JP6815647B2 - 金属樹脂接合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ボルトやナット等の金属製の小物部品を、抵抗発熱により熱可塑性樹脂に接合する金属樹脂接合体の製造方法に関する。
従来、熱可塑性の樹脂材としての樹脂板に、ボルトやナット等の金属製の小物部品を固定する場合、例えばボルトの頭部に接着剤を付けて樹脂板に固定している。この他、樹脂板に貫通孔を開け、この貫通孔にボルトを差し込み、ナットをボルトに螺合して固定している。
樹脂板にボルトをナットで固定する技術として、例えば特許文献1に記載の樹脂板へのボルトの締結構造がある。この技術は、樹脂板の貫通孔につば付のカラーを挿入し、このカラーにボルトを挿通してナットで固定する締結構造である。
特開2013−193441号公報
上述した特許文献1の締結構造においては、樹脂板にボルトをナットで固定しなければならないので、ボルト及びナットの何れか一方のみを樹脂板に固定することはできない。何れか一方のみを固定するには、上述したように接着剤によりボルト又はナットを接着して固定する方法がある。しかし、接着剤による接合では有機溶剤による人体への有害性等の問題や、接着剤が固まるまでの時間が長いという問題がある。
この他、樹脂板を射出成型する際に、ボルト又はナットを型の所定位置に配置し、この型に樹脂を射出後、樹脂を固化することにより、ボルト又はナットを樹脂板に固定する方法がある。しかし、この方法ではボルト又はナットを樹脂板に簡単に接合できないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、金属製の小物部品を樹脂材に人体に無害且つ短時間で簡単に接合することができる金属樹脂接合体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、接合部から突出部が突出する形状の金属製の小物部品を、熱可塑性の樹脂材に接合する金属樹脂接合体の製造方法において、前記小物部品に当接される中心電極と、この中心電極を環状に囲むように前記小物部品に当接され、当該中心電極との間に当該小物部品を介して電流が流される外周電極とを備える金属樹脂接合装置を用い、前記小物部品の接合部の一面側が前記樹脂材に当接され、当該接合部の他面側が前記中心電極及び前記外周電極に当接された状態で、当該中心電極及び当該外周電極間に当該小物部品を介して電流を流し、この電流により小物部品に生じる抵抗発熱で当該樹脂材を溶融するステップと、前記樹脂材の溶融部分を固化させて前記小物部品を前記樹脂材に接合するステップと、前記小物部品の突出部が前記樹脂材に形成された貫通孔に挿通されて当該樹脂材に前記接合部が当接され、この当接面と反対側の接合部の面が前記中心電極及び前記外周電極に当接された状態で、当該中心電極と当該外周電極間に当該小物部品を介して電流を流し、この電流により当該接合部に生じる抵抗発熱で前記樹脂材を溶融するステップと、前記樹脂材の溶融部分を固化させて前記小物部品を前記樹脂材に接合するステップとを実行することを特徴とする金属樹脂接合体の製造方法である。
本発明によれば、金属製の小物部品を樹脂材に人体に無害且つ短時間で簡単に接合することができる金属樹脂接合体の製造方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る金属樹脂接合体の製造方法に適用される金属樹脂接合装置の構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る金属樹脂接合装置の構成を示す側面図である。 (a)図2に示す枠内の電極部及び電極押圧部の構成を示す一部断面図、(b)(a)に示す電極部の中心電極及び外周電極の正面図である。 第1実施形態の金属樹脂接合装置の中心電極及び外周電極が、ボルトの頭部に当接された状態を示す断面図である。 (a)第1実施形態の金属樹脂接合装置による金属樹脂接合体の製造方法の第1の説明図、(b)金属樹脂接合体の製造方法の第2の説明図である。 (a)第1実施形態の金属樹脂接合装置による金属樹脂接合体の製造方法の第3の説明図、(b)金属樹脂接合体の製造方法の第4の説明図である。 第1実施形態に係る金属樹脂接合体の製造方法を説明するための樹脂板及びボルトと、中心電極及び外周電極を示す断面図である。 第1実施形態の変形例1のボルトの頭部座面部の突起手段を示し、(a1)〜(g1)はボルトの縦方向の断面図、(a2)〜(g2)はボルトの頭部座面部の平面図である。 第1実施形態の変形例2のボルトの頭部座面部の突起手段を示し、(a)は突起手段としての逆楔形状凸部、(b)は突起手段としての逆楔形状凸部、(c)は突起手段としての楔形状凸部T12の断面図である。 第1実施形態の変形例2の突起手段を樹脂板に当接する際の構成を示し、(a)はボルトを樹脂板に逆楔形状凸部のみが当接する状態を示す断面図、(b)は樹脂板の溶融部分に逆楔形状凸部が入り込んだ状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る金属樹脂接合体の製造方法を説明するための樹脂板及びボルトと、中心電極及び外周電極を示す断面図である。 第2実施形態の変形例1のボルトの頭部平面の突起手段を示し、(a1)〜(g1)はボルトの頭部座面部(平面)の平面図、(a2)〜(g2)はボルトの縦方向の断面図である。 第2実施形態の変形例2のボルトの頭部平面の突起手段を示し、(a)は突起手段としての逆楔形状凸部、(b)は突起手段としての逆楔形状凸部、(c)は突起手段としての楔形状凸部T12の断面図である。 第2実施形態の変形例2の突起手段を樹脂板に当接する際の構成を示し、(a)はボルトを樹脂板に逆楔形状凸部のみが当接する状態を示す断面図、(b)は樹脂板の溶融部分に逆楔形状凸部が入り込んだ状態を示す断面図である。 (a)は本発明の第3実施形態に係る金属樹脂接合体の製造方法に適用される金属樹脂接合装置の構成を示す断面図、(b)(a)に示す電極部の中心電極及び外周電極の正面図、(c)は樹脂板及びボルトと、金属樹脂接合装置の中心電極及び外周電極を示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る金属樹脂接合体の製造方法を説明するための金属樹脂接合装置及びフランジ付ナットが組合された樹脂板の構成を示す断面図である。 (a)はフランジ部が概略長方形状のフランジ付ナットの構成を示す斜視図、(b)はフランジ部が円形状のフランジ付ナットの構成を示す斜視図である。 第4実施形態の変形例1のフランジ付ナットのフランジ表面の突起手段を示し、(a1)〜(g1)はフランジ付ナットのフランジ表面の平面図、(a2)〜(g2)はフランジ付ナットの縦方向の断面図である。 本発明の第5実施形態に係る金属樹脂接合体の製造方法を説明するための樹脂板及びフランジ付ナットと、中心電極及び外周電極を示す断面図である。 第5実施形態の変形例1のフランジ付ナットのフランジ裏面の突起手段を示し、(a1)〜(g1)はフランジ付ナットの縦方向の断面図、(a2)〜(g2)はフランジ付ナットの頭部座面部の平面図である。 本発明の第6実施形態に係る金属樹脂接合体の製造方法を説明するための金属樹脂接合装置及びフランジ付ナットが組合された樹脂板の構成を示す断面図である。 本発明の第6実施形態に係る他の金属樹脂接合体の製造方法を説明するための金属樹脂接合装置及びフランジ付ナットが組合された樹脂板の構成を示す断面図である。 金属樹脂接合装置において外周電極の先端が平面の場合の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第1実施形態の構成>
図1は本発明の第1実施形態に係る金属樹脂接合体の製造方法に適用される金属樹脂接合装置の構成を示す斜視図である。図2は金属樹脂接合装置の構成を示す側面図である。図3(a)は図2に示す枠内の電極部及び電極押圧部の構成を示す一部断面図、(b)は電極部の中心電極及び外周電極の正面図である。
図1に示す金属樹脂接合装置(接合装置)20は、接合部の平面から突出部が突出する形状の金属製の小物部品(例えば図4のボルト11参照)を、熱可塑性の樹脂材(図4の樹脂板12参照)の一部に当接する。この当接された樹脂材の一部を、電流を流して加熱した小物部品の熱により溶融し、この樹脂溶融部分(図4の樹脂溶融部12b参照)に小物部品を溶着させることにより、小物部品を樹脂材に接合するものである。但し、樹脂材の溶融温度は金属製の小物部品よりも低いものとする。小物部品には、鉄やアルミニウム等による金属製の例えばボルトやナットが用いられるとする。
接合装置20は、駆動用サーボモータ(モータ)21と、駆動ユニット22と、電極押圧部23と、電極部24と、トランス部25と、整流部26と、取付部31と、アーム32と、アームホルダ33と、丸アーム34と、受圧部35と、両側の固定板36,36とを備えて構成されている。
モータ21は、概略円柱形状を成し、回転軸(軸)が例えば水平となる状態で駆動ユニット22に組付けられている。駆動ユニット22は、モータ21の軸方向に沿って延びる概略直方体形状(図2参照)を成す。なお、第1実施形態では、接合装置20のモータ21の軸及び軸方向に延びる駆動ユニット22が、図1及び図2に示すように、水平に配置されている状態を前提として説明する。なお、図1及び図2には、モータ21が駆動ユニット22に直結されている様態を表したが、モータ21と駆動ユニット22の双方の間にベルトで接続されたプーリ等の伝達機構を介して双方を接続してもよい。また、接合装置20の配置は、図2に示した水平方向に限らず、接合装置20が水平方向に対する垂直方向や斜め方向に配置されるケースもある。
駆動ユニット22は、ユニット内部から受圧部35へ向かう前方に進んで伸びる{図5参照}と共に、後方に後退して縮む{図6参照}ロッド22aを備え、ロッド22aの先端には電極押圧部23が組付けられている。電極押圧部23の前方側には、電極部24が組付けられている。この駆動ユニット22の上方のトランス部25は、図示せぬ電源から1次側に供給される交流電圧を降圧するものである。トランス部25の2次側には、交流電流を直流電流に整流する整流部26が電気的に接続されており、整流部26の出力側は2次導体26p,26mを介して電極部24に電気的に接続されている。なお、トランス部25及び整流部26を備えて電源手段が構成されるが、この電源手段には接合用電源等を用いてもよい。
駆動ユニット22と、この上方に配置されるトランス部25及び整流部26とは、開口を有する逆台形状の固定板36,36で両側から挟まれ、複数のネジで固定されている。固定板36には複数の貫通孔(又はネジ穴)が形成され、駆動ユニット22、トランス部25及び整流部26には、それらの貫通孔に対向する位置にネジ穴が形成されている。駆動ユニット22、トランス部25及び整流部26の両側に、各ネジ穴に各貫通孔を合わせて固定板36,36を配置し、各固定板36,36の表面側からネジを貫通孔に挿通し更にネジ穴に螺合して固定する。これによって、駆動ユニット22の上にトランス部25及び整流部26が配置された状態で両側から固定板36,36で挟まれた一体構成となる。
各固定板36,36の間のトランス部25の上方には、取付部31(図2参照)がネジで固定されている。取付部31は、各固定板36,36の間に嵌合される板状部31aと、板状部31aの上面中央に低く突き出た柱状部31b(図2)と、柱状部31bの上に位置する円板部31cとを備える。円板部31cの上面の周辺部分には、所定間隔で周回状に貫通孔(又はネジ穴)31dが形成されている。
この貫通孔31dを介して取付部31を、図示せぬロボットや支柱等の被固定部に取り付ける場合、各貫通孔31dに表側から被固定部のボルトを挿通し、裏側からナット締めして取り付けるようになっている。なお、貫通孔31dがネジ穴31dの場合は被固定部のネジを螺合する。また、取付部31は、トランス部25の上方に限らず、接合装置20の横側や後側等に目的に応じて自在に配置することができる。また、接合装置20をロボットに取り付ける場合、カップリング23k{図3(a)参照}から各電極24a,24bまでの間の部分を用い、カップリング23kをロボットの伸縮自在なロッド等に取り付けてもよい。この場合、各電極24a,24bへの電流の供給はロボットから行なうようにする。
各固定板36,36の間の取付部31の前方側には、アーム32がネジで固定されている。アーム32は、概略アーチ状を成し、基端側に板状の基部32aを備え、先端側にアームホルダ33がネジで固定されている。基部32aが固定板36,36間にネジで固定されることにより、アーム32が、駆動ユニット22、トランス部25及び整流部26等に一体に組付けられている。
アームホルダ33の先端側には、柱状の丸アーム34が固定されている。丸アーム34の先端側の、電極部24との対向面には受圧部35(図2参照)が、電極部24の先端側と所定距離離間して対向状態に固定されている。受圧部35は、図5(a)に示すように、電極部24に対向する端面に、所定の径及び深さの寸法の穴35aが形成されている。
図2に示すように、モータ21は、回転軸が駆動ユニット22内のボールネジ22bに組付けられている。ボールネジ22bは、ネジ軸(図示せず)がモータ21の回転軸に直線状に取り付けられており、ネジ軸に組付けられたボールナット(図示せず)に、ロッド22aの基端側が組付けられている。モータ21の正転に応じてボールナットが前方(受圧部35方向)に移動し、この移動に応じてロッド22aが前方に伸び{図5(b)参照}、モータ21の逆転に応じてボールナットが後方に移動し、この移動に応じてロッド22aが後方に縮退して縮む{図6(b)参照}ようになっている。このロッド22aの伸縮に応じて電極押圧部23が前後退し、これに応じて電極部24も後述のように前後退する。
ここで、図2の枠F1で囲んだ電極押圧部23及び電極部24の詳細な構成を、図3(a)及び(b)に示して説明する。
電極押圧部23は、先端に中心電極24aが固定された棒状の電極ホルダ23aと、この電極ホルダ23aが進退自在に挿通される円筒状のピストン23cとを備える。ピストン23cの基端部には、外周溝に嵌合されたOリングによるパッキン23bが配設されている。また、電極押圧部23は、電極ホルダ24dの後に固定されたピストントップ23eと、このピストントップ23eが進退自在に挿通される円筒状のピストン23g,23gとを備える。各ピストン23g,23gの基端部には、外周溝に嵌合されたOリングによるパッキン23b,23bが配設されている。
各ピストン23c,23g,23gは、直方体状のシリンダ部23j(図1の符号23参照)に形成された3つの円柱形状の空洞によるシリンダ内に移動自在に挿通されている。この挿通時に、各ピストン23c,23g,23gが最も奥まで挿通された際に、その先端部がシリンダ部23jから突き出るようになっている。各シリンダの後端側には、互いのシリンダを空洞で連結する連結部23hが形成されている。連結部23hの内部には、油、グリス、水等の流体23iが密閉状に満たされており、この流体23iは、各ピストン23c,23g,23gの後端面まで満たされている。シリンダ部23jは、カップリング23kでロッド22aの先端に連結されている。
次に、電極部24は、棒状で先端面が曲面状の中心電極24aと、この中心電極24aを囲む、先端が尖った環状の外周電極24bと、外周電極24bの後方の電極ホルダ24dに固定された環状の導電材料によるシャンク24cとを備えて構成されている。なお、外周電極24bの環状は、図3(b)に示すように中心電極24aを中心とする同心円の環状がよい。
中心電極24aの先端面は、平面又は予め定められた曲率半径の曲面となっており、先端側の径はボルト11(図7参照)の円盤状の頭部11aの径よりも小さい寸法となっている。また、外周電極24bの環状の尖った先端の径は頭部11aよりも僅かに小さい寸法となっている。更に、外周電極24bのみを交換可能となっており、これにより消耗品を少なくしている。なお、頭部11aは、請求項記載の接合部を構成する。
外周電極24bは、同心円の他、楕円や概略円形状の環状でもよく、更には、三角形や四角形等の多角形の環状でもよい。外周電極24bの尖った先端の角度は、例えば90度であるとする。シャンク24cは、外周電極24bに応じた形状とするのが好ましい。また、中心電極24a及び外周電極24b,シャンク24cは、図示はしないが冷却水により冷却されている。
図4に中心電極24a及び外周電極24bが、ボルト11の頭部11aに当接された状態を示す。ボルト11は、ネジが形成された円柱形状のネジ部(雄ネジ部)11bが、樹脂板12に形成された貫通孔12aに挿通され、頭部座面部11cが樹脂板12に当接した状態となっている。このボルト11の頭部11aは円盤状であり、後述のように頭部11aを樹脂板12に接合した後に、樹脂板12から突き出たネジ部11bに六角等の多角形のナット等が螺合されるようになっている。但し、ボルト11の頭部11aは、多角形であってもよい。なお、頭部座面部11cは、請求項記載の座面部を構成する。
矢印Y1で示すようにロッド22aが伸ばされると、各ピストン23c,23g,23gの伸縮動作によって、中心電極24a及び外周電極24bが、樹脂板12の貫通孔12aに挿通されたボルト11の頭部11aに所定圧力で当接される。
この当接した中心電極24aから外周電極24bへ電流i1を流すと、電流i1により頭部11aが抵抗加熱される。この抵抗加熱領域は、中心電極24aから環状の外周電極24b内の頭部11aに満遍なく電流i1が流れることによるものなので、外周電極24bの環状の面積に対応する面形状となる。このように、抵抗加熱により樹脂溶融可能温度となった頭部11aの頭部座面部11cに当接する樹脂板12の部位が、符号12bで示すように溶融する。この溶融部分を樹脂溶融部12bという。なお、頭部11aが抵抗加熱されるので、この熱はネジ部11bにも伝導する。なお、電流i1は、上記と逆方向に、外周電極24bから頭部11aを介して中心電極24aへ流してもよい。
<第1実施形態の金属樹脂接合体の製造動作>
次に、第1実施形態の樹脂板12にボルト11を接合して金属樹脂接合体を製造する動作を、図5及び図6を参照して説明する。
前提条件として、図5(a)に示すように、受圧部35の端面には、ボルト11のネジ部11bの径よりも大きく且つネジ部11bの長さよりも深い寸法の穴35aが形成されている。また、受圧部35の端面には、樹脂板12の貫通孔12a(図4)と受圧部35の穴35aとが合わされて樹脂板12がセットされている。更に、ボルト11のネジ部11bが樹脂板12の貫通孔12a及び受圧部35の穴35aに挿通されてセットされている。このセットは、例えば互いに組合された樹脂板12及びボルト11が図示せぬ把持固定機構で把持固定されているとする。
この際、ロッド22aは縮んでおり、中心電極24aが外周電極24bよりも突き出た状態となっている。トランス部25(図1)は、図示せぬ電源から1次側に供給される例えば600Vの交流電圧を10Vに降圧して2次側へ出力し、この出力時の例えば5000Aの交流電流を整流部26(図1)で直流電流に整流可能となっている。この整流後の直流電圧の正電圧が、各電極24a,24bのボルト11への当接時に、2次導体26p(図1)を介して中心電極24aへ印加され、負電圧が2次導体26m(図1)を介して外周電極24bへ印加されるようになっている。
図5(b)に矢印Y3で示すように、ロッド22aが伸ばされると、シリンダ部23jが前進し、この前進に応じて中心電極24aがボルト11の頭部11aに所定圧力で当接される。
更にロッド22aが伸ばされると、シリンダ部23jが更に前進して、ピストン23cの後端で矢印Y4で示すように流体23iが後方へ押し出される。この流体23iは、更に、矢印Y5,Y5で示すように上下のピストン23g,23gの後端側を押圧しながら移動する。
この押圧移動により、上下のピストン23g,23gが矢印Y6,Y6で示す前方向に移動するので、ピストントップ23eが所定の押圧力で押されながら電極ホルダ24d、シャンク24cを介して外周電極24bがボルト11の頭部11aに当接する。この際、連結部23h内の流体23iが3つのピストン23c,23g,23gを均等に押圧するため、中心電極24a及び外周電極24bが頭部11aに均等に頭部11aに押圧される。なお、3つのピストン23c,23g,23g及びこれらが入る各シリンダの断面積のバランスを変更することで、各電極24a,24bが頭部11aに当接する際の圧力配分を規定の状態に変えることができる。
各電極24a,24bがボルト11の頭部11aに当接した後に、図6(a)に示すように、中心電極24aから外周電極24bへ頭部11aを介して電流i1が流される。これによって、中心電極24aから頭部11aを介して外周電極24bの環状の周回端面へ向かって電流i1が流れる。この電流i1により頭部11aが抵抗加熱され、樹脂溶融可能温度になると、頭部座面部11cに当接する樹脂板12の部位が溶融{図7の樹脂溶融部12b}する。
この溶融後に電流i1を止めると、樹脂溶融部12bが、電極24a、電極ホルダ24dの内部に流れる冷却水により冷却されて固化し、ボルト11に接合される。この際、その固化が行なわれるまで各電極24a,24bでボルト11を押圧する。これによって、ボルト11が樹脂板12に接合された金属樹脂接合体が形成される。
この後、図6(b)に矢印Y7で示すように、ロッド22aを、最小限まで縮めて、金属樹脂接合体を取り出す。
<第1実施形態の効果>
以上説明したように、第1実施形態は、平面から突出部が突出する形状の金属製の小物部品としてのボルト11を、熱可塑性の樹脂材である樹脂板12に接合する金属樹脂接合体の製造方法であり、次のような特徴を有する。
ボルト11に当接される中心電極24aと、この中心電極24aを環状に囲むようにボルト11に当接され、中心電極24aとの間にボルト11を介して電流が流される外周電極24bとを備える金属樹脂接合装置20を用いる。樹脂板12に当接されたボルト11に、中心電極24a及び外周電極24bを当接するステップと、中心電極24aと外周電極24b間にボルト11を介して電流を流し、この電流によりボルト11に生じる抵抗発熱で樹脂板12を溶融するステップと、樹脂板12の溶融した部分を固化させてボルト11を樹脂板12に接合するステップとを実行するようにした。
この方法によれば、樹脂板12に当接したボルト11の抵抗発熱により樹脂板12を溶融させるので、この溶融部分にボルト11の当接部分が溶着又は入り込む。この後、溶融部分を固化させるので、ボルト11の一部が溶融部分に溶着又は入り込んだ状態で樹脂板12と一体に接合されることになる。この強い結合では、例えばボルト11に横や斜め方向に強い力が働いても、ボルト11が樹脂板12から外れることがなくなる。この結合は、ある種の接着剤でのボルト11と樹脂板12との結合よりも強くすることができる。
つまり、本実施形態では、樹脂板12にボルト11を容易に外れない強い強度で接合することができる。また、樹脂板12に当接されたボルト11に電流を流して抵抗発熱で樹脂板12を溶融し、この溶融部分を固化させるだけで、ボルト11を樹脂板12に接合できるので、人体に無害且つ短時間で簡単に接合することができる。
<第1実施形態の変形例1>
第1実施形態の変形例1の特徴は、図8に示すように、ボルト11G1〜11G7の頭部座面部11cに突起手段(後述)を設け、樹脂板12の溶融時に当接面積を増やした点にある。図8の(a1)〜(g1)はボルト11の縦方向の断面図であり、(a2)〜(g2)はボルト11の頭部座面部11cの平面図である。
図8(a1)及び(a2)に示すボルト11G1は、突起手段としての4つの凸部T1を、頭部座面部11cにボルト軸対象に設けた形状を成す。このボルト11G1は、ボルト11G1のネジ部11bを図7に示すように樹脂板12の貫通孔12aに挿通してセットした際に、各凸部T1のみが樹脂板12に当接する。
この当接状態で頭部11aに電流i1を流すと、頭部座面部11cが加熱されて各凸部T1も即時伝導加熱されるので、接触面積の小さい各凸部T1のみが樹脂板12を短時間で溶融する。この溶融部分に各凸部T1が入り込むと、各凸部T1以外の頭部座面部11cが樹脂板12の表面に当接して加熱する。この時、各凸部T1が既に樹脂板12の中に入り込み樹脂板12を加熱しているので、その表面の加熱と併せて樹脂板12の加熱面積が増加し、樹脂板12をより短時間で溶融することができる。また、溶融後に樹脂板12を固化した状態では、各凸部T1が樹脂板12の中に入り込んで一体に結合されているので、樹脂板12へのボルト11G1の接合強度をより強くすることができる。
このような加熱動作により短時間で溶融する作用効果と、固化後の接合強度をより強くする作用効果は、後述する図8(b1)〜(g1)及び(b2)〜(g2)に示す構成のボルト11G2〜11G7においても同様である。このため、ボルト11G2〜11G7においは突起手段の形状のみを説明する。
図8(b1)及び(b2)に示すボルト11G2は、頭部座面部11cに突起手段としての周回凸部T2を設けた構成となっている。周回凸部T2は、頭部座面部11cにボルト軸(軸ともいう)を中心に同心円状に凸部を設けた形状を成す。その凸部は先端部が断面湾曲形状となっている。
図8(c1)及び(c2)に示すボルト11G3は、頭部座面部11cに突起手段としての先鋭凸部T3を設けた構成となっている。先鋭凸部T3は、断面三角状で先の尖った形状を成す。この形状の先鋭凸部T3が、頭部座面部11cに軸を中心とした同心円に沿って離間状に複数設けられている。
図8(d1)及び(d2)に示すボルト11G4は、頭部座面部11cに突起手段としての先鋭周回凸部T4を設けた構成となっている。先鋭周回凸部T4は、頭部座面部11cに軸を中心とした同心円状に形成され、断面形状が三角状で先の尖った形状となっている。
図8(e1)及び(e2)に示すボルト11G5は、頭部座面部11cに角状凸部T5を設けた構成となっている。角状凸部T5は、断面角状の凸形状を成す。この角状凸部T5が、頭部座面部11cに軸を中心とした同心円に沿って離間状に複数設けられている。
図8(f1)及び(f2)に示すボルト11G6は、頭部座面部11cに突起手段としての連続角状凸部T6を設けた構成となっている。連続角状凸部T6は、断面角状の凸形状を成し、この凸形状が、頭部座面部11cに軸を中心とした同心円に沿って連続的に設けられている。
図8(g1)及び(g2)に示すボルト11G7は、頭部座面部11cに突起手段としての連続先鋭凸部T7を設けた構成となっている。連続先鋭凸部T7は、断面形状が鋸歯状となっており、この鋸歯形状が頭部座面部11cに軸を中心に同心円状に形成されている。
但し、上述した図8(a1)〜(g1)及び(a2)〜(g2)に示した突起手段T1〜T7は、鍛造や鋳造等で形成が可能である。
ボルト11G1〜11G7において、図8(a1)及び(a2)に示したボルト11G1と、図8(c1)及び(c2)に示したボルト11G3と、図8(e1)及び(e2)に示したボルト11G5とは、凸部T1、先鋭凸部T3及び角状凸部T5が、頭部座面部11cに、軸を中心に同心円に沿って離間状に複数設けられている。これら凸部T1、先鋭凸部T3及び角状凸部T5のような突起手段は、同心円状でなくとも、ネジ部11bの周囲の円周方向に沿って離間状に設けてもよい。
このような構成においては、凸部T1、先鋭凸部T3及び角状凸部T5が、上記の樹脂板12の溶融後の固化によって、ボルト11を回す回転方向に沿って離間状に入り込んで結合される。このため、ボルト11がこの回転方向に対して強い抗力で樹脂板12に接合されることになる。
<第1実施形態の変形例2>
第1実施形態の変形例2の特徴は次のようにした点にある。
即ち、図9(a)に示すように、ボルト11G10の頭部座面部11cの周縁部に沿って突起手段としての逆楔形状凸部T10を設けた点にある。この逆楔形状凸部T10は、頭部座面部11cの周縁部に、ネジ部11bの突出方向と同方向に周回して破線で示す凸部T10aを設け、この凸部T10aを全周に渡り外周側から押圧してネジ部11b側に所定角度で曲げ傾斜させて形成してある。なお、逆楔形状凸部T10は、請求項記載の第1逆楔形状凸部を構成する。
同様に、図9(b)に示すように、ボルト11G11の頭部座面部11cの周縁部に沿って突起手段としての逆楔形状凸部T11を設けた点にある。逆楔形状凸部T11は、基端側よりも先端側の方が幅広となっている。なお、逆楔形状凸部T11は、請求項記載の第2逆楔形状凸部を構成する。
更に、図9(c)に示すように、ボルト11G12の頭部座面部11cの周縁部に沿って突起手段としての楔形状凸部T12を設けた点にある。楔形状凸部T12は、先端側が尖った形状となっている。この楔形状凸部T12は先細り形状であればよい。
なお、逆楔形状凸部T10、逆楔形状凸部T11及び楔形状凸部T12は、鍛造や鋳造等で設けることが可能である。
図10(a)に示すように、ボルト11G10のネジ部11bを樹脂板12の貫通孔12aに挿通し、樹脂板12に逆楔形状凸部T10のみが当接するようにセットする。
次に、図10(b)に示すように、頭部11aに電流i1を流すと、頭部座面部11cが加熱されて逆楔形状凸部T10も即時伝導加熱されるので、接触面積の小さい逆楔形状凸部T10のみが樹脂板12を短時間で溶融する。この溶融部分に逆楔形状凸部T10が入り込むと、逆楔形状凸部T10以外の頭部座面部11cが樹脂板12の表面に当接して加熱する。
この時、逆楔形状凸部T10が既に樹脂板12の中に入り込み樹脂板12を加熱しているので、その表面の加熱と併せて樹脂板12の加熱面積が増加し、樹脂板12をより短時間で溶融することができる。また、溶融後に樹脂板12を固化した状態では、ネジ部11b側に曲がった逆楔形状凸部T10が樹脂板12の中に入り込んで一体に結合されているので、樹脂板12からボルト11G10が抜けなくなる。更に、樹脂板12へのボルト11G10の接合強度をより強くすることができる。
このような作用効果は、ボルト11G11及び11G12においても、逆楔形状凸部T11及び楔形状凸部T12によって同様に得ることができる。
<第2実施形態の構成>
本発明の第2実施形態に係る金属樹脂接合体の製造方法が、第1実施形態と異なる点は、図11に示すように、樹脂板12にボルト11の頭部11aの平面(頭部平面ともいう)11dを接合するようにした点にある。なお、平面11dは、ボルト11の頭部11aを上にして立てた際の頭部11aの上面のことである。第2実施形態で適用される金属樹脂接合装置20は、第1実施形態のものと同様である。
まず、樹脂板12の上に、ボルト11の頭部平面11dを載置してセットする。このボルト11のネジ部11bの端面に中心電極24aを所定圧力で当接し、外周電極24bを頭部座面部11cに所定圧力で当接する。この状態で、中心電極24aから外周電極24bへ頭部11aを介して電流i1を流すと、頭部11aが抵抗加熱され、樹脂溶融可能温度になると、頭部平面11dに当接する樹脂板12の部位が溶融12bする。
この溶融後に電流i1を止めると、樹脂溶融部12bが、電極24a、電極ホルダ24dの内部に流れる冷却水により冷却されて固化し、ボルト11に接合される。この際、その固化が行なわれるまで各電極24a,24bでボルト11を押圧する。これによって、ボルト11の頭部11aが樹脂板12に接合された金属樹脂接合体が形成される。
<第2実施形態の効果>
以上説明したように、第2実施形態は、ボルト11の頭部平面11dを樹脂板12に接合する金属樹脂接合体の製造方法であり、次のような特徴を有する。
ボルト11の頭部平面11dを、樹脂板12に当接してセットするステップと、樹脂板12に頭部平面11dが当接されたボルト11のネジ部11bの端面に中心電極24aを当接し、頭部11aの頭部座面部11cに外周電極24bを当接するステップとを実行する。更に、中心電極24aと外周電極24b間に頭部11aを介して電流を流し、この電流により頭部11aに生じる抵抗発熱で樹脂板12を溶融するステップと、樹脂板12の溶融部分を固化させてボルト11を樹脂板12に接合するステップとを実行するようにした。
この方法によれば、電流i1が流れるボルト11の頭部11aに生じる抵抗発熱で、頭部平面11dに当接する樹脂板12が溶融し、この溶融部分に頭部平面11dが溶着又は入り込む。この状態で溶融部分を固化させると、頭部平面11dが樹脂板12に溶着又は入り込んだ状態でボルト11が樹脂板12に一体に接合されるので、ボルト11を樹脂板12に、より強固に接合することができる。
つまり、本実施形態では、樹脂板12にボルト11を容易に外れない強い強度で接合することができる。また、樹脂板12に当接されたボルト11に電流を流して抵抗発熱で樹脂板12を溶融し、この溶融部分を固化させるだけで、ボルト11を樹脂板12に接合できるので、人体に無害且つ短時間で簡単に接合することができる。
<第2実施形態の変形例1>
第2実施形態の変形例1の特徴は、図12に示すように、ボルト11H1〜11H7の平面11dに突起手段を設け、樹脂板12の溶融時に当接面積を増やした点にある。図12の(a1)〜(g1)はボルトの平面11dの平面図であり、(a2)〜(g2)はボルトの縦方向の断面図である。
図12(a1)及び(a2)に示すボルト11H1は、突起手段としての4つの凸部T1を、平面11dに軸対象に設けた形状を成す。このボルト11H1は、ボルト11H1の頭部平面11dを、図11に示すように樹脂板12にセットした際に、各凸部T1のみが樹脂板12に当接する。
この当接状態で頭部11aに電流i1を流すと、平面11dが加熱されて各凸部T1も即時伝導加熱されるので、接触面積の小さい各凸部T1のみが樹脂板12を短時間で溶融する。この溶融部分に各凸部T1が入り込むと、各凸部T1以外の平面11dが樹脂板12の表面に当接して加熱する。この時、各凸部T1が既に樹脂板12の中に入り込み樹脂板12を加熱しているので、その表面の加熱と併せて樹脂板12の加熱面積が増加し、樹脂板12をより短時間で溶融することができる。また、溶融後に樹脂板12を固化した状態では、各凸部T1が樹脂板12の中に入り込んで一体に結合されているので、樹脂板12へのボルト11H1の接合強度をより強くすることができる。
このような加熱動作による短時間での溶融効果と、固化後の接合強度をより強くする効果は、後述する図12(b1)〜(g1)及び(b2)〜(g2)に示す構成のボルト11H2〜11H7においても同様である。ボルト11H2〜11H7の平面11dに設けられた突起手段は、上述の図8に示した頭部座面部11cに設けられた突起手段と同形状である。
図12(b1)及び(b2)に示すボルト11H2は、平面11dに突起手段としての周回凸部T2を設けた構成、図12(c1)及び(c2)に示すボルト11H3は、平面11dに突起手段としての先鋭凸部T3を設けた構成、図12(d1)及び(d2)に示すボルト11H4は、平面11dに突起手段としての先鋭周回凸部T4を設けた構成となっている。
図12(e1)及び(e2)に示すボルト11H5は、平面11dに突起手段としての角状凸部T5を設けた構成、図12(f1)及び(f2)に示すボルト11H6は、平面11dに突起手段としての連続角状凸部T6を設けた構成、図12(g1)及び(g2)に示すボルト11H7は、平面11dに突起手段としての連続先鋭凸部T7を設けた構成となっている。
これらのボルト11H1〜11H7において、図12(a1)及び(a2)に示したボルト11H1と、図12(c1)及び(c2)に示したボルト11H3と、図12(e1)及び(e2)に示したボルト11H5とは、凸部T1、先鋭凸部T3及び角状凸部T5が、平面11dに、軸を中心に同心円に沿って離間状に設けられている。但し、凸部T1、先鋭凸部T3及び角状凸部T5のような突起手段は、同心円状でなくとも、ネジ部11bの周囲の円周方向に沿って離間状に設けてもよい。この凸部T1、先鋭凸部T3及び角状凸部T5は、上記の樹脂板12の溶融後の固化によって、ボルト11を回す回転方向に沿って離間状に入り込んで結合される。このため、ボルト11がこの回転方向に対して強い抗力で樹脂板12に接合されることになる。
<第2実施形態の変形例2>
第2実施形態の変形例2の特徴は、突起手段として、上述した図9(a)〜(c)に示した逆楔形状凸部T10,T11及び楔形状凸部T12を、図13(a)〜(c)に示すように、ボルト11H10〜11H12の頭部平面11dに設けた点にある。
即ち、図13(a)に示すように、ボルト11H10の平面11dの周縁部に沿って逆楔形状凸部T10が設けられている。同様に、図13(b)に示すように、ボルト11H11の平面11dの周縁部に沿って逆楔形状凸部T11が設けられている。更に、図13(c)に示すように、ボルト11H12の平面11dの周縁部に沿って楔形状凸部T12が設けられている。
図14(a)に示すように、ボルト11H10の頭部平面11dを樹脂板12に載置し、逆楔形状凸部T10のみが樹脂板12に当接するようにセットする。
次に、図14(b)に示すように、頭部11aに電流i1を流すと、平面11dが加熱されて逆楔形状凸部T10も即時伝導加熱されるので、接触面積の小さい逆楔形状凸部T10のみが樹脂板12を短時間で溶融する。この溶融部分に逆楔形状凸部T10が入り込むと、逆楔形状凸部T10以外の平面11dが樹脂板12の表面に当接して加熱する。
この時、逆楔形状凸部T10が既に樹脂板12の中に入り込み樹脂板12を加熱しているので、その表面の加熱と併せて樹脂板12の加熱面積が増加し、樹脂板12をより短時間で溶融することができる。また、溶融後に樹脂板12を固化した状態では、ネジ部11b側に曲がった逆楔形状凸部T10が樹脂板12の中に入り込んで一体に結合されているので、樹脂板12からボルト11H10が抜けなくなる。更に、樹脂板12へのボルト11H10の接合強度をより強くすることができる。
このような作用効果は、ボルト11H11及び11H12においても、逆楔形状凸部T11及びT12によって同様に得ることができる。
<第3実施形態の構成>
図15(a)は本発明の第3実施形態に係る金属樹脂接合体の製造方法に適用される金属樹脂接合装置20Aの構成を示す断面図である。この金属樹脂接合装置20Aが第1実施形態の金属樹脂接合装置20と異なる点は、中心電極24aに、ボルト11のネジ部11bが挿入可能な開口穴24a1を形成したことにある。開口穴24a1は、中心電極24aの端面から開口{図15(b)参照}して奥行き方向に円柱形状の空洞となっており、ネジ部11bの全てが挿入可能な深さと内径を有している。
開口穴24a1の内径は、ネジ部11bを挿入した際に、開口穴24a1の内壁とネジ部11bとの間に隙間ができるサイズとなっている。言い換えれば、その内径は、ネジ部11bを挿入した際に、ネジ部11bと開口穴24a1の内壁とが電気的に絶縁状態とできるサイズとなっている。なお、開口穴24a1の内壁に絶縁材を施し、この絶縁材の内側にネジ部11bが挿入できるようにして絶縁してもよい。
図15(c)に示すように、樹脂板12に、ボルト11の頭部平面11dを当接してセットする。このセットされたボルト11のネジ部11bが、開口穴24a1に挿入されるように中心電極24aを移動し、更に中心電極24aの開口穴24a1の周縁部が頭部座面部11cに当接するまで移動する。次に、外周電極24bを頭部座面部11cに当接するまで移動する。
この移動により、中心電極24a及び外周電極24bが頭部座面部11cに所定圧力で当接した後に、中心電極24aから外周電極24bへ頭部11aを介して電流i1を流す。この電流i1は、中心電極24aの開口穴24a1を形成する筒状部分を流れ、頭部11aを経由して外周電極24bへ流れる。このため、電流i1は、頭部11aの周縁側に環状に流れ、この環状部分を最も抵抗加熱することになるが、この加熱は短時間で頭部11aに全体に伝導する。このように頭部11aが加熱され、樹脂溶融可能温度になると、頭部平面11dに当接する樹脂板12の部位が溶融(樹脂溶融部12b)する。
この溶融後に電流i1を止め、樹脂板12を冷却すると樹脂溶融部12bが固化し、上述したようにボルト11に接合される。即ち、頭部平面11dが樹脂板12に溶着又は入り込んだ状態でボルト11が樹脂板12に一体に接合されるので、ボルト11を樹脂板12に、より強固に接合することができる。また、その接合を人体に無害且つ短時間で簡単に行うことができる。
ボルト11として、上述の図12に示したボルト11H1〜11H7を用いても、ボルト11H1〜11H7を樹脂板12に、より強固に接合することができ、その接合を人体に無害且つ短時間で簡単に行うことができる。
<第4実施形態の構成>
図16は本発明の第4実施形態に係る金属樹脂接合体の製造方法を説明するための金属樹脂接合装置20及びフランジ付ナット41が組合された樹脂板12の構成を示す断面図である。
第4実施形態は、フランジ付ナット41を樹脂板12に接合する方法である。
フランジ付ナット41は、図17(a)に示すように、貫通するネジ穴41aを有する筒状のナット部(雌ネジ部)41bが、概略長方形の平板で環状(平板環状)のフランジ部41cに穴が連通する状態に一体に固定されて成る。ナット部41bが突き出た側のフランジ部41cの面をフランジ表面とし、この逆側のフランジ部41cの面をフランジ裏面とする。なお、フランジ部41cは、請求項記載の接合部を構成する。
ナット部41bの外周は円周状であり、後述のようにフランジ部41cを樹脂板12に接合した後に、この接合されたナット部41bのネジ穴41aに、多角形の頭部を有するボルト等が螺合されるようになっている。但し、ナット部41bの外周は、多角形であってもよい。
この他、図17(b)に示すように、フランジ部42cが平板で円環状(平板環状)を成すフランジ付ナット42を用いてもよい。このフランジ付ナット42は、ネジ穴42aを有するナット部42bがフランジ部42cに一体に固定されて成る。このナット部42bの外周も、多角形であってもよい。なお、フランジ部42cは、請求項記載の接合部を構成する。
図16に示すフランジ付ナット41は、ナット部41bを樹脂板12に形成された貫通孔12aに挿通するステップによって、フランジ表面が樹脂板12に当接されている。更に、中心電極24a及び外周電極24bを、フランジ裏面に所定圧力で当接するステップを行う。
この当接した中心電極24aから外周電極24bへ電流i1を流すステップを行う。これによって、電流i1によりフランジ部41cが抵抗加熱され、この熱はナット部41bへも伝導される。この抵抗加熱により樹脂溶融可能温度となったフランジ部41c及びナット部41bに当接する樹脂板12の部位が溶融(樹脂溶融部12b)する。
この溶融後に電流i1を止め、樹脂溶融部12bを冷却して固化するステップを行うと、その固化部分にフランジ表面及びナット部41bの外周が接合される。これによって、フランジ付ナット41が樹脂板12に接合された金属樹脂接合体が形成される。
<第4実施形態の効果>
以上説明したように、第4実施形態は、フランジ付ナット41を樹脂板12に接合する金属樹脂接合体の製造方法であり、次のような特徴を有する。
フランジ付ナット41に当接される中心電極24aと、この中心電極24aを環状に囲むようにフランジ付ナット41に当接され、中心電極24aとの間にフランジ付ナット41を介して電流が流される外周電極24bとを備える金属樹脂接合装置20を用いる。
フランジ付ナット41を、ナット部41bを樹脂板12に形成された貫通孔12aに挿通して樹脂板12にフランジ表面が当接した状態でセットするステップと、樹脂板12にセットされたフランジ付ナット41のフランジ裏面に、中心電極24a及び外周電極24bを当接するステップと、中心電極24aと外周電極24b間にフランジ付ナット41を介して電流を流し、この電流によりフランジ付ナット41に生じる抵抗発熱で樹脂板12を溶融するステップと、樹脂板12の溶融部分を固化させてフランジ付ナット41を樹脂板12に接合するステップとを実行するようにした。
この方法によれば、樹脂板12に当接したフランジ付ナット41の抵抗発熱により樹脂板12を溶融させるので、この溶融部分にフランジ付ナット41の当接部分が溶着又は入り込む。この後、溶融部分を固化させるので、フランジ付ナット41の一部が溶融部分に溶着又は入り込んだ状態で樹脂板12と一体に強く接合される。
つまり、本実施形態では、樹脂板12にフランジ付ナット41を容易に外れない強い強度で接合することができる。また、樹脂板12に当接されたフランジ付ナット41に電流を流して抵抗発熱で樹脂板12を溶融し、この溶融部分を固化させるだけで、フランジ付ナット41を樹脂板12に接合できるので、人体に無害且つ短時間で簡単に接合することができる。
<第4実施形態の変形例1>
第4実施形態の変形例1の特徴は、図18に示すように、フランジ付ナット41G1〜41G7のフランジ表面に突起手段を設け、樹脂板12の溶融時に当接面積を増やした点にある。図18の(a1)〜(g1)はフランジ付ナット41のフランジ表面の平面図であり、(a2)〜(g2)はフランジ付ナット41の縦方向の断面図である。
図18(a1)及び(a2)に示すフランジ付ナット41G1は、突起手段としての4つの凸部K1を、フランジ表面にナット軸対象に設けた形状を成す。なお、ナット軸とは、ナット部41bのネジ穴41aの中心軸である。以降、単に軸とも称す。
フランジ付ナット41G1は、ナット部41bを図16に示すように樹脂板12の貫通孔12aに挿通してセットした際に、各凸部K1のみが樹脂板12に当接する。
この当接状態で頭部11aに電流i1を流すと、フランジ表面が加熱されて各凸部K1も即時伝導加熱されるので、接触面積の小さい各凸部K1のみが樹脂板12を短時間で溶融する。この溶融部分に各凸部K1が入り込むと、各凸部K1以外のフランジ表面が樹脂板12の表面に当接して加熱する。この時、各凸部K1が既に樹脂板12の中に入り込み樹脂板12を加熱しているので、その表面の加熱と併せて樹脂板12の加熱面積が増加し、樹脂板12をより短時間で溶融することができる。更には、ナット部41bも伝導熱で加熱されるので、この加熱によりナット部41bに当接する樹脂板12の部位も溶融する。
次に、上記溶融後に樹脂板12を固化した状態では、各凸部K1が樹脂板12の中に入り込んで一体に結合されているので、樹脂板12へのフランジ付ナット41G1の接合強度をより強くすることができる。
このような加熱動作により短時間で溶融する作用効果と、固化後の接合強度をより強くする作用効果は、後述する図18(b1)〜(g1)及び(b2)〜(g2)に示す構成のフランジ付ナット41G2〜41G7においても同様である。このため、フランジ付ナット41G2〜41G7においは突起手段の形状のみを説明する。
図18(b1)及び(b2)に示すフランジ付ナット41G2は、フランジ表面に突起手段としての周回凸部K2を設けた構成となっている。周回凸部K2は、フランジ表面にナット軸を中心に同心円状に凸部を設けた形状を成す。その凸部は先端部が断面湾曲形状となっている。
図18(c1)及び(c2)に示すフランジ付ナット41G3は、フランジ表面に突起手段としての先鋭凸部K3を設けた構成となっている。先鋭凸部K3は、断面三角状で先の尖った形状を成す。この形状の先鋭凸部K3が、フランジ表面に軸を中心とした同心円に沿って離間状に複数設けられている。
図18(d1)及び(d2)に示すフランジ付ナット41G4は、フランジ表面に突起手段としての先鋭周回凸部K4を設けた構成となっている。先鋭周回凸部K4は、フランジ表面に軸を中心とした同心円状に形成され、断面形状が三角状で先の尖った形状となっている。
図18(e1)及び(e2)に示すフランジ付ナット41G5は、フランジ表面に角状凸部K5を設けた構成となっている。角状凸部K5は、断面角状の凸形状を成す。この角状凸部K5が、フランジ表面に軸を中心とした同心円に沿って離間状に複数設けられている。
図18(f1)及び(f2)に示すフランジ付ナット41G6は、フランジ表面に突起手段としての連続角状凸部K6を設けた構成となっている。連続角状凸部K6は、断面角状の凸形状を成し、この凸形状が、フランジ表面に軸を中心とした同心円に沿って連続的に設けられている。
図18(g1)及び(g2)に示すフランジ付ナット41G7は、フランジ表面に突起手段としての連続先鋭凸部K7を設けた構成となっている。連続先鋭凸部K7は、断面形状が鋸歯状となっており、この鋸歯形状がフランジ表面に軸を中心に同心円状に形成されている。
但し、上述した図18(a1)〜(g1)及び(a2)〜(g2)に示した突起手段K1〜K7は、鍛造や鋳造等で形成が可能である。
フランジ付ナット41G1〜41G7において、図18(a1)及び(a2)に示したフランジ付ナット41G1と、図18(c1)及び(c2)に示したフランジ付ナット41G3と、図18(e1)及び(e2)に示したフランジ付ナット41G5とは、凸部K1、先鋭凸部K3及び角状凸部K5が、フランジ表面に、軸を中心に同心円に沿って離間状に複数設けられている。これら凸部K1、先鋭凸部K3及び角状凸部K5のような突起手段は、同心円状でなくとも、ナット部41bの周囲の円周方向に沿って離間状に設けてもよい。
このような構成においては、凸部K1、先鋭凸部K3及び角状凸部K5が、上記の樹脂板12の溶融後の固化によって、ナットを回す回転方向に沿って離間状に入り込んで結合される。このため、フランジ付ナット41がその回転方向に対して強い抗力で樹脂板12に接合されることになる。
<第5実施形態の構成>
本発明の第5実施形態に係る金属樹脂接合体の製造方法が、第4実施形態と異なる点は、図19に示すように、樹脂板12にフランジ付ナット41のフランジ裏面を接合するようにした点にある。
まず、樹脂板12の上に、フランジ付ナット41のフランジ裏面を載置してセットする。このフランジ付ナット41のナット部41bの端面に中心電極24aを所定圧力で当接し、外周電極24bをフランジ表面に所定圧力で当接する。この状態で、中心電極24aから外周電極24bへナット部41b及びフランジ部41cを介して電流i1を流すと、ナット部41b及びフランジ部41cが抵抗加熱され、樹脂溶融可能温度になると、フランジ裏面に当接する樹脂板12の部位が溶融(樹脂溶融部12b)する。この場合、フランジ裏面は、円環状なので円環状に溶融する。
この溶融後に電流i1を止め、樹脂溶融部12bを冷却して固化すると、フランジ付ナット41が樹脂板12に接合される。
<第5実施形態の効果>
以上説明したように、第5実施形態は、フランジ付ナット41のフランジ裏面を樹脂板12に接合する金属樹脂接合体の製造方法であり、次のような特徴を有する。
フランジ付ナット41のフランジ裏面を、樹脂板12に当接してセットするステップと、そのセットされたフランジ付ナット41のナット部41bの端面に中心電極24aを当接し、フランジ表面に外周電極24bを当接するステップとを実行する。更に、中心電極24aと外周電極24b間にナット部41b及びフランジ部41cを介して電流を流し、この電流によりナット部41b及びフランジ部41cに生じる抵抗発熱で樹脂板12を溶融するステップと、樹脂板12の溶融部分を固化させてフランジ付ナット41を樹脂板12に接合するステップとを実行するようにした。
この方法によれば、電流i1が流れるナット部41b及びフランジ部41cに生じる抵抗発熱で、フランジ裏面に当接する樹脂板12が溶融し、この溶融部分にフランジ裏面が溶着又は入り込む。この状態で溶融部分を固化させると、フランジ裏面が樹脂板12に溶着又は入り込んだ状態でフランジ付ナット41が樹脂板12に一体に接合されるので、フランジ付ナット41を樹脂板12に、より強固に接合することができる。
<第5実施形態の変形例1>
第5実施形態の変形例1の特徴は、図20に示すように、フランジ付ナット41H1〜41H7のフランジ裏面に突起手段を設け、樹脂板12の溶融時に当接面積を増やした点にある。図20の(a1)〜(g1)はフランジ付ナットの縦方向の断面図であり、(a2)〜(g2)はフランジ付ナットのフランジ裏面の平面図である。
図20(a1)及び(a2)に示すフランジ付ナット41H1は、突起手段としての4つの凸部K1を、フランジ裏面に軸対象に設けた形状を成す。このフランジ付ナット41H1は、フランジ付ナット41H1のフランジ裏面を、図11に示すように樹脂板12にセットした際に、各凸部K1のみが樹脂板12に当接する。
この当接状態でフランジ部41cに電流i1を流すと、フランジ裏面が加熱されて各凸部K1も即時伝導加熱されるので、接触面積の小さい各凸部K1のみが樹脂板12を短時間で溶融する。この溶融部分に各凸部K1が入り込むと、各凸部K1以外のフランジ裏面が樹脂板12の表面に当接して加熱する。この時、各凸部K1が既に樹脂板12の中に入り込み樹脂板12を加熱しているので、その表面の加熱と併せて樹脂板12の加熱面積が増加し、樹脂板12をより短時間で溶融することができる。また、溶融後に樹脂板12を固化した状態では、各凸部K1が樹脂板12の中に入り込んで一体に結合されているので、樹脂板12へのフランジ付ナット41H1の接合強度をより強くすることができる。
このような加熱動作による短時間での溶融効果と、固化後の接合強度をより強くする効果は、後述する図20(b1)〜(g1)及び(b2)〜(g2)に示す構成のフランジ付ナット41H2〜41H7においても同様である。フランジ付ナット41H2〜41H7のフランジ裏面に設けられた突起手段は、上述の図8に示したフランジ表面に設けられた突起手段と同形状である。
図20(b1)及び(b2)に示すフランジ付ナット41H2は、フランジ裏面に突起手段としての周回凸部K2を設けた構成、図20(c1)及び(c2)に示すフランジ付ナット41H3は、フランジ裏面に突起手段としての先鋭凸部K3を設けた構成、図20(d1)及び(d2)に示すフランジ付ナット41H4は、フランジ裏面に突起手段としての先鋭周回凸部K4を設けた構成となっている。
図20(e1)及び(e2)に示すフランジ付ナット41H5は、フランジ裏面に突起手段としての角状凸部K5を設けた構成、図20(f1)及び(f2)に示すフランジ付ナット41H6は、フランジ裏面に突起手段としての連続角状凸部K6を設けた構成、図20(g1)及び(g2)に示すフランジ付ナット41H7は、フランジ裏面に突起手段としての連続先鋭凸部K7を設けた構成となっている。
これらのフランジ付ナット41H1〜41H7において、図20(a1)及び(a2)に示したフランジ付ナット41H1と、図20(c1)及び(c2)に示したフランジ付ナット41H3と、図20(e1)及び(e2)に示したフランジ付ナット41H5とは、凸部K1、先鋭凸部K3及び角状凸部K5が、フランジ裏面に、軸を中心に同心円に沿って離間状に設けられている。但し、凸部K1、先鋭凸部K3及び角状凸部K5のような突起手段は、同心円状でなくとも、ネジ部11bの周囲の円周方向に沿って離間状に設けてもよい。この凸部K1、先鋭凸部K3及び角状凸部K5は、上記の樹脂板12の溶融後の固化によって、フランジ付ナット41を回す回転方向に沿って離間状に入り込んで結合される。このため、フランジ付ナット41がこの回転方向に対して強い抗力で樹脂板12に接合されることになる。
なお、フランジ部41cのフランジ表面に、図9(a)に示した突起手段としての逆楔形状凸部T10を設けてもよい。同様に、フランジ表面に、図9(b)に示した突起手段としての逆楔形状凸部T11を設けてもよく、図9(c)に示した突起手段としての楔形状凸部T12を設けてもよい。更には、フランジ部41cのフランジ裏面に、図13(a)に示した突起手段としての逆楔形状凸部T10、図13(b)に示した突起手段としての逆楔形状凸部T11、図13(c)に示した突起手段としての楔形状凸部T12を設けてもよい。
<第6実施形態の構成>
図21は本発明の第6実施形態に係る金属樹脂接合体の製造方法を説明するための金属樹脂接合装置20A{図15(a)参照}及びフランジ付ナット41が組合された樹脂板12の構成を示す断面図である。
図21に示すように、樹脂板12に、フランジ付ナット41のフランジ裏面を当接してセットする。このセットされたフランジ付ナット41のナット部41bが、中心電極24aの開口穴24a1に挿入されるように中心電極24aを移動し、更に中心電極24aの開口穴24a1の周縁部がフランジ表面に当接するまで移動する。次に、外周電極24bをフランジ表面に当接するまで移動する。
この移動により、中心電極24a及び外周電極24bがフランジ表面に所定圧力で当接した後に、中心電極24aから外周電極24bへフランジ部41cを介して電流i1を流す。この電流i1は、中心電極24aの開口穴24a1を形成する筒状部分を流れ、フランジ部41cを経由して外周電極24bへ流れる。このため、電流i1は、フランジ部41cに環状に流れて抵抗加熱する。このようにフランジ部41cが加熱され、樹脂溶融可能温度になると、フランジ部41cのフランジ裏面に当接する樹脂板12の部位が溶融(樹脂溶融部12b)する。
この溶融後に電流i1を止め、樹脂板12を冷却すると樹脂溶融部12bが固化し、フランジ付ナット41に接合される。即ち、フランジ裏面が樹脂板12に溶着又は入り込んだ状態でフランジ付ナット41が樹脂板12に一体に接合されるので、フランジ付ナット41を樹脂板12に、より強固に接合することができる。また、その接合を人体に無害且つ短時間で簡単に行うことができる。
フランジ付ナット41として、上述の図20に示したフランジ付ナット41H1〜41H7を用いても、フランジ付ナット41H1〜41H7を樹脂板12に、より強固に接合することができ、その接合を人体に無害且つ短時間で簡単に行うことができる。
この他、図22に示すように、ナット部41bが樹脂板12の貫通孔12aに挿通され、フランジ表面が樹脂板12に当接されている場合に、金属樹脂接合装置20Aを用いてもよい。この場合、中心電極24aの開口穴24a1の周縁部及び外周電極24bを、フランジ裏面に所定圧力で当接して電流i1を流す。これによっても、フランジ表面が樹脂板12に溶着又は入り込んだ状態でフランジ付ナット41が樹脂板12に一体に接合されるので、より強固に接合することができる。また、その接合を人体に無害且つ短時間で簡単に行うことができる。
更に、図23に示すように、金属樹脂接合装置20Bとして、外周電極24bの先端を平面24b1として上記同様に、ボルト11又はフランジ付ナット41の樹脂板12への接合を行っても上記同様の効果が得られる。
その他、具体的な構成について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
上述の図5(a)に示したように、受圧部35の端面に樹脂板12をセットし、この樹脂板12にボルト11をセットしていた。そして、図5(b)に示したように、中心電極24a及び外周電極24bをボルト11の頭部11aに当接していた。この様態を次のようにしてもよい。
即ち、中心電極24a及び外周電極24bに予めボルト11又はフランジ付ナット41を当接して保持してもよい。この保持は、ボルト11又はフランジ付ナット41が磁性体金属であれば磁石で吸着し、磁性体以外の金属であればエアー吸引等で吸着して行う。
また、金属樹脂接合装置20を、アーム32を無くした構造としてもよい。この場合、上記のように各電極24a,24bに予めボルト11又はフランジ付ナット41を吸着して使用する。この接合装置20で片側溶接のように、樹脂板12の所定位置にボルト11又はフランジ付ナット41を接合する。
更に、接合装置20を床に固定する定置型とし、各電極24a,24bに予めボルト11又はフランジ付ナット41を吸着しておき、この定置型の接合装置20に樹脂板12を搬送して、樹脂板12の所定位置にボルト11又はフランジ付ナット41を接合する。
樹脂板12におけるボルト11又はフランジ付ナット41の接合面に、予めシランカップリング剤を塗布してもよい。シランカップリング剤は、無機物と有機物との接合剤である。樹脂板12は有機物で、ボルト11又はフランジ付ナット41は無機物なので、接合強度がでないが、樹脂板12にシランカップリング剤を塗布しておくことにより、樹脂板12と、ボルト11又はフランジ付ナット41との接合に接合強度をより強くすることができる。
更に、樹脂板12として、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を使用する場合は、熱硬化性樹脂の上に、熱で溶融するプラスチック製のワッシャを介在させてボルト11又はフランジ付ナット41を接合する。
11,11G1〜11G7,11G10〜11G12,11H1〜11H7,11H10〜11H12 ボルト
11a 頭部(接合部)
11b ネジ部(雄ネジ部)
11c 頭部座面部
11d 頭部の平面
T1 凸部(突起手段)
T2 周回凸部(突起手段)
T3 先鋭凸部(突起手段)
T4 先鋭周回凸部(突起手段)
T5 角状凸部(突起手段)
T6 連続角状凸部(突起手段)
T7 連続先鋭凸部(突起手段)
T10,T11 逆楔形状凸部(突起手段)
T12 楔形状凸部(突起手段)
12 樹脂板
12b 樹脂溶融部
20,20A,20B 金属樹脂接合装置
24a 中心電極
24a1 開口穴
24b 外周電極
24b1 平面
35 受圧部
35a 受圧部の穴
41,41G1〜41G7,41H1〜41H7, フランジ付ナット
41a ネジ穴
41b ナット部(雌ネジ部)
41c フランジ部(接合部)
K1 凸部
K2 周回凸部
K3 先鋭凸部
K4 先鋭周回凸部
K5 角状凸部
K6 連続角状凸部
K7 連続先鋭凸部
i1 電流

Claims (10)

  1. 接合部から突出部が突出する形状の金属製の小物部品を、熱可塑性の樹脂材に接合する金属樹脂接合体の製造方法において、
    前記小物部品に当接される中心電極と、この中心電極を環状に囲むように前記小物部品に当接され、当該中心電極との間に当該小物部品を介して電流が流される外周電極とを備える金属樹脂接合装置を用い、
    前記小物部品の接合部の一面側が前記樹脂材に当接され、当該接合部の他面側が前記中心電極及び前記外周電極に当接された状態で、当該中心電極及び当該外周電極間に当該小物部品を介して電流を流し、この電流により小物部品に生じる抵抗発熱で当該樹脂材を溶融するステップと、
    前記樹脂材の溶融部分を固化させて前記小物部品を前記樹脂材に接合するステップと、
    前記小物部品の突出部が前記樹脂材に形成された貫通孔に挿通されて当該樹脂材に前記接合部が当接され、この当接面と反対側の接合部の面が前記中心電極及び前記外周電極に当接された状態で、当該中心電極と当該外周電極間に当該小物部品を介して電流を流し、この電流により当該接合部に生じる抵抗発熱で前記樹脂材を溶融するステップと、
    前記樹脂材の溶融部分を固化させて前記小物部品を前記樹脂材に接合するステップと
    を実行することを特徴とする金属樹脂接合体の製造方法。
  2. 接合部から突出部が突出する形状の金属製の小物部品を、熱可塑性の樹脂材に接合する金属樹脂接合体の製造方法において、
    前記小物部品に当接される中心電極と、この中心電極を環状に囲むように前記小物部品に当接され、当該中心電極との間に当該小物部品を介して電流が流される外周電極とを備える金属樹脂接合装置を用い、
    前記金属樹脂接合装置は、前記中心電極の端面から開口して奥行き方向に空洞となり、前記突出部を挿入可能な深さと内径を有する開口穴を備え、
    前記小物部品の接合部の一面側が前記樹脂材に当接され、当該接合部の他面側が前記中心電極及び前記外周電極に当接された状態で、当該中心電極及び当該外周電極間に当該小物部品を介して電流を流し、この電流により小物部品に生じる抵抗発熱で当該樹脂材を溶融するステップと、
    前記樹脂材の溶融部分を固化させて前記小物部品を前記樹脂材に接合するステップと、
    前記接合部の突出部と反対側の面が前記樹脂材に当接され、前記開口穴に前記突出部が挿入されて当該接合部の突出部側の面に前記中心電極及び前記外周電極が当接された状態で、当該中心電極と当該外周電極間に前記小物部品を介して電流を流し、この電流により当該接合部に生じる抵抗発熱で前記樹脂材を溶融するステップと、
    前記樹脂材の溶融部分を固化させて前記小物部品を前記樹脂材に接合するステップと
    を実行することを特徴とする金属樹脂接合体の製造方法。
  3. 前記接合部の突出部側の面及び当該接合部の突出部と反対側の面のうち少なくとも前記樹脂材に当接する方に、前記樹脂材に向かって突出する突起手段が形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属樹脂接合体の製造方法。
  4. 前記突起手段は、前記突出部の軸の周回方向に沿って離間状に複数設けられている
    ことを特徴とする請求項に記載の金属樹脂接合体の製造方法。
  5. 前記突起手段は、前記突出部の軸を周回する形状で突出し、この突出部分が前記突出部側に傾斜した第1逆楔形状凸部の形状を成す
    ことを特徴とする請求項に記載の金属樹脂接合体の製造方法。
  6. 前記突起手段は、前記突出部の軸を周回する形状で突出し、この突出部分の断面形状が基端側よりも先端側が幅広となった第2逆楔形状凸部の形状を成す
    ことを特徴とする請求項に記載の金属樹脂接合体の製造方法。
  7. 前記突起手段は、前記突出部の軸を周回する形状で突出し、この突出部分の断面形状が先細った楔形状凸部の形状を成す
    ことを特徴とする請求項に記載の金属樹脂接合体の製造方法。
  8. 前記小物部品は、頭部と当該頭部から突出する雄ネジ部とを有するボルトであり、
    前記接合部は、前記頭部であり、
    前記突出部は、前記雄ネジ部である
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の金属樹脂接合体の製造方法。
  9. 前記小物部品は、筒状の雌ネジ部と当該雌ネジ部の一端から径方向に延出するフランジ部とを有するナットであり、
    前記接合部は、前記フランジ部であり、
    前記突出部は、前記雌ネジ部である
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の金属樹脂接合体の製造方法。
  10. 前記熱可塑性の樹脂材に代えて熱硬化性の樹脂材に前記小物部品を接合する場合において、当該熱硬化性の樹脂材に熱で溶融するプラスチック製のワッシャを介在させて前記小物部品の接合部を当接する
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の金属樹脂接合体の製造方法。
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