JP7061243B1 - 携帯型ろ過収集装置 - Google Patents

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Abstract

圧力機器等や動力源等の機器を要することなく、検体を採取する地において容易に検体が含まれる液体から検体を濃縮することができ、その場で検体を含む試料を分析装置に供試可能な携帯型ろ過収集装置を提供する。収納容器とろ過収集アタッチメントとが連結され、収納容器の流出入口部及びろ過収集アタッチメントの各流路は前記フィルタを介して連続する液密の流路を構成し、ろ過収集アタッチメントは、収納容器の流出入口部のねじ溝と相補的なねじ溝がその内周側に設けられ、その内部に流路を有する連結部と、流路を通過する液体中の検体をろ過収集するフィルタ部と、を備える本体部と、本体部に液密に嵌合され、その内部に流路を有し、流路中の液体を外部に排出しかつ外部から内部にろ物処理液を注入可能な排出口部を有する蓋部と、を備える(図14参照。)。

Description

本発明は、パウチ等の収納容器に収容した液体中の検体をフィルタでろ過収集するろ過収集装置であって、特に、柔軟性又は可撓性を有する、検体を含む液体の収納容器とろ過収集アタッチメントとを連結する携帯型ろ過収集装置に関する。
従来、パウチ等の収容容器に検体等の固体を含む液体を収集し、液体中の固体を分離する手段として種々のものが知られている。
例えば、特許文献1には、固形物、凝集物、凝固物等を含んだ溶液を、簡単にろ過することが出来るろ過フィルタ、特に流動食、経腸栄養剤等に用いられるプラスチックバッグや瓶製品の注出口もしくは容器本体の注出口に接続する注出部材に装着して、簡単にろ過することができる簡易ろ過フィルタおよびそれを用いた容器が開示されている。
特許文献1に開示された技術は、固形物、凝集物、凝固物等を突起とふるい部とにより三次元的に捕捉することができ、しかも、レトルト殺菌後に発生する凝集物は膜状のものが多いため、突起先端に捕捉された凝集物等はふるい部から離れているので、ふるい部自体には目詰まりが生じにくい、というものである。
これは、パウチに液体物を封入し、凝集物等の固形成分を効率よくトラップし、経口摂取時に固形成分を摂取させないために用いられる手段である。
また、特許文献2には、患者の取付部位に固定するパウチ貼付部と、流れ出した液状体や固形物を収集する収集空間を有した収集部と、前記収集部の下端頂点にあり外部連通孔開口部となるドレーンと、前記取付部位に固定したときに前記収集部の収集開口部を備えた医療用パウチであって、前記収集部は、不繊布または円状有孔シートからなるフィルタにより上側空間と下側空間とに分割され、前記収集開口部は、その縁辺がホースにより自然に開口される構造であり、かつ前記医療用パウチの各部は、ポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれるオレフィン系素材で作られた医療用パウチが開示されている。
特許文献2に開示された技術は、焼却しても有害物質を発生しない素材からなり、また、収集した血液などの流状体と固形物とを確実に分離でき、さらに収集した血液などの残留をなくして完全に外部へ取り出すことが出来る、というものである。
これは、病原性微生物の検出するための迅速な手段として、医療用途で、術中、血液と肉片などの固体とを分離収集し、出血量の把握を目的とする医療用パウチであり、また廃棄が容易に行ために用いられる手段である。
その他に、環境水や培養液等をろ過し、その中の微生物、生物組織、細胞、たんぱく質などを収集(濃縮)するために、電動ポンプ等を採用した吸引ろ過方式、加圧ろ過方式等を用いた製品も知られている。
また、汚染水、非飲料水をろ過し、飲料水として使用するために、逆浸透膜を用いた精製装置や、被災時用などの簡易な構成の手動ろ過装置などの製品も知られている。
しかし、生物、化学分析用で、携帯型、野外使用を目的とした製品は知られておらず、分析目的で採水等を行う場合には、採取した液体等を収容袋や容器に収集保管し、その状態のままで、ろ過、濃縮、分析のための装置等を設置した研究所等の拠点まで運搬し、そこで初めてろ過収集(濃縮)を行い、分析を行うという手段を講じていた。
このような収集分析手段は、採取した液体等の試料を運搬するための移動に時間を要することから、移動中に試料の成分が分解、変性、吸着、結合などしてしまう可能性があり、試料を収集した地点での、検体の状態を正確に反映した試料として分析を進めることが困難となる場合があり、また、費用や人手を要するものであった。
また、吸引ろ過方式、加圧ろ過方式などが使用される場合には、前記したように電動ポンプ等の圧力機器が必要となり、かつ、その動力源としてエンジンやモータが用いることになるが、試料の収集場所が狭隘な地である場合など機器を持ち込むことが困難な場合もあり、また、送電網から遠い場所では電力線を引きこむことも難しく、さらには、エンジンの排気を放出することが環境面から許容されない場合もある。
特開2003-321030号公報 特許第3738283号公報
本発明の目的は、かかる問題点を解決するもので、圧力機器等や動力源等の機器を要することなく、検体を採取する地において容易に検体が含まれる液体から検体を濃縮することができ、その場で検体を含む試料を分析装置に供試可能な携帯型ろ過収集装置を提供することにある。
前述の目的を達成するための本発明の形態は以下のとおりである。
液密かつ容積可変であって、外部から供給される検体が含まれる液体を内部に収容し、前記液体が内部に供給されることで容積が増加し、かつ外力により容積を減少させることで前記液体が外部に放出される液体収容部と、
前記液体の供給及び放出のための流出入口部と、を有する収納容器と、
前記収納容器から放出される前記液体を通過させて排出口部から外部に液体を排出する流路と前記流路を通過する液体中の検体をろ過収集するフィルタ部とを有するろ過収集アタッチメントと、を備え、
前記収納容器と前記ろ過収集アタッチメントとが連結され、前記収納容器の前記流出入口部及び前記ろ過収集アタッチメントの前記各流路は前記フィルタ部を介して連続する液密の流路を構成する、携帯型ろ過濃縮装置であって、
前記収納容器の前記流出入口部は、
前記ろ過収集アタッチメントを螺合により液密に接続し、また、前記収納容器の栓蓋を螺合により液密に接続可能な雌雄いずれかのねじ溝が外周側に設けられ、その内部に前記流路を有し、
前記ろ過収集アタッチメントは、
前記収納容器の前記流出入口部の前記ねじ溝と相補的なねじ溝がその内周側に設けられ、その内部に前記流路を有する連結部と、該流路を通過する液体中の検体をろ過収集する前記フィルタ部と、を備える本体部と、
前記本体部に液密に嵌合され、その内部に前記流路を有し、該流路中の液体を外部に排出しかつ外部から内部にろ物処理液を注入可能な前記排出口部を有する蓋部と、
を備える、
携帯型ろ過収集装置、である。
前記フィルタ部は、重畳して配置される少なくとも2つ以上のフィルタを有する、ものであっても良い。
前記少なくとも2つ以上のフィルタは、相互にメッシュの粗さが異なる、ものであっても良い。
前記ろ過収集アタッチメントの前記蓋部の前記流路及び排出口部は、その外周側にさらに別の前記ろ過収集アタッチメントを螺合により液密に接続するための相補的なねじ溝が設けられ、少なくとも2つ以上の前記ろ過収集アタッチメントを連装している、ものであっても良い。
前記蓋部は、ヒンジにより前記本体部に連結され、前記蓋部と前記本体部とには、それぞれ相互に脱着係合可能な係止部又は被係止部のいずれかが設けられている、ものであっても良い。
前記フィルタ部の前記流路は、前記フィルタの液体透過面積を増加させるように半径方向に拡大した拡径部を有する、ものであっても良い。
前記拡径部は、前記液体を拡径方向に通過させる複数の孔からなる、ものであっても良い。
前記本体部の前記フィルタの上流側の前記流路に、前記フィルタの前記液体の透過面積が増加するように前記流路に沿って流れる前記液体の流れを拡散させ、かつフィルタ面上に乱流を生じさせる攪拌部材が設けられている、ものであっても良い。
前記攪拌部材は、前記液体を通過させる複数の孔を有する、ものであっても良い。
前記拡径部は、前記攪拌部材に設けられた前記液体を拡径方向に通過させる複数の孔からなる、ものであっても良い。
前記攪拌部材は、前記流路中の液体の流れを旋回させる羽根を有する、ものであっても良い。
前記本体部は、前記拡径部において、前記流路の外周側に設けられた支持面を備え、
前記攪拌部材は、その外周側に形成された被支持面が前記本体部の前記支持面上に脱着可能に載置されている、ものであっても良い。
前記攪拌部材は、中央に回収ろ液溜まりを有し、かつその外周部に前記本体部の前記支持面上に脱着可能に載置される被支持面が形成されたろ物回収部材と置換可能である、ものであっても良い。
本発明は前記の形態により、検体を採取する地において、圧力機器等や動力源等の機器を要することなく、人力により収納容器を収縮又は変形させて検体を含む液体を放出し、放出した液体からフィルタ部を備えるろ過収集アタッチメントにより検体を濃縮することができ、かかるフィルタから検体を回収できるようにし、もって、その場で検体を含む試料を分析装置に供試可能な、携帯型ろ過収集装置を得ることができる。
携帯型ろ過収集装置の一利用形態の一部を示す斜視図 携帯型ろ過収集装置の一利用形態の一部を示す斜視図 携帯型ろ過収集装置の一利用形態の一部を示す斜視図 携帯型ろ過収集装置の一利用形態の一部を示す斜視図 携帯型ろ過収集装置の一利用形態の一部を示す斜視図 携帯型ろ過収集装置の一利用形態の一部を示す斜視図 携帯型ろ過収集装置の一利用形態の一部を示す斜視図 携帯型ろ過収集装置の一利用形態の一部を示す斜視図 携帯型ろ過収集装置の収納容器の別の形態をそれぞれ示す斜視図(a)及び(b) 携帯型ろ過収集装置に用いられるろ過収集アタッチメントの一形態の一部を示す斜視図 携帯型ろ過収集装置に用いられるろ過収集アタッチメントの一形態の一部を示す斜視図 携帯型ろ過収集装置に用いられるろ過収集アタッチメントの一形態の展開断面図 携帯型ろ過収集装置に用いられるろ過収集アタッチメントに用いられる攪拌プレートの一形態について、図12における上流側からみた底面図(a)及び攪拌プレート単体の底面図(b) 携帯型ろ過収集装置に用いられるろ過収集アタッチメントの一形態の断面図 携帯型ろ過収集装置に用いられるろ過収集アタッチメントと収納容器の一形態を示す断面図 携帯型ろ過収集装置に用いられるろ過収集アタッチメントの検体抽出・回収時の一形態を示す展開断面図 携帯型ろ過収集装置に用いられるろ過収集アタッチメントの検体抽出時の一形態を示す断面図 携帯型ろ過収集装置に用いられるろ過収集アタッチメントの検体回収時の一形態を示す断面図
図1~8は、携帯型ろ過収集装置の一部である液体の収納容器であるパウチ1とろ過収集アタッチメントとの利用の形態の概要を示す斜視図である。
図1に示すとおり、最初に液体の収納容器であるパウチ1の流出入口部2を施蓋する栓蓋3を捩じって外し、別の容器4に採取した検体を含む液体5を、パウチ1の流出入口部2から内部に注ぎ込む。別の容器4には、予め、分析の対象となる検体を含む液体5を採取しておく。
次いで、図2に示すとおり、内部にフィルタに相当するメンブレンフィルタ33(後述)を収容したろ過収集アタッチメント10を、パウチ1の流出入口部2に取り付ける。このろ過収集アタッチメント10には、メンブレンフィルタ33に加えて、メンブレンフィルタ33全体を検体を含む液体5が通過し、十分に検体を収集・ろ過できるよう、検体を含む液体5が流れる際に流れを拡径方向に通過させて拡散させるとともに、メンブレンフィルタ33上に旋回流や乱流を生じさせる攪拌部材である攪拌プレート60(後述)が配置されている。
そして、図3に示すとおり、パウチ1を人力により圧縮して、その圧縮力により内部に収納した検体を含む液体5をろ過収集アタッチメント10を通過させて外部に放出する。この際、ろ過収集アタッチメント10の内部に収容されたメンブレンフィルタ33には、ろ過収集の対象となる液体5中の検体がろ過により濃縮・蓄積される。
パウチ1中の検体を含む液体5のすべてを外部に放出した後、図4に示すとおり、ろ過収集アタッチメント10は、パウチ1から取り外され、次工程のろ物回収作業を行うこととなる。
ろ過収集アタッチメント10は、図5に示すとおり、上流側の本体部20と下流側の蓋部50とからなり、上流側の本体部20はさらに、フィルタ部30と連結部40とを備えている。ここでは、本体部20と蓋部50とが可撓性のヒンジ21により施蓋及び開放が可能なように連結されて、施蓋された状態を示している。
ろ物回収作業は、図6に示すとおり、先ず、本体部20と蓋部50とを開放し、次いで、メンブレンフィルタ33をろ過収集アタッチメント10の内部に保持したまま、ろ過収集アタッチメント10の内部の攪拌プレート60(後述)をろ物回収部材であるろ物回収プレート70に置換する。
次に、図7に示すとおり、ろ過収集アタッチメント10の本体部20を再び蓋部50で施蓋した状態で、ろ過収集アタッチメント10の液体5の外部への放出口59から、ろ物分離又は抽出用の試薬等Eをスポイト80等(ピペットと呼称されるものであっても良く、少量の液体を供給又は回収できる同種の器具であれば如何なるものであっても良い。)で注入し、メンブレンフィルタ33に濃縮・蓄積された検体を試薬等Eに溶解させて分析用のろ液6としてろ物回収プレート70の内部に貯留させる。なお、ここで、施蓋した状態では、ろ過収集アタッチメント10の内圧が一定になり、分離用液の染み出しは生じない。
最後に、図8に示すとおり、ろ過収集アタッチメント10の蓋部50を開いて、ろ物回収プレート70に貯留している分析用のろ液6をスポイト80等で回収し、回収されたろ液6を、図示しない携帯用PCR装置等の分析装置による分析に供する。
このようにして、本形態の携帯型ろ過収集装置は、検体を含む液体5から分析用のろ液6を回収して、分析に供することができる。以下、本形態の携帯型ろ過収集装置の詳細について、さらに説明する。
図1~4に示されるとおり、液体5の収納容器であるパウチ1は、樹脂等の液密性の柔軟材料又は可撓材料により形成され、収縮時又は折り畳み時に四つの辺を持つ略長方形体となる液体収容部である袋体から構成されている。
パウチ1の一側の短辺には、外部から供給される検体が含まれる液体5をパウチ1に受け入れ、また、人力によって与えられた外力によりパウチ1を収縮又は変形させることにより、パウチ1から外部に放出される液体5の供給及び放出のための流出入口部2が設けられている。
流出入口部2は、装置の使用時に取り外し可能な栓蓋3が螺合されて封止されており、図1の態様では栓蓋3を取り外した状態が示されている。この栓蓋3は、液体収容部の内部が使用前に汚染されることを防止するため、製造時に滅菌や殺菌、その他の清浄措置が施された後に密封された螺合状態で取り付けられ、使用時の開栓は人力による捩じりにより栓蓋3の一部を破壊させながら螺合状態を解くことにより行われる。
開栓時には、栓蓋3の一部が破壊する際に破壊音がすることや、開栓後の破壊部の亀裂を目視することで、一度開栓して汚染された可能性があるか否かを容易に判別することができるように構成されている。なお、栓蓋3の構成及その螺合状態については、飲料用のボトル等で用いられている周知の技術であるので、詳細な説明は割愛する。
パウチ1の一側の短辺に設けられた流出入口部2は概略円筒形をなしており、その内側は、パウチ1の内部に液体5を収容し又はパウチ1から放出するための液密の流路Fを構成するものである。
流出入口部2の外周側はパウチ1の一側の短辺と液密に連結されており、輪郭面及びその余の辺の部分が封止されており、また、パウチ1の他側の短辺及び2つの長辺も封止されている。これにより、全体として液体収容部としての袋体が構成される。
パウチ1は、2枚の樹脂材を重ね合わせて縁部を熱接着することなどにより、その周囲を密封的に接合し、同時にその一部に流出入口部2の基端を挟み巻くように密封的に接合させることで形成される。他端側の隅部は、強度を高めるために熱接着面積を大きくしている。
パウチ1の他端側は、底部を構成するように折り畳んだ一枚の樹脂材を2枚の前記樹脂材の間に重ね合わせて、縁部を熱接着することにより、スパウト付きバッグの形態とすることも可能である。
パウチ1を構成する樹脂材は、その内部に収容する液体5中に気体、液体その他モノマーなどの不純物が溶け出して、液体5中の検体の状態に影響を与えたり、回収、分析時に用いる試薬等にも悪影響を与えたりしないような材料から構成される。また、日射等を透過する樹脂材では、検体の状態に影響が与えるおそれがあるので、遮光性を持った材料が好ましい。
具体的には、樹脂材には、液体5を収容した際に袋状であり、また、液体5を放出する際に収縮又は変形するような、軟質の樹脂材が用いられており、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィンエラストマなどの樹脂からなる単体フィルム包装、多層フィルム包装などが用いられる。樹脂材の加工は、シーラント加工がされていても良いし、また、一体成型されたものであっても、ブロー成形されたものであっても良い。
さらに、遮光性を有する樹脂材として、金属箔等を積層した多層フィルムから形成されていてもよく、例えば、外層から順にポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリエチレンといった構造も採用することができる。
樹脂材は、前記に例示した材料や製法に限定されるものではなく、液体5を密封して膨張又は変形によって収容可能であり、かつ、収縮又は変形することによって液体5を放出することが可能な柔軟性又は可撓性を有するものであれば足りる。
パウチ1から液体5を放出するために、袋体からなる液体収容部を人力による外力によって収縮又は変形させて内容積を減少させて放出するだけでなく、パウチ1の他側の短辺側から一側の短辺に向けて、袋体を巻き上げることによって放出することも可能である。
以上の例では、収納容器が、液体収容部が袋体からなるパウチ1である場合について説明したが、液体収容部は、袋体に限定されるものではなく、人力によって与えられる外力によりその容積が増加又は減少し、容易に収納容器内に液体5を供給し又はそこから放出することができるものであれば良く、柔軟性の材料だけでなく可撓性の材料から構成されていても、また内容積を可変可能な器具等であっても良い。
図9(a)、(b)には、収納容器の他の形態を示している。
図9(a)は、収納容器としてシリンジ(注射器様のピストン-シリンダ構造体)を用いた例を示す。この例においては、検体の含まれる液体5を収納容器に供給する際に、シリンジ90のピストン91を人力により引っ張ることにより液体5を容易に吸引することができる。また、液体5を放出する際には、ピストン91を押し込むことにより、液体5を容易に放出することができる。なお、ろ過収集アタッチメント10の内部の流路の上流側は、シリンジ90の流出入口部の径に合わせて連結されている。
図9(b)は、収納容器として可撓材料からなる樹脂製ボトル92を用いた例を示す。この例においては、検体の含まれる液体5を収納容器に供給する際に、樹脂製ボトル92に液体5を流出入口に供給して収容し、人力により樹脂製ボトルを圧迫して変形させることにより液体5を容易に放出することができる。また、液体5を供給する際には、予め人力により樹脂製ボトル92を圧迫して変形させておき、樹脂製ボトル92の形状の復元力によって生じる樹脂製ボトル92の内圧の低下を利用して液体5を吸引することも可能である。
図9(b)の例においては、ろ過収集アタッチメント10の取付部のねじ溝41(後述)を、市場で容易に入手可能なPETボトル等の注ぎ口を施蓋するための栓蓋の規格等に基づくねじ溝と相補的なものとすることにより、PETボトルを簡易な収納容器とすることができ、検体を含む液体5の収集をより簡便に行うこともできる。
なお、本明細書において、ねじ溝とは、一般的にねじを構成する山又は溝若しくは谷を含み、ねじとして機能する構造を、ねじ溝と定義する。
図10、図11は、ろ過収集アタッチメント10の詳細な形態を示した斜視図である。図10は、攪拌プレート60を載置する際の状態を示し、図11は、さらにメンブレンフィルタ33をセッティングする際の状態を示す斜視図である。
図10、図11に示すろ過収集アタッチメント10は、全体及びその内部の構造のすべてが円形又は円環状に構成されていて、その本体部20に、フィルタ部30と連結部40が形成され、さらに、本体部20に施蓋される蓋部50を備えている。
上流側から順に連結部40、フィルタ部30、蓋部50の順に連なるように配置され、これらを貫通して液密の流路F(後述)が構成されており、ろ過収集アタッチメント10の連結部40を介して接続された収納容器の流出入口部2から放出された液体5が、前述の順序で連結部40、フィルタ部30、蓋部50を通過して外部に放出される。
フィルタ部30には、上流側に攪拌プレート60が配置され、その上にメンブレンフィルタ33が配置されている。
図12は、ろ過収集アタッチメント10の断面図であって、蓋部50と本体部20とを分離開放し、水平に位置するように配置した状態、すなわち展開した状態を示している。図13(a)は、図12において上流側からみた底面図であり、同図(b)は、同様に、攪拌プレート60単体の底面図である。図14は、各部品を組み付けて蓋部50を本体部20に施蓋した時の状態を示す断面図である。図15は、ろ過収集アタッチメント10と液体収納容器の流出入口部2の断面図であって、ろ過収集アタッチメント10と液体収納容器であるパウチ1とを連結する前の状態を示している。
以下、図10~15を参照して、ろ過収集アタッチメント10の態様を詳しく説明すると、ろ過収集アタッチメント10は、前述したとおり、蓋部50と本体部20とからなり、両者はヒンジ21によって連結されている。ヒンジ21は本体部20のフィルタ部30の外周壁34と蓋部50の大径円筒部52の外周面との間に接続されており、樹脂製の帯状体からなる。
帯状のヒンジ21は、柔軟性又は可撓性の材料、例えば樹脂等から形成されており、初期形状とばね弾性を有しており、本体部20と蓋部50とを離間させる時に、ばね弾性により容易に離間させることができ、離間された後は、その初期形状を維持し、本体部20と蓋部50とを接続する時に両者の嵌合のための位置決めを容易にするよう、両者の位置関係を保持するよう紐付けられている。
なお、この帯状のヒンジ21の代わりに別の接続具を用いることや、本体部20と蓋部50とを外した時に特に接続具を用いない形態を採用することも可能である。しかし、完全に分離されて別体となると、接続時の取り扱いが煩雑となったり、いずれか一方を紛失したりすることもあり得るので、何らかの接続具、例えば金属製のヒンジ21やチェーンなどを設けることが好ましく、前述の形態の樹脂製の帯状のヒンジ21を用いることがさらに好ましい。
ろ過収集アタッチメント10には、収納容器の流出入口部2から放出された液体5を受け入れ、フィルタ部30を通過して、蓋部50から外部に放出することが可能なように、液体5が通過する流路Fが形成されている。
ろ過収集アタッチメント10の本体部20の連結部40は、液体5が通過する流路Fを形成する貫通孔42を有し、その内周に収納容器の流出入口部2の外周に設けられたねじ溝7と相補的なねじ溝41が設けられ、そのねじ溝41を収納容器の流出入口部2のねじ溝7と液密に螺合させることにより、ろ過収集アタッチメント10と収納容器とが、液体5が通過する流路Fも含めて一体的に連結されるものである。なお、このとき、図15の破線で示すとおり、連結部40の先端と流出入口部2の先端とは相互に当接する如く、連結部40に窪み43を設けるとともに、流出入口部2には鍔8が設けられている。
ろ過収集アタッチメント10の本体部20のフィルタ部30は、連結部40及び後述の蓋部50の両者の貫通孔42、54の径よりも大径で、流れ方向に一定の長さを有する略短筒形のろ過室Cを有している。このろ過室Cには、攪拌プレート60とメンブレンフィルタ33が収容されている。
ろ過収集アタッチメント10の蓋部50は、ろ過収集アタッチメント10の本体部20のフィルタ部30を覆う大径円筒部52と、液体5が通過する流路Fを形成する筒状部53とを有し、筒状部53の内側には外部に通じる貫通孔54が形成されており、筒状部53の上流側に位置する底部55には、液体5がフィルタ部30から流出する際に通過する多数の小穴からなる流入孔56が形成されている。なお、この流入孔56は、例えば、丸穴の集合体であっても良いし、格子穴、六角穴、スリット孔等の様々な形状や穴の集合体からなる流入孔56であっても良い。さらに、それらの多種の態様の穴やとスリット孔との組み合わせも任意に設計して差し支えない。例えば、流入孔56の大部分は穴からなるが、周辺領域は半径方向を向くスリットにするとか、半径方向を向く断続するスリット孔を円周方向に並べても良いし、円周方向を向く断続するスリットを半径方向において多重に配置することなども可能である。要は、すべて同じ形状、径、長さ等のものであっても良いし、異なる形状、径、長さ等のものを適宜組み合わせたものを用いても良い。液体5が適切に通過し、検査目的に応じて、メンブレンフィルタ33のほぼ全体又は一部に液体が行きわたり、必要な検体等を適切に捕獲・回収できれば足りるものであり、様々な流入孔56の態様が想定される。
ろ過収集アタッチメント10の本体部20のフィルタ部30は、その外周に形成された円環状のリング溝にシールリング31(例、Oリング等)が嵌め込まれており、ろ過収集アタッチメント10の蓋部50の大径円筒部52が、ろ過収集アタッチメント10の本体部20のフィルタ部30を覆った時に、両者により圧縮されてその弾性力により両者の間に円環状に生じる隙間を封止している。
蓋部50の筒状部53の外周には、次段のろ過収集アタッチメント10を連装して多段型のろ過収集アタッチメント10を構成することが可能となるように、次段のろ過収集アタッチメント10の連結部40の内周のねじ溝41と液密に螺合させることができる、それと相補的なねじ溝51が設けられている。両ねじ溝41、51を液密に螺合させることにより、例えば2段のろ過収集アタッチメント10を一体的に連結することができる。なお、連装する段数は任意に設定可能である。
ここで、ろ過収集アタッチメント10も、収納容器と同様に、収納容器内に含まれる物質が不純物により汚染されることを防ぐために、製造時にすべて滅菌や殺菌、その他清浄したものが使用される。
蓋部50を本体部20に施蓋した状態では、ヒンジ21が湾曲して両者を接続した状態になる。ヒンジ21の弾性力は、蓋部50と本体部20とを引き離す方向に作用するが、ろ過収集アタッチメント10の蓋部50の大径円筒部52と、ろ過収集アタッチメント10の本体部20のフィルタ部30との間に、圧縮されたシールリング31が介在することで生じる摩擦力と、後述する蓋部50を本体部20に固定する蓋部50の爪部57と本体部20のフィルタ部30の突起32との係合により、両部が固定的に配置されることとなる。
なお、蓋部50は図示の形態のみならず、例えば、図9に示すような、補強用のリブ93を設けたものなど、前述した説明と相反するものでない限り、外形の形状も任意のもので差し支えない。
ろ過収集アタッチメント10の本体部20には、その上流側に、外周側が板状の環状の台座部22が形成され、内周側に流路Fを構成する開口を有する上流側に延びる短ボス部23が形成されている。短ボス部23は、連結部40の流路Fを構成する貫通孔42内に僅かに進入する形態に構成されている。
さらに、台座部22の外周側には、メンブレンフィルタ33を後述する攪拌プレート60のリブ63とともに支持し、メンブレンフィルタ33を蓋部50に設けられた環状の幅広の突出部24’との間で挟持する幅狭の環状の突出部24を備えている。
突出部24のさらに外周側には、本体部20のフィルタ部30の環状の外周壁34が形成されており、その外周壁34の外周側と蓋部50の大径円筒部52の内周壁との間に、前述したシールリング31が圧縮されて配置されている。
攪拌プレート60は、その上流側に位置する部分において、短筒部62を有しており、短筒部62は、ろ過収集アタッチメント10の本体部20の短ボス部23と同様に、流路Fの上流側に延びて連結部40の流路Fを構成する貫通孔42内に進入している。このとき、短筒部62は短ボス部23に遊嵌している状態となる。
攪拌プレート60の短筒部62の外周側には被支持面61が形成されており、被支持面61を本体部20の支持面である台座部22に脱着可能に当接させることにより本体部20に載置されている。
攪拌プレート60の短筒部62は、さらに、その内周側に短筒部62の上流端部に連続し、その中央部において下流側に最も突出する略ロート形状の流入部64を備えている。この流入部64は、略ロート形状の壁面に上流から下流に向けて通過する液体5の流れを半径方向外方すなわち拡径方向に導くように配向付けられた多数の小穴65から構成されている。
小穴65の径は、すべて同じであっても良いが、液体の流れ方に応じて異なる径のものを設けても良い。メンブレンフィルタ33の全面でまんべんなくろ過できるように適宜の穴径を採用することができる。
さらに、略ロート形状の流入部64の上流側面には、特に図13に詳しく示されたとおり、さらに上流側に向けて突設された羽根部66(図12、14、15ではハッチング部分にて示す。)が円周上で等間隔となるように4枚形成されており、上流側から攪拌プレート60に流入する液体5の流れを一方向の旋回流を発生させるように構成されている。この羽根部66は任意の枚数や形状のものを採用することができ、旋回流を発生させる構造のものであれば如何なるものであっても良く、旋回方向が限定されるものでもない。また、典型的な羽根の形状でなくとも、旋回流を発生させるように液体の流れを導く構造であれば、如何なるものであっても本明細書における羽根と定義される。
なお、小穴65は、羽根部66の部分に設けられても良いことは勿論のことである。
他方、攪拌プレート60の下流側に位置する部分においては、全面が下流に向って徐々に拡径する略円錐台形の環状の側壁67が形成されており、その側壁67上に、流路Fの中心軸廻りに見て等間隔に配置された放射状に延びる短寸のリブ63が形成されている。
このリブ63は、下流側の縁部が同一平面上に位置するように形成され、ろ過収集アタッチメント10の蓋部50との間でメンブレンフィルタ33を挟持するものである。このリブ63により、メンブレンフィルタ33の上流側面が概ね全面において、流路Fの方向に対してほぼ直交する平面上に保持されることになる。なお、メンブレンフィルタ33は、必要に応じて僅かな遊びを有するように挟持しても良い。
この攪拌プレート60により、収納容器であるパウチ1の流出入口部2から放出され、ろ過収集アタッチメント10の連結部40の流路Fを流れる検体を含む液体5が、乱流や旋回流を伴いながら、大径のメンブレンフィルタ33上の液体透過面全体に広がり、メンブレンフィルタ33の全面を用いて効率良くまた一様に検体を捕獲して、下流に通過する液体5の流れをスムーズにすることができる。
蓋部50の内側に設けられた流体が通過する流路Fを形成する筒状部53は、その上流側に位置する底部55の反対面に、概ねメンブレンフィルタ33の上流側の面の全面を覆う支持面58を備えている。その支持面58には、メンブレンフィルタ33を通過した液体5が円滑に排出口部に導入されるよう、その外周側には半径方向内方に液体5を導く溝が形成され、また、その内側には多数の液体通過用の小穴からなる流入孔56が形成されている。
蓋部50の内側の筒状部53の外周側には、メンブレンフィルタ33を本体部20のフィルタ部30に設けられた前述の幅広の環状の突出部24’が形成されている。
使用時には流路F内を液体5が上流側から下流側に流れるので、その流れによりメンブレンフィルタ33が下流側に押し付けられることとなり、蓋部50の筒状部53の底部55の支持面58に密着されるように構成されている。本体部20のフィルタ部30と蓋部50の大径円筒部52との接続を解いて本体部20と蓋部50とを脱離させると、支持面58に密着されたメンブレンフィルタ33を外部から取り出すことができるようになる。
本体部20のフィルタ部30と蓋部50の大径円筒部52とをシールリング31を介して嵌着し、施蓋した状態とした時には、図11などに示されるとおり、両者が確実に固定されるよう、本体部20のフィルタ部30の外周壁34の外周面に被係止部である突起32が円周上に一定間隔で設けられ、蓋部50の大径円筒部52には径止部である弾性を有する爪部57が、本体部20のフィルタ部30の突起32と対応する位置に設けられている。このことにより、本体部20と蓋部50とは脱着係合可能に固定される。なお、突起32は爪部57が係合するものであれば良いので、一定間隔で設けても良く、また、フィルタ部30の外周壁34の外周面に延接される環状の突起32であっても良い。また、係止部と被係止部との関係を逆にしても良い。いずれにせよ、両者が固定しまた容易に分離できれば良いので、そのような機能を持つものであれば、突起32と爪部57の組み合わせ以外の如何なる固着具を用いても差し支えない。
メンブレンフィルタ33は、目的とする収集物を捕獲できるものであれば如何なるものでも良く、また、複数の収集物を対象とする場合や、捕獲効率を高める場合など種々の目的に応じて、複数枚のメンブレンフィルタ33を重畳させて配置することも可能である。
また、メンブレンフィルタ33の典型例として、ろ紙を用いることができる。ろ紙は、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素系樹脂などのメンブレン、紙、ガラス繊維等、収集対象に適した素材を任意に選択することが可能である。
メンブレンは、適宜のメッシュの粗さのものを用いることができ、複数枚のメンブレンフィルタ33を用いた時に、粗さが同じものであっても、異なるものであっても良い。
また、ろ紙のポアサイズや、繊維密度は、収集対象に適した素材の選択が可能で、例えば細胞、核酸収集であればポアサイズを10μm未満などにすることが好ましい。
ろ過収集アタッチメント10を多段に連装する場合には、各段のろ過収集アタッチメント10は、各段毎に異なる収集物を捕獲するものであっても良いし、また、同じ収集物を捕獲するものであっても良く、その組み合わせは任意である。例えば、上流側のろ過収集アタッチメント10で大きさが大である収集する必要のないゴミや夾雑物をフィルタリングし、下流のろ過収集アタッチメント10で、ろ過収集の対象とする検体を捕獲することができる。また、多段階に目の粗さを下流に向かって順に細かく設定することなどにより、収集物の大きさによってろ過収集対象物を同時に選択して収集することも可能である。
例えば、上流側から1段目を粗ろ過を目的とした10μmのポアサイズのメンブレンフィルタ33とし、2段目(最終)を、細胞、核酸、ウィルス等より小さな収集物を目的とした精密ろ過が可能な10μm未満のポアサイズのメンブレンフィルタ33を装着することもできる。
この例では、多段化したことにより、収集を意図しない大きいサイズのごみ物質を段階的にトラップすることにより、最終段のメンブレンフィルタ33の目詰まりを抑制し、より弱い液体5の流れでも目的とした微小物質の収集が可能となる。このことは、パウチ1その他の収納容器を手動で収縮又は変形させる際に、大きな力を必要としないというメリットが生じる。
図16は、ろ過収集アタッチメント10とろ物回収プレート70の断面図であって、組み付け前の状態を示している。
図の状態は、ろ過収集アタッチメント10の蓋部50を本体部20から分離した状態とろ物回収プレート70を示す。図に示す通り、メンブレンフィルタ33は、検体のろ過収集時に流路F内を液体5が上流側から下流側に流れるので、その流れによりメンブレンフィルタ33が下流側に押し付けられて、蓋部50の筒状部53の底部55の反対面の支持面58に密着されたままとなっている。
この段階で、ろ過収集アタッチメント10は、前述したとおり、その攪拌プレート60を外して、代わりにろ物回収プレート70に置換される。
ろ物回収プレート70は、攪拌プレート60の被支持面61と共通の構成部分を有しており、攪拌プレート60と同様に、その下流側に位置する部分においては、全面が下流に向って徐々に拡径する略円錐形の環状の側壁71が形成されており、その側壁71上に、流路Fの中心軸廻りに見て等間隔に配置された放射状に延びる短寸のリブ72が形成される。
他方、略円錐形の環状の側壁71の内周側は、その頂部が流路Fの上流側に延びて連結部40の流路Fを構成する貫通孔42内に進入している円錐形の回収ろ液溜まり73を備えている。このとき、回収ろ液溜まり73は、ろ過収集アタッチメント10の本体部20の短ボス部23の内周側に位置することとなる。攪拌プレート60とは異なり、回収ろ液溜まり73は抽出液6(図18参照)を回収するために液密とされている。
ろ過収集アタッチメント10は、攪拌プレート60を外して、ろ物回収プレート70と置換された後、再び、メンブレンフィルタ33を付けたまま蓋部50が本体部20に施蓋される。
図17に、攪拌プレート60をろ物回収プレート70に置換した後のろ過収集アタッチメント10の断面図を示す。
ろ物の分離又は抽出は、蓋部50の貫通孔54の外部への出口を鉛直方向上方に位置させ、貫通孔54内にろ物分離又は抽出用の試薬をスポイト80等で注入し、メンブレンフィルタ33に収集された検体を試薬を溶媒等として流し落とし、ろ物回収プレート70の回収ろ液溜まり73に抽出液6として貯留させる。
図18に、ろ物を分離又は抽出した後に、ろ過収集アタッチメント10の蓋部50と本体部20とを再度分離した状態の断面図を示している。
十分な時間を経過してメンブレンフィルタ33に収集された検体が試薬とともに回収ろ液溜まり73に抽出液6として溜まりきったら、再度、蓋部50材を本体部20からゆっくり外し、回収ろ液溜まり73に溜まっている抽出液6をスポイト80等で吸入して回収する。
これにより、目的とする収集物が濃縮されたろ液としての液体を取得することができる。このろ液は、スポイト80に吸入したまま、又は別の容器に移され、携帯用PCR装置や移動可能な車両に搭載したPCR装置その他の解析・分析装置により、その場、又は、近隣で迅速に解析・分析することに供される。
ろ過収集アタッチメント10は、一体成型樹脂で形成されることが望ましい。耐薬品性等を考慮すると、ポリプロピレン樹脂製のものが、弾性を必要とするヒンジ21も含めて全体を一体で形成できるので、コスト面でも好適である。もちろん、その他の材料を用いることも可能であり、例えば、ポリカーボネート、硬質ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂や金属その他の材料であっても差し支えない。
以上の説明においては、攪拌プレート60及びろ物回収プレート70を用いた例を説明したが、本発明は、そのような構成のみならず、両プレート60、70のいずれか一方又は両方を用いないことも可能である。
例えば、攪拌プレート60を配置する部分にシリコンゴム製のガスケット等環状のシール材を代替配置してメンブレンフィルタ33を固定することも可能である。この場合、環状のシール材の中央穴の内径を絞ることによって流路を制限し、かつろ液6や試薬液等E等の漏洩も防ぐことが可能である。
さらに、例えば、ろ物回収プレート70を用いずに、メンブレンフィルタ33でろ過した後、蓋部50を開放させることなく、放出口59に栓蓋を螺合させるなどして放出口59を塞ぎ、連結部40の貫通孔42側からスポイト80で試薬等Eをメンブレンフィルタ33が浸らない程度にまで注ぎ、あるいは、メンブレンフィルタ33が浸る程度にまで注ぎ、メンブレンフィルタ33上又はメンブレンフィルタ33中に残存する抽出液をスポイト80で吸い込んで回収することも可能である。さらに、試薬液等Eの量を調整して、大凡メンブレンフィルタ33のみが十分に試薬液等Eに浸るようにさせ、メンブレンフィルタ33上から抽出液を回収することも可能である。
本発明のろ物の分離又は抽出は、スワブ法(拭き取り、溶液に抽出して分離する方法)により行っても良い。この方法は、メンブレンフィルタ33に捕獲された収集物をスワブ(綿棒等)で直接拭き取り、容器(PCRチューブ等)に予め入れておいた溶媒等にスワブ(綿棒等)を浸して、攪拌し、スワブに付着した収集物を溶媒に溶かして、阻害物や夾雑物を沈殿により分離し、上清を抽出液として反応に供する方法である。本発明の携帯型ろ過収集装置とスワブ法を組合せることにより、極めて簡単に、人力のみで、現場において反応の前処理を行うことができる。いずれにせよ、メンブレンフィルタ33に捕獲された収集物を具体的に採取する手法は、上述のものに限らず任意のものを用いることができる。
本例を実際に使用した一例を以下に示す。
パウチ1(容量800mL、幅150mm*高さ240mm)を作製し、パウチ1の流出入口部2の栓蓋3を取り、パウチ1の流出入口部2からビーカーで検体入りの水(風呂の残り湯)を注ぎ込んだ。
ついでパウチ1の流出入口部2にメンブレンフィルタ33(ろ紙)付きのろ過収集アタッチメント10をねじ込んで装着した。
ここで使用したメンブレンフィルタ33(ろ紙)は、Membrane Solution Limited製のポアサイズ0.45μmのものである。また、ろ過収集アタッチメント10は1段のものである。
実際に、パウチ1中の水を、パウチ1を端部から人力で丸めるようにして絞り、収集対象であるレジオネラ属菌を捕獲するメンブレンフィルタ33(ろ紙)を経由させて排水させた。
メンブレンフィルタ33(ろ紙)付きろ過収集アタッチメント10の蓋部50を外し、メンブレンフィルタ33(ろ紙)を取り出して、別容器に保存した。そのまま保存する場合は、パウチ1の流出入口部2からメンブレンフィルタ33(ろ紙)のないろ過収集アタッチメント10を外し、パウチ1に空気を注入し、再び手動で絞って余剰の水分を絞り出しておいてもよい。
メンブレンフィルタ33(ろ紙)から回収されたろ液をバッファーに分液し、分析装置(リアルタイムPCR)で測定し、レジオネラ属菌の存在の有無を確認した。
このようにして、極めて簡単に、人力のみで、現場においてレジオネラ属菌を対象としたろ過収集を行うことができ、分析・解析を行うことができた。
以上、本発明の携帯型ろ過収集装置について詳細に説明したが、本発明の範囲は、前記した具体的な形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の範囲に属するものである限り、如何なる形態であっても本発明に含まれるものである。
F 流路
1 パウチ(収納容器)
2 流出入口部
3 栓蓋
4 容器
5 液体
6 ろ液
7 ねじ溝
8 鍔
10 ろ過収集アタッチメント
20 本体部
21 ヒンジ
22(22’) 台座部(背面側)
23 短ボス部
24、24’ 突出部
30 フィルタ部
31 シールリング
32 突起
33 メンブレンフィルタ
34 外周壁
C ろ過室
40 連結部
41 ねじ溝
42 貫通孔
43 窪み
50 蓋部
51 ねじ溝
52 大径円筒部
53 筒状部
54 貫通孔
55 底部
56 流入孔
57 爪部
58 支持面
59 放出口
60 攪拌プレート
61 支持面
62 短筒部
63 リブ
64 流入部
65 小穴
66 羽根部
67(67’) 側壁(背面側)
E 試薬等
70 ろ物回収プレート
71 側壁
72 リブ
73 回収ろ液溜まり
80 スポイト
90 シリンジ
91 ピストン
92 樹脂製ボトル
93 リブ

Claims (13)

  1. 液密かつ容積可変であって、外部から供給される検体が含まれる液体を内部に収容し、前記液体が内部に供給されることで容積が増加し、かつ外力により容積を減少させることで前記液体が外部に放出される液体収容部と、
    前記液体の供給及び放出のための流出入口部と、を有する収納容器と、
    前記収納容器から放出される前記液体を通過させて排出口部から外部に液体を排出する流路と前記流路を通過する液体中の検体をろ過収集するフィルタ部とを有するろ過収集アタッチメントと、を備え、
    前記収納容器と前記ろ過収集アタッチメントとが連結され、前記収納容器の前記流出入口部及び前記ろ過収集アタッチメントの前記各流路は前記フィルタ部を介して連続する液密の流路を構成する、携帯型ろ過濃縮装置であって、
    前記収納容器の前記流出入口部は、
    前記ろ過収集アタッチメントを螺合により液密に接続し、また、前記収納容器の栓蓋を螺合により液密に接続可能な雌雄いずれかのねじ溝が外周側に設けられ、その内部に前記流路を有し、
    前記ろ過収集アタッチメントは、
    前記収納容器の前記流出入口部の前記ねじ溝と相補的なねじ溝がその内周側に設けられ、その内部に前記流路を有する連結部と、該流路を通過する液体中の検体をろ過収集する前記フィルタ部と、を備える本体部と、
    前記本体部に液密に嵌合され、その内部に前記流路を有し、該流路中の液体を外部に排出しかつ外部から内部にろ物処理液を注入可能な前記排出口部を有する蓋部と、
    を備える、
    携帯型ろ過収集装置。
  2. 前記フィルタ部は、重畳して配置される少なくとも2つ以上のフィルタを有する、請求項1に記載の携帯型ろ過収集装置。
  3. 前記少なくとも2つ以上のフィルタは、相互にメッシュの粗さが異なるものである、請求項2に記載の携帯型ろ過収集装置
  4. 前記ろ過収集アタッチメントの前記蓋部の前記流路及び排出口部は、その外周側にさらに別の前記ろ過収集アタッチメントを螺合により液密に接続するための相補的なねじ溝が設けられ、少なくとも2つ以上の前記ろ過収集アタッチメントを連装している、請求項1~3のいずれか1項に記載の携帯型ろ過収集装置。
  5. 前記蓋部は、ヒンジにより前記本体部に連結され、前記蓋部と前記本体部とには、それぞれ相互に脱着係合可能な係止部又は被係止部のいずれかが設けられている、請求項1~4のいずれか1項に記載の携帯型ろ過収集装置。
  6. 前記フィルタ部の前記流路は、前記フィルタの液体透過面積を増加させるように半径方向に拡大した拡径部を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の携帯型ろ過収集装置。
  7. 前記拡径部は、前記液体を拡径方向に通過させる複数の孔からなる、請求項6に記載の携帯型ろ過収集装置。
  8. 前記本体部の前記フィルタの上流側の前記流路に、前記フィルタの前記液体の透過面積が増加するように前記流路に沿って流れる前記液体の流れを拡散させ、かつフィルタ面上に乱流を生じさせる攪拌部材が設けられている、請求項6又は7に記載の携帯型ろ過収集装置。
  9. 前記攪拌部材は、前記液体を通過させる複数の孔を有する、請求項8に記載の携帯型ろ過収集装置。
  10. 前記拡径部は、前記攪拌部材に設けられた前記液体を拡径方向に通過させる複数の孔からなる、請求項8に記載の携帯型ろ過収集装置。
  11. 前記攪拌部材は、前記流路中の液体の流れを旋回させる羽根を有する、請求項8~10のいずれか1項に記載の携帯型ろ過収集装置。
  12. 前記本体部は、前記拡径部において、前記流路の外周側に設けられた支持面を備え、
    前記攪拌部材は、その外周側に形成された被支持面が前記本体部の前記支持面上に脱着可能に載置されている、請求項8~11のいずれか1項に記載の携帯型ろ過収集装置。
  13. 前記攪拌部材は、中央に回収ろ液溜まりを有し、かつその外周部に前記本体部の前記支持面上に脱着可能に載置される被支持面が形成されたろ物回収部材と置換可能である、請求項12に記載の携帯型ろ過収集装置。
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