JP6818035B2 - 生物学的インジケータ - Google Patents

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    • C12Q1/02Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving viable microorganisms
    • C12Q1/22Testing for sterility conditions

Description

発明の詳細な説明
[発明の技術分野]
本発明は、生物学的インジケータに関し、より詳細には、蒸気への耐性が低下するように処理される生物学的インジケータに関する。
[背景技術]
生物学的インジケータは、概して、キャリアおよびキャリアに堆積された試験生物を有しており、蒸気滅菌工程をモニタリングするために用いられる。生物学的インジケータは、滅菌室に配置され、且つ、滅菌対象の物(例えば、医療機器)と共に蒸気滅菌サイクルが施される。滅菌サイクルに続き、生物学的インジケータは、増殖培地に曝露されてインキュベートされる。これは、試験生物が生存しているかを判定するためである。結果、試験生物が完全に不活化(増殖無し)された場合は、滅菌サイクルが合格と見なされ、試験生物が不完全に不活化(増殖を検知)された場合は、滅菌サイクルが不合格と見なされる。
国際公開公報第99/53019号には、胞子における殺菌剤と感受性のある部位と特に結合する1つ以上の添加物を含む微生物胞子が開示されており、それらの1つ以上の添加物は、胞子の殺菌剤に対する感受性を増加させる。
[発明の概要]
生物学的インジケータは、概して、周知の特徴(例えば、定められた個体群、純度、耐性特性等)を有する特定の試験生物の標準化された試料を含む。試験生物は、内生胞子を形成可能な微生物であってもよい。試験生物そのものが、「胞子状態」であってもよい。生物学的インジケータは、胞子の集まりから取った試験生物をキャリア上に堆積して準備されてもよい。キャリアは、セルフコンテインド(self−containd)生物学的インジケータ(SCBI)のフィルタペーパや内側面などの基板を含んでもよい。
生物学的インジケータを製造する従来の方法では、概して、予測可能な耐性レベルを維持するために、一定の結果をもたらす生物学的インジケータの複数の構成要素が条件とされる。このような従来の方法の問題は、生物学的インジケータの耐性に関する矛盾に遡り得る生物学的インジケータを使用する際に説明不可能な結果が生じるという事実に関係する。本発明では、製造した胞子の中から所望の耐性レベルを示す胞子を見つけるための胞子の検査や選定を過度に必要とすることなく消費者の要求を満たすように、生物学的インジケータの耐性レベルを制御することが可能である。本発明では、培養が必要な試験生物をより少ないバッチ数使うだけで、所望の耐性レベルを有する生物学的インジケータを供給するという消費者ニーズを満たすことが可能である。
本発明は、生物学的インジケータの蒸気滅菌に対する耐性を低下させるために、試験生物と有効量の炭水化物とを接種したキャリアを有する、生物学的インジケータに関する。本発明は、試験生物が、予測される最終用途に望まれるレベルより高いレベルの耐性を呈するような生物学的インジケータにとって有利である。
一実施形態では、本発明は、滅菌される物品と上記の生物学的インジケータとを蒸気に曝露することを含む、蒸気滅菌工程に関する。
一実施形態では、本発明は、滅菌される物品と上記の前記生物学的インジケータとを蒸気に曝露することと、前記滅菌工程が有効であるかを測定するために増殖培地があるところで前記生物学的インジケータをインキュベートすることと、を含む、蒸気滅菌工程の有効性を判定する工程に関する。
実施例1のデータを表すグラフであり、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス胞子の懸濁液由来の2つの生物学的インジケータのうち、キシロース水溶液中の胞子の懸濁液由来の生物学的インジケータ1つと、キシロースを含まない水中の胞子の懸濁液由来の他の生物学的インジケータとに関して、121℃での蒸気耐性が測定される。 実施例2のデータを表すグラフであり、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス胞子の懸濁液由来の2つの生物学的インジケータのうち、キシロース水溶液中の胞子の懸濁液由来の生物学的インジケータ1つと、キシロースを含まない水中の胞子の懸濁液由来の他の生物学的インジケータとに関して、132℃での蒸気耐性が測定される。 実施例3のデータを表すグラフであり、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス胞子の懸濁液由来の4つの生物学的インジケータのうち、水中の胞子の懸濁液由来の生物学的インジケータ1つ(図3A)及び、各種キシロース水溶液中の胞子の懸濁液由来の生物学的インジケータ3つ(図3B)に関して、121℃での蒸気耐性が測定される。 実施例3のデータを表すグラフであり、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス胞子の懸濁液由来の4つの生物学的インジケータのうち、水中の胞子の懸濁液由来の生物学的インジケータ1つ(図3A)及び、各種キシロース水溶液中の胞子の懸濁液由来の生物学的インジケータ3つ(図3B)に関して、121℃での蒸気耐性が測定される。 実施例4のデータを表すグラフであり、水中、0.5Mキシロース溶液中、0.5Mデキストロース溶液中のゲオバチルス・ステアロサーモフィルス胞子の懸濁液由来の3つの生物学的インジケータに関して、121℃での蒸気耐性を示す。 実施例1〜4で使う生物学的インジケータ評価レジストメータ(BIER)容器の概略図である。 実施例1〜4のBIER容器を使ってフェーズ1〜6を図示する周期グラフである。 生物学的インジケータとして用いる、乾燥させて、および再水和した胞子の懸濁液を含む薬瓶の概略図である。 本発明で使用するSCBIの斜視図である。 第1非活性化位置にある容器に取り付けられたキャップを示す、図7のSCBIの断面図(図7の線8−8断面)である。 第2活性化位置にある容器に取り付けられたキャップを示す、図7のSCBIの断面図(図7の線8−8断面)である。 第2活性化位置にあるインジケータを示す、図7のSCBIの断面図(図7の線10−10断面)である。 本発明に関するSCBIと共に使用し得るテストパックのサイドトップ斜視図である。 図11の線12−12に沿った図11に図示するテストパックの断面図である。 本発明において使用し得るテストパックの平面図であり、SCBIがそのテストパックの第一凹設コンパートメントに配置され、化学的インテグレータおよび/または化学的インジケータがその第二凹設コンパートメントに設置される。
[発明の詳細な説明]
明細書および特許請求の範囲に開示した範囲制限および比率制限はいずれも、組み合わせて使用されてもよい。特に記載の無い限り、「1つ(a)」、「1つ(an)」、および/または「その(the)」という語句は、1つ以上を含み、且つ、単数形の項目に言及する場合は複数あるその項目も含んでよいと解釈されるものとする。
「および/または」という語句は、そのように等位接続された要素、つまり、場合に応じて接続または分離する要素の「一方または両方」を意味すると解釈されるものとする。その他の要素は、明記されていない限り、特記されたこれら要素と関連しているか否かに関わらず、「および/または(and/or)」節を用いて特記されたこれら要素以外で任意に存在してもよい。このように、非限定的な例として、「Xおよび/またはY」という語句は、「含む(comprising)」などのオープンエンド(open ended)の用語と共に用いられる場合、ある実施例では、Yを有さないX(Y以外の要素を任意で含む)を意味し、他の実施例では、Xを有さないY(X以外の要素を任意で含む)を意味し、さらに他の実施例では、XおよびYの両方(他の要素を任意で含む)などを意味する。
「または(or)」という語句は、上述した「および/または(and/or)」と同じ意味を有すると解釈されるものとする。例えば、リスト内の項目を分ける場合、「または(or)」または「および/または(and/or)」は、包括的である、つまり、少なくとも1つを含むだけでなく、リストの要素の1つ以上も含んでおり、且つ、任意的にリスト外の項目も追加的に含んでいる、と解釈されるものとする。「1つのみ(only one of)」や「1つのみ(exactly one of)」など、逆に明確に記載された用語のみ、リストの要素の1要素のみを含むことを意味してもよい。一般に、本明細書内で使用する語句「または(or)」は、「いずれか(either)」、「〜のうちの1つ(one of)」、「〜のうちの1つのみ(only one of)」、「〜のうち1つのみ(exactly one of)」のような排他的な用語が前にある場合、排他的代替物(つまり、一方または他方であり、両方ではない)を示していると解釈される。
1つまたは1つ以上の要素のリストを参考にする「少なくとも1つ(at least one)」という句は、要素のリストの中にある要素の1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味すると解釈されるものとするが、要素のリストに記載される一つ一つの要素をそれぞれ少なくとも1つ必ずしも有するわけではなく、且つ、要素のリスト内の要素のあらゆる組み合わせを排除するものでもない。この定義により、「少なくとも1つ(at least one)」という句が言及する要素のリスト内で明記された要素以外の要素も、リスト内で明記された要素と関係するか否かにかかわらず、任意で存在し得る。このように、非限定的な例として、「XおよびYのうち少なくとも1つ(at least one of X and Y)」(または同様に「XまたはYのうち少なくとも1つ(at least one of X or Y)」、または同様に「Xおよび/またはYのうち少なくとも1つ(at least one of X and/or Y)」)は、ある実施例にて、Yは存在しない(Y以外の要素を任意で含む)が、1つ以上を任意で有する少なくとも1つのXを意味し、また他の実施例にて、Xは存在しない(X以外の要素を任意で有する)が、1つ以上を任意で有する少なくとも1つのYを意味し、さらに他の実施例にて、1つ以上を任意で有する少なくとも1つのXと、1つ以上を任意で有する少なくとも1つのY(その他の要素も任意で含む)などを意味する。
「含む(comprising)」、「有する(including)」、「運ぶ(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「巻き込む(involving)」、「保持する(holding)」などのような接続の語句は、オープンエンド形式、つまり、含むことを意味しそれに限定されないと理解されるものとする。
試験生物(例えば、細菌胞子)の「不活化(inactivation)」という用語は、試験生物が、発芽、成長、および/または増殖するという、自らの能力を損失することを意味する。
用語「log減少(LR、log reduction)」は、試験生物が滅菌剤に接触することで不活化する生試験生物(例えば、細菌胞子)の数を示す数学的用語である。「4logの減少」は、生試験生物の数が1/10,000に減少したことを意味する。「5logの減少」は、生試験生物の数が1/100,000に減少したことを意味する。「6logの減少」は、生試験生物の数が1/1,000,000に減少したことを意味する。
用語「滅菌」は、生きている試験生物の完全な非存在が達成される工程を意味するとしばしば解釈される。しかし、本明細書におけるこの用語は、滅菌工程より厳密性の劣る工程にも言及するように使われる。例えば、これらは、消毒、衛生化、浄化、洗浄などを含む。本明細書における滅菌工程は、発芽、過度な成長、および/または増殖可能な試験生物の数が、少なくとも約4logの減少、少なくとも約5logの減少、または少なくとも約6logの減少を達成するために有効な期間実施されてもよい。
用語「生物学的インジケータ」は、キャリアおよびキャリアに堆積された試験生物を有する微生物学的試験システムを意味する。生物学的インジケータは、プロセスインジケータと組み合わせて用いられてもよい。
用語「キャリア」は、試験生物が堆積される支持材を意味する。
用語「接種キャリア」は、試験生物が堆積されているキャリアを意味する。
用語「試験生物」は、滅菌工程によって破壊される生物よりも滅菌工程に対してより耐性のある微生物を意味する。試験生物は、例えば、細菌胞子のような胞子を含んでもよい。
用語「D値」または「デシマル減衰時間」は、試験生物の個体群の90%を不活化(1log減少ともいう)させるのに必要な時間を意味する。D値は分単位で表される。
用語「生物学的インジケータ評価レジストメータ容器」または「BIER容器」は、蒸気滅菌に対する生物学的インジケータの耐性を評価する環境条件を提供する装置を意味する。温度、圧力、および時間は、BIER容器内での微生物破壊率を左右する主要変数である。より耐性のある胞子は、耐性のない胞子よりも長くBIER容器内で生残する。使用し得るBIER容器が図5Aに図示される。
試験生物は、細菌胞子を含んでもよい。試験生物は、バチルス属またはクロストリジウム属の胞子を含んでもよい。試験生物は、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)、バチルス・アトロファエアス(Bacillus atrophaeus)、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、クロストリジウム・スポロジェネス(Clostridium sporogenes)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、枯草菌グロビギ(Bacillus subtilis globigii)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、または、それらの2つ以上の組み合わせの胞子を含んでもよい。試験生物は、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)の胞子を含んでもよい。
炭水化物は、mとnが数字である実験式C(HO)により表される化合物を含んでもよい。炭水化物は、炭素原子、水素原子、酸素原子を含み、水素と酸素の比率は2:1であってもよい。炭水化物は、糖類であってもよい。糖類は、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖、または、それらの2つ以上の組み合わせであってもよい。単糖と二糖は砂糖と呼ばれる。単糖は特に役に立つ。単糖は、キシロース、グルコース(デキストロース)、果糖、ガラクトース、アラビノース、リブロース、マンノース、または、これらの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。単糖は、三炭糖、四炭糖、五炭糖、六炭糖、七炭糖、八炭糖、九炭糖、または、これらの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。五炭糖は、特に役に立つ。炭水化物は、サトウキビ、テンサイ、コーンシロップなどから得てもよい。炭水化物は、人工的に作られてもよい。使用し得る糖アルコールベースの食べ物が人工的であるのと同様に、九炭糖も人工的であってもよい。
生物学的インジケータは、蒸気滅菌工程で使用されてもよい。生物学的インジケータは、滅菌される物品とともに滅菌工程中に蒸気に曝露されてもよい。蒸気滅菌工程は、蒸気滅菌室の中で実施されてもよい。蒸気滅菌室は、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)を有してもよい。蒸気滅菌室内の温度は、一般的に、約121℃〜約135℃までの範囲内であってもよい。生物学的インジケータは、蒸気が到達しにくい滅菌室内の1つ又は複数の場所に配置されてもよく、その目的は、蒸気がこれらの場所に達しているかを検証するためである。滅菌工程が完了すると、生物学的インジケータは、滅菌工程の有効性を決定するために、増殖培地でインキュベートされてもよい。
生物学的インジケータは、試験生物を含む炭水化物水溶液を接種されたキャリアを有してもよい。キャリアは、多孔体または非多孔体を含んでもよい。キャリアは、固形材料を含んでもよい。キャリアは、滅菌工程中またはインキュベーション工程中に分解または劣化しない材料を含んでもよい。キャリアは、紙、金属、ガラス、セラミック、プラスチック、膜、または、これらの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。金属は、アルミニウムや鋼を含んでもよい。プラスチックは、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリイミド、ポリエステルなどを含んでもよい。キャリアは、薄膜を含んでもよい。キャリアは、紡糸または不織のフェルト状であってもよい。キャリアは、圧縮繊維のマットを含んでもよい。キャリアは、焼結ガラス、ガラス繊維、セラミック、合成ポリマー、または、これらの2つ以上の組み合わせから作られる多孔体を含んでもよい。キャリアは、フィルタペーパや吸収性のある紙を含んでもよい。キャリアは、セルロースパッドを含んでもよい。
キャリアは、SCBIの中に配置されてもよい。キャリアは、SCBIのコンパートメント内の表面を含んでもよい。SCBIのキャリアまたは内側面は、試験生物を含む炭水化物水溶液を接種されてもよい。この工程は図6にて概略的に図示される。SCBIは、2つの分離されたコンパートメントを有する蓋つき容器を有してもよい。2つのコンパートメントの一方は、接種キャリアまたは接種内側面を有してもよく、他方は、増殖培地を有してもよい。このコンパートメントは、インキュベーション直前に壊れ得る増殖培地のもろいガラス瓶を有してもよい。使用する際、SCBIと滅菌される物品とは、蒸気滅菌工程中に蒸気に曝露される。滅菌に続いて、SCBIは、試験生物が増殖培地と接触できるように作動してもよい。SCBIは、その後、滅菌工程の有効性を決定するためにインキュベートされてもよい。
SCBIは、図7〜図10に図示される形状であってもよい。図7〜図10を参照して、SCBI100は、流体140を収納するように構成されたキャップ110を有する。流体140は増殖培地を含む。キャップ110は、容器120に取り付けられ、内室116を有する。内室116は、開口部115と、開口部115上に積層された破壊可能な隔壁130と、を有する。流体140は、内室116内に封入されている。容器120は内部領域124を有し、キャリア190が内部領域124に配置される。キャリア190は、試験生物を含む炭水化物溶液を接種することで形成される。炭水化物溶液を乾燥することで、接種キャリア190が準備される。
滅菌工程で使用する場合、キャップ110は、図8に示す開位置に保持される。その後、SCBI100と滅菌される物品に対して蒸気滅菌工程が実施される。滅菌工程中、蒸気が、キャップ110と容器120との間の開口部を通過し、内部領域124内に流れる。内部領域124では、蒸気が、キャリア190に堆積された試験生物に接触し作用する。
滅菌工程が完了した後、SCBI100は、キャップ110を図9および図10に示す閉位置に向かって下方向にネジ締めすることで稼働する。その結果、破壊可能な隔壁130が穿孔部材127によって破壊され、破壊された隔壁130が形成される(図10に示す実施形態では、穿孔部材は2つ使用される)。増殖培地を含む流体140は、その後、容器120内に流れ、キャリア190に堆積された試験生物に接触する。
容器120内では、試験生物と増殖培地が、試験生物の生存性を測定するのに十分な時間インキュベートされる。インキュベーション期間の最後には、試験生物が滅菌工程を生き残ったかを判定するために、SCBIを評価する。試験生物が滅菌工程で生き残った場合、その滅菌工程は合格とは判断されない。一方、試験生物が不活化されている場合は、その滅菌工程は合格と判断される。
SCBI100のより詳細な記載は、米国特許8,173,388号に開示されており、それが本明細書に参考として組み込まれている。図7〜図10に記載以外のSCBI構造が使用されてもよい。
SCBI100は、図11〜図13に図示されるテストパックと共に用いてもよい。図11〜図13を参照すると、テストパック200は、凹んだコンパートメント220および230を有する基盤210を具備する。凹んだコンパートメント220および230は、内部流路240を介して互いに流体連通している。カバー250は、基盤210に取り付けられ、凹んだコンパートメント220および230用の密閉筐体を形成する。外部流路260は、密閉筐体と外部環境との間で流体連通を形成する。SCBI100は、凹んだコンパートメント220の中に配置される。化学的インテグレータおよび/または化学的インジケータ280は、凹んだコンパートメント230の中に配置される。外部流路260は、蒸気滅菌媒体の限られた流れが凹んだコンパートメント220および230内へつながるように構成されている。基盤210およびカバー250は、蒸気滅菌媒体によって貫通されない。化学的インテグレータおよび/または化学的インジケータ280は、滅菌工程が完了したことを示すのに充分な時間にわたり滅菌媒体内の充分な量の熱と蒸気に曝された後に、前縁の位置が変わったり、または変色したりする。蒸気滅菌媒体は、凹んだコンパートメント220内のSCBI100の中にも流動し、その結果、SCBI100内の試験生物と接触する。テストパック200のより詳細な記載は、米国特許9,017,944B2号に開示され、それが本明細書にて参照として組み込まれている。図11〜図13に図示するテストパック構造とは異なるテストパック構造を用いてもよい。
生物学的インジケータの上記形態の他の変形例は、早読み生物学的インジケータまたは速効性生物学的インジケータであってもよい。本形態において、生物学的インジケータは、試験生物の生存性の早期信号を検出する専用器具(リーダ)に適合してもよい。
キャリアは、試験生物の懸濁液を含む炭水化物水溶液を接種してもよい。炭水化物水溶液内の炭水化物の濃度は、約1〜約300g/L(1リットルあたりのグラム)の範囲か、約5〜約150g/Lの範囲か、または、約10〜約75g/Lの範囲であってよい。炭水化物水溶液内の炭水化物のモル濃度は、約0.001M〜約10Mの範囲か、もしくは、約0.01M〜約1Mの範囲であってもよい。炭水化物水溶液中の試験生物の濃度は、1ミリリットルにつき約10〜約10コロニー形成ユニット(cfu)の範囲、または、約10〜約10cfu/mlの範囲であってもよい。
図6を参照して、水中に含まれる所望の量の胞子は、ガラス瓶の中に投与且つ乾燥される前に、複数の炭水化物水溶液のうちの1つの中でスピンダウンし且つ再懸濁されてもよい。例えば、炭水化物水溶液内のゲオバチルス・ステアロサーモフィルス胞子の懸濁液は、キャリアに接種する分割回数ごとに所望の数の胞子を生成するように準備されてもよい。試験生物は、キャリア上に投与されてから乾燥されてもよい。キャリア上の試験生物を乾燥するのに、例えば、乾燥プロセスを促進する層流フード内にキャリアを設置するなど、気流を用いてもよい。キャリア上の試験生物の乾燥方法は、試験生物を周辺環境下に放置すること、接種試験生物を塩化カルシウムなどの乾燥剤を含む乾燥器内に置くこと、接種試験生物を温度および湿度が調整された環境チャンバ内に置くこと、または、乾燥空気、窒素、または無水の気体の流れの下に接種BIを置くことで試験生物が風力乾燥することを含んでもよい。キャリアによって担持される試験生物のコロニー形成ユニット数は、約10〜約10cfu/mm(基材の平方ミリメートルあたりのcfu)までの範囲か、または、約10〜約10cfu/mmまでの範囲であってもよい。
準備が整うと、SCBIは、滅菌される材料と共に滅菌室に配置され、滅菌剤に曝されてもよい。滅菌室から取り除かれると、SCBIは作動され、胞子を再水和する増殖培地が解放される。その後、SCBIを所定時間インキュベートし、残存物をモニタリングする。
生物学的インジケータは、充填物を放出するため、または、医療現場の滅菌室の機能性を検証するために使われてもよい。また、生物学的インジケータは、生物学的インジケータ廃物が適切に除染されているかを判定するためにも使用され得る。科学の現場においては、生物学的インジケータは、滅菌室の機能性の検証、物品の充填物の放出、または、工程が要求されている機能性を満たしているかの検証のためにも使われてもよい。所定の工程用に有効な生物学的インジケータは、一定の耐性を必要とするので、生物学的インジケータの製造者は、目標とされる耐性特性を有する生物学的インジケータを製造するのに努力するであろう。
その生物学的インジケータロットがその用途に適していることを保証するために、所定の耐性と比較することで特徴づけられてもよい。用途が医療機器の場合、所定の耐性は、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)またはアメリカ食品医薬品局(FDA)により定められてもよい。規制外の用途の場合、所定の耐性は消費者の決定に応じてよい。規制内の用途であっても、認定された範囲の低い限度で耐性の目標を定めることが好ましい。
生物学的インジケータの耐性は、そのD値として表され、D値とは、試験生物の個体群の90%の不活化を達成するのに必要な時間を表す。蒸気SCBIの場合、D値は分単位で測定される。D値は、約0.01〜約5分までの範囲、または、約0.1〜約5分までの範囲であってもよい。
図5Aおよび図5Bを参照して、生物学的インジケータの蒸気耐性は、BIER容器300を使って判定されてもよい。BIER容器は、圧力、時間、および温度を制御することにより、一回分の蒸気を充填物に速やかに送り出すために使われ得る。BIER容器は、一回分の蒸気を速やかに消散するためにも使用され得る。これにより、選択された蒸気滅菌工程に対する生物学的インジケータの耐性を判定することが可能となる。
生物学的インジケータの耐性は、消費者の要望および/または規制要求事項を満たすように目標が定められてもよい。例えば、医療生物学的インジケータには、BIER内で、121℃で1.5〜3.0分の滅菌サイクルで目標D値を満たすように要求してもよい。この耐性レベルは、規制ガイダンス公文書により要求され、且つ、医療消費者によっても期待され得るレベルである。他の基準周期は、所望のD値範囲内、または規定のD値範囲内で変動してもよい。
生物学的インジケータの製造は、多くの変数に対して開かれたものであってもよい。使用する胞子の特異菌株、選択した試験生物を培養する工程、実施する培養スケール、キャリア構造の材料、および増殖培地の成分、またはキャリアで用いる他成分は、すべて耐性に影響し得る生物学的インジケータの要素である。これら要素の若干の変更は、生物学的インジケータの測定される耐性特徴に重大な影響を及ぼし得る。これにより、生物学的インジケータのバッチは、定められた耐性仕様を満たさなくなり得る。
従来技術において、生物学的インジケータの製造に固有の可変性は、製造工程の問題や、消費者に所望の最終製品を提供することができないという問題につながっている。試験生物の培養のばらつき、構造体の材料のサプライヤの変更、または、増殖培地の構成成分のロット間ごとのばらつきは、ある期間に渡って製造されている生物学的インジケータラインの耐性を不必要に変え得る若干の変更例のいくつかである。
さらに、生物学的インジケータの構造用に特定の検証された材料を使用するので、消費者の要望や規制要求事項を満たすのに与えられた製品の耐性を変更する能力に限界が生じる。例えば、要求された構造において、ある特定の製品が2.90分のD値を有している場合、この製品は、1.90分のD値というより小さな耐性を求めている消費者のニーズを満たしそうにはない。これら両方の値は、認定された範囲の中であってもよい。より小さな抵抗を有する製品を準備するために、製造者は、工程の固有の可変性により所望のより低い耐性が生じるであろうという希望を持って、追加的に多くの試験生物を培養する必要があるであろう。
本発明は、試験生物の懸濁液を含む炭水化物水溶液を使って培養されるキャリアを有する生物学的インジケータに関する。炭水化物の生物学的インジケータへの導入は、蒸気滅菌に対する生物学的インジケータの耐性を低下させるために用いられ得る。これにより、蒸気滅菌に対して目標値まで低減された耐性を有する生物学的インジケータを容易に製造可能となる。
生物学的インジケータは、滅菌状態が求められる物品と同じ、蒸気滅菌媒体と処置とを実施されて使用されてもよい。蒸気は、生物学的インジケータが位置する場所まで通過するので、生物学的インジケータは、滅菌されている物品と同じ滅菌工程に曝される。滅菌後に、増殖培地は、生物学的インジケータと接触するようにもたらされてもよい。増殖培地は、液状であってもよい。増殖培地は、緩衝水溶液を含んでもよい。試験生物の増殖が可能な条件下で、生物学的インジケータを増殖培地と接触するようにもたらすいかなる方法も、存在している場合は、採用してもよい。増殖培地は、粉末または錠剤の形状で滅菌室に存在してもよく、滅菌後に、生物学的インジケータが水性インキュベーション培地と接触するように、滅菌水が追加されてもよい。
増殖培地は、1つ以上の栄養源を有してもよい。栄養源は、滅菌工程を生き残るあらゆる試験生物の増殖にとってのエネルギーを供給するために使用されてもよい。例えば、栄養源として、カゼイン膵液消化物、大豆ミールの酵素消化物、スクロース、デキストロース、酵母抽出物、L−システイン、および、これらの2つ以上の組み合わせが含まれてもよい。
生存する試験生物の存在下において色や本来の状態を変える微生物増殖インジケータが、増殖培地と共に使用されてもよい。増殖インジケータは、増殖培地内で分散または溶解されてもよく、且つ、最初の色を増殖培地に付与してもよい。また、この増殖インジケータは、試験生物が増殖すると、増殖培地における色の変化を付与するのでもよい。使用し得る増殖インジケータは、pH感受性色素インジケータ(例えば、ブロモチモールブルー、ブロモクレゾールパープル、フェノールレッドなど、またはこれらの組み合わせ)、酸化還元色素インジケータ(例えば、メチレンブルーなど)を含む。これら微生物増殖インジケータの使用は、pH、酸化還元電位、酵素活性、および他の増殖の指標の変化のような微生物増殖の現象に応じた色の変化を生じ得る。
増殖培地は、1つ以上のpH緩衝液、1つ以上の中和剤、浸透圧平衡を維持するための1つ以上の薬剤、または、これらの2つ以上の組み合わせを更に含んでもよい。pH緩衝液は、リン酸水素二カリウム(KHPO)、リン酸二水素カリウム(KHPO)、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロチエタノール(ビス トリス)、1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン(ビス−トリスプロパン)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−エタンスルホン酸(HEPES)、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(トリズマ、トリスベース)、N−[トリ
ス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(トリシン)、ジグリシン(グリシルグリシン(Gly−Gly))、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(ビシン)、N−
(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸(ADA)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(アセス(aces))、1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸(PIPES)、β−ヒドロキシ−4−モルホリンプロパンスルホン酸(MOPSO)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−(
N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−
ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸(TES)、3−(N,N
−ビス[2−ヒドロキシエチル]アミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸(MOBS)、2−ヒドロキシ−3−[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPSO)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸水和物(HEPPSO)、ピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)2水和物(POPSO)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)(HEPBS)、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−4−アミノブタンスルホン酸(TABS)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ブタンスルホン酸(CABS)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸水和物(MES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、およびこれらの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。
中和剤には、チオグリコール酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、カタラーゼ、重硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムレシチン、ポリソルベート20、ポリソルベート80、重炭酸カルシウム、およびこれらの2つ以上の組み合わせが含まれてもよいが、これらに限定されるものではない。
浸透圧平衡を維持する薬剤には、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、カルシウム塩、金属塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、塩化鉄、およびこれらの2つ以上の組み合わせが含まれてもよい。
増殖培地は、水、約0.01〜約100g/l(1リットルについてのグラム)の、または約0.1〜約50g/lの1つ以上の栄養源、約1.0×10−5〜約10g/lの、または約1.0×10−4〜約1.0g/lの1つ以上の微生物の増殖インジケータ、約5000g/lまでの、または約0.001〜約5000g/lの、または約0.1〜約1000g/lの1つ以上のpH緩衝液、約100g/lまでの、または約0.01〜約100g/lの、または約0.1〜約50g/lの1つ以上の中和剤、約50g/lまでの、または約0.1〜約50g/lの、または約0.1〜約25g/lの浸透圧平衡を維持する1つ以上の薬剤を含む、水性組成物を含んでもよい。
[実施例]
以下の実施例では、試験生物は、炭水化物水溶液内に懸濁されたゲオバチルス・ステアロサーモフィルス 胞子の標準ロットを用いて供給される。これら実施例において、キシロースおよびデキストロースが炭水化物として使われる。比較例もまた示されるが、炭水化物は使われない。いずれの場合も、懸濁水溶液が薬瓶の中に配置され、乾燥される。図6がこれを図示する。出来上がった生物学的インジケータの耐性が実験される。炭水化物を用いない場合と比較して、生物学的インジケータが炭水化物溶液由来の場合は、耐性が予想外に低下することが実験により示されている。
これら実施例では、図5Aに図示する生物学的インジケータ評価(BIER)容器を使って、生物学的インジケータの蒸気滅菌に対する耐性を実験する。図5Aを参照すると、BIER容器300は、生物学的インジケータを配置するために、室310、ドア320、および内側棚330を有する。蒸気、熱、および圧力が、矢印340で示されるように室310に入る。通気孔350は、蒸気、熱、および圧力を急速に解放するために形成される。作業は、室310内で環境への急な変化を導入するために設計された、コンピュータ化されたプロセッサ、センサ、及びバルブによって制御される。これにより、図5Bに図示される「方形波」サイクルの特徴が表れる。
図5Bを参照すると、BIER容器の中で使われる処理サイクルは、6フェーズを有し、これらフェーズは、図5Bにて、フェーズ1〜6の番号が付与される。これら6フェーズを以下に記載する。
以下の実施例1から4の結果を図1から4にて説明する。図1から4それぞれは、分単位におけるlog個体群のプロットを示す。用語「log個体群」は、試験試料内の生存胞子のコロニー形成ユニット(cfu)の数のlogを意味する。例えば、log個体群6は、試験試料中に生存する胞子のコロニー形成ユニット10(1,000,000)を意味する。
実施例1
生物学的インジケータは、BIER容器内で121℃にて蒸気に対する耐性が検証される。第一組の生物学的インジケータは、水中のゲオバチルス・ステアロサーモフィルス胞子の懸濁液由来である。第二組の生物学的インジケータは、1.67Mキシロース溶液中の胞子の懸濁液由来である。その結果、死滅動態(kill kinetics)は、キシロース溶液由来である第二組の生物学的インジケータ(約5分で6log減少)がキシロース溶液を使わない第一組の生物学的インジケータ(約20分で6log減少)と比較された場合、極めて短い。これは、図1にて説明されている。
実施例2
実施例1にて実施された試験が繰り返されるが、実施例2の試験は、BIER容器内で132℃にて実施される。本試験は、約5分(キシロース無し)から約1.5分(キシロース有り)まで耐性が低下することを示す。死滅動態(kill kinetics)は、121℃よりも132℃の方が速い。キシロースを追加すると、さらに耐性が低下する。これは、図2にて説明されている。
実施例3
その他の試験が、使用されるキシロースの量の影響を検証するために実施される。使用するキシロース濃度は、キシロースを使用しないレベル(図3A)から、キシロース溶液のキシロースの濃度が0.1Mから0.5Mまでの範囲(図3B)である。その結果、約17.5分(キシロース無し、図3A)から約4分(0.5Mキシロース、図3B)まで耐性が低下したことが示されている。
実施例4
実施例1にて実施された試験が繰り返されるが、異なる炭水化物を用いる。本試験では、0.5Mのキシロース溶液中のゲオバチルス・ステアロサーモフィルス胞子の懸濁液由来の生物学的インジケータが、0.5Mデキストロース溶液中の胞子の懸濁液由来の生物学的インジケータおよび炭水化物を含まない水中の胞子の懸濁液由来の生物学的インジケータと、比較される。結果が図4にて説明される。この結果、水のみの中に懸濁したゲオバチルス・ステアロサーモフィルス胞子由来の生物学的インジケータの耐性は、約17.5分であり、0.5Mキシロース溶液中に懸濁した胞子由来の生物学的インジケータの耐性は、約4分であり、0.5Mデキストロース溶液中に懸濁した胞子由来の生物学的インジケータの耐性は、約9分であった。
本発明を、様々な実施態様に関連して説明したが、それらの種々の改変は本願明細書を読む当業者にとって明らかなものであると理解すべきである。したがって、本明細書中に開示された発明については、添付の特許請求の範囲の範囲内に収まるようにこのような改変が網羅されていることが意図されていることを理解すべきである。

Claims (9)

  1. 水化物を用いなかった場合と比較して生物学的インジケータの蒸気滅菌に対する耐性を低下させるために、試験微生物と有効量の炭水化物とを接種したキャリアを有し、ここで、前記炭水化物は、キシロース又はデキストロースから選択される単糖を含み、前記試験微生物は、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルスの胞子を含み、且つ、
    前記キャリアは、セルフコンテインド生物学的インジケータの第一コンパートメントの内側面を含み、前記キャリアは、前記炭水化物及び前記試験微生物を含む水溶液が前記キャリアに堆積され、前記水溶液が乾燥されることにより接種キャリアが形成されるように構成され、前記第一コンパートメントは、蒸気滅菌工程中に、前記試験微生物が蒸気と接触することを可能にするように構成され、且つ、
    前記セルフコンテインド生物学的インジケータは、増殖培地を含む第二コンパートメントを更に有し、前記第二コンパートメントは、前記蒸気滅菌工程中に前記試験微生物から前記増殖培地を分離することを維持し、前記蒸気滅菌工程が完了した後に前記増殖培地が前記試験微生物に接触するように構成される、
    セルフコンテインド生物学的インジケータ。
  2. 前記セルフコンテインド生物学的インジケータはテストパック内に配置される、
    請求項に記載のセルフコンテインド生物学的インジケータ。
  3. 前記炭水化物はキシロースを含む、
    請求項1に記載のセルフコンテインド生物学的インジケータ。
  4. 前記水溶液中の炭水化物のモル濃度は、0.001M〜10Mまでの範囲である、
    請求項1に記載のセルフコンテインド生物学的インジケータ。
  5. 前記溶液中の前記試験微生物の濃度は、10〜10cfu/mlの範囲である、
    請求項に記載のセルフコンテインド生物学的インジケータ。
  6. 前記キャリア上の前記試験微生物の数は、10〜10cfu/mmの範囲である、
    請求項1に記載のセルフコンテインド生物学的インジケータ。
  7. 前記セルフコンテインド生物学的インジケータは、0.01〜5分の範囲のD値を有する、
    請求項1に記載のセルフコンテインド生物学的インジケータ。
  8. 滅菌される物品と請求項1から請求項のいずれか1項に記載の前記セルフコンテインド生物学的インジケータとを蒸気に曝露することを含む、
    蒸気滅菌方法。
  9. 滅菌される物品と請求項1からのいずれか1項に記載の前記セルフコンテインド生物学的インジケータとを蒸気に曝露することと、
    前記滅菌方法が有効であるかを判定するために、増殖培地の存在下で前記試験微生物をインキュベートすることと、を含む、
    蒸気滅菌方法の有効性を判定する方法。
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