JP6824505B2 - ゴルフクラブの設計方法、ゴルフクラブ、ゴルフクラブのシャフト及び補正装置 - Google Patents

ゴルフクラブの設計方法、ゴルフクラブ、ゴルフクラブのシャフト及び補正装置 Download PDF

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Description

本発明は、ゴルフクラブの設計方法、ゴルフクラブ、ゴルフクラブのシャフト及び補正装置に関し、特に、シャフトの打振動を考慮したゴルフクラブの設計方法、該設計方法により設計されたゴルフクラブ及びゴルフクラブのシャフト、並びに、少なくともシャフトの打振動に関する振動情報を補正可能な補正装置に関する。
従来、ゴルフボールを打球したときの打球音について、プレイヤーであるゴルファ(打者)に良い印象を与えて、使用感を向上するための種々の改良が行われている。
例えば、特許文献1には、プリプレグ・シートと金属材料とを複合した複合ヘッドを有するゴルフクラブにおいて、ヘッドの打球音の音圧レベルを一定値に規定することで打球音の快音化を図る技術が開示されている。
また、特許文献2には、一定条件で測定された打球音の騒音レベルの最大値を規制することにより、打球音の快音化を図る技術が開示されている。
これらの技術では、いずれもゴルフクラブのヘッドの打球音を改良することで、打球音の快音化を図っている。
特開2001−190716号公報 特開2001−231892号公報
打球音が打者に与える印象(以下、打者の聴取印象という)としては、例えば、綺麗さや爽快感を表す美的因子、迫力や力強さを表す迫力因子、響きや音の長さを表す残響因子、及び甲高さや鋭さを表す高さ因子等の因子がある。この中で、美的因子、残響因子及び高さ因子は、特に、良音の聴取印象と関係が深いことが知られている。
また、ゴルフクラブの打球時において、打者が得る感覚情報は、打球音による聴覚情報だけではなく、ゴルフクラブのシャフトから手に伝わる振動、すなわち、打振動による触覚情報がある。近年、この打振動が打球時にゴルファへ与える印象について研究が行われている。
しかし、従来の技術では、上述した特許文献のように、いずれも打球時の音のみを考慮して、打球音の聴取印象が向上するように快音化を図るにとどまっており、打球時のシャフトの打振動による打球音の聴取印象の向上については、何ら考慮されていなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、打球時のゴルフクラブのシャフトの打振動によって打球音の聴取印象の向上を図ることができる、ゴルフクラブの設計方法、該設計方法により設計されたゴルフクラブ及びゴルフクラブのシャフト、並びに補正装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のゴルフクラブの設計方法は、情報取得対象であるゴルフクラブの打球音に関する音情報と、打球時のシャフトの打振動に関する振動情報とを取得する情報取得ステップと、該情報取得ステップにおいて取得した音情報及び振動情報のうち、少なくとも振動情報の所定の特性を解析する解析ステップと、前記解析ステップの結果に基づいて、打者における前記音情報及び振動情報の組み合わせによる打球音の聴取印象が向上するように、前記振動情報の所定の特性を補正する補正ステップと、前記補正ステップによって補正された振動情報に基づいて、ゴルフクラブのシャフトの質量バランス及び/又は剛性バランスを変更するステップとを含み、前記補正ステップは、予め取得された音情報及び振動情報の組み合わせによる打球音の聴取印象に関するデータを有するデータマップと、前記解析ステップの解析結果との差異に基づいて、前記振動情報の所定の特性を補正することを特徴とする。
この構成によれば、情報取得ステップにおいて取得した音情報及び振動情報のうち、少なくとも振動情報の所定の特性を解析する解析ステップと、解析ステップの結果に基づいて、打者における前打球音の聴取印象が向上するように、振動情報の所定の特性を補正する補正ステップとを含むため、ゴルフクラブのシャフトの打振動によって打球音の聴取印象の向上を図ることができる。また、この構成によれば、データマップに基づいて、取得した音情報及び振動情報を打球音の聴取印象が向上するように補正することができる。これにより、データマップに目標となる聴取印象を保有させることで、該聴取印象に近い打球音及び振動情報を有するゴルフクラブを設計することが可能となる。また、この構成によれば、補正された振動情報に基づいて、ゴルフクラブのシャフトの質量バランス及び/又は剛性バランスを変更することで、聴取印象が良好となる打振動を有するシャフトを設計することができる。
また、請求項2に記載のゴルフクラブの設計方法は、請求項1に記載の設計方法において、前記打振動に関する所定の特性は、振幅特性を含み、前記補正ステップは、打振動の振幅を小さくする補正を行うことを特徴とする。
この構成によれば、打振動の振幅特性に基づいて、聴取印象を向上することができる。後述のとおり、打者は、打振動の振幅が小さいほど打球音の聴取印象が良好であると感じる傾向があるため、打振動の振幅特性を解析・補正することで、より打者の聴取印象を向上することができる。
また、請求項3に記載のゴルフクラブの設計方法は、請求項1又は2に記載の設計方法において、前記打振動に関する所定の特性は、周波数特性を含み、前記補正ステップは、打振動の低周波の卓越成分を少なくする補正を行うことを特徴とする。
この構成によれば、打振動の周波数特性に基づいて、聴取印象を向上することができる。後述のとおり、打者は、打振動の低周波の卓越成分が少ないほど打球音の聴取印象が良好であると感じる傾向があるため、打振動の周波数特性を解析・補正することで、より打者の聴取印象を向上することができる。
また、請求項に記載のゴルフクラブの設計方法は、請求項1〜のいずれか1項に記載の設計方法において、前記聴取印象は、打球音に関する美的因子、残響因子及び高さ因子とのうちの少なくとも一つ因子を含むことを特徴とする。
この構成によれば、美的因子、残響因子及び高さ因子は、打者にとって快音の聴取印象と関係が深いため、これらの因子の印象を向上させることで、打球音の聴取印象を向上させることができる。
また、上記目的を達成するために、請求項に記載のゴルフクラブは、請求項1〜のいずれか1項に記載のゴルフクラブの設計方法により設計される。
この構成によれば、打球音の聴取印象の向上したゴルフクラブを提供することができる。
また、上記目的を達成するために、請求項に記載のゴルフクラブのシャフトは、請求項1〜のいずれか1項に記載のゴルフクラブの設計方法により設計される。
この構成によれば、打球音の聴取印象の向上したゴルフクラブのシャフトを提供することができる。
また、上記目的を達成するために、請求項に記載の補正装置は、情報取得対象であるゴルフクラブの打球音に関する音情報と、打球時のシャフトの打振動に関する振動情報とを取得する情報取得手段と、該情報取得手段によって取得した音情報及び振動情報のうち、少なくとも振動情報の所定の特性を解析する解析手段と、予め取得された音情報及び振動情報の組み合わせによる打者の聴取印象に関するデータを有するデータマップと、前記解析手段による解析結果と前記データマップのデータとを比較する比較手段と、該解析手段による解析結果に基づいて、打者における前記音情報及び振動情報の組み合わせによる打球音の聴取印象が向上するように、前記振動情報の所定の特性を補正する補正手段と、音情報及び振動情報を聴覚的及び触覚的に認識できるように出力する音出力部及び振動出力部と情報を視覚的に認識できるように出力する表示部とを備えた出力手段と、を備え、前記比較手段により比較された前記解析結果と前記データマップのデータの差異が、所定の範囲よりも大きい場合に、前記補正手段は、前記解析手段による解析結果に基づいて前記振動情報の所定の特性を補正して、前記出力手段は、補正後の音情報及び振動情報を出力し、前記差異が前記所定の範囲内の場合に、前記出力手段は、前記取得手段により取得された音情報及び振動情報を出力する、及び/又は、前記補正手段による補正が行われていないことを前記表示部に表示することを特徴とする。
この構成によれば、情報取得手段によって取得した音情報及び振動情報のうち、少なくとも振動情報の所定の特性を解析する解析手段と、解析手段の解析結果に基づいて、打者における前打球音の聴取印象が向上するように、振動情報の所定の特性を補正する補正手段とを含むため、ゴルフクラブのシャフトの打振動によって打球音の聴取印象の向上を図ることができる。
また、請求項に記載の補正装置は、請求項に記載の補正装置において、前記出力手段は、入力手段によって、前記データマップに基づく打者の聴取印象の度合が選択された場合に、該聴取印象の度合に適する音情報と振動情報とを出力することを特徴とする。
この構成によれば、データマップに基づいて聴取印象に度合を選択することによって、該聴取印象に適した打球音と打振動とを出力することができる。これにより、選択した聴取印象に適した打振動を有するシャフトの設計や提案が可能となる。
また、請求項に記載の補正装置は、請求項に記載の補正装置において、前記補正手段は、前記入力手段によって、前記データマップに基づく打者の聴取印象の度合が選択された場合に、該聴取印象の度合に適する前記データマップの音情報及び振動情報と、前記情報取得手段によって取得した音情報及び振動情報との差異に基づいて、該取得した音情報及び振動情報のうちの少なくとも一方の情報を補正することを特徴とする。
この構成によれば、データマップに基づいて、取得した音情報及び振動情報を選択された聴取印象に近づけるように補正することができる。これにより、選択された聴取印象に近い打球音及び打振動を有するゴルフクラブを設計したり、提案したりすることが可能となる。
本発明に係るゴルフクラブの設計方法、該設計方法により設計されたゴルフクラブ及びゴルフクラブのシャフト、並びに補正装置によれば、打球時のゴルフクラブのシャフトの打振動によって打球音の聴取印象の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態である打球音の補正装置の概略構成図。 SD法による因子分析の評価結果を示す図。(a)は、美的因子と高さ因子の評価結果を示し、(b)は、残響因子と迫力因子を示す。 振幅の変更による聴取印象の変化を示す図。(a)は綺麗さの変化を示し、(b)は甲高さの変化を示し、(c)は残響感の変化を示す。 周波数の変更による聴取印象の変化を示す図。(a)は綺麗さの変化を示し、(b)は甲高さの変化を示し、(c)は残響感の変化を示す。 打振動の振幅、減衰及び周波数の変更が打球音の聴取印象に与える影響を示す図。(a)は振幅の変更を示し、(b)は減衰の変更を示し、(c)は周波数の変更を示す。 3種の打振動の周波数特性を示す図。 補正装置の制御手段の処理を示すフローチャート図。 本発明のゴルフクラブの設計方法の一例を示すフローチャート図。 補正装置の制御手段の処理を示すフローチャート図。 出力手段の表示部において聴取印象を選択する例を示す図。
図1は、本発明の一実施形態である打球音の評価装置1の概略構成図である。評価装置1は、打者が自身の感覚によって受け取る打球音に対する印象である、打球音の聴取印象を評価するために用いることができる装置である。評価装置1は、入力手段20と、記憶手段30と、制御手段40と、出力手段60とを有する。
入力手段20は、評価装置1の外部からの情報や使用者からの操作入力等を受け付けるものである。このような入力手段20としては、例えば、タッチパネル、キーボード及びマウス等の入力装置、有線及び/又は無線による通信によって情報を受け付ける通信入力装置や記録媒体等から情報を受け付けるメモリ入力装置等を組み合わせて用いることができる。さらに、カメラ、マイク、センサ及び計器等の外部環境情報を入力可能な外部入力装置を有線及び/又は無線により接続して、入力手段20として用いることができる。本実施形態において、入力手段20は、情報取得手段22を含む。
情報取得手段22は、少なくとも、聴覚情報取得部23と、触覚情報取得部24とを含む。聴覚情報取得部23は、音情報を取得するものであり、例えば、外部情報を入力可能なマイク等を用いることができる。触覚情報取得部24は、触覚のうち、特に、振動に関する触覚情報(振動情報)を取得可能なものであり、例えば、振動計等を用いることができる。なお、聴覚情報取得部23及び触覚情報取得部24は、マイクや振動計等、外部環境情報を取得するものに限られず、例えば、記憶媒体や通信を介して音情報や振動情報を取得する入力装置であってもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。
記憶手段30は、入力手段20から入力されたデータを格納するものである。記憶手段30は、ゴルフクラブに関する情報、具体的には、ゴルフクラブに関する、音情報と、振動情報と、音情報及び振動情報の組み合わせによって得られる聴取印象情報とを記憶したデータマップ31を有する。
データマップ31は、音情報格納部32と、振動情報格納部33と、聴取印象情報格納部34と、演算情報格納部35とを有する。
音情報格納部32には、ゴルフクラブのヘッドの打球音に関する音情報が格納される。音情報としては、打球音についての周波数データ、音圧データ及び減衰データ等がある。この音情報は、入力手段20から取得して音情報格納部32に格納することができ、少なくとも、快音の判断の基準となる一つのゴルフクラブヘッドの音情報が格納される。なお、基準となる音情報は、研究や測定結果に基づいてコンピュータによって作成された、ヘッドの模擬的な音情報であってもよい。また、対象となる複数のゴルフクラブヘッドから音情報を取得して格納してもよい。さらに、取得した音情報に変更を加えた音情報(例えば、基準となる音情報の周波数特性を変更した音情報)を格納してもよい。
振動情報格納部33には、打球時のゴルフクラブのシャフトの振動である、打振動に関する振動情報が格納される。振動情報としては、打球時のシャフトの振動についての周波数データ、振幅データ及び減衰データ等がある。この振動情報は、入力手段20から取得して振動情報格納部33に格納することができ、少なくとも、打球音の聴取印象の判断の基準となる一つのゴルフクラブのシャフトの振動情報が格納される。なお、基準となる振動情報は、研究や測定結果に基づいてコンピュータによって作成された、シャフトの模擬的な振動情報であってもよい。また、対象となる複数のゴルフクラブのシャフトから振動情報を取得して格納してもよい。さらに、取得した振動情報に変更を加えた振動情報(例えば、基準となる振動情報の周波数特性を変更した振動情報)を格納してもよい。
聴取印象情報格納部34には、被験者から得た、複合刺激(音情報格納部32に格納された音情報と、振動情報格納部33に格納された振動情報との組み合わせによる刺激)の聴取印象に関する情報が格納される。さらに、聴取印象情報格納部34には、記憶手段30に格納された音情報・振動情報、及び、情報取得手段22によって取得された音情報・振動情報を、聴取印象が向上するように補正するための演算情報が格納されている。本実施形態では、このような演算情報として、取得した振動情報の振幅を小さくするための演算情報、取得した振動情報の低周波の卓越成分を少なくする演算情報、取得した音情報の2000−3800Hzの帯域の音圧を下げる演算情報等が格納されている。
制御手段40は、解析手段42と、比較手段44と、補正手段46とを有する。
解析手段42は、情報取得手段22によって取得された音情報及び振動情報の所定の特性を解析する。なお、解析手段42は、音情報及び振動情報のうち、少なくとも振動情報について解析可能なものであればよい。所定の特性の例としては、音情報における音圧特性、周波数特性、減衰特性等や、振動情報における振幅特性、周波数特性、減衰特性等がある。解析の例としては、振幅特性の場合、最大振幅・最小振幅を解析する、周波数特性の場合、所定の周波数帯における卓越周波数を解析する等が挙げられる。
比較手段44は、入力手段20からの指示に基づいて、解析手段42によって解析されたデータと、該データと対応するデータマップ31のデータとを比較するものである。例えば、入力手段20によって、データマップ31内の振動情報又は聴取印象情報が任意に選択された場合に、比較手段44は、入力手段20によって選択された、振動情報又は聴取印象情報における振動情報と、解析手段42によって解析された振動情報とを比較し、その差異を求めることができる。
補正手段46は、解析手段42による解析結果やデータマップ31のデータに基づき、情報取得手段22等によって取得された音情報及び振動情報を補正するものであり、音情報及び振動情報のうち、少なくとも振動情報を補正可能に構成される。本実施形態の補正手段46は、打球音の聴取印象が向上するように、データマップ31の演算情報を用いて、振動情報や音情報を補正可能に構成されている。また、補正手段46は、比較手段44によって、解析データと、データマップ31のデータとが比較された場合に、これらのデータの差異に基づいて、取得された音情報及び振動情報(すなわち、解析されたデータ)を補正する。具体的には、比較されたデータの差異に基づいて、データマップ31の演算情報により、解析されたデータをデータマップ31のデータに近づけるように補正する。
出力手段60は、制御手段40によってなされた出力指示に基づいて、指示された情報(信号等)を外部へ出力可能なものである。出力手段60は、表示部62と、音出力部64と、振動出力部66とを有する。
表示部62は、情報等を視覚的に認識可能となるように出力するものであり、例えば、液晶表示装置やプロジェクタ等の表示装置を用いることができる。音出力部62は、情報等を聴覚的に認識可能となるように出力するものであり、スピーカやヘッドホン等の音出力装置を用いることができる。振動出力部66は、情報等を触覚的に認識可能となるように出力するものであり、特に、振動情報を出力するものであって、例えば、振動アクチュエータや加振器等の振動出力装置を用いることができる。出力手段60は、さらに、有線及び/又は無線による通信によって情報を出力する通信出力装置等を含むことができる。
次に、データマップ31の作成方法について説明する。
データマップ31の音情報格納部32における音情報は、情報取得手段22により取得することができる。本実施形態では、情報取得手段22により基準となるゴルフクラブの打球音Aを取得した。ゴルフクラブの打球音は、複数の卓越周波数があるが、良音の打球音(すなわち、打者が快音と感じられる打球音)は、2000−3800Hzの帯域には卓越周波数が少ないことが研究から知られている。そこで、本実施形態では、この条件を基に、打球音Aの2000−3800Hzの帯域に音質変更を施した評価用の打球音を作成し、音情報格納部32に格納した。作成した打球音は、2000−3800Hzの帯域の卓越周波数を削除した(該帯域の音圧をほぼ零とした)1種の打球音Downと、該帯域の卓越周波数のピークを徐々に増幅して作成した3種の打球音UpA,UpB,UpCとした。
次に、上述した音情報に基づく、聴取印象情報の作成について説明する。
音情報格納部32の5種の打球音A,Down,UpA,UpB,UpCの音質(打球音の聴取印象)を把握するために、SD法(セマンティック‐ディファレンシャル法)により、16の形容詞対を用いて、打球音Aを基準(4点)とした7段階の相対評価を行う。因子分析により、綺麗さや爽快感を表す美的因子、迫力や力強さを表す迫力因子、響きや音の長さを表す残響因子、及び甲高さや鋭さを表す高さ因子と名付けた。本実施形態では、良音の聴取印象と関係が強いことが知られている、美的因子、高さ因子及び残響因子に着目し、これらの因子について聴取印象の情報を作成した。被験者は30−50代10名とした。
図2に示すように、打球音Downは、美的因子と高さ因子で共に得点が高い。打球音UpB,UpCも高さ因子については高い得点を得ているが、美的因子の得点は低い。また、図2より,Downは残響因子において得点が高いが、卓越周波数を増幅した打球音UpA,UpB,UpCの残響因子は打球音Aよりも得点が低い。以上より、2000−3800Hzの卓越周波数の音圧を低くすることで聴取印象が向上する聴取印象データを得た。本実施形態では、評価結果から、基準の打球音Aに対して、打球音Downを快音化打球音(良好な打球音)とした。
次に、振動情報格納部33の振動情報と、振動情報及び音情報による聴取印象情報の作成について説明する。なお、この聴取印象情報の作成に用いる音情報(音情報格納部32に格納される音情報)は、3種のゴルフクラブの打球音A,B,Fを情報取得手段22により取得した。
振動情報格納部33における振動情報は、ゴルフクラブのシャフトの打振動として、12.5、25、50、100、200、400、800Hzの正弦波を剛性した0.5秒間の波形に自由減衰を模擬する指数窓をかけた打振動Defをコンピュータにより作成した。また、コンピュータにより打振動Defに加工を施すことで、打振動Defと比較する打振動を作成した。本実施形態では、打振動の特性(振幅特性、周波数特性、減衰特性)ごとに、打振動Defと比較する一つの打振動を作成している。
聴取印象情報格納部34における聴取印象情報は、打球音と打振動との組み合わせた複合刺激の評価を行ってデータ化することにより作成した。本実施形態では、打振動の特性ごとに、打球音A,B,Fと、打振動Def及び比較する打振動との組み合わせた計6種の複合刺激の評価によって作成した。なお、以下の各評価の被験者は、20代10名とした。なお、被験者に対する複合刺激(音情報及び振動情報)の出力は、以下の環境で行った。ゴルフクラブのシャフトを固定し、被験者がシャフトを握った状態で、加振器によりシャフトに振動を提示し、ヘッドホンにより打球音を提示する。被験者は、評価音以外の音が聞こえないようにイヤーマフを装着する。
次に、打振動の振幅特性についての聴取印象情報の作成について説明する。
最大振幅が310m/sの打振動Defに対して、振幅が1/2の打振動Small−ampを作成し、打球音A,B,Fに対して、振幅の条件を変えた際の打球音の聴取印象の変化をデータとして取得した。美的因子、高さ因子及び残響因子の各因子における評価結果を図3に示す。図3において、縦軸は得点を示し、横軸はそれぞれの打球音(A,B,F)を示しており、得点が高ければ、聴取印象が大きいこと、すなわち、聴取印象が良好であることを示す。図3より、全ての打球音A,B,Fにおいて、打振動Small−ampを組み合わせた打球音の方が、打振動Defを組み合わせた打球音よりも各因子の聴取印象が向上する聴取印象データを得た。
次に、打振動の周波数特性についての聴取印象情報の作成について説明する。
ここでは、含有周波数が一部異なる打振動、すなわち、周波数が8、12.5、25、50、100、200、400、800Hzの打振動Lowと、打振動Lowの含有種は数8Hzを20Hzに変更した打振動Highとを作成し、打球音A,B,Fに対して、周波数の条件を変えた際の打球音の聴取印象の変化をデータとして取得した。異なる周波数においては、JIS B 7761−3を参考に、周波数補正手腕系振動が等価になるように設定した。各因子における評価結果を図4に示す。図4において、縦軸は得点を示し、横軸はそれぞれの打球音(A,B,F)を示しており、得点が高ければ、聴取印象が良好であることを示す。図4より、全ての打球音A,B,Fにおいて、打振動Highを組み合わせた打球音の方が、打振動Lowを組み合わせた打球音よりも各因子の聴取印象が向上する聴取印象データを得た。
次に、打振動の減衰特性についての聴取印象情報の作成について説明する。
打振動Defに対して、指数窓の乗数を変化させ、低減衰を模擬した打振動Small−dampを作成し、打球音A,B,Fに対して、減衰の条件を変えた際の打球音の聴取印象の変化をデータとして取得した。評価結果により、全ての打球音A,B,Fにおいて、綺麗さ及び甲高さは、打振動Small−dampを組み合わせた打球音の方が打振動Defを組み合わせたものよりも聴取印象が低下し、残響感は、打振動Small−dampを組み合わせた打球音の方が打振動Defを組み合わせたものよりも聴取印象が向上する聴取印象データを得た。
次に、上記聴取印象データによって、明らかになった聴取印象の変化により、振幅、減衰、含有周波数の変更が打球音の聴取印象に与える影響をデータ化して取得した(図5参照)。
図5(a)は、打振動Defから打振動Small−ampに変化させた際に、同じ打球音での得点の変化を因子ごとで加算した値を示し、減衰を変えた際に各因子に与える影響度を表す。打球音の聴取印象に影響がない場合は値がゼロとなり、値が正の場合は、変更したことで、因子の得点を増加させる影響がある(聴取印象が向上する)ことを示す。振幅を小さく変更させた場合には、全ての因子の聴取印象の得点が向上している。特に、綺麗さの変化量が大きく、振幅は、特に美的因子に影響を与える聴取印象データを得た。
図5(b)は、打振動Defから打振動Small−dampに変化させた際に、同じ打球音での得点の変化を因子ごとで加算した値を示し、減衰を変えた際に各因子に与える影響度を表す。図5(b)より、綺麗さと甲高さとは負の値になっている(聴取印象が低下する)のに対し、残響感は正の値になる(聴取印象が向上する)聴取印象データを得た。
図5(c)は、打振動Lowから打振動Highに変化させた際に、同じ打球音での得点の変化を因子ごとで加算した値を示し、含有周波数を変えた際に各因子に与える影響度を表す。図5(c)より、含有周波数の一部を高い周波数に変更させた場合には、全ての因子の聴取印象の得点が向上する聴取印象データを得た。
次に、快音化に適した打振動の条件を、打球時を模擬して測定した打振動に適用し、さらに、その打振動と快音化打球音とを組み合わせた。打球時を模擬した打振動の測定は、ハンマの先端にボールを取り付けたボールハンマの先端にロードセルを装着し、シャフトのグリップに最も近い部分の加速度を測定することで、伝達関数を測定した。打振動の作成には、被験者6名の平均化した伝達関数と、ロードセルにより測定した入力を書けることで、基準となる打振動V−Defを作成した。
振幅を下げることによって聴取印象を向上する打振動として、打振動V−Defの振幅を2/3倍した打振動V−SAを作成した。また、低周波の卓越成分を少なくすることによって聴取印象を向上する打振動として、打振動V−Defの20−40Hzの帯域の卓越成分を削除した打振動V−Highを作成した。作成した3種の打振動の周波数特性を図6に示す。
次に、打球音A及び快音化した打球音Downと、3種の打振動V−Def,V−SA,V−Highとを組み合わせた計6種の複合刺激について評価を行った。被験者は、20代10名とし、図3及び図4に示すものと同様に、綺麗さ、甲高さ、残響感について一対比較法によって評価した。快音化に適した振動条件を適用した打振動V−SA,V−Highは、同じ打球音で比較すると、綺麗さの得点が打振動V−Defよりも高い聴取印象データを得た。また、甲高さと残響感も同様にV−Defよりも高い得点である聴取印象データを得た。また、全ての打振動において、打球音Downの得点が打球音Aよりも高い聴取印象データを得た。
次に、上述した補正装置1による音情報及び振動情報の補正処理について説明する。図7は、補正処理における制御手段の処理を示すフローチャート図である。
補正処理がスタートすると、制御手段40は、入力手段20からの指示によって、情報取得手段22の聴覚情報取得部23及び触覚情報取得部24により、ゴルフクラブの打球音に関する音情報と、打球時のシャフトの打振動に関する振動情報が取得されているか否かを判断する。音情報及び振動情報の取得がない場合(情報取得ステップS201:No)、制御手段40は、取得情報がないことが表示部62に表示されるように表示指示をし(ステップS209)、処理を終了する。
音情報及び振動情報が取得されている場合(情報取得ステップS201:Yes)、制御手段40は、解析手段42によって音情報及び振動情報を解析する(解析ステップS202)。なお、情報取得ステップS201における情報の取得は、音情報及び振動情報のうち、一方の情報(例えば、振動情報)を情報取得手段22によって取得し、他方の情報(例えば、音情報)をデータマップ31に格納された情報から取得して用いる構成としてもよい。また、解析ステップS202において、解析手段42は、音情報及び振動情報のうち、少なくとも振動情報の所定の特性について解析する。ここでは、所定の特性の一例として、解析手段42によって、振動情報の振幅特性について解析した場合の処理を説明する。
解析処理が終了すると、制御手段40は、入力手段20により、データマップ31との比較の指示がなされている場合(ステップS203:Yes)、比較手段44によって、解析手段42による解析された振幅特性のデータ(解析結果)と、データマップ31のデータ、具体的には振幅特性のデータとを比較する(比較ステップS204)。比較した結果、データの差異が所定の範囲よりも大きく、補正の必要があると判断された場合(ステップS205:Yes)、補正手段46は、データマップ31の演算情報を用いて、取得した音情報及び振動情報をデータマップ31のデータに近づけるように補正する(補正ステップS206)。具体的には、取得した音情報及び振動情報のうち、振動情報の振幅特性をデータマップ31の振幅特性(例えば、打振動V−SAの振幅特性)に近づけるように補正している。その後、制御手段40は、補正された音情報及び振動情報が出力手段60によって出力されるように出力指示をし(出力ステップS207)、処理を終了する。
比較手段44による比較の結果、データの差異が所定の範囲内であり、補正の必要がないと判断された場合(ステップS205:No)、制御手段40は、補正の必要がないこと示す情報が表示部62に表示されるように表示指示をし(ステップS208)、処理を終了する。
一方、入力手段20により、データマップ31との比較の指示がなされていない場合、(ステップS203:No)、補正手段は、データマップ31に格納された演算情報を用いて、打球音の聴取印象か向上するように、音情報及び振動情報のうち、少なくとも振動情報を補正する(補正ステップS206)。具体的には、取得した振動情報における振幅が小さくなるように、振動情報を補正する。この振幅補正は、振動情報の周波数帯域の全範囲、又は、一部の周波数帯域(例えば、打者が体感しやすい低周波域(約6−50Hzの帯域、好ましくは12.5Hz近傍の低周波域))においてすることができる。その後、制御手段40は、補正された音情報及び振動情報が出力手段60によって出力されるように出力指示をし(出力ステップS207)、処理を終了する。
なお、上述した解析ステップS202において、取得した振動情報の周波数特性を解析する場合には、補正ステップS206において、データマップ31の演算情報を用いて、振動情報の低周波の卓越成分が少なくなるように振動情報の周波数特性を補正する。なお、卓越成分を少なくする補正には、卓越成分を削除する補正や、卓越成分のピーク値を下げる補正が含まれる。ここで、卓越成分を補正する低周波の帯域は、約6-50Hzの間の帯域であることが好ましい。本実施形態では、打振動V−Defに基づいて、20−40Hzの帯域の卓越周波数を補正している。補正処理における周波数特性の解析は、振動情報の振幅特性の解析に替えて、又は、振幅特性の解析とともに、行うことができる。
また、上述した解析ステップS202において、取得した音情報の音圧特性を解析する場合には、補正ステップS206において、データマップ31の演算情報を用いて、音情報の2000−3800Hzの帯域の音圧が下がるように音情報を補正する。音情報の解析・補正は、振動情報の解析・補正とともに行うことができる。
上述した補正装置1では、データマップ31の情報に基づいて、打球音の聴取印象が向上するように、取得した音情報及び振動情報を補正して出力することができる。データマップ31より、打振動の振幅を小さくした場合、打振動の低周波の卓越成分を少なくした場合、及び音情報の2000−3800Hzの帯域の音圧が下げた場合には、美的因子、高さ因子及び残響因子の全ての印象が向上している。そのため、上述の補正処理を行うことにより、打球音に関する美的因子、高さ因子及び残響因子の聴取印象を向上させた音情報及び振動情報を提示することができる。
次に、上述した補正装置1を用いた、ゴルフクラブの設計方法について説明する。図8は、ゴルフクラブの設計方法の一例を示すフローチャート図である。なお、設計方法において、音情報及び振動情報の所定の特性の解析・補正の内容は、図7に示す解析・補正の内容と同様であるため、ここでは詳細を省略する。
まず、情報取得手段22により、設計対象となるゴルフクラブの音情報及び振動情報を取得する(情報取得ステップS101)。これら音情報・振動情報は、聴取印象の改良を施したい既存のゴルフクラブの音情報・振動情報や、モデリングしたゴルフクラブの音情報・振動情報等を用いることができる。次に、解析手段42により、音情報及び振動情報の所定の特性を解析する(S102)。次に、比較手段44によって、解析したデータと、データマップ31のデータとを比較する(比較ステップS103)。
比較した結果、解析したデータと、データマップ31のデータとの差異が、所定の範囲内であり、補正の必要がないと判断された場合(ステップS104:No)、シャフトの質量バランス及び/又は剛性バランスを情報取得ステップS101で用いたシャフトのものに決定する(ステップS105)。
比較した結果、解析したデータと、データマップ31のデータとの差異が、所定の範囲よりも大きく、補正の必要があると判断された場合(ステップS104:Yes)、補正手段46により、データマップ31の演算情報を用いて、取得した音情報及び振動情報をデータマップ31のデータに近づけるように補正する(補正ステップS106)。その後、出力手段60により、補正された音情報及び振動情報を出力する(出力ステップS107)。ここで、出力手段60による出力は、音出力部64及び振動出力部66による聴覚的及び触覚的に認識できる出力方法に限られない。例えば、視覚的に認識できるように、表示部62に、補正後の音情報及び振動情報の所定の特性を表示させてもよい。
次に、補正結果に基づいて、ゴルフクラブのシャフトの剛性バランス及び/又は質量バランスを変更する(ステップS108)。質量バランスの変更の例としては、シャフトに質量を付加する、シャフトの重心の位置を変更する等がある。また、剛性バランスの変更の例としては、シャフトの材質の変更や質量の変更等がある。
その後、バランスの変更を施したシャフトを用いて、ゴルフクラブの音情報及び振動情報を情報取得手段22により再度取得し(情報取得ステップS101)、シャフトのバランスが決定されるまで、上述したステップを繰り返す。これにより、打球音の聴取印象が良好なゴルフクラブを設計することができる。
次に、上記設計方法により設計されるゴルフクラブ及びゴルフクラブのシャフトの例を示す。まず、基準となるゴルフクラブ(以下、基準ゴルフクラブという)の音情報及び振動情報を情報取得手段22によって取得する。取得した振動情報における周波数特性を解析し、20−40Hzの帯域の周波数を補正し、この帯域の卓越周波数を少なくするように、ゴルフクラブのシャフトに構造変更を行う。構造変更として、基準ゴルフクラブにおいて、20−40Hzの振動モードの腹(振動が大きい所)が存在する部位に質量を付加した。付加する質量は、基準ゴルフクラブの質量(ゴルフクラブのヘッドとシャフトとを併せた質量)の10%程度とした。本実施形態の基準ゴルフクラブにおいて、20−40Hzの帯域における卓越周波数は、22.1Hzであり、22.1Hzで発生する曲げ振動モードの振幅が小さくなるように、振動モードの腹が存在する部位(具体的には、基準ゴルフクラブの全長に対して、ヘッド側からシャフト側に向かって約1/4の距離の部位)に質量を付加した。本実施形態において基準ゴルフクラブの質量は299gであり、約10%となる30gの質量を付加した。構造変更後のゴルフクラブにおいて、再度、情報取得手段22によって振動情報を取得し、周波数特性を解析した結果、着目した22.1Hzにおいて、振動モードの振幅が、基準ゴルフクラブに比して26%下がっていることが確認できた。これにより、聴取印象を向上したシャフト及びゴルフクラブを得た。なお、本実施形態において、質量付加は、振動モードの腹が存在する部位に重りを付加する構成としているが、質量付加として、振動モードの腹が存在する部位の材質を変える構成としてもよい。
次に、上述した補正装置1による、聴取印象の選択に基づいた音情報及び振動情報の出力処理について説明する。図9は、該出力処理における制御手段の処理を示すフローチャート図である。なお、図9に示す処理において、音情報及び振動情報の所定の特性の解析・補正の内容は、図7に示す解析・補正の内容と同様であるため、ここでは詳細を省略する。
入力手段20によって打球音の聴取印象の度合が選択された旨の信号を受信すると(ステップS301)、制御手段40は、情報取得手段22により、取得された音情報及び振動情報があるか否かを判断する。ここで、聴取印象の選択は、例えば、タッチパネル等(入力手段20)により、美的因子、高さ因子及び残響因子のそれぞれについて、表示画面上のレベル(聴取印象の度合)を選択することによって行うことができる(図10参照)。
取得された音・振動情報がない場合(ステップS302:No)、制御手段40は、選択された聴取印象の度合に基づいて、データマップ31から選択された聴取印象を与える音情報及び振動情報を抽出する(ステップS303)。その後、制御手段40は、抽出した音情報及び振動情報を出力手段60の音声出力部42及び振動出力部66に出力させる出力指示(ステップS308)をし、処理を終了する。
取得された音・振動情報がある場合(ステップS302:Yes)、制御手段40は、解析手段42によって取得された音情報及び振動情報の所定の特性を解析する(解析ステップS304)。
解析処理が終了すると、制御手段40は、比較手段44によって、音情報及び振動情報の解析結果と、データマップ31の音情報及び振動情報(選択された聴取印象を与える音情報及び振動情報)とを比較する(ステップS305)。比較した結果、データの差異が所定の範囲よりも大きく、補正の必要があると判断された場合(ステップS306:Yes)、補正手段46は、データマップ31の演算情報を用いて、取得した音情報及び振動情報をデータマップ31のデータに近づけるように補正する(補正ステップS307)。その後、制御手段40は、補正された音情報及び振動情報が出力手段60によって出力されるように出力指示をし(出力ステップS308)、処理を終了する。一方、ステップS305で比較した結果、データの差異が所定の範囲内であり、補正の必要がないと判断された場合(ステップS306:No)、取得された音情報及び振動情報が出力手段60によって出力されるように、及び/又は、補正が行われていないこと示す情報が表示部62に表示されるように出力指示をし(出力ステップS308)、処理を終了する。
なお、出力ステップS308において、出力させる音情報及び振動情報は、聴覚的及び触覚的に認識できる情報に限られない。例えば、表示部62に、該音情報を有するゴルフクラブのヘッド情報や、該振動情報を有するシャフト情報を表示させるように出力指示するものであってもよい。
上述した聴取印象の選択に基づく出力処理を行う補正装置1では、ユーザの聴取印象の好みに基づいて、好適な音情報及び振動情報を出力させることができる。そのため、例えば、実際のゴルフクラブによる打球時を想定した、ゴルフクラブのバーチャル体験システムに利用することができる。また、選択した聴取印象に基づいて、該聴取印象を与えるゴルフクラブのヘッドとシャフトとを提案することができる。さらに、選択された聴取印象に基づき、該聴取印象に適した音情報を有するヘッドや、該聴取印象に適した振動情報を有するシャフトの設計が可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 補正装置
20 入力手段
20 情報取得手段
30 記憶手段
31 データマップ
40 制御手段
42 解析手段
44 比較手段
46 補正手段
60 出力手段

Claims (9)

  1. 情報取得対象であるゴルフクラブの打球音に関する音情報と、打球時のシャフトの打振動に関する振動情報とを取得する情報取得ステップと、
    該情報取得ステップにおいて取得した音情報及び振動情報のうち、少なくとも振動情報の所定の特性を解析する解析ステップと、
    前記解析ステップの結果に基づいて、打者における前記音情報及び振動情報の組み合わせによる打球音の聴取印象が向上するように、前記振動情報の所定の特性を補正する補正ステップと、
    前記補正ステップによって補正された振動情報に基づいて、ゴルフクラブのシャフトの質量バランス及び/又は剛性バランスを変更するステップとを含み、
    前記補正ステップは、予め取得された音情報及び振動情報の組み合わせによる打球音の聴取印象に関するデータを有するデータマップと、前記解析ステップの解析結果との差異に基づいて、前記振動情報の所定の特性を補正することを特徴とするゴルフクラブの設計方法。
  2. 前記打振動に関する所定の特性は、振幅特性を含み、
    前記補正ステップは、打振動の振幅を小さくする補正を行うことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブの設計方法。
  3. 前記打振動に関する所定の特性は、周波数特性を含み、
    前記補正ステップは、打振動の低周波の卓越成分を少なくする補正を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブの設計方法。
  4. 前記聴取印象は、打球音に関する美的因子、残響因子及び高さ因子とのうちの少なくとも一つ因子を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のゴルフクラブの設計方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のゴルフクラブの設計方法により設計されたゴルフクラブ。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のゴルフクラブの設計方法により設計されたゴルフクラブのシャフト。
  7. 情報取得対象であるゴルフクラブの打球音に関する音情報と、打球時のシャフトの打振動に関する振動情報とを取得する情報取得手段と、
    該情報取得手段によって取得した音情報及び振動情報のうち、少なくとも振動情報の所定の特性を解析する解析手段と、
    予め取得された音情報及び振動情報の組み合わせによる打者の聴取印象に関するデータを有するデータマップと、
    前記解析手段による解析結果と前記データマップのデータとを比較する比較手段と、
    該解析手段による解析結果に基づいて、打者における前記音情報及び振動情報の組み合わせによる打球音の聴取印象が向上するように、前記振動情報の所定の特性を補正する補正手段と、
    音情報及び振動情報を聴覚的及び触覚的に認識できるように出力する音出力部及び振動出力部と情報を視覚的に認識できるように出力する表示部とを備えた出力手段と、
    を備え、
    前記比較手段により比較された前記解析結果と前記データマップのデータの差異が、所定の範囲よりも大きい場合に、前記補正手段は、前記解析手段による解析結果に基づいて前記振動情報の所定の特性を補正して、前記出力手段は、補正後の音情報及び振動情報を前記出力手段により出力し、
    前記差異が前記所定の範囲内の場合に、前記補正手段は補正を行わず、前記出力手段は、前記取得手段により取得された音情報及び振動情報を出力する、及び/又は、前記補正手段による補正が行われていないことを前記表示部に表示することを特徴とする補正装置。
  8. 前記出力手段は、入力手段によって、前記データマップに基づく打者の聴取印象の度合が選択された場合に、該聴取印象の度合に適する音情報と振動情報とを出力することを特徴とする請求項に記載の補正装置。
  9. 前記補正手段は、前記入力手段によって、前記データマップに基づく打者の聴取印象の度合が選択された場合に、該聴取印象の度合に適する前記データマップの音情報及び振動情報と、前記情報取得手段によって取得した音情報及び振動情報との差異に基づいて、該取得した音情報及び振動情報のうちの少なくとも一方の情報を補正することを特徴とする請求項に記載の補正装置。
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