JP6826141B2 - 紫外線照射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、紫外線照射装置に関する。
紫外光には、殺菌能力があることから、水等の流体に紫外光を照射することで、流体を連続的に殺菌する装置が提案されている。このような装置として、例えば、長手方向に延びる流路を構成する直管と、流路を層流状態で流れる流体に向けて長手方向に紫外光を照射する光源とを備えた流体殺菌装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この流体殺菌装置では、流路のレイノルズ数が層流状態の臨界レイノルズ数以下となるように、流体殺菌装置の内径及び平均流速を調整するようにしており、例えばレイノルズ数が3000以下(好ましくは2320以下)の層流で流体を導入し、ポワズイユ分布状の流れの流体の流速が大きい領域に高いLED強度の光が照射されるようにすることで、殺菌効率を向上させるようにしている。
発光素子は、中央付近の紫外光強度がその周囲の紫外光強度よりも高い強度分布となり、層流状態の流体はポワズイユ分布状の流れとなるため、前述のようにポワズイユ分布状の流れの流体の流速が大きい領域に高いLED強度の光が照射されるようにすることができるため、プラグ流れの流体と比較して高い殺菌効率を得ることができる。
国際公開第2017/064950号
ところで、ポワズイユ分布状の流れの流体は、レイノルズ数を小さくすることで形成することができる。
しかしながら、円管内の流れのレイノルズ数は、円管の径と、流体を導入する速度とに依存する。そのため、レイノルズ数を小さくするためには、流量を一定とすると、円管内を流れる流体の速度を遅くするために円管の径を大きくする必要があり、円管の径を大きくするということはすなわち装置の大型化につながる。
そこで、この発明は従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、流速を低下させることなく小型且つ簡易な装置で流体に対して効率よく紫外線照射を行うことの可能な紫外線照射装置を提供することを目的としている。
本発明の一実施形態に係る紫外線照射装置は、長手方向に延びる流路を構成する筒状部と、筒状部の一端に設けられ流路に対して長手方向に沿って対象物を流入させる流入口と、流入口と流路との間に設けられ、平面視が円形であり、且つ表裏間を通じる開口孔を有し、開口率が中心ほど大きく、周辺に近いほど小さくなるように設定されている板と、筒状部の他端に設けられ流路を流れる対象物に向けて長手方向に沿って紫外光を照射可能であり、且つ紫外光の強度分布が、長手方向と直交する流路の断面において、中央付近の紫外光強度がその周囲の紫外光強度よりも高い発光素子と、を備え、前記板を同心円で面積が等しい3つのエリアに分割したとき、最も外側のエリアの前記開口率に対して、最も内側のエリアの前記開口率が6倍以上10倍以下であることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、小型且つ簡易な装置で流体に対して効率よく紫外線照射を行うことができる。
本発明に係る紫外線照射装置を適用した殺菌モジュールの一例を示す外観図である。 図1の縦断面図である。 テーパ比を説明するための説明図である。 板の開口率を説明するための説明図である。 板の一例を示す平面図である。 板の一例を示す平面図である。 板の一例を示す平面図である。 光源の紫外光強度を説明するための説明図である。 殺菌モジュール内における流速分布の一例を示す分布図である。 計算機上でシミュレーションを行う際に想定した本実施形態に係る殺菌モジュールの内側流路の一例である。 本実施形態に係る殺菌モジュールを用いた光学シミュレーション結果の一例である。 本実施形態に係る殺菌モジュールを用いた流速シミュレーションで想定した整理用の板の一例である。 本実施形態に係る殺菌モジュールを用いた流速シミュレーションにおける紫外光強度の比率の一例である。 本実施形態に係る殺菌モジュールを用いた流速シミュレーションによる、整流用の板の開口率と紫外光強度の比率の標準偏差との対応の一例である。 本実施形態に係る殺菌モジュールを用いた流速シミュレーションによる、圧力損失の演算で想定した整流用の板の一例である。 本実施形態に係る殺菌モジュールを用いた流速シミュレーションによる、整流用の板の開口率と安全率との対応の一例である。 本実施形態に係る殺菌モジュールを用いた流速シミュレーションで想定したテーパ比の一例である。 本実施形態に係る殺菌モジュールを用いた流速シミュレーションによる、テーパ比と紫外光強度の比率との対応の一例である。 本実施形態に係る殺菌モジュールを用いた流速シミュレーションによる、テーパ比と、整流用の板の開口率と、紫外光強度の比率の標準偏差と、の対応の一例である。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明に係る紫外線照射装置を、殺菌モジュールに適用したものであり、殺菌モジュールの一例を示す正面図である。また、図2は図1の縦断面図である。
殺菌モジュール1は、図1に示すように、流入部2と、円筒部(筒状部)3と、発光部4と、流出部5と、を備える。流入部2は円筒部3の一端に取り付けられ、円筒部3の他端に発光部4が取り付けられている。
流入部2は、端部21と、テーパ部22とを備え、端部21の一端には円筒部3の長手方向に沿って流体を流入させる流入口21aと、流入口21aを他の配管等に接続するためのフランジ21bと、が形成されている。
テーパ部22は、流入された流体の流れ方向に拡径するテーパ状に形成され、テーパ部22の小径側が端部21の他端に接続され、テーパ部22の大径側は、図2に示すように、板6を介して円筒部3の一端に取り付けられている。
テーパ部22は、流入された流体の流れをポワズイユ分布状の流れにする目的で設けられている。ポワズイユ分布状の流れは、流体の流入口が狭く、その後広がるテーパ形状とすることで形成することができる。テーパ形状としては、テーパ比が0.2以上0.68以下であることが好ましい。テーパ比をこの範囲とすることで、より長い距離においてポワズイユ分布状の流れを実現することができる。
なお、テーパ比は図3に示すように、テーパ部22の内側の、小径側の直径をd、大径側の直径をD、テーパ部22の長さつまり、小径側の端部から大径側の端部までの距離をLとしたとき、次式(1)で表される。
テーパ比=(D−d)/L ……(1)
円筒部3は、図1に示すように流入部2側の第一部材31と、発光部4側の第二部材32とを有し、第一部材31と第二部材32とは、接合部材33によって一体に結合されている。また、円筒部3の発光部4側の端面には、図2に示すように発光部4に収容されている光源41からの紫外光を透過させるための窓部34が設けられている。窓部34は、石英(SiO)やサファイア(Al)、非晶質のフッ素系樹脂などの紫外光の透過率が高い部材で構成される。
円筒部3には、図2に示すように、その内部を、テーパ部22の大径側と同等程度の内径を有する内側流路35と、内側流路35の外側に形成された外側流路36とに分離する分離壁37が設けられている。分離壁37の発光部4側の端部寄りには、内側流路35と外側流路36とを連通する複数の連通孔38が形成されている。
また、円筒部3の流入部2側の端部寄りの外周には、殺菌モジュール1内の流体を流出する流出部5が設けられている。流出部5の一端は外側流路36と連通し、他端には流体を流出させる流出口51と、流出口51を他の配管等に接続するためのフランジ52とが形成されている。
これによって、流入口21aから流入された流体はテーパ部22、内側流路35、連通孔38、外側流路36を通って流出口51から流出される。
発光部4は光源41を備え、光源41は照射面が窓部34と対向し、且つ、照射面の中心と、流体の流れる方向から見て内側流路35の中心とが対向するように配置される。光源41は、殺菌効率の高い波長である260nm〜270nm付近の紫外光を発光し、例えば、中心波長が230nm以上300nm以下の紫外線発光ダイオード等の発光素子で構成される。
板6は、流入された流体の流れをポワズイユ分布状の流れにする目的で設けられている。ポワズイユ分布状の流れは、板6を設けることでより理想に近い形に形成することができる。板6は、平面視が円形であって、表裏間を通じる開口孔6aを複数有する。開口孔6aは、板6の開口率が中心部分は大きく、周辺部分は小さくなるように配置されている。板6は、例えば図4に示すように、板6を同心円で面積が等しい3つのエリアに分割したとき、最も外側のエリア(以後、外側エリアという。)Aoutの開口率に対して、最も内側のエリア(以後、内側エリアという。)Ainの開口率が6倍以上10倍以下であることが好ましい。内側エリアAinと外側エリアAoutとの間に存在する中間エリアAmidの開口率は、外側エリアAoutの開口率又は内側エリアAinの開口率のどちらかと同一又は、両者の開口率の間の開口率とする。外側エリアAoutの開口率に対して内側エリアAinの開口率を6倍以上にすると、より長い距離においてポワズイユ分布状の流れを維持することができ、10倍以下とすることで、板6の板としての信頼性を維持することができる。
なお、板6全体の開口率は、モジュール圧力損失を抑制する観点から10%以上が好ましく、整流性能の点から50%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。
また、板6は、開口率を三段階に分ける場合に限るものではなく、任意の段階に分けてもよく、要は、レイノルズ数3000以上で導入される流体を、板6を通過させることで、ポワズイユ分布状の流れを形成することができればよく、同様に、開口孔6aの大きさや配置位置も任意に設定することができる。
図5〜図7は、板6の開口孔6aの配置例を示したものである。
図5は、開口率を三段階に分けたものであり、内側エリアAinと、中間エリアAmidと、外側エリアAoutとで、開口孔6aの配置数を異ならせることによって開口率を異ならせるようにしたものである。つまり、開口孔6aの大きさは同一であり、内側エリアAinにおける開口孔6aの配置数が最も多く、次に中間エリアAmidにおける開口孔6aの配置数が多く、外側エリアAoutにおける開口孔6aの配置数が最も少なくなるように配置すればよい。
図6は、開口率を二段階に分けたものであり、開口孔の大きさを異ならせることで、開口率を異ならせるようにしたものである。つまり、平面視で円形の板6において、中心部に孔径が比較的大きな開口孔6bを設け、板6の同心円上となる位置に、開口孔6bを囲むように、開口孔6bよりも孔径の小さい複数の開口孔6cを配置する。これによって、開口率を二段階に分けることができる。なお、開口孔6bの大きさと、開口孔6cの配置数との両方を調整することで、開口率を調整するようにしてもよい。
図7は、開口孔の配置数を異ならせることによって、開口率を二段階に分けるようにしたものである。開口孔6dは同一の孔径を有し、図7(a)は、内側エリアAinに145個の開口孔6dを配置し、外側エリアAoutに124個の開口孔6dを配置し、開口率比が2:1となるようにしている。図7(b)は、内側エリアAinに165個の開口孔6dを配置し、外側エリアAoutに104個の開口孔6dを配置し、開口率比が3:1となるようにしている。
このような構成を有する殺菌モジュール1において、流入口21aに流入される流体のレイノルズ数Reは3000以上とする。
ここで、流路を流れる流体がポワズイユ分布状の流れを形成するためには、流路を流れる流体のレイノズル数を層流状態の臨界レイノルズ数以下とする必要があり、例えば、円管内の流れの臨界レイノズル数は約2300であることが知られている。そのため、レイノズル数が3000以上の流体を円管に流入したとしてもこの状態では、ポワズイユ分布状の流れとなりにくい。
一方、図2に示す殺菌モジュール1において、流入口21aに流入された流体は、テーパ部22を通り、さらに板6を通過して内側流路35に流入される。
ここで、テーパ部22は入り口側の管径が小さく、その後拡径するため、テーパ部22内では、流体の流れがテーパ部22の側壁方向に広がることになる。つまり、図2中に矢印で示すように、流体が流れる方向から見て、テーパ部22の中心部分に流れが集中することになり、すなわち、ポワズイユ分布状の流れが形成されることになる。そして、テーパ部22のテーパ比を、0.2以上0.68以下となるようにしているため、内側流路35の長い距離においてポワズイユ分布状の流れを維持することができる。
さらに、テーパ部22と内側流路35との間に板6を設けており、この板6は、同心円で面積の等しい3つのエリアにしたときに、外側エリアの開口率に対して内側エリアの開口率の方が大きくなるようにしている。板6を設けることにより、流体の流れは、内側流路35の側壁方向に広がることになるが、内側エリアの開口率が大きいため、外側エリアに比較して内側エリアに流れる流量が大きくなる。そのため、図2中に矢印で示すように、流体が流れる方向から見て、内側流路35の中心部分を流れる流体の流速が早くなり、内側流路35の側壁寄りを流れる流体の速度は中心部分を流れる流体に比較して遅くなる。つまり、ポワズイユ分布状の流れが形成されることになる。そして、内側エリアの開口率を、外側エリアの開口率に対して6倍以上10倍以下としている。そのため、板6を設けることによっても内側流路35の長い距離においてポワズイユ分布状の流れを維持することができる。
そして、光源41は、図8に示すように、照射面の中心ほど発光強度が強く、照射面の縁部に近づくほど発光強度は弱くなる強度の分布特性を有する。また、光源41を、照射面の中心と、流体の流れる方向から見て内側流路35の中心とが対向するように配置している。そのため、光源41は、流速の高い中心部を、発光強度が最も強い部分で照射することになる。その結果、ポワズイユ分布状の流速分布となって内側流路35を通過する流体に作用する紫外光のエネルギ量を、流体が通過する径方向の位置によらず均一化することができる。これにより、内側流路35を流れる流体の全体に対して所定以上のエネルギ量の紫外光を照射することができ、流体全体に対する殺菌効果を高めることができる。
図9は、図1に示す殺菌モジュール1に流体を流入させた場合の流速分布の一例を示したものである。図9に示すように、殺菌モジュール1において流体が流れる方向から見て中心部付近が、流速が最も大きいことがわかる。
なお、上記実施形態では、図2に示すように、テーパ部22と、板6とによって、ポワズイユ分布状の流れを形成する場合について説明したが、これに限るものではない。前述のように、テーパ部22と板6との少なくともいずれか一方を設けることによって、ポワズイユ分布状の流れを形成することができるため、テーパ部22と板6の一方のみを設けた場合であっても、ポワズイユ分布状の流れを形成することができる。
また、上記実施形態においては、本発明に係る紫外線照射装置を図2に示すように、二重構造の殺菌モジュールに適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、流路内を通過する流体に対して紫外線を照射するようにした殺菌モジュールであっても適用することができる。また、殺菌モジュールの形状は図2に示す二重構造に限るものではなく、円管や筒状の部材の内部を流路として通過させるようにした場合であっても適用することができる。
また、上記実施形態においては、流体の殺菌を行う場合について説明したが、殺菌対象は、水、水溶液、コロイド分散液等の流体であってもよく、また、空気等の気体や、氷や固体の微粉末等であってもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
以下に、本発明に係る紫外線照射装置を用いた殺菌モジュールの実施例を説明する。
本発明に係る殺菌モジュール1について、計算機上で光学シミュレーション及び流速シミュレーションを行った。
これら光学シミュレーション及び流速シミュレーションでは、内側流路35として、図10(a)に示す、断面が円となる直管の内側を想定して計算機上でシミュレーションを行った。
具体的には、管径40〔mm〕、長さ300〔mm〕の直管を想定した。対象物を流す条件は、流量が5〔L/min〕、平均流速が0.07〔m/s〕、レイノルズ数が2957とし、乱流を発生させた。また助走区間距離は1000〔mm〕以上1600〔mm〕以下とした。
また、直管はポリテトラフルオロエチレン製であり、紫外線領域における反射率は96〔%〕、紫外線領域における拡散率は100〔%〕とした。
〔光学シミュレーション〕
このような直管からなる流路において、直管の流入口側の端部から下流側の、200〔mm〕の地点における断面において対象物に対する光学的な評価を行った。なお、図10(a)において、図10(b)に示すように、直管が延びる方向をZ軸とした。また、断面における円中心つまり管中心を基準とする、Z軸に垂直な方向(図10(b)では上方向)をY軸とし、同じく管中心を基準とするZ軸及びY軸に垂直な方向をX軸方向とし、管中心におけるX軸及びY軸の座標をそれぞれX=0、Y=0とした。このXYZ座標系において、Z=200〔mm〕、X=0を通る、Y軸上で、Y=−20〔mm〕から+20〔mm〕までの範囲における、0.5〔mm〕毎の点を試算点とし、各試算点について、ドーズ量相当の値として、「紫外光強度×(1/流速)」(以後、紫外光強度の比率ともいう。)を演算した。
Z=200、X=0を通る断面において、40の試算点における紫外光強度の比率の分布が、管中心(X=0、Y=0、Z=200)から直管の周縁部にかけて均一であれば効率がよく、逆に、管中心から直管の周縁部にかけてばらつきがあれば、効率が悪いとみなすことができる。
そこで、光学シミュレーションを行い、40の試算点における紫外光強度の比率の標準偏差を試算し、評価を行った。
図11(a)は、光学シミュレーションの結果得られた図10(a)で想定した直管の流入側端部から流出側端部までにおける紫外光の分布を示したものである。また、図11(b)は、図10(a)で想定した直管を用いた流路の、Z=200〔mm〕、X=0を通る断面における、紫外光強度の比率を示したものであり、横軸は、断面における管中心(X=0、Y=0、Z=200)からのY軸方向の距離〔mm〕を表し、縦軸は、紫外光強度の比率を表す。
図11(b)に示すように、Z=200〔mm〕、X=0を通る断面において、紫外光強度の比率は、管中心近傍が最も大きく、周縁部に近づくほど小さくなっていることがわかる。
〔流速シミュレーション(整流用の板)〕
図10(a)で想定した直管を用いて、板6として、板6−1〜6−6を設けた場合について計算機上で流速シミュレーションを行った。なお、テーパ部22は設けていない。
板6として図12(a)〜図12(f)に示す開口率の異なる6種類の板6−1〜6−6を用いた。板6−1〜6−6の仕様を表1に示す。なお、板6−1〜6−6は、図4と同様に、同心円で面積が等しい3つのエリアに分割した。
Figure 0006826141
この板6−1〜6−6を用いて、光学シミュレーション時と同様に、図10(a)に示す直管を想定し、流速シミュレーションを行った。流速シミュレーションにおいて、対象物を流す条件は、光学シミュレーション時と同様である。
〔「内側エリアの開口率÷外側エリアの開口率」の範囲の検証〕
光学シミュレーション時と同様の40の試算点について、紫外光強度の比率を演算した。その演算結果を図13(a)〜(f)に示す。図13の各図において、横軸は、Z=200、X=0を通る断面における管中心(X=0、Y=0、Z=200)からのY軸方向の距離〔mm〕を表し、縦軸は、紫外光強度の比率を表す。
図14は、板6−1〜6−6それぞれについて、紫外光強度の比率の標準偏差と、「内側エリアの開口率÷外側エリアの開口率」との対応を表したものである。
ここで、図10(a)で想定した直管において、板6を設けない場合について、流速シミュレーションを行い、前述の40の試算点について、紫外光強度の比率を演算し、この紫外光強度の比率の標準偏差を求めた。この標準偏差を標準偏差の基準値σs1とする。各板6−1〜6−6において得られた紫外光強度の比率の標準偏差が、標準偏差の基準値σs1よりも小さければ、板6を設けることにより標準偏差が小さくなったとみなすことができる。したがって、各板6−1〜6−6のうち、紫外光強度の比率の標準偏差が、標準偏差の基準値σs1より小さい整流用の板は、この整流用の板を用いることで、紫外線照射量のばらつきが小さく効率がよくなっているとみなすことができる。逆に、紫外光強度の比率の標準偏差が、標準偏差の基準値σs1以上である場合には、この整流用の板を用いることで、紫外線照射量のばらつきが大きくなり、効率が悪くなるとみなすことができる。
各板6−1〜6−6について得られた紫外光強度の比率の標準偏差が、図14に示すように、例えば、0.15程度から0.25程度の値をとり、このときの標準偏差の基準値σs1が例えば0.2である場合には、標準偏差が標準偏差の基準値σs1よりも小さくなる、板6−3及び6−4を用いた場合に、紫外線の照射効率が向上するとみなすことができる。
つまり、「内側エリアの開口率÷外側エリアの開口率」は、図14において、紫外光強度の比率の標準偏差が、標準偏差の基準値σs1を下回る、6.3以上8.6以下程度の範囲にあれば、効率のよい整流用の板であるとみなすことができる。
したがって、図4に示すように、整流用の板を同心円で面積が等しい3つのエリアに分割したとき、最も外側のエリアAoutの開口率に対して、最も内側のエリアAinの開口率が6倍以上10倍以下であることが好ましく、より好ましくは、6.3以上8.6以下であることが好ましいことがわかる。
〔開口率の範囲の検証〕
次に、図15に示す開口率の異なる二つの板6−11、6−12を用いて流速シミュレーションを行った。この流速シミュレーションも、図10(a)に示す直管を用いて計算機上で行った。なお、テーパ部22は設けていない。
流速シミュレーション結果を表2に示す。
Figure 0006826141
板6−11は、穴数が151であり、開口率が9.4〔%〕である。板6−12は、穴数が265、開口率が16.6〔%〕である。
流速シミュレーションにより、図10(a)に示す直管の流入側端部と、出力側端部それぞれにおける圧力を演算し、圧力損失を演算した。
その結果、表2に示すように、板6−11の圧力損失は0.5〔kPa〕であり、板6−12の圧力損失は0.2〔kPa〕であった。圧力損失は、開口率9.4〔%〕の場合、開口率16.6〔%〕の2.5倍になる。
表2から、圧力損失を0.5〔kPa〕程度に抑えるためには、開口率を10〔%〕以上とすることが好ましいことがわかる。
次に、開口率の異なる板6−21〜6−24について、安全率を演算した。その結果を表3に示す。
Figure 0006826141
板6−21〜6−24としてステンレス鋼SUS304を用いた。引張強度は520〔MPa〕である。板6−21〜6−24の仕様は、表3に示す通りであり、板6−21の開口率は22〔%〕、板6−22の開口率は30〔%〕、板6−23の開口率は41〔%〕、板6−24の開口率は50〔%〕である。
各板6−21〜6−24に対して、3〔MPa〕の圧力がかかった場合の応力として、ミーゼスの相当応力を演算した。そして、安全率を演算した(=引張強度÷ミーゼスの相当応力)。
図16は、整流用の板の開口率と安全率との対応を示したものであり、横軸は整流用の板の開口率、縦軸は安全率である。
図16に示すように開口率が大きくなるほど安全率は低下する。安全率が低下すると整流用の板が破断する可能性があることから、安全率は「1」以上であることが好ましく、開口率が55〔%〕程度で安全率が「1」より小さくなることから、開口率は50〔%〕以下であることが好ましい。
以上から、圧力損失と安全率との観点から、開口率は、10〔%〕以上50〔%〕以下が好ましいことがわかる。
〔流体シミュレーション(テーパ形状)〕
次に、図10(a)を用いて、テーパ部22を備える場合について計算機上で流体シミュレーションを行った。なお、板6は設けていない。
テーパ部22として、図17に示すように、テーパ部22−1〜テーパ部22−5を用いた。テーパ部22−1のテーパ比は1/4、テーパ部22−2のテーパ比は3/8、テーパ部22−3のテーパ比は1/2、テーパ部22−4のテーパ比は3/4、テーパ部22−5のテーパ比は7/8である。流体シミュレーションにおいて、対象物を流す条件は、光学シミュレーション時と同様である。
光学シミュレーション時と同一の40の試算点について、紫外光強度の比率を演算した。その演算結果を図18(a)〜(e)に示す。図18の各図において、横軸は、Z=200、X=0を通る断面における管中心(X=0、Y=0、Z=200)からのY軸方向の距離〔mm〕を表し、縦軸は、紫外光強度の比率を表す。
図19は、テーパ部22−1〜22−5それぞれについて、紫外光強度の比率の標準偏差と、テーパ比との対応を表したものである。
ここで、図19(a)に示す直管において、テーパ部を設けない場合について、流体シミュレーションを行い、前述の40の試算点について、紫外光強度の比率を演算し、この紫外光強度の比率の標準偏差を求めた。この標準偏差を標準偏差の基準値σs2とする。各テーパ部22−1〜22−5について得られた紫外光強度の比率の標準偏差が、標準偏差の基準値σs2よりも小さければ、テーパ部を設けることにより標準偏差が小さくなったとみなすことができる。したがって、各テーパ部22−1〜22−5のうち、紫外光強度の比率の標準偏差が、標準偏差の基準値σs2より小さいテーパ部は、このテーパ部を用いることで、紫外線照射量のばらつきが小さく効率がよくなっているとみなすことができる。逆に、紫外光強度の比率の標準偏差が、標準偏差の基準値σs2以上である場合には、このテーパ部を用いることで、紫外線照射量のばらつきが大きくなり、効率が悪くなるとみなすことができる。
各テーパ部22−1〜22−5について得られた紫外光強度の比率の標準偏差が、図19に示すように、例えば、0.13程度から0.23程度の値をとり、このときの標準偏差の基準値σs2が例えば0.2である場合には、標準偏差が標準偏差の基準値σs2よりも小さくなる、テーパ部22−1、22−2、22−3を用いた場合に、紫外線の照射効率が向上するとみなすことができる。
つまり、テーパ比は、図19において、紫外光強度の比率の標準偏差が、標準偏差の基準値σs2を下回る、0.2以上0.68以下程度の範囲にあれば、効率のよいテーパ比であるとみなすことができる。
したがって、テーパ部22のテーパ比は、0.2以上0.68以下であることが好ましいことがわかる。
1 殺菌モジュール
2 流入部
3 円筒部
4 発光部
5 流出部
6 板
6a 開口孔
21a 流入口
22 テーパ部
34 窓部
35 内側流路
41 光源

Claims (6)

  1. 長手方向に延びる流路を構成する筒状部と、
    前記筒状部の一端に設けられ前記流路に対して前記長手方向に沿って対象物を流入させる流入口と、
    前記流入口と前記流路との間に設けられ、平面視が円形であり、且つ表裏間を通じる開口孔を有し、開口率が中心ほど大きく、周辺に近いほど小さくなるように設定されている板と、
    前記筒状部の他端に設けられ前記流路を流れる前記対象物に向けて前記長手方向に沿って紫外光を照射可能であり、且つ当該紫外光の強度分布が、前記長手方向と直交する前記流路の断面において、中央付近の紫外光強度がその周囲の紫外光強度よりも高い発光素子と、
    を備え
    前記板を同心円で面積が等しい3つのエリアに分割したとき、最も外側のエリアの前記開口率に対して、最も内側のエリアの前記開口率が6倍以上10倍以下である紫外線照射装置。
  2. 前記板の前記開口率が10%以上50%以下である請求項1に記載の紫外線照射装置。
  3. 前記筒状部は前記一端に前記長手方向に沿って内径が次第に増加して前記流路に連通するテーパ部を含み、
    前記テーパ部の小径側の端部に前記流入口が設けられている請求項1又は請求項に記載の紫外線照射装置。
  4. 前記テーパ部のテーパ形状において、テーパ比が0.2以上0.68以下である請求項に記載の紫外線照射装置。
  5. 殺菌モジュールに適用される請求項1から請求項のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
  6. 前記対象物は液体である請求項1から請求項のいずれか一項に記載の紫外線照射装置。
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