以下に添付図面を参照しながら、本開示の一実施形態(以下、本実施形態)について説明する。なお、本明細書及び図面において実質的に同一の機能を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
<1.実施形態>
本実施形態では、広告付き振込サービスを提供するシステムを提案する。このシステムは、ある利用者が他人の口座に対して振込を行った後、その他人が口座を照会する際に、その他人に対して広告を表示する仕組みを提供する。以下では、説明の都合上、振込を行う人を「支払人」、振込先口座の名義人を「受取人」と表現する。
[1−1.システム]
図1を参照しながら、本実施形態に係る広告付き振込サービス及びこれを提供するシステムについて説明する。図1は、本実施形態に係る広告付き振込サービス及びこれを提供するシステムについて説明するための説明図である。
図1には、本実施形態に係る広告付き振込サービスを提供するシステムの一例として、銀行システム10が示されている。銀行システム10は、銀行により管理されるシステムであり、少なくとも振込に関する処理及び口座照会に関する処理を実行しうる。図1に示すように、この例において、銀行システム10は、支払人端末20、受取人端末30、及び広告主端末40に接続されうる。
支払人端末20は、支払人20aが利用する端末装置である。受取人端末30は、受取人30aが利用する端末装置である。広告主端末40は、広告主40aが利用する端末装置である。支払人端末20、受取人端末30、及び広告主端末40は、ネットワークを介して銀行システム10にアクセス可能なコンピュータであればよく、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、銀行の店舗内で利用可能な専用端末、或いはATMなどであってもよい。
支払人20aは、例えば、支払人端末20として上記のようなコンピュータを利用し、そのコンピュータに搭載されている銀行取引用のアプリケーションプログラム(以下、アプリ)又はウェブブラウザを利用して銀行システム10にアクセスすることができる。同様に、受取人30aは、受取人端末30として上記のようなコンピュータを利用し、そのコンピュータに搭載されている銀行取引用のアプリ又はウェブブラウザを利用して銀行システム10にアクセスすることができる。
広告主40aは、例えば、広告主端末40として上記のようなコンピュータを利用し、そのコンピュータに搭載されている銀行取引用のアプリ、広告付き振込サービス用のアプリ、又はウェブブラウザを利用して銀行システム10にアクセスすることができる。なお、支払人端末20、受取人端末30、又は広告主端末40としてATMを利用できるようにする場合、後述する支払人端末20、受取人端末30、及び広告主端末40の機能のうち一部だけがATMにより提供されるようにしてもよい。
ここで、図1の例に沿ってシステムが有する機能の概要について述べる。
図1の例では、支払人20aが、支払人端末20を介して受取人30aの口座に対する振込を行っている。振込の依頼を受けた銀行システム10は、受取人30aの口座に対する振込を実行する。支払人20aによる振込の実行後、受取人30aは、受取人端末30を介して口座照会を行っている。口座照会の依頼を受けた銀行システム10は、受取人端末30に広告を表示させ、受取人30aによる広告の閲覧が完了した後で、口座情報を受取人端末30に表示させる。
受取人端末30に表示される広告は、支払人20aと広告掲載契約を締結している広告主40aの広告である。つまり、広告主40aと広告掲載契約を締結している支払人20aが振込を行うと、振込先口座の口座照会時に、その広告主40aの広告が表示される。なお、広告は、受取人30aが表示を許諾した場合だけ表示されるようにしてもよい。つまり、受取人30aが広告の表示を許諾する広告閲覧契約を締結している場合だけ受取人30aに広告が表示されるようにしてもよい。
広告掲載契約を締結するための仕組みは、銀行システム10により提供されてもよい。図1の例では、開示許諾を受けている支払人のリスト及び各支払人の情報(以下、開示情報)を銀行システム10が広告主40aに開示し、開示情報を参考に広告主40aが選択した支払人(この例では支払人20a)への掲載依頼を銀行システム10が受領することで、選択された広告主40aと支払人20aとの間の広告掲載契約が成立する。
上記のように、広告主40aと支払人20aとが広告掲載契約を締結している場合、支払人20aの振込先口座を参照する受取人(この例では受取人30a)に対して広告が表示される。例えば、支払人20aが会社である場合、毎月、支払人20aが給与振込を行うため、その会社の従業員が広告表示の対象となりうる。つまり、上述したシステムを利用することで、会社(支払人20a)をキーとして広告表示のターゲットを絞り込むことができる。
例えば、業績の良い企業は給与水準が高く、その従業員が商品などの購入に使える資金には余裕があると推察される。資金に余裕がある人は、広告を見て商品などを購入する可能性が高い傾向にあるだろう。そのため、そのような従業員に広告表示の対象を絞り込むことができれば、より少ないコストで、より高い広告効果が期待できる。上記のシステムを利用すれば、広告主40aは、業績の良い企業と上記の広告掲載契約を締結することで、その企業の従業員に自らの広告を表示でき、高い広告効果が得られうる。
企業業績だけでなく、従業員の男女比率、年齢層、業種などの属性も考慮し、その属性に適合した広告を表示することができれば、より高い広告効果が得られうる。上記のシステムでは、銀行システム10から提供される開示情報を参照して契約相手の支払人を選ぶことができる。そのため、広告主40aは、支払人の属性を考慮して、広告主40aの広告内容に適した支払人を選ぶことができる。その結果、広告主40aは、メディアを利用した従来の広告やダイレクトメールなどの方法に比べ、より少ないコストで、より高い広告効果を得ることが可能になる。
上述した広告表示の報酬は、図1に示すように、広告表示のトリガーとなる振込を行った支払人20aと、口座照会時に広告を閲覧した受取人30aとの双方に支払われる。報酬額は、例えば、広告主40aの広告が閲覧された回数に基づいて算出される。報酬は、支払人20aの口座、及び受取人30aの口座にそれぞれ振り込まれてもよい。なお、受取人30aへの報酬は、有価ポイントの付与などの方法で与えられてもよい。また、支払人20aへの報酬は、振込手数料の減額などの形で与えられてもよい。
以下では、銀行システム10、支払人端末20、受取人端末30、及び広告主端末40のハードウェア及び機能について説明し、さらに、本実施形態に係る広告付き振込サービスの提供方法に関する処理について説明する。
[1−2.ハードウェア]
図2を参照しながら、銀行システム10の機能を提供可能なコンピュータのハードウェアについて説明する。図2は、本実施形態に係る銀行システムの機能を提供可能なコンピュータのハードウェアについて説明するためのブロック図である。なお、支払人端末20、受取人端末30、及び広告主端末40の機能も図2に示したハードウェアを利用して提供可能である。そのため、支払人端末20、受取人端末30、及び広告主端末40のハードウェアについては詳細な説明を省略する。
図2に示すように、このハードウェアは、主に、プロセッサ10a、メモリ10b、表示I/F(Interface)10c、通信I/F10d、及び接続I/F10eを有する。
プロセッサ10aは、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などであってもよい。メモリ10bは、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの記憶装置であってもよい。
表示I/F10cは、LCD(Liquid Crystal Display)、ELD(Electro-Luminescence Display)などのディスプレイデバイスを接続するためのインターフェースであってもよい。例えば、表示I/F10cは、プロセッサ10aや表示I/F10cに搭載されたGPU(Graphic Processing Unit)により表示制御を実施してもよい。
通信I/F10dは、有線及び/又は無線のネットワーク、又は専用回線に接続するためのインターフェースである。通信I/F10dは、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、光通信ネットワーク、携帯電話ネットワークなどに接続されうる。
接続I/F10eは、外部デバイスを接続するためのインターフェースである。接続I/F10eは、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)などであってもよい。接続I/F10eには、キーボード、マウス、タッチパネル、タッチパッドなどの入力インターフェースが接続されうる。また、接続I/F10eには、コンピュータにより読み取り可能な可搬記録媒体10fが接続されうる。可搬記録媒体10fとしては、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどがある。
上述したプロセッサ10aは、可搬記録媒体10fに格納されたプログラムを読み出してメモリ10bに格納し、メモリ10bから読み出したプログラムに従って銀行システム10の動作を制御してもよい。また、銀行システム10の動作を制御するプログラムは、メモリ10bに予め格納されていてもよいし、通信I/F10dを介してネットワークからダウンロードされてもよい。支払人端末20、受取人端末30、及び広告主端末40についても同様である。
[1−3.銀行システムの機能]
次に、図3を参照しながら、銀行システム10の機能について説明する。図3は、本実施形態に係る銀行システムの機能について説明するためのブロック図である。
図3に示すように、銀行システム10は、記憶部101、振込処理部102、照会処理部103、報酬計算部104、及び広告契約受付部105を有する。記憶部101の機能は、主に、上述したメモリ10bを用いて実現されうる。振込処理部102、照会処理部103、報酬計算部104、及び広告契約受付部105の機能は、主に、上述したプロセッサ10aを用いて実現されうる。
記憶部101には、口座DB(Database)111、振込履歴DB112、支払人DB113、受取人DB114、広告DB115、及び契約/実績DB116が格納されうる。なお、口座DB111、振込履歴DB112、支払人DB113、受取人DB114、広告DB115、及び契約/実績DB116の少なくとも一部は、銀行システム10の外部にあるストレージ装置に格納されてもよい。
口座DB111は、銀行システム10で管理される口座情報を格納するためのデータベースである。例えば、口座DB111は、図4に示すような情報を含む。図4は、口座DBの構造及び格納データについて説明するための図表である。
図4の例では、支店の情報、口座種別の情報、口座番号、名義人の情報、及び口座残高の情報が口座DB111に含まれている。なお、この例では、説明の都合上、異なる支店に口座を持つ名義人の口座情報を纏めて口座DB111に格納しているが、支店毎に異なるDBで口座情報を管理してもよい。また、この例では、異なる口座種別の口座情報を纏めて口座DB111に格納しているが、口座種別毎に異なるDBで口座情報を管理してもよい。このように、口座情報の管理形態は実施の態様に応じて適宜変形されうる。
振込履歴DB112は、銀行システム10により実行された振込の履歴を管理するためのデータベースである。例えば、振込履歴DB112は、図5に示すような情報を含む。図5は、振込履歴DBの構造及び格納データについて説明するための図表である。
図5の例では、振込実行日、支払人の情報、受取人の情報、及び振込金額が振込履歴DB112に含まれている。支払人の情報は、例えば、支払人の口座がある支店の情報、口座種別の情報、及び口座番号を含む。受取人の情報は、例えば、受取人の口座がある支店の情報、口座種別の情報、及び口座番号を含む。なお、この例では、説明の都合上、同じ銀行の口座間で振込を実行する場合を想定しているが、提携する他の銀行の口座との間で振込を実行できるように変形してもよい。
支払人DB113は、支払人の情報を管理するためのデータベースである。支払人DB113に含まれる情報のうち、支払人(対象口座の名義人)により開示許諾された情報が、支払人の情報として、広告主(例えば、広告主40a)に開示される。例えば、支払人DB113は、図6に示すような情報を含む。図6は、支払人DBの構造及び格納データについて説明するための図表である。
図6の例では、支払人の口座に関する情報(支店の情報、口座種別の情報、口座番号など)、支払人の属性に関する情報(社名、年商、業種など)、振込実績に関する情報(振込金額、振込件数など)、及び広告の掲載許諾に関する情報が支払人DB113に含まれている。なお、この例では、支払人が会社の場合を想定しているが、支払人が個人の場合にも適用できるように変形してもよい。例えば、社名を氏名に、年商を年収に、業種を職種に変更することで、個人の支払人に対しても適用可能になる。
支払人DB113には、各項目の内容についての開示許否を示す情報(開示OK/開示NG)が含まれている。この例では、「赤坂/当座/234567」の口座について、社名は開示OK、年商は開示NG、業種は開示OK、振込金額のうち年総額は開示NG、月平均は開示OK、給与分は開示NG、振込件数は開示OKに設定されている。この場合、社名「○×商事」、業種「自動車販売業」、振込金額の月平均「5000万円」、月毎の振込件数「120件」という情報が広告主に開示されうる。
広告の掲載許諾に関する情報は、支払人が振込を行った後、その振込先となる受取人の口座照会時に、広告主の広告が表示されることを許諾するか否か(広告掲載OK/広告掲載NG)を示す。広告掲載OKの場合、開示OKに設定されている項目の情報(開示情報)が広告主に開示される。また、広告掲載契約が締結された広告主の広告が、受取人に対して表示されうる。広告掲載NGの場合に支払人の開示情報が広告主に対して開示されないようにしてもよい。
受取人DB114は、受取人の情報を管理するためのデータベースである。受取人DB114に含まれる情報のうち、受取人(対象口座の名義人)により開示許諾された情報が、受取人の情報として、広告主(例えば、広告主40a)に開示される。例えば、受取人DB114は、図7に示すような情報を含む。図7は、受取人DBの構造及び格納データについて説明するための図表である。
図7の例では、受取人の口座に関する情報(支店の情報、口座種別の情報、口座番号など)、受取人の個人情報(氏名、住所地、職種、年齢、性別、年収など)、受取人の預金残高、及び広告の閲覧許諾に関する情報が受取人DB114に含まれている。なお、この例では、受取人が個人の場合を想定しているが、受取人が会社の場合にも適用できるように変形してもよい。例えば、氏名を名称に、職種を業種に、年齢を設立年度に、年収を年間売上高などに変更し、性別を省略することで、会社の受取人に対しても適用可能になる。
受取人DB114には、各項目の内容についての開示許否を示す情報(開示OK/開示NG)が含まれている。この例では、「銀座/普通/123456」の口座について、氏名は開示NG、所在地は開示NG、職種は開示OK、年齢は開示OK、性別は開示OK、年収は開示NG、預金残高は開示NGに設定されている。この場合、業種「会社員」、年齢「38歳」、性別「男」という情報が広告主に開示されうる。
広告の閲覧許諾に関する情報は、支払人が振込を行った後、その振込先となる受取人の口座照会時に、広告主の広告が表示されることを許諾するか否か(広告閲覧OK/広告閲覧NG)を示す。広告閲覧OKの場合、開示OKに設定されている項目の情報(開示情報)が広告主に開示される。また、振込を行った支払人と広告掲載契約を締結した広告主の広告が、受取人に対して表示される。なお、広告閲覧NGの場合に受取人の開示情報が広告主に対して開示されないようにしてもよい。
広告DB115は、広告主の情報を管理するためのデータベースである。例えば、広告DB115は、図8に示すような情報を含む。図8は、広告DBの構造及び格納データについて説明するための図表である。
図8の例では、広告主の社名、口座情報、所在地、連絡先(電話番号や電子メールアドレスなど)、及び広告情報が広告DB115に含まれている。広告DB115に含まれる情報のうち、社名、所在地、及び連絡先は、広告掲載契約を結ぼうとする支払人に対して開示される。また、広告主の社名、所在地、及び連絡先は、広告閲覧契約を結ぼうとする受取人に開示されてもよい。広告主の口座情報は、広告料の引き落とし口座の情報(銀行名、支店名、口座番号など)を含む。
なお、上記の例では、広告主が会社の場合を想定しているが、広告主が個人の場合にも適用できるように変形してもよい。例えば、社名を氏名に変更することで、個人の広告主に対しても適用可能になる。
広告情報は、広告の掲載時期を示す情報、及び各掲載時期に対応する広告データの識別情報(データ名、識別番号、リンク先のアドレスなど)を含む。この例では、「○×▲不動産販売」の広告情報として、掲載時期を2019年1月−5月(2019/1-5)に設定した広告データ「AD2019_011」が広告DB115に登録されている。この場合、2019年1月から2019年5月の期間に実行された振込の振込先(受取人)には、広告データ「AD2019_011」を用いた広告が表示されうる。
契約/実績DB116は、広告掲載契約及び広告閲覧契約の締結状況、及び広告の閲覧実績を管理するためのデータベースである。例えば、契約/実績DB116は、図9に示すような情報を含む。図9は、契約/実績DBの構造及び格納データについて説明するための図表である。
図9の例では、広告主を特定するための情報、支払人を特定するための情報、受取人を特定するための情報、及び月別の閲覧回数が対応付けて契約/実績DB116に格納されている。
例えば、広告主を特定するための情報として広告主の社名が登録され、支払人を特定するための情報として支払人の社名が登録され、受取人を特定するための情報として氏名が登録されうる。なお、広告主及び支払人の少なくとも一方が個人の場合、社名に代えて氏名が登録されうる。また、受取人が会社の場合、氏名に代えて社名が登録されうる。また、社名や氏名に代えて、事前に設定された識別コードや、口座番号などの識別情報が用いられてもよい。
契約/実績DB116には、広告付き振込サービスの利用を希望する広告主の情報が登録される。例えば、契約/実績DB116には、広告DB115に登録されている広告主の社名が登録される。また、契約/実績DB116に登録されている広告主との間で広告掲載契約が締結されたとき、その広告掲載契約を締結した支払人の情報が、その広告主に対応付けて契約/実績DB116に登録される。さらに、その支払人が振込を行った場合、振込先となる受取人の情報が、その支払人の情報に対応付けて契約/実績DB116に登録される。
契約/実績DB116に含まれる閲覧回数の欄には、広告主と、支払人と、受取人との各組み合わせについて、その支払人から、その受取人への振込が実行された後に、その受取人が、その広告主の広告を閲覧した回数の月別総数が記載される。
例えば、図9の例において、支払人「○×商事」が受取人「スミトモ ハジメ」に対して振込を行った場合、その受取人が口座照会を行うと、広告主「○×▲不動産販売」及び「△▲△自動車販売」の広告が表示される。その広告を受取人が閲覧した場合、契約/実績DB116のうち、該当する各レコードについて、振込時点に対応する月の閲覧回数が1加算される。各月の閲覧回数は、例えば、支払人及び受取人に支払われる報酬の計算に利用される。
再び図3を参照する。振込処理部102は、支払人から依頼を受けた振込の処理を実行する。例えば、振込処理部102は、支払人の口座残高から振込金額を減額し、受取人の口座残高を増額するように口座DB111の内容を更新する。また、振込処理部102は、実行した振込について、振込実行日、支払人の情報、受取人の情報、及び振込金額を振込履歴DB112に登録する。
照会処理部103は、受取人から依頼を受けた口座照会の処理を実行する。例えば、受取人端末30から口座照会の依頼を受けたとき、照会処理部103は、口座DB111を参照し、受取人の口座情報を受取人端末30に提供する。但し、その受取人の口座に振込がある場合、照会処理部103は、その受取人が広告表示の対象であるかを判定する。その受取人が広告表示の対象である場合、照会処理部103は、受取人端末30に広告を表示させ、広告の閲覧完了後に口座情報を提供する。
例えば、照会処理部103は、振込履歴DB112を参照し、前回の口座照会から今回の口座照会までの期間に振込が実行されているかを確認する。振込が実行されている場合、照会処理部103は、契約/実績DB116を参照し、振込履歴DB112から特定される支払人と、口座照会を行った受取人とのペアに対応するレコードを特定する。レコードがない場合、照会処理部103は、その受取人が広告表示の対象でないと判定し、広告を表示せずに口座情報を提供する。
一方で、上記のレコードがある場合、照会処理部103は、広告DB115を参照し、特定したレコードに対応する各広告主の広告情報を取得する。そして、照会処理部103は、取得した広告情報に基づいて各広告主の広告データを取得し、広告データを受取人端末30に提供して広告を表示させる。受取人端末30から閲覧完了の通知を受けた場合、照会処理部103は、口座DB111から抽出した受取人の口座情報(照会結果)を受取人端末30に提供する。また、照会処理部103は、契約/実績DB116の閲覧回数を更新する。
報酬計算部104は、契約/実績DB116の閲覧回数に基づいて支払人に支払われる報酬額、及び受取人に支払われる報酬額を計算する。報酬額の計算は、月末又は月初などの所定のタイミングで実行されてもよい。例えば、当月の月末に、当月の閲覧回数に基づいて当月分の報酬額が計算されうる。また、当月の月初に、前月の閲覧回数に基づいて前月分の報酬額が計算されうる。
また、報酬計算部104は、広告DB115を参照し、支払人及び受取人へと支払われる報酬額に対応する広告料を広告主の口座から徴収する。そして、報酬計算部104は、支払人DB113及び受取人DB114を参照し、支払人及び受取人の口座に報酬額を入金する。なお、報酬額の支払い方法は、対象口座への入金に限定されない。例えば、報酬額に相当する電子マネーやクーポンなどの有価ポイントを付与する方法や、報酬額の分だけ振込手数料を減額する方法などを適用してもよい。
広告契約受付部105は、広告掲載契約及び広告閲覧契約の締結をサポートする仕組みを提供する。
例えば、広告契約受付部105は、広告付き振込サービスの支払人としての登録を希望する登録希望者に対して、口座情報、社名、年商、業績、掲載許諾、及び各項目の開示許諾などの情報を入力するための入力フォームを提供する。そして、広告契約受付部105は、入力された情報を支払人DB113に登録する。
また、広告契約受付部105は、広告付き振込サービスの受取人としての登録を希望する登録希望者に対して、口座情報、氏名、住所地、職種、年齢、性別、年収、及び閲覧許諾などの情報を入力するための入力フォームを提供する。そして、広告契約受付部105は、入力された情報を受取人DB114に登録する。
また、広告契約受付部105は、広告付き振込サービスを利用する広告主としての登録を希望する登録希望者に対して、社名、口座情報、所在地、及び連絡先などの情報を入力するための入力フォームを提供する。また、広告契約受付部105は、広告データ及び広告の掲載時期を登録するための登録フォームを提供する。そして、広告契約受付部105は、入力された情報を広告DB115に登録し、広告主から提供された広告データを記憶部101又は外部のストレージ装置に格納する。
また、広告契約受付部105は、支払人DB113に登録されている情報のうち開示OKの情報を、広告DB115に登録されている広告主に開示する。広告主から広告掲載契約の契約先(支払人)が指定された場合、広告契約受付部105は、指定された広告主と支払人とを対応付けるレコードを契約/実績DB116に登録する。
なお、広告主が情報の開示先を指定できるようにしてもよい。例えば、支払人DB113への登録時に、広告契約受付部105は、登録希望者に対して、広告DB115に登録されている広告主の情報(社名、所在地、連絡先)を開示し、登録希望者に開示先の広告主を指定させてもよい。この場合、広告契約受付部105は、指定された広告主に対して支払人の開示情報(開示OKの情報)を提供する。
また、広告契約受付部105は、受取人DB114に登録されている情報のうち開示OKの情報を、広告DB115に登録されている広告主に開示する。広告主から広告閲覧契約の契約先(受取人)が指定された場合、広告契約受付部105は、指定された広告主と受取人とを対応付けるレコードを契約/実績DB116に登録する。
なお、受取人DB114に登録されている膨大な数の受取人から広告効果が期待できる受取人を選択することは容易でないだろう。そのため、広告契約受付部105は、広告主との間で広告掲載契約を締結している支払人が過去に振込を実行した受取人の情報だけを広告主に開示してもよい。また、広告契約受付部105は、支払人が過去に一括振込を利用して振込を行った際の振込先(受取人)を抽出し、その受取人の情報だけを広告主に開示してもよい。
[1−4.支払人端末の機能]
次に、図10を参照しながら、支払人端末20の機能について説明する。図10は、本実施形態に係る支払人端末の機能について説明するためのブロック図である。
図10に示すように、支払人端末20は、振込依頼部201、及び契約管理部202を有する。振込依頼部201及び契約管理部202の機能は、主に、上述したプロセッサ10aと同じハードウェア要素を利用して実現されうる。
振込依頼部201は、銀行システム10にアクセスして振込の処理を依頼する。例えば、振込依頼部201は、受取人の口座、振込金額、及び振込実行日を指定した振込依頼を銀行システム10に送信する。
一括振込を行う場合、振込依頼部201は、一括振込を指定し、予め登録されている振込先の中から選択した振込先を受取人として振込を実行するように銀行システム10に依頼する。また、振込先や振込金額などを指定するデータファイルに基づいて複数の振込先に一括して振込を実行する総合振込を行う場合、振込依頼部201は、事前に用意されたデータファイルを銀行システム10に送信して振込を依頼する。
契約管理部202は、広告掲載契約に関する処理を実行する。契約管理部202は、広告付き振込サービスにおける支払人としての登録を依頼する登録依頼を銀行システム10に送信し、支払人の登録情報を入力するための入力フォームを銀行システム10から受信する。そして、契約管理部202は、受信した入力フォームを画面上に表示させ、口座情報、社名、年商、業績などの入力を受け付ける。
また、契約管理部202は、入力された情報のうち、広告主に開示してもよい情報(開示OKの情報)を選択するように促すメッセージを表示する。開示OKの情報が選択された場合、契約管理部202は、入力フォームに入力された情報と、開示OKの情報を特定するための情報とを銀行システム10に送信する。なお、銀行システム10が予め保持している情報については、入力フォームによる入力が省略されてもよい。
[1−5.受取人端末の機能]
次に、図11を参照しながら、受取人端末30の機能について説明する。図11は、本実施形態に係る受取人端末の機能について説明するためのブロック図である。
図11に示すように、受取人端末30は、照会依頼部301、及び契約管理部302を有する。照会依頼部301及び契約管理部302の機能は、主に、上述したプロセッサ10aと同じハードウェア要素を利用して実現されうる。
照会依頼部301は、銀行システム10にアクセスして口座照会の処理を依頼する。例えば、照会依頼部301は、受取人の口座を指定した照会依頼を銀行システム10に送信する。また、照会依頼部301は、銀行システム10から照会結果として送信される口座情報を画面上に表示する。また、照会依頼部301は、銀行システム10から広告データ及び広告の表示要求を受けた場合、画面上に広告を表示し、広告の閲覧が完了した後で口座情報を画面上に表示する。
例えば、照会依頼部301は、画面上に広告のコンテンツ(映像、画像、音声、テキストなど)を表示する。そして、照会依頼部301は、広告の閲覧が完了したかを判定する。例えば、照会依頼部301は、表示開始からの経過時間を測定し、経過時間が閾値以上となったときに閲覧完了と判定してもよい。また、照会依頼部301は、閲覧完了の意思を示すためのオブジェクト(例えば、ボタンオブジェクトなど)を画面上に表示し、そのオブジェクトに対する操作が行われたときに閲覧完了と判定してもよい。
広告の閲覧が完了した場合、照会依頼部301は、閲覧完了を銀行システム10に通知する。そして、照会依頼部301は、銀行システム10から受信した口座情報を画面上に表示する。なお、口座情報は、閲覧完了の通知に応じて銀行システム10から受取人端末30に送信されてもよいし、照会依頼に応じて事前に受取人端末30に送信しておき、閲覧完了に応じて画面上に表示されるようにしてもよい。
契約管理部302は、広告閲覧契約に関する処理を実行する。契約管理部302は、広告付き振込サービスにおける受取人としての登録を依頼する登録依頼を銀行システム10に送信し、受取人の登録情報を入力するための入力フォームを銀行システム10から受信する。そして、契約管理部302は、受信した入力フォームを画面上に表示させ、口座情報、氏名、住所地、職種、年齢、性別、年収などの入力を受け付ける。
また、契約管理部302は、入力された情報のうち、広告主に開示してもよい情報(開示OKの情報)を選択するように促すメッセージを表示する。開示OKの情報が選択された場合、契約管理部302は、入力フォームに入力された情報と、開示OKの情報を特定するための情報とを銀行システム10に送信する。なお、銀行システム10が予め保持している情報については、入力フォームによる入力が省略されてもよい。
[1−6.処理フロー]
次に、上述した本実施形態に係るシステムが実行する処理のうち、広告付き振込サービスに関する処理の流れについて説明する。以下では、まず広告掲載契約及び広告閲覧契約の締結に関する処理について説明し、次いで、広告付き振込サービスに関して、振込時及び口座照会時に銀行システム10により実行される処理について説明し、最後に、支払人及び受取人に支払われる報酬額の計算に関する処理について説明する。
(広告掲載契約の締結に関する処理)
図12を参照しながら、広告掲載契約の締結に関する処理について説明する。図12は、本実施形態に係る広告掲載契約の締結に関する処理について説明するためのシーケンス図である。
(S101)支払人端末20は、銀行システム10に対して広告掲載契約の手続き開始を要求し、広告付き振込サービスの支払人としての登録を依頼する。
(S102)銀行システム10は、支払人DB113に登録すべき情報の入力を支払人端末20に要求する。また、銀行システム10は、入力情報のうち開示OKの情報(開示項目)を選択するように支払人端末20に要求する。なお、銀行システム10が予め保持している情報については、情報の入力が省略されてもよい。
(S103、S104)支払人端末20は、支払人20aによる情報入力を受け付けると共に、支払人20aに向けて開示項目の選択を促すメッセージを表示し、開示項目の選択を受け付ける。そして、支払人端末20は、入力された情報を銀行システム10に送信すると共に、選択された開示項目を銀行システム10に通知する。
(S105)銀行システム10は、支払人端末20から受信した支払人20aの情報を支払人DB113に登録する。さらに、銀行システム10は、支払人端末20から通知された開示項目に基づいて、支払人DB113に登録された情報の開示許否(開示OK/開示NG)を設定する。
(S106)銀行システム10は、広告DB115に登録されている広告主の情報(社名、所在地、連絡先)をリスト化して支払人端末20に提供し、開示OKの情報を開示してもよい広告主(開示先)の選択を要求する。
(S107、S108)支払人端末20は、銀行システム10から受信した広告主リストを画面上に表示する。また、支払人端末20は、開示先を選択するように促すメッセージを表示し、開示先の選択を受け付ける。開示先が選択された場合、支払人端末20は、開示先として選択された広告主を銀行システム10に通知する。
(S109)銀行システム10は、支払人端末20から通知された広告主に対し、支払人20aについての開示OKの情報を開示する。例えば、支払人端末20から通知された広告主が広告主40aである場合、銀行システム10は、広告主端末40に支払人20aの開示情報を提供し、広告掲載契約を締結するか否かを問い合わせるメッセージを広告主40aに向けて送信する。
(S110)S109で銀行システム10から送信されたメッセージに応じて、広告主40aが支払人20aとの間で広告掲載契約を締結する意思を示した場合、広告主端末40は、広告の掲載依頼を銀行システム10に送信する。例えば、広告主端末40は、銀行システム10から受信したメッセージと共に、契約を受諾するためのボタンオブジェクトを表示し、そのボタンオブジェクトが押下された場合に、広告の掲載依頼を銀行システム10に送信する。
(S111)銀行システム10は、広告主端末40から広告の掲載依頼を受信した場合、支払人20aと広告主40aとを対応付けるレコードを契約/実績DB116に登録する。このとき、銀行システム10は、支払人20aが過去に行った振込の振込先(受取人)のうち、受取人DB114に登録されている受取人を、支払人20aに対応付けて契約/実績DB116に登録してもよい。
(S112、S113)銀行システム10は、広告掲載契約の成立を支払人端末20及び広告主端末40に通知する。S113の処理が完了すると、図12に示した一連の処理は終了する。
(広告閲覧契約の締結に関する処理)
次に、図13を参照しながら、広告閲覧契約の締結に関する処理について説明する。図13は、本実施形態に係る広告閲覧契約の締結に関する処理について説明するためのシーケンス図である。
(S121)受取人端末30は、銀行システム10に対して広告閲覧契約の手続き開始を要求し、広告付き振込サービスの受取人としての登録を依頼する。
(S122)銀行システム10は、受取人DB114に登録すべき情報の入力を受取人端末30に要求する。また、銀行システム10は、入力情報のうち開示OKの情報(開示項目)を選択するように受取人端末30に要求する。なお、銀行システム10が予め保持している情報については、情報の入力が省略されてもよい。
(S123、S124)受取人端末30は、受取人30aによる情報入力を受け付けると共に、受取人30aに向けて開示項目の選択を促すメッセージを表示し、開示項目の選択を受け付ける。そして、受取人端末30は、入力された情報を銀行システム10に送信すると共に、選択された開示項目を銀行システム10に通知する。
(S125)銀行システム10は、受取人端末30から受信した受取人30aの情報を受取人DB114に登録する。さらに、銀行システム10は、受取人端末30から通知された開示項目に基づいて、受取人DB114に登録された情報の開示許否(開示OK/開示NG)を設定する。
(S126)銀行システム10は、広告閲覧契約の成立を受取人端末30に通知する。S126の処理が完了すると、図13に示した一連の処理は終了する。
(振込時の処理)
次に、図14を参照しながら、広告付き振込サービスに関する処理のうち、振込時の処理について説明する。図14は、本実施形態に係る広告付き振込サービスにおける振込時の処理について説明するためのフロー図である。なお、図14に示した処理は、主に、銀行システム10の振込処理部102により実行される。
(S131、S132)振込処理部102は、支払人から振込依頼を受け付ける。そして、振込処理部102は、支払人の口座から受取人の口座への振込を実行する。
(S133)振込処理部102は、振込の実行に応じて振込履歴DB112を更新する。例えば、振込処理部102は、実行した振込について、振込実行日、支払人の情報、受取人の情報、及び振込金額を振込履歴DB112に登録する。S133の処理が完了すると、図14に示した一連の処理は終了する。
(口座照会時の処理)
次に、図15を参照しながら、広告付き振込サービスに関する処理のうち、口座照会時の処理について説明する。図15は、本実施形態に係る広告付き振込サービスにおける口座照会時の処理について説明するためのフロー図である。なお、図15に示した処理は、主に、銀行システム10の照会処理部103により実行される。
(S141)照会処理部103は、口座DB111で管理される口座の名義人(受取人)から口座の照会依頼を受け付ける。例えば、照会処理部103は、受取人端末30から口座情報と共に口座照会の要求を受信する。
(S142)照会処理部103は、振込履歴DB112を参照し、前回の口座照会から今回の口座照会までの期間(未照会の期間)に振込があったか否かを判定する。未照会の期間に振込があった場合、処理はS143へと進む。一方、未照会の期間に振込がなかった場合、処理はS148へと進む。
(S143)照会処理部103は、受取人DB114を参照し、S141で口座照会を行った受取人が広告の閲覧を許諾している受取人(広告閲覧OKの受取人)であるか否かを判定する。広告閲覧OKの受取人である場合、処理はS144へと進む。一方、広告掲載NGの受取人である場合、処理はS148へと進む。
(S144)照会処理部103は、振込履歴DB112及び支払人DB113を参照し、未照会の期間に実行された振込の中に、広告の掲載を許諾している支払人(広告掲載OKの支払人)からの振込があるか否かを判定する。広告掲載OKの支払人からの振込がある場合、処理はS145へと進む。一方、広告掲載OKの支払人からの振込がない場合、処理はS148へと進む。
(S145)照会処理部103は、契約/実績DB116を参照し、未照会の期間に実行された振込の支払人と広告掲載契約を締結している広告主を特定する。また、照会処理部103は、広告DB115を参照し、特定した広告主の広告情報に基づいて、取得した振込時点に対応する広告データを取得する。そして、照会処理部103は、取得した広告データを口座照会を行った受取人の端末(例えば、受取人端末30)に提供し、受取人に広告を表示させる。
(S146)照会処理部103は、受取人による広告の閲覧が完了したか否かを判定する。例えば、照会処理部103は、受取人の端末から閲覧完了の通知を受けた場合、受取人による広告の閲覧が完了したと判定する。広告の閲覧が完了した場合、処理はS147へと進む。一方、広告の閲覧が完了せず、口座照会の処理が中止された場合(通信の遮断やアプリの終了など)、図15に示した一連の処理は終了する。
(S147)照会処理部103は、振込を行った支払人及び広告を閲覧した受取人の組み合わせに対応する契約/実績DB116のレコードを特定し、特定したレコードに含まれる月別の閲覧回数のうち、振込時点に対応する月の閲覧回数を更新する。支払人が複数の広告主と契約している場合、各広告主に対応するレコードが特定され、各レコードに含まれる該当月の閲覧回数が更新される。
(S148)照会処理部103は、受取人の端末(例えば、受取人端末30)に受取人の口座情報(照会結果)を表示させる。S148の処理が完了すると、図15に示した一連の処理は終了する。
(報酬計算の処理)
次に、図16を参照しながら、広告の掲載及び閲覧に応じて支払われる報酬の計算に関する処理について説明する。図16は、本実施形態に係る広告付き振込サービスにおける報酬計算の処理について説明するためのフロー図である。なお、図16に示した処理は、主に、銀行システム10の報酬計算部104により実行される。
(S151)報酬計算部104は、支払人毎に当月の総閲覧回数N1を計算する。例えば、広告主C1、C2と広告掲載契約を締結している支払人Aが、1月中に、受取人B1、B2に1回の振込を行い、受取人B1、B2がそれぞれ口座照会を行った場合、1月の総閲覧回数N1は4となる。但し、総閲覧回数N1は各広告主について計算されてもよい。この場合、広告主C1についての総閲覧回数N1(C1)は2、広告主C2についての総閲覧回数N1(C2)は2となる。
(S152)報酬計算部104は、S151で計算した総閲覧回数N1に基づいて、各支払人に支払われる報酬額X1を計算する。例えば、1回の閲覧に対する報酬額(報酬単価P)が一定の場合、報酬額X1は、「N1×P」となる。但し、報酬単価Pは、広告主毎に異なってもよい。この場合、上記の例において、広告主C1の報酬単価がP1、広告主C2の報酬単価がP2であれば、報酬額X1は、「2×P1+2×P2」となる。
(S153)報酬計算部104は、受取人毎に当月の総閲覧回数N2を計算する。例えば、広告主C1、C2と契約している支払人A1、及び広告主C1と契約している支払人A2のそれぞれから、受取人Bが、1月中に1回の振込を受け、その後に口座照会を行った場合、1月の総閲覧回数N2は3となる。但し、総閲覧回数N2は各広告主について計算されてもよい。この場合、広告主C1についての総閲覧回数N2(C1)は2、広告主C2についての総閲覧回数N2(C2)は1となる。
(S154)報酬計算部104は、S153で計算した総閲覧回数N2に基づいて、各受取人に支払われる報酬額X2を計算する。例えば、1回の閲覧に対する報酬額(報酬単価Q)が一定の場合、報酬額X2は、「N2×Q」となる。但し、報酬単価Qは、広告主毎に異なってもよい。この場合、上記の例において、広告主C1の報酬単価がQ1、広告主C2の報酬単価がQ2であれば、報酬額X2は、「2×Q1+1×Q2」となる。
(S155)報酬計算部104は、各広告主に請求すべき広告料Yを計算する。広告料Yは、対象となる広告主と広告掲載契約を締結している支払人に支払われる報酬額と、その支払人による振込に伴って、その広告主の広告を閲覧した受取人に支払われる報酬額との合計額である。
(S156、S157、S158)報酬計算部104は、広告DB115を参照し、各広告主の口座から広告料を徴収する。また、報酬計算部104は、各支払人が支払う振込手数料から報酬額X1を減額する。また、報酬計算部104は、受取人DB114を参照し、各受取人の口座に報酬額X2を入金する。なお、報酬額X1は、振込手数料を減額する形で支払われてもよいし、口座振込により支払われてもよい。また、報酬額X2は、電子マネーやクーポンなどの有価ポイントで支払われてもよい。
S158の処理が完了すると、図16に示した一連の処理は終了する。なお、上述した処理の一部は実行順序を入れ替えてもよい。例えば、S151−S152の処理と、S153−S154の処理とは入れ替えることが可能である。このような変形例も本実施形態の技術的範囲に属する。また、他の変形例として、広告主毎に報酬単価が異なる場合、報酬単価が高い順に、所定数の広告のみ表示されるように変形してもよい。この変形例によれば、支払人が多数の広告主と広告掲載契約を締結した場合でも、受取人に表示される広告の数を制限できると共に、その制限下で、より多くの報酬が得られるようになる。
<2.変形例>
次に、本実施形態に係る変形例について説明する。
上記の説明では、支払人が広告主を選択し、選択された広告主に情報を開示した上で、広告主が広告掲載契約を締結するかを問い合わせていたが、この仕組みを、広告主が支払人を選択する仕組みに変形することが可能である。ここでは、一変形例として、広告主が支払人を選択する仕組みについて説明する。
図17を参照しながら、上述した変形例に係る広告掲載契約の締結に関する処理について説明する。図17は、本実施形態の一変形例に係る広告掲載契約の締結に関する処理について説明するためのシーケンス図である。
(S161、S162)広告主端末40は、銀行システム10に対して広告掲載契約の手続き開始を要求する。この要求を受け、銀行システム10は、支払人DB113を参照し、開示OKに設定されている支払人の情報を広告主端末40に提供する。
(S163、S164)広告主端末40は、銀行システム10から提供を受けた支払人の開示情報を画面上に表示し、広告主40aによる支払人の選択を促すメッセージを表示する。広告主40aによって契約対象の支払人が選択されると、広告主端末40は、選択された支払人を銀行システム10に通知する。
(S165、S166)銀行システム10は、振込履歴DB112を参照し、広告主端末40から通知された支払人から過去に振込を受けたことがある受取人(受取実績がある受取人)を特定する。また、銀行システム10は、受取人DB114を参照し、受取実績がある受取人のうち、広告閲覧OKの受取人について、開示OKに設定されている受取人の情報を広告主端末40に提供する。
(S167、S168)広告主端末40は、銀行システム10から提供を受けた受取人の開示情報を画面上に表示し、広告主40aによる受取人の選択を促すメッセージを表示する。広告主40aは、広告主端末40を操作して契約対象の受取人を選択する。広告主40aによって契約対象の受取人が選択されると、広告主端末40は、選択された受取人を銀行システム10に通知する。
(S169、S170)銀行システム10は、S164で広告主端末40から通知された支払人と広告主40aとを対応付けるレコードを契約/実績DB116に登録する。また、銀行システム10は、S168で広告主端末40から通知された受取人と広告主40aとを対応付けるレコードを契約/実績DB116に登録する。登録が完了すると、銀行システム10は、広告掲載契約の完了を広告主端末40に通知する。
契約/実績DB116への登録が完了すると、広告主40aは広告付き振込サービスを受けることができ、広告主40aの広告が、登録された支払人の振込に応じて、登録された受取人に表示される。但し、支払人の振込先は変化しうる。例えば、給与振込であっても、従業員の退職や新入社員の加入などによって振込先が変わる。このような場合、広告主40aは契約内容を更新したいと考えるだろう。このような場合に、S171以降の処理が実行されうる。
(S171)広告主端末40は、広告主40aの操作に応じて、受取人の再抽出依頼を銀行システム10に送信する。なお、一定の期間が経過する度に、広告主端末40から受取人の再抽出依頼が自動的に送信されるようにしてもよい。
(S172、S173)銀行システム10は、振込履歴DB112を参照し、広告主40aに対応付けられている支払人から過去に振込を受けたことがある受取人(受取実績がある受取人)を特定する。また、銀行システム10は、受取人DB114を参照し、受取実績がある受取人のうち、広告閲覧OKの受取人について、開示OKに設定されている受取人の情報を広告主端末40に提供する。
(S174、S175)広告主端末40は、銀行システム10から提供を受けた受取人の開示情報を画面上に表示し、広告主40aによる受取人の選択を促すメッセージを表示する。広告主40aは、広告主端末40を操作して契約対象の受取人を選択する。広告主40aによって契約対象の受取人が選択されると、広告主端末40は、選択された受取人を銀行システム10に通知する。
S175の処理が完了すると、処理はS169へと進み、銀行システム10により契約/実績DB116が更新される。そして、広告主端末40に広告掲載契約の完了が通知される。その後も、上記と同様にS171以降の処理が実行されうる。これにより、広告主40aは、支払人と受取人との関係変化に対応することができる。
ここで、図18を参照しながら、上記のS162及びS166で広告主40aに開示情報を提供する際に広告主端末40に表示される開示情報の表示方法について、より具体的に説明する。図18は、本実施形態の一変形例に係る広告掲載契約の締結時に広告主端末に表示される開示情報及びその表示方法について説明するための説明図である。
図18には、広告主端末40に表示される選択画面41の例が示されている。選択画面41には、支払人情報42、43が表示されている。支払人情報42、43は、開示OKに設定されている支払人の情報であり、銀行システム10から広告主端末40に提供される開示情報の一例である。
選択画面41において支払人情報42、43にはチェックボックスが設けられており、広告主40aがチェックを入れると、支払人情報42、43の支払人に関係する受取人の情報が表示される。つまり、広告主40aが契約対象の支払人を選択すると、選択した支払人からの受取実績がある受取人の情報が表示される。
図18の選択画面41には、支払人情報42に関連付けて受取人情報421、422、423が表示されている。受取人情報421、422、423にもチェックボックスが設けられており、そのチェックボックスにチェックを入れることで、チェックされた受取人情報の受取人が契約対象になる。同様に、選択画面41には、支払人情報43に関連付けて受取人情報431、432が表示されており、チェックボックスにチェックを入れることで契約対象の受取人を選択することができる。
上記のように、支払人からの受取実績がある受取人の開示情報を抽出して広告主40aに提示することで、広告の表示対象となる受取人を容易に選択できるようになる。さらに、支払人の開示情報と共に、受取実績がある受取人の開示情報を提示することで、どのような受取人に対して振込を行っている支払人なのかを広告主が理解でき、支払人の開示情報だけでは推察できない支払人の特性を理解することができる。これにより、広告主は、広告内容に適したターゲットを選択できるようになる。
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る実施形態及びその変形形態について例示したが、本発明は、これらの例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、様々な変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。