JP6818354B2 - 歩行型作業車両用の挟圧安全装置 - Google Patents

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Description

本発明は、歩行型作業車両用の挟圧安全装置に関し、特に、車体後方に備えられたハンドル杆と共にクラッチ杆を作業者が把持して操作するようになされた歩行型作業車に適用して好適なものである。
従来、車体に備えられた動力源から動力を得て自動走行する車両に対し、車体後方に備えられたハンドル杆を把持した作業者が随行するようになされた歩行型作業車両が知られている。この種の歩行型作業車両には、ハンドル杆の近傍にクラッチ杆が備えられ、作業者がクラッチ杆を操作することにより、動力源から走行車輪への動力の伝達をオン/オフできるようになされたものが多い。例えば、作業者がハンドル杆と共にクラッチ杆を握ると伝達状態となり、クラッチ杆から手を放すと遮断状態となるように成されたデッドマンクラッチが広く用いられている。
ハンドル杆には、左右に独立した2つの杆を手のひらでグリップ可能に構成したもの(2グリップ式という)と、左右の縦方向の杆部の間にも横方向の杆部を横架させてハンドルをループ状に構成したもの(ループ式という)とがある。ハンドル杆と共に把持するクラッチ杆は、2グリップ式またはループ式のハンドル杆の形状に合わせて構成されるのが通常である。すなわち、ハンドル杆が2グリップ式の場合は、クラッチ杆も左右の何れかで構成される。一方、ハンドル杆がループ式の場合は、クラッチ杆は左右に横架するバー形状として構成される(ループクラッチレバーという)。
従来、ハンドル杆のクラッチ杆と対向する把持部面を窪ませて、作業者がハンドル杆と共にクラッチ杆を握ったときに、クラッチ杆がハンドル杆の窪みに嵌合するような構成とすることにより、クラッチ杆の操作性を高め、作業者に疲労の少ない作業操作を行わせることを可能にした操作ハンドルも知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上述したデッドマンクラッチは、ハンドル杆と共に握ったクラッチ杆から手を放せば動力源からの伝動が切れるという安全機構である。しかしながら、歩行型作業車両を後進させているときに、作業者が背後の障害物と車両との間にクラッチ杆ごと挟まれ、挟まれた体によってクラッチ杆を戻すことができずに動力源からの伝動が切れない状態となってしまうことが起こり得る。歩行型作業車両を後進させる場合としては、例えば、方向転換(狭所での旋回・切り返し)、畝合わせ、車庫からの出し入れなどがある。
これに対し、後進時における作業者の挾圧事故を防止することを目的とした安全装置が提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。特許文献2には、車両後方の左右に独立した2つのハンドル杆を備える2グリップ式の作業車両において、左右のハンドル杆の間に操作レバーを横架し、この操作レバーを下方向に押し下げることによって車両を停止させることができるようにした停止操作レバー構造が記載されている。
また、特許文献3には、ハンドル杆の後端よりも後方へ突出させた挾圧杆と、デッドマンクラッチを「入」状態に保持する保持手段とを設けるとともに、挾圧杆を前後移動可能に構成し、挾圧杆の前方移動によって保持手段の保持を解除可能に構成した走行安全装置が記載されている。
特開2005−38141号公報 実開昭63−34666号公報 特開2005−88769号公報
しかしながら、特許文献2に記載の停止操作レバー構造では、作業者が背後の障害物との間に挟まれそうになった場合、停止操作レバーが作業者の体に押されて、クラッチが解除されることで車両を停止させることができる。しかし、停止操作レバーがハンドルバーと共に上方に持ち上がると、停止操作レバーがハンドルバーに対して相対的に下方に押し下げられず、適切に作動しない場合がある。また、停止操作レバーの範囲外であるハンドルグリップ部分と背後の障害物との間に作業者が挟まれた場合には、停止操作レバーの機能を発揮することができない。
一方、特許文献3に記載の走行安全装置の場合は、作業者が背後の障害物と車両との間に挟まれた状態になると、ハンドル杆の後端よりも後方へ突出した挾圧杆を作業者の身体が前方に押すことになるため、クラッチ杆から手を放さなくてもデッドマンクラッチの「入」状態を解除することが可能である。しかしながら、このようにデッドマンクラッチの保持状態を解除することができるのは、作業者が作業車両によってほぼ水平方向に挾圧された場合に限られる。
すなわち、特許文献3に記載の走行安全装置は、前方のテンション転輪と後方の駆動スプロケットとその下方の複数の接地転輪とにクローラベルトを巻き掛けたクローラ走行装置を備えた装軌式の作業車両に適用することを想定したものであり、左右に2輪のみを備えた歩行型作業車両に適用することは想定されていない。2輪の歩行型作業車両の場合、作業者が背後の障害物と車両のハンドル杆との間に挟まれたときに、ハンドル杆は上昇しようとして、障害物から下方向への反力を受けるが、特許文献3に記載の走行安全装置を歩行型作業車両用に適用しても、このような上下方向に力が加わる挟圧事故は有効に防ぐことができない。
なお、2輪の歩行型作業車両においてハンドル杆が上昇する理由はいくつかあるが、主なものとしては次の4つが考えられる。
(1)後進時の走行速度段が高速の場合、エンジン回転数が高いままクラッチをつないでしまうと、走行車輪を中心に急な角加速度が発生して、ハンドル杆に上向きの力が発生する。
(2)ハンドル杆は、壁に対して水平よりも上向きに取り付けられているので、走行速度段が低速の場合であっても、後進時に障害物にぶつかると、後進しようとする力が上方向に作用する。
(3)ハンドル杆を持ち上げた方が、狭いところでも歩行型作業車両を旋回させることができるため、作業者が自分でハンドル杆を上昇させることがある。
(4)歩行型作業車両の設定や地面の状況によって、ロータリの耕うん爪が固い土に当たったときにハンドル杆が跳ね上がることがある。
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、ハンドル上昇による挟圧が生じたときに、挟まれた作業者の身体によってクラッチ杆を戻すことができずに動力源からの伝動が切れない状態となるのを防止することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、ハンドル杆の上方に配置されて作業者がハンドル杆と共に把持するクラッチ杆が、ハンドル杆から離間した状態で動力源から車輪の駆動部への動力の伝達を切断状態にするための第1姿勢と、第1姿勢からハンドル杆の側に近づいた状態で動力源から駆動部への動力の伝達を伝達状態にするための第2姿勢と、第2姿勢からハンドル杆の側に更に近づいた状態の第3姿勢とを有する。そして、クラッチ杆に対して所定値未満の荷重が付加されたときにはクラッチ杆を第2姿勢で停止させ、所定値以上の荷重が付加されたときにはクラッチ杆を第3姿勢へと遷移させるように、クラッチ杆の姿勢を規制する一方、クラッチ杆が第3姿勢になったことを検知したときに、駆動部に対する動力の伝達を停止させるようにしている。
上記のように構成した本発明によれば、歩行型作業車両の通常の運転状態では、クラッチ杆に対して所定値以上の荷重が付加されることはなく、作業者がクラッチ杆を第1姿勢にしたり第2姿勢にしたりして、歩行型作業車両の運転が行われる。これに対し、クラッチ杆を第2姿勢にして歩行型作業車両を後進させているときに、作業者が背後の障害物とクラッチ杆との間に挟まれ、ハンドル杆と共にクラッチ杆が上昇しようとすると、挟まれた作業者の身体を通じてクラッチ杆が障害物から下方向への反力を受けることにより、クラッチ杆に対して所定値以上の荷重が付加され、クラッチ杆が第3姿勢に遷移するため、車輪の駆動部に対する動力の伝達が停止する。これにより、ハンドル上昇による挟圧が生じたときに、挟まれた作業者の身体によってクラッチ杆を戻すことができずに動力源からの伝動が切れない状態となるのを防止することができる。
本実施形態による挟圧安全装置が適用される歩行型作業車両の外観構成例を示す図である。 本実施形態の歩行型作業車両を上方から見た平面図であり、ハンドル杆、クラッチ杆および挟圧安全装置の一構成例を示す図である。 本実施形態のクラッチ杆が採り得る姿勢を示す図である。 本実施形態の挟圧安全装置の具体的な構成例を示す図である。 本実施形態の歩行型作業車両を上方から見た平面図であり、ハンドル杆、クラッチ杆および挟圧安全装置の他の構成例を示す図である。 クラッチを切断するための構成例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による挟圧安全装置が適用される歩行型作業車両の外観構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の挟圧安全装置が適用される歩行型作業車両100は、車体1、走行車輪2、ハンドル杆3、クラッチ杆4、クラッチ5、挟圧安全装置10およびロータリ耕うん装置20(以下、単にロータリ20と略す)を備え、車体1に備えられたエンジン(内燃機関)等の動力源(図示せず)から動力を得て自動走行し、車体1の後方に備えたロータリ20で耕うん作業を行うようになされた農用車両である。
なお、本実施形態の挟圧安全装置10は、動力源として電動モータを用いた電気式の歩行型作業車両にも適用し得るが、それよりも馬力が大きく、機体質量が比較的大きいエンジン式の歩行型作業車両に適用した場合に特に有効である。なお、エンジン式であっても、車軸耕専用機など後進機能がない歩行型作業車両については、本実施形態の適用対象外である。
走行車輪2は、車体1の両側に1輪ずつ設けられた一対の車輪であり、動力源からクラッチ5を介して車輪の駆動部に伝動される動力により回転する。車体1には、動力源からの動力を得て走行車輪2を駆動する駆動部(図示せず)が備えられている。クラッチ5は、動力源と車輪の駆動部との間に接続されている。ロータリ20は、車体1の後方下部に備えられ、動力源からの動力を得て耕うん爪20aが回転する。ロータリ20は、走行車輪2を中心に作業者がハンドル杆3を上下させることで昇降可能に構成されており、耕うん作業時は下方に降下させて、耕うん爪20aを土中に貫入させた状態で使用する。なお、基本的には安全のため、歩行型作業車両100は、後進時は耕うん爪20aが動作しない構造、または、耕うん爪20aが動作しているときは後進できない構造になっている。
ハンドル杆3は、車体1の後方に備えられ、これを作業者が把持して歩行型作業車両100を操作するようになされている。
クラッチ杆4は、ハンドル杆3の上方に配置され、作業者がハンドル杆3と共に把持するようになされている。クラッチ杆4は、ハンドル杆3の所定位置に設けられた回転軸7によって、ハンドル杆3に対して回転可能に支持されている。クラッチ杆4は、ワイヤ6を介してクラッチ5に接続されており、クラッチ杆4の操作によりクラッチ5を動作させ、動力源から駆動部への動力の伝達を遮断状態にしたり、伝達状態にしたりすることができるようになっている。
挟圧安全装置10は、ハンドル杆3の上面で、クラッチ杆4の下面に対向する位置に設置されている。これにより、クラッチ杆4を下方(ハンドル杆3の方向)へ操作すると、クラッチ杆4の下面が挟圧安全装置10の上面に当接するように構成されている。挟圧安全装置10は、クラッチ杆4の姿勢を規制するための姿勢規制部と、駆動部に対する動力の伝達を制御する制御部とを備えているが、これらについての詳細な説明は後述する。
図2は、歩行型作業車両100を上方から見た平面図である。図2に示すように、ハンドル杆3は、車体1から車体後方に向かって延設される左右の縦方向ハンドル杆部3aと、当該左右の縦方向ハンドル杆部3aの間に横架された横方向ハンドル杆部3bとを有するループ式の構成となっている。また、クラッチ杆4は、ハンドル杆3の左右の縦方向ハンドル杆部3aに対して回転軸7(支持点)によって回転可能に支持され、当該回転軸7から車体後方に向かって延設される左右の縦方向クラッチ杆部4aと、当該左右の縦方向クラッチ杆部4aの間に横架された横方向クラッチ杆部4bとを有するループ式の構成となっている。
図2に示すように、挟圧安全装置10は、横方向ハンドル杆部3bの上面で、横方向クラッチ杆部4bの下面に対向する位置に設置されている。なお、図2の例では、横方向ハンドル杆部3bの2箇所に2つの挟圧安全装置10を設ける例を示しているが、これに限定されない。例えば、横方向ハンドル杆部3bの中央に1つの挟圧安全装置10を設ける構成としてもよい。
図3は、クラッチ杆4が採り得る姿勢を示す図である。本実施形態において、クラッチ杆4は、図3(a)に示すようにハンドル杆3から離間した状態である第1姿勢と、図3(b)に示すように第1姿勢からハンドル杆3の側に近づいた状態、例えばクラッチ杆4が挟圧安全装置10に当接した状態である第2姿勢と、図3(c)に示すように第2姿勢からハンドル杆3の側に更に近づいた状態、すなわち、クラッチ杆4が挟圧安全装置10の作動部(後述する)を下方に押し込んだ状態である第3姿勢とを有する。
図3(a)に示す第1姿勢は、上述したようにハンドル杆3から離間した状態で、クラッチ5を切断して動力源から駆動部への動力の伝達を遮断状態にするための姿勢である。図3(b)に示す第2姿勢は、上述したように第1姿勢からハンドル杆3の側に近づいた状態で、クラッチ5を接続して動力源から駆動部への動力の伝達を伝達状態にするための姿勢である。図3(c)に示す第3姿勢は、上述したように第2姿勢からハンドル杆3の側に更に近づいた状態で、動力源の動作を停止させるための姿勢である。
図4は、挟圧安全装置10の具体的な構成例を示す図である。なお、図4は、挟圧安全装置10の内部を透視した様子を示している。ここで、図4(a)は、クラッチ杆4が第2姿勢となっているときの状態を示し、図4(b)は、クラッチ杆4が第3姿勢となっているときの状態を示している。上述したように、本実施形態の挟圧安全装置10は、クラッチ杆4の姿勢を規制するための姿勢規制部と、駆動部に対する動力の伝達を制御する制御部とを備えている。
挟圧安全装置10の姿勢規制部は、クラッチ杆4に対して所定値未満の荷重が付加されたときにはクラッチ杆4を第2姿勢で停止させ、所定値以上の荷重が付加されたときにはクラッチ杆4を第3姿勢へと遷移させるようにするためのものである。そのための具体的な構成として、姿勢規制部は、作動部11と、バネ等の弾性体15(以下、バネ15という)とを含んで構成されている。
作動部11は、図4(a)に示す第2姿勢において横方向クラッチ杆部4bが当接する。また、作動部11は、横方向クラッチ杆部4bに所定値以上の荷重がかけられたときにおける当該横方向クラッチ杆部4bの動きに応じて、横方向ハンドル杆部3bの側に移動する。図4(b)は、作動部11が横方向ハンドル杆部3bの側に移動した状態を示しており、このときのクラッチ杆4の姿勢が第3姿勢に相当する。
作動部11の下面には可動プレート12が固定されている。可動プレート12よりも横方向ハンドル杆部3b側で、可動プレート12の対向する位置には、筐体16に固定された固定プレート13が設けられている。可動プレート12および固定プレート13の所定位置には穴が空けられており、その穴にピン14が挿通されている。ピン14は、可動プレート12の抜け止め用および作動時における可動プレート12の移動ガイド用としての役割を有するものである。
バネ15は、可動プレート12と固定プレート13との間に配置されている。バネ15は、可動プレート12を介して作動部11を横方向クラッチ杆部4bの側に常時付勢しており、クラッチ杆4の操作に応じて作動部11に対して横方向ハンドル杆部3b側に所定値以上の荷重が付加されたときに縮むような弾性強度を有している。この弾性強度は、作業者が通常の力でクラッチ杆4を操作したときには容易には縮まない程度の強さとするのが好ましい。
図4(a)に示すように、クラッチ杆4が第2姿勢の状態であるとき(第1姿勢の状態であるときも同様)、作動部11がバネ15により横方向クラッチ杆部4bの側に付勢される。これにより、作動部11の上端面は、筐体16よりも外側(横方向クラッチ杆部4bの側)に突出している。これに対し、作動部11に対して横方向ハンドル杆部3b側に所定値以上の荷重が付加されると、その荷重が可動プレート12を介してバネ15に伝わり、図4(b)のようにバネ15が縮んで作動部11が横方向ハンドル杆部3bの側に摺動し、クラッチ杆4が第3姿勢の状態になる。
挟圧安全装置10の制御部は、クラッチ杆4が第3姿勢になったことを検知して、駆動部に対する動力の伝達を停止させるためのものである。そのための具体的な構成として、制御部は、バネ15が縮んで作動部11が下方に移動したときに導通状態となるスイッチ17を備える。スイッチ17は、これが導通状態になったときに、クラッチ杆4が第3姿勢になったことを検知して、動力源への電力供給を行う電力供給装置(図示せず)の動作を停止させるためのスイッチ機能を有し、これによって動力源の動作を停止させる。
図4に示すように、スイッチ17は、固定プレート13の上面(可動プレート12に対向する面)に設けられており、バネ15が縮んで可動プレート12が固定プレート13の方に摺動すると、可動プレート12によってスイッチ17が押下される構成となっている。スイッチ17と電力供給装置との間は電気的に接続されており、スイッチ17が押下されることで、電力供給装置から動力源への電力供給を停止させることが可能となっている。歩行型作業車両100がエンジン式の動力源を持つ場合は、スイッチ17の押下に応じてスパークプラグへの電力供給が遮断される。
具体的には、エンジンに対する電力供給装置にはスパークプラグが設けられており、このスパークプラグには、イグニッションコイルを介してストップスイッチが接続されている。ストップスイッチは、これが導通状態となったときにスパークプラグへの通電を遮断し、電力供給装置からエンジンへの電力供給を停止させるためのスイッチである。本実施形態のスイッチ17を回路的にこのストップスイッチと並列に接続する構成とすることにより、スイッチ17が導通すると、ストップスイッチが導通した場合と同等に回路が動作し、スパークプラグへの電力供給が遮断されて、エンジンが停止する。
以上のように構成した歩行型作業車両100において、当該歩行型作業車両100を走行させるときは、作業者が通常の力(所定値未満の荷重)でクラッチ杆4を下方に操作することにより、クラッチ杆4を第2姿勢の状態とする。この場合、クラッチ5が接続状態となり、動力源から走行車輪2の駆動部へと動力が伝達され、歩行型作業車両100が走行状態となる。このとき、作業者は、クラッチ杆4と共に把持しているハンドル杆3を操作することにより、歩行型作業車両100の走行を手動で制御する。
これに対し、クラッチ杆4を第2姿勢にして歩行型作業車両100を後進させているときに、作業者が背後の障害物とクラッチ杆4との間に挟まれ、ハンドル杆3と共にクラッチ杆4が上昇して、クラッチ杆4に作業者が挟まれる状態になってしまうことがある。この場合、クラッチ杆4に対して所定値以上の荷重が付加され、クラッチ杆4が第3姿勢に遷移するため、例えばエンジンのスパークプラグへの電力供給を遮断することで、動力源の動作を停止するように制御される。これにより、走行車輪2の駆動部に対する動力の伝達が停止する。よって、ハンドル上昇による挟圧が生じたときに、作業者がクラッチ杆4を解除できない状態であっても、挟圧状態から作業者を解放することができる。
なお、上記実施形態では、ハンドル杆3がループ式の構成である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5に示すように、ハンドル杆3’が図2に示した横方向ハンドル杆部3bを備えず、車体1から車体後方に向かって延設される左右の独立した縦方向ハンドル杆部3a’のみを有する2グリップ式の歩行型作業車両100’に対して本実施形態の挟圧安全装置10を適用することも可能である。この場合、クラッチ杆4’は、ハンドル杆3’の左右の縦方向ハンドル杆部3a’の少なくとも一方に対して回転軸7によって回転可能に支持され、当該回転軸7から車体後方に向かって延設される縦方向クラッチ杆部4a’を有するグリップ式の構成とする。
そして、本実施形態の挟圧安全装置10は、縦方向ハンドル杆部3a’の上面で、縦方向クラッチ杆部4a’の下面に対向する位置に設置される。これにより、クラッチ杆4’を下方(ハンドル杆3’の方向)へ操作したときに、クラッチ杆4’の下面が挟圧安全装置10の上面に当接するようにする。
また、上記実施形態では、スイッチ17が押下されてクラッチ杆4が第3姿勢になったことが検知された場合、動力源の動作を停止させる(エンジンを停止させる)ことによって、走行車輪2の駆動部に対する動力の伝達を停止させるように制御する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、スイッチ4が押下されてクラッチ杆4が第3姿勢になったことが検知されたときに、クラッチ5を切断状態とすることによって駆動部に対する動力の伝達を停止させるように制御する構成としてもよい。
図6は、クラッチ5を切断するための構成例を示す図である。図6に示すように、クラッチ杆4とクラッチ5とを繋ぐワイヤ6の途中に電磁ソレノイド61を接続する。電磁ソレノイド61は、スイッチ17と共に、特許請求の範囲の制御部を構成する要素の1つである。なお、図6は、電磁ソレノイド61の内部を透視した様子を示している。また、図6では図示を省略しているが、電磁ソレノイド61が作動するための電源が備えられている。
具体的には、クラッチ杆4と電磁ソレノイド61の筐体61aとの間をワイヤ6aで接続するとともに、電磁ソレノイド61の可動磁極61bとクラッチ5との間をワイヤ6bで接続する。なお、電磁ソレノイド61を逆向きに設置し、クラッチ杆4と電磁ソレノイド61の可動磁極61bとの間をワイヤ6aで接続するとともに、電磁ソレノイド61の筐体61aとクラッチ5との間をワイヤ6bで接続するようにしてもよい。
クラッチ杆4が第1姿勢または第2姿勢にあるとき、つまりスイッチ17がオフ状態なっているときは、電磁ソレノイド61もオフ状態であり、作動しない。これにより、図6(a)のように、電磁ソレノイド61は、クラッチ杆4の操作により牽引されるワイヤ6(ワイヤ6a,6b)と共に筐体61aごと移動する。このとき、クラッチ5は、ワイヤ6の動きに応じて、切断状態あるいは接続状態となる。
これに対し、クラッチ杆4が第3姿勢にあるとき、つまりスイッチ17がオン状態なっているときは、電磁ソレノイド61はスイッチ17の押下により電源が入ってオン状態となり、作動する。これにより、図6(b)のように、電磁ソレノイド61は、筐体61aの位置が固定されたままで可動磁極61bが移動する。このとき、クラッチ5は、可動磁極61bの移動に伴うワイヤ6bの動きに応じて切断状態となる。
このように、スイッチ17が導通状態になったときに、クラッチ5を切断して動力源から走行車輪2の駆動部に対する動作の伝達が遮断状態となるように制御することによっても、ハンドル上昇による挟圧が生じたときに、作業者がクラッチ杆4を解除できない状態であっても、挟圧状態から作業者を解放することができる。また、クラッチ5を切断する構成とした場合は、動力源(エンジン)と走行車輪2の駆動部との接続が切れるため、歩行型作業車両100を容易に動かすことができる、つまり歩行型作業車両100を障害物から軽い力で引き離すことができるというメリットも有する。これに対し、上述のように動力源(エンジン)を停止させる構成とした場合は、エンジンに対する電力供給装置のストップスイッチに対して並列にスイッチ17を接続するという簡単な構成で済むため、後付けが容易であるというメリットを有する。
なお、上記実施形態では、ハンドル杆3が車体1の後方に向けて取り付けられた歩行型作業車両100を例示して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、(1)ハンドル杆をその根元部分を中心として回動させることによって、ハンドル杆の取付方向を前後に切り替え可能に構成された歩行型作業車両や、(2)ハンドル杆の取付方向が図1とは反対に、車体の前方に向けて取り付けられた歩行型作業車両にも本発明を適用可能である。
この(1)または(2)のタイプの歩行型作業車両を使って、作業者が歩行型作業車両の前に立って後退しながら耕うん作業を行った場合(歩行型作業車両は前進している)、車輪による走行力の他に、ロータリによる耕うんの力が加わる場合もあるので、作業者が挟み込まれるとさらに危険である。このような場合であっても、基本的には主クラッチが一番上流に配置されていて、主クラッチを切れば全ての動力が切れるようになっているので、挟まれたときに主クラッチが切れさえすれば、ロータリも停止することになる。これにより、挟圧状態から作業者を解放することができる。なお、クラッチを切る形態に代えて、エンジンを停止させる形態としてもよいことは言うまでもない。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 歩行型作業車両の車体
2 走行車輪
3,3’ ハンドル杆
3a,3a’ 縦方向ハンドル杆部
3b 横方向ハンドル杆部
4,4’ クラッチ杆
4a,4a’ 縦方向クラッチ杆部
4b 横方向クラッチ杆部
5 クラッチ
10 挟圧安全装置
11 作動部
15 バネ(弾性体)
17 スイッチ
61 電磁ソレノイド

Claims (6)

  1. 車体に備えられた動力源と、上記動力源から伝達される動力により一対の車輪を駆動する駆動部と、上記動力源から上記駆動部への動力の伝達を遮断状態または伝達状態にするクラッチと、作業者が把持して操作するハンドル杆と、上記ハンドル杆の上方に配置され、上記作業者が上記ハンドル杆と共に把持して上記クラッチを操作するクラッチ杆とを備えた歩行型作業車両に適用される挟圧安全装置であって、
    上記クラッチ杆は、上記ハンドル杆から離間した状態で、上記クラッチを切断して上記動力源から上記駆動部への動力の伝達を遮断状態にするための第1姿勢と、上記第1姿勢から上記ハンドル杆の側に近づいた状態で、上記クラッチを接続して上記動力源から上記駆動部への動力の伝達を伝達状態にするための第2姿勢と、上記第2姿勢から上記ハンドル杆の側に更に近づいた状態の第3姿勢とを有し、
    上記クラッチ杆の姿勢を規制するための姿勢規制部と、
    上記クラッチ杆が上記第3姿勢になったことを検知して、上記駆動部に対する上記動力の伝達を停止させる制御部とを備え、
    上記姿勢規制部は、上記クラッチ杆に対して所定値未満の荷重が付加されたときには上記クラッチ杆を上記第2姿勢で停止させ、上記所定値以上の荷重が付加されたときには上記クラッチ杆を上記第3姿勢へと遷移させるように構成されていることを特徴とする歩行型作業車両用の挟圧安全装置。
  2. 上記姿勢規制部は、
    上記クラッチ杆が当接し、上記クラッチ杆の動きに応じて移動する作動部と、
    上記作動部を上記クラッチ杆の側に付勢し、上記クラッチ杆の操作に応じて上記作動部に対して上記所定値以上の荷重が付加されたとき縮む弾性体とを含んで構成され、
    上記制御部は、上記弾性体が縮んで上記作動部が移動したときに導通状態となるスイッチを備え、上記スイッチが導通状態になったときに、上記クラッチ杆が上記第3姿勢になったことを検知して上記駆動部に対する上記動力の伝達を停止させることを特徴とする請求項1に記載の歩行型作業車両用の挟圧安全装置。
  3. 上記ハンドル杆は、上記車体から車体後方に向かって延設される左右の縦方向ハンドル杆部と、当該左右の縦方向ハンドル杆部の間に横架された横方向ハンドル杆部とを有するループ式の構成であり、
    上記クラッチ杆は、上記ハンドル杆の上記左右の縦方向ハンドル杆部に対して回転可能に支持され、その支持点から車体後方に向かって延設される左右の縦方向クラッチ杆部と、当該左右の縦方向クラッチ杆部の間に横架された横方向クラッチ杆部とを有するループ式の構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の歩行型作業車両用の挟圧安全装置。
  4. 上記ハンドル杆は、上記車体から車体後方に向かって延設される左右の独立した縦方向ハンドル杆部を有する2グリップ式の構成であり、
    上記クラッチ杆は、上記ハンドル杆の上記左右の縦方向ハンドル杆部の少なくとも一方に対して回転可能に支持され、その支持点から車体後方に向かって延設される縦方向クラッチ杆部を有するグリップ式の構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の歩行型作業車両用の挟圧安全装置。
  5. 上記制御部は、上記スイッチが導通状態になったときに、上記動力源の動作を停止させることを特徴とする請求項2に記載の歩行型作業車両用の挟圧安全装置。
  6. 上記制御部は、上記スイッチが導通状態になったときに、上記クラッチを切断することを特徴とする請求項2に記載の歩行型作業車両用の挟圧安全装置。
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