JP6815914B2 - 金属積層構造体 - Google Patents

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Description

本開示は、金属積層構造体に関する。本開示は、特に、熱伝導性に優れ、かつ、その熱伝導性の経時劣化が小さい金属積層構造体に関する。
LED、太陽電池、風車発電用素子、半導体素子、並びに、自動車用電動機及び内燃機関の電子制御素子等、多くの電子・電気機器は、使用中に発熱する。この発熱を制御することは、製品の性能等に影響を及ぼすだけでなく、エネルギー節減及び地球環境の維持にも影響を与えつつある。電子・電気機器の動作速度が高くなっていることから、この傾向は一層強まっている。そのため、電子・電気機器から発生する熱を効率よく放出することが望まれている。
しかし、電子・電気機器から発生する熱を、電子・電気機器から放出するには、どのような因子が重要であるかは、必ずしも明確にされていない。そのため、高熱伝導材料の開発に注力する傾向にある。しかし、熱制御技術の向上は、これだけでは不充分である。
そこで、熱伝導材料の使われ方にも着目して、熱制御を行うことが検討されている。熱伝導材料は、一般的に、熱発生源と熱冷却源の間に挟持されて使用されている。熱発生源と熱伝導材料との間、及び、熱伝導材料と熱冷却源との間には、接触界面が存在する。そして、その接触界面では、接触熱抵抗が生じる。
熱伝導材料自身も熱抵抗を有する。接触熱抵抗が、熱伝導材料自身の熱抵抗よりも著しく小さい場合には、接触熱抵抗は実質的に問題とならない。しかし、熱伝導材料が薄い場合には、熱伝導材料による熱抵抗が小さくなるため、熱発生源−熱伝導材料−熱冷却源の系全体で、接触熱抵抗の影響が相対的に大きくなる。このようなことから、接触熱抵抗について検討することは重要であり、接触熱抵抗を低減する試みが行われている。
例えば、特許文献1には、柔軟性を有するマトリックス樹脂中に、熱伝導性フィラーを含有させた放熱体が開示されている。
特開平6−252572号公報
特許文献1に開示された放熱体のマトリックス樹脂は、粘度が充分に低くないため、金属接触界面への濡れ性が低く、接触熱抵抗が高い。水と界面活性剤を併用して、マトリックス樹脂の金属接触界面への濡れ性を向上させることも考えられるが、水の蒸発によって、接触熱抵抗が経時劣化してしまう、という課題を本発明者らは見出した。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、熱伝導性に優れ、かつ、その熱伝導性の経時劣化が小さい金属積層構造体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ね、本開示の金属積層構造体を完成させた。その要旨は、次のとおりである。
〈1〉複数の金属層と、
前記金属層の間に挟まれている熱伝導層と、
を備え、
前記熱伝導層が、水、界面活性剤、及びナトリウム塩を含有する、
金属積層構造体。
本開示によれば、金属層の間に挟まれている熱伝導層が、水、界面活性剤、及びナトリウム塩を含有することによって、接触熱抵抗を低減し、かつ、その接触熱抵抗の経時劣化の小さい金属積層構造体を提供することができる。
図1は、アルミニウム板の積層体に関し、アルミニウム板の間の物質の種類が、接触熱抵抗に及ぼす影響を示すグラフである。 図2は、アルミニウム板の積層体に関し、接触熱抵抗の経時変化を示すグラフである。 図3は、2枚のアルミニウム板に挟まれた架橋シリコーンゴムを備える金属積層構造体の接触界面の形態を説明する断面図である。 図4は、参考例4〜6について、接触圧力と熱抵抗の関係を示すグラフである。
以下、本開示に係る金属積層構造体の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本開示に係る金属積層構造体を限定するものではない。
例えば、熱伝導率が高いアルミニウム板(熱伝導率:240Wm−1−1)を積層したとき、アルミニウム板間の熱伝達率は著しく低い。例えば、アルミニウム板間に0.01〜1MPaの圧力を加えた場合でも、アルミニウム板間の熱伝達率は0.54〜0.84Wm−1−1である。銅版でも同様である。例えば、銅板(熱伝導率:403Wm−1−1)に0.01〜1MPaの圧力を加えた場合でも、銅版間の熱伝達率は0.38〜0.80Wm−1−1である。このように、金属板間に充分な圧力(0.3MPa)を加えても、良好な熱伝達率を得ることは容易ではない。また、金属板間に、0.3MPa以上の圧力を常時加えることは容易ではない。
このように、金属板単独の熱伝導率は高いが、複数の金属板を積層したとき、金属板間の熱伝達率は著しく低い。これは、複数の金属板を積層したときは、それらの間の接触面積が小さいことに起因する。
電子・電気機器に放熱部品が取り付けられているとき、熱発生源側金属−熱伝導層−冷却源側金属の積層構造体となる。そのため、熱発生源側金属及び冷却源側金属の熱伝導率の改善だけでなく、熱発生源側金属と熱伝導層との間、及び、熱伝導層と冷却源側金属との間の接触面積が反映される接触熱抵抗の改善が必須となる。
本開示の金属積層構造体の接触熱抵抗は、実質的にゼロである。このような接触熱抵抗を得るための知見を、以下に説明する。
熱発生源側金属及び/又は冷却源側金属に熱伝導層を物理的に接触させる場合、それぞれの接触面を平坦化及び平滑化して、接触面積を向上させ、接触熱抵抗を低減することが重要である。しかし、表面粗さを、Raで0.5μm以下にしても、接触界面で隙間が発生することは避けられない。
また、接触面の平坦化及び平滑化を行っても、接触の方法及び回数等により、熱発生源側金属、冷却源側金属、及び熱伝導層の表面には、必ず、損傷又は凹凸が残留する。その結果、熱発生源側金属と熱伝導層との間、及び、冷却源側金属と熱伝導層との間の接触界面における接触面積率を1%以上にすることは容易ではない。
上述した損傷又は凹凸は、低摩耗性材料を用いた場合であっても不可避である。本開示の金属積層構造体は、接触界面に損傷又は凹凸が存在していても、接触熱抵抗を低減できるように、熱伝導層を備える。この熱伝導層は、熱発生源側金属と熱伝導層との間、及び、冷却源側金属と熱伝導層との間の熱伝導を促進する。
図1は、アルミニウム板の積層体に関し、アルミニウム板の間の物質の種類が、接触熱抵抗値に及ぼす影響を示すグラフである。図1から分かるように、アルミニウム板の間に、水が存在している場合に、アルミニウム板の積層体の熱抵抗値を低減できている。
したがって、発生源側金属−熱伝導層−冷却源側金属の積層構造体の熱伝導層は、主成分として水を含有して、接触熱抵抗を低減する。水は分子量が小さく、比熱が大きい(4.217Jg−1−1)。水が接触界面の隙間に侵入して熱伝導を良好にするため、接触界面の粗さ及び接触圧が接触熱抵抗に与える影響を著しく低減できる。
図2は、アルミニウム板の積層体に関し、接触熱抵抗の経時変化を示すグラフである。図2から分かるように、熱伝導層が水だけを含有している場合には、積層体の接触熱抵抗値が経時劣化(増加)する。これは、水が時間の経過により蒸発するためであると考えられる。
発生源側金属−熱伝導層−冷却源側金属の積層構造体の熱伝導層は、水の他に添加物を含有して、接触熱抵抗値の経時変化を抑制する。添加物は、界面活性剤及びビルダーである。界面活性剤及びビルダーによって、水の蒸発を抑制し、かつ、接触界面に気泡が残留することを抑制する。
このように、熱伝導層が、水、界面活性剤、及びビルダーを含有することによって、熱伝導性に優れ、その熱伝導性の経時劣化の小さい金属積層構造体を得られることを、本発明者らは知見した。
これらの知見に基づく、本開示の金属積層構造体の構成を、次に説明する。
(金属層)
本開示の金属積層構造体は、複数の金属層を備える。典型的には、2つの金属層を備えるが、これに限られない。各金属層の間に、後述する熱伝導層が挟まれていれば、3つ以上の金属層を備えていてもよい。
金属は、他の物質と比べて、一般的に熱伝導率が高いため、金属層の種類は限定されない。金属には合金も含まれる。アルミニウム及び銅は、金属の中でも、熱伝導率が特に高いため、金属層がアルミニウム又は銅でできていることが好ましい。金属層がアルミニウム合金又は銅合金でできていてもよい。
金属積層構造体は、複数の金属層を備えるが、個々の金属層が同一種類でなくてもよい。例えば、2つの金属層を備える場合、一方の金属層がアルミニウム合金でできており、他方の金属層が銅合金でできていてもよい。
(熱伝導層)
熱伝導層は、金属層の間に挟まれている。熱伝導層は、水、界面活性剤、及びビルダーを含有する。熱伝導層は、これらの含有物が共存する低粘度の溶液媒体である。以下、これらの含有物について説明する。
(水)
水は、熱伝導層の主成分である。水の含有量は、熱伝導層全体に対し、70質量%以上が好ましい。水の含有量が70質量%以上であれば、金属層間の接触熱抵抗を充分に低下させることができる。また、水により、金属層間に付加する圧力(接触圧力)によって、接触熱抵抗が変化し難くなる。さらに、水により、金属層間の距離によって、接触熱抵抗が変化し難くなる。
接触熱抵抗の低下、並びに、接触熱抵抗の接触圧非依存性及び金属間距離非依存性の観点から、水の含有量は、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより一層好ましい。一方、水の含有量は、99.88質量%以下であることが好ましい。水の含有量が99.88質量%以下であれば、熱伝導層が、添加物、すなわち、界面活性剤及びビルダー等を必要量含有することができる。
また、水は、蒸留水又はイオン交換水であってよく、重水であってもよい。また、水は、蒸留水、イオン交換水、及び重水の組合せでもよい。
(界面活性剤)
界面活性剤は、水の粘度を低下させ、かつ、水の蒸発を抑制する。このような界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、及び両性界面活性剤等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、0.1質量%以上であることが好ましい。界面活性剤の含有量が0.1質量%以上であれば、水の粘度を低下させ、かつ水の蒸発を抑制し易くなる。水の粘度低下及び水の蒸発抑制の観点からは、界面活性剤の含有量は、1質量%以上がより好ましく、10質量%以上がより一層好ましい。
一方、界面活性剤の含有量は30質量%以下であることが好ましい。界面活性剤の含有量が30質量%以下であれば、界面活性剤の量が過剰になることによって、水の含有量が過剰に減少することはない。その結果、水によって接触熱抵抗を充分に低下させることができる。水による接触熱抵抗の低下を確保する観点からは、界面活性剤の含有量は、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がより一層好ましい。
カチオン系界面活性剤としては、1本鎖トリメチル高級飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、1本鎖トリメチル高級不飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、2本鎖ジメチル高級飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、1本鎖トリメチル高級飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、1本鎖トリメチル高級不飽和アルキルアンモニウムヒドロキサイド、2本鎖ジメチル高級飽和アルキルアンモニウムヒドロキサイド、2本鎖ジメチル高級不飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、3本鎖メチル高級飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、3本鎖メチル高級不飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、1本鎖トリフェニル高級アルキルフォスホニウムハロゲナイド、1本鎖トリフェニル高級アルキルフォスホニウムヒドロキサイド、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルエタノールアミン、テトラブチルホスホニュウムブロミド、テトラオクチルホスホニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムホブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、オレイル硫酸エステルトリエタノールアミン、ジフェニルジオクチル燐酸ブロミド、トリエタノールアミン等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルRO(CHCHO)H、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミドRCON(CHCHOH)、アルキルモノグリセリルエーテル ROCHCH(OH)CHOH等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、6−オクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−4−チオール−2−チオナトリュウム塩、6−オクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−4−チオール−2−チオカリュウム塩、6−トリエトキシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2−チオール−2−チオカリュウム塩、6−トリエトキシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2、4−ジアミノエチルアミン、6−トリエトキシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2、4−ジヒドラジン、飽和アルキルベンゼンスルホン酸塩、飽和アルキル、モノアルキル酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、トリアジントリチオールモノナトリウム、イソステアリル硫酸エステルナトリウム等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシドR(CHNOやアルキルカルボキシベタインR(CHCHCOO等が挙げられる。
(ビルダー)
ビルダーは、界面活性剤と共存することにより、水の蒸発を抑制し、その結果、接触熱抵抗の経時劣化を抑制する。また、ビルダーによって、熱伝導層と金属層表面との接触を促進して、気泡が金属表面に残留することを抑制し、接触熱抵抗の低下に寄与する。
ビルダーの含有量は、0.1質量%以上であることが好ましい。ビルダーの含有量が0.1質量%以上であれば、水の蒸発を抑制し易くなり、金属表面に気泡が付着することを抑制し易くなる。水の蒸発抑制及び気泡付着抑制の観点からは、ビルダーの含有量は、1質量%以上がより好ましく、5質量%以上がより一層好ましい。
一方、ビルダーの含有量は10質量%以下であることが好ましい。ビルダーの含有量が10質量%以下であれば、ビルダーの量が過剰になることによって、水の含有量が過剰に減少することはない。その結果、水によって接触熱抵抗を充分に低下させることができる。水による接触熱抵抗の低下を確保する観点からは、界面活性剤の含有量は、8質量%以下がより好ましい。
ビルダーとしては、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、芒硝、亜硫酸ソーダ―、次亜硫酸ソーダ、亜硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸ソーダ、リン酸アンモニウム、ケイ酸ソーダ、ケイ酸アンモニウム、乳酸ソーダ、亜リン酸ソーダ−、亜リン酸アンモニュム、硝酸ソーダ, 亜硝酸ソーダ、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン、エチレンジアミンテトラ酢酸アンモニウム、デシルトリエチレングリコール等が挙げられる。
水の蒸発抑制の観点からは、ナトリウム塩が好ましく、その中でも、乳酸ソーダ及び亜リン酸ソーダが特に好ましい。
理論に拘束されないが、次に述べる理由により、接触熱抵抗の経時劣化が抑制されると考えられる。界面活性材とビルダー、特に、ナトリウム塩、その中でも、乳酸ソーダ及び亜リン酸ソーダによって、水素結合した水クラスターの単分子化とクラスター化が円滑に起こり、複数の金属層の間で、エネルギー移動が起こるためであると考えられる。
(表面安定化剤)
熱伝導層は、これまでに説明した、水、界面活性剤、及びビルダーを、必須で含有する。これらの他に、熱伝導層は、任意で、表面安定化剤を含有してもよい。表面安定化剤は、金属層の表面の腐食等を抑制して、金属層の表面が変質することを抑制する。
表面安定化剤の含有量は、0.1質量%以上であることが好ましい。表面安定化剤の含有量が0.1質量%以上であれば、金属層の表面の腐食を抑制し易くなる。金属層の表面の腐食抑制の観点からは、表面安定化剤の含有量は、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がより一層好ましい。
一方、表面安定化剤の含有量は5質量%以下であることが好ましい。表面安定化剤の含有量が5質量%以下であれば、本開示の金属積層構造体の効果を低下させることはない。本開示の金属積層構造体の効果を低下させない観点からは、表面安定化の含有量は、3質量%以下がより好ましい。
(変形)
本開示の金属積層構造体は、構成要件に次のような変形を加えてもよい。熱伝導層の内部には、熱伝導シートを含んでいてもよい。熱伝導層の内部とは、熱伝導シートの少なくとも一方の表面に、水、界面活性剤、及びビルダーを備えていることをいう。熱伝導性を確保する観点から、熱伝導シートの両面に、水、界面活性剤、及びビルダーを備えていることが好ましい。ビルダーはナトリウム塩であることが好ましい。
熱伝導シートとしては、熱伝導性複合体シリコーンゴムシート等が挙げられる。熱伝導性複合体シリコーンゴムシートの積層方向の少なくとも一面に、ポリイミドを分子接合して、ポリイミド貼合熱伝導性複合体シリコーンゴムシートとしてもよい。
熱伝導シートの少なくとも一方の表面に、水、界面活性剤、及びビルダーを備えていれば、熱伝導シートは複数枚備えていてもよい。
以下、本開示の金属積層構造体を実施例により、さらに具体的に説明する。なお、本開示の金属積層構造体は、これらに限定されるものではない。
(実験A)
実施例1〜2、比較例1〜3、及び参考例1の金属積層構造体の試料を作製し、熱伝導層の種類が、接触熱抵抗の経時劣化に与える影響を評価した。
(実施例1)
アルミニウム合金製の金属ブロックを2つ準備した。金属ブロックは、金属積層構造体の金属層である。これらの金属ブロックの熱伝導率は139Wm−1−1であった。また、これらの金属ブロックの表面粗さは、Raで0.025μmであった。
一方の金属ブロックの表面上に、熱伝導層の原材料をスポイトで滴下した。原材料は、水を96.69g、アニオン系界面活性剤として、トリアジントリチオールモノナトリウムを0.001g、及びイソステアリル硫酸エステルナトリウムを2.1g、並びに、ビルダーとして、乳酸ソーダ(ナトリウム塩)を1.2g配合して作製された。なお、この配合の原材料を、熱伝導層原材料1とした。
熱伝導層原材料1の滴下量は、20mg/4.84cmであった。このようにして、金属ブロックの表面に滴下した原材料をガラス棒でならして溢れた分を拭き取ると、8〜12mg(狙い値:10mg)の原材料を塗布することができた。次いで、原材料を滴下した一方の金属ブロックに、他方の金属ブロックを重ね合わせて、実施例1の金属積層構造体の試料を作製した。
(実施例2)
熱伝導層の原材料を、次のような配合で作製したこと以外、実施例1と同様にして、実施例2の金属積層構造体の試料を作成した。原材料は、純水を99.0g、カチオン系界面活性剤として、オレイル硫酸エステルトリエタノールアミンを0.8g、ビルダーとして、亜リン酸ソーダ(ナトリウム塩)を0.1g、及び、表面安定剤として、レゾルシンを0.1g配合して作製された。なお、この配合の原材料を、熱伝導層原材料2とした。
(比較例1)
熱伝導層の原材料が、純水を95g、及び台所用液体洗剤を5g配合して作製されたこと以外、実施例1と同様にして、比較例1の金属積層構造体の試料を作製した。なお、比較例1の試料を作製する際に用いた熱伝導層の原材料は、熱伝導層原材料3とした。
(比較例2)
熱伝導層として、信越化学(株)製の放熱用コンパウンド(品番:G746)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例2の金属積層構造体を作製した。この放熱用コンパウンドは、シリコーンオイルと無機放熱材(粒径1μm以下のアルミナ微粒子)を含有する。また、この放熱用コンパウンドの熱伝導率は1.9Wm−1−1である。なお、この放熱用コンパウンドを、熱伝導層原材料4とした。
(比較例3)
熱伝導層の原材料を純水のみとしたこと以外、実施例1と同様にして、比較例3の金属積層構造体を作製した。なお、純水のみの原材料を熱伝導層原材料5とした。
(参考例1)
参考例1として、熱伝導層を有しない金属積層構造体を準備した。2つの金属ブロックは実施例1で用いた金属ブロックと同一である。2つの金属ブロックの間隔は0.5nm以内とした。
なお、これまでに説明した熱伝導層の原材料1〜5の配合について、表1に示す。表1には、これから説明する原材料6〜7の配合についても併記してある。
Figure 0006815914
(評価)
このようにして作製した試料の熱特性(接触熱抵抗、熱抵抗及び熱伝導率)を評価した。試料の積層方向に一定圧力を付加し、一方の金属ブロックを加熱し、他方の金属ブロックを冷却する。
金属ブロック(金属層)と厚さL(10−3m)の熱伝導層と間の接触熱抵抗R(mKW−1)と、熱伝導層の熱抵抗R(mKW−1)との和からなる全熱抵抗R(mKW−1)を、次の式1によって求める。ただし、Aは熱伝導層の断面積である。ΔTは、一方の金属ブロックの表面温度Tと他方の金属ブロックの表面温度Tとの差である。Φ(W)は、一方の金属ブロックに接続した加熱ヒータの電圧E及び電流i(分留器の電圧E/分流器の抵抗値R)から算出する。なお、金属ブロックの表面温度とは、金属ブロック(金属層)の熱伝導層側の表面の温度をいう。
=A△T/Φ ・・・式1
熱伝導層の厚さLを変化(1.0、2.0、及び3.0mm)させて、横軸に厚さL、縦軸に全熱抵抗Rをプロットすると、両者の間に、次の式2で表される関係が成立する。
=aL+b ・・・・式2
式2において、切片bから接触熱抵抗Rが、全熱抵抗Rから接触熱抵抗Rを差引くと熱伝導層の熱抵抗Rが求められる。また、熱伝導層の熱伝導率λ(Wm−1−1)は、熱伝導層の厚さLを、熱抵抗Rで割ると得られる。
このようにして求めた結果を、表2に示す。
Figure 0006815914
表1及び表2から分かるように、熱伝導層が、ナトリウム塩、すなわち、乳酸ソーダ又は亜リン酸ソーダを含有するとき、接触熱抵抗は、低い値で安定している。これは、乳酸ソーダ又は亜リン酸ソーダによって、水素結合した水クラスターの単分子化とクラスター化が円滑に起こり、2つの金属ブロックの間で、エネルギー移動が起こるためであると考えられる。
この他に、表1及び表2から次のことが分かる。参考例1の試料においては、金属ブロック間には、接触圧力によって得られた物理接触がある。物理接触している近傍において、金属ブロック間の距離は0.5nm以内であり、熱はフォノン振動により伝達する。参考例1の試料において、金属ブロック間では、物理振動に加えて、酸素及び窒素分子が金属ブロック表面に衝突してエネルギー交換を行う。
比較例3の試料では、熱伝導層は水であり、水は水素結合分子であるため、金属ブロック間で、水分子は、温度の高い金属ブロックからエネルギーを得て、温度の低い金属ブロックにエネルギーを放出(放熱)する。しかし、時間の経過とともに、水は蒸発するため、それに伴って、接触熱抵抗は増加する。
比較例2の試料において、市販の放熱用コンパウンドは、シリコーンオイルと無機放熱材(粒径が1μm以下のアルミナ粒子)を含有しているため、熱伝導性は加熱初期では水より良好であり、経時劣化も小さい。しかし、放熱用コンパウンドは、金属ブロックとの濡れ性が低く、接触熱抵抗は高い。
(実験B)
実施例3〜4、比較例4〜5、及び参考例2の金属積層構造体の試料を作製し、接触圧力(金属層の積層方向に付加した圧力)が、接触熱抵抗に与える影響を評価した。
(実施例3)
接触圧力を0.01〜0.30MPaにしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の金属積層構造体の試料を作製した。
(実施例4)
接触圧力を0.01〜0.30MPaにしたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例4の金属積層構造体の試料を作製した。
(比較例4)
接触圧力を0.01〜0.30MPaにしたこと以外は、比較例1と同様にして、比較例4の金属積層構造体の試料を作製した。
(比較例5)
接触圧力を0.01〜0.30MPaにしたこと以外は、比較例2と同様にして、比較例5の金属積層構造体の試料を作製した。
(参考例2)
接触圧力を0.01〜0.30MPaにしたこと以外は、参考例1と同様にして、参考例2の金属積層構造体の試料を作製した。
(評価)
このようにして作製した試料の熱特性を、実験Aの試料と同様に評価した。結果を表3に示す。
Figure 0006815914
表3から分かるように、市販の放熱用コンパウンドを用いた比較例5の試料と、熱伝導層のない参考例2の試料においては、接触熱抵抗は、接触圧力の影響を大きく受けている。これに対して、熱伝導層が界面活性剤を含有している、実施例3及び4並びに比較例4の試料においては、接触熱抵抗は、接触圧力の影響をほとんど受けていないことを確認できた。
(実験C)
実施例5、比較例6〜7、及び参考例3の金属積層構造体の試料を作製し、接触界面の表面粗さ(金属ブロックの表面粗さ)が、接触熱抵抗に与える影響を評価した。
(実施例5)
一方の金属ブロックの表面粗さRaと熱伝導層の原材料を次のようにしたこと以外、実施例1と同様にして、実施例5の金属積層構造体の試料を作製した。
一方の金属ブロックの表面粗さRaを、0.010±0.01μm、0.020±0.0μm、0.05±0.01μm、0.10±0.01μm、及び0.30±0.01μmにした。
原材料は、純水を98.2g、カチオン系界面活性剤として、ジフェニルジオクチル燐酸ブロミドを1.5g、及びトリエタノールアミンを0.3g、並びに、ビルダーとして、次亜硫酸ソーダを0.2g配合して作製された。なお、この配合の原材料を、熱伝導層原材料6とした。
(比較例6)
一方の金属ブロックの表面粗さRaと熱伝導層の原材料を次のようにしたこと以外、比較例1と同様にして、比較例6の金属積層構造体の試料を作製した。
一方の金属ブロックの表面粗さRaを、0.010±0.01μm、0.020±0.0μm、0.05±0.01μm、0.10±0.01μm、及び0.30±0.01μmにした。
原材料は、イオン交換水を97.5g、カチオン系界面活性剤として、トリアジントリチオールモノナトリウムを0.3g、並びに、ビルダーとして、デシルトリエチレングリコールを2.0g及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を2.0g配合して作製された。なお、この配合で作製された原材料を、熱伝導層原材料7とした。
(比較例7)
一方の金属ブロックの表面粗さRaを、0.010±0.01μm、0.020±0.0μm、0.05±0.01μm、0.10±0.01μm、及び0.30±0.01μmにしたこと以外は、比較例1と同様にして、比較例7の金属積層構造体の試料を作製した。
(比較例8)
一方の金属ブロックの表面粗さRaを、0.010±0.01μm、0.025±0.0μm、0.05±0.01μm、0.10±0.01μm、及び0.30±0.01μmにしたこと以外は、比較例2と同様にして、比較例8の金属積層構造体の試料を作製した。
(参考例3)
一方の金属ブロックの表面粗さRaを0.010±0.01μm、0.020±0.0μm、0.05±0.01μm、0.10±0.01μm、及び0.30±0.01μmにしたこと以外は、参考例1と同様にして、参考例3の金属積層構造体を作製した。
(評価)
このようにして作製した試料の熱特性を、実験Aの試料と同様に評価した。結果を表4に示す。
Figure 0006815914
表4から分かるように、市販の放熱用コンパウンドを用いた比較例8の試料と、熱伝導層のない参考例3の試料においては、接触熱抵抗は、表面粗さの影響を大きく受けている。これに対して、熱伝導層が界面活性剤を含有している、実施例5並びに比較例6及び7の試料においては、接触熱抵抗は、表面粗さの影響をほとんど受けていないことを確認できた。
(実験D)
参考例4〜6の金属積層構造体の試料を作製し、架橋シリコーンゴムシートの金属ブロックとの接触形態が、架橋シリコーンゴムの熱抵抗に与える影響を評価した。
図3は、2枚のアルミニウム板に挟まれた架橋シリコーンゴムを備える金属積層構造体の接触界面の形態を説明する断面図である。図3の(a)は、参考例4として作製した金属積層構造体の断面構造を示す説明図である。図3の(b)は、参考例5として作製した金属積層構造体の断面構造を示す説明図である。図3の(c)は、参考例6として作製した金属積層構造体の断面構造を示す説明図である。
参考例4〜6の架橋シリコーンゴムの熱抵抗を測定した。測定の要領は、実施例1の試料の評価について説明したとおりである。測定結果を図4に示す。図4は、参考例4〜6について、接触圧力と熱抵抗の関係を示すグラフである。図4において、(a)は参考例4(図3の(a))、(b)は参考例5(図3の(b))、そして、(c)は参考例6(図3の(c))の熱抵抗を示す。
参考例4の金属積層構造体においては、図3の(a)に示したように、一方の金属ブロック10と架橋シリコーンゴム20との境界12a、及び、他方の金属ブロック10と架橋シリコーンゴム20との境界14aを有する。
そして、参考例4の金属積層構造体においては、いずれの境界においても、金属ブロック10と架橋シリコーンゴム20とが、物理接触している。そのため、図4の(a)に示したように、参考例4の架橋シリコーンゴム20の熱抵抗は、波状に変化する。理論に拘束されないが、接触圧力の変化によって、境界12a、14aの近傍で、膨張・収縮が発生しているためであると考えられる。なお、物理接触は、分子間力による接触である。
参考例5の金属積層構造体においては、図3の(b)に示したように、一方の金属ブロック10と架橋シリコーンゴム20とは、境界12bで、物理接触している。また、他方の金属ブロック10と架橋シリコーンゴム20とは、境界14bで、化学接触(化学結合)している。
このように、境界12bと境界14bのうち、一方が化学接触になると、図4の(b)に示したように、架橋シリコーンゴム20の熱抵抗値は、接触圧力の影響を受けず、一定となる。
参考例6の金属積層構造体においては、図3の(c)に示したように、一方の金属ブロック10と架橋シリコーンゴム20とは、境界12cで、化学接触している。また、他方の金属ブロック10と架橋シリコーンゴム20とは、境界14cで、化学接触している。
このように、境界12cと境界14cのいずれにおいても、金属ブロック10と架橋シリコーンゴム20が化学接触していると、図4の(c)に示したように、接触圧力に影響されず、非常に安定して、熱抵抗が低くなる。
これらのことから、使用環境に影響されず、低い熱抵抗で安定した熱伝導を実現するためには、界面で、化学接触していることが重要であることが確認できた。
(実験E)
比較例9〜11の金属積層構造体の試料を作製し、熱伝導層の内部に、熱伝導シートを含むとき、接触熱抵抗値に与える影響を評価した。すなわち、熱伝導シートの表面に、水、界面活性剤、及びビルダーを備えている熱伝導層を形成したとき、その全熱抵抗に与える影響を評価した。
(比較例9)
アルミニウム合金製の金属ブロックを2つ準備した。金属ブロックは、金属積層構造体の金属層である。これらの金属ブロックの熱伝導率は139Wm−1−1であった。また、これらの金属ブロックの表面粗さは、Raで0.025μmであった。
また、熱伝導シートとして、熱伝導性複合体シリコーンゴムシートを準備した。熱伝導性複合体シリコンゴムシートは、東レ(株)製シリコーンゴム(品番:SH851)を100phr、東レ(株)製シリコーンゴム(品番:RC−4)を0.6phr、及び昭和電工(株)製アルミナ(品番:AS−30、粒径:30μm)を200phr配合して作製した。架橋条件は、160℃、3MPa、30分であった。熱伝導性複合体シリコーンゴムシートの厚さは0.175mmであった。
熱伝導性複合体シリコンゴムシートの一方の表面に、実施例1の場合と同様の要領で、熱伝導層原材料7を塗布した。そして、一方の金属ブロックを重ね合わせた。また、熱伝導性複合体シリコンゴムシートの他方の表面に、一方の表面の場合と同様の要領で、熱伝導層原材料7を塗布した。そして、他方の金属ブロックを重ね合わて、比較例9の金属積層構造体の試料を作製した。熱伝導層原材料7の塗布量は、一方の表面及び他方の表面それぞれで、10mg/4.84cmであった。
(比較例10)
熱伝導シートを、ポリイミド貼合熱伝導性複合体シリコーンゴムシートとしたこと以外は、比較例9と同様にして、比較例10の金属積層構造体の試料を作製した。
ポリイミドとしては、厚さが25μmのカプトン(登録商標)(品番:250EN)を用いた。
ポリイミド貼合熱伝導性複合体シリコーンゴムシートは、比較例9で用いた熱伝導性複合体シリコーンゴムシートと同一種類のシートの一方の面に、ポリイミドを分子接合して作製した。ポリイミド貼合熱伝導性複合体シリコーンゴムシートの厚さは、0.2mmであった。
(比較例11)
熱伝導層原材料7を塗布しなかったこと以外、比較例10と同様にして、比較例11の金属積層構造体の試料を作製した。
(評価)
このようにして作製した試料の熱特性を、実験Aの試料と同様に評価した。結果を表5に示す。
Figure 0006815914
表5から分かるように、熱伝導層のない比較例11の試料においては、全熱抵抗は、0.421×10KW−1から0.360×10KW−1に低下しており、接触圧力の影響を大きく受けている。これに対して、熱伝導層が界面活性剤を含有している、比較例9の試料においては、全熱抵抗は、0.215〜0.216×10KW−1でほぼ一定であり、全熱抵抗は接触圧力の影響をほとんど受けていない。また、熱伝導層が界面活性剤を含有している、比較例10の試料においては、全熱抵抗は、0.341×10KW−1から0.333×10KW−1に、やや低下しているものの、その低下率は2.4%であり、実用上、問題ない範囲である。
(実験F)
実施例6〜8及び比較例12〜14の金属積層構造体を作製し、熱伝導層の内部に、1〜3枚の熱伝導シートを備えるとき、全熱抵抗に与える影響を評価した。すなわち、熱伝導シートの表面に、水、界面活性剤、及びビルダーを備えている熱伝導層を形成したとき、全熱抵抗に与える影響を評価した。
(実施例6)
熱伝導層の原材料を、熱伝導層原材料6にしたこと、及び、熱伝導シートの原材料である、昭和電工(株)製アルミナ(品番:AS−30、粒径:30μm)を600phr配合したこと以外、比較例9と同様にして、実施例6の金属積層構造体の試料を作製した。
(比較例12)
熱伝導層がないこと以外、実施例6と同様にして、比較例12の金属積層構造体の試料を作製した。
(実施例7)
熱伝導シートを2枚としたこと、熱伝導シートの原材料である、昭和電工(株)製アルミナ(品番:AS−30、粒径:30μm)を600phr配合したこと以外、比較例10と同様にして、実施例7の金属積層構造体を作製した。ポリイミド貼合シリコーンゴムシートの間も熱伝導層を形成した。
(比較例13)
熱伝導層がないこと以外、実施例7と同様にして、比較例13の金属積層構造体の試料を作製した。
(実施例8)
熱伝導シートを3枚としたこと以外、実施例7と同様にして、実施例8の金属積層構造体の試料を作製した。
(比較例14)
熱伝導層がないこと以外、実施例8と同様にして、比較例14の金属積層構造体の試料を作製した。
(評価)
このようにして作製した試料の熱特性を、実験Aの試料と同様に評価した。結果を表6に示す。
Figure 0006815914
表6から分かるように、熱伝導層によって、接触圧力が概ね0.05MPa以上のときに、全熱抵抗が接触圧力に依存しなくなることが確認できた。熱伝導層がない場合、接触圧力の増加とともに全熱抵抗が低下している。このように全熱抵抗を低下させたときの接触圧力は、積層金属構造体の使用環境下で許容される接触圧力よりもかなり大きいことが確認できた。接触圧力を大きくすると、部品が大きくなるため、インバータやLEDなどの小さい部品で、熱伝導シートのない金属積層構造体を採用することは困難であることが確認できた。
これらの結果、特に表2から、本開示の金属積層構造体の効果を確認できた。
10 金属ブロック
20 架橋シリコーンゴム
12a、14a、12b、14b、12c、14c 境界

Claims (1)

  1. 複数の金属層と、
    前記金属層の間に挟まれている熱伝導層と、
    を備え、
    前記熱伝導層が、水、界面活性剤、及びナトリウム塩を含有
    前記ナトリウム塩が、乳酸ソーダ及び亜リン酸ソーダの少なくともいずれかを含む、
    金属積層構造体。
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