JP6826354B2 - 居室の避難性能設計支援システム - Google Patents

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Description

本発明は、居室単位の避難安全検証を対象として、避難安全検証法の適用の可否を速やかに判定することが可能で、従ってまた、避難安全性能自体を迅速に判断することが可能であると共に、コスト削減や設計の自由度等、当該検証法のメリットを活かすことが可能な居室の避難性能設計支援システムに関する。
火災時の避難者の安全を検証するための技術として、特許文献1及び2が知られている。特許文献1の「避難安全性能評価方法、避難安全性能評価プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体、設計図、建築物、計算過程図もしくは避難安全性能評価計算書」は、専門家でなくても、より実態にあった避難完了時点における煙層下端高さの予測が可能となる避難安全性能評価方法を提供することを課題とし、建築物の設計段階もしくは、建築物の設計段階、または既存建物のプラン変更もしくは用途変更の段階における、建築物の火災時の避難安全性能を評価する方法であって、避難完了時間を基に煙層下端高さを算出し、避難完了時点における煙層下端高さと煙層高さの避難安全上の許容値を比較することにより、避難安全性能評価を行うようにしている。
特許文献2の「建物の安全避難のための設備のプランニング方法、プランニングシステム、及びプランニング用のプログラム」は、建物の安全避難のための設備条件の変更と安全性の検証とを自動的に処理することができ、かつその条件を変更する際の優先順位を指定することを課題とし、建物内の火災室から周囲への煙の広がり具合をシミュレーションし、火災発生時より、各室及び通路内でその天井からの煙の降下で避難者の呼吸が困難になる迄の煙降下時間を計算し、火災発生時より、任意の室からの居室者が室外へ或いはその室のある階から避難口へ脱出するのに要する避難時間と比較して、煙降下時間が避難時間より長いときには、設備条件を可とし、煙降下時間が避難時間よりも短いときには、設備条件を不可として、設備条件を改善して上記行程を繰り返すことで、複数の方策を用意するとともに、これら対して、経済性等に基づいて予め序列を付与して、機械的に設備条件の改善を試みるようになっている。
特開2006−85580号公報 特開2007−334683号公報
平成12年の建築基準法の改定に伴い、建築基準法の防火避難関連の性能評価による規定として、避難安全検証法が導入された。この避難安全検証法は、火災時の避難経路を、従来の仕様と避難距離との関係で制限するのではなく、安全に避難できる性能を検証すれば距離は問わないという性能設計に関する検証法である。
すなわち、避難安全検証法とは、建築基準法の告示で規定された、建物の避難安全性能に関する検証方法を言い、建築基準法では、基本的に避難安全に関して仕様規定を定めているが、こちらの検証法を用いて避難安全性能を確認できれば、仕様規定にとらわれない性能設計による計画が可能となる。具体的には、建物内の各所から避難先までの移動時間が、火災によって発生する煙の降下時間より短いことを確認し、建物利用者が安全に避難できることを検証するものである。
避難安全検証法は、(1)居室単位の避難安全検証、(2)階避難安全性能検証、(3)全館避難安全性能検証の3段階に分かれる。そのうち、(1)居室単位の避難安全検証は、設計初期段階で、検証法の適用可否を判断するために、図4に示すように居室避難の安全性能について検証を行う。例えば、室aの扉bの幅を適切に設計すると、建物利用者cが出口dで滞留することなく室(出火室)a外へ移動でき避難時間が短くなるため、煙が降下するまでに室外へ安全に避難ができ、このような設計であれば、避難安全検証法の適用が可能である。
避難安全検証法(基準法施行令)を適用して、避難安全性能を有していることが検証された場合、建築基準法の防火避難関連の一部の規定を緩和することができる。これにより、例えば、直通階段(階段室)eまでの歩行距離を長くしたり防火区画を広くするなど、設計の自由度を向上させることができる。また、避難階段数の削減や階段幅の縮小、排煙設備等の削減などによって、コストダウンを図ることができる。
しかしながら、避難安全検証法では、(1)居室単位の避難安全検証だけであっても、従来の設計方法に比べて設定できる条件が多く、それら条件が互いに関連し合うため、トライアンドエラーを繰り返すだけでは、避難安全検証法の適用の可否を判断するのに多大な時間を要するという課題があった。このため、避難安全性能自体を迅速に判断することができず、結果的に設計に時間がかかってしまうという課題があった。
そしてまた、多大な時間を要するなどの理由で、避難安全検証法の利用が図られない場合、当該検証法によって得られる恩恵である、コスト削減や設計の自由度に関するメリットを享受することができないという問題があった。さらにまた、結果として避難安全性能を満足した場合でも、余裕度が分からないため、過剰設計になっている可能性があるという課題もあった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、居室単位の避難安全検証を対象として、避難安全検証法の適用の可否を速やかに判定することが可能で、従ってまた、避難安全性能自体を迅速に判断することが可能であると共に、コスト削減や設計の自由度等、当該検証法のメリットを活かすことが可能な居室の避難性能設計支援システムを提供することを目的とする。
本発明にかかる居室の避難性能設計支援システムは、居室内人員が火災で避難するときの避難行動に対する居室の安全性を検討するために、居室内人員の避難に関係する居室の設計データを入力するための入力装置と、該入力装置から入力された該設計データを、所定の避難性能解析プログラムで解析して演算結果を出力するための演算装置と、該入力装置からの入力結果や該演算装置から出力される演算結果を表示するモニターを有して、居室の避難性能に関する設計を支援するための居室の避難性能設計支援システムであって、上記設計データにかかる項目は、居室の「面積」、居室内における居室内人員の「歩行速度」、並びに、居室内における「在室者密度」の3種類が固定値であると共に、居室における「最大歩行距離」、居室の「出口幅の合計」、居室の「内装仕様」、並びに、居室の「平均天井高さ」の4種類が可変値であり、上記所定の避難性能解析プログラムで解析して得られる演算結果にかかる項目は、「居室避難時間」、「煙等降下時間」、並びに、「居室避難の判定」を含み、上記モニターにおける表示は、上記入力結果及び上記演算結果の表示が可能な表形式であって、上記設計データにかかる項目及び上記演算結果にかかる項目を表示するセルが縦並びに行配置された「項目表示欄」と、該「項目表示欄」に表示された各項目に対する「設計データ初期値セル」及び「初期値演算結果表示セル」が縦並びに行配置された「初期値表示欄」と、該「項目表示欄」に表示された各項目に対する「設計データ比較値セル」及び「比較値演算結果表示セル」が縦並びに行配置された、少なくとも1つの「比較値表示欄」とが、検討履歴対比可能に横並びに列配置されて構成され、上記「設計データ初期値セル」及び上記「設計データ比較値セル」それぞれに対しては、上記モニターにおける表示を上記入力装置で選択して上記設計データの入力が可能であることを特徴とする。
前記モニターには、前記「設計データ初期値セル」の前記設計データの前記入力結果とは異なる前記「設計データ比較値セル」の前記設計データの前記入力結果が視認により判別可能に表示されることを特徴とする。
前記所定の避難性能解析プログラムで解析して得られる前記演算結果にかかる項目はさらに、「必要最低排煙量」、「余剰排煙量」、並びに「最低必要自然排気口面積」を含み、前記「項目表示欄」は、上記演算結果にかかる項目として、上記「必要最低排煙量」、上記「余剰排煙量」、並びに上記「最低必要自然排気口面積」を有し、前記「初期値表示欄」及び前記「比較値表示欄」の前記「初期値演算結果表示セル」及び前記「比較値演算結果表示セル」には、前記「居室避難の判定」が「否」のとき、上記「必要最低排煙量」及び上記「最低必要自然排気口面積」が数値で表示され、該「居室避難の判定」が「可」のとき、上記「余剰排煙量」が数値で表示されることを特徴とする。
前記「余剰排煙量」の前記演算結果の最小値は、他の該「余剰排煙量」の数値に対し、視認により判別可能に表示されることを特徴とする。
本発明にかかる居室の避難性能設計支援システムにあっては、居室単位の避難安全検証を対象として、避難安全検証法の適用の可否を速やかに判定することができ、従ってまた、避難安全性能自体を迅速に判断することができると共に、コスト削減や設計の自由度等、当該検証法のメリットを活かすことができる。
本発明に係る居室の避難性能設計支援システムの好適な一実施形態のシステムを説明する説明図である。 本発明に係る居室の避難性能設計支援システムの好適な一実施形態を実行する際の、居室の避難性能設計支援システムにおける作業フローを説明する説明図である。 本発明に係る居室の避難性能設計支援システムによる表示構造の好適な一実施形態を示す説明図である。 居室避難の安全性能について行われる検証の概略を説明する説明図である。
以下に、本発明にかかる居室の避難性能設計支援システムの好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。居室の避難性能設計支援システム1は図1に示すように、キーボード2aやマウス2bなどの入力装置2と、CPUやメモリを搭載し、インストールされた所定の避難性能解析プログラム3を実行する演算装置4と、モニター5と、プリンタ6とから構成され、演算装置4には、入力装置2やモニター5、プリンタ6が接続されている。
所定の避難性能解析プログラム3は、居室内人員が火災で避難するときの避難行動に対する居室の安全性を検討し評価するために組まれたもので、例えば、上述した平成12年の建築基準法の改定に伴って、建築基準法の防火避難関連の性能評価による規定として導入された避難安全検証法など、当該建築基準法に基づく避難安全検証法そのものを実行するプログラムである。
居室の避難性能設計支援システム1では、入力装置2は、居室内人員の避難に関係する居室の設計データを入力するために用いられ、演算装置4は、入力装置2から入力された設計データを、所定の避難性能解析プログラム3で解析して演算結果を出力するために用いられ、モニター5は、入力装置2からの入力結果や演算装置4から出力される演算結果を表示するために用いられ、プリンタ6は、モニター5に表示された情報を印刷するために用いられて、居室の避難性能に関する設計を支援するようになっている。
居室の避難性能設計支援システム1の作業フローは、図2に示すように、まず、当該設計支援システム1を起動し(ステップ1)、次いで、所定の避難性能解析プログラム3を起動する(ステップ2)。
その後、後述するように、入力装置2でモニター5に表示された「設計データ初期値セル」へ設計データを入力する(ステップ3)と、当該設計データ(初期値)に対する演算結果がモニター5に表示され(ステップ4)、その後、入力装置2でモニター5に表示された「設計データ比較値セル」へ設計データを入力する(ステップ5)と、当該設計データ(比較値)に対する演算結果が、設計データ(初期値)に対する演算結果と併せて、モニター5に表示される(ステップ4)ようになっている。
ステップ5とステップ4のループは、比較したい回数に応じて、何回でも実行することができる。また、ステップ3に戻って、再度、「設計データ初期値セル」への入力から実行し直すこともできる。
入力装置2で入力される設計データにかかる項目は、少なくとも、3種類の固定値と4種類の可変値を含む。図3に示すように、固定値は、居室の「面積」、居室内における居室内人員の「歩行速度」、並びに、居室内における「在室者密度」である。
可変値は、居室における「最大歩行距離」、居室の「出口幅の合計」、居室の「内装仕様」、並びに、居室の「平均天井高さ」である。「内装仕様」については、不燃、準不燃、難燃のいずれかが変更可能に選択される。必要な場合には、固定値として、「積載可燃物の発熱量」の設計データが入力される。
これら設計データを所定の避難性能解析プログラム3で解析して得られる演算結果にかかる項目は、図3に示すように、「居室避難時間」、「煙等降下時間」、並びに、「居室避難の判定」を含む。「居室避難の判定」は、「居室避難時間」及び「煙等降下時間」の算出値に基づいて行われる。「居室避難の判定」は、避難安全検証法の適用の可否の判定に対応する。
本発明にかかる居室の避難性能設計支援システムにおける表示構造の要旨は、図3に示したモニター5における表示構成にある。図3は、本実施形態に係る居室の避難性能設計支援システムにおける表示構造の好適な一実施形態を示す説明図である。
図示するように、モニター5における表示は、周知の表計算ソフトのセルを用いた表形式とされる。この表形式は、左側の領域を占める「項目表示欄」7と、「項目表示欄」7の右隣りの領域を占める「初期値表示欄」8と、「初期値表示欄」8の右隣りの領域を占める、少なくとも1つの「比較値表示欄」9とからなる。図示例では、「比較値表示欄」9は、4つ設けられている。
「初期値表示欄」8及び「比較値表示欄」9には、表形式で、入力装置2で入力された設計データが入力結果として表示されると共に、これら設計データを用いて所定の避難性能解析プログラム3が実行した解析の演算結果が表示される。
「項目表示欄」7には、入力される設計データにかかる項目と、避難安全検証法の適用の可否を表す演算結果にかかる項目とを表示するセルが縦並びに行配置される。
具体的には図示するように、上から下へ順次、「最大歩行距離(設計データ)」、「出口幅の合計(設計データ)」、「居室避難時間(演算結果)」、「内装仕様(設計データ)」、「平均天井高さ(設計データ)」、「煙等降下時間(演算結果)」、「居室避難の判定(演算結果)」、「必要最低排煙量(演算結果)」、「余剰排煙量(演算結果)」、並びに「最低必要自然排気口面積(演算結果)」の項目が表示される。
後述するように、「居室避難の判定」は、○・×(可・否)の記号で表示される。「居室避難の判定」が「○(可)」であるときには、避難安全検証法の適用の可否の判定は「可」であり、「居室避難の判定」が「×(否)」であるときには、避難安全検証法の適用の可否の判定は「否」である。
また、上記「必要最低排煙量」は、「居室避難の判定」が「×(否)」であるときに、その判定が「○(可)」に覆るのに必要な量を示す項目である。「余剰排煙量」は、「居室避難の判定」が「○(可)」のときに、設備過剰の程度を知ることができる量を示す項目である。「最低必要自然排気口面積」は、「居室避難の判定」が「×(否)」であるときに、自然排気について、判定が「○(可)」に覆るのに必要な量を示す項目である。
「初期値表示欄」8には、「項目表示欄」7に表示された各項目に対する「設計データ初期値セル」8a及び「初期値演算結果表示セル」8bが縦並びに行配置される。「設計データ初期値セル」8aには、入力結果が表示され、「初期値演算結果表示セル」8bには、演算結果が表示される。図示例では、初期値の設計データに対応するケースが、「室ケース1」とされている。
これらセル8a,8b内に数値が表示されるのは、「最大歩行距離(設計データ)」、「出口幅の合計(設計データ)」、「居室避難時間(演算結果)」、「平均天井高(設計データ)」、「煙等降下時間(演算結果)」、「必要最低排煙量(演算結果)」、「余剰排煙量(演算結果)」、並びに「最低必要自然排気口面積(演算結果)」である。
「内装仕様(設計データ)」は、プルダウンメニューで選択可能にセル8a内に表示される。「居室避難の判定(演算結果)」については、○・×(可・否)の記号でセル8b内に表示される。
「比較値表示欄」9は、「初期値表示欄」8と同一の構造で、各項目に対する「設計データ比較値セル」9a及び「比較値演算結果表示セル」9bが縦並びに行配置される。図示例では、種々の比較値の設計データに対応する各ケースが、「室ケース2」〜「室ケース4」とされている。
これら「項目表示欄」7と、「初期値表示欄」8と、複数の「比較値表示欄」9とは、横並びに列配置され、これにより、「比較値表示欄」9は左隣りの「初期値表示欄」8に対し、検討履歴対比可能な配列とされている。
入力装置2による初期値や比較値の設計データの入力については、周知の表計算ソフトのように、モニター5における「設計データ初期値セル」8a及び「設計データ比較値セル」9aの表示を入力装置2で選択することで、これら設計データを入力することが可能となっている。すなわち、「設計データ初期値セル」8a及び「設計データ比較値セル」9aそれぞれに対しては、モニター5における表示を入力装置2で選択して設計データの入力が行えるようになっている。
モニター5の表示についてはさらに、モニター5には、「設計データ初期値セル」8aの設計データの入力結果に対して、それとは異なる「設計データ比較値セル」9aの設計データの入力結果が視認により判別可能に表示される。例えば、セル色を変える(図中、梨地で示す)、文字色を変えるなどして、判別可能とされる。
さらに、「余剰排煙量」の演算結果の最小値は、他の「余剰排煙量」の数値に対し、視認により判別可能に表示される。例えば、フォントを変える、セル色を変える(図中、ハッチングで示す)、文字色を変えるなどして、判別可能とされる。
なお、図示例にあっては、固定値などの設計データや居室の「面積」を按分するようにした場合等、補足的内容を表示するために、「項目表示欄」7及び「初期値表示欄」8を下方へ拡張して、補足的な表示領域10が設定されている。
以上説明した本実施形態にかかる居室の避難性能設計支援システムにあっては、居室内人員が火災で避難するときの避難行動に対する居室の安全性を検討するために、居室内人員の避難に関係する居室の設計データを入力するための入力装置2と、入力装置2から入力された設計データを、所定の避難性能解析プログラム3で解析して演算結果を出力するための演算装置4と、入力装置2からの入力結果や演算装置4から出力される演算結果を表示するモニター5を有して、居室の避難性能に関する設計を支援するための居室の避難性能設計支援システム1であって、設計データにかかる項目は、居室の「面積」、居室内における居室内人員の「歩行速度」、並びに、居室内における「在室者密度」の3種類が固定値であると共に、居室における「最大歩行距離」、居室の「出口幅の合計」、居室の「内装仕様」、並びに、居室の「平均天井高さ」の4種類が可変値であり、所定の避難性能解析プログラム3で解析して得られる演算結果にかかる項目は、「居室避難時間」、「煙等降下時間」、並びに、「居室避難の判定」を含み、モニター5における表示は、入力結果及び演算結果の表示が可能な表形式であって、設計データにかかる項目及び演算結果にかかる項目を表示するセルが縦並びに行配置された「項目表示欄」7と、「項目表示欄」7に表示された各項目に対する「設計データ初期値セル」8a及び「初期値演算結果表示セル」8bが縦並びに行配置された「初期値表示欄」8と、「項目表示欄」7に表示された各項目に対する「設計データ比較値セル」9a及び「比較値演算結果表示セル」9bが縦並びに行配置された複数の「比較値表示欄」9とが、検討履歴対比可能に横並びに列配置されて構成され、「設計データ初期値セル」8a及び「設計データ比較値セル」9aそれぞれに対しては、モニター5における表示を入力装置2で選択して設計データの入力が可能であるように構成したので、「設計データ初期値セル」8aへ入力した設計データ(初期値)に対し、「設計データ比較値セル」9aへ比較のための設計データ(図中、その例を、矢視X,Y,Zで示す)を入力することで、モニター5における表示構造で簡便にかつ容易に「居室避難の判定」の対比を試みることができ、居室単位の避難安全検証を対象として、当該「居室避難の判定」の結果から、即座に避難安全検証法の適用の可否を判定することができ、従ってまた、解析した居室の避難安全性能自体も迅速に判断することができると共に、当該避難安全検証法を適用できる場合に活かすことができるコスト削減や設計の自由度等のメリットを享受することができる。
モニター5には、「設計データ初期値セル」8aの設計データの入力結果とは異なる「設計データ比較値セル」9aの設計データの入力結果が視認により判別可能に表示されるので、「居室避難の判定」に対する設計データの適否を一目で理解することができる。
所定の避難性能解析プログラム3で解析して得られる演算結果にかかる項目はさらに、「必要最低排煙量」、「余剰排煙量」、並びに「最低必要自然排気口面積」を含み、「項目表示欄」7は、演算結果にかかる項目として、「必要最低排煙量」、「余剰排煙量」、並びに「最低必要自然排気口面積」を有し、「初期値表示欄」8及び「比較値表示欄」9の「初期値演算結果表示セル」8b及び「比較値演算結果表示セル」9bには、「居室避難の判定」が「否」のとき、「必要最低排煙量」及び「最低必要自然排気口面積」が数値で表示され、「居室避難の判定」が「可」のとき、「余剰排煙量」が数値で表示されるので、「居室避難の判定」が「可」のとき、「余剰排煙量」を低減して過剰設備になることを防いだり、排煙窓や防煙垂れ壁の設置除外などによる、意匠性の向上についても検討することができる一方、「居室避難の判定」が「否」のとき、「必要最低排煙量」及び「最低必要自然排気口面積」の検討を促して、避難安全検証法の適用に向けた支援を行うことができる。
「余剰排煙量」の演算結果の最小値は、他の「余剰排煙量」の数値に対し、視認により判別可能に表示されるので、居室の避難性能設計支援システム1における最適解を容易に理解することができる。
1 居室の避難性能設計支援システム
2 入力装置
3 所定の避難性能解析プログラム
4 演算装置
5 モニター
7 「項目表示欄」
8 「初期値表示欄」
8a 「設計データ初期値セル」
8b 「初期値演算結果表示セル」
9 「比較値表示欄」
9a 「設計データ比較値セル」
9b 「比較値演算結果表示セル」

Claims (4)

  1. 居室内人員が火災で避難するときの避難行動に対する居室の安全性を検討するために、居室内人員の避難に関係する居室の設計データを入力するための入力装置と、該入力装置から入力された該設計データを、所定の避難性能解析プログラムで解析して演算結果を出力するための演算装置と、該入力装置からの入力結果や該演算装置から出力される演算結果を表示するモニターを有して、居室の避難性能に関する設計を支援するための居室の避難性能設計支援システムであって、
    上記設計データにかかる項目は、居室の「面積」、居室内における居室内人員の「歩行速度」、並びに、居室内における「在室者密度」の3種類が固定値であると共に、居室における「最大歩行距離」、居室の「出口幅の合計」、居室の「内装仕様」、並びに、居室の「平均天井高さ」の4種類が可変値であり、
    上記所定の避難性能解析プログラムで解析して得られる演算結果にかかる項目は、「居室避難時間」、「煙等降下時間」、並びに、「居室避難の判定」を含み、
    上記モニターにおける表示は、上記入力結果及び上記演算結果の表示が可能な表形式であって、上記設計データにかかる項目及び上記演算結果にかかる項目を表示するセルが縦並びに行配置された「項目表示欄」と、該「項目表示欄」に表示された各項目に対する「設計データ初期値セル」及び「初期値演算結果表示セル」が縦並びに行配置された「初期値表示欄」と、該「項目表示欄」に表示された各項目に対する「設計データ比較値セル」及び「比較値演算結果表示セル」が縦並びに行配置された、少なくとも1つの「比較値表示欄」とが、検討履歴対比可能に横並びに列配置されて構成され、
    上記「設計データ初期値セル」及び上記「設計データ比較値セル」それぞれに対しては、上記モニターにおける表示を上記入力装置で選択して上記設計データの入力が可能であることを特徴とする居室の避難性能設計支援システム。
  2. 前記モニターには、前記「設計データ初期値セル」の前記設計データの前記入力結果とは異なる前記「設計データ比較値セル」の前記設計データの前記入力結果が視認により判別可能に表示されることを特徴とする請求項1に記載の居室の避難性能設計支援システム。
  3. 前記所定の避難性能解析プログラムで解析して得られる前記演算結果にかかる項目はさらに、「必要最低排煙量」、「余剰排煙量」、並びに「最低必要自然排気口面積」を含み、
    前記「項目表示欄」は、上記演算結果にかかる項目として、上記「必要最低排煙量」、上記「余剰排煙量」、並びに上記「最低必要自然排気口面積」を有し、
    前記「初期値表示欄」及び前記「比較値表示欄」の前記「初期値演算結果表示セル」及び前記「比較値演算結果表示セル」には、前記「居室避難の判定」が「否」のとき、上記「必要最低排煙量」及び上記「最低必要自然排気口面積」が数値で表示され、該「居室避難の判定」が「可」のとき、上記「余剰排煙量」が数値で表示されることを特徴とする請求項1または2に記載の居室の避難性能設計支援システム。
  4. 前記「余剰排煙量」の前記演算結果の最小値は、他の該「余剰排煙量」の数値に対し、視認により判別可能に表示されることを特徴とする請求項3に記載の居室の避難性能設計支援システム。
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