JP6818104B1 - 曲面を有する光透過性プラスチック板構造及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】車用サンルーフに適用する曲面を有する光透過性プラスチック板構造及びその製造方法を提供する。【解決手段】ポリマー材料の配合、紫外線防止塗料の配合及び精密塗布技術により、プラスチック基板10のポリマー表面の耐摩耗性はガラスと同程度まで向上し、耐候性試験後も元の光学、物理的特性を維持できる。プラスチック基板は、ホットプレス工程で曲面を有するプラスチック板材を形成した後にインサート成形でプラスチック板材上に結合構造82を成型、固定し、ガラスを鉄部材に接着した自動車サンルーフ機構アセンブリの設計に置換できる。曲面を有する光透過性プラスチック板構造は、軽量ポリマーサンルーフ材料とプラスチック射出機構を含み、ガラスサンルーフ、フロントリアウインドシールド、サイドウィンドウガラス機構アセンブリの重量を軽減でき、軽量化規格を要するハイブリッド電気自動車及び全電気自動車への応用に適する。【選択図】図4

Description

本発明は、曲面を有する光透過性プラスチック板構造及びその製造方法に関し、特に、プラスチック基板を先ずホットプレスで曲面を有するプラスチック板に形成した後、埋め込み入射プロセスによって結合構造を該プラスチック基板上に成型し、車両用サンルーフ機構アセンブリを構成するプラスチック板構造及びその製造方法に関する。
従来の自動車のほとんどは、サンルーフ、フロントガラス、サイドウィンドウ板材としてガラスを使用しているが、ガラスには重量が大きく、破砕し易く、成形が難しいという欠点があるため、近年、プラスチック材質の光透過性板材が開発され、それにより従来のガラスと交換し、車両用サンルーフ、フロントガラス、サイドウィンドウ等の製造に用いられている。
プラスチックには多くの種類がありますが、中でもポリカーボネート(PCと呼ばれる)製のエンジニアリングプラスチックは、高い透明性と自由染色性、高い強度と弾性率、高い衝撃強度、広い温度範囲、低い成形収縮率、良好な寸法安定性、良好な耐候性、無味無臭で人体に無害で、衛生安全性に符合し、成形しやすいなどの利点を有するので、曲面又は特殊な構造を有する透明基板の製造に適し、破砕し易く成形が難しいガラス板材に取って代わる。例えば、車のサンルーフは、多くの場合ポリカーボネート(PC)エンジニアリングプラスチックで作られている。ただし、ポリカーボネート(PC)には、耐摩耗性が良好でなく、紫外線照射による黄変などの欠点もある。
したがって、先行技術では、ポリカーボネート(PC)基板の外面に耐摩耗性の硬質層を増設し、基板本体に紫外線(UV)吸収剤を追加することにより、基板の耐摩耗性を高め、黄変現象を低減する。この追加方法は「光吸収」に属し、UV光は、依然として基板内部に入り、それからブロックされ、UV機能は車両内でブロックされるが、基板自体がUV黄変及びUV劣化を起こす問題を招く。
さらに、外観と造型にデザイン感と視覚的美しさを持たせるために、今日の自動車のサンルーフ板材は、もはや単純な平らな構造ではなく、ほとんどが滑らかな曲面を持つプラスチック板材である。製造において、プラスチック射出成形技術には、迅速なプロセスと大量生産という利点があるが、複雑な金型設計、高い設備コスト、及び大面積又は大面積の製品の製造には不向きという欠点もある。対照的に、ホットプレス成形技術は、プラスチック射出ほどの生産速度を提供することはできないが、簡単な金型、低コスト、簡易なプロセス、及び大寸法又は大面積の製品の製造に適しているという利点がある。したがって、長さ×幅のサイズが60cm×40cm以上の車両用サンルーフ板材の場合、生産にホットプレス成形技術を使用する方が比較的好ましい選択である。
また、プラスチック板材で構成されるか、ガラス板材で構成されるかに関わらず、従来の車両用サンルーフ構造では、車体を接続するための結合構造又は機構は、何れも金属材質の結合構造(又は機構)を接着剤でプラスチック板材(又はガラス板材)に接着する。図1及び図2を参照し、それは、接着剤によって接着構造に接着された曲面を有する従来のガラス板材の断面説明図及び底面説明図である。
図1及び図2に示すように、車両用サンルーフを製造するためのプラスチック板材又はガラス板材01は、何れも曲面を有する硬質の板材であるため、接着剤02によって、金属で製造され、硬質でもある結合構造03(又は機構)を接着した後、プラスチック(又はガラス)板材01及び結合構造03(又は機構)の両者の接合面の間にギャップが形成されることを避け難く、防水防湿の効果を低減し、両者の結合強度を低下させる。さらに、金属材料で作られた結合構造03(又は機構)は、重量が大きく(車両の走行時の燃料消費と電力消費を招く)、破損しやすく、紫外線防止(UV)と断熱効果がなく、金属とプラスチック(又はガラス)板材の間の結合性が良好でないという欠点があり、まだ改善の余地がある。
特開2007−290153号公報
本発明の主な目的は、プラスチック基板を先ずホットプレス工程により曲面を有するプラスチック板材を形成した後、埋め込み射出成形工程で結合構造を該プラスチック板材上に成型、固定し、従来のガラスを鉄部材に接着した車両用サンルーフアセンブリの設計と置き換えることができる曲面を有する光透過性プラスチック板構造及びその製造方法を提供することにある。
本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造は、軽量化ポリマーサンルーフ材料と、軽量化プラスチック射出機構アセンブリを含み、従来のガラスサンルーフ、フロント及びリアウィンドウシールドガラス、サイドウィンドウガラス機構アセンブリの重量を軽減できる。
本発明のもう1つの目的は、紫外線防止塗料配合及び精密塗布技術によりプラスチック基板の外面上にコーディング層を増設し、プラスチック基板のポリマー表面の耐摩耗特性をガラスと同水準まで高め、各耐候性試験後に元の光学、物理特性を維持することができる曲面を有する光透過性プラスチック基板構造を提供することにある。本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造は、ポリカーボネート(PC)エンジニアリングプラスチック材質の車両サンルーフ基板に適しているだけでなく、耐摩耗性及び紫外線防止特性を備えた多層コーティング構造を有する。
本発明の更にもう1つの目的は、先ずプラスチック基板を第1所定温度に予備加熱し、その後、スタンピング過程で冷却工程により基板を第2所定温度まで冷却すると同時に、該基板を金型でスタンピングし、その後、加工工程により、加圧成型後の該基板の外形を切削加工し、所定外形輪郭を有するプラスチック板材に製造する、スタンピングによって曲面を有する光透過性プラスチック板構造を製造する方法を提供することにある。
従来技術と比較して、本発明のスタンピングで曲面を有する光透過性プラスチック板構造を製造する方法は、プラスチック板材の形状外観の調整空間を増加させ、プラスチック板材の一体化設計をなす等の利点を有することができる。
上記の目的を達成するために、本発明は、基板、プライマー層及び結合構造を含む、曲面を有する光透過性プラスチック板構造を開示する。該基板は、少なくとも光透過性硬質プラスチック材料を含み、外面と内面を有する。プライマー層は、該基板の該内面の外周縁領域に位置する。結合構造は、該基板の該内面の該外周縁領域に固定され、プライマー層の位置に固定される。
好ましくは、光透過性プラスチック板構造は、少なくとも1つのシールリング層をさらに含む。該シールリング層は、該プライマー層の該結合構造の側に向いた表面に設置され、且つ該シールリング層は、該プライマー層及び該結合構造の両者の接触面の間に挟まれる。
好ましくは、結合構造は、硬質プラスチック材料(材質)からなり、埋め込み射出で該基板の内面の該外周縁領域且つ該プライマー層を有する位置に成型、固定される。
好ましくは、シールリング層は、接着方式で該プライマー層の該結合構造の側に浮いた表面に該外周縁領域に沿ってリング状に囲うようにコーティングされた該シールリング層であり、該基板と該結合構造の間の密封性を高めることに用いられる。
好ましくは、該基板の少なくとも上硬質層に、多層フィルム膜構造を有するコーティング層をさらに設け、該コーティング層は、接着層、紫外線防止層、及び耐摩耗層を含む。
上記の目的を達成するために、本発明は、ステップ(A):基板を提供し、該基板は、少なくとも1つの光透過性プラスチック材料を含み、ステップ(B):予備加熱工程により該基板を第1所定温度に加熱し、ステップ(C):スタンピング工程(成形工程)により、第2所定温度状態下で金型により該基板に加圧成型を行い、該基板に曲面をもたせ、ステップ(D):加工工程により、加圧成型後且つ曲面を有する該基板の外形に切削加工を行い、所定外形輪郭及び曲面を有するプラスチック板材を製造する、を含む、曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法を開示する。
好ましくは、ステップ(D)の後に、さらに以下のステップを含む。ステップ(E):塗布工程によって、該プラスチック板材の表面の外周縁領域にプライマー層を加え、ステップ(E1):ディスペンス工程により、該プライマー層に少なくとも1つのシールリング層を設置し、該シールリング層は、該プライマー層及び該結合構造の両者の接触面の間に挟まれ、工程(F):埋め込み入射工程によって、結合構造を埋め込み射出方式で該プラスチック板材の該外周縁領域且つ該プライマー層を有する位置に成型、固定する。
本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造は、軽量化ポリマーサンルーフ材料と、軽量化プラスチック射出機構アセンブリを含み、従来のガラスサンルーフ、フロント及びリアウィンドウシールドガラス、サイドウィンドウガラス機構アセンブリの重量を軽減できる。
接着剤により結合構造に接着された従来の曲面を有するガラス板材の断面説明図である。 接着剤により結合構造に接着された従来の曲面を有するガラス板材の底面説明図である。 本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の第1実施例の断面説明図である。 本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の第2実施例の断面説明図である。 本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の第3実施例の断面説明図である。 図4に示す本発明の基板上に設置したコーディング層の第1実施例の説明図である。 本発明の基板上に設置したコーディング層の第2実施例の説明図である。 本発明の基板上に設置したコーディング層の第3実施例の説明図である。 本発明の基板上に設置したコーディング層の第4実施例の説明図である。 本発明の基板上に設置したコーディング層の第5実施例の説明図である。 本発明の基板上に設置したコーディング層の第6実施例の説明図である。 本発明のコーディング層の光透過性基板の幾つかの実施例の耐摩耗試験結果の説明図である。 本発明のコーディング層の光透過性基板の幾つかの実施例の紫外線防止試験結果の説明図である。 図4に示す本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の実施例の製造方法のフロー図である。 本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法の成形機の実施例の説明図である。 図14に示すフリップ膜剥離ユニット内のフリップ機構の実施例の説明図である。 本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法のスタンピング工程の4つのスタンピング動作の説明図1である 本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法のスタンピング工程の4つのスタンピング動作の説明図2である 本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法のスタンピング工程の4つのスタンピング動作の説明図3である。 本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法のスタンピング工程の4つのスタンピング動作の説明図4である。 本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法の該下型の実施例の説明図である。 本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法において、該基板がスタンピング工程を完成しているが、加工工程を行ってない時の基板の説明図である。 本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法において、スタンピング工程を行う説明図である。 本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法において、加工工程を行う説明図である。
本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造及びその製造方法は、主にポリマー材料の配合、紫外線防止塗料の配合、精密塗布技術によって、プラスチック基板のポリマー表面の耐摩耗特性をガラスと同水準(耐摩耗性試験Taber Test L)まで向上させ、各耐候性試験後に元の光学的及び物理的特性を維持できる。プラスチック基板は、先ずホットプレスプロセスで曲面を有するプラスチック板材を形成し、次に埋め込み射出プロセスによりプラスチック板材上に結合構造を形成及び固定し、従来のガラスを鉄部材に接着した車両サンルーフ機構アセンブリ設計に取って代わることができる。
本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板材構造は、軽量化ポリマーサンルーフ材料と、軽量化プラスチック射出部材機構アセンブリを含み、従来のガラスサンルーフ、フロント及びリアウィンドウシールドガラス、サイドウィンドウガラス機構アセンブリの重量を軽減でき、特に軽量化規格を要するハイブリッド電気自動車及び全電気自動車への応用に適する。
本発明が提示する曲面を有する光透過性プラスチック板構造を更に明確に説明するため、以下に図面を合わせて詳細に説明する。
図3を参照し、それは、本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の第1実施例の断面説明図である。本発明の第1実施例において、曲面を有する光透過性プラスチック板材構造は、基板10、プライマー層18及び結合構造82を含む。
該基板10は、少なくとも1つの光透過性硬質プラスチック材料を含み、相対する外面(上面)及び内面(下面)を有し、該基板10は、少なくとも該内面の該外周縁領域に曲面を有する。本実施例において、該基板10は、少なくとも3つ以上の異なる材料が共押し出し(coextrusion)方式で構成されてなる多層構造を含み、中間に位置し且つポリカーボネート(PC)を含むエンジニアリングプラスチック層11、該エンジニアリングプラスチック層11の上方に位置する上アクリル(polymethyl methacrylate,PMMA)層12及び該エンジニアリングプラスチック層11の下方に位置する下部アクリル層13を含む。該上アクリル層12上方には上硬質層14(Hard Coating,HC)が形成され、下アクリル層13の下方にも同様に下硬質層15が形成される。
上硬質層14及び下硬質層15の材料組成は、微粒子分散ナノ無機材料及び/又は有機無機ハイブリッド紫外線オリゴマー又はシリコーンベース(Silicone base)オリゴマーを含み、軽量ポリマープラスチック基板の外側表面と内側表面に、高い硬度、優れた耐摩耗性試験(Taber Test)特性をもたせ、且つ高い透明性と低いヘイズを維持させ、強固な耐摩耗性を有する硬質保護層を基板10の外面及び内面に提供できる。
本実施例において、硬質層14、15は、高い光学ガラス転移温度Tg(120°C)の紫外線光弾性オリゴマー又は高Tgモノマー(240°C)を含み、ポリマープラスチック材料の貼合面に高い耐衝撃性、高い可撓性、及び高温状態下の安定性をもたせ、高温環境試験又は高湿環境試験時の信頼性を高めることができる。該基板10の厚さ及び形状は、異なる応用分野によって異なり、本発明の車両用サンルーフを例にとると、基板10の厚さは一般に3mm〜12mmの間である。該エンジニアリングプラスチック層11の厚さは、基板の全厚さの約60%〜99.99%であり、2つのアクリル層12、13の厚さの合計は、基板の全厚さの約0.01%〜40%である。
本発明の硬質層14、15の配合組成は、有機無機ハイブリッド紫外線オリゴマーを含み、従来の高架橋密度の従来の硬質層配合と比較して比較的低い架橋密度を有し、収縮率が比較的低く、可撓性の良好な耐摩耗ハードコーディング層を形成できる。本発明の硬質層14、15中の無機材料は、表面の物理的特性に寄与し、コーティング層に高い硬度と高い耐摩耗性を与える。さらに、本発明の硬質層14、15の配合組成は、高Tg紫外線光弾性オリゴマー及び高Tgモノマーを含み、これは、従来の高架橋密度の従来の硬質層配合物よりも良好な高温安定性を有し、したがって高温プロセス時に良好な熱成形性を有し、UV硬化後の複合サンルーフ材料は自由な曲率に曲げることができる。
該プライマー層81は、該基板10の該内面上の外周縁領域であり、該基板10と該結合構造82との間の結合強度及び密着度を高めるために使用することができる。本発明において、該プライマー層81の材料は、アミン(Amines)及び複素環式アミン(heterocyclic amine)の化合物、シラン(Silane)化合物、ポリウレタン(Polyurethane,PU)を含み、該基板10の内面の該外周縁領域に精密湿式塗布方式で塗布され、不均質材料間に良好な接着特性を提供することができ、各環境老化試験の通過に有利である。また、該プライマー層81は、顔料(例えば黒色顔料)を混合することにより、該プライマー層81に基板10の内面にインク印刷層を形成する機能を同時に持たせることができる。
該結合構造82は、該基板10の該内面の該外周縁領域、且つ該プライマー層81の位置に固定される。該結合構造82は、外部部材(自動車の車体又はサンルーフ駆動機構、図示せず)と結合に用いられ、該基板10を、該結合構造82を介して該外部部材に結合させる。該結合構造82は、硬質プラスチック材料又は金属材料の両者のうちの1つで構成される。図3に示される本発明の第1実施例では、該結合構造82は、鉄、ステンレス又はアルミニウム合金などの金属材料が鋳造、鍛造、又は打ち抜かれてなる。該結合構造82は、接着剤としての該プライマー層81によって該基板10の該内面の該外周縁領域且つ該プライマー層81を有する位置に接着固定される。
以下に説明する本発明の他の実施例では、大部分の部材及び構造は、前述の第1実施例と同じであるため、同じ又は類似の部材には同じ部材名及び符号を与え、その詳細は再度説明しない。
図4を参照し、それは、本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の第2実施例を示す断面説明図である。本第2実施例において、曲面を有する光透過性プラスチック板構造は、前述の第1実施例と同様であり、基板10、プライマー層81、及び結合構造82を含む。さらに、該基板10は、同様にエンジニアリングプラスチック層11、上、下アクリル層12、13、及び上、下硬質層14、15を含む。本発明の基板10は、曲面形状を有する硬質プラスチック材料であるため、結合構造82は、硬質金属材料でもあり、両者の接合面の曲率が一致しない場合(曲率公差)、両者の密封性は良好でなく、水漏れの問題を招く。
したがって、図4に示す本発明の第2実施例では、プライマー層81上にディスペンスにより1つ又は複数の部分的高温シールリング層83(Sealing Ring Layer)が形成され、硬質材料間の隙間を有効に充填でき、曲率公差(曲率の不一致)による複合材料サンルーフアセンブリの水漏れのリスクを回避することができる。本実施例では、該シールリング層83は、該プライマー層81の結合構造82側に向いた面に配置され、該シールリング層83は、該プライマー層81と該結合構造82の両者の接触面との間に挟まれている。該シールリング層83は、ディスペンス方式で該プライマー層81の該結合構造82の側に向いた面に外周縁領域に沿ってリング状に囲う該シールリング層83を塗布し、該シールリング層83の材質は、シリコン(silicone)、ポリウレタン(Polyurethane,PU)のいずれかを含み、硬質材料間の曲率公差による隙間を充填させ、該基板10及び該結合構造82の間の密封性を高めることに用いられることができ、水漏れ試験の通過に有利である。
図5を参照し、それは、本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の第3実施例を示す断面説明図である。本第3実施例では、曲面を有する光透過性プラスチック板は、前述の第2実施例と類似し、同様に基板10、プライマー層81、結合構造82a、及び少なくとも1つのシールリング層83を含む。さらに、該基板10は、同様にエンジニアリングプラスチック層11、上部、下アクリル層12、13、及び上、下硬質層14、15を含む。本第3実施例の前記実施例との相違点は、該結合構造82aは、硬質プラスチック材料で構成され、且つ埋め込み射出の方式で該基板10の該内面の該外周縁領域且つ該プライマー層を有する位置に成型、固定され、その厚さは、1mm〜50mmの間である。
さらに、該結合構造82aの硬質プラスチック材料は、以下のうちの1つを含む。ポリメチルメタクリレート(polymethyl methacrylate,PMMA)、ポリカーボネート(Polycarbonate,PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene,ABS)、ポリピロメリットイミド(Polypyromellitimide,PMMI)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PET)、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene 2,6-naphthalene dicarboxylate,PEN)、ポリエーテルスルホン(Polyethersulfone,PES)、ポリイミド(Polyimide,PI)。また、図5に示す第3実施例では、該基板10の少なくとも該上硬質層14には、多層膜構造を有するコーティング層20がさらに設けられており、該コーティング層20は、基板10の表面に紫外線防止及び耐摩耗の能力を提供することができ、基板10自体の表面硬度及び耐摩耗性が良好ではなく且つ熱エネルギー又は紫外線の長時間照射によって黄変又は劣化する欠点を改善することができる。該コーティング層20の具体的細節は、後続の実施例で詳細に説明される。
本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造は、軽量化ポリマーサンルーフ材料の解決案を提供し、それは、軽量化ポリマーサンルーフ材料及び軽量化プラスチック埋め込み射出部材機構アセンブリを含み、従来の車両用ガラスを鉄部材又はステンレス材に結合して車両サンルーフ機構アセンブリとしたものに取って代わることができ、特に、軽量化規格を要するハイブリッド電気自動車及び全電気自動車への応用に適する。
本発明の軽量化ポリマーサンルーフ材料は、軽量化ポリマーサンルーフ材料と軽量化プラスチック射出部材との間にプライマー層(Primer layer)及び密封層(Sealing layer)を含み、特に、埋め込み射出方式で2種以上の異質な硬質プラスチックを結合するプロセスへの応用に適し、従って、以下の利点を有する。
1.従来のガラスサンルーフ、フロント、リアウィンドウシールドガラス、サイドウィンドウガラス機構アセンブリの重量を減らすことができ、軽量化(燃料消費量又は電気エネルギー消費量の削減)し、且つ安全性を損なわない利点がある。本発明は、PMMA/PC/PMMA又はPMMA/PC複合材料で作られた基板を使用し、湿式塗布及びスパッタリング(Sputter)コーティングプロセスにより作られた複合材料サンルーフを結合し、その表面硬度は、4H以上(4H〜9H)、耐摩耗性はTaber Test Lレベルの摩耗水準まで高めることができ、UV黄変試験(5000時間)はΔE<1の規格を維持できる。
本発明の結合構造機構部材の製造方式は、複合材料サンルーフを直接射出機に入れ、ポリマー埋め込み射出方式で製造される。ガラスをポリマーPC材料基板に置き換えた重量を節減できることに加えて、鉄又はステンレス部材をポリマー結合構造に置き換えた重量を節減でき、全体の重量を元のガラスに金属部品を加えた重量の1/2〜1/3に減らす効果を達成できる。
2.ポリマー材料の配合、塗料配合設計、及び精密塗布技術により、ポリマー表面の耐摩耗性をガラスと同じレベルまで向上させることができ(耐摩耗性試験Taber TestはLレベルに達することができる)、各耐候性試験を通過後に元の光学及び物理特性を維持できる。従来の埋め込み射出のポリマー材料(結合構造)と射出貼合面(基板のハードコーティング層Hard Coating)は、材料の違いにより効果的に接着できないか、リングテスト後に脱落又は剥離するリスクがある。
本発明は、基板硬質層と結合構造射出部材との間の結合媒体として、射出結合表面の硬質表面に高い表面値(>44ダイン)を持たせることができ、過酷な高温、高湿、高低温冷熱ショック環境試験を通過でき、複合材料サンルーフ及びポリマー射出部材の間に環境試験後に脱落、剥離の問題が出現することを回避する。
3.板材は、先ずホットプレスしてから埋め込み射出のプロセス設計を行い、元のガラス接着鉄部材の機構設計と置き換えることができる。従来の埋め込み射出のポリマー材料は、射出プロセスにおいて、射出ねじ内で250度以上の高温を達成する必要があり、複合材料サンルーフの貼合面の硬質層に射出し、従って、複合材料サンルーフは、瞬間的な射出プロセスの高温に耐える必要がある。且つ、複合材料サンルーフ基板は、曲面形状の硬質プラスチック材料であるため、ポリマー射出部材の結合号増も硬質プラスチック材料であり、両者の射出結合の曲率が一致しない時(曲率公差)、両者の密封性が良好ではなくなり、水漏れの問題を招く。
本発明は、プライマー層上にディスペンス方式によって1つ又は複数の局部的に耐高温なシールリング層(Sealing Ring Layer)を製造し、射出プロセスを結合して、2つの硬質プラスチックの間のギャップを有効に充填し、曲率公差(曲率の不一致)により、複合材料サンルーフアセンブリの水漏れのリスクを回避する。
図6を参照し、それは、図5に示す本発明の基板上に配置されたコーティング層の第1実施例の説明図である。図6に示す基板10は、図5に示す第3実施例と同じであり、同様に、エンジニアリングプラスチック層11、上、下アクリル層12、13、上、下硬質層14、15、及び上硬質層14上方に位置するコーティング層20を含む。本発明では、該コーティング層20は、多機能光学無機材料を含み、抗紫外線防止、赤外線防止及び表面の耐摩耗性機能を提供できる多機能光学無機材料を含み、耐摩耗性試験でLレベルの水準まで通過できる。そのうち、多機能光学無機材料は、SiO、Ti、Nbなどの低屈折率、高屈折率材料を含むことができる。
図6に示すように、該コーティング層20の第1実施例は、下から上に順に、接着剤層21、耐紫外線(UV−Cut)層22、及び耐摩耗層23を含む。この実施例では、プラズマ増強化学蒸着法(Plasma-Enhanced CVD,PECVD)又は真空スパッタリング(Sputter)コーティングプロセスによって該多層膜構造のコーディング層20を順に該基板10の外面(即ち、上硬質層14の外面)に形成することができる。本実施例において、該接着層21の材質は、シリカ(SiO)を含むことができ、該紫外線防止層22の材料は、UV吸収剤としての五酸化三チタン(Ti)を含むことができ、且つ該耐摩耗層23の材料は、シリカ(SiO)を含むことができる。
図7を参照し、それは、本発明の基板上に配置されたコーティング層の第2実施例の説明図である。図7において、該コーティング層20aの第2実施例は、第1接着層21、紫外線防止層22、第2接着層210、IRカット(IR Cut)層24、及び耐摩耗層25を含む。該第1及び第2接着層21、210の材料は、シリカ(SiO)であることができ、該紫外線防止層22及び赤外線防止層24の材料は、それぞれUV吸収剤、IR吸収剤を含む五酸化三チタン(Ti)又は五酸化ニオブ(Nb)であることができ、且つ該耐摩耗層25の材料はシリカ(SiO)であることができる。紫外線防止及び赤外線防止の機能を基板10本体外の表面に設置することで、UVとIRをブロックする効果を提供できるだけでなく、基板自体が黄変せず、熱エネルギーを蓄積せず、基板自体が光学的に透明な状態を呈することができる。
図8を参照し、それは、本発明の基板上に配置されたコーティング層の第3実施例の説明図である。図8において、該コーティング層20、20aの構造は、図6又は図7に示す実施例と同じであることができ、該コーティング層20、20aの耐摩耗層の上方にさらに上面硬質層26を更に増設でき、該コーティング層20、20aの上面の硬度及び耐摩耗性能力を高め、且つ表面は、耐強酸強アルカリ性も良好である。
図9を参照し、それは、本発明の基板上に配置されたコーティング層の第4実施例の説明図である。この実施例では、該コーティング層20bは、基層201、接着層21、紫外線防止層22、及び耐摩耗層23を下から上に含む。該基層201の材料は、例えば、アミン(Amines)及び複素環式アミン化合物(heterocyclic amine)の化合物、シロキサン(siloxane)化合物とシラザン(silazane)化合物を含むシラン(silane)化合物であるが、これらに限定するものではない。該プライマー層201及びシリカ材料を含む該接着層21は、該紫外線防止層22をPC又はPMMA材料の基板10により更に密着させることができ、従来のシリカ又は金属材料の基板との間の密着度が良好ではない欠点を解決できる。
該紫外線防止層22は、該接着層21上に位置し、且つその材料は、五酸化三チタン(Ti)を含む。五酸化三チタン(Ti)は、高度な真空焼結技術によって生産加工されてなる光学コーティング材料の1つであり、水に不溶であり、高屈折率、低電気抵抗、強力な附着力、低飛散という利点を有し、成膜後の光学表面は、良好な表面仕上げと良好な紫外線遮断効果を備えている。本発明において、五酸化三チタン材料を電子銃蒸着方式で基層201の上方のシリカ第1接着層21上にコーティングし、該紫外線防止層22を構成することができる。本実施例では、該紫外線防止層22の厚さは、10nm〜300nmの間である。
該耐摩耗層23は、該紫外線防止層22上に配置され、該耐摩耗層23の材料は無機シリカ(SiO)である。基板及び紫外線防止層22は、硬度が高く耐摩耗性の高いシリカ層により保護されているため、基板10の耐摩耗性が向上し、紫外線防止層22の傷付きが防止される。この実施例では、該耐摩耗層23の厚さは60nmと600nmの間である。
この実施例では、該耐摩耗性層23と該紫外線防止層22との両者の屈折率の差は少なくとも0.3である。紫外線波長範囲内の光に対し、該耐摩耗性層23と該紫外線防止層22の両者の屈折率の比は2.35〜1.38の間である。該耐摩耗層23と該紫外線防止層22と両者の厚さの差は、少なくとも100nmである。該耐磨耗層23と該紫外線防止層22の重ね合わせ方式は、yA:xB:yAであり、ここで、Aはシリカ層の光学的厚さ、Bは該五酸化三チタン層の光学的厚さ、xは隣接するシリカ層Aの光学的厚さに対する五酸化三チタン層Bの光学的厚さの倍数を表し、yは、隣接する酸化チタン層Bの光学的厚さに対するシリカ層Aの光学的厚さの倍数を表し、x、yは等しくなく、互いに比例し、ここで、xとyの比値は、所定の範囲内である。
図10を参照し、それは、本発明による基板上に配置されたコーティング層の第5実施例の説明図である。本実施例では、該コーティング層30は、同様に接着層31、紫外線防止層32、及び耐摩耗層33を含む。該接着層31は、シリカ(SiO)材料を含み、10nmから300nmの間の厚さを有する。該紫外線防止層32は、五酸化三チタン(Ti)からなり、10nmから300nmの間の厚さを有する。シリカ材料を含む接着層31により、五酸化三チタンからなる紫外線防止層32とPCからなる基板10との両者の接着性を向上させることができる。該耐摩耗層33は、該紫外線防止層32上に配置され、無機シリカ(SiO)からなり、60nmから600nmの間の厚さを有する。
図11を参照し、それは、本発明の基板上に配置されたコーティング層の第6実施例の説明図である。本実施例では、該コーティング層30aは、同様に接着層31、紫外線防止層34、及び摩耗層33を含む。該紫外線防止層34は、紫外線防止材料(例えば、H:Ti & L: SiO2 S/(0.5HL0.5H)15/Airであるが、これに限定するものではない)から構成されるUV−Cut多層膜構造で構成される。シリカ材料を含む接着層31により、UV−Cut多層膜構造からなる紫外線防止層34とPCを材料とした基板10との両者の間の接着性を改善することができる。
図12を参照し、それは、本発明のコーティング層を有する光透過性基板のいくつかの実施例の耐摩耗性試験の結果を示す説明図である。本発明の耐摩耗性試験は、業界で一般的に使用されるTaber式摩耗試験機を用いて実施され、長さ及び幅が100mm×100mmの平坦な試験片を用いて試験される。回転速度55rpm〜7rpmの水平回転テーブルと、(65±3)mmの距離で固定され滑らかに回転可能な一対の摩耗ホイールとからなり、摩耗ホイールの直径は45mm〜50mm、厚さは1.5mmであり、研磨材を混入した硬度が(75±5)であるIRHDゴムで製造されたTaber式摩耗試験機によって、荷重4.9N(ニュートン)の状態で、試験片の上面に接触し、それに対して回転摩擦する摩耗試験を行う。
本発明は、5つの試験片サンプル、すなわち、試験片1(SiO+AF)、試験片2(TiSiO)、試験片3(底層SiO_10nm +Ti+SiO)、試験片4(底層SiO_30nm +Ti+SiO)、試験片5(底層SiO_60nm +Ti+SiO)を使用して、耐摩耗性試験を行う。図12に示すように、Taber型摩耗試験機で500サイクルの摩耗試験を行った後、試験片2〜試験片5の摩耗の程度はほぼ同じであり、何れもΔH2.8前後である。1000サイクルの摩耗試験の後、底部SiOの厚さが60nmである試験片5の摩耗程度はΔH3.2であり、底部SiOの厚さが30nmである試験片4の摩耗レベルΔH3.7よりもはるかに低く、本発明の光透過性基板のコーティング構造が、底層SiO(即ち、接着層)の厚さが60nmの時に比較的優れた耐摩耗効果を提供できることが分かる。
図13は、本発明のコーティング層を有する光透過性基板のいくつかの実施例の耐紫外線防止試験の結果を示す説明図である。本発明の紫外線防止試験は、いくつかの異なる試験片に紫外線光源を長時間照射し、異なる照射時間後の各試験片の黄変の程度を試験して記録し(ΔE値で表し、ΔE値が高いほど、黄変の程度が深刻である)、図13に示す曲線図のとおりである。本発明は、4つの試験片サンプル、すなわち、試験片1(プライマー板材)、試験片2(Primer+SiO_300nm)、試験片3(Primer+Ti_30nm +SiO_300nm)、試験片4(規格がP06のPC基板+UV−Cut多層膜)を使用し、紫外線防止試験を行う。
図13から分かるように、試験片4のUV−Cut多層膜を紫外線防止層とした光透過性基板のコーティング構造が相対的に最も良好な紫外線防止能力を有するが、耐摩耗性効果は低下している。また、試験片4であっても試験片3であっても、紫外線光源を800時間照射したΔE値は、何れも依然として3を大きく下回っており、紫外線防止能力が良好であることを示している。対照的に、試験片1及び試験片2は紫外線防止層に欠いているため、100時間の試験後のΔE値は、すでに3よりも高く、黄変の程度は比較的深刻であった。
本発明は、業界試験規範PV3929を使用して耐候性試験を行い、その試験目的は、プラスチック、合成ゴム及びフード材料を大気作用及び日光下に置き、人工乾燥、熱い気候(例えば、シミュレートされたグラハリ砂漠、南アフリカ及びアリゾナのような乾熱環境をシミュレーション)を通して、老化状態(色や光沢の変化など)の試験を行うことであり、試験条件を表1に示す。
表1:PV3929試験規範の試験条件
Figure 0006818104
本発明は、上記の表1に示す試験条件に従って、5つの試験片サンプル、即ち、試験片1(裸板PC_Smoke_3L)、試験片2(HCPC_P06基板)、試験片3(Evaporatin蒸着PC_P06基板+SiO_60nm)試験片4(Evaporatin蒸着PC_P06基板+SiO_300nm)、試験片5(Evaporatin蒸着PC_P06基板+TiSiO)を用いて、耐候性試験を行い、その結果は、以下の表2に示すとおりである。
表2:Q−SunシミュレーションPV3929耐候性試験の結果表加工位置
Figure 0006818104

上記の表から、光透過性基板のコーティング構造に紫外線防止層(Ti3O5層)と耐摩耗層(SiO2層)を有する時、即ち、試験片5(Evaporatin Ti+SiO)の耐候性が紫外線防止層を有さないその他の試験片よりも優れていることが分かる。
本発明は、他種の異なる構造の複合材料サンルーフ及びプラスチック機構アセンブリに対して試験を行い、以下の表3に示すのが試験を行った各サンプルの構造情報である。例えば、表3のサンプル8(sample8)の基板は、A4構造又は「PMMA/PC/PMMA」の3層構造であり、その硬質層はB2、即ち、「ハードコート層あり(With HC)」であり、結合構造の材料は、C2、即ち、「プラスチック」であり、プライマー層は、D1で表される「プライマー層なし(Without Primer)」を選択し、シールリング層は、E1で表される「シールリング層無し(Without Sealing(Ring)Layer)」を選択する。その他のサンプル構造は、同様に理解できるので、ここでは記載しない。
表3:複合材料サンルーフとプラスチック機構アセンブリのサンプル情報
Figure 0006818104

Figure 0006818104
表4:複合材料サンルーフとプラスチック機構アセンブリの各サンプルの試験結果
Figure 0006818104
◎: Excellent極めて良好 ○: Good良好 △: Normal普通 X: Fail不良 NG:Not Good良好でない
上記の表4からわかるように、サンプル13とサンプル14は、PC/PMMA又はPMMA/PC/PMMAの複合材料を基板とし、且つ何れも硬質層、プライマー層、シールリング層を設置し、埋め込み射出方式で結合構造を基板上に結合し、即ち、図5に示す実施例に類似し、従って、各項試験において、極めて良好又は良好な性能が得られた。サンプル3とサンプル4は、PC/PMMA又はPMMA/PC/PMMAの複合板材を基板とし、硬質層を設置したが、プライマー層もシールリング層もなく、接着方式で金属材料の結合構造を基板上に結合し、即ち、図3に示す実施例に類似し、各試験において極めて良好又は良好な性能が得られた。このことから、本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造体は、従来技術よりも確かに良好な試験結果を得られることが確証できる。
また、本発明は、他種の異なる構造の基板に多項の環境試験を行い、以下の表5に示すのは、試験を行った各基板サンプルの構造情報である。例えば、表5のサンプル8(sample8)の基板は、A4構造、即ち、「PMMA/PC/PMMA」の3層板構造を選択し、その硬質層はB2、即ち、「ハードコート層あり(With HC)」を選択し、多機能光学無機層(即ち、コーディング層)は、C1又はC2、即ち、「単層の紫外線防止(UV reflection)又は赤外線防止(IR reflection)の何れか」であり、上面硬質層は、D1で表される「上面硬質層無し(Without HC)」を選択している。その他のサンプル構造も同様に理解できるので、ここでは記載しない。
表5:複合材料サンルーフのプラスチック基板のサンプル情報
Figure 0006818104
表6:複合材料サンルーフのプラスチック基板の各サンプルの試験結果
Figure 0006818104
◎: Excellent極めて良好 ○: Good良好 △: Normal普通 X: Fail不良 NG:Not Good良好でない OK: 受け入れ可能
上記の表6から、サンプル9〜14は、PC/PMMA又はPMMA/PC/PMMAの複合板材を基盤とし、且つ何れも硬質層、コーディング層及び上面硬質層を設置し、即ち、図8に示す基板実施例に類似し、従って、各項の試験において、何れも極めて良好又は良好な性能を示した。サンプル7及びサンプル8は、PC/PMMA又はPMMA/PC/PMMAの複合板材を基板とし、且つ硬質層及びコーティング層を設置しているが、上面硬質を有さず、即ち、図5〜図7に示す基板実施例に類似し、それは、表面耐酸アルカリ性が良好でない以外、その他の各項の試験において極めて良好又は良好な性能が得られている。本発明のコーティング層を有する基板構造は、従来技術よりも確かに良好な試験結果を得られていることが確証できる。
図14を参照し、それは、図5に示す本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の実施例の製造方法のフロー図であり、それは、以下のステップを含む。
ステップ91:基盤を提供し、該基板は、多層構造を有するプラスチック材料を少なくとも含む。本実施例において、該基板は、図5に示すようなコーディング層を有する基板であることができ、且つその基板及びコーディング層の具体的な構造は、図6〜図11に示す基板及びコーディング層のいずれかから選択することができる。
ステップ92:基板を予備加熱し、予備加熱工程により該基板を第1所定温度まで加熱する。
ステップ93:基板を金型で冷却成型し、スタンピング工程と冷却工程で該基板を第2所定温度まで降温した状態で、該基板を金型で同時にプレス成型する。
ステップ94:加工機により基板に外形加工を行い、加工工程によって、プレス成型後の該基板の外形を切削加工し、所定の外形輪郭を有するプラスチック板材を形成する。
ステップ95:コーティングプロセスにより、プラスチック板材表面の外周縁領域にプライマー層を加える。
ステップ96:ディスペンス工程により、該プライマー層に少なくとも1つのシーリング層を設置する。該シーリング層は、該結合構造の側に面するプライマー層の表面に部分的に配置され、且つ該シールリング層は、該プライマー層と該結合構造の両者の接触面の間に挟まれる。
ステップ97:埋め込み射出工程によって、結合構造を埋め込み射出の方式で該プラスチック板材の該外周縁領域且つ該プライマー層を有する位置に成型、固定する。上記ステップ91〜97により、図5に示すような曲面を有し且つ結合構造を有する光透過性プラスチック板構造を完成する。
図15を参照し、それは、本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法に適用される成形機の実施例の説明図である。該成形機40は、本体41と、フリップ膜剥離ユニット42と、搬送台43と、加熱ユニット44と、プレス成形ユニット45と、取り出し機構46と、投与ユニット47とを含む。
該本体41は、該成形機40のすべてのユニット、機構、及び部材を搭載した本体である。該フリップ膜剥離ユニット42は、加工したい基板100を供給ラック50内に置く、フリップ機構(図16に示す)をさらに含む。その後、供給ラック50をその中の基板100と共にフリップ膜剥離ユニット42に供給し、図14に示すように、ステップ11とステップ12との間においてフリップ膜剥離工程を更に実施することができる。フリップ膜剥離ユニット42内のフリップ機構は、フレーム51を基板100と共に180度反転させるフリップ動作を行わせ、該基板100上下面に付着した保護膜を剥がすことができる。
その後、供給ラック50は、膜剥離された基板100と共に、搬送台43によって該加熱ユニット44内に送られ、図14に示すステップ12の予備加熱工程を実施し、該基板100を第1所定温度まで加熱する。該予備加熱工程は、該加熱ユニット44によって該基板100の上下面の両方を加熱し、且つ該第1所定温度は60℃〜105℃の間である。その後、該第1所定温度範囲まで予備加熱された基板100は、供給ラック50とともに該プレス成形ユニット45に送り込まれ、図14に示すステップ12のスタンピング工程が行われ、第2所定温度状態において、金型60で該基板100をプレス成型する。該金型60は、上型61と下型62とを含み、該基板100は、上型61と下型62との間に供給ラック50とともに配置され、その後、該プレス成形ユニット45によって該金型60を押し動かし、該上型61及び該下型62をそれぞれ第2所定温度状態下の該基板100の上面及び下面に圧迫し、基板100を上型61及び金型60内面形状に一致した曲面構造を有するように押圧変形させる。スタンピング工程を完成した後、取り出し機構46によって供給ラック50を、曲面を有する基板100と共に該投与ユニット47に送り、他の加工機に転送し、図14に示すステップ14に記載の加工工程を行わせる。
図17〜図20を参照し、これらはそれぞれ、本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法におけるスタンピング工程の4つのスタンピング動作の概説明図であり、図17〜図20に示すように、図14に示されるステップ12のスタンピング工程は、更に次の動作を順番に含む。
(I)送り動作:図17に示すように、供給ラック50を該基板100と共に上型61と下型62の間に位置し、且つ該基板100は、それぞれ該上型61及び該下型62とギャップを隔て、且つ冷却工程によって該基板100、該上型61及び該下型62の温度を何れも該第2所定温度まで調整する。ここで、該第2所定温度は、摂氏40℃〜60℃の間に介し、且つ該上型61及び該下型62において該基板の側の表面上に何れもそれぞれ所定の曲面を設置する。
(II)上型凸面接触動作:図18に示すように、プレス成形ユニット45によって該上型61を押し動かし、該上型61にガイドロッド411に沿って下向きに圧縮バネ412を移動圧縮し、該基板100の上面に接触させ、この時、下型62は、基板100に接触していない。
(III)板材上屈曲成型動作:図19に示すように、プレス成形ユニット45によって該上型61を継続して押し動かし、該上型61を継続して下向きに移動させ、該基板100の上面を、該基板100の該上面が圧迫されて変形して該上型61の該所定曲面(凸面)に符合するまで圧迫し、この時、該基板100及び該下型62の間は、依然としてギャップを有して接触していない。
(IV)板材上曲面成型動作:図20に示すように、該プレス成形ユニット45によって下金型を押し動かし、下型62を上方に移動させ、該基板100の下面を該基板100の該下面が圧迫されて変形して該下型62の該所定曲面に符合するまで圧迫し、押圧されることにより、下型62の所定の曲面に沿うように変形され、この時、該基板100は、該上型61及び該下型62の両者によって緊密に圧迫されている。
(V)全圧冷却動作:図20に示すように、該プレス成形ユニット45が上下型61、62に圧力を加え続けて該基板100に対して圧迫を保持した状態で、該基板100に冷却工程を、基板100が第3所定温度に冷却されるまで行う。ここで、該第3所定温度は、摂氏25°C〜45°Cの間である。その後、該プレス成形ユニット45が上型61及び下型62を基板100から遠ざけるように駆動し、該供給ラック50を該基板100と共に取り出し機構46により金型60から取り出す。
図21を参照し、それは、本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法における該下型の実施例を示す説明図であり、該下型62上の幾つかの凸柱構造によって、基板100上に幾つかの位置決め孔を形成することができる。
図22を参照し、それは、曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法において、該基板が成形工程を完成しているが、加工工程をまだ実施していないと時の基板の説明図であり、基板100a上に位置する幾つかの位置決め孔101の実施例を示ししている。
図23を参照し、それは、本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法において、成形工程を行う説明図である。図23に示すように、プレス成形ユニット45が、凸面を有する上型61及び凹面を有する下型62によりそれぞれ基板100aの上下面をプレスした後、基板100aを上下型61、62形状に符合する曲面を有する基板100aに押圧する。ホットプレスにより、基板100aに周辺領域に位置し、引っ張り及び圧縮変形量が大きい変形領域64と、基板の中間部に位置する仕上げ領域63とを形成する。変形領域64に位置する基板100aは、比較的大幅な引っ張り及び押出変形を受け、品質が不安定であり、車両のサンルーフ板材の完成品としての使用には適していない。
図24を参照し、それは、本発明の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法において、加工工程を行う説明図である。該加工工程において、CNCフライス盤70又は他のタイプの加工機によって該基板100aの外形に切削加工を行い、ここで、該成形工程によって該基板100a上に完成品としての使用に適さない該変形領域64を形成し、従って、該CNCフライス盤70が該基板100aに対して切削加工を行う加工位置71及び経路は、該基板100aの該変形領域64の範囲内に入り、所定の外形輪郭を有するプラスチック板材を形成し、且つ該プラスチック板材は、主に該完成品領域63範囲内に位置する。
なお、本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない均等の範囲内で各種の変動や潤色を加えることができることは勿論である。
01 板材
02 接着剤
03 結合構造
11〜17 ステップ
10、100、100a 基板
11 エンジニアリングプラスチック層
12、13 アクリル層
14、15 硬質層
20、20a、20b、30、30a、40 コーティング層
21、31 接着層
201 基層
22、32、34 紫外線防止層
23、33 耐摩耗層
24 赤外線防止層
25 耐摩耗層
101 位置決め孔
40 成形機
41 本体
411 ガイドロッド
412 ばね
42 フリップ膜剥離ユニット
43 搬送台
44 加熱ユニット
45 プレス成形ユニット
46 取り出し機構
47 投与ユニット
50 供給ラック
51 フレーム
60 金型
61 上型
62 下型
63 完成品領域
64 変形領域
70 フライス盤
71 加工位置
81 プライマー層
82、82a 結合構造
83 シールリング層
91〜97 ステップ

Claims (15)

  1. 光透過性硬質プラスチック材料を少なくとも含み、且つ外面及び内面を有する基板と、
    前記基板の前記内面の外周縁領域に配置されたプライマー層と、
    前記基板の前記内面の前記外周縁領域且つ前記プライマー層の位置に固定される結合構造と、
    含み
    前記基板は、少なくとも3つ以上の異なる材料で共押出法により構成される多層構造であり、中間に配置され、ポリカーボネートを含むエンジニアリングプラスチック層、前記エンジニアリングプラスチック層の上方に配置された上部アクリル層及び前記エンジニアリングプラスチック層の下方に配置された下アクリル層を含み、前記上アクリル層上方に上硬質層を形成し、且つ下アクリル層の下方に下硬質層を形成し、
    前記基板の少なくとも前記上硬質層上に多層膜構造を有するコーティング層を更に設け、前記コーティング層は、接着層、紫外線防止層、及び耐摩耗層を含み、
    前記接着層の材料は、シリカ(SiO )であり、
    前記紫外線防止層の材料は、五酸化三チタン(Ti )を含み、
    前記耐摩耗層の材料は、シリカであること、
    を特徴とする曲面を有する光透過性プラスチック板構造。
  2. 少なくとも1つのシールリング層を更に含み、前記シールリング層は、前記結合構造の側に面する前記プライマー層の表面に設置され、且つ該シールリング層は、前記プライマー層と前記結合構造の両者の接触面の間に挟まれる請求項1に記載の曲面を有する光透過性プラスチック板構造。
  3. 前記基板は、少なくとも前記内面の前記外周縁領域箇所に曲面を有し、
    前記結合構造は、外部部材と結合することに用いられ、前記基板を前記結合構造によって前記外部部材に結合させることができ、
    前記結合構造は、硬質プラスチック材料又は金属材料のいずれかで構成され、
    前記結合構造は、前記硬質プラスチック材料で構成される時、前記結合構造は、埋め込み射出方式で前記基板の前記内面の前記外周縁領域且つ前記プライマー層を有する位置に成型され、固定され、前記硬質プラスチック材料は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリピロメリット酸イミン(PMMI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド(PI)の何れか1つを含み、前記結合構造は、前記金属材料で構成される場合、前記結合構造は、前記基板の前記内面の前記外周縁領域、且つ前記プライマー層を有する位置に接着固定され、
    前記プライマー層の材料は、アミン類(Amines)及び複素環アミン(heterocyclic amine)の化合物、シラン(Silane)化合物、ポリウレタン(Polyurethane(PU))の何れか1つを含み、該プライマー層は、前記基板と前記接合構造の間の結合強度を高めるために用いられ、
    前記シールリング層は、ディスペンス方式で前記結合構造の側に面する前記プライマー層の表面上において、前記外周縁領域に沿って囲うリング状の1つ又は複数の前記シールリング層を設け、前記シールリング層の材料は、シリコン(SILICONE)、ポリウレタンの何れか1つを含み、前記基板と前記結合構造の間の密封性を高めることに用いられる、請求項2に記載の曲面を有する光透過性プラスチック板構造。
  4. 前記コーティング層に赤外線防止層をさらに含む、請求項1に記載の曲面を有する光透過性プラスチック板構造。
  5. 前記コーティング層の上方に上面硬質層をさらに備える、請求項1に記載の曲面を有する光透過性プラスチック板構造。
  6. 少なくとも1つの光透過性プラスチック材料を含む基板を提供する、ステップ(A)と、
    予備加熱工程により前記基板を第1所定温度まで加熱する、ステップ(B)と、
    成形工程により第2所定温度の状態で、金型で前記基板をプレス成型する、ステップ(C)と、
    加圧成型後且つ曲面を有する前記基板の外形を切削加工し、所定外形輪郭及び曲面を有するプラスチック板材を形成する、ステップ(D)と、
    塗布工程により、前記プラスチック板材の表面の外周縁領域にプライマー層を施す、ステップ(E)と、
    埋め込み入射工程により結合構造を埋め込み射出方式で前記プラスチック板材の前記外周縁領域且つ前記プライマー層を有する位置に成型、固定する、ステップ(F)と、
    を更に含み、
    ステップ(E)とステップ(F)の間に、
    ディスペンス工程によって、前記プライマー層に少なくとも1つのシールリング層を設置し、前記シールリング層は、前記結合構造の側に面する前記プライマー層の表面に局部的に設置され、且つ前記シールリング層は、前記プライマー層及び前記結合構造の両者の接触面の間に挟まれる、ステップ(E1)と、
    前記基板は、少なくとも3層以上の異なる材料が共押出法で構成される多層構造であり、中間に配置され、ポリカーボネートを含むエンジニアリングプラスチック層、前記エンジニアリングプラスチック層の上方に配置された上アクリル層及び前記エンジニアリングプラスチック層の下方に配置された下アクリル層を含み、前記上アクリル層上方に上硬質層を形成し、且つ下アクリル層の下方に下硬質層を形成し
    前記基板の少なくとも前記上硬質層上に多層膜構造を有するコーティング層を更に設け、前記コーティング層は、接着層、紫外線防止層、及び耐摩耗層を含み、
    前記接着層の材料は、シリカであり、
    前記紫外線防止層の材料は、五酸化三チタンを含み、
    前記耐摩耗層の材料は、シリカであること
    を含む、曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法。
  7. ステップ(A)とステップ(B)との間にフリップ膜剥離工程を更に含み、フリップ機構によって前記基板を180度のフリップ動作を行わせ、前記基板の上下面上に貼合した保護膜を剥離し、
    前記予備加熱工程は、加熱ユニットによって前記基板の上下面の両方を加熱し、且つ前記第1所定温度は摂氏60℃〜105℃の間である、請求項6に記載の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法。
  8. 前記成形工程は、
    前記基板を上型と下型の間に配置し、前記基板は、それぞれ前記上型及び前記下型とギャップを隔て、且つ冷却工程によって前記基板、前記上型及び前記下型の温度を何れも前記第2所定温度まで調整し、前記第2所定温度は、摂氏40℃〜60℃の間であり、且つ前記基板の側に面する前記上型及び前記下型の表面上にそれぞれ所定曲面を設置する、ステップ(C1)と、
    プレス成形ユニットで前記上型を押し動かし、前記上型を下向きに移動させ、前記基板の上面が圧迫されて変形して前記上型の前記所定曲面に符合するまで前記基板を圧迫し、この時、前記基板と前記下型の間は、依然として前記ギャップを有する、ステップ(C2)と、
    前記プレス成形ユニットによって前記下型を押し動かし、前記下型を上向きに移動させ、前記基板の前記下面が圧迫されて変形して前記下型の前記所定曲面に符合するまで、前記基板の下面を圧迫し、前記基板は、前記上型及び前記下型の両方による緊密な圧迫を受けている、ステップ(C3)と、
    を更に含む、請求項6に記載の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法。
  9. 前記結合構造は、硬質プラスチック材料で構成され、前記硬質プラスチック材料は、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリピロメリット酸イミン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミドの何れか1つを含み、
    前記プライマー層の材料は、アミン(Amines)と複素環アミン(heterocyclic amine)の化合物、シラン化合物、及びポリウレタンの何れか1つを含み、前記プライマー層は、前記基板と前記結合構造との間の結合強度を高めることに用いられ、
    前記シールリング層は、ディスペンス方式で前記結合構造の側に面する前記プライマー層の表面に前記外周縁領域に沿って囲うリング状の1つ又は複数の前記シールリング層を設け、前記シールリング層の材料は、シリコン、ポリウレタンの何れか1つを含み、
    前記基板と前記結合構造との間の密封性を高めることに用いられる、請求項6に記載の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法。
  10. 前記コーティング層に赤外線防止層をさらに含む、請求項6に記載の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法。
  11. 前記コーティング層の上方に上面硬質層をさらに含む、請求項6に記載の曲面を有する光透過性プラスチック板構造の製造方法。
  12. 光透過性硬質プラスチック材料を少なくとも含み、外面及び内面を有する基板と、
    前記基板の前記外面に配置され、多層膜構造であり、内から外に向かって、接着層、紫外線防止層、及び耐摩耗層を含む、コーティング層と、
    前記基板の前記内面の外周縁領域に配置されたプライマー層と、
    前記基板の前記内面の前記外周縁領域且つ前記プライマー層を有する位置に固定される結合構造と、
    前記結合構造の側に面する前記プライマー層の表面に設置される少なくとも1つのシールリング層と、
    を更に含み、
    且つ前記シールリング層は、前記プライマー層及び前記結合構造の両者の接触面の間に挟まれる、
    前記基板の前記外面に上硬質層を形成し、前記基板の内面に下硬質層を形成し、前記コーディング層は、前記上硬質層に配置され、
    前記基板は、少なくとも2層の異なる材料を含んで共押出法によって構成される多層構造であり、ポリカーボネートを含むエンジニアリングプラスチック層と、前記エンジニアリングプラスチック層の上方又は上下両方に配置されるアクリル層と、を含み、
    前記接着層の材料は、シリカを含み、前記接着層の厚さは10nm〜300nmの間であり、
    前記紫外線防止層の材料は、五酸化三チタンを含み、前記紫外線防止層の厚さは、10nm〜300nmの間であり、
    前記耐摩耗層の材料は、シリカを含み、前記耐摩耗層の厚さは、60nm〜600nmであること、
    を含む、曲面を有する光透過性プラスチック板構造。
  13. 前記接着層は、前記基板の前記上面に接触する基層と、前記基層と前記紫外線防止層との間の位置するシリカ層とをさらに含み、
    前記基層の材料は、前記紫外線防止層の密着性を改善できる材料を選択する、請求項12に記載の曲面を有する光透過性プラスチック板構造。
  14. 少なくとも2層の多層構造を有する前記基板の異なる層の材料のガラス転移温度(Glass Transition Temperature,Tg)の差異範囲は、30〜60の間であり、且つ異なる材料の厚さの比値の範囲は、0.0001〜0.001の間であり、
    前記耐摩耗層と前記紫外線防止層の両者の屈折率の差は、少なくとも0.3であり、
    紫外線波長範囲内の光に対し、前記耐摩耗層及び前記紫外線防止層の両者の屈折率の比は、2.35〜1.38の間であり、
    前記耐摩耗層と前記紫外線防止層の両者の厚さの差は、少なくとも100nmである、請求項12に記載の曲面を有する光透過性プラスチック板構造。
  15. 前記基板の少なくとも前記内面の前記外周縁領域に曲面を有し、
    前記結合構造は、外部部材と結合することに用いられ、前記基板を、前記結合構造を介して前記外部部材に結合させることができ、
    前記結合構造は、硬質プラスチック材料又は金属材料の両者のいずれかで構成され、前記結合構造は、前記硬質プラスチック材料で構成される時、前記結合構造は、埋め込み射出の方式で前記基板の前記内面の前記外周縁領域且つ前記プライマー層を有する位置に成型され、固定され、且つ前記硬質プラスチック材料は、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリピロメリット酸イミン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミドのいずれかを含み、
    前記結合構造が金属材料で構成される時、前記結合構造は、前記基板の前記内面の前記外周縁領域且つ前記プライマー層を有する位置に接着され、
    前記プライマー層の材料は、アミン類及び複素環アミンの化合物、シラン化合物、ポリウレタンの何れか1つを含み、前記プライマー層は、前記基板と前記結合構造の間の結合強度を高めることに用いられ、
    前記シールリング層は、ディスペンス方式で前記結合構造の側に面する前記プライマー層の表面上に前記外周縁領域に沿って囲う1つ又は複数のリング状の前記シールリング層を設け、前記シールリング層の材料は、シリコン、ポリウレタンの何れか1つを含み、前記基板と前記結合構造と間の密封性を高めることに用いられる請求項12に記載の曲面を有する光透過性プラスチック板構造。
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