JP2003325707A - ゴルフクラブヘッドの打音評価方法、この方法をコンピュータに実行させるプログラムおよびゴルフクラブヘッドの打音評価システム - Google Patents

ゴルフクラブヘッドの打音評価方法、この方法をコンピュータに実行させるプログラムおよびゴルフクラブヘッドの打音評価システム

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JP2003325707A
JP2003325707A JP2002138248A JP2002138248A JP2003325707A JP 2003325707 A JP2003325707 A JP 2003325707A JP 2002138248 A JP2002138248 A JP 2002138248A JP 2002138248 A JP2002138248 A JP 2002138248A JP 2003325707 A JP2003325707 A JP 2003325707A
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club head
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sound
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JP2002138248A
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Kazunori Ono
一則 小野
Hiroshi Saegusa
宏 三枝
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴルフクラブヘッドの打音を評価する際、設計
変更による変更部分が僅かなゴルフクラブヘッドであっ
ても精度高く打音を評価する。 【解決手段】評価対象のゴルフクラブヘッドの打撃面を
打撃した際の振動波形のサンプリングを行い、サンプリ
ングされた振動波形から、打音の大きさを表す音圧パラ
メータと、打音の減衰の度合を表す残響パラメータと、
打音の高低を表す周波数パラメータと、打音の澄み具合
を表す音色パラメータを評価パラメータとして算出し、
算出された評価パラメータを用いて、評価パラメータが
既知のゴルフクラブヘッドに対する相対評価を行う。ま
た、サンプリングされた振動波形から、振動波形の絶対
値が最大となるサンプル番号を基準番号とし、この基準
番号を用いて所定のサンプル数で順次区切られた複数の
ブロックを作成し、この作成されたブロックの単位毎に
演算を行って、打音の評価パラメータを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフクラブのゴ
ルフクラブヘッドの打撃面に打撃を与えた際の打音の評
価を精度良く行うゴルフクラブヘッドの打音評価方法、
この方法をコンピュータに実行させるプログラムおよび
ゴルフクラブヘッドの打音評価システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴルフボールをより遠くに飛ばす
ことのできる反発係数の高い材料を打撃面に用いたゴル
フクラブヘッドや、スイートスポットが大きく安定した
ゴルフボールの飛距離を確保することのできる容積の大
きなゴルフクラブヘッドが種々提供されている。このよ
うなゴルフクラブヘッドは、例えば、打撃面に特殊な材
料を用いた中空ヘッドであり、あるいは、ゴルフクラブ
ヘッドの容積が300ccを越す大きな中空ヘッドであ
るため、打撃面への打撃の際に発生する打音が大きく異
なる。そのため、実際にはゴルフボールを遠くに飛ばす
ことができるにもかかわらず、打音自体が鈍い音を発し
て、飛距離の出ないゴルフクラブとしての印象をゴルフ
ァーに与えたり、不快なイメージを与える場合も多い。
このような背景から、ゴルフクラブによるゴルフボール
の打撃時の打音を調整することが望まれている。
【0003】ところで、一般に定常的に音の発生してい
る定常騒音の音質を評価する方法として、音の大きさ感
を表すラウドネス、音の鋭さ感を表すシャープネス、音
の粗さを表すラフネスおよび音の変動感を表す変動強度
の4つのパラメータを算出して評価する評価方法が確立
されている。そして、パラメータの算出は1/3オクタ
ーブラウドネス分析を用いて行う。しかし、ゴルフクラ
ブヘッドの打音は、定常騒音と異なり、時間とともに減
衰する非定常音であるため、上述の方法を用いても打音
を正しく評価することができない。また、ゴルフクラブ
ヘッドの打音は、スペクトル波形でみると1つあるいは
複数の鋭いピークを持つため、上述の1/3オクターブ
ラウドネス分析を用いてゴルフクラブヘッドの打音を正
しく評価することはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、特開2
0001−314534号公報では、ゴルフクラブの評
価試験方法を開示している。この評価試験方法による
と、ゴルフクラブによる打撃音の波形信号を所定のサン
プル数に区切られたフレーム毎にLPC解析を行ってス
ペクトル波形を得た後、このスペクトル波形の周波数を
メル尺度化し、さらに、ロビンソン−ダッドソン曲線を
用いて聴覚的なスペクトル波形をフレーム毎に求める。
そして、全フレームの聴覚的なスペクトル波形から打音
の高低の特徴量と、打音の音色の特徴量を求め、さら
に、打音の残響の特徴量を求め、これらの3つの特徴量
を予め定めた閾値と比較して評価する。これによって、
異なる種類のゴルフクラブの選別に利用することができ
るとされている。
【0005】しかし、上述の公報の評価試験方法では、
パーシモン製ゴルフクラブヘッドおよび中空のチタン製
ゴルフクラブヘッド等、種類の全く異なるゴルフクラブ
ヘッドについては適用できるが、開発における試作段階
で細かな設計変更を施したゴルフクラブヘッドでは十分
に対応できないといった問題があった。また、上述の公
報の評価試験方法では、フレーム毎にスペクトル波形の
周波数をメル尺度化した後ロビンソン−ダッドソン曲線
を用いて聴覚的なスペクトル波形を得、この聴覚的なス
ペクトル波形を用いて所定の演算を行って、打撃音の評
価に用いる特徴量を算出する。その際、上記演算の過程
において、スペクトル波形の振幅スペクトルの大きい順
に2つまたは3つのピーク周波数と振幅スペクトルを用
いるため、それぞれの振幅スペクトルのピークレベルが
フレーム毎に小さく変化することによって演算に用いる
ピーク周波数が変わる場合があり、安定した特徴量を算
出することが難しい。そのため、この特徴量の値の主要
因となるスペクトル波形のピーク値やピーク周波数を直
接特定することは難しく、ゴルフクラブヘッドの部材の
構成や材料をどのように変更すればよいかといったゴル
フクラブヘッドの開発における試作品の変更や修正に直
接反映することは難しい。
【0006】そこで、本発明は、上述の従来技術の問題
点を解消するために、ドライバー等のウッド系のゴルフ
クラブヘッド又はアイアンのゴルフクラブヘッドの打撃
面を打撃した際のゴルフクラブヘッドの打音を評価する
際、設計変更による変更部分が僅かなゴルフクラブヘッ
ドであっても精度高く打音を評価することができるとと
もに、ゴルファーの官能評価に対応した評価パラメータ
を算出して評価を行うことができ、しかも、打音の評価
結果の主要因となるスペクトル波形のピーク値またはピ
ーク周波数を容易に特定することができるゴルフクラブ
ヘッドの打音評価方法、この方法を実行するプログラム
およびゴルフクラブヘッドの打音評価システムを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、ゴル
フクラブヘッドの打撃面を打撃した際のゴルフクラブヘ
ッドの打音を評価するゴルフクラブヘッドの打音評価方
法であって、評価対象のゴルフクラブヘッドの打撃面を
打撃した際の振動波形のサンプリングを行うサンプリン
グステップと、サンプリングされた振動波形から、打音
の大きさを表す音圧パラメータと、打音の減衰の度合を
表す残響パラメータと、打音の高低を表す周波数パラメ
ータと、打音の澄み具合を表す音色パラメータを評価パ
ラメータとして算出するパラメータ算出ステップと、算
出された評価パラメータを用いて、前記評価パラメータ
が既知のゴルフクラブヘッドに対する前記評価対象のゴ
ルフクラブヘッドの相対評価を行う評価ステップとを有
することを特徴とするゴルフクラブヘッドの打音評価方
法を提供する。
【0008】また、本発明は、ゴルフクラブヘッドの打
撃面を打撃した際のゴルフクラブヘッドの打音を評価す
るゴルフクラブヘッドの打音評価方法であって、評価対
象のゴルフクラブヘッドの打撃面を打撃した際の振動波
形のサンプリングを行うサンプリングステップと、サン
プリングされた振動波形から、振動波形の絶対値が最大
となるサンプル番号を基準番号とし、この基準番号を用
いて所定のサンプル数で順次区切られた複数のブロック
を作成し、この作成されたブロックの単位毎に演算を行
って、打音の評価パラメータを算出するパラメータ算出
ステップと、算出された評価パラメータを用いて、前記
評価パラメータが既知のゴルフクラブヘッドに対する前
記評価対象のゴルフクラブヘッドの相対評価を行う評価
ステップとを有することを特徴とするゴルフクラブヘッ
ドの打音評価方法を提供する。
【0009】ここで、前記パラメータ算出ステップは、
打音の大きさを表す音圧パラメータと、打音の減衰の度
合を表す残響パラメータと、打音の高低を表す周波数パ
ラメータと、打音の澄み具合を表す音色パラメータを評
価パラメータとして算出するのが好ましい。例えば、前
記パラメータ算出ステップは、前記基準番号から所定の
サンプル数で振動波形が順次区切られた複数のブロック
からなる第1のブロック群を作成し、この第1のブロッ
ク群のブロック毎に求めた振動波形のレベルの二乗和を
用いて前記音圧パラメータを算出する。より具体的に
は、前記パラメータ算出ステップは、前記第1のブロッ
ク群のブロック毎に求めた二乗和のうち最も大きい二乗
和の対数値を用いて前記音圧パラメータを求める。ま
た、前記サンプリングステップは、前記打撃面に打撃を
与えた際の入力波形を、前記振動波形のサンプリングと
ともにサンプリングし、前記パラメータ算出ステップ
は、サンプリングした入力波形のレベルの二乗和を前記
サンプリングステップにおける計測時間範囲で求め、こ
の入力波形の二乗和を用いて前記振動波形のレベルの二
乗和の基準化を行ってもよい。
【0010】また、前記パラメータ算出ステップは、前
記基準番号に応じて設定された設定番号から所定のサン
プル数で振動波形が順次区切られた複数のブロックから
なる第2のブロック群を作成し、この第2のブロック群
の中の最初のブロックから数えて2番目以降の所定番目
のブロックを選択して周波数解析を行ってスペクトル波
形を求め、このスペクトル波形において、所定の周波数
範囲における最大ピーク値を基準にして設定されるスペ
クトル値の設定範囲内に含まれるピークのうち、前記周
波数範囲の中で最小のピーク周波数を持つピークのピー
ク周波数を求め、このピーク周波数を用いて周波数パラ
メータを求めるのが好ましい。
【0011】この場合、前記第2のブロック群から選択
される所定番目のブロックは、1つのブロックであっ
て、前記パラメータ算出ステップは、選択されたブロッ
クにおける前記ピーク周波数を周波数パラメータとする
とよい。また、前記第2のブロック群から選択される所
定番目のブロックは、複数のブロックであって、この複
数のブロックにおけるスペクトル波形の各々において前
記ピーク周波数を求め、この求められたピーク周波数に
関するメジアン平均値を周波数パラメータとしてもよ
い。また、前記パラメータ算出ステップは、振動波形の
絶対値が最大となるサンプル番号を基準番号とし、この
基準番号に応じて設定された設定番号から所定のサンプ
ル数で振動波形が順次区切られた複数のブロックからな
る第2のブロック群を作成し、この第2のブロック群の
中の最初のブロックから数えて2番目以降の所定番目の
ブロックを選択して周波数解析を行ってスペクトル波形
を求め、このスペクトル波形の周波数に対するスペクト
ル値を重み付け係数として周波数の加重平均値を求め、
この加重平均値を用いて周波数パラメータを求めてもよ
い。この場合、前記重み付け係数として、スペクトル値
とともに、周波数に依存した重み付け関数を用いるとよ
い。
【0012】また、前記パラメータ算出ステップは、振
動波形の絶対値が最大となるサンプル番号を基準番号と
し、この基準番号に応じて設定された設定番号から所定
のサンプル数で振動波形が順次区切られた複数のブロッ
クからなる第3のブロック群を作成し、この第3のブロ
ック群の中の最初のブロックから数えて2番目以降の所
定番目のブロックを選択して周波数解析を行ってスペク
トル波形を求め、このスペクトル波形において、所定の
周波数範囲における最大ピーク値を基準にして設定され
るスペクトル値の設定範囲内に含まれるピークのうち、
前記周波数範囲の中で最小のピーク周波数を持つピーク
のピーク周波数を第1の周波数として求めるとともに、
この第1の周波数に次いで低いピーク周波数を持つピー
クのピーク周波数を第2の周波数として求め、求められ
た前記第1の周波数の前記第2の周波数に対する比率を
用いて音色パラメータを求めるのが好ましい。
【0013】この場合、前記第3のブロック群から選択
される所定番目のブロックは、1つのブロックであっ
て、前記パラメータ算出ステップは、選択されたブロッ
クにおける前記比率を用いて対応心理量を演算して求
め、この対応心理量を音色パラメータとしてもよい。ま
た、前記第3のブロック群から選択される所定番目のブ
ロックは、複数のブロックであって、前記パラメータ算
出ステップは、選択された複数のブロックの各々におい
て前記比率を求めるとともにこの比率から対応心理量を
演算して求め、この複数のブロックに対応して求められ
た複数の対応心理量についてのメジアン平均値を音色パ
ラメータとしてもよい。また、前記パラメータ算出ステ
ップは、振動波形の絶対値が最大となるサンプル番号を
基準番号とし、この基準番号に応じて設定された設定番
号から所定のサンプル数で振動波形が順次区切られた複
数のブロックからなる第3のブロック群を作成し、この
第3のブロック群の中の最初のブロックから数えて2番
目以降の所定番目のブロックを選択して周波数解析を行
ってスペクトル波形を求め、このスペクトル波形の周波
数解析の対象とする周波数範囲における平均スペクトル
値より高いスペクトル波形の部分の第1の合計値とこの
周波数範囲全体におけるスペクトル波形の第2の合計値
を求め、この第2の合計値に対する第1の合計値の比率
を求め、この比率を音色パラメータとしてもよい。
【0014】前記ゴルフクラブヘッドの打音評価方法に
おける前記評価ステップは、算出された評価パラメータ
の値を、前記既知のゴルフクラブヘッドの評価パラメー
タに対して相対指数で表したグラフを作成することで、
前記評価対象のゴルフクラブヘッドの打音の大きさ、打
音の減衰の度合、打音の高低および打音の澄み具合を評
価するのが好ましい。前記評価ステップは、前記評価パ
ラメータの重み付けを行って1つのパラメータにまとめ
て総合評価を行うのもよい。
【0015】また、本発明は、ゴルフクラブヘッドの打
撃面を打撃した際の振動波形を用いてゴルフクラブヘッ
ドの打音をコンピュータに評価させるコンピュータが実
行可能なプログラムであって、振動波形から、打音の大
きさを表す音圧パラメータと、打音の減衰の度合を表す
残響パラメータと、打音の高低を表す周波数パラメータ
と、打音の澄み具合を表す音色パラメータを評価パラメ
ータとして、コンピュータの演算手段に算出させ、コン
ピュータの記憶手段に記憶させるパラメータ算出手順
と、前記記憶手段に記憶されている既知のゴルフクラブ
ヘッドの評価パラメータを、前記パラメータ算出手順で
記憶された評価パラメータとともに呼びださせ、前記評
価パラメータが既知のゴルフクラブヘッドに対する評価
対象のゴルフクラブヘッドの相対評価を前記演算手段に
行わせる評価手順とを有するプログラムを提供する。
【0016】また、本発明は、ゴルフクラブヘッドの打
撃面を打撃してゴルフクラブヘッドの打音を評価するゴ
ルフクラブヘッドの打音評価システムであって、評価対
象のゴルフクラブヘッドの打撃面を打撃した際の振動波
形を計測する計測装置と、振動波形から、打音の大きさ
を表す音圧パラメータと、打音の減衰の度合を表す残響
パラメータと、打音の高低を表す周波数パラメータと、
打音の澄み具合を表す音色パラメータを評価パラメータ
として算出するパラメータ算出部、および、算出された
評価パラメータを用いて、前記評価パラメータが既知の
ゴルフクラブヘッドに対する前記評価対象のゴルフクラ
ブヘッドの相対評価を行う評価部を備える処理装置とを
有することを特徴とするゴルフクラブヘッドの打音評価
システムを提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のゴルフクラブヘッドの打
音評価方法を実施する一実施形態のゴルフクラブヘッド
の打音評価システムに基づいて以下に詳細に説明する。
図1は、ゴルフクラブヘッドの打音評価システム10の
概略の構成を示す概略構成図である。
【0018】ゴルフクラブヘッドの打音評価システム1
0は、打撃用ハンマ12と、騒音マイク14と、騒音計
16と、処理装置18とを有して構成される。打撃用ハ
ンマ12は、ゴルフクラブヘッドHの打撃面Fを打撃す
るものであり、金属ハンマが用いられる。騒音マイク1
4は、打撃面Fの前方に対向するように配され、打撃用
ハンマ12で打撃された打音を電気信号に変える公知の
騒音マイクである。騒音計16は、騒音マイク14から
送られてきた電気信号を音圧信号とし、音圧を計測する
公知の計測装置である。音圧を計測する際、A特性のフ
ィルタを用いる。
【0019】処理装置18は、騒音計16で得られた音
圧信号をサンプリング(サンプリング周波数30kHz
〜100kHz)して取り込み、音圧パラメータ、残響
パラメータ、周波数パラメータおよび音色パラメータを
算出し、これらのパラメータを用いて相対評価を行う装
置である。音圧パラメータ、残響パラメータ、周波数パ
ラメータおよび音色パラメータの算出およびこれらのパ
ラメータを用いた相対評価については後述する。
【0020】なお、処理装置18は、プログラムを実行
することによって機能を発揮するコンピュータによって
構成されたものであってもよいし、専用回路で構成され
たものであってもよい。処理装置18がコンピュータで
構成される場合、ゴルフクラブヘッドの打撃面を打撃し
た際の振動波形を用いてゴルフクラブヘッドの打音をコ
ンピュータに評価させるコンピュータが実行可能なプロ
グラムが用いられる。この場合、プログラムは、振動波
形から、打音の大きさを表す音圧パラメータと、打音の
減衰の度合を表す残響パラメータと、打音の高低を表す
周波数パラメータと、打音の澄み具合を表す音色パラメ
ータを評価パラメータとして、コンピュータのCPUに
算出させ、コンピュータのメモリに記憶させるパラメー
タ算出手順と、メモリに記憶されている既知のゴルフク
ラブヘッドの評価パラメータを、前記パラメータ算出手
順で記憶された評価パラメータとともに呼びださせ、評
価パラメータが既知のゴルフクラブヘッドに対する評価
対象のゴルフクラブヘッドの相対評価をCPUに行わせ
る評価手順とを有する。なお、プログラムのパラメータ
算出手順および評価手順は、以下に説明する内容をコン
ピュータに実行させるものである。
【0021】打音評価システム10は、騒音計16で得
られる音圧信号を処理装置18にて直接取り込み、各評
価パラメータの算出および相対評価の処理を実行する
が、騒音計16で得られた音圧信号を一旦データロガー
等に記録保存し、この後にデータロガーから音圧信号を
呼び出して処理装置18で各評価パラメータの算出およ
び相対評価の処理を行ってもよい。
【0022】また、打撃用ハンマ12をインパクトハン
マとし、一方、打撃面Fの面上に加速度ピックアップを
貼り付け、打撃面Fを打撃した際のインパクトハンマか
らの打撃入力信号および打撃面Fの振動による加速度ピ
ックアップからの加速度の振動波形を処理装置18に取
り込む構成としてもよい。この場合、加速度の振動波形
を音圧振動波形の替わりに用いることでゴルフクラブヘ
ッドの打音を評価することができる。特に、ゴルフクラ
ブの試打会場や見本市等の暗騒音の大きな環境の中で打
音の評価を行う場合は、暗騒音が大きくても精度の高い
打音の評価を行うことができるため、加速度の振動波形
を用いるのが好ましい。また、加速度の振動波形の替わ
りに、レーザドップラー振動計等を用いて得られる速度
の振動波形を用いてもよい。
【0023】打音評価システム10は、ゴルフクラブヘ
ッドHがゴルフクラブシャフトに組付けられた状態でゴ
ルフクラブヘッドHの打音の計測を行ってもよいし、ゴ
ルフクラブヘッド単体の状態でゴルフクラブヘッドの打
音の計測を行ってもよい。
【0024】図2は、打音評価システム10で行われる
ゴルフクラブヘッドの打音評価方法の流れを示すフロー
チャートである。
【0025】まず、打撃用ハンマ12でゴルフクラブヘ
ッドHの打撃面Fが打撃された打音が騒音マイク14で
取り込まれて、騒音計16で音圧信号に変換され音圧振
動波形が得られ、処理装置18に送られる。処理装置1
8では、所定のサンプリング周期でAD変換(アナログ
−デジタル変換)された後、音圧パラメータの算出およ
び残響パラメータの算出が行われる(ステップ10
0)。
【0026】ここで音圧パラメータとは、打音の大きさ
を表すパラメータであり、音圧振動波形から、音圧振動
波形の絶対値が最大となるサンプル番号を基準番号と
し、この基準番号から所定のサンプル数、例えばサンプ
ル数500で音圧振動波形が順次区切られたブロック群
α(図3(b)参照)、例えば76個のブロックAk
ら成るブロック群αを作成する。そして、ブロック群α
のブロックAk 毎の音圧振動波形のレベルの二乗和を用
いて、具体的には、ブロック群αのブロックAk毎に求
めた二乗和のうち最も大きい二乗和の対数値を用いて、
音圧パラメータを求める。
【0027】例えば、100kHzのサンプリング周波
数でサンプリングされた音圧振動波形の信号をy(i)
(i=1〜20000の自然数)とすると、下記式
(1)に従って音圧振動波形の絶対値の最大値Ymax
求め、さらにこの時の基準番号i max を求める。この
後、下記式(2)に従ってサンプル数500毎に区分け
したブロックAk 毎にE(k)(kは0以上75以下の
自然数、ブロック番号)を計算し、例えば76個のE
(k)を求め、この中で最大となるE(k)を音圧パラ
メータとする。音圧振動波形は図3(a)に示すよう
に、概ね時間とともに振幅が小さくなる減衰波形である
が、音圧振動波形によっては、k=0以降のブロックで
E(k)が最大となる場合もある。
【0028】
【数1】
【数2】
【0029】このように、音圧振動波形の絶対値が最大
値Ymax となる基準番号imax を基準としてブロック群
αを作成するので、非定常の減衰振動である打音につい
て安定的な評価パラメータを得ることができ、従って、
再現性のよい評価結果を得ることができる。
【0030】図3(a)には、100kHzでサンプリ
ングされたゴルフクラブヘッドの打音の音圧振動波形の
一例が示されている。また、図3(b)は、図3(a)
に示す時間軸と同じ時間軸上で各ブロックAk が占める
時間範囲を示している。各ブロックAk は、隣接するブ
ロックと一部分がオーバラップしている。図3(a)に
示す波形では、位置MにおいてYmax となり、この位置
のサンプル番号が基準番号となる。このように音圧パラ
メータを算出する際、音圧振動波形の絶対値が最大とな
るサンプル番号を基準番号imax とし、この基準番号i
max から所定のサンプル数で順次区切られた複数のブロ
ックAk を作成し、この作成されたブロックAk の単位
毎にE(k)を算出して音圧パラメータを算出する。
【0031】また、処理装置18において、打撃用ハン
マ12の替わりにインパルスハンマを用いて打撃面Fに
打撃を与えた際の打撃力の入力波形をサンプリングして
取り込んだ場合、取り込んだ入力波形のレベルの二乗和
を音圧振動波形の計測時間範囲で求め、この入力波形の
二乗和を用いて上述のE(k)の最大値の基準化を行っ
て、基準化音圧パラメータを求めてもよい。すなわち、
入力波形の信号をX(i)として、下記式(3)に示す
ような値Fを求め、この値Fを下記式(4)のようにE
(k)の最大値から減算して基準化された規格化音圧パ
ラメータを求める。なお、式(3)におけるNは計測時
間範囲の最後のサンプル番号である。この基準化音圧パ
ラメータは、打撃の大きさを一定に制御できない場合に
精度の高い音圧パラメータを得ることができる点で有効
である。
【0032】
【数3】
【数4】
【0033】一方、残響パラメータは、打音の減衰の度
合を表すパラメータである。残響パラメータは、作成し
た上述のブロック群αの各ブロックAk 毎に上記式
(2)に従って算出されるE(k)のブロック番号kに
対する勾配を用いて求められる。図4は、ブロック番号
kに対するE(k)の変化の一例を示すグラフである。
このようにE(k)のブロック番号kに対する変化は略
直線となっており、この勾配を用いて下記式(5)に従
って残響パラメータを求める。下記式(5)において、
mはブロック番号kに対するE(k)の勾配であり、Δ
Tは各ブロックの時間間隔であり、例えば1(mse
c)となる。こうして算出された音圧パラメータと残響
パラメータは、ファイルに書き込まれ、処理装置18の
図示されないメモリに記憶される(ステップ102)。
【0034】
【数5】
【0035】次に、周波数パラメータの算出および音色
パラメータの算出が行われる(ステップ104)。周波
数パラメータは、打音の高低を表すパラメータである。
周波数パラメータの算出では、まず、上述した基準番号
max に応じて設定された所定の設定番号、例えば基準
番号imax からサンプル数100、時間軸上で遡ったサ
ンプル番号(imax −100)から所定のサンプル数、
例えばサンプル数2048で順次区切られたブロックB
k (kはブロック番号で、0〜27の自然数)からなる
ブロック群βを作成する。その際、サンプル数2048
の各ブロックBk における最初のサンプル番号は100
ずつずれており、従って、各ブロックBk は、後続して
隣接するブロックBk+1 とサンプル数1948(=20
48−100)の分だけオーバーラップする構成となっ
ている。なお、各ブロックBk のサンプル数はすべて一
定であればよく、特にサンプル数に限定はないが、サン
プル数2048の替わりに512や1024等、2の巾
乗であるのが後述するFFTを行う点から好ましい。図
5は、図3(a)に示す時間軸と同じ時間軸上における
各ブロックBk (k=0〜27の自然数)が占める範囲
を示している。
【0036】このように、本発明では、音圧振動波形の
絶対値が最大値Ymax となる基準番号imax を基準とし
て用いてブロック群βを生成するので、非定常の減衰振
動である打音について安定的な周波数パラメータを求め
ることができ、再現性のよい評価結果を得ることができ
る。
【0037】このようなブロック群βが作成された後、
例えば、ブロックB0 から数えて11番目のブロックB
10を選択して、周波数解析を行う。例えば、FFT(Fa
st Fourier Transformation)解析、1/24オクターブ
解析等を用いて周波数解析を行い、スペクトル波形を求
める。そして、このブロックB10のスペクトル波形にお
いて、所定の周波数範囲における最大ピーク値を基準に
して設定されるスペクトル値の設定範囲内、例えば、最
大ピーク値とこの最大ピーク値から10dB低いスペク
トル値との範囲内のピークのうち、最小のピーク周波数
1 (図6参照)を求め、このピーク周波数f1 を周波
数パラメータとする。ここで、上述の所定の周波数範囲
とは、例えばドライバー等のウッド系のゴルフクラブヘ
ッドであれば2〜10kHzの周波数範囲、アイアンの
ゴルフクラブヘッドであれば5〜15kHzの周波数の
範囲である。図6は、ブロックB10におけるスペクトル
波形を表すとともに、上述した所定の周波数範囲(図中
領域R1 )と、最大ピーク値と最大ピーク値から10d
B低いスペクトル値との範囲(図中領域R2 )を示して
いる。
【0038】このように音圧信号波形における基準番号
max から一定の時間を経たブロックにおけるピーク周
波数を周波数パラメータとするのは、打撃面Fへの打撃
直後のスペクトル波形においてピークが顕著に生成され
ず、ホワイトノイズ成分が多いのに対し、打撃後一定の
時間を経ることによって打撃面に特有のピークが生成す
るからである。特開20001−314534号公報で
は、打撃音(打音)の高低の特徴量を求める際、解析対
象とする全フレーム(本願でいうブロック)を対象とし
て、聴覚的なスペクトル波形の第1のピークと第2のピ
ークのピーク値を重み付け係数としてメル尺度における
ピークの重心周波数を求め、このピークの重心周波数M
を打撃音の高低の特徴量とする。すなわち、解析対象と
する全フレームを考慮して特徴量の算出を行う。従っ
て、打撃直後におけるピークが顕著に生成されないフレ
ームについても特徴量の算出のために用いられるため、
特徴量としての精度、さらには再現性が悪いといった問
題がある。しかし、本発明においては、打撃後一定の時
間を経たブロックのピーク周波数を周波数パラメータと
するので、パラメータとしての精度、さらには再現性が
悪いといった問題は解消する。また、ピーク周波数f1
は実際に人間が感ずる打音の高低に関する心理量と高い
対応関係を持つ。
【0039】図7(a)は、ゴルフクラブヘッドHを打
撃した打音を被験者に聴かせ官能評価させた際の打音の
高低に関する心理量yと上述したピーク周波数f1 の対
数値との関係を示したグラフである。打音の高低の心理
量yは、打音が高いと感じるほど心理量が高い量であ
る。図7(a)に示すように、打音の高低の心理量yと
ピーク周波数f1 の対数値との関係は直線によって回帰
され、相関係数が0.91846となる。一方、打音の
高低の心理量yと従来の方法で求められたピークの重心
周波数Mの対数値との関係は、図7(b)に示すように
直線で回帰され、相関係数は0.84689となる。こ
れより、打音の高低の心理量yとピーク周波数f1 との
相関係数の方が、打音の高低の心理量yとピークの重心
周波数Mとの相関係数に比べて高く、ピーク周波数f1
は打音の高低の心理量yと高い相関を持って対応すると
いえる。
【0040】なお、本発明においては、ブロック群βか
ら選択される所定のブロックとして、例えば、ブロック
0 から数えて11番目のブロックB10以降のブロック
27までのブロックであって、このブロックB10〜B27
におけるスペクトル波形の各々においてそれぞれ上述の
方法でピーク周波数f1 を求め、この求められたピーク
周波数f1 についてメジアン平均をとって平均値を求
め、この平均値を周波数パラメータとしてもよい。すな
わち、打撃後一定の時間を経たブロックのピーク周波数
を用いて周波数パラメータを求める。これによって、パ
ラメータとしての精度、さらには再現性が悪いといった
問題を解消することができる。なお、上記例では11番
目のブロックB10、あるいは、これ以降のブロックを用
いて周波数パラメータを用いたが、本発明は、これに限
定されるわけではなく、最初のブロックB0 を除く2番
目のブロックB1 以降のブロックBk (kは1以上)あ
るいはこのブロックBk (kは1以上)以降のブロック
を用いればよい。
【0041】また、本発明における周波数パラメータと
して、ブロック群βから選択される所定のブロックとし
て、例えば、ブロックB10のスペクトル波形における後
述する加重平均周波数を、あるいは、ブロックB10以降
のブロックB27までのブロックのスペクトル波形におけ
る加重平均周波数のメジアン平均値を用いてもよい。加
重平均周波数は、ブロックBk のスペクトル波形のスペ
クトル値を重み付け係数として用いた、周波数解析の対
象とする周波数範囲における周波数の加重平均である。
その際、重み付け係数として、スペクトル値とともに、
周波数に依存した重み付け関数を別途作成して用いても
よい。
【0042】具体的には、加重平均周波数は下記式
(6)に従って求める。ここで、fは周波数、S(f)
はスペクトル波形における周波数fにおけるスペクトル
値、W(f)は周波数fにおける重み付け関数であり、
式(6)に従って周波数解析の対象とする周波数範囲に
おける加重平均を行う。なお、重み付け関数W(f)
は、例えば図8に示す関数を用いるとよい。式(6)に
よるとスペクトル値S(f)を重み付け係数とし、しか
も、図8に示すように重み付け関数W(f)は3000
Hz以上において係数を1とするので、概略3000H
z以上のピーク値を主にした加重平均周波数を求めるこ
とができる。
【0043】
【数6】
【0044】図9には、ゴルフクラブヘッドH1 、H2
およびH3 におけるブロックB10の3つのスペクトル波
形が例示されている。ゴルフクラブヘッドH1 の加重平
均周波数は7166Hzとなり、ゴルフクラブヘッドH
2 の加重平均周波数は6567Hzとなり、ゴルフクラ
ブヘッドH3 の加重平均周波数は5760Hzとなる。
このような加重平均周波数は、打撃後一定の時間を経た
ブロックについて求めるので、パラメータとしての精
度、さらには再現性が悪化するといった問題は解消す
る。
【0045】音色パラメータは、打音の澄み具合を表す
パラメータである。この音色パラメータの算出は以下の
ように行う。まず、上述のブロック群βから選択される
所定のブロック、例えば、ブロックB10のスペクトル波
形において、図6に示す領域R1 の周波数範囲であり、
かつ領域R2 のスペクトル値の設定範囲内のピークのう
ち、最小のピーク周波数を持つピークのピーク周波数f
1 を求めるとともに、ピーク周波数f1 に次いで低いピ
ーク周波数f2 を求め、ピーク周波数f1 のピーク周波
数f2 に対する比率f 2 /f1 を求める。さらに、この
比率f2 /f1 から音階の度数1〜8に対応した12音
技法による音階度数差dfを下記式から求める。f1
2 =2df/12そして、この音階度数差dfを用いて下
記式(7)に従って対応心理量Tを演算して求め、この
対応心理量Tを音色パラメータとする。なお、本実施例
では、音色パラメータの算出の際、周波数パラメータと
同一のブロック群βを用いるが、本発明においては、別
に作成したブロック群を用いて音色パラメータを算出し
てもよい。
【0046】
【数7】
【0047】上述の特開20001−314534号公
報では、打撃音(打音)の音色の特徴量を、解析対象と
する全フレーム(本願でいうブロック)を対象として、
3つのピークのピーク値の平均値と振幅スペクトル全体
の平均値との比である澄度Cを算出し、この澄度Cを打
撃音の特徴量とする。すなわち、解析対象とする全フレ
ームを考慮して特徴量の算出を行う。従って、打撃直後
におけるスペクトル波形にピークが顕著に生成されない
フレームについても特徴量の算出に用いるため、特徴量
としての精度、さらには再現性が悪いといった問題があ
る。これに対し、本発明では、打撃後一定の時間を経た
ブロックの2つのピーク周波数f1 ,f2 を用いて音色
パラメータを求めるので、パラメータとしての精度、さ
らには再現性が悪いといった問題は解消する。また、2
つのピーク周波数f1 ,f2 から求めた音階度数差は、
実際に人間が澄んだ音色、濁った音色に関して感ずる心
理量と高い対応関係を持つ。
【0048】図10(a)は、ゴルフクラブヘッドHを
打撃した打音を被験者に聴かせ官能評価させて得られた
打音の音色の心理量yと上述した音階度数差dfとの関
係を示したグラフである。打音の音色の心理量yは、音
色が澄んでいると感じるほど心理量が高い量である。図
10(a)に示すように、音色の心理量yと音階度数差
dfとの関係は上記式(7)によって回帰され、相関係
数が0.9041となる。一方、音色の心理量yと従来
の方法で求められた澄度Cとの関係は、図10(b)に
示すように多項式で回帰され、相関係数は0.8015
となる。これより、音色の心理量yと音階度数差dfと
の相関係数の方が、音色の心理量yと澄度Cとの相関係
数に比べて高く、音階度数差dfは音色の心理量yと高
い相関を持って対応するといえる。ここで、図10
(a)に示す、音階度数差dfと音色の心理量yとの関
係を回帰する多項式曲線は、音階度数差df=1度にお
いて音色が澄み、音階度数差df=3度の周辺で音色が
濁り、平均律音階で完全5度にあたる音階度数差df=
8において音色が澄むといった特性を示している。
【0049】なお、本発明においては、ブロック群βか
ら選択される所定のブロックとして、例えば、ブロック
0 から数えて11番目のブロックB10以降のブロック
27までのブロックであって、このブロックB10〜B27
におけるスペクトル波形の各々においてそれぞれ上述の
方法で音階度数差dfを求め、この求められた音階度数
差dfについてメジアン平均をとってメジアン平均値を
求め、この平均値を式(7)の音階度数差dfに代入し
て対応心理量Tを求め、この対応心理量Tを音色パラメ
ータとしてもよい。また、ブロックB10〜B27における
スペクトル波形の各々においてそれぞれ音階度数差df
を求め、この求められた音階度数差dfを用いて式
(7)に従って対応心理量Tを算出し、この算出された
各ブロックの対応心理量Tについてメジアン平均をとっ
て平均値を求め、この平均値を音色パラメータとしても
よい。これによって、パラメータとしての精度、さらに
は再現性が悪化するといった問題を解消することができ
る。
【0050】さらに、本発明は、ブロック群βから選択
される所定のブロック、例えば、ブロックB10のスペク
トル波形における後述する比率Qを、あるいは、例えば
ブロックB10以降のブロックB27までのブロックのスペ
クトル波形における比率Qのメジアン平均値を音色パラ
メータとしてもよい。比率Qは、スペクトル波形の周波
数解析の対象とする周波数範囲における平均スペクトル
値より高いスペクトル波形の第1の合計値とこの周波数
範囲全体におけるスペクトル波形の第2の合計値とを求
め、この第2の合計値に対する第1の合計値の比率を比
率Qとする。
【0051】すなわち、図9に示す例では、ゴルフクラ
ブヘッドH1 の比率Qは86.8、ゴルフクラブヘッド
2 の比率Qは95.0、ゴルフクラブヘッドH3 の比
率Qは94.7である。このように1つのピーク周波数
に音圧信号が集中し、1つのピークが支配的となってい
るゴルフクラブヘッドH2 の比率Qが最も高く、ピーク
が分散し最大のピーク値が相対的に低くなっているゴル
フクラブヘッドH1 の比率Qは最も低いことから、比率
Qが高くなればなるほど単一のピーク値が高くなり、打
音の澄み具合が高くなるといえる。従って、比率Qを音
色パラメータとして用いることもできる。
【0052】こうして求められた周波数パラメータと音
色パラメータは、音圧パラメータと残響パラメータの書
き込まれたファイルに追加して書き込まれ、処理装置1
8の図示されないメモリに記憶される(ステップ10
6)。
【0053】次に、音圧パラメータ、残響パラメータ、
周波数パラメータおよび音色パラメータの書き込まれた
ファイルが呼び出され、ゴルフクラブヘッドHの打音の
評価が行われる(ステップ108)。ゴルフクラブヘッ
ドHの打音の評価は、音圧パラメータ、残響パラメー
タ、周波数パラメータおよび音色パラメータが既知のゴ
ルフクラブヘッドに対する相対評価によって行われる。
具体的には、評価の対象とするゴルフクラブヘッドHの
音圧パラメータ、残響パラメータ、周波数パラメータお
よび音色パラメータのそれぞれを、既知の複数のゴルフ
クラブヘッドにおける対応するパラメータに加えた母集
団として平均値と標準偏差とを求め、この母集団の平均
値を50、標準偏差を10とする変換を行ってゴルフク
ラブヘッドの偏差値を求め、この偏差値によって評価を
行う。
【0054】表1は、音圧パラメータ、残響パラメー
タ、周波数パラメータおよび音色パラメータが既知のゴ
ルフクラブヘッドHa 〜He に対してゴルフクラブヘッ
ドHf、Hg の評価を行った結果の一覧表である。ゴル
フクラブヘッドHf 、Hg はゴルフクラブヘッドの構成
を変更した試作品である。表1における音圧パラメータ
は、上記式(2)で算出されるE(k)の最大値を用
い、残響パラメータは上記式(5)で算出された値を用
い、周波数パラメータは上述したようにブロックB10
おけるピーク周波数f1 を用い、音色パラメータは上述
のブロックB10における比率Qを用いたものである。な
お、各パラメータの値に付随して括弧書きで偏差値を示
している。例えば、ゴルフクラブヘッドHa の音圧パラ
メータの偏差値は44.6である。
【0055】
【表1】
【0056】ここで、音圧パラメータの偏差値が高いほ
ど、音圧が大きいことを示し、残響パラメータの偏差値
が高いほど打音が長いことを示し、周波数パラメータの
偏差値が高いほど高い打音であることを示し、音色パラ
メータの偏差値が高いほど澄んだ音色であることを示
す。処理装置18は、このような結果をレーダチャート
に表して表示し、ゴルフクラブヘッドHf およびHg
相対評価を行う。
【0057】図11は、ゴルフクラブヘッドHa 〜Hg
の打音の評価パラメータの結果を表したレーダチャート
である。処理装置18において、ゴルフクラブヘッドH
a の打音は、4つの評価パラメータにおいて標準的な位
置づけの打音であると評価される。また、ゴルフクラブ
ヘッドHb の打音は、打音が短く、打音が高く、音色が
濁っていると評価され、ゴルフクラブヘッドHc の打音
は、ゴルフクラブヘッドHb と同様の傾向を持つと評価
される。また、ゴルフクラブヘッドHd の打音は、音圧
が小さいと評価され、ゴルフクラブヘッドHe の打音は
高く澄んだ音であると評価される。一方、ゴルフクラブ
ヘッドHf の打音は、音圧が大きいと評価され、ゴルフ
クラブヘッドHg の打音は、打音が極端に長くて低く音
圧が大きいと評価される。
【0058】処理装置18はこのような評価を行うが、
この評価は、被験者の官能評価による評価結果と一致し
たものであった。従って、本発明のゴルフクラブヘッド
の打音の評価方法は、有効であるといえる。なお、処理
装置18は、上述の4つの評価パラメータの他に、さら
に別のパラメータを付加して評価を行ってもよい。ま
た、このような4つの評価パラメータの重み付けを行っ
て1つのパラメータにまとめて総合評価を行ってもよ
い。
【0059】このように、本実施形態において、周波数
解析によって得られたスペクトル波形からピーク周波数
1 または加重平均周波数、および比率f2 /f1 また
は比率Qを求め、ピーク周波数f1 または加重平均周波
数をそのまま打音の高低を表す周波数パラメータとし、
一方、比率f2 /f1 または比率Qを用いて対応心理量
に換算するので、スペクトル波形の中のどのピークが評
価結果の主要因となっているか容易に判断でき、しかも
このピークを修正するためのゴルフクラブヘッドの対処
策に容易に反映させることができる。特に、本発明の方
法は、ゴルフクラブヘッドの設計開発段階において効果
的に活用することができる。
【0060】以上、本発明のゴルフクラブヘッドの打音
評価方法、この方法をコンピュータに実行させるプログ
ラムおよびゴルフクラブヘッドの打音評価システムにつ
いて詳細に述べたが、本発明は、上記実施例に限定され
るものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろん
である。
【0061】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、設計変更による変更部分が僅かなゴルフクラブ
ヘッドであっても精度良く打音を評価することができる
とともに、ゴルファーの官能評価に対応した評価パラメ
ータを算出して評価を行うことができ、しかも、打音の
評価結果の主要因となるスペクトル波形のピーク値また
はピーク周波数を容易に特定することができ、ゴルフク
ラブヘッドの設計開発段階において効果的に活用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のゴルフクラブヘッドの打音評価シス
テムの一例の概略の構成を示す概略構成図である。
【図2】 本発明のゴルフクラブヘッドの打音評価方法
の流れの一例を示すフローチャートである。
【図3】 (a)は、本発明のゴルフクラブヘッドの打
音評価システムで得られる音圧振動波形の一例を示す図
であり、(b)は、本発明のゴルフクラブヘッドの打音
評価方法で作成されるブロック群の一例を説明する図で
ある。
【図4】 本発明のゴルフクラブヘッドの打音評価方法
で求められる残響パラメータを説明する図である。
【図5】 本発明のゴルフクラブヘッドの打音評価方法
で作成されるブロック群の他の一例を説明する図であ
る。
【図6】 本発明のゴルフクラブヘッドの打音評価方法
で求められるスペクトル波形の一例を示す図である。
【図7】 (a)は、本発明のゴルフクラブヘッドの打
音評価方法で求められるピーク周波数と打音の高低の心
理量との対応関係の一例を示す図であり、(b)は、従
来の試験評価方法で得られる特徴量と打音の高低の心理
量との対応関係の一例を示す図である。
【図8】 本発明のゴルフクラブヘッドの打音評価方法
で用いられる重み付け関数の一例を示す図である。
【図9】 本発明のゴルフクラブヘッドの打音評価方法
で求められるスペクトル波形の他の例を示す図である。
【図10】 (a)は、本発明のゴルフクラブヘッドの
打音評価方法で求められる音階度数差と音色の心理量と
の対応関係の一例を示す図であり、(b)は、従来の試
験評価方法で得られる特徴量と音色の心理量との対応関
係の一例を示す図である。
【図11】 本発明のゴルフクラブヘッドの打音評価方
法で作成されるグラフの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 ゴルフクラブヘッドの打音評価システム 12 打撃用ハンマ 14 騒音マイク 16 騒音計 18 処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C002 AA02 AA03 AA04 CH01 CH06 MM04 MM05 MM07 PP02 PP03 SS02 ZZ04

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴルフクラブヘッドの打撃面を打撃した際
    のゴルフクラブヘッドの打音を評価するゴルフクラブヘ
    ッドの打音評価方法であって、 評価対象のゴルフクラブヘッドの打撃面を打撃した際の
    振動波形のサンプリングを行うサンプリングステップ
    と、 サンプリングされた振動波形から、打音の大きさを表す
    音圧パラメータと、打音の減衰の度合を表す残響パラメ
    ータと、打音の高低を表す周波数パラメータと、打音の
    澄み具合を表す音色パラメータを評価パラメータとして
    算出するパラメータ算出ステップと、 算出された評価パラメータを用いて、前記評価パラメー
    タが既知のゴルフクラブヘッドに対する前記評価対象の
    ゴルフクラブヘッドの相対評価を行う評価ステップとを
    有することを特徴とするゴルフクラブヘッドの打音評価
    方法。
  2. 【請求項2】ゴルフクラブヘッドの打撃面を打撃した際
    のゴルフクラブヘッドの打音を評価するゴルフクラブヘ
    ッドの打音評価方法であって、 評価対象のゴルフクラブヘッドの打撃面を打撃した際の
    振動波形のサンプリングを行うサンプリングステップ
    と、 サンプリングされた振動波形から、振動波形の絶対値が
    最大となるサンプル番号を基準番号とし、この基準番号
    を用いて所定のサンプル数で順次区切られた複数のブロ
    ックを作成し、この作成されたブロックの単位毎に演算
    を行って、打音の評価パラメータを算出するパラメータ
    算出ステップと、 算出された評価パラメータを用いて、前記評価パラメー
    タが既知のゴルフクラブヘッドに対する前記評価対象の
    ゴルフクラブヘッドの相対評価を行う評価ステップとを
    有することを特徴とするゴルフクラブヘッドの打音評価
    方法。
  3. 【請求項3】前記パラメータ算出ステップは、打音の大
    きさを表す音圧パラメータと、打音の減衰の度合を表す
    残響パラメータと、打音の高低を表す周波数パラメータ
    と、打音の澄み具合を表す音色パラメータを評価パラメ
    ータとして算出する請求項2に記載のゴルフクラブヘッ
    ドの打音評価方法。
  4. 【請求項4】前記パラメータ算出ステップは、前記基準
    番号から所定のサンプル数で振動波形が順次区切られた
    複数のブロックからなる第1のブロック群を作成し、 この第1のブロック群のブロック毎に求めた振動波形の
    レベルの二乗和を用いて前記音圧パラメータを算出する
    請求項3に記載のゴルフクラブヘッドの打音評価方法。
  5. 【請求項5】前記パラメータ算出ステップは、前記第1
    のブロック群のブロック毎に求めた二乗和のうち最も大
    きい二乗和の対数値を用いて前記音圧パラメータを求め
    る請求項4に記載のゴルフクラブヘッドの打音評価方
    法。
  6. 【請求項6】前記サンプリングステップは、前記打撃面
    に打撃を与えた際の入力波形を、前記振動波形のサンプ
    リングとともにサンプリングし、 前記パラメータ算出ステップは、サンプリングした入力
    波形のレベルの二乗和を前記サンプリングステップにお
    ける計測時間範囲で求め、この入力波形の二乗和を用い
    て前記振動波形のレベルの二乗和の基準化を行う請求項
    4または5に記載のゴルフクラブヘッドの打音評価方
    法。
  7. 【請求項7】前記パラメータ算出ステップは、前記基準
    番号に応じて設定された設定番号から所定のサンプル数
    で振動波形が順次区切られた複数のブロックからなる第
    2のブロック群を作成し、 この第2のブロック群の中の最初のブロックから数えて
    2番目以降の所定番目のブロックを選択して周波数解析
    を行ってスペクトル波形を求め、 このスペクトル波形において、所定の周波数範囲におけ
    る最大ピーク値を基準にして設定されるスペクトル値の
    設定範囲内に含まれるピークのうち、前記周波数範囲の
    中で最小のピーク周波数を持つピークのピーク周波数を
    求め、このピーク周波数を用いて周波数パラメータを求
    める請求項3〜6のいずれか1項に記載のゴルフクラブ
    ヘッドの打音評価方法。
  8. 【請求項8】前記第2のブロック群から選択される所定
    番目のブロックは、1つのブロックであって、 前記パラメータ算出ステップは、選択されたブロックに
    おける前記ピーク周波数を周波数パラメータとする請求
    項7に記載のゴルフクラブヘッドの打音評価方法。
  9. 【請求項9】前記第2のブロック群から選択される所定
    番目のブロックは、複数のブロックであって、 この複数のブロックにおけるスペクトル波形の各々にお
    いて前記ピーク周波数を求め、 この求められたピーク周波数に関するメジアン平均値を
    周波数パラメータとする請求項7に記載のゴルフクラブ
    ヘッドの打音評価方法。
  10. 【請求項10】前記パラメータ算出ステップは、振動波
    形の絶対値が最大となるサンプル番号を基準番号とし、
    この基準番号に応じて設定された設定番号から所定のサ
    ンプル数で振動波形が順次区切られた複数のブロックか
    らなる第2のブロック群を作成し、 この第2のブロック群の中の最初のブロックから数えて
    2番目以降の所定番目のブロックを選択して周波数解析
    を行ってスペクトル波形を求め、 このスペクトル波形の周波数に対するスペクトル値を重
    み付け係数として周波数の加重平均値を求め、この加重
    平均値を用いて周波数パラメータを求める請求項3〜6
    のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの打音評価
    方法。
  11. 【請求項11】前記重み付け係数として、スペクトル値
    とともに、周波数に依存した重み付け関数を用いる請求
    項10に記載のゴルフクラブヘッドの打音評価方法。
  12. 【請求項12】前記パラメータ算出ステップは、振動波
    形の絶対値が最大となるサンプル番号を基準番号とし、
    この基準番号に応じて設定された設定番号から所定のサ
    ンプル数で振動波形が順次区切られた複数のブロックか
    らなる第3のブロック群を作成し、 この第3のブロック群の中の最初のブロックから数えて
    2番目以降の所定番目のブロックを選択して周波数解析
    を行ってスペクトル波形を求め、 このスペクトル波形において、所定の周波数範囲におけ
    る最大ピーク値を基準にして設定されるスペクトル値の
    設定範囲内に含まれるピークのうち、前記周波数範囲の
    中で最小のピーク周波数を持つピークのピーク周波数を
    第1の周波数として求めるとともに、この第1の周波数
    に次いで低いピーク周波数を持つピークのピーク周波数
    を第2の周波数として求め、 求められた前記第1の周波数の前記第2の周波数に対す
    る比率を用いて音色パラメータを求める請求項3〜11
    のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの打音評価
    方法。
  13. 【請求項13】前記第3のブロック群から選択される所
    定番目のブロックは、1つのブロックであって、 前記パラメータ算出ステップは、選択されたブロックに
    おける前記比率を用いて対応心理量を演算して求め、こ
    の対応心理量を音色パラメータとする請求項12に記載
    のゴルフクラブヘッドの打音評価方法。
  14. 【請求項14】前記第3のブロック群から選択される所
    定番目のブロックは、複数のブロックであって、 前記パラメータ算出ステップは、選択された複数のブロ
    ックの各々において前記比率を求めるとともにこの比率
    から対応心理量を演算して求め、 この複数のブロックに対応して求められた複数の対応心
    理量についてのメジアン平均値を音色パラメータとする
    請求項12に記載のゴルフクラブヘッドの打音評価方
    法。
  15. 【請求項15】前記パラメータ算出ステップは、振動波
    形の絶対値が最大となるサンプル番号を基準番号とし、
    この基準番号に応じて設定された設定番号から所定のサ
    ンプル数で振動波形が順次区切られた複数のブロックか
    らなる第3のブロック群を作成し、 この第3のブロック群の中の最初のブロックから数えて
    2番目以降の所定番目のブロックを選択して周波数解析
    を行ってスペクトル波形を求め、 このスペクトル波形の周波数解析の対象とする周波数範
    囲における平均スペクトル値より高いスペクトル波形の
    部分の第1の合計値とこの周波数範囲全体におけるスペ
    クトル波形の第2の合計値を求め、 この第2の合計値に対する第1の合計値の比率を求め、
    この比率を音色パラメータとする請求項3〜11のいず
    れか1項に記載のゴルフクラブヘッドの打音評価方法。
  16. 【請求項16】前記評価ステップは、算出された評価パ
    ラメータの値を、前記既知のゴルフクラブヘッドの評価
    パラメータに対して相対指数で表したグラフを作成する
    ことで、前記評価対象のゴルフクラブヘッドの打音の大
    きさ、打音の減衰の度合、打音の高低および打音の澄み
    具合を評価する請求項1〜15のいずれか1項に記載の
    ゴルフクラブヘッドの打音評価方法。
  17. 【請求項17】前記評価ステップは、前記評価パラメー
    タの重み付けを行って1つのパラメータにまとめて総合
    評価を行う請求項1〜16のいずれか1項に記載のゴル
    フクラブヘッドの打音評価方法。
  18. 【請求項18】ゴルフクラブヘッドの打撃面を打撃した
    際の振動波形を用いてゴルフクラブヘッドの打音をコン
    ピュータに評価させるコンピュータが実行可能なプログ
    ラムであって、 振動波形から、打音の大きさを表す音圧パラメータと、
    打音の減衰の度合を表す残響パラメータと、打音の高低
    を表す周波数パラメータと、打音の澄み具合を表す音色
    パラメータを評価パラメータとして、コンピュータの演
    算手段に算出させ、コンピュータの記憶手段に記憶させ
    るパラメータ算出手順と、 前記記憶手段に記憶されている既知のゴルフクラブヘッ
    ドの評価パラメータを、前記パラメータ算出手順で記憶
    された評価パラメータとともに呼びださせ、前記評価パ
    ラメータが既知のゴルフクラブヘッドに対する評価対象
    のゴルフクラブヘッドの相対評価を前記演算手段に行わ
    せる評価手順とを有するプログラム。
  19. 【請求項19】ゴルフクラブヘッドの打撃面を打撃して
    ゴルフクラブヘッドの打音を評価するゴルフクラブヘッ
    ドの打音評価システムであって、 評価対象のゴルフクラブヘッドの打撃面を打撃した際の
    振動波形を計測する計測装置と、 振動波形から、打音の大きさを表す音圧パラメータと、
    打音の減衰の度合を表す残響パラメータと、打音の高低
    を表す周波数パラメータと、打音の澄み具合を表す音色
    パラメータを評価パラメータとして算出するパラメータ
    算出部、および、算出された評価パラメータを用いて、
    前記評価パラメータが既知のゴルフクラブヘッドに対す
    る前記評価対象のゴルフクラブヘッドの相対評価を行う
    評価部を備える処理装置とを有することを特徴とするゴ
    ルフクラブヘッドの打音評価システム。
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