JP6816780B2 - 有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、ヘッドマウントディスプレイおよび電子機器 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、ヘッドマウントディスプレイおよび電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、ヘッドマウントディスプレイおよび電子機器に関する。
有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置を備えるHMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の電子機器が知られている。特許文献1には、反射型体積ホログラムを備えるHMDに共振構造を有する有機EL装置を用いることでスペクトルの狭幅化を図ることにより、反射型体積ホログラムを透過し利用されない光を少なくして、HMDにおける光の利用効率を改善することが記載されている。
特開2013−200467号公報
特許文献1に記載の共振構造における光取り出し効率は、反射層と陰極との間に設けられる陽極等の膜厚に依存する。しかし、所定の共振波長域に合わせて陽極の膜厚を調整することは難しく、よって、特許文献1に記載の有機EL装置では、スペクトルの狭幅化が不十分であり、光取り出し効率を高めることが難しいという課題がある。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の一態様は、発光材料を含む発光層と、前記発光層で発生する光を反射する第1反射層と、前記発光層からみて前記第1反射層とは反対側に配置され、前記第1反射層との間で、前記発光層で発生する光のうち第1波長域の光を共振させる光反射性および光透過性を有する第2反射層と、前記第2反射層からみて前記発光層とは反対側に配置され、酸化ケイ素を含む低屈折率膜と酸化アルミニウムを含む高屈折率膜とを含む誘電体多層膜と、前記第2反射層と前記誘電体多層膜との間、かつ、前記第2反射層と接するように配置され、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素を含む第1保護膜と、を備え、前記第1保護膜の厚さは、100nm以上1500nm以下であり、前記第2反射層と前記低屈折率膜との間および前記第2反射層と前記高屈折率膜との間で、それぞれ前記第1波長域の光を共振させる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法の一態様は、発光材料を含む発光層、前記発光層で発生する光を反射する第1反射層、および、前記発光層からみて前記第1反射層とは反対側に配置され、前記第1反射層との間で、前記発光層で発生する光のうち第1波長域の光を共振させる光反射性および光透過性を有する第2反射層を形成する工程と、前記第2反射層と接するように配置され、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素を含む第1保護膜を形成する工程と、前記第1保護膜からみて前記2反射層とは反対側にされ、酸化ケイ素を含む低屈折率膜と酸化アルミニウムを含む高屈折率膜とを含む誘電体多層膜を形成するする工程と、を有し、前記第1保護膜の厚さは、100nm以上1500nm以下であり、前記第2反射層と前記低屈折率膜との間および前記第2反射層と前記高屈折率膜との間で、それぞれ前記第1波長域の光を共振させる。
第1実施形態における有機EL装置を示す斜視図である。 第1実施形態における表示パネルの電気的な構成を示すブロック図である。 第1実施形態における画素の等価回路図である。 第1実施形態における表示パネルのサブ画素における部分断面を模式的に示す図である。 緑色の波長域の光のスペクトルを示すグラフである。 第1実施形態における表示パネルの製造方法を示すフローチャートである。 第1実施形態における発光部形成工程を説明するための図である。 第1実施形態における誘電体多層膜形成工程を説明するための図である。 第1実施形態における誘電体多層膜形成工程を説明するための図である。 第2実施形態における表示パネルの部分断面を模式的に示す図である。 第3実施形態における表示パネルを示す概略平面図である。 第3実施形態における表示パネルのサブ画素における部分断面を模式的に示す図である。 第4実施形態における虚像表示装置の一部を模式的に示す平面図である。 ホログラムで回折反射された緑色の波長域の光のスペクトルを示すグラフである。 第5実施形態における虚像表示装置の一部を模式的に示す平面図である。 本発明の電子機器の一例であるパーソナルコンピューターを示す斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法や縮尺は実際のものと適宜異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。なお、添付図面では、各層の構成の配置の理解を容易にするために、適宜、各種ハッチングを付す部分もある。
1.有機エレクトロルミネッセンス装置
1−1.第1実施形態
図1は、第1実施形態における有機EL装置を示す斜視図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1に示す互いに直交するx軸、y軸およびz軸を適宜用いて説明する。以下では、z軸のうち矢印の方向が+z方向でありこれを「上側」とし、z軸のうち矢印とは反対方向が−z方向でありこれを「下側」とする。後述の基板11の表面がx−y平面に平行であり、後述の表示パネル10が有する複数層の積層方向がz方向である。
1−1A.全体構成
図1に示す有機EL装置1は、単色で表現される画像を表示する有機EL表示装置である。なお、当該画像には、文字情報のみを表示するものを含む。本実施形態における有機EL装置1は、具体的には例えば、緑色で表現される画像を表示する装置、または橙色で表現される画像を表示する装置である。なお、有機EL装置1は、緑色および橙色以外の他の色に対応した装置であってもよい。また、有機EL装置1は、例えば、ヘッドマウントディスプレイにおいて例えば文字情報など単色表示を行うマイクロディスプレイとして用いられる。なお、ヘッドマウントディスプレイについては後で詳述する。
有機EL装置1は、開口91を有するケース90と、ケース90内に設けられる表示パネル10と、表示パネル10に電気的に接続されるFPC(Flexible printed circuits)基板95とを有する。なお、図示はしないが、FPC基板95は、外部に設けられる上位回路に接続される。また、有機EL装置1は、画像を表示する発光領域A10と、発光領域A10を囲む非発光領域A20とを有する。なお、図示では、発光領域A10は平面視で矩形状をなすが、発光領域A10の平面形状はこれに限定されず例えば円形等であってもよい。平面視とは、−z方向から見ることをいう。
1−1B.電気的な構成
図2は、第1実施形態における表示パネルの電気的な構成を示すブロック図である。以下では、説明の便宜上、図2に示す互いに直交するX軸およびY軸を適宜用いて説明する。
図2に示すように、表示パネル10は、X軸に沿って延在するM本の走査線13と、走査線13と交差し、Y軸に沿って延在するN本のデータ線14とを有する。なお、M、Nは、自然数である。また、M本の走査線13とN本のデータ線14との各交差に対応して複数の画素P0が構成される。画素P0は、発光領域A10にマトリクス状に配列される。
また、表示パネル10は、制御回路35と走査線駆動回路361とデータ線駆動回路362とを備える。制御回路35、走査線駆動回路361およびデータ線駆動回路362は、非発光領域A20に配置される。また、表示パネル10は、図示しない電源回路に接続される。
図2に示す制御回路35は、画像の表示を制御する。制御回路35には、図示しない上位回路からデジタルの画像データVideoが同期信号Sに同期して供給される。制御回路35は、同期信号Sに基づいて制御信号Ctrを生成し、これを走査線駆動回路361およびデータ線駆動回路362に対して供給する。また、制御回路35は、画像データVideoに基づいてアナログの画像信号Vidを生成し、これをデータ線駆動回路362に対して供給する。なお、前述の画像データVideoとは、画素P0の階調レベルを例えば8ビットで規定するデータである。同期信号Sとは、垂直同期信号、水平同期信号、およびドットクロック信号を含む信号である。
走査線駆動回路361は、M本の走査線13に接続される。走査線駆動回路361は、制御信号Ctrに基づいて1フレーム期間内にM本の走査線13を1本毎に順次選択するための走査信号を生成し、M本の走査線13に対して出力する。また、データ線駆動回路362は、N本のデータ線14に接続される。データ線駆動回路362は、表示すべき階調に応じたデータ信号を画像信号Vidおよび制御信号Ctrに基づいて生成し、N本のデータ線14に対して出力する。
なお、走査線駆動回路361とデータ線駆動回路362とは、1つの駆動回路として一体化されてもよい。また、図示では、制御回路35は表示パネル10に設けられているが、制御回路35は、例えば図1に示すFPC基板95に設けられてもよい。また、制御回路35、走査線駆動回路361およびデータ線駆動回路362は、それぞれ、複数に分割されてもよい。
図3は、第1実施形態における画素の等価回路図である。図3に示すように、画素P0には、OLED(Organic Light Emitting Diode)で構成される発光素子20と、発光素子20の駆動を制御する画素回路30とが設けられる。
発光素子20は、陽極23と、有機層24と、陰極25とを備える。陽極23は、有機層24に正孔を供給する。陰極25は、有機層24に電子を供給する。かかる発光素子20では、陽極23から供給される正孔と、陰極25から供給される電子とが有機層24で再結合し、有機層24が白色光を発生させる。なお、陰極25には、給電線16が電気的に接続される。給電線16には、図示しない電源回路から低位側の電源電位Vctが供給される。
画素回路30は、スイッチング用トランジスター31と、駆動用トランジスター32と、保持容量33とを有する。スイッチング用トランジスター31のゲートは、走査線13に電気的に接続される。また、スイッチング用トランジスター31のソースまたはドレインの一方が、データ線14に電気的に接続され、他方が、駆動用トランジスター32のゲートに電気的に接続される。また、駆動用トランジスター32のソースまたはドレインの一方が、給電線15に電気的に接続され、他方が、陽極23に電気的に接続されている。なお、給電線15には、図示しない電源回路から高位側の電源電位Velが供給される。また、保持容量33の一方の電極は、駆動用トランジスター32のゲートに接続され、他方の電極は、給電線15に接続される。
かかる電気的な構成の表示パネル10において、走査線駆動回路361が走査信号をアクティブにすることで走査線13が選択されると、選択される画素P0に設けられるスイッチング用トランジスター31がオンする。すると、データ線14からデータ信号が、選択される走査線13に対応する駆動用トランジスター32に供給される。駆動用トランジスター32は、供給されるデータ信号の電位、すなわちゲートおよびソース間の電位差に応じた電流を発光素子20に対して供給する。そして、発光素子20は、駆動用トランジスター32から供給される電流の大きさに応じた輝度で発光する。
走査線駆動回路361が走査線13の選択を解除してスイッチング用トランジスター31がオフした場合、駆動用トランジスター32のゲートの電位は、保持容量33により保持される。そのため、発光素子20は、スイッチング用トランジスター31がオフした後も発光が可能である。
以上が表示パネル10の電気的な構成である。なお、前述の画素回路30の構成は、図示の構成に限定されない。例えば、陽極23と駆動用トランジスター32との間の導通を制御するトランジスターをさらに備えてもよい。
1−1C.表示パネルの構成
次に、表示パネル10の構成を簡単に説明する。図4は、第1実施形態における表示パネルのサブ画素における部分断面を模式的に示す図である。ここで、以下の説明において、光透過性とは、可視光に対する透過性を意味し、好ましくは可視光の透過率が50%以上であることをいう。また、光反射性とは、可視光に対する反射性を意味し、好ましくは可視光の反射率が50%以上であることをいう。
図4に示す表示パネル10は、基板11と、有機層24を有する発光部2と、保護膜51と、誘電体多層膜4と、カラーフィルター61と、カバー63とを有する。発光部2、保護膜51、誘電体多層膜4、およびカラーフィルター61は、基板11からカバー63に向かって+z方向にこの順で積層される。表示パネル10はトップエミッション型であって、有機層24で発生する光はカバー63を透過して出射される。また、本実施形態では、表示パネル10は、単色の光を出射させる。表示パネル10は、有機層24で発生する白色光のうち所定の波長域の光を発光部2および誘電体多層膜4のそれぞれによって増強させる。以下、表示パネル10の各層を順次説明する。
〈基板〉
基板11は、例えばシリコンで構成される基板本体と、複数の電子部品および配線等を含む配線層と、例えばシリコン窒化膜またはシリコン酸化膜で構成され、配線層を覆う複数の層間絶縁膜とを含む。なお、基板本体の構成材料は、シリコンに限定されず、例えば、ガラス、樹脂およびセラミック等であってもよい。また、表示パネル10はトップエミッション型であるため、基板11は光透過性を有していてもいなくてもよい。また、配線層は、前述の走査線13およびデータ線14を含む。
〈発光部〉
基板11の+z側の表面には、所定の波長域の光を共振させる発光部2が基板11の上に配置される。発光部2は、反射層21と、共振調整層22と、発光素子20とを有する。発光素子20は、前述のように、陽極23と、有機層24と、陰極25とを有する。
反射層21は、基板11の上に配置される。反射層21は、基板11の複数の層間絶縁膜や配線層に接して設けられてもよい。反射層21は、光反射性を有する「第1反射層」である。反射層21は、有機層24から発生する光を有機層24側に反射させる。反射層21は、例えば、チタン(Ti)を含む層とAl−Cu系合金を含む層とがこの順で基板11上に積層された積層体である。なお、反射層21は、光反射性を有すれば当該構成に限定されない。
反射層21の+z側の表面には、共振調整層22が配置される。共振調整層22は、反射層21と陰極25との間の光学的な距離である光学距離L0を調整する層である。共振調整層22の膜厚は、画素P0に共通に設定される。また、共振調整層22は、例えば、二酸化ケイ素または窒化ケイ素を含んで構成される。
共振調整層22の+z側の表面には、陽極23が配置される。陽極23の膜厚は、光学距離L0を調整するよう設定される。陽極23および前述の共振調整層22の各膜厚を調整することにより、所定の共振波長域の光が取り出される。なお、陽極23および共振調整層22のいずれか一方のみで光学距離L0を調整してもよい。また、陽極23の構成材料は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)およびIZO(Indium Xinc Oxide)等の透明な導電材料である。なお、詳細な図示はしないが、陽極23は、画素Pごとに設けられており、陽極23同士は相互に離間して形成される。
陽極23の+z側の表面には、有機層24が配置される。有機層24は、少なくとも、電流の供給により発光する発光材料を含む発光層240を有する。本実施形態では、発光層240は、青色発光材料を含む層と、緑色発光材料を含む層と、赤色発光材料を含む層とを含む。青色発光材料を含む層からは青色の光が発生し、緑色発光材料を含む層からは緑色の光が発生し、赤色発光材料を含む層からは赤色の光が発生する。したがって、発光層240からは白色光が発生すると言ってもよい。また、本実施形態では、発光層240以外に、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、電子注入層(EIL)および電子輸送層と(ETL)を有する。有機層24では、正孔注入層から注入される正孔と電子輸送層から輸送される電子とが発光層240で再結合する。また、有機層24が有する各層は、例えば気相プロセスにより成膜される。なお、有機層24の構成は任意であり、有機層24は前述のいずれかの層を省略してもよいし、さらに任意の層を追加してもよい。
有機層24の+z側の表面には、陰極25が配置される。陰極25は、光透過性と光反射性とを有する「第2反射層」である。陰極25は、複数の画素Pに亘って連続して形成される共通電極である。陰極25は、例えば、マグネシウムおよび銀、またはこれらの材料を主成分とする合金等で構成される。
かかる発光部2では、有機層24で発生する光のうち所定の波長域の光を反射層21と陰極25との間で共振させる。なお、発光部2における共振については、後で詳述する。
〈保護膜〉
陰極25と誘電体多層膜4との間には、発光層240を保護する保護膜51が陰極25と誘電体多層膜4とに接して配置される。本実施形態では、保護膜51は、陰極25上に配置され、発光部2を封止する。保護膜51を備えることで発光層240を大気中の水分や酸素等から保護できる。そのため、保護膜51を備えていない場合に比べ、表示パネル10の品質を高めることができる。
保護膜51は、例えば、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素を含む無機材料を含んで構成される。そのため、有機材料で構成される場合に比べ、保護膜51の封止性能を高めることができる。また、保護膜51が有機材料であると、保護膜51の成分が有機層24に侵入するおそれがあるが、保護膜51を無機材料で形成した構成によれば、そのようなおそれを防止できる。また、無機材料を含む保護膜51は、気相成膜法を用いて形成できる。特に、プラズマCVD(化学気相堆積)法またはイオンプレーティング法を用いて形成されることが好ましい。かかる方法を用いることで、緻密性の高い保護膜51を形成できる。よって、ガスバリア性の高い保護膜51を実現できる。
なお、保護膜51は、窒化ケイ素および酸窒化ケイ素の一方または両方のみで構成されていることが好ましいが、保護膜51の封止性能を低下させない程度に他の材料を含んでもよい。
保護膜51の厚さは、100nm以上1500nm以下であることが好ましく、200nm以上1200nm以下であることがより好ましく、400nm以上1000nm以下であることがさらに好ましい。かかる範囲内であると、有機層24を大気中の水分や酸素等から十分に保護できるとともに、表示パネル10の厚さが過度に厚くなることを防ぐことができる。
〈誘電体多層膜〉
保護膜51上には、誘電体多層膜4が配置される。誘電体多層膜4は、屈折率n1である複数の低屈折率膜41と、屈折率n1よりも高い屈折率n2である複数の高屈折率膜42とを有する。低屈折率膜41と高屈折率膜42とは、交互に繰り返し積層される。保護膜51上には低屈折率膜41が配置されている。つまり、誘電体多層膜4のうちの最下層は、低屈折率膜41であるが、高屈折率膜42であってもよい。誘電体多層膜4のうちの最上層は、高屈折率膜42であるが、低屈折率膜41であってもよい。
低屈折率膜41は二酸化ケイ素等の酸化ケイ素で構成され、かつ、高屈折率膜42は酸化アルミニウムで構成される。なお、低屈折率膜41および高屈折率膜42は、それぞれ「誘電体膜」である。低屈折率膜41および高屈折率膜42が前述の材料を含んで構成されることで、誘電体多層膜4の膜厚の調整を高精度に行うことができる。
また、低屈折率膜41および高屈折率膜42は、ALD(原子層堆積)法で形成することが好ましい。かかる方法を用いることで、目的とする膜厚の層を高精度にかつ容易に成膜することができる。よって、他の方法を用いる場合に比べ、共振性能の高い誘電体多層膜4を得ることができる。
かかる誘電体多層膜4では、発光部2から出射される光のうち所定の波長域の光を共振させる。なお、誘電体多層膜4における共振については、後で詳述する。
〈カラーフィルター〉
誘電体多層膜4上には、カラーフィルター61が配置される。カラーフィルター61は、所定の波長域の光に対応しており、所定の波長域の光を選択的に透過させる。
〈カバー〉
カラーフィルター61上には、接着層62を介してカバー63が配置される。カバー63は、光透過性を有しており、例えばガラス基板または石英基板で構成される。接着層62は、カラーフィルター61にカバー63を接着でき、かつ光透過性を有していれば如何なる材料で構成されてもよく、例えばエポキシ樹脂およびアクリル樹脂等の透明な樹脂材料で構成される。
以上の構成の表示パネル10は、発光部2および誘電体多層膜4を組み合わせることによって、所定の波長域の光の取り出し効率を高めることができる。以下、発光部2および誘電体多層膜4の各共振構造について説明する。
前述のように、有機EL装置1は、発光部2と、誘電体多層膜4とを備える。発光部2は、発光材料を含む発光層240と、発光層240発生する光を反射する反射層21と、発光層240からみて反射層21とは反対側に配置され陰極25とを有する。発光部2では、発光層240で発生する光のうち所定の波長域の光を反射層21と陰極25との間で共振させる。発光部2では、発光層240で発生する光を反射層21と陰極25との間で多重反射させ、所定の波長域の光を選択的に強める。陰極25は光反射性および光透過性を有しており、反射層21と陰極25との間で共振する光の一部は陰極25を透過して+z側に出射される。誘電体多層膜4は陰極25からみて発光層240とは反対側に配置されおり、陰極25から出射された光は誘電体多層膜4に入射する。誘電体多層膜4では、発光部2から出射される光のうち所定の波長域の光を共振させる。すなわち、誘電体多層膜4では、発光部2から出射される光のうち所定の波長域の光を選択的に強める。また、本実施形態では、反射層21と陰極25との間の共振波長域と、誘電体多層膜4による共振波長域とは重なる。
発光部2に加えて、誘電体多層膜4を備えることで、誘電体多層膜4を備えていない場合よりも、表示パネル10は、より狭幅でより高強度なスペクトルの光を出射することができる。そのため、表示パネル10の光取り出し効率を高めることができ、よって、表示の輝度を高めるとともに、光のスペクトルを狭幅化することができる。
発光部2では、有機層24で発生する光の少なくとも一部は、反射層21と陰極25との間で共振して光学距離L0に対応する共振波長域の光が増強される。反射層21と陰極25との間で共振した光は、陰極25を透過して+z方向に出射される。反射層21と陰極25との間で共振させることで、高強度で、かつ半値幅が狭いスペクトルを有する光を陰極25から取り出すことができる。
発光部2における共振波長域は、光学距離L0を変えることによって調整が可能である。すなわち、光学距離L0は、取り出したい波長域の光に対応して設定される。発光層240で発生する光のうち取り出したい所定の波長域の光のスペクトルのピーク波長をλ0とすると、次のような関係式[1]が成り立つ。Φ(ラジアン)は、発光部2内で透過・反射する際に生じる位相シフトの総和を表す。
{(2L0)/λ0+Φ}/(2π)=m0(m0は整数)・・・・・[1]
共振波長域のピーク波長が所定の波長λ0となるように、共振調整層22および陽極23の各膜厚を適宜設定することにより、光学距離L0を設計上の目標値となるように調整する。かかる調整により、取り出したい所定の波長域の光の高強度化およびその光のスペクトルの狭幅化を図ることができる。
誘電体多層膜4では、発光部2から出射される光の少なくとも一部は、誘電体多層膜4内で共振して光学距離Lnに対応する共振波長域の光が増強される。本実施形態では、陰極25上に保護膜51を有するため、光学距離Lnは、陰極25と保護膜51との界面と、誘電体多層膜4の各界面との間の光学的な距離である。誘電体多層膜4では、低屈折率膜41と高屈折率膜42との屈折率の違いから、各界面で反射が生じる。誘電体多層膜4では、所定の波長域の光以外の光を反射させて互いに弱め合うように干渉させることで当該光を減衰させるとともに、各界面を透過する所定の波長域の光を強め合うように干渉させることで共振させる。誘電体多層膜4で共振した光は、最上層から+z方向に出射される。誘電体多層膜4で共振させることで、高強度で、かつ半値幅が狭いスペクトルを有する光を陰極25から取り出すことができる。
誘電体多層膜4による共振波長域は、光学距離Lnを変えることによって調整が可能である。すなわち、光学距離Lnは、取り出したい波長の光に対応して設定される。光学距離Lnの「n」は、1以上の整数である。例えば、光学距離L1は、陰極25と保護膜51との界面と、最下層の低屈折率膜41と最下層から数えて2層目である高屈折率膜42との界面との間の距離である。例えば、光学距離L2は、陰極25と保護膜51との界面と、最下層から数えて2層目である高屈折率膜42と最下層から数えて3層目である高屈折率膜42との界面との間の距離である。
誘電体多層膜4に入射する光のうち取り出したい所定の波長の光のスペクトルのピーク波長をλnとすると、次のような関係式[2]が成り立つ。Φ(ラジアン)は、誘電体多層膜4に入射する光が、誘電体多層膜4の各界面で反射する際に生じる位相シフトを表す。
{(2Ln)/λn+Φ}/(2π)=m(mは整数)・・・・・[2]
共振波長域のピーク波長が波長λnとなるように、各層の厚さを設定することにより光学距離Lnを設計上の目標値となるように調整する。かかる調整により、取り出したい所定の波長域の光の高強度化およびその光のスペクトルの狭幅化を図ることができる。
また、本実施形態では、前述のように、反射層21と陰極25との間の共振波長域と、誘電体多層膜4による共振波長域とは重なる。これらは共振波長域が重なるとは、これらのピーク波長の差が4nm範囲内で重なることをいう。これらの共振波長域が重なることで、発光部2と誘電体多層膜4とで同一の波長域の光を共振させることができる。そのため、発光部2において増強された所定の波長域の光を誘電体多層膜4においてさらに増強させることができる。その結果、所定の波長域の光の高強度化およびその光のスペクトルの狭幅化を特に効果的に図ることができる。
図5は、緑色の波長域の光のスペクトルを示すグラフである。図5中の実線は、本実施形態の発光部2および誘電体多層膜4を有する表示パネル10を透過した光のスペクトルであり、図5中の破線は、誘電体多層膜4を備えていない表示パネル10を透過した光のスペクトルである。グラフの横軸は波長λ[nm]であり、縦軸は相対強度RS[a.u.]である。
図5に示すように、発光部2および誘電体多層膜4を有する表示パネル10から出射される光の半値幅は、誘電体多層膜4を備えていない表示パネル10から出射される光の半値幅よりも狭い。また、発光部2および誘電体多層膜4を有する表示パネル10から出射される光の強度は、誘電体多層膜4を備えていない表示パネル10から出射される光の強度よりも高い。図5から分かるように、誘電体多層膜4を備えることで、所定の波長域の光の高強度化および狭幅化を図ることができる。
なお、前述の説明では、誘電体多層膜4を構成する各層の膜厚を調整することにより、共振波長域を調整したが、例えば、誘電体多層膜4を構成する材料等を変更して各誘電体膜の屈折率等を調整することにより共振波長域を調整してもよい。
また、誘電体多層膜4は、所定の波長域の光を共振させる機能に加えて、保護膜51とともに発光層240を大気中の水分等から保護する機能を有する。そのため、誘電体多層膜4を備えていない場合に比べ、発光層240の保護性能を高めることができる。また、誘電体多層膜4を備えることで、これを備えていない場合に比べて、微小な段差があったとしてもクラック等が発生することを低減できる。したがって、表示パネル10は誘電体多層膜4を備えることで、光の高強度化および狭幅化を図ることができるとともに、発光層240の保護を強化できる。
また、前述のように、表示パネル10は、所定の波長域の光を選択的に透過させるカラーフィルター61を有する。本実施形態では、カラーフィルター61は、発光部2および誘電体多層膜4での共振波長域と同波長域の光を選択的に透過させる。そのため、カラーフィルター61を備えていない場合に比べ、表示パネル10から出射される光の色純度を高めることができる。
なお、図示では、表示パネル10はカラーフィルター61を備えるが、表示パネル10はカラーフィルター61を備えていなくてもよい。また、図示では、表示パネル10は保護膜51を備えているが、保護膜51を備えていなくてもよい。また、図示では、誘電体多層膜4は低屈折率膜41および高屈折率膜42をそれぞれ2層有するが、低屈折率膜41および高屈折率膜42をそれぞれ少なくとも1層有すればよく、各層数は図示の例に限定されない。
また、前述の説明では、発光層240は白色光を発生させるが、発光層240は所定の波長域の光のみを発光させてもよい。その場合、発光層240は、例えば青色発光材料、緑色発光材料または赤色発光材料のいずれかのみを含んで構成されてもよい。また、その場合、発光層240は、発光部2および誘電体多層膜4での共振波長域と同波長域の成分を含む光を出射する発光材料を含む構成とする。この構成により、発光層240で発生する所定の波長域の光の高強度化および狭幅化を図ることができる。
また、前述の説明では、反射層21と陰極25との間の共振波長域と誘電体多層膜4による共振波長域とは、これらのピーク波長の差が4nm範囲内で重なるが、これらのピーク波長の差は当該範囲外であってもよい。つまり、反射層21と陰極25との間の共振波長域と誘電体多層膜4による共振波長域とは重なっていなくてもよい。
1−1D.有機EL装置1の製造方法
次に、有機EL装置1が有する表示パネル10の製造方法について説明する。図6は、第1実施形態における表示パネル10の製造方法を示すフローチャートである。図6に示すように、表示パネル10の製造方法は、基板形成工程S11、発光部形成工程S12、保護膜形成工程S13、誘電体多層膜形成工程S14、カラーフィルター形成工程S15、およびカバー接着工程S16を有する。これら各工程を順に行うことにより表示パネル10が製造される。表示パネル10は、図4に示す有機EL装置1を基板11からカバー63に向かって順に積層することにより形成される。
〈基板形成工程S11〉
基板形成工程S11では、シリコン板等で構成される基板本体を用意し、基板本体上に配線層および層間絶縁膜を形成する。配線層は、例えば、スパッタリング法または蒸着法により金属膜を形成し、フォトリソグラフィー法により当該金属膜をパターニングすることにより形成される。また、層間絶縁膜は、蒸着法等により絶縁膜を形成し、当該絶縁膜に対してCMP(chemical mechanical polishing)法等の研磨法等による平坦化処理を施すことにより形成される。
〈発光部形成工程S12〉
図7は、第1実施形態における発光部形成工程S12を説明するための図である。発光部形成工程S12では、図7に示すように、基板11上に発光部2を形成する。
まず、基板11上に反射層21を形成する。反射層21は、例えば、スパッタリング法または蒸着法により金属膜を形成し、フォトリソグラフィー法により当該金属膜をパターニングすることにより形成される。次いで、反射層21上に、共振調整層22を形成する。共振調整層22は、例えば、酸化ケイ素等の無機材料を含む絶縁膜をCVD法等の気相プロセス等により形成し、その後、平坦化処理を施すことにより形成される。次いで、共振調整層22上に、複数の発光素子20を形成する。具体的にはまず、共振調整層22上に陽極23を形成する。陽極23の形成方法は、反射層21の形成方法と同様である。次いで、陽極23上に発光層240を含む有機層24を形成する。有機層24が有する各層は、例えば気相プロセスにより成膜される。次いで、有機層24上に陰極25を形成する。陰極25の形成方法は、反射層21の形成方法と同様である。
〈保護膜形成工程S13〉
保護膜形成工程S13では、詳細な図示はしないが、例えばプラズマを用いたCVD法により陰極25上にシリコン窒化膜を形成する。この処理により、保護膜51が形成される。また、CVD法を用いることで、ALD法を用いる場合に比べ、成膜速度を早くすることができるので、保護膜51の成膜時間を短くすることができる。また、CVD法においてプラズマを用いることで、用いない場合に比べ、より低温で低応力の保護膜51を形成できる。よって、保護膜51にクラック等が生じるおそれを低減できる。
〈誘電体多層膜形成工程S14〉
図8および図9は、第1実施形態における誘電体多層膜形成工程S14を説明するための図である。誘電体多層膜形成工程S14では、まず、図8に示すように、例えばプラズマを用いたALD法により保護膜51上に低屈折率膜41を形成する。低屈折率膜41が酸化ケイ素で構成されるである場合、低屈折率膜41を構成するための原料は、アミノシラン系材料であることが好ましい。具体的には、例えば、原料としては、トリスジメチルアミノシラン(SiH[N(CH)、およびSAM24:HSi[N(C等が挙げられる。なお、SAM24は、登録商標である。
次いで、図9に示すように、低屈折率膜41上に、例えばプラズマを用いたCVD法により高屈折率膜42を形成する。高屈折率膜42が酸化アルミニウムで構成されるである場合、高屈折率膜42を構成するための原料としては、例えば、トリメチルアルミニウム((CHAl)が挙げられる。また、ALD法では、プラズマを用いることが好ましく、特に、Oプラズマを用いることが好ましい。Oプラズマを用いることで、より低温で成膜できる。そのため、低屈折率膜41および高屈折率膜42の各応力を低減できる。
前述の方法と同様にして、高屈折率膜42上に低屈折率膜41および高屈折率膜42を積層する。ここれらを積層することで、誘電体多層膜4が形成される。
〈カラーフィルター形成工程S15〉
カラーフィルター形成工程S15では、詳細な図示はしないが、誘電体多層膜4上にカラーフィルター61を成膜する。具体的には、まず、例えば、誘電体多層膜4上に、所望の単色の色材を含む感光性樹脂をスピンコート法で塗布して乾燥させることにより、単色の樹脂層を形成する。その後、当該樹脂層のうちを露光して当該樹脂層に対してアルカリ現像液等を吐出することにより未露光の部分を除去する。その後、当該樹脂層を硬化させることにより、カラーフィルター61形成される。
〈カバー接着工程S16〉
カバー接着工程S16では、詳細な図示はしないが、カラーフィルター61上に透明な樹脂材料を塗布して、塗布された樹脂材料上にガラス基板等で構成されたカバー63を配置し、押圧する。この際、例えば、樹脂材料が感光性樹脂である場合、カバー63を介して光を照射して当該感光性樹脂を硬化させる。この硬化によって、樹脂材料の硬化物で構成される接着層62が得られる。また、接着層62によってカバー63がカラーフィルター61に接着される。
以上により、有機EL装置1の表示パネル10が製造される。なお、表示パネル10をケース90内に収容してFPC基板95と接続することで、有機EL装置1が得られる。
以上説明のように、表示パネル10の製造方法では、発光部形成工程S12と、誘電体多層膜形成工程S14とを含む。発光部形成工程S12では、発光材料を含む発光層240、「第1反射層」としての反射層21、および、「第2反射層」としての陰極25を形成する。また、誘電体多層膜形成工程S14では、陰極25からみて発光層240とは反対側に配置され、「第2反射層」としての陰極25から出射された光を共振させる誘電体多層膜4を形成する。
発光層240、反射層21および陰極25を有する発光部2に加えて、誘電体多層膜4を形成することで、誘電体多層膜4を形成しない場合よりも、より狭幅でより高強度なスペクトルの光を出射することができる表示パネル10を得ることができる。
また、前述のように、誘電体多層膜4を構成する複数の誘電体膜、すなわち低屈折率膜41および高屈折率膜42は、プラズマを用いたALD法により形成される。低屈折率膜41および高屈折率膜42をALD(原子層堆積)法で形成することで、目的とする膜厚の層を高精度にかつ容易に成膜することができる。
1−2.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図10は、第2実施形態における表示パネルの部分断面を模式的に示す図である。本実施形態は、第2保護膜52を備えることが第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態において第1実施形態と同様の事項については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
図10に示す表示パネル10aは、誘電体多層膜4上に積層された第2保護膜52を備える。言い換えると、表示パネル10aは、誘電体多層膜4からみて陰極25とは反対側に配置された第2保護膜52を備える。第2保護膜52は、誘電体多層膜4とカラーフィルター61との間にこれらに接して配置される。第2保護膜52は、発光部2および誘電体多層膜4を封止しており、保護膜51とともに発光層240を大気中の水分等から保護する。第2保護膜52を備えることで、表示パネル10aは、第1実施形態における高い光取り出し効率を維持しつつ、第1実施形態の表示パネル10よりも封止性能を向上させることができる。
第2保護膜52は、例えば、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素を含む無機材料で構成される。なお、第2保護膜52は、保護膜51と同一の材料で構成されてもよいし、異なる材料で構成されてもよい。また、第2保護膜52は、窒化ケイ素および酸窒化ケイ素の一方または両方のみで構成されていることが好ましいが、第2保護膜52の封止性能を低下させない程度に他の材料を含んでもよい。
第2保護膜52は、気相成膜法を用いて形成でき、中でもプラズマCVD法またはイオンプレーティング法を用いて形成することが好ましい。プラズマCVD法またはイオンプレーティング法を用いて形成することで、それ以外の方法を用いる場合に比べて、緻密性の高い第2保護膜52を容易に形成できる。
第2保護膜52の厚さは、特に限定されないが、誘電体多層膜4を構成する低屈折率膜41および高屈折率膜42の各厚さよりも厚く、かつ保護膜51の厚さよりも薄いことが好ましい。かかる厚さであることで、表示パネル10の厚さが過度に厚くなることを防ぎつつ、第2保護膜52の封止性能を十分に高くできる。第2保護膜52の厚さは、具体的には、100nm以上1500nm以下であることが好ましく、200nm以上1200nm以下であることがより好ましく、400nm以上1000nm以下であることがさらに好ましい。
また、本実施形態では、保護膜51、誘電体多層膜4および第2保護膜52が、全て無機材料で構成される。これらが全て無機材料で構成されていることで、これらのうちのいずれかが有機材料で構成されている場合に比べ、封止性能を向上させることができる。
1−3.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図11は、第3実施形態における表示パネルを示す概略平面図である。図12は、第3実施形態における表示パネルのサブ画素における部分断面を模式的に示す図である。本実施形態は、フルカラー表示が可能であることが第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態において第1実施形態と同様の事項については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
図11に示す表示パネル10bは、青色の波長域に対応する複数のサブ画素PBと、緑色の波長域に対応する複数のサブ画素PGと、赤色の波長域に対応する複数のサブ画素PRとを有する。サブ画素PB、サブ画素PGおよびサブ画素PRは、y方向に沿って同色が並び、かつx軸方向に沿って青色、緑色および赤色の順に繰り返して並ぶ。なお、サブ画素PB、サブ画素PGおよびサブ画素PRの配置は、これに限定されず任意である。また、青色、緑色および赤色の発光が得られるサブ画素PB、サブ画素PGおよびサブ画素PRにより、1つの画素Pが構成される。
図12に示すように、表示パネル10bは、各色の波長域の強度を向上させる発光部2bと、各色の波長域の強度を向上させる誘電体多層膜4bと、各色に対応するカラーフィルター61bとを有する。
発光部2bが有する共振調整層22bの光学距離L0は、サブ画素PB、PGおよびPRごとに異なる。サブ画素PBにおける光学距離L0は、青色の波長域の光に対応して設定される。サブ画素PGにおける光学距離L0は、緑色の波長域の光に対応して設定される。サブ画素PRにおける光学距離L0は、赤色の波長域の光に対応して設定される。サブ画素PBにおける共振調整層22bの厚さが最も薄く、サブ画素PRにおける共振調整層22bの厚さが最も厚い。
誘電体多層膜4bによる光学距離Lnは、サブ画素PB、PGおよびPRごとに異なる。サブ画素PBにおける光学距離Lnは、青色の波長域の光に対応して設定される。サブ画素PGにおける光学距離Lnは、緑色の波長域の光に対応して設定される。サブ画素PRにおける光学距離Lnは、赤色の波長域の光に対応して設定される。なお、図示ではサブ画素PBにおける誘電体多層膜4bの厚さが最も薄く、サブ画素PRにおける誘電体多層膜4bの厚さが最も厚いが、サブ画素PB,PGおよびPRのそれぞれにおける誘電体多層膜4bの厚さの関係はこれに限定されない。
具体的には例えば、低屈折率膜41と高屈折率膜42とは、サブ画素PBではそれぞれ1層設けられ、サブ画素PGではそれぞれ2層設けられ、サブ画素PRではそれぞれ3層設けられる。例えば、低屈折率膜41は二酸化ケイ素で構成され、低屈折率膜41は酸化アルミニウムで構成される。また、サブ画素PBでは、例えば、低屈折率膜41および高屈折率膜42の各厚さは40nmである。また、サブ画素PGでは、例えば、低屈折率膜41および高屈折率膜42の各厚さは60nmである。サブ画素PRでは、例えば、低屈折率膜41および高屈折率膜42の各厚さは70nmである。各層の厚さは、前述の関係式[2]を用いて求めることができる。
サブ画素PB、PGおよびPRごとに、共振調整層22bの光学距離L0と、光学距離Lnとを調整することで、各波長域の光の高強度化およびその光のスペクトルの狭幅化を図ることができる。
なお、図示では、誘電体多層膜4bのサブ画素PB、PGおよびPRごとに最上層の位置が異なるため、誘電体多層膜4bの+z側の面には段差が形成される。当該段差を埋めるために、誘電体多層膜4bの+z側の面には、光透過性を有する平滑化層53が配置される。平滑化層53が配置されることにより、カラーフィルター61bの表面が平坦性される。平滑化層53は、例えばアクリル樹脂など有機材料を含んで構成される。なお、当該平滑化層53は、省略してもよい。
また、光学距離Lnは、サブ画素PB、PGおよびPRの各共振波長域ごとに設定されることが好ましいが、これらのいずれか1つの共振波長域に合わせて設定してもよい。誘電体多層膜4bの構成は、サブ画素PB、PGおよびPRごと異なっていなくてもよく、同一の構成であってもよい。
2.ヘッドマウントディスプレイ
2−1.第4実施形態
図13は、第4実施形態における虚像表示装置の一部を模式的に示す平面図である。図13に示す虚像表示装置100は、観察者の頭部に装着されて画像の表示を行うヘッドマウントディスプレイ(HMD)である。虚像表示装置100は、前述した有機EL装置1と、コリメーター71と、導光体72と、第1反射型体積ホログラム73と、第2反射型体積ホログラム74とを備える。なお、有機EL装置1は、例えば、第1実施形態における表示パネル10を備える。なお、有機EL装置1から出射される光は、映像光LLとして出射される。
コリメーター71は、有機EL装置1と導光体72との間に配置される。コリメーター71は、有機EL装置1から出射された光を平行光にする。コリメーター71は、コリメーターレンズ等で構成される。コリメーター71で平行光に変換された光は、導光体72に入射する。
導光体72は、平板状をなし、コリメーター71を介して入射する光の方向と交差する方向に延在して配置される。導光体72は、その内部で光を反射して導光する。導光体72のコリメーター71と対向する面721には、光が入射する光入射口と、光を出射する光出射口が設けられる。導光体72の面721とは反対側の面722には、「回折光学素子」としての第1反射型体積ホログラム73および「回折光学素子」としての第2反射型体積ホログラム74が配置される。第1反射型体積ホログラム73は、第2反射型体積ホログラム74よりも光出射口側に設けられる。第1反射型体積ホログラム73および第2反射型体積ホログラム74は、所定の波長域に対応する干渉縞を有し、所定の波長域の光を回折反射させる。
かかる構成の虚像表示装置100では、光入射口から導光体72内に入射した映像光LLが、反射を繰り返して進み光出射口から観察者の瞳EYに導かれることで、映像光LLにより形成された虚像で構成される画像を観察者が観察することができる。
また、虚像表示装置100は、前述の有機EL装置1を備えるHMDである。前述の有機EL装置1によれば光の高強度化および狭幅化を図ることができるため、観察者に対して光の輝度が高い画像を提供できる。
また、前述のように、虚像表示装置100は、有機EL装置1から出射される光を回折させる第1反射型体積ホログラム73および第2反射型体積ホログラム74を備える。そして、本実施形態では、有機EL装置1が有する誘電体多層膜4による共振波長域と、第1反射型体積ホログラム73および第2反射型体積ホログラム74がそれぞれ回折させる光の波長とは重なる。そのため、第1反射型体積ホログラム73および第2反射型体積ホログラム74を透過し利用されない光を低減できる。特に、前述の有機EL装置1によれば光の高強度化および狭幅化を図ることができるため、第1反射型体積ホログラム73および第2反射型体積ホログラム74で透過し利用されない光を低減する効果を高めることができる。それゆえ、虚像表示装置100における光の利用効率の向上を図ることができ、よって、画像の光の輝度の向上を図ることができる。
図14は、ホログラムで回折反射された光のスペクトルを示すグラフである。この図の例では、緑色の波長域の光を、緑色の波長域に対応する分光透過率を有するホログラムで回折反射された場合のスペクトルを示している。また、図14中の実線は、発光部2および誘電体多層膜4を有する場合のスペクトルであり、図14中の破線は、誘電体多層膜4を備えていない場合のスペクトルである。グラフの横軸は波長λ[nm]であり、縦軸は相対強度RS[a.u.]である。図10から分かるように、誘電体多層膜4を備えることで、所定の波長域の光の強度を高めることができる。よって、誘電体多層膜4を備えていない場合に比べ、観察者に対してより明るい画像を提供できる。
なお、虚像表示装置100が有する有機EL装置1は、第2実施形態における表示パネル10aまたは第3実施形態における表示パネル10bを備えてもよい。有機EL装置1が第3実施形態における表示パネル10bを備える場合、誘電体多層膜4bによる共振波長域と第1反射型体積ホログラム73および第2反射型体積ホログラム74がそれぞれ回折させる光の波長域とは、各色ごとに、重なることが好ましい。これらが重なることで、重ならない場合に比べて第1反射型体積ホログラム73および第2反射型体積ホログラム74を透過し利用されない光を低減できる。
2−2.第5実施形態
図15は、第5実施形態における虚像表示装置の一部を模式的に示す平面図である。本実施形態は、光合成素子75を備えることが第4実施形態と異なる。なお、第5実施形態において第4実施形態と同様の事項については、第4実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
図15に示す虚像表示装置100aは、複数の有機EL装置1B、1Gおよび1Rと、光合成素子75と、を備える。有機EL装置1Bは青色の波長域の光LBを出射し、有機EL装置1Gは緑色の波長域の光LGを出射し、有機EL装置1Rは赤色の波長域の光LRを出射する。有機EL装置1B、1Gおよび1Rは、それぞれ第1実施形態における表示パネル10aを有する。また、有機EL装置1B、1Gおよび1Rのそれぞれにおいて、反射層21と陰極25との間の共振波長域と誘電体多層膜4による共振波長域とが重なる。また、反射層21と陰極25との間の共振波長域、または誘電体多層膜4による共振波長域は、有機EL装置1B、1Gおよび1Rで互いに異なる。また、有機EL装置1B、1Gおよび1Rのうちのいずれか1つが「第1有機エレクトロルミネッセンス装置」に相当し、その1つから発せられる光が「第1光」に相当する。また、有機EL装置1B、1Gおよび1Rのうちのいずれか他の1つが「第2有機エレクトロルミネッセンス装置」に相当し、その他の1つから発せられる光が「第2光」に相当する。
光合成素子75は、有機EL装置1Bから出射された光LBと有機EL装置1Gから出射された光LGと有機EL装置1Rから出射された光LRとを合成し、合成光を映像光LLとして出射する。光合成素子75は、例えばダイクロイックプリズム等で構成される。ダイクロイックプリズムには分光特性があるため、第1反射型体積ホログラム73および第2反射型体積ホログラム74と合わせて画像を表示させるには、第4実施形態よりもさらに光の取り出し効率を向上させる必要がある。本実施形態では、有機EL装置1B、1Gおよび1Rにおいて、反射層21と陰極25との間の共振波長域を各色に対応して最適化している。また、有機EL装置1B、1Gおよび1Rにおいて、誘電体多層膜4による共振波長域を各色に対応して最適化している。これらの共振波長域を最適化することで、各色の取り出し効率を高めることができるので、虚像表示装置100aの輝度を高めるとともに色域を拡大することができる。
例えば、各色で誘電体多層膜4の構成を最適化することで、誘電体多層膜4を備えていない場合に比べ、画像の輝度および色域をそれぞれ0.1%以上10%以下の範囲で向上させることができる。例えば、有機EL装置1B、1Gおよび1Rが有する各誘電体多層膜4を以下のように設定することができる。具体的には、有機EL装置1Bが有する誘電体多層膜4は、二酸化ケイ素で構成された厚さ40nmの低屈折率膜41と、酸化アルミニウムで構成された厚さ40nmの高屈折率膜42とをそれぞれ1層有する。有機EL装置1Gが有する誘電体多層膜4は、二酸化ケイ素で構成された厚さ60nmの低屈折率膜41と、酸化アルミニウムで構成された厚さ60nmの高屈折率膜42とをそれぞれ2層有する。有機EL装置1Rが有する誘電体多層膜4は、二酸化ケイ素で構成された厚さ70nmの低屈折率膜41と、酸化アルミニウムで構成された厚さ70nmの高屈折率膜42とをそれぞれ1層有する。このように各色で誘電体多層膜4の構成を最適化することで、各色の取り出し効率を最適化でき、画像の輝度および色域を向上させることができる。
3.電子機器
前述の実施形態の有機EL装置1は、各種の電子機器に適用することができる。
図16は、本発明の電子機器の一例であるパーソナルコンピューターを示す斜視図である。パーソナルコンピューター400は、有機EL装置1と、電源スイッチ401およびキーボード402が設けられた本体部403と、を備える。
パーソナルコンピューター400は、前述の有機EL装置1を備えるため、画像の輝度および色域に優れる。そのため、有機EL装置1を備えることで、表示品質の高いパーソナルコンピューター400を提供できる。
なお、有機EL装置1を備える「電子機器」としては、図16に例示したパーソナルコンピューター400のほか、デジタルスコープ、デジタル双眼鏡、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラなど眼に近接して配置する機器が挙げられる。また、有機EL装置1を備える「電子機器」は、携帯電話機、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)、カーナビゲーション装置、および車載用の表示部として適用される。さらに、有機EL装置1を備える「電子機器」は、光を照らす照明として適用だれる。
以上、本発明について図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。また、本発明の各部の構成は、前述した実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。また、本発明は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
1…有機EL装置、2…構造体、4…誘電体多層膜、10…表示パネル、11…基板、13…走査線、14…データ線、15…給電線、16…給電線、20…発光素子、21…反射層、22…共振調整層、23…陽極、24…有機層、25…陰極、30…画素回路、31…スイッチング用トランジスター、32…駆動用トランジスター、33…保持容量、35…制御回路、41…低屈折率膜、42…高屈折率膜、51…保護膜、52…第2保護膜、53…平滑化層、61…カラーフィルター、62…接着層、63…カバー、71…コリメーター、72…導光体、73…第1反射型体積ホログラム、74…第2反射型体積ホログラム、75…光合成素子、90…ケース、91…開口、95…FPC基板、100…虚像表示装置、240…発光層、361…走査線駆動回路、362…データ線駆動回路、400…パーソナルコンピューター、401…電源スイッチ、402…キーボード、403…本体部、A10…発光領域、A20…非発光領域、L0…光学距離、Ln…光学距離。

Claims (9)

  1. 発光材料を含む発光層と、
    前記発光層で発生する光を反射する第1反射層と、
    前記発光層からみて前記第1反射層とは反対側に配置され、前記第1反射層との間で、前記発光層で発生する光のうち第1波長域の光を共振させる光反射性および光透過性を有する第2反射層と、
    前記第2反射層からみて前記発光層とは反対側に配置され、酸化ケイ素を含む低屈折率膜と酸化アルミニウムを含む高屈折率膜とを含む誘電体多層膜と、
    前記第2反射層と前記誘電体多層膜との間、かつ、前記第2反射層と接するように配置され、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素を含む第1保護膜と、
    を備え、
    前記第1保護膜の厚さは、100nm以上1500nm以下であり、
    前記第2反射層と前記低屈折率膜との間および前記第2反射層と前記高屈折率膜との間で、それぞれ前記第1波長域の光を共振させる、
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 前記誘電体多層膜からみて前記第2反射層とは反対側に配置され、前記発光層を保護する第2保護膜をさらに備える請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 発光材料を含む発光層、前記発光層で発生する光を反射する第1反射層、および、前記発光層からみて前記第1反射層とは反対側に配置され、前記第1反射層との間で、前記発光層で発生する光のうち第1波長域の光を共振させる光反射性および光透過性を有する第2反射層を形成する工程と、
    前記第2反射層と接するように配置され、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素を含む第1保護膜を形成する工程と、
    前記第1保護膜からみて前記第2反射層とは反対側にされ、酸化ケイ素を含む低屈折率膜と酸化アルミニウムを含む高屈折率膜とを含む誘電体多層膜を形成するする工程と、
    を有し、
    前記第1保護膜の厚さは、100nm以上1500nm以下であり、
    前記第2反射層と前記低屈折率膜との間および前記第2反射層と前記高屈折率膜との間で、それぞれ前記第1波長域の光を共振させる、
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  4. 前記誘電体多層膜を形成する工程では、プラズマを用いた原子層堆積法により前記誘電体多層膜を構成する複数の誘電体膜を形成する請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えるヘッドマウントディスプレイ。
  6. 前記有機エレクトロルミネッセンス装置から出射される光を回折させる回折光学素子をさらに備え、
    前記誘電体多層膜による共振波長域と前記回折光学素子が回折させる光の波長域とは、重なる請求項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  7. 光を合成し、合成光を出射する光合成素子をさらに備え、
    前記有機エレクトロルミネッセンス装置は、複数であり、
    前記複数の有機エレクトロルミネッセンス装置は、それぞれ、前記発光層、前記第1反射層、前記第2反射層および前記誘電体多層膜を有し、
    記第1反射層と前記第2反射層との間の共振波長域、または前記誘電体多層膜による共振波長域は、前記複数の有機エレクトロルミネッセンス装置で互いに異なり、
    前記光合成素子は、前記複数の有機エレクトロルミネッセンス装置のそれぞれから出射される光を合成する請求項またはに記載のヘッドマウントディスプレイ。
  8. 第1有機エレクトロルミネッセンス装置と、
    第2有機エレクトロルミネッセンス装置と、
    前記第1有機エレクトロルミネッセンス装置から出射される第1波長域の光および前記第2有機エレクトロルミネッセンス装置から出射される第2波長域の光を合成する光合成素子と、
    を備え、
    前記第1有機エレクトロルミネッセンス装置および前記第2有機エレクトロルミネッセンス装置は、それぞれ、
    発光材料を含む発光層と、
    前記発光層で発生する光を反射する第1反射層と、
    前記発光層からみて前記第1反射層とは反対側に配置される光反射性および光透過性を有する第2反射層と、
    前記第2反射層からみて前記発光層とは反対側に配置され、酸化ケイ素を含む低屈折率膜と酸化アルミニウムを含む高屈折率膜とが交互に繰り返し積層される誘電体多層膜と、
    前記第2反射層と前記誘電体多層膜との間、かつ、前記第2反射層と接するように配置され、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素を含み、厚さが100nm以上1500nm以下である第1保護膜と、
    を有し、
    前記第1有機エレクトロルミネッセンス装置において、前記第1反射層と前記第2反射層との間で、前記第1波長域の光を共振させるとともに、前記第2反射層と前記低屈折率膜との間および前記第2反射層と前記高屈折率膜との間で、それぞれ前記第1波長域の光を共振させ、
    前記第2有機エレクトロルミネッセンス装置において、前記第1反射層と前記第2反射層との間で、前記第2波長域の光を共振させるとともに、前記第2反射層と前記低屈折率膜との間および前記第2反射層と前記高屈折率膜との間で、それぞれ前記第2波長域の光を共振させ、
    前記第1波長域は、前記第2波長域とは異なる
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  9. 請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を備える電子機器。
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