JP6819958B2 - 線形摩擦接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は金属材同士を固相接合する線形摩擦接合方法に関する。
鋼やアルミニウム合金等の金属材料の高強度化に伴い、接合構造物の機械的特性を決定する接合部での強度低下が深刻な問題となっている。これに対し、近年、接合中の最高到達温度が被接合材の融点に達せず、接合部における強度低下が従来の溶融溶接と比較して小さい固相接合法が注目され、急速に実用化が進んでいる。
特に、金属部材同士を線形軌跡で摺動させる線形摩擦接合(LFW:Lineaer Friction Welding)は、摩擦攪拌接合(FSW:Friction Stir Welding)のようにツールを用いる必要がないことから、高融点金属にも容易に適用することができ、種々の産業における実用化が期待されている。
しかしながら、線形摩擦接合の接合機構や適切なプロセス制御方法等については必ずしも明らかになっておらず、多数の予備試験や経験等に基づき、各被接合材に対する接合条件の最適化が行われているのが実情である。
これに対し、例えば、特許文献1(特開2015−164738号公報)では、一方の部材を他方の部材に当接させた状態でそれらを同一軌跡上で繰り返し相対移動させて、前記一方の部材を前記他方の部材に摩擦接合する摩擦接合装置であって、前記一方の部材の前記他方の部材に対する相対移動の停止指令にしたがって、該停止指令の発生から前記一方の部材が前記他方の部材に対して前記軌跡を一回相対移動するまでの期間中に前記一方の部材の前記他方の部材に対する相対移動を停止させる停止手段を備えること、を特徴とする摩擦接合装置が開示されている。
上記特許文献1に記載の摩擦接合装置においては、一方の部材を他方の部材に当接させた状態でそれらを同一軌跡上で繰り返し相対移動させて摩擦接合する際に、相対移動の停止命令をどのタイミングで発生させれば、2つの部材が適切な接合状態となるタイミングで両者の相対移動が丁度停止するかを、特定しやすくすることができる、としている。
特開2015−164738号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている摩擦接合方法は、停止指令の発生からアクチュエータの停止までにかかる期間を短縮し、摩擦接合量を制御するものであり、摩擦圧接時の変形が問題となる薄板の接合を可能とするものではない。薄板は自動車等の製造において大量に使用されており、溶融溶接と比較して高い継手特性が得られる線形摩擦接合の適用が切望されている。
従来の線形摩擦接合は接合界面から軟化したバリを排出することで新生面を当接させて接合を達成するものであり、基本的には摩擦熱によって被接合界面近傍を十分に昇温(軟化)する必要がある。ここで、被接合材が薄板の場合は剛性及び強度が低く、摩擦熱によって温度が上昇すると、被接合界面近傍以外の部分でも変形が生じてしまう。
以上のような従来技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、板厚が3mm以下の薄板であっても良好な継手を形成することができる線形摩擦接合方法を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成すべく、接合温度に及ぼす接合条件の関係等について鋭意研究を重ねた結果、接合圧力と接合温度が密接に関係していることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
一方の部材を他方の部材に当接させて被接合界面を形成する第一工程と、
前記被接合界面に対して略垂直に圧力を印加した状態で、前記一方の部材と前記他方の部材とを同一軌跡上で繰り返し摺動させ、前記被接合界面からバリを排出させる第二工程と、
前記摺動を停止して接合面を形成する第三工程と、を有し、
前記一方の部材及び前記他方の部材の少なくとも一方を、板厚が3mm以下の薄板とし、
前記圧力を、前記第二工程における前記被接合界面の所望の最高到達温度における前記薄板の降伏応力以上に設定して前記バリを排出させること、
を特徴とする線形摩擦接合方法を提供する。
図1に線形摩擦接合中の状況を示す模式図を示す。線形摩擦接合は被接合材同士を線形運動で擦りあわせた際に生じる摩擦熱を主な熱源とする固相接合である。従来の線形摩擦接合においては、昇温によって軟化した材料を被接合界面からバリとして排出することで、被接合界面に形成していた酸化被膜を除去し、新生面同士を当接させることで接合部が得られるとされている。
線形摩擦接合においては被接合材同士の摺動により摩擦熱を発生させる場合、印加圧力の増加に伴い発熱量が増加し、接合温度は高くなると考えるのが一般的である。しかしながら、本発明者が鋭意検討を行ったところ、印加圧力の増加に伴って接合界面近傍の温度(所謂、「接合温度」)が低下するという現象が認められた。
具体的には、線形摩擦接合の印加圧力を増加させると当該摩擦熱は増加するが、軟化した材料はバリとなって連続的に排出されるため、軟化した材料に印加される圧力(バリを排出する力)によって「接合温度」が決定される。つまり、印加圧力を高く設定した場合、より高い強度(降伏強度が高い状態)の被接合材をバリとして排出することができる。ここで、「より降伏強度が高い状態」とは、「より低温の状態」を意味していることから、印加圧力の増加によって「接合温度」が低下することになる。降伏強度と温度の関係は材料によって略一定であることから、摩擦熱を用いた場合と比較して、極めて正確に接合温度を制御することができる。
即ち、本発明においては、線形摩擦接合中の印加圧力を前記第二工程における前記被接合界面の所望の最高到達温度における薄板(被接合材)の降伏応力以上に設定することで、加熱されて軟化した領域は速やかにバリとして排出され、摩擦熱の熱伝導によって必要以上に軟化部(高温部)が広がることを抑制することができる。この場合、被接合界面から離れた位置の温度は被接合界面近傍の温度(接合温度)よりも低く、印加している圧力で塑性変形することはない。この結果、板厚が3mm以下の薄板であっても線形摩擦接合中にその形状を維持することができる。
本発明の線形摩擦接合方法においては、前記一方の部材及び/又は前記他方の部材を鉄系金属とすること、が好ましい。鉄系金属は線形摩擦接合の接合プロセスに耐え得る機械的特性を有していることから、被接合材を鉄系金属とすることで、接合プロセス中における不要な箇所での変形等を防止することができる。加えて、線形摩擦接合は固相接合であり、一般的な溶融接合では顕著に認められる接合部の機械的特性の低下を抑制することができる。なお、本発明において鉄系金属とは、組成において鉄を主とする金属を意味し、例えば、種々の鋼や鋳鉄等が含まれる。
また、本発明の線形摩擦接合方法においては、前記最高到達温度を被接合材として用いる鉄系金属のA点以下とすること、が好ましい。鉄系金属では相変態によって脆いマルテンサイトが形成し、接合が困難な場合及び接合部が脆化してしまう場合が存在する。これに対し、本発明の線形摩擦接合方法によって最高到達温度をA点以下とすることで、相変態が生じないことから、脆いマルテンサイトの形成を完全に抑制することができる。
また、本発明の線形摩擦接合方法においては、前記一方の部材及び/又は前記他方の部材をチタン又はチタン合金とすること、が好ましい。チタン又はチタン合金は線形摩擦接合の接合プロセスに耐え得る機械的特性を有していることから、被接合材をチタン又はチタン合金とすることで、接合プロセス中における不要な箇所での変形等を防止することができる。加えて、線形摩擦接合は固相接合であり、一般的な溶融接合では顕著に認められる接合部の機械的特性の低下を抑制することができる。
更に、本発明の線形摩擦接合方法においては、被接合材をチタン又はチタン合金とした場合の前記最高到達温度を、前記チタン又はチタン合金のβトランザス温度以下とすること、が好ましい。最高到達温度をチタン又はチタン合金のβトランザス温度以下とすることで、接合部の組織を微細等軸粒とすることができ、高い強度と靭性を兼ね備えた接合部を形成することができる。
本発明によれば、薄板であっても良好な継手を形成することができる線形摩擦接合方法を提供することができる。
本発明の線形摩擦接合の一態様を示す模式図である。 本発明の線形摩擦接合の接合工程を示す模式図である。 各温度における炭素鋼の変形応力(降伏応力)を示すグラフである。 各温度における各種金属の引張強度を示すグラフである。 実施例1で得られた接合部の断面観察結果である(200MPa)。 実施例2で得られた接合部の断面観察結果である(250MPa)。 実施例で得られた接合部の接合中心部及び接合端部の粒界マッピング及び粒径分布である(250MPa)。 実施例で用いた被接合材の応力ひずみ曲線である。
以下、図面を参照しながら本発明の線形摩擦接合方法の代表的な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
図2は本発明の線形摩擦接合の接合工程を示す模式図である。本発明の線形摩擦接合方法は、一方の部材2を他方の部材4に当接させて被接合界面6を形成する第一工程と、被接合界面6に対して略垂直に圧力を印加した状態で、一方の部材2と他方の部材4とを同一軌跡上で繰り返し摺動させ、摺動の方向と略平行及び略垂直に被接合界面からバリ8を排出させる第二工程と、摺動を停止して接合面を形成する第三工程と、を有している。以下、各工程について詳細に説明する。
(1−1)第一工程
第一工程は、一方の部材2を他方の部材4に当接させて被接合界面6を形成する工程である。接合部の形成を所望する箇所に一方の部材2及び/又は他方の部材4を移動させ、被接合面同士を当接させ、被接合界面6を形成する。
一方の部材2及び他方の部材4の材質は、本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されず、線形摩擦接合によって接合可能な金属相を有していればよいが、鉄系金属、チタン又はチタン合金であること、が好ましい。鉄系金属、チタン又はチタン合金は線形摩擦接合の接合プロセスに耐え得る機械的特性を有していることから、被接合材をこれらの金属とすることで、接合プロセス中における不要な箇所での変形等を防止することができる。加えて、線形摩擦接合は固相接合であり、一般的な溶融接合では顕著に認められる接合部の機械的特性の低下を抑制することができる。
また、本発明の線形摩擦接合においては、一方の部材2及び/又は他方の部材4の板厚は3mm以下である。その他のサイズ及び形状は、本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されず、線形摩擦接合装置によって所望の加圧及び加振等を実現できるものであればよいが、被接合界面6を正方形又は長方形とすることが好ましい。被接合界面6を正方形又は長方形とすることで、バリ8の排出状況を指標にして接合(摺動)を停止するタイミングを決定することができる。
(1−2)第二工程
第二工程は、被接合界面6に対して略垂直に圧力Pを印加した状態で、一方の部材2と他方の部材4とを同一軌跡上で繰り返し摺動させ、摺動の方向と略平行及び略垂直に被接合界面6からバリ8を排出させる工程である。
一方の部材2と他方の部材4とを同一軌跡上で繰り返し摺動させる方法は、本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されず、両方の部材を共に加振させても、一方を固定して他方を加振させてもよい。
ここで、本発明の線形摩擦接合においては、線形摩擦接合時の圧力Pを、所望する接合温度における一方の部材及び/又は他方の部材の降伏応力以上に設定することで、接合温度及び昇温領域を制御することができ、板厚が3mm以下の薄板であっても良好な継手を形成することができる。
圧力Pを所望する接合温度における被接合材の降伏応力以上とすることで、被接合界面6からのバリ8の排出が開始され、引張強度までの間で圧力Pを増加させると、バリ8の排出が加速されることになる。降伏応力と同様に、特定の温度における引張強度も被接合材によって略一定であることから、設定した圧力Pに対応する接合温度を実現することができる。
具体例として、各温度における炭素鋼の変形応力(降伏応力)を図3に、各温度における各種金属の引張強度を図4に、それぞれ示す。なお、図3は「鉄と鋼,第67年(1981)第11号,140頁」に掲載されたグラフであり、図4は「鉄と鋼,第72年(1986)第6号,55頁」に掲載されたグラフである。これらの図に示されているように、特定の温度における引張強度及び降伏応力は材料によって略一定である。
即ち、接合時の圧力Pを高く設定した場合、より高い降伏強度及び引張強度の被接合材をバリとして排出することができ、接合温度を低下させることができると共に、昇温領域の拡大を抑制することができる。加えて、被接合界面6から離れた位置の温度は被接合界面6近傍の温度(接合温度)よりも低く、印加している圧力Pで塑性変形することはない。また、図3及び図4に示されているとおり、特定の温度における引張強度及び降伏応力は材料によって略一定であることから、極めて正確に接合温度を制御することができる。
また、より正確に接合温度を制御するためには、圧力Pを所望する接合温度における一方の部材及び/又は他方の部材の降伏応力に設定することが好ましい。線形摩擦接合において、バリ8の排出が開始されるのは圧力Pが降伏応力に達した瞬間であり、圧力Pをより高い値(引張強度を上限として)とした場合に比べて、より正確に接合温度を規定することができる。
換言すると、摩擦熱による温度上昇によって被接合材の降伏応力が低下し、当該降伏応力が圧力Pよりも低くなった瞬間にバリ8の排出が開始される。ここで、被接合材を摺動させる振幅や周波数を増加させることによって昇温速度は増加するが、最高到達温度(接合温度)は変化しない。
線形摩擦接合においては、圧力P以外の接合パラメータ(被接合材を加振する周波数及び振幅、接合時間及び依り代等)も設定する必要があるが、本発明の効果を損なわない限りにおいてこれらの値は制限されず、被接合材の材質、形状及びサイズ等によって適宜設定すればよい。
一方の部材2及び/又は他方の部材4を鉄系金属とする場合、接合温度を被接合材として用いる鉄系金属のA点以下とすること、が好ましい。鉄系金属では相変態によって脆いマルテンサイトが形成し、接合が困難な場合及び接合部が脆化してしまう場合が存在する。これに対し、本発明の線形摩擦接合方法によって接合温度をA点以下とすることで、相変態が生じないことから、脆いマルテンサイトの形成を完全に抑制することができる。
また、一方の部材2及び/又は他方の部材4をチタン又はチタン合金とする場合、接合温度を、チタン又はチタン合金のβトランザス温度以下とすること、が好ましい。接合温度をチタン又はチタン合金のβトランザス温度以下とすることで、接合部の組織を微細等軸粒とすることができ、高い強度と靭性を兼ね備えた接合部を形成することができる。
(1−3)第三工程
第三工程は、第二工程における摺動を停止して接合面を形成する工程である。本発明の線形摩擦接合方法においては、被接合界面6の全面からバリ8が排出された後に摺動を停止させることで、良好な接合体を得ることができる。なお、第二工程において被接合材に印加した圧力Pはそのまま維持してもよく、バリ8を排出すると共に新生面をより強く当接させる目的で、より高い値としてもよい。
ここで、被接合界面6の全面からバリ8が排出された後であれば摺動を停止するタイミングは限定されないが、摺動の方向に対して略垂直の方向から被接合界面6を観察し、バリ8が摺動の方向に対して略平行に排出された瞬間に摺動の停止を実行することで、バリ8の排出量を最小限に抑えつつ(被接合材の消費を最小限に抑えつつ)、良好な接合部を形成することができる。なお、「摺動の方向と略垂直方向」及び「摺動の方向と略平行方向」は、共に印加圧力に対して略垂直の方向である。
線形摩擦接合の接合プロセスは高速で進行することに加え、摺動の停止を実行した後、完全に動作が停止するまでに0.2〜0.5秒経過するのが一般的である。よって、バリ8の排出を最小限に抑えつつ、被接合界面の全面に良好な接合領域を形成することは極めて困難であるが、バリ8が摺動の方向に対して略平行に排出された瞬間に摺動の停止を実行することで、これを実現することができる(バリ8が摺動の方向に対して略平行に排出された瞬間から摺動が完全に停止する間に、被接合界面の全面に接合領域が形成される)。
また、摺動の方向に対して略垂直の方向から被接合界面6を観察し、摺動の方向に対して略垂直に排出されるバリ8が被接合界面6の上下両端に達した瞬間に摺動を停止することで、摺動の方向に対して略平行にバリ8が排出された瞬間に摺動を停止する場合と比較して、バリ8の排出量は若干多くなるものの、より確実に酸化物の除去等を達成することができる。
ここで、摺動の方向に対して略垂直の方向から被接合界面6を観察することで、摺動の方向に対して略垂直に排出されるバリ8が被接合界面6の上下両端に達した瞬間を容易に把握することができる。具体的には、バリ8の排出に伴い被接合界面6が発光するため、当該発光が被接合界面6の上下両端に達した瞬間を観察すればよい。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。
≪実施例1≫
被接合材に板厚2.6mmの中炭素鋼(JIS−S45C:0.48%C−0.77%Mn−0.23%Si−0.08%Cr)薄板を用い、線形摩擦接合を施した。なお、被接合材の母材組織はフェライト・パーライト組織であった。ここで、各温度における中炭素鋼(JIS−S45C)の降伏応力は図3のC=0.53wt%の線を参照することができ、接合温度を略950℃に設定すると、降伏応力は略150MPaとなる。よって、線形摩擦接合時に印加する圧力を150MPaよりも高い200MPaとし、加振の周波数を15Hz、振幅を2mmとして実施接合体1を得た。なお、実施接合体1においては、接合プロセスによる変形等は認められなかった。
≪実施例2≫
印加圧力を250MPaとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施接合体2を得た。なお、実施接合体2においては、接合プロセスによる変形等は認められなかった。
得られた実施接合体1及び実施接合体2は切断及び研磨後、光学顕微鏡および走査電子顕微鏡(SEM)を用いて断面組織観察を行った。なお、SEMには日本電子株式会社製のJSM−7001FAを用いた。
図5に印加圧力を200MPaとして得られた実施接合体1の接合部断面の光学顕微鏡写真及び接合部のSEMミクロ組織を示す。なお、SEMミクロ組織の観察位置は、光学顕微鏡写真の(a)及び(b)に対応している。
印加圧力を200MPaとした場合、未接合領域や欠陥等は認められず、良好な接合部が形成されている。また、(a)では微細なフェライト及び球状のセメンタイトが観察され、当該領域においては接合温度が被接合材のA点以下となっていることが分かる。一方で、(b)ではマルテンサイトが形成されており、これらの領域では接合温度がA点以上となっている。
図6に印加圧力を250MPaとして得られた継手接合部断面の光学顕微鏡写真及び接合部のSEMミクロ組織を示す。なお、SEMミクロ組織の観察位置は、接合部断面の中心及び端部に対応している。
印加圧力を250MPaとした場合、接合部の全てにおいて微細なフェライト及び球状のセメンタイトからなる組織が観察された。当該結果は、接合温度が接合部の全領域で被接合材のA点以下となっていることを意味している。当該結果より、印加圧力を200MPaから250MPaに増加させることで、接合温度が低下することが分かる。
図7に印加圧力を250MPaとして得られた継手の接合中心部及び接合端部の粒界マッピング及び粒径分布を示す。なお、測定にはFE−SEM(日本電子株式会社製JSM−7001FA)及びTSL社製のOIMdatacollection ver5.31を用いた。接合中心部の平均粒径は0.70μm、接合端部の平均粒径は0.48μmとなっており、共に平均粒径が1μm以下の微細粒が形成されていることが分かる。
また、熱画像カメラ(CINO社製 CPA−T640)を用い、接合中の最高到達温度(接合温度)を測定した。熱画像カメラによって得られる値の絶対値は必ずしも正確ではないが、接合温度に及ぼす接合条件の影響について、傾向を把握することができる。
熱画像カメラによって計測された接合温度は、印加圧力が200MPaの場合に677℃、250MPaの場合に600℃であった。熱画像カメラによって測定できるのは接合部の表面近傍の温度であるが、接合温度は印加圧力の増加に伴って明瞭に減少している。
更に、被接合材の温度と降伏応力及び引張強度の関係を明らかにするために、種々の温度で被接合材の高温引張試験を行った。試験温度は、被接合材においてA点以下となる700℃、A点〜A点の温度となる740℃、及びA点以上となる800℃とし、引張速度は印加圧力を100、200及び250MPaで線形摩擦接合を施した場合の寄り速度の平均値である2.8mm/sとした。各温度で3回の試験を行い、得られた応力ひずみ曲線を図8に示す。
いずれの温度においても、降伏後に加工硬化が進行し、引張強度に達した後に応力が低下している。図8から得られる0.2%耐力(降伏応力)及び引張強度を表1に示す。試験温度の上昇に伴って0.2%耐力(降伏応力)及び引張強度が低下しており、0.2%耐力(降伏応力)に着目すると、接合部の全ての領域で接合温度がA点以下となった接合条件の印加圧力が250MPaであったことに対し、700℃(A点以下)における降伏応力が212.6MPaとなっており、非常によい一致を示している。
2・・・一方の部材、
4・・・他方の部材、
6・・・被接合界面、
8・・・バリ。

Claims (5)

  1. 一方の部材を他方の部材に当接させて被接合界面を形成する第一工程と、
    前記被接合界面に対して略垂直に圧力を印加した状態で、前記一方の部材と前記他方の部材とを同一軌跡上で繰り返し摺動させ、前記被接合界面からバリを排出させる第二工程と、
    前記摺動を停止して接合面を形成する第三工程と、を有し、
    前記一方の部材及び前記他方の部材の少なくとも一方を、板厚が3mm以下の薄板とし、
    前記圧力を、前記第二工程における前記被接合界面の所望の最高到達温度における前記薄板の降伏応力以上に設定して前記バリを排出させること、
    を特徴とする線形摩擦接合方法。
  2. 前記一方の部材及び/又は前記他方の部材を鉄系金属とすること、
    を特徴とする請求項1に記載の線形摩擦接合方法。
  3. 前記最高到達温度を前記鉄系金属のA点以下とすること、
    を特徴とする請求項2に記載の線形摩擦接合方法。
  4. 前記一方の部材及び/又は前記他方の部材をチタン又はチタン合金とすること、
    を特徴とする請求項1に記載の線形摩擦接合方法。
  5. 前記最高到達温度を前記チタン又はチタン合金のβトランザス温度以下とすること、
    を特徴とする請求項4に記載の線形摩擦接合方法。
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