JP6815817B2 - アノードユニットおよび該アノードユニットを備えためっき装置 - Google Patents

アノードユニットおよび該アノードユニットを備えためっき装置 Download PDF

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Description

本発明は、ウェハ等の基板の表面にめっき処理を行う際に使用されるアノードユニットおよび該アノードユニットを備えためっき装置に関するものである。
近年、半導体回路の配線やバンプ形成方法において、めっき処理を行ってウェハ等の基板上に金属膜や有機質膜を形成する方法が用いられるようになってきている。例えば、半導体回路やそれらを接続する微細配線が形成されたウェハの表面の所定個所に、金、銀、銅、はんだ、ニッケル、あるいはこれらを多層に積層した配線やバンプ(突起状接続電極)を形成し、このバンプを介してパッケージ基板の電極やTAB(Tape Automated Bonding)電極に接続させることが広く行われている。この配線やバンプの形成方法としては、電気めっき法、無電解めっき法、蒸着法、印刷法といった種々の方法があるが、半導体チップのI/O数の増加、狭ピッチ化に伴い、微細化に対応可能で膜付け速度の速い電気めっき法が多く用いられるようになってきている。現在最も多用されている電気めっきによって得られる金属膜は、高純度で、膜形成速度が速く、膜厚制御方法が簡単であるという特長がある。
一般的なめっき装置について図11を参照して説明する。図11は一般的なめっき装置を示す概略図である。図11に示すように、このめっき装置は、めっき液を保持するめっき槽101と、アノードホルダ102に保持されたアノード103と、基板Wを保持するための基板ホルダ104とを備えている。これら基板Wおよびアノード103は、めっき槽101のめっき液中に互いに対向するように鉛直に配置されている。アノード103はアノードホルダ102を介して電源105の正極に接続され、基板Wは基板ホルダ104を介して電源105の負極に接続される。この状態で、アノード103と基板Wとの間に電圧を印加することで基板Wがめっきされる。めっき槽101の外側にはめっき槽101を包囲するようにオーバーフロー槽106が設けられており、めっき槽101からオーバーフローしためっき液はオーバーフロー槽106に流れ込み、さらに循環ラインを通ってめっき槽101内に戻される。
近年、基板に形成される金属膜の厚さの均一性の向上が求められている。この膜厚の均一性を向上させる方法として、面積の大きなアノードを使用することがある。その一方で、めっき装置の設置面積の縮小化を図るために、めっき槽を縮小することが求められている。基板の大きさを変えることはできないため、めっき槽を縮小するためには基板とアノードとの間の距離を短くする必要がある。この場合でも、金属膜の厚さの均一性を実現するため、面積の大きなアノードを用いる必要がある。
一般的に、基板への給電電極は基板表面の周縁部に接触しているため、電流密度を高くすると、基板の周縁部により多くの金属が析出される傾向がある。そこで、金属膜の厚さの均一性を向上させる方法として、めっき電流密度を低下させることが提案されている。特に、TSV(Through Silicon Via)などアスペクト比が大きなビアホール(配線用凹部)に金属を埋め込むことを目的として、極めて低いめっき電流密度で基板をめっきすることがある。
このように、アノードの面積を大きくし、かつめっき電流密度を低下させると、アノードでの電流密度は極端に低下する。極端に低下した電流密度は、アノードから溶解した金属イオンの形態に悪影響を及ぼす。例えば、アノードが銅から構成されている場合、電流密度が極端に低下すると、本来、二価で溶解する銅が一価で溶解し、一価の銅イオンが金属の析出を抑制する抑制剤と結合する。この結合により、抑制剤の抑制力が損なわれ、結果として、金属の析出が配線用凹部の入口付近で抑制されず、配線用凹部内にボイドが発生してしまう。
特開2009−46724号公報 特開平10−163212号公報 特開2001−20097号公報 特開2005−29863号公報 特開2009−108360号公報 特開2010−185122号公報
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、アノード上での電流密度の極端な低下を防止して均一な厚さの金属膜を基板上に形成することができるアノードユニットおよび該アノードユニットを備えためっき装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、めっき液に浸漬されるアノードと、前記アノードを保持するためのベース部材と、前記アノードの周縁部を前記ベース部材に固定し、前記アノードの前記周縁部を電気的に遮蔽する環状の第1のアノードマスクと、前記アノードの表面に取り付けられ、前記アノードの中心側部位を電気的に遮蔽する環状の第2のアノードマスクとを備えたことを特徴とするアノードユニットである。
本発明の好ましい態様は、前記アノードの露出面での電流密度は、0.5A/m〜5.0A/mの範囲内であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記アノードの露出面での電流密度は、1.0A/m〜4.0A/mの範囲内であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第1のアノードマスクおよび前記第2のアノードマスクは、同心状に配置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記アノードは溶解性アノードであることを特徴とする。
本発明の他の態様は、めっき液を保持するめっき槽と、アノードユニットと、基板を保持し、前記アノードユニットと対向して配置された基板ホルダと、前記アノードユニットと前記基板ホルダとの間に配置され、前記めっき槽内の前記めっき液を攪拌する攪拌パドルと、前記攪拌パドルと前記アノードユニットとの間に配置される、開口を有する調整板とを備え、前記アノードユニットは、前記めっき液に浸漬されるアノードと、前記アノードを保持するためのベース部材と、前記アノードの周縁部を前記ベース部材に固定し、前記アノードの前記周縁部を電気的に遮蔽する環状の第1のアノードマスクと、前記アノードの表面に取り付けられ、前記アノードの中心側部位を電気的に遮蔽する環状の第2のアノードマスクとを備えたことを特徴とするめっき装置である。
本発明の好ましい態様は、前記アノードの露出面の面積は、前記基板の被めっき面の面積と同じ、または前記基板の被めっき面の面積よりも小さいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記アノードの直径は前記調整板の前記開口の直径と同じ、または前記調整板の前記開口の直径よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、アノードユニットは、アノードの周縁部を電気的に遮蔽する環状の第1のアノードマスクと、アノードの中心側部位を電気的に遮蔽する環状の第2のアノードマスクとを備える。これらアノードマスクによってアノード表面の面積が制限されるため、アノードでの電流密度を適切な範囲内に保つことができる。結果として、均一な厚さの金属膜を基板上に形成することができる。
本発明の一実施形態に係るめっき装置を示す概略図である。 アノードユニットの正面図である。 図2のA−A線断面図である。 基板ホルダを示す斜視図である。 図4に示す基板ホルダの平面図である。 図4に示す基板ホルダの右側面図である。 図6に示す記号Bで囲まれた部分を示す拡大図である。 第1のアノードマスクおよび第2のアノードマスクを用いた場合における金属膜の厚さ分布を示す解析結果を示すグラフである。 第1のアノードマスクおよび第2のアノードマスクを使用してアノードの露出面の面積をアノードの総面積の1/2としたときの金属膜の厚さ分布を示すグラフ(実験結果1)と、第2のアノードマスクを使用しなかったときの金属膜の厚さ分布を示すグラフ(実験結果2)である。 第1のアノードマスクおよび第2のアノードマスクを用いたときのレジストパターンの開口内に形成された金属膜の高さのばらつきを示すグラフ(実験結果3)と、第2のアノードマスクを使用しなかったときの金属膜の高さのばらつきを示すグラフ(実験結果4)である。 一般的なめっき装置を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1乃至図10において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係るめっき装置を示す概略図である。図1に示すように、このめっき装置は、内部にめっき液を保持するめっき槽1と、アノードユニット11とを備えている。アノードユニット11は、円形のアノード2と、アノード2を保持し、かつ、アノード2をめっき槽1内のめっき液に浸漬させるアノードホルダ4とを備えている。アノード2は、例えば銅から構成される溶解性アノードである。めっき装置は、ウェハなどの基板Wを着脱自在に保持し、かつ基板Wをめっき槽1内のめっき液に浸漬させる基板ホルダ6をさらに備えている。アノード2および基板Wはめっき液中で互いに対向するように配置される。
めっき処理に際して、アノード2は、アノードホルダ4を介して電源8の正極に接続され、基板Wは、基板ホルダ6を介して電源8の負極に接続される。アノード2と基板Wの表面との間に電圧を印加することにより、金属膜が基板Wの表面に形成される。
めっき槽1の外側にはオーバーフロー槽10が設けられている。めっき槽1の上端をオーバーフローしためっき液は、オーバーフロー槽10内に流入するようになっている。オーバーフロー槽10の底部には、めっき液を循環させるめっき液循環ライン12の一端が接続され、他端はめっき槽1の底部に接続されている。オーバーフロー槽10内に流入しためっき液は、めっき液循環ライン12を通ってめっき槽1内に戻される。
さらに、めっき装置は、めっき槽1内のめっき液を攪拌する攪拌パドル22と、基板W上の電位分布を調整する調整板(レギュレーションプレート)24とを備えている。調整板24はめっき液中の電場を制限するための開口24aを有しており、攪拌パドル22は、基板ホルダ6に保持された基板Wの表面近傍に配置されている。換言すれば、攪拌パドル22は基板ホルダ6とアノードユニット11との間に配置されている。攪拌パドル22は、鉛直に配置されており、基板Wと平行に往復運動することでめっき液を攪拌し、基板Wのめっき中に、十分な金属イオンを基板Wの表面に均一に供給することができる。調整板24は、攪拌パドル22とアノードユニット11との間に配置されている。
一例として、アノード2の直径は280mmであり、調整板24の開口24aの直径は280mm〜284mmであり、基板Wの直径は300mmである。アノード2は、その直径が調整板24の開口24aの直径と同じ、または調整板24の開口24aの直径よりも小さくなるように構成されている。さらに、アノード2は、その直径が基板Wの直径よりも小さくなるように構成されている。調整板24は、その開口24aの直径が基板Wの直径よりも小さくなるように構成されている。
図2はアノードユニット11の正面図である。図3は図2のA−A線断面図である。図2および図3に示すように、アノードホルダ4は、アノード2を保持するためのベース部材14と、アノード2の周縁部をベース部材14に固定する環状の第1のアノードマスク16とを備えている。アノードユニット11は、アノード2の表面に取り付けられた環状の第2のアノードマスク18をさらに備えている。これら環状のアノードマスク16,18は同心状に配置されている。より具体的には、第2のアノードマスク18は第1のアノードマスク16の半径方向内側に配置されている。
第1のアノードマスク16はねじなどの締結具20によりベース部材14に着脱可能に取り付けられている。一例として、第1のアノードマスク16の内径LCは270mmであり、アノード2の直径は280mmである。第1のアノードマスク16の内径LCはアノード2の直径よりも小さいので、アノード2は第1のアノードマスク16とベース部材14との間に挟まれる。締結具20を締め付けることで、第1のアノードマスク16はアノード2の周縁部をベース部材14に固定する。第2のアノードマスク18はアノード2の表面に取り付けられている。第2のアノードマスク18をアノード2の表面に取り付ける方法として、例えば接着剤により接着する方法が挙げられる。
第1のアノードマスク16および第2のアノードマスク18は絶縁性材料、例えばポリ塩化ビニル(PVC(Polyvinyl Chloride))から構成されている。このため、第1のアノードマスク16はアノード2の周縁部を電気的に遮蔽し、第2のアノードマスク18はアノード2の中心側部位を電気的に遮蔽することができる。本明細書では、これらアノードマスク16,18によって電気的に遮蔽されていない(アノードマスク16,18で覆われていない)アノード2の表面をアノード2の露出面として定義する。
図2に示すように、ベース部材14は、外方および内方に突出する一対のハンガ部30を有している。このハンガ部30は内側ハンガ部32と外側ハンガ部34とから構成されており、アノードユニット11は外側ハンガ部34を介してめっき槽1の周壁に吊下げられる。外側ハンガ部34の下面にはアノード2を電源8に接続させるための給電端子36が設けられている。めっき槽1の周壁には電源8に電気的に接続された電気接点(図示しない)が設けられている。アノードユニット11がめっき槽1の周壁に吊り下げられると、給電端子36は電気接点と接触し、アノード2はアノードホルダ4を介して電源8の正極に接続される。
次に、基板Wを保持する基板ホルダ6について説明する。基板ホルダ6は、図4乃至図7に示すように、矩形平板状の第1保持部材(固定保持部材)40と、この第1保持部材40にヒンジ42を介して開閉自在に取付けられた第2保持部材(可動保持部材)44とを有している。他の構成例として、第2保持部材44を第1保持部材40に対峙した位置に配置し、この第2保持部材44を第1保持部材40に向けて前進させ、また第1保持部材40から離間させることによって第2保持部材44を開閉するようにしてもよい。
第1保持部材40は例えば塩化ビニル製である。第2保持部材44は、基部46と、リング状のシールホルダ48とを有している。シールホルダ48は例えば塩化ビニル製であり、下記の押えリング50との滑りを良くしている。シールホルダ48の上部には環状の基板側シール部材52(図6および図7参照)が内方に突出して取付けられている。この基板側シール部材52は、基板ホルダ6が基板Wを保持した時、基板Wの表面外周部に圧接して第2保持部材44と基板Wとの隙間をシールするように構成されている。シールホルダ48の第1保持部材40と対向する面には、環状のホルダ側シール部材58(図6および図7参照)が取付けられている。このホルダ側シール部材58は、基板ホルダ6が基板Wを保持した時、第1保持部材40に圧接して第1保持部材40と第2保持部材44との隙間をシールするように構成されている。ホルダ側シール部材58は、基板側シール部材52の外側に位置している。
図7に示すように、基板側シール部材52は、シールホルダ48と第1固定リング54aとの間に挟持されてシールホルダ48に取付けられている。第1固定リング54aは、シールホルダ48にボルト等の締結具56aを介して取付けられる。ホルダ側シール部材58は、シールホルダ48と第2固定リング54bとの間に挟持されてシールホルダ48に取付けられている。第2固定リング54bは、シールホルダ48にボルト等の締結具56bを介して取付けられる。
シールホルダ48の外周部には段部が設けられており、この段部には押えリング50がスペーサ60を介して回転自在に装着されている。押えリング50は、第1固定リング54aの外周部によって脱出不能に装着されている。この押えリング50は、酸やアルカリに対して耐食性に優れ、十分な剛性を有する材料から構成される。例えば、押えリング50はチタンから構成される。スペーサ60は、押えリング50がスムーズに回転できるように、摩擦係数の低い材料、例えばPTFEで構成されている。
押えリング50の外側には、複数のクランパ62が押えリング50の円周方向に沿って等間隔で配置されている。これらクランパ62は第1保持部材40に固定されている。各クランパ62は、内方に突出する突出部を有する逆L字状の形状を有している。押えリング50の外周面には、外方に突出する複数の突起部50bが設けられている。これら突起部50bは、クランパ62の位置に対応する位置に配置されている。クランパ62の内方突出部の下面および押えリング50の突起部50bの上面は、押えリング50の回転方向に沿って互いに逆方向に傾斜するテーパ面となっている。押えリング50の円周方向に沿った複数箇所(例えば3箇所)には、上方に突出する凸部50aが設けられている。これにより、回転ピン(図示せず)を回転させて凸部50aを横から押し回すことにより、押えリング50を回転させることができる。
第2保持部材44を開いた状態で、第1保持部材40の中央部に基板Wが挿入され、ヒンジ42を介して第2保持部材44が閉じられる。押えリング50を時計回りに回転させて、押えリング50の突起部50bをクランパ62の内方突出部の内部に滑り込ませることで、押えリング50とクランパ62にそれそれぞれ設けたテーパ面を介して、第1保持部材40と第2保持部材44とを互いに締め付けて第2保持部材44をロックする。また、押えリング50を反時計回りに回転させて押えリング50の突起部50bをクランパ62から外すことで、第2保持部材44のロックを解くようになっている。
第2保持部材44をロックした時、基板側シール部材52の下方突出部は基板Wの表面外周部に圧接される。基板側シール部材52は均一に基板Wに押圧され、これによって基板Wの表面外周部と第2保持部材44との隙間をシールする。同じように、第2保持部材44をロックした時、ホルダ側シール部材58の下方突出部は第1保持部材40の表面に圧接される。ホルダ側シール部材58は均一に第1保持部材40に押圧され、これによって第1保持部材40と第2保持部材44との間の隙間をシールする。
第1保持部材40の端部には、一対の略T字型のホルダハンガ64が設けられている。第1保持部材40の上面には、基板Wの大きさにほぼ等しいリング状の突条部66が形成されている。この突条部66は、基板Wの周縁部に当接して該基板Wを支持する環状の支持面68を有している。この突条部66の円周方向に沿った所定位置に凹部70が設けられている。
図5に示すように、凹部70内には複数(図示では12個)の導電体(電気接点)72がそれぞれ配置されている。これら導電体72は、ホルダハンガ64に設けられた接続端子76から延びる複数の配線にそれぞれ接続されている。第1保持部材40の支持面68上に基板Wを載置した際、この導電体72の端部が図7に示す電気接点74の下部に弾性的に接触するようになっている。
導電体72に電気的に接続される電気接点74は、ボルト等の締結具78によって第2保持部材44のシールホルダ48に固着されている。この電気接点74は、板ばね形状に形成されている。電気接点74は、基板側シール部材52の外方に位置した、内方に板ばね状に突出する接点部を有している。電気接点74はこの接点部において、その弾性力によるばね性を有して容易に屈曲するようになっている。第1保持部材40と第2保持部材44で基板Wを保持した時に、電気接点74の接点部が、第1保持部材40の支持面68上に支持された基板Wの外周面に弾性的に接触するように構成されている。
第2保持部材44の開閉は、図示しないエアシリンダと第2保持部材44の自重によって行われる。つまり、第1保持部材40には通孔40aが設けられ、エアシリンダ(図示しない)のピストンロッドにより、通孔40aを通じて第2保持部材44のシールホルダ48を上方に押上げることで第2保持部材44を開き、ピストンロッドを収縮させることで、第2保持部材44をその自重で閉じるようになっている。
基板Wのめっきは次のように行われる。基板ホルダ6で保持された基板Wおよびアノードホルダ4で保持されたアノード2をめっき槽1内の所定位置に配置する。アノード2はアノードホルダ4を介して電源8の正極に接続され、基板Wは基板ホルダ6を介して電源8の負極に接続される。この状態で、アノード2と基板Wとの間に電圧が印加されると、基板Wの表面に金属膜が形成される。基板Wのめっき時に、必要に応じて、攪拌パドル22を基板Wの表面と平行に往復動させて、めっき槽1内のめっき液を攪拌する。
アノード2が銅から構成されている場合、アノード2の表面にブラックフィルムと呼ばれる析出物が析出することがある。アノード2の露出面での電流密度が5.0A/mよりも高い場合、析出物がめっき液中に脱落する可能性が高くなり、この析出物が基板Wに付着すると、基板Wが損傷するおそれがある。アノード2の露出面での電流密度が0.5A/mよりも低い場合、アノード2から溶解した一価の銅イオンが抑制剤と結合してしまい、抑制剤の抑制力が損なわれる可能性が高くなる。この抑制剤により、金属膜の厚さの均一性が損なわれたり、ビア内部にボイドが発生してしまう。したがって、アノード2の露出面での電流密度は、0.5A/m〜5.0A/mの範囲内であることが好ましく、1.0A/m〜4.0A/mの範囲内であることがより好ましい。
基板Wの表面にレジストパターンが形成されている場合、めっき処理を行うことでこのレジストパターンの開口内(基板Wの被めっき面上)に金属膜が形成される。通常、アノードの露出面の面積は、レジストパターンが形成された基板の被めっき面の面積よりも大きくなる。本実施形態では、第1のアノードマスク16および第2のアノードマスク18はアノード2の周縁部および中心側部位を覆っているため、アノード2の露出面は小さくなる。アノード2の露出面の面積は、基板Wの被めっき面の面積と同じ、または基板Wの被めっき面の面積よりも小さい。
このように、アノードマスク16,18によってアノード2の実際の表面積が制限されるのでアノード2での電流密度を適切な範囲内に保つことができる。結果として、均一な厚さの金属膜を基板W上に形成することができる。
図8は、アノードマスク16,18を用いた場合における金属膜の厚さ分布を示す解析結果を示すグラフである。横軸は基板Wの中心からの距離を示しており、縦軸は金属膜の厚さを示している。本解析における第2のアノードマスク18の内径LA、第2のアノードマスク18の外径LB、および第1のアノードマスク16の内径LCの条件は以下の通りである。
(1)第2のアノードマスク18を使用しない。
(2)第2のアノードマスク18の内径LAが0mm、第2のアノードマスク18の外径LBが120mm、第1のアノードマスク16の内径LCが226mm。
(3)第2のアノードマスク18の内径LAが0mm、第2のアノードマスク18の外径LBが130mm、第1のアノードマスク16の内径LCが220mm。
(4)第2のアノードマスク18の内径LAが0mm、第2のアノードマスク18の外径LBが130mm、第1のアノードマスク16の内径LCが230mm。
(5)第2のアノードマスク18の内径LAが58mm、第2のアノードマスク18の外径LBが156mm、第1のアノードマスク16の内径LCが240mm。
上記条件の下で金属膜の厚さを測定した結果、条件(1)の下では、最も均一な厚さを有する金属膜が得られた。しかしながら、この場合は、アノード2上の電流密度が大きく低下し得る。条件(2)〜条件(4)では、均一な厚さを有する金属膜は得られなかった。条件(5)では、条件(1)に次いで均一な厚さを有する金属膜が得られた。以上の解析結果から、第2のアノードマスク18の内径LAを0mmにすると、金属膜の厚さが不均一になることが分かる。したがって、均一な厚さを有する金属膜を形成するために環状の第2のアノードマスク18を使用することが必要である。
図9は、アノードマスク16,18を使用してアノード2の露出面の面積をアノード2の総面積の1/2としたときの金属膜の厚さ分布を示すグラフ(実験結果1)と、第2のアノードマスク18を使用しなかったときの金属膜の厚さ分布を示すグラフ(実験結果2)を示している。横軸は基板Wの中心からの距離を示しており、縦軸は金属膜の厚さを示している。実験結果1,2に示すように、いずれの実験でも金属膜の厚さは概ね均一であった。アノード2での電流密度はアノードマスク16,18によって適切な範囲内に制限されているため、アノード2での電流密度の極端な低下を防止しつつ、金属膜の均一な厚さを実現することができる。
図10は、アノードマスク16,18を用いたときのレジストパターンの開口内に形成された金属膜の高さのばらつきを示すグラフ(実験結果3)と、第2のアノードマスク18を使用しなかったときの金属膜の高さのばらつきを示すグラフ(実験結果4)を示している。なお、縦軸は金属膜の高さを示している。これらの実験では、基板Wに形成された、異なるレジストパターンの開口内に金属膜を形成し、レジストパターンを除去した後、露出した金属膜の高さを測定した。実験結果3は、アノード2の露出面の面積がアノード2の総面積の1/2とした条件の下で行われた実験の結果を示している。実験結果4では、金属膜の高さのばらつきは12.9%であったのに対し、実験結果3では、金属膜の高さのばらつきは5.4%であった。このように、第2のアノードマスク18を使用することで、金属膜の高さのばらつきを抑制することができる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
1,101 めっき槽
2,103 アノード
4,102 アノードホルダ
6,104 基板ホルダ
8,105 電源
10,106 オーバーフロー槽
11 アノードユニット
12 めっき液循環ライン
14 ベース部材
16 第1のアノードマスク
18 第2のアノードマスク
22 攪拌パドル
24 調整板
24a 開口
30 ハンガ部
32 内側ハンガ部
34 外側ハンガ部
40 第1保持部材
42 ヒンジ
44 第2保持部材
46 基部
48 シールホルダ
50 押えリング
52 基板側シール部材
58 ホルダ側シールホルダ
60 スペーサ
62 クランパ
64 ホルダハンガ
66 突状部
68 支持面
70 凹部
72 導電体
74 電気接点
76 接続端子

Claims (12)

  1. めっき液に浸漬されるアノードと、
    前記アノードを保持するためのベース部材と、
    前記アノードの周縁部を前記ベース部材に固定し、前記アノードの前記周縁部を電気的に遮蔽する環状の第1のアノードマスクと、
    前記アノードの表面に接触し、前記アノードの中心側部位を電気的に遮蔽する環状の第2のアノードマスクとを備えたことを特徴とするアノードユニット。
  2. 前記アノードの露出面での電流密度は、0.5A/m〜5.0A/mの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のアノードユニット。
  3. 前記アノードの露出面での電流密度は、1.0A/m〜4.0A/mの範囲内であることを特徴とする請求項2に記載のアノードユニット。
  4. 前記第1のアノードマスクおよび前記第2のアノードマスクは、同心状に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアノードユニット。
  5. 前記アノードは溶解性アノードであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアノードユニット。
  6. 前記第2のアノードマスクは、前記アノードの表面に接着されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアノードユニット。
  7. 前記第2のアノードマスクは、前記第1のアノードマスクの半径方向内側に配置されており、
    前記第1のアノードマスクと前記第2のアノードマスクとの間には、環状形状を有する前記アノードの露出面が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアノードユニット。
  8. めっき液を保持するめっき槽と、
    アノードユニットと、
    基板を保持し、前記アノードユニットと対向して配置された基板ホルダと、
    前記アノードユニットと前記基板ホルダとの間に配置され、前記めっき槽内の前記めっき液を攪拌する攪拌パドルと、
    前記攪拌パドルと前記アノードユニットとの間に配置される、開口を有する調整板とを備え、
    前記アノードユニットは、
    前記めっき液に浸漬されるアノードと、
    前記アノードを保持するためのベース部材と、
    前記アノードの周縁部を前記ベース部材に固定し、前記アノードの前記周縁部を電気的に遮蔽する環状の第1のアノードマスクと、
    前記アノードの表面に接触し、前記アノードの中心側部位を電気的に遮蔽する環状の第2のアノードマスクとを備えたことを特徴とするめっき装置。
  9. 前記アノードの露出面の面積は、前記基板の被めっき面の面積と同じ、または前記基板の被めっき面の面積よりも小さいことを特徴とする請求項に記載のめっき装置。
  10. 前記アノードの直径は前記調整板の前記開口の直径と同じ、または前記調整板の前記開口の直径よりも小さいことを特徴とする請求項またはに記載のめっき装置。
  11. 前記第2のアノードマスクは、前記アノードの表面に接着されていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載のめっき装置。
  12. 前記第2のアノードマスクは、前記第1のアノードマスクの半径方向内側に配置されており、
    前記第1のアノードマスクと前記第2のアノードマスクとの間には、環状形状を有する前記アノードの露出面が形成されていることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載のめっき装置。
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