JP6821831B2 - 予作動スプリンクラーバルブ構造、関連する乾式スプリンクラー装置、および圧縮起動機構 - Google Patents

予作動スプリンクラーバルブ構造、関連する乾式スプリンクラー装置、および圧縮起動機構 Download PDF

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Description

本発明は、防火技術全般に関し、特に、防火システムの起動部、および防火システムで利用されるバルブに関する。
火災用スプリンクラーシステムの設置と動作とは、全国的に認められている法律に従わなければならない。
特許文献1で適切に指摘されているように、冷蔵庫、暖房のない屋内領域、廊下等、凍結状態に曝されている領域、または凍結状態に曝され得る領域では、乾式スプリンクラーが使われる。典型的な乾式配管システムでは供給管が、その中の水が凍らない所に伸びている。このような供給管に乾式スプリンクラーは取り付けられ、水が凍りうる所まで引かれている。
特許文献1で更に指摘されているように、乾式スプリンクラーの典型的な構成には管(ドロップ)が含まれている。この管の入口には、(その入口を消火システムの供給管網に接続するための)管継手、火災等で起動する前の管に水が入るのを防ぐシール部材、および、そのシール部材を、スプリンクラーが起動するまで、入口に維持する機構が付いている。典型的には、管の反対側、すなわち出口には、出口とディフレクタとを備えたノズルが付いている。管は時々換気され、管内に生じた結露が排水される。このような乾式スプリンクラーは、たとえば特許文献2に開示されている。この文献に大まかに示されているように、起動機構は、棒、その他の同様に硬い構造物を含む。この棒は管を通してノズルと入口との間に伸びており、その入口にシール部材を維持している。起動機構は更に熱応答素子を含む。この熱応答素子はノズルの所で上記の棒等を支持することにより、入口の所でシール部材を支持している。その他に、管はまたノズルでも密封されている。シール部材は熱応答素子によって支持されており、そのシール部材によって上記の棒がノズルの所で支持されている。このような配置では、2つのシール部材に挟まれた管の空間が、乾いた空気または窒素等のガスで加圧されているか、不凍液等の液体で満たされている。温度が上昇した場合、熱応答素子が故障して、上記の棒が入口用のシール部材(および、管のノズルにある出口用のシール部材)を開放するように動くのを許す。その結果、供給管から水が流れ込み、管を通ってノズルへ向かうことができる。
特許文献2に開示されたタイプの乾式スプリンクラーでは、硬い管、すなわちドロップの部分が、湿式の枝管(暖房のある領域に位置する。)から暖房のない領域へ伸びて、そこでノズルを含んでいる。ドロップの部分は精密に配管され、設置されなければならない一方、商業建築物または工業建築物において典型的に見つかる、建築上、構造上、および機械的に様々な障害を避けねばならない。施工者はまず、スプリンクラーシステムの湿式の主管と枝管とを設置しなければならず、次に、枝管から、天井等に対して所望の高さに位置するノズルまで、乾式スプリンクラーに適した長さを測らなければならない。枝管と天井またはノズルの所望の位置との間隔が一般には、正確に決められた距離ではないからである。起動用の棒は入口のシール部材とノズル出口のシール部材、またはその他、出口に位置する支持部材との間を伸びていなければならないので、特許文献2に開示されたような乾式スプリンクラーは、与えられた長さに合わせて作られた特注品である。施工者は設置すべき乾式スプリンクラーを、典型的には1インチの数分の1(たとえば1/8)の精度で測られた長さに合わせて注文する。搬送者は、典型的には少なくとも7営業日から10営業日をかけて、在庫によっては、何週間もかけて注文品を運ぶ。これにより、設置および建築計画の完成が遅れる。測定またはスプリンクラーの製造にミスがあったり、スプリンクラーが搬送中に損傷したりして、スプリンクラーの交換が必要になった場合、遅れは更に大きくなり、設置の完成が更に遅れる。
製造元の中には、乾式スプリンクラーに「柔らかい」ドロップ管を設けることによって設置上の困難を曲がりなりにも乗り越えるものもいる。このような「乾式」スプリンクラーは特許文献1に開示されている。特許文献1によれば、ドロップ管1の入口に位置するシール部材4と、スプリンクラーヘッドにある管の出口に位置するシール部材12との間で流体が加圧されることにより、シール部材4が適所に保持される。この配置は、施工者による設置と製造とにある程度の柔軟性を与える一方、最終利用者には複雑な圧力制御システムを残すこととなる。このシステムは、柔らかい管の中の圧力が、枝管から入口のシール部材を通して水が漏れるのを防ぐのに適したレベルにあることを保証し続けるものである。
可撓性ドロップ14を備えた、タイプの異なる乾式スプリンクラー12が特許文献3に開示されている。可撓性ドロップ14は、クラッパ44のような回転するバルブ部材と、可融部22によってノズル20の出口に保持されたプラグ24との間に位置する。この可撓性ドロップ14の中央を柔らかいリンク56が通っている。このリンク56は十分に柔らかいので、可撓性ドロップ14の湾曲に順応する。開口部22における可融部22の融解によってスプリンクラーが起動すると、プラグ24と、リンクの一端を引っ張っているばね66とが解放されて、リンクの他端を離す。その他端は、クラッパ44を閉じた状態に保持する「Xブレースバルブラッチ」と呼ばれるもの54の中に位置している。このスプリンクラーは、適当な流体で加圧したり、ベント穴98を通して外気に開放したりすることが可能である。しかし、ラッチ54がきれいに開放されることを保証するものが説明されていない。ラッチ54は曲がり管に沿ってねじれることなく摺動しなければならず、クラッパ44の通路から取り出されねばならない。また、管14の大きな湾曲部には内部ブレース64が設けられなければならない。さもなくば、熱応答素子が始動したときに、柔らかいリンク56が大きくたるんでラッチから引き戻せなくなる危険がある。
特許文献4には別の乾式スプリンクラー100が開示されている。このスプリンクラー100には、ネジが切られた入口1と対向する出口2とに接続された可撓性ドロップ管3が備えられている。これは、管に湾曲があっても、入口のバルブ構造13と出口のプラグ53との間に伸びている柔らかいリンク10が管の湾曲部でたるまないことを保証する別の構成である。スプリンクラー100は、プラグ53とスペーサー45とを保持する壊れやすい部材56の崩壊によって起動する。スペーサー45が動いてリンク10を引っ張り、リンク10が、入口に位置する容器11に付いているカラー36を捻って、その容器11を機械的に破壊する。段落38に与えられている例では、この構成によってほぼ1/2インチのたるみを取ることができる。
乾式スプリンクラーの設計には、管が柔らかくても、設置の長さについて数分の1インチ以内の製造精度が必要である。特許文献3に開示された乾式スプリンクラーでさえ、許される余裕は、上記の他の乾式スプリンクラーよりは大きいものの、1インチには満たない。その結果、乾式スプリンクラーはすべて、製造元に発注して製造させねばならないので、施工者および最終購入者にとって湿式スプリンクラーシステムの設置に比べて多額の費用と長い時間とが必要である。
特許文献5には、柔らかい管(可撓性ドロップとしても知られている。)と染み出し穴とを備えた乾式スプリンクラーの設置が記載されている。しかし、実際には、市販されている柔らかい管を備えた乾式スプリンクラーのほとんどすべてで、柔らかい管が比較的長く、シール構造を閉じ込めている同様に長い内管を含む。圧力が加わると柔らかい管は変形するので、もしその管が内管なしで単体で使われていれば、漏れの問題が生じる。
既存の可撓性ドロップのもう1つの欠点は、天井に接続しなければならないブラケットを必要とすることにある。可撓性ドロップが取り付け可能な天井構造の種類には限りがあるからである。
湿式スプリンクラーシステムと同等な乾式スプリンクラーを施工者に、特注で測定させることも、工場で組み立てさせることもなく、現場で製造させ、設置させることのできるシステムがあれば、防火産業を革命的に変化させるだろう。
米国特許出願公開第2013/0199803号明細書 米国特許第5775431号明細書 米国特許第8887822号明細書 米国特許出願公開第2013/0319696号明細書 米国特許出願公開第2012/0298383号明細書
簡単に述べれば、本発明の好ましい実施形態では熱始動構造が防火システムの部品を遠隔地から機械的に起動させるように構成されている。この熱始動構造は起動部を備えている。この起動部は、防火システムの部品に対して基端と先端とを含む基端基部を有する。この基端基部に対して基端可動部材が移動可能である。この基端可動部材に対して起動前の位置から、その位置よりも基端側にある起動後の位置へ向かって力を加えるように、付勢部材が基端基部に対して位置している。熱始動構造は更に、先端基部、先端可動部材、および熱応答素子を備えている。熱応答素子は、所定の熱力学的状態が生じるまで、先端基部によって保持されている。その所定の熱力学的状態の下では熱応答素子が構造上の整合性を失って、先端可動部材が先端基部に対して起動前の位置から起動後の位置へと移動するのを許す。熱始動構造はまた可撓性コネクタも備えている。可撓性コネクタには基端と先端とがある。基端は基端可動部材に接続され、先端は先端可動部材に接続されている。熱応答素子は先端可動部材を先端基部に対して起動前の位置に保持し、基端可動部材を基端基部に対して起動前の位置に保持している。熱応答素子が構造上の整合性を失った途端、付勢部材からの付勢力が基端可動部材を起動前の位置から起動後の位置へと移動させる。
別の観点によれば、本発明の好ましい実施形態では、乾式スプリンクラー装置が、機械的な動きで起動する防火システムの部品と、起動部とを備えている。この起動部は、防火システムの部品に対して基端と先端とを含む基端基部を有する。この基端基部に対し、基端可動部材が移動可能である。この基端可動部材に対して起動前の位置から、その位置よりも基端側にある起動後の位置へ向かって力を加えるように、付勢部材が基端基部に対して位置している。熱始動構造は更に、先端基部、先端可動部材、および熱応答素子を備えている。熱応答素子は、所定の熱力学的状態が生じるまで、先端基部によって保持されている。その所定の熱力学的状態の下では熱応答素子が構造上の整合性を失って、先端可動部材が先端基部に対して起動前の位置から起動後の位置へと移動するのを許す。熱始動構造はまた可撓性コネクタも備えている。可撓性コネクタには基端と先端とがある。基端は基端可動部材に接続され、先端は先端可動部材に接続されている。熱応答素子は先端可動部材を先端基部に対して起動前の位置に保持し、基端可動部材を基端基部に対して起動前の位置に保持している。熱応答素子が構造上の整合性を失った途端、付勢部材からの付勢力が基端可動部材を起動前の位置から起動後の位置へと移動させる。
上記の概要は、本発明による、発明の好ましい実施形態について後述される詳細な説明と共に、添付の図面に関連付けて読むことにより、より良く理解されるであろう。発明の説明を目的として、図面は好ましい実施形態を示している。しかし、示されている配置および手段の詳細に発明が限定されないことは、理解されるべきである。
本発明の好ましい実施形態に従って、防火システムの部品を遠隔地から機械的に起動させる熱始動構造を備えた乾式スプリンクラー装置の模式図である。 本発明の好ましい実施形態による起動部が起動させる防火システムの部品を含む乾式スプリンクラー装置の斜視図である。 図2の乾式スプリンクラー装置の断面図である。 図2の装置のバルブ部と基端基部との拡大部分分解図である。 図2の装置のスプリンクラーヘッドと先端基部との拡大部分斜視図である。 図5のスプリンクラーヘッドと先端基部との拡大部分断面図である。 起動前の位置にある、図2の装置のバルブ部と基端基部との拡大部分断面図である。 起動後の位置にある、図7のバルブ部と基端基部との拡大部分断面図である。 起動後の位置にある、別の実施形態による図2の装置の基端基部の拡大部分断面図である。 本発明の好ましい実施形態による導管に固定されたブラケットと先端基部との部分斜視図である。 起動前の位置にある、本発明の好ましい実施形態によるバルブ部の拡大部分断面図である。
以下の説明では、便宜を図る目的のみで、ある種の用語が使用される。それらの用語で発明は限定されない。単語「下側」、「底」、「上側」、「頂上」、「前」、および「後」、は、参照される図面において方向を示す。単語「内側」は、この開示に則って説明される部品、およびその指定された一部の幾何学的中心へ向かう方向を示し、単語「外側」は、その中心から離れる方向を示す。特に断らない限り、単語「基端側」は、熱始動構造によって始動する防火システムの部品へ向かう方向を示し、単語「先端側」は、その部品から離れる方向を示す。特に示されない限り、「a」、「an」、「the」は、要素が1つであることを限定するものではなく、「少なくとも1つ」を意味するように読まれるべきである。用語には、上記の語の他、それらの派生語および類義語も含まれる。
図1に示されているようなブロック図で、本発明の好ましい実施形態による熱始動構造10は表される。この構造10は、防火システムの部品16を遠隔地から機械的に起動させるように構成されている。熱始動構造10は起動部12と可撓性コネクタ14とを備えている。可撓性コネクタ14は、起動部12に防火システムの部品16を遠隔地から機械的に起動させる。好ましい実施形態(後述参照。)では防火システムの部品16として次のものが挙げられる。1以上のスプリンクラーに水を放出するバルブ。スロー(throw)、磁石等の機械的な可動物を含むスイッチまたはリレー(たとえば、リードスイッチまたはリレー)。その他、機械的な入力によって起動する防火システム。後述されるように、起動部12と可撓性コネクタ14とは、図1のブロック図に示されているものと同じように分布する必要はない。
別の実施形態では、図2−図8に示されているように、乾式スプリンクラー装置が熱始動構造を備えている。この構造は、防火システムの部品を機械的に遠隔起動させるように構成されている。図2−図4、図7、図8では防火システムの部品がバルブ20の形をしている。熱始動構造は起動部50を備えている。起動部50は基端基部60を含む。基端基部60には本体61と、防火システムの部品(バルブ20)に対する基端62と先端64とがある。ある実施形態では、本体61の先端64に位置するナット63がノッチ付きの継手63aを含む。この継手63aは可撓性コネクタ120に取り付けるためのものである(後述参照)。このナットはネジ64aに結合している。基端可動部材70は基端基部60に対して移動可能である。付勢部材はコイルばね80として示されている(図7、図8で一番よく見える)。ここで述べる「付勢部材」は、たとえば空気ばねまたは板ばねのような、変位に応じて力を返すことのできるその他の装置の形をしていてもよい。付勢部材(コイルばね80)は、基端可動部材70に対して起動前の位置(図7参照。)から起動後の位置(図8参照。)へ向かって力を加えるように、基端基部60に対して位置している。
起動後の位置は起動前の位置よりも基端側にあるので、基端可動部材70が基端基部60に対して起動前の位置から起動後の位置へ移動すると、その動きは基端側へ、すなわち防火システムの部品であるバルブ20の方へ(図8では上方へ)向かうことになる。なお、起動前の位置(図7参照。)では、基端可動部材の基端71とラッチ32との間に隙間がある。起動後の位置(図8参照。)では、基端可動部材70の基端71がラッチ32と接触している。ある実施形態では、基端可動部材の基端70aが防火システムの部品の一部、たとえばバルブ20のラッチ32と強制的に衝突させられる。
熱始動構造はまた、先端基部90、引手100の形をした先端可動部材、および熱応答素子110を含む。ある実施形態では、熱応答素子110が、アルコールで満たされたガラス製の容器であり、所定の熱力学的状態が生じるまで、先端基部90によって保持されている。その他に、ある実施形態では、先端可動部材が、可撓性コネクタ120の一端部の形をしている。
熱応答素子110は、所定の熱力学的状態の下では構造上の整合性を失って、先端可動部材100が先端基部90に対して起動前の位置から、一般にそれよりも基端側に位置する起動後の位置へ(すなわちバルブ20の方へ)移動するのを許す。図6を参照すると、先端基部90は本体92を備えている。本体92は、基端94、先端96、および張出部98(図6において箱状の破線で囲まれた部分参照。)を含む。張出部98は先端96から更にその先へ張り出しており、熱応答素子110を支えるアーム99を含む。先端基部90はまた、先端基部90によって支えられた支点97も含む。この実施形態では支点97が張出部98によって支えられている。
図2−図8を再び参照すると、熱始動構造は可撓性コネクタ120も備えている。可撓性コネクタ120には基端122と先端124とがある。基端122は基端可動部材70に接続され、先端124は先端可動部材100に接続されている。可撓性コネクタ120と他の部品との間の接続は、直接的であっても、間接的であってもよい。すなわち、可撓性コネクタ120と、たとえば基端可動部材70との間に接続用の部品が介在していてもよい。熱応答素子110は、先端可動部材、すなわち引手100を先端基部90に対する起動前の位置に保持すると共に、基端可動部材70を基端基部60に対する起動前の位置に保持する。熱応答素子110が構造上の整合性を失った途端、付勢部材(コイルばね80)からの付勢力が基端可動部材70を、起動前の位置(図7参照。)から起動後の位置(図8参照。)へと移動させる。
可撓性コネクタ120は、中空の可撓性外側ケーブルハウジング126を含む。このハウジング126には、基端基部60に定常的に接続された基端128と、先端基部90に定常的に接続された先端130とがある。可撓性外側ケーブルハウジング126は更に、2以上の部分が結合した結合部126aを少なくとも1つ含んでいてもよい。可撓性コネクタ120はまた可撓性内側部材132も含む。この部材132は可撓性外側ケーブルハウジング126の内側に位置し、可撓性外側ケーブルハウジング126の中を移動可能である。可撓性内側部材132には基端134(図7参照。)と先端136(図6参照。)とがある。基端134は基端可動部材70に定常的に接続され、先端136は先端可動部材、この実施形態では引手100に定常的に接続されている。先端可動部材は、引手100の他に、可撓性コネクタ120に嵌まっている他の物体(任意に便利な形を取り得る。)を含んでいてもよい。更に一般には、内側部材の基端134はラッチ32に機械的に接続され、シール部材28からラッチ32の支えを奪うように構成されている。この支えが奪われることにより、流体がバルブ20の流路40を流れる。
図5、図6を参照すると、台150が、支点97、先端可動部材100、および熱応答素子110と結合している。これにより、先端可動部材100と熱応答素子110とが台150を支点97の上に拘束している。台150は比較的平坦な板として描かれているが、一般には、発明による台150は、支点97に支えられることができ、熱応答素子110と先端可動部材100とに嵌まるものであれば、どんな形をしていてもよい。
(ある熱力学的状態の出現により)熱応答素子110が構造上の整合性を失った途端、付勢部材(コイルばね80)からの力が可撓性コネクタ120によって伝えられる結果、台150が支点97のまわりに回転して、先端可動部材100が先端基部90に対して起動前の位置から移動するのを許す。好ましい実施形態では、図5、図6に示されているように、先端可動部材が、可撓性コネクタ120の内側部材の先端136に取り付けられた引手100の形をしており、台150には、引手100が嵌まったノッチ152がある。
ある実施形態では、図4、図7、図8に示されているように、バルブ20が本体22を含む。この本体22には、入口端24に位置する入口25、出口端26に位置する少なくとも1つの出口27、および、入口25と出口27との間を繋ぐ流路40がある。入口端24には、流体源が取り付けられるためのネジ山24aがある。本体22は、ネジ23a(図4には1つ示されている。)によって取り付けられた取り外し可能なカバー23を含む(図4参照)。このカバーには、ネジの切られた開口部23bがあり、そこには基端基部60の基端62がネジ62aで留められている。なお、別の実施形態では、バルブ20が、流路40に連通した予備の出口(図示せず。)を含んでいてもよい。シール部材28はレバー30により、流路40を閉じるように流路40を遮った状態で支えられている。レバー30は、交差部材36に位置するレバーの回転軸30aによって回転可能に取り付けられている。レバー30は、レバー30に嵌まったラッチ32により、シール位置に保持されている。内側部材の基端134がラッチ32に嵌まっているので、内側部材の基端134が図8の示す起動後の位置へ向かって基端の方向へ移動すると、ラッチ32がレバー30に対して移動する。ラッチ32は、交差部材36に位置するラッチの回転軸32aによって支えられている。ラッチ用の付勢部材、ここでは、圧縮されたときに働くラッチ用のばね32bがラッチ32を、図7の示す起動前の位置においてレバー30に支えられている位置に維持する。必須のものではないが、調整ネジ34がレバー30と(シール部材28を支えている)シャフト28aとにネジ止めされている。これらの組み合わせは、シール部材28と入口25との嵌まり具合を調整するしくみを与えている。一般には、可撓性コネクタ120の内側部材の基端134はラッチ32と直に、または中間部材を介して結合しており、シール部材28からラッチ32による支えを奪って、シール部材28がバルブ20の入口25から外れて流体を流路40へ流すように構成されている(図8参照)。
図8を参照すると、基端可動部材70は、起動後の位置にあるときは、シール部材170によって基端基部60に密着する。
その他に、図9を参照すると、シール部材170が省略され、基端可動部材70が染み出し穴72を含む。この穴72は基端可動部材70に対し、基端基部60の本体61の基端部側66と先端部側68との間を連通させている。図2−図8を再び参照すると、水をスプリンクラーヘッド180へ流すバルブ20の制御に起動部50が利用される場合、基端可動部材70にとって基端基部60と密着することの方が有利である。スプリンクラーヘッド180の第2熱応答素子182(図2参照。)が所定の熱力学的状態の下で構造上の整合性を失うまで、スプリンクラーヘッド180は閉じた状態で残っている。スプリンクラーヘッド180には、この分野で現在普及している様々な種類のスプリンクラーヘッドが含まれる。その他に、水等の流体を火元に送るいかなるタイプの散水装置であってもよい。スプリンクラーヘッド180にはまた、開放型のものも、プラグ等、流体を堰き止めたり流したりする機構を含むものも含まれる。これらの部品の組み合わせが、スプリンクラーヘッド180を通して水を流すシステムを生み出すのは、先端基部90の熱応答素子110とスプリンクラーヘッド180の熱応答素子(図には可融部材182として描かれている。)との両方が起動した場合に限られる。もし熱応答素子110だけが構造上の整合性を失った場合、バルブ20は開くが、水はスプリンクラーヘッド180には流れない。さらに、基端可動部材70が基端基部60に密着することにより、基端基部60を通して水が流れることが防止され、または最小限に留まる。
図9の実施形態では、基端可動部材70の染み出し穴72を通して少量の水が基端基部60を流れるので、スプリンクラーヘッド180の起動がなく、バルブ20のみの起動であることがより容易に検出される。染み出し穴72からの水漏れはやがて起動部50からの漏れとなり、先端基部90の近傍でも水が検出可能になるからである。
図10を参照すると、発明の実施形態によるブラケット270は導管280に取り付けられており、先端基部90を支えている。
図11に示されている別の実施形態では、防火システムの部品20がバルブ220の形をしている。このバルブ220は多くの点でバルブ20と似ている。バルブ220は本体222を含む。この本体222には、入口225、出口227、およびそれらの間の流路240がある。別の実施形態では、バルブ220は、流路240に連通した予備の出口(図示せず。)を含んでいてもよい。シール部材228は、回転可能に支持されたレバー230により、流路240を閉じるように流路240を遮った状態で支えられている。レバー230は、壊れやすい支持部によってシール位置に保持されている。壊れやすい支持部は、レバー230に嵌まったガラス製の容器244の形をしている。壊れやすい支持部は可撓性コネクタ、特に図11に示されている内側部材の基端134が動いてガラス製の容器244を壊すまで、レバー230を支持し続ける。示されている実施形態では、内側部材の基端134が基端可動部材としてガラス製の容器244に力を伝えて壊す。レバー230は、交差部材236に位置するレバー回転軸230aによって、交差部材36に回転可能に支持されている。必須ではないが、レバー230とシャフト228aとがシール部材228を支えており、これらに調節ネジ234がネジ止めされている。これらの組み合わせが、入口225に対するシール部材228の嵌まり具合を調節するしくみを与える。一般には、可撓性コネクタ120の内側部材の基端134はガラス製の容器244、すなわち壊れやすい支持部に直に、または中間部品を介して嵌まるように構成されている。内側部材の基端134が、ガラス製の容器244によるシール部材228の支持を奪うことで、水が流路240を通して流れる。
別の実施形態(図示せず。)では、可撓性の内側部材が、図2−図8が示すように導管280の外側ではなく、導管280の中を通って伸びている。可撓性外側ケーブルハウジングは伴っていてもいなくてもよい。この実施形態における先端基部90は、図2、図3、図5の示すスプリンクラーヘッド180が占める領域の中、またはその近くに位置しても、図6の示す減衰器290が占める領域の中、またはその近くに位置してもよい。
図2−図8を再び参照すると、発明の好ましい実施形態による乾式スプリンクラー装置は、バルブ20の出口27の1つと連通した導管280を含む。この乾式スプリンクラー装置は更に、水分配装置としてスプリンクラーヘッド180を含む。スプリンクラーヘッド180は導管280に連通している。スプリンクラーヘッド180は入口184と、出口プラグ186で密封された出口とを含む。出口プラグ186は、第2熱応答素子によってシール位置に保持されている。図示されている実施形態では、第2熱応答素子が壊れやすい部材182である。これは、アルコールで満たされた容器の形をしている。その他にも、適当な形をした熱応答素子が使われてもよい。第2熱応答素子は、所定の熱力学的状態が生じると構造上の整合性を失うように構成されている。これにより、入口184からスプリンクラーヘッド180の出口を通して流体が流れる。なお、所定の熱力学的状態は第2熱応答素子が壊れるように選択されており、先端基部90の熱応答素子110に対して選択された熱力学的状態とは異なっていてもよいが、そうである必要はない。
図6を参照すると、好ましい実施形態では、乾式スプリンクラー装置は減衰器290とブラケット292とを含む。ブラケット292には外面294がある。ブラケット292は減衰器290に取り付けられている。必須ではないが、ブラケット292を減衰器290に取り付ける際には、ブラケット292が減衰器290に一体化されていてもよい。好ましい実施形態では、染み出し穴296がスプリンクラーヘッド180のシール部材(出口プラグ186)の基端側に位置する。染み出し穴296は導管280およびブラケット292の外面294と連通している。ブラケット292の外面294は乾式スプリンクラー装置の外面の一部である。図2−図8を参照すると、ブラケット292の染み出し穴296はブラケット292を通して少量の水を流す。その結果、スプリンクラーヘッド180の起動なしでバルブ20のみが起動したことがより容易に検出される。水が染み出し穴296を通してブラケット292の外面294に漏れるからである。
本発明の実施形態では、基端可動部材70が付勢部材(コイルばね80)によって移動する。付勢部材は可撓性コネクタ120の基端122のうち、バルブ20、すなわち防火システムの部品16の近くに位置する。これにより、付勢部材が可撓性コネクタ120の先端124に位置する場合よりも信頼性が向上する。付勢部材が可撓性コネクタ120の先端124に位置する場合、バルブ20すなわち防火システムの部品16を起動させるのに十分な移動量を生み出すには、可撓性コネクタ120の変形量を超えなければならないからである。
起動部をスプリンクラーヘッド等の制御対象の装置から離すことができるので、起動部を火元の特定と出火への対応とに最適な位置に置くことができ、それに繋がっているスプリンクラーを水の分配および/または散水に最適な位置に置くことができる。
本発明による装置は、木製の屋根裏、その他、燃えやすい隠れ場所の火災を、障害物の有無にかかわらず、防ぐことにも利用可能である。
発明の実施形態の多くは、これまでは屋根裏では利用できなかったか、火災試験を通過しそうになかった数多くのスプリンクラーを対象としている。本発明によるシステムの起動部は、屋根の頂上等、火災の熱を検出して最も早く起動するのに最適な場所に置くことができる。一方、その起動部にバルブ部を通して接続されたスプリンクラーヘッドは、たとえば頂上でも、そこから離れた場所でも、および/または傾斜から離れた場所でも、防火または設置に最適な場所に置くことができる。これにより、水を最適に分配でき、および/または、スプリンクラーヘッドを火元になり得る場所に近づけることができる。
本発明の実施形態においてはスプリンクラーヘッドの従来のタイプ(垂下型、側壁型、直立型、標準のスプレー型)がいずれも、たとえプラグまたは熱応答素子のない開放型であっても上記の場所に設置可能である。本発明は更に、新しいタイプのスプレー分布を作成する方法と、それに適したスプリンクラーヘッドとを開発可能にする。その上、従来の自動式スプリンクラーヘッドが、それらの規定の最大散水面積(通常の散水面積が130平方フィートを超える場合は、少なくとも130平方フィートよりも大きい。)に従い、屋根裏、その他の燃えやすい隠れ場所に従来の自動式スプリンクラーヘッドを利用する場合に課せられる水力学的要請が課せられることなく、設置可能である。本発明によるバルブ部に接続された開放型スプリンクラーヘッドはまた垂直に散水可能であるので、必要に応じて、散水パターンを拡大することができる。発明の実施形態の中には、現時点で必要とされている量よりも少ない水を使う可能性を与えるものもある。標準的なスプリンクラーでは単一の装置であったものが、発明の実施形態では機能が分割されているので、スプレー型スプリンクラーの配置が防火に最適であることに加え、起動部の配置がその起動に最適だからである。
これらの利点は、更に他の「問題の領域」に設置されたスプリンクラーシステムにも有効である。本発明の実施形態は、乾式スプリンクラーシステムを屋根裏に設置することを可能にする一方、開放型である従来の自動式スプリンクラーヘッドを利用する。バルブ部は、暖房の効いた、水の凍らない領域に設置可能であり、その領域から離れた、冷たい、水の凍りうる領域に、起動部とヘッドとは設置可能である。その他に、暖房の効いた、水の凍らない領域と起動部との間の距離が予作動バルブ構造の可撓性コネクタの長さよりも大きい場合、暖房の効いた、水の凍らない領域に上流部として乾式バルブが設置されることにより、冷たい、水が凍りうる領域に設置された発明の予作動バルブ構造に水が与えられてもよい。
本発明のバルブ部から水が供給されるスプリンクラーヘッドを設置することにより、そのヘッドを、散水で消火するのに最適な位置に置くことができる。すなわち、散水を十分に早く、火元に十分に近づけることができる。実験室での火災試験では、0.1ガロン/(分・平方フィート)未満の散水密度でも合格が可能である。
別の応用としては、凍結状態にあるトラック積載ドックでの防火がある。本発明による熱始動構造の実施形態であれば、とても高価で複雑な乾式スプリンクラーシステムを、既存の、すでに認可を得ている開放型スプリンクラーで置き換えることができる。凍結領域にはスプリンクラーが設置され、暖房の効いた領域にバルブ部が設置されればよい。この考え方であれば、発明の実施形態で許される散水速度と戦略的な配置とにより、緊急時の散水密度を緊急度が軽い場合での値(50%未満)にまで下げることができる。
従来の自動式スプリンクラーヘッドが乾式スプリンクラー装置に設置可能であること自体、大きな進歩である。従来の乾式スプリンクラーシステムの施工者は、従来の乾式スプリンクラーを発注するには、特徴的な長さに加えて他の特徴、たとえば方向(側壁型、直立型、垂下型。垂下型であれば、露出型か、埋込型か、隠し型か。)、動作温度、散水口のサイズ、仕上げ、および/または色を特定しなければならない。様々な製造元が利用可能で、在庫があって入手可能な従来の自動式スプリンクラーヘッドには、何千とは言わないまでも何百もの種類がある。これらは本発明のバルブ部と共に、何千もの特徴の組み合わせを満たすことができる。本発明による乾式スプリンクラー装置の中ではバルブ部のみが、広く認められている試験機関による承認を必要とするので、実際には従来の如何なる自動式スプリンクラーヘッドも(開放型であれ、閉鎖型であれ、)本発明のバルブ部と制限なしで設置されて乾式システムを構築することが可能である。
火災用スプリンクラーの異なる特徴の組み合わせには、何千とは言わないまでも何百もの種類があり、多くの製造元は自動式スプリンクラーヘッドのこれらの組み合わせを売ろうとする。一方、乾式スプリンクラーのこれらの組み合わせの内、1/10以下しか提供されていない。各乾式スプリンクラーは他のものとは無関係に、認められている機関で、動作、腐食、その他の能力特性に関して試験されなければならないからである。各乾式スプリンクラーは、広く認められている試験機関の1つで承認試験を受けるのに10000ドルを超える金額が必要であるので、製造元は利用可能な乾式スプリンクラーの種類を制限している。湿式システムのスプリンクラーヘッドの全種類に対し、承認に必要な費用に見合うほど市場はそんなに大きくないからである。一旦承認されれば、本発明の熱始動構造を備えた予作動バルブは、実際には、いずれの製造元による、試験機関で承認された、乾式スプリンクラー装置として設置されるべき従来の自動式スプリンクラーヘッドのいずれにも利用可能である。これにより、スプリンクラーシステムの設計者、ビルの所有者、および施工者はスプリンクラーヘッドを実質上制限なく選択することができるので、設置費用を削減することもできる。
本発明のバルブ部は機械的に始動可能であるので、スプリンクラーヘッドとは別に分けて遠隔地から、自動的に、または要求に応じて、始動させられるように構成され、または装備されてもよい。
本発明の熱始動構造は、起動部の熱応答素子の動作温度を、接続されている(すなわち閉鎖型)スプリンクラーヘッドの動作温度と比べて低くし、または高くすることにより、温度が、閉鎖型スプリンクラーヘッドの定格温度を下回った場合、超えた場合、または等しくなった場合のいずれでも、自動的に始動するように構成可能である。これにより、必要であれば、起動前に水をスプリンクラーヘッドに予め詰めておくことも、スプリンクラーヘッドが開いた後まで水を詰めるのを遅らせることもできる。
2段階で起動させることにより、本発明の熱始動構造は、破壊行為または不測の破損、誤作動、水損を防ぐ効果も高い。これについては、保険会社とビルの所有者との関心が高い。スプリンクラーが通常の起動の前に破損した場合でも、たとえば、容器、その他の熱応答素子が偶然壊れた場合、または欠陥品であった場合(すなわち漏れがあった場合)でも、散水がされない。本発明の「独立した」起動部がスプリンクラーの破損によっては始動しないからである。これにより、意図しない起動による水損を防ぐだけでなく、システムを保護サービスから引き離すことも、交換品を製造元の工場から取り寄せるのを待つこともなく、すぐに現場を復旧させることができる。従来の湿式システムと同様、本発明のシステムは現場で十分修理可能である。(ヘッドを修理している間システムを動作状態に維持することは費用が非常にかかることが知られており、洗練された設備が必要である。)
自動式(すなわち閉鎖型)スプリンクラーヘッドを備えたシステムの熱始動構造が、スプリンクラーが起動する前にバルブを開くように構成されている場合、防火能力は向上する。スプリンクラーヘッドから水が流れ出す前に逃がすべき空気がないからである。状態がスプリンクラーヘッドの起動温度に到達する前に、バルブ部がスプリンクラーヘッドを水で満たす。
本発明の熱始動構造を備えた予作動バルブは、通常、乾式スプリンクラーが必要とされる領域で、ドロップとして可撓性配管を使用することを可能にする。バルブ部は、凍結温度から保護された領域、および/または凍結温度にはならない領域に設置可能である。このことは、設置にかかる時間と費用とが大幅に削減されることを意味する。特に、居住施設用の緊急度が軽いシステムには、その全体で可撓性配管を使用できるからである。システムの構造は、熱応答素子の選択により、どんな自動式(すなわち閉鎖型)スプリンクラーで利用される熱応答素子が起動する温度よりも高い温度で動作するように構成可能である。これにより、起動部とスプリンクラーとの両方の熱応答素子がそれぞれの起動温度に到達するまでは、ドロップの中に水がなく、加圧されたままであることが保証される。
応答素子110等の破壊によって起動部12が始動する一方、自動式(すなわち閉鎖型)スプリンクラーヘッド180が起動しない場合、上記のように、1以上の染み出し穴72、296を通した水漏れに加えて、起動部の露出部分、たとえば先端基部90は、起動部が起動して水が凍結しうる領域にあることを示す、天井の下に置かれた視覚的な指標となる。スプリンクラーから水が漏れている場合、ポタポタと落ちる水滴は、ドロップ管が水で満たされており、散水が可能であることを示す第2の指標を与える。
本発明の熱始動構造は、圧縮ガスと不凍の「乾式」スプリンクラーとに代わるかなり経済的な代用物を与えることに加え、2段階の動作により不動産の被害に対する安全性をその不動産の所有者に与えるので、経済的な住宅用乾式スプリンクラーシステムを与える可能性を示す。
上記の実施形態に、その広い発明の概念から外れることなく、変更が加えられ得ることは、当業者には評価されるであろう。それ故、本発明が、開示された特定の実施形態に限定されずに、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の精神と範囲との中で行われる変更にも及ぶことを意図していることは理解される。

Claims (27)

  1. 防火システムの部品を遠隔地から機械的に起動させるための熱始動構造であって、
    前記防火システムの部品に対して基端と先端とを含む基端基部と、
    前記基端基部に対して移動可能な基端可動部材と、
    前記防火システムの部品からの距離が前記基端基部よりも遠い先端基部と、
    先端可動部材と、
    前記基端可動部材に対して起動前の位置から、その位置よりも上流にある起動後の位置へ向かって力を加えるように、前記基端基部に対して位置している付勢部材と、
    所定の熱力学的状態が生じるまでは前記先端基部によって保持されており、前記所定の熱力学的状態の下では構造上の整合性を失って、前記先端可動部材が前記先端基部に対して起動前の位置から起動後の位置へ移動するのを許す熱応答素子と、
    基端と先端とを含む可撓性コネクタと
    を有する起動部
    を備え、
    前記可撓性コネクタの基端が前記基端可動部材に接続され、前記可撓性コネクタの先端が前記先端可動部材に接続されていることにより、前記熱応答素子が前記先端可動部材を前記先端基部に対して起動前の位置に保持し、かつ前記基端可動部材を前記基端基部に対して起動前の位置に保持しており、前記熱応答素子が構造上の整合性を失った途端、前記付勢部材からの付勢力が前記基端可動部材を起動前の位置から起動後の位置へと移動させる
    ことを特徴とする熱始動構造。
  2. 前記可撓性コネクタは、
    前記基端基部に定常的に接続された基端と、前記先端基部に定常的に接続された先端とを含む、中空の可撓性外側ケーブルハウジングと、
    前記可撓性外側ケーブルハウジングの中に位置し、前記可撓性外側ケーブルハウジングの中を移動可能であり、前記基端可動部材に定常的に接続された基端と、前記先端可動部材に定常的に接続された先端とを含む可撓性内側部材と
    を有する、請求項1に記載の熱始動構造。
  3. 前記防火システムの部品はバルブであって、前記バルブは
    本体と、
    環状のシール部材と、
    前記バルブが閉じた状態において前記環状のシール部材を支持するシャフトと、
    前記シャフトを支持するレバーを含み、前記バルブが閉じた状態において前記シャフトを支持する支持構造と
    を有し、
    前記基端可動部材の動きが前記支持構造に作用して前記レバーを動かし、前記バルブを閉じた状態から開いた状態へ変化させるように、前記基端可動部材が前記支持構造と直に、または中間部材を介して接続されている
    請求項1に記載の熱始動構造。
  4. 前記基端可動部材は、前記レバーに係合しているラッチを前記レバーから外すことにより、前記レバーを動かす、請求項3に記載の熱始動構造。
  5. 前記基端可動部材は、前記ラッチとは異なる部品に圧縮力を伝えることにより、前記レバーを動かす、請求項4に記載の熱始動構造。
  6. 前記防火システムの部品はバルブであって、前記バルブは
    本体と、
    環状のシール部材と、
    前記バルブが閉じた状態において前記環状のシール部材を支持するシャフトと、
    前記シャフトを支持するレバーを含み、前記バルブが閉じた状態において前記シャフトを支持する支持構造と
    を有し、
    前記レバーは、前記レバーに嵌まった壊れやすい支持部により、前記基端可動部材の動きで前記壊れやすい支持部が潰れるまで、シール位置に保持されている、
    請求項1に記載の熱始動構造。
  7. 前記可撓性コネクタは、
    前記基端基部に定常的に接続された基端と、前記先端基部に定常的に接続された先端とを含む、中空の可撓性外側ケーブルハウジングと、
    前記可撓性外側ケーブルハウジングの中に位置し、前記可撓性外側ケーブルハウジングの中を移動可能であり、前記基端可動部材に定常的に接続された基端と、前記先端可動部材に定常的に接続された先端とを含む可撓性内側部材と
    を有し、
    前記可撓性内側部材の基端が前記壊れやすい支持部に力を伝えて前記壊れやすい支持部を潰す、
    請求項6に記載の熱始動構造。
  8. 前記壊れやすい支持部を潰す力は、前記基端可動部材が加える圧縮力である、請求項7に記載の熱始動構造。
  9. 起動後の位置にある前記基端可動部材は前記基端基部に嵌まって密封し、前記基端可動部材は、前記基端基部の本体のうち、前記基端可動部材に対して基端側に位置する部分と先端側に位置する部分との間を連通させる染み出し穴を含む、請求項1に記載の熱始動構造。
  10. 前記先端基部は、
    基端、先端、および、前記先端から更に先の方へ伸びて前記熱応答素子を支えている張出部を含む本体と、
    前記本体によって支えられている支点と、
    前記支点、前記先端可動部材、および前記熱応答素子に結合している台と
    を含み、
    前記先端可動部材と前記熱応答素子とが前記支点で前記台を保持し、
    前記熱応答素子が構造上の整合性を失った途端、前記台が前記支点のまわりに回転して前記先端可動部材を前記先端基部に対して起動後の位置へ移動させる、
    請求項1に記載の熱始動構造。
  11. 前記先端可動部材は、前記可撓性コネクタに取り付けられている引手を含み、
    前記台は、前記引手に嵌まっているノッチを含む、
    請求項10に記載の熱始動構造。
  12. 機械的な動きによって起動する防火システムの部品と、
    起動部と
    を備え、
    前記起動部は、
    前記防火システムの部品に対して基端と先端とを含む基端基部と、
    前記基端基部に対して移動可能な基端可動部材と、
    前記防火システムの部品からの距離が前記基端基部よりも遠い先端基部と、
    先端可動部材と、
    前記基端可動部材に対して起動前の位置から起動後の位置へ向かって力を加えるように前記基端基部に対して位置している付勢部材と、
    所定の熱力学的状態が生じるまでは前記先端基部によって保持されており、前記所定の熱力学的状態の下では構造上の整合性を失って、前記先端可動部材が前記先端基部に対して起動前の位置から起動後の位置へ移動するのを許す熱応答素子と、
    基端と先端とを含む可撓性コネクタと
    を有し、
    前記先端基部から前記基端基部へ向かう方向を基端方向とした場合、前記基端可動部材の起動後の位置は起動前の位置に対して基端方向に位置しており、
    前記可撓性コネクタの基端が前記基端可動部材に接続され、前記可撓性コネクタの先端が前記先端可動部材に接続されていることにより、前記熱応答素子が前記先端可動部材を前記先端基部に対して起動前の位置に保持し、かつ前記基端可動部材を前記基端基部に対して起動前の位置に保持しており、前記熱応答素子が構造上の整合性を失った途端、前記付勢部材からの付勢力が前記基端可動部材を起動前の位置から起動後の位置へ移動させ、
    前記防火システムの部品はバルブであって、前記バルブは
    本体と、
    環状のシール部材と、
    前記バルブが閉じた状態において前記環状のシール部材を支持するシャフトと、
    前記シャフトを支持するレバーを含み、前記バルブが閉じた状態において前記シャフトを支持する支持構造と
    を有し、
    前記基端可動部材の動きが前記支持構造に作用して前記レバーを動かし、前記バルブを閉じた状態から開いた状態へ変化させるように、前記基端可動部材が前記支持構造と直に、または中間部材を介して接続されている
    ことを特徴とする乾式スプリンクラー装置。
  13. 機械的な動きによって起動する防火システムの部品と、
    起動部と
    を備え、
    前記起動部は、
    前記防火システムの部品に対して基端と先端とを含む基端基部と、
    前記基端基部に対して移動可能な基端可動部材と、
    前記防火システムの部品からの距離が前記基端基部よりも遠い先端基部と、
    先端可動部材と、
    前記基端可動部材に対して起動前の位置から起動後の位置へ向かって力を加えるように前記基端基部に対して位置している付勢部材と、
    所定の熱力学的状態が生じるまでは前記先端基部によって保持されており、前記所定の熱力学的状態の下では構造上の整合性を失って、前記先端可動部材が前記先端基部に対して起動前の位置から起動後の位置へ移動するのを許す熱応答素子と、
    基端と先端とを含む可撓性コネクタと
    を有し、
    前記先端基部から前記基端基部へ向かう方向を基端方向とした場合、前記基端可動部材の起動後の位置は起動前の位置に対して基端方向に位置しており、
    前記可撓性コネクタの基端が前記基端可動部材に接続され、前記可撓性コネクタの先端が前記先端可動部材に接続されていることにより、前記熱応答素子が前記先端可動部材を前記先端基部に対して起動前の位置に保持し、かつ前記基端可動部材を前記基端基部に対して起動前の位置に保持しており、前記熱応答素子が構造上の整合性を失った途端、前記付勢部材からの付勢力が前記基端可動部材を起動前の位置から起動後の位置へ移動させ、
    前記防火システムの部品はバルブであり、
    前記バルブの出口のいずれかに連通した導管と、
    前記導管に連通しており、1本の流路で互いに接続された入口と出口とを含む水分配装置と
    を更に備え、
    前記1本の流路は、第2熱応答素子によってシール位置に保持されたシール部材で密封されており、
    前記第2熱応答素子が前記所定の熱力学的状態の下で構造上の整合性を失うと、前記水分配装置の入口と出口との間に流体が流れる、
    ことを特徴とする乾式スプリンクラー装置。
  14. 前記水分配装置のシール部材に対して基端方向に位置し、前記導管と前記乾式スプリンクラー装置の外面とに連通している染み出し穴
    を更に備えた、請求項13に記載の乾式スプリンクラー装置。
  15. 外面があるブラケットと、
    前記ブラケットの少なくとも一部を通り、前記導管と前記ブラケットの外面とに連通している染み出し穴と
    を更に備えた、請求項13に記載の乾式スプリンクラー装置。
  16. 前記支持構造は、前記シャフトと実質的に一直線上に並んでいるねじを含み、
    前記ねじは、前記支持構造と前記シャフトとに作用して前記環状のシール部材に力を加え、前記バルブを閉じた状態に維持する
    請求項3に記載の熱始動構造。
  17. 前記支持構造は、前記シャフトと実質的に一直線上に並んでいるねじを含み、
    前記ねじは、前記支持構造と前記シャフトとに作用して前記環状のシール部材に力を加え、前記バルブを閉じた状態に維持する
    請求項6に記載の熱始動構造。
  18. 前記支持構造は、前記シャフトと実質的に一直線上に並んでいるねじを含み、
    前記ねじは、前記支持構造と前記シャフトとに作用して前記環状のシール部材に力を加え、前記バルブを閉じた状態に維持する
    請求項12に記載の乾式スプリンクラー装置。
  19. 前記バルブの本体が、入口、出口、および前記入口を前記出口に接続する流路を含み、
    前記出口に連通した水分配装置を少なくとも1つ、更に備えている
    請求項3に記載の熱始動構造。
  20. 前記バルブの本体が、入口、出口、および前記入口を前記出口に接続する流路を含み、
    前記出口に連通した水分配装置を少なくとも1つ、更に備えている
    請求項6に記載の熱始動構造。
  21. 前記バルブの本体が、入口、出口、および前記入口を前記出口に接続する流路を含み、
    前記出口に連通した水分配装置を少なくとも1つ、更に備えている
    請求項12に記載の乾式スプリンクラー装置。
  22. 前記水分配装置が前記出口にパイプで接続されている
    請求項19に記載の熱始動構造。
  23. 前記水分配装置が前記出口にパイプで接続されている
    請求項20に記載の熱始動構造。
  24. 前記水分配装置が前記出口にパイプで接続されている
    請求項21に記載の乾式スプリンクラー装置。
  25. 前記入口が給水管に連通している、請求項22に記載の熱始動構造。
  26. 前記入口が給水管に連通している、請求項23に記載の熱始動構造。
  27. 前記入口が給水管に連通している、請求項24に記載の乾式スプリンクラー装置。
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