JP6824138B2 - 過給機を備えたエンジン - Google Patents

過給機を備えたエンジン Download PDF

Info

Publication number
JP6824138B2
JP6824138B2 JP2017199819A JP2017199819A JP6824138B2 JP 6824138 B2 JP6824138 B2 JP 6824138B2 JP 2017199819 A JP2017199819 A JP 2017199819A JP 2017199819 A JP2017199819 A JP 2017199819A JP 6824138 B2 JP6824138 B2 JP 6824138B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wastegate valve
actuator
engine
auxiliary
predetermined
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017199819A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019074010A (ja
Inventor
次雄 吉岡
次雄 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Co Ltd filed Critical Yanmar Co Ltd
Priority to JP2017199819A priority Critical patent/JP6824138B2/ja
Publication of JP2019074010A publication Critical patent/JP2019074010A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6824138B2 publication Critical patent/JP6824138B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

本発明は、急激な加速要求又は急激な負荷の増大があったときにドライバビリティを損なうことなくNOxの排出量を抑制させることが可能なエンジンに関する。
従来から、排気流路に設けられたタービンによって吸気流路に設けられたコンプレッサを駆動して吸気を加圧する過給機を備えたエンジンが広く普及している。上記過給機のタービンには、排気によって回転駆動されるタービンインペラと、タービンインペラをバイパスするバイパス流路に設けられたウェイストゲートバルブと、ウェイストゲートバルブを開閉させるアクチュエータとが設けられている。このような過給機を備えたエンジンにおいては、通常、ウェイストゲートバルブは閉塞されており、コンプレッサによる加圧によって吸気の圧力が所定値より大きくなったときに、アクチュエータの作動によってウェイストゲートバルブを開いて吸気の圧力を制限するように制御される。
また、下記の特許文献1には、タービン及びコンプレッサを含む過給機と共に既知の(外部)EGRシステムを備えたディーゼルエンジンが開示されている。EGRシステムは、燃焼室から排出された排気ガスの一部を吸気流路に還流させることで、燃焼室内における燃焼温度及び燃焼圧力を低下させてNOxの排出量を低減させることが可能なシステムである。EGRシステムは、上記排気ガスが通過するEGR流路と、EGR流路から吸気流路に流入する際の上記排気ガスの流入量を調整するEGRバルブを備えている。EGRバルブを開いて排気ガスを吸気流路に還流させると、相対的にタービンに流入する排気ガスの流量が低減してタービンの仕事量が低減するため、コンプレッサの仕事量も低減し過給圧(吸気の圧力)が低下する。このことから、特許文献1で開示されたディーゼルエンジンでは、過給圧を高める必要がある加速時においては、タービンの仕事量を増大させるべくEGRバルブを閉塞している。
特開2017−20362号公報
上述したような過給機を備えたエンジンにあっては、急激な加速要求又は急激な負荷の増大があったとき(例えば目標エンジン回転数が実エンジン回転数よりも大きく且つその差が所定値以上になったとき)だけでなく、アイドルや定常走行のとき(例えば目標エンジン回転数と実エンジン回転数との差が所定値以内のとき)にもウェイストゲートバルブを閉塞している。このため、急激な加速要求又は急激な負荷の増大があったときには、ウェイストゲートバルブを更に閉じることができず、吸気を十分に加圧することができない所謂ターボラグが生じる。ターボラグが生じると、ドライバーが加速しようとアクセルペダルを踏み込んでも十分な加速が得られず、ドライバビリティの観点において好ましくない。
また、上述したような過給機と共にEGRシステムとを備えたエンジンにあっては、EGRバルブを開くと上述したとおり過給圧が低下してしまうため、急激な加速要求又は急激な負荷の増大があったときには、上記特許文献1で開示されているようにEGRバルブを閉塞させることが求められる。しかしながら、上述したとおり、EGRバルブを閉塞するとNOxの排出量が増大してしまう。
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、過給機のターボラグを軽減させて急激な加速要求又は急激な負荷の増大があったときにドライバビリティを損なうことなくNOxの排出量を抑制させることが可能な新規且つ改良されたエンジンを提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、アクチュエータを、ウェイストゲートバルブの開度Lをα以上にする主アクチュエータと、ウェイストゲートバルブの開度Lをα未満にする補助アクチュエータとを含むようにし、所定の加速要求又は所定の負荷増大がないときは、ウェイストゲートバルブの開度Lがαとなるようにし、所定の加速要求又は所定の負荷の増大があったときは、補助アクチュエータによってウェイストゲートバルブの開度Lをα未満にすることによって、上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決するエンジンとして、排気流路に設けられたタービンによって吸気流路に設けられたコンプレッサを駆動して吸気を加圧する過給機を備えたエンジンであって、
前記タービンには、排気によって回転駆動されるタービンインペラと、前記タービンインペラをバイパスするバイパス流路に設けられたウェイストゲートバルブと、前記ウェイストゲートバルブを開閉させるアクチュエータとが設けられ、
前記アクチュエータは、前記ウェイストゲートバルブの開度Lをα以上にする主アクチュエータと、前記ウェイストゲートバルブの開度Lをα未満にする補助アクチュエータとを含み、
吸気の圧力が所定値より大きいときは、前記主アクチュエータによって前記ウェイストゲートバルブの開度Lをαよりも大きくし、
吸気の圧力が前記所定値以下であって、且つ所定の加速要求又は所定の負荷増大がないときは、前記ウェイストゲートバルブの開度Lはαとなっており、
吸気の圧力が前記所定値以下であって、且つ前記所定の加速要求又は前記所定の負荷増大があったときは、前記補助アクチュエータによって前記ウェイストゲートバルブの開度Lをα未満とする、ことを特徴とする過給機を備えたエンジンが提供される。
好適には、前記主アクチュエータには前後方向に進退可能な主ロッドが設けられ、前記主ロッドの先端部にはピンが配設されており、前記ウェイストゲートバルブを開閉させるためのレバー部材には長穴が形成されており、前記レバー部材は、前記長穴に前記ピンが挿通されて回動可能な状態で前記主ロッドに結合され、前記長穴と前記ピンとの間には前記主ロッドの前後方向に所定の隙間が設けられており、吸気の圧力が所定値以下であって、且つ前記所定の加速要求又は前記所定の負荷増大がないときは、前記ピンが前記長穴において前記主ロッドの前後方向に見て後端に位置することにより前記ウェイストゲートバルブの開度Lがαとなる。この場合には、前記主ロッドと前記レバー部材との間には、前記レバー部材の回転軸に対して回動可能なガイド部材が設けられ、前記ガイド部材は、前記主ロッドと前記レバー部材とに挟まれた状態で前記ピンにより結合されるのがよい。さらに、前記補助アクチュエータには、前後方向に進退可能であって且つ前記レバー部材と係合する補助ロッドが設けられ、前記補助ロッドの前進方向と前記主ロッドの前進方向とは相互に反対であるのが好ましい。また、前記補助アクチュエータには、前記補助ロッドを前進方向に常時押圧する補助ばねが設けられているのが良い。好ましくは、前記所定の加速要求又は前記所定の負荷増大がないときとは、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との差がβ以内のときであって、前記所定の加速要求又は前記所定の負荷増大があったときとは、目標エンジン回転数が実エンジン回転数よりも大きく且つその差がβよりも大きいときである。前記主アクチュエータは空気を動力源とし、前記補助アクチュエータは電気を動力源とするのが好ましい。
本発明のエンジンにおいては、所定の加速要求又は所定の負荷の増大があったときに補助アクチュエータがウェイストゲートバルブの開度をα未満に閉じるため、吸気を迅速に加圧させることができる。これによって、急激な加速要求又は急激な負荷の増大があった際のターボラグを軽減させることが可能となり、ドライバビリティが損なわれることはない。また、ターボラグが軽減されることで、急激な加速要求又は急激な負荷の増大があった際においてもEGRバルブを開くことが可能となりNOxの排出量を抑制させることができる。また、本発明のエンジンに備えられた過給機においては、急激な加速要求又は急激な負荷の増大がないアイドルや定常走行のときには、ウェイストゲートバルブの開度をαで開いておく。このことから、アイドルや定常走行のときにウェイストゲートバルブを閉塞している従来の過給機と比べてタービンの容量を小さくすることができ、過給機の軽量化及び使用材料の軽減に伴うコスト削減が可能となる。
本発明に従って構成されたエンジンの概略図。 図1に示すエンジンに備えられた過給機におけるタービン単体の正面図。 図2に示すタービン単体のA−A断面図。 図2に示すタービン単体のB−B断面図。 図1に示すエンジンに備えられた過給機における、アクチュエータによるウェイストゲートバルブの作動を説明する図。 図1に示すエンジンに備えられた過給機における、吸気の圧力とウェイストゲートバルブの開度との関係を示す線図。
以下、本発明に従って構成されたエンジンの好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1を参照して説明すると、本発明に従って構成された、全体を番号2で示すエンジンは、エンジン本体4と、エンジン本体4への吸気が通過する吸気流路6と、エンジン本体4からの排気が通過する排気流路8と、エンジン本体4からの排気(エネルギー)によってエンジン本体4への吸気を加圧する過給機10と、EGRシステム11とを有する。
エンジン本体4は、単数または複数のシリンダー及びピストンを含んでおり、図示しないシリンダー及びピストンによって形成される燃焼室内で空気に燃料を混合させて(又は予め空気に燃料を混合させた混合気を)爆発させることによって動力を取り出すものである。
過給機10は、排気流路8に設けられたタービン12と、吸気流路6に設けられたコンプレッサ14とを備えている。
タービン12はタービンハウジング16を備え、このタービンハウジング16の内側にはタービンインペラ18が設けられている。図1と共に図2乃至図4を参照して説明を続けると、タービンハウジング16は、エンジン本体4からの排気ガスが流入するタービン入口20と、上記排気ガスが流出するタービン出口22とを有する。そして、タービンハウジング16の内側には、排気ガスがタービン入口20からタービンインペラ18を通過してタービン出口22へ到達するメイン流路24と、排気ガスがタービンインペラ18をバイパスするバイパス流路26とが設けられている。メイン流路の出口28とバイパス流路の出口30とはタービン出口22で合流し、メイン流路の出口28及びバイパス流路の出口30は図3において左右方向に並列している。
主に図2乃至図4を参照して説明を続けると、バイパス流路の出口30には、バイパス流路26を通過する排気ガスの流量を調整するウェイストゲートバルブ32が設けられている。ウェイストゲートバルブ32は、バイパス流路の出口30の開口面積よりも幾分大きい外径を有する略円板形状のバルブ本体34と、バルブ本体34と一体となってこれを回動させるバルブ回動軸部材36とを有する。バルブ回動軸部材36はタービンハウジング16の所定部位を貫通してバルブ本体34を保持している。バルブ回動軸部材36には更に、バルブ回動軸部材36に対して回動可能なガイド部材38と、ガイド部材38に対しては回動可能であるがバルブ回動軸部材36に固着されてこれと一体となって回動するレバー部材40が付設されている。ガイド部材38は後述するとおりにしてレバー部材40を作動させる際の動作を円滑にするための部材であって、先端部には図示しない丸穴が形成されている。レバー部材40には、後述する主ロッドの前後方向に延びる長円形の長穴42(図2参照)と、この長穴42に対して垂直な略正方形の押圧片44(図3参照)とが形成されている。このことから、レバー部材40が図3における右方向から見て時計方向(図2において時計方向、図4において反時計方向)に回動すると、レバー部材40と一体のバルブ回動軸部材36及びこれと一体のバルブ本体34が同一方向に回動する。このとき、バルブ本体34はバイパス流路の出口30から離隔する方向に回動するため、ウェイストゲートバルブ32は開く。一方、レバー部材40が逆方向に回動すると、バルブ本体34はバイパス流路の出口30に接近する方向に回動し、ウェイストゲートバルブ32は閉まる。図示の実施形態においては、ウェイストゲートバルブ32は、バルブ本体34とバイパス流路の出口30との間の距離(これをウェイストゲートバルブの「開度」といい、その大きさをLとする)が0mmから6mmの間で回動することができる。ウェイストゲートバルブ32の開度Lが0mmの状態のときを「全閉」ともいう。
上述したウェイストゲートバルブ32は、レバー部材40をアクチュエータによって回動させることによって開閉動させられる。アクチュエータは、ウェイストゲートバルブ32の開度Lをα以上にする主アクチュエータ48と、ウェイストゲートバルブ32の開度Lをα未満にする補助アクチュエータ50とを含んでいることが重要である。図示の実施形態においては、主アクチュエータ48は空気を動力源とし、補助アクチュエータ50は電気を動力源としている。
主アクチュエータ48は、ダイアフラム52と、このダイアフラム52に接続されて前後方向に進退可能な主ロッド54とを有する。ダイアフラム52には、コンプレッサ14の出口圧力を図示しないホースによって取り込むための取り込み口56が設けられており、コンプレッサ14の出口圧力が所定値を超えると、ダイアフラム52の弁(図示しない)が変形して主ロッド54が前進する。ダイアフラム52は、コンプレッサ14のコンプレッサハウジング(図2乃至図4には図示していない)にステー58を介して固定されている。主ロッド54は全体的に棒状であり、先端部には図示しない丸穴が形成されている。
図2及び図3を参照することによって理解されるとおり、主ロッド54と、ガイド部材38と、レバー部材40とは、主ロッド54の図示しない丸穴と、ガイド部材38の図示しない丸穴と、レバー部材40の長穴42とにピン62を挿通させることによって、相互に移動可能な状態で結合される。換言すると、レバー部材40は長穴42にピン62が挿通されて回動可能な状態で主ロッド54に結合される。また、ガイド部材38は、主ロッド54とレバー部材40とに挟まれた状態でピン62により結合される。このとき、ピン62と主ロッド54の図示しない丸穴及びガイド部材38の図示しない丸穴との間の隙間は十分小さいが、図2を参照することによって明確に理解されるとおり、ピン62とレバー部材40の長穴42との間には主ロッド54の前後方向と同一方向に隙間Xを有する。図示の実施形態においては、主ロッド54の先端部には図示しない丸穴が形成され、ピン62は主ロッド54とは別部材であったが、所望ならば、ピンを主ロッド54の先端部に一体的に配設してもよい。
このような主アクチュエータ48は、エンジン2が停止状態であって、主アクチュエータ40が単体(つまり補助アクチュエータ42が存在せず)且つ仕事をしていない状態において、ウェイストゲートバルブ32の開度Lが0乃至αの間で開閉可能となるようにして設置される(後述するとおり、エンジン2が運転されていないときは補助アクチュエータ50によってウェイストゲートバルブ32は全閉にされる)。図示の実施形態においては、αは1mmである。そして、ウェイストゲートバルブ32の開度Lがαのときは、ピン62は長穴42において主ロッド54の前後方向に見て後端に位置する。ピン62と長穴42との位置関係については後に更に言及する。
補助アクチュエータ50は、電磁ソレノイド64と、このソレノイド64によって前後方向に進退可能であって且つレバー部材40と係合する補助ロッド66と、補助ロッド66を前進方向に常時押圧する補助ばね68とを有する。電磁ソレノイド64は、図示しない電源によって駆動され、断熱シールド等を介して排気流路8に適宜固定される。図2及び図3に明確に示すとおり、補助ロッド66とレバー部材40とは、補助ロッド66の先端がレバー部材40の押圧片44と対向するようにして組み合わされる。このことから、電磁ソレノイド64によって補助ロッド66が前進すると、補助ロッド66が押圧片44を押圧して、レバー部材40を図4において時計方向に回動させ、ウェイストゲートバルブ32は閉方向に回動する。従って、補助ロッド66の前進方向と主ロッド54の前進方向とは相互に反対となる。
図1を参照して説明すると、コンプレッサ14はコンプレッサハウジング70を備え、このコンプレッサハウジング70の内側にはコンプレッサインペラ72が設けられている。コンプレッサインペラ72はタービンインペラ18と直結され、エンジン本体4からの排気エネルギーによってタービンインペラ18が回転されることでコンプレッサインペラ72が回転駆動され、吸気を加圧する。
図1を参照して説明を続けると、EGRシステム11はEGR流路74及びEGRバルブ76を備えている。EGR流路の入口78は、エンジン本体4からの排気流路8において、タービン入口20よりも上流側に設けられ、EGR流路の出口80は、エンジン本体4への吸気流路6において、コンプレッサ14よりも下流側に設けられている。EGRバルブ76はEGR流路の出口80に設けられており、EGRバルブ76の開度を調整することで、EGR流路74から吸気流路6へ還流される排気ガスの流量を制御することができる。
続いて、図1乃至図4と共に図5及び図6を参照して、本発明のエンジンにおける過給機10の作動について説明する。図5の左側列に示す(a)乃至(c)は、いずれもタービン単体のB−B断面図におけるC部を拡大して示す図であって、(a)はウェイストゲートバルブ32の開度Lがαのとき、(b)はウェイストゲートバルブ32の開度Lが0のとき、(c)はウェイストゲートバルブ32の開度Lがαより大きいとき、の状態を示す図である。一方、図5の右側列には、ウェイストゲートバルブ32の開度Lが図5の左側列に示す状態のときの、タービン単体の正面図におけるD部を拡大して示す図である。図6は吸気の圧力Pとウェイストゲートバルブ32の開度Lとの関係を示す線図である。
吸気の圧力Pがγ(これは吸気の過剰な加圧によってコンプレッサ乃至その周辺部品が破損することを回避するために設計乃至実験的に決められる値)以下であって、且つエンジン2に所定の加速要求又は所定の負荷の増大がないときは、図5(a)左図に示すとおり、ウェイストゲートバルブ32の開度Lはαとなる(L=α)。図示の実施形態においては、エンジン2に所定の加速要求又は所定の負荷の増大がないときとは、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との差がβ以内のときである。目標エンジン回転数と実エンジン回転数との差がβ以内になると、バイパス流路26を通過する排気ガスの圧力、即ちエンジン本体4の排気圧力によって、バルブ本体34が補助ばね68のばね力による補助ロッド66の押圧に抗して図5(a)左図において小矢印で示すとおり反時計方向に回動し、ウェイストゲートバルブ32の開度Lがαとなる。このとき、レバー部材40と主ロッド54とは、長穴42とピン62との間に主ロッド54の前後方向に隙間Xを有して結合されていることから、排気圧力によってレバー部材40が図5(a)右図において小矢印で示すとおり時計方向に回動されても、同図においてピン62は相対的に長穴42の右端に移動する(即ち、主ロッド54の前後方向に見て後端に位置する)だけで、レバー部材40がピン62を介して主ロッド54を前進させることはない。以上のことから、エンジン2に所定の加速要求又は所定の負荷の増大がないときの、吸気の圧力Pとウェイストゲートバルブ32の開度Lとの関係は、図6の線図において一点鎖線で示すとおりとなる。
吸気の圧力Pがγ以下であって、且つエンジン2に所定の加速要求又は所定の負荷の増大があったときは、図5(b)左図に示すとおり、補助アクチュエータ50の作動によってウェイストゲートバルブ32の開度Lをα未満にする。図示の実施形態においては、所定の加速要求又は所定の負荷の増大したときとは、目標エンジン回転数が実エンジン回転数よりも大きく且つその差がβよりも大きいときである。目標エンジン回転数が実エンジン回転数よりも大きく且つその差がβよりも大きくなると、補助アクチュエータ50のソレノイド64によって補助ロッド66が前進(図5(b)右図において大矢印で示すとおり右方向に進出)する。補助ロッド66が前進することで押圧片44は押され、レバー部材40は図5(b)右図において小矢印で示すとおり反時計方向に回動する。これによって、図5(a)左図に示すとおり、ウェイストゲートバルブ32の開度Lは全閉(L=0mm)となる。このとき、上述したとおり、レバー部材40と主ロッド54とは、長穴42とピン62との間に主ロッド54の前後方向に隙間Xを有して結合されていることから、補助ロッド66によって押圧片44が押されてレバー部材40が図5(b)右図において反時計方向に回動されても、同図においてピン62が相対的に長穴42の左端に移動するだけで、レバー部材40がピン62を介して主ロッド54を後退させることはない。以上のことから、エンジン2に所定の加速要求又は所定の負荷の増大があったときの、吸気の圧力Pとウェイストゲートバルブ32の開度Lとの関係は、図6の線図において実線で示すとおりとなる。補助アクチュエータ50を作動させて吸気を加圧させる前後の吸気の圧力Pは、補助アクチュエータ50を作動させる際の吸気の圧力Pの値に依存する。
そして、コンプレッサ14によって吸気の圧力Pがγを超えて加圧されたときは、図5(c)左図に示すとおり、主アクチュエータ48によってウェイストゲートバルブ32の開度Lをαより大きくする(L>α)。図示の実施形態においては、コンプレッサ14によって吸気がγを超えて加圧されると、コンプレッサ14の出口における圧力が取り込み口56から取り込まれて主アクチュエータ48のダイアフラム52の弁(図示せず)が変形し、図5(c)右図において大矢印で示すとおり、主ロッド54が前進する。これにより、主ロッド54は、ピン62を介してレバー部材40を図5(c)右図において小矢印で示すとおり時計方向に押圧して回動させる(従ってピン62は相対的に長穴42の左側に位置することとなる)。これによって、レバー部材40と一体のバルブ本体34は図5(c)左図において小矢印で示すとおり反時計方向に回動されて、バルブ本体34がバイパス流路の出口30から離隔し、ウェイストゲートバルブ32が開く。ウェイストゲートバルブ32が開くことで、タービンハウジング16内においてタービンインペラ18を通過するメイン流路24の排気ガス流量を低減させることができ、これによってタービンインペラ18及びこれと直結されるコンプレッサインペラ72の仕事量が低減されて吸気の加圧が制限されることとなる。以上のことから、コンプレッサ14によって吸気の圧力Pがγを超えて加圧されたときの、吸気の圧力Pとウェイストゲートバルブ32の開度Lとの関係は、図6の線図において破線で示すとおりとなる。
なお、エンジン2が停止しているとき、つまりエンジン本体4から排気ガスが排出されていないときは、補助ロッド66が補助ばね68によって押圧されてレバー部材40の押圧片44を押してウェイストゲートバルブ32を全閉にする。従って、かかる状態は図5(b)に示す状態と同じである。
本発明のエンジンにおいては、所定の加速要求又は所定の負荷の増大があったときに補助アクチュエータ50がウェイストゲートバルブ32の開度Lをα未満に閉じるため、吸気を迅速に加圧させることができる。これによって、急激な加速要求又は急激な負荷の増大があった際のターボラグを軽減させることが可能となり、ドライバビリティが損なわれることはない。また、ターボラグが軽減されることで、急激な加速要求又は急激な負荷の増大があった際においてもEGRバルブ76を開くことが可能となりNOxの排出量を抑制させることができる。また、本発明のエンジンに備えられた過給機においては、急激な加速要求又は急激な負荷の増大がないアイドルや定常走行のときには、ウェイストゲートバルブ32を開いておくことから、アイドルや定常走行のときにウェイストゲートバルブ32を閉塞している従来の過給機と比べてタービンの容量を小さくすることができ、過給機の軽量化及び使用材料の軽減に伴うコスト削減が可能となる。更に、本発明のエンジンに備えられた過給機においては、ウェイストゲートバルブ32を作動させるアクチュエータを、従来から使用されているアクチュエータ(主アクチュエータ48)に補助アクチュエータ50を付加させて構成されることから、既存のエンジンの過給機に対して僅かな変更を加えるだけで、ドライバビリティを損なうことなくNOxの排出量を抑制することが可能となる。
以上本発明のエンジンについて添付図面を参照して詳述したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。例えば、本実施形態においては、過給機は単一のタービンと単一のコンプレッサとから構成される所謂シングルターボであったが、複数のタービンと複数のコンプレッサとからなる所謂多段式ターボであってもよい。また、本実施形態においては、補助アクチュエータの駆動源を電磁式ソレノイドとしたが、電動モーターであってもよい。更に、所定の加速要求及び所定の負荷増大について、本実施形態においては、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差によって判定したが、これに替えて、目標過給圧と実過給圧との偏差や、アクセル開度の変化量に基いて判定することもできる。また、本実施形態においては、所定の加速要求及び所定の負荷増大があったときには、ウェイストゲートバルブを全閉としたが、ウェイストゲートバルブのタービンハウジングへの固着等を考慮して、僅かに開く(例えば、所定の加速要求及び所定の負荷増大があったときはウェイストゲートバルブの開度Lを0.1mmとする)ようにしてもよい。
2:エンジン
4:エンジン本体
6:吸気流路
8:排気流路
10:過給機
11:EGRシステム
12:タービン
14:コンプレッサ
32:ウェイストゲートバルブ
40:レバー部材
42:長穴
48:主アクチュエータ
50:補助アクチュエータ

Claims (7)

  1. 排気流路に設けられたタービンによって吸気流路に設けられたコンプレッサを駆動して吸気を加圧する過給機を備えたエンジンであって、
    前記タービンには、排気によって回転駆動されるタービンインペラと、前記タービンインペラをバイパスするバイパス流路に設けられたウェイストゲートバルブと、前記ウェイストゲートバルブを開閉させるアクチュエータとが設けられ、
    前記アクチュエータは、前記ウェイストゲートバルブの開度Lをα以上にする主アクチュエータと、前記ウェイストゲートバルブの開度Lをα未満にする補助アクチュエータとを含み、
    吸気の圧力が所定値より大きいときは、前記主アクチュエータによって前記ウェイストゲートバルブの開度Lをαよりも大きくし、
    吸気の圧力が前記所定値以下であって、且つ所定の加速要求又は所定の負荷増大がないときは、前記ウェイストゲートバルブの開度Lはαとなっており、
    吸気の圧力が前記所定値以下であって、且つ前記所定の加速要求又は前記所定の負荷増大があったときは、前記補助アクチュエータによって前記ウェイストゲートバルブの開度Lをα未満とする、ことを特徴とする過給機を備えたエンジン。
  2. 前記主アクチュエータには前後方向に進退可能な主ロッドが設けられ、前記主ロッドの先端部にはピンが配設されており、前記ウェイストゲートバルブを開閉させるためのレバー部材には長穴が形成されており、
    前記レバー部材は、前記長穴に前記ピンが挿通されて回動可能な状態で前記主ロッドに結合され、前記長穴と前記ピンとの間には前記主ロッドの前後方向に所定の隙間が設けられており、
    吸気の圧力が所定値以下であって、且つ前記所定の加速要求又は前記所定の負荷増大がないときは、前記ピンが前記長穴において前記主ロッドの前後方向に見て後端に位置することにより前記ウェイストゲートバルブの開度Lがαとなる、請求項1に記載の過給機を備えたエンジン。
  3. 前記主ロッドと前記レバー部材との間には、前記レバー部材の回転軸に対して回動可能なガイド部材が設けられ、
    前記ガイド部材は、前記主ロッドと前記レバー部材とに挟まれた状態で前記ピンにより結合される、請求項2に記載の過給機を備えたエンジン。
  4. 前記補助アクチュエータには、前後方向に進退可能であって且つ前記レバー部材と係合する補助ロッドが設けられ、
    前記補助ロッドの前進方向と前記主ロッドの前進方向とは相互に反対である、請求項2又は3に記載の過給機を備えたエンジン。
  5. 前記補助アクチュエータには、前記補助ロッドを前進方向に常時押圧する補助ばねが設けられている、請求項4に記載の過給機を備えたエンジン。
  6. 前記所定の加速要求又は前記所定の負荷増大がないときとは、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との差がβ以内のときであって、
    前記所定の加速要求又は前記所定の負荷増大があったときとは、目標エンジン回転数が
    実エンジン回転数よりも大きく且つその差がβよりも大きいときである、請求項1乃至のいずれかに記載の過給機を備えたエンジン。
  7. 前記主アクチュエータは空気を動力源とし、前記補助アクチュエータは電気を動力源とする、請求項1乃至のいずれかに記載の過給機を備えたエンジン。
JP2017199819A 2017-10-13 2017-10-13 過給機を備えたエンジン Active JP6824138B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017199819A JP6824138B2 (ja) 2017-10-13 2017-10-13 過給機を備えたエンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017199819A JP6824138B2 (ja) 2017-10-13 2017-10-13 過給機を備えたエンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019074010A JP2019074010A (ja) 2019-05-16
JP6824138B2 true JP6824138B2 (ja) 2021-02-03

Family

ID=66544682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017199819A Active JP6824138B2 (ja) 2017-10-13 2017-10-13 過給機を備えたエンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6824138B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63246417A (ja) * 1987-04-02 1988-10-13 Toyota Motor Corp 過給圧制御装置
JPH04287835A (ja) * 1991-03-19 1992-10-13 Toyota Motor Corp ターボチャージャの過給圧制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019074010A (ja) 2019-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6948314B2 (en) High response, compact turbocharger
JP5342146B2 (ja) 直列に接続された2つの排気ターボチャージャを有する内燃機関のためのエンジンブレーキ方法
CN101341313B (zh) 具有可变入口喷嘴几何形状的涡轮机
RU2709901C2 (ru) Сопловой аппарат турбины с изменяемой геометрией и способ его работы
US10358987B2 (en) Butterfly bypass valve, and throttle loss recovery system incorporating same
EP2295769A1 (en) Exhaust system for engine braking
US9708967B2 (en) Fresh gas supply device for an internal combustion engine and method of operating same
US6739134B2 (en) Exhaust gas turbocharger for an internal combustion engine
JP2009534569A (ja) 調節可能なタービン形状と羽根保持リングの圧力補償開口部を有するターボチャージャ
US20150337717A1 (en) Multi-stage turbocharger system
JP2016500416A (ja) タービンの排気ガス案内部及びタービンの制御方法
US20130309106A1 (en) Turbocharger
US10180103B2 (en) Engine supercharger
CN106468208A (zh) 带有可运行在单级模式或两级串联模式的压气机的涡轮增压器
JP6076212B2 (ja) 過給機付きエンジンの排気還流装置における新気導入装置
WO2011038240A1 (en) Turbocharger with assist nozzle and adjustable throat
JP2012518125A (ja) タービン効率をコントロールするための方法および装置
CN101932807B (zh) 用于燃烧发动机的排气制动的装置
JP6824138B2 (ja) 過給機を備えたエンジン
JP6636020B2 (ja) 圧力波式過給機により内燃機関内の過給圧を調節する方法及び装置
JP2004204842A (ja) 排気ガスターボチャージャと製造方法
JP2008019748A (ja) ターボ過給機
WO2016078444A1 (zh) 满足egr循环需要的可变截面废气旁通涡轮机及导叶组件
CN208396808U (zh) 涡轮增压器
JP5682163B2 (ja) 過給補助付き過給装置及び放出調節バルブ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201013

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6824138

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150