JP6817932B2 - 異種マトリックスを含む試料から生体材料及び/又は生体情報を取得する装置 - Google Patents

異種マトリックスを含む試料から生体材料及び/又は生体情報を取得する装置 Download PDF

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Description

本発明は、その後の解析、特に診断のために、異種マトリックスを含む試料から生体材料及び/又は生体情報を取得する分野に関する。
種々の起源(例えば、産業、食品加工又臨床起源)の試料から生体材料及び/又は生体情報の試験を行うには、例えば、微生物の同定及び/又は計数などのための検出を可能にする手法を実施する必要があり、その結果としての収率はできる限り有効なものでなくてはならない。一般に、このような生体材料を考える場合、これは非病原性であり得る。しかしながら診断分野においては、試験の対象である生体材料は通常病原性であるため、その場で是正処置を可及的速やかに開始するには、迅速かつ正確な検出が必要である。明らかに、この病原性生体材料によって生成される毒素やその他の代謝産物も調査することができる。
標準的な方法において、生体材料及び/又は生体情報の検出は、この生体材料の免疫アッセイ、酵素アッセイ、分子生物学的手法などを用い、培養皿上での計数及び/又は同定によって行うことができる。いずれにしても、生体材料及び/又は生体情報の問題であるかどうかにかかわらず、検出感度及び検出特異性は、実施される試験の効率を評価する上での2つの重要な要素である。
例えば、微生物の検出は、従来、国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)又は米国連邦食品医薬品庁細菌学的解析マニュアル(BAM−FDA:Bacteriological Analytical Manual of the Food and Drug Administration)法などの規格によって推奨される、ペトリ皿に播種した選択的培地に対して行われてきた。これらの規格は、特に、ポリミキシン卵黄マンニトールブロモチモールブルー寒天(PEMBA:polymyxin egg yolk mannitol bromothymol blue Agar)又はマンニトール卵黄ポリミキシン寒天(MYP:mannitol-egg yolk-polymyxin Agar)などの培地の使用を薦めている。従来、微生物の同定は、形態、培養及び/又は代謝の基準に従って行われてきた。しかしながら、ペトリ皿上で行われるこれらの検出方法は、被解析試料から生じる非特異的要素による悪影響を受けることがある。これは異種マトリックスを含む試料に特に言えることである。このような試料としては、稠度の異なる試料(固体粒子、ほぼ液体、半固体など)、例えば、土壌、ヒトもしくは動物の糞便、痰もしくは唾液の試料、又は組織試料(法医学的試料)があり、これらは一般に、求められる微生物の成長を妨げ、偽陰性の結果(検出感度の問題)をもたらし得る、多糖類、細胞残屑及びあらゆるタイプの阻害剤(胆汁塩、ポリフェノール、多糖、繊維、ヘモグロビンなど)を豊富に含んでいる。
あるいは、生体材料から得られる生体情報の検出は、例えば、求められる1つ又は複数の微生物及びウイルスに対して特異的な核酸を増幅させる、従来の方法を用いて行うことができる。しかしながらこれらの技術は繊細であり、あらゆるタイプの多糖、細胞残屑、阻害剤などの化合物によって著しく阻害され得る。このため、偽陰性結果(検出感度の問題)又は誤った診断が生じ、ヒト又は動物の患者に深刻な影響をもたらす可能性がある。従って、微生物及び/又はウイルスを分離し、最小数の阻害剤を分離株内に存在させるようにすることは必須である。これは上述の様に、異種マトリックスを含む試料にとって特に重要である。というのもこのような試料は、上述の核酸増幅法の実行中に偽陰性を生じさせ得る、大量の非特定成分(多糖、細胞残屑、あらゆるタイプの阻害剤)を含むからである。
用いられる検出方法の種類に加え、及びこれらの種類に関係なく、異種マトリックスを含むこれらの試料には、試料及び/又は環境汚染の従来の問題に加え、計量/較正及び試料の性質に固有の、液体培地での懸濁に関する、より特異的な問題(採取した試料の量とその質量との間の相関の困難性、ある試料から別の試料への一定した較正手段)がある。
現在、異種マトリックスを含む試料に含有される遺伝子材料を解析する種々の方法が存在する。例えば、QiaGen社の「QIAamp(登録商標)DNA」キットは、固体又は液体試料(血液、血清、血漿など)のトータルゲノムDNAの分離及び精製を行うことができる。このキットには、標準的な微量遠心機での使用に適した濾過カラム及びチューブからなる装置が使用されている。サプライヤーの推奨するところによれば、トータルゲノムDNAを得るステップは、以下、すなわち、その性質に応じて所定量の対象試料を(秤量によって)採取するステップと、該試料を、該試料を懸濁する溶液を含有するチューブに導入するステップと、ボルテックスによる激しい攪拌によって試料を懸濁液に設置するステップとを含む。試料が激しく攪拌されると、溶菌液を加えて培養ステップを数分間行い、細胞膜を破って遺伝子情報が溶液内に放出されるようにする。次に、残屑を取り除くために、溶液を遠心分離して浮遊物を取り除く。この後には、遠心分離によってDNA試料を溶出する前にそれを精製する、溶液の添加と遠心分離の実行との、面倒なステップが続く。
しかしながら上述の「QIAamp(登録商標)DNA」キットを使用するこの方法は、特に試験する試料が異種マトリックスを含む試料である場合、いくつかの欠点がある。というのも、試料を秤量して微量遠心機チューブに移送する第1のステップは、これらのチューブの開口部が狭いため、クリティカル(critical)である。従ってこの移送は困難であるため、更なる取り扱い及び装置、並びに実行時間の延長が必要となる可能性がある。更に、これらの秤量及び/又は移送作業中には、下記の大きなリスクがある:
材料の喪失、
試料及び/もしくは環境並びに/又は検査技師の汚染、
糞便、唾液又は痰などの試料を繰り返して取り扱うことによる検査技師の不快感、
秤量によって試料を較正することの困難性。
更に、非常に多くの種類のチューブの取り扱いを含む「QIAamp(登録商標)DNA」キットのプロトコルを構成するステップが多数あるため、誤った取り扱いが生じ得る。更に、微量遠心機に適したチューブなどの、小さなチューブの取り扱いは、検査技師にとって非常に実用的なものであるとはいえず、従って、時間と効率とが失われる可能性がある。更に「QIAamp(登録商標)DNA」キットにおいては試料から核酸の分離のみが可能であり、例えば培地の検出など、生存可能な微生物の存在の検出を可能にするものではない。更に、「QIAamp(登録商標)DNA」キットによって糞便試料から酵母を検出することはできない。
別の例において、米国特許第4,081,356号(特許文献1)は、寄生虫の卵及び幼虫を含む小さな沈渣を糞便材料の試料から回収する装置及び方法を記載している。開示されたこの装置は、フィルタ、スチールメッシュなどの基本(つまり選択的ではない)濾過要素によって分離される2つのコンパートメントより構成され、上部のコンパートメントはその外端がスパチュラによって塞がれ、試料の採取が可能になっている。糞便材料の試料は、コンパートメントの上部への連結に適したスパチュラによって採取される。次に試料をロッドによって、機械的に、任意選択で界面活性剤の補充されたホルムアルデヒド溶液を用いて乳化させる。乳化は、ガラスビーズの存在下において、水平攪拌のステップによって完了させる。続いて垂直攪拌ステップによって乳化された試料全体を、基本濾過要素を通して、装置の下部のコンパートメントに移送することが可能となる。そしてエーテルを使ってこの基本濾過要素をすすぎ、下部のコンパートメントに混合物を形成させる。最後に下部のコンパートメントを攪拌、遠心分離し、結果として生じた混合物を密度の異なる種々の材料の層に分離し、寄生虫の卵と幼虫とを含む沈渣層を分離する。
米国特許第4,081,356号
しかしながら、上述の方法で使用される装置は、寄生虫の卵や幼虫に加え、種々の層に沈渣する非特定要素を通過させる基本濾過要素の選択性の大きな欠如に伴う欠点がいくつかある。更に、試料を採取する第1のステップ、特にスパチュラを上部コンパートメントに連結するステップは、清潔かつ簡単な試料の採取を可能とするものではないため、更なる取り扱いや実行時間の延長が必要となる。更に、特にブリストルスケールにおけるタイプ1及び2の硬い糞便から正確な、較正された量の試料を採取するのが非常に困難、又は不可能である限り、この装置を用いた方法の再現性にも必然的に影響が及ぼされる。ヒトの糞便は一般的に、これを7つのタイプに分ける視覚的分類によって構成されるブリストルスケールに従って特徴付けられ、分類される。1〜2のタイプは硬い糞便に相当し、3〜4のタイプは通常の糞便であると考えられ、5,6,7のタイプは液状の糞便に相当する。
上述の問題に鑑み、本発明は以下が可能となる装置及び該装置に関するプロセスを開発することを目的とする:
‐秤量を必要としない、採取された異種マトリックスを含む試料の量の計量/較正、
‐該試料の液体培地での効率的な懸濁、
‐フィルタの目詰まりに関連する問題を制限して濾過を促進させることによる、生体
材料及び/又は生体情報の回収の向上、
‐解析の結果を最後にゆがめる可能性のある非特定要素の取得の制限、
‐容器(例えばチューブ)への移送中において一部の試料が喪失されることの防止、
‐効率及び実用性の向上、
‐試料及び/もしくは環境並びに/又は検査技師の汚染リスクの可及的制限;
‐異種マトリックスを含む試料を調製するプロトコルの単純化による、操作時間、使
用材料及び消耗材並びにエラーリスクの削減及び再現性の向上、
‐あらゆる既知の解析方法(微生物学、培養、ウイルス学、細菌学、免疫測定法、メ
タシーケンス、PCRなど)に対応する装置の提案、及び
‐酵母の分離。
その他の目的は、本特許明細書内に適宜記載する。
従って、本発明の課題は、例えば、ヒト又は動物の糞便(糞便)などの異種マトリックスを含む試料から生体材料及び/又は生体情報を取得する装置に関するものであり、該装置は、
‐上述の試料と、該試料を懸濁することができるように意図された少なくとも1つの懸濁溶液とを含む内容物を受容するのに適した容器と、
‐上述の容器を好適には密閉して閉じることを可能にするストッパとを備え、該ストッパは、
‐一定の質量に対応する所定量の上述の試料を採取することを可能にし、上述のストッパと上述の容器が組み付けられた際、ストッパの内部に連結され、該ストッパの内部から上述の容器の内部に延在する少なくとも1つの較正中空部を有する、少なくとも1つの較正サンプリング手段と、
‐好適には取り外し可能な閉鎖手段によって閉じられ、上述のストッパと上述の容器が組み付けられた際、該容器の内部と上述の装置の外部との間で流体を連通可能にする少なくとも1つの開口部と、
‐上述の開口部に対して、上述の内容物が上述の容器の内部から上述の装置の外部へと、上述の開口部を介して通過する間、上述の内容物を濾過するように配置され、上述の生体材料及び/又は生体情報の上述の装置の外部への選択的な通過を可能にするのに適した、少なくとも1つの濾過手段とを備える。
従って、本発明による装置は、続いて行われる試料の解析を考慮した、(特に困難な秤量ステップのない場合の)異種マトリックスを含む一定の質量の試料の採取、該試料の懸濁液への設置、及び生体材料及び/又は生体材料に含まれる生体情報の分離の簡素化並びに容易化を可能にする。特に本発明に係る装置は、非常に様々な稠度及び/又はテクスチャを有する異種マトリックスを含む試料の処理に適するという利点がある。
本発明に係る装置によって得られる生体材料及び/又は生体情報の分離を簡素化することにより、エラー並びに試料及び/又は外部環境の汚染を生じさせる可能性のある、消耗材及び技術的操作(ピペット操作、浮遊物の除去、遠心分離など)を必要とする、「チューブ切開」ステップを削減することができる。また、本発明に係る装置は、天秤、ビーズ破砕機又は遠心分離機などの複数の装置を使用しなくてもすむ。
「異種マトリックスを含む試料」という用語は、解析のために異種マトリックスを含む材料から分離された少しの部分又は少量の部分を意味するものとする。それから試料の採取される異種マトリックスを含む材料は、稠度及び/又はテクスチャ(固体部分、ほぼ液体部分、半固体部分、粘着/粘弾部分)に関する本質的な相違によって特徴付けられる。この異種マトリックスを含む材料は、求められる生体材料及び/又は生体情報を含み得る。例えば、異種マトリックスを含む試料には、土壌、ヒトもしくは動物の糞便、痰もしくは唾液試料、産業試料、又は組織試料(法医学的試料)がある。好適には、異種マトリックスを含む試料は、ヒト又は動物の糞便試料である。特に1つの好適な実施形態によれば、この異種マトリックスを含む試料はヒトの糞便試料である。本発明に係る装置は、ブリストルスケール、すなわち1〜7のタイプによって定められた全てのタイプの糞便から生体材料及び/又は生体情報が取得できるようにする。
本発明において使用する「生体材料」という用語は、遺伝子情報を含み、バイオシステムにおいて自己増殖又は増殖可能な任意の材料を意味するものとする。例えば、自己増殖可能な生体材料の例として、1つ又は複数のヒト、動物もしくは植物の細胞、又は1つ/複数の細菌/酵母などの、顕微鏡的自己増殖可能な「生体材料」がある。
本発明の1つの好適な実施形態によれば、上述の生体材料は、自己増殖可能な微生物学的材料(1つ又は複数の細菌、酵母、真菌)又はバイオシステムにおいて増殖可能な生体材料(1つ又は複数のウイルス)である。本発明に係る装置は、ヒト及び/又は動物にとって病原性のある微生物の検出及び/もしくは同定並びに/又は計数に特に適している。
本発明において使用される「生体情報」という用語は、上述の生体材料を構成する、又は生体材料によって生成される、核酸(DNA,RNA)、たんぱく質、ペプチド又は代謝産物などの任意の要素を意味するものとする。生体情報は特に上述の生体材料内に含有され得る、又は生体材料によって排泄/分泌され得る。
「較正中空部」は好適には凹状であり、所定の質量の異種マトリックスを含む材料の採取に適した所定の容量を定めることを可能にする。詳述すれば、この中空部の容量は、解析を可能にするのに十分な量の生体材料及び/又は生体情報が含まれるように定められる。
1つの好適な実施形態によれば、較正サンプリング手段は、ロッド及び較正中空部を備える。
この好適な実施形態によれば、上述の較正中空部は上述のロッドにより、ストッパの内部に連結される。
有利には、過剰な質量/量の生体材料及び/又は生体情報の採取を回避するために、上述のロッドは、上述の少なくとも1つの較正中空部のみが異種マトリックスを含む試料を含有することができるようになされている。このため好適には、ロッドには、明らかに較正中空部を除き、凹部又はキャビティが設けられていない。1つの具体的な実施形態によれば、上述のロッドは硬い材料で作られている。
1つの好適な実施形態によれば、上述のロッドの較正中空部は上述のロッドの空洞化部分であり、有利にはストッパの内部と反対側のロッドの端部レベルに位置している。
1つの好適な実施形態によれば、上述の中空部は、この中空部を十分に剛性のある適切な表面に「こする」ことにより、余剰な異種マトリックスを含む試料を除去するのに適した少なくとも1つの壁を有する。このようにして、較正中空部によって画定された容量の外側に突出する余剰な異種マトリックスを含む試料を取り除くことにより、オペレータは、除去された異種マトリックスを含む試料の質量が、較正中空部の容量に対応する所望の質量を大幅に超えていないことを確認する。
有利には、上述の中空部は上述の異種マトリックスを含む材料を、10mg〜2000mg、好適には100mg〜1000mg、有利には200mg〜300mg含むように較正される。
本発明の1つの特定の実施形態によれば、上述のロッドは少なくとも1つの摺動部を有し、又はこの摺動部に連結されており、ロッドの第1長さからロッドの第2長さへと通過する(そして好適には逆、つまりロッドの第2長さから第1長さへと通過する)ことが可能となる。ロッドの第2長さはロッドの第1長さよりも短い。
本特定の実施形態の第1の態様によれば、上述のロッドは少なくとも部分的に伸縮自在であり得る。
本特定の実施形態の第2の態様によれば、上述の摺動部は、上述のロッド上に位置し、このロッドに沿って摺動し、上述のロッドの第1長さからロッドの第2長さ(そして好適にはこの逆)へと通過する摺動延長部であり、この摺動延長部は、好適にはストッパの内部から最も遠い摺動延長部の端部に位置する、少なくとも1つの較正中空部を備える。
本発明の1つの特定の実施形態によれば、サンプリング手段は、好適には2〜10、更に好適には2〜6、有利には3又は6の較正中空部を含むのに適し、その各々は、上述の異種マトリックスを含む材料を10mg〜2000mg、好適には100mg〜1000mg、有利には200mg〜300mg含む。従って、本特定の実施形態によれば、本発明に係るサンプリング手段は、20mg〜20000mg、好適には200mg〜6000mgの量の異種マトリックスを含む試料の採取に適している。当業者が、特に較正中空部の数及び/又は量に関して、特に最終的に、解析技術の最小感度レベルに対応する生体材料及び/又は生体情報の濃度を得るために、本発明に係るサンプリング手段をどのように適合させるかを知っているのは明らかである。例えば、牛結核の原因となる微生物(結核菌群のマイコバクテリア)の検出は困難であり、微生物の解析可能な濃度を得るには大量の試料が必要であることは当業者にとって周知のことである。
1つの特定の実施形態において、上述のサンプリング手段は、ロッドの各側に、牛、羊、ヤギ又は豚の糞便、有利には牛の糞便などの異種マトリックスを含む試料1000mgに対応する容積をそれぞれ含むことのできる較正中空部を3つ有する、すなわち全体で6000mgの容積となる。
典型的には、ヒト由来の糞便の解析は200〜300mgの試料を使用して行われる。しかしながら、特定の場合において、これは1000mgまで及ぶことがある。更に、獣医学の用途においては、解析のために必要とされる試料の質量は数グラム、又は数十グラムである。
本発明の1つの好適な実施形態によれば、ストッパと容器の組み付けは、ネジ締め又はクリップ締めなどの閉鎖システムを介した2つの要素の緊密な協働作用によって行われ、ストッパによって容器を閉じる際、内容物が濾液のみの形態で、少なくとも1つの開口部を介して開口部から出るように容器を閉じる。
本発明において使用される「取り外し可能な閉鎖手段」という用語は、濾液の制御されない流出を防ぐことのできる任意の手段を意味するものとする。例えば、上述の閉鎖手段はキャップ又は破断可能な保護部であってもよい。破断可能な保護部は上述の開口部に固く連結され、好適には開口部に(例えばヒートシールにより)密閉され、捩り力又は引張力によって破断可能である。あるいは、この破断可能な保護部は、ナイフ又はハサミなどのスライス手段の作用を介して切断することができる。興味深いことに、この破断可能な保護部は、堅固性制御の機能も行う、というのもこの破断可能部はオペレータのために装置から分離することができるので、当該装置がすでに使用されたことがわかる。換言すれば、この破断可能部は、本発明に係る装置の完全な状態を保証する。
有利には、本発明に係る取り外し可能な閉鎖手段が破断可能な保護部である場合、破断可能な保護部は上述の開口部の対向端において、開口部に対して相補的な形状を有する。これにより、この破断可能な保護部が、例えば捩れ力または引張力をかけられて開口部から分離されると、開口部に相補的な形状を持つこの破断可能部の端部を開口部に置き、それを閉鎖することができる。この好適な実施形態において、破断可能な保護部は、一旦開口部から離されると、キャップとして作用するため、この破断可能な保護部を「破断可能な保護キャップ」として説明することができる。
先述の様に、本発明に係る較正サンプリング手段は、任意の適切な手段によってストッパの内部に連結される。よって、較正サンプリング手段を(例えばクリップの締め付けによる)弾性連動によってねじ込み、接着接合又は組み付けを行うことができる、あるいはストッパに設けられた開口部に強制的に差し込むことができる。1つの特定の実施形態によれば、この較正サンプリング手段はストッパの内部にヒートシールすることができる。
本発明の1つの好適な実施形態によれば、上述の容器は、上述の試料の懸濁溶液への懸濁を促進するのに適した、好適にはビーズのような、球形の少なくとも1つの機械的懸濁手段も備えている。
「機械的懸濁手段」という用語は、本発明による容器内に設置され、例えば、手作業による攪拌、又はボルテックス、超音波破砕機もしくは磁気攪拌器、又はビードビーターなどの混合装置による攪拌により、1つ又は複数の本発明に係る装置の外部の力系によって動かされ、上述の懸濁溶液内における試料の機械的懸濁を可能にする/促進するのに適した要素を意味するものとする。
有利には、本装置は、1〜200、好適には5〜50、有利には10〜40、特に好適には25〜35の間で選択されるビーズなどの多数の機械的懸濁手段を備え、この機械的懸濁手段の大きさは、1mm〜10mm、好適には2.5mm〜3.5mm、有利にはおよそ3mmであり、好適には、この機械的懸濁手段はガラス、鉄、プラスチック、セラミックで作られ、特に好適にはガラスで作られる。
機械的懸濁手段の大きさは、この手段における最大の大きさであると理解されたい。例えば、直六面体(ストレートブロック)の形状を持つ機械的懸濁手段の大きさは、この六面体の長さ(最大寸法)を意味するものと理解されたい。
先述の様に、この少なくとも1つの機械的懸濁手段は球状であり、有利にはビードで構成される。球状の機械的懸濁手段の場合、大きさはその直径であると理解されたい。そのため、機械的懸濁手段として、2mm〜10mm、好適には2.5〜3.5mm、有利には約3mmの大きさの複数のビーズが使用される場合、ビーズの直径は2mm〜10mm、好適には2.5〜3.5mm、有利には約3mmであると理解されたい。好適には、そのようなビーズの大きさは、上述の較正中空部の形状および寸法と一致する。
好適には、少なくとも1つの機械的懸濁手段の形状及び/又は大きさは、少なくとも1つの開口部を閉鎖せず、ストッパ及び容器が組み付けられた際に、容器の内部と装置の外部との連通を可能にするのに適したものである。反対に、少なくとも1つの機械的懸濁手段の大きさ及び/又は形状が事前にわかっている場合、それに合わせて上述の開口部の形状及び/又は大きさを、同じ目的を達成するように適合させることができる。
1つの特定の実施形態によれば、機械的懸濁手段は、事前に採取された異種マトリックスを含む試料の懸濁を促進させるために、較正サンプリング手段の少なくとも1つの中空部との協働に適した大きさ(球形の機械的懸濁手段の場合における直径)を有している。
好適には、機械的懸濁手段は、外部懸濁システム/装置と相互作用するのに適した材料で構成され、このようなシステム/装置は機械的懸濁手段(好適にはビーズ)の移動又は振動を可能にする。このようなシステム/装置は、例えば、超音波破砕機又は磁気攪拌器によって構成される。最適には、機械的懸濁手段を構成する材料は、特にこのような生体材料及び/又は生体情報を改変/劣化させないように、上述の生体材料及び/又は生体情報とほぼ又は全く相互作用しない。
有利には、取り扱いを容易にするために、上述の較正サンプリング手段は、較正サンプリング手段が試料の採取中に湾曲するのを防ぎ、サンプリングされた生体マトリックスの質量に関する低い変動係数を保証するような、十分な剛性を持っている。
「十分な剛性」という用語は、異種マトリックス、特に、比較的硬い稠度を持つ異種マトリックスを含むあらゆるタイプの試料を採取するのに適切な剛性を意味するものとする。較正サンプリング手段の十分な剛性、すなわち低い弾性によってサンプリングが容易になり、サンプリング操作中に異種マトリックスを含む試料の突出を防ぐことができる。
有利には、サンプリング手段の十分な剛性は、ポリプロピレン(PP:polypropylene)、デルリン樹脂、ポリアミド(PA:polyamide)、熱可塑性材料、ポリカーボネート(PC:polycarbonate)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:polymethyl methacrylate)、低密度ポリエチレン(LDPE:low-density polyethylene)、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(ABS:acrylonitrile-butadiene-styrene)などの、必要とされる剛性の達成を可能にする材料、及び/又はサンプリング手段の剛性を促進させる形態を用いて得られる。更に、本発明による較正サンプリング手段が試料の採取中に湾曲するのを防ぐために、試料採取操作中、このサンプリング手段とストッパの内部との連結を十分に堅固なものとし、サンプリング手段が折れたり曲がったりしないようにすることは重要であることがわかっている。実際、この操作中、オペレータは一般にストッパの外部を少なくとも2本の指で保持しながら所望する試料を採取する。従ってこの際、ストッパの内部と較正サンプリング手段との連結部に脆弱な箇所のないことが重要である。
1つの特定の実施形態によれば、上述の較正中空部は、懸濁溶液内で試料の懸濁を容易にすることを可能にする少なくとも1つの開口部を備える。
好適には、上述の少なくとも1つの開口部の形状は、円形、卵形、又は細長(好適には楕円形)である。好適には、この開口部は細長く、有利には楕円形であり、例えば棒状である。この細長い、好適には楕円形の形状により、異種マトリックスを含む試料の較正された、増殖可能な採取を確実にする一方で、その懸濁溶液における懸濁を同時に促進させることができる。1つの特定の好適な実施形態によれば、この少なくとも1つの開口部は、先に定めた少なくとも1つの機械的懸濁手段との協働に適した形状及び/又は大きさを有し、オペレータによって採取される異種マトリックスを含む試料の懸濁を促進させる。
1つの特定の実施形態によれば、この懸濁を更に促進させるために、上述の少なくとも1つの中空部の表面全体又はその一部(好適には表面全体)には、1つ又は複数の水溶性層などの付着防止コーティング、又は疎水性タイプのコーティングを施す。好適には、この装置の製造を容易にする較正中空部を生成するために選択される材料は、疎水性であるという自然な傾向を持つ、及び/又は低い粗度を呈する。例えば、低粗度は研磨鏡面仕上げを施すような研磨によって特に得ることができる。
1つの好適な実施形態によれば、上述の容器は上述の懸濁溶液、例えば緩衝液を、試料の懸濁を可能にするのに十分な量で含む。
この懸濁は以下、すなわち、
‐直接的、つまり部分的又は全体的に、好適には全体的に、試料を含む上述の少なくとも1つの較正中空部を懸濁溶液に浸漬させる、又は、
‐間接的、つまり、懸濁溶液が試料を含む少なくとも1つの較正中空部の全体又は一部と時々(定期的又は不定期な間隔で)接触するように、懸濁溶液の高さの変化を誘発させることによって行うことができる。
異種マトリックスを含む試料の懸濁溶液への「間接的な」懸濁は、機械的懸濁ステップ、すなわち、例えば、かき回し/混合ステップ中に特に発生する。混合ステップは、ボルテックスタイプの攪拌器又は混合装置を用いて得ることができる。
「懸濁溶液」の例として、以下、すなわち、
i)上述の「異種マトリックスを含む試料」の懸濁を可能にする、及び/又は、
ii)対象の生体マトリックス及び/又は生体情報を保存する(つまりその劣化防止)のに適した任意の溶液を使用することができる。
このことから、上述の懸濁溶液は、リン酸緩衝液(一塩基性/二塩基性、10mM EDTA、pH8)、PBS緩衝液又はTE緩衝液(「Tris-EDTA」;10mM Tris、10mM エチレンジアミン四酢酸(EDTA:Ethylene Diamine Tetraacetic Acid、pH8)とすることができる。有利には、上述の懸濁溶液は、採取された試料の微生物相を保存する、すなわち、その改変を防止して、試料が周囲温度でサンプリングされた場所から解析される場所まで移送できるようにする、又は解析ステップを延期できるようにする保存要素を含むこともできる。このタイプの防腐剤には、例えばSrijan氏等の刊行物[1]に記載された「キャリー・ブレア」もしくは「改変キャリー・ブレア」タイプの防腐剤、又は、グリセロール及び/もしくは羊の血液5%が任意選択で追加されたトリプチケースソイブロス(trypticase soy broth)(Wasfy氏等による刊行物[2]による教示)がある。
採取した試料の性質及び容量に従って懸濁溶液の性質及び容量を調整することが可能であることは、当事者にとって明らかである。
有利には、上述の懸濁溶液は、植物DNA,植物由来バクテリア又は重ペプチドタイプなどのキャリブレータを含み、懸濁、濾過及び溶解ステップの効率の監視、制御(装置の外部)を可能にする。更に、上述のキャリブレータの使用は、結果の検証及び解釈に有利である。更に、上述のキャリブレータを懸濁溶液に直接使用することにより、プロトコルにピペットステップを追加しなくてすむ。
懸濁溶液は非対象要素(続いて行われる解析ステップを干渉する阻害剤など)を捕獲する手段も備えることができる。例えば、活性炭又はポリビニルピロリドン(PVPP:polyvinyl pyrrolidone)は非対象要素を捕獲する手段として使用することができ、続いて行われる解析ステップを干渉/阻害する可能性のある要素を留めておくことにより、検出感度を高めることができる。
更に、生体マトリックス、好適には自己増殖可能な生体マトリックスに含まれる生体情報の解析が望まれる場合、上述の様に定められる懸濁溶液は、本発明の1つの特定の実施形態によれば、溶菌液も含み、上述の生体材料の溶解と、求められる生体情報の試料懸濁溶液内への放出を誘導することができる。
本発明の1つの特定の実施形態によれば、上述の濾過手段は、下記、すなわち、
‐勾配フィルタと、
‐装置の内側から外側にかけて孔径が小さくなる、少なくとも2つ、好適には2つ又は3つのフィルタを重ね合わせたものとから選択される。
1つの好適な実施形態によれば、装置は、各々が50mmよりも大きい、好適には、100〜350mm、有利には290〜330mmの表面積を有する1つ又は複数のフィルタを含み、フィルタの詰まりを制限して、同時に最大濾過容積を確保する。
「勾配フィルタ」(「複合フィルタ」とも称される)という用語は、異なる複数の孔径を有するフィルタを意味するものとする。具体的には、勾配フィルタを本発明に使用する場合、このフィルタの孔径は装置の内部から外部にかけて減少し、対象の異種マトリックスを含む試料の漸次的及び差動的濾過が可能となる。
上述の様に、勾配フィルタ又は少なくとも2つのフィルタを重ね合わせたものを使用しても、孔径は装置の内部から外部にかけて、好適には500μmから0.1μm、有利には200μmから10μm、特に好適には200μmから20μmに減少する。使用するフィルタの孔径を、濾過の回復に必要な生体材料及び/又は生体情報の大きさに従って調整するのは極めて明らかである。
このように、採取された試料からウイルス、毒素、代謝産物又は上述の試料内に存在するその他の生体情報を分離することが望まれる場合、0.1μm〜20μm、好適には0.1μm〜5μmの孔径を使用することができる。
少なくとも2つのフィルタを重ね合わせる場合、好適には2〜4のフィルタの重ね合わせを用いる。有利には、2〜3のフィルタの重ね合わせを用いる。
1つの特定の実施形態において、上述の濾過手段は、(続いて行われる解析ステップを妨げる可能性のある阻害剤などの)非対象要素を捕獲する少なくとも1つの手段を備えている。例えば、非対象要素を捕獲するこの手段は、活性炭、又は特に、例えばPVPPなどの生体材料(たんぱく質、多糖など)に含まれる阻害剤に対して特定の親和性を有する材料から構成することができる。
1つの好適な実施形態によれば、容器は、圧縮を受け、それに応じてこの容器内に超過圧力を生成し、上述の濾過手段を通して内容物の濾過を可能にする、又は促進させるのに適した、可塑性材料で作られた少なくとも1つの領域を含む少なくとも1つの壁を備える。
上述の可塑性材料で作られた少なくとも1つの領域は、先に述べた様に、上述の濾過手段を通して内容物の濾過を可能にする/促進させるために、オペレータが上述の少なくとも1つの領域において、過度な力ではない指圧を生成することができる限り、特に有利であることがわかっている。このように、本発明に係る装置は、経験の少ない検査技師であっても、本発明に係る装置を使用することにより、被解析生体材料及び/又は生体情報を含む濾液を得ることができる。一般に、本発明に係る装置は、濾過操作を容易にすることを可能にする任意のシステム/装置に取り付けることができる。例えば、上述の装置は、真空濾過システム又は遠心分離濾過システムに取り付けることができる。上述のことから、本発明に係る装置は、従来技術による生体材料及び/又は生体情報を得るプロトコルとは対照的に、これも本発明の課題であるが、例えば自動濾過装置によって容易に自動化することができる。(すなわち、対象の異種マトリックスを含む試料を含有する懸濁液の)内容物の濾過ステップの自動化を可能にするのに適したこのような自動濾過装置は、以下、すなわち、
‐好適には、「逆」又は「上下逆さ」位置(すなわち、上述の開口部が実質的に下向きになる位置)において、本発明に係る生体材料及び/又は生体情報を得るための装置の受容及び保持に適した少なくとも1つ(そして好適には複数)の場所(サイト)と、
‐初期位置(「静止位置」)から「圧力」位置まで移動可能であって、可塑性材料で作られた上述の少なくとも1つの領域に対して圧力をかけるのに適し、このため、それに応じて上述の容器内に超過圧力を発生させ、これによって上述の濾過手段から回収容器(例えばエッペンドルフ(登録商標)チューブなどのチューブ)への内容物の濾過を可能とする圧力部材(例えばピストンなどのプレス機)とを備える。
最適には、本発明に係る自動濾過装置は、8又は10以下の異なる場所を含み、本発明による生体材料及び/又は生体情報を得るための、8又は10以下の装置を同時に濾過することを可能にする。
好適には、圧力部材はユーザ又は自動制御センターからの命令により、モータによって駆動される。例えば、ユーザは、圧力部材を初期位置(「静止位置」)から、上述の圧力部材が可塑性材料で作られた上述の少なくとも1つの領域に圧力をかける「圧力」位置まで移動させるスイッチを(例えば押しボタンを押すことによって)駆動させることにより、モータを始動させる。
本発明の1つの特に有利な実施形態によれば、上述の自動濾過装置には、回収容器内で所望の濾過レベルに達すると濾過ステップを停止させる、光学式レベル検出器(「光学バリアとも称される)が設けられている。具体的には、この光学式検出器は圧力部材を圧力位置から静止位置へと(モータの作用のもと、より単純には、モータを停止させることにより)移動させることによって操作する、すなわち、光学式レベル検出器が光学センサを介して回収容器内で所望の濾過レベルに達したことを検出すると、圧力部材によって可塑性材料で作られた領域にかけられる圧力を停止させ、濾過ステップは終了される。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、圧力部材が可塑性材料によって作られた少なくとも1つの領域に対して圧力をかけることを停止するということは、容器内に予め生成された超過圧力を終了させるという効果を持ち、このため、回収容器内で所望の濾過レベルに達すると濾過ステップが停止されると考えられる。光学式レベル検出器の設けられた本発明に係る自動濾過装置は、どのタイプの糞便であれ、同じ量の濾液の回収が可能である限りにおいて特に有利であることが判明し、本発明による、生体材料及び/又は生体情報を得る装置を使って生体材料及び/又は生体情報を得るプロセスは、再現性及び堅牢性を持つことが保証される。これは、先にも説明した様に、本発明による生体材料及び/又は生体情報を得るための装置の較正中空部が、異種マトリックスを含む試料の一定/所定の質量を採取するのを(秤量操作を行う必要なく)可能にするのであれば特にあてはまり、上述の質量は、異種マトリックスを含む試料を採取する各々の操作において一定、又は実質的に一定である。換言すれば、光学式レベル検出器の設けられた本発明に係る上述の較正中空部及び自動濾過装置は、相乗的に作用し、本発明による生体材料及び/又は生体情報を得るための装置を使った生体材料及び/又は生体情報を得るプロセスの最適な再現性及び堅牢性を保証する。
1つの好適な実施形態において、上述のストッパは少なくとも1つの剛性領域を含み、この剛性領域はボルテックスなどの混合装置に連結されるクリップなどの、少なくとも1つの保持部材との協働に適した形状を有し、このため、クリップはこの装置の混合中、混合装置に保持され、試料の懸濁溶液内における懸濁を促進させる。
1つの好適な実施形態によれば、上述の剛性領域は上述の混合装置に連結されるクリップとの協働に適した形状を有し、上述の剛性領域は以下、すなわち、
‐上述のストッパが回転運動を受ける際、各々がこの回転を防ぐ、又は停止させるために、上述のクリップの2つの端部のうちの1つと当接する、又はこれと接触するのに適した、例えば2つの肩部又は2つのタブによって形成された2つの個別の軸受け面を有する少なくとも1つの回転止め手段、及び/又は
‐上述のストッパが並進運動を受ける際、この並進運動を防ぐ又は停止させるために、上述のクリップと当接する、又はこれと接触するのに適した、リップ、カラー又は肩部などの少なくとも1つの軸受け面を有する少なくとも1つの並進止め手段とを備える。
上述の少なくとも1つの剛性領域によって、本発明の装置を、ボルテックスタイプの装置などの市販の混合/均質化装置に簡単に取り付けることができるようになり、少なくともこの目的のために特に設計されたビードビータータイプの装置で観察される結果と少なくとも同等の結果が得られるようになる。
上述の回転止め手段及び/又は並進止め手段により、保持部材(例えばボルテックスタイプの混合装置のクリップ)による本発明に係る装置の保持を向上させることが可能となる。
回転止め手段によって、ストッパ(及び拡大により本発明に係る装置)の上述の保持部材に対する回転を制限、好適にはなくすことが可能となる。回転止め手段によってストッパ、及び本発明に係る装置と、混合装置の保持部材との間で全体的に満足いく保持が確実に行われるようになるという事実に加え、この回転止め手段は、本発明に係る装置が混合装置の保持部材に位置する場合、ストッパと、このストッパに固く連結された較正サンプリング手段とを、サンプリング手段の較正中空部が下向き又は上向き、好適には下向きになるように配向させる機能も有する。
上述の並進止め手段は、混合操作中、ストッパ(及び拡大により本発明に係る装置)の、
ストッパを含む方向に配向されたベクトルに従った任意の並進運動を制限する、好適にはなくすことを可能にする。よってこの並進止め手段は、効率的な混合を保証し、本発明に係る装置が上述の混合操作中に保持部材から離れないようにする。有利には、この並進止め手段は、ストッパの上部の周囲の全体又は一部に位置する少なくとも1つのリップ(突出部)を備える。
1つの特定の実施形態によれば、この並進止め手段は、ストッパの上部に位置し、これに連結された、ストッパ本体の直径よりも大きな直径を持つカラー(円形部)によって構成される。
ストッパの上部の周囲の全体又は一部に形成されたリップは軸受け面を構成し、これは、上述の保持部材(クリップなど)と協働して、混合操作中、ストッパ、そして本発明に係る装置の保持が確実に行えるようにする。1つの好適な実施形態によれば、保持部材がクリップの場合、リップ又はカラーで構成される軸受け面は上述の様にクリップに当接し、以下の、「発明を実施するための形態」において説明する様に、並進運動を防ぐ、又は停止させる。
本発明の1つの好適な実施形態によれば、容器の上部、有利には、この容器がフラスコである場合、フラスコの肩部は、混合操作中、容器−ストッパ方向に配向されたベクトルに従い、ストッパ(及び拡大により、本発明に係る装置)の並進運動を制限する、又はなくすことさえも可能にする一方で、並進止め手段の機能を実行する。実際、上述の容器(例えばフラスコの肩部)の上部からなる軸受け面は、上述の保持部材に当接/接触し、容器−ストッパ方向に配向されたベクトルに従って、本発明に係る装置の任意の並進運動を防ぐ、又は停止させる。
本発明の一変形例によれば、第2の並進止め手段をストッパの下部の周囲の全体又は一部に配置させ、混合操作中、容器−ストッパ方向に配向されたベクトルに従い、ストッパ(そして拡大により本発明に係る装置)の並進運動を制限、又は停止させることができる。
一般に、上述の装置は、生体材料、好適には微生物学的材料を得るための装置であり、上述の濾過手段は、生体材料、好適には微生物学的材料が上述の装置の外部へ選択的に通過させるのに適している。
また、本発明の課題は、先に定義したストッパ自体でもある。
更に、本発明は、好適には生体材料を得るため、更に好適には顕微鏡的生体材料を得るため、有利には微生物学的材料を得るための、異種マトリックスを含む試料から生体材料及び/又は生体情報を取得する上述の装置の使用にも関する。従って、上述の濾過手段は、上述の生体材料、好適には上述の顕微鏡的生体材料、有利には上述の微生物学的材料が上述の装置の外部へ選択的に通過させるようにするのに適している。
1つの好適な実施形態によれば、そして先に説明した様に、異種マトリックスを含む試料は、土壌試料、糞便試料、壊死した組織の試料、食物試料及び産業試料、好適にはヒト又は動物の糞便試料から選択される。
有利には、上述の異種マトリックスを含む試料は糞便試料である。
本発明の別の課題は、異種マトリックスを含む試料から生体材料及び/又は生体情報を取得する、上述の装置を使用したプロセスに関するものであり、このプロセスは以下のステップ、すなわち、
a)上述の較正サンプリング手段を使用して、一定の質量に対応する所定容積の試料
を採取するステップと、
b)任意選択で機械的懸濁によって、上述の試料を上述の懸濁溶液で懸濁するステッ
プと、
c)上述の濾過手段によってステップb)で得た懸濁液を濾過し、上述の生体材料及び/又は上述の生体情報を含む濾液を得るステップとを含む。
1つの特定の実施形態によれば、オペレータはステップb)によって得られた懸濁液を保存し、必要に応じて濾過ステップc)を見送ってもよい。こうすることにより、この後の解析又は分析のために、特に対象の生体材料及び/又は生体情報を保存することが可能となる、又は、「野外」(すなわち実験室の外)で採取された試料の場合、ステップb)で得られた懸濁液、すなわち、異種マトリックスを含む試料の採取から得られた、対象の生体材料及び/又は生体情報を含む本発明に係る装置を実験室に移送することが可能となる。これは実際、異種マトリックスを含む試料が解析を行う実験室から遠く離れた遠隔地(例えば茂み)で採取された場合、特に有利であることがわかっている。本実施形態において、被解析生体材料及び/又は生体情報の性質に適した少なくとも1つの保存手段が好適に使用される。このため、上述の懸濁溶液は、例えば、1つ又は複数の化学保存料(例えばキャリー・ブレアタイプ)及び/又は(実例として、約−80℃での冷凍を可能にする)1つ又は複数の冷凍手段を含んでもよい。使用される保存手段が被解析生体材料及び/又は生体情報を改変しない(又は場合によって、有意に改変しない)ことは必須条件として極めて明らかである。
1つの特定の実施形態によれば、上述の懸濁溶液は少なくとも1つの培養手段を有する。この培養手段は採取された試料に存在する微生物全体の成長を促すことを可能にする、又は、1つ又は複数の微生物の成長を多かれ少なかれ選択的に指示することを可能にする、少なくとも1つの栄養素又は複数の栄養素(例えば培地)であってもよい。
また、上述の少なくとも1つの培養手段は、(殺菌性又は静菌性、好適には殺菌性の)抗生物質又は抗菌性剤などの、少なくとも1つの種類の微生物の成長に関する阻害特性を有する少なくとも1つの選択剤であってもよい。少なくとも1つの選択剤の使用により、少なくとも1つの種類の微生物の成長を指示することが可能になる。
当業者にとって、対象の微生物の種類に応じて懸濁溶液に存在する培養手段を調整することは極めて明らかである。
本発明の別の課題は、異種マトリックスを含む試料から生体情報(例えば、DNA及び/又はRNAなどの核酸)を抽出するプロセスに関し、このステップは下記のステップ、すなわち、:
a)生体材料及び/又は情報を得るため、上述のプロセスを実行してこれらの生体材
料及び/又は生体情報を含む濾液を得るステップと、
b)抽出されなければない生体情報が、細胞、バクテリア、菌類又は酵母などの上述
の生体材料に含まれている場合、上述の生体材料の溶解ステップ、好適には機械的溶解ステップを実行して、抽出されなければならない生体情報を含む溶解物を得るステップと、
c)生体情報の抽出に適したプロセスを実行することによって、ステップa)で得られた濾液、又はステップb)で得られた溶解物から生体情報を抽出するステップとを含む。
1つの好適な実施形態によれば、この抽出プロセスは核酸(遺伝子情報)を抽出するプロセスである。本実施形態において、抽出プロセスの上述の溶解ステップb)は、抽出ステップc)に組み込むことができる。例えば、easyMAG(登録商標)タイプ(bioMerieux)の遺伝子情報を抽出するいくつかの自動システムは、溶解ステップを抽出プロトコルに組み込んでいる。上述の溶解は、異種マトリックスを含む試料の性質、求められる生体材料及び/又は生体情報、又はその後に使用される解析技術に応じて、具体的には化学的、機械的又は熱的な溶解とすることができる。
1つの好適な実施形態によれば、生体情報を抽出する上述のプロセスは、ステップc)の前、及びステップb)を実行しなければならない場合にはこのステップの前に、好適には遠心分離(例えば、塩化セシウムの密度クッションの有無にかかわらず)、又は凝結によって上述の生体材料及び/又は生体情報を濃縮するステップを含む。上述の濃縮ステップを遠心分離によって行う際、6000g〜12000g、有利にはおよそ12000gの速度で遠心分離を行う。
本発明の別の課題は生体情報を解析するプロセスに関するものであり、このプロセスは以下のステップ、すなわち、
a)上述の生体情報の解析プロセスを使って、上述の被解析生体情報を抽出するステップと、
b)例えば、PCRなどの遺伝子解析法、免疫測定法又は酵素アッセイタイプの方法などの任意の適切な方法によって、上述の生体情報の同定及び/又は定量化を行うステップとを含む。
1つの好適な実施形態によれば、この解析プロセスは、遺伝子解析(核酸解析)のプロセスである。この状況において、上述の生体情報は遺伝子情報であり、この遺伝子情報の同定及び/又は定量化は遺伝子解析の任意の適切な方法、例えばPCRによって行われる。
更に、必要に応じてステップd)の前に精製ステップを行い、(ステップd)で使用される解析法を妨げる可能性のある1つ又は複数の阻害剤などの)非対象要素を取り除くことができる。
本発明の別の課題は、異種マトリックスを含む試料から生体材料を解析するプロセスに関するものであり、このプロセスは以下のステップ、すなわち、
a)生体材料を得るための上述のプロセスを使って、被解析生体材料を含む濾液を得るステップと、
b)必要に応じて、ステップa)で得た濾液を、上述の生体材料の少なくとも1つの代謝の成長及び/又は発現を可能にするのに適した反応媒体に接種するステップと、
c)必要に応じて、ステップa)で得た濾液又は、ステップb)で得た接種された反応媒体を、適切な時間及び適切な温度で培養するステップと、
d)生物学的解析の適切な手段によって、ステップa)、b)又はc)から得られた生体材料を解析するステップとを含む。
1つの好適な実施形態によれば、上述の生体材料は微生物学的材料である。
1つの特定の実施形態において、生体材料を解析するプロセスのステップa)は、特に細菌壁に与える機械的ストレスの小さな懸濁手段を使って、グラム‐細菌などの「脆弱な」生体材料の解析に適したものにすることができる。これらの細菌に与えるダメージが少ない懸濁を可能にするために、オペレータは、より大きな機械的懸濁手段を使用した混合の頻度を少なくするか、又は、機械的懸濁手段を使用しないようにすることができる。機械的懸濁手段を使用しない場合、又は試料を懸濁するのが困難である場合、少なくとも1つの、好適には複数の開口部を有する較正中空部を使用して、懸濁を容易にすることができる。「敏感」と呼ばれる対象の生体材料、及び試料の性質に従ってこれらのパラメータを調整できることは当業者にとって明らかである。
好適には、微生物学的材料を解析する上述のプロセスは、以下に記載するステップb)及び任意選択でステップc)、有利には、ステップb)及びc)を含む:
ステップc)は、これが存在する場合、ステップb)で得た、接種された反応媒体を適切な時間及び適切な温度で培養することからなり、
生体材料を解析するステップd)は、好適には視覚的又は光学的な読み取りによる、上述の反応媒体上/内の上述の生体材料の検出、及び/もしくは同定、並びに/又は計数からなる。
本発明の別の課題は異種マトリックスを含む試料から生体材料及び/又は生体情報を取得するキットに関するものであり、このキットは、以下、すなわち、
‐組み付けられた、又は取り外された形態の、上述の容器及びストッパと、
‐上述の試料を懸濁させるのに適した、少なくとも1つの懸濁溶液と、
‐好適には、少なくとも1つのビーズなどの、少なくとも1つの機械的懸濁手段とを含む。
有利には、上述の容器及び上述のストッパは取り外された形態であり、好適には、無菌状態に梱包されている。
本発明の別の課題は、生体材料及び/又は生体情報を得るために、上述のプロセスを実行するキットの使用に関するものである。
本発明の好適な形態によれば、本発明に係る装置は、糞便材料試料の微生物学的解析のための採取に適している。
本発明に係る装置を使用して得た濾液中に存在する生体材料及び/又は生体情報は、酵素もしくは免疫アッセイ、核酸配列増幅もしくはペトリ皿上での試験、又は配列決定などの生物学的解析の種々の方法によって解析することができる。更に、上述の濾液に存在する生体材料及び/又は生体情報は、必要に応じて、濃縮(concentrated)、精製、溶解もしくは培養、又は濃縮(enriched)もしくは直接解析することができる。
例えば、上述の濾液中に存在する生体材料及び/又は生体情報は、(少なくとも1滴の濾液をMALDI-TOFプレートに置く)MALDI-TOF質量分析法、ラマン分光法、膜もしくは片上の免疫クロマトグラフィー(ラテラルフロー試験)、又はAPI片タイプの細菌同定システムによって直接解析することができる。
本発明並びに本発明の機能、用途及び利点は、下記の図面を参照して本明細書を読むことにより、さらに明確に理解できるであろう。
本発明に係る装置の第1実施形態による正面図である; 本発明に係る装置の第1実施形態による断面図である; 図1A及び図1Bに示す容器から取り外されたストッパの正面図である; 図2のストッパを下からみた図である; 本発明の容器から取り外された、第2実施形態によるストッパの正面図である; 図4のストッパを下からみた図である; クリップによって混合装置に連結された、本発明に係る装置の側面図である; 図6に示すクリップと混合装置とを組み付けた、本発明に係る装置の正面図である; 第3実施形態によるストッパの斜視図である; 第3実施形態によるストッパの斜視図である; 図8A及び8Bに示すストッパの注ぎ口の正面図である; 図8A及び8Bに示すストッパの中心部における上面の斜視図である; 図8A及び8Bに示すストッパの中心部における下面の斜視図である; 図8A及び8Bに示すストッパの注ぎ口の、第2実施形態による正面図である; 図8A及び8Bに示すストッパへの連結に適したサンプリング手段の斜視図である; 図8A及び8Bに示すストッパへの連結に適したサンプリング手段の斜視図である; 本発明の第2実施形態による較正サンプリング手段の斜視図である; 本発明の第3実施形態による較正サンプリング手段の斜視図である; 本発明の第4実施形態による較正サンプリング手段を含むストッパの斜視図である; 「出口」位置に摺動延長部を有する、すなわち上述の様に、ロッドに第1長さを与える、本発明の第5実施形態による較正サンプリング手段の正面図である; 「出口」位置に摺動延長部を有する、すなわち上述の様に、ロッドに第1長さを与える、本発明の第5実施形態による較正サンプリング手段の側面図である; 上述の摺動延長部が「再入」位置にある、すなわち、ロッドに上述のロッドの第1長さよりも短いロッドの第2長さを与える、本発明の第5実施形態による較正サンプリング手段の正面図である; 上述の摺動延長部が「再入」位置にある、すなわち、ロッドに上述のロッドの第1長さよりも短いロッドの第2長さを与える、本発明の第5実施形態による較正サンプリング手段の側面図である; 本発明による生体材料及び/又は生体情報を得るために、装置からの内容物(すなわち、対象の異種マトリックスを含む試料を含有する懸濁液)の自動濾過を可能にするのに適した、本発明に係る装置の自動濾過装置の断面図である; 本発明による生体情報及び生体材料の解析プロセスにおける種々のステップを略的に示した図である; 接種されたKPCの濃度の対数関数として、本発明による生体情報の解析プロセスによりグラム陰性菌(KPC)のDNAを(PCR,Cq数によって)定量化する、直線性試験について得られた結果を示すグラフであり、線形回帰(R)が表され、計算される(直線); 接種されたMRSAの濃度の対数関数として、本発明による生体情報の解析プロセスによりグラム陽性菌(MRSA)のDNAを(PCR,Cq数によって)定量化する、直線性試験について得られた結果を示すグラフであり、線形回帰(R)が表され、計算される(直線); 接種された分裂酵母の濃度の対数関数として、本発明による生体情報の解析プロセスにより分裂酵母のDNAを(PCR,Cq数によって)定量化する、直線性試験について得られた結果を示すグラフであり、線形回帰(R)が表され、計算される(直線); QIAamp(登録商標)DNA糞便抽出キット(QiaGen)と共にアデノウイルスR-gene(登録商標)キット(リファレンス: 69-010B)を使用したアデノウイルスDNAのPCRによる定量化と、本発明による生体情報抽出プロセスとを比較したものである; 糞便のブリストルタイプの、抽出された微生物DNA量及び純度への影響を示す図であり、左側のスケールはng/μl、右側のスケールは比率を示している。
以下に記載する、発明を実施するための形態の目的は、特に上述の図を参照して、本発明を十分明確かつ完璧に開示することであるが、これらの図の課題である、特定の実施形態に対する保護範囲を制限するものとみなしてはならない。
図1Aに示すように、本発明に係る装置は、特にオペレータの指によってかけられる圧力によって変形し得る、軟質プラスチックフラスコ形態の容器を含んでいる。
上述の容器10の柔軟壁101は可塑性材料で作られている。この柔軟壁101は、例えば、固い紙、段ボール、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、及びこれらの材料並びに/又は任意のその他のバイオ素材の任意の適切な組み合わせを含むため、濾過ステップ中、容器10の柔軟壁101に(例えば、上述の様に、又は以下に記載する様に、オペレータの指又は自動濾過装置の圧力部材によって)圧力がかけられる場合、(容器を平面に設置できるように)特に密閉性及び圧縮による変形の剛性に関して十分な特性を持っている。
図1Aに示す様に、容器10はストッパ11によって閉鎖され、ストッパ11はその上部から下部にかけて、
‐最終的に濾液を回収することのできる、(キャップ12によって閉じることのできる)管状オリフィス111と、
‐ストッパ体112(中心部)と、
‐ストッパ11の下部に連結された較正サンプリング手段113(図1Aでは番号を付していない)とを含んでいる。
具体的には、この較正サンプリング手段113は、ロッド1131によってストッパ(図1Aでは番号を付していない)の下部に連結された較正中空部1132を含んでいる。較正中空部1132の容積は、対象の生体材料及び/又は生体情報を含むことのできる、異種マトリックスを含む試料の所定の質量に対応するように、予め計算されている。
装置1はストッパ11と容器10とのアセンブリによって形成される。
容器10は予め定められた十分な容量の懸濁溶液13で満たされている。懸濁溶液13の液位を図1A及び1Bに単なる例として示している。
ストッパ11、特にストッパ体112の内部構造は、装置1の断面を示す図1Bに明確に示されている。ストッパ体112は内部117及び外部119を含み、これらの2つの部分117及び119は、その中に濾過手段116の設置された空洞を画定している。この濾過手段116は、それぞれ314mmの表面積を有する、3つのフィルタ1161、1162及び1163を重ね合わせて構成され、これらのフィルタはそれぞれ、ストッパ体112の内部117から外部119にかけて徐々に小さくなる孔を有する。具体的には、第1フィルタ1161は100μm〜200μmの孔を持ち、一方で2つの「上部」フィルタ1162及び1163はそれぞれ50μm未満の孔を有する。第1フィルタ1161は最も粗い物質(例えば細胞残屑など)の除去を可能にし、一方で2つの「上部」フィルタ1162及び1163は選択的な濾過操作を提供することができる。図1Bに示す様に、(フィルタ1162と同じ)最も小さな孔径を持つフィルタ1163は、ストッパ体112の外部119に接触する。
較正サンプリング手段113のロッド1131は、内部117に設置された連結(又は固定)手段115によってストッパ11の内部117に連結される。
開口部118はストッパ11の内部117に設けられ、異種マトリックスを含む試料(図示せず)を含む懸濁溶液13が、3つのフィルタ1161、1162及び1163を重ね合わせてなる濾過手段116を介して管状オリフィス111へと通過できるようにしている。
明確にするため、本発明による装置1の使用を以下に間単に説明する。
較正サンプリング手段113の中空部1132を使用して、ユーザは、較正中空部1132によって定められた容積及び異種マトリックスを含む試料の所望される質量に対応する容量を採取する。柔軟壁101を有する容器10は十分な量の懸濁溶液13で満たされている。図1A及び1Bに示すように、容器10をストッパ11によって(例えば、ストッパ11を容器の首部分にねじ込んで)閉じる/塞ぐ。最適には、管状オリフィス111をキャップ12によって閉じる。
次に装置1をかき混ぜ、サンプリング手段113の較正中空部1132に含まれる異種マトリックスを含む試料を懸濁させる。懸濁が行われると、オペレータは必要に応じてキャップ12を外し、装置1を「上下逆さま」にする(そうすることにより、装置1は「逆さま」すなわち「上下逆」になる、すなわち、管状オリフィス111は実質的に下を向く)。この「上下逆さま」にする操作により、異種マトリックスを含む試料の入った懸濁溶液13はストッパ11の内部117に設けられた開口部118を通り、続いて濾過手段の3つのフィルタ1161,1162及び1163を通り、管状オリフィス111から濾液の形態で外部に流れる。そして濾液は、例えばエッペンチューブなどの任意のタイプの適切な容器に回収される。
有利には、先に説明した様に、異種マトリックスを含む試料の入った懸濁溶液13を濾過手段116に通すことは、オペレータが容器10の柔軟壁101に圧力をかけると促進/加速され、容器10内、及び特に濾過手段116のレベルにおいて超過圧力となる。オペレータによる柔軟壁101のこの圧縮操作は、2つの上部フィルタ1162及び1163の孔の小ささ/狭さを考慮すると、濾過の促進に特に有利であることがわかる。
図2は、例えばストッパ11をねじって容器10から取り外した場合のストッパ11を表したものである。図2では、キャップ12によって閉じることのできる管状オリフィス111、ストッパ体112及び較正サンプリング手段113を明確に観察することができる。図1A及び1Bに示す様に、サンプリング手段113は、その端部を介してストッパ体112の内部に連結され、その反対の位置に較正中空部1132を含むロッド1131を有する。
先に示した様に、図3はストッパ11を下から見た図である。図3には、サンプリング手段113におけるロッド1131の周りの、ストッパ11の内部117に設けられた、開口部118の放射状の配置が明確に示されている。開口部118の数と配置は当業者が所望するように変更することができるが、図3に示す開口部118の放射状の配置により、異種マトリックスを含む試料の入った懸濁溶液13の容量の濾過手段(図3に示さず)への良好な分配を、開口部118を介して行うことができる。
図4は本発明によるストッパ21の第2実施形態を示す。ストッパ体212には、以下、すなわち、
‐回転止め手段220と、
‐並進止め手段221とが設けられ、どちらもボルテックス(図4に示さず)などの混合装置の、クリップ(図示せず)などの保持部材との協働に適している。
回転止め手段220はストッパ体21の外面に配置されている。図4に示す様に、回転止め手段220はストッパ体21の表面に、肉厚部によって形成されている。この肉厚部はストッパ体212に2つの肩部2201及び2202を画定している。
混合装置の保持部材(図4に示さず)がクリップの場合、このクリップの2つの分岐部の各々は、回転止め手段220のいずれかの側に位置するようになる。混合ステップ中、ストッパ21に回転の弾みがつくと、2つの肩部2201又は2202の内の1つ(回転方向による)はクリップの2つの分岐の内の1つの端部と当接し、ストッパ21の回転を事実上防ぐ、又は停止させる。好適には、ストッパはクリップに、肩部2201及び2202がクリップの2つの分岐の各々の端部に当接するように配置される。
この回転止め手段は、ストッパ21の内部(図4に示さず)に連結された較正サンプリング手段に特定の配向を課すことが可能である限りにおいて特に有利であることがわかっている。このため回転止め要素220は、ストッパ21を含む装置がボルテックスタイプの混合装置の保持部材(例えばクリップ)に設置されている場合、サンプリング手段213の較正中空部2132が下を向くように、ストッパ体212の外面に配置される。中空部のこの「下向き」配向によって、中空部が含有する異種マトリックスを含む試料の懸濁を向上させることができるようになる。
図4に示す並進止め手段221は、ストッパ体212よりも大きな直径を持つカラーによって形成される。この並進止め手段221の機能を、図5を参照して以下に説明する。
回転止め手段220及び並進止め手段221のストッパ体212、特にストッパ体212の内部217に対する配置を、本発明の第2実施形態に係るストッパ21を下から見た、図5に明確に示す。ストッパ21は容器10から取り外された状態である。図3の場合と同様に、ここでもサンプリング手段213におけるロッド2131周りの開口部218には放射状の配置が見られる。
図6は、混合装置71に連結されたストッパ体212及びクリップ40の協働を介して、混合装置71上に装置2(第2実施形態によるストッパ21及び容器10を含む)が保持されている様子を視覚化して表している。尚、この点において、クリップ40は混合装置71と一体化させてもよいし、これに適切な手段によって連結させてもよい。具体的には、本図において、回転止め手段220の肩部2201は、クリップ40の対応する分岐の端部402に当接していることがわかる。図6では見えないが、肩部2202がクリップ40の対応する分岐の端部403にも当接していることは極めて明らかである。換言すれば、回転止め手段220は、ストッパ21、従って装置2が一方向又は他方向の回転運動を行うことができないように、クリップ40の2つの端部402及び403の各々と「当接する」。全く有利には、図6において、回転止め手段220は、ストッパ21がクリップ40によって保持される際に、較正中空部2132が「下向き」になるように、ストッパ体212の外面に配置される。先に説明した様に、較正中空部2132が下を向くことにより、異種マトリックスを含む試料の最適な懸濁を確実に行うことが可能となる。
更に、並進止め手段221は図6においても明確に観察することができる。これは先に説明した様に、本実施形態においては、ストッパ体212よりも大きな直径を有するカラーである。ストッパ21‐容器10方向に配向されたベクトルによって並進運動が生じると、カラーは軸受け面として作用し、クリップ40の一部分401と当接し、このようにしてこの並進運動を防ぐ、又は停止させる。
図6に示す様に、容器10は、先に示した様に、十分な容量の懸濁溶液13で満たされている。この懸濁溶液13の液位は、図6に単なる例として示している。ストッパ21の管状オリフィス221もキャップ12によって閉じられ、混合ステップ中に懸濁溶液13が適切でないタイミングで出て行くのを防止する。
図7は、クリップ40によって保持され、それ自身が混合装置71に連結されているストッパ21の正面図である。この図には、クリップ40が、回転止め手段220の何れかの側面において、2つの肩部2201及び2202の各々がクリップ40の2つの分岐のそれぞれ対応する端部402及び403と当接するように配置されていることが明確に示されている。
このクリップ40は並進止め手段221の下にも配置される。(ストッパ21‐容器10方向に配向されたベクトルによる)並進運動がある場合、並進止め手段221を構成するカラーはクリップ40の一部分401(図7に示さず)と当接し、並進運動を防ぐ、又は停止させる。
ストッパ31の第3実施形態を図8A及び8Bに示す。図8Bは、上部から下部にかけて、以下、すなわち、
‐管状オリフィス311、
‐上部319、
‐並進止め手段321、
‐ストッパ体312、
‐回転止め手段3201、3202、及び
‐ロッド3131及び中空部3132を含む較正サンプリング手段313を備えるストッパ31を明確に示している。
更に、管状オリフィス311はキャップ326によって閉じることができる。
図8A及び8Bより、この中空部3132は回転止め手段3201、3202とは反対側に配向されていることがわかる。このように、ストッパ31及び容器10を含む装置が混合装置に連結されるクリップで保持される場合、回転止め手段3201、3202は図6に示す様に上向きとなり、一方で、較正中空部3132は意図的に下向きとされ、較正中空部3132に存在する異種マトリックスを含む試料の懸濁が促進される。
更に、図4〜図7に示す、回転止め手段3201、3202がストッパ体212の幅の部分に設置された、材料の肉厚部(例えばプラスチックの肉厚部)によって形成される本発明の第2実施形態によるストッパと対照的に、ストッパ31の並進止め手段3201、3202は、ストッパ体312の長さ全体に亘ってストッパ体312の表面に存在する、2つの平行なタブ3201、3202を有する。
図5に示す肩部2201及び2202に関しては、混合ステップ中、ストッパ21に回転の弾みが与えられると、2つのタブ3201、3202の内の1つ(回転方向による)がクリップの2つの分岐の内の1つの端部に当接し、ストッパ31の回転を事実上防止する、又は停止させる。
好適には、ストッパ31はクリップ上に、タブ3201、3202がクリップの2つの分岐の各々の端部に当接するように設置される。
較正サンプリング手段を除く、図8A及び8Bを参照して先に述べたストッパ31を構成する種々の部分について以下に説明する。
ストッパ31の注ぎ口31’を図9に示す。この図において、上部から下部にかけて、管状オリフィス311に対して相補的な形状を有する取り外し可能なキャップ326が観察される。このキャップ326は、特に、円筒状又は円錐台状とすることができる。
また注ぎ口31’は、ストッパ体319の上部と、ストッパ体319の上部の周りに相互に平行に設置された、2つのリング327、328とを備える。2つのリング327、328によって形成されるアセンブリは、雌弾性連動要素(一般的に「雌クリップ留め要素」と称される)との協働に適した雄弾性連動要素(一般的に「雄クリップ留め要素」と称される)を表している。雌クリップ留め要素は、図10に示され、以下に説明する中央要素31”のリーミングによって得られる。
また、図8A及び8Bは、クリップ40の2つの分岐の各々の端部402及び403に対してストッパを位置決めし、これによって並進止め手段321が混合装置71と接触しないようにする、並進止め手段321の平らな領域323において一貫性のある位置決めを行うことを可能にする手段を示している。
図10は、図1Bにおいて参照符号116で示される濾過手段を受容するのに適した種々のフィルタ支持部325,330を含む中心要素31”の上部を詳しく示している。このフィルタ支持部は開口部318に近接して位置するいくつかのラグ325を有し、これらのラグ325は、カラーからなる周辺フィルタ支持部330の高さまで延在する。先に示した様に、中心要素31”は雌クリップ留め要素(図10に示さず)も有しており、これは、中心要素31”の内側壁329のリーミングによってくりぬかれた2つの溝を含んでいる。これら2つの溝(図示せず)は、注ぎ口31’の雄クリップ留め要素のリーム327及び328をそれぞれ受容するのに適しており、このため、中心要素31”における注ぎ口31’の弾性的な連動が可能になる。
更に、開口部315は中心要素31”の中心部を右に通過する。この開口部315は、図13A及び13Bに示す様に、サンプリング手段313の雄クリップ留め要素3133に対して相補的な形状を有している。具体的には、開口部315は台形状であり、サンプリング手段313(図13A及び図13B参照)の雌クリップ留め要素3133が開口部315に差し込まれる際、サンプリング手段313が:
(i)静止される、及び
(ii)上述のように、回転止め手段3201、3202に対して配向され、較正中空部3132(上述参照)に所望の配向が課されるようにする。
更に、開口部315と雌クリップ留め要素3133の形状間の相補性により、サンプリング手段313の中心要素31”への組み付け操作中、サンプリング手段313、そして特にその中空部3132に所望される配向がなされ、そして確保される。更に、開口部315におけるサンプリング手段313の一部分3133の弾性連動により、「中心要素31”とサンプリング手段313”」のアセンブリに十分な剛性を与えることが可能となり、サンプリング手段313のロッド3131は異種マトリックスを含む試料の採取中に湾曲せず、異種マトリックスを含む試料が突出するリスクを回避することができる。
図10に示す開口部318により、容器10の異種マトリックスを含む試料の入った懸濁溶液13を、濾過手段116を含む中心要素31”の中間部340に移送することが可能となる。
注ぎ口31’と中心要素31”とのアセンブリ、及び中心要素31”とサンプリング手段とのアセンブリは、雄(327,328及び133)と雌(内側壁329にくりぬかれた溝及び開口部315)のクリップ留めシステムの弾性連動によって得られるが、これらの種々の要素のアセンブリは、ねじ込みシステム、接着結合又は溶接(例えばヒートシール)などの、当業者に周知の任意の連結/固定システムによっても得ることができる。
図11は、開口部315の周囲に放射状に配置された開口部318を観察することのできる、ストッパ31の中心要素31”を少し斜め下から見た図である。台形の開口部315の回転止め手段3201、3202に対する相対的な配置を調整することにより、サンプリング手段313の中空部3132は、この中空部が下を向き、異種マトリックスを含む試料の懸濁が(先に説明したように)促進されるように配向される。この図11において、内部317は円錐台状であり、異種マトリックスを含む試料を含有する懸濁液が漏れるリスクを制限することができる。ストッパを容器へねじ込む間、上述の円錐台状部が容器の縁部と接触し、表面の小さな領域に亘って容器の縁角が潰れ、良好な密閉性が確保される。
また図11には、タッピングによって得られた、容器10の上部、好適には容器10の首部に設けられた雄ネジと協働するように意図された雌ネジ324が示されており、これによってストッパ31と容器10をねじ込みによって組み付けることができる。例えば弾性連動(クリップ留め)システムなどの他の閉鎖システム、好適には密封式閉鎖システムを使用して、ストッパ及び容器の組み付けを行えることは極めて明らかである。
図12は本発明によるストッパの注ぎ口41’の第2実施形態を示す。この注ぎ口41’は、ストッパ31の中心要素31”内の弾性連動による連動に適している。これは、中心要素31”(図10参照)の内側壁329に設けられた対応する溝にリング427及び428を導入することによって行われる。
図12に示す様に、注ぎ口41’の管状オリフィス411は破壊可能で再配置可能なキャップ426に(例えば、キャップにヒートシールする、又は、従来の生理食塩ピペットのように、キャップと同時に成形して)固く連結され、この破壊可能で再配置可能キャップ426により、本構成において、液体が管状オリフィス411を介して外部へ制御されずに流出するのを防止することができる。
換言すれば、この破壊可能で再配置可能なキャップ426が管状オリフィス411に固く連結されると、本発明に係る装置の外部への制御されない液体の漏れを防止することが可能となる。更に、この破壊可能で再配置可能なキャップ426が管状オリフィス411に固く連結されてこれを閉じるということは、注ぎ口41’からまだ液体が流れていないことをオペレータに示すことになる。このように、破壊可能で再配置可能なキャップ427は堅固性制御として作用する。
破壊可能で再配置可能なキャップ426は、管状オリフィス411から破壊可能で再配置可能なキャップ426への引張力の作用、又は好適にはねじ込みタイプの作用によって分離することができる。特にこのキャップ426のウイング4261及び4262の内の1つ、又は好適には2つに回転力をかけることによってキャップを分離することができる。
管状オリフィス411と接触する端部の反対側にある破壊可能で再配置可能なキャップ426の端部は、ほぼ円筒又は円錐台形の中空部4263を有する。この中空部4263は管状オリフィス411の端部に対して相補的な形状であるため、例えば引張力をキャップのウイング4261及び4262の内の1つ又は両方にかけて、破壊可能で再配置可能なキャップ426を管状オリフィス411から分離させる際、ウイングは、その後、注ぎ口41’の管状オリフィス411を再び閉じるために使用することができる。この閉鎖は、破壊可能で再配置可能なキャップ426の中空部4263内の管状オリフィス411への連動によって得られる。
尚、より単純な実施形態によれば、破壊可能で再配置可能なキャップ426を、図12に示す破壊可能で再配置可能なキャップ426と対照的な、破断可能な保護部の分離後に管状オリフィス411を再閉鎖させることのできない、単純な破断可能保護部と置き換えてもよい。
図13A及び13Bはそれぞれ、較正サンプリング手段313の4分の3の部分を示す斜視図とこの較正サンプリング手段313の背面図とを示している。これら2つの図13A及び13Bにより、雄クリップ留め手段3133、硬い材料で作られたロッド3131及び楕円形(具体的には「棒状」)の較正中空部3132を観察することができる。較正中空部3132は、ストッパの内部(図13A及び13Bには示さず)と反対側にあるロッド3131の端部に位置する領域をくりぬくことによって得られたものである。
第2実施形態の中空部4132を図14に図式的に示す。尚、この正面図において、較正中空部4132は、較正中空部4132の高さレベルで存在する、異種マトリックスを含む試料の懸濁を容易にする開口部41321を備えている。この有利な技術効果は、試料懸濁ステップ中、懸濁溶液13を較正中空部4132に通すことによって得られる。この第2実施形態に係る較正中空部4132は、ブリストルタイプ1又は2の糞便のような、著しい粘着性を有する異種マトリックスを含む試料の懸濁の容易化に特に適していることがわかる。
図15は、図14に図式的に示された開口部41321よりも大きな寸法を有する卵形の開口部51321を持つ、第3実施形態の較正中空部5132を示している。これらの開口部51321により、較正中空部5132に含まれる異種マトリックスを含む試料の懸濁が更に容易に行えるようになる。本第3実施形態に係る中空部5132は、ブリストルタイプ1〜2の糞便のような、図14の較正中空部4132により、又はこれを介して採取されなければならない異種マトリックスを含む試料よりも更に顕著な粘着性を有する試料の懸濁を可能にするのに、特に適していることがわかる。
図16は1つの特定の実施形態を示しており、サンプリング手段613は、そのロッド6131の大部分に、3つの正方形又は長方形の較正中空部6132、6134及び6135を有しており、これらはそれぞれ所定の容積を有し、これら3つの較正中空部6132,6134及び6135はそれぞれ1000mgのサンプリングを行えるようになっている。このため、図16に示す較正サンプリング手段613は、異種マトリックスを含む試料を全体で3000mg採取することができる。このタイプの較正サンプリング手段613は、解析を可能にするのに十分な濃度の生体材料及び/又は生体情報を含む濾液を最終的に回収できるようにするために、特に重要であることがわかっている。求められる生体材料及び/又は生体情報が、採取される異種マトリックスを含む材料に非常に僅かな量で存在することがわかっている場合は、特に重要である。このサンプリング手段613はまた、有利には、必要に応じて、中空部6132、6134及び6135によってそれぞれ定められた容積を増やすことにより、獣医学的用途にも使用することができる。
1つの特定の実施形態によれば、サンプリング手段613のロッド6131は、3つの較正中空部6132、6134及び6135を含む面の対向面に、3つの更なる較正中空部を有する。好適には、これらの3つの更なる較正中空部はそれぞれ、約1000mgの異種マトリックスを含む試料の質量を採取することを可能にする。よって、6つの較正中空部を有するこの適切なサンプリング手段によって、全体で約6000mgの異種マトリックスを含む試料を採取することが可能になる。
図17〜図20に示すように、本発明の別の好適な実施形態によれば、較正サンプリング手段713のロッド7131は摺動延長部8に連結される。この摺動延長部8により、較正サンプリング手段713のロッド7131の長さをロッドの第1長さに延ばすことができるようになる。この摺動延長部8は、較正中空部7132(図20に示す)をすでに有する較正サンプリング手段713上の並進によって位置決めされる。摺動延長部8が「出口」位置にある、すなわち、上述のロッドの第1長さ(図17及び図18参照)が与えられるようになると、オペレータは異種マトリックスを含む試料、例えば糞便試料を、狭いチューブの底で、ストッパの内部から最も遠い摺動延長部8の端部の高さレベルに位置する少なくとも1つの較正中空部81によって、ストッパと上述のチューブの縁との接触を避けながら、より簡単に採取することができる。
異種マトリックスを含む試料が採取されると、先に説明した様に、較正サンプリング手段713と容器を組み付けて、異種マトリックスを含む試料の懸濁ができるようにし、そうすることによって、本発明による生体材料及び/又は情報を得るプロセスを継続させる。この組み付け操作中、「出口」位置(ロッドの第1長さ:図17、図18参照)にある摺動延長部8は容器の底にぶつかり、容器の底における反対抵抗の効果により、摺動延長部8はストッパの内部の方向に、ロッド7131に沿って、その「再入」位置(ロッドの第2長さ:図19、図20参照)まで摺動し、例えば先に説明した様に、ストッパを容器の首部に位置するネジ部にねじ込まれることによって、ストッパと容器の組み付けが可能になる。
異種マトリックスを含む試料の採取を続行することを目的とした本発明の一実施形態によれば、オペレータはストッパと容器とを取り外し、ロッド7131に連結された摺動延長部8をロッド沿いに、「再入」位置(第2位置:図19、図20参照)から「出口」位置(第1位置:図17、図18参照)へと摺動させる。一変形例によれば、(微生物の二次汚染を発生させ得る)採取ステップ前の較正サンプリング手段713の取り扱いを回避するため、ストッパを無菌梱包し、摺動延長部8を予め「出口」位置(ロッドの第1長さ:図17、図18参照)に置いてもよい。このようにすることで、オペレータが摺動延長部8に接触することなく異種マトリックスを含む試料を直接採取することができる。
先に説明した様に、図21は本発明による自動(オートメーション化された)濾過装置9(又はオートマチック濾過装置)の断面図を示している。この自動濾過装置により、本発明による生体材料及び/又は生体情報を得るために、装置内に存在する内容物(すなわち、対象の異種マトリックスを含む試料に含まれる懸濁液)の濾過ステップを自動化することができる。
オペレータは、本発明による生体材料及び/又は生体情報を得るために、装置1を、濾過操作中、装置1を受容して保持するのに適した場所91に設置する。
そしてオペレータは(例えば押しボタンを押して)モータ92を始動させ、これによって圧力部材93は初期位置(「静止位置」、図21に示さず)から、圧力部材93が容器10の可塑性材料101で作られた領域に圧力をかける「圧力」位置(図21参照)へと移動する。
圧力部材93によって容器10の可塑性材料101で作られた領域にかけられた圧力は、回収容器10000(例えばエッペンドルフ(登録商標)チューブ)に所望の容量の濾液を回収するのに必要な期間、モータ92によって保持される。
自動濾過装置9は、特に有利には、光学式レベル検出器94(「光学式バリア」とも称される)を備える。この光学式レベル検出器94により、回収容器10000内において所望する濾液レベルに達すると、濾過ステップを停止させることができる。具体的には、この光学式検出器は、(モータ92の作用のもと、より単純には、モータを停止させることによって)圧力部材93を圧力位置から静止位置へと移動させることによって操作する、すなわち、光学式レベル検出器が回収容器10000において濾液が所望のレベルに達したことが光センサによって検出されると、容器10の可塑性材料101よって作られた領域に圧力部材93によってかけられた圧力を停止させ、濾過ステップを終了させる。
上述の様に、圧力部材93が装置1の可塑性材料101で作られた領域に圧力をかけることを停止するということは、容器10内に生成された超過圧力を終了させる効果を持つため、回収容器10000において所望の濾液レベルに達すると、濾過ステップが停止されることとなる。
上述の様に、光学式レベル検出器94の設けられた自動濾過装置9は、糞便のタイプに関係なく、同じ容量の濾液を回収することが可能である限り特に有利であり、本発明の装置1を使用して生体材料及び/又は生体情報を得るプロセスに再現性及び堅牢性を与えることがわかる。これは、先に説明した様に、本発明による装置1の較正中空部が(秤量操作を行わずに)異種マトリックスを含む試料の一定の/所定の質量(異種マトリックスを含む試料を採取する各操作において、一定又は実質的に一定の質量)を採取することを可能にするのであれば、特にあてはまる。換言すれば、本発明による較正中空部及び光学式レベル検出器94の設けられた自動濾過装置9は相乗的に作用し、本発明による装置1を用いて生体材料及び/又は生体情報を得るプロセスの最適な再現性及び堅牢性を保証する。
明瞭さのため、図21に示す自動濾過装置9には1つの場所91のみを示しているが、この自動濾過装置9は、最適には、8又は10の異なる場所91を含み、これによって先に説明した最適な再現性及び堅牢性で、8又は10以下の装置1を同時に濾過することが可能となる。
図22は以下、すなわち、
(i)本発明による、生体材料及び/又は生体情報を得るための種々のプロセスの主要なステップ(実線)及び任意選択のステップ(点線)と;
(ii)生体材料及び/又は生体情報の同定、及び/もしくは検出並びに/又は定量化を可能にする、その後の種々の解析経路の主要なステップ(実線)及び任意選択のステップ(点線)とを示すチャートである。
図22に示すステップ171、172及び173は、図1A及び1Bに示す装置1に関連するものである。
サンプリングステップ171を実行するために、オペレータは、ストッパ、好適にはストッパ体を手でつかみ、異種マトリックスを含む試料(例えば糞便試料)により、較正中空部によって画定された容積を満たす。予め懸濁溶液で満たされたストッパ及び容器を、例えば、中空部に含有された異種マトリックスを含む試料が懸濁溶液と接触するように、ストッパを容器の首部にねじ込んで組み付ける。
尚、容器は懸濁溶液に加え、1つ又は複数の懸濁手段、例えば各々の直径が3mmのガラスビーズ30を含んでもよい。
懸濁ステップ172は、較正中空部に含まれる異種マトリックスを含む試料の懸濁溶液への懸濁が可能となるように、装置を攪拌することによって行うことができる。この機械的懸濁ステップ172を容易化及び/又は加速化させるために、装置を図6に示すボルテックスなどの混合手段に連結させることができる。有利には、装置を、ストッパの剛性部と密接に協働する保持部材によって混合手段に連結させ、混合ステップの一部を構成する機械的懸濁ステップ172中、装置の効果的な保持を確実に行う。
異種マトリックスを含む試料が懸濁溶液に適切に懸濁されたとオペレータが判断すると、懸濁ステップ172は終了する。この時、ステップ1721において、異種マトリックスを含む試料の懸濁液を含有する装置を、好適には、少なくとも1つの保存手段の添加又は凍結によって保存することができる。あるいは、装置を数時間から数日間、例えば37℃の温度で培養し、試料に存在する特定の微生物の懸濁液を濃縮させることができる。この培養ステップは、特に、本発明に係る装置に含まれる選択的な培養手段の存在下で行うことができる。保存の最大期間は、使用される保存手段、及び必要に応じて、被解析生体材料及び/又は生体情報の性質に依存することは極めて明らかである。先に示した様に、この保存ステップは、異種マトリックスを含む試料を「実験室の外」で採取する操作において特に有利であることがわかっている。実際、任意選択で保存手段を備える装置を、管状オリフィスがキャップによって閉じられた後、解析実験室に送り、ステップ171で採取された異種マトリックスを含む試料に含有される生体材料及び/又は生体情報の所望される全ての解析を行うことができる。
あるいは、オペレータは濾過ステップ173を直接実行することができる。この濾過ステップ173を実行するために、取り外し可能な閉鎖手段を管状オリフィスから取り外し、続いて装置を上下逆さにして、少なくとも1つの圧力を容器の柔軟壁の少なくとも1つの領域にかけ、この容器内に超過圧力を生成し、これによって異種マトリックスを含む試料の入った懸濁溶液を、開口部を介して、ストッパの濾過手段に通過させる。このため、管状オリフィスに沿って流れる異種マトリックスを含む試料の入った懸濁溶液は、ストッパ体に配置された濾過手段116によって必然的に濾過されることとなる。この濾過ステップ173の終わりに、生体材料及び/又は生体情報を含有する濾液は、管状オリフィスを介して、回収チューブ、例えばエッペンドルフチューブに注がれる。これらの生体材料及び/又は生体情報が回収チューブ内に隔離されると、オペレータは求められる生体材料及び/又は生体情報の性質に従って種々の生体解析を行うことができる。
生存可能な生体材料の解析が求められる場合、従来の微生物学的技術1751を、例えば、生存可能な生体材料を固体、液体又は半固体、好適には培地を含む選択的又は非選択的な反応媒体に接種又は培養することによって行うことができる。この生存可能な生体材料の代謝発現も、酵素試験(例えばAPIストリップ、MALDI−TOFプレート、ラテラルフローテスト)によって評価することができる。これらの微生物学的技術により、ステップ1752において、求められる生存可能な生体材料の検出及び/もしくは同定並びに/又は計数が可能となる。しかしながら、使用される解析技術及び対象とされる生存可能な生体材料の種類によっては、生体材料の成長を促進させ、その反応媒体における濃度を増大させるために、濃縮のステップを追加する必要があることがわかっている。
上述の生存可能な生体材料は、広い意味での生体情報と同様に、遺伝子、たんぱく質及び/又は代謝解析の対象にもなれることは極めて明らかである。この趣旨において、読者は以下に記載する生体情報の解析を参照されたい。
濾過ステップ173後、オペレータが、濾液に含まれ、特に代謝産物、たんぱく質又は核酸を含む生体情報の解析を望む場合には、特定の検出及び/もしくは同定並びに/又は定量化技術を実行する。
特に有利には、濾液に含まれる生体情報1741の濃縮ステップは、凝結によって6000〜12000gの生体情報を遠心分離して対象の生体情報を濃縮し、懸濁液に存在する(阻害剤などの)非対象要素を減少させることによって行う。対象の生体情報が生体材料に含まれている場合、特に生体材料が自己増殖可能な生体材料である場合には溶解ステップ1742を行い、生体情報が解析手段にアクセスできるようにする。
一変形例によれば、溶解ステップ1742を濃縮ステップ1741の前に行ってもよい。
その後のステップは、求められる生体情報の性質、使用される解析技術、遺伝子、たんぱく質又は代謝の解析技術に依存する。オペレータが遺伝子解析技術(核酸解析)によって対象の生体情報の解析を行いたい場合、任意の適切な核酸抽出プロトコルを実行することによって核酸抽出ステップ17431を行う。抽出ステップ17431の最後に得られる核酸は、任意の適切な遺伝子解析法174132、例えばPCRによって検出及び/もしくは同定並びに/又は定量化する。
たんぱく質及び/又は代謝解析17441は、その一部に、免疫アッセイ(免疫測定法)又は酵素アッセイ(非限定リスト)などの適切な解析技術を含み、このためステップ17450において、異種マトリックスを含む試料に最初に存在する、対象のたんぱく質及び/又は代謝産物の検出及び/もしくは同定並びに/又は定量化が可能となる。
以下の説明によって本発明をより明確に理解することができるであろう。しかしながらこれらの実施例は説明のためのみに示すものであり、本発明の範囲を決して制限するものではない。
実施例
実施例1‐本発明に係る装置の組み付け
実施例1の目的のため、異種マトリックスを含む試料から生体材料及び/又は生体情報を取得する装置を以下の様に組み付けた:
‐第1フィルタ1161(Filtrona、リファレンス: BNW440148)をストッパ31の
中心要素31”の中心部に挿入する;
‐第2フィルタ1162(Pall Pad、リファレンス: 66025)を第1フィルタ1161
と重ね合わせて挿入する;
‐雄クリップ留めシステム427、428及び雌クリップ留めシステム(中心要素3
1”の内側壁329にくりぬかれた溝)の弾性連動によって注ぎ口41’を設置する;
‐較正中空部3132(容積:300μl)を有する較正サンプリング手段313を
中心要素31”の開口部315にクリップで固定する;
‐直径3mmのガラスビーズを30ヶ、容器10に加える;
‐懸濁溶液5ml(好適例では、TE緩衝液タイプの懸濁緩衝液)を容器10に添加
する;
‐注ぎ口41’及び較正サンプリング手段313を含むストッパを容器10の首部にねじ込む。
実施例2:実施例1の装置を用いて生体材料及び/又は生体情報を得るプロセス
実施例1に記載の装置を使用して本発明に係る異種マトリックスを含む試料から生体材料及び/又は生体情報を取得するプロトコルは、以下のステップを含む。
1)試料を採取するステップ
具体的には、ユーザは先ず被解析糞便を含むポットを開け、較正サンプリング手段313を用いて試料を採取し、較正サンプリング手段313の較正中空部3132を対象の試料で満たす。最適な較正を可能にするために、次に較正サンプリング手段313を上述のポットのリップで「こすり」、較正サンプリング手段313に存在する、及び/又は較正中空部3132からあふれ出す余剰な塩がある場合、それを取り除く。
2)試料を懸濁するステップ
2番目に、ユーザは較正サンプリング手段313を容器10に導入し、本発明に係る装置を混合装置71(Genie IIボルテックス; Scientific Industries社)に取り付ける前に、ストッパ31をネジ閉めする。具体的には、図6に示す様に、本発明に係る装置のストッパを、それ自体が混合装置71(「ボルテックス」)に設置された、「ボルテックスプラットフォーム」に連結されたクリップ40によって保持する。このようにして取り付けた装置を、試料の完全な懸濁液が得られるまで、すなわち、ブリストルのタイプによって通常30秒〜約2分間混合する。試料の最適な(「ボルテックス」)混合時間は、一般知識、及び必要に応じたルーチンの試験に基づき、ユーザによって簡単に決定することができる。
3)ステップ2)で懸濁された試料を濾過するステップ
懸濁ステップが終わると、3番目のステップにおいて、ユーザは本発明に係る装置を「ボルテックスプラットフォーム」から取り外し、ウイング4261、4262に張力をかけてキャップ426を取り外し、装置を回収チューブ(2ml、エッペンドルフ)上で上下逆さまにし、所望する容量の濾液、すなわち2mlを回収するまで、容器10の柔軟壁101に指で圧力をかける。このようにして得られた濾液はすぐに解析することができる。
実施例3:種々のブリストルタイプの糞便試料に対するサンプリング手段313の較正の効率
−80℃の温度で保存された健全なドナーの糞便試料を使ってサンプリングを行った。糞便は事前に解凍しておいた。
実施例2のプロセスのステップ1を実行することによってサンプリングを行った。
サンプリング手段313の較正中空部3132にサンプリングされた糞便の質量を正確に測定するために、サンプリング操作の前後にストッパの重さを測定した。
結果を以下の表1に示す:
実施例3により、サンプリングを行う全てステップに対して抽出変動(CV)を算出することが可能になる。
CVは、下記の式を用いて平均の標準誤差に対して算出された割合である:

サンプリング手段313の較正中空部3132により、一定の/所定の質量の糞便を容易、効率的かつ再現可能(本発明に係る装置を使って生体材料及び/又は生体情報を得るプロセスの堅牢性)に、種々のブリストルタイプに対して回収することが可能となる。再現性によって観察される質量の僅かな変動は、それが本装置を用いて得られる生体材料及び/又は生体情報の量に著しい影響を与えないのであれば、許容可能とみなされる。
実施例4:本発明による生体情報の解析プロセスを用いた、種々の微生物における核酸の検出直線性試験
本発明の課題である、異種マトリックスを含む試料から生体情報(好適例ではDNA)を解析するプロセスの効率を検証するために、以下の3つの種類の微生物を本発明に係る装置に含まれる懸濁溶液に接種した:
‐カルバペネム耐性肺炎桿菌(KPC:carbapenem-resistant Klebsiella
pneumoniae );
‐メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA:methicillin-resistant Staphylococcus
aureus);
‐分裂酵母(S. pombe: Schizosaccharomyces pombe)。
これら3つのタイプの微生物はそれらの大きさと以下の特徴に基づいて選択した。KPCは長さ5μmのグラム陰性桿菌でカルバペネムに耐性があり、MRSAは直径1μmのグラム陽性球菌でメチシリンに耐性があり、分裂酵母は長さ10μmの酵母で円筒状である。
懸濁溶液の接種の調製は以下の様に行った。
MRSA及びKPC
MRSA及びKPCを、トリプケースソイ寒天培地(TSA:trypticase soy agar)に一晩、37℃で培養した。2X10CFU/ml(濃度計使用)に相当する7マクファーランドの溶液を調製し、10CFU/mlの希釈が得られるまでカスケード(10分の1の希釈)で希釈した。当該希釈液を100μl用いて、糞便試料を添加する前に懸濁溶液に接種した。そして、10CFU/ml、100μlの希釈液を、3つ重ねたCOS皿(リファレンス: 43041, bioMerieux)(Columbia寒天+5%羊の血)に設置し、接種材料の濃度を検証した。24時間培養(37℃)後、コロニーを数えた。
分裂酵母
分裂酵母をSDC寒天(サブローのグルコース寒天(glucose Sabouraud)、リファレンス:43555, bioMerieux)において、30℃で2〜3日培養し、次にサブローブロス(Sabouraud broth)(リファレンス: 42108, bioMerieux)において、30℃で一晩培養し、光学密度を分光光度計で測定し、ブロスを10CFU/mlの希釈が得られるまでカスケードで希釈した。100μlの希釈液を、糞便試料を添加する前の懸濁溶液の接種に使用した。次に10CFU/mlの希釈液を使用して、Kova細胞により、顕微鏡を用いて酵母を直接計数し、接種の濃度を検証した。
各装置の懸濁溶液を、次の量、すなわち0、10、10、10、及び2X10CFUのMRSA及びKPCを用いてそれぞれ接種した。分裂酵母に関しては、接種量は、0、10、10及び10CFUであった。
試験中、3つのコントロールを体系的に行った:
ネガティブコントロールNo.1:非接種懸濁溶液(TE緩衝液)と、MRSA、
KPC及び分裂酵母が存在しないことを確認するために前もって解析を行った糞便試料と
を含む、本発明に係る装置;
ネガティブコントロールNo.2: 操作中に汚染がなかったことを検証するための、
非接種懸濁溶液(TE緩衝液)を含み、糞便試料を含まない本発明に係る装置;
ポジティブコントロール:糞便の微生物の定量的なPCR検出への影響を判定するための、試験される3つの微生物が全て既知の濃度で接種された懸濁溶液(TE緩衝液)を含み、糞便試料を含まない、本発明に係る装置
容器10にTE緩衝液5ml及び直径3mmのガラスビーズ30ケを添加した。次に、予め調製した懸濁液100μlを添加して、懸濁溶液の接種を行った。接種後、実施例2に示す装置を用いてサンプリング、懸濁及び濾過ステップを実行した。
健全なドナーからの糞便及び−80℃でポットに保存された糞便の試料を使ってサンプリングステップ1)を行った。KPC、MRSA又は分裂酵母を自然に含むことがわかっている糞便は破棄した。
濾過ステップ3)(実施例2参照)の最後に回収された濾液を12000g、3分間遠心分離して微生物を濃縮した。浮遊物を破棄し、ペレットをボルテックスにより、勢いよく、TE緩衝液600μlで再度懸濁した。
このようにして得られた600μlを、直径0.1mmのジルコニウムビーズ150μgと、直径1mmのガラスビーズ600μgとからなるビーズの混合物で予め満たされた溶解チューブ(1.5μlエッペンドルフ)に移した。続いてエッペンドルフチューブを、Genie 2ボルテックス(Scientific Industries社)上に設置された「ボルテックスプラットフォーム」(24位置の水平プラットフォーム)に20分間、最大出力で設置し、エッペンドルフチューブに含まれる微生物の溶解を行った。
このようにして溶解した溶液をピペットで回収し、ビーズをTE緩衝液200μlで洗浄した。ビーズの洗浄に用いたTE緩衝液を回収し、予めピペットによって回収した溶液に添加した。
回収した全体容量を2つに分け、それぞれの分量を2mlのeasyMAG(登録商標)溶解緩衝液(リファレンス: 280134, bioMerieux)と140μlのeasyMAG(登録商標)シリカ(リファレンス: 280133, bioMerieux)を含むチューブに導入した。各々の混合物をeasyMAG(登録商標)シャトル(bioMerieux)のウエルに置いた。「オフボード(off-board)」溶解液及び50μlの溶出液を含む特定のプロトコル「B」を開始した。抽出後、同じ1つの装置からの2X50μlの溶出液を同じ1つのチューブ内で混合した。
easyMAG(登録商標)試薬及び消耗材を以下に列挙する:
リファレンス: 280134 NucliSENS(登録商標)easyMAG(登録商標)溶解緩衝液(4X1000ml/ボトル)
リファレンス: 280130 NucliSENS(登録商標)easyMAG(登録商標)抽出緩衝液1(4X1000ml/ボトル)
リファレンス: 280131 NucliSENS(登録商標)easyMAG(登録商標)抽出緩衝液2(4X1000ml/ボトル)
リファレンス: 280132 NucliSENS(登録商標)easyMAG(登録商標)抽出緩衝液3(4X1000ml/ボトル)
リファレンス: 280133 NucliSENS(登録商標)easyMAG(登録商標)磁性シリカ(48X0.6ml/フラスコ)
リファレンス: 280135 NucliSENS(登録商標)easyMAG(登録商標)消耗材
リファレンス: マルチペット用280146チップ。
抽出後、溶出液5μlを用いて、接種された3つの微生物に対してそれぞれPCR解析を行った。結果を、接種された微生物の濃度の対数関数として、増幅チューブに存在するDNAの濃度と直接関連するCq(定量化サイクル)で表した。
分子解析に使用したプライマー及びプローブは、肺炎桿菌のKPC遺伝子(カルバペネマーゼをコード化する遺伝子)、MRSAのSCCmec遺伝子(メチリシン耐性遺伝子)及び分裂酵母のSPBPJ4664.02遺伝子(糖たんぱく質)に特異的なものである。
対象の各配列に対して、下記の表2〜4に従ってPCR混合物を調製した。
(表2)KPC解析用PCR試薬混合物
(表3)分裂酵母解析用PCR試薬混合物
(表4)MRSA解析用PCR試薬混合物
各PCR反応に関して、PCR試薬混合物を最終容量が20μlとなるように調製し、これに、処理された各試料に対して得られた溶出液5μlを添加した。次に混合物を下記の図5に示す増幅サイクルに従い、サーモサイクラーを用いて増幅した。
(図23、図24及び図25に示す)得られた結果は、予め懸濁溶液に接種された微生物の量と、抽出後、溶出液中にみられるPCR増幅DNA量との間の直線的関係を示している。従ってこれは、本発明による生体情報解析プロセスが「対数直線的(LOG-linear manner)」に、試験する量全体に亘って糞便試料に存在する微生物の検出を可能にすることを実証している。
結論として、このようにして得られた結果を考えると、本発明による生体情報を解析するプロセスは、糞便試料(酵母を含む)に存在する微生物を定量的及び定質的に分離及び同定するのに有効であると思われる。
実施例5:本発明による生体情報解析プロセスと、QIAamp(登録商標)DNA糞便キット(QiaGen; リファレンス: 51504)を使ったプロトコルによる解析プロセスとの比較
実施例4に定める方法により、10CFU/mlに相当する0.5McFの溶液から接種菌液を調製した。懸濁溶液に10CFUのMRSA及び分裂酵母及びKPCを接種した。接種菌液のコントロールを実施例4と同様に行った。ネガティブコントロールNo.1、No.2及びポジティブコントロールについても同様である。
実施例4に記載する、本発明による生体情報(好適例はDNA)解析プロセスを実施して、生体情報の取得及び定量化を行った。
QIAamp(登録商標)DNA糞便キットを使った生体情報の取得を、サプライヤー(QiaGen)によって提供された実験プロトコルに従って行った。というものの、現在のメタゲノム用途を考慮し、ASL緩衝液の添加後、及び95℃で10分間培養する前に、機械的溶解ステップ加え、より良い微生物溶解収率を得た。これは当業者にとっての一般知識の一部である。
QIAamp(登録商標)DNA糞便キットを使って得た生体情報を、本発明によるプロセスを実行することによって得た生体情報の定量化を可能にする条件と同じ条件で定量化した。
2つのプロトコルのそれぞれについて得られた結果を下記の表6に示す。
(表6)本発明によるプロセスによって抽出されたDNAを用いた定量的PCRによって得られた結果と、QIAamp(登録商標)DNA糞便キット(QiaGen)によるプロセスによって得られた結果との比較
表6は2つのプロトコルそれぞれに対して抽出されたDNAの量と、PCR解析(Cqは、Ct又は放出された蛍光値が所定の閾値に到達する閾値サイクルに対応する)によって得られたCqsの値とを示している。
このようにして得られた結果により、本発明によるプロセスを実行することによって得られた溶出液を使って行われた生体情報(DNA)の分子解析が有効であり、QIAamp(登録商標)DNA糞便キットを使ったプロセスと比較して感度の向上が示されることが明らかに実証された。更に、本発明によるプロセスのみが酵母(この場合は分裂酵母の酵母)の検出を可能にすることに注目することは重要である。
結論として、本発明に係る装置を使用する本発明による生体情報解析プロセスにより、(酵母に関するものを含む)糞便試料に存在する微生物に含まれる生体情報の効率的な検出が可能になり、また同時に、実施例2に示す試料のサンプリング1)、懸濁2)及び濾過3)のステップの簡素化が可能になる。
実施例6-本発明による生体情報解析プロセスとヒト微生物叢配列用QIAamp(登録商標)DNA糞便キットを使ったプロセスとの比較
サプライヤー(QiaGen)によって供給された実験プロトコルに従い、QIAamp(登録商標)DNA糞便キット(QiaGen:リファレンス: 51504)を使用して、実施例5に記載の様に改変した。
本発明の課題である装置を実施例1に従って組み付けた。実施例2に従って濾液を回収し、本発明による抽出プロセスに従ってDNAを抽出した。
濾液処理プロトコルは、実施例3において遺伝子材料について記載したものと同様である。しかしながらこのようにして得られた溶出液は、318チップ(下記の表7参照)を持つ新世代PGM配列(IonTorrent)を用いて配列した。
(表7)微生物叢の配列に使用した試薬/キット
本発明を実施するプロトコルの再現性を試験するために、プロトコルによって実行される全てのステップに対応するサンプリング可変性(CV)を計算することができるように、実験条件毎に3回繰り返した。
糞便に主に存在する10の門に関してCVを計算した。表8に示す結果は、CVは2つのプロトコル間で等しい(10〜14%)が、同じプロトコルの門の間には大きな変動(本発明によるプロセスに関しては6〜23%、QiaGenに関しては2〜35%)があることを示している。従ってこの実験は、本発明によるDNA解析プロセスがQIAamp(登録商標)DNA糞便キットによるプロセスよりも生成を容易に行うことができ、同時に再現性において同等の結果を得ることを可能にすることを示している。
実施例7:DNA抽出後の、アデノウイルスR-gene(登録商標)キット(リファレンス: 69-010B)を使用したPCRによるアデノウイルスDNAの定量化に関する、a)QIAamp(登録商標)DNA糞便抽出キットを使用した場合と、b)本発明による生体情報抽出プロセスを用いた場合との比較
試験した試料に含まれるアデノウイルスの濃度を検証するために、既知の濃度のアデノウイルス(「陽性糞便」)を含む糞便を、アデノウイルスを含まない糞便の混合物で希釈した。陽性排出物の希釈は、カスケードにおいて、次の濃度、すなわち、糞便1グラム当たりのウイルスコピー数が10、10、10及び10となるように行った。アデノウイルスを含む糞便の場合、ブリストルタイプは一般的に4〜7である。
コントロールを系統的に行った:
2つのネガティブコントロール: 陰性として検出された非接種糞便及び非接種リン酸EDTA緩衝液。
QIAamp(登録商標)DNA糞便キット(リファレンス51504、QiaGen)によるアデノウイルスDNAの抽出に関しては、サプライヤーの実験プロトコルに従った。
生体情報(アデノウイルスDNA)抽出プロセスを以下に記載する。
1)糞便サンプリング、2)懸濁及び3)濾過のステップを、実施例2の教示に従い、懸濁溶液としてリン酸(0.2M)及びEDTA(50mM)からなるpH8の溶液を用いて行った。
このようにして得られた濾液を均質化のために数秒間ボルテックスし、続いて均質化された濾液400μlをeasyMAG(登録商標)シャトルウェル(bioMerieux)に移し、「分注溶解(Dispense Lysis)」プログラムを開始して溶解緩衝液(bioMerieux、リファレンス 280134)2mlの分注を行った。
「分注溶解」プログラムが終了すると、IC2(アデノウイルスR-gene(登録商標)キットの内部制御)10μl、次に溶解緩衝液(bioMerieux,リファレンス 280134)600μl及びシリカ140μlを含む混合物740μlを各々のeasyMAG(登録商標)シャトルウェルに添加した。混合物が生成されると、「オフボード」溶解液と50μl溶出による、easyMAG(登録商標)特定Bプログラムを開始した。このようにして回収した溶出液を溶出終了後30分以内に新しいチューブに移した。
本発明によるプロセスと、QIAamp(登録商標)DNA糞便プロセスとによって抽出したアデノウイルスDNAを、懸濁緩衝液に最初に接種された理論量として定量化するために、定量化PCR解析を行った。アデノウイルスR-gene(登録商標)キットを用い、定量化PCRによる解析のため、溶出液10μlを採取した。結果は接種した微生物の濃度対数として表した。
図26に示す結果の様に、先に懸濁緩衝液に接種されたウイルス数と、本発明による生体情報抽出プロセスによって得た溶出液を使った定量化PCRによって検出されたDNA量との間には、直線関係が見られた。従って、本発明による生体情報抽出プロセス(ウイルスDNA)により、糞便試料に初期に存在するアデノウイルスの効率的な検出及び定量化と、QIAamp(登録商標)DNA糞便キットを使った抽出プロセスと同等の結果の取得とが可能となり、これは広範囲の線形性(糞便1グラム当たりのウイルスコピー数10〜10)に亘るものであった。
実施例8:本発明による生体情報抽出プロセスを実施することにより、異なるブリストルタイプの糞便試料から抽出されたDNA量を示す試験
異なるブリストルタイプの糞便の試料から抽出されたDNAの量に関する糞便内の再現性を評価するために、本発明による生体情報(好適例はDNA)抽出プロセスを実行して、ブリストルタイプ1〜6の6つの種々の糞便試料に対していくつかの核酸抽出を行った。
上述の本発明による生体情報抽出プロセスは、easyMAG(登録商標)に関するステップまでは実施例4と同じである。よって、得られた溶出液をNanodrop(ThermoScientific)で解析し、抽出したDNAの純度(比率260/280及び260/230)の定量化及び検証を行った。
図27に示す様に、糞便試料のブリストルタイプにより、抽出されたDNAの量に明らかな違いがある。実際、ブリストルタイプ1〜3の糞便に関しては約500ng/μlの核酸(DNA5μg)が抽出され、ブリストルタイプ4〜6の糞便に関しては300ng/μl核酸(DNA3μg)に近い核酸濃度だった。抽出されたDNA質量の収率に関しては、ブリストルタイプ4〜6の糞便の約2分の1だった。しかしながら、抽出量はPCR又は配列による解析を可能とするのに十分な量のままだった。
DNAの抽出量に関するこのような違いは、使用する抽出プロセスの性質によるものではなく、明らかに糞便のブリストルタイプによるものである。実際、液体試料(例えば血液)からのDNA抽出に適合されるMacherey Nagelキット(NucleoSpin Blood L)を用いて行うDNA抽出をブリストルタイプ5及び6の糞便に対して行い、同様の結果(図示せず)を得た。この現象は、ブリストルタイプ5及び6の糞便がより液状に近い状態であり、従ってより希薄であり、このため微生物、そして事実上、それらのDNAの濃度が低下することによって説明される。
結論として、本発明に係る装置を使った、本発明による生体情報(好適例はDNA)を抽出するプロセスにより、ブリストルタイプ1〜6の糞便中の微生物から十分な量のDNAを抽出することが可能となり、続くPCR又は配列による解析が可能となる。これは図27に見られる変動には関係ないものである。
尚、本発明に係る装置を使った、本発明による生体情報(好適例はDNA)を抽出するプロセスは、ブリストルタイプ7の糞便にも有効である。このブリストルタイプの結果がないのは、単に、この実施例を行った際にブリストルタイプ7の糞便が入手できなかったことによる。
実施例9:ウシ糞便試料の採取及び解析に対して本発明に係る装置の効率を実証する試験
ウシ糞便試料の採取及び解析を、実施例1に記載するアセンブリの装置によって行った。ただし実施例1とは下記の点で異なる:
‐図16に示す装置の較正サンプリング手段613(3つの較正中空部6132、6
134及び6135を含む)を使用して、ウシ糞便3000mgを回収;及び
‐TE緩衝液の容積を10mlに増量。
本発明に係る装置を、実施例2に示す濾過ステップまで同様に使用した。
このように、本発明に係る装置により、この装置のフィルタを詰まらせることなく、ウシ糞便濾液2mlを得ることができた。
結論として、いくつかの調整を行うことによって、本発明に係る装置は、1つ又は複数の獣医学的用途、例えばウシ糞便試料などの動物由来の糞便試料に存在する微生物全体又は一部を得るのに、完全に適していると言える。
実施例10:実行時間及び実用性に関する、本発明による生体情報抽出プロセスとQIAamp(登録商標)DNA糞便キット(QiaGen)との比較
本発明による生体情報(好適例DNA)を抽出するプロセスとQIAamp(登録商標)DNA 糞便キットを使ったプロトコルとの間の実行時間及び実用性を比較するため、種々のDNA抽出を行い、各ステップを行う時間を、使用するプロセスタイプ別に、下記の表9、10及び11に記録した。
QIAamp(登録商標)DNA糞便キットを使用するプロセスによって5つの糞便試料を処理した。全体で25の手作業によるステップ(15の試料調製ステップを含む)と、2時間20分(試料調製の1時間57分を含む)の時間とが必要だった。QIAamp(登録商標)DNA糞便キットを使ったプロセスの種々のステップ及びその実行時間を下記の表9に示す:
更に、本発明による生体情報(好適例はウイルスDNA及び細菌DNA内)の抽出プロセスも実行し、5つの糞便試料の処理も行った。
5つの試料に対する本発明によるウイルスDNA抽出プロセスは、8つのステップ(3つの試料調製ステップを含む)を含み、約1時間30分(試料調製の30分を含む)で行われた。ウイルスDNA抽出プロセスの種々のステップとその実行時間を下記の表10に記録した。
5つの試料の細菌DNA抽出プロセスは、(7つの試料調製ステップを含む)12のステップを含み、2時間13分(試料の調製58分を含む)で行われた。細菌DNA解析プロセスの種々のステップとその実行時間を下記の表11に記録した。
上記の表9,10,11に示すデータより、本発明による装置を使った、本発明による細菌DNA及びウイルスDNA抽出プロセにより、ステップ数の制限及び試料の調製時間の大幅な削減が可能になると思われる。
反対に、QIAamp(登録商標)DNA糞便キットを使用するプロセスは、資格を有する検査技師の存在及び連続的な注意を必要とする、手作業の、技術的に困難な多くのステップが必要となる。
結論として、本発明に係る装置は、サンプリング、懸濁及び濾過ステップの実行に必要とされる要素を同じ装置内でグループ化することにより、従来のプロトコル(QIAamp(登録商標)DNA糞便、QiaGen(リファレンス 51504))と比較して、より単純な実験プロトコル(「ウイルスDNA」及び「細菌DNA」)を可能にすることがわかった。このような単純化により、操作の数と複雑性を大幅に削減し、エラー及び二次汚染のリスクを制限し、同時に通常の資格を持つ検査技師の作業の快適性を増大させることが可能となる。

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Claims (20)

  1. 異種マトリックスを含む試料から生体材料及び/又は生体情報を取得する装置に関し、該装置は、
    ‐前記試料と、該試料を懸濁するように意図された、少なくとも1つの懸濁溶液とを含む内容物を受容するのに適した容器と、
    ‐前記容器を閉じることを可能とするストッパとを備え、該ストッパは、
    ‐一定の質量に対応する所定量の前記試料を採取することを可能にし、前記ストッパと前記容器が組み付けられた際、前記ストッパの内部に連結され、前記ストッパの内部から前記容器の内部に延在する少なくとも1つの較正中空部を有する、少なくとも1つの較正サンプリング手段と、
    ‐取り外し可能な閉鎖手段によって閉じられ、前記ストッパと前記容器が組み付けられた際、前記容器の内部と前記装置の外部との間で流体を連通可能にする少なくとも1つの開口部と、
    ‐前記開口部に対して、前記内容物が前記容器の内部から前記装置の外部へと、前記開口部を介して通過する間、前記内容物を濾過するように配置され、前記生体材料及び/又は生体情報の前記装置の外部への選択的な通過を可能とするのに適した、少なくとも1つの濾過手段とを備え、該少なくとも1つの濾過手段は、
    ‐勾配フィルタ、及び
    ‐その孔径が前記装置の内部から外部へと減少する、少なくとも2つのフィルタを重ね合わせたものから選択され、
    前記装置は、容器内に設置され、1つ又は複数の前記装置の外部の力系によって動かされ、前記懸濁溶液内における試料の機械的懸濁を可能にする/促進するための少なくとも1つの機械的懸濁手段を含み、
    前記ストッパは少なくとも1つの剛性領域を含み、該剛性領域はボルテックスなどの混合装置に連結されるクリップなどの少なくとも1つの保持部材との協働に適した形状を有し、前記装置の混合中、前記装置が混合装置に保持されるようにし、前記試料の前記懸濁溶液における懸濁を促進させ、
    前記剛性領域は、前記混合装置に連結されるクリップとの協働に適した形状を有し、前記剛性領域は、前記ストッパが回転運動を受ける際、各々が該回転運動を防ぐ、又は停止させるために、前記クリップの2つの端部のうちの1つと当接する、又は接触するのに適した、2つの肩部又は2つのタブによって形成された2つの個別の軸受け面を備える、少なくとも1つの回転止め手段を備え、
    前記少なくとも1つの回転止め手段は、前記ストッパの外面に配置され
    前記少なくとも1つの前記較正中空部は、前記少なくとも1つの回転止め手段とは反対側に配向されている、装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、前記懸濁溶液において前記試料の懸濁を促進させるのに適したビーズなどの、球形の、少なくとも1つの機械的懸濁手段を備える装置。
  3. 請求項2に記載の装置において、前記装置は、1〜200の間で選択される、多数のビーズなどの機械的懸濁手段を備え、該機械的懸濁手段の大きさは、2mm〜10mmであり、前記機械的懸濁手段はガラス、鉄、プラスチック、セラミックで作られている装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の装置において、前記較正サンプリング手段は、該較正サンプリング手段が前記試料の採取中に湾曲するのを防ぐのに十分な剛性を有する装置。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の装置において、前記容器は、前記試料の懸濁を行うのに十分な容量の懸濁溶液を含む装置。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の装置において、前記容器は、圧縮を受け、それに応じて前記容器内に超過圧力を生成し、前記濾過手段による内容物の濾過を促進させるのに適した少なくとも1つの可塑性材料の領域を含む、少なくとも1つの壁を備える装置。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の装置において、前記較正中空部は、前記懸濁溶液において前記試料の懸濁の促進を可能にする少なくとも1つの開口部を備える装置。
  8. 請求項1に記載の装置において、前記剛性領域は、
    前記ストッパが並進運動を受ける際、該並進運動を防ぐ、又は停止させるために、前記クリップに当接する、又は接触するのに適したリップ、カラー又は肩部などの少なくとも1つの軸受け面を備える少なくとも1つの並進止め手段を備える装置。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載の装置において、前記較正中空部はロッドによって前記ストッパの内部に連結される装置。
  10. 請求項9に記載の装置において、
    前記ロッドは、少なくとも1つの摺動部を含む、又は該摺動部に連結され、前記ロッドの第1長さから、前記ロッドの第1長さよりも短いロッドの第2長さへの通過を可能にし、
    前記摺動部は、前記ロッド上に位置し、前記ロッドに沿って摺動して前記ロッドの第1長さから前記ロッドの第2長さへと移動するのに適した摺動延在部であり、
    前記摺動延在部は、前記ストッパの内部から最も離れた前記摺動延在部の端部に位置する、少なくとも1つの較正中空部を備える装置。
  11. 異種マトリックスを含む試料から生体材料及び/又は生体情報を取得するための、請求項1〜10の何れか一項に記載の装置の使用。
  12. 請求項11に記載された使用において、前記異種マトリックスを含む試料は、土壌試料、糞便試料、壊死した組織の試料などの法医学的試料、食物試料及び産業試料、ヒト又は動物の糞便試料から選択される使用。
  13. 異種マトリックスを含む試料から生体材料及び/又は生体情報を取得するプロセスであって、該プロセスは請求項1〜10の何れか一項に記載の装置を使用し、以下のステップ、すなわち、
    a)前記較正サンプリング手段を使用して、一定の質量に対応する所定量の試料を採取するステップと、
    b)任意選択で機械的懸濁により、前記試料を前記懸濁溶液で懸濁するステップと、
    c)ステップb)で得られた懸濁液を前記濾過手段によって濾過し、前記生体材料及び/又は前記生体情報を含有する濾液を得るステップとを含むプロセス。
  14. 異種マトリックスを含む試料から生体情報を抽出するプロセスであって、該プロセスは、以下のステップ、すなわち、
    a)請求項13に記載のプロセスを実行し、前記生体材料及び/又は生体情報を含む濾液を得るステップと、
    b)抽出されなければならない生体情報が、細胞、バクテリア、菌類又は酵母などの前記生体材料に含まれている場合、前記生体材料の溶解ステップ、機械的溶解ステップを実行して、抽出されなければならない生体情報を含む溶解物を得るステップと、
    c)生体情報を抽出するのに適したプロセスを実行することによって、ステップa)で得られた濾液、又はステップb)で得られた溶解物から生体情報を抽出するステップと、を含むプロセス。
  15. 請求項14に記載の、生体情報を抽出するプロセスであって、該プロセスは、ステップc)の前、及び前記ステップを行わなければならないステップb)の前に、前記生体材料及び/又は前記生体情報を、遠心分離又は凝結によって濃縮するステップを含むプロセス。
  16. 生体情報を解析するプロセスであって、該プロセスは下記のステップ、すなわち、
    a)請求項14又は15に記載のプロセスを用いて、被解析生体情報を抽出するステップと、
    b)PCRなどの遺伝子解析法、免疫測定法又は酵素アッセイによって前記生体情報の同定及び/又は定量化を行うステップとを含むプロセス。
  17. 異種マトリックスを含む試料から生体材料を解析するプロセスであって、該プロセスは下記のステップ、すなわち、
    a)請求項13に記載のプロセスを使って、被解析生体材料を含有する濾液を得るステップと
    b)必要に応じて、ステップa)で得た濾液を、前記生体材料の少なくとも1つの代謝の成長及び/又は発現を可能にするのに適した反応媒体に接種するステップと、
    c)必要に応じて、ステップa)で得た濾液又はステップb)で得た接種された反応媒体を、適切な時間及び適切な温度で培養するステップと、
    d)生物学的解析の適切な手段によって、ステップa)、b)又はc)から最終的に得られた生体材料を解析するステップとを含む。
  18. 請求項17に記載の解析プロセスであって、該プロセスはステップb)並びに任意選択でステップc)を含み、
    ‐ステップc)は、このステップがある場合、ステップb)で得られた接種された反応媒体を適切な時間、適切な温度で培養することからなり、
    ‐生体材料を解析するためのステップd)は、前記反応媒体上/内の生体材料を、視覚的又は光学的読み取り(reading)によって検出及び/もしくは同定並びに/又は計数することからなるプロセス。
  19. 異種マトリックスを含む試料から生体材料及び/又は生体情報を取得するキットであって、該キットは、
    ‐組み付けられた、又は取り外された形態の、請求項1〜10の何れか一項に記載された装置における容器及びストッパと、
    ‐前記試料の懸濁を可能にするのに適した少なくとも1つの懸濁溶液と、
    ‐少なくとも1つのビーズなどの、少なくとも1つの機械的懸濁手段とを備えるキット。
  20. 請求項13に記載のプロセスを実行するための、請求項19に記載されたキットの使用。
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