JP6816850B1 - 積層フィルム及び蓋材 - Google Patents

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Abstract

表面層(A)、中間層(B)及びヒートシール層(C)を有する積層フィルムであって、表面層(A)が、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を表面層(A)に含まれる樹脂成分中の80質量%以上含有し、かつ、融点が190℃以上のポリブチレンテレフタレート系樹脂を表面層(A)に含まれる樹脂成分中の30〜80質量%含有し、中間層(B)が、ポリエチレン系樹脂を中間層(B)に含まれる樹脂成分中の60質量%以上含有し、ヒートシール層(C)が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂をヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中の80質量%以上含有する積層フィルムにより、好適なヒートシール性、易開封性、耐熱性及び視認性を実現できる。

Description

本発明は、食品や医療用用具用の易開封性包装材として好適に使用できる積層フィルム、および、当該積層フィルムを単体で用いてなる蓋材に関するものである。
食品包装や医療用具包装等の包装用フィルム分野では、包装体をより容易に開封できる易開封性フィルムへの要求が高まっている。中でも、容器の蓋材等に使用される、容易に剥がすことができるイージーピールフィルムの要求が特に強い。このようなイージーピールフィルムを使用した蓋材としては、ヒートシール時の熱板への溶着防止や、機械強度の向上、バリア性等の機能付加を目的に、イージーピールフィルムに基材フィルムを接着剤等によりラミネートしたラミネートフィルムが広く使用されている。
これに対し、近年の環境意識の高まりから、リサイクル性の向上やプラスチック使用量の低減、さらにはコストダウン等を目的に、基材フィルムを使用しないラミネートレスフィルムの検討がなされている。このような基材フィルムを使用しないイージーピール性の積層フィルムとしては、例えば、表層に融点の高いポリエステル樹脂やポリアミド樹脂を使用した積層フィルムが開示されている(特許文献1参照)。
特開2012−45855号公報
食品包装や医療用具包装用途においては、内容物の好適な視認性が求められることが多く、基材フィルムを使用しないラミネートレスフィルムにおいては、蓋材としての耐熱性や機械強度を有し、かつ良好な視認性が必要とされる。また、基材フィルムを使用しない場合においても、基材フィルムを有する場合と同等の良好な易開封性が求められる。
本発明の課題は、基材フィルムを積層しなくとも、好適なヒートシール性や易開封性、耐熱性を有し、かつ、好適に内容物の視認が可能な積層フィルムを提供することにある。
本発明は、少なくとも、表面層(A)、中間層(B)及びヒートシール層(C)を有する積層フィルムであって、前記表面層(A)が、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を表面層(A)に含まれる樹脂成分中の80質量%以上含有し、かつ、融点が190℃以上のポリブチレンテレフタレート系樹脂を表面層(A)に含まれる樹脂成分中の30〜80質量%含有し、前記中間層(B)が、ポリエチレン系樹脂を中間層(B)に含まれる樹脂成分中の60質量%以上含有し、前記ヒートシール層(C)が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂をヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中の80質量%以上含有する積層フィルムにより、上記課題を解決するものである。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムを積層しなくとも、ヒートシール時のシールバー等への融着を抑制でき、好適なヒートシール性を実現できる。また、高い剛性や機械強度を得やすいことから、基材フィルムを使用しなくとも開封時にフィルムの伸びや千切れ等を生じることなく好適に剥離でき、かつ剥離時にも糸引きが生じにくいことから、好適な易開封性を実現できる。さらに、良好な透明性を有することから、包装材として使用した際にも内容物の視認性が高く、食品包装や医療器具の包装等に好適に適用できる。また、本発明の積層フィルムはこれら特性に加え、高い剛性や機械強度を得やすいことから、各種の蓋材や包装袋等の包装材に好適に適用できる。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムを使用しなくとも上記優れた特性を有することから、各種の蓋材や包装袋等の包装材に好適に適用できる。特に、基材フィルムを積層する際の接着剤を必要としないため、食品用や医療器具等の包装用途に好適に適用できる。
本発明の積層フィルムは、少なくとも、表面層(A)、中間層(B)及びヒートシール層(C)を有する。そして、当該積層フィルムの表面層(A)が、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を表面層(A)に含まれる樹脂成分中の80質量%以上含有し、かつ、融点が190℃以上のポリブチレンテレフタレート系樹脂を表面層(A)に含まれる樹脂成分中の30〜80質量%含有する層であり、中間層(B)が、ポリエチレン系樹脂を中間層(B)に含まれる樹脂成分中の60質量%以上含有する層であり、ヒートシール層(C)が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂をヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中の80質量%以上含有する層である。
[表面層(A)]
本発明の積層フィルムに使用する表面層(A)は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を表面層(A)に含まれる樹脂成分中の80質量%以上含有する。ポリブチレンフタレート系樹脂を外層となる表面層(A)に使用することで、好適な耐熱性を実現でき、ヒートシール時の表面層(A)の融解を抑制できる。ポリブチレンテレフタレート系樹脂の含有量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上であり、表面層(A)に含まれる樹脂成分中の100質量%であってもよい。
ポリブチレンテレフタレート系樹脂としては、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールを重縮合して合成されるポリブチレンテレフタレート(ホモポリマー)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸とイソフタル酸とを用いて得られるポリブチレンテレフタレート共重合体等を使用できる。
表面層(A)に使用するポリブチレンテレフタレート系樹脂としては、固有粘度が0.7dl/g以上であることがより好ましい。0.7dl/gよりも低いと、共押出法を適用した時に合流部において、中心層(B)及びヒートシール層(C)との流動性が合致しにくいことがありフィルム表面の外観不良の原因となる場合がある。
表面層(A)に使用するポリブチレンテレフタレート系樹脂のメルトフローレート(MFR)(235℃)は、2〜40g/10minであることが好ましく、10〜35g/10minであることがより好ましく、15〜30g/10minであることがさらに好ましい。MFRが当該範囲であると、好適な透明性や耐熱性、成形性を得られる点で好ましい。
さらに本発明の積層フィルムにおいては、表面層(A)に含まれる樹脂成分中の30〜80質量%を、融点が190℃以上のポリブチレンテレフタレート系樹脂とすることで、好適な耐熱性や透明性、高い機械強度が得られる。融点が190℃以上のポリブチレンテレフタレート系樹脂の含有量は、好ましくは35〜75質量%、より好ましくは40〜70質量%である。また、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の融点は、さらに高いものであってもよく、好ましくは200℃以上、より好ましくは210℃以上、さらに好ましくは220℃以上である。
表面層(A)中には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記ポリブチレンテレフタレート系樹脂以外の他の樹脂成分を含有してもよい。当該他の樹脂成分としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂等を使用できる。当該他の樹脂の含有量は表面層(A)に含まれる樹脂成分中の10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましい。
前記表面層(A)には、本発明の効果を損なわない範囲で各種の添加剤を配合してもよい。当該添加剤としては、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、滑剤、核剤、顔料等を例示できる。
表面層(A)の厚みは1〜50μmとすることで、好適な耐熱性や透明性、剛性を得やすくなる。当該厚みは、好ましくは3〜30μm、より好ましくは5〜20μmである。
[中間層(B)]
本発明の積層フィルムに使用する中間層(B)は、外層となる表面層(A)とヒートシール層(C)との間に設けられる層であり、ポリエチレン系樹脂を中間層(B)に含まれる樹脂成分中の60質量%以上含有する層である。中間層として当該層を設けることで好適な透明性や成形性、高い機械強度を得られるため好ましい。
中間層(B)に含まれるポリエチレン系樹脂の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、中間層(B)の樹脂成分がポリエチレン系樹脂のみからなる層であっても良い。ポリエチレン系樹脂の含有量を当該範囲とすることで、好適な成形性や易開封性を得られる点で好ましい。
中間層(C)に使用するポリエチレン系樹脂としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられ、中でも直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は好適な成形性や透明性を得やすいため好ましく、高密度ポリエチレン(HDPE)は高い耐熱性やシール強度を得やすいため好ましい。
ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(190℃、21.18N)は0.1〜10g/10minであることが好ましく、0.2〜5g/10minであることがより好ましく、0.3〜3g/10minであることがさらに好ましい。メルトフローレートが当該範囲のポリエチレン系樹脂を使用することで、好適な成形性や易開封性が発現しやすくなるため好ましい。
ポリエチレン系樹脂の密度は、0.900〜0.970g/cmであることが好ましく、0.915〜0.965g/cmであることがより好ましく、0.930〜0.950g/cmであることがさらに好ましい。密度が当該範囲のポリエチレン系樹脂を使用することで、好適な耐熱性や高い機械強度を得やすいため好ましい。
中間層(B)に上記ポリエチレン系樹脂以外の樹脂を併用する場合には、ポリプロピレン系樹脂等の他のオレフィン系樹脂を好ましく使用できる。ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、メタロセン触媒系ポリプロピレン等を例示できる。
また、上記オレフィン系樹脂以外の他の樹脂を使用する場合には、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;更にはエチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー等使用できる等を使用できる。
中間層(B)に、ポリエチレン系樹脂以外の樹脂を併用する場合には、ポリエチレン系樹脂以外の樹脂の含有量が中間層(B)に含まれる樹脂成分中の30質量%以下で使用することが好ましく、20質量%以下で使用することがより好ましく、10質量%以下で使用することがさらに好ましい。
中間層(B)には、本発明の効果を損なわない範囲で上記表面層(A)で例示した各種の添加剤を配合してもよい。
中間層(B)の厚みは2〜50μmとすることで、好適な耐熱性や成形性を得やすくなる。当該厚みは、好ましくは10〜30μm、より好ましくは15〜20μmである。
[ヒートシール層(C)]
本発明に使用するヒートシール層(C)は、ヒートシールにより被着体と接着する層であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はエチレン−メチルメタクリレート共重合体の少なくとも一種を含有する。エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、特に限定されないが、酢酸ビニル由来成分の含有率が5〜35質量%であることが好ましく、7〜25質量%であることがより好ましい。また、エチレン−メチルメタクリレート共重合体としては、メチルメタクリレート由来成分の含有率が5〜35質量%であることが好ましく、7〜25質量%であることがより好ましい。当該樹脂を使用することで熱可塑性樹脂素材等の被着体との良好な接着性や、優れた多層成型性を得やすくなる。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−メチルメタクリレート共重合体の190℃でのメルトフローレート(MFR)は、0.5〜30g/10minであることが好ましく、1.0〜20g/10minであることがより好ましい。当該範囲の樹脂を使用することで熱可塑性樹脂素材等の被着体との良好な接着性や、優れた多層成型性を得やすくなる。なかでも、特に優れた被着体への接着性や優れた多層成形性を得やすいことから、酢酸ビニル由来成分の含有率が7〜25質量%、かつ、MFR1.0〜20g/10minの樹脂を使用することが特に好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−メチルメタクリレート共重合体は併用して使用してもよいが、各々単独で使用することが得られる特性を制御しやすいため好ましい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−メチルメタクリレート共重合体としては、接着性の機能付与として(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸やその無水物を導入した変性物であってもよい。
ヒートシール層(C)中のエチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−メチルメタクリレート共重合体の含有量は、被着体への良好な接着性や好適な成膜性を得やすいことから、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とエチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂との総含有量がヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中の60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
ヒートシール層(C)には、上記樹脂以外にも各種の粘着付与剤を含有することも好ましい。粘着付与剤としては、脂肪族系炭化水素樹脂(脂環式系炭化水素樹脂を含む)、芳香族系炭化水素樹脂、ロジン類、ポリテルペン系樹脂等が挙げられる。
脂肪族系炭化水素樹脂としては、例えば、ブテン−1、ブタジエン、イソブチレン、1,3−ペンタジエン等の炭素原子数4〜5のモノオレフィンまたはジオレフィンを主成分とする重合体、シクロペンタジエンやスペントC4〜C5留分中のジエン成分を環化二量体化後重合させた樹脂等の環状モノマーを重合させた樹脂、芳香族系炭化水素樹脂を環内水添した樹脂等が挙げられる。芳香族系炭化水素樹脂としては、例えば、α−メチルトルエン、ビニルトルエン、インデン等のビニル芳香族系炭化水素を主成分とした樹脂等が挙げられる。ロジン類としては、例えば、ロジン、重合ロジン、ロジングリセリンエステル、ロジングリセリンエステルの水添物、ロジングリセリンエステルの重合物、ロジンペンタエリストリトールエステル、ロジンペンタエリストリトールエステルの水添物、ロジンペンタエリストリトールエステルの重合物等が挙げられる。ポリテルペン系樹脂としては、例えば、水添テルペン樹脂、テルペン−フェノール共重合樹脂、ジペンテン重合体、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、α−ピネン−フェノール共重合樹脂等が挙げられる。
前記粘着付与剤としては、更に前記以外の合成樹脂系の粘着付与剤、例えば、酸変性C5石油樹脂、C5/C9共重合系石油樹脂、キシレン樹脂、クマロンインデン樹脂等が挙げられる。
前記粘着付与剤としては、低臭気性、透明性、成形性等に優れることから、脂肪族系炭化水素樹脂が好ましく使用できる。
ヒートシール層(C)中の粘着付与樹脂の含有量は、被着体への良好な接着性や好適な成膜性を得やすいことから、ヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中の1〜20質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましい。
ヒートシール層(C)の樹脂成分として、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−メチルメタクリレート共重合体の少なくとも一種と、粘着付与剤とを使用する場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−メチルメタクリレート共重合体の少なくとも一種/粘着付与剤で表される質量比が99/1〜80/20となる範囲が好ましい。
前記ヒートシール層(C)には、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−メチルメタクリレート共重合体の少なくとも一種と粘着付与剤に併用して、スチレン系樹脂を配合することも好ましい。スチレン系樹脂としては、例えば、スチレンの単独重合体;ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の合成ゴムにスチレンの単量体をグラフト重合した耐衝撃性スチレン系樹脂等が挙げられる。スチレン系樹脂の配合は、特にスチレン系樹脂を含有する被着体に対して好適な接着性を得やすい。
スチレン系樹脂としては、優れた成形加工性を得やすいことから200℃におけるMFRが1〜40g/10minのものが好ましく、5〜20g/10minのものがより好ましい。
スチレン系樹脂を併用する場合には、その含有量をヒートシール層(A)に含まれる樹脂成分中の5〜20質量%とすることが好ましく、8〜17質量%とすることがより好ましい。
ヒートシール層(C)の樹脂成分として、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−メチルメタクリレート共重合体の少なくとも一種と、粘着付与剤と、スチレン系樹脂とを使用する場合には、特にスチレン系樹脂を含有する被着体に対して好適な接着性を得やすく、透明性の低下が少ないことから、これらの質量比(エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−メチルメタクリレート共重合体の少なくとも一種/粘着付与剤/スチレン系重合体)が60〜94/1〜20/5〜20となる範囲であることが好ましい。
前記ヒートシール層(C)にエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂以外の樹脂を併用する場合には、上記中間層(B)にて例示したポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂、オレフィン系樹脂以外の他の樹脂等を好ましく使用できる。
ヒートシール層(C)に、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂以外の樹脂を併用する場合には、ポリエチレン系樹脂以外の樹脂の含有量がヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中の20質量%以下で使用することが好ましく、10質量%以下で使用することがより好ましく、5質量%以下で使用することがさらに好ましい。
ヒートシール層(C)には、本発明の効果を損なわない範囲にて上記表面層(A)で例示した各種の添加剤を配合してもよい。
ヒートシール層(C)の厚みは1〜30μmとすることで、好適な易開封性を得やすくなる。当該厚みは、好ましくは2〜20μm、より好ましくは3〜10μmである。
[接着性樹脂層(D)]
本発明の積層フィルムにおいては、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を含有する表面層(A)と他の層との密着性を向上させるために、表面層(A)と他の層との間に接着性樹脂層(D)を設けることも好ましい。
本発明の接着性樹脂層(D)に用いる樹脂としては、表面層(A)と中間層(B)等の他の層とを好適に接着でき、開封時に表面層(A)と他の層とが層間剥離を抑制して剥離強度を向上させやすいことから、酸変性ポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。酸変性ポリオレフィン系樹脂としては、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸又はその誘導体を共重合(例えば、グラフト共重合)した変性重合体を挙げることができる。ポリオレフィンとしては、オレフィン類の単独重合体、相互共重合体、他の共重合可能なモノマー(例えば、他のビニル系モノマー)との共重合体を例示できる。具体的には、例えば、ポリエチレン(LDPE、LLDPEなど)、ポリプロピレン、ポリブテン、これらの相互共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を例示できる。不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸、その酸無水物、そのエステル又はその金属塩等が例示できる。これらのなかでも、マレイン酸変性ポリオレフィンを用いることが好ましく、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂として市販されているものとして、例えば、三井化学株式会社製のアドマーSF730、SF731、SF740、SE800等が挙げられる。
接着性樹脂層(D)に含まれる樹脂成分中の酸変性ポリオレフィン系樹脂の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、接着性樹脂層(D)の樹脂成分が酸変性ポリオレフィン系樹脂のみからなることも好ましい。酸変性ポリオレフィン系樹脂の含有量を当該範囲とすることで、好適な層間密着性を得やすくなる。
接着性樹脂層(D)に酸変性ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を併用する場合には、上記中間層(B)にて例示したポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂、オレフィン系樹脂以外の他の樹脂等を好ましく使用できる。
接着性樹脂層(D)に、酸変性ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を併用する場合には、酸変性ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂の含有量が接着性樹脂層(D)に含まれる樹脂成分中の30質量%以下で使用することが好ましく、20質量%以下で使用することがより好ましく、10質量%以下で使用することがさらに好ましい。
接着性樹脂層(D)には、本発明の効果を損なわない範囲で上記表面層(A)で例示した各種の添加剤を配合してもよい。
接着性樹脂層(D)の厚みは1〜30μmとすることで、表面層(A)と中間層(B)との密着性を得やすくなる。当該厚みは、好ましくは2〜20μm、より好ましくは3〜10μmである。
[積層フィルム]
本発明の積層フィルムは、上記表面層(A)、中間層(B)及びヒートシール層(C)を有する構成により、基材フィルムを積層しなくとも、好適なヒートシール性や易開封性を有し、かつ、好適に内容物を視認できる。
本発明の積層フィルムの層構成としては、表面層(A)、中間層(B)及びヒートシール層(C)が順に積層された構成であり、中間層(B)とヒートシール層(C)とが直接積層された構成が好ましい。また、接着性樹脂層(D)を設ける場合には、表面層(A)が接着性樹脂層(D)と直接積層され、(A)/(D)/(B)/(C)の順に積層された構成が好ましい。
本発明の積層フィルムは、フィルムの厚さが10〜100μmのものが好ましく、より好ましくは20〜60μm、さらに好ましくは30〜50μmである。フィルムの厚さがこの範囲であれば、安定したシール強度、包装機械適性、優れた耐ピンホール性能、易開封性等を得やすくなる。
また、各層の厚みは、特に制限されるものではないが、例えば、表面層(A)の厚みとしては、1〜20μmであることが好ましく、5〜12μmであることがより好ましい。中間層(B)の厚みは8〜60μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。ヒートシール層(C)の厚みは1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。また、接着性樹脂層(D)を設ける場合には、その厚みが2〜20μmであることが好ましく、4〜15μmであることがより好ましい。
本発明の多層フィルムは、内容物保護の観点から、ポリプロピレンシートとヒートシールした際に、多層フィルムをポリプロピレンシートから剥離する際の剥離強度が5N/15mm以上である事が好ましく、8N/15mm以上であることがより好ましい。なお、当該シール強度は、シール幅1cmで、150℃、0.2MPa、1秒の条件でヒートシールした後、180°方向に300mm/minの速度で剥離したときの最大強度である。
また、本発明の積層フィルムは、好適な易開封性を得やすいことから上記剥離強度が20N/15mm以下であることが好ましく、15N/15mm以下であることがより好ましい。
なお、上記剥離強度は、ヒートシール温度を130〜150℃の温度範囲でヒートシールした際の剥離強度が上記範囲であると、ヒートシール時のシール安定性を得やすいため好ましい。
本発明の多層フィルムの曇り度は、包装する内容物を視認しやすいことから、30%以下である事が好ましく、25%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。本発明の多層フィルムは、このような高い透明性を有する場合には、好適な包装適性や好適な印刷密着性を実現しやすい。
本発明の積層フィルムの製造方法としては、例えば、多層フィルムの各層に用いる樹脂(二種以上の樹脂や添加剤を含有する樹脂混合物を含む)を、それぞれ別々の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法等の方法により溶融状態で積層した後、インフレーション法によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、費用対効果にも優れたフィルムが得られるので好ましい。インフレーション法としては、空冷インフレーション法が好ましく、上向きの空冷インフレーション法を特に好ましく使用できる。空冷インフレーション法を用いた場合には、各層に使用する樹脂の結晶性の相違から曇り度が上昇しやすくなる場合があるが、本発明の積層フィルムは空冷インフレーション法を使用した際にも好適な透明性を実現できる。また、複数台の押出機と多層サーキュラーダイを使用することで多層フィルムとすることができる。これらを用いて円筒状の溶融樹脂を上向きに押し出したのち、必要に応じて円筒状の溶融樹脂を膨張させて引き取ると共に、空冷にて溶融樹脂を冷却固化させた後、適宜裁断して所望のフィルムを得ることができる。
[包装容器]
本発明の積層フィルムは、各種の包装用材料として好適に用いることができ、開口部を有する容器の開口部を当該積層フィルムで封止することで、包装容器とすることができる。特に、食品、衛生用品、医薬用品等の開口部を有する包装容器の開口部を封止する蓋材として最適である。また、本発明の積層フィルムを蓋材として用いる場合、包装容器の開口部の積層フィルムをヒートシールする被着面は、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂を主成分としたものが好ましく使用できる。該ヒートシール面にポリプロピレン系樹脂を主成分としたものとすれば、高い耐熱性を実現しやすく、また、包装容器の開口部と蓋材とのシール強度が適性となり、易開封性に優れ、加熱処理中に内容物が漏れないシール強度を保てる包装容器を得ることができる。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体等のプロピレンの単独重合体又はプロピレンとα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。これらのポリプロピレン系樹脂のなかでも、重合体中のプロピレン単量体単位の含有量が70モル%以上のものであれば、十分なシール強度が得られるので好ましい。
また、前記包装容器の開口部のヒートシール面は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含有したものであるが、その含有量として、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。前記ヒートシール面のポリプロピレン系樹脂の含有量がこの範囲であれば、十分なシール強度が得られるので好ましい。また、該ヒートシール面で、ポリプロピレン系樹脂と併用しても良い樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂と相溶性が良く、ヒートシールを阻害しない樹脂であれば、特に限定はないが、例えば、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリエチレン系樹脂等が挙げられる。
また、上記以外の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートやポリスチレンを開口部に使用した包装容器も好ましく使用できる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳しく説明する。以下、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
(合成例1)〔ヒートシール層(C)用樹脂組成物の製造〕
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(酢酸ビニル由来成分含有率19%、MFR3.0g/10min。以下、EVA(1)と略記する。)と環式脂肪族系石油樹脂(荒川化学製アルコンP−100。以下、石油樹脂(1)と略記する。)を、EVA(1)/石油樹脂(1)(質量比)=95/5で用い、これらの合計に対してエルカ酸アミド(ブロッキング防止剤)と平均粒径3μmの合成ゼオライトを、エルカ酸アミドが2000ppm、合成ゼオライトが5000ppmとなるように混合し、口径40mmの単軸押出機にて溶融混練後、ペレット化して、ヒートシール層(C)用のEVA系樹脂組成物(1)のペレットを得た。
(合成例2)(同上)
EVA(1)と石油樹脂(1)を、EVA(1)/石油樹脂(1)(質量比)=92/8で用いた以外は、合成例1と同様の方法でペレット化して、シール性樹脂層用のEVA系樹脂組成物(2)のペレットを得た。
(実施例1)
表面層(A)としてポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略記する)[融点224℃、メルトフローレート(以下MFRという)(235℃)23g/10min、固有粘度0.875dl/g]40部と、テレフタル酸とイソフタル酸とを用いて得られたポリブチレンテレフタレート共重合体(以下、PBT共重合体と略記する)[融点185℃、MFR(235℃)23g/10min、固有粘度0.875dl/g]60部を、中間層(B)として直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPE(1)と略記する)[融点128℃、MFR(190℃)0.4g/10min、密度0.944g/cm]を、ヒートシール層(C)としてEVA系樹脂組成物(1)を、接着層(D)として酸変性ポリオレフィンエラストマー(以下接着性樹脂と略記する)[MFR(190℃)3.0g/10分)]を用い、これら混合物を共押出多層フィルム製造装置に供給して、フィルムの層構成が、表面層(A)/接着性樹脂層(D)/中間層(B)/ヒートシール層(C)の4層構成で、各層の厚み比率が(A)/(D)/(B)/(C)=20%/10%/55%/15%の全厚30μmの共押出多層フィルムを得た。
(実施例2)
表面層(A)としてPBT60部とPBT共重合体40部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして共押出多層フィルムを得た。
(実施例3)
表面層(A)としてPBT70部とPBT共重合体30部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして共押出多層フィルムを得た。
(実施例4)
ヒートシール層(C)としてEVA系樹脂組成物(2)を用いた以外は実施例1と同様にして共押出多層フィルムを得た。
(実施例5)
中間層(B)として直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPE(2)と略記する)[融点123℃、MFR(190℃)0.85g/10min、密度0.920g/cm]30部と、高密度ポリエチレン(以下HDPEと略記する)[融点133℃、MFR(190℃)0.70g/10min、密度0.965g/cm]50部と、低密度ポリエチレン(以下LDPEと略記する)[融点109℃、MFR(190℃)0.35g/10min、密度0.920g/cm]20部の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして共押出多層フィルムを得た。
(実施例6)
中間層(B)としてHDPE80部と、LDPE20部の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして共押出多層フィルムを得た。
(比較例1)
表面層(A)としてPBT100部を用いた以外は実施例1と同様にして共押出多層フィルムを得た。
(比較例2)
表面層(A)としてPBT共重合体100部を用いた以外は実施例1と同様にして共押出多層フィルムを得た。
(比較例3)
表面層(A)としてPBT25部とPBT共重合体75部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして共押出多層フィルムを得た。
(比較例4)
表面層(A)としてPBT60部とPBT共重合体40部の混合物を、中心層(B)としてプロピレン単独重合体(以下HOPPと略記する)〔融点158℃、MFR(230℃)2.5g/10min〕を用いた以外は実施例1と同様にして共押出多層フィルムを得た。
(比較例5)
ヒートシール層(C)として低密度ポリエチレン(以下LDPEと略記する)〔融点93℃、MFR(190℃)7.0g/10min、密度0.918g/cm3〕50部とプロピレン−エチレンランダム共重合体(以下COPPと略記する)[融点127℃、MFR(230℃)5.4g/10min]50部を用いた以外は実施例1と同様にして共押出多層フィルムを得た。
[シール強度評価]
得られた積層フィルムを、10cm×10cmに切り出し、厚さ0.3mmのポリプロピレン製シートと、ヒートシール面がポリプロピレンシート側に来るように重ね合わせて、ヒートシールテスター(テスター産業製精密ヒートシーラー)を用いて、所定の温度(130℃、140℃、150℃)に調節された上部ヒートシールバーが、共押出積層フィルムの最外層側にくるようにセットし、シール幅1cmで、0.2MPa、1秒の条件でヒートシールした。ヒートシールされた部分と垂直方向に15mm幅の短冊状のサンプルを切り出し、引張試験機を用いて、180°方向に300mm/minの速度で剥離したときの最大強度を剥離強度とした。測定した剥離強度の結果を下記基準にて評価した。
◎:130〜150℃の全てのシール温度にて、剥離強度が8N/15mm以上
○:130〜150℃の全てのシール温度にて、剥離強度が5N/15mm以上、8N/15mm未満
△:130〜150℃のいずれか一つのシール温度剥離での剥離強度が5N/15mm未満
×:剥離強度が5N/15mm未満となるシール温度が二つ以上
[耐熱性評価]
得られた共押出多層フィルムを10cm×10cmに切り出し、ヒートシール層(A)表面が88mm角型PP成形容器(深さ33mm)のフランジ側に来るように重ね合わせて、カップシーラー(シンワ機械製カップシーラー)を用いて、130、140、150℃の温度に調節された上部ヒートシール金型で、シール圧力約96Kgf/cup、シール時間1秒の条件でヒートシールした。ヒートシールしたときの挙動について、次の基準で評価した。
◎:最外層がシールヘッドにベタつかなかった。
○:最外層がシールヘッドにわずかにベタつくが、シールヘッドへの溶着はなかった。
△:最外層がシールヘッドにベタつき、シールヘッドに溶着した。
×:フィルム全体が溶け切れた。
[開封性評価]
上記の耐熱性評価と同様の手順で、共押出多層フィルムを88mm角型PP成形容器(深さ33mm)にヒートシールした試料容器を作成した。次いで、ヒートシールされたフランジ部分の外側フィルム部分を手で掴み、フランジ水平面から45度の角度で蓋材を引き剥がしたときの開封状態を評価した。
○:開封時にフィルムの伸びや千切れ、糸引き等の剥離不良が発生しない。
×:開封時に上記の剥離不良が発生する。
[曇り度の測定]
得られた共押出多層フィルムの曇り度を、JIS K7105に基づきヘーズメーター(日本電飾工業株式会社製)を用いて測定した(単位:%)。曇り度を指標として視認性を下記基準にて評価した。
○:30%以下
×:30%超
[成膜性評価]
共押出多層フィルムを成膜する際の成膜性を下記基準にて評価した。空冷インフレーション成形機により厚さ30μmの空冷インフレーションフィルムを作製することにより、フィルム成形性の評価を行った。その際の条件は、ダイス温度:240℃、サーキュラーダイ(リップクリアランス2.5mm)、ブロー比1.5、引取速度23m/分である。フィルムを成形する際のフィルムの幅変動を計測し、1分間に変動が10mm未満の場合を○、10mm以上の場合を×とした
Figure 0006816850
Figure 0006816850
上記表から明らかなとおり、本発明の実施例1〜6の積層フィルムは、各種温度域で好適なシール性を有し、耐熱性や透明性にも優れるものであった。また、開封時にはフィルムの伸びや千切れ、糸引き等の剥離不良が生じず、好適な易開封性を有するものであった。一方、比較例1〜5のものは、好適なシール強度、耐熱性、透明性及び易開封性を兼備できないものであった。

Claims (9)

  1. 少なくとも、表面層(A)、中間層(B)及びヒートシール層(C)を有する積層フィルムであって、
    前記表面層(A)が、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を表面層(A)に含まれる樹脂成分中の80質量%以上含有し、かつ、融点が190℃以上のポリブチレンテレフタレート系樹脂を表面層(A)に含まれる樹脂成分中の30〜80質量%含有し、
    前記中間層(B)が、ポリエチレン系樹脂を中間層(B)に含まれる樹脂成分中の60質量%以上含有し、
    前記ヒートシール層(C)が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂又はエチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂を含有し、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及びエチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂の総含有量がヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中の60質量%以上含有することを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記ヒートシール層(C)が、粘着付与剤を含有する請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記中間層(B)に含まれるポリエチレン系樹脂が直鎖低密度ポリエチレンである請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 前記表面層(A)と中間層(B)との間に、接着性樹脂層(D)を有する請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 前記接着性樹脂層(D)が、酸変性オレフィン系樹脂を接着性樹脂層(D)に含まれる樹脂成分中の80質量%以上含有する請求項4に記載の積層フィルム。
  6. 厚みが20〜100μmである請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. 150℃、0.2MPa、1.0sのヒートシール条件にて厚さ0.3mmのポリプロピレンシートにヒートシールした際の剥離強度が5〜20N/15mmである請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. 150℃、0.2MPa、1.0sのヒートシール条件にて厚さ0.3mmのポリプロピレンシートにヒートシールした際に、ヒートシール層(C)/被着体間で剥離する界面剥離性を有する請求項1〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
  9. 開口部を有する包装容器の開口部の封止に使用される請求項1〜8のいずれかに記載の積層フィルム。
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