大当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った飾り図柄の組合せを決定する。即ち、停止図柄に基づいては、いずれの大当りとなるのかを遊技者は認識できない構成となっている。
そして、「ハズレ」の場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。但し、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。また、画像表示装置5に導出表示される3図柄の組合せが飾り図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組み合わせを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組み合わせを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、ハズレを想起させるような停止図柄をハズレ図柄という。
そして、演出制御用CPU120は、予告演出を設定するための予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。ここでは、例えば、開始する変動が大当りであるか否か、大当りである場合はいずれの大当り種別であるか、又は読み出した変動パターン等に基づいて、所定の予告演出の実行の有無について決定する。
ステップS8003の後、演出制御用CPU120は、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
図32は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。即ち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って画像表示装置5等の演出装置の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ及び音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、画像表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で飾り図柄を表示させると共に表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データ及び音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御すると共に、スピーカ8L、8Rからの音出力を制御する。
図32に示すプロセステーブルは、演出制御基板12におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出や報知演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS8004等の処理で予告演出を実行することに決定された場合には、予告演出に対応したデータが設定されているプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、更に所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
ステップS8005の後、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容に従って演出装置を制御する(ステップS8006)。
ステップS8006の後、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS8008)。
図33は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU120は、飾り図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS861)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU120は、ステップS867に移行する。この実施の形態では、後述するように、飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS866で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS868で停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、ステップS861で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS862の飾り図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS867に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、記憶されている停止図柄を停止表示させる制御を行う(ステップS862)。なお、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの図柄確定指定コマンドの受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS862で大当り図柄を表示する場合には(ステップS863のY)、演出制御用CPU120は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS866)、ファンファーレフラグがセットされたか否か確認する(ステップS867)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS867のY)、演出制御用CPU120は、停止図柄表示フラグをリセットすると共に(ステップS868)、賞球報知演出を開始するための賞球報知開始処理を実行する(ステップS868A)。
「賞球報知演出」とは、払い出しを予定している賞球数をファンファーレ期間において表示する「賞球報知」と、賞球報知に対応する値を表示し、遊技球が大入賞口へ入賞する毎に、払い出される賞球の数だけ減算して表示する「状態表示」とを含む演出である。例えば、本実施の形態では、大入賞口へ遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数は「15」であるから、賞球報知として2250個の賞球の払い出しを予定していることを示す「2250 GET」が表示された場合、状態表示としては、遊技球が1個入賞する毎に「2235」、「2220」、「2205」・・・と切り替えて表示されるものである。
本実施の形態では、15R確変大当りである場合、賞球報知演出における報知パターンとしては、賞球報知として「2250 GET」を表示して状態表示を行うパターンと、賞球報知として「1200 GET」を表示すると共に状態表示を行い、ラウンド9において「1050 GET」を上乗せ報知するパターンとが設けられている。また、8R確変大当りである場合、賞球報知演出における報知パターンとしては、賞球報知として「1200 GET」を表示するパターンのみが設けられている。
また、本実施の形態では、ファンファーレ期間においてボタン演出を実行可能である。ボタン演出とは、遊技者にプッシュボタン31Bへの操作を促すとともに、所定の有効期間中にプッシュボタン31Bへの操作を受け付けた場合に、賞球報知として表示した値を切り替え可能な演出である。具体的に、15R確変大当りであり、賞球報知として「1200 GET」が表示され、ボタン演出においてプッシュボタン31Bへの操作を受け付けた場合、賞球報知の値を「1200」から「2250」へ切り替え可能である。なお、8R確変大当りであっても、ボタン演出が実行されることがあるが、有効期間中にプッシュボタン31Bへの操作を受け付けた場合であっても、賞球報知の値は切り替わることがない。なお、ボタン演出の実行可能回数は1回に限られず、ファンファーレ期間中や大当り遊技中に複数回のボタン演出を実行可能であることとしてもよい。
また、本実施の形態では、15R確変大当りとなった場合と、8R確変大当りとなった場合とで、共通の演出を実行することにより、いずれの大当り種別となったのかを遊技者に認識させ難くすることがある。その場合、ラウンド8において、昇格演出を行い、成功することによりラウンド9以降も大当りが継続することを報知する一方、失敗することによりラウンド8にて大当りが終了することを報知するものである。以下、成功する昇格演出を「昇格成功演出」、失敗する昇格演出を「昇格失敗演出」ということがある。即ち、15R確変大当りとなった場合には、ラウンド7まではいずれの大当り種別となったのかを遊技者に認識させ難い演出を行い、ラウンド8において昇格成功演出を実行可能である。一方、8R確変大当りとなった場合には、ラウンド7まではいずれの大当り種別となったのかを遊技者に認識させ難い演出を行い、ラウンド8において昇格失敗演出を実行可能である。
次いで、演出制御用CPU120は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS869)。次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS870)、プロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS870A)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値に設定する(ステップS871)。
また、ステップS863で大当り図柄を表示しない場合(即ち、ハズレ図柄を表示する場合:ステップS863のN)は、演出制御用CPU120は、所定のフラグをリセットする(ステップS864)。例えば、演出制御用CPU120は、コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU120は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に応じた値に更新する(ステップS865)。
図34は、賞球報知開始処理を示すフローチャートである。賞球報知開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、賞球報知演出における報知パターンを決定するための報知パターン決定抽選を実行する(ステップS3301)。具体的には、図35に示す報知パターン決定抽選テーブルを用いて賞球報知演出における報知パターンを決定する。
図35は、報知パターン決定抽選テーブルを示す説明図である。図35に示す各報知パターン決定抽選テーブルには報知パターンに対応する判定値が割り当てられているが、図35に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU120は、例えば、報知パターン決定抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
報知パターンには、パターン名、ファンファーレ期間における賞球包囲の表示態様、ボタン演出の有無、及び昇格演出についての情報が含まれている。なお、ボタン演出を実行する報知パターンにおけるファンファーレ表示としては、ボタン演出の前後の報知態様を示している。例えば、Pt2の場合にはボタン演出実行前に「1200」を表示し、ボタン演出実行後に「2250」に切り替えることを示している。また、例えば、Pt4,Pt6の場合にはボタン演出実行前に「1200」を表示し、ボタン演出実行後にも「1200」を表示することを示している。
なお、Pt1〜Pt4は、大当り種別が15R確変大当りである場合に選択される報知パターンである。Pt5,Pt6は、大当り種別が8R確変大当りである場合に選択される報知パターンである。
具体的に、Pt1は、賞球報知として「2250 GET」を表示することにより、15R確変大当りとなったことを報知する報知パターンである。Pt2は、ボタン演出後の賞球報知が「2250 GET」に切り替えて表示することにより、15R確変大当りとなったことを報知する報知パターンである。Pt3は、ボタン演出を行うことなく賞球報知として「1200 GET」を表示することにより8R確変大当りである可能性を示唆した後に、昇格成功演出を行うことにより15R確変大当りとなったことを報知する報知パターンである。Pt3は、ボタン演出を行っても賞球報知が「1200 GET」から切り替わらないことにより8R確変大当りである可能性を示唆した後に、昇格成功演出を行うことにより15R確変大当りとなったことを報知する報知パターンである。Pt5は、ボタン演出を行うことなく賞球報知として「1200 GET」を表示することにより8R確変大当りである可能性を示唆した後に、昇格失敗演出を行うことにより8R確変大当りとなったことを報知する報知パターンである。Pt6は、ボタン演出を行っても賞球報知が「1200 GET」から切り替わらないことにより8R確変大当りである可能性を示唆した後に、昇格失敗演出を行うことにより8R確変大当りとなったことを報知する報知パターンである。
図35(a)は、15R確変大当りである場合に用いられる第1報知パターン決定抽選テーブルを示す説明図である。例えば、15R確変大当りである場合、報知パターンとしてPt1が40%の割合で、Pt2が30%の割合で、Pt3が20%の割合で、Pt4が10%の割合で、決定されるものである。
図35(b)は、8R確変大当りである場合に用いられる第2報知パターン決定抽選テーブルを示す説明図である。例えば、8R確変大当りである場合、報知パターンとしてPt5が30%の割合で、Pt6が70%の割合で、決定されるものである。
このように、15R確変大当りである場合にはPt3が選択され難い構成とすることにより、ボタン表示が行われずにファンファーレ期間における賞球報知の値が「1200」である場合には、15R確変大当りに対する信頼度が低い構成となっている。
また、15R確変大当りである場合にはPt4が選択され難く、8R確変大当りである場合にはPt6が選択され難い構成とすることにより、ボタン表示が行われてもファンファーレ期間における賞球報知の値が「1200」である場合には、15R確変大当りに対する信頼度が低い構成となっている。
ステップS3301の後、演出制御用CPU120は、決定された報知パターンがPt1であるか否かを判定し(ステップS3302)、Pt1であれば、賞球報知数Sに「2250」をセットし(ステップS3303)、ステップS3304Aへ移行する。賞球報知数Sとは、払い出しを予定している残余賞球数として表示する値である。ステップS3302において、Pt2〜Pt6のいずれかであれば、演出制御用CPU120は、賞球報知数Sに「1200」をセットし(ステップS3304)、ステップS3304Aへ移行する。
ステップS3304Aにおいては、演出制御用CPU120は、賞球報知数Sに基づいた賞球報知を実行する(ステップS3304A)。具体的には、賞球報知数Sが「2250」であれば「2250 GET」といった表示を、賞球報知数Sが「1200」であれば「1200 GET」といった表示を行う。なお、賞球報知数Sが最大値である場合には、具体的な値を含まない表示を行うものであってもよい。
なお、本実施の形態では、ボタン演出においてプッシュボタン31Bへの操作を検出しないまま有効期間が終了した場合であっても、賞球報知の表示を切り替え可能な構成としたが、これに限るものではなく、有効期間が終了するまでプッシュボタン31Bへの操作を検出しなかった場合には賞球報知の表示の切り替えを行わない構成としてもよい。
その後、演出制御用CPU120は、決定した報知パターンがPt2,Pt4,Pt6のいずれかであるか否かを判定し(ステップS3305)、Pt2,Pt4,Pt6のいずれかでなければ、そのまま賞球報知開始処理を終了する。Pt2,Pt4,Pt6のいずれかであれば、プッシュボタン31Bへの操作の有効期間であることを示す有効期間フラグをセットし(ステップS3306)、プッシュボタン31Bへの操作を促す操作指示報知を開始し(ステップS3307)、賞球報知開始処理を終了する。操作指示報知としては、本実施の形態では、画像表示装置5にプッシュボタン31Bの操作を促す旨を示す画像を表示することとするが、これに限るものではなく、スピーカ8L、8Rから所定の音声を出力したり、プッシュボタン31Bに内蔵された発光部材を発光させたりすることとしてもよい。また、本実施の形態では、ファンファーレ期間の開始時からボタン演出の有効期間が開始されることとしたが、これに限るものではなく、ファンファーレ期間が開始されて所定期間が経過した後であっても、ファンファーレ期間が開始されるより前であっても、ラウンド1が開始されるタイミングであっても、ラウンド1が開始された後の所定のタイミングから有効期間が設けられていることとしてもよい。
図36は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU120は、有効期間フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3501)、セットされていなければ、ステップS1902へ移行する。
有効期間フラグがセットされている場合、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bへの操作を受け付けたか(ステップS3502のY)、又は有効期間終了タイミングである場合(ステップS3502のN、S3503のY)、有効期間フラグをリセットし(ステップS3504)、報知パターンがPt2であるか否かを判定する(ステップS3505)。Pt2でなければ、ステップS1902へ移行する。Pt2であれば、賞球報知数Sに「2250」をセットし(ステップS3506)、賞球報知数Sに基づいた賞球報知を実行する(ステップS3507)。具体的には、「2250 GET」といった表示、又は具体的な値を含まない表示を行う。これにより、賞球報知の表示が「1200
GET」から「2250 GET」に切り替わることとなる。
このように、本実施の形態では、大当り表示処理においてボタン演出を実行可能であることとしたが、飾り図柄変動停止処理においてボタン演出を実行可能であることとしてもよい。
ステップS1902では、演出制御用CPU120は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS1903)。プロセスデータnとは、ステップS869において選択されたファンファーレ演出のプロセステーブルにおけるデータであり、プロセスタイマがタイムアウトする毎にステップS1905において切り替えられたデータである。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS1905)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータに切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、即ち、ラウンド1の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU120は、賞球報知を終了すると共に、賞球報知数Sに基づいた状態表示を開始する(ステップS1907A)。具体的には、画像表示装置5の略右下に賞球報知数Sの値を表示することにより状態表示を行う。賞球報知数Sは大入賞口への入賞が発生することに基づいて変化する値であるため、賞球報知数Sが変化したことに基づいて状態表示も変化するものとなっている。その後、演出制御用CPU120は、その大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS1907)。
次いで、演出制御用CPU120は、ラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS1908)。そして、演出制御用CPU120は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1909)、プロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS1910)。
次いで、演出制御用CPU120は、第1大入賞口や第2大入賞口への遊技球の入賞数をカウントするための入賞カウンタを初期化する(ステップS1911)。即ち、入賞カウンタの値を0にする。
次いで、演出制御用CPU120は、ソレノイド17を駆動して可変入球装置43を開放状態に制御する(ステップS1912)。また、演出制御用CPU120は、入球口LED43Aの点灯を開始する制御を行う(ステップS1913)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理に対応した値に設定する(ステップS1914)。
図37は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2901)。大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS2901のN)、演出制御用CPU120は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS2902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS2903)。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS2904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS2905)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータに切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS2906)。
次いで、演出制御用CPU120は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2907)。大入賞口入賞フラグがセットされていれば、演出制御用CPU120は、大入賞口入賞フラグをリセットする(ステップS2908)。また、演出制御用CPU120は、入賞カウンタの値を1加算する(ステップS2909)。また、演出制御用CPU120は、賞球報知数Sから「15」を減算し(ステップS2910)、賞球報知数Sに基づいて状態表示を変化させる(ステップS2910A)。具体的には、状態表示として表示している値を、減算された後の賞球報知数Sの値に更新する。
その後、演出制御用CPU120は、賞球報知数Sが「0」であるか否かを判定し(ステップS2911)、「0」でなければステップS2913に移行する。「0」であれば、スピーカ8L、8Rから特定の音声を出力する特別演出を実行する(ステップS2912)。これにより、遊技者に高揚感を与えることができ、興趣の向上を図ることができる。また、特別演出として音による演出を実行することにより、表示による演出を実行する場合と比較して処理負担を低減することができる。
次いで、演出制御用CPU120は、入球検出スイッチ19がオンとなっているか否かを確認する(ステップS2913)。入球検出スイッチ19がオンとなっていれば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において普通入賞獲得表示を表示する制御を行う(ステップS2914)。例えば、画像表示装置5において「+3」等の表示を行い、普通入賞ゲート33の遊技球の通過によって3個の賞球が得られたことを報知する表示を行う。
なお、図37に示すフローチャートでは処理を簡略化して記載しているが、より具体的には、ステップS2914の普通入賞獲得表示を表示する処理として、入球検出スイッチ19のオンを1回検出したことに基づいて、例えば、普通入賞獲得表示を所定期間表示する制御を行う。具体的には、入球検出スイッチ19のオンを検出したときに画像表示装置5において普通入賞獲得表示の表示を開始すると共に所定のタイマに所定期間に相当する値をセットし、その後、その所定のタイマがタイムアウトしたときに画像表示装置において普通入賞獲得表示を消去するように制御すればよい。
ステップS2901において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS2901のY)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後フラグをリセットする(ステップS2920)。
次いで、演出制御用CPU120は、インターバル演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS2921)。そして、演出制御用CPU120は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS2922)、プロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS2923)。
次いで、演出制御用CPU120は、ソレノイド17の駆動を停止して可変入球装置43を閉鎖状態に制御する(ステップS2924)。また、演出制御用CPU120は、入球口LED43Aの点灯を終了する制御を行う(ステップS2925)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS2926)。
図38〜図40は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU120は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3901)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS3901のN)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3902)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS3902のN)、演出制御用CPU120は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS3903)、プロセスデータnの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS3904)。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS3905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS3906)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータに切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS3907)。
次いで、演出制御用CPU120は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3917)。大入賞口入賞フラグがセットされていれば、演出制御用CPU120は、大入賞口入賞フラグをリセットする(ステップS3918)。また、演出制御用CPU120は、入賞カウンタの値を1加算し(ステップS3919)、加算後の入賞カウンタの値が11以上となっているか否かを確認する(ステップS3920)。加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていなければ、ステップS3924に移行する。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合である。「オーバー入賞」とは、例えば、この実施の形態では、大当り遊技中におけるラウンド毎の大入賞口への遊技球の入賞数の上限数が定められているのであるが、その上限数を超えて大入賞口に遊技球が入賞することである。例えば、この実施の形態では、大当り遊技中の各ラウンドにおいて所定の開放時間が経過する前であっても、大入賞口への10個目の入賞を検出すれば大入賞口が閉鎖状態に制御されるのであるが、その大入賞口の閉鎖直前に遊技球が入賞したような場合に11個目や12個目の入賞となりオーバー入賞が発生する場合がある。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば、演出制御用CPU120は、既にオーバー入賞の発生を報知したことを示す報知済フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3921)、セットされていれば、そのままラウンド後処理を終了する。また、報知済フラグがセットされていなければ、オーバー入賞の発生を報知するオーバー入賞報知を行い(ステップS3922)、報知済フラグをセットし(ステップS3923)、ラウンド後処理を終了する。ステップS3922では、具体的に、遊技効果ランプ9を発光させることによりオーバー入賞の発生を報知することとするが、これに限るものではない。例えば、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、又は大入賞口に内蔵された発光部材を用いてオーバー入賞の発生を報知することとしてもよい。また、オーバー入賞ではない大入賞口への入賞が発生した場合には所定のLEDを白色に発光させると共に、オーバー入賞が発生した場合には該所定のLEDをレインボー発行させることとしてもよい。ステップS3920〜S3923を行うことにより、2球以上のオーバー入賞が発生した場合であっても、1回しかオーバー入賞報知を行わないこととしている。これにより、遊技者に煩わしさを感じさせることなくオーバー入賞報知を行うことができる。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていない場合、演出制御用CPU120は、賞球報知数Sから「15」を減算し(ステップS3924)、減算後の賞球報知数Sに基づいた値に状態表示を変化させる(ステップS3924A)。そして、賞球報知数Sが「0」であるか否かを判定し(ステップS3925)、「0」でなければそのままラウンド後処理を終了する。「0」であれば、スピーカ8L、8Rから特定の音声を出力する特別演出を実行する(ステップS3926)。これにより、賞球報知演出において報知する値が「0」になったことを遊技者に示唆することができ、興趣の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態では、ラウンドが終了した後に大入賞口への入賞を検出し、該入賞がオーバー入賞でない場合には状態表示を変化させると共に、賞球報知数Sが「0」であれば特別演出を実行することとしたが、これに限るものではなく、ラウンド後に入賞を検出した場合には、オーバー入賞であるか否かにかかわらず状態表示の変化及び特別演出を実行しないものであってもよい。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ200側で入賞カウンタを用いて受信した大入賞口入賞指定コマンドの数をカウントし、入賞カウンタの値が11以上となったことに基づいてオーバー入賞と判定する場合を示しているが、そのような態様に限られない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で大入賞口への入賞数が11以上となったか否かを判定してオーバー入賞が発生したか否かを判定するようにしてもよい。そして、オーバー入賞であるか否かに応じて異なる大入賞口入賞指定コマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ200側では、いずれの大入賞口入賞指定コマンドを受信したかにもとづいて、オーバー入賞であるか否かを認識するように構成してもよい。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS3902のY)、演出制御用CPU120は、セットされていれば報知済フラグをリセットし(ステップS3931)、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS3932)。
次いで、演出制御用CPU120は、次に開始するラウンドがラウンド8であるか否かを確認する(ステップS3932)。なお、ラウンド8であるか否かは、例えば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。次に開始するラウンドがラウンド8であれば、演出制御用CPU120は、報知パターンがPt3〜Pt6のいずれかであるか否かを判定する(ステップS3934)。Pt3〜Pt6のいずれかであれば、昇格演出を含むラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS3935)。その際、報知パターンがPt3又はPt4であれば昇格成功演出を含むラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択し、報知パターンがPt5又はPt6であれば昇格失敗演出を含むラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択するものである。ステップS3933においてラウンド8でなければ、又はステップS3934において報知パターンがPt1又はPt2であれば、演出制御用CPU120は、通常のラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS3936)。
なお、この実施の形態では、例えば、昇格演出として画像表示装置5において味方キャラクタが敵キャラクタと戦闘する表示を行う。そして、昇格成功演出においては味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する表示を行う一方で、昇格失敗演出においては味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する表示を行う。即ち、昇格演出において、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すればラウンド9以降も大当りが継続することが報知される一方で、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北すればラウンド8にて大当りが終了することが報知されるものである。
ステップS3935又はステップS3936の後、演出制御用CPU120は、次に開始するラウンドがラウンド9であるか否かを確認する(ステップS3937)。なお、ラウンド9であるか否かは、例えば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。次に開始するラウンドがラウンド9であれば、演出制御用CPU120は、報知パターンがPt3又はPt4であるか否かを判定する(ステップS3938)。Pt3又はPt4のいずれかであれば、賞球報知数Sに「1050」をセットし(ステップS3939)、新たな賞球報知数Sに基づいた賞球報知演出を実行すると共に、新たな賞球報知数Sに基づいた状態表示を開始する(ステップS3939A)。具体的には、賞球報知として「1050 GET」といった表示を行うと共に、状態表示として画像表示装置5の略右下に「1050」を表示する。
なお、報知パターンとしてPt3又はPt4が選択されている場合、ラウンド1〜ラウンド8の間の各ラウンドにおいて10回以上の入賞が発生していれば、ラウンド8の終了時には状態表示として「0」が表示されていることとなる。そこで、ラウンド9においてステップS3939Aを行うことにより、状態表示が「0」から「1050」に上乗せされたように遊技者に見せることができる。
なお、本実施の形態では、昇格成功演出を行った次のラウンドであるラウンド9において、上乗せした賞球報知数Sに基づいた賞球報知を行うこととしたが、これに限るものではない。例えば、昇格成功演出を行うラウンド8において「1050 GET」といった賞球報知を行うこととしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS3940)、プロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS3941)。
次いで、演出制御用CPU120は、入賞カウンタを初期化する(ステップS3943)。即ち、入賞カウンタの値を0にする。
次いで、演出制御用CPU120は、ソレノイド17を駆動して可変入球装置43を開放状態に制御する(ステップS3944)。また、演出制御用CPU120は、入球口LED43Aの点灯を開始する制御を行う(ステップS3945)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグをラウンド中処理に対応した値に設定する(ステップS3946)。
ステップS3901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときは(ステップS3901のY)、演出制御用CPU120は、セットされていれば報知済フラグをリセットし(ステップS3951)、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS3952)。
次いで、演出制御用CPU120は、エンディング演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS3953)。また、演出制御用CPU120は、大当り遊技終了時のエンディング期間に対応した値を、大当り遊技の終了時に実行するエンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマにセットする(ステップS3954)。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS3955)、プロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS3956)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値に設定する(ステップS3957)。
なお、この実施の形態では、図36に示す大当り表示処理、図37に示すラウンド中処理、及び図38〜図40に示すラウンド後処理において、大入賞口開放中フラグがセットされたことに基づいて可変入球装置43が開放状態に制御され、大入賞口開放後フラグがセットされたことに基づいて可変入球装置43が閉鎖状態に制御される。したがって、この実施の形態では、可変入球装置43は、特別可変入賞球装置7が開放状態に制御される周期と全く同様の周期により開放状態に制御される。
また、この実施の形態では、図21に示す大入賞口開放中処理で示したように、大当り遊技のラウンド中に特別可変入賞球装置7への遊技球の入賞数が所定数に達すると特別可変入賞球装置7を閉鎖状態に制御するのに対して、図37に示すラウンド中処理ではそのような処理は行わず、可変入球装置43に入球した遊技球が所定数に達しても可変入球装置43を閉鎖状態に制御する処理は行わない。そのような構成により、この実施の形態では、可変入球装置43への遊技球の入球数には制限がないので、遊技に対する興趣を向上できるようにしている。
なお、必ずしも可変入球装置43と特別可変入賞球装置7とが開放状態に制御される周期を全く同じ周期としなくてもよい。例えば、大当り遊技中の全てのラウンドで可変入球装置43を開放状態に制御するのではなく、一部のラウンドのみ可変入球装置43を開放状態に制御する開放パターンを設ける等、複数種類の開放パターンを設けるように構成してもよい。また、例えば、インターバル期間中も可変入球装置43の開放状態を維持して大当り遊技中にわたって継続して可変入球装置43を開放状態に制御する開放パターンを設けるように構成してもよい。
また、例えば、大当り遊技中に、保留記憶の中に大当りとなるものがあるか否かを判定して大当り遊技中の先読み予告演出を実行するように構成した遊技機において、大当り遊技中にわたって継続して可変入球装置43を開放状態に制御する開放パターンで可変入球装置43を開放状態に制御することによって、保留記憶の中に大当りとなるものがあることを予告するように構成してもよい。また、例えば、可変入球装置43の開放パターンを複数種類設けるように構成した場合には、いずれの開放パターンで可変入球装置43が開放状態に制御されたかによって、保留記憶の中に大当りとなるものがある期待度が異なるように構成してもよい。また、例えば、保留記憶の中に大当りとなるものがある期待度に応じて、可変入球装置43の開放中に実行する演出を異ならせるように構成してもよい。
図41は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS971)。なお、演出期間計測タイマは、ラウンド後処理において、大当り遊技の全てのラウンドを終了したことに基づいてセットされる。次いで、演出制御用CPU120は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS972)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS972のN)、演出制御用CPU120は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS973)、プロセスデータnの内容に従って演出装置を制御する処理を実行する(ステップS974)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタを表示させたりする演出を実行する。
そして、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS975)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS976)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS977)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS972のY)、演出制御用CPU120は、所定のフラグをリセットする(ステップS978)。例えば、演出制御用CPU120は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや第2図柄変動指定コマンド受信フラグ等のコマンド受信フラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に応じた値に更新する(ステップS980)。
図42は、本実施の形態における画像表示装置5の表示例を示す説明図である。図42に示す表示例は、15R確変大当りが発生し、報知パターンがPt1である場合の表示例について示している。例えば、大当り変動が終了すると、図42(A)に示すように、ファンファーレ演出が実行されると共に、賞球報知410が開始され「2250 GET」が表示される。ラウンド1が開始されたときには、図42(B)に示すように状態表示412が「2250」から開始される。そして、大入賞口への遊技球の入賞が発生する度に状態表示412が更新され、9回の入賞が発生した場合には、図42(C)に示すように状態表示412が「2115」に変化される。その後、ラウンド1としての大入賞口の開放中に2個の遊技球が入賞した場合、1個目の遊技球の入賞に基づいて状態表示412が「2100」に変化されるとともに、2個目の遊技球の入賞に基づいては状態表示412が変化されないまま、ラウンド1が終了する。この場合、図42(D)に示すように、状態表示412が「2100」として表示された状態でラウンド2が開始されることとなる。
また、この実施の形態では、大当り遊技中に、賞球報知に加えて、入賞役物50の普通入賞ゲート33を遊技球が通過し可変入球装置43に遊技球が入球した場合に、普通入賞獲得表示が表示される場合がある。図43は、普通入賞獲得表示の表示例を示す説明図である。図43に示すように、大当り遊技中に、普通入賞ゲート33を遊技球が通過し可変入球装置43に遊技球が入球すると、画像表示装置5において普通入賞獲得表示500が表示される。図43に示す例では、普通入賞獲得表示として「+3」が表示され、大入賞口への入賞によって得られる賞球とは別に3個の賞球が得られたことを報知する表示が行われる。
なお、この実施の形態では、普通入賞ゲート33を遊技球が通過し可変入球装置43に遊技球が入球したことに基づいて「+3」等の普通入賞獲得表示を表示する場合を示しているが、そのような態様に限られない。例えば、可変入球装置43に遊技球が入球する毎にスピーカ8L、8Rから所定の入賞音を出力するように構成してもよい。また、例えば、画像表示装置5において所定のメータ表示を行い、可変入球装置43への遊技球の入球に応じてメータの目盛が徐々に増加するような表示を行ってもよい。
また、例えば、普通入賞ゲート33を遊技球が通過し可変入球装置43に遊技球が入球する毎に賞球数の累積数を表示するように構成してもよい。また、例えば、普通入賞ゲート33を通過し可変入球装置43に入球した遊技球の数を計数して表示するように構成してもよい。
また、例えば、可変入球装置43に遊技球が入賞したことにもとづいて、賞球報知410の状態表示412に示される数値を3減算した数値に更新して表示するように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技媒体が通過可能な所定領域と、遊技媒体が通過可能な所定領域とは異なる特殊領域と、遊技媒体が特殊領域を通過した後に進入可能な特殊進入部とを備える。また、所定領域は、遊技媒体が通過することによって可変表示が開始されると共に遊技媒体が付与される。また、特殊領域は、遊技媒体が通過しても可変表示は開始されない一方で、遊技媒体が通過することによって遊技媒体が付与される。そして、特殊領域を通過したが特殊進入部に進入しなかった遊技媒体を排出するための特殊排出領域を備える。そのため、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制することができる。具体的には、通常の第1アウト口41から排出される遊技球と混同されることを防止し、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、「遊技媒体が通過」とは、例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口のように遊技球が入賞するものと、普通入賞ゲート33のように遊技球が通過するものとの両方を含む概念である。また、「遊技媒体が進入」とは、例えば、可変入球装置43のように遊技球が入球するものの賞球が払い出されないものを示す概念である。
また、この実施の形態によれば、特殊排出領域とは異なる通常の排出領域を備える。そして、特殊排出領域は、通常の排出領域と比較して特殊進入部の近傍に配置されている。そのため、可変入球装置43に入球しなかった遊技球が排出されるまでの期間を短くして、入球せずに排出されることが認識され難くすることにより、遊技者に対して損をしていないように見せることができる。
また、この実施の形態によれば、特殊進入部は、所定状態に制御されているときに遊技媒体が進入可能な状態に変化可能な可変進入装置として形成されている。そのため、所定状態に制御されているときにおける興趣を向上させることができる。
特に、この実施の形態では、所定状態として大当り遊技状態中に可変入球装置43が開放状態に制御されるので、特別可変入賞球装置7への入賞により得られる賞球に加えて、可変入球装置43に入球したときにも賞球が得られるように見せることができ、大当り遊技中において賞球が得られることに対する高揚感を更に高めることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技媒体が入賞可能な第1状態と遊技媒体が入賞困難又は不可能な第2状態とに変化可能な可変入賞手段を備え、有利状態に制御されているときに可変入賞手段を第1状態に変化させる。また、特殊進入部を遊技媒体が進入可能な状態に変化させ、可変入賞手段を第1状態に変化させる周期と同様の周期により特殊進入部を遊技媒体が進入可能な状態に変化させる。そのため、特殊進入部が、遊技媒体が進入可能な状態に変化する周期を遊技者に認識しやすくすることができる。
また、この実施の形態によれば、可変入賞手段を第1状態に変化させた後、少なくとも可変入賞手段に遊技媒体が所定数入賞することに基づいて可変入賞手段を第2状態に制御可能である。一方で、特殊進入部を遊技媒体が進入可能な状態に変化させた後、特殊進入部に遊技媒体が所定数進入しても特殊進入部を遊技媒体が進入不能な状態に変化させる制御を行わない。そのため、特殊進入部への遊技媒体の進入数には制限がないので、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、可変入球装置43は演出制御用マイクロコンピュータ200によって制御される部品であり、一種の演出用の役物として機能するものとも言える。そのため、可変入球装置43と同様又は類似の遊技球が入球可能な可変入球装置を遊技盤2の盤面上に複数配置するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技媒体が入賞可能な第1状態と遊技媒体が入賞困難又は不可能な第2状態とに変化可能な可変入賞手段と、所定期間が経過すること、又は遊技媒体が所定数入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段を第1状態に変化させることが可能な単位遊技を所定回数実行する有利状態に制御可能な有利状態制御手段と、可変入賞手段に遊技媒体が入賞した場合に、所定の価値を付与する価値付与手段と、有利状態において付与可能な価値に対応した報知を行う報知手段と、報知に対応した特定状態へ向けて、可変入賞手段へ遊技媒体が入賞した場合に変化する状態表示を実行可能な状態表示手段とを備え、状態表示手段は、有利状態における一の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞した場合、状態表示の変化を制限することとした。これにより、可変入賞手段へ遊技媒体が所定数より多い特定数入賞した場合に変化を制限するため、付与可能であるものとして報知した価値の大きさと、実際に付与されたものとして報知した価値の大きさとで矛盾が生じることを防止することができる。
また、本実施の形態では、予定賞球数の値を「状態表示」として表示することとしたため「特定状態」が「0」表示であることとなったが、払出済賞球数の値を「状態表示」として表示することとした場合には「特定状態」が「2250」や「1200」といった表示となるものである。また、ゲージが減少するメータを「状態表示」として表示する場合には、該メータのゲージが最小値を示す状態が「特定状態」であり、ゲージが増加するメータを「状態表示」として表示する場合には、該メータのゲージが最大値を示す状態が「特定状態」である。
また、本実施の形態では、報知手段は、付与可能な価値が最大であった場合には特定報知を行うこととした。これにより、最大の価値が付与されることを遊技者が認識可能であるため、興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、状態表示が特定状態に変化したときに特別演出を実行する特別演出実行手段を備えたこととした。これにより、遊技者に高揚感を与えることができ、興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態では、報知手段は、報知内容の異なる複数種類の報知を、それぞれ異なるタイミングにおいて実行可能であることとした。これにより、興趣を向上させることができる。
なお、報知タイミングについては、ファンファーレ期間中に限るものではない。例えば、変動中や、大当り遊技状態におけるラウンドが開始された後の所定のタイミングを報知タイミングとするものであってもよい。また、予め定められたタイミングにおいて報知を行うこととしてもよいし、状態表示が所定の態様となったタイミングにおいて報知を行うこととしてもよい。
また、本実施の形態では、一の単位遊技において、遊技媒体が所定数を超えて可変入賞手段に入賞したことに基づいて、特定演出を実行可能な特定演出実行手段を備え、特定演出実行手段は、所定数目の入賞と所定数目の入賞の後の入賞とが特定期間内において連続したときに、特定演出の実行を制限することとしてもよい。そのような構成によれば、興趣の低下を防止することができる。
また、本実施の形態では、報知手段は、状態表示が特定状態に変化された後、更に付与可能な価値に対応した特別報知を実行可能であることとした。これにより、特定状態へ変化した場合であっても期待感を持続させることができる。
ところで、このようなパチンコ遊技機1において、例えば、識別情報の可変表示の開始時に識別情報の表示態様を視認困難等とする所定の予告演出を実行可能なものが知られているが、識別情報の表示態様を視認困難等とする所定の予告演出によって識別情報の動き出しが分かり難くなってしまうという問題がある。
そこで、第2の実施の形態では、識別情報の動き出しが分かり難くなってしまうことを防止し、遊技の興趣を向上させるパチンコ遊技機1について説明する。
なお、第2の実施の形態では、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、識別情報の動き出しが分かり難くなってしまうことを防止し、遊技の興趣を向上させるための構成に注視して説明するが、これは一例である。パチンコ遊技機1は、第1の実施の形態のような、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制するための構成を共に備えていてもよい。
図44は、第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。図45は、パチンコ遊技機1に搭載された各種の制御基板等を示す構成図である。本実施形態におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。それぞれの飾り図柄表示エリアにて可変表示される複数種類の飾り図柄には、例えば「1」〜「9」のいずれかといった、互いに異なる図柄番号が付されていればよい。このような飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5R、5Cにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄の可変表示が同期するとは、可変表示の開始と終了が同程度のタイミングにて行われ、可変表示の期間が同程度となることである。飾り図柄を示す演出画像は、識別情報画像ともいう。したがって、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、識別情報画像となる飾り図柄を示す演出画像の可変表示が行われ、表示結果となる確定飾り図柄を示す演出画像が導出される。
例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような飾り図柄の表示状態は、飾り図柄の仮停止表示ともいい、飾り図柄の可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、飾り図柄の仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、第1保留表示部5HLと、第2保留表示部5HRとが配置されている。第1保留表示部5HLは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。第2保留表示部5HRは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が未だ成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算される。なお、第1始動入賞が発生したときに、第1特図保留記憶数が所定の上限値に達していれば、第1始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。また、第2始動入賞が発生したときに、第2特図保留記憶数が所定の上限値に達していれば、第2始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払い出しのみが行われてもよい。
第1保留表示部5HLでは、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第2保留表示部5HRでは、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
第1保留表示部5HLは、例えば右詰めで第1保留表示が行われるように構成されていればよい。第1保留表示部5HLには、第1特図保留記憶数の上限値である「4」に合わせた4つの表示部位が設けられ、右端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第1始動条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームの保留数が増加したときには、第1保留表示部5HLに他の第1保留表示がなければ、第1保留表示部5HLにおいて保留番号「1」に対応した右端の表示部位にて、増加分の第1特図保留記憶数に対応する保留表示として、新たな第1保留表示を追加する。第1保留表示部5HLに他の第1保留表示があれば、新たな第1保留表示を、他の第1保留表示が行われている表示部位の左隣にて非表示となっている表示部位に追加する。第1保留表示部5HLに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、第1保留表示部5HLにおいて保留番号「1」に対応した右端の表示部位における第1保留表示を消去すると共に、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示のそれぞれを、消去した表示部位の方向に移動させる。このように、第1保留表示部5HLは、未だ開始されていない第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームに対応する保留表示が行われるように構成されている。
第2保留表示部5HRは、例えば左詰めで第2保留表示が行われるように構成されていればよい。第2保留表示部5HRには、第2特図保留記憶数の上限値である「4」に合わせた4つの表示部位が設けられ、左端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第2始動条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームの保留数が増加したときには、第2保留表示部5HRに他の第2保留表示がなければ、第2保留表示部5HRにおいて保留番号「1」に対応した左端の表示部位にて、増加分の第2特図保留記憶数に対応する保留表示として、新たな第2保留表示を追加する。第2保留表示部5HRに他の第2保留表示があれば、新たな第2保留表示を、他の第2保留表示が行われている表示部位の右隣にて非表示となっている表示部位に追加する。第2保留表示部5HRに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、第2保留表示部5HRにおいて保留番号「1」に対応した左端の表示部位における第2保留表示を消去すると共に、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示のそれぞれを、消去した表示部位の方向に移動させる。このように、第2保留表示部5HRは、未だ開始されていない第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームに対応する保留表示が行われるように構成されている。
第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRと共に、あるいは第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図44に示す例では、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値に対応した個数のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の画面の左上方部には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rよりも小さい小図柄表示エリア5Vが設けられている。小図柄表示エリア5Vでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示と同期して、小図柄の可変表示が行われる。小図柄を示す演出画像は、報知情報画像ともいう。したがって、画像表示装置5の画面上に設けられた小図柄表示エリア5Vでは、報知情報画像となる小図柄を示す演出画像の可変表示が行われ、表示結果となる確定小図柄を示す演出画像が導出される。
このように、画像表示装置5の画面上では、飾り図柄とは異なる小図柄の可変表示が行われる。飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定飾り図柄が導出されるまでの期間では、小図柄の可変表示が一定の表示態様で継続して行われ、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることがない。したがって、小図柄表示エリア5Vは、常に視認可能となるように構成され、遊技者は、小図柄表示エリア5Vにおける小図柄の可変表示を、常に視認することができる。小図柄表示エリア5Vにて可変表示される小図柄は、常時小図柄あるいは演出用小図柄ともいう。小図柄表示エリア5Vでは、例えば飾り図柄において数字を示す部位と同様に数字を示す図柄といった、複数種類の飾り図柄のそれぞれと一部又は全部が共通する表示態様で、各々が識別可能な複数種類の小図柄を示す演出画像が、報知情報画像として可変表示されてもよい。なお、小図柄は、飾り図柄が非表示のときのみ表示されるようにしてもよい。小図柄の可変表示は、後述の全画面予告演出の実行期間において視認困難又は視認不可能としてもよい。
なお、特別図柄と飾り図柄、更には普通図柄とに次ぐ第4図柄が設けられ、特別図柄や飾り図柄の可変表示と同期して、第4図柄の可変表示が行われることがある。第4図柄の可変表示は、例えば画像表示装置5の画面上又は画面外に設けられた第4図柄表示エリアにて、特定の表示色で一定の時間間隔にて表示と非表示とを繰り返す表示制御を継続することによって実現される。但し、第4図柄の可変表示における表示結果と比べた場合に、小図柄の可変表示における表示結果は、遊技者が認識し易い態様で表示されるようにしてもよい。
また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、例えば図44に示すパチンコ遊技機1における遊技領域の右側方といった、画像表示装置5の表示画面とは離れた位置に設けられている。そのため、画像表示装置5における表示による演出に注目している遊技者は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示状態を確認し難くなり、特別図柄の可変表示が進行中であるか否かや、表示結果が導出されたか否かを認識することが困難になる場合がある。これに対し、画像表示装置5の画面上に設けられた小図柄表示エリア5Vにおいて小図柄の可変表示を行い、その表示結果を導出することで、可変表示が進行中であるか否かや、表示結果が導出されたか否かを、遊技者が認識し易い態様で表示することができる。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図45に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入し難いように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過可能な開放状態又は拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過不可能な閉鎖状態又は通過困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図45に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図45に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図45に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過し易くなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過した遊技球は、例えば図45に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能又は困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームと称される。普通図柄表示器20の上方には、図45のゲートスイッチ21を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する普図保留表示器25Cが設けられている。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手で把持した状態において、所定の操作指で押引操作すること等により所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサと、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサとを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン31Bに対して成された遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図45に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤等の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等に対し点灯と消灯の制御を行い第1特図と第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20に対し点灯と消灯と発色の制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111等が搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9や装飾用LED等を点灯する動作と消灯する動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LED等を点灯及び消灯するための駆動電流等を供給するランプドライバ回路等が搭載されている。
図45に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。また、演出制御コマンドには、異常の報知を指示する異常入賞報知コマンドも含まれる。異常報知コマンドが主基板11から演出制御基板12に対して伝送されると、後述のように、演出制御基板12の制御の下でエラー報知処理が実行される。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODEを示し、2バイト目はEXTを表す。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105等は外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104等により、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104等のハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的又は不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。こうして、演出制御用CPU120は、主基板11から演出制御コマンドとして伝送された各種情報に基づいて、パチンコ遊技機1が備える演出用の電気部品としての演出装置を制御する。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。更に、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。一例として、演出制御基板12の側では、飾り図柄の可変表示における停止図柄決定用の乱数値や、予告演出決定用の乱数値といった、各種の演出決定用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。
図45に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データや終了コード等を含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御パターンに含まれる演出制御実行データにおいて、表示制御データは、例えば画像表示装置5の画面上における各種画像の表示態様を示している。より具体的に、表示制御データは、画像表示装置5の画面上に表示される各フレームを構成する背景、飾り図柄や小図柄等の各種図柄、キャラクタ等を示す演出画像の種類、位置、サイズ等を指定するデータや、複数の演出画像を重畳して表示させる場合の表示順序を指定するデータ等を含んでいればよい。演出画像の表示順序を示すデータは、複数の演出画像のうち、いずれの演出画像を遊技者からみて前方側に配置するかを示すデータであればよい。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令等に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定すること等により、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP、CGROM、VRAM、LCD駆動回路等が搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU、GCL、あるいは、より一般的にDSPと称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリ等の書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成された画像データメモリであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11等から伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えばI/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や音声制御基板13へと伝送される指令、ランプ制御基板14へと伝送される指令等が出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータ等により、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過すると、図45に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと等により第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過すると、図45に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと等により第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。但し、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難又は通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図45のゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定等が行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図45に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。即ち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「ハズレ」となる。
第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となる場合には、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定の開放上限時間が経過するまでの期間、あるいは所定個数の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難又は発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出毎に所定個数の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数に達するまで繰り返し実行される。
可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれていればよい。大当り種別が「非確変」又は「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とする上限時間が比較的に長い時間となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態とする上限時間が比較的に短い時間となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となるようにしてもよい。即ち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過し易い第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
このような短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数の出玉が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間であること等により、実質的には出玉が得られない大当り遊技状態となる。したがって、大当り種別が「突確」となったことに基づく大当り遊技状態は、大当り種別が「非確変」又は「確変」となったことに基づく大当り遊技状態よりも、遊技者にとって不利な遊技状態となる。こうして、大当り種別が「非確変」又は「確変」となったことに基づいて、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態となった場合には、大入賞口を遊技球が通過し易い第1変化態様で、特別可変入賞球装置7を第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる。一方、大当り種別が「突確」となったことに基づいて、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態となった場合には、大入賞口を遊技球が通過し難い第2変化態様で、特別可変入賞球装置7を第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、又は可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されること等、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたこと、又は可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されること等、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」又は「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過し易い有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態と第2可変状態とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
画像表示装置5において、最終停止図柄となる図柄以外の飾り図柄が、所定時間継続して大当り組み合わせと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、又は複数の飾り図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態において行われる演出を、リーチ演出という。リーチ演出として、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させることや、背景画像の表示態様を変化させること、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させることといった、飾り図柄の変動態様を変化させることとは異なる演出動作が実行されてもよい。画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体における点灯動作等を、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、リーチ演出に含まれていてもよい。リーチ状態やその様子をリーチ態様という。更に、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、画像表示装置5の画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組み合わせでない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様が異なる複数種類の演出パターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマルのリーチ演出とスーパーのリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行された場合には、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。なお、スーパーリーチとなるリーチ演出には、他のスーパーリーチに比べて大当り期待度が高くなる特定のリーチ演出を実行するスーパーリーチを含む複数種類のリーチ演出があってもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、飾り図柄の可変表示態様等により遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。一例として、飾り図柄の可変表示中には「擬似連」の可変表示演出が実行可能であればよい。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されること等に対応して実行するか否かが決定されればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに一旦仮停止させた後、再び変動させる演出表示を、所定回まで行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数であればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組み合わせの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組み合わせのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。「擬似連」の可変表示演出において初回変動を含む複数回の変動表示に伴って、再変動演出となる画像表示等の所定演出が実行されてもよい。なお、再変動演出は、画像表示装置5の画面上にて画像表示を行うことによるものに限定されず、各種の演出装置を用いた任意の演出動作を含んでいてもよい。
画像表示とは異なる再変動演出の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示の期間中に、遊技領域の内部又は外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。
画像表示とは異なる再変動演出の更なる一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示の期間中に、遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用模型が動作するように制御されてもよい。このとき、各変動表示の期間中に、演出用模型の動作態様が変化するように制御されてもよいし、複数の演出用模型のうちで動作するものが変化するように制御されてもよい。
「擬似連」の可変表示演出による各変動表示の期間中に、画像表示装置5の画面上に特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するように制御されてもよい。また、再変動演出として、例えば擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示されるとき等に、特殊な効果音となる音声をスピーカ8L、8Rから出力するように制御されてもよい。こうした再変動演出の一部又は全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部又は全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出用模型の動作、演出画像の表示、効果音の出力のうち、一部又は全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性といった、所定の遊技価値が付与される可能性が高まるようにしてもよい。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。そして、擬似連変動の繰り返し実行回数が多くなったときには、擬似連回数が少ないときよりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。また、擬似連変動の繰り返し実行回数によって演出の発生割合が変化するように制御されてもよい。例えば擬似連変動が2回行われることにより「リーチ確定」となり、擬似連変動が3回行われることにより「スーパーリーチ確定」となるようにしてもよい。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「擬似連」の他にも、例えば「滑り」や「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、単一又は複数の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。一方、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組み合わせの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組み合わせの飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」等の可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力等のように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前に実行されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれる。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性等が予告される対象となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告可能な予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、例えば始動入賞の発生による特図ゲームの保留記憶等に基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性等を予告するための演出動作が開始される。先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出と称される。
この実施の形態では、先読み予告演出の一例として、第1保留表示部5HLにおける第1保留表示の表示部位や第2保留表示部5HRにおける第2保留表示の表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性等を予告する「保留表示変化」の先読み予告演出が実行される。より具体的には、特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示色を、通常時における所定色とは異なる特定色とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、第1保留表示や第2保留表示における表示柄を通常時とは異なる特定柄とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。あるいは、第1保留表示や第2保留表示として所定のメッセージを示す表示態様とすることにより、表示色が特定色に変化する可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。こうした表示態様が特定態様に変化する可能性が高いことを示唆する保留表示は、示唆保留表示ともいう。「保留表示変化」の先読み予告演出は、保留表示変化演出ともいう。
始動入賞の発生に基づいて実行される先読み予告演出は、始動入賞が発生した後に、先読み予告演出による予告内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行されるものであればよい。例えば、ある始動入賞の発生によりリーチ状態となる可能性があることを予告する先読み予告演出は、少なくとも始動入賞の発生に基づく飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前に実行されるものであればよい。また、ある始動入賞の発生により可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを予告する先読み予告演出は、少なくとも始動入賞の発生に基づく可変表示において確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行されるものであればよい。
保留表示変化演出が実行されるときには、保留表示の表示態様が変化する場合と変化しない場合とがある。保留表示変化演出のうち、保留表示の表示態様が変化する演出は、保留表示変化成功演出ともいう。保留表示変化演出のうち、保留表示の表示態様が変化しない演出は、保留表示変化失敗演出ともいう。その他、保留表示変化演出には、保留表示変化共通演出が含まれている。保留表示変化演出が実行されるときには、まず、保留表示の表示態様を変化させるときと変化させないときとで共通で実行される保留表示変化共通演出が実行される。保留表示変化共通演出は、例えば予め用意されたキャラクタを示す演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させ、予告対象となる可変表示に対応する保留表示に作用を及ぼすような作用演出を含んでいればよい。
保留表示変化共通演出におけるキャラクタCH1を示す演出画像は、特定演出画像の一例である。なお、後述する図75(C)に示す促進表示画像P等も特定演出画像の一例である。キャラクタCH1を示す演出画像は、保留表示変化演出を実行する決定結果に応じた設定に基づいて、複数回の可変表示にわたり継続して画像表示装置5の画面上に表示されてもよい。特定演出画像となるキャラクタCH1を示す演出画像は、少なくとも識別情報画像となる飾り図柄を示す演出画像の一部よりも遊技者から見て前方側の重複する位置に配置可能であればよい。この場合、飾り図柄の可変表示における表示結果が導出される期間において、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側にて重複する位置では、特定演出画像となるキャラクタCH1を示す演出画像の表示態様を静止態様とする。
保留表示変化共通演出における作用演出は、第1保留表示部5HLにおける第1保留表示や第2保留表示部5HRにおける第2保留表示のいずれかに作用を及ぼすことにより、その保留表示の表示態様が変化する可能性があることを示唆する表示演出であればよい。このような表示演出に伴い、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させたり、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体の一部又は全部を所定の点灯態様で点灯させたり、演出用の可動部材を所定の動作態様で動作させたりしてもよい。
保留表示変化共通演出が実行された後、保留表示変化成功演出を実行したときには、作用演出により作用を及ぼした保留表示の表示態様を変化させる。このように、保留表示変化共通演出における作用演出が実行された後、作用を及ぼした保留表示の表示態様が変化する演出は、第1成功演出としての保留変化演出ともいう。一方、保留表示変化共通演出が実行された後、保留表示変化失敗演出を実行したときには、作用演出により作用を及ぼした保留表示の表示態様を変化させない。このように、保留表示変化共通演出における作用演出が実行されたものの、作用を及ぼした保留表示の表示態様が変化しない演出は、第1失敗演出としての保留変化ガセ演出ともいう。
保留表示の表示色を変化させる演出は、表示色変化演出ともいう。保留表示の表示態様を、所定のメッセージを示す表示態様に変化させる演出は、特殊表示変化演出ともいう。
第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにハズレ図柄が停止表示されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」となる場合と、可変表示態様が「リーチ」となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組み合わせとはならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示される。非リーチ組み合わせやリーチ組み合わせを構成する飾り図柄は、ハズレ図柄となる特別図柄と共に、非特定表示結果に含まれればよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間毎にCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR5とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を閉鎖状態よりも高い頻度で遊技球が通過し易い開放状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする処理である。普通図柄プロセス処理では、時短制御に伴う高開放制御として、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御の一部又は全部が行われる。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図46は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S101)。始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
図47は、始動入賞判定処理として、図46のS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図47に示す始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(S202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S202;No)、RAM102の所定領域に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(S203)。
S201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S201;No)、S202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(S205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(S206)。
S203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(S207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。こうして、第1始動条件が成立したときには第1特図保留記憶数が1増加するように更新され、第2始動条件が成立したときには第2特図保留記憶数が1増加するように更新される。このときには、RAM102の所定領域に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(S208)。
S208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(S209)。一例として、S209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(S210)。
S210の処理では、例えば始動口バッファ値が「1」であるときに、保留データが第1特図保留記憶部にセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときに、保留データが第2特図保留記憶部にセットされる。第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲームについて保留記憶として記憶する。第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲームについて保留記憶として記憶する。
第1特図保留記憶部は、例えば第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして、その記憶数が所定の上限値に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別が複数種別のいずれとなるか、飾り図柄の可変表示態様が特定態様となるか否か等を判定可能にする保留記憶情報となる。このように、第1特図保留記憶部は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件は成立したが、未だ開始されていない第1特別図柄表示装置4Aにおける特図ゲームの保留記憶情報を記憶する。
第2特図保留記憶部は、例えば第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして、その記憶数が所定の上限値に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別が複数種別のいずれとなるか、飾り図柄の可変表示態様が特定態様となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。このように、第2特図保留記憶部は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件は成立したが、未だ開始されていない第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームの保留記憶情報を記憶する。
S210の処理に続いて、予め用意された始動口入賞指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(S211)。続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S212)。その後、予め用意された保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(S213)。更に、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(S214)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(S214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S215)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(S214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S216)、S204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図48は、入賞時乱数値判定処理として、図47のS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、変動パターンの決定等が行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口にて検出された始動入賞タイミングで、CPU103がS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする変動パターンに決定される乱数値MR3であるか否かの判定等を行う。これにより、始動入賞口を通過した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となるか否かや、飾り図柄の可変表示中にリーチ状態となるか否かを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120等により、先読み演出となる予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図48に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域に設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(S401)。より具体的には、確変フラグがオンであるときには遊技状態が確変状態であること、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには遊技状態が時短状態であること、確変フラグと時短フラグが共にオフであるときには通常状態であることを、それぞれ特定すればよい。また、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定できればよい。
CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(S402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には、更に確変状態や時短状態において時短制御に伴う高開放制御が行われている高ベース中であるか否かを判定する(S403)。S402にて大当り中であると判定されたときや(S402;Yes)、S403にて高ベース中であると判定されたときには(S403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(S404)。
S403にて高ベース中ではないと判定されたときや(S403;No)、S404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(S404;Yes)、図47に示されたS209の処理で抽出した乱数値を用いて、各種の可変表示内容を判定する。この実施の形態において、始動入賞時に判定する可変表示内容には、「大当り」、「ハズレ時スーパーリーチ確定」、「ハズレ時リーチ確定」、「ハズレ時一般」がある。
CPU101は、可変表示内容が「大当り」であるか否かを判定するために、大当り判定範囲を設定する。例えば、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された特定表示結果決定テーブルから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられるデータを選択する。この特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲が、大当り判定範囲として設定されればよい。この大当り判定範囲は、S209の処理で抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であれば、可変表示内容が「大当り」と判定される。
乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲外であることに対応して、可変表示内容が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ時のスーパーリーチ確定範囲やリーチ確定範囲を設定する。ハズレ時のスーパーリーチ確定範囲やリーチ確定範囲は、特図保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチあるいはノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに決定することができる乱数値の範囲として、予め定められていればよい。
特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、変動パターン決定用の乱数値MR3と、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された変動パターン決定テーブルとを用いて、予め用意された複数の変動パターンのうちから、今回の可変表示で使用される変動パターンが決定される。変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値が、複数の変動パターンのいずれかに割り当てられている。CPU103は、乱数値MR3と合致する決定値が割り当てられた変動パターンを、今回の可変表示で使用される変動パターンに決定する。例えば可変表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に用いられる変動パターン決定テーブルでは、複数の変動パターンに対する決定値の割り当てが、図54(B1)や図54(B2)に示すように、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて異なっている。但し、一部の決定値は、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数にかかわらず同一の変動パターンに割り当てられている。こうした変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータにおいて、スーパーリーチを伴う変動パターンに割り当てられた決定値のうちで、特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに割り当てられた決定値の範囲が、スーパーリーチ確定範囲として予め定められていればよい。また、変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータにおいて、ノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値のうちで、特図保留記憶数にかかわらずリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値の範囲が、リーチ確定範囲として予め定められていればよい。
図49は、可変表示結果が「ハズレ」となるハズレ時における変動パターンの判定例を示している。パチンコ遊技機1における遊技状態が時短制御のない通常状態である通常時には、図54(B1)に示すような決定値が変動パターンに割り当てられた変動パターン決定テーブルが用いられる。この場合、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、第1特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。これに対し、変動パターン決定用の乱数値MR3が「271」〜「300」の範囲内であれば、第1特図保留記憶数に応じてスーパーリーチを伴うか否かは不確定であるものの、少なくとも第1特図保留記憶数にかかわらずノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに決定されることが確定する。
また、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短制御を伴う確変状態や時短状態である時短中には、図54(B2)に示すような決定値が変動パターンに割り当てられた変動パターン決定テーブルが用いられる。この場合、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、第2特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。これに対し、変動パターン決定用の乱数値MR3が「289」〜「300」の範囲内であれば、第2特図保留記憶数にかかわらずノーマルリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。
始動入賞が発生したときの特図保留記憶数は、実際に可変表示が開始されるときの特図保留記憶数と一致するとは限らず、始動入賞が発生した後に可変表示の実行や新たな始動入賞の発生により変化することがある。そのため、始動入賞時の判定結果と可変表示開始時における変動パターンの決定とで、特図保留記憶数の相違により選択されるテーブルデータが一致しない場合があり、始動入賞時に前以て特定の変動パターンに決定されるか否かを判定して予測することは一般に難しい。一方、この実施の形態における変動パターン決定テーブルでは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンあるいはノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値は、特図保留記憶数にかかわらず共通の決定値を含んでいる。したがって、パチンコ遊技機1における始動入賞時あるいは可変表示開始時における特図保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かや、ノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かを、判定することができる。
時短制御が行われていない通常時において、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時スーパーリーチ確定」であると判定し、変動パターン決定用の乱数値MR3が「271」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時リーチ確定」であると判定する。時短制御が行われている時短中において、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時スーパーリーチ確定」であると判定し、変動パターン決定用の乱数知MR3が「289」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時リーチ確定」であると判定する。
図48に示すS404にて始動口バッファ値が「2」ではなく「1」であると判定されたときには(S404;No)、S405の処理における入賞時判定を制限するための設定を行う(S406)。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過したことによる始動入賞の発生に基づく可変表示内容の判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高開放制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読み予告が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
その後、S405の処理による判定結果やS406の処理による設定に応じた始動入賞時の通知内容を設定する(S407)。こうした通知内容に応じて、予め用意された入賞時判定結果コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(S408)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図50は、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果コマンドの設定例を示している。この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100Hと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200Hとが、予め用意されている。なお、添字Hは16進数であることを示している。また、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。保留記憶数通知コマンドでは、特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータが設定される。更に、入賞時判定結果コマンドとなるコマンドC4XXHが、予め用意されている。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞が発生したときには、図47に示すS202の処理で第1特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されることにより、第1始動条件が成立する。第1始動条件は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための条件である。第1始動条件が成立したときには、図47に示すS203の処理で始動口バッファ値を「1」に設定してからS211の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドが送信される。また、図48に示すS408の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して入賞時判定結果コマンドが送信される。さらに、始動口バッファ値が「1」であるときに図47に示すS213の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドが送信される。
普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞が発生したときには、図47に示すS205の処理で第2特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されることにより、第2始動条件が成立する。第2始動条件は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための条件である。第2始動条件が成立したときには、図47に示すS206の処理で始動口バッファ値を「2」に設定してからS211の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドが送信される。また、図48に示すS408の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して入賞時判定結果コマンドが送信される。さらに、始動口バッファ値が「2」であるときに図47に示すS213の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドが送信される。
演出制御基板12の側では、第1始動口入賞指定コマンドを受信することで第1始動条件の成立を検知でき、第2始動口入賞指定コマンドを受信することで第2始動条件の成立を検知できる。このように、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。入賞時判定結果コマンドは、第1始動入賞口を通過した遊技球の検出時である第1始動入賞時や、第2始動入賞口を通過した遊技球の検出時である第2始動入賞時に、乱数回路104等から抽出した遊技用乱数を用いた比較結果を、演出制御基板12の側に対して通知する。第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する。この実施の形態において、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過して始動入賞が発生したかを通知すると共に、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されること等に対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンドを送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンドを送信するようにしてもよい。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドと共に、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数の増加を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図50(B)は、入賞時判定結果コマンドによる通知内容を例示している。図50(B)に示す入賞時判定結果コマンドのうち、コマンドC402H、コマンドC403H、コマンドC404Hは、特図表示結果判定用の乱数値MR1が大当り判定範囲内ではない場合に送信されることがあり、可変表示結果が「ハズレ」に決定されて大当り遊技状態には制御されないとの入賞時判定結果を通知する。一方、コマンドC401Hは、特図表示結果判定用の乱数値MR1が大当り判定範囲内である場合に送信され、可変表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御されるとの入賞時判定結果を通知する。コマンドC402Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3がハズレ時のスーパーリーチ確定範囲内である場合に送信され、ハズレ時にスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されるとの入賞時判定結果を通知する。コマンドC403Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3がハズレ時のリーチ確定範囲内である場合に送信され、ハズレ時にリーチ演出を伴う変動パターンに決定されるとの入賞時判定結果を通知する。コマンドC404Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3がハズレ時のスーパーリーチ確定範囲内でもリーチ確定範囲内でもない場合に送信され、リーチ演出を伴う変動パターンに決定されない可能性があるとの入賞時判定結果を通知する。このように、入賞時判定結果コマンドは、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや特定の変動パターンに決定されるか否かの入賞時判定結果を通知する判定結果情報として送信される。
図46に示すS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。更に、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。確定特別図柄を停止表示させるときには、可変表示における表示結果が導出されることを特定可能な演出制御コマンドとして、図柄確定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。そして、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うと共に、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
S114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理等が含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等といった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理等が含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図51は、特別図柄通常処理として、図46のS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図51に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S231;No)、第2特図保留記憶部の先頭領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(S232)。これにより、図47に示すS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
S232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(S233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、S233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(S234)。
S231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S235の処理は、S231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したかを示す始動口データを、保留データと共に、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
S236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(S237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、S237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(S238)。
S234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(S239)。一例として、S239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。S239の処理にて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、特図ゲームにおいて導出される特別図柄の表示結果が特定表示結果としての大当り図柄になると共に、飾り図柄の可変表示において導出される表示結果が大当り組み合わせの確定飾り図柄になった後、パチンコ遊技機1における遊技状態が、遊技者にとって有利な有利状態に制御される。このように、CPU103がS239の処理を実行することにより、遊技者にとって有利な有利状態に制御するか否かを決定することができる。
S239の処理において、パチンコ遊技機1の遊技状態が確変状態であり確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。確変状態は、例えば図46に示すS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」、「突確」のいずれかであった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされることで開始される。確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になり易く、大当り遊技状態になり易い。
CPU103は、S239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(S240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(S242)。一例として、S242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
S242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(S243)。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
S240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(S240;No)、S243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(S244)。一例として、S240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、S240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
S244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(S245)、特別図柄通常処理を終了する。S245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図46に示すS111の変動パターン設定処理が実行される。
S235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(S246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図52は、変動パターン設定処理として、図46のS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図52に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(S261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(S262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(S261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(S263)。
S262の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶する等して用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。また、S263の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶する等して用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図53は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならない「非リーチ」である場合とリーチ状態になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」である場合等に対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。可変表示内容が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターンと称され、可変表示内容が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターンと称される。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図54は、大当り変動パターンやハズレ変動パターンの決定例を示している。図52に示すS262の処理では、例えば図54(A)に示すような割合で、大当り時の変動パターンが決定される。図54(A)に示す例では、大当り時の変動パターンとして、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−3、変動パターンPB3−1〜変動パターンPB3−4のいずれかが、所定割合で使用パターンに決定される。図52に示すS263の処理では、時短制御が行われていない通常時であるときに、例えば図54(B1)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定される。また、図52に示すS263の処理では、時短制御が行われている時短中であるときに、例えば図54(B2)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定される。S263の処理では、ハズレ時の変動パターンを決定することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かが決定される。なお、変動パターンの決定とは別個の処理により、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にリーチ状態とするか否かが決定されてもよい。
図54(A)に示す例では、変動パターンPB3−1〜変動パターンPB3−4といった、スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値が、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−3といった、ノーマルリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値よりも多くなるように設定されている。一方、図54(B1)や図54(B2)に示す例では、変動パターンPA2−1〜変動パターンPA2−3といった、ノーマルリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値が、変動パターンPB2−1〜変動パターンPB2−4といった、スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値よりも多くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められる。
図54(B1)に示す決定例では、第1特図保留記憶数が0、1又は2以上のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに割り当てられる決定値が含まれている。具体的な一例として、「151」〜「180」の範囲の決定値は、第1特図保留記憶数が0であれば変動パターンPA1−1に割り当てられ、第1特図保留記憶数が1であれば変動パターンPA1−2に割り当てられ、第1特図保留記憶数が2以上であれば変動パターンPA1−3に割り当てられている。このような設定により、第1特図保留記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を異ならせることができる。特に、第1特図保留記憶数が所定値以上であるときには、第1特図保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。時短制御が行われない通常時には、第2始動入賞口を遊技球が通過し難く、第2特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が低い。そのため、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、第2特図保留記憶数にかかわらず、第1特図保留記憶数が所定値である場合と同様のテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときの第2特図保留記憶数にかかわらず、その時点における第1特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されることに対応して、第2特図保留記憶数にかかわらず図54(B1)とは決定値の割り当てが異なるテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、図54(B1)に示す「第1特図保留記憶数」を「第2特図保留記憶数」に読み替えて、第2特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。
図54(B2)に示す決定例では、第2特図保留記憶数が0、1又は2以上のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに割り当てられる決定値が含まれている。このような設定により、第2特図保留記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を異ならせることができる。特に、第2特図保留記憶数が所定値以上であるときには、第2特図保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。時短制御が行われている時短中には、第2始動入賞口を遊技球が通過し易く、第2特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が高い。第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合には、時短中であれば第2特図を用いた特図ゲームが繰り返し実行される可能性が高く、第1特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が低い。そして、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立するときには、第2特図保留記憶数が0になっている。そのため、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、第1特図保留記憶数にかかわらず、第2特図保留記憶数が所定値である場合と同様のテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第1特図保留記憶数にかかわらず図54(B2)とは決定値の割当てが異なるテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、図54(B2)に示す「第2特図保留記憶数」を「第1特図保留記憶数」に読み替えて、第1特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。
S262、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(S264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図53に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。したがって、S262、S263の処理にて変動パターンを決定することにより、特図変動時間が決定される。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
S264の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(S265)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
S265の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(S266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドは、単に変動開始コマンドともいう。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄等の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
S266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(S267)、変動パターン設定処理を終了する。S267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図46に示すS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図55に示す演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行し(S51)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(S52)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(S52;No)、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(S52;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に、コマンド解析処理を実行する(S54)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
一例として、コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、いずれの演出制御コマンドを受信したかを判定する。このとき、第1始動口入賞指定コマンドと共に入賞時判定結果コマンド及び第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、RAM122の所定領域等に設けられた第1始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと第1保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。一方、第2始動口入賞指定コマンドと共に第2保留記憶数通知コマンドを受信したときには、RAM122の所定領域等に設けられた第2始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。
第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンドを対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第1始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号は、第1特図保留記憶数に対応している。
第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンドを対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第2始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号は、第2特図保留記憶数に対応している。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(S55)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LED等の発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(S56)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
続いて、主基板11から演出制御コマンドに含まれる異常報知コマンドを受信した場合には、当該コマンドに応じて異常の発生を報知するエラー報知処理(S57)が実行される。エラー報知処理では、例えば、演出制御用CPU120の制御の下で、異常の発生を報知するエラー画像を画像表示装置5に表示させたり、異常の発生を報知するための音声をスピーカ8L、8Rから出力させたりする。エラー報知処理の実行後はS52に戻る。
エラー画像は、後述の図60(D1)に示すように、画像表示装置5の表示領域の全面にわたって表示されるものであってもよいし、図60(D2)に示すように、画像表示装置5の表示領域の一部に表示されるものであってもよい。また、例えば、異常報知コマンドが異常入賞を示す場合であればエラー画像を全画面表示の態様にて表示し、異常報知コマンドが玉抜きエラーを示す場合であれば部分表示の態様にて表示するといったように、エラーの種類に応じてエラー画像の表示態様を変更させてもよい。
この実施の形態においては、エラー画像は、異常報知コマンドが示すエラーが解消されるまでは画像表示装置5から消去されない。したがって、可変表示結果の導出表示中もエラー画像は消去されず、また、後述する調整結果画像Rの表示よりもエラー画像の表示が優先されるようになっている。また、この実施の形態においては、後述のように演出効果としての音量が、遊技者の操作によって調整可能となっているが、エラー音については初期設定のままで調整不能となっている。これにより、何らかのエラーが発生したにもかかわらず遊技者や遊技店店員がエラー発生に気付かないといったことを防止できる。
図56は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図56に示す演出制御プロセス処理では、まず、変化演出用キャラクタ表示処理を実行する(S162)。変化演出用キャラクタ表示処理は、保留表示変化演出を実行する決定結果に応じた設定に基づいて、保留表示変化共通演出におけるキャラクタを示す演出画像を、画像表示装置5の画面上に表示するための処理を含んでいる。また、変化演出用キャラクタ表示処理は、主基板11から伝送される変動開始コマンドや図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する処理や、これらの判定結果に応じてキャラクタを示す演出画像の表示制御を行うための処理等を含んでいる。
図57は、図56のS162にて実行される変化演出用キャラクタ表示処理の一例を示すフローチャートである。図57に示す変化演出用キャラクタ表示処理において、演出制御用CPU120は、まず、キャラクタ表示中であるか否かを判定する(S601)。例えば演出制御用CPU120は、保留表示変化共通演出で用いられる図58(B)に示すキャラクタCH1を示す演出画像が表示されている場合に、キャラクタ表示中であると判定すればよい。
S601にてキャラクタ表示中ではない場合には(S601;No)、変化演出の設定があるか否かを判定する(S602)。例えば演出制御用CPU120は、保留表示データ記憶部における保留表示変化パターンや変化演出タイミングパターンの記憶内容を特定して、保留表示変化演出を実行する決定結果に対応する情報が記憶されていれば、変化演出の設定があると判定すればよい。変化演出の設定がない場合には(S602;No)、変化演出用キャラクタ表示処理を終了する。
S602にて変化演出の設定がある場合には(S602;Yes)、変化演出用キャラクタを示す演出画像について、画像表示装置5の画面上にて表示を開始させる制御を行ってから(S603)、変化演出用キャラクタ表示処理を終了する。S603の処理において、演出制御用CPU120は、飾り図柄の可変表示中であるか否かの判定結果に応じて、変化演出用キャラクタの表示態様を異ならせてもよい。飾り図柄の可変表示中であるか否かは、RAM122の所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値から特定すればよい。より具体的に、演出プロセスフラグの値が“2”のときには、飾り図柄の可変表示中であると判定すればよい。これに対し、演出プロセスフラグの値が“2”以外のときには、飾り図柄の可変表示中ではないと判定すればよい。飾り図柄の可変表示中であると判定したときには、変化演出用キャラクタの表示態様をアクション態様とすることを指示する表示制御指令を、例えば表示制御部123のVDPに対して出力する。一方、飾り図柄の可変表示中ではないと判定したときには、変化演出用キャラクタの表示態様を静止態様とすることを指示する表示制御指令を、例えば表示制御部123のVDPに対して出力する。
アクション態様は、予め用意されたアニメーションパターンに従って、変化演出用キャラクタの表示位置、大きさ、回転量、移動方向、移動速度、移動量、あるいは変化演出用キャラクタにおける形状、模様、色彩の一部又は全部が、時間経過に伴い変化する変化表示の表示態様であればよい。アニメーションパターンに従った変化演出用キャラクタの変化は、所定周期で繰り返されてもよい。このようなアクション態様に対し、静止態様は、変化演出用キャラクタが時間経過によっても変化しない静止表示の表示態様であればよい。静止態様との対比において、アクション態様は、非静止態様あるいは行動態様ともいう。
S603の処理が実行されることにより表示が開始される変化演出用キャラクタを示す演出画像は、保留表示変化演出における作用演出等で用いられるキャラクタを示す画像である。S603の処理が実行されることで、変化演出用キャラクタを示す演出画像は、保留表示変化演出が実行される可変表示が開始されるより前でも、その表示を開始することができる。この場合、変化演出用キャラクタを示す演出画像は、複数回の可変表示にわたり画像表示装置5の画面上に表示することができる。
S601にてキャラクタ表示中である場合には(S601;Yes)、予め定められた表示終了タイミングであるか否かを判定する(S604)。表示終了タイミングは、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったときや、スーパーリーチにおけるリーチ演出の実行が開始されたとき、保留表示変化パターンによる保留表示変化演出の実行が終了したときのいずれかといった、予め定められた変化演出用キャラクタの表示終了条件が成立するタイミングであればよい。表示終了タイミングである場合には(S604;Yes)、変化演出用キャラクタとなるキャラクタCH1を示す演出画像について、画像表示装置5の画面上における表示を終了させる制御を行ってから(S605)、変化演出用キャラクタ表示処理を終了する。
変動終了タイミングではない場合には(S604;No)、主基板11から伝送される変動開始コマンドの受信があったか否かを判定する(S606)。S606の処理では、第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときに、変動開始コマンドの受信があったと判定すればよい。変動開始コマンドの受信があった場合には(S606;Yes)、変動中表示制御を開始させる設定を行ってから(S607)、変化演出用キャラクタ表示処理を終了する。S607の処理では、例えばS603の処理において飾り図柄の可変表示中であると判定されたときと同様に、変化演出用キャラクタの表示態様をアクション態様とすることを指示する表示制御指令を、表示制御部123のVDPに対して出力すればよい。これにより、可変表示の開始を特定可能な変動開始コマンドの受信を契機として、変化演出用キャラクタを示す演出画像の表示態様を、アクション態様にすることができる。
S606にて変動開始コマンドの受信がない場合には(S606;No)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(S608)。図柄確定コマンドの受信がない場合には(S608;No)、変化演出用キャラクタ表示処理を終了する。これに対し、図柄確定コマンドの受信があった場合には(S608;Yes)、図柄確定時表示制御を開始させる設定を行ってから(S609)、変化演出用キャラクタ表示処理を終了する。S609の処理では、例えばS603の処理において飾り図柄の可変表示中ではないと判定されたときと同様に、変化演出用キャラクタの表示態様を静止態様とすることを指示する表示制御指令を、表示制御部123のVDPに対して出力すればよい。これにより、可変表示における表示結果が導出される期間において、変化演出用キャラクタを示す演出画像の表示態様を、静止態様にすることができる。
図58は、画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させる具体的な設定の一例を示している。図58(A)は、複数の表示レイヤにZ値を割り当てるZ値設定テーブルの構成例を示している。図58(B)は、Z値設定テーブルによるZ値の設定に基づく各表示レイヤの配置例を示している。この実施の形態において、複数のレイヤには、エラー表示レイヤ、小図柄表示レイヤ、調整結果画像表示レイヤ、全画面予告表示レイヤ、変化演出表示レイヤ、飾り図柄表示レイヤ、図柄予告表示レイヤが含まれている。エラー表示レイヤには、エラー表示の演出画像が描画される。小図柄表示レイヤには、小図柄表示エリア5Vにて可変表示される小図柄を示す演出画像が描画される。調整結果画像表示レイヤには、音量が調整されると、音量の調整結果を示す調整結果画像Rが描画される。全画面予告表示レイヤには、全画面予告演出で用いられる全画面予告表示の画像が描画される。変化演出表示レイヤには、保留表示変化演出で用いられるキャラクタなどを示す演出画像が描画される。飾り図柄表示レイヤには、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄を示す演出画像が描画される。図柄予告表示レイヤには、図柄予告演出で用いられる図柄予告表示の画像が描画される。図柄予告表示の画像は、飾り図柄に関連する予告表示であればよく、この実施の形態では、例えば飾り図柄の周囲に位置し、飾り図柄のオーラのような表示態様の画像Gとしている。各表示レイヤに描画される演出画像の画像データには、それぞれの演出画像を重畳して描画するときに用いる奥行き値となるZ値が設定されている。図58(A)に示すようなZ値設定テーブルによるZ値の設定により、エラー表示レイヤ、小図柄表示レイヤ、調整結果画像表示レイヤ、全画面予告表示レイヤ、変化演出表示レイヤ、飾り図柄表示レイヤ、図柄予告表示レイヤのそれぞれに描画される演出画像のZ値は、その演出画像が描画される表示レイヤに応じて異なる値となっている。
例えば表示制御部123のVDPは、CGROMから読み出した画像データをVRAMのフレームバッファ等に書き込むときに、Z値の比較演算を行うことで、優先度の判定を行えばよい。そして、Z値が小さい値である演出画像の画像データは、Z値が大きい値である演出画像の画像データよりも優先してフレームバッファに書き込まれる。これにより、Z値として小さい値が割り当てられた表示レイヤに描画する演出画像は、Z値として大きい値が割り当てられた表示レイヤに描画する演出画像よりも優先度が高くなり、遊技者からみて前方側に配置することができる。
図58(B)に示すように、エラー画像表示レイヤは、最も前方側に配置されるようにZ値を設定することで、エラー画像の優先度を他の演出画像よりも高くするようにしている。また、小図柄表示レイヤは、遊技者から見て、エラー表示レイヤの次に前方側に配置されるように、Z値が設定される。したがって、画像表示措置5の画面上にて任意の演出画像を表示することによる表示演出が実行される場合でも、小図柄表示エリア5Vにおける小図柄の可変表示は、エラー画像に重ならない限り、常に遊技者が視認可能となる。また、調整結果画像表示レイヤは、小図柄表示レイヤの次に前方側に配置されるように、Z値が設定される。これにより、音量の調整結果を示す調整結果画像Rは、全画面予告表示の画像や飾り図柄を示す演出画像等よりも前方側の重複する位置に配置することができる。また、全画面予告表示レイヤは、飾り図柄表示レイヤよりも前方側に配置されるように、Z値が設定される。これにより、全画面予告演出で用いられる全画面予告画像は、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができ、飾り図柄を隠すことができる。なお、全画面予告表示レイヤは、調整結果画像表示レイヤよりも前方側に配置されるように、Z値が設定されるようにしてもよい。また、変化演出表示レイヤは、小図柄表示レイヤよりも後方側であるが、飾り図柄表示レイヤよりも前方側に配置されるように、Z値が設定される。これにより、保留表示変化演出で用いられる演出画像は、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。このように、変化演出用キャラクタを示す演出画像は、識別情報画像となる飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。また、図柄予告表示レイヤは、飾り図柄表示レイヤの次に配置されるように、Z値が設定される。これにより、図柄予告演出で用いられる図柄予告画像は、飾り図柄を示す演出画像よりも後方側の重複する位置に配置することができ、飾り図柄を背後から装飾する表示を行うことができる。
図59は、図56のS163にて実行される演出効果設定処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態では、以下に説明する演出効果設定処理を実行することで、遊技中や客待ちデモンストレーション表示中に、遊技者の調整操作により、演出効果としての音量を調整可能となっている。また、音量が調整されると、音量の調整結果を示す調整結果画像Rが、画像表示装置5の所定領域において演出画像やデモ画像と重畳した態様で表示される。調整結果画像Rは、図60(A1)、(A2)、(B)、(C2)等に示すように、例えば、左右方向に増減するバーグラフ表示の態様にて表示される。なお、調整結果画像Rの態様は、遊技者等に現在の音量を認識させることができれば任意であり、音量に対応した数値や文字を表示する態様や、円グラフ態様等であってもよい。
なお、この実施の形態では、メニューモード中においては、メニュー画面から「音量調整」の項目が選択されて音量調整モード選択中となったときにのみ音量の調整が可能となっている。音量調整モード選択中には、調整結果画像Rが常に表示される。また、後述するように、客待ちデモ表示中に所定操作を受け付けたことに応じて、客待デモ表示中からメニューモードへと移行する。
図59に示す演出効果設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、メニューモード実行中であるか否かを判定する(S701)。例えば、演出制御用CPU120は、メニューモード実行中フラグがオン状態であればメニューモード実行中と判定し、オフ状態であればメニューモード実行中でないと判定する。なお、メニューモード実行中フラグは、後述のS662でオン状態にセットされ、S661でオフ状態にクリアされる。
メニューモード実行中でない場合(S701;No)、演出制御用CPU120は、調整結果画像表示中フラグがオン状態であるか否かを判定する(S702)。なお、調整結果画像表示中フラグは、後述のS708やS715でオン状態にセットされ、S704、S712でオフ状態にクリアされる。
調整結果画像表示中フラグがオン状態である場合(S702;Yes)、演出制御用CPU120は、調整操作受付時から予め定められた所定期間T1が経過したか否かを判定する(S703)。ここで、調整操作は、例えばスティックコントローラ31A等の操作手段を用いて遊技者によって成される操作であり、この実施の形態では、演出効果としての音量を調整するための操作である。遊技者は、例えば、スティックコントローラ31Aを左右に傾倒操作することにより、音量を予め定められた範囲内から調整し、傾倒操作を止めた時点での音量が調整結果としての音量として決定される。
なお、音量の決定操作は、調整操作とは別個にスティックコントローラ31Aのトリガボタンを押引操作したり、プッシュボタン31Bを押下操作したりすることによって成されてもよい。また、音量調整のための操作手段はスティックコントローラ31Aに限られず、図示しない十字ボタンやダイヤル式の操作手段等であってもよい。また、操作手段の代わりに、非接触型のセンサを用いて、当該センサによって検出される遊技者の調整動作によって演出効果の調整が可能であってもよい。
所定期間T1は、音量の調整結果を示す調整結果画像Rの表示期間として予め定められている。所定期間T1は、遊技者が調整結果を確認するのに適切な期間であれば任意であり、この実施の形態では、数秒程度に設定されている。なお、調整操作受付時から所定期間T1が経過したか否かは、例えば、後述のS706で調整操作あり(S706;Yes)と判定したことに伴って、所定のタイマに所定期間T1に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを判定すればよい。
なお、調整操作は、演出効果としての画像表示装置5や演出効果ランプの表示輝度を調整するための操作であってもよい。そして、調整結果画像Rは輝度の調整結果を示すものであってもよい。また、調整操作に応じて、音量と輝度との少なくとも一方が調整可能であればよい。また、音量に応じた調整結果画像が表示される所定期間と、輝度に応じた調整結果画像が表示される所定期間とは、同じ長さに設定されていてもよいし、異なる長さに設定されていてもよい。
S703において、調整操作受付時から所定期間T1が経過していた場合(S703;Yes)、演出制御用CPU120は、調整結果画像Rを画像表示装置5から消去し、調整結果画像表示中フラグをオフ状態にクリアする(S704)。このS704の処理により、遊技中や、デモ表示中の場合には、調整操作から所定期間T1が経過すると、調整結果画像Rが消去されることになる。S704の処理に続いて、演出制御用CPU120は、S706の処理を実行する。また、S702やS703の処理でNo判定の場合にも、S706の処理を実行する。
S701において、メニューモード実行中である場合には(S701;Yes)、音量調整モード選択中であれば(S705;Yes)、S706の処理を実行する。例えば、演出制御用CPU120は、音量調整モード選択中フラグがオン状態であれば音量調整モード選択中であると判定し、オフ状態であれば音量調整モード選択中でないと判定する。なお、音量調整モード選択中フラグは、後述のS664でオン状態にセットされ、所定の場合にオフ状態にクリアされる。例えば、メニューモード実行中に音量調整以外のモード選択がなされた場合や、メニューモード実行中フラグがオフされるのに伴って、音量調整モード選択中フラグはオフ状態にクリアされる。また、音量調整モードが選択されている場合には(S705;Yes)、S704の処理を経ず、調整結果画像Rが常に表示される。また、デモ表示中の場合にも調整結果画像Rは所定期間T1を経過しても消去されないようにしてもよい。メニューモード実行中であっても(S701;Yes)、音量調整モード選択中でない場合は(S705;No)、演出効果設定処理を終了する。
S706では、演出制御用CPU120は、調整操作があったか否かを判定する。演出制御用CPU120は、例えばスティックコントローラ31Aからの操作信号が入力されている場合には、調整操作ありと判定し(S706;Yes)、調整操作に応じた音量設定値をRAM122に設けられた設定値格納領域に格納する(S707)。なお、S707の処理においても、RAM122に設けられた設定値格納領域に格納された、エラー音についての音量設定値は変更されず、初期設定値のままである。
続いて、演出制御用CPU120は、調整操作に応じた音量設定値を報知する調整結果画像Rを画像表示装置5に表示させ、調整結果画像表示中フラグをオン状態にセットする(S708)。なお、既に調整結果画像Rが表示中である場合は、今回の調整操作に応じた音量設定値を報知する調整結果画像Rを画像表示装置5に表示させ、調整結果画像表示中フラグをオン状態のまま保つ。
S708の処理の実行後や、S706の処理で調整操作なしと判定した場合は(S706;No)、S710の処理を実行する。
S710では、演出制御用CPU120は、可変表示結果導出表示期間T2であるか否かを判定する。例えば、演出制御用CPU120は、後述の可変表示中演出処理において、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる処理を開始した際にオン状態にセットされ、当該処理を終了した際にオフ状態にクリアされるフラグに基づいて、導出表示期間T2であるか否かを判定する。導出表示期間T2は、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄の表示期間に相当するものであり、数秒程度に設定されている。したがって、この実施の形態では、導出表示期間T2は、前述の所定期間T1よりも短くなる。なお、導出表示期間T2は一定でなくともよく、例えば、通常状態のときよりも時短状態のときの方が短くなるように設定する等してもよい。
可変表示結果の導出表示期間T2である場合(S710;Yes)、演出制御用CPU120は、調整結果画像表示中フラグがオンであるか否かを判定し(S711)、オンであれば(S711;Yes)、調整結果画像Rを消去し、調整結果画像表示中フラグをオフ状態にクリアする(S712)。これにより、調整操作から所定期間T1が経過していなくとも、導出表示期間T2であれば、調整結果画像Rが消去されることになる。
一方で、可変表示結果の導出表示期間T2でない場合(S710;No)、演出制御用CPU120は、調整結果画像表示中フラグがオンであるか否かを判定する(S713)。オフであれば、つまり、調整結果画像Rが表示されていなければ(S713;No)、S714の処理を実行する。
S714の処理では、演出制御用CPU120は、可変表示の導出表示期間T2が経過し、且つ、所定期間T1内であるか否かを判定する。導出表示期間T2が経過し、且つ、所定期間T1内である場合(S714;Yes)、演出制御用CPU120は、調整結果画像Rを復帰表示し、調整結果画像表示中フラグをオン状態にセットする(S715)。これにより、S712の処理で調整結果画像Rが消去されていたとしても、導出表示期間T2でなく(S710;No)、導出表示期間T2が経過したが所定期間T1内である場合(S714;Yes)には、図61(B)に示すように、調整結果画像Rが復帰して表示される。
S713でYes判定であった場合や、S705、S711、S714でNo判定であった場合や、S712、S715の実行後は、演出制御用CPU120は、演出効果設定処理を終了する。
なお、導出表示期間T2において調整結果画像Rが消去されている場合は、S706あるいはS707の処理を経ないようにして、調整操作を無効としたり、調整操作に応じた音量設定を無効としたりしてもよい。また、RAM122に設けられた設定値格納領域に格納された音量設定値を、所定のタイミングでデフォルトに戻るように構成してもよい。当該所定のタイミングとしては、例えば、特定の変動後や、変動を特定回数実行後や、客待ちデモ表示復帰タイミングや、パチンコ遊技機1の再起動時などであればよい。また、所定期間T1は、互いに長さの異なる複数種類用意され、例えば遊技状態毎に使い分けてもよい。例えば、時短状態では所定期間を10秒とし、通常状態では所定期間を5秒とするなどしてもよい。
ここで、導出表示期間T2に調整結果画像Rが消去される場合の主な例を、図61(A)、(B)のタイミングチャートを参照して説明する。図61(A)、(B)に示すように、直近の調整操作があった時点から所定期間T1は調整結果画像Rの表示期間となるが、所定期間T1と導出表示期間T2の少なくとも一部が重なる場合には、調整結果画像Rは消去される。図61(A)に示す例は、導出表示期間T2が所定期間T1の後端部と重なる場合であり、この場合は次回の調整操作があるまで調整結果画像Rは表示されない。一方で、図61(B)に示す例は、導出表示期間T2が所定期間T1内にある場合であり、この場合は導出表示期間T2が終了すると、調整結果画像Rが再び表示され、所定期間T1が経過するまで表示が継続される。なお、図示しないが、導出表示期間T2が所定期間T1の前端部と重なる場合は、導出表示期間T2の終了を待って、調整結果画像Rが表示されることになる。このように、この実施の形態によれば、導出表示期間T2においては調整結果画像Rが消去されるため、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
図60(A1)は、遊技中における調整結果画像Rの表示例である。遊技中においては、調整結果画像Rは画像表示装置5の右下端部に表示される。そして、この実施の形態においては、調整結果画像Rの表示領域は、図60(A1)に示すように、飾り図柄の表示領域Arの一部と重なるようになっている。また、図60(A2)は、特に全画面予告中における調整結果画像Rの表示例であり、全画面予告表示上に調整結果画像Rが重なって表示される。なお、全画面予告中は、調整結果画像Rを表示しないようにしてもよい。このような演出期間にて調整結果画像Rを表示すると全画面予告演出の興趣が低下することも考えられるため、全画面予告中は調整結果画像Rを表示しないが調整可能としてもよいし、表示も調整も不可能としてもよい。
図60(B)は、デモ表示中における調整結果画像Rの表示例である。デモ表示中は、同図に示すように、例えば「デモ表示中」等の客待ちデモンストレーション中であることを示す画像が画像表示装置5に表示されると共に、調整操作が行われた場合には、デモ表示画像に調整結果画像Rが重畳表示される。
図60(C1)は、メニューモード中におけるメニュー画面の表示例である。この実施の形態では、メニューモード中においては、遊技者による音量調整モード選択操作があり、図60(C2)に表示例を示す音量調整モード選択中の画面に切り替わった際にのみ音量調整が可能となっている。メニューモードにおける項目の選択は、例えばスティックコントローラ31Aの傾倒操作により可能となっており、「音量調整」の項目を選択した状態でスティックコントローラ31Aのトリガボタンを押引操作したり、プッシュボタン31Bを押下操作したりすることによって、図60(C2)に示すような音量調整モード選択中の画面に遷移する。なお、項目選択のための操作手段はスティックコントローラ31Aに限られず、図示しない十字ボタン等であってもよい。なお、図60(A1)、(A2)に示す遊技中と、図60(C2)に示す音量調整モード選択中とで、調整結果画像Rの表示態様を異ならせてもよい。例えば、音量調整モード選択中の場合は、遊技中に比べて調整結果画像Rを大きく表示したり、画像表示装置5の中央に表示したり等してもよい。
図60(D1)、(D2)は、前述したようにエラー報知処理(S57)において表示可能なエラー画像の例であり、この実施の形態においては、エラー画像は、(i)可変表示結果の導出表示中も消去されず、(ii)調整結果画像Rよりも優先して表示される。
図56に示すS163にて演出効果設定処理を実行した後には、例えばRAM122の所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
S170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理等を含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御等を行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信した場合には、演出プロセスフラグの値をアタッカー開放時演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S174のアタッカー開放時演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。このアタッカー開放時演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が開放状態となる所定期間における各種の演出動作を制御する。アタッカー開放時演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
S175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図62は、可変表示開始待ち処理として、図56のS170にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始待ち処理において、まず演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド受信フラグがオン状態であるか否かを判定する(S651)。変動パターン指定コマンド受信フラグがオンであれば(S651;Yes)、変動パターン指定コマンド受信フラグをオフ状態にクリアする(S652)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理(S171)に対応した値“1”に更新する(S653)。
変動パターン指定コマンド受信フラグがオンでない場合(S651;No)には、演出制御用CPU120は、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かを判定する(S654)。なお、客待ちデモ表示中であるか否かは、例えば、後述するS658の実行に伴ってオン状態にセットされる客待ちデモ表示中フラグに基づいて判定すればよい。
客待ちデモ表示中でなければ(S654;No)、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグがオンであるか否かを判定する(S655)。客待ちデモ指定コマンド受信フラグがオンの場合には(S655;Yes)、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンドを受信してからの経過時間が30秒を経過したか否かを判定する(S656)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信してからの経過時間が30秒を経過したか否かは、例えば、図55に示すコマンド解析処理内にて客待ちデモ指定コマンド受信フラグをオン状態にセットしたときに、所定のタイマに30秒に相当する値をセットするようにし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを判定すればよい。
客待ちデモ指定コマンドを受信してから30秒が経過していれば(S656;Yes)、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグをオフすると共に(S657)、画像表示装置5において所定の客待ちデモンストレーション表示を開始する(S658)。客待ちデモ表示としては、図60(B)に示したように「デモ表示中」等の文字列を表示する態様に限られず任意であり、例えば、所定の初期出目を表示したり、所定のキャラクタを表示させたり、遊技機メーカのロゴタイプを表示させたりしてもよい。
なお、この実施の形態では、客待ちデモ指定コマンドを受信してから30秒を経過したタイミングで客待ちデモ表示を開始する場合を示しているが、このような態様に限定されない。例えば、客待ちデモ指定コマンドを受信してから20秒や1分が経過したタイミングで客待ちデモ表示を開始するようにしてもよい。また、例えば、客待ちデモ指定コマンドを受信すると直ちに客待ちデモ表示を開始するようにしてもよい。
S658の処理に続いて、あるいは客待ちデモ表示中であった場合(S654;Yes)、演出制御用CPU120は、メニュー切替操作があったか否かを判定する(S659)。メニュー切替操作は、例えば、客待ちデモ表示中に受け付け可能なプッシュボタン31Bの押下操作であり、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bからの操作信号が入力されている場合にはメニュー切替操作があったと判定する。なお、メニュー切替操作を受け付け可能な操作手段は任意であり、プッシュボタン31Bに限られない。
メニュー切替操作があった場合は、演出制御用CPU120は、メニューモード実行中フラグがオン状態であるか否かを判定する(S660)。メニューモード実行中フラグがオフであれば(S660;No)、客待ちデモ表示を消去してメニュー表示を開始し、メニューモード実行中フラグをオン状態にセットする(S662)。一方、メニューモード実行中フラグがオンであれば(S660;Yes)、メニュー表示を消去して客待ちデモ表示を復帰させ、メニューモード実行中フラグをオフ状態にクリアする(S661)。
S662の処理に続き、演出制御用CPU120は、音量調整モード選択操作があったか否かを判定する(S663)。音量調整モード選択操作があったか否かは、例えば、当該操作を受け付ける操作手段からの操作信号が入力されているか否かを判定すればよい。音量調整モード選択操作があった場合(S663;Yes)、演出制御用CPU120は、音量調整モード選択中フラグをオン状態にセットする(S664)。S653、S661、S664の実行後や、S655、S656、S659、S663でNo判定の場合は、可変表示開始待ち処理を終了する。
図63は、可変表示開始設定処理として、図56のS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図63に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(S321)。S321の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組み合わせに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組み合わせの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組み合わせの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定等により、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。更に、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組み合わせとなってしまう場合には、任意の値を中確定飾り図柄の図柄番号に加算又は減算すること等により、確定飾り図柄が大当り組み合わせとはならずにリーチ組み合わせとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照すること等により、画像表示装置5の画面上における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否か等に応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、画像表示装置5において大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組み合わせが一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
このように、S321の処理により可変表示内容に応じた最終停止図柄を決定することで、特図ゲームにおける確定特別図柄の決定結果に基づいて、遊技状態を大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に関連する飾り図柄の可変表示結果を決定することができる。また、S321の処理では、確定飾り図柄に対応する小図柄を、小図柄の可変表示における表示結果として決定すればよい。
なお、S321の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」又は「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組み合わせの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難又は認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示させて同一の確変図柄から成る確変大当り組み合わせの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組み合わせの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。S321の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組み合わせ等を決定すればよい。
S321の処理における最終停止図柄等の決定に続いて、保留表示変化演出の実行設定を行う変化演出設定処理が実行される(S322)。変化演出設定処理では、保留表示データ記憶部の記憶内容等に基づいて保留表示変化演出の実行条件が成立したときに、保留表示変化演出の実行設定が行われる。なお、変化演出設定処理では、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否か等に基づいて保留表示変化演出の実行条件が成立したときに、保留表示変化演出の実行設定が行われるようにしてもよい。
S322の処理に続いて、演出制御用CPU120は、所定の予告演出としての全画面予告演出を設定する全画面予告演出設定処理を実行する(S322A)。全画面予告演出設定処理では、例えば図70(B2)に示すように変動開始時に画像表示装置5の表示画面の全域に暗転画像DG等の被覆画像を表示して飾り図柄の表示態様を視認困難とするブラックアウト演出といった全画面を覆う予告演出の実行設定等が行われる。なお、被覆画像は、暗転画像DGや黒画像に限るものではなく、発光態様の画像やフリーズ態様の画像等、所定の色や模様等の画像であってもよく、飾り図柄の表示形態が視認困難又は視認不可能になる画像であればよい。また、所定の予告演出は、パネル型のステップアップ予告、カットイン予告、ストーリー予告、ミニゲーム予告、発展予告等であってもよく、表示画面の全域又は部分に表示される予告演出であって、少なくとも飾り図柄が全く見えない等の視認不可能とする予告演出や、表示画面や飾り図柄が透けて見える等の視認困難とする予告演出であってもよい。また、S322Aの処理を「予告演出設定処理」とし、全画面予告演出以外の他の予告演出、つまり、可変表示中の他の予告演出についても同時に決定するようにしてもよい。
S322Aの処理に続いて、図柄予告演出設定処理を実行する(S322B)。図柄予告演出設定処理では、例えば図70(B1)、(D2)に示すように飾り図柄の周囲に所定色のオーラの画像Gが表示される予告演出の実行設定等が行われる。なお、図柄予告演出は、オーラ表示に限らず、飾り図柄に関連又は付帯して行われる予告であればよく、飾り図柄自体の表示態様を通常の飾り図柄とは異なる表示態様に変化させる予告としてもよい。例えばキャラクタ予告であれば、キャラクタの衣装、大きさ、ポーズ、種類等が異なる複数のキャラクタ予告を備えるようにしたり、背景の表示態様が異なる複数の背景予告を備えるようにしたりしてもよい。
S322Bの処理に続いて、図柄逆方向始動表示設定処理を実行する(S322C)。図柄逆方向始動表示設定処理では、例えば図70(B1)に示すように、変動開始時に画像表示装置5の表示画面の所定方向とは異なる特定方向に飾り図柄が始動するといった図柄逆方向始動表示の実行設定等が行われる。なお、この実施の形態では、飾り図柄が可変表示される所定方向は下方向としているが、上方向、左方向、右方向、斜め方向、前方向、後方向等であってもよい。この所定方向としては、例えば、基本的な変動方向、可変表示において識別情報を主として変位させる方向、予告演出がなしのときの変動方向、遊技者が最も目にする変動方向、導出表示するときの変動方向等の通常方向が含まれる。また、特定方向としては、逆方向としているが、上方向以外で順方向とは異なる方向としてもよい。なお、図63では、全画面予告演出設定処理(S322A)、図柄予告演出設定処理(S322B)、図柄逆方向始動表示設定処理(S322C)の順番で実行されているが、この順番以外の順番であってもよい。
S322Cの処理に続いて、図柄予告演出タイミング調整処理を実行する(S322D)。図柄予告演出タイミング調整処理では、全画面予告演出がない場合には、図69(A)に示すように図柄予告演出タイミングを変動開始時に設定しているが、全画面予告演出がある場合には、図69(B)に示すように図柄予告演出タイミングを全画面予告実行期間後に変更するといった調整が行われる。
S322Dの処理に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(S323)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターン等に対応して、複数用意された演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、S322の変化演出設定処理による保留表示変化演出の実行設定に対応して、複数用意された演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
S323の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S324)。そして、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄等の変動を開始させるための設定を行う(S325)。このときには、例えばS323の処理にて決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させること等により、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
また、S325の処理では、飾り図柄の変動を開始させると共に、小図柄表示エリア5Vにおいて小図柄の変動を開始させるための設定を行う。これにより、小図柄表示エリア5Vでは、第1特図を用いた特図ゲームと第2特図を用いた特図ゲームのそれぞれに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときに、小図柄の可変表示も開始させることができる。なお、小図柄表示エリア5Vでは、第1特図を用いた特図ゲームに同期して可変表示が開始される小図柄と、第2特図を用いた特図ゲームに同期して可変表示が開始される小図柄とが、別個に配置されてもよい。一例として、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示される第1小図柄を小図柄表示エリア5Vにおける右側に配置し、第2特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示される第2小図柄を小図柄表示エリア5Vにおける左側に配置してもよい。こうして、第1小図柄と第2小図柄のいずれが可変表示されるかを確認することで、第1特図を用いた特図ゲームと第2特図を用いた特図ゲームのいずれが実行されているかを遊技者等が特定できればよい。第1小図柄と第2小図柄を別個に配置した場合には、例えば主基板11から伝送された変動開始コマンド等に基づいて、第1特図を用いた特図ゲームと、第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれの特図ゲームにおける可変表示が開始されるかを判定すればよい。そして、第1特図を用いた特図ゲームが開始される場合には第1小図柄の可変表示を開始させる一方、第2特図を用いた特図ゲームが開始される場合には第2小図柄の可変表示を開始させればよい。このように、小図柄表示エリア5Vでは、第1特図を用いた特図ゲームに同期して第1報知情報画像となる第1小図柄を示す演出画像の可変表示を行い表示結果が導出され、第2特図を用いた特図ゲームに同期して第2報知情報画像となる第2小図柄を示す演出画像の可変表示を行い表示結果が導出されてもよい。
S325の処理を実行した後には、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、第1保留表示部5HLの第1保留表示や第2保留表示部5HRの第2保留表示等を更新するための設定を行う(S326)。例えば、第1特図を用いた特図ゲームが実行される場合には、第1保留表示部5HLにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去すると共に、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示を1つずつ右方向に移動させる。一方、第2特図を用いた特図ゲームが実行される場合には、第2保留表示部5HRにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位を消去すると共に、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示を1つずつ左方向に移動させる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S327)、可変表示開始設定処理を終了する。
図64は、全画面予告演出設定処理として、図63のS322Aにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図64に示す全画面予告演出設定処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに基づいて、スーパーリーチ変動パターン又は非リーチ変動パターンであるかを判定する(S501)。スーパーリーチ変動パターン又は非リーチ変動パターンであると判定された場合には(S501;Yes)、全画面予告演出の有無を決定する(S502)。
詳しくは、S502の処理では、演出制御用CPU120は、全画面予告決定用乱数を示す数値データを抽出すると共に、この抽出した数値データと図64(B)に示す全画面予告決定用テーブルとを用いて、全画面予告演出を実行するか否かを決定する。例えば、図64(B)に示すように、非リーチ変動パターンの場合は、「実行なし」が90%、「実行あり」が10%の確率で決定され、スーパーリーチ(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が60%、「実行あり」が40%の確率で決定され、スーパーリーチ(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が30%、「実行あり」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも全画面予告演出が実行され易くなっており、全画面予告演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。なお、スーパーリーチ変動パターンには、図53に示すような擬似連変動を有する変動パターンを含めるようにしてもよい。例えば、擬似連変動の回数が多いほど期待度が高くなるような決定割合にしてもよい。大当りか否かと擬似連変動の回数とに応じて決定割合を異なるように設定すればよい。
S502の処理の実行後、全画面予告演出がありに決定されたか否かを判定する(S503)。全画面予告演出がありに決定された場合(S503;Yes)には、全画面予告フラグをオン状態にセットする(S504)。S504の処理の実行後、飾り図柄の順方向変動開始タイミングを全画面予告演出の終了後の第2タイミングに変更する(S505)。例えば、図69(B)、図71(B)に示すように変動開始時に図柄逆方向始動表示がある場合には、順方向変動の開始タイミングが、タイミングT01ではなく、全画面予告演出の終了後のタイミングT03に変更される。また、図73(B)に示すように変動開始時に図柄逆方向始動表示がない場合にも、順方向変動の開始タイミングが全画面予告演出の終了後のタイミングT03に変更される。
S501にてスーパーリーチ変動パターン又は非リーチ変動パターンのいずれでもないと判定された場合(S501;No)や、S503にて全画面予告演出がなしの場合や、S505の処理の実行後には、全画面予告演出設定処理を終了する。
図65は、図柄予告演出設定処理として、図63のS322Bにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図65に示す図柄予告演出設定処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに基づいて、スーパーリーチ変動パターン又は非リーチ変動パターンであるかを判定する(S511)。スーパーリーチ変動パターン又は非リーチ変動パターンであると判定された場合には(S511;Yes)、図柄予告演出の有無を決定する(S512)。
詳しくは、S512の処理では、演出制御用CPU120は、図柄予告決定用乱数を示す数値データを抽出すると共に、この抽出した数値データと図65(B)に示す図柄予告決定用テーブルとを用いて、図柄予告演出を実行するか否かを決定する。例えば、図65(B)に示すように、非リーチ変動パターンの場合は、「実行なし」が90%、「実行あり」が10%の確率で決定され、スーパーリーチ(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が60%、「実行あり」が40%の確率で決定され、スーパーリーチ(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が30%、「実行あり」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも図柄予告演出が実行され易くなっており、図柄予告演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。なお、スーパーリーチ変動パターンには、図53に示すような擬似連変動を有する変動パターンを含めるようにしてもよい。例えば、擬似連変動の回数が多いほど期待度が高くなるような決定割合にしてもよい。大当りか否かと擬似連変動の回数とに応じて決定割合を異なるように設定すればよい。
S512の処理の実行後、図柄予告演出がありに決定されたか否かを判定する(S513)。図柄予告演出がありに決定された場合(S513;Yes)には、図柄予告フラグをオン状態にセットする(S514)。S514の処理の実行後、図柄予告の種別を決定する(S515)。
詳しくは、S515の処理では、演出制御用CPU120は、図柄予告演出種別決定用乱数を示す数値データを抽出すると共に、この抽出した数値データと図65(C)に示す図柄予告演出種別決定用テーブルとを用いて、図柄予告演出の種別、つまり飾り図柄のオーラの色を決定する。例えば、図65(C)に示すように、非リーチ変動パターンの場合は、「青色」に決定され、スーパーリーチ(ハズレ)変動パターンの場合は、「青色」が50%、「緑色」が40%、「赤色」が10%の確率で決定され、スーパーリーチ(大当り)変動パターンの場合は、「青色」が10%、「緑色」が30%、「赤色」が60%の確率で決定される。大当り期待度は、オーラが青色<緑色<赤色の順に大きくなっており、図柄予告演出の種別について大当りの期待感を持つことができ、図柄予告演出についての面白みを持たすことができ、遊技の興趣が向上する。なお、図65(C)に示すスーパーリーチ(ハズレ)変動パターンの場合における「赤色」を0%に設定してもよい。この場合には、オーラの「赤色」を、大当り確定となるプレミアム図柄予告とすることができる。
S511にてスーパーリーチ変動パターン又は非リーチ変動パターンのいずれでもないと判定された場合や(S511;No)、S513にて図柄予告演出がなしの場合や、S515の処理の実行後には、図柄予告演出設定処理を終了する。
図66は、図柄逆方向始動表示設定処理として、図63のS322Cにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図66に示す図柄逆方向始動表示設定処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに基づいて、スーパーリーチ変動パターン又は非リーチ変動パターンであるかを判定する(S521)。スーパーリーチ変動パターン又は非リーチ変動パターンであると判定された場合(S521;Yes)には、図柄逆方向始動表示の有無を決定する(S522)。
詳しくは、S522の処理では、演出制御用CPU120は、図柄逆方向始動表示決定用乱数を示す数値データを抽出すると共に、この抽出した数値データと図66(B)に示す図柄逆方向始動表示決定用テーブルとを用いて、図柄逆方向始動表示を実行するか否かを決定する。例えば、図66(B)に示すように、非リーチ変動パターンの場合は、「実行なし」が90%、「実行あり」が10%の確率で決定され、スーパーリーチ(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が60%、「実行あり」が40%の確率で決定され、スーパーリーチ(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が30%、「実行あり」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも図柄逆方向始動表示が実行され易くなっており、図柄逆方向始動表示について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
S522の処理の実行後、図柄逆方向始動表示がありに決定されたか否かを判定する(S523)。図柄逆方向始動表示がありに決定された場合には(S523;Yes)、図柄逆方向始動表示制御設定を行う(S524)。例えば、図69(A)、(B)に示すように、逆変動期間において飾り図柄の逆方向変動を実行させる表示制御設定を行う。一方、図柄逆方向始動表示がなしに決定された場合には(S523;No)、全画面予告フラグがオンか否かを判定する(S525)。
全画面予告フラグがオンであれば(S525;Yes)、全図柄予告演出期間中は図柄揺動に設定する(S526)。図73(B)に示すように、全図柄予告演出期間中は飾り図柄が基準位置Refのままで横方向に揺動する表示設定が行われる。かかる飾り図柄の揺動は、図74(B2)、(B3)に示すブラックアウト演出によって隠れているために遊技者からは視認できないが、後述の変形例1のように飾り図柄の変動開始から順方向変動の開始前までの期間よりも全画面予告演出の期間が短い場合には、タイミングT11〜T12の期間やタイミングT13〜T14の期間において飾り図柄の揺動が視認可能となる。一方、全画面予告フラグがオンでなければ(S525;No)、図73(A)に示すように、飾り図柄の順方向変動開始タイミングを変動開始時のタイミングT01に設定する(S527)。
S521にてスーパーリーチ変動パターン又は非リーチ変動パターンのいずれでもないと判定された場合や(S521;No)、S524、S526、S527の処理の実行後には、図柄逆方向始動表示設定処理を終了する。
図67は、図柄予告演出タイミング調整処理として、図63のS322Dにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図67に示す図柄予告演出タイミング調整処理では、演出制御用CPU120は、図柄予告フラグがオンであるか否かを判定する(S531)。図柄予告フラグがオンであれば(S531;Yes)、全画面予告フラグがオンであるか否かを判定する(S532)。全画面予告フラグがオンであれば(S532;Yes)、図柄予告演出を全画面予告演出期間の終了後に設定する(S533)。一方、全画面予告フラグがオフであれば(S532;No)、図柄予告演出を変動開始時に設定する(S534)。S531にて図柄予告フラグがオフの場合や(S531;No)、S533、S534の処理の実行後には、図柄予告演出タイミング調整処理を終了する。
図68は、可変表示中演出処理として、図56のS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図68に示す可変表示中演出処理では、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値等に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(S341)。一例として、S341の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたとき等に、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
S341にて可変表示時間が経過していない場合には(S341;No)、保留表示変化演出を実行するための保留表示変化演出期間であるか否かを判定する(S342)。保留表示変化演出期間は、例えば図63に示すS323の処理にて決定された演出制御パターンにおいて予め定められていればよい。保留表示変化演出期間である場合には(S342;Yes)、保留表示変化演出を実行するための制御が行われる(S343)。S343の処理では、表示変化演出制御パターンの設定に基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDを点灯又は点滅又は消灯させること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて保留表示変化演出を実行できればよい。
なお、保留表示変化演出のうちで保留表示変化共通演出におけるキャラクタを示す演出画像は、図57に示されたS603の処理が実行されることで表示が開始され、S607、S609の処理が実行されることで可変表示中や図柄確定時における表示制御を行い、S605の処理が実行されることで表示が終了する。したがって、S343の処理では、変化演出用キャラクタに関する表示制御が行われなくてもよい。あるいは、保留表示変化演出における作用演出が実行される可変表示では、S343の処理にて変化演出用キャラクタの表示制御を行い、作用演出が実行されない可変表示では、S343の処理にて変化演出用キャラクタの表示制御が行われないようにしてもよい。
S342にて保留表示変化演出期間ではないと判定されたときや(S342;No)、S343の処理を実行した後には、全画面予告演出を実行するための全画面予告演出期間であるか否かを判定する(S344)。全画面予告演出期間である場合には(S344;Yes)、全画面予告演出を実行するための制御が行われる(S344A)。
S344にて全画面予告演出期間ではないと判定されたときや(S344;No)、S344Aの処理を実行した後には、図柄予告演出を実行するための図柄予告演出期間であるか否かを判定する(S344B)。図柄予告演出期間である場合には(S344B;Yes)、図柄予告演出を実行するための制御が行われる(S345)。
S344Bにて図柄予告演出期間ではないと判定されたときや(S344B;No)、S345の処理を実行した後には、図柄逆方向始動表示を実行するための図柄逆方向始動表示期間であるか否かを判定する(S345A)。図柄逆方向始動表示期間である場合には(S345A;Yes)、図柄逆方向始動表示を実行するための制御が行われる(S345B)。また、S345の直後、S345Bの直後等で、可変表示中の他の予告演出について実行するようにしてもよい。
S345Aにて図柄逆方向始動期間ではないと判定されたときや(S345A;No)、S345Bの処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(S346)。リーチ演出期間は、例えば変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。S346にてリーチ演出期間であると判定されたときには(S346;Yes)、リーチ演出を実行するための制御が行われる(S347)。
S346にてリーチ演出期間ではないと判定されたときや(S346;No)、S347の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定等に基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御が行われる(S348)。
S341にて可変表示時間が経過した場合には(S341;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(S349)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(S349;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
S349にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(S349;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄を導出表示させる制御を行う(S350)。また、S350の処理では、飾り図柄の可変表示における最終停止図柄を導出表示させると共に、小図柄表示エリア5Vにおいて小図柄の変動を終了させる小図柄変動終了制御を行う。この小図柄変動終了制御では、小図柄の可変表示における表示結果として、図63に示すS321の処理で決定された確定飾り図柄に対応する小図柄を、小図柄表示エリア5Vにて停止表示させればよい。これにより、小図柄表示エリア5Vでは、第1特図を用いた特図ゲームと第2図柄を用いた特図ゲームのそれぞれに同期して飾り図柄の可変表示における表示結果となる確定飾り図柄が導出されて可変表示が終了するときに、小図柄の可変表示も終了させることができる。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(S351)。また、S351Aの処理では、全画面予告フラグと図柄予告フラグをオフ状態にリセットする(S351A)。また、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(S352)、可変表示中演出処理を終了する。
なお、例えば図68に示すS348の処理では、飾り図柄の可変表示状態にかかわらず、小図柄が常に一定の変動態様で可変表示されるように、小図柄表示エリア5Vにおける表示制御が行われるようにすればよい。例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる場合や、「擬似連」等の可変表示演出が実行される場合に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部又は全部にて飾り図柄が仮停止表示されるときでも、小図柄表示エリア5Vでは、小図柄が仮停止表示等されることはなく、継続して一定速度で変動する可変表示が行われるようにすればよい。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。
パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。画像表示装置5の画面上では、特別図柄の可変表示に同期して、飾り図柄や小図柄の可変表示が行われる。
遊技球が第1始動入賞口を通過したことによる第1始動入賞の発生に基づいて第1始動条件が成立したときには、図47に示すS203、S207の処理が実行されることにより、第1特図保留記憶数が1加算される。遊技球が第2始動入賞口を通過したことによる第2始動入賞の発生に基づいて第2始動条件が成立したときには、図47に示すS206、S207の処理が実行されることにより、第2特図保留記憶数が1加算される。このときには、S209の処理により特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。そして、S212にて図48に示すような入賞時乱数値判定処理を実行することにより、可変表示結果が「大当り」になるか否か等の可変表示内容を判定して、入賞時判定結果を示す入賞時判定結果コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
そして、入賞時判定結果コマンドを含めた始動入賞時に伝送される演出制御コマンドの受信があったか否かが判定される。そして、コマンド受信があると判定された場合には、特定した入賞時判定結果に基づいて保留表示変化演出の有無や種別が決定される。保留表示変化演出を実行することに決定されると、表示変化の有無が決定される。表示変化ありに決定された場合には保留表示変化パターンを決定し、表示変化なしに決定された場合には変化演出タイミングパターンが決定される。保留表示変化パターンや変化演出タイミングパターンの決定結果は、保留表示データ記憶部にて保留番号と関連付けて記憶される。
図57に示すS602では、保留表示データ記憶部における記憶内容に基づいて、保留表示変化演出といった変化演出を実行するための設定があるか否かが判定される。そして、設定があると判定された場合には、S603の表示開始制御によりキャラクタを示す演出画像の表示が開始される。変化演出用キャラクタを示す演出画像は、S604にて表示終了タイミングであると判定されるまで、複数回の可変表示にわたり継続して表示することができる。各可変表示が開始されるときには、S606にて変動開始コマンドの受信があったと判定されることで、S607の制御開始設定が行われ、変化演出用キャラクタを示す演出画像の表示態様が飾り図柄の可変表示中に対応したアクション態様となる。これに対し、各可変表示における表示結果が導出されるときには、S608にて図柄確定コマンドの受信があったと判定されることで、S609の制御開始設定が行われ、変化演出用キャラクタを示す演出画像の表示態様が飾り図柄の確定表示時に対応した静止態様となる。こうして、識別情報画像となる飾り図柄を示す演出画像の表示結果が導出される期間では、キャラクタを示す演出画像の表示態様を静止態様とすることができる。
開始条件の成立に基づいて特図ゲームや飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図46に示すS111にて図52に示すような変動パターン設定処理を実行することにより、複数の変動パターンのいずれかを決定して、決定された変動パターンを特定可能に示す変動パターン指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図63に示すS321では、変動パターン指定コマンドに示された変動パターン等に基づいて最終停止図柄等が決定され、続いてS322の変化演出設定処理では、保留表示変化タイミングであると判定されたときに保留表示変化演出の実行設定が行われる。続いてS322Aの全画面予告演出設定処理では、全画面予告演出の有無を決定し、全画面予告演出がありに決定された場合に全画面予告演出の実行設定が行われる。続いてS322Bの図柄告演出設定処理では、図柄予告演出の有無を決定し、図柄予告演出がありに決定された場合に図柄予告演出の実行設定が行われる。続いてS322Cの図柄逆方向始動表示設定処理では、図柄逆方向始動表示の有無を決定し、図柄逆方向始動表示がありに決定された場合に図柄逆方向始動表示の実行設定が行われる。続いてS322Dの図柄予告演出タイミング調整処理では、図柄予告演出タイミングの調整設定が行われる。そして、図68に示すS172では、変動パターン指定コマンドに示された変動パターン等に基づいて飾り図柄の可変表示が行われ、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示が行われる。この可変表示中における各演出期間には、全画面予告演出、図柄予告演出、図柄逆方向始動表示、リーチ演出等がそれぞれ実行可能となっている。
ここで、図69、図70を参照して、全画面予告演出の有無の場合における図柄予告演出と逆変動が表示される場合の一例を説明する。図69は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では全画面予告演出の実行がなく、(B)では全画面予告演出の実行がある場合を示す。図70は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図69に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図70(A)、(B1)〜(E1)は図69(A)の場合の演出実行例であり、図70(A)、(B2)〜(E2)は図69(B)の場合の演出実行例である。
図69(A)に示すように、飾り図柄の変動表示についてみれば、その変動開始時に全ての飾り図柄の逆方向変動が開始され、逆方向変動の終了時に飾り図柄の順方向への変動が開始されてから高速変動となり、その後に左右の飾り図柄の変動が減速され、リーチの表示態様となり、リーチ演出が実行される。また、各予告演出等についてみれば、図69(A)では、全画面予告演出の実行がなしに決定されており、タイミングT01において飾り図柄の逆方向始動表示と図柄予告演出とが開始される。図柄予告演出はタイミングT02にて終了し、逆方向変動はタイミングT03に終了する。この逆方向変動の終了時には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図70(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図70(B1)に示すように順方向とは反対の逆方向変動が開始されると共に、図70(B1)に示すような図柄予告演出、つまり、飾り図柄の周囲に所定色のオーラの画像Gが表示される予告演出も開始される。そして、図69(A)に示す逆方向変動の終了時にて、図70(C1)に示すように飾り図柄の逆変動が停止し、図70(D1)に示すように飾り図柄の順方向への変動が開始され、図70(E1)に示す基準位置Refを越えて飾り図柄が順方向の変動表示されていく。
これに対して、図69(B)では、全画面予告演出の実行がありに決定されているので、図柄予告演出が、初期値としてのタイミングT01からタイミングT03に変更される。このときの演出実行例を見てみると、図70(B2)に示すように全画面予告演出が開始され、図70(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」等の報知画像が表示され、図70(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図70(D2)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されたときに図柄予告演出が開始されるように変更されている。つまり、図柄予告演出の開始が、図70(B1)に示す変動開始時ではなく、図70(D2)に示す全画面予告演出の終了後に変更されている。これにより、図柄予告演出が全画面予告演出に隠れて非表示となることを防止できる。なお、飾り図柄の逆方向始動表示は変更なく実行されているが、図70(B2)、(C2)に示す全画面予告演出の背後に隠れているため、遊技者からは見えない。また、図70(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。また、図70(D2)に示すように飾り図柄が基準位置Refに到達する前から図柄予告演出を開始しているが、一点鎖線矢印で示すように、飾り図柄が基準位置Refに戻った状態から図柄予告演出を実行するようにしてもよい。また、図柄予告演出の実行期間は、図69(A)に示すように逆方向変動の実行期間よりも短いが、逆方向変動の実行期間と同じ、又はそれよりも長くしてもよい。図69(B)のように開始がタイミングT03に変更された場合も、同様である。
次に、図71、図72を参照して、図柄予告演出の実行がなく、全画面予告演出の有無の場合において逆変動が表示される場合の一例を説明する。図71は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では図柄予告演出と全画面予告演出との実行がなく逆変動が実行される場合、(B)では図柄予告演出の実行がなく全画面予告演出と逆変動が実行される場合を示す。図72は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図71に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図72(A)、(B1)、(C1)、(D)、(E)は図71(A)の場合の演出実行例、図72(A)、(B2)、(C2)、(D)、(E)は図71(B)の場合の演出実行例である。
図71(A)に示す飾り図柄の変動表示は、前述の図69(A)と同じであるためここでの説明を省略する。また、各予告演出等についてみれば、図71(A)では、全画面予告演出と図柄予告演出の実行がなしに決定されており、タイミングT01において飾り図柄の逆方向始動表示が開始され、逆方向変動はタイミングT03にて終了する。この逆方向変動の終了時には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図72(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図72(B1)に示すように順方向とは反対の逆方向変動が開始され、図71(A)に示す逆方向変動の終了時にて、図72(C1)に示すように飾り図柄の逆変動が停止し、図72(D1)に示すように飾り図柄の順方向への変動が開始され、図72(E1)に示す基準位置Refを越えて飾り図柄が順方向に変動表示されていく。
これに対して、図71(B)では、図柄予告演出の実行がなしに決定され、全画面予告演出と逆方向変動の実行がありに決定されており、全画面予告演出と逆方向変動とが変動開始時に開始され、タイミングT03にて共に終了する。この逆方向変動の終了時には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図72(B2)に示すように全画面予告演出が開始され、図72(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」等の報知画像が表示され、図72(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図72(D)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されている。なお、飾り図柄の逆方向始動表示は実行されているが、図72(B2)、(C2)に示す全画面予告演出の背後に隠れているため、遊技者からは逆方向変動が見えない。また、図72(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。また、図72(D)に示すように飾り図柄が基準位置Refに到達する前から順方向への変動表示が視認可能であるが、一点鎖線矢印で示すように、飾り図柄が基準位置Refに戻った状態から順方向への変動表示が視認可能としてもよい。
ここで、図73、図74を参照して、逆方向変動の実行がなく、全画面予告演出の有無の場合における図柄予告演出が実行される場合の一例を説明する。図73は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では全画面予告演出と逆方向変動の実行がなく、(B)では逆方向変動の実行がなく、全画面予告演出と図柄予告演出の実行がある場合を示す。図74は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図73に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図74(A)、(B1)は図73(A)の場合の演出実行例であり、図74(A)、(B2)、(C2)、(D2)は図73(B)の場合の演出実行例である。
図73(A)に示す飾り図柄の変動表示は、前述の図69(A)と同じであるためここでの説明を省略する。また、各予告演出等についてみれば、図73(A)では、全画面予告演出と飾り図柄の逆方向変動との実行がなしに決定されており、変動開始時において図柄予告演出が開始される。図柄予告演出はその後のタイミングT02にて終了する。なお、飾り図柄の順方向への変動も変動開始時に開始される。このときの演出実行例を見てみると、図74(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図74(B1)に示すように順方向への変動が開始されると共に、図74(B1)に示すような図柄予告演出、つまり、飾り図柄の周囲に所定色のオーラの画像Gが表示される予告演出も開始される。
これに対して、図73(B)では、図柄予告演出と全画面予告演出の実行がありに決定されているので、図柄予告演出が、初期値としてのタイミングT01からタイミングT03に変更される。このときの演出実行例を見てみると、図74(B2)に示すように全画面予告演出が開始され、図74(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」等の報知画像が表示され、図74(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図74(D2)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されたときに図柄予告演出が開始されるように変更されている。つまり、図柄予告演出の開始が、図74(B1)に示す変動開始時ではなく、図74(D2)に示す全画面予告演出の終了後に変更されている。これにより、図柄予告演出が全画面予告演出に隠れて非表示となることを防止できる。なお、図73(B)に示すように図柄予告演出と全画面予告演出の実行がありに決定され、飾り図柄の逆方向変動の実行なしに決定されているので、図74(B2)、(C2)に示す全画面予告演出の実行期間中では、図73(B)に示すように飾り図柄の揺動が実行されているが、全画面予告演出の背後に隠れているため、遊技者からは飾り図柄の揺動が見えない。飾り図柄の順方向への変動開始は、全図柄予告演出の実行期間の終了後に変更されている。また、図74(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。
ここで、図75を参照して、所定の演出中に調整結果画像Rが表示される場合の一例を説明する。図75は、スーパーリーチ変動パターンにおいて操作促進画像Pの表示と所定のカットイン演出を含む場合の演出実行例を示している。
飾り図柄の可変表示が実行され、図75(A)に示すように飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となると、ノーマルリーチにおける所定のリーチ演出が実行され、その後、図75(B)に示すような発展報知画像を画像表示装置5に表示することにより、スーパーリーチへの発展報知が行われる。変動中において、遊技者による調整操作が成されると、図75(B)に示すように画像表示装置5の右下端に調整結果画像Rが表示される。
このような発展報知に続いて、図75(C)に示すようなスーパーリーチにおけるリーチ演出の実行中に操作促進画像Pが表示される。そして、プッシュボタン31Bによる操作が成されると、図75(D)に示すように、所定のカットイン演出が実行される。なお、操作促進画像Pの表示期間中にプッシュボタン31Bによる操作が成されない場合には、カットイン演出は実行されない。その後、図75(E)に示すように、例えば大当り組み合わせの最終停止図柄が導出表示される。
調整操作が成されてから所定期間T1が経過するまでは、図75(B)〜(D)に示すように、調整結果画像Rは画像表示装置5に表示されたままである。この場合、調整結果画像Rは、発展報知画像や操作促進画像Pとは重畳しない位置に表示される。しかし、可変表示結果導出期間T2においては、所定期間T1が経過していなくとも、図75(E)に示すように調整結果画像Rは消去される。これにより、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
図57に示す変化演出用キャラクタ表示処理では、S601にてキャラクタ表示中ではないと判定されたときに、S602にて変化演出を実行するための設定があるか否かが判定される。このとき、保留表示データ記憶部の記憶内容に基づいて変化演出を実行するための設定があると判定されることで、S603の処理が実行される。これにより、例えば図58(B)に示すキャラクタCH1の演出画像が画像表示装置5の画面に表示される。
その後、例えば図58(B)に示すキャラクタCH1の演出画像が所定の保留表示に作用するような作用演出を含む保留表示変化共通演出が実行される。続いて、表示変化の有無や保留表示変化パターンの決定結果に応じた保留表示変化演出が実行される。例えば、図示しない表示変化有無決定の処理にて「表示変化あり」に決定されていると共に図示しない保留表示変化パターン決定の処理にて第1の保留表示変化パターンに決定されている場合には、保留表示の表示態様として表示色が特定色のうち青色に変化する保留表示変化成功演出が実行される。これに対し、図示しない表示変化有無決定の処理にて「表示変化なし」に決定されていた場合には、保留表示の表示態様が変化しない保留表示変化失敗演出が実行される。
飾り図柄の可変表示における表示結果となる確定飾り図柄が導出されるときにも、図57に示すS604の処理にて表示終了タイミングと判定されるまでは、キャラクタCH1を示す演出画像が継続して表示される。このときには、S608の処理にて図柄確定コマンドの受信があったと判定されることで、S609の処理が実行される。これにより、確定飾り図柄が導出される期間において、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様が静止態様となる。続いて、保留記憶数が「0」以外であることに基づいて特別図柄や飾り図柄等の可変表示が開始されるときには、図58に示すS606の処理にて変動開始コマンドの受信があったと判定されることで、S607の処理が実行される。これにより、可変表示が開始されることを特定可能な表示制御情報となる変動開始コマンドの受信を契機として、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様がアクション態様となる。
飾り図柄の最終停止図柄が停止表示されるとともに、小図柄が停止表示されて、飾り図柄や小図柄の可変表示における表示結果が導出される期間では、変化演出用キャラクタとなるキャラクタCH1を示す演出画像の表示態様が静止態様となる。図58(B)に示すような表示レイヤの設定により、キャラクタCH1を示す演出画像は、飾り図柄を示す演出画像よりも遊技者から見て前方側の重複する位置に配置可能であり、飾り図柄を示す演出画像よりも優先して表示される。このような飾り図柄を示す演出画像よりも前方側にて重複する位置に配置されるキャラクタCH1を示す演出画像の表示態様を静止態様とすることにより、遊技者は、飾り図柄の可変表示における表示結果が導出されたことを明確に認識することができ、表示結果の誤認を防止することができる。
以上、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、全画面予告演出が実行される場合には、図69(B)、図71(B)、図73(B)に示すように、全画面予告演出の実行期間の経過後に、飾り図柄の順方向へ可変表示が開始されるので、飾り図柄の動き出しが分かり難くなってしまうことを防止できる。これにより、遊技の興趣を向上できる。
また、飾り図柄が可変表示される所定方向は、通常方向である。例えば、通常方向としては、飾り図柄の可変表示についての基本的な変動方向、可変表示において識別情報を主として変位させる方向、予告演出がなしのときの変動方向、遊技者が最も目にする変動方向、導出表示するときの変動方向等が含まれる。つまり、可変表示において飾り図柄の通常方向への動き出しが分かり難くなってしまうことを防止できる。
また、全画面予告演出は、有利状態となる期待度を示唆する演出であるので、かかる予告演出によって遊技の期待を高めることができる。また、全画面予告演出の実行期間の経過後に、飾り図柄の所定方向へ可変表示が開始されるので、飾り図柄の動き出しが分かり難くなってしまうことも防止できる。
また、画像表示装置5は、飾り図柄を所定方向とは異なる特定方向へと可変表示することが可能であるので、可変表示の方向が多様になり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、画像表示装置5は、図69(B)、図71(B)に示すように少なくとも全画面予告演出の実行期間において、飾り図柄を特定方向へ可変表示するので、識別情報を逆方向に可変表示させてから、逆方向とは異なる順方向に可変表示させることができ、逆方向の可変表示を順方向の可変表示ための準備演出とすることができる。特に、本実施の形態のように特定方向を所定方向の逆方向とした場合には、逆方向に可変表示させてから勢いをつけて所定方向に可変表示させることができ、迫力のある可変表示を提供できる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
また、所定方向への可変表示の開始時に、図70(B1)、図74(B1)に示すように図柄予告演出を実行することにより、遊技の興趣を向上できる。また、図柄予告演出を複数備えるので、複数の図柄予告演出が実行でき、遊技の興趣を更に向上できる。
また、図柄予告演出と全画面予告演出とを実行するときには、全画面予告演出の終了後に、図70(D2)、図74(D2)に示すように図柄予告演出を実行するので、図柄予告演出と全画面予告演とが同時期に重複して実行されることを防止できる。これにより、図柄予告演出が全図柄予告演出によって視認不可又は視認困難になることを防止できる。言い換えれば、図柄予告演出を遊技者がはっきりと認識することができるなど、図柄予告演出の認識性を向上できる。
また、以上に説明したパチンコ遊技機1は、演出制御用CPU120が各部と協働して実現される調整手段と、調整画像表示手段とを備える。調整手段は、少なくとも可変表示の実行中に、遊技者による調整動作に応じて演出効果を調整可能であり、調整画像表示手段は、調整手段による調整に対応する調整結果画像Rを所定期間T1表示する。そして、調整画像表示手段は、所定期間T1内に可変表示結果が導出表示される場合に、該所定期間T1のうち、可変表示結果の導出表示期間T2で調整結果画像Rを視認不可とする。このようにしたから、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
なお、以上では、音量が調整可能な例を説明したが、調整可能な演出効果は、前述したように画像表示装置5等の表示輝度等であってもよい。また、調整可能な演出効果は、音量と輝度との少なくともいずれか一方であってもよい。また、調整画像は、調整操作によって音量等が変更された場合だけでなく、変更されない場合に表示されるものであってもよい。また、調整画像表示手段は、導出表示期間T2で調整画像を視認不可とするだけでなく、導出表示期間T2において、調整画像を半透明の態様で表示させたり、点滅表示させたり等することで、視認困難としてもよい。このようにしても、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。この場合、例えば、図59のS712の代わりに調整結果画像を視認困難な態様で表示する処理を実行し、S715にて視認困難な態様での表示から復帰するといったように演出効果設定処理を変形して構成すればよい。
また、調整画像表示手段は、所定期間T1内に可変表示結果が導出表示される場合に、該所定期間T1のうち、可変表示結果の導出表示期間T2で調整結果画像Rを視認不可又は視認困難とし、調整画像は、促進表示画像P等の特定演出画像とは重畳しない位置に表示されてもよい。このようにしても、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。また、特定演出画像の視認性を担保しつつも調整画像を表示することができるため、画像表示装置5に表示される情報の認識性が低下することを抑えることができる。なお、調整画像と重ならない位置に表示される特定演出画像は、促進表示画像Pや、発展報知画像だけでなく、キャラクタCH1を示す画像や、第4図柄を示す画像、保留表示を示す画像等であってもよい。
また、調整画像表示手段は、所定期間T1内に可変表示結果が導出表示される場合に、該所定期間T1のうち、可変表示結果の導出表示期間T2で調整結果画像Rを視認不可又は視認困難とし、調整手段は、エラー報知に関する演出効果については調整しない、ようにしてもよい。このようにしても、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。また、エラー音や、エラー画像の表示輝度等は規定値のままとすることができるため、何らかのエラーが発生したにもかかわらず遊技者や遊技店店員がエラー発生に気付かないといったことを防止できる。なお、調整手段が調整しないエラー報知に関する演出効果は、エラー音量だけでなく、エラー画像が表示される際の輝度や、エラー発生時に点灯するランプの輝度等であってもよい。
また、調整画像の表示領域の少なくとも一部が、可変表示結果の導出表示領域の少なくとも一部と重なる、ようにしてもよい。このようにすれば、可変表示結果の導出表示領域の少なくとも一部と重なる調整画像結果画像を消去するため、可変表示結果の視認性の低下を抑えることができる。なお、調整画像の表示領域の少なくとも一部が重なる可変表示結果の導出表示領域は、飾り図柄の表示領域Arに限られず、小図柄を示す演出画像の可変表示が行われ表示結果が導出される小図柄表示エリア5V等であってもよい。
また、可変表示結果の導出表示中もエラー画像は消去しない、ようにしてもよい。このようにすれば、エラー画像の視認性を確保することができる。
また、調整画像の表示よりもエラー画像の表示を優先する、ようにしてもよい。このようにしても、エラー画像の視認性を確保することができる。
また、調整操作が行われた場合はデモ表示を視認可能に維持するが、メニュー表示操作が行われた場合はデモ表示を消去する、ようにしてもよい。こうすれば、好適にデモ表示を行うことができる。
また、識別情報の可変表示の実行中に特定演出画像を表示可能な特定演出実行手段を備え、特定演出画像は、少なくとも識別情報の一部よりも前方側の重複する位置に配置可能であり、特定演出実行手段は、識別情報の可変表示結果が導出される期間において、該識別情報よりも前方側にて重複する位置では前記特定演出画像の表示態様を静止態様とする、ようにしてもよい。このようにすれば、表示結果の誤認を防止することができる。
また、遊技機は、識別情報画像が表示される第1領域よりも小さく常に視認可能な第2領域にて、識別情報画像の可変表示に同期して報知情報画像の可変表示を行い表示結果を導出する常時表示手段を備えてもよい。このような構成においては、表示結果の誤認を防止することができる。
また、決定手段の決定結果に応じて可変表示が開始されることを特定可能な表示制御情報を出力する情報出力手段を備え、演出実行手段は、表示制御情報の受信を契機として、特定演出画像の表示態様を非静止態様としてもよい。こうすれば、特定演出の違和感を抑制しつつ、表示結果の誤認を防止することができる。
また、特定演出画像は、少なくとも前記識別情報画像の一部よりも前方側の重複する位置に配置可能であり、特定演出実行手段は、識別情報画像の表示結果が導出される期間において、該識別情報画像よりも前方側にて重複する位置では特定演出画像の表示態様を仮停止態様としてもよい。このような構成によれば、表示結果の誤認を防止しつつ、演出の興趣を向上させることができる。
また、調整画像が視認不可又は視認困難な期間は、可変表示結果の導出表示期間T2に限られない。リーチアクションの期間等において調整画像を視認不可又は視認困難としてもよい。つまり、調整画像を視認不可等にする期間は、遊技者に認識させたい対象が報知される所定の期間であればよい。また、調整画像は、促進表示画像P等の特定演出画像と重畳する位置に表示されてもよい。また、エラー報知に関する演出効果は、調整手段によって調整可能としてもよい。また、調整画像の表示領域は、可変表示結果の導出表示領域と重なっていなくともよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、上記実施の形態では、所定状態が大当り遊技状態である場合を示しているが、そのような態様に限られない。例えば、確変状態や時短状態、高ベース状態等、他の遊技状態を所定状態としてもよい。即ち、例えば、確変状態に制御されているときに可変入球装置43を開放状態に制御するように構成したり、時短状態に制御されているときに可変入球装置43を開放状態に制御するように構成したりしてもよい。
上記実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ200側で、入球検出スイッチ19からの検出信号を入力して可変入球装置43への入球を検出したり、ソレノイド17を駆動して可変入球装置43を開放状態に制御したりする場合を示したが、そのような態様に限られない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で、入球検出スイッチ19からの検出信号を入力して可変入球装置43への入球を検出したり、ソレノイド17を駆動して可変入球装置43を開放状態に制御したりするように構成してもよい。
上記実施の形態では、「状態表示」として、これから払い出す予定の賞球数の値を表示することとしたが、これに限るものではない。例えば、既に払い出しを行った賞球数の値を「状態表示」として表示することとしてもよく、その場合には、値をカウントアップすることにより、状態表示を変化させることとなる。また、賞球数の値そのものではなく、賞球数の値を示すメータを「状態表示」として表示することとしてもよい。その場合も、予定賞球数の値を示すメータのゲージを減少させる変化を行うものであってもよいし、払出済賞球数の値を示すメータのゲージを増加させる変化を行うものであってもよい。また、賞球報知において表示した値を分母とし、予定賞球数の値、又は払出済賞球数の値を分子とした値の表示を増減させることにより「状態表示」の変化として行うこととしてもよい。また、キャラクタの表示態様が変化することを「状態表示」の変化として実行することとしてもよい。
上記実施の形態では、ファンファーレ期間中に賞球報知を行うこととしたが、これに限るものではない。例えば、変動中や、大当り遊技状態におけるラウンドが開始された後に賞球報知を行うものであってもよい。
上記実施の形態では、画像表示装置5において特定報知を行うこととしたが、これに限るものではない。例えば、スピーカ8L、8Rや所定の発光部材を用いて特定報知を行うこととしてもよい。
上記実施の形態では、「特別演出」として、スピーカ8L、8Rから特定の音声を出力することとしたが、これに限るものではない。例えば、画像表示装置5や所定の発光部材を用いた演出を「特別演出」として実行することとしてもよい。
上記実施の形態では、2回目以降のオーバー入賞についてはオーバー入賞報知を実行しないことにより、「特定演出の実行を制限」することとしたが、具体的な制限態様についてはこれに限るものではない。例えば、2回目以降のオーバー入賞を検知した場合に、一部のオーバー入賞報知を実行したり、出力の程度を抑えて該オーバー入賞報知を実行したり、1回目のオーバー入賞報知よりも消極的なオーバー入賞報知を行うこととしてもよい。具体的には、1回目のオーバー入賞発生時には発光部材をレインボー発光制御を行う一方で、2回目以降のオーバー入賞発生時には発光部材の単色発光制御を行うこととしてもよい。
上記実施の形態では、「特別報知」として、付与可能な残り全ての価値を報知することとしたが、これに限るものではない。例えば、更に10R確変大当りが設けられているものであれば、15R確変大当り又は10R確変大当りであればラウンド9において「300 GET」を特別報知として表示し、15R確変大当りであればラウンド11において更に「750 GET」を特別報知として表示するものであってもよい。なお、特別報知を行うタイミングについては、昇格成功演出を実行する次のラウンド開始時に限るものではなく、例えば、他のラウンド開始時であってもよいし、ラウンド中の所定のタイミングであってもよい。
上記実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ200側が大当り種別に基づいて報知パターンを選択することとしたが、これに限るものではない。例えば、大当りにおける大入賞口の開放態様と報知パターンとが対応付けられた大当り種別が遊技制御用マイクロコンピュータ100側によって選択され、演出制御用マイクロコンピュータ200側が選択された大当り種別に対応付けられた報知パターンに基づいて賞球報知及び状態表示を行うこととしてもよい。
上記実施の形態では、オーバー入賞が発生した場合には状態表示を変化させないことにより、賞球報知により報知を行った値と矛盾が生じないようにしたが、オーバー入賞が発生した場合にも状態表示を変化させ、賞球報知により予め報知した賞球数を状態表示が超えた場合、所定の表示を行うことにより矛盾が生じないようにしてもよい。例えば、「∞」を表示したり、特殊な表示を行ったりすることとしてもよい。
上記実施の形態では、報知パターンとしてPt2が選択された場合には、有効期間中に1回の操作を検出したことに基づいて賞球表示の値を「1200」から「2250」へ切り替え可能であることとしたが、これに限るものではない。例えば、2回以上の所定回の操作を検出したことに基づいて賞球表示の値を「1200」から「2250」へ切り替えることとしてもよいし、1回の操作を検出する度に賞球表示を切り替えていくものであってもよい。また、ボタン演出は設けられていないものであってもよい。
また、所定の演出が発生した場合に特定の大当りとなる遊技機であれば、該所定の演出を実行した場合にはボタン演出を行わずに、付与する価値が最大である旨を示す特定報知を行うこととしてもよい。
また、具体的な演出例としては、ファンファーレ期間中にポイントが付された敵キャラクタを表示することを「報知」として実行し、入賞が発生する毎に該敵キャラクタを撃破してポイントが付与されることを「状態表示の変化」として実行することとしてもよい。また、ファンファーレ期間中におけるボタン演出として、操作を検出する毎に敵キャラクタを撃破してポイントが付与されることとしてもよい。また、付されているポイントが異なる複数の敵キャラクタが設けられていることとしてもよい。例えば、15ポイントが付されているキャラクタAと、300ポイントが付されているキャラクタBとが設けられており、キャラクタAは1個の遊技球の入賞により撃破可能であり、キャラクタBは20個の遊技球の入賞により撃破可能であることとしてもよい。
上記実施の形態では、一のラウンドにおいて大入賞口を1回のみ開放可能であることとしたが、複数回開放可能であることとしてもよい。また、大入賞口の開放態様については、ラウンド毎に異なることとしてもよい。例えば、ラウンド1〜ラウンド8においては大入賞口を29.5秒にわたり1回だけ開放し、ラウンド9〜ラウンド15においては大入賞口を0.1秒にわたり2回開放することとしてもよい。
上記実施の形態では、単一の大入賞口を設けることとしたが、複数の大入賞口を設けることとしてもよい。例えば、大入賞口Aと大入賞口Bとを備え、大当りにおけるラウンド毎にいずれか一方の大入賞口を開放状態とすることとしてもよい。
上記実施の形態では、1種類の賞球報知及び状態表示が設けられていることとしたが、複数種類の賞球報知及び状態表示が設けられていることとしてもよい。例えば、停止表示する大当り図柄毎に、賞球報知及び状態表示の種類が異なることとしてもよい。
また、ボタン演出における有効期間の残り時間を報知するものであってもよい。例えば、「残り3秒」といった表示を行うこととしてもよいし、有効期間の残り時間を示すメータが減少していく表示を行うこととしてもよい。
上記実施の形態では、図69(B)、図71(B)に示すように、全画面予告演出の実行期間と逆方向変動の実行期間とが完全に一致している、つまり、全画面予告演出と逆方向変動とが同じタイミングで開始し、同じタイミングで終了しているが、図76に示すように全画面予告演出の実行期間が逆方向変動の実行期間よりも短くしてもよい。図76では、逆方向変動は、変動開始時のタイミングに開始し、タイミングT14で終了する。これに対して、全画面予告演出は、タイミングT11よりも遅いタイミングT12で開始し、タイミングT14になる前のタイミングT13で終了する。変形例1によれば、タイミングT11〜T12の期間やタイミングT13〜T14の期間において飾り図柄の逆方向への変動が視認可能となる。タイミングT11〜T12の期間、又はタイミングT13〜T14の期間のどちらか一方のみで飾り図柄の逆方向への変動が視認可能としてもよい。
上記実施の形態では、飾り図柄の逆方向変動は、図70(C1)に示すように、飾り図柄が約1個分逆方向に変動するものとしているが、変形例2では、図77に示すように図柄逆方向始動表示の種別を選択可能に構成されている。具体的には、変形例2では、図77(A)に示すように図柄逆方向始動の種別を決定する処理を有し(S523A)、複数の種別を具備する。「小」の種別では飾り図柄を1個分逆変動させ、「中」の種別では飾り図柄を2個分逆変動させ、「大」の種別では飾り図柄が3個分逆変動させる。S523Aの処理により、これら3つの種別の中から一の種別の逆方向変動が選択される。詳しくは、S523Aの処理では、演出制御用CPU120は、図柄逆方向始動表示種別決定用乱数を示す数値データを抽出すると共に、この抽出した数値データと図77(B)に示す図柄逆方向始動表示種別決定用テーブルとを用いて、図柄逆方向始動表示の種別、つまり飾り図柄の逆方向変動の態様を決定する。例えば、図77(B)に示すように、非リーチ変動パターンの場合は、「小」に決定され、スーパーリーチ(ハズレ)変動パターンの場合は、「小」が50%、「中」が40%、「大」が10%の確率で決定され、スーパーリーチ(大当り)変動パターンの場合は、「小」が10%、「中」が30%、「大」が60%の確率で決定される。大当り期待度は、飾り図柄の逆戻り量が小<中<大の順に大きくなっており、飾り図柄の逆方向変動の種別について大当りの期待感を持つことができ、図柄逆方向始動表示についての面白みを持たすことができ、遊技の興趣が向上する。
また、複数種類の全画面予告演出を備え、全画面予告の種類を選択可能としてもよい。例えば、全画面予告演出の種類としては、全画面予告演出の実行期間が異なるものや、透明度が異なるもの、図70(C2)に示す報知内容が異なるもの、これらの表示に際して出力される出力音が異なるもの、これらの2以上を組み合わせたもの等があり、大当り期待度が異なるようにしてもよい。実行期間が長い程、透明度が低い程、図70(C2)に示す報知内容の中で演出効果の高い報知程、出力音が大きい又は特定の出力音になる程、大当り期待度が高いとしてもよい。
上記実施の形態では、図69に示すように飾り図柄の逆方向変動が可能であるが、図78、図79に示すように逆方向変動に替えて揺動可能としてもよい。変形例3では、図63、図66に示すS322Cにおける逆方向を揺動に置き換え、図68に示すS345A、S345Bにおける逆方向を揺動に置き換えればよい。図78(A)では、全画面予告演出の実行がなしに決定されており、タイミングT01において飾り図柄の揺動表示と図柄予告演出とが開始される。図柄予告演出はタイミングT02にて終了し、揺動表示はタイミングT03に終了する。この揺動表示の終了時には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図79(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図79(B1)に示すように揺動表示が開始されると共に、図79(B1)に示すような図柄予告演出、つまり、飾り図柄の周囲に所定色のオーラの画像Gが表示される予告演出も開始される。そして、図78(A)に示す揺動表示の終了時にて、図79(D1)に示すように基準位置Refにある飾り図柄の順方向への変動が開始される。
これに対して、図78(B)では、全画面予告演出の実行がありに決定されているので、図柄予告演出が、初期値としてのタイミングT01からタイミングT03に変更される。このときの演出実行例を見てみると、図79(B2)に示すように全画面予告演出が開始され、図79(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」等の報知画像が表示され、図79(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図79(D2)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されたときに図柄予告演出が開始されるように変更されている。つまり、図柄予告演出の開始が、図79(B1)に示す変動開始時ではなく、図79(D2)に示す全画面予告演出の終了後に変更されている。これにより、図柄予告演出が全画面予告演出に隠れて非表示となることを防止できる。なお、飾り図柄の揺動表示は変更なく実行されているが、図79(B2)、(C2)に示す全画面予告演出の背後に隠れているため、遊技者からは見えない。
上記実施の形態では、図63〜図66に示すように全図柄予告演出、図柄予告演出及び図柄逆方向始動表示を抽選決定しているが、図53に示す変動パターンのように、全図柄予告演出、図柄予告演出及び図柄逆方向始動表示のうち少なくとも一つを備える変動パターンを備えるようにしてもよい。
上記実施の形態では、画像表示装置5の画面上に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが設けられて飾り図柄の可変表示が行われると共に、小図柄表示エリア5Vが設けられて小図柄の可変表示が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば小図柄表示エリア5Vが設けられていないパチンコ遊技機1において、画像表示装置5の画面上に飾り図柄を示す演出画像を表示することで、飾り図柄の可変表示を実行可能なものであってもよい。この場合でも、特定演出画像となるキャラクタ等を示す演出画像を、識別情報画像となる飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置可能とし、飾り図柄の可変表示における表示結果が導出される期間では、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側にて重複する位置で表示される特定演出画像の表示態様を静止態様とすればよい。これにより、飾り図柄の可変表示における表示結果の誤認を防止することができる。
また、飾り図柄を示す演出画像を可変表示することに代えて、あるいは、このような可変表示と共に、予め用意された演出画像をアニメーション表示することにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応した表示演出を行い、特別図柄の可変表示における表示結果が導出されるときには、演出画像のアニメーション表示を中断あるいは一時停止して、可変表示の表示結果を認識可能な表示を行うことで、可変表示とは別個に表示結果を導出するものであってもよい。こうして、有利状態に制御するか否かの決定結果に関連して表示結果を導出する関連表示を実行可能とし、この関連表示における演出画像よりも前方側の重複する位置に特定演出画像を配置可能とした場合に、関連表示における表示結果が導出される期間では、特定演出画像の表示態様を静止態様とするものであってもよい。
上記実施の形態では、「保留表示変化」の先読み予告演出が実行される場合に、特定演出画像として、保留表示変化演出で用いられるキャラクタを示す演出画像を、複数回の可変表示にわたり表示可能であるものとして説明した。これに対し、例えば「保留表示変化」の先読み予告演出と共に、これとは異なる先読み予告演出を複数回の可変表示にわたり同時に実行可能とし、一部又は全部の先読み予告演出で用いられるキャラクタ等を示す演出画像を、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置可能としてもよい。この場合には、先読み予告演出で用いられる演出画像のうち、識別情報画像よりも前方側の重複する位置に配置される演出画像を特定演出画像として、可変表示中であるか表示結果が導出される期間であるかに応じて、表示態様をアクション態様にするか静止態様にするかを異ならせてもよい。
上記実施の形態では、特定演出画像の一例として、保留表示変化演出で用いられるキャラクタを示す演出画像が表示されるものとして説明した。これに対し、特定演出画像として、飾り図柄の可変表示等が実行される可変表示中、又は可変表示の開始前に表示が開始され、可変表示における表示結果が導出される期間でも継続して表示される任意の演出画像が用いられてもよい。例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態である期間に対応して、複数回の可変表示にわたり特別なキャラクタ等を示す演出画像が、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置にも配置可能に表示されてもよい。あるいは、パチンコ遊技機1における演出状態が通常演出モードとは異なる特別演出モードである期間に対応して、複数回の可変表示にわたり特別なキャラクタなどを示す演出画像が、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置にも配置可能に表示されてもよい。このように、特定演出画像として、複数回の可変表示にわたり特別なキャラクタなどを示す演出画像が、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置にも配置可能に表示され、可変表示における表示結果が導出される期間では、特定演出画像の表示態様を静止態様にしてもよい。
キャラクタを示す演出画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す演出画像であればよい。飾り図柄の可変表示等が実行される可変表示中には、特定演出画像として動画像を再生表示することで、特定演出画像の表示態様をアクション態様としてもよい。この場合、可変表示における表示結果が導出される期間では、動画像の再生を一時停止することで、特定演出画像の表示態様を静止態様としてもよい。
一の飾り図柄を示す演出画像が識別情報画像となる場合に、特定演出画像となる演出画像は、その一の飾り図柄のうち一部分を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置されるものであってもよいし、一の飾り図柄の全体を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置されるものであってもよい。複数の飾り図柄を示す演出画像が識別情報画像となる場合に、特定演出画像となる演出画像は、それら複数の飾り図柄のうち一部の飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置されるものであってもよいし、全部の飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置されるものであってもよい。
特定演出画像となる演出画像が前方側に配置可能な識別情報画像の種類や部分は、パチンコ遊技機1における遊技状態と演出状態のうち、少なくともいずれか一方に応じて異ならせてもよい。例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるときには、飾り図柄が通常図柄であるか確変図柄であるかにかかわらず、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に特定演出画像となる演出画像を配置可能とする。これに対し、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、複数の飾り図柄のうち通常図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に特定演出画像となる演出画像を配置可能とする一方、複数の飾り図柄のうち確変図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置には特定演出画像となる演出画像が配置されないようにしてもよい。この場合には、遊技状態が確変状態であるときに、確変図柄が大当り組み合わせで導出されて確変状態が継続することに対する遊技者の注目が特定演出画像の表示によって妨げられてしまうことを防止して、遊技の興趣を向上させることができる。
また、例えばパチンコ遊技機1における演出状態が通常演出モードであるときには、飾り図柄の図柄番号にかかわらず、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に特定演出画像となる演出画像を配置可能とする。これに対し、パチンコ遊技機1における演出状態が複数回の可変表示にわたり通常演出モードとは異なる特別演出モードであるときには、例えば特定の人物と関連する特定の図柄番号が付された飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置には特定演出画像となる演出画像が配置されないようにしてもよい。このように、特定演出画像は、少なくとも識別情報画像の一部よりも前方側の重複する位置に配置できるものであればよい。
上記実施の形態では、識別情報画像となる飾り図柄等の可変表示における表示結果が導出される期間にて、特定演出画像となる演出画像の全部について表示態様を静止態様にするものとして説明した。これに対し、少なくとも飾り図柄の演出画像よりも前方側の重複する位置に配置された特定演出画像の一部について、表示態様を静止態様にできるものであればよい。
上記実施の形態では、飾り図柄等の可変表示における表示結果が導出される期間にて、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置された特定演出画像となる演出図柄の表示態様を、静止態様にするものとして説明した。これに対し、飾り図柄を示す演出画像よりも後方側に配置される演出画像がある場合に、可変表示における表示結果が導出される期間では、飾り図柄の可変表示等が実行される可変表示中と同様の表示態様で、後方配置画像が表示されてもよい。例えば図58(B)に示された飾り図柄表示レイヤに描画される演出画像のZ値よりも大きい値が割り当てられて表示の優先度が低くなる表示レイヤとして、背景画像表示レイヤが設けられてもよい。背景画像レイヤには、背景画像となる演出画像が描画される。背景画像表示レイヤは、遊技者から見て最も後方側に配置されるように、Z値が設定されてもよい。この場合、可変表示における表示結果が導出される期間では、飾り図柄を示す演出画像よりも後方側の重複する位置、又は重複しない位置に配置された背景画像となる演出画像の表示態様を、可変表示中と同様の表示態様としてもよい。これにより、特定演出画像のように表示結果に誤認を生じさせ得る演出画像については静止態様とする一方、背景画像のように表示結果の誤認を生じさせない演出画像については可変表示中と同様の表示態様とすることで、演出画像の表示に対する違和感を低減できる。
上記実施の形態では、飾り図柄の可変表示等が実行される可変表示中において、特定演出画像となる演出画像の表示態様をアクション態様とする一方、可変表示における表示結果が導出される期間にて、識別情報画像となる飾り図柄を示す演出画像よりも前方側に配置された特定演出画像となる演出画像の表示態様を、静止態様にするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、可変表示における表示結果が導出される期間では、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置された特定演出画像となる演出画像の表示態様を、静止態様とは異なるアイドリング態様にしてもよい。アイドリング態様として、表示結果の誤認が生じない範囲で、上記実施の形態におけるアクション態様のときとは特定演出画像の表示態様が異なるように設定された仮停止態様にしてもよい。
その他、飾り図柄の可変表示等が実行される可変表示中において、例えば「図柄変動中」のメッセージをキャラクタのセリフとして報知する演出画像が、特定演出画像として表示されてもよい。これに対し、飾り図柄の可変表示等における表示結果が導出される期間では、例えば「図柄確定」のメッセージをキャラクタのセリフとして報知する演出画像が、特定演出画像として表示されてもよい。このように、可変表示中であるか表示結果が導出される期間であるかに応じて、キャラクタのセリフとして報知されるメッセージの内容を異ならせることにより、特定演出画像の表示態様を異ならせてもよい。
特定演出画像として複数部位からなるキャラクタを示す演出画像が表示される場合に、可変表示における表示結果が導出される期間では、飾り図柄の可変表示等が実行される可変表示中とは異なる表示態様で特定演出画像が表示されてもよい。
パチンコ遊技機1としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態から開放状態へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるように構成されたものであってもよい。このような構成において、始動入賞口を通過した遊技球が検出されたことに基づいて、可変入賞装置を第1状態に変化させるか否かの決定結果や、第1状態に変化させるときの変化態様を複数態様のいずれかとする決定結果、あるいは、可変入賞装置の内部における遊技球の通過状況に応じて大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果の少なくともいずれかに関連して、表示結果を導出する関連演出を実行可能とし、この関連表示における演出画像よりも前方側の重複する位置に特定演出画像を配置可能とした場合に、関連表示における表示結果が導出される期間では、特定演出画像の表示態様を静止態様とするものであってもよい。
上記実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて大当り遊技状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、確変状態等の特別遊技状態を有利状態としてもよいし、複数の大当り遊技状態のうちで実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数よりも多い第1ラウンド数となる大当り遊技状態を有利状態としてもよい。あるいは、複数の時短状態のうちで実行可能な可変表示の上限回数が第2回数よりも多い第1回数となる時短状態を有利状態としてもよいし、複数の確変状態のうち大当り確率が第2確率よりも高い第1確率となる確変状態を有利状態としてもよい。その他、遊技者にとって有利な任意の遊技状態を有利状態としたものであればよい。
保留表示変化演出が実行されるときには、保留表示に制限を設ける制限演出が実行されてもよい。制限演出は、例えば画像表示装置5の表示領域に表示制限用の演出画像を表示すること、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRにて半透明表示や透明表示や縮小表示を行うこと、あるいは演出用模型を退避状態から進出状態に移行させて進出状態のときに保留表示を隠蔽することなどにより、保留表示の一部又は全部を遊技者が視認不可能又は視認困難となるように制限するものであればよい。
パチンコ遊技機1は、第1の実施の形態のように、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制するための構成と、第2の実施の形態のように、識別情報の動き出しが分かり難くなってしまうことを防止し、遊技の興趣を向上させる構成とが関連していてもよい。即ち、第1の実施の形態のように、所定領域を遊技媒体が通過した場合には可変表示が開始されると共に遊技媒体が付与され、特殊領域を遊技媒体が通過した場合には可変表示は開始されない一方で遊技媒体が付与され、特殊領域を通過したが特殊進入部に進入しなかった遊技媒体を排出するための特殊排出領域が設けられたパチンコ遊技機1において、予告演出として、可変表示の開始時に識別情報の表示態様を視認不可又は視認困難とする所定の予告演出を実行可能とし、所定の予告演出が実行される場合、所定の予告演出の実行期間の経過後に所定方向へ識別情報の可変表示を開始可能としてもよい。このような構成によれば、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制することができるだけでなく、識別情報の動き出しが分かり難くなってしまうことを防止し、遊技の興趣を向上させることができる。
もしくは、第1の実施の形態のように、所定領域を遊技媒体が通過した場合には可変表示が開始されると共に遊技媒体が付与され、特殊領域を遊技媒体が通過した場合には可変表示は開始されない一方で遊技媒体が付与され、特殊領域を通過したが特殊進入部に進入しなかった遊技媒体を排出するための特殊排出領域が設けられたパチンコ遊技機1において、特殊領域又は特殊進入部を遊技媒体が通過したことに応じて、それ以降に実行される可変表示の開始時に識別情報の表示態様を視認不可又は視認困難とする所定の予告演出の実行権利をストックし、所定領域を遊技媒体が通過したことに応じて可変表示が実行される場合に、所定の予告演出の実行権利がストックされていれば、所定の予告演出を実行すると共に、所定の予告演出の実行期間の経過後に所定方向へ識別情報の可変表示を開始可能としてもよい。このような構成によれば、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制することができるだけでなく、識別情報の動き出しが分かり難くなってしまうことを防止することができる。また、遊技の興趣を向上させることができるだけでなく、特殊領域や特殊進入部を遊技媒体が通過することへの期待感を向上させることができる。
もしくは、第1の実施の形態のように、所定領域を遊技媒体が通過した場合には可変表示が開始されると共に遊技媒体が付与され、特殊領域を遊技媒体が通過した場合には可変表示は開始されない一方で遊技媒体が付与され、特殊領域を通過したが特殊進入部に進入しなかった遊技媒体を排出するための特殊排出領域が設けられたパチンコ遊技機1において、特殊領域を遊技媒体が通過したことに応じて特殊識別情報の可変表示を実行可能とし、予告演出として、当該特殊識別情報の可変表示の開始時に特殊識別情報の表示態様を視認不可又は視認困難とする所定の予告演出を実行可能とし、所定の予告演出が実行される場合、所定の予告演出の実行期間の経過後に所定方向へ特殊識別情報の可変表示を開始可能としてもよい。このような構成によれば、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制することができるだけでなく、特殊領域を遊技媒体が通過することへの期待感を向上させることができる。また、特殊識別情報の動き出しが分かり難くなってしまうことを防止することができる。
上記実施の形態では、図51に示すS242の処理にて決定される大当り種別に「確変」が含まれており、大当り種別の決定結果が「確変」であることに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技領域における所定位置に設けられた確変アタッカーにおいて大入賞口に入賞した遊技球が確変検出スイッチによって検出されたことに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態に制御してもよい。確変アタッカーの大入賞口は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が所定回数であるときに、閉鎖状態から開放状態に変化可能であり、ラウンド遊技の実行回数が所定回数以外であるときには、閉鎖状態のまま開放状態には変化不能であるとしてもよい。このように、パチンコ遊技機1は、遊技領域に設けられた特別可変入賞装置の一例となるアタッカー内にて遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、確変制御条件を成立させることが可能となるように構成されてもよい。
上記実施の形態では、大当り種別として15R確変大当りや8R確変大当り等、確変大当りのみを備える場合を示したが、そのような態様に限られない。例えば、大当り遊技の終了後に時短状態にのみ制御され、確変状態には制御されない通常大当りを大当り種別として備えた遊技機に、上記の実施の形態で示した構成を適用してもよい。
上記実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様に限られない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯及び点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ200に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ200に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ200は2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ200の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、画像表示装置5等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板と、その他の演出装置を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
上記実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけに限らず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるものも含む概念である。
上記実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ100が他の基板に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声制御基板13、ランプ制御基板14、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、更に、受信したコマンドを、そのまま、又は例えば簡略化したコマンドに変更して、画像表示装置5を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ200は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声制御基板13、ランプ制御基板14又は音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
上記実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定を行い、その入賞時判定結果を示すコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ200側で、その入賞時判定結果を示すコマンドに基づいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様に限らず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ200側で入賞時判定を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数や変動パターン種別判定用乱数の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ200側で、それらのコマンドで指定される乱数の値に基づいて入賞時判定を行うように構成してもよい。
上記実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組み合わせが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
上記実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。更に、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。更には、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。